(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-17
(45)【発行日】2023-03-28
(54)【発明の名称】モータ
(51)【国際特許分類】
H02K 3/46 20060101AFI20230320BHJP
H02K 3/34 20060101ALI20230320BHJP
【FI】
H02K3/46 B
H02K3/34 C
(21)【出願番号】P 2019002432
(22)【出願日】2019-01-10
【審査請求日】2021-12-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000220125
【氏名又は名称】東京パーツ工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】小柳 尚久
(72)【発明者】
【氏名】黒澤 伊吹
【審査官】服部 俊樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-163825(JP,A)
【文献】特開2011-103712(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 3/46
H02K 3/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心軸の周囲に配置されたロータ部もしくはステータ部となるコアと、前記コアに巻回された巻線と、前記コアと前記巻線との間に配置されたコアカバーと、を有するモータにおいて、
前記コアは、前記中心軸を覆うように形成された中心部と、前記中心部から径方向に向かって放射状に延びた複数の極歯と、前記極歯先端から円周方向に延びた鍔部を備え、
前記巻線は、前記極歯に巻回されており、
前記コアカバーは、前記極歯間に形成されたスロットに挿入される挿入部を有し、
前記挿入部は、前記中心部を被覆する中心被覆部と、前記極歯を被覆する極歯被覆部と、前記鍔部を被覆する鍔被覆部を有し、
前記鍔部を被覆する前記鍔被覆部の
スロット開口部側の円周方向端辺は、当該鍔被覆部の
スロット開口部側の上辺の端点よりも
、円周方向において、常に
当該鍔部に接する前記極歯側にあることを特徴とする。
【請求項2】
ロータ部の周囲に配置されステータ部となるコアと、前記コアに巻回された巻線と、前記コアと前記巻線との間に配置されたコアカバーと、を有するモータにおいて、
前記コアは、円環状のヨークと、前記ヨークから中心方向に向かって延びた複数の極歯と、前記極歯先端から円周方向に延びた鍔部を備え、
前記巻線は、前記極歯に巻回されており、
前記コアカバーは、前記極歯間に形成されたスロットに挿入される挿入部を有し、
前記挿入部は、前記ヨークを被覆するヨーク被覆部と、前記極歯を被覆する極歯被覆部と、前記鍔部を被覆する鍔被覆部を有し、
前記鍔部を被覆する前記鍔被覆部の
スロット開口部側の円周方向端辺は、当該鍔被覆部の
スロット開口部側の上辺の端点よりも
、円周方向において、常に
当該鍔部に接する前記極歯側にあることを特徴とする。
【請求項3】
前記鍔被覆部の円周方向端辺が、前記鍔被覆部の下辺にいくほど前記鍔部の円周方向端辺から
円周方向において離れる構造となっていることを特徴とする請求項1もしくは請求項2に記載のモータ。
【請求項4】
前記鍔被覆部の上辺の端点は前記鍔部の端点と略同一の位置にあることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のモータ。
【請求項5】
前記鍔被覆部の下辺の端点は前記巻線の最外周よりも前記鍔部の円周方向端辺側にあることを特徴とした請求項1~4のいずれか1項に記載のモータ。
【請求項6】
前記コアカバーの上辺と下辺は水平であることを特徴とした請求項1~5のいずれか1項に記載のモータ。
【請求項7】
前記コアの上下から挿入された2つの前記コアカバーの下辺が互いに近接することを特徴とした請求項6に記載のモータ。
【請求項8】
前記挿入部の下辺が、コア側が面取りされた構造になっている請求項1~7のいずれか1項に記載のモータ。
【請求項9】
前記鍔被覆部の円周方向端辺が、反コア側が面取りされた構造になっている請求項1~8のいずれか1項に記載のモータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コアと巻線の間に絶縁材としてコアカバーを用いているモータに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のモータとしては、中心軸の周囲に配置されたロータ部もしくはステータ部となるコアと、コアに巻きまわされた巻線と、絶縁の目的でコアと巻線の間にコアカバーが設けられている構造を有しているものがある。
【0003】
従来例でのコアおよびコアカバーの構成を
図13に示す。コア80は中心軸81周辺から径方向に向かって放射状に延びた複数の極歯82と、極歯82の先端から円周方向に伸びた鍔部83を備えている。コアカバー90は樹脂成形品からなり、極歯82の間に挿入される挿入部91を有していて、この挿入部91が中心被覆部92、極歯被覆部93、鍔被覆部94となっている。鍔被覆部94の端辺94aは鍔部端辺83aと平行で略同一の位置にある。
【0004】
一方、特許文献1に記載のボビンは、ロータもしくはステータに挿入する挿入部の先端に挿入方向直角面に対して斜めカットした導入部を設けている。そのため、ボビンに変形がある場合でもロータ及びステータへの係合が容易に行え、モータの組み立て時間が短縮化できるとされている。
【0005】
特許文献2に記載のインシュレーターは、磁極歯とスロット内壁面を覆うインシュレーターにスロット入口側端部の差込み長さが短くなるように傾斜した切欠き部を設けている。そのため、複数のスロットにインシュレーターの各差込み部を同時に円滑に差し込むことができ、インシュレーターの取り付け作業性が向上し、インシュレーターの変形も防ぐことができるため絶縁性の向上にも寄与するとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】実開平6-80351号公報
【文献】特開2003-88029号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来例および特許文献1に記載のコアカバー(ボビン)では、コアの鍔部を被覆している部分が鍔部の端辺と平行かつ略同一の位置にあるため、鍔部内壁とコアカバーの間に生じた段差あるいは隙間に巻線が引っかかってしまったり、巻線を巻き込んでボビンがめくれてしまう可能性がある。また、特に小型のモータでは、ボビンは0.5mm以下といった薄肉で成型されているため可撓性が大きく、成型時およびコアへの挿入時にボビンに変形やめくれを生じ、その場合さらに巻線を巻き込みやすくなるという問題点がある。
【0008】
また、特許文献2に記載されたインシュレーターは、スロット入口側に切欠きを設けているため巻線を巻き込む可能性は低くなるものの、インシュレーターが覆う箇所が磁極歯にとどまっているため、コアに磁極歯先端から円周方向に伸びた鍔部がある場合、コアの鍔部と巻線が直接接触してしまい、鍔部と巻線間に絶縁不良が生じる可能性があるという問題点がある。
【0009】
そこで、本発明は、巻線のコアカバーへの引っかかりおよび巻き込みをなくして、生産性および絶縁性を高めたモータを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施態様は、
中心軸の周囲に配置されたロータ部もしくはステータ部となるコアと、前記コアに巻回された巻線と、前記コアと前記巻線との間に配置されたコアカバーと、を有するモータにおいて、
前記コアは、前記中心軸を覆うように形成された中心部と、前記中心部から径方向に向かって放射状に延びた複数の極歯と、前記極歯先端から円周方向に延びた鍔部を備え、
前記巻線は、前記極歯に巻回されており、
前記コアカバーは、前記極歯間に形成されたスロットに挿入される挿入部を有し、
前記挿入部は、前記中心部を被覆する中心被覆部と、前記極歯を被覆する極歯被覆部と、前記鍔部を被覆する鍔被覆部を有し、
前記鍔部を被覆する前記鍔被覆部のスロット開口部側の円周方向端辺は、当該鍔被覆部のスロット開口部側の上辺の端点よりも、円周方向において、常に当該鍔部に接する前記極歯側にあることを特徴とするものである。
【0011】
本発明の他の実施態様は、
ロータ部の周囲に配置されステータ部となるコアと、前記コアに巻回された巻線と、前記コアと前記巻線との間に配置されたコアカバーと、を有するモータにおいて、
前記コアは、円環状のヨークと、前記ヨークから中心方向に向かって延びた複数の極歯と、前記極歯先端から円周方向に延びた鍔部を備え、
前記巻線は、前記極歯に巻回されており、
前記コアカバーは、前記極歯間に形成されたスロットに挿入される挿入部を有し、
前記挿入部は、前記ヨークを被覆するヨーク被覆部と、前記極歯を被覆する極歯被覆部と、前記鍔部を被覆する鍔被覆部を有し、
前記鍔部を被覆する前記鍔被覆部のスロット開口部側の円周方向端辺は、当該鍔被覆部のスロット開口部側の上辺の端点よりも、円周方向において、常に当該鍔部に接する前記極歯側にあることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明のモータは、コアカバーの鍔被覆部の円周方向端辺が、当該鍔被覆部の上辺の端点よりも常に極歯側にある構造となっているため、巻線の引っかかりや巻線の巻き込みを防止することができ、生産性および絶縁性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係るモータの構成を示す断面図である。
【
図2】(a)は本発明の第1の実施形態に関わるロータ部の構成を示す斜視図であり、(b)は本発明の第1の実施形態に関わるコアカバーの斜視図である。
【
図3】
図2(a)に示したロータ部の構成を示す断面図である。
【
図6】上下方向からコアカバーを挿入し互いに近接させるように構成した際の
図3におけるA-A断面図である。
【
図7】(a)は
図2(b)のコアカバーの挿入部の下辺のコア側に面取りを施した際の斜視図であり、(b)はさらに鍔被覆部の円周方向端辺の反コア側に面取りを施した際の斜視図である。
【
図8】本発明の第2の実施形態に係るモータの構成を示す断面図である。
【
図9】(a)は本発明の第2の実施形態に関わるステータ部の構成を示す斜視図であり、(b)は本発明の第2の実施形態に関わるコアカバーの斜視図である。
【
図10】
図9(a)に示したステータ部の構成を示す断面図である。
【
図12】本発明の第1および第2の実施における鍔被覆部の他の形態を図示したものである。
【
図13】(a)は従来の実施例に関わるロータ部の構成を示す斜視図であり、(b)は従来の実施例に関わるコアカバーの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本明細書では、
図2(a)および
図8において中心軸と平行な方向を「軸方向」と呼び、中心軸を中心とする径方向を「径方向」と呼び、中心軸を中心とする円周方向を「円周方向」と呼ぶ。
図2(b)、
図4および
図9(b)、
図11においてコアカバーが挿入される方向を「挿入方向」とし、挿入される側を「下側」、巻線端側を「上側」と呼ぶ。
【0015】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を例示的に説明する。
【0016】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係るモータを
図1から
図7を用いて説明する。モータ1は、中心軸2と、コア11と、巻線30と、コア11と巻線30の間に挿入されたコアカバー20と、界磁マグネット3と、界磁部4とを有する。
【0017】
コア11は、中心軸2の周囲に配置される。コア11は磁性体から成り、中心軸2を覆うように形成された中心部12と、中心部12から径方向に向かって放射状に延びた複数の極歯13と、極歯13の先端から円周方向に延びた鍔部14を有する。極歯13の間にはスロット15が形成され、鍔部14の間にはスロットの開口部15aが形成されている。
【0018】
コアカバー20は、スロット15に挿入される挿入部21を有している。この挿入部21は、中心被覆部22と、中心被覆部22から径方向に放射状に延びる複数の極歯被覆部23と、極歯被覆部23の先端から円周方向に延びる鍔被覆部24を備えている。
【0019】
コアカバー20の挿入部21がコア11の上下のコイルエンド面16の両側からスロット15に挿入されることにより、コアカバー20はコア11に係合される。これにより、コア11の中心部12と極歯13と鍔部14は、それぞれ中心被覆部22と極歯被覆部23と鍔被覆部24によって覆われる。
【0020】
巻線30は、コアカバー20を介してコア11の複数の極歯13に巻き回される。なお、
図3では1つの極歯13に巻き回された巻線30だけを示し、その他は省略している。
【0021】
図4は
図3に示したロータ部10のA-A断面図である。コア11の鍔部14をコアカバー20の鍔被覆部24が覆っている。鍔被覆部24の円周方向端辺27は、上辺26の端点26aから下辺25の端点25aの間で斜めになっており、上辺の端点26aよりも極歯13の側にある構成になっている。コアカバー20の可撓性は下側にいくほど大きくなるので、下側に行くほどに鍔部14の端辺14aから離れるような構造とすることで、鍔部14と鍔被覆部の円周方向端辺27の間に生じる段差あるいは隙間の影響を小さくすることができる。
【0022】
このように構成することで、巻線30が極歯13および極歯被覆部23への巻線時、スロット開口部15aから巻線が導入される際に、鍔被覆部の円周方向端辺27に巻線が引っかかる可能性が低くなり、生産性が向上する。また、鍔被覆部24に巻線を巻き込むことがなくなるため絶縁性も向上する。
【0023】
また、上述の実施形態において、鍔被覆部の上辺の端点26aは鍔部の上側の端点14bと略同一の位置にあるのがよい。このようにすることで、鍔被覆部24が鍔部14を覆う領域が広くなり、より多くの巻線を巻き回すことができる。
【0024】
図5は
図3に示したロータ部10のB-B断面図である。鍔被覆部の下辺の端点25aは、巻線の最外周31よりも鍔部端辺14aの側にあるとよい。このようにすることで、鍔被覆部の下辺25から巻線がはみ出すことがなくなるため絶縁性の低下を抑えることができる。
【0025】
また、上述の実施形態おいて、
図6に示すように、コア11の上下方向から挿入された二つのコアカバー20の上辺26および下辺25がともに水平であり、かつ、二つの下辺25が近接しているとよい。このようにすると、2つのコアカバー20の間の空隙28が極狭となり、絶縁性が向上する。
【0026】
また、上述の実施形態において、
図7(a)に示すようにコアカバー20の挿入部21が、コア側に面取21aを形成した構造になっているとよい。このようにすることで、コアカバー20をスロット15に挿入する作業が容易となり、作業性が向上する。
【0027】
また、上述の実施形態において、
図7(b)に示すようにコアカバー20の鍔被覆部24の円周方向端辺27が、反コア側に面取27bを形成した構造になっているとよい。このようにすると鍔被覆部24の円周方向端辺27で段差が小さくなり、巻線がさらに引っかかりにくくなり、作業性が向上する。
【0028】
また、上述の実施例では、鍔被覆部の下辺の端点25aから上辺の端点26aまでは直線状であったが、本発明はこれに限らず、例えば、
図12(a)に示すような円弧状であってもよく、また
図12(b)に示したような段状であってもよい。鍔被覆部の円周方向端辺27が上辺部の端点26aより極歯13の側にあればよく、25a-26a間の形状には左右されない。
【0029】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係るモータを
図8から
図11を用いて説明する。モータ40は、中心軸42とロータ部41と、ロータ部周辺にステータとなるコア51と、巻線30と、コア51と巻線30の間に挿入されたコアカバー60とを有する。
【0030】
コア51は、ロータ部41の周囲に配置される。コア51は磁性体から成り、周囲を囲むように形成された円環状のヨーク52と、ヨーク52から中心方向に向かって延びた複数の極歯53と極歯53の先端から円周方向に延びた鍔部54を有する。極歯53の間にはスロット55が形成され、鍔部54の間にはスロットの開口部55aが形成されている。
【0031】
コアカバー60は、スロット55に挿入される挿入部61を有している。この挿入部61は、ヨーク被覆部62と、ヨーク被覆部から中心方向に向かって延びる複数の極歯被覆部63と、極歯被覆部63の先端から円周方向に延びる鍔被覆部64を備えている。
【0032】
コアカバー60の挿入部61がコア51の上下のコイルエンド面56の両側からスロット55に挿入されることにより、コアカバー60はコア51に係合される。これにより、コア51のヨーク52と極歯53と鍔部54は、それぞれヨーク被覆部62と極歯被覆部63と鍔被覆部64によって覆われる。
【0033】
巻線30は、コアカバー60を介してコア51の複数の極歯53に巻き回される。なお、
図10では1つの極歯53に巻き回された巻線30だけを示し、その他は省略している。
【0034】
図11は
図10に示したステータ部50のC-C断面図である。コア51の鍔部54をコアカバー60の鍔被覆部64が覆っている。鍔被覆部64の円周方向端辺67は上辺66の端点66aから下辺65の端点65aの間で斜めになっており、上辺の端点66aよりも極歯53の側にある構成になっている。コアカバー60の可撓性は下側にいくほど大きくなるので、下側に行くほどに鍔部54の端辺54aから離れるような構造とすることで、鍔部54と鍔被覆部の円周方向端辺67の間に生じる段差あるいは隙間の影響を小さくすることができる。
【0035】
このように構成することで、巻線30が極歯53および極歯被覆部63への巻線時、スロット開口部55aから巻線が導入される際に、鍔被覆部の円周方向端辺67に巻線が引っかかる可能性が低くなり、生産性が向上する。また、鍔被覆部64に巻線を巻き込むことがなくなるため絶縁性も向上する。
【0036】
また、この第2の実施例における鍔部54と鍔被覆部64の構成は、第1の実施例における鍔部14と鍔被覆部24の構成と全く同一であるため、第1の実施例における構成が同様に成り立つ。
【0037】
第2の実施形態において、鍔被覆部の上辺の端点66aは鍔部の端点54bと略同一の位置にあるのがよい。このようにすることで、鍔被覆部64が鍔部54を覆う領域が広くなり、より多くの巻線を巻き回すことができる。
【0038】
また、第2の実施形態において、鍔被覆部の下辺の端点65aは、巻線の最外周31よりも鍔部端辺54aの側にあるとよい。このようにすることで、鍔被覆部の下辺65から巻線がはみ出すことがなくなるため絶縁性の低下を抑えることができる。
【0039】
また、第2の実施形態において、ステータの上下方向から挿入された二つのコアカバー60の上辺66および下辺65がともに水平であり、かつ、二つの下辺65が近接しているとよい。このようにすると、2つのコアカバー同士のすき間が極狭となり、絶縁性が向上する。
【0040】
また、第2の実施形態において、コアカバー60の挿入部61が、コア側に面取を形成した構造になっているとよい。このようにすることで、コアカバー60をスロット55に挿入する作業が容易となり、作業性が向上する。
【0041】
また、第2の実施形態において、コアカバー60の鍔被覆部64の円周方向端辺67が、反コア側が面取りされた構造になっているとよい。このようにすると鍔被覆部64の円周方向端辺67での段差が小さくなり、巻線がさらに引っかかりにくくなり、作業性が向上する。
【0042】
また、第2の実施形態では、下辺の端点65aから上辺の端点66aまでは直線状であったが、本発明はこれに限らず、例えば、
図12(a)に示すような円弧状であってもよく、また
図12(b)に示したような段状であってもよい。鍔被覆部の円周方向端辺67が上辺の端点66aより極歯53の側にあればよく、65a-66a間の形状には左右されない。
【0043】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上述に限定されるものではなく、その主旨を逸脱しない範囲内において上述以外にも種々変形して実施することが可能である。
【符号の説明】
【0044】
1 モータ
2 中心軸
3 界磁マグネット
4 界磁部
10 ロータ部
11 コア
12 中心部
13 極歯
14 鍔部
14a 鍔部端辺
14b 鍔部の上側の端点
15 スロット
15a スロット開口部
16 コイルエンド面
20 コアカバー
21 挿入部
21a 挿入部の面取り
22 中心被覆部
23 極歯被覆部
24 鍔被覆部
25 鍔被覆部の下辺
25a 鍔被覆部の下辺の端点
26 鍔被覆部の上辺
26a 鍔被覆部の上辺の端点
27 鍔被覆部の円周方向端辺
27b 端辺の面取り
28 2つのコアカバー間の空隙
30 巻線
31 巻線の最外周
40 モータ
41 ロータ部
42 中心軸
50 ステータ部
51 コア
52 ヨーク
53 極歯
54 鍔部
54a 鍔部端辺
54b 鍔部端辺の端点
55 スロット
55a スロットの開口部
56 コイルエンド面
58 中心軸
59 ロータ部
60 コアカバー
61 挿入部
62 ヨーク被覆部
63 極歯保護部
64 鍔保護部
65 鍔被覆部の下辺
65a 鍔被覆部の下辺の端点
66 鍔被覆部の上辺
66a 鍔被覆部の上辺の端点
67 鍔被覆部の円周方向端辺
80 コア
81 中心軸
82 極歯
83 鍔部
83a 鍔部の端辺
90 コアカバー
91 挿入部
92 中心被覆部
93 極歯被覆部
94 鍔被覆部
94a 鍔被覆部端辺