(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-17
(45)【発行日】2023-03-28
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20230320BHJP
【FI】
A63F7/02 320
A63F7/02 315A
(21)【出願番号】P 2020079945
(22)【出願日】2020-04-30
【審査請求日】2022-01-12
(73)【特許権者】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】續木 清貴
【審査官】上田 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-058533(JP,A)
【文献】特開2020-048882(JP,A)
【文献】特開2017-018454(JP,A)
【文献】特開2020-018456(JP,A)
【文献】特開2019-076162(JP,A)
【文献】特開2019-063486(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
小当たりの当否を判定する小当たり判定手段と、
遊技球が流下可能な遊技領域に設けられており、
前記小当たり判定手段による小当たり当選の判定結果に基づいて開放される特定の入賞口と、
大当たりの当否を判定する大当たり判定手段と、
前記大当たり判定手段による判定の結果に基づいて、前記特定の入賞口あるいは当該特定の入賞口とは異なる他の入賞口を開放する大当たり遊技を実行する大当たり遊技実行手段と、
遊技者に有利な有利遊技状態に制御可能な状態制御手段と、
表示手段と、を備え、
前記有利遊技状態は、当該有利遊技状態以外の遊技状態よりも、前記小当たり当選に基づく前記特定の入賞口の開放が行われやすい遊技状態であり、
前記表示手段は、
前記大当たり遊技の実行中、当該大当たり遊技において開放される入賞口への入賞に基づく賞球数の累積値を示唆する大当たり中表示を行う一方で、
前記有利遊技状態に制御中、当該有利遊技状態における前記特定の入賞口への入賞に基づく賞球数の累積値を少なくとも含
み前記大当たり遊技により獲得した賞球数を含まない累積賞球数と、
当該有利遊技状態において前記遊技領域に発射されて当該遊技領域から排出された遊技球の数との差を示唆する特定表示を行うことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ遊技機には、始動口(入球口)への遊技球の入球に基づいて大当たりであるかの判定処理を実行し、大当たり当選である場合に遊技者に有利な大当たり遊技を実行するものがある。また、小当たり遊技と呼ばれる大当たり遊技ほどではないが遊技者に有利な遊技を実行するものがあり、これが頻繁に行われる小当たりラッシュという遊技状態に制御するものがある。そして、この種のパチンコ遊技機において、例えば下記特許文献1では、累積賞球数を表示する機能を備え、大当たり遊技中に獲得した累計の賞球数を表示し、さらに小当たり遊技の場合にも同様に累積の賞球数を表示するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで上記特許文献1に記載の遊技機では、累積賞球数の表示手法には改善する余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の遊技機は、
小当たりの当否を判定する小当たり判定手段と、
遊技球が流下可能な遊技領域に設けられており、前記小当たり判定手段による小当たり当選の判定結果に基づいて開放される特定の入賞口と、
大当たりの当否を判定する大当たり判定手段と、
前記大当たり判定手段による判定の結果に基づいて、前記特定の入賞口あるいは当該特定の入賞口とは異なる他の入賞口を開放する大当たり遊技を実行する大当たり遊技実行手段と、
遊技者に有利な有利遊技状態に制御可能な状態制御手段と、
表示手段と、を備え、
前記有利遊技状態は、当該有利遊技状態以外の遊技状態よりも、前記小当たり当選に基づく前記特定の入賞口の開放が行われやすい遊技状態であり、
前記表示手段は、
前記大当たり遊技の実行中、当該大当たり遊技において開放される入賞口への入賞に基づく賞球数の累積値を示唆する大当たり中表示を行う一方で、
前記有利遊技状態に制御中、当該有利遊技状態における前記特定の入賞口への入賞に基づく賞球数の累積値を少なくとも含み前記大当たり遊技により獲得した賞球数を含まない累積賞球数と、当該有利遊技状態において前記遊技領域に発射されて当該遊技領域から排出された遊技球の数との差を示唆する特定表示を行うことを特徴とする遊技機である。
【発明の効果】
【0006】
本発明の遊技機によれば、累積賞球数に関する表示の改善が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の実施形態に係る遊技機の正面図である。
【
図3】(A)電チューの開閉部材が開状態であるときの遊技球の流れを示す図である。(B)電チューの開閉部材が閉状態であるときの遊技球の流れを示す図である。
【
図4】
図2に示すA部分の拡大図であり、同遊技機が備える表示器類を示す図である。
【
図7】
図6に示す内枠本体の下側部の拡大斜視図である。
【
図8】同遊技機の遊技制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図9】同遊技機の演出制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図10】遊技制御用マイコンが取得する各種乱数を示す表である。
【
図11】(A)大当たり判定テーブルである。(B)大当たり図柄種別判定テーブルである。(C)小当たり図柄種別判定テーブルである。(D)リーチ判定テーブルである。
【
図12】大当たり図柄種別及び小当たり図柄種別の判定テーブルであり、大当たり及び小当たりの種類を説明する表である。
【
図13】非時短状態用の特図変動パターン判定テーブルである。
【
図14】時短状態用の特図変動パターン判定テーブルである。
【
図15】(A)普通図柄当たり判定テーブルである。(B)普通図柄変動パターン判定テーブルである。(C)電チューの開放パターン(作動態様)決定テーブルである。
【
図16】主制御メイン処理のフローチャートである。
【
図17】メイン側タイマ割り込み処理のフローチャートである。
【
図21】第1特別動作処理のフローチャートである。
【
図22】第2特別動作処理のフローチャートである。
【
図23】第1特別図柄待機処理のフローチャートである。
【
図24】特
図1大当たり判定処理のフローチャートである。
【
図25】特
図1変動パターン選択処理のフローチャートである。
【
図26】第2特別図柄待機処理のフローチャートである。
【
図27】特
図2大当たり判定処理のフローチャートである。
【
図28】特
図2変動パターン選択処理のフローチャートである。
【
図29】特
図2変動パターン選択処理のフローチャートである。
【
図30】第1特別図柄変動中処理のフローチャートである。
【
図31】第2特別図柄変動中処理のフローチャートである。
【
図32】第1特別図柄確定処理のフローチャートである。
【
図33】遊技状態管理処理のフローチャートである。
【
図34】特
図2強制停止処理のフローチャートである。
【
図35】遊技状態リセット処理のフローチャートである。
【
図36】第2特別図柄確定処理のフローチャートである。
【
図37】特
図1強制停止処理のフローチャートである。
【
図38】特別電動役物処理1(大当たり遊技)のフローチャートである。
【
図39】遊技状態設定処理のフローチャートである。
【
図40】特別電動役物処理2(小当たり遊技)のフローチャートである。
【
図41】サブ制御メイン処理のフローチャートである。
【
図42】1msタイマ割り込み処理のフローチャートである。
【
図43】10msタイマ割り込み処理のフローチャートである。
【
図44-1】差球表示処理のフローチャートである。
【
図44-2】差球表示処理のフローチャートである。
【
図45】大当たり賞球数表示処理のフローチャートである。
【
図46】実施形態に係る遊技機の遊技フローを説明する図である。
【
図47】(A)昼背景モードの背景画像を示す図である。(B)特殊昼背景モードの背景画像を示す図である。(C)夜背景モードの背景画像を示す図である。(D)超夜背景モードの背景画像を示す図である。
【
図48】高確非時短状態(小当たりラッシュ)中の表示部を示す図であり、第2大入賞口への入賞に応じた演出の一例を示す図である。
【
図49】第1大入賞口14への入賞に応じて累積賞球数表示G30が更新される様子を示す図である。
【
図50】大当たり遊技から小当たりラッシュにかけての入賞に応じた演出の実行タイミングを示すタイミングチャートである。
【
図51】(A)通常遊技状態における入賞率表示G50の初期表示状況を示す図である。(B)入賞率が増加している状況を示す図である。(C)入賞率表示G50の分母となる排出球数が規定値に達した状況を示す図である。(D)入賞率表示G50がリセットされた様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
1.遊技機の構成
本発明の実施形態であるパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において遊技機の一例としてのパチンコ遊技機の各部の左右方向は、そのパチンコ遊技機に対面する遊技者にとっての左右方向に一致させて説明する。また、パチンコ遊技機の各部の前方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者に近づく方向とし、パチンコ遊技機の各部の後方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者から離れる方向として説明する。
【0009】
図1に示すように、実施形態のパチンコ遊技機PY1は、遊技機枠2と、遊技機枠2内に取り付けられた遊技盤1(
図2参照)とを備えている。遊技機枠2は、パチンコ遊技機PY1の外郭を形成するものであり、外側に配されている外枠22と、外枠22の内側に組付けられる内枠21と、外枠22及び内枠21の前面側に配されている前扉23(前枠)とを備えている。前扉23は、遊技盤1を保護する縦長方形状のものであり、外枠22及び内枠21に対して回動自在になっている。前扉23の中央部には、遊技者が後述する遊技領域6を視認できるように、透明のガラス板23t(窓部)が取付けられている。なお、外枠22を「基枠部」とした場合、内枠21及び前扉23が「開閉部」に相当することになり、内枠21が「第1の開閉部」であり、前扉23が「第2の開閉部」ということができる。
【0010】
前扉23には、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル72k(遊技球打込手段)、遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)34、及び打球供給皿34に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)35が設けられている。また前扉23には、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が操作し得る演出ボタン40k及びセレクトボタン42kが設けられている。なおセレクトボタン(十字キー)42kは、上方向ボタンと下方向ボタンと左方向ボタンと右方向ボタンとによって構成されている。また前扉23には、装飾用の枠ランプ212及び音を出力するスピーカ(
図1において不図示)が設けられている。
【0011】
この遊技機枠2の内枠21には、その内枠21が外枠22に対して開放(回動)していることを検出可能な枠開放センサ(枠開放検出手段)2a(
図5参照)が設けられている。そのため、内枠21が外枠22に対して閉鎖しているときには、枠開放センサ2aが内枠21の開放を検出していない状態(OFF状態)になる。一方、内枠21が外枠22に対して開放しているときには、枠開放センサ2aが内枠21の開放を検出している状態(ON状態)になり、ON状態を示す検出信号を出力する。以下では、内枠21の外枠22に対する開放を、遊技機枠2の開放として説明することがある。
【0012】
本形態の枠開放センサ2aは、フォトスイッチ(フォトセンサ)である。しかしながら、押しボタンとスプリングとによって物理的な接触を検出するスイッチや、圧力スイッチ(圧力センサ)、近接スイッチ(近接センサ)等であっても良く、適宜変更可能である。なお枠開放検出手段は、内枠21の外枠22に対する開放を検出するものに限られるわけではない。例えば、前扉23の内枠21に対する開放を検出するものであっても良く、内枠21の外枠22に対する開放と、前扉23の内枠21に対する開放の両方を検出できるものであっても良い。また枠開放検出手段の配置箇所は、内枠21に限られるものではなく、外枠22や前扉23であっても良く、適宜変更可能である。
【0013】
図2に示すように、遊技盤1には、ハンドル72kの操作により発射された遊技球が流下する遊技領域6が、レール部材62で囲まれて形成されている。また遊技盤1には、装飾用の盤ランプ54が多数設けられている。なお遊技盤1は、前側に配されている板状部材と、後側に配されている裏ユニット(後述する各種制御基板、画像表示装置50、ハーネス等を取付けるユニット)とが一体化されたものである。
【0014】
遊技領域6には、遊技球を誘導する複数の遊技くぎが突設されている。また遊技領域6の中央付近には、液晶表示装置である画像表示装置50(表示手段)が配されている。なお画像表示装置は、有機EL表示装置などの他の画像表示装置であってもよい。画像表示装置50の表示画面50a(表示部)には、後述の第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示(変動表示)に同期した演出図柄(装飾図柄)EZの可変表示(変動表示)を行う演出図柄表示領域がある。なお、演出図柄EZを表示する演出を演出図柄変動演出という。演出図柄変動演出を「装飾図柄変動演出」や単に「変動演出」と称することもある。
【0015】
演出図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなる。左の図柄表示エリア(後述する左演出図柄領域50b1)には左演出図柄EZ1が表示され、中の図柄表示エリア(後述する中演出図柄領域50b2)には中演出図柄EZ2が表示され、右の図柄表示エリア(後述する右演出図柄領域50b3)には右演出図柄EZ3が表示される。演出図柄EZはそれぞれ、例えば「1」~「9」までの数字をあらわした複数の図柄からなる。画像表示装置50は、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2、右演出図柄EZ3の組合せによって、後述の第1特図表示器81aおよび第2特図表示器81bにて表示される第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
【0016】
例えば大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄を停止表示する。また小当たりに当選した場合には「246」などの予め定めたチャンス目で演出図柄を停止表示する。また、ハズレであった場合には「263」などのバラケ目で演出図柄を停止表示する。これにより、遊技者にとっては遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、一般的には大当たり抽選の結果を第1特図表示器81aや第2特図表示器81bにより把握するのではなく、画像表示装置50にて把握する。なお、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の表示領域の位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。また、各抽選結果に応じてどのような演出図柄の組み合わせを停止表示するかは任意に変更可能であり、小当たり当選時にバラケ目で演出図柄を停止表示するようにしてもよい。
【0017】
画像表示装置50は、上記のような演出図柄EZを用いた演出図柄変動演出のほか、大当たり遊技に並行して行われる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出(客待ち演出)などを表示画面50aに表示する。なお演出図柄変動演出では、数字等の演出図柄EZのほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄EZ以外の演出画像も表示される。
【0018】
また画像表示装置50の表示画面50aには、後述する第1特図保留の記憶数に応じて第1保留アイコンHA(演出保留画像)を表示する第1保留アイコン表示領域がある。第1保留アイコンHAの表示により、後述の第1特図保留表示器83a(
図4参照)にて表示される第1特図保留の記憶数を遊技者にわかりやすく示すことができる。また、後述する第2特図保留の記憶数に応じて第2保留アイコンHB(演出保留画像)を表示する第2保留アイコン表示領域がある。第2保留アイコンHBの表示により、後述の第2特図保留表示器83b(
図4参照)にて表示される第2特図保留の記憶数を遊技者にわかりやすく示すことができる。
【0019】
遊技領域6の中央付近であって画像表示装置50の前方には、センター枠61(内側壁部)が配されている。センター枠61の下部には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口11へと誘導可能なステージ部61sが形成されている。またセンター枠61の左部には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ部61sへ遊技球を流出させるワープ部61wが設けられている。またセンター枠61の上部には、上下動可能な盤可動体55kが設けられている。盤可動体55kは、表示画面50aの上方の原点位置から表示画面50aの中央と前後方向に重なる演出位置に移動可能なものである。
【0020】
遊技領域6における画像表示装置50の下方で、左右方向の中央には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口11(入球口の一例)を備える第1始動入賞装置11Dが設けられている。第1始動口11を、第1入球口や、固定入球口、第1始動入賞口、第1始動領域ともいう。また第1始動入賞装置11Dを、第1入球手段や、固定入球手段、第1始動入賞装置ともいう。第1始動口11への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
【0021】
また、遊技領域6における第1始動口11の右上方には、第2大入賞口15(特別入賞口に相当)を備えた第2大入賞装置15Dが設けられている。また第2大入賞装置15Dを、第2アタッカー(AT)や、第2特別入賞手段、第2特別可変入賞装置ともいう。第2大入賞装置15Dは、開状態と閉状態とをとる第2AT開閉部材15kを備え、第2AT開閉部材15kの作動により第2大入賞口15を開閉するものである。第2AT開閉部材15kは、第2大入賞口ソレノイド15s(
図8参照)により駆動される。第2大入賞口15は、第2AT開閉部材15kが開状態であるときだけ遊技球が入球可能となる。この第2大入賞口15は、後述する小当たり遊技の実行中に開放して、大当たり遊技の実行中に開放することはない。つまり、小当たり遊技における専用のアタッカーになっている。
【0022】
また、遊技領域6における第2大入賞装置15Dの右上方には、遊技球の入球し易さが変化可能な第2始動口12(入球口の一例)を備える普通可変入賞装置(普通電動役物いわゆる電チュー)12Dが設けられている。第2始動口12を、第2入球口や、可変入球口、可変始動口、第2始動入賞口、第2始動領域ともいう。また電チュー12Dを、第2入球手段や、可変入球手段、第2始動入賞装置ともいう。第2始動口12への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。電チュー12Dは、前後方向に移動(進退)可能であって開状態と閉状態とをとる電チュー開閉部材12kを備え、電チュー開閉部材12kの作動によって第2始動口12を開閉するものである。電チュー開閉部材12kは、後述の電チューソレノイド12sにより駆動される。
【0023】
電チュー開閉部材12kは、後述の電チューソレノイド12sにより駆動される。電チュー開閉部材12kが開状態にあるときには、後方側に退避していて、第2始動口12への遊技球の入球が可能になる。一方、電チュー開閉部材12kが閉状態にあるときには、前方側に進出していて、第2始動口12への遊技球の入球が不可能になる。こうして、第2始動口12は、遊技球の入球し易さが変化可能な始動口である。なお、電チューは、電チュー開閉部材が開状態にあるときの方が閉状態にあるときよりも第2始動口への入球を容易にするものであれば、閉状態にあるときに第2始動口への入球を不可能とするものでなくてもよい。また電チューは、前後方向に移動(進退)可能な開閉部材を有するものに限られず、回動可能な開閉部材や、左右方向に移動可能な開閉部材を有するものであっても良い。
【0024】
また、遊技領域6における電チュー12Dの左上方には、第1大入賞口14を備えた第1大入賞装置14Dが設けられている。第1大入賞口14を、他の特別入賞口ともいう。また第1大入賞装置14Dを、第1アタッカー(AT)や、第1特別入賞手段、第1特別可変入賞装置ともいう。第1大入賞装置14Dは、開状態と閉状態とをとる第1AT開閉部材14kを備え、第1AT開閉部材14kの作動により第1大入賞口14を開閉するものである。第1AT開閉部材14kは、第1大入賞口ソレノイド14s(
図8参照)により駆動される。第1大入賞口14は、第1AT開閉部材14kが開状態であるときだけ遊技球が入球可能となる。
【0025】
また、遊技領域6における第1大入賞装置14Dの右上方には、遊技球が通過可能なゲート13が設けられている。ゲート13を、通過口や通過領域ともいう。ゲート13への遊技球の通過は、電チュー12Dを開放するか否かを決める普通図柄抽選(すなわち普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。さらに遊技領域6の下部には、複数の一般入賞口10が設けられている。特に本形態では、電チュー12Dの左下方に、一般入賞口10が配されている。また遊技領域6の最下部には、遊技領域6へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域6外へ排出するアウト口19が設けられている。
【0026】
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域6には、左右方向の中央より左側の左遊技領域6L(第1遊技領域)と、右側の右遊技領域6R(第2遊技領域)とがある。左遊技領域6Lを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域6Rを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本形態のパチンコ遊技機PY1では、左打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第2流路R2という。
【0027】
第1流路R1上には、第1始動口11と、一般入賞口10と、アウト口19が配されている。遊技者は第1流路R1を流下するように遊技球を打込むことで、第1始動口11や一般入賞口10への入賞を狙うことができる。なお、第1流路R1上にゲート13は配されていない。よって、左打ちをしている場合に電チュー12Dが開放されることはない。
【0028】
一方、第2流路R2上には、ゲート13と、第1大入賞口14(第1大入賞装置14D)と、第2始動口12(電チュー12D)と、一般入賞口10と、第2大入賞口15(第2大入賞装置15D)と、アウト口19とが配されている。遊技者は第2流路R2を流下するように遊技球を打込むことで、ゲート13への通過や、第1大入賞口14、第2始動口12、一般入賞口10、第2大入賞口15への入賞を狙うことができる。
【0029】
ここで、
図3に基づいて、電チュー開閉部材12kが開状態であるときの遊技球の流れと、電チュー開閉部材12kが閉状態であるときの遊技球の流れについて説明する。なお本形態では、右打ちによって右遊技領域6Rに向けて打込まれた遊技球は、
図2に示すように、ほぼゲート13を通過して、電チュー開閉部材12kの上方に到達するようになっている。
【0030】
図3(A)に示すように、電チュー開閉部材12kが開状態であるときには、電チュー開閉部材12kの上方に到達した遊技球は、電チュー開閉部材12kが後方に退避しているため、第2始動口12にそのまま入球する。つまり、電チュー12Dよりも左方に配されている一般入賞口10や第2大入賞口15の方に向かうことがない。よって、後述する電サポ制御状態(時短状態)では、右打ちされた遊技球は、電チュー開閉部材12kが頻繁に開放していることで、ほとんど第2始動口12に入球して、一般入賞口10に入球することがほとんどない。更に、後述する小当たり遊技の実行によって、仮に第2大入賞口15が開放されていても、第2大入賞口15に入球することがほとんどない。
【0031】
一方、
図3(B)に示すように、電チュー開閉部材12kが閉状態であるときには、電チュー開閉部材12kの上方に到達した遊技球は、電チュー開閉部材12kが前方に進出しているため、電チュー開閉部材12kに当接した後に左方へ流下する。これにより、左方に流下した遊技球は、一般入賞口10の方に向かうと共に、第2大入賞口15の方に向かう。よって、後述する非電サポ制御状態(非時短状態)では、右打ちされた遊技球は、電チュー開閉部材12kが閉鎖しているときに、一般入賞口10に入球することが可能である。更に、後述する小当たり遊技の実行によって開放した第2大入賞口15に入球することが可能である。
【0032】
図2に示す遊技盤1の説明に戻る。
図2に示すように、遊技盤1の右下部には表示器類8が配置されている。表示器類8には、
図4に示すように、第1特別図柄(識別図柄の一例)を可変表示する第1特図表示器81a、第2特別図柄(識別図柄の一例)を可変表示する第2特図表示器81b、及び、普通図柄を可変表示する普図表示器82が含まれている。第1特別図柄を、第1特図又は特
図1ともいい、第2特別図柄を第2特図又は特
図2ともいう。また、普通図柄を普図ともいう。
【0033】
また表示器類8には、第1特図表示器81aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器83a、第2特図表示器81bの作動保留(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器83b、および普図表示器82の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器84が含まれている。
【0034】
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口11への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口12への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄(特図)ということがある。また、第1特図表示器81aおよび第2特図表示器81bを総称して特図表示器81ということがある。また、第1特図保留表示器83aおよび第2特図保留表示器83bを総称して特図保留表示器83ということがある。また第1特図保留および第2特図保留を総称して特図保留ということがある。
【0035】
特図表示器81では、特別図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、第1始動口11又は第2始動口12への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた大当たり図柄(大当たり停止態様の特別図柄)である場合には、停止表示された大当たり図柄の種類(つまり当選した大当たりの種類)に応じた開放パターンにて第1大入賞口14を開放させる(特別遊技の一例)が行われる。また、停止図柄が予め定めた小当たり図柄(小当たり停止態様の特別図柄)である場合には、停止表示された小当たり図柄に応じた開放パターンにて第2大入賞口15を開放させる小当たり遊技(特別遊技の一例)が行われる。大当たり遊技における第1大入賞口14の開放パターンと、小当たり遊技における第2大入賞口15の開放パターンについては後述する。
【0036】
具体的には特図表示器81は、例えば横並びに配された8個のLED(Light Emitting Diode)から構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示するものである。例えば大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。また、小当たりに当選した場合には、「○●●○○●●●」というように左から1,4,5番目にあるLEDが点灯した小当たり図柄を表示する。また、ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
【0037】
本パチンコ遊技機PY1では、第1始動口11または第2始動口12への遊技球の入賞(入球)があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(数値情報、判定情報)は、後述の特図保留記憶部105に一旦記憶される。詳細には、第1始動口11への入賞であれば第1特図保留として、後述の第1特図保留記憶部105aに記憶され、第2始動口12への入賞であれば第2特図保留として、後述の第2特図保留記憶部105bに記憶される。各々の特図保留記憶部105に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態における上限値はそれぞれ「4」となっている。
【0038】
特図保留記憶部105に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機PY1では、第1始動口11または第2始動口12への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち、大当たり遊技又は小当たり遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。なお本形態のパチンコ遊技機PY1は、第1特別図柄の変動表示中であっても第2特別図柄の変動表示を実行可能であり、第2特別図柄の変動表示中であっても第1特別図柄の変動表示を実行可能なパチンコ遊技機(所謂「同時変動可能なパチンコ遊技機」)である。
【0039】
特図保留の数は、特図保留表示器83に表示される。具体的には特図保留表示器83はそれぞれ、例えば4個のLEDで構成されており、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を表示する。
【0040】
普通図柄の可変表示は、ゲート13への遊技球の通過を契機として行われる。普図表示器82では、普通図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、ゲート13への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(所定の停止態様の普通図柄すなわち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口12を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口12の開放パターンについては後述する。
【0041】
具体的には普図表示器82は、例えば2個のLEDから構成されており(
図4参照)、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が当たりである場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した普通ハズレ図柄を表示する。普通ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
【0042】
本パチンコ遊技機PY1では、ゲート13への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数(当たり乱数)の値は、後述の普図保留記憶部106に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部106に記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における上限値は「4」となっている。
【0043】
普図保留記憶部106に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数(当たり乱数)を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機PY1では、ゲート13への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができるようになっている。
【0044】
そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器84に表示される。具体的には普図保留表示器84は、例えば4個のLEDで構成されており、普図保留の数だけLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示する。
【0045】
2.内枠の構成及び排出口センサの配置
次に
図5~
図7に基づいて、内枠21を詳細に説明する。本形態では、内枠21に排出口センサ30aを設けているが、この点については後述する。内枠21は、
図5に示すように、内枠本体21aと、発射機構21bと、施錠装置21cとを備えている。
【0046】
内枠本体21aは、
図6に示すように、枠状に形成されていて、下側に発射機構21bを取付ける下側部21fを有し、右下側に施錠装置21cを有している。また内枠本体21aは、後方(裏側)に透明な合成樹脂材で構成された裏ケース21kを有している。発射機構21bは、遊技球を遊技領域6に向けて発射させるための機構であり、前方側に発射機構本体21dを有し、後方側に取付プレート21eを有している。発射機構本体21dは、取付プレート21eを介して内枠本体21aの下側部21fに取付けられている。
【0047】
施錠装置21cは、遊技機枠2の閉鎖状態を維持するものである。つまり、施錠装置21cによって、内枠21の外枠22に対する閉鎖状態が維持されると共に、前扉23の内枠21に対する閉鎖状態が維持される。施錠装置21cに対して鍵を差し込んで、時計方向に回すと、内枠21の外枠22に対する閉鎖状態が解除され、反時計方向に回すと、前扉23の内枠21に対する閉鎖状態が解除されるようになっている。
【0048】
ここで、
図7は、
図6に示す内枠本体21aの下側部21fの拡大斜視図である。下側部21fは、上側に左右方向に長く開口している落下進入部21gを有している。落下進入部21gは、遊技領域6に打込まれた遊技球が遊技盤1外へ排出された際に、それらの遊技球を進入させる部分である。つまり、第1始動口11、第2始動口12、第1大入賞口14、第2大入賞口15、一般入賞口10の各種入賞口に入賞した遊技球と、アウト口19に進入した遊技球は、遊技盤1外へ流下して、全て落下進入部21gに進入するようになっている。
【0049】
そして、落下進入部21gの先には通過する遊技球を検出可能な排出口センサ30a(排出球検出手段)が設けられている。排出口センサ30aは、電磁式のスイッチである近接スイッチで構成されている。具体的に、排出口センサ30aは、高周波発振回路を有し、高周波発振回路の検出コイルのインピーダンスの変化によって金属体(遊技球)を検出するものである。なお、排出口センサ30aは、電磁式のスイッチである近接スイッチに限られるものではなく、光学式のフォトセンサや、機械式のスイッチ(マイクロスイッチ)等であっても良い。
【0050】
本パチンコ遊技機PY1では、この排出口センサ30aにより、排出口(遊技球をパチンコ遊技機PY1外に排出するための通過口)を通過する遊技球を1球ずつ検出することが可能である。ここで、排出口を通過する遊技球は、各種入賞口(第1始動口11、第2始動口12、第1大入賞口14、第2大入賞口15、一般入賞口10)に入賞した遊技球、又はアウト口19に進入した遊技球であって、言い換えれば、遊技領域6に打込まれた全ての遊技球(発射球数)である。こうして、内枠本体21aの下側部21fに設けた1つの排出口センサ30aにより、発射球数を1球ずつ精度良く検出することが可能である。なお、遊技領域6に打込まれた全ての遊技球の数は、総発射球数と呼ぶこともできる。また、パチンコ遊技機PY1外に排出される全ての遊技球の数と同じことであるため、排出球数、総排出球数、アウト球数と呼ぶこともできる。
【0051】
3.遊技機の電気的構成
次に
図8及び
図9に基づいて、本パチンコ遊技機PY1における電気的な構成を説明する。
図8及び
図9に示すようにパチンコ遊技機PY1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う遊技制御基板100(主制御基板)、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行う演出制御基板120(サブ制御基板)、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板170等を備えている。なお、遊技制御基板100は、メイン制御部を構成し、演出制御基板120は、後述する画像制御基板140、音声制御基板161、及びサブドライブ基板162とともにサブ制御部を構成する。
【0052】
なお、サブ制御部は、少なくとも演出制御基板120を備え、演出手段(画像表示装置50やスピーカ610、盤ランプ54、枠ランプ212、盤可動体55k等)を用いた遊技演出を制御可能であればよい。
【0053】
またパチンコ遊技機PY1は、電源基板190を備えている。電源基板190は、遊技制御基板100、演出制御基板120、及び払出制御基板170に対して電力を供給するとともに、これらの基板を介してその他の機器に対して必要な電力を供給する。電源基板190には、バックアップ電源回路192が設けられている。バックアップ電源回路192は、本パチンコ遊技機PY1に対して電力が供給されていない場合に、後述する遊技制御基板100の遊技用RAM(Random Access Memory)104や演出制御基板120の演出用RAM124に対して電力を供給する。従って、遊技制御基板100の遊技用RAM104や演出制御基板120の演出用RAM124に記憶されている情報は、パチンコ遊技機PY1の電断時であっても保持される。また電源基板190には、電源スイッチ191が接続されている。電源スイッチ191のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切替えられる。なお、遊技制御基板100の遊技用RAM104に対するバックアップ電源回路を遊技制御基板100に設けたり、演出制御基板120の演出用RAM124に対するバックアップ電源回路を演出制御基板120に設けたりしてもよい。
【0054】
図8に示すように、遊技制御基板100には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)101が実装されている。遊技制御用マイコン(遊技制御手段)101には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶した遊技用ROM(Read Only Memory)103、ワークメモリとして使用される遊技用RAM104、遊技用ROM103に記憶されたプログラムを実行する遊技用CPU(Central Processing Unit)102、データや信号の入出力を行うための遊技用I/O(Input/Output)ポート118が含まれている。遊技用RAM104には、上述した特図保留記憶部105(第1特図保留記憶部105aおよび第2特図保留記憶部105b)と普図保留記憶部106が設けられている。なお、遊技用ROM103は外付けであってもよい。
【0055】
遊技制御基板100には、中継基板110を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、遊技制御基板100には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには遊技制御基板100から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ11a、第2始動口センサ12a、ゲートセンサ13a、第1大入賞口センサ14a、第2大入賞口センサ15a、排出口センサ30a、および一般入賞口センサ10aが接続されている。
【0056】
第1始動口センサ11aは、第1始動口11内に設けられて、第1始動口11に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ12aは、第2始動口12内に設けられて、第2始動口12に入賞した遊技球を検出するものである。ゲートセンサ13aは、ゲート13内に設けられてゲート13を通過した遊技球を検出するものである。第1大入賞口センサ14aは、第1大入賞口14内に設けられて、第1大入賞口14に入賞した遊技球を検出するものである。第2大入賞口センサ15aは、第2大入賞口15内に設けられて、第2大入賞口15に入賞した遊技球を検出するものである。一般入賞口センサ10aは、各一般入賞口10内に設けられて、一般入賞口10に入賞した遊技球を検出するものである。排出口センサ30aは、アウト口19を通過した遊技球を検出するものである。遊技球が各種入賞口(第1始動口11、第2始動口12、第1大入賞口14、第2大入賞口15、一般入賞口10)に入賞した場合でも、遊技球が各種入賞口に入賞せずにアウト口19に進入した場合でも、パチンコ遊技機PY1外に排出される遊技球を排出口センサ30aが検出する。
【0057】
またソレノイド類としては、電チューソレノイド12s、および第1大入賞口ソレノイド14s、第2大入賞口ソレノイド15sが接続されている。電チューソレノイド12sは、電チュー12Dの電チュー開閉部材12kを駆動するものである。第1大入賞口ソレノイド14sは、第1大入賞装置14Dの第1AT開閉部材14kを駆動するものである。第2大入賞口ソレノイド15sは、第2大入賞装置15Dの第2AT開閉部材15kを駆動するものである。
【0058】
さらに遊技制御基板100には、特図表示器81(第1特図表示器81aおよび第2特図表示器81b)、普図表示器82、特図保留表示器83(第1特図保留表示器83aおよび第2特図保留表示器83b)、および普図保留表示器84が接続されている。すなわち、これらの表示器類8の表示制御は、遊技制御用マイコン101によりなされる。
【0059】
また遊技制御基板100は、払出制御基板170に各種コマンドや信号を送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板170から信号を受信する。払出制御基板170には、カードユニットCU(パチンコ遊技機PY1に隣接して設置され、挿入されているプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)、および賞球払出装置73が接続されているとともに、発射制御回路175を介して発射装置72が接続されている。発射装置72には、ハンドル72k(
図1参照)が含まれる。
【0060】
払出制御基板170は、遊技制御用マイコン101からの信号や、パチンコ遊技機PY1に接続されたカードユニットCUからの信号に基づいて、賞球払出装置73の賞球モータ73mを駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球の払い出しを行ったりする。払い出される賞球は、その計数のため賞球センサ73aにより検知されて、賞球センサ73aによる検知信号が払出制御基板170に出力される。
【0061】
なお遊技者による発射装置72のハンドル72k(
図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ72aがハンドル72kへの接触を検知し、発射ボリューム72bがハンドル72kの回転量を検知する。そして、発射ボリューム72bの検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射ソレノイド72sが駆動されることとなる。本パチンコ遊技機PY1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。
【0062】
また遊技制御基板100は、演出制御基板120に対し各種コマンドを送信する。遊技制御基板100と演出制御基板120との接続は、遊技制御基板100から演出制御基板120への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、遊技制御基板100と演出制御基板120との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
【0063】
図9に示すように、演出制御基板120には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)121が実装されている。演出制御用マイコン121には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶した演出用ROM123、ワークメモリとして使用される演出用RAM124、演出用ROM123に記憶されたプログラムを実行する演出用CPU122、データや信号の入出力を行うための演出用I/Oポート138が含まれている。なお、演出用ROM123は外付けであってもよい。
【0064】
また
図9に示すように、演出制御基板120には、画像制御基板140、音声制御基板161(音声制御回路)、およびサブドライブ基板162が接続されている。サブドライブ基板162には、枠ランプ212、盤ランプ54、盤可動体55kが接続されている。
【0065】
演出制御基板120の演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板140の画像用CPU141に画像表示装置50の制御を行わせる。画像制御基板140は、画像表示等の制御のためのプログラム等を記憶した画像用ROM142、ワークメモリとして使用される画像用RAM143、及び、画像用ROM142に記憶されたプログラムを実行する画像用CPU141を備えている。なお、画像用ROM142には、画像表示装置50に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。
【0066】
また演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板161を介してスピーカ610から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ610から出力する音声等の音響データ(音声データともいう)は、演出制御基板120の演出用ROM123に格納されている。なお、音声制御基板161にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板161にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ610を画像制御基板140に接続し、画像制御基板140の画像用CPU141に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板140の画像用ROM142に音響データを格納してもよい。
【0067】
また演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、サブドライブ基板162を介して、枠ランプ212や盤ランプ54等のランプの点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン121は、各ランプ(LED)の発光態様を決める発光データ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光データに従って各ランプ(LED)の発光を制御する。なお、発光データの作成には演出制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
【0068】
さらに演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、サブドライブ基板162を介して盤可動体55kの駆動制御を行う。詳細には演出制御用マイコン121は、盤可動体55kの動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データともいう)を作成し、動作パターンデータに従って盤可動体55kを駆動させるためのモータの駆動制御を行う。動作パターンデータの作成には演出制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
【0069】
また演出制御基板120には、演出ボタン検知センサ40a及びセレクトボタン検知センサ42aが接続されている。演出ボタン検知センサ40aは、演出ボタン40k(
図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。演出ボタン40kが押下操作されると演出ボタン検知センサ40aから演出制御基板120に対して検知信号が出力される。また、セレクトボタン検知センサ42aは、セレクトボタン42k(
図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。セレクトボタン42kが押下操作されるとセレクトボタン検知センサ42aから演出制御基板120に対して検知信号が出力される。
【0070】
なお
図8及び
図9は、あくまで本パチンコ遊技機PY1における電気的な構成を説明するための機能ブロック図であり、
図8及び
図9に示す基板だけが設けられているわけではない。遊技制御基板100を除いて、
図8又は
図9に示す何れか複数の基板を1つの基板として構成しても良く、
図8又は
図9に示す1つの基板を複数の基板として構成しても良い。
【0071】
4.遊技機における主な遊技
次に、パチンコ遊技機PY1により行われる主な遊技について説明する。パチンコ遊技機PY1は、第1始動口11又は第2始動口12への入賞に基づいて、特図関係乱数を取得する。特図関係乱数には、
図10(A)に示すように、大当たり乱数、図柄種別乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数がある。大当たり乱数は、大当たりの当否判定や小当たりの当否判定に用いられる。大当たり乱数は、0~65535までの範囲で値をとる。図柄種別乱数は、大当たり図柄の種別判定や小当たり図柄の種別判定、ハズレ図柄の種別判定に用いられる。図柄種別乱数は、0~199までの範囲で値をとる。
【0072】
また、リーチ乱数は、当否判定の結果がハズレである場合に、その結果を示す変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチ乱数は、0~255までの範囲で値をとる。なお、リーチとは、複数の演出図柄のうち変動表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。リーチ状態において停止表示されている演出図柄は、表示画面50a内で多少揺れているように表示されていたり、拡大と縮小を繰り返すように表示されていたりしてもよい。このような停止表示を、仮停止表示と称し、全く動いていない停止表示を、確定停止表示や最終停止表示と称する。
【0073】
また、変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。
変動パターン乱数は、0~99までの範囲で値をとる。なお、乱数を判定情報とも言う。
【0074】
また、パチンコ遊技機PY1は、ゲート13への遊技球の通過に基づいて、
図10(B)に示す普通図柄乱数(当たり乱数)を取得する。普通図柄乱数は、電チュー12Dを開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0~65535までの範囲で値をとる。
【0075】
パチンコ遊技機PY1は、第1始動口11又は第2始動口12への入賞に基づいて取得した大当たり乱数を、
図11(A)に示す大当たり判定テーブルに従って判定することにより、大当たりか否か、及び、小当たりか否かを決定する。本形態では、大当たり当選確率の異なる2つの遊技状態がある。通常確率状態(低確率状態)と高確率状態である。
図11(A)に示すように、低確率状態では、第1始動口11への入賞に基づく第1特別図柄(特
図1)の抽選も、第2始動口12への入賞に基づく第2特別図柄(特
図2)の抽選も、大当たり当選確率は約1/300である。一方、高確率状態では、特
図1の抽選も特
図2の抽選も、大当たり当選確率は約1/100である。このように高確率状態は、低確率状態よりも大当たりに当選し易い遊技状態である。また本形態では、特
図2の抽選において小当たりに当選可能であるが、小当たり当選確率は、高確率状態も低確率状態も同じである。
【0076】
パチンコ遊技機PY1は、大当たり当選と判定した場合、図柄種別乱数を、
図11(B)に示す大当たり図柄種別判定テーブルに従って判定することにより、大当たり図柄の種別を決定する。特
図1の抽選では、20%の割合で「特
図1_大当たり図柄A」に決定し、70%の割合で「特
図1_大当たり図柄B」に決定し、10%の割合で「特
図1_大当たり図柄C」に決定する。一方、特
図2の抽選では、20%の割合で「特
図2_大当たり図柄D」に決定し、25%の割合で「特
図2_大当たり図柄E」に決定し、55%の割合で「特
図2_大当たり図柄F」に決定する。当選した大当たり図柄の種別が異なると、大当たり遊技における大入賞口の開放パターンや、大当たり遊技後の遊技状態に関する設定が異なる(
図12参照)。この点については後述する。
【0077】
またパチンコ遊技機PY1は、小当たり当選と判定した場合、図柄種別乱数を、
図11(C)に示す小当たり図柄種別判定テーブルに従って判定することにより、小当たり図柄の種別を決定する。具体的には特
図2の抽選では、80%の割合で「特
図2_小当たり図柄a」に決定し、20%の割合で「特
図2_小当たり図柄b」に決定する。当選した小当たり図柄の種別が異なると、小当たり遊技における大入賞口の開放パターンが異なる(
図12参照)。この点については後述する。
【0078】
またパチンコ遊技機PY1は、ハズレと判定した場合、リーチ乱数を、
図11(D)に示すリーチ判定テーブルに従って判定することにより、変動演出において演出図柄EZ1,EZ2,EZ3をリーチにするか否かを決定する。リーチ有りと判定される確率は、遊技状態が後述の時短状態であるか否かによって異なっている。時短状態でないときの方が、時短状態であるときよりも、リーチ有りと判定される確率が高い。
【0079】
次に、大当たりの種類、小当たりの種類、ハズレについて、
図12に基づいて詳細に説明する。上述したように、特別図柄抽選(特
図1の抽選や特
図2の抽選)の結果には、「大当たり」、「小当たり」、「はずれ」がある。「大当たり」のときには、特図表示器81に「大当たり図柄」が停止表示される。大当たり図柄には、「特
図1_大当たり図柄A」、「特
図1_大当たり図柄B」、「特
図1_大当たり図柄C」、「特
図2_大当たり図柄D」、「特
図2_大当たり図柄E」、「特
図2_大当たり図柄F」がある。また、「小当たり」のときには、特図表示器81に「小当たり図柄」が停止表示される。小当たり図柄には、「特
図2_小当たり図柄a」、「特
図2_小当たり図柄b」がある。「はずれ」のときには、特図表示器81に「ハズレ図柄」が停止表示される。
【0080】
特別図柄抽選にて大当たりに当選すると、停止表示された大当たり図柄の種別に応じた開放パターンにて第1大入賞口14を開放させる「大当たり遊技」が実行される。小当たりに当選すると、停止表示された小当たり図柄の種別に応じた開放パターンにて第2大入賞口15を開放させる「小当たり遊技」が実行される。
【0081】
大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
【0082】
また小当たり遊技は、本形態では、第2大入賞口15を開放する小当たり開放遊技と、小当たり開放遊技が開始される前のオープニング(開放前インターバル)と、小当たり開放遊技が終了した後のエンディング(閉鎖後インターバル)とを含んでいる。
【0083】
特別図柄抽選の結果、大当たりに当選すると、第1大入賞口14を開放させる大当たり遊技が実行される。本形態では
図12に示すように、第1特別図柄(特
図1)の抽選で当選可能な大当たり図柄(第1特図表示器81aに停止表示される大当たり図柄)の種別、及び、第2特別図柄(特
図2)の抽選で当選可能な大当たり図柄(第2特図表示器81bに停止表示される大当たり図柄)の種別は、それぞれ3種類ある。具体的には特
図1の抽選では、「特
図1_大当たり図柄A」、「特
図1_大当たり図柄B」、「特
図1_大当たり図柄C」に当選する可能性がある。また特
図2の抽選では、「特
図2_大当たり図柄D」、「特
図2_大当たり図柄E」、「特
図2_大当たり図柄F」に当選する可能性がある。
【0084】
図12に示すように、「特
図1_大当たり図柄A」及び「特
図1_大当たり図柄B」は、4R(ラウンド)大当たりであり、「特
図1_大当たり図柄C」は、10R大当たりである。いずれの大当たりも、1Rあたりの第1大入賞口14の開放回数は1回であり、その最大開放時間は29.5秒である。
【0085】
また、「大当たり図柄A」に当選した場合の大当たり遊技後の遊技状態は、後述の「低確・時短状態」であり、時短回数(時短状態における特図変動の上限実行回数)は100回に設定される。また、「大当たり図柄B」に当選した場合の大当たり遊技後の遊技状態は、後述の「高確・時短状態」であり、確変回数(高確率状態における特図変動の上限実行回数)および時短回数は共に、次回までに設定される。また、「大当たり図柄C」に当選した場合の大当たり遊技後の遊技状態は、後述の「高確・非時短状態」(小当たりラッシュ)であり、確変回数は次回までに設定される。なお、遊技状態の詳細については後述する。
【0086】
また、「特
図2_大当たり図柄D」、「特
図2_大当たり図柄E」、及び「特
図2_大当たり図柄F」は、10R(ラウンド)大当たりであり、1Rあたりの第1大入賞口14の開放回数は1回であり、その最大開放時間は29.5秒である。「大当たり図柄D」に当選した場合の大当たり遊技後の遊技状態は、後述の「低確・時短状態」であり、時短回数は100回に設定される。また、「大当たり図柄E」に当選した場合の大当たり遊技後の遊技状態は、後述の「高確・時短状態」であり、確変回数および時短回数は共に、次回までに設定される。また、「大当たり図柄F」に当選した場合の大当たり遊技後の遊技状態は、後述の「高確・非時短状態」(小当たりラッシュ)であり、確変回数は次回までに設定される。
【0087】
また特
図2の抽選の結果、小当たりに当選すると、第2大入賞口15を開放させる小当たり遊技が実行される。本形態では
図12に示すように、特
図2の抽選で当選可能な小当たり図柄(第2特図表示器81bに停止表示される小当たり図柄)の種別は2種類ある。具体的には特
図2の抽選では、「特
図2_小当たり図柄a」、「特
図2_小当たり図柄b」に当選する可能性がある。
【0088】
「小当たり図柄a」に基づく小当たり遊技では、0.008秒のオープニング時間の経過後、第2大入賞口15の0.3秒開放が1回行われる。これに対して、「小当たり図柄b」に基づく小当たり遊技では、0.008秒のオープニング時間の経過後、第2大入賞口15の1.8秒開放が1回行われる。よって、「小当たり図柄b」に基づく小当たり遊技の方が、「小当たり図柄a」に基づく小当たり遊技よりも、第2大入賞口15への入賞が多く見込める。また特別図柄抽選の結果、ハズレと判定されると、ハズレ図柄の種別が決定される。
【0089】
ここで、本形態のパチンコ遊技機PY1の遊技状態について説明する。本形態では、遊技状態として、低確非時短状態(低確率状態且つ非時短状態)、低確時短状態(低確率状態且つ時短状態)、高確時短状態(高確率状態且つ時短状態)、高確非時短状態(高確率状態且つ非時短状態)がある。低確非時短状態を、低確率低ベース遊技状態(低確低ベース状態)や通常遊技状態ともいい、低確時短状態を、低確率高ベース遊技状態(低確高ベース状態)ともいい、高確時短状態を、高確率高ベース遊技状態(高確高ベース状態)ともいい、高確非時短状態を、高確率低ベース遊技状態(高確低ベース状態)ともいう。パチンコ遊技機PY1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、低確非時短状態(通常遊技状態)である。
【0090】
高確率状態は、
図11(A)に示すように、低確率状態(通常確率状態)と比べて、大当たりの当選確率が高い遊技状態である。すなわち、高確率状態では、特図表示器81の確率変動機能が作動する。高確率状態は、所定の上限実行回数の特別図柄の変動表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。高確率状態における上限実行回数(確変回数)は、何れの確変大当たりに当選した場合でも、次回まで(具体的には、例えば10000回)に設定される(
図12参照)。
【0091】
また時短状態は、非時短状態と比べて、電チュー12Dに遊技球が入賞し易くなる遊技状態である。時短状態は、上述したように大当たり遊技の終了後に移行する(
図12参照)。
【0092】
時短状態では、
図15(A)に示すように、普通図柄抽選の当選確率が、非時短状態よりも高くなる。すなわち時短状態では、普図表示器82の確率変動機能が作動する。
【0093】
また時短状態では、
図15(B)に示すように、普通図柄の変動時間が、非時短状態よりも短くなる。本形態では、普通図柄の変動時間は、非時短状態では2.5秒であるが、時短状態では1.5秒である。すなわち時短状態では、普図表示器82の変動時間短縮機能が作動する。
【0094】
また時短状態では、
図15(C)に示すように、補助遊技における電チュー12Dの開放時間が、非時短状態よりも長くなる。本形態では、電チュー12Dの開放時間は、非時短状態では1回あたり1.0秒であるが、時短状態では2.0秒である。すなわち時短状態では、電チュー12Dの開放時間延長機能が作動する。
【0095】
また時短状態では、
図15(C)に示すように、補助遊技における電チュー12Dの開放回数が、非時短状態よりも多くなることがある。本形態では、電チュー12Dの開放回数は、非時短状態では1回であるが、時短状態では2回である。すなわち時短状態では、電チュー12Dの開放回数増加機能が作動する。
【0096】
普図表示器82の確率変動機能や、普図表示器82の変動時間短縮機能、電チュー12Dの開放時間延長機能、電チュー12Dの開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー12Dが頻繁に開放され、第2始動口12へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態(すなわち時短状態)を「高ベース状態」ともいい、作動していない状態(すなわち非時短状態)を「低ベース状態」ともいう。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー12Dにより第2始動口12への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。そのため、高ベース状態を電サポ制御状態ともいう。また低ベース状態を非電サポ制御状態ともいう。時短状態(高ベース状態)は、「特典遊技状態」の一例である。
【0097】
なお、時短状態(高ベース状態)は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普図表示器82の確率変動機能、普図表示器82の変動時間短縮機能、電チュー12Dの開放時間延長機能、及び、電チュー12Dの開放回数増加機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー12Dに係る第2始動口12に遊技球が入賞し易くなっていればよい。
【0098】
時短状態は、所定の上限実行回数の特別図柄の変動表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。時短状態における上限実行回数(時短回数)は、時短状態の制御契機となった特別図柄の種別に基づいて決定される。本形態では、時短回数が、100回に設定される場合と、次回まで(具体的には例えば10000回)に設定される場合とがある(
図12参照)。
【0099】
ここで本形態では、電サポ制御を伴う時短状態では、右打ちにより右遊技領域6R(
図2参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御により電チュー12Dが開放されやすくなっており、第1始動口11への入賞よりも第2始動口12への入賞の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄抽選の契機となるゲート13へ遊技球を通過させつつ、第2始動口12へ遊技球を入賞させるべく右打ちを行う。これにより左打ちをするよりも、多数の始動入賞(始動口への入賞)を得ることができる。なお本パチンコ遊技機PY1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技を行う。
【0100】
これに対して、電サポ制御を伴わない通常遊技状態(低確非時短状態)では、左打ちにより左遊技領域6L(
図2参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。後述するように、通常遊技状態(低確非時短状態)で第2特別図柄の変動表示が実行されると、600000ms(
図13の表の特
図2且つ低確の欄参照)という極めて長い間、変動表示が継続されてしまい、第2特別図柄の抽選結果をしばらく得ることができないためである。そのため、第1始動口11へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。これにより右打ちするよりも、スムーズに遊技を進めることができる。
【0101】
本形態では、第2特別図柄の抽選において、
図11(A)に示すように、約4分の1の確率で小当たりに当選するように設定されているため、通常遊技状態を除いて、小当たりに比較的頻繁に当選することが可能である。そのため、第2特別図柄の抽選が続く限り、小当たり遊技が比較的頻繁に実行されて、第2大入賞口15が比較的頻繁に開放し得るようになっている。
【0102】
ここで電サポ制御を伴う高確時短状態や低確時短状態の場合、右打ちされた遊技球は、
図3(A)に示すように、電チュー開閉部材12kが頻繁に開放していることで、ほとんど第2始動口12に入球してしまい、小当たり遊技によって開放している第2大入賞口15に入賞することがほとんどない。つまり、特
図2の抽選が頻繁に実行されて、小当たり遊技によって第2大入賞口15が比較的頻繁に開放しても、第2大入賞口15への入賞をほぼ得ることができない。
【0103】
これに対して、電サポ制御を伴わない高確非時短状態の場合、右打ちされた遊技球は、上述したように、ある程度電チュー12Dに入球し得る。そのため、第2特別図柄の抽選が実行されて、小当たり遊技の実行によって第2大入賞口15が開放し得る。この場合、右打ちされた遊技球のうち、電チュー12Dに入球しなかった遊技球は、
図3(B)に示すように、小当たり遊技の実行によって開放した第2大入賞口15に入賞させることができる。こうして電サポ制御を伴わない高確非時短状態では、電チュー12Dにある程度頻繁に入球させることができると共に、第2大入賞口15にもある程度入賞させることができる。更に本形態では、電チュー12Dに入球しなかった遊技球は、
図3(B)に示すように、一般入賞口10にもある程度入球し得るように設定されている。
【0104】
よって、電サポ制御を伴わない高確非時短状態は、電サポ制御を伴う高確時短状態よりも、多くの賞球を獲得することができる有利な遊技状態である。つまり、高確時短状態では、ベース(発射球数に対する賞球数の割合)が「1」を超えないように設定されているのに対して、高確非時短状態では、ベースが「1」を超えるように設定されている。こうして、本形態の高確非時短状態は、小当たり当選に基づく第2大入賞口15の開放により、第2大入賞口15へ入賞し易い有利な遊技状態となるため、以下では「小当たりラッシュ」と称する。
【0105】
ここで本形態では、電サポ制御を伴わない高確非時短状態で、右打ちされた遊技球がある程度電チュー12Dに入球し得るように設定したため、電サポ制御を伴わない通常遊技状態(低確非時短状態)でも、右打ちされた場合には、遊技球が電チュー12Dに入球できることになる。従って、通常遊技状態において右打ちされないように対策を施す必要がある。
【0106】
そこで本形態のパチンコ遊技機PY1では、第1特別図柄と第2特別図柄とが同時に変動可能になっていて、
図13に示すように、低確非時短状態における第2特別図柄の変動時間が、「600000ms(10分)」という極めて長い時間に設定されている。即ち、低確非時短状態において、第2特別図柄の変動時間が極めて長くなるように、低確非時短状態での専用の特図変動パターンテーブルを備えている。従って、電サポ制御を伴わない通常遊技状態(低確非時短状態)で遊技者が右打ちを行って、電チュー12Dに入球すると、第1特別図柄の変動表示中であっても、第2特別図柄が10分間、変動表示を続けることになる。よって遊技者は、第2特別図柄の抽選結果を10分という極めて長い間得ることができない。以上により、通常遊技状態で遊技者が右打ちをしても、遊技者に不当な利益を与えないように右打ち対策を施している。
【0107】
次に、特別図柄の変動パターン(特図変動パターン)の決定について説明する。パチンコ遊技機PY1は、非時短状態と時短状態とで異なる特図変動パターン判定テーブルに従って、特図変動パターンを決定する(
図13及び
図14参照)。時短状態における特図変動パターン判定テーブル(
図14)は、非時短状態における特図変動パターン判定テーブル(
図13)に比べて、変動時間が短い変動パターンが選択され易いテーブルである。
【0108】
5.遊技制御用マイコン101の動作
[主制御メイン処理]次に
図16~
図40に基づいて遊技制御用マイコン101の動作について説明する。なお、遊技制御用マイコン101の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、遊技用RAM104に設けられている。遊技制御基板100に備えられた遊技制御用マイコン101は、パチンコ遊技機PY1の電源がオンされると、遊技用ROM103から
図16に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理は、まず初期設定を行う(ステップS001)。初期設定では例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、遊技用CPU102の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定や、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等のリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。なお初期設定(S001)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
【0109】
初期設定(S001)に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、
図10に示した種々の乱数カウンタ値を1だけ加算して更新する。各乱数カウンタ値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数カウンタの周期初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
【0110】
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期で遊技用CPU102に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、例えば4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときに遊技用CPU102に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
【0111】
[メイン側タイマ割り込み処理]次に、メイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。
図17に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、まず出力処理を実行する(S101)。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において遊技制御基板100の遊技用RAM104に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、演出制御基板120や払出制御基板170等に出力する。
【0112】
出力処理(S101)に次いで後述する入力処理(S102)を行う。次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、
図16の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち、
図10に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
【0113】
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に次いで、後述するセンサ検出処理(S104)、普通動作処理(S105)、第1特別動作処理(S106)、第2特別動作処理(S107)を実行する。その後、その他の処理(S108)を実行して、メイン側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S108)としては、後述の特図保留球数に基づいて特図保留表示器83をその数を示す表示態様に制御したりする。そして、次に遊技用CPU102に割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のステップS002~S004の処理が繰り返し実行され(
図16参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割り込み処理(S005)が実行される。再び実行されたメイン側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S101)においては、前回のメイン側タイマ割り込み処理(S005)にて遊技用RAM104の出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
【0114】
[入力処理]
図18に示すように、遊技制御用マイコン101は、入力処理(S102)ではまず、排出口センサ30aがONか否かを判定し(S301)、ONでなければステップS303に進むが、ONであれば(S301でYES)、遊技球がパチンコ遊技機PY1の外部に排出されたことを通知するための排出コマンドを、遊技用RAM104の出力バッファにセットして(S302)、ステップS303に進む。
【0115】
ステップS303では、遊技制御用マイコン101は、第1大入賞口センサ14aがONか否かを判定し、ONでなければステップS305に進むが、ONであれば(S303でYES)、第1大入賞口14への入賞があったことを通知するための第1大入賞口入賞コマンドを、遊技用RAM104の出力バッファにセットして(S304)、ステップS305に進む。
【0116】
ステップS305では、遊技制御用マイコン101は、第2大入賞口センサ15aがONか否かを判定し、ONでなければステップS308に進むが、ONであれば(S305でYES)、第2大入賞口15への入賞があったことを通知するための第2大入賞口入賞コマンドを、遊技用RAM104の出力バッファにセットして(S306)、ステップS308に進む。
【0117】
ステップS308では、遊技制御用マイコン101は、一般入賞口センサ10aがONか否かを判定し、ONでなければステップS310に進むが、ONであれば(S308でYES)、一般入賞口10への入賞があったことを通知するための一般入賞口入賞コマンドを、遊技用RAM104の出力バッファにセットして(S309)、ステップS310に進む。
【0118】
ステップS310では、遊技制御用マイコン101は、第1始動口センサ11aがONか否かを判定し、ONでなければステップS312に進むが、ONであれば(S310でYES)、第1始動口11への入賞があったことを通知するための第1始動口入賞コマンドを、遊技用RAM104の出力バッファにセットして(S311)、ステップS312に進む。
【0119】
ステップS312では、遊技制御用マイコン101は、第2始動口センサ12aがONか否かを判定し、ONでなければステップS314に進むが、ONであれば(S312でYES)、第2始動口12への入賞があったことを通知するための第2始動口入賞コマンドを、遊技用RAM104の出力バッファにセットして(S313)、ステップS314に進む。
【0120】
その後、遊技制御用マイコン101は、賞球処理(S314)を行う。賞球処理(S314)では、上述の処理にて入賞があったと判定した入賞口の種類に応じた賞球情報を、遊技用RAM104の出力バッファにセットする。賞球情報が払出制御基板170に出力されると、払出制御基板170は、賞球情報に応じた賞球の払出を行う。本形態では、第1始動口11への入賞に基づく賞球の数は3球に設定され、第2始動口12への入賞に基づく賞球の数は1球に設定され、第1大入賞口14への入賞に基づく賞球の数は15球に設定され、第2大入賞口15への入賞に基づく賞球の数は10球に設定され、一般入賞口10への入賞に基づく賞球の数、第1始動口11への入賞に基づく賞球の数、第2始動口12への入賞に基づく賞球の数はそれぞれ1球に設定されている。なお、各入賞口への入賞に応じた賞球の数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜変更可能である。
【0121】
[センサ検出処理]
図19に示すように、センサ検出処理(S104)ではまず、遊技球がゲート13を通過したか否か、即ち、ゲートセンサ13aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S401)。ゲート13を遊技球が通過していなければ(S401でNO)、ステップS405に進む。遊技球が通過していれば(S401でYES)、普図保留球数(普図保留の数、具体的には遊技用RAM104に設けた普図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」に達しているか否かを判定する(S402)。そして、普図保留球数が「4」に達している場合には(S402でYES)、ステップS405に進むが、普図保留球数が「4」未満である場合には(S402でNO)、普図保留球数に「1」を加算する(S403)。
【0122】
続いて、普図関係乱数取得処理を行う(S404)。普図関係乱数取得処理(S404)では、普通図柄乱数カウンタの値(ラベル-TRND-Hの値、
図10(B)参照)を取得し、その取得乱数値を普図保留記憶部106のうち現在の普図保留球数に応じた記憶領域に格納する。
【0123】
ステップS405では、第1始動口11に遊技球が入賞したか否か、即ち第1始動口センサ11aによって遊技球が検出されたか否かを判定する。第1始動口11に遊技球が入賞していない場合には(S405でNO)ステップS409に進むが、第1始動口11に遊技球が入賞した場合には(S405でYES)、特
図1保留球数(第1特図保留の数、具体的には遊技用RAM104に設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」(第1上限数)に達しているか否かを判定する(S406)。そして、特
図1保留球数が「4」に達している場合には(S406でYES)、ステップS409に進むが、特
図1保留球数が「4」未満である場合には(S406でNO)、特
図1保留球数に「1」を加算する(S407)。
【0124】
続いて、特
図1関係乱数取得処理を行う(S408)。特
図1関係乱数取得処理(S408)では、大当たり乱数カウンタの値(ラベル-TRND-Aの値)、図柄種別乱数カウンタの値(ラベル-TRND-ASの値)、リーチ乱数カウンタの値(ラベル-TRND-RCの値)及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル-TRND-T1の値)を取得し(つまり
図10(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部105aのうち現在の特
図1保留球数に応じた記憶領域に格納する。
【0125】
続いてセンサ検出処理(S104)では、第2始動口12に遊技球が入賞したか否か、即ち、第2始動口センサ12aによって遊技球が検出されたか否かを判定する(S409)。第2始動口12に遊技球が入賞していない場合には(S409でNO)本処理を終えるが、第2始動口12に遊技球が入賞した場合には(S409でYES)、特
図2保留球数(第2特図保留の数、具体的には遊技用RAM104に設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」に達しているか否かを判定する(S410)。そして、特
図2保留球数が、「4」に達している場合には(S410でYES)、本処理を終えるが、特
図2保留球数が「4」に達していない場合には(S410でNO)、特
図2保留球数に「1」を加算する(S411)。
【0126】
続いて特
図2関係乱数取得処理を行って(S412)、本処理を終える。特
図2関係乱数取得処理(S412)では、特
図1関係乱数取得処理(S408)と同様に、大当たり乱数カウンタ値(ラベル-TRND-A)、図柄種別乱数カウンタ値(ラベル-TRND-AS)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル-TRND-RC)及び変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)を取得し(つまり
図10(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第2特図保留記憶部105bのうち現在の特
図2保留球数に応じた記憶領域に格納する。
【0127】
[普通動作処理]遊技制御用マイコン101は、センサ検出処理(S104)に次いで普通動作処理(S105)を行う(
図17参照)。
図20に示すように、普通動作処理(S105)ではまず、電チュー12Dの作動中か否かを判定する(S501)。電チュー12Dの作動中でなければ(S501でNO)、続いて、普通図柄の停止表示中か否かを判定する(S502)。普通図柄の停止表示中でなければ(S502でNO)、続いて、普通図柄の変動表示中か否かを判定する(S503)。普通図柄の変動表示中でなければ(S503でNO)、続いて、普通図柄の保留球数が「0」か否かを判定する(S504)。普通図柄の保留球数が「0」であれば(S504でYES)、本処理を終える。
【0128】
ステップS504において普通図柄の保留球数が「0」でなければ(S504でNO)、当たり判定処理を行う(S505)。当たり判定処理(S505)では、普図保留記憶部106に格納されている普通図柄乱数カウンタ値(ラベル-TRND-Hの値)を読み出し、非時短状態であれば、非時短状態用の普通図柄当たり判定テーブルに基づいて当たりか否か判定し、時短状態であれば、時短状態用の普通図柄当たり判定テーブルに基づいて当たりか否か判定する。そして、当たり判定の結果に応じた普図停止図柄データを遊技用RAM104の所定の記憶領域にセットする図柄決定処理を行う(S506)。つまり図柄決定処理(S506)では、「ハズレ」であれば「普図ハズレ図柄」に応じたデータをセットし、「当たり」であれば「普通当たり図柄」に応じたデータをセットする。
【0129】
続いて遊技制御用マイコン101は、普通図柄変動時間決定処理を行う(S507)。普通図柄変動時間決定処理(S507)では、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が2.5秒の普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が時短状態であれば、普通図柄の変動時間が1.5秒の普通図柄変動パターンを選択する。
【0130】
次いで遊技制御用マイコン101は、普通図柄保留球数を1ディクリメントする(S508)。そして、普図保留記憶部106における各普図保留の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、普図保留記憶部106における保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S509)。このようにして、普図保留が保留された順に消化されるようにしている。その後、遊技制御用マイコン101は、ステップS507で選択した普通図柄変動パターンにて普通図柄の変動表示を開始する(S510)。なおこれに伴い、演出制御基板120に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
【0131】
上述のステップS503にて普通図柄の変動表示中であれば(S503でYES)、続いて、普通図柄の変動時間が経過したか否か判定し(S511)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S511でYES)、普通図柄の変動表示を、普通図柄乱数の判定結果に応じた表示結果(普通当たり図柄又は普通ハズレ図柄)で停止させる(S512)。そして、演出制御基板120に普通図柄の変動停止を知らせるための普通図柄変動停止コマンドをセットするとともに(S513)、普通図柄の停止時間をセットして(S514)、本処理を終える。
【0132】
また、上述のステップS502にて普通図柄の停止表示中であれば(S502でYES)、続いて、ステップS514でセットした普通図柄の停止時間が経過したか否か判定し(S515)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S515でYES)、普通当たり図柄の普図停止図柄データがセットされているか否かを判定し(S516)、普通当たり図柄のデータでなければ(つまり当たりでなければ(S516でNO))、本処理を終える。一方、普通当たり図柄のデータであれば(つまり当たりであれば(S516でYES))、電チュー12Dの開放パターンをセットする(S517)。詳細には、非時短状態中であれば、電チュー12Dの開放パターンとして非時短状態用の開放パターンをセットする。これに対して、時短状態中であれば、電チュー12Dの開放パターンとして時短状態用の開放パターンをセットする。そして、ステップS517でセットした開放パターンに従って、電チュー12Dを作動させる(S518)。
【0133】
また、上述のステップS501にて電チュー12Dの作動中であれば(S501でYES)、続いて、電チュー12Dの作動時間が経過したか否かを判定し(S519)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S519でYES)、電チュー12Dの作動を終了させる(S520)。
【0134】
[第1特別動作処理]遊技制御用マイコン101は、普通動作処理(S105)に次いで、
図21に示す第1特別動作処理を行う(S106)。第1特別動作処理(S106)は、特
図1の抽選に基づく大当たり遊技に関する処理である。
図21に示すように、第1特別動作処理(S106)では、特図表示器81(主に第1特図表示器81a)および大入賞装置(第1大入賞装置14D)に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「第1特別動作ステータス1,2,3,4」を割り当てている。なお第1特別動作ステータスは、初期設定では「1」である。
【0135】
第1特別動作処理(S106)ではまず、遊技制御用マイコン101は、「第2特別動作ステータス」が「4」又は「5」であるか否かを判定する(S1001)。第2特別動作ステータスが「4」であれば(S1001でYES)、後述するように特
図2の抽選に基づく大当たり遊技の実行中を意味する。また第2特別動作ステータスが「5」であれば(S1001でYES)、後述するように特
図2の抽選に基づく小当たり遊技の実行中を意味する。第2特別動作ステータスが「4」又は「5」であれば(S1001でYES)、直ちに処理を終える。つまり、特
図2の抽選に基づく大当たり遊技の実行中又は小当たり遊技の実行中には、特
図1の抽選に基づく大当たり遊技に関する処理を行わないことになる。
【0136】
これに対して、第2特別動作ステータスが「4」又は「5」の何れでもなくて(S1001でNO)、「第1特別動作ステータス」が「1」である場合には(S1002でYES)、後述する第1特別図柄待機処理を行い(S1003)、「第1特別動作ステータス」が「2」である場合には(S1002でNO、S1004でYES)、後述する第1特別図柄変動中処理を行い(S1005)、「第1特別動作ステータス」が「3」である場合には(S1002,S1004で共にNO、S1006でYES)、後述する第1特別図柄確定処理を行い(S1007)、「第1特別動作ステータス」が「4」である場合には(S1002,S1004,S1006で全てNO)、大当たり遊技を行うべく、後述する特別電動役物処理1を行う(S1009)。
【0137】
[第2特別動作処理]遊技制御用マイコン101は、第1特別動作処理(S106)に次いで、
図22に示す第2特別動作処理を行う(S107)。第2特別動作処理(S107)は、特
図2の抽選に基づく大当たり遊技又は小当たり遊技の発生に関する処理である。
図22に示すように、第2特別動作処理(S107)では、特図表示器81(主に第2特図表示器81b)および大入賞装置(第1大入賞装置14D,第2大入賞装置15D)に関する処理を5つの段階に分け、それらの各段階に「第2特別動作ステータス1,2,3,4,5」を割り当てている。なお第2特別動作ステータスは、初期設定では「1」である。
【0138】
第2特別動作処理(S107)ではまず、遊技制御用マイコン101は、「第1特別動作ステータス」が「4」であるか否かを判定する(S1101)。第1特別動作ステータスが「4」であれば(S1001でYES)、特
図1の抽選に基づく大当たり遊技の実行中を意味する。第1特別動作ステータスが「4」であれば(S1101でYES)、直ちに処理を終える。つまり、特
図1の抽選に基づく大当たり遊技の実行中には、特
図2の抽選に基づく大当たり遊技又は小当たり遊技の発生に関する処理を行わないことになる。
【0139】
これに対して、第1特別動作ステータスが「4」ではなくて(S1101でNO)、「第2特別動作ステータス」が「1」である場合には(S1102でYES)、後述する第2特別図柄待機処理を行い(S1103)、「第2特別動作ステータス」が「2」である場合には(S1102でNO、S1104でYES)、後述する第2特別図柄変動中処理を行い(S1105)、「第2特別動作ステータス」が「3」である場合には(S1102,S1104で共にNO、S1106でYES)、後述する第2特別図柄確定処理を行い(S1107)、「第2特別動作ステータス」が「4」である場合には(S1102,S1104,S1106でNO、S1108でYES)、大当たり遊技を行うべく、後述する特別電動役物処理1を行い(S1109)、「第2特別動作ステータス」が「5」である場合には(S1102,S1104,S1106,S1108で全てNO)、小当たり遊技を行うべく、後述する特別電動役物処理2を行う(S1110)。
【0140】
[第1特別図柄待機処理]
図23に示すように、第1特別図柄待機処理(S1003)ではまず、特
図1保留球数が「0」であるか否かを判定する(S1201)。特
図1保留球数が「0」である場合(S1201でYES)、即ち、第1始動口11への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特
図1の保留情報)がない場合には、本処理を終える。一方、特
図1保留球数が「0」でない場合(S1201でNO)、即ち、第1始動口11への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特
図1大当たり判定処理(S1202)及び特
図1変動パターン選択処理(S1203)を行う。
【0141】
その後、遊技制御用マイコン101は、特
図1保留球数を1ディクリメントする(S1205)。そして、第1特図保留記憶部105aにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第1特図保留記憶部105aにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1206)。このようにして、第1特図保留は保留された順に消化される。
【0142】
続いて遊技制御用マイコン101は、特
図1変動開始処理を実行する(S1207)。特
図1変動開始処理(S1207)では、第1特別動作ステータスを「2」にセットするとともに、特
図1変動開始コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。そして、上記の特
図1変動パターン選択処理(S1203)でセットされた変動パターンに応じた変動時間(特
図1の変動時間)を、特
図1変動時間タイマにセットするとともに、第1特図表示器81a上で第1特別図柄の変動表示を開始する。なお、特
図1変動開始処理(S1207)でセットされる特
図1変動開始コマンドには、特
図1大当たり判定処理(S1202)でセットされた特図停止図柄データの情報や特
図1変動パターン選択処理(S1203)でセットされた変動パターンの情報(特
図1の変動時間及び停止時間の情報を含む情報)が含まれている。
【0143】
[特
図1大当たり判定処理]
図24に示すように、特
図1大当たり判定処理(S1202)ではまず、判定値として、大当たり乱数カウンタ値(ラベル-TRND-Aの値)を読み出す(S1301)。詳細には、第1特図保留記憶部105aに一つ目の保留情報として記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。
【0144】
次に、遊技状態に応じた大当たり判定テーブル(
図11(A))をセットする(S1302)。すなわち、通常確率状態(低確率状態)であれば、大当たり判定テーブルのうち特
図1且つ低確率状態用のテーブルをセットする。一方、高確率状態であれば、大当たり判定テーブルのうち特
図1且つ高確率状態用のテーブルをセットする。
【0145】
次いで、第2大当たりフラグがONか否かを判定する(S1303)。第2大当たりフラグは、後述する特
図2の抽選において大当たりと判定されたことを示すフラグである(
図27のステップS1605参照)。第2大当たりフラグがONであれば(S1303でYES)、後述する大当たりの当否判定(S1304)を行うことなく、ハズレ図柄に対応する特図停止図柄データをセットして(S1309)、本処理を終える。このようにするのは、本形態では特
図1の処理と特
図2の処理とを並行して行っているところ、特
図2の抽選で大当たりと判定されている状況にも拘わらず、特
図1の抽選でも重複して大当たりと判定されないようにするためである。具体的には、大当たり当選を示す特
図2の変動表示中に、特
図1大当たり判定処理(S1202)が実行されても、ハズレと判定されることを意味している。
【0146】
ステップS1303で第2大当たりフラグがONでなければ(S1303でNO)、ステップS1302でセットした大当たり判定テーブル(
図11(A)参照)に基づいて大当たりか否かを判定する(S1304)。大当たりの当否判定の結果が「大当たり」であれば(S1304でYES)、第1大当たりフラグをONする(S1305)。そして、図柄種別乱数カウンタ値(ラベル-TRND-ASの値)を読み出して、
図11(B)に示す大当たり図柄種別判定テーブルに基づいて大当たり図柄の種別を判定するとともに(S1306)、その大当たり図柄の種別に対応する特図停止図柄データをセットして(S1307)、処理を終える。一方、「大当たり」でなければ(S1304でNO)、ステップS1309に進む。そして、ハズレ図柄に対応する特図停止図柄データをセットして(S1309)、処理を終える。
【0147】
[特
図1変動パターン選択処理]次に
図25に基づいて特
図1変動パターン選択処理(S1203)について説明する。
図25に示すように、特
図1変動パターン選択処理(S1203)ではまず、遊技状態が非時短状態か否か(時短フラグがOFFか否か)を判定する(S1401)。
【0148】
非時短状態であれば(S1401でYES)、続いて第1大当たりフラグがONか否かを判定する(S1402)。ONであれば(S1402でYES)、非時短状態中大当たり用のテーブル(
図13に示すテーブルのうち特
図1且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1403)。
図13に示すように、変動パターンが決まれば変動時間も決まる。
【0149】
なお、変動パターンには変動演出が関連付けられており、変動パターンが決定されると、その変動パターンに応じた変動演出が実行される。具体的には例えば、変動パターンP1に基づく変動演出ではSPリーチが実行され、変動パターンP2に基づく変動演出ではノーマルリーチ(Nリーチ)が実行される(
図13に示すテーブルの備考欄参照)。ここでSPリーチ(スーパーリーチ)とは、ノーマルリーチよりもリーチ後の変動時間が長いリーチであり、当選期待度(大当たり当選に対する期待度)がノーマルリーチよりも高くなるようにテーブルの振分率が設定されている。本形態では、スーパーリーチはノーマルリーチを経て発展的に実行される。
【0150】
またステップS1402において、第1大当たりフラグがONでなければ(S1402でNO)、ハズレであるため、続いて、リーチ乱数カウンタ値(ラベル-TRND-RCの値)がリーチ成立乱数値か否かを判定する(S1404)。
図11(D)に示すように、リーチ成立乱数値は時短状態であれば「0」~「11」であり、非時短状態であれば「0」~「27」である。すなわち、時短状態の方が非時短状態よりもハズレ時のリーチがかかりにくくなっている。これは、時短状態において変動時間の短いリーチ無しハズレがより多く選択されるようにすることで、特図保留の消化スピードを早めるためである。リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値である場合(S1404でYES)、即ち、リーチ有りハズレの場合には、非時短状態中リーチ有りハズレ用のテーブル(
図13に示すテーブルのうち特
図1且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1405)。
【0151】
一方、リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でない場合(S1404でNO)、即ち、リーチ無しハズレの場合には、非時短状態中リーチ無しハズレ用のテーブル(
図13に示すテーブルのうち特
図1且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1406)。
【0152】
なお、非時短状態におけるリーチ無しハズレ時には、保留球数に応じた短縮変動の機能が働くようになっている。すなわち、特別図柄の保留球数が「3」又は「4」であるときは、特別図柄の保留球数が「0」~「2」であるときに比して変動時間の短い変動パターンが選択されるようになっている。これは、特
図2の変動パターンの判定についても同様である。
【0153】
またステップS1401において、遊技状態が非時短状態でないと判定した場合(S1401でNO)、すなわち時短状態であると判定した場合には、時短状態用のテーブル(
図14参照)に基づいて変動パターンを選択する(S1407)。そして、選択した変動パターンをセットして(S1408)、本処理を終える。ステップS1408でセットした変動パターンの情報は、第1特別図柄待機処理(S1003)におけるステップS1207でセットされる変動開始コマンドに含められる。
【0154】
[第2特別図柄待機処理]
図26に示すように、第2特別図柄待機処理(S1103)ではまず、特
図2保留球数が「0」であるか否かを判定する(S1501)。特
図2保留球数が「0」である場合(S1501でYES)、即ち、第2始動口12への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特
図2の保留情報)がない場合には、本処理を終える。一方、特
図2保留球数が「0」でない場合(S1501でNO)、即ち、第2始動口12への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特
図2大当たり判定処理(S1502)及び特
図2変動パターン選択処理(S1503)を行う。
【0155】
その後、遊技制御用マイコン101は、特
図2保留球数を1ディクリメントする(S1505)。そして、第2特図保留記憶部105bにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第2特図保留記憶部105bにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1506)。このようにして、第2特図保留は保留された順に消化される。
【0156】
続いて遊技制御用マイコン101は、特
図2変動開始処理を実行する(S1507)。特
図2変動開始処理(S1507)では、第2特別動作ステータスを「2」にセットするとともに、特
図2変動開始コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。そして、上記の特
図2変動パターン選択処理(S1503)でセットされた変動パターンに応じた変動時間(特
図2の変動時間)を、特
図2変動時間タイマにセットするとともに、第2特図表示器81b上で第2特別図柄の変動表示を開始する。なお、特
図2変動開始処理(S1507)でセットされる特
図2変動開始コマンドには、特
図2大当たり判定処理(S1502)でセットされた特図停止図柄データの情報や特
図2変動パターン選択処理(S1503)でセットされた変動パターンの情報(特
図2の変動時間及び停止時間の情報を含む情報)が含まれている。
【0157】
[特
図2大当たり判定処理]
図27に示すように、特
図2大当たり判定処理(S1502)ではまず、判定値として、大当たり乱数カウンタ値(ラベル-TRND-Aの値)を読み出す(S1601)。詳細には、第2特図保留記憶部105bに一つ目の保留情報として記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。
【0158】
次に、遊技状態に応じた大当たり判定テーブル(
図11(A))をセットする(S1602)。すなわち、通常確率状態(低確率状態)であれば、大当たり判定テーブルのうち低確率状態且つ特
図2用のテーブルをセットする。一方、高確率状態であれば、大当たり判定テーブルのうち高確率状態且つ特
図2用のテーブルをセットする。
【0159】
次いで、第1大当たりフラグがONか否かを判定する(S1603)。第1大当たりフラグは、上述した特
図1の抽選において大当たりと判定されたことを示すフラグである(
図24のステップS1305参照)。ステップS1603で第1大当たりフラグがONでなければ(S1603でNO)、ステップS1602でセットした大当たり判定テーブル(
図11(A)参照)に基づいて大当たりか否かを判定する(S1604)。大当たりの当否判定の結果が「大当たり」であれば(S1604でYES)、第2大当たりフラグをONする(S1605)。そして、図柄種別乱数カウンタ値(ラベル-TRND-ASの値)を読み出して、
図11(B)に示す大当たり図柄種別判定テーブルに基づいて大当たり図柄種別の判定を行うとともに(S1606)、大当たり図柄種別に対応する特図停止図柄データをセットして(S1607)、処理を終える。
【0160】
一方、ステップS1604において「大当たり」でないと判定した場合には(S1604でNO)、続いて、ステップS1602でセットした大当たり判定テーブル(
図11(A)参照)に基づいて小当たりか否かを判定する。小当たりの当否判定の結果が「小当たり」であれば(S1608でYES)、小当たりフラグをONする(S1609)。そして、図柄種別乱数カウンタ値(ラベル-TRND-ASの値)を読み出して、
図11(C)に示す小当たり図柄種別判定テーブルに基づいて小当たり図柄種別の判定を行うとともに(S1610)、小当たり図柄種別に対応する特図停止図柄データをセットして(S1611)、処理を終える。
【0161】
また、ステップS1608において「小当たり」でないと判定した場合には(S1608でNO)、ハズレ図柄種別に対応する特図停止図柄データをセットして(S1613)、処理を終える。
【0162】
また、ステップS1603において第1大当たりフラグがONであると判定した場合(S1603でYES)、大当たりの当否判定(S1604)や小当たりの当否判定(S1608)を行うことなく、ハズレ図柄に対応する特図停止図柄データをセットして(S1613)、処理を終える。このように本形態では、大当たり当選を示す特
図1の変動表示中に、特
図2大当たり判定処理(S1502)が実行されても、ハズレと判定される。
【0163】
[特
図2変動パターン選択処理]次に
図28~
図29に基づいて特
図2変動パターン選択処理(S1503)について説明する。
図28に示すように、特
図2変動パターン選択処理(S1503)ではまず、遊技状態が非時短状態であるか否か(後述する時短フラグがOFFであるか否か)を判定する(S1701)。
【0164】
非時短状態であれば(S1701でYES)、続いて、遊技状態が低確率状態であるか否か(後述する確変フラグがOFFであるか否か)を判定する(S1702)。低確率状態であれば(S1702でYES)、続いて第2大当たりフラグがONか否かを判定する(S1703)。ONであれば(S1703でYES)、低確非時短状態中大当たり用のテーブル(
図13に示すテーブルのうち特
図2且つ低確且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1704)。そしてステップS1740に進む。
【0165】
またステップS1703において、第2大当たりフラグがONでなければ(S1703でNO)、続いて、小当たりフラグがONか否かを判定する(S1705)。ONであれば(S1705でYES)、低確非時短状態中小当たり用のテーブル(
図13に示すテーブルのうち特
図2且つ低確且つ小当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1706)。そしてステップS1740に進む。
【0166】
またステップS1705において、小当たりフラグがONでなければ(S1705でNO)、低確非時短状態中ハズレ用のテーブル(
図13に示すテーブルのうち特
図2且つ低確且つハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1707)。そしてステップS1740に進む。
【0167】
ここで本形態のパチンコ遊技機PY1では、
図13に示すように、低確非時短状態における特
図2の変動パターン判定テーブルと、高確非時短状態における特
図2の変動パターンテーブルとを別個に備えている。そして、低確非時短状態における特
図2の変動パターン判定テーブルを用いる場合、600000msという極めて長い変動時間の変動パターンP21,P22,P23が選択されるようになっている。これにより、低確非時短状態において、遊技者が右打ちを行って、電チュー12Dに入球させても、第2特別図柄の抽選結果を10分という極めて長い間得ることができない。よって、低確非時短状態において右打ちという意図しない遊技が行われるのを回避することが可能である。
【0168】
またステップS1702において低確率状態でないと判定した場合(S1702でNO)、高確非時短状態である。この場合には、
図29に示すように、第2大当たりフラグがONか否かを判定し(S1711)、ONであれば(S1711でYES)、高確非時短状態中大当たり用のテーブル(
図13に示すテーブルのうち特
図2且つ高確且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1712)。そしてステップS1740に進む。
【0169】
またステップS1711において第2大当たりフラグがONでなければ(S1711でNO)、続いて、小当たりフラグがONか否かを判定する(S1713)。ONであれば(S1713でYES)、高確非時短状態中小当たり用のテーブル(
図13に示すテーブルのうち特
図2且つ高確且つ小当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1714)。そしてステップS1740に進む。
【0170】
またステップS1713において小当たりフラグがONでなければ(S1713でNO)、続いて、リーチ乱数カウンタ値(ラベル-TRND-RCの値)がリーチ成立乱数値か否かを判定する(S1719)。
図11(D)に示すように、リーチ成立乱数値は時短状態であれば「0」~「11」であり、非時短状態であれば「0」~「27」である。すなわち、時短状態の方が非時短状態よりもハズレ時のリーチがかかりにくくなっている。これは、時短状態において変動時間の短いリーチ無しハズレがより多く選択されるようにすることで、特図保留の消化スピードを早めるためである。リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値である場合(S1719でYES)、即ち、リーチ有りハズレの場合には、高確非時短状態中リーチ有りハズレ用のテーブル(
図13に示すテーブルのうち特
図2且つ高確且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1720)。そしてステップS1740に進む。
【0171】
一方、リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でない場合(S1719でNO)、即ち、リーチ無しハズレの場合には、高確非時短状態中リーチ無しハズレ用のテーブル(
図13に示すテーブルのうち特
図2且つ高確且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1721)。そしてステップS1740に進む。
【0172】
またステップS1701において遊技状態が非時短状態でないと判定した場合(S1701でNO)には、時短状態であるのでステップS1708に進む。ステップS1708では、時短状態用のテーブル(
図14)に基づいて変動パターンを選択する(S1708)。そして、ステップS1740に進む。ステップS1740では、選択した変動パターンをセットして、本処理を終える。ステップS1740でセットした変動パターンの情報は第2特別図柄待機処理(S1103)におけるステップS1507でセットされる変動開始コマンドに含められる。
【0173】
[第1特別図柄変動中処理]
図30に示すように、第1特別図柄変動中処理(S1005)ではまず、特
図1変動時間タイマにセットされている値(特
図1の変動時間)を減算する(S1801)。そして特
図1の変動時間が経過したか、即ち特
図1変動時間タイマにセットされている値が「0」になったか否かを判定する(S1802)。「0」でなければ(S1802でNO)、第1特図表示器81aで第1特別図柄が変動表示し続けることになり、本処理を終える。一方、「0」であれば(S1802でYES)、特
図1変動停止コマンドをセットするとともに(S1803)、第1特別動作ステータスを「3」にセットする(S1804)。そして、第1特別図柄の変動表示を、セットされている特図停止図柄データに応じた図柄(大当たり図柄又はハズレ図柄)で停止させて(S1805)、この処理を終える。
【0174】
本形態では、特
図1の変動表示中に、特
図2の抽選に基づく小当たり遊技が実行される場合がある。この場合、第2特別動作ステータスが「5」になることで、
図21に示すステップS1001でYESと判定されることになる。これにより、第1特別動作ステータスは「2」であるにも拘わらず、第1特別図柄変動中処理(S1005)が実行されない。つまり、
図30に示すステップS1801で、特
図1変動時間タイマの値が減算されないことになる。その後、特
図2の抽選に基づく小当たり遊技が終了すると、第2特別動作ステータスが「1」になる(
図40のステップS2913参照)。その結果、第1特別図柄変動中処理(S1005)が再開され、
図30に示すステップS1801で、特
図1変動時間タイマの値が減算される。このようにして、特
図1の変動表示中に特
図2の抽選に基づく小当たり遊技が実行されると、特
図1の変動表示は継続されるものの、その小当たり遊技の実行時間だけ延長することになる。
【0175】
[第2特別図柄変動中処理]
図31に示すように、第2特別図柄変動中処理(S1105)ではまず、特
図2変動時間タイマにセットされている値(特
図2の変動時間)を減算する(S1901)。そして特
図2の変動時間が経過したか、即ち特
図2変動時間タイマにセットされている値が「0」になったか否かを判定する(S1902)。「0」でなければ(S1902でNO)、第2特図表示器81bで第2特別図柄が変動表示し続けることになり、本処理を終える。一方、「0」であれば(S1902でYES)、特
図2変動停止コマンドをセットするとともに(S1903)、第2特別動作ステータスを「3」にセットする(S1904)。そして、第2特別図柄の変動表示を、セットされている特図停止図柄データに応じた図柄(大当たり図柄、小当たり図柄、又は、ハズレ図柄)で停止させて(S1905)、この処理を終える。
【0176】
[第1特別図柄確定処理]
図32に示すように、第1特別図柄確定処理(S1007)ではまず、第1特別図柄の停止時間が経過したか否かを判定する(S2101-1)。経過していなければ(S2101-1でNO)、直ちにこの処理を終える。一方、停止時間が経過していれば(S2101-1でYES)、後述する遊技状態管理処理(S2101-2)を行って、ステップS2102に進む。
【0177】
ステップS2102では、第1大当たりフラグがONであるか否かを判定する。ONであれば(S2102でYES)、第1特別動作ステータスを「4」にセットする(S2103)。そして、遊技制御用マイコン101は、後述の特
図2強制停止処理を行うとともに(S2104)、後述の遊技状態リセット処理を行う(S2105)。その後、大当たり遊技を開始するべく、大当たりのオープニングコマンドをセットして(S2106)、大当たり遊技のオープニングを開始する(S2107)。
【0178】
ステップS2107に続いて、遊技制御用マイコン101は、当選した大当たりの種類に応じた開放パターン(詳しくは
図12参照)をセットして(S2108)、本処理を終える。なおこのときに、大当たり遊技中の第1大入賞口14の開放回数をカウントする大入賞口開放カウンタの値を、当選した大当たりの種類に応じた値にセットする。
【0179】
一方、ステップS2102において第1大当たりフラグがONでなければ(S2102でNO)、特
図1の抽選に基づく大当たり遊技を開始しないため、第1特別動作ステータスを「1」にセットして(S2109)、本処理を終える。
【0180】
[遊技状態管理処理]
図33に基づいて遊技状態管理処理について説明する。ここでは、上述した第1特別図柄確定処理(S1007)中の遊技状態管理処理(S2101-2)と、後述する第2特別図柄確定処理(ステップS1107、
図36参照)中の遊技状態管理処理(S2501-2)とをまとめて説明する。
図33に示すように、遊技状態管理処理(S2101-2,S2501-2)ではまず、高確率状態中を示す確変フラグがONか否か判定する(S2201)。ONであれば(S2201でYES)、高確率状態中に実行した特別図柄の変動表示の回数をカウントする確変カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S2202)、確変カウンタの値が「0」か否か判定する(S2203)。「0」であれば(S2203でYES)、確変フラグをOFFして(S2204)、ステップS2205に進む。一方、ステップS2201又はS2203の判定結果がNOであれば、ステップS2205に進む。なお本パチンコ遊技機PY1では後述するように、高確率状態への移行時には確変カウンタの値が「10000」(次回まで)にセットされる。
【0181】
ステップS2205では、時短状態中を示す時短フラグがONか否か判定する(S2205)。ONであれば(S2205でYES)、時短状態中に実行した特別図柄の変動表示の回数をカウントする時短カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S2206)、時短カウンタの値が「0」か否か判定する(S2207)。「0」であれば(S2207でYES)、時短フラグをOFFして(S2208)、ステップS2214に進む。
【0182】
ステップS2214では、遊技制御用マイコン101は、遊技状態フラグ更新処理(S2214)を行う。遊技状態フラグ更新処理(S2214)では、遊技状態フラグの値を、現在の遊技状態に応じた値にセットする。
図33中の表に示すように、遊技状態フラグの値は、低確・非時短状態であれば「1」にセットされ、低確・時短状態であれば「2」にセットされ、高確・非時短状態であれば「3」にセットされ、高確・時短状態であれば「4」にセットされる。
【0183】
この遊技状態フラグ更新処理(S2214)では、確変フラグがONであるか否か、時短フラグがONであるか否か等に基づいて、遊技状態フラグの値を更新する。なお、遊技状態フラグ更新処理(S2214)では、更新した遊技状態フラグの情報(すなわち現在の遊技状態の情報)を含む遊技状態指定コマンドを、遊技用RAM104の出力バッファにセットする。このコマンドが出力されることにより、演出制御基板120に現在の遊技状態の情報が通知される。そして演出制御基板120により、現在の遊技状態に応じた演出モードに制御される。
【0184】
[特
図2強制停止処理]特
図2強制停止処理(S2104)は、特
図2の変動表示中に、特
図1の抽選に基づく大当たり遊技を開始する場合に、特
図2の変動表示を強制的に終了させるための処理である。
図34に示すように、特
図2強制停止処理(S2104)ではまず、第2特別動作ステータスが「2」であるか否かを判定する(S2301)。「2」でなければ(S2301でNO)、特
図2の変動表示中でないため、本処理を終える。これに対して「2」であれば(S2301でYES)、遊技制御用マイコン101は、特
図2変動停止コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする(S2302)。続いて、変動表示中の第2特別図柄を強制的に停止表示する(S2303)。これにより、第2特図表示器81bには、ハズレ図柄が停止表示される。そして、第2特別動作ステータスを「1」にセットして(S2304)、本処理を終える。
【0185】
[遊技状態リセット処理]
図35に基づいて遊技状態リセット処理について説明する。ここでは、上述した第1特別図柄確定処理(S1007)中の遊技状態リセット処理(S2105)と、後述する第2特別図柄確定処理(ステップS1107、
図36参照)中の遊技状態リセット処理(S2505)とをまとめて説明する。
図35に示すように、遊技状態リセット処理(S2105,S2505)ではまず、確変フラグがONか否かを判定し(S2401)、ONであれば確変フラグをOFFする(S2402)。また、時短フラグがONか否かを判定し(S2403)、ONであれば時短フラグをOFFする(S2404)。つまり、大当たり遊技の実行中は、通常確率状態(低確率状態)且つ非時短状態に制御される。そして、確変カウンタの値を「0」にリセットするとともに(S2405)、時短カウンタの値を「0」にリセットして(S2406)、本処理を終える。
【0186】
[第2特別図柄確定処理]
図36に示すように、第2特別図柄確定処理(S1107)ではまず、第2特別図柄の停止時間が経過したか否かを判定する(S2501-1)。経過していなければ(S2501-1でNO)、直ちにこの処理を終える。一方、停止時間が経過していれば(S2501-1でYES)、遊技状態管理処理(S2501-2)を行って、ステップS2502に進む。遊技状態管理処理(S2501-2)は、
図33に基づいて既に説明した通りであるため、説明を省略する。
【0187】
ステップS2502では、第2大当たりフラグがONであるか否かを判定する。第2大当たりフラグがONであれば(S2502でYES)、第2特別動作ステータスを「4」にセットする(S2503)。そして、遊技制御用マイコン101は、後述の特
図1強制停止処理を行うとともに(S2504)、遊技状態リセット処理を行う(S2505)。遊技状態リセット処理(S2505)は、
図35に基づいて既に説明した通りであるため、説明を省略する。その後、大当たり遊技を開始するべく、大当たりのオープニングコマンドをセットして(S2506)、大当たり遊技のオープニングを開始する(S2507)。
【0188】
ステップS2507に続いて、遊技制御用マイコン101は、当選した大当たりの種類に応じた開放パターン(詳しくは
図12参照)をセットして(S2508)、本処理を終える。なおこのときに、大当たり遊技中の第1大入賞口14の開放回数をカウントする大入賞口開放カウンタの値を、当選した大当たりの種類に応じた値にセットする。
【0189】
一方、ステップS2502において第2大当たりフラグがONでなければ(S2502でNO)、小当たりフラグがONであるか否かを判定する(S2509)。小当たりフラグがONであれば(S2509でYES)、第2特別動作ステータスを「5」にセットする(S2510)。そして、遊技制御用マイコン101は、小当たり遊技を開始するべく、小当たりのオープニングコマンド(小当たりオープニングコマンド)をセットして(S2511)、小当たり遊技のオープニングを開始する(S2512)。続いて遊技制御用マイコン101は、当選した小当たりの種類に応じた開放パターン(詳しくは
図12参照)をセットして(S2513)、本処理を終える。
【0190】
また、第2大当たりフラグ及び小当たりフラグが共にONでなければ(S2502及びS2509で共にNO)、特
図2の抽選に基づく大当たり遊技及び小当たり遊技を開始しないため、第2特別動作ステータスを「1」にセットして(S2514)、本処理を終える。
【0191】
[特
図1強制停止処理]特
図1強制停止処理(S2504)は、特
図1の変動表示中に、特
図2の抽選に基づく大当たり遊技を開始する場合に、特
図1の変動表示を強制的に終了させるための処理である。
図37に示すように、特
図1強制停止処理(S2504)ではまず、第1特別動作ステータスが「2」であるか否かを判定する(S2601)。「2」でなければ(S2601でNO)、特
図1の変動表示中でないため、本処理を終える。これに対して「2」であれば(S2601でYES)、遊技制御用マイコン101は、特
図1変動停止コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする(S2602)。続いて、変動表示中の第1特別図柄を強制的に停止表示する(S2603)。これにより、第1特図表示器81aには、ハズレ図柄が停止表示される。そして、第1特別動作ステータスを「1」にセットして(S2604)、本処理を終える。
【0192】
[特別電動役物処理1(大当たり遊技)]特別電動役物処理1は、大当たり遊技の実行のための処理である。以下では、特
図1の抽選に基づく大当たり遊技の実行のための特別電動役物処理1(S1009)と、特
図2の抽選に基づく大当たり遊技の実行のための特別電動役物処理1(S1109)とをまとめて説明する。
図38に示すように、特別電動役物処理1(S1009又はS1109)ではまず、大当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2701)。大当たり終了フラグは、実行中の大当たり遊技において大入賞装置(第1大入賞装置14D)の開放が全て終了したことを示すフラグである。
【0193】
大当たり終了フラグがONでなければ(S2701でNO)、第1大入賞口14の開放中か否か(すなわち第1大入賞装置14Dの開放中か否か)を判定する(S2702)。開放中でなければ(S2702でNO)、第1大入賞口14を開放させる時間に至ったか否か、すなわち大当たりのオープニングの時間が経過して第1大入賞口14の開放を開始する時間に至ったか、又は、開放間のインターバルの時間が経過して次の開放を開始する時間に至ったか否かを判定する(S2703)。
【0194】
ステップS2703の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2703の判定結果がYESであれば、大当たりの種類に応じた開放パターン(
図12参照)に従って大入賞口(第1大入賞口14)を開放させる(S2704)。続いてステップS2705では、ラウンド指定コマンド送信判定処理を行って、本処理を終える。ラウンド指定コマンド送信判定処理(S2705)では、ステップS2704での第1大入賞口14の開放が1回のラウンド遊技での初めての開放か否かを判定し、そうであれば、実行中の大当たり遊技のラウンド数の情報を含むラウンド指定コマンドを、遊技用RAM104の出力バッファにセットする。なお本形態では、1回のラウンド遊技中に複数回の第1大入賞口14の開放がなされることはない。そのため、このステップS2705では、必ずラウンド指定コマンドがセットされることとなる。
【0195】
特別電動役物処理1(S1009又はS1109)のステップS2702において、第1大入賞口14の開放中であれば、第1大入賞口14の閉鎖条件が成立しているか否かを判定する(S2706)。本形態では、閉鎖条件は、そのラウンド遊技における第1大入賞口14への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では1R当たり10個)に達したこと、又は、第1大入賞口14を閉鎖させる時間に至ったこと(すなわち第1大入賞口14を開放してから所定の開放時間(
図12参照)が経過したこと)のいずれかが満たされていることである。そして、第1大入賞口14の閉鎖条件が成立していなければ(S2706でNO)、処理を終える。
【0196】
これに対して、第1大入賞口14の閉鎖条件が成立している場合(S2706でYES)には、第1大入賞口14を閉鎖(閉塞)する(S2707)。そして1回のラウンド遊技(ラウンドインターバル)が終了したかを判定する(S2708)。終了していなければ(S2708でNO)、処理を終える。一方、ラウンド遊技が終了する場合には(S2708でYES)、ラウンドカウンタの値を1ディクリメントし(S2709)、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否か判定する(S2710)。「0」でなければ(S2710でNO)、次のラウンド遊技を開始するためにそのまま処理を終える。
【0197】
一方「0」であれば(S2710でYES)、大当たり遊技を終了させる大当たり終了処理として、大当たりのエンディングコマンドをセットするとともに(S2711)、大当たりのエンディングを開始する(S2712)。そして、大当たり終了フラグをセットして(S2713)、処理を終える。
【0198】
またステップS2701において大当たり終了フラグがONであれば(S2701でYES)、最終ラウンドが終了しているので、大当たり遊技のエンディング時間が経過したか否かを判定し(S2714)、エンディング時間が経過していなければ(S2714でNO)、本処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2714でYES)、大当たり終了フラグをOFFする(S2715)。そして、後述する遊技状態設定処理を行う(S2716)。続いて、特
図1の抽選に基づく大当たり遊技の終了であれば第1大当たりフラグをOFFし、特
図2の抽選に基づく大当たり遊技の終了であれば第2大当たりフラグをOFFする(S2717)。その後、特
図1の抽選に基づく大当たり遊技の終了であれば第1特別動作ステータスを「1」にセットし、特
図2の抽選に基づく大当たり遊技の終了であれば第2特別動作ステータスを「1」にセットして(S2718)、本処理を終える。こうして特
図1の抽選に基づく大当たり遊技の実行で、第1特別動作ステータスが「4」にセットされている間は、
図22に示す第2特別動作処理(S107)における各処理S1103,S1105,S1107,S1109,S1110が実行されない。また、特
図2の抽選に基づく大当たり遊技の実行で、第2特別動作ステータスが「4」にセットされている間は、
図21に示す第1特別動作処理(S106)における各処理S1003,S1005,S1007,S1009が実行されないことになる。
【0199】
[遊技状態設定処理]遊技状態設定処理(S2716)は、当選した大当たり図柄(大当たり)の種類(
図12参照)に基づいて、大当たり遊技後の遊技状態を、低確率状態且つ時短状態、高確率状態且つ時短状態、又は、高確率状態且つ非時短状態(小当たりラッシュ)に制御するための処理である。
図39に示すように、遊技状態設定処理(S2716)ではまず、今回の大当たり遊技の実行契機となった大当たり図柄が、時短状態への制御契機となる図柄(
図12参照)であるか否かを判定する(S2801)。この判定結果がNOであればステップS2804に進むが、判定結果がYESであれば、時短フラグをONするとともに(S2802)、大当たり図柄の種別に応じた時短回数(すなわち「100」又は「10000」(次回まで))を時短カウンタにセットして(S2803)、ステップS2804に進む。
【0200】
ステップS2804では、今回の大当たり遊技の実行契機となった大当たり図柄が、高確率状態への制御契機となる図柄(
図12参照)であるか否かを判定する。この判定結果がNOであればステップS2807に進むが、判定結果がYESであれば、確変フラグをONするとともに(S2805)、確変回数(すなわち「10000」)を確変カウンタにセットして(S2806)、ステップS2807に進む。
【0201】
ステップS2807では、遊技制御用マイコン101は、遊技状態フラグ更新処理(S2807)を行う。遊技状態フラグ更新処理(S2807)では、遊技状態フラグの値を、現在の遊技状態に応じた値にセットする。具体的には、この遊技状態フラグ更新処理(S2807)では、時短フラグがONであって確変フラグがOFFであれば低確率状態且つ時短状態であるため、遊技状態フラグの値を「2」にセットし、時短フラグがOFFであって確変フラグがONであれば高確率状態且つ非時短状態であるため、遊技状態フラグの値を「3」にセットし、時短フラグがONであって確変フラグがONであれば、高確率状態且つ時短状態であるため、遊技状態フラグの値を「4」にセットする(
図33中の表参照)。なお、遊技状態フラグ更新処理(S2807)では、更新した遊技状態フラグの情報(すなわち現在の遊技状態の情報)を含む遊技状態指定コマンドを、遊技用RAM104の出力バッファにセットする。このコマンドが出力されることにより、演出制御基板120に現在の遊技状態の情報が通知される。そして演出制御基板120により、現在の遊技状態に応じた演出モードに制御される。
【0202】
[特別電動役物処理2(小当たり遊技)]特別電動役物処理2は、小当たり遊技の実行のための処理である。
図40に示すように、特別電動役物処理2(S1110)ではまず、小当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2901)。小当たり終了フラグは、実行中の小当たり遊技において大入賞装置(第2大入賞装置15D)の開放が全て終了したことを示すフラグである。
【0203】
小当たり終了フラグがONでなければ(S2901でNO)、第2大入賞口15の開放中か否か(すなわち第2大入賞装置15Dの開放中か否か)を判定する(S2902)。開放中でなければ(S2902でNO)、第2大入賞口15を開放させる時間に至ったか否か、すなわち所定の開放前インターバル時間が経過して第2大入賞口15の開放を開始する時間に至ったか否かを判定する(S2903)。本形態では開放前インターバル時間(OP時間)は「0.008秒」であり(
図12参照)、極めて短い時間に設定している。
【0204】
ステップS2903の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2903の判定結果がYESであれば、所定の開放パターン(
図12の小当たりの欄参照)に従って第2大入賞口15を開放させる(S2904)。
【0205】
ステップS2902において第2大入賞口15の開放中であれば(S2902でYES)、第2大入賞口15への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では3個)に達しているか否かを判定する(S2905)。規定入賞個数に達していなければ(S2905でNO)、第2大入賞口15の開放時間が経過したか否か(すなわち第2大入賞口15を開放してから所定の開放時間(本形態では小当たり図柄aであれば0.3秒、小当たり図柄bであれば1.8秒)が経過したか否か)を判定する(S2906)。そして、第2大入賞口15の開放時間が経過していなければ(S2906でNO)、処理を終える。なお、第2大入賞口15への最大入賞個数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜変更可能である。
【0206】
これに対して、規定入賞個数に達している場合(S2905でYES)又は第2大入賞口15の開放時間が経過した場合(S2906でYES)、すなわち2つの開放終了条件のうちのいずれかが満たされている場合には、第2大入賞口15を閉鎖(閉塞)する(S2907)。そして、小当たり終了フラグをセットして(S2908)処理を終える。
【0207】
またステップS2901において小当たり終了フラグがONであれば(S2901でYES)、小当たり遊技における第2大入賞口15の閉鎖後の所定時間(閉鎖後インターバル時間)が経過したか否かを判定し(S2909)、閉鎖後インターバル時間が経過していなければ(S2909でNO)処理を終える。本形態では閉鎖後インターバル時間(ED時間)は、「0.3秒」であり、極めて短い時間に設定している。なおED時間を、第2大入賞装置15D内へ入賞した遊技球が当該第2大入賞装置15D外へ排出されるのを確認可能な時間(1000ms程度の短時間)としても良い。
【0208】
一方、閉鎖後インターバル時間が経過していれば(S2909でYES)、小当たり終了フラグをOFFするとともに(S2910)、小当たりフラグをOFFする(S2911)。続いて、演出制御基板120(演出制御用マイコン121)に小当たり遊技の終了を知らせるべく、小当たり遊技終了コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする(S2912)。そして、第2特別動作ステータスを「1」にセットして(S2913)、本処理を終える。こうして特
図2の抽選に基づく小当たり遊技の実行で、第2特別動作ステータスが「5」にセットされている間は、
図21に示す第1特別動作処理(S106)における各処理S1003,S1005,S1007,S1009が実行されないことになる。
【0209】
6.演出制御用マイコン121の動作
次に、
図41~
図45に基づいて演出制御用マイコン121の動作について説明する。なお、演出制御用マイコン121の動作の説明において登場するカウンタ、タイマ、フラグ、バッファ等は、演出用RAM124に設けられている。
【0210】
[サブ制御メイン処理]演出制御用マイコン121は、パチンコ遊技機PY1が電源投入されると、
図41に示したサブ制御メイン処理のプログラムを演出用ROM123から読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、最初に、電源投入に応じた電源投入時処理を行う(S4001)。電源投入時処理では、例えば、演出用CPU122の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
【0211】
次に、割り込みを禁止し(S4002)、乱数更新処理を実行する(S4003)。乱数更新処理(S4003)では、種々の演出に関する判定を行うための種々の演出判定用乱数カウンタの値を更新する。種々の演出についての演出判定用乱数カウンタの更新方法は、一例として、前述の遊技制御基板100が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の遊技制御基板100が行う乱数更新処理においても同様である。
【0212】
乱数更新処理が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4004)。コマンド送信処理(S4004)では、演出制御基板120の演出用RAM124内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板140に送信する。コマンドを受信した画像制御基板140は、受信したコマンドに従って、表示画面50a(表示部)に画像を表示する(画像による種々の演出を実行する)。なお、演出制御基板120は、画像制御基板140によって行われる種々の演出とともに、音声制御基板161を介してスピーカ610から音声を出力させたり(音声による種々の音演出を実行したり)、サブドライブ基板162を介して盤ランプ54や枠ランプ212を発光させたり(発光による種々の発光演出を実行したり)、盤可動体55kを作動させたり(動作による種々の可動体演出を実行したり)する。このようにして、各種の演出(変動演出、保留演出、可動体演出、操作演出、先読み演出、その他の予告演出、特別遊技に伴うオープニング演出、開放遊技演出、エンディング演出、客待ち演出、演出モードの制御など)が実現される。
【0213】
演出制御用マイコン121は続いて、割り込みを許可する(S4005)。以降、ステップS4002~S4005をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4010)、1msタイマ割り込み処理(S4011)、および10msタイマ割り込み処理(S4012)の実行が可能となる。
【0214】
受信割り込み処理(S4010)は、遊技制御基板100から送られた各種のコマンドが演出制御用マイコン121に入力される度に実行される。受信割り込み処理(S4010)では、演出制御用マイコン121は遊技制御基板100の出力処理(S101)により送信されてきて受信した各種のコマンドを演出用RAM124の受信バッファに格納する。この受信割り込み処理は、他の割り込み処理(S4011,S4012)に優先して実行される。
【0215】
[1msタイマ割り込み処理]1msタイマ割り込み処理(S4011)は、演出制御基板120に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。1msタイマ割り込み処理(S4011)では、
図42に示すように、入力処理(S4101)、発光データ出力処理(S4102)、可動体制御処理(S4103)、ウォッチドッグタイマ処理(S4104)を順次行う。
【0216】
入力処理では、演出ボタン検知センサ40aやセレクトボタン検知センサ42aなどの遊技者が操作可能な操作部に対する操作を検出し、検出結果に応じてコマンドをセットしたり演出用データを作成したりする。発光データ出力処理では、入力処理や後述する演出データ作成処理等で作成された演出用データに基づいて、画像による演出等に合うタイミングなどで枠ランプ212、および盤ランプ54などのランプを発光させるべく、発光データ(ランプデータ)をサブドライブ基板162に出力する。つまり、演出制御用マイコン121は、発光データに従って枠ランプ212、および盤ランプ54などを所定の発光態様で発光させる。可動体制御処理では、入力処理や後述する演出データ作成処理等で作成された演出用データに基づいて、所定のタイミングで盤可動体55kなどの可動体を動作させる可動体演出を行うべく、駆動データを出力する。つまり、演出制御用マイコン121は、駆動データに従って、盤可動体55kなどを所定の動作態様で動作させる可動体演出を行う。ウォッチドッグタイマ処理では、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行う。
【0217】
[10msタイマ割り込み処理]10msタイマ割り込み処理(S4012)は、演出制御基板120に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。10msタイマ割り込み処理(S4012)では、
図43に示すように、受信コマンド解析処理(S4201)、後述する差球表示処理(S4202)、後述する大当たり賞球数表示処理(S4203)、演出タイマ更新処理(S4204)、音声制御処理(S4205)、演出用データ作成処理(S4206)を順次行う。
【0218】
受信コマンド解析処理(S4201)では、受信割り込み処理(S4010)によって演出用RAM124の受信バッファに格納されたコマンドを解析し、そのコマンドに応じた処理(例えば演出の選択や演出モードの設定、コマンドのセット等)を行う。なお、受信コマンド解析処理では、遊技状態指定コマンドの受信に基づいてその遊技状態指定コマンドが示す遊技状態の情報を、演出用RAM124に格納する。
【0219】
演出タイマ更新処理(S4204)では、各演出に関する時間を計測するためのタイマを更新する。例えば、演出タイマ更新処理では、演出ボタン40kやセレクトボタン42kといった操作部の操作有効期間の開始タイミングや終了タイミングを計測する。音声制御処理(S4205)では、入力処理や受信コマンド解析処理の処理結果に基づいて、音声データ(スピーカ610からの音声の出力を制御するデータ)の作成と音声制御基板161への出力が行われる。演出用データ作成処理(S4206)では、受信コマンド解析処理の処理結果に基づいて、演出用データの作成が行われる。
【0220】
ここで、演出制御用マイコン121が遊技制御用マイコン101からコマンドを受信した場合の処理の一例を説明する。演出制御用マイコン121が受信するコマンドは、変動開始コマンド(特
図1変動開始コマンド又は特
図2変動開始コマンド)とする。演出制御用マイコン121は、受信コマンド解析処理(S4201)において、変動開始コマンドを受信していると判定した場合、変動開始コマンド受信時処理として、そのコマンドが示す特図変動パターンに基づいて、変動演出の演出パターン(サブ変動パターン)を選択し、そのサブ変動パターンの情報をセットするとともに、そのサブ変動パターンの情報を含む変動演出開始コマンドを出力バッファにセットする。例えば、変動開始コマンドが示す特図変動パターンがSP変動(SPリーチに関連付けられた変動パターン)である場合、SPリーチを行うサブ変動パターンを選択し、そのサブ変動パターンに対応する変動演出開始コマンドを出力バッファにセットする。その後、各処理(コマンド送信処理(S4004)、発光データ出力処理(S4102)、可動体制御処理(S4103)、音声制御処理(S4205)など)が実行されることで、選択したサブ変動パターンに対応する変動演出が実現される。なお、このような演出の実現に関する処理の流れは、特別遊技に伴う演出や客待ち演出、先読み演出、所謂当該変動に伴う予告演出、演出モードの制御などの他の演出についても基本的には同じである。
【0221】
[差球表示処理]
図44-1及び
図44-2に基づいて差球表示処理について説明する。
図44-1に示すように、差球表示処理(S4202)ではまず、小当たりラッシュ中か否か、すなわち高確率状態且つ非時短状態中か否かを判定する(S4301)。小当たりラッシュ中でなければ(S4301でNO)ステップS4313に進む(
図44-2参照)が、小当たりラッシュ中であれば(S4301でYES)、第2大入賞口15への入賞があったことを示す第2大入賞口入賞コマンドを受信したか否かを判定する(S4302)。第2大入賞口入賞コマンドを受信していなければ(S4302でNO)、ステップS4305に進むが、第2大入賞口入賞コマンドを受信していれば(S4302でYES)、小当たりラッシュ中の実獲得球数(総賞球数と排出球数の差)を計測する小当たり賞球数カウンタの値を10インクリメントして(S4303)、小当たり入賞演出コマンドをセットし(S4304)、ステップS4305に進む。小当たり入賞演出コマンドが画像制御基板140に出力されると、画像制御基板140は、小当たり入賞演出(追加賞球画像G20の表示、
図48(B)参照)を行う。
【0222】
ステップS4305では、第1始動口11への入賞があったことを示す第1始動口入賞コマンドを受信したか否かを判定する(S4305)。第1始動口入賞コマンドを受信していなければ(S4305でNO)、ステップS4307に進むが、第1始動口入賞コマンドを受信していれば(S4305でYES)、小当たり賞球数カウンタの値を1インクリメントして(S4306)、ステップS4307に進む。なお、小当たりラッシュ中は左打ちにより遊技が進行されるため、第1始動口11への入賞は正しく遊戯されている限り生じない。ステップS4307では、第2始動口12への入賞があったことを示す第2始動口入賞コマンドを受信したか否かを判定する(S4307)。第2始動口入賞コマンドを受信していなければ(S4307でNO)、
図44-2に示すステップS4309に進むが、第2始動口入賞コマンドを受信していれば(S4307でYES)、小当たり賞球数カウンタの値を1インクリメントして(S4308)、ステップS4309に進む。
【0223】
ステップS4309では、一般入賞口10への入賞があったことを示す一般入賞口入賞コマンドを受信したか否かを判定する(S4309)。一般入賞口入賞コマンドを受信していなければ(S4309でNO)、ステップS4311に進むが、一般入賞口入賞コマンドを受信していれば(S4309でYES)、小当たり賞球数カウンタの値を1インクリメントして(S4310)、ステップS4311に進む。ステップS4311では、遊技球がパチンコ遊技機PY1の外に排出されたことを示す排出コマンドを受信しているか否かを判定する(S4311)。排出コマンドを受信していなければ(S4311でNO)ステップS4314に進むが、排出コマンドを受信していれば(S4311でYES)、小当たり賞球数カウンタの値を1ディクリメントして(S4312)、ステップS4313に進む。そして、差球数表示コマンドを出力バッファにセットして(S4313)、ステップS4314に進む。差球数表示コマンドが画像制御基板140に出力されると、画像制御基板140は、小当たりラッシュ中の実獲得球数を示す差球数表示ZI2(
図48参照)の更新を行う。ステップS4314では、小当たりラッシュが終了したかを判定する(S4314)。小当たりラッシュが終了していれば(S4314でYES)小当たり賞球数カウンタをリセットして「0」とする(S4315)。そして本処理を終える。
【0224】
[大当たり賞球数表示処理]大当たり賞球数表示処理(S4203)では、
図45に示すように大当たり遊技中か否か、すなわち高確率状態且つ時短状態か否かを判断する(S4401)。大当たり遊技中でなければ(S4401でNO)、ステップS4405に進むが、大当たり遊技中であれば(S4401でYES)、第1大入賞口15への入賞があったことを示す第1大入賞口入賞コマンドを受信したか否かを判定する(S4402)。第1大入賞口入賞コマンドを受信していなければ(S4402でNO)、ステップS4405に進むが、第1大入賞口入賞コマンドを受信していれば(S4402でYES)、大当たり遊技中の第1大入賞口14への入賞に基づく累積賞球数を計測する大当たり賞球数カウンタの値を15インクリメントして(S4403)、大当たり賞球数表示コマンドを出力バッファにセットして(S4404)、ステップS4405に進む。大当たり賞球数表示コマンドが画像制御基板140に出力されると、画像制御基板140は、大当たり遊技中の第1大入賞口15への入賞に基づく累積賞球数を示す累積賞球数表示G30(
図49参照)の更新を行う。
【0225】
ステップS4405では、大当たり遊技が終了するタイミングか否かを判定する(S4405)。大当たり遊技の終了するタイミングであれば(S4405でYES)大当たり賞球数カウンタをリセットし(S4406)、処理を終了する。大当たり遊技の終了するタイミングでなければ(S4405でNO)、そのまま処理を終了する。
【0226】
7.本形態における遊技の流れ
次に、本形態のパチンコ遊技機PY1における遊技の進行の流れについて、
図46に基づいて説明する。
図46に示すように、まず、低確率状態且つ非時短状態(通常遊技状態)においては左打ちにて遊技を進行し、特
図1の抽選に基づく大当たり当選を狙う。
【0227】
特
図1の抽選にて大当たりに当選した場合、大当たり図柄の種別が「特
図1_大当たり図柄A」(4R通常大当たり)であれば、4Rの大当たり遊技の後、時短回数が100回の低確率状態且つ時短状態に移行する(
図12参照)。また、大当たり図柄の種別が「特
図1_大当たり図柄B」(4R確変大当たり)であれば、4Rの大当たり遊技の後、確変回数及び時短回数が共に次回までの高確率状態且つ時短状態に移行する(
図12参照)。また、大当たり図柄の種別が「特
図1_大当たり図柄C」(10R確変大当たり)であれば、10Rの大当たり遊技の後、確変回数が次回までの高確率状態且つ非時短状態(小当たりラッシュ)に移行する(
図12参照)。高確率状態且つ非時短状態は、小当たり当選に基づいて開放される第2大入賞口15への入賞が容易な「小当たりラッシュ」である。この小当たりラッシュ中、第2大入賞口15への入賞によって、遊技者は持ち球を増加させることが可能である。
【0228】
時短状態中や高確率状態且つ非時短状態中は、右打ちにて遊技を進行し、特
図2の抽選に基づく大当たり当選を狙う。特
図2の抽選にて大当たりに当選した場合、大当たり図柄の種別が「特
図2_大当たり図柄D」(10R通常大当たり)であれば、10Rの大当たり遊技の後、時短回数が100回の低確率状態且つ時短状態に移行する(
図12参照)。一方、大当たり図柄の種別が「特
図2_大当たり図柄E」(10R確変大当たり)であれば、10Rの大当たり遊技の後、高確率状態且つ時短状態に移行する(
図12参照)。一方、大当たり図柄の種別が「特
図2_大当たり図柄F」(10R確変大当たり)であれば、10Rの大当たり遊技の後、高確率状態且つ非時短状態(小当たりラッシュ)に移行する(
図12参照)。なお低確率状態且つ時短状態において大当たりに当選することなく100回の特図変動がなされた場合、低確率状態且つ非時短状態に戻る。
【0229】
8.本形態における演出例
8-1.演出モード
次に、本形態のパチンコ遊技機PY1における演出例について、
図47~
図49に基づいて説明する。まず、演出モードについて説明する。演出モードとは、画像表示装置50、スピーカ610、盤ランプ54、及び枠ランプ212等を用いた演出の態様であり、演出モードが異なると、例えば画像表示装置50に表示されるキャラクタやアイテム、背景画像等が異なり、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3を用いた変動演出も演出モードに応じた態様で実行される。
【0230】
本形態の演出モードには、
図47(A)に示す通常の昼の背景画像が表示される昼背景モード、
図47(B)に示す特別な昼の背景画像(通常の昼の背景画像と炎のエフェクト画像が組み合わされた背景画像)が表示される特殊昼背景モード、
図47(C)に示す通常の夜の背景画像が表示される夜背景モード、
図47(D)に示す特別な夜の背景画像(通常の夜の背景画像と星の画像が組み合わされた背景画像)が表示される超夜背景モードが含まれている。
【0231】
昼背景モード(
図47(A))は、低確非時短状態である場合に設定される演出モードである。つまり、低確非時短状態であって特
図1の抽選を主として遊技が進行される状態において設定される演出モードである。
【0232】
特殊昼背景モード(
図47(B))は、低確時短状態である場合に設定される演出モードである。つまり、低確時短状態であって特
図2の抽選を主として遊技が進行される状態において設定される演出モードである。時短状態では、右打ちにて第2始動口12への入賞を狙って遊技を進行させるため、特殊昼背景モードでは、演出制御用マイコン121は、右打ちにて遊技を行うべき旨を報知する右打ち報知画像RIを表示画面50aの右上部に表示する。また、特殊昼背景モードでは、当該演出モードの終了時期を示唆するため、演出制御用マイコン121は、当該演出モードの残りの変動回数を示す残回数表示ZIを表示画面50aの右下部に表示する。残回数表示ZIを、終了時期示唆表示とも言う。特殊昼背景モードにおける残回数表示ZIは、時短状態の残りの変動回数を示唆する表示としても機能する。
【0233】
夜背景モード(
図47(C))は、高確時短状態である場合に設定される演出モードである。つまり、高確時短状態であって特
図2の抽選を主として遊技が進行される状態において設定される演出モードである。
【0234】
超夜背景モード(
図47(D))は、高確非時短状態(小当たりラッシュ)である場合に設定される演出モードである。つまり、高確非時短状態であって特
図2の抽選を主として遊技が進行される状態において設定される演出モードである。高確非時短状態(小当たりラッシュ)中の実獲得球数は、差球数表示ZI2として表示画面50aの左下部に表示される。なお、差球数表示ZI2は差球表示処理(S4202)によってカウントされた小当たり賞球数カウンタの値がプラスになるまでは「0pt」と表示される。
【0235】
8-2.変動演出
次に、変動演出について説明する。パチンコ遊技機PY1は、特別図柄の変動表示が開始されると、特別図柄の変動表示に係る変動パターンおよび特別図柄抽選の結果(大当たり判定や小当たり判定の結果、図柄種別判定の結果、リーチ判定の結果、および、変動パターン判定の結果)などに基づいて、変動演出を実行する。変動演出では、表示画面50aにおいて、所定の背景画像に重畳的に、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示が行われる。演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示では、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が変動した後に停止する。すなわち、特別図柄の変動時間にわたって、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示が行われた後に、当該変動が停止して、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止表示が行われる。そして、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止表示によって特別図柄抽選の結果が報知される。
【0236】
8-3.高確非時短状態における表示演出
次に、高確非時短状態(小当たりラッシュ)における表示演出について説明する。
図47(D)に示す超夜背景モードでは、パチンコ遊技機PY1は、小当たり賞球数カウンタの値に応じた差球数表示ZI2を行う。小当たりラッシュ中は、第2大入賞装置15Dが開状態とされ、第2大入賞口15への入賞によって、遊技者は持ち球を増加させることが可能である。しかし、第2大入賞口15への入賞がカウントされるまでは、排出口センサ30aによる検出に基づいて、小当たり賞球数カウンタの値が1ディクリメントされるので、小当たり賞球数カウンタの値がマイナスになることがある。
図48(A)に示すように、小当たり賞球数カウンタの値がマイナスであるうちは差球数表示ZI2を「0pt」としている。なお、差球数表示ZI2における「pt」は「point」の略である。
【0237】
第2大入賞口15へ遊技球が入賞して、小当たり賞球数カウンタの値が10インクリメントされると、
図48(B)に示すように「+10」の文字列をデザインした追加賞球画像G20を表示画面50aに表示する。「10」という数は、第2大入賞口15への入賞に基づく賞球数である。つまり、追加賞球画像G20は、新たに10個の賞球が払い出されることを示唆する画像である。追加賞球画像G20は、差球数表示ZI2に向かって移動するように表示され、この移動表示に応じて差球数表示ZI2の値が更新される。例えば、
図48(B)に示すように、差球数表示ZI2が「0pt」から「10pt」に更新され、次の第2大入賞口15への入賞に応じて、
図48(C)に示すように、差球数表示ZI2が「10pt」から「20pt」に更新される。
【0238】
また小当たりラッシュ中は、遊技球が排出口センサ30aに検知されると、小当たり賞球数カウンタの値が1ディクリメントされるため、これに応じて、差球数表示ZI2の値も「1」減算表示される。例えば、
図48(C)(D)に示すように、差球数表示ZI2が「20pt」から「19pt」に更新され、さらに排出口センサ30aによる遊技球の検知がなされると、
図48(D)(E)に示すように、差球数表示ZI2が「19pt」から「18pt」に更新される。
【0239】
このような具合に、本形態のパチンコ遊技機PY1は、小当たりラッシュ中、小当たり遊技によって開放される第2大入賞口15等への入賞口への入賞に基づく賞球数の累積値と、排出口センサ30aによって検知された遊技球の数(遊技領域6に発射された遊技球の数と同じ)との差を、差球数表示ZI2によって遊技者に示している。これにより遊技者は、小当たりラッシュ中に増加した持ち球の数を正確に把握することが可能となっている。
【0240】
なお本形態のパチンコ遊技機PY1は、小当たりラッシュの終了時には、小当たりラッシュの遊技結果を示すリザルト演出として、小当たり賞球数カウンタの値に応じた実差賞球数表示G40を表示画面50aの中央部に表示する(
図48(F))。これにより、小当たりラッシュによって獲得した利益を遊技者に確実に伝えることが可能である。
【0241】
8-4.大当たり遊技中における表示演出
次に、大当たり遊技における表示演出について説明する。
図49は、第1大入賞口14への入賞に応じて累積賞球数表示G30が更新される様子を示す図である。
図49に示すように、大当たり遊技が開始されると、まずオープニング演出が実行され(
図49(A))、続いて、1R目のラウンド遊技の開始に伴い、ラウンド演出が実行される(
図49(B))。ラウンド演出には、現在のラウンド数を示すラウンド数表示(ラウンド画像G109の表示)、右打ちにて遊技することを促す右打ち表示(右打ち報知画像RIの表示)、大当たり遊技にて遊技者が獲得した賞球数を累積的に示す累積賞球数表示G30が含まれている。
【0242】
大当たり遊技が開始されたばかりで獲得賞球数が「0」の場合、累積賞球数表示G30は「0pt」である(
図49(B))。なお、累積賞球数表示G30における「pt」は「point」の略である。累積賞球数表示G30の値は、第1大入賞口14への入賞1球につき「15」加算される。この「15」という数は、第1大入賞口14への入賞に基づく賞球数である。よって、第1大入賞口14への入賞が1球生じると、累積賞球数表示G30は「15pt」に更新される(
図49(C))。なお、累積賞球数表示G30の値は上述した大当たり賞球数カウンタの値に対応している。
【0243】
さらに第1大入賞口14への入賞が1球生じると、累積賞球数表示G30は「30pt」に更新される(
図49(D))。つまり、累積賞球数表示G30の値は、表示されていた値「15」に、新たな入賞に基づく賞球数「15」を加算した値「30」に更新される。本形態では、このような具合に第1大入賞口14への入賞に応じて累積賞球数表示G30が更新されていく。
【0244】
8-5.累積賞球数表示G30及び差球数表示ZI2の更新タイミング
次に、
図50に示すタイミングチャートに基づいて、演出制御用マイコン121による大当たり遊技中の累積賞球数表示G30の更新処理、および、小当たりラッシュ中の差球数表示ZI2の更新処理について説明する。
【0245】
演出制御用マイコン121は、大当たり遊技中に第1大入賞口入賞コマンドを受信すると(第1大入賞口センサ14aがONすると)、累積賞球数表示G30を更新する(
図50(A)(C))。なお、累積賞球数表示G30の更新は、その旨を指示するコマンドを演出制御用マイコン121が画像制御基板140に送信することにより実現される。また、演出制御用マイコン121は、小当たりラッシュ中に第2大入賞口入賞コマンドを受信すると(第2大入賞口センサ15aがONすると)、追加賞球画像G20を表示するとともに(
図50(B)(E))、差球数表示ZI2を更新する(
図50(B)(D))。なお、追加賞球画像G20の表示及び差球数表示ZI2の更新は、その旨を指示するコマンドを演出制御用マイコン121が画像制御基板140に送信することにより実現される。
【0246】
図50に示すように、大当たり遊技が開始され第1大入賞口センサ14aが入賞を検知すると、演出制御用マイコン121は
図49(C)に示すように表示画面50aの右下に表示している累積賞球数表示G30を更新する(タイミングTa)。累積賞球数表示G30の更新は、第1大入賞口センサ14aが入賞を検知する度に行われる(タイミングTa、タイミングTb、タイミングTc、タイミングTd)。なお、累積賞球数表示G30の値は、排出口センサ30aによる遊技球の検知があっても減らされない。
【0247】
また、小当たりラッシュ中に第2大入賞口センサ15aが入賞を検知すると、演出制御用マイコン121は
図48(B)に示すように表示画面50aの中程に追加賞球画像G20を表示し、追加賞球画像G20を左下に移動するように表示して、差球数表示ZI2の値を増やす(タイミングTe)。一方で、遊技球が排出口センサ30aに検知されると、
図48(D)に示すように差球数表示ZI2の値を減らす(タイミングTg)。差球数表示ZI2の更新は、第2大入賞口センサ15aに入賞が検知される度(タイミングTe、タイミングTf、タイミングTj)、或いは排出口センサ30aに遊技球の排出が検知される度(タイミングTg、タイミングTh、タイミングTi、タイミングTk)に更新される。
【0248】
9.本形態の効果
以上詳細に説明したように本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、小当たり当選に基づいて開放される第2大入賞口15への入賞が容易な高確非時短状態(小当たりラッシュ)によって遊技者が獲得した遊技球の数を差球数表示ZI2によって正確に把握させることができるため、高確非時短状態(小当たりラッシュ)中の遊技興趣を向上可能である。
【0249】
すなわち、表示画面50aに表示される差球数表示ZI2に常に最新の小当たり賞球数カウンタの値が示されることで、獲得した賞球数から排出された遊技球数を差し引いた実差球数を把握させることが出来る。つまり、高確非時短状態(小当たりラッシュ)の間に獲得した遊技球数を正確に把握させることができる。
【0250】
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、高確非時短状態(小当たりラッシュ)終了時のリザルト演出として表示画面50aに小当たり賞球数カウンタの値に基づいて実差賞球数表示G40を表示している。このことで、高確非時短状態(小当たりラッシュ)における実差球数(賞球数と排出球数との差)を遊技者が知ることができるので、遊技者を高揚させることが可能である。
【0251】
なお、小当たりラッシュ(有利遊技状態)は、大当たり遊技のように実行期間が決まっておらず、遊技の展開次第では、実行期間が長期化することがあるため、排出球を演算対象とせずに第2大入賞口15への入賞に基づく累積賞球数を表示すると、小当たりラッシュ中に実際に増加した持ち球の数との乖離が大きくなってしまうおそれがある。しかしながら本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、差球数表示ZI2によって、小当たりラッシュ中に実際に増加した持ち球の数を遊技者に認識させることが可能であるため、遊技興趣の向上や遊技意欲の向上が見込める。
【0252】
10.変更例
以下、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上記形態のパチンコ遊技機PY1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。勿論、変更例に係る構成同士を適宜組み合わせて構成してもよい。また、上記形態および下記変更例中の技術的特徴は、本明細書において必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【0253】
上記形態では、第2大入賞口15への入賞に基づく賞球と遊技領域6から排出された排出球との差球、つまり、小当たり賞球数カウンタの値がマイナスの値であるときは、「0」を表示する構成としたが、マイナスの値を表示する構成としても良い。
【0254】
また上記形態では、差球数表示ZI2(特定表示)は、小当たりラッシュの期間中の第2大入賞口15等の入賞口への入賞に基づく獲得賞球数と排出球との差を示す構成としたが、小当たりラッシュの前の大当たり遊技の開始から小当たりラッシュの終了までの通算期間における大入賞口への入賞に基づく獲得賞球数と排出球との差を示す構成としても良い。なおこの場合、大当たり遊技の期間中は、排出球を特定表示に係る演算対象とせずに、大入賞口への入賞に基づく獲得賞球数だけを表示する構成(例えば1ラウンドあたり15賞球の10カウントで、全10ラウンドの大当たり遊技であれば、大当たり遊技の終了時の特定表示の値は、オーバー入賞がなければ1500となる)としても良い。
【0255】
また上記形態では、電チュー12D(特
図2に係る第2始動口12)への入賞に基づく賞球を1球にしたが、2球以上としても良い。この場合、電チュー12Dへの入賞に基づく賞球も、差球数表示ZI2(特定表示)のカウント対象(演算対象)としても良い。
【0256】
また上記形態では、一般入賞口10への入賞に基づく賞球を1球にしたが、2球以上としてもよい。この場合、一般入賞口10への入賞に基づく賞球も、差球数表示ZI2(特定表示)のカウント対象(演算対象)としてもよい。
【0257】
また上記形態では、小当たりラッシュ(有利遊技状態の一例)中の第2大入賞口15(特定の入賞口の一例)への入賞に基づく賞球数の累積値と排出球数との差を示唆する差球数表示ZI2を表示画面50aに表示する構成とした。これに対して、大当たり遊技の実行中である大当たり遊技状態(有利遊技状態に相当)中の第1大入賞口14(特定の入賞口に相当)への入賞に基づく賞球数の累積値と排出球数との差を示唆する差球数表示を行う構成としてもよい。また、時短状態(有利遊技状態に相当)中の電チュー12Dに係る第2始動口12(特定の入賞口に相当)への入賞に基づく賞球数の累積値と排出球数との差を示唆する差球数表示を行う構成としてもよい。
【0258】
また上記形態では、排出口センサ30aによる遊技球の検知を利用して、小当たりラッシュ中に実際に増加した持ち球の数を差球数表示ZI2で表示した。これに対して、排出口センサ30aによる遊技球の検知を利用して、通常遊技状態(低確非時短状態)における第1始動口11への入賞率(すなわち、第1始動口11への入賞球数/排出球数)を表示画面50aに表示する構成としてもよい。なお、第1始動口11への入賞球数は、第1始動口センサ11aによる遊技球の検知に基づいてカウントする。また、排出球数は、遊技領域6への発射球数と同数である。つまり、第1始動口11への入賞率の表示は、第1始動口11への入賞し易さの指標として機能する。
【0259】
ここで、第1始動口11への入賞率の表示は、例えば250球など、所定の発射球数(排出球数)毎の表示とすることが望ましい。具体的には例えば、
図51(A)(B)に示すように、排出球数の累積値を分母とし、第1始動口11への入賞球数の累積値を分子とする入賞率表示G50を表示し、第1始動口センサ11aによる遊技球の検知や排出口センサ30aによる遊技球の検知に応じて、入賞率表示G50の分子や分母の値を更新すればよい。そして、排出球数の累積値が既定数(例えば「250」)に到達したら(
図51(C))、入賞率表示G50を「0/0」にリセットし(
図51(D))、再び、排出球数の累積値が既定数になるまで、第1始動口センサ11aによる遊技球の検知や排出口センサ30aによる遊技球の検知に応じて、入賞率表示G50の分子や分母の値を増加表示すればよい。
【0260】
なお、入賞率表示は、所定の発射球数に対する第1始動口11への入賞球数の割合を遊技者に把握させることができれば、その表示態様は適宜変更可能である。例えば、
図51に示した入賞率表示G50の分子だけを表示したり、分子の値に応じた色のアイコン(0~9なら白色のアイコン、10~14なら青色のアイコン、15~19なら黄色のアイコン、20~24なら緑色のアイコン、25以上なら赤色のアイコン)を表示したりする構成としてもよい。
【0261】
この変更例によれば、通常遊技状態における第1始動口11への入賞し易さが遊技者に示されるため、遊技するパチンコ遊技機の選定等に役立つことが期待でき、遊技興趣の向上が期待できる。
【0262】
また上記形態では、差球数表示ZI2(特定表示)は、
図44-1及び
図44-2に示すように、第2大入賞口15への入賞に基づいて、小当たり賞球数カウンタの値が10インクリメントされ、遊技球が排出口センサ30aに検出されたことに基づいて、小当たり賞球数カウンタの値が1ディクリメントされる構成としたが、第2大入賞口15への入賞に基づいて、小当たり賞球数カウンタの値が9インクリメントされ、アウト口19に備えられた図示しないセンサが遊技球の排出を検知することで小当たり賞球数カウンタの値を1ディクリメントする構成としても良い。
【0263】
具体的には、
図44-1及び
図44-2に示される小当たり賞球数カウンタへのインクリメント(S4303)は、10ではなく9として、第1始動口11、第2始動口12、及び一般入賞口10へ入賞した場合にはインクリメントを行わない(S4305~S4310での処理を行わない)。そして、排出口センサ30aに検出されることをトリガーとせず、アウト口19に備えられた図示しないセンサによって遊技球を検出したことをトリガーとして排出コマンドを受信するものとする。したがって、上記形態の、小当たり賞球数カウンタの値に対して、第2大入賞口15への入賞に基づいて10インクリメントし、第1始動口11、第2始動口12、及び一般入賞口10のいずれかへの入賞に基づいて1インクリメントし、遊技球が排出口センサ30aに検出されたことに基づいて1ディクリメントする構成と同じ結果を得ることができる。
【0264】
11.上記した実施の形態に示されている発明
上記した実施の形態には、以下の各手段の発明が示されている。以下に記す手段の説明では、上記した実施の形態における対応する構成名や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
【0265】
<手段A>
手段A1に係る発明は、
遊技者に有利な有利遊技状態(小当たりラッシュ)に制御可能な状態制御手段と、
遊技球が流下可能な遊技領域6が設けられており、前記有利遊技状態において開放され得る特定の入賞口(第2大入賞口15)と、
表示手段(画像表示装置50)と、を備え、
前記表示手段は、
前記有利遊技状態における前記特定の入賞口への入賞に基づく賞球数の累積値を少なくとも含む累積賞球数と、前記有利遊技状態において前記遊技領域に発射されて当該遊技領域から排出された遊技球の数との差を示唆する特定表示(差球数表示ZI2)を行うことを特徴とする遊技機(パチンコ遊技機PY1)である。
【0266】
この構成の遊技機によれば、遊技者に有利な有利遊技状態中において、賞球と排出球との差球の情報を遊技者が得ることが可能である。よって、賞球数に関する表示内容と、有利遊技状態中に実際に増加した持ち球の数との乖離が大きくなってしまうのを防止可能である。
【0267】
手段A2に係る発明は、
手段A1に記載の遊技機であって、
小当たりの当否を判定する小当たり判定手段を備え、
前記特定の入賞口(第2大入賞口15)は、前記小当たり判定手段による小当たり当選の判定結果に基づいて開放されるものであり、
前記有利遊技状態は、当該有利遊技状態以外の遊技状態(通常遊技状態等)よりも、前記小当たり当選に基づく前記特定の入賞口の開放が行われやすい遊技状態(小当たりラッシュ)であることを特徴とする遊技機である。
【0268】
この構成の遊技機によれば、小当たり当選に基づく特定の入賞口の開放が行われ易い有利遊技状態において、賞球と排出球との差球情報を遊技者が得ることが可能である。
【0269】
手段A3に係る発明は、
手段A2に記載の遊技機であって、
大当たりの当否を判断する大当たり判定手段と、
前記大当たり判定手段による判定の結果に基づいて、前記特定の入賞口あるいは当該特定の入賞口とは異なる他の入賞口(第1大入賞口14)を開放する大当たり遊技を実行する大当たり遊技実行手段と、を備え、
前記表示手段は、
前記大当たり遊技の実行中、当該大当たり遊技において開放される入賞口への入賞に基づく賞球数の累積値を示唆する大当たり中表示(累積賞球数表示G30)を行うことを特徴とする遊技機である。
【0270】
この構成の遊技機によれば、有利遊技状態では賞球と排出球との差球の情報を遊技者が得ることができる一方で、大当たり遊技中は従来通り、獲得した賞球数の累積値が表示されることで遊技者に違和感を与えることがない。
【符号の説明】
【0271】
PY1…パチンコ遊技機
ZI2…差球数表示(特定表示)
G30…累積球数表示(大当たり中表示)
6…遊技領域
15…第2大入賞口(特定の入賞口)
101…遊技制御用マイコン
121…演出制御用マイコン