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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-17
(45)【発行日】2023-03-28
(54)【発明の名称】乳布止め器具
(51)【国際特許分類】
   G09F 17/00 20060101AFI20230320BHJP
【FI】
G09F17/00 P
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022208337
(22)【出願日】2022-12-26
【審査請求日】2022-12-26
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】504097812
【氏名又は名称】株式会社アイエンス
(74)【代理人】
【識別番号】722015498
【氏名又は名称】佐藤 哲男
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 哲男
【審査官】富士 春奈
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-350266(JP,A)
【文献】特開平9-297551(JP,A)
【文献】特開2009-25467(JP,A)
【文献】特開平9-325721(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポールに挿通された旗の乳布を固定するための乳布止め器具であって、
第1の方向に延伸する基板部と,
前記基板部の前面側に配置され、一端側が前記基板部の基板頂部に接続固定される二股部と、
前記基板部の裏面に設けられ、凸形状を有するガイド部と、を備え、
前記基板部と前記二股部との間には、前記乳布を挟むための所定の幅を有する空隙が設けられており、
前記乳布を前記ポールに固定する際に、前記ガイド部が前記ポールの外周面に当接することにより、前記ポールと前記基板部との間の間隙が所定の値となるように設定されることを特徴とする乳布止め器具。
【請求項2】
前記ガイド部は、前記基板部の基板頂部近傍に設けられており、当該ガイド部の延伸方向と前記基板部の裏面が延伸する第1の方向と成す角度が鈍角となるように、前記基板部の裏面に対して上方側に傾斜して形成されていることを特徴とする請求項1に記載の乳布止め器具。
【請求項3】
前記ガイド部は、先端部が緩やかに湾曲して延伸する略半円の形状、又は先端部が尖った略三角形の形状を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の乳布止め器具。
【請求項4】
前記ガイド部は、前記第1の方向に対して分離して上下に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の乳布止め器具。
【請求項5】
前記基板部と前記二股部との間に設けられた前記空隙の幅が、前記第1の方向に沿って、前記基板頂部側にいくほど徐々に小さくなるように構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の乳布止め器具。
【請求項6】
前記ガイド部は、前記基板部の裏面に、前記第1の方向と交差する第2の方向に互いに対向して少なくとも1対設けられていること特徴とする請求項1に記載の乳布止め器具。
【請求項7】
前記ガイド部は、前記基板部の前記基板頂部近傍に設けられた第1ガイド部と、前記第1の方向と交差する第2の方向に対して互いに対向して設けられ、前記第1の方向に延伸する第2ガイド部を有することを特徴とする請求項1に記載の乳布止め器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乳布止め器具に関するものである。さらに詳しくは、ポールに装着させた昇り旗(以下、旗という。)の乳布に装着して、旗の巻き上がりを防止する乳布止め器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
店頭、展示場等では、商店の開店広告、新製品の発売の広告、キャンペーン商品の広告等を、旗に記載して、大衆に誘致せしめるために、ポールを、旗の「みみ」に設けられた乳布に通して、店頭、展示場の入り口等に配置している。このポールに装着された旗は、その広告効果を高めるため、屋外に配置されており、そのため、旗は、風によりポールの上部に巻き上げられ、旗に記載された広告等が見えなくなっていた。
【0003】
そこで、旗をポールに装着し、旗に設けられた乳布の最下部の乳布を固定する、あるいは、この乳布を動きにくくする乳布ストッパが使用されている。このような乳布ストッパは、ポールが通された旗に設けられた乳布を止めて、旗をポールに固定するために用いられるものである。
【0004】
特許文献1(特開平9-297551)には、二股体の差込口を、乳布の上部から、挟み込むように差し込んで止める乳布止め器具が開示されている
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平9-297551
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
また、引用文献1には、旗が巻き上がろうとする時に二股体がポールのストッパにぶつかってその巻き上がりが制止されると共に、ポールと乳布との間の隙間により、乳布は、旗と共に周方向に移動し、風により旗が巻き付くことがなくなることが記載されている。しかし、乳布止め器具を用いて、乳布をポールに固定する際に、ポールと乳布との間の隙間を適切に設定することは難しく、固定するごとにこの隙間にばらつきが生じることがあった。例えば、乳布とポールとの隙間がなく、乳布をポールに近接して固定した場合は、乳布がポールの周方向に移動できなくなるので、旗が風で翻り、旗の下端がポールに巻き付いてしまう。一方、乳布とポールとの隙間が大きい状態で固定した場合は、乳布がポールのストッパをすり抜けてしまい、旗の巻き上がりが防止できなくなる場合があった。求められているのは、個人差によらず、誰でも簡単に、且つ再現性良く、乳布とポールとの隙間を設定可能な乳布止め器具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る乳布止め器具は、ポールに挿通された旗の乳布を固定するための乳布止め器具であって、第1の方向に延伸する基板部と,前記基板部の前面側に配置され、一端側が前記基板部の基板頂部に接続固定される二股部と、前記基板部の裏面に設けられ、凸形状を有するガイド部とを備える。前記基板部と前記二股部との間には、前記乳布を挟むための所定の幅を有する空隙が設けられている。さらに、前記乳布を前記ポールに固定する際に、前記ガイド部が前記ポールの外周面に当接することにより、前記ポールと前記基板部との間の間隙が所定の値となるように設定されることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る乳布止め器具では、二股部に乳布を挿入し挟み込むと共に、二股部と基板部との間に設けられた空隙に乳布を挿入し挟み込むことにより、乳布を確実に固定することができる。さらに、基板部の裏面に凸形状を有するガイド部を設けることにより、乳布止め器具を用いて乳布を挟んで固定するときに、乳布がポールの周方向への回動が可能な状態で、且つ、乳布の緩み等が小さい状態で、ポールから適切な距離を維持しながら固定することができる。この結果、風向きに従って、旗が翻り方向に自由に回動することができるので、ポールに旗が巻き付くことを好適に防止できる。
【0009】
また、本発明に係る乳布止め器具において、前記ガイド部は、前記基板部の基板頂部近傍に設けられており、当該ガイド部の延伸方向と前記基板部の裏面が延伸する第1の方向と成す角度が鈍角となるように、前記基板部の裏面に対して上方側に傾斜して形成されていることを特徴としてもよい。ガイド部が基板部の裏面に対して上方側に傾斜して形成されているので、風速により乳布が、ポールの上方へ持ち上がる場合であっても、ポール継手にガイド部の先端部が当接し、ポール継手をストッパとして利用することで、旗の巻き上がりを好適に防止することができる。
【0010】
また、本発明に係る乳布止め器具において、前記ガイド部は、先端部が緩やかに湾曲して延伸する略半円の形状、又は先端部が尖った略三角形の形状を有することを特徴としてもよい。ガイド部の先端部が緩やかに湾曲して延伸する略半円の形状、又は先端部が尖った略三角形の形状を有することにより、ガイド部の先端部をポールに当接させて、乳布止め器具を用いて乳布を挟んで固定したときに、ポールとガイド部とがほぼ点接触となる状態で当接することができる。これにより、乳布がポールの周方向へ回動するのに合わせて、乳布止め器具のガイド部がポールに当接しながら回動するときのポールとガイド部4との当接面での摩擦を小さくできるので、スムーズに乳布が回動することができ、より好適にポールに旗が巻き付くことを防止できる。
【0011】
また、本発明に係る乳布止め器具において、前記ガイド部は、前記第1の方向に対して分離して上下に配置されていることを特徴としてもよい。ガイド部が、第1の方向に対して分離して上下に配置されているので、上下方向の2点でポールの外周面に当接することができる。この結果、乳布止め器具とポールとがほぼ平行に配置され、乳布止め器具の基板部の裏面とポールとの間の間隙(距離)が、上下方向(第1の方向)でほぼ同じ値となるような状態で、乳布をポールに固定することができる。
【0012】
また、本発明に係る乳布止め器具において、前記基板部と前記二股部との間に設けられた前記空隙の幅が、前記第1の方向に沿って、前記基板頂部側にいくほど徐々に小さくなるように構成されていることを特徴としてもよい。乳布の厚みにばらつきがあったり、或いは異なる厚みの乳布を挟み込む場合であっても、乳布を二股部と基板部との間に挟み込んで確実に固定することができる。
【0013】
また、本発明に係る乳布止め器具において、前記ガイド部は、前記基板部の裏面に、前記第1の方向と交差する第2の方向に互いに対向して少なくとも1対設けられていること特徴としてもよい。ガイド部をポールに当接した時に、第2の方向に(左右に)互いに対向して少なくとも1対設けられているガイド部が、ポールに当接して、乳布をポールに固定することができる。つまり、乳布止め器具が第2の方向に対して、ほぼ平行となる状態で、乳布を固定することができる。
【0014】
また、本発明に係る乳布止め器具において、前記ガイド部は、前記基板部の前記基板頂部近傍に設けられた第1ガイド部と、前記第1の方向と交差する第2の方向に対して互いに対向して設けられ、前記第1の方向に延伸する第2ガイド部を有することを特徴としてもよい。第2ガイド部を設けることにより、基板部の裏面とポールとの間の間隙(距離)が、第2の方向(左右方向)でほぼ同じ値となるような状態で、乳布をポールに固定することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る乳布止め器具は、第1の方向に延伸する基板部と,基板部の前面側に配置され、一端側が基板部の基板頂部に接続固定される二股部とを備える。二股部に乳布を挿入し挟み込むと共に、二股部と基板部との間に設けられた空隙に乳布を挿入し挟み込むことにより、乳布を確実に固定することができる。さらに、基板部の裏面に凸形状を有するガイド部を設けることにより、乳布止め器具を用いて乳布を挟んで固定するときに、乳布がポールの周方向への回動が可能な状態で、且つ、乳布の緩み等が小さい状態で、ポールから適切な距離を維持しながら固定することができる。この結果、風向きに従って、旗が翻り方向に自由に回動することができるので、ポールに旗が巻き付くことを好適に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、第1の実施形態に係る乳布止め器具の斜視図を概略的に示す図である。図1(a)は、第1の実施形態に係る乳布止め器具の表面側から観た斜視図を示し、図1(b)は、裏面側から観た斜視図を示す。
図2図2は、乳布止め器具の正面図及び側面図を概略的に示す図である。 図2(a)に、図1の乳布止め器具の正面図を示す。また、図2(b)に図1の乳布止め器具の側面図を示す。
図3図3は、図2(b)のA部を拡大した拡大図である
図4図4は、乳布止め器具を用いて、旗の乳布をポールに挿通して固定した状態を説明するための図である。なお、図4(b)は、図4(a)の乳布止め器具により乳布を固定した固定部分Bの拡大図を示したものである。
図5図5は、乳布止め器具のガイド部の変形例を説明するための図である。
図6図6は、第1の実施形態に係る変形例を概略的に示す図である。図6(a)は、変形例の乳布止め器具の表面側から観た斜視図を示し、図6(b)は、裏面側から観た斜視図を示す。また、図6(c)は、変形例の乳布止め器具の側面図を概略的に示す。
図7図7は、第2の実施形態に係る乳布止め器具の斜視図を概略的に示す図である。図7(a)は、第2の実施形態に係る乳布止め器具の表面側から観た斜視図を示し、図7(b)は、裏面側から観た斜視図を示す。また、図7(c)は、第2の実施形態に係る乳布止め器具の側面図を示す。
図8図8は、第3の実施形態に係る乳布止め器具の斜視図を概略的に示す図である。図8(a)は、第1の実施形態に係る乳布止め器具の表面側から観た斜視図を示し、図8(b)は、裏面側から観た斜視図を示す。また、図8(c)は、第1の実施形態に係る乳布止め器具の側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
いくつかの実施形態に係る乳布止め器具を、以下に図面を参照しつつ説明する。以下の説明では、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付する。また、説明中、「上」、「下」、「左」、右等の方向を示す語は、図面に示された状態に基づいた便宜的な語である。
【0018】
(第1の実施形態)
図1に、第1の実施形態に係る乳布止め器具1の斜視図を概略的に示す。図1(a)は、乳布止め器具1の表面側から観た斜視図を示し、図1(b)は、裏面側から観た斜視図を示す。図2に乳布止め器具1の正面図及び側面図を概略的に示す。図3に、図2のA部を拡大した図を示す。また、図4に、乳布止め器具1を用いて、旗の乳布11をポール10に挿通して固定した状態を説明するための図を示す。なお、図4(b)には、図4(a)の乳布止め器具1により乳布11を固定した固定部分Bの拡大図を示す。
【0019】
一般的に、店頭、展示場等において、商店の開店広告、新製品の発売の広告、キャンペーン商品の広告等を旗に記載し、この旗をポールに装着して、店頭、展示場の入り口等に配置している。旗をポールに装着する際は、旗の「みみ」に設けられたリング形状の輪部を有する乳布を用いる。例えば、この乳布の輪部にポールを通して、旗をポールに固定している。しかし、乳布にポールを通しただけでは、例えば旗が風により巻き上がったり、ポールに巻き付いたりすることがある。本実施形態に係る乳布止め器具1は、図4に示すように、このような旗の風による巻き上がり等を防止するために、乳布11を適当な位置で固定するために用いられる。
【0020】
図1に示すように、乳布止め器具1は、第1の方向(長さ方向)に延伸する板状の基板部2と,基板部2の前面側に配置された二股部3と、基板部2の裏面に設けられ凸形状を有するガイド部4を有することができる。乳布止め器具1は、例えば、ポリカーボネート等のプラスチック樹脂、或いはアルミニウム、鉄、銅、ステンレス等の金属からなることができる。
【0021】
二股部3の一端側は、基板部2の一端側である基板頂部2aで接続固定されている。二股部3と基板部2との間には、乳布を挿入し挟み込むための所定の空隙が設けられている。一方、二股部3の他端側は、乳布を通して挟み込むために、先端が開放された状態になっている。また、二股部3は、その長さ方向(第1の方向)で略中央上部に、二股部3の延伸方向に延伸する切欠部3cを設けて狭持部3a及び3bを構成している。換言すると、狭持部3a及び3bの間に、二股部3の延伸方向に延伸する切欠部3cが設けられている。挟持部3a、及び3bの先端側は、乳布を挿入し易いように、二股部3の延伸方向に対して外側に屈曲している。また、屈曲した挟持部3a、及び3bの先端側を細く尖った形状とすることができる。
【0022】
また、基板部2の他端側には、差込部2bが設けられている。差込部2bは、乳布11のリング状の輪部に乳布止め器具1を挿入するために、先端部が徐々に細くなるようなテーパ形状を有することができる。
【0023】
また、図2(a)を参照すると、二股部3の狭持部3a及び3bの切欠部3c側には、二股部3の切欠部3cに乳布11を挿入し挟み込んだときに、乳布11が外れにくいようにするための鋸歯状の返し部5(5a、5b)が、狭持部3a及び3bの延伸方向に交互に設けられている。
【0024】
また、二股部3と基板部2との間に設けられた空隙に乳布11を挿入し挟み込むことで、乳布11を固定することができる。図3(a)及び(b)に、二股部3と基板部2との間に設けられた空隙の形状の一例を示した。図3(a)では、二股部3と基板部2との間に設けられた空隙の幅が、基板部2の延伸方向に沿って、ほぼ同じ大きさとなるように設計されている。
【0025】
一方、図3(b)では、二股部3と基板部2との間に設けられた空隙の幅が、基板部2の延伸方向に沿って、上方の基板頂部2a側にいくほど徐々に小さくなるように設計されている。本実施形態では、二股部3と基板部2との間に設けられた空隙の幅が徐々に小さくなるようにするために、基板部2の厚みを差込部2bから基板頂部2aの方向にいくにしたがって、徐々に大きくなるようにすることができる。これにより、乳布11の厚みにばらつきがあったり、或いは異なる厚みの乳布を挟み込む場合であっても、乳布11を二股部3と基板部2との間に挟み込んで確実に固定することができる。
【0026】
以上で説明したように、乳布止め器具1の二股部に乳布を挿入し挟み込むと共に、二股部と基板部との間に設けられた空隙に乳布を挿入し挟み込むことにより、乳布を確実に固定することができる。
【0027】
次に、ガイド部4について、詳細に説明する。図1及び図2を参照すると、ガイド部4は、基板部2の裏面の頂部近傍に取り付けられている。また、図4に示したように、ガイド部4は、乳布止め器具1を用いて乳布11を挟んで固定するときに、乳布11を挟む位置として、ポールからの距離を適切に設定するために設けられている。
【0028】
後で詳しく説明するが、旗13に設けられた乳布11を乳布止め器具1を用いて固定することによって、旗13の巻き上がりを防止したり、旗13がポール10に巻き付くことを防止することができる。しかし、乳布11を挟む位置が適切でなく、ポール10からの距離が大きすぎると、乳布11がポール10に固定されずに、上方に簡単に移動してしまう場合がある。一方、ポール10からの距離が小さすぎた場合、乳布11が強く締め付けられポール10に固着して、旗13がポール10に巻き付き、乳布止め器具1の機能がうまく発揮されない場合がある。ガイド部4を設けることで、乳布11を挟む位置を、ポール10から適切な距離となるように設定することができる。
【0029】
次に、図4を参照しながら、乳布止め器具1の使用方法について説明する。乳布止め器具1は、旗13に設けられた乳布11を挟持して固定することにより、乳布11が形成された旗13の巻き上がりを防止するために用いられる。図4に示したように、旗13が、旗13に取り付けられた乳布11を介して、ポール10に装着される。例えば、旗13には、旗の「みみ」である側辺にリング状の輪部を有する乳布11が複数設けられている。また、旗13の上辺には、同様にリング状の輪部を有する上部乳布12が複数設けられている。旗13の側辺に設けられた乳布11にポール10が挿通されて、旗13がポール10に装着されている。また、旗13の上辺に設けられた上部乳布12に、ポール10の上部に設けられた張り出し支竿14が挿通されている。通常ポール10は、長さ方向(延伸方向)に伸縮自在となるようにポール継手20により2つの円筒状ポール部材が連結されている。
【0030】
ポール10に挿通した複数の乳布11の内、ポール継手20の下側でポール継手20に最も近い位置にある乳布11を乳布止め器具1を用いて固定することができる。これにより、乳布11が上方に移動し、旗13が巻き上がった場合でも、乳布11を固定した乳布止め器具1が、ポール継手20に当接し、ポール継手20をストッパとして利用することで、旗13の巻き上がりを防止することができる。乳布11を乳布止め器具1を用いて固定する際は、例えば、乳布11を、ポール10の周りに緩やかに嵌装させるように摘み、ポール10が挿入された乳布11の輪部を合わせるようにする。その後、乳布止め器具1のガイド部4をポール10の外周表面に当接させ、ガイド部とポールとの間に隙間が生じないようにガイド部をポール10の外周表面に当接させながら、差込部2bを乳布11のリング状の輪部に挿入する。さらに、乳布止め器具1の二股部3の差込口3dに、乳布11の上部から挟み込むようにして合わさった乳布11を差し込む。これにより、乳布11を挟む位置を、ポールから適切な距離となるように設定することができる。
【0031】
このように、乳布止め器具1を用いて、乳布11がポール10の周方向への回動が可能な状態で、且つ、乳布の緩み等が小さい状態で乳布11をポール10から適切な距離を維持しながら固定することができる。この結果、風向きに従って、旗13が翻り方向に自由に回動することができるので、ポール10に旗13が巻き付くことを好適に防止できる。さらに、風速により乳布11が、ポール10の上方へ持ち上がる場合は、ポール継手20に乳布止め器具1のガイド部4が当接して係止されるので、旗13が巻き上がるのを防止することができる。
なお、本実施形態では、ポール継手20の下側でポール継手20に最も近い位置にある乳布11を乳布止め器具1を用いて固定する場合を説明したが、旗に設けられた他の乳布11を、乳布止め器具1を用いて固定できることは言うまでもない。
【0032】
図1及び図2を参照すると、ガイド部4は、先端部が緩やかに湾曲して延伸する略半円の形状を有する板状部材から成ることができる。ガイド部4が、このような形状を有することにより、ガイド部4の先端部をポール10に当接させて、乳布止め器具1を用いて乳布を挟んで固定したときに、ポール10とガイド部4とがほぼ点接触となる状態で当接することができる。これにより、乳布11がポール10の周方向へ回動するのに合わせて、乳布止め器具1のガイド部4がポール10に当接しながら回動するときのポールとガイド部4との当接面での摩擦を小さくできるので、スムーズに乳布11が回動することができる。この結果、より効果的に、ポール10に旗13が巻き付くことを防止できる。
【0033】
ガイド部4は、基板部2の延伸方向に対して、交差する方向に延伸しており、このガイド部4の延伸方向の長さは、例えば約6mm~10mm程度とすることができる。本実施形態では、ガイド部4の延伸方向の長さを約8mm程度に設定している。また、基板部2の裏面からガイド部4の頂部までの距離は、約3mm~6mm程度とすることができる。本実施形態では、基板部2の裏面からガイド部4の頂部までの距離は、4mm程度とすることができる。
【0034】
また、図2(b)の側面図に示したように、ガイド部4は、その延伸方向が、基板部2の延伸方向と鈍角となるように、当該ガイド部4の延伸方向と前記基板部2の裏面が延伸する第1の方向(上下方向)と成す角度が鈍角となるように、基板部2の裏面に対して上方側に傾斜して形成されている。ガイド部4の延伸方向と基板部2の延伸方向との成す角度は、例えば約115度~約155度の範囲とすることができる。本実施形態では、ガイド部4の延伸方向と基板部2の延伸方向との成す角度は、約135度程度としている。ガイド部4の延伸方向と基板部2の延伸方向との成す角度が鈍角となるようにガイド部4を基板部2に取り付けることで、ガイド部4がポールの外周面に沿って上方に移動したときに、ポール10のポール継手20にガイド部4が当接することで、ポール接手20がストッパとして機能し、これ以上、上部に移動することを防止できる。この結果、旗の巻き上がりが好適に防止されるとともに、風が凪ぐと速やかに所定位置に戻される。
【0035】
次に、乳布止め器1の変形例について説明する。図5に、本実施形態に係る乳布止め器具の変形例を概略的に示す。図5(a)は、変形例の乳布止め器具1の裏面側から観た斜視図を示し、図5(b)は、側面図を示す。図5に示したように、乳布止め器1は、基板部2の裏面の頂部近傍に設けられたガイド部4aと、差込部2b近傍に設けられたガイド部4bとを有することができる。
【0036】
ガイド部4aは、先端部が緩やかに湾曲して延伸する略半円の形状を有する板状部材から成ることができる。また、ガイド部4bも、先端部が緩やかに湾曲して延伸する略半円の形状を有する板状部材から成ることができる。ガイド部4a、及び4bが、このような形状を有することにより、ガイド部4a、及び/又はガイド部4bの先端部をポール10に当接させて、乳布止め器具1を用いて乳布を挟んで固定したときに、ポール10とガイド部4a、及び/又はガイド部4bとがほぼ点接触となる状態で当接することができる。これにより、乳布11がポール10の周方向へ回動するのに合わせて、乳布止め器具1のガイド部4a、及び/又はガイド部4bがポール10に当接しながら回動するときのポールとガイド部4a、及び/又はガイド部4bとの当接面での摩擦を小さくできるので、スムーズに乳布11が回動することができる。また、本実施形態では、ガイド部4a及びガイド部4bは、それぞれ基板部2の基板頂部2a近傍、及び差込部2b近傍との上下2箇所に設けられている。これにより、乳布11が装着されるポール10の延伸方向(上下方向)の2点で乳布止め器具1のガイド部4a及びガイド部4bがポール10の外周面に当接するので、乳布止め器具1とポール10とがほぼ平行に配置され、乳布止め器具1の基板部2の裏面とポール10との間の間隙(距離)が、上下方向(第1の方向)でほぼ同じ値となるような状態で、乳布11をポール10に固定することができる。
【0037】
次に、ガイド部4の変形例について説明する。図5に、乳布止め器具1のガイド部4の変形例を説明するための図を示した。図5(a)又は(b)に示したガイド部4は、先端部が尖った凸上の略三角形の形状を有する板状部材から成ることができる。ガイド部4の先端部を尖った凸上の略三角形の形状とすることで、ガイド部4の先端部をポールに当接して、乳布を乳布止め器具1を用いて固定したときに、ガイド部4とポールとの当接面の摩擦をより小さくすることができる。この結果、乳布止め器具1により乳布をポールに固定した状態で、ガイド部4がポールの外周面に当接しながら外周面に沿ってよりスムーズに移動(回転)することができる。なお、図5(a)及び(b)に示したガイド部4を有する乳布止め器具1においても、図1に示した乳布止め器具1と同様に、ガイド部4の延伸方向の長さ、及びガイド部4の延伸方向と基板部2の延伸方向との成す角度については、ほぼ同様の値となるように設計することができる。また、ガイド部4の形状として、図5(b)に示したように、ガイド部4の略三角形の形状として、ガイド部4の先端がより尖った形状を有するように形成してもよい。
【0038】
また、図5(c)に、別に変形例を示す。図5(c)に示したガイド部は、図5(b)に示したガイド部の先端部に略半円状の凹部を有することができる。ガイド部の先端部に凹部を設けることで、乳布止め器具1により乳布をポールに固定した状態で、ガイド部の先端部の凹部が、ポールの外周面にフィットするので、ガイド部4がポールに当接しながら外周面に沿って、より安定して回動することができる。
【0039】
次に、ガイド部4の別の変形例について説明する。図6に、乳布止め器具1のガイド部4の変形例を説明するための図を示した。図6において、図6(a)は、乳布止め器具1の表面側から観た斜視図を示し、図6(b)は、裏面側から観た斜視図を示す。また、図6(c)は、乳布止め器具1の側面図を概略的に示す。
【0040】
図6を参照すると、乳布止め器具1の基板部2の裏面に設けられたガイド部4を有することができる。図6に示した乳布止め器具1では、ガイド部4として、上部ガイド部4aが、基板部2の裏面の頂部2a近傍に取り付けられている。さらに、基板部2の裏面の下方側には、上部ガイド部4aに対向して、下部ガイド部4bが設けられている。なお、基板部2の裏面に、上部ガイド部4a及び下部ガイド部4bが設けられている以外は、図1に示した乳布止め器具1と同様の構成を有するので、特に説明が必要な場合を除いて、説明を省略する。
【0041】
本実施形態において、上部ガイド部4aは、先端部が緩やかに湾曲して延伸する略半円の形状を有する板状部材から成ることができる。ガイド部4aが、このような形状を有することにより、ガイド部4aの先端部をポール10に当接させて、乳布止め器具1を用いて乳布を挟んで固定したときに、ポール10とガイド部4aとがほぼ点接触となる状態で当接することができる。これにより、乳布11がポール10の周方向へ回動するのに合わせて、乳布止め器具1のガイド部4aがポール10に当接しながら回動するときのポールとガイド部4aとの当接面での摩擦を小さくできるので、スムーズに乳布11が回動することができる。この結果、より効果的に、ポール10に旗13が巻き付くことを防止できる。また、ガイド部4aは、その延伸方向が、基板部2の延伸方向と鈍角となるように基板部2に取り付けられている。ガイド部4の延伸方向と基板部2の延伸方向との成す角度は、例えば約115度~155度程度とすることができる。これにより、ガイド部4aがポールの外周面に沿って上方に移動したときに、ポール10のポール継手20にガイド部4が当接することで、ポール接手20がストッパとして機能し、これ以上、上部に移動することを防止できる。
【0042】
一方、図6において、下部ガイド部4bが、上部ガイド部4aと対向して、基板部2の下方側に設けられている。本実施形態では、下部ガイド部4bは、先端部が緩やかに湾曲して延伸する略半円の形状を有する板状部材から成ることができる。ガイド部4aが、このような形状を有することにより、ガイド部4aの先端部をポール10に当接させて、乳布止め器具1を用いて乳布を挟んで固定したときに、ポール10とガイド部4aとがほぼ点接触となる状態で当接することができる。また、下部ガイド部4aは、基板部2の裏面が延伸する方向に、ほぼ垂直に設けることができる。
【0043】
図6を参照すると、上部ガイド部4a、及び下部ガイド部2bが、所定距離離間して、基板部2の裏面の上下に2箇所に設けられている。これにより、乳布11が装着されるポール10の延伸方向(上下方向)の2点で乳布止め器具1の上部ガイド部4a、下部ガイド部4bがポール10の外周面に当接するので、乳布止め器具1とポール10とがほぼ平行に配置され、乳布止め器具1の基板部2の裏面とポール10との間の間隙(距離)が、上下方向(第1の方向)でほぼ同じ値となるような状態で、乳布11をポール10に固定することができる。
【0044】
(第2の実施形態)
次に、乳布止め器具の第2の実施形態について、詳細に説明する。図6に、第2の実施形態に係る乳布止め器具101の斜視図を概略的に示す。図6(a)は、第2の実施形態に係る乳布止め器具101の表面側から観た斜視図を示し、図6(b)は、裏面側から観た斜視図を示す。また、図6(c)は、第2の実施形態に係る乳布止め器具101の側面図を示す。なお、第2の実施形態に係る乳布止め器具101において、ガイド部以外は、第1の実施形態に係る乳布止め器具1と同様の構造を有するので、特に必要のない限り説明を省略する。
【0045】
図6を参照すると、第2の実施形態に係る乳布止め器具101では、基板部2の裏面に、凸形状のガイド部104が、基板部2の長さ方向(第1の方向)に複数個設けられている。本実施形態では、3個のガイド部104が、左右に(第1の方向と交差する第2の方向に)、2列に並行して配置されている。本実施形態において、ガイド部104の先端部は、例えば緩やかな曲率のドーム形状を有することができる。また、ガイド部104の基板部2の裏面からの高さは、約2mm~5mm程度とすることができる。本実施形態では、ガイド部104の基板部2の裏面からの高さは、約3mm程度とすることができる。
【0046】
凸形状のガイド部104が、基板部2の裏面に、その長さ方向(第1の方向)に複数個設けられているので、ガイド部104をポールに当接した時に、上下に配置された少なくとも2つ、又は2つ以上のガイド部104が、ポールに当接して、乳布をポールに固定することができる。つまり、乳布止め器具101がポールの延伸方向に対して、ほぼ平行となる状態で、乳布を固定することができる。これにより、乳布11をいつも同じ状態で位置決めしながら、簡単に、且つ確実に乳布をポールに固定することができる。
【0047】
なお、本実施形態では、凸形状のガイド部104が、基板部2の裏面に、3個のガイド部104が、左右に(第1の方向と交差する第2の方向に)、2列に並行して配置されている。しかし、これに限定されず、ガイド部104は、第1の方向と交差する第2の方向に互いに対向して少なくとも1対設けられるように構成すればよい。
【0048】
乳布止め器具101を用いることにより、乳布11がポール10の周方向への回動が可能な状態で、且つ、乳布の緩み等が小さい状態で乳布11をポール10に固定することができる。換言すると、乳布止め器具101の基板部2の裏面とポール10との距離を維持しながら固定することができる。この結果、風向きに従って、旗13が翻り方向に自由に回動することができるので、ポール10に旗13が巻き付くことを好適に防止できる。
【0049】
また、本実施形態においては、乳布が上方に移動するのを防止するために、乳布止め器具101の基板部2の上方の基板頂部2a側で、基板部2の裏面に凸部形状のストッパ部106を設けることができる。乳布止め器具101がポールの外周面に沿って上方に移動したときに、ポール10のポール継手20にストッパ部106が当接することで、ポール接手20がストッパとして機能し、これ以上、上部に移動することを防止できる。この結果、旗の巻き上がりが好適に防止されるとともに、風が凪ぐと速やかに所定位置に戻される。
【0050】
なお、本実施形態においては、3個のガイド部104が左右に2列に並行して配置されているが、ガイド部104が左右に1個づつ設けられてもよく、或いは2個以上の複数個設けられてもよい。また、ガイド部104は、基板部2の裏面のほぼ中央に、長さ方向(第1の方向)に一列に配置してもよいし、或いは左右に2列以上に並行して設けてもよい。
【0051】
(第3の実施形態)
次に、乳布止め器具の第3の実施形態について、詳細に説明する。図7に、第3の実施形態に係る乳布止め器具201の斜視図を概略的に示す。図7(a)は、第3の実施形態に係る乳布止め器具201の表面側から観た斜視図を示し、図7(b)は、裏面側から観た斜視図を示す。また、図7(c)は、第2の実施形態に係る乳布止め器具201の側面図を示す。なお、第2の実施形態に係る乳布止め器具201において、ガイド部以外は、第1の実施形態に係る乳布止め器具1と同様の構造を有するので、特に必要のない限り説明を省略する。
【0052】
図7を参照すると、第3の実施形態に係る乳布止め器具201では、基板部2の裏面に、凸形状のガイド部204が設けられている。ガイド部204は、基板部2の基板頂部2a近傍、及び差込部2b近傍の上下2箇所に設けられた第1ガイド部204aと、該第1ガイド部204aの間に設けられた第2ガイド部204bを含むことができる。
【0053】
本実施形態において、第1ガイド部204aは、先端部が緩やかに湾曲して延伸する略半円の形状を有する板状部材から成ることができる。ガイド部204aが、このような形状を有することにより、第1ガイド部204aの先端部をポール10に当接させて、乳布止め器具201を用いて乳布を挟んで固定したときに、ポール10と第1ガイド部204aとがほぼ点接触となる状態で当接することができる。これにより、乳布11がポール10の周方向へ回動するのに合わせて、乳布止め器具201の第1ガイド部204aがポール10に当接しながら回動するときのポールと第1ガイド部204aとの当接面での摩擦を小さくできるので、スムーズに乳布11が回動することができる。また、本実施形態では、第1ガイド部204aは、基板部2の基板頂部2a近傍、及び差込部2b近傍の上下2箇所に設けられている。これにより、乳布11が装着されるポール10の延伸方向(上下方向)の2点で乳布止め器具201の第1ガイド部204a及び第2ガイド部204bがポール10の外周面に当接するので、乳布止め器具201とポール10とがほぼ平行に配置され、乳布止め器具201の基板部2の裏面とポール10との間の間隙(距離)が、上下方向(第1の方向)でほぼ同じ値となるような状態で、乳布11をポール10に固定することができる。
【0054】
また、第2ガイド部204bが、上下に設けられた第1ガイド部204aの間に設けられている。第2ガイド部204bは、基板部2の裏面の両側縁近傍に並列して配置されており、基板部2の延伸方向に延伸する板状部材からなることができる。乳布止め器具201により乳布11をポール10に固定するときに、左右方向(第1の方向と交差する第2の方向)に配置された第2ガイド部204bが、ポール10の外周面に当接した状態で固定できるので、乳布止め器具201の左右方向(長さ方向に交差する第2の方向)においても、基板部2の裏面とポール10との間の間隙(距離)が、左右方向でほぼ同じ値となるような状態で、乳布11をポール10に固定することができる。
【0055】
第1ガイド部204a及び第2ガイド部204bをポール10に当接させた状態で、乳布11をポール10に固定することで、乳布止め器具201とポール10とが、上下方向及び左右方向でほぼ平行に配置されることができる。換言すると、乳布止め器具201とポール10との間の間隙が、上下方向、及び左右方向でほぼ同じ値となるような状態で、乳布11をポール10に固定することができる。
【0056】
乳布止め器具201を用いて、乳布11をポール10に固定することにより、乳布11がポール10の周方向への回動が可能な状態で、且つ、乳布の緩み等が小さい状態で乳布11をポール10に固定することができる。換言すると、乳布止め器具101の基板部2の裏面とポール10との距離が適当な距離に維持されながら固定することができる。この結果、風向きに従って、旗13が翻り方向に自由に回動することができるので、ポール10に旗13が巻き付くことを好適に防止できる。また、乳布止め器具201がポールの外周面に沿って上方に移動したときに、ポール10のポール継手20に乳布止め器具201の上部に設けた第1ガイド部204aが接することで、ポール接手20がストッパとして機能し、これ以上、上部に移動することを防止できる。この結果、旗の巻き上がりが好適に防止されるとともに、風が凪ぐと速やかに所定位置に戻される。
【0057】
本実施形態において、第1ガイド部104aの基板部2の裏面からの高さは、約2mm~4mm程度とすることができる。本実施形態では、第1ガイド部204aの基板部2の裏面からの高さは、約3mm程度とすることができる。また、第2ガイド部104bの基板部2の裏面からの高さは、約2mm~4mm程度とすることができる。本実施形態では、第2ガイド部204bの基板部2の裏面からの高さは、約3mm程度とすることができる。また、第2ガイド部204bの延伸方向の長さは、約2mm~4mm程度とすることができる。
【0058】
乳布止め器具201を用いることにより、乳布11がポール10の周方向への回動が可能な状態で、且つ、乳布の緩み等が小さい状態で乳布11をポール10から適切な距離を維持しながら固定することができる。この結果、風向きに従って、旗13が翻り方向に自由に回動することができるので、ポール10に旗13が巻き付くことを好適に防止できる。
【0059】
また、本実施形態においては、基板部2の基板頂部2a近傍に設けられた第1ガイド部104aにより、乳布が上方に移動するのを防止することができる。乳布止め器具201がポールの外周面に沿って上方に移動したときに、ポール10のポール継手20に第1ガイド部104aが当接することで、ポール接手20がストッパとして機能し、これ以上、上部に移動することを防止できる。この結果、旗の巻き上がりが好適に防止されるとともに、風が凪ぐと速やかに所定位置に戻される。
【0060】
なお、 本実施形態においては、ガイド部204aは、基板部2の基板頂部2a近傍と差込部2b近傍の上下2箇所に設けられているが、基板頂部2a近傍にのみ設けるようにしてもよい。
【0061】
好適な実施の形態において本発明の原理を図示し説明してきたが、本発明は、そのような原理から逸脱することなく配置および詳細において変更され得ることは、当業者によって認識される。本発明は、本実施の形態に開示された特定の構成に限定されるものではない。したがって、特許請求の範囲およびその精神の範囲から来る全ての修正および変更に権利を請求する。
【符号の説明】
【0062】
1、101 乳布止め器具
2 基板部
2a 基板頂部
2b 差込部
3 二股部
3a、3b 狭持部
3c 切欠部
3d 差込口
4 ガイド部
4a 上部ガイド部
4b 下部ガイド部
5、5a、5b 返し部
10 ポール
11 乳布
12 上部乳布
13 旗
14 張り出し支竿
20 ポール継手
104 ガイド部
106 ストッパ部
204 ガイド部
204a 第1ガイド部
204b 第2ガイド部
【要約】
【課題】誰でも簡単に、且つ再現性良く、乳布とポールとの隙間を設定可能な乳布止め器具を提供することである。
【解決手段】乳布止め器具は、第1の方向に延伸する基板部と,基板部の前面側に配置され一端側が基板部の基板頂部に接続固定される二股部と、基板部の裏面に設けられ凸形状を有するガイド部とを備える。基板部と二股部との間には、乳布を挟むための所定の幅を有する空隙が設けられており、乳布をポールに固定する際に、ガイド部がポールの外周面に当接することにより、ポールと基板部との間の間隙が所定の値となるように設定される。

【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8