IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ニューギンの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-17
(45)【発行日】2023-03-28
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20230320BHJP
【FI】
A63F5/04 611A
A63F5/04 661
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021041414
(22)【出願日】2021-03-15
(65)【公開番号】P2022141204
(43)【公開日】2022-09-29
【審査請求日】2022-04-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000135210
【氏名又は名称】株式会社ニューギン
(74)【代理人】
【識別番号】100137589
【弁理士】
【氏名又は名称】右田 俊介
(74)【代理人】
【識別番号】100217984
【弁理士】
【氏名又は名称】川條 英明
(72)【発明者】
【氏名】川崎 健一
(72)【発明者】
【氏名】切替 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】逵井 真嘉
【審査官】奈良田 新一
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-29874(JP,A)
【文献】特開2018-175748(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04,7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の開始条件の充足を契機として図柄変動を開始させ、所定の停止条件の充足を契機として図柄変動を停止させ、停止させた図柄によって特典の付与を示唆する遊技機であって、
操作手段と、
少なくとも演出表示手段を含む演出手段と、
演出モードを制御する演出モード制御手段と、
前記演出モードに基づいて前記演出手段に演出を実行させる演出制御手段と、
を備え、
或る図柄変動に係る前記所定の停止条件を充足してから次の図柄変動に係る前記所定の開始条件を充足するまでの期間であるインターバル期間において、前記演出モードの設定操作に係る第一表示が前記演出表示手段に表示されるときがあり、
前記第一表示が前記演出表示手段に表示されている前記インターバル期間において前記操作手段が操作を受け付けると、当該操作に対応する前記演出モードを示す第二表示が前記演出表示手段に表示され、
前記第二表示が前記演出表示手段に表示されるとき、前記第一表示が非表示になり当該第二表示の表示が開始された後に新たに前記第一表示が表示される、又は、当該第二表示の表示開始の前後で前記第一表示が維持される、のうち少なくとも一方が可能であり、
更に、特定のエラー条件の充足を契機として特定のエラーに係る報知を行わせるエラー制御手段を備え、
前記第一表示が前記演出表示手段に表示されている前記インターバル期間において前記特定のエラー条件を充足した第一のときにおいて、前記第一表示が表示されている期間に重複して前記特定のエラーに係る報知が行われ、
前記第一のときにおいて前記操作手段が操作を受け付けると、前記特定のエラーに係る報知がされている期間に重複して前記第二表示が前記演出表示手段に表示され得るものであり、かつ、前記第一表示が非表示になり当該第二表示の表示が開始された後に新たに表示され得る前記第一表示が制限される、又は、当該第二表示の表示開始まで維持されていた前記第一表示が当該第二表示の表示開始を契機に制限される、
遊技機。
【請求項2】
前記特定のエラーに係る報知は、少なくとも前記演出表示手段に第三表示が表示されることを含むものであり、
前記第一のときにおいて、前記第一表示及び前記第三表示が共に視認可能な態様で前記演出表示手段に表示され、
前記第一のときにおいて前記操作手段が操作を受け付けると、前記第二表示及び前記第三表示が共に視認可能な態様で前記演出表示手段に表示され、かつ、前記第一表示が非表示になり当該第二表示の表示が開始された後に新たに表示され得る前記第一表示が制限される、又は、当該第二表示の表示開始まで維持されていた前記第一表示が当該第二表示の表示開始を契機に制限される、
請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記第二表示が前記演出表示手段に表示されている前記インターバル期間において前記特定のエラー条件を充足した第二のときにおいて、当該第二表示が表示されている期間に重複して前記特定のエラーに係る報知が行われ、
前記第二のときにおいて前記操作手段に対する操作を受け付けなくても、当該特定のエラー条件を充足した後に新たに表示され得る前記第一表示が制限される、又は、当該特定のエラー条件を充足するまで維持されていた前記第一表示が当該特定のエラー条件の充足を契機に制限される、
請求項1又は2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記第二表示が前記演出表示手段に表示されるとき、前記第一表示が非表示になり当該第二表示の表示が開始された後に新たに前記第一表示が表示され得るものであり、
前記第一のときにおいて前記操作手段が操作を受け付けると、前記第一表示が非表示になり前記第二表示の表示が開始されてから所定時間が経過するまで前記第一表示が表示されず、前記所定時間が経過した後に新たに前記第一表示が表示され得るものであり、
前記第一のときに報知される前記特定のエラーに係る報知の時間長さに関わらず、前記所定時間が一定である、
請求項1から3のいずれか一項に記載の遊技機。
【請求項5】
前記演出モードは、少なくとも一部の図柄変動の実行期間中に設定可能なものであり、
前記演出モードを設定可能な図柄変動において、当該図柄変動において設定されている前記演出モードを示す第四表示が前記演出表示手段に表示され、
前記第四表示は、前記インターバル期間において前記演出表示手段に表示され得る前記第一表示及び前記第二表示のいずれとも表示態様が異なる表示であり、
前記演出モードを設定可能な図柄変動において前記特定のエラー条件を充足しているとき、前記第四表示は制限されない、
請求項1から4のいずれか一項に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機や回胴式遊技機といった遊技機において、或る図柄変動が停止してから次回の図柄変動が開始されるまでの期間(以下、インターバル期間と称す)において、特定の条件を満足する場合に予め定められた特定の画面を表示するものがある。
この種の遊技機として、下記の特許文献1を例示する。
【0003】
特許文献1には、図柄変動(変動表示ゲーム)が非実行である場合に表示されうるデモ画面の表示制御を、図柄変動が非実行である時間の長さと、遊技球の発射検知に基づいて実行する遊技機が記載されている。
これにより、遊技球が発射されているにも関わらずデモ画面に移行することを防止しており、これによって遊技者が不快な思いをしないように配慮している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2013-223570号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されている遊技機は、インターバル期間における演出制御について一定の工夫がなされているものの、インターバル期間における演出制御とエラー報知について特段の工夫がなく、未だ改善の余地があった。
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑みなされたものであり、エラーを伴うイレギュラーケースにおいて適切な演出制御を行う遊技機を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、所定の開始条件の充足を契機として図柄変動を開始させ、所定の停止条件の充足を契機として図柄変動を停止させ、停止させた図柄によって特典の付与を示唆する遊技機であって、操作手段と、少なくとも演出表示手段を含む演出手段と、演出モードを制御する演出モード制御手段と、前記演出モードに基づいて前記演出手段に演出を実行させる演出制御手段と、を備え、或る図柄変動に係る前記所定の停止条件を充足してから次の図柄変動に係る前記所定の開始条件を充足するまでの期間であるインターバル期間において、前記演出モードの設定操作に係る第一表示が前記演出表示手段に表示されるときがあり、前記第一表示が前記演出表示手段に表示されている前記インターバル期間において前記操作手段が操作を受け付けると、当該操作に対応する前記演出モードを示す第二表示が前記演出表示手段に表示され、前記第二表示が前記演出表示手段に表示されるとき、前記第一表示が非表示になり当該第二表示の表示が開始された後に新たに前記第一表示が表示される、又は、当該第二表示の表示開始の前後で前記第一表示が維持される、のうち少なくとも一方が可能であり、更に、特定のエラー条件の充足を契機として特定のエラーに係る報知を行わせるエラー制御手段を備え、前記第一表示が前記演出表示手段に表示されている前記インターバル期間において前記特定のエラー条件を充足した第一のときにおいて、前記第一表示が表示されている期間に重複して前記特定のエラーに係る報知が行われ、前記第一のときにおいて前記操作手段が操作を受け付けると、前記特定のエラーに係る報知がされている期間に重複して前記第二表示が前記演出表示手段に表示され得るものであり、かつ、前記第一表示が非表示になり当該第二表示の表示が開始された後に新たに表示され得る前記第一表示が制限される、又は、当該第二表示の表示開始まで維持されていた前記第一表示が当該第二表示の表示開始を契機に制限される、遊技機が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、エラーを伴うイレギュラーケースにおいて適切な演出制御を行う遊技機が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】遊技機10の正面図である。
図2図1において破線で囲って示す手元領域IIの斜視図である。
図3】前面扉20の裏面を示す図である。
図4】前面扉20を除いた遊技機10を示す図である。
図5】遊技機10の電気構成を示す図である。
図6】遊技機10の機能ブロック図である。
図7】遊技モードに係る遷移図である。
図8】有利区間移行時処理の処理手順を示すフローチャートである。
図9】モード抽選において参照される抽選テーブルを模式的に示す図である。
図10】天井ゲーム数抽選において参照される抽選テーブルを模式的に示す図である。
図11】通常モードにおけるCZ判定処理の処理手順を示すフローチャートである。
図12】通常モードにおけるCZ判定処理において参照される抽選テーブルを模式的に示す図である。
図13】通常モードにおける表示判定で参照される抽選テーブルを模式的に示す図である。
図14】遊技UIの表示態様を示す図である。
図15】特化ゾーンにおけるCZ判定処理と第三停止時処理の処理手順を示すフローチャートである。
図16】特化ゾーンにおけるCZ判定処理において参照される抽選テーブルを模式的に示す図である。
図17】特化ゾーンにおける表示判定で参照される抽選テーブルを模式的に示す図である。
図18】(a)は、演出モードの設定操作に係る演出表示装置の表示態様を示す図であり、(b)は、演出モードが設定された際の演出表示装置の表示態様を示す図であり、(c)は、演出モードが設定された後に行われる図柄変動における演出表示装置の表示態様を示す図である。
図19】通常時における収納庫エラーの報知態様を示す図である。
図20】(a)は、モード選択表示H1が表示されているときにおける収納庫エラーの報知態様を示す図であり、(b)は、モード設定表示H2が表示されているときにおける収納庫エラーの報知態様を示す図であり、(c)は、設定中モード表示H3が表示されているときにおける収納庫エラーの報知態様を示す図である。
図21】エラー報知を伴わないケースにおける通常モードからチャレンジゾーンへの移行時のタイムチャートである。
図22】収納庫エラーに係るエラー報知を伴うケースにおける通常モードからチャレンジゾーンへの移行時のタイムチャートである。
図23】収納庫エラーに係るエラー報知を伴うケースにおける通常モードからチャレンジゾーンへの移行時のタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。また、以下の説明では、「前」「後」「左」「右」「上」「下」とは、特に断りのない限り、図1で示すように遊技機10を正面側(遊技者側)から見た状態で指称するものとする。
【0011】
<本発明の特徴>
本実施形態における遊技機10の詳細を説明する前に、本実施形態に記載されている発明(以下、本発明)の特徴を説明する。なお、括弧内の構成は、直前の構成に対応する本実施形態の構成を例示したものであり、遊技機10の説明においても同様の用途で括弧内に構成を記載する場合がある。
【0012】
本発明に係る遊技機10は、所定の開始条件の充足を契機として図柄変動を開始させ、所定の停止条件の充足を契機として図柄変動を停止させ、停止させた図柄によって特典の付与を示唆する遊技機であり、いわゆる回胴式遊技機(スロットマシン)である。
ここで図柄変動とは、本実施形態ではリール65に描かれている図柄が、スタートレバー26の操作に応じて変動表示し、ストップボタン27の操作に応じて停止表示する遊技をいう。
【0013】
遊技機10は、操作手段と、少なくとも演出表示手段を含む演出手段と、演出モードを制御する演出モード制御手段と、演出モードに基づいて演出手段に演出を実行させる演出制御手段と、を少なくとも備える。
操作手段は、演出モードの設定操作に用いられる手段であり、本実施形態では十字キーボタン24aや最大ベットボタン23a(プッシュボタン)が相当しうる。
演出手段は、演出を実行する手段であり、本実施形態では演出表示装置63、スピーカ49、装飾LED基板41等が相当し、そのうち演出表示装置63が演出表示手段に相当する。
演出モードは、演出手段が実行する演出に影響を与える状態であり、サブ基板200(サブ統括部210)によって制御されるものをいう。本実施形態では、演出モードA、演出モードB及び演出モードCが演出モードに相当し、演出モード制御手段及び演出制御手段はいずれもサブ基板200(サブ統括部210)が相当しうる。
【0014】
遊技機10は、或る図柄変動に係る所定の停止条件を充足してから次の図柄変動に係る所定の開始条件を充足するまでの期間であるインターバル期間において、演出モードの設定操作に係る第一表示(図21(a)及び図21(b)におけるモード選択表示)が演出表示手段に表示されるときがある。
このとき、第一表示が演出表示手段に表示されているインターバル期間において操作手段が操作を受け付けると、当該操作に対応する演出モードを示す第二表示(図21(a)及び図21(b)におけるモード設定表示)が演出表示手段に表示され、第二表示が演出表示手段に表示されるとき、第一表示が非表示になり当該第二表示の表示が開始された後に新たに第一表示が表示される、又は、当該第二表示の表示開始の前後で第一表示が維持される、のうち少なくとも一方が可能である。
【0015】
更に、遊技機10は、特定のエラー条件の充足を契機として特定のエラーに係る報知(図19に図示する収納庫エラーの表示)を行わせるエラー制御手段を備える。
本実施形態におけるエラー制御手段はサブ基板200によって実現されるが、メイン基板100によって実現される実施例によって本発明が実施されてもよい。
【0016】
第一表示が演出表示手段に表示されているインターバル期間において特定のエラー条件を充足した第一のときにおいて、第一表示が表示されている期間に重複して特定のエラーに係る報知が行われ、第一のときにおいて操作手段が操作を受け付けると、特定のエラーに係る報知がされている期間に重複して第二表示が演出表示手段に表示され得る(図22(b)参照)。
このとき、第一表示が非表示になり当該第二表示の表示が開始された後に新たに表示され得る第一表示が制限される、又は、当該第二表示の表示開始まで維持されていた第一表示が当該第二表示の表示開始を契機に制限される。
【0017】
上記のように、遊技機10は、演出モードの設定操作に係る第一表示と特定のエラーに係る報知とが同じ期間に重複して行われるイレギュラーケース(第一のとき)において、一度は演出モードの設定操作を受け付けて、その設定操作に対応する演出モードを示す第二表示を表示するが、その後の第一表示の再表示または第一表示の維持を制限すること、を特徴とする。
このような特徴を有しているので、遊技機10は、上記のようなイレギュラーケースにおいて、演出モードの設定について一度は許容することによって遊技者の遊技意欲の低下を防止しつつ、更なる演出モードの設定については制限することができ、一定の歯止めをかけることができる。これにより、遊技者の遊技意欲の低下防止と遊技の安全性とのバランスを図ることができる。
【0018】
上記の特徴を有する遊技機10について、以下の実施形態に基づいて具体的に説明する。
【0019】
<遊技機10の構造>
まずは、図1から図4を用いて、遊技機10の構造について説明する。なお、図1は、遊技機10の正面図であり、図2は、図1において破線で囲って示す手元領域IIの斜視図であり、図3は、前面扉20の裏面を示す図であり、図4は、前面扉20を除いた遊技機10を示す図である。
【0020】
遊技機10は、前面を開口した直方体状の外枠90と、外枠90の左縁側に対して回動開閉可能に軸支された前面扉20と遊技機本体部60と、を備えている。
より具体的には、外枠90の左縁側には三つのヒンジ部96(96a、96b、96c)が設けられており、上段ヒンジ部96aと下段ヒンジ部96cによって前面扉20が軸支され、上段ヒンジ部96aと中段ヒンジ部96bによって遊技機本体部60が軸支されている。
【0021】
前面扉20の前面側には、図1又は図2で示すように、上部パネル21と、下部パネル22と、ベットボタン23と、メニュー選択ボタン24と、状態表示LED25と、スタートレバー26と、ストップボタン27と、メダル投入口31と、精算ボタン32と、メダル返却ボタン33と、ドア錠34と、メダル排出口35と、装飾LED36と、下皿37と、スピーカ口38と、が設けられている。
【0022】
また、前面扉20の裏面側には、図3で示すように、装飾LED基板41と、状態表示LED基板42と、ストップボタン基板43と、スタートレバーセンサ44と、ベットボタン基板45と、メニュー選択ボタン基板46と、メダルセレクタ47と、設定変更装置48と、スピーカ49と、投入メダル通路51と、払出メダル通路52と、返却メダル通路53と、収納メダル通路54が設けられている。
【0023】
また、前面扉20の他にも図4で示すように、遊技機10は、遊技機本体部60と、電源装置91と、メダル収納庫93と、メダル払出口94、メダル補助収納庫95を備えている。
【0024】
前面扉20を開扉するためには、ドア錠34にドアキー(図示省略)を差し込んで、前面扉20と外枠90とをロックさせるロック機構(図示省略)を解除する必要がある。
前面扉20を開扉すると、図4で示すように、遊技機本体部60の下方に電源装置91が備えられている。電源装置91は、遊技機10の各構成要素に対して電力供給するための装置であり、電源スイッチ92の操作によって起動又は停止が制御される。
【0025】
遊技機10の遊技に興じる際には、ホール関係者等が電源スイッチ92を操作して電源装置91を起動する必要がある。なお、遊技機本体部60は、電源装置91からの電力供給がオフになっても、オン時に実行していた遊技状態を維持する機能を有していることが好ましい。特別遊技状態のように遊技者に有利な展開で遊技が進行している最中に電力供給が停止した場合等に、遊技者を失望させないためである。
【0026】
また、開扉した前面扉20の裏面側には設定変更装置48が設けられている。設定変更装置48は、設定値を設定するための装置であり、設定キースイッチ48aと設定変更スイッチ48bと設定表示LED48cと設定キーカバー48dとを含む。設定キースイッチ48aは、設定キー(図示省略)を差し込んで操作することによって設定変更装置48を操作可能にすることができる。設定変更スイッチ48bは、設定キースイッチ48aに設定キーを差し込んだ状態において操作可能なスイッチであって、押下することによって設定値を変更することができる。設定表示LED48cは、設定された設定値を表示するためのLEDであり、本実施形態では7セグメントディスプレイになっている。設定キーカバー48dは、設定キースイッチ48aを覆うカバーであり、これをスライドさせて設定キースイッチ48aを開放することによって、設定キースイッチ48aに設定キーを差し込むことが可能になる。なお、図3では、設定キーカバー48dが設定キースイッチ48aを覆っている状態を図示している。
【0027】
ここで設定値とは、一の遊技に使用したメダルの数に対して当該遊技で払い出されるメダルの数の期待値を示す出玉率の平均値(以下、単に、出玉率と称する場合がある)が異なるものであり、本実施形態では、1~6の6段階が存在する。なお、一般的には、設定値が大きくなるほど出玉率が高くなる傾向にあり、本実施形態も同様に、設定値が1から6になるにつれて出玉率が高くなるようになっている。
【0028】
前面扉20は、上部パネル21と下部パネル22とを前面側に有している。ここで、上部パネル21は透明部材で形成されているので、遊技機10の前方に位置する遊技者は、上部パネル21の裏面側に配置されている遊技機本体部60を上部パネル21越しに視認することができる。
【0029】
また、下部パネル22は、その表面に遊技機10の機種名や機種に関するキャラクター等が表記されており、後方に設置されたバックライト(図示省略)の点灯によって表記された機種名等が視認しやすくなる。
【0030】
遊技機本体部60は、遊技機10によって実行される遊技を制御する主要な構成要素を含んでいる。また、遊技機本体部60は、図4に図示するとおり、その前面上部に演出表示領域62が形成されており、その前面下部にリール枠64が形成されている。
【0031】
演出表示領域62は、遊技機本体部60に内蔵された演出表示装置63の表示画面であり、遊技機10の遊技に関する各種演出又は各種情報を表示することができる。なお、演出表示装置63としては、例えば、液晶ディスプレイ型の表示装置等を採用することができる。演出表示領域62に表示される演出は、スピーカ49からの音声出力や装飾LED36の発光と連動しており、遊技者の興趣を好適に喚起させることができる。
【0032】
リール枠64は、遊技機本体部60に内蔵された複数のリール65(65L、65C、65R)の前面側に形成された窓枠で、内部領域と外部領域とに区画されている。リール枠64の内部領域は空洞又は透明部材によって形成されており、当該内部領域を介して各リール65の一部が視認可能になっている。また、リール枠64の外部領域は不透明部材(半透明部材や透明部材を着色した部材を含む)で形成されており、当該外部領域を介したリール65の視認を困難としている。
【0033】
リール65は、リール65L、リール65C及びリール65Rから構成されており、スタートレバー26に対する遊技者の操作(スタートレバー26がオン状態である旨の検知)を契機として回動を開始する。このとき、前回の遊技(図柄変動ゲーム)におけるリール65の回動開始時から当該遊技におけるリール65の回動開始時までの時間が所定の遅延時間、いわゆるウェイト時間を超えていることを要する。すなわち、ウェイト時間が経過する前にスタートレバー26が遊技者の操作を受け付けた場合、ウェイト時間が経過するまで待機した後にリール65は回動を開始する。なお、本実施形態におけるウェイト時間は4.1秒に設定されている。また、本実施形態における各リール65が回動している場合、原則としてリール65は上から下へと回動する。本明細書において、リールにおける上から下への回動を「順方向」、下から上への回動を「逆方向」と称する場合がある。
【0034】
本実施形態における遊技では、複数種類の図柄が施されている複数のリール65を回動させることによってリール65に表されている図柄が変動表示し、回動しているリール65を停止させることによって図柄の組合せが停止表示する。すなわち、本実施形態における複数のリール65(リール65L、リール65C、リール65R)には、不図示の図柄が表されており、その変動表示と停止表示を繰り返すことにより遊技が進行する。
【0035】
リール65の回動制御は、リールセンサ66を用いて実行される。リールセンサ66は、リール65の基準位置を検知するセンサである。リールセンサ66は各リール65に一つずつ設けられている。具体的には、リール65Lに対してリールセンサ66Lが、リール65Cに対してリールセンサ66Cが、リール65Rに対してリールセンサ66Rが、設けられ、各リール65が基準位置となったことを検知可能に構成されている。
【0036】
リール65の内部には、リール照明基板67(67L、67C、67R)が設けられており、リール照明基板67に搭載されているLEDの点灯によってリール65に表している各図柄の視認を容易にしている。すなわち、リール照明基板67に搭載されているLEDは、リール65による図柄表示のバックライトとして機能している。
【0037】
スタートレバー26は、遊技における図柄の変動を開始させるための契機として、遊技者の操作(開始操作)を受け付けることができる。具体的にスタートレバー26に対する遊技者の操作とは、初期状態において前面扉20に対して略垂直に設けられているスタートレバー26をいずれかの方向に倒すことである。
【0038】
スタートレバーセンサ44は、スタートレバー26がオン状態であるかオフ状態であるかを検知することができる。より具体的には、スタートレバーセンサ44は、前面扉20に対して略垂直であるスタートレバー26をオフ状態として検知し、いずれかの方向に倒されているスタートレバー26をオン状態として検知する。
【0039】
本実施形態において、メダルが所定の投入枚数に達していない場合には、スタートレバー26が遊技者の操作を受け付けたとしても遊技が開始されない。所定の投入枚数に到達させるためには、(i)メダル投入口31からメダルを投入して投入枚数を増やしたり、(ii)遊技機10に貯留されているメダルを表すクレジットをベットボタン23の押下によって減算させて投入枚数を増やしたりする必要がある。なお、前回の遊技において再遊技に当選して対応する図柄の組合せが停止表示された場合には、当該遊技において再遊技が作動して投入枚数が増え、遊技者が(i)や(ii)の操作を行わずとも、自動的に当該遊技における投入枚数が前回の遊技の投入枚数になる。
【0040】
ここで、メダルの貯留とは、遊技者の所有するメダルの一部又は全部に代えて、その数に相当する数値(クレジット)を遊技機10の内部で記憶する機能をいう。メダルが貯留される(クレジットが増大する)場合は、例えば(i)所定の投入枚数を超えてメダル投入口31からメダルが投入された場合、(ii)遊技において入賞し、当該入賞の特典としてメダルを獲得した場合、等が挙げられる。
【0041】
上記のメダル投入口31の裏面側には、メダルセレクタ本体47aとメダルブロッカ47bとメダル通過センサ47cとを含むメダルセレクタ47が設けられており、メダル投入口31から投入されたメダルはメダルセレクタ47によって受付可能なメダルと受付不能なメダルとに選別される。
【0042】
例えば、待機状態(電源が投入されているが遊技が実行されていない状態)である場合等はメダル受付可能であるため、メダルセレクタ本体47aはソレノイドを有するメダルブロッカ47bを作動させる。メダルブロッカ47bが作動すると、投入メダル通路51の中途に設けられた突起部(図示省略)が埋没するので、投入メダル通路51はメダル通過を許容する状態になる。このとき、メダル投入口31からメダルが投入されると、当該メダルは投入メダル通路51に流下し、投入メダル通路51の中途に設けられているメダル通過センサ47cによって検知され、収納メダル通路54を通過してメダル収納庫93の中に収納される。
【0043】
また、遊技の実行中やクレジットが上限値に達した場合等は、メダル受付不能であるため、メダルセレクタ本体47aはメダルブロッカ47bの作動を停止させる。メダルブロッカ47bの作動が停止されると、投入メダル通路51の中途に突起部(図示省略)が突出してメダルの通過を阻害するので、投入されたメダルは投入メダル通路51の中途であって、かつメダル通過センサ47cに検知されない位置に滞留する。投入メダル通路51に滞留しているメダルは、自重により又はメダル返却ボタン33の操作により返却メダル通路53に落下してメダル排出口35を経由して下皿37に排出される。
【0044】
また、クレジットの上限値を超えてメダルが付与された場合、付与されたメダル数に相当するメダルがメダル収納庫93からメダル排出口35を経由して下皿37に排出される。
【0045】
上記のベットボタン23として、遊技機10はベットボタン基板45に搭載されている最大ベットボタン23aと単一ベットボタン23bとを有している。最大ベットボタン23aは1回の押下でクレジットを最大で3つ減算して投入枚数を増やすことができ、単一ベットボタン23bは1回の押下でクレジットを1つ減算して投入枚数を増やすことができる。また、ベットボタン23を押下しても、その遊技におけるクレジットの減算値が所定の投入枚数に達している場合には、それを超えてクレジットを減算させることはできない。
【0046】
また、ベットボタン基板45には最大ベットボタン23aと単一ベットボタン23bが押下された旨を検知する最大ベットボタンセンサ45aと単一ベットボタンセンサ45bが、それぞれに対して設けられており、これらのセンサの検知に応じて上記の処理が行われる。
【0047】
また、最大ベットボタン23aは、上記のように操作に応じてクレジットを減算して投入枚数を増やす用途(ベットボタン)として用いられる他に、一部の演出実行時に演出の進行を促す操作を受け付ける用途(プッシュボタン)としても用いられる場合がある。
最大ベットボタン23aがベットボタンとして用いられる場合は、投入可能表示LED25gが点灯している状態に限られる。一方、最大ベットボタン23aがプッシュボタンとして用いられる場合は、ボタン示唆演出の実行時に必ずしも限られない。例えば、後述するメニュー画面における操作に、最大ベットボタン23aがプッシュボタンとして用いられてもよい。
【0048】
ベットボタン基板45には、最大ベットボタン23aがプッシュボタンとして用いられる場合に最大ベットボタン23aの押下を検知するプッシュボタンセンサ45cが設けられており、最大ベットボタンセンサ45aによる検知とは区別される。
最大ベットボタンセンサ45aがメイン基板100に実装されたCPU101によって管理されているのに対して、プッシュボタンセンサ45cはサブ基板200に実装されたCPU201によって管理されている点が異なる。
【0049】
また、遊技機10は、上記のベットボタン23の左側に、メニュー選択ボタン24を備える。メニュー選択ボタン24は、メニュー選択ボタン基板46に搭載されている十字キーボタン24aと十字キーボタン24aの中央に位置する決定ボタン24bによって構成されている。
【0050】
メニュー選択ボタン24は、メニュー画面に係る操作を受け付ける構成要素である。ここでメニュー画面とは、演出表示領域62に表示される遊技機10の操作方法や遊技の解説情報等を示す画面を指す。
遊技者はメニュー選択ボタン24を操作することによってメニュー画面を閲覧することができる。例えば、待機状態において決定ボタン24bが押下されると、メニューの一覧とカーソルが演出表示領域62に表示される。遊技者が十字キーボタン24aを操作することによって任意のメニューを示す位置までカーソルを移動し、カーソルがいずれかのメニューを示している場合に遊技者が決定ボタン24bを押下すると当該メニューが演出表示領域62に表示される。
【0051】
メニュー選択ボタン基板46には、十字キーボタンセンサ46aと決定ボタンセンサ46bとが設けられている。
十字キーボタンセンサ46aは、十字キーボタン24aがいずれの方向(決定ボタン24bの中心を基準として上下左右のいずれかの方向)に押下されたのかを検知することができる。
決定ボタンセンサ46bは、決定ボタン24bが押下された旨を検知することができる。
十字キーボタンセンサ46a及び決定ボタンセンサ46bは、上述のプッシュボタンセンサ45cと同様に、サブ基板200に実装されたCPU201によって管理されている。
【0052】
また、遊技機10は、上記のベットボタン23の右側に、投入されたメダル数や貯留されているメダル数等を表示する状態表示LED25を備える。状態表示LED25は、状態表示LED基板42に搭載されている複数のLED又は7セグメントディスプレイによって構成されている。
【0053】
状態表示LED25のうちの投入枚数表示LED25aは、3つのLEDによって構成されており、投入枚数が一枚増えるごとに、点灯するLEDの数が一つずつ増える。
状態表示LED25のうちの貯留枚数表示LED25bは、7セグメントディスプレイによって構成されており、貯留されているメダルの数(クレジット)を数字で表す。
状態表示LED25のうちの獲得枚数表示LED25cは、7セグメントディスプレイによって構成されており、入賞によって獲得したメダルの数を数字で表す。
状態表示LED25のうちの指示表示LED25dは、7セグメントディスプレイによって構成されており、後述する正解の押し順を特定可能な態様で表示する。
状態表示LED25のうちの再遊技表示LED25eは、1つのLEDによって構成されており、遊技においてリプレイが停止表示されると点灯する。
状態表示LED25のうちの遊技開始表示LED25fは、1つのLEDによって構成されており、当該LEDの点灯によって遊技の開始可能条件が成立している旨を表す。
状態表示LED25のうちの投入可能表示LED25gは、1つのLEDによって構成されており、当該LEDの点灯によってメダルの投入が可能である旨を表す。
状態表示LED25のうちの有利区間表示LED25hは、1つのLEDによって構成されており、当該LEDの点灯によって後述する有利区間である旨を表すとともに、当該LEDの消灯によって後述する非有利区間である旨を表す。
【0054】
ストップボタン27は、回動しているリール65が停止するための契機となる遊技者の操作を、遊技者から受け付ける。なお、ストップボタン27は、リール65が回動を開始した後に成立する停止可能条件を契機として、停止操作を受け付けることができる。
ストップボタン27に対する遊技者の操作とは、ストップボタン27を押下することである。また、ここで停止可能条件とは遊技における停止表示を実行するための前提条件であり、具体的には、すべてのリール65(65L、65C、65R)の速度が所定速度に到達し、各リール65における基準位置を検知した場合に停止可能条件が成立する。
【0055】
複数のストップボタン27(27L、27C、27R)は、ストップボタン基板43に搭載されており、各リール65に対して一つずつ設けられている。具体的には、ストップボタン27Lは、リール65Lを停止させるための停止操作を受け付ける。ストップボタン27Cは、リール65Cを停止させるための停止操作を受け付ける。ストップボタン27Rは、リール65Rを停止させるための停止操作を受け付ける。
【0056】
また、ストップボタン基板43には、ストップボタン27L、ストップボタン27C、ストップボタン27Rが押下された旨を検知するストップボタンセンサ43aが、それぞれに対して設けられており、ストップボタンセンサ43aの検知に応じて各リール65の停止制御が行われる。
【0057】
よって、遊技機10は、遊技の実行中に回動する複数のリール(リール65)と、回動しているリールを停止させる契機となる停止操作を受け付ける停止操作受付手段(ストップボタン基板43)と、を備えていると換言できる。
【0058】
本実施形態におけるストップボタン27は、停止可能表示LED27aを内包し、その周囲を光透過性の部材で覆う構成となっている。そして、ストップボタン27は、停止可能表示LED27aの点灯色で停止可能条件の成立の可否を遊技者に報知する仕様となっている。
このように、ストップボタン27の色によって停止可能条件の成立の可否を判断できるので、遊技者は円滑に停止操作を順次行うことができる。
【0059】
ストップボタン27で受け付けた停止操作に起因して、当該停止操作を受け付けたストップボタン27に対応するリール65が停止する。リール65の停止位置は、ストップボタン27の押下時におけるリール65の位置を基準として最大4コマ(最大引き込みコマ数と称する場合がある)まで移動しうる。ストップボタン27を押下してからリール65が停止するまでの制御を、一般的にはすべり制御という。
【0060】
リール枠64のリール65のそれぞれに対応する内部領域は上下方向に3コマ分の寸法となっている。また、各リール65はリール枠64の内部領域の上下方向に3個の図柄が収まるように停止制御され、遊技者は当該3個の図柄をリール枠64の内部領域を介して視認できるようになっている。すなわち、リール65が左右方向に3つ配置されているので、各リール65が停止している場合において、遊技者が3個の図柄×3リール=9個の図柄を視認可能になっている。
【0061】
上述のように各リール65が停止制御されるとき、各リール65における上段・中段・下段の内部領域が形成する略直線(図1において一点鎖線で示す)をそれぞれラインL1・ラインL2・ラインL3と称す。
また、リール65Lにおける上段の内部領域と、リール65Cにおける中段の内部領域と、リール65Rにおける下段の内部領域が形成する略直線(図1において一点鎖線で示す)をラインL4と称す。リール65Lにおける下段の内部領域と、リール65Cにおける中段の内部領域と、リール65Rにおける上段の内部領域が形成する略直線(図1において一点鎖線で示す)をラインL5と称す。
【0062】
なお、本実施形態では、内部領域におけるラインとして略直線のラインのみを採用しているが、直線に限らず、屈曲したラインを採用してもよい。また、隣接しない領域(例えば、リール65Lにおける上段とリール65Cにおける下段)を含んで形成されるラインを採用してもよい。すなわち、リール65のそれぞれから一図柄分の内部領域を任意に選択して形成されるラインであればどのようなラインを採用してもよい。
【0063】
本実施形態における有効ラインは、ラインL2のみである。ここで有効ラインとは、内部領域に定義されるラインの停止された図柄組合せに対して後述する入賞判定が行われるラインである。なお、有効ラインは、本実施形態のように単一のラインであってもよいし、複数のラインであってもよい。
【0064】
入賞に対応する図柄の組合せが有効ライン上に停止表示された場合、当該入賞に対して規定されている枚数のメダルが付与される。再遊技に対応する図柄の組合せが有効ライン上に停止表示された場合、次回の遊技において再遊技が作動する。役物又は役物連続作動装置に対応する図柄の組合せが有効ライン上に停止表示された場合、次回の遊技において役物又は役物連続作動装置が作動する。
【0065】
各リール65の回動中(遊技の実行中)は、遊技者の関心を惹きつけて遊技興趣を喚起させるため、演出表示領域62に表示される画像、スピーカ49から出力される音声又は装飾LED36の点灯や滅灯等によって構成される多様な演出が実行される。
【0066】
各スピーカ49の前方にはスピーカ口38が設けられている。より具体的には、遊技機の正面から見て右上(図3においては左上)に位置するスピーカ49aの前方にはスピーカ口38aが設けられている。遊技機の正面から見て左上(図3においては右上)に位置するスピーカ49bの前方にはスピーカ口38bが設けられている。遊技機の正面から見て左下(図3においては右下)に位置するスピーカ49cの前方にはスピーカ口38cが設けられている。遊技機の正面から見て右下(図3においては左下)に位置するスピーカ49dの前方にはスピーカ口38dが設けられている。なお、各スピーカ口38には多数の空洞が設けられており、スピーカ49から出力される音声を適切に出力することができる。
【0067】
装飾LED36は、演出表示領域62又はリール枠64を囲うような配置で配置されている。より具体的には、演出表示領域62の右上側には、装飾LED基板41aに搭載されている装飾LED36aと装飾LED基板41bに搭載されている装飾LED36bとが配置されている。また、演出表示領域62の右下側には、装飾LED基板41cに搭載されている装飾LED36cが配置されている。また、リール枠64の右下側には、装飾LED基板41dに搭載されている装飾LED36dが配置されている。また、リール枠64の左下側には、装飾LED基板41eに搭載されている装飾LED36eが配置されている。また、演出表示領域62の左下側には、装飾LED基板41fに搭載されている装飾LED36fが配置されている。また、演出表示領域62の左上側には、装飾LED基板41gに搭載されている装飾LED36gと装飾LED基板41hに搭載されている装飾LED36hとが配置されている。なお、各装飾LED36は、単色で点灯してもよいし、複数色で点灯可能であってもよい。
【0068】
遊技機10は、入賞に対応する図柄の組合せが有効ライン上に停止表示された結果として付与されたメダルの払出処理の実行中にクレジットが上限値に達した場合、上限値を超える分に相当する枚数のメダルをメダル収納庫93から払い出す。また、遊技機10は、精算ボタン32を押下した場合、押下した時点におけるクレジットに相当する枚数のメダルをメダル収納庫93から払い出す。
メダル収納庫93に収容されているメダルを払い出す処理は、メダル収納庫93に内蔵されている払出機構(図示省略)によって実行される。より具体的には、払出機構は、メダル収納庫93に収容されているメダルから払出枚数分のメダルを取得し、メダル払出口94から払出メダル通路52に向けて排出させる。払出メダル通路52に排出されたメダルは、メダル排出口35を経由して下皿37に排出される。
【0069】
なお、メダル収納庫93からメダルが溢れ出すことを防止するため、メダル収納庫93の脇にはメダル収納庫93に収容されているメダルの一部が流下するメダル補助収納庫95が設けられている。
【0070】
また、メダル補助収納庫95に収容されているメダルが所定以上に達することを検知する収納庫エラーセンサ(図示省略)が設けられており、当該検知に応じて遊技機10はメダル収納庫93やメダル補助収納庫95に収容されているメダルを回収するように促すエラーを報知する。なお、収納庫エラーの報知態様については、後述する。
【0071】
<遊技機10の電気構成及び機能構成>
次に、図5図6を用いて、本実施形態における遊技機10の電気構成及び機能構成について説明する。ただし、先に説明した図1から図4に図示される構成要素についても言及するので適宜参照されたい。なお、図5は、遊技機10の電気構成を示す図であり、図6は、遊技機10の機能ブロック図である。
【0072】
遊技機10は、主要な構成要素としてメイン基板100とサブ基板200とを内蔵している。図5においてメイン基板100又はサブ基板200は単一の電子基板であるかのように図示しているが、必ずしも単一の電子基板である必要はない。すなわち、メイン基板100又はサブ基板200は、複数の電子基板を組み合わせて実現されてもよい。
【0073】
メイン基板100は、各種センサ40aから入力された制御情報に基づいて状態表示LED基板42に含まれる各LEDの表示を制御したり、メダル収納庫93にメダルを払い出させたり、サブ基板200に出力するコマンドを生成したりする。メイン基板100には、CPU101、RAM102又はROM103等の電子部品が実装されており、これらの電子部品や各種センサ40a等の間で授受するデータや制御信号の処理を実行することによって、遊技に関する各種機能を実現している。ここで、各種センサ40aには、上述のスタートレバーセンサ44、ストップボタンセンサ43a、最大ベットボタンセンサ45a、単一ベットボタンセンサ45b、メダル通過センサ47c等が含まれる。
【0074】
サブ基板200は、メイン基板100から一方向通信で接続され、メイン基板100から入力されたコマンドに基づいて装飾LED基板41、スピーカ49又は演出表示装置63等を制御する。サブ基板200も、CPU201、RAM202又はROM203等の電子部品が実装され、これらの電子部品や各種センサ40b等の間で授受するデータや制御信号の処理を実行することによって、演出処理、メニュー画面に係る処理を実現している。ここで、各種センサ40bには、プッシュボタンセンサ45c、十字キーボタンセンサ46a、決定ボタンセンサ46b等が含まれる。
【0075】
なお、メイン基板100は、不正改造等の不正行為に対するセキュリティを高めるため、ROMの容量及びRAMの容量に制限が設けられている。一方、サブ基板200には、同様の制限が設けられていない。
【0076】
メイン基板100によって実現される機能構成には、図6で示すように、遊技状態制御部110、内部抽選部120、役フラグ設定部130、回動制御部140、表示図柄判定部150、指令生成部160及び外部出力部170が含まれる。
さらに、遊技状態制御部110によって実現される機能構成には、遊技モード制御部111及びCZ判定部112(CZはチャレンジゾーンの略称である)が含まれる。
また、サブ基板200によって実現される機能構成には、図6で示すように、サブ統括部210、演出表示部220、音声出力部230及びLED発光部240が含まれる。
なお、図6に図示する構成要素は、メイン基板100又はサブ基板200に含まれる機能構成のすべてとは限らず、ここに図示されない機能構成が存在してもよい。
【0077】
遊技状態制御部110は、遊技機10によって実行される遊技を管理しており、少なくとも以下の処理を実行する。
【0078】
遊技状態制御部110は、遊技実行が可能であるか否かを監視しており、遊技不能である場合に遊技を停止(中断)させる。
【0079】
遊技状態制御部110は、クレジットを記憶し、その増減を管理する。より詳細には、遊技状態制御部110は、最大ベットボタン23a又は単一ベットボタン23bの押下が検知された場合、記憶しているクレジットから所定の値を減算する。
【0080】
遊技状態制御部110は、停止表示されている図柄の組合せが表示図柄判定部150によって入賞と判定された場合、その入賞の特典として割り当てられているメダル数に相当する値を、記憶しているクレジットに加算する。当該加算処理において、記憶しているクレジットが上限値に到達するとき、遊技状態制御部110は、超過したメダル数に相当するメダルをメダル収納庫93に払い出させる。また、遊技状態制御部110は、精算ボタン32の押下が検知されたとき、記憶しているクレジットに相当するメダルをメダル収納庫93に払い出させる。
【0081】
遊技状態制御部110は、状態表示LED基板42に表示される条件、及びストップボタン27に対する停止操作の受付可能条件(上述の停止可能条件)を管理している。ここで、状態表示LED基板42に表示される内容には、メダルの投入枚数、貯留されているメダルの数(クレジット)、入賞によって獲得したメダルの数、再遊技の有無、遊技の開始可能条件の成否、メダル投入の可否、有利モードへの滞在の有無が含まれる。
【0082】
遊技状態制御部110は、設定変更装置48によって設定される設定値を管理している。設定値は、内部抽選部120によって抽選される役の当選確率に影響を与える。
【0083】
遊技状態制御部110は、遊技状態、リプレイタイム(RT)を所定の条件に応じて移行させる。遊技状態及びリプレイタイムは、設定値と同様に、内部抽選部120によって抽選される役の当選確率に影響を与える。
【0084】
遊技状態制御部110に含まれる遊技モード制御部111は、遊技モードの状態遷移を管理する。なお、遊技モードの状態遷移の詳細については後述する。
【0085】
遊技状態制御部110に含まれるCZ判定部112は、後述する各遊技モードにおいて実行されるCZ判定処理やこれらの処理に付随して行われる各種処理を実行する。なお、これらの処理の詳細については後述する。
【0086】
内部抽選部120は、スタートレバー26によって開始操作を受け付けた場合に、複数種類の役から当選する役(以下、「当選役」と称する場合がある)を抽選により決定する。
より具体的には、内部抽選部120は、遊技状態制御部110で更新している乱数(本実施形態では2バイト乱数を使用し、その範囲は0~65535)を取得し、ROM103に予め格納されている内部抽選テーブル(詳細は、後述)の抽選値を取得した乱数に対して順次加算し、キャリーが発生した抽選値に対応する役を当選役として決定する。
なお、内部抽選部120において「抽選により決定される」ことを、単に、「導出される」と表現する場合がある。
【0087】
内部抽選部120によって当選役として導出される役には、リプレイ、押し順ベル、共通ベル、スイカ、チェリー、チャンス目が含まれる。
なお、ここで挙げた当選役は、本発明の説明に必要なものを例示したに過ぎず、本発明の目的を達成する範囲において変更可能である。
また、ここで挙げた当選役は、呼称としては一つであっても、内部抽選部120において複数の当選役として区別されることを許容する。
また、本実施形態では、いわゆるボーナス役は存在しないものとして説明するが、ボーナス役に当選する遊技機に本発明を適用することを許容する。
【0088】
リプレイは、入賞することで新たなメダルを投入することなく、次の遊技を行うことができるリプレイ役である。リプレイは、ラインL1~ラインL5のいずれかに「リプレイ図柄-リプレイ図柄-リプレイ図柄」が揃う。
【0089】
また、ベル、スイカ、チェリー、及びチャンス目は、入賞することでメダルの払出がある小役である。
ベルは、ラインL1~ラインL5のいずれかに「ベル図柄-ベル図柄-ベル図柄」が揃い、入賞による払出枚数は9枚である。
スイカは、ラインL1~ラインL5のいずれかに「スイカ図柄-スイカ図柄-スイカ図柄」が揃い、入賞による払出枚数は3枚である。
チェリーは、単チェリー、2連チェリー、及び3連チェリーに区別される。単チェリーは、ラインL1~ラインL5のいずれかに「チェリー図柄-ANY-ANY」(ANYとは、チェリー図柄以外の任意の図柄)が揃う。2連チェリーは、ラインL1~ラインL5のいずれかに「チェリー図柄-チェリー図柄-ANY」が揃う。3連チェリーは、ラインL1~ラインL5のいずれかに「チェリー図柄-チェリー図柄-チェリー図柄」が揃う。単チェリー、2連チェリー、及び3連チェリーは、いずれについても入賞による払出枚数は1枚である。
チャンス目は、ラインL1~ラインL5のいずれかに「ベル図柄-リプレイ図柄-ベル図柄」が揃い、入賞による払出枚数は1枚である。
【0090】
ベルは、押し順ベル及び共通ベルに区別される。
押し順ベルは、ベルと他の小役(入賞による払出枚数が1枚の小役)が重複当選する小役であり、正解の押し順でストップボタン27を操作することによってベルに入賞し、不正解の押し順でストップボタン27を操作することによって1枚の小役に入賞する。
共通ベルは、ベルが単独当選する小役であり、ストップボタン27の押し順に関わらずベルに入賞する。
【0091】
役フラグ設定部130は、内部抽選部120によって導出された当選役を設定する。ここで当選役を設定するとは、内部抽選部120によって導出された当選役に対応している図柄の組合せが、遊技の結果として有効ライン上に停止表示可能になることをいう。
【0092】
回動制御部140は、スタートレバー26の開始操作を契機としてリール65の回転を開始させ、ストップボタン27の停止操作ごとに対応するリール65を停止させ、全てのリール65を停止させた時に有効ライン上に停止表示されている図柄の組合せによって結果を得る遊技を実行する。
【0093】
回動制御部140は、リールモータ68(ステッピングモータ)に対してパルス信号を出力することによってリール65の回転を制御する。なお、リール65の回転速度を零にすることは、リール65を停止させることと同義である。
【0094】
表示図柄判定部150は、遊技において有効ライン上に停止表示された図柄の組合せが、いずれの役に対応しているか否かを判定する。
【0095】
指令生成部160は、メイン基板100からサブ基板200に伝送するコマンドを生成する。
【0096】
外部出力部170は、制御信号を外部出力する。ここで外部出力とは、遊技機10とは別に設けられている外部装置(例えば、ホールコンピュータやデータ表示器等)に、遊技機10の内部の状態を示す情報(制御信号)を出力することをいう。
なお、制御信号によって示される具体的な情報としては、一の遊技が開始されたことを示す情報、後述する特別遊技状態に滞在していることを示す情報、後述するATモードが開始されたこと又はATモードに滞在していることを示す情報、エラーが発生したことを示す情報等が挙げられる。
【0097】
サブ統括部210は、メイン基板100から伝送されたコマンドに基づいて演出表示部220、音声出力部230又はLED発光部240を制御する。
演出表示部220は、演出表示装置63を制御する機能を有し、メイン基板100によって実行される遊技と連動して表示出力による演出を演出表示装置63に実行させる。
音声出力部230は、スピーカ49を制御する機能を有し、メイン基板100によって実行される遊技と連動して音声出力による演出をスピーカ49に実行させる。
LED発光部240は、装飾LED基板41に搭載されているLEDを制御する機能を有し、メイン基板100によって実行される遊技と連動して発光出力による演出をLEDに実行させる。
【0098】
<遊技モードの種類及び移行>
次に、図7を用いて、遊技モード制御部111によって管理される遊技モードの種類及び移行について説明する。図7は、遊技モードに係る遷移図である。
以下、図7に図示する移行条件(a)~移行条件(j)について説明するが、本発明の実施に必要な移行条件の全てを挙げたものではなく、本発明の目的を達成する範囲において不図示の移行条件を追加してもよいし、図示した移行条件を省いてもよい。
【0099】
遊技モード制御部111によって制御される遊技モードは、有利区間と非有利区間とに大別される。
有利区間は、チャレンジゾーンへの移行処理やチャレンジゾーンの有利度合いを高める特典判定を実行可能な遊技モードである。
一方、非有利区間は、当該移行処理や当該特典判定を実行することがない遊技モードである。
【0100】
設定変更装置48によって設定値が変更されると、先ず非有利区間から開始され、非有利区間において移行条件(a)を充足すると有利区間に移行する。ここで移行条件(a)は、例えば、所定の抽選(有利区間への移行抽選)に当選することであるが、この例に限られず適宜変更可能である。
なお、本実施形態では、非有利区間を移行元とする移行先は、通常モードに限られる態様にて以下説明するが、別の移行先(例えば、特化ゾーン)に移行する場合があってもよい。
【0101】
有利区間には、通常モード、特化ゾーン、チャレンジゾーン及びATモードが含まれる。
【0102】
通常モードは、設計上、他の遊技モードに比べて最も滞在する期間が長くなるように構成されている遊技モードである。通常モードには、複数種類のステージ(不図示)に分かれており、各ステージを遷移しながら遊技が進行する。
通常モードは、非有利区間において移行条件(a)を充足すると非有利区間から移行し、チャレンジゾーン(チャレンジパート)において移行条件(b)を充足するとチャレンジゾーンから移行する。
移行条件(a)に該当するものとして、既に説明したように、非有利区間において所定の抽選(有利区間への移行抽選)に当選すること、が挙げられる。
移行条件(b)に該当するものとして、後述するチャレンジ演出の失敗時に実行される移行先抽選で非有利区間への移行に当選すること、が挙げられる。
【0103】
特化ゾーンは、通常モードに比べて、後述するCZ判定部112によるCZ判定処理について有利になるように構成されている。
通常モードにおいて移行条件(c)を充足すると通常モードから特化ゾーンに移行し、特化ゾーンにおいて移行条件(d)を充足すると特化ゾーンから通常モードに移行する。
移行条件(c)に該当するものとして、後述する特化ゾーン移行抽選に当選すること、が挙げられる。
移行条件(d)に該当するものとして、後述する特化ゾーン継続抽選で終了に当選すること、が挙げられる。
【0104】
チャレンジゾーンは、通常モード、及び特化ゾーンに比べて、出玉を獲得しやすい遊技モードであり、具体的には押し順ベルに当選した遊技において正解の押し順を指示するナビ(以下、押し順ナビと称する)が発生する遊技モードである。
チャレンジゾーンは、通常モードにおいて移行条件(e)を充足すると通常モードから移行する。
移行条件(e)に該当するものとして、後述する天井ゲーム数を消化すること、及び、後述するCZ移行抽選に当選すること、が挙げられる。
【0105】
チャレンジゾーンには、導入パート、チャレンジパート、及び上乗せパートが含まれ、後述する各移行条件に従って各パートを遷移して遊技が進行する。
【0106】
導入パートは、チャレンジゾーンにおける最初のパートであり、移行条件(f)を充足するとチャレンジパートに移行する。本実施形態の移行条件(f)は、例えば、所定のゲーム数(例えば、5回)の実行である。
なお、導入パートでは、当該導入パートを含むチャレンジゾーンにおいて設定される演出モードを選択することができる。演出モードの設定の詳細については、後述する。
【0107】
チャレンジパートは、導入パートの次のパートであり、移行条件(g)を充足すると上乗せパートに移行し、移行条件(h)を充足すると通常モードに移行し、移行条件(b)を充足すると非有利区間に移行する。
移行条件(g)に該当するものとして、後述するチャレンジ演出に成功すること、が挙げられる。
移行条件(h)に該当するものとして、後述するチャレンジ演出の失敗時に実行される移行先抽選で通常モードへの移行に当選すること、が挙げられる。
移行条件(b)は、上述したように、後述するチャレンジ演出の失敗時に実行される移行先抽選で非有利区間への移行に当選すること、が挙げられる。
【0108】
上乗せパートは、チャレンジパートの次のパートであり、移行条件(i)を充足するとATモードに移行する。本実施形態の移行条件(i)は、例えば、所定のゲーム数(例えば、1回)の実行であるが、この例に限られず適宜変更可能である。
上記の導入パート、チャレンジパート、及び上乗せパートの詳細については後述する。
なお、本実施形態ではATモードへの移行条件として、上述した上乗せパートから移行する移行条件(i)を例示するのみであるが、他の遊技モードからATモードに移行する場合があってもよい。
【0109】
ATモードは、通常モード及び特化ゾーンに比べて、出玉を獲得しやすい遊技モードであり、具体的には押し順ベルに当選した遊技において押し順ナビが発生する遊技モードである。また、ATモードのゲーム数が、チャレンジゾーンのゲーム数より多くなる傾向になっており、チャレンジゾーンに比べて出玉を獲得しやすくなっている。
ATモードは、移行条件(j)を充足すると非有利区間に移行する。本実施形態の移行条件(j)は、例えば、付与されたATゲーム数(初期ゲーム数と上乗せゲーム数を合算したゲーム数)を実行すること、及び、ATモード中に増加したメダル数(消費するメダル数と払い出されるメダル数の差枚数)が所定の枚数(例えば、2400枚)に到達することであるが、この例に限られず適宜変更可能である。
なお、本実施形態ではATモードの移行先として非有利区間のみを例示するが、ATモードから他の遊技モードに移行する場合があってもよい。
【0110】
<有利区間移行時処理>
次に、有利区間移行時処理について図8図10を用いて説明する。
図8は、有利区間移行時処理の処理手順を示すフローチャートである。
図9は、モード抽選において参照される抽選テーブルを模式的に示す図である。
図10は、天井ゲーム数抽選において参照される抽選テーブルを模式的に示す図である。
【0111】
有利区間移行時処理は、非有利区間から有利区間に移行する遊技の開始時、すなわち非有利区間において上記の移行条件(a)を充足した遊技の次の遊技の開始時に実行される処理である。
さらに、電断復電(設定変更を伴わない電源投入)がなされた後の最初の遊技の開始時にも、有利区間移行時処理と同様の処理が実行されるものとする。
【0112】
ステップS101において、CZ判定部112はモード抽選を実行し、ステップS103に進む。図9は、当該抽選によって参照される抽選テーブルを模式的に示している。当該抽選で用いられる乱数の範囲は0~99である。
図9に示すとおり、当該モード抽選は現在の設定値に依存して抽選確率が変化する構成になっている。具体的には、現在の設定値が1の場合、70/100の確率で通常Aモードに当選し、20/100の確率で通常Bモードに当選し、10/100の確率で天国モードに当選する。また、現在の設定値が2の場合、70/100の確率で通常Aモードに当選し、19/100の確率で通常Bモードに当選し、11/100の確率で天国モードに当選する。また、現在の設定値が3の場合、70/100の確率で通常Aモードに当選し、18/100の確率で通常Bモードに当選し、12/100の確率で天国モードに当選する。また、現在の設定値が4の場合、70/100の確率で通常Aモードに当選し、15/100の確率で通常Bモードに当選し、15/100の確率で天国モードに当選する。また、現在の設定値が5の場合、70/100の確率で通常Aモードに当選し、13/100の確率で通常Bモードに当選し、17/100の確率で天国モードに当選する。また、現在の設定値が6の場合、70/100の確率で通常Aモードに当選し、10/100の確率で通常Bモードに当選し、20/100の確率で天国モードに当選する。
このように、当該モード抽選は、天国モードに当選する割合が高設定ほど高くなり、通常Bモードに当選する割合が高設定ほど低くなる一方、通常Aモードに当選する割合は設定値に関わらず一定である。
ここで通常Aモード、通常Bモード、及び天国モードは、それぞれ上述した通常モードの一態様であり、ステップS103において実行される天井ゲーム数抽選に影響を与える。
【0113】
ステップS103において、CZ判定部112は天井ゲーム数抽選を実行し、ステップS105に進む。図10は、当該天井ゲーム数抽選によって参照される抽選テーブルを模式的に示している。より詳細には、図10(a)は天井ゲーム数を50の倍数で決定する抽選テーブルAであり、図10(b)は天井ゲーム数の10の倍数で決定する抽選テーブルBであり、図10(c)は天井ゲーム数の1の倍数で決定する抽選テーブルCである。当該抽選で用いられる乱数の範囲は、いずれの抽選テーブルにおいても0~99である。
ステップS101において通常Aモードに当選した場合、CZ判定部112は上記の抽選テーブルAを参照して、20/100の確率で400ゲームとし、50/100の確率で500ゲームとし、10/100の確率で600ゲームとする。また、ステップS101において通常Bモードに当選した場合、CZ判定部112は上記の抽選テーブルAを参照して、30/100の確率で250ゲームとし、40/100の確率で300ゲームとし、30/100の確率で400ゲームとする。また、ステップS101において天国モードに当選した場合、CZ判定部112は上記の抽選テーブルAを参照して、50/100の確率で50ゲームとし、50/100の確率で100ゲームとする。
ステップS101の抽選結果に関わらず、CZ判定部112は上記の抽選テーブルBを参照して、96/100の確率で0ゲームとし、1/100の確率で10ゲームとし、1/100の確率で20ゲームとし、1/100の確率で30ゲームとし、1/100の確率で40ゲームとする。
ステップS101の抽選結果に関わらず、CZ判定部112は上記の抽選テーブルCを参照して、5/100の確率で0ゲームとし、5/100の確率で1ゲームとし、5/100の確率で2ゲームとし、5/100の確率で3ゲームとし、5/100の確率で4ゲームとし、10/100の確率で5ゲームとし、10/100の確率で6ゲームとし、30/100の確率で7ゲームとし、10/100の確率で8ゲームとし、20/100の確率で9ゲームとする。
CZ判定部112は、上記の3つの抽選処理によって導出されたゲーム数を加算して天井ゲーム数を決定する。例えば、500ゲームと、0ゲームと、7ゲームと、を導出した場合、全てを加算して507ゲームを天井ゲーム数とする。
【0114】
図10に示したように各抽選値が割り振られているので、天井ゲーム数は、50~59ゲーム、100~109ゲーム、250~259ゲーム、300~309ゲーム、400~409ゲーム、500~509ゲーム、及び600~609ゲームのいずれかに決定されることがほとんどであり、特に1の位が「7」のゲーム数になることが多い。
ここで天井ゲーム数とは、チャレンジゾーンへの移行条件の一つであり、有利区間に移行してからチャレンジゾーンに移行するまでに要するゲーム数である。言い換えれば、本実施形態のチャレンジゾーンは、後述するCZ移行抽選に当選せずとも、天井ゲーム数を実行すれば移行することになる。
従って、天井ゲーム数は小さい値で決定されるほどチャレンジゾーンに移行するまでの期間が短くなって遊技者にとって有利であり、本実施形態では天国モード、通常Bモード、通常Aモードの順に有利である。
【0115】
ステップS105において、CZ判定部112は上記のステップS105の処理結果である天井ゲーム数をセットする。
ここで「処理結果をセットする」とは、具体的には、処理結果示すデータをRAM102の所定の記憶領域に格納し、且つ、格納したデータを指令生成部160によって生成されるコマンドに載せてサブ統括部210に伝送することであり、以下の説明においても同様である。
【0116】
<通常モードにおけるCZ判定処理>
次に、通常モードにおけるCZ判定処理について図11図13を用いて説明する。
図11は、通常モードにおけるCZ判定処理の処理手順を示すフローチャートである。
図12は、通常モードにおけるCZ判定処理において参照される抽選テーブルを模式的に示す図である。
図13は、通常モードにおける表示判定で参照される抽選テーブルを模式的に示す図である。
当該CZ判定処理は、通常モードにおける各遊技の開始時に実行される処理である。
【0117】
ステップS201において、CZ判定部112は、今回の遊技の当選役がチェリー(単チェリー、2連チェリー、及び3連チェリー)であるか否かを判定し、肯定される場合にはステップS203に進み、否定される場合にはステップS217に進む。
【0118】
ステップS203において、CZ判定部112は、チャレンジゾーンに移行させるか否かを決定するCZ移行抽選を実行し、ステップS205に進む。図12(a)は、当該抽選によって参照される抽選テーブルを模式的に示している。当該抽選で用いられる乱数の範囲は0~99である。
図12(a)に示すとおり、当選役が単チェリーである場合、99/100の確率で非当選となり、1/100の確率で当選する。また、当選役が2連チェリーである場合、95/100の確率で非当選となり、5/100の確率で当選する。また、当選役が3連チェリーである場合、80/100の確率で非当選となり、20/100の確率で当選する。
【0119】
ステップS207において、CZ判定部112は、上述した特化ゾーンに移行させるか否かを決定する特化ゾーン移行抽選を実行し、ステップS209に進む。図12(c)は、当該抽選によって参照される抽選テーブルを模式的に示している。当該抽選で用いられる乱数の範囲は0~99である。
図12(b)に示すとおり、ハズレである場合、当選役がリプレイである場合、当選役がベル(押し順ベル及び共通ベル)である場合、のいずれにおいても、100/100の確率で非当選となり、当選することはない。また、当選役がスイカである場合、90/100の確率で非当選となり、10/100の確率で当選する。また、当選役がチャンス目である場合、60/100の確率で非当選となり、40/100の確率で当選する。
【0120】
ステップS209において、CZ判定部112は、ステップS207の特化ゾーン移行抽選に当選したか否かを判定し、肯定される場合にはステップS205に進み、否定される場合にはステップS211に進む。
【0121】
ステップS211において、CZ判定部112は、ゲージ加算抽選を実行し、ステップS213に進む。図12(c)は、当該抽選によって参照される抽選テーブルを模式的に示している。当該抽選で用いられる乱数の範囲は0~99である。
図12(c)に示すとおり、ハズレである場合、当選役がベル(押し順ベル及び共通ベル)である場合、のいずれにおいても、100/100の確率で0目盛りとなり、ゲージカウンタが加算されことはない。また、当選役がリプレイである場合、100/100の確率で1目盛りとなる。また、当選役がスイカである場合、90/100の2目盛りとなり、6/100の確率で3目盛りとなり、3/100の確率で5目盛りとなり、1/100の確率で10目盛りとなる。また、当選役がチャンス目である場合、90/100の3目盛りとなり、6/100の確率で5目盛りとなり、4/100の確率で10目盛りとなる。
ここでゲージカウンタとは、後述するゲージ表示GHの目盛り数を計数するカウンタである。ゲージカウンタとゲージ表示GHの関係については、後述する。
【0122】
ステップS213において、CZ判定部112は、ステップS211で決定した目盛り数を、その時点のゲージカウンタに加算する処理を実行し、ステップS227に進む。
【0123】
ステップS215において、CZ判定部112は、ステップS213で加算した結果、その時点のゲージカウンタが10目盛り以上になったか否かを判定し、肯定される場合にはステップS217に進み、否定される場合にはステップS205に進む。
【0124】
ステップS217において、CZ判定部112は、確定玉判定を実行し、ステップS231に進む。図12(d)は、当該判定によって参照される抽選テーブルを模式的に示している。当該判定で用いられる乱数の範囲は0~99である。
図12(d)に示すとおり、当選役がいずれの当選役であっても、99/100の確率で0個となり確定玉はストックされず、1/100の確率で1個の獲得玉がストックされる。
ここで確定玉とは、チャレンジゾーンにおいて行われる各種演出を有利に運ぶために消費される要素であり、ここで説明したように通常モードにおいてストック可能である他に、特化ゾーンにおいてストック可能なものであり、チャレンジゾーンにおいて放出される。
確定玉が放出される場合、その放出タイミングによって、チャレンジゾーンのゲーム数が増加する、チャレンジゾーンからATモードへの移行が確定する、ATモードのゲーム数が増加する、といった特典を受けることができる。
【0125】
ステップS219において、CZ判定部112は、その時点のゲージカウンタから10目盛りを減算する処理を実行し、ステップS205に進む。
【0126】
ステップS209において、CZ判定部112は上記のステップS201~ステップS219の処理結果をセットする。
【0127】
続いて、ステップS217において確定玉判定が行われた遊技において実行される表示判定について説明する。ここで表示判定とは、上記の確定玉判定の処理結果を示すデータを載せたコマンドが、メイン基板100からサブ基板200に伝送されることに応じてサブ統括部210によって実行される処理である。
図13(a)は、ステップS217の確定玉判定によって0個と判定された場合に、サブ統括部210によって参照される抽選テーブルを模式的に示している。図13(a)に示すとおり、当選役がいずれの当選役であっても、70/100の確率で1ptに当選し、20/100の確率で2ptに当選し、10/100の確率で4ptに当選する。
図13(b)は、ステップS217の確定玉判定によって1個と判定された場合に、サブ統括部210によって参照される抽選テーブルを模式的に示している。図13(b)に示すとおり、当選役がいずれの当選役であっても、30/100の確率で1ptに当選し、40/100の確率で2ptに当選し、30/100の確率で4ptに当選する。
図13(a)と図13(b)を比べれば明らかであるように、通常モードにおける表示判定は、当選するポイント表示が1pt、2pt、4ptのいずれかである点において共通している。また、当該表示判定は、0ptとなる場合(ポイント表示が増えない場合)がなく、確定玉表示に当選する場合もない。
【0128】
ここでポイント表示とは、上記の確定玉判定で確定玉をストックした可能性を示唆する表示であり、後述するポイント表示PHに表示される。また、確定玉表示とは、上記の確定玉判定で確定玉をストックした旨を確定的に報知する表示であり、後述する確定玉表示KHに表示される。
【0129】
<遊技UIの表示態様>
次に、遊技UIの表示態様について図14を用いて説明する。
図14は、遊技UIの表示態様を示す図である。ここで遊技UIとは、遊技者に対するユーザインターフェイス(User Interface)のことであり、以下の表示が含まれる。
ゲージ表示GHは、上述したゲージカウンタで計数された値を、遊技者に視認させる表示である。具体的には、上記のゲージカウンタが1目盛り~9目盛りである場合にはゲージ表示GHの目盛り数がゲージカウンタと同じになり、ゲージカウンタが10目盛り以上である場合にはゲージ表示GHの目盛り数が10目盛りになる。
ルーレット表示RHは、ゲージ表示GHが10目盛りに到達したタイミングにおいて回転表示し、停止した際に表示する内容によって、上記の表示判定の結果を遊技者に視認させる表示である。
ポイント表示PHは、上記の表示判定によって当選した対象がポイント表示である(1pt~30ptのいずれかに当選した場合)に、当選したポイント数を加算した結果を遊技者に視認させる表示である。
確定玉表示KHは、上記の表示判定によって当選した対象が確定玉表示である場合に、当選した確定玉表示を遊技者に視認させる表示である。
【0130】
図14に図示する遊技UIは、既に説明した通常モードの他に、特化ゾーン、チャレンジゾーンにおいて表示されうる。ただし、特定の演出(演出表示領域62の全体が暗転する演出等)の実行中において、遊技UIが表示されない場合があってもよい。
これによって、次の特化ゾーンを遊技者に期待させることができ、遊技者の遊技意欲の低下を抑制することができる。
一方で、遊技UIは、非有利区間やATモード中には表示されない。
非有利区間については、その移行時に遊技情報が初期化され、且つ、上記のゲージ加算抽選や獲得玉判定も実行されず、遊技UIを更新する機会がないからである。
ATモード中については、その開始前(チャレンジゾーン)において全て獲得玉を放出する仕様になっており、且つ、ATモード中の有利度は獲得玉に依存せずに行われる仕様になっており、遊技UIを表示する必要性がないからである。
【0131】
図14(a)は、遊技UIの初期態様である。
図14(a)に図示するように、ゲージ表示GHもポイント表示PHも確定玉表示KHも空欄となっており、いずれに係る値(量)も零であることを示している。
当該初期態様に遊技UIがなる状況としては、少なくとも以下の状況が挙げられる。
先ず、有利区間の最初の遊技(上述した有利区間移行時処理を実行する遊技)の開始時である。非有利区間において非表示になっていた遊技UIが、この時に再表示されるからである。ここで有利区間の最初の遊技には、設定値の変更がなされた後に有利区間に移行した際の遊技(正確には、設定値の変更がなされた後に非有利区間を経て有利区間に移行した際の遊技)と、チャレンジゾーンが終了した場合の一部又はATモードの終了時に非有利区間を経て有利区間に移行した際の遊技と、が含まれる。
続いて、チャレンジゾーンの終了を契機として(チャレンジゾーンから直接に)第1特化ゾーンに移行した場合に、当該第1特化ゾーンの最初の遊技の開始時である。詳しくは後述するが、チャレンジゾーンにおいてポイント表示も確定玉表示も全て放出し、ゲージ表示についてもリセットされるからである。
そして、電断復電がなされた後の最初の遊技の開始時である。上述したように、有利区間移行時処理と同等の処理が実行されるからである。なお、上述したように、当該遊技は通常モードから開始される。
【0132】
図14(b)は、ゲージ表示GHに3目盛り蓄積された場合における遊技UIの初期態様である。
図14(b)に図示するように、ゲージ表示GHは3目盛り分の表示態様(網掛けしている箇所)が変化している。
【0133】
図14(c)は、ゲージ表示GHに10目盛り蓄積された場合における遊技UIの初期態様である。
図14(c)に図示するように、ゲージ表示GHは10目盛り分の表示態様(網掛けしている箇所)が変化している。このとき、ルーレット表示RHにおいて回転表示が開始される。
なお、不図示ではあるが、ルーレット表示RHの回転表示が停止すると、ルーレット表示RHには、その遊技において当選したポイント表示又は確定玉表示が表示されうる。
【0134】
図14(d)は、その遊技において当選したポイント表示が1ptである場合における、ポイント表示PHの表示態様を示している。
図14(d)に図示するように、ポイント表示PHの中央に「1」と表示される。ポイント表示PHは、1~999まで表示可能となっている。
ここで、ゲージ表示GHは、目盛りが零に戻ることを例示したが、その遊技において10目盛りを超えるゲージカウンタになった場合、その値から10を減算した分の目盛りが表示される(例えば、13目盛りになった場合、ゲージ表示GHは3目盛りになる)。
【0135】
図14(e)は、その遊技において確定玉表示に当選した場合における、確定玉表示KHの表示態様を示している。
図14(e)に図示するように、確定玉表示KHの中央に「確」と表示される。確定玉表示KHは、1~9の確定玉表示を行うことができ、2以上の確定玉表示を行う場合には確定玉表示KHの右下に「×N(Nには2~9の数字が入る)」と表示される。
【0136】
<特化ゾーンにおけるCZ判定処理と第三停止時処理>
次に、特化ゾーンにおけるCZ判定処理と第三停止時処理について図15図17を用いて説明する。
図15は、特化ゾーンにおけるCZ判定処理と第三停止時処理の処理手順を示すフローチャートである。
図16は、特化ゾーンにおけるCZ判定処理において参照される抽選テーブルを模式的に示す図である。
図17は、特化ゾーンにおける表示判定で参照される抽選テーブルを模式的に示す図である。
当該CZ判定処理は、特化ゾーンにおける各遊技の開始時に実行される処理である。
当該第三停止時処理は、特化ゾーンにおける各遊技の第三停止時(その遊技において全てのリール65を停止した時)に実行される処理である。
【0137】
ステップS301において、CZ判定部112は、確定玉判定を実行し、ステップS303に進む。図16は、当該判定によって参照される抽選テーブルを模式的に示している。当該判定で用いられる乱数の範囲は0~99である。
【0138】
図16(a)は、特化ゾーンにおける当該判定において参照される抽選テーブルである。具体的には、当選役が共通ベルである場合、100/100の確率で0個の確定玉に当選し、確定玉をストックすることはない。また、ハズレである場合、当選役が押し順ベルである場合、のいずれにおいても、97/100の確率で0個の確定玉に当選し、3/100の確率で1個の確定玉に当選する。また、当選役がリプレイである場合、94/100の確率で0個の確定玉に当選し、6/100の確率で1個の確定玉に当選する。また、当選役がスイカである場合、及び、当選役が単チェリーである場合、84/100の確率で0個の確定玉に当選し、16/100の確率で1個の確定玉に当選する。また、当選役が2連チェリーである場合、68/100の確率で0個の確定玉に当選し、32/100の確率で1個の確定玉に当選する。また、当選役が3連チェリーである場合、98/100の確率で1個の確定玉に当選し、2/100の確率で2個の確定玉に当選し、必ず確定玉をストックする(0個の確定玉に当選する場合がない)。また、当選役がチャンス目である場合、49/100の確率で0個の確定玉に当選し、50/100の確率で1個の確定玉に当選し、1/100の確率で2個の確定玉に当選する。
【0139】
ステップS303において、CZ判定部112は上記のステップS301の処理結果をセットする。
【0140】
続いて、ステップS301において確定玉判定が行われた遊技において実行される表示判定について説明する。
図17(a)は、特化ゾーンにおけるステップS301の確定玉判定によって0個と判定された場合に、サブ統括部210によって参照される抽選テーブルを模式的に示している。図17(a)に示すとおり、当選役が共通ベルである場合、100/100の確率で0ptに当選し、ポイント表示が増加することはない。また、ハズレである場合、当選役が押し順ベルである場合、のいずれにおいても、36/100の確率で3ptに当選し、30/100の確率で4ptに当選し、30/100の確率で5ptに当選し、2/100の確率で10ptに当選し、1/100の確率で20ptに当選し、1/100の確率で30ptに当選する。また、当選役がリプレイ役である場合、50/100の確率で5ptに当選し、45/100の確率で10ptに当選し、3/100の確率で20ptに当選し、2/100の確率で30ptに当選する。また、当選役がスイカである場合、当選役が単チェリーである場合、のいずれにおいても、44/100の確率で10ptに当選し、50/100の確率で20ptに当選し、6/100の確率で30ptに当選する。また、当選役が2連チェリーである場合、当選役が3連チェリーである場合、及び、当選役がチャンス目である場合、100/100の確率で30ptに当選する。
図17(b)は、特化ゾーンにおけるステップS301の確定玉判定によって1個又は2個と判定された場合に、サブ統括部210によって参照される抽選テーブルを模式的に示している。図17(b)に示すとおり、当選役が共通ベルである場合、100/100の確率で0ptに当選し、ポイント表示が増加することはない。また、ハズレである場合、当選役が押し順ベルである場合、のいずれにおいても、12/100の確率で3ptに当選し、13/100の確率で4ptに当選し、17/100の確率で5ptに当選し、2/100の確率で10ptに当選し、2/100の確率で20ptに当選し、1/100の確率で30ptに当選し、53/100の確率で確定玉表示に当選する。また、当選役がリプレイ役である場合、14/100の確率で5ptに当選し、26/100の確率で10ptに当選し、4/100の確率で20ptに当選し、3/100の確率で30ptに当選し、54/100の確率で確定玉表示に当選する。また、当選役がスイカである場合、当選役が単チェリーである場合、9/100の確率で10ptに当選し、22/100の確率で20ptに当選し、4/100の確率で30ptに当選し、65/100の確率で確定玉表示に当選する。また、当選役が2連チェリーである場合、55/100の確率で30ptに当選し、45/100の確率で確定玉表示に当選する。また、当選役が3連チェリーである場合、100/100の確率で確定玉表示に当選する。また、当選役がチャンス目である場合、25/100の確率で30ptに当選し、75/100の確率で確定玉表示に当選する。
【0141】
ステップS401において、CZ判定部112は、特化ゾーンにおいて計数されたゲーム数(図15(b)ではカウントG数と表記)に1を加算し、ステップS403に進む。
【0142】
ステップS403において、CZ判定部112は、ステップS401で加算した結果、その時点で計数されているゲーム数が5になったか否かを判定し、肯定される場合にはステップS405に進み、否定される場合にはステップS411に進む。
【0143】
ステップS405において、計数されているゲーム数をリセットし(当該ゲーム数=0とし)、ステップS407に進む。
【0144】
ステップS407において、特化ゾーンを継続するか否かを判定する特化ゾーン継続抽選を実行し、ステップS409に進む。図16(b)は、当該抽選によって参照される抽選テーブルを模式的に示している。当該抽選で用いられる乱数の範囲は0~99である。
図16(b)に図示する通り、当該抽選は、特化ゾーンに移行したゲーム数に関わらず、97/100の確率で終了となり、3/100の確率で継続となる。
【0145】
ステップS409において、CZ判定部112は、ステップS407における抽選で終了となったか継続となったかを判定し、終了となった場合にはステップS411に進み、継続となった場合にはステップS413に進む。
【0146】
ステップS411において、通常モードへの移行を決定し、ステップS413に進む。
【0147】
ステップS413において、CZ判定部112は上記のステップS401~ステップS411の処理結果をセットする。
【0148】
上述した図15(b)の処理フローによって制御されるので、特化ゾーンは、予め定められたゲーム数(5ゲーム)を1セットとし、特化ゾーン継続抽選に当選する限りセット数が増えていく構成となっている。
なお、当該処理フローにおいて加算処理によってゲーム数を計数することを例示したが、減算処理によってゲーム数を計数することに代えてもよい。
【0149】
<チャレンジゾーンにおける演出モードの設定について>
次に、チャレンジゾーンにおける演出モードの設定について、図18を用いて説明する。
図18(a)は、演出モードの設定操作に係る演出表示装置63の表示態様を示す図であり、図18(b)は、演出モードAが設定された際の演出表示装置63の表示態様を示す図であり、図18(c)は、演出モードAが設定された後に行われる図柄変動における演出表示装置63の表示態様を示す図である。
【0150】
本実施形態における遊技機10は、通常モードから導入パートに移行する際に(図7の移行条件(e)を充足したとき)、当該条件を充足したゲームと当該ゲームの次のゲームとの間におけるインターバル期間において、チャレンジゾーンにおける演出モードの設定を遊技者に促す演出が実行される。
本実施形態における演出モードとは、具体的には演出モードA、演出モードB、及び演出モードCの三種類があり、それぞれチャレンジゾーンの演出に登場する主要なキャラクターが相違する。ただし、演出モードA~演出モードCの違いは演出上の相違に留まり、いずれを設定したとしても、遊技の有利度合い(メダルの獲得期待度)に影響を及ぼすものではない。
【0151】
先ず、上記のインターバル期間において、図18(a)に示すとおり、チャレンジゾーンにおける演出モードの設定操作に係るモード選択表示H1が演出表示装置63に表示される。
モード選択表示H1は、演出モードを設定する為に必要な操作方法を、遊技者に示す内容になっている。具体的には、図18(a)は、プッシュボタン(最大ベットボタン23a)を操作すると演出モードAが設定され、右カーソルが操作されると演出モードBが選択され、左カーソルが操作されると演出モードCが選択される状況を図示している。
【0152】
図18(a)に図示した状況においてプッシュボタンが操作されたものとする。
このとき、図18(b)に示すとおり、演出モードAが設定されたことを示す(演出モードAを設定する操作に対応する)モード設定表示H2が演出表示装置63に表示される。
モード設定表示H2は、モード選択表示H1とは異なる表示態様であり、モード選択表示H1の選択肢の一つである演出モードAを示す画像が拡大表示され、その他の演出モードを示す画像や操作説明に関する文字情報などが非表示となる。
【0153】
図18(b)に図示した後に、演出モードAを設定したインターバル期間が終了して、次のゲーム(図柄変動)が開始されたものとする。
このとき、図18(c)に示すとおり、演出モードAが設定中であることを示す設定中モード表示H3が、演出表示装置63の表示領域の右下隅部に表示される。
本実施形態では、導入パート及びチャレンジパートにおける図柄変動の実行期間において、設定している演出モードを変更可能であるため、左右カーソルの操作によって演出モードを変更可能であることを示す三角印が、設定中モード表示H3の左右端部に配置される。
【0154】
遊技機10は、移行条件(e)を充足した図柄変動と次の図柄変動の間におけるインターバル期間において上記のように表示制御を行うので、或る図柄変動係る所定の停止条件を充足してから次の図柄変動に係る所定の開始条件を充足するまでの期間であるインターバル期間において、演出モードの設定操作に係る第一表示(モード選択表示H1)が演出表示手段に表示されるときがある、ものと言える。
また、第一表示が演出表示手段に表示されているインターバル期間において操作手段(プッシュボタン及び左右カーソル)が操作を受け付けると、当該操作に対応する演出モードを示す第二表示(モード設定表示H2)が演出表示手段に表示される、ものと言える。
更に、演出モードは、少なくとも一部の図柄変動(導入パート及びチャレンジパートにおける図柄変動)の実行期間中に設定可能なものであり、演出モードを設定可能な図柄変動において、当該図柄変動において設定されている演出モードを示す第四表示(設定中モード表示H3)が演出表示手段に表示され、第四表示は、インターバル期間において演出表示手段に表示され得る第一表示及び第二表示のいずれとも表示態様が異なる表示である、ものと言える。
【0155】
<チャレンジゾーンにおける収納庫エラーの報知態様について>
次に、チャレンジゾーンにおける収納庫エラーの報知態様について、図19及び図20を用いて説明する。
図19は、通常時における収納庫エラーの報知態様を示す図である。
図20(a)は、モード選択表示H1が表示されているときにおける収納庫エラーの報知態様を示す図であり、図20(b)は、モード設定表示H2が表示されているときにおける収納庫エラーの報知態様を示す図であり、図20(c)は、設定中モード表示H3が表示されているときにおける収納庫エラーの報知態様を示す図である。
【0156】
上述したように、遊技機10は、メダル補助収納庫95に収容されているメダルが所定以上に達することを検知する収納庫エラーセンサ(図示省略)が設けられており、当該センサがエラーを検知したとき、収納庫エラーに係る報知がなされる。
収納庫エラーに係る報知は、エラー画像(演出表示装置63による報知)およびエラー音(スピーカ49による報知)を少なくとも組み合わせた報知態様になっている。
【0157】
通常時に収納庫エラーが検知されたとき、図19に図示するとおり、収納庫エラーに係るエラー表示H4として「収納庫エラー 係員を呼んで下さい」という文字情報を含む帯状画像が演出表示装置63の中段に表示される。
【0158】
ところで、本実施形態に係る遊技機10は、チャレンジゾーン(待機パートとチャレンジパート)において表示されうるモード選択表示H1、モード設定表示H2、及び設定中モード表示H3を演出表示装置63に表示させているときに収納庫エラーが検知したとき、それぞれの表示制御と収納庫エラーに係る報知制御が重複した期間に行われるようになっている。
なぜならば、収納庫エラーは、直ちに遊技の進行を止めないといけないほどの重篤なエラーとは言えず、次のゲーム(待機パート)を開始させる為の準備作業の位置付けとなっている演出モードA~演出モードCの設定操作の受け付けを許容できるからである。
しかしながら、何ら制限なく演出モードA~演出モードCの設定操作を可能とするのは、エラー報知をしている意義を没却することになりかねず、一定の制限を加える必要もある。
【0159】
上記のような事情を鑑みたバランスの調和点として、本実施形態に係る遊技機10では、演出モードA~演出モードCの設定操作に関する各表示に対して、以下のような表示上の制限を設けることとした。
モード選択表示H1が表示されているときに収納庫エラーが検知されたとき、図20(a)に図示するとおり、エラー表示H4が演出表示装置63の表示領域の下側に移動して表示され、且つ、モード選択表示H1は通常時(図18(a)に図示する表示態様)に比べて縮小され、その表示位置が当該表示領域の中央上側に移動される。
モード設定表示H2が表示されているときに収納庫エラーが検知されたとき、図20(b)に図示するとおり、エラー表示H4が演出表示装置63の表示領域の下側に移動して表示され、且つ、モード設定表示H2は通常時(図18(b)に図示する表示態様)に比べて縮小される。
【0160】
一方で、設定中モード表示H3が表示されているときに収納庫エラーが検知されたとき、図20(c)に図示するとおり、設定中モード表示H3もエラー表示H4も、通常時と同様の表示位置(前者は演出表示装置63の表示領域の中段、後者は当該表示領域の右下隅部)に表示され、表示上の制限は受けない。
このように表示しても、それぞれの視認性を担保できるからである。
【0161】
<通常モードからチャレンジゾーン(待機パート)に移行する際における各表示のタイムチャートについて>
次に、通常モードからチャレンジゾーン(待機パート)に移行する際における各表示のタイムチャートについて、図21図23を用いて説明する。
図21は、エラー報知を伴わないケースにおける通常モードからチャレンジゾーンへの移行時のタイムチャートである。
図22及び図23は、収納庫エラーに係るエラー報知を伴うケースにおける通常モードからチャレンジゾーンへの移行時のタイムチャートである。
なお、図21(a)~図23(b)それぞれの上段に図示される「変動期間」とは、左側の期間が先の図柄変動(移行元である通常モードの最後のゲーム)の実行期間を表しており、右側の期間が後の図柄変動(移行先であるチャレンジゾーン(待機パート)の最初のゲーム)の実行期間を表している。図21(a)~図23(b)それぞれの上段に図示される「インターバル期間」とは、上記の先の図柄変動と後の図柄変動の間におけるインターバル期間を表している。図21(a)~図23(b)それぞれの上段に表記される「プッシュボタン」及び「カーソル」は、それぞれの操作手段が操作されたタイミングを示している。
また、図21(a)~図23(b)それぞれのタイムチャートは、上側にふれている期間が、各表示が演出表示装置63に表示されている期間を表しており、下側にふれている期間が、各表示が演出表示装置63に非表示である期間を表している。
【0162】
図21(a)及び図21(b)に図示するように、エラー報知を伴わないケースにおける通常モードからチャレンジゾーンへの移行時には、移行元の最後のゲームの変動停止時(第三リールの停止時)に、モード選択表示H1が図18(a)に図示する表示態様で演出表示装置63に表示される。ここで、モード選択表示H1が表示されているインターバル期間においてプッシュボタン(最大ベットボタン23a)の操作を受け付けたとき、その時点でモード設定表示H2が図18(b)に図示する表示態様で演出表示装置63に表示され、モード選択表示H1は非表示になる。
当該時点より後に左右カーソルの操作を受け付けない場合、当該時点で設定された演出モードを示すモード設定表示H2が移行先の最初のゲームの変動開始時(スタートレバー26の操作時)まで継続される(図21(a)参照)。
また、当該時点より後に左右カーソルの操作を受け付けた場合、再びモード選択表示H1が図18(a)に図示する表示態様で演出表示装置63に表示され、更にプッシュボタン(最大ベットボタン23a)の操作を受け付けるとモード設定表示H2が図18(b)に図示する表示態様で演出表示装置63に表示される(図21(b)参照)。
いずれの場合においても、移行先の最初のゲームの変動開始時には、設定中モード表示H3が演出表示装置63に表示され、モード設定表示H2が非表示になる。
【0163】
なお、図21において、後述する図22図23にモード選択表示H1について「再表示制限」と表記される期間が図示されていないが、これはモード選択表示H1の再表示が全く制限されないことを示しているものではなく、本発明の目的を損なわない範囲において、モード選択表示H1の再表示が制限される場合があってもよい。
【0164】
上記のように、本実施形態では、プッシュボタンの操作に応じてモード設定表示H2が表示されるときモード選択表示H1が非表示となり、その後の左右カーソルの操作に応じてモード選択表示H1が再表示されるときモード設定表示H2が非表示になる実施例で説明したが、各操作に拘わらずモード選択表示H1の表示が継続され、当該表示に重複しない表示位置や当該表示より上位のレイヤーにモード設定表示H2に相当する画像が表示される変形例によって本発明が実施されてもよい。
従って、遊技機10は、第二表示(モード設定表示H2)が演出表示手段に表示されるとき、第一表示(モード選択表示H1)が非表示になり当該第二表示の表示が開始された後に新たに第一表示が表示される、又は、当該第二表示の表示開始の前後で第一表示が維持される、のうち少なくとも一方が可能である、ものと言える。
【0165】
図22(a)及び図22(b)に図示するように、通常モードからチャレンジゾーンへの移行時において移行元の最後のゲームの変動停止時(第三リールの停止時)に収納庫エラーをセンサが検知したとき、当該時点を契機としてエラー表示H4が演出表示装置63に表示される。ここで、エラー表示H4は、収納庫エラーが解消されるまで継続して表示される。
このとき、図20(a)に図示したように、演出表示装置63にはエラー表示H4とモード選択表示H1とが共に表示される。
エラー表示H4とモード選択表示H1とが共に表示されているときに、プッシュボタンの操作を受け付けない場合(最大ベットボタン23aを用いずに遊技に必要なメダルをベットした場合やリプレイ成立が成立している場合)、エラー表示H4とモード選択表示H1の表示が移行先の最初のゲームの変動開始時(スタートレバー26の操作時)まで継続される(図22(a)参照)。
また、エラー表示H4とモード選択表示H1とが共に表示されているときに、プッシュボタンの操作を受け付けた場合、エラー表示H4とモード設定表示H2とが図20(b)に図示する表示態様で演出表示装置63に表示される(図22(b)参照)。この場合、図20(a)及び図20(b)に図示したように、モード選択表示H1やモード設定表示H2が表示上の制限(表示サイズや表示位置の制限)を受ける他に、モード選択表示H1の再表示が所定時間(図22(b)に「再表示制限」と表記した期間)にわたって制限され、左右カーソルの操作を受け付けても、モード選択表示H1が演出表示装置63に表示されなくなる。遊技者が再度の演出モードの選択操作を行うことを抑制するためである。なお、モード選択表示H1の再表示の制限中は、演出モードの選択に係る操作(プッシュボタンや左右カーソルの操作の検知)を無効にすることが好ましいが、無効とせずに本発明が実施されることも許容される。
いずれの場合においても、移行先の最初のゲームの変動開始時には、設定中モード表示H3が演出表示装置63に表示され、モード選択表示H1やモード設定表示H2が非表示になる。
【0166】
上記のように、本実施形態では、モード選択表示H1が表示されているインターバル期間において収納庫エラーが検知された場合、収納庫エラーに係る報知としてエラー表示H4が、モード選択表示H1と共に演出表示装置63に表示される。
従って、第一表示(モード選択表示H1)が演出表示手段に表示されているインターバル期間において特定のエラー条件を充足した第一のときにおいて、第一表示が表示されている期間に重複して特定のエラーに係る報知(収納庫エラーに係る報知)が行われる、ものと言える。
また、特定のエラーに係る報知は、少なくとも演出表示手段に第三表示(エラー表示H4)が表示されることを含むものであり、第一のときにおいて、第一表示及び第三表示が共に視認可能な態様で演出表示手段に表示される、ものと言える。
【0167】
図22(b)に図示したとおり、エラー表示H4とモード選択表示H1が共に演出表示装置63に表示されているときにプッシュボタンの操作を受け付けると、モード設定表示H2が表示されてモード選択表示H1が非表示になると共に、モード選択表示H1の再表示が一定時間にわたって制限される。なお、モード設定表示H2が表示されるときにモード選択表示H1の表示が継続される(非表示にならない)変形例によって本発明を実施する場合には、モード設定表示H2の表示を契機にモード選択表示H1に相当する画像の表示が制限される(モード設定表示H2がモード選択表示H1より上位レイヤーに重複して表示されることによってモード選択表示H1が視認困難とされたり、モード設定表示H2と重ならないようにモード選択表示H1の表示サイズや表示位置が変更されたり、する)ことが好ましい。
従って、第一のときにおいて操作手段(プッシュボタン)が操作を受け付けると、特定のエラーに係る報知(エラー表示H4の表示)がされている期間に重複して第二表示(モード設定表示H2)が演出表示手段に表示され得るものであり、かつ、第一表示(モード選択表示H1)が非表示になり当該第二表示の表示が開始された後に新たに表示され得る第一表示が制限される、又は、当該第二表示の表示開始まで維持されていた第一表示が当該第二表示の表示開始を契機に制限される、ものと言える。
また、第一のときにおいて操作手段(プッシュボタン)が操作を受け付けると、第二表示(モード設定表示H2)及び第三表示(エラー表示H4)が共に視認可能な態様で演出表示手段に表示され、かつ、第一表示(モード選択表示H1)が非表示になり当該第二表示の表示が開始された後に新たに表示され得る第一表示が制限される、又は、当該第二表示の表示開始まで維持されていた第一表示が当該第二表示の表示開始を契機に制限される、
ものと言える。
更に、第二表示(モード設定表示H2)が演出表示手段に表示されるとき、当該第二表示の表示開始の前後で第一表示(モード選択表示H1)が維持され得るものであり、第二表示が第一表示に重複して表示されることによって当該第一表示の視認可能な領域が小さくなる、又は、当該第二表示に重複しない位置に第一表示の表示位置が移動する、ものと言える。
【0168】
上述したように、エラー表示H4は、収納庫エラーが解消されるまで継続して表示され、その報知期間は、モード選択表示H1の再表示が制限される期間の後まで継続し得る。
従って、特定のエラーに係る報知がされている期間(エラー表示H4が表示されている期間)は、第一表示(モード選択表示H1)が制限された後まで継続し得る、ものと言える。
【0169】
図22(b)に図示した「再表示制限」の期間は、モード選択表示H1の再表示の契機となり得る左右カーソルの操作がなされても、モード選択表示H1を再表示しない期間であり、収納庫エラーが解消されるまでの時間長さ(すなわち当該エラーに係る報知時間の長さ)に関わらず、その時間長さは一定であることが好ましい。
なぜならば、上述したように収納庫エラーに係る報知は、当該エラーをホール関係者等に認識させて解消させることを目的とする報知であるため、当該エラーが解消されるまで継続されるものである。一方、モード選択表示H1の再表示の制限は、再表示できないことを遊技者に認識させれば本発明の目的を達成することができ、その時間長さは収納庫エラーの報知時間の長さに依存するべきではないからである。
従って、第一のときにおいて操作手段(プッシュボタン)が操作を受け付けると、第一表示(モード選択表示H1)が非表示になり第二表示(モード設定表示H2)の表示が開始されてから所定時間(図22(b)に図示した「再表示制限」の期間)が経過するまで第一表示が表示されず、所定時間が経過した後に新たに第一表示が表示され得るものであり、第一のときに報知される特定のエラーに係る報知の時間長さに関わらず、所定時間が一定である、ものと言える。
【0170】
図22(a)及び図22(b)に図示したように、設定中モード表示H3が表示されている期間において収納庫エラーが発生しており、エラー表示H4が演出表示装置63に表示されていたとしても、設定中モード表示H3は制限されない。なぜならば、図20(c)に図示したように、設定中モード表示H3とエラー表示H4とは元より重複することなく表示されるものであり、制限なくても双方を認識することに困難性がないからである。
従って、演出モードを設定可能な図柄変動において特定のエラー条件を充足しているとき、第四表示(設定中モード表示H3)は制限されない、ものと言える。
【0171】
図23(a)及び図23(b)に図示するように、通常モードからチャレンジゾーンへの移行時においてモード設定表示H2が表示された後(演出モードの設定が一回行われた後)にインターバル期間の途中で収納庫エラーをセンサが検知したとき、その検知された時点を契機としてエラー表示H4が演出表示装置63に表示される。ここで、収納庫エラーが解消されるまでエラー表示H4が継続して表示される点については、図22(a)及び図22(b)と同様である。
このとき、図20(b)に図示したように、演出表示装置63にはエラー表示H4とモード設定表示H2とが共に表示される。
また、図23(a)及び図23(b)に図示したように、何ら操作手段が操作されなくても、エラー表示H4が表示された時(収納庫エラーを検知した時)を契機としてモード選択表示H1の再表示が所定時間にわたって制限され、左右カーソルの操作を受け付けても、モード選択表示H1が演出表示装置63に表示されなくなる。ここで、モード選択表示H1の再表示が制限されている期間がインターバル期間に収まる場合(図23(a)に図示する場合)であっても、モード選択表示H1の再表示が制限されている期間が次のゲームの開始時を超える場合(図23(b)に図示する場合)であっても、その制限の時間長さは一定である。ただし、後者の場合については、元より次のゲームの実行期間中にモード選択表示H1が表示されることがないため、モード選択表示H1の再表示の制限は、当該ゲームの変動開始時までとみなすこともできる。
いずれの場合においても、移行先の最初のゲームの変動開始時には、設定中モード表示H3が演出表示装置63に表示され、モード設定表示H2が非表示になる。
【0172】
上記のように、本実施形態では、モード設定表示H2が表示されているインターバル期間において収納庫エラーが検知された場合、収納庫エラーに係る報知としてエラー表示H4が、モード設定表示H2と共に演出表示装置63に表示される。このとき、プッシュボタンや左右カーソルが操作されずとも、収納庫エラーの検知を契機としてモード選択表示H1の再表示が制限される。なお、モード設定表示H2が表示されるときにモード選択表示H1の表示が継続される(非表示にならない)変形例によって本発明を実施する場合には、収納庫エラーの検知を契機にモード選択表示H1に相当する画像の表示が制限される(エラー表示H4がモード選択表示H1より上位レイヤーに重複して表示されることによってモード選択表示H1が視認困難とされたり、エラー表示H4と重ならないようにモード選択表示H1の表示サイズや表示位置が変更されたり、する)ことが好ましい。
従って、第二表示(モード設定表示H2)が演出表示手段に表示されているインターバル期間において特定のエラー条件を充足した第二のときにおいて、当該第二表示が表示されている期間に重複して特定のエラーに係る報知(エラー表示H4の表示)が行われる、ものと言える。そして、第二のときにおいて操作手段に対する操作を受け付けなくても、当該特定のエラー条件を充足した後に新たに表示され得る第一表示(モード選択表示H1)が制限される、又は、当該特定のエラー条件を充足するまで維持されていた第一表示が当該特定のエラー条件の充足を契機に制限される、ものと言える。
【0173】
なお、図23(b)に図示したように、モード選択表示H1の再表示の制限期間と、設定中モード表示H3の表示期間と、が重複している場合であっても、その重複期間において設定中モード表示H3の表示が制限されることはない。また、その重複期間については演出モードの選択に係る操作(プッシュボタンや左右カーソルの操作の検知)を無効にすることが好ましいが、無効とせずに本発明が実施されることも許容される。
【0174】
以上に説明した特徴を有しているので、遊技機10は、演出モードの設定操作に係る表示とエラー報知とが重複するインターバル期間において、演出モードの設定について一度は許容することによって遊技者の遊技意欲の低下を防止しつつ、更なる演出モードの設定については制限することができ、一定の歯止めをかけることができる。これにより、遊技機10は、遊技者の遊技意欲の低下防止と遊技の安全性とのバランスを図ることができる。
【0175】
<本発明の変形例>
本発明は、上述の実施態様に限定されるものではなく、本発明の目的が達成される限りにおける種々の変形、改良等の態様も含む。
以下、未だ説明していない本発明の変形例について言及する。
【0176】
上述した実施形態では、回胴式遊技機(スロットマシン)によって本発明を実施することについて説明したが、パチンコ遊技機によって本発明を実施する変形例を許容する。
この変形例において、インターバル期間とは、始動口入賞に基づいて実行される一の図柄変動が停止してから次の図柄変動が開始されるまでの期間である。
また、この変形例において、停止させた図柄によって示唆される「特典の付与」とは、例えば、大当りや小当りの当選又は突然時短(特定の停止図柄を契機として開始される普図高確状態)への移行である。
【0177】
上述した実施形態では、特定の遊技モード間の移行時(通常モードからチャレンジゾーンへの移行時)において設定可能な演出モードの設定について本発明を実施することについて説明したが、本発明に係る「演出モード」はサブ基板200によって制御される状態であればよく、メイン基板100によって管理される遊技モードに依存せずに設定可能であってもよい。
例えば、遊技の待機状態(図柄変動が行われていない期間)において遊技者が任意にカスタマイズできる演出用の各種パラメータ(音量や光量、オートボタンのON/OFF、三次元表示のON/OFFなど)を、本発明に係る「演出モード」として扱ってもよい。
また、演出モードを設定可能な時期は、遊技モード間の移行時に限られず、一の遊技モードに滞在している途中であってもよい。そして、その遊技モードの滞在期間が遊技者にとって有利な遊技状態(ビッグボーナスやATの実行期間、普図高確状態や特図高確状態の滞在期間、大当り遊技の実行期間など)であってもよい。
【0178】
上述した実施形態では、本発明に係る「特定のエラー」は収納庫エラーに限られない。本発明の趣旨に鑑みれば、遊技進行を直ちに止める必要がないエラー(重篤ではないエラー)であれば、「特定のエラー」の種別は特に制限されない。
【0179】
上述した実施形態で述べた演出表示装置63の表示態様(特に、図18図21に図示した表示態様)は、説明の為に便宜的に示したに過ぎず、本発明の権利範囲を制限するものではない。従って、本発明の実施において、実施形態で説明していない表示を追加すること、説明した表示の一部を省くこと、が許容される。
【0180】
上述した実施形態では、第一表示(モード選択表示H1)が制限される期間の時間長さが一定であるものとして説明したが、種々の条件に基づいて変更されるものであってもよい。
また、制限される対象として第一表示を挙げて説明したが、本発明を実施する遊技機において他の表示(第二表示、第三表示、第四表示)が制限される場合があってもよい。
【0181】
<付記>
本実施形態は、次のような技術思想を包含する。
(1)所定の開始条件の充足を契機として図柄変動を開始させ、所定の停止条件の充足を契機として図柄変動を停止させ、停止させた図柄によって特典の付与を示唆する遊技機であって、操作手段と、少なくとも演出表示手段を含む演出手段と、演出モードを制御する演出モード制御手段と、前記演出モードに基づいて前記演出手段に演出を実行させる演出制御手段と、を備え、或る図柄変動に係る前記所定の停止条件を充足してから次の図柄変動に係る前記所定の開始条件を充足するまでの期間であるインターバル期間において、前記演出モードの設定操作に係る第一表示が前記演出表示手段に表示されるときがあり、前記第一表示が前記演出表示手段に表示されている前記インターバル期間において前記操作手段が操作を受け付けると、当該操作に対応する前記演出モードを示す第二表示が前記演出表示手段に表示され、前記第二表示が前記演出表示手段に表示されるとき、前記第一表示が非表示になり当該第二表示の表示が開始された後に新たに前記第一表示が表示される、又は、当該第二表示の表示開始の前後で前記第一表示が維持される、のうち少なくとも一方が可能であり、更に、特定のエラー条件の充足を契機として特定のエラーに係る報知を行わせるエラー制御手段を備え、前記第一表示が前記演出表示手段に表示されている前記インターバル期間において前記特定のエラー条件を充足した第一のときにおいて、前記第一表示が表示されている期間に重複して前記特定のエラーに係る報知が行われ、前記第一のときにおいて前記操作手段が操作を受け付けると、前記特定のエラーに係る報知がされている期間に重複して前記第二表示が前記演出表示手段に表示され得るものであり、かつ、前記第一表示が非表示になり当該第二表示の表示が開始された後に新たに表示され得る前記第一表示が制限される、又は、当該第二表示の表示開始まで維持されていた前記第一表示が当該第二表示の表示開始を契機に制限される、遊技機。
(2)前記特定のエラーに係る報知は、少なくとも前記演出表示手段に第三表示が表示されることを含むものであり、前記第一のときにおいて、前記第一表示及び前記第三表示が共に視認可能な態様で前記演出表示手段に表示され、前記第一のときにおいて前記操作手段が操作を受け付けると、前記第二表示及び前記第三表示が共に視認可能な態様で前記演出表示手段に表示され、かつ、前記第一表示が非表示になり当該第二表示の表示が開始された後に新たに表示され得る前記第一表示が制限される、又は、当該第二表示の表示開始まで維持されていた前記第一表示が当該第二表示の表示開始を契機に制限される、(1)に記載の遊技機。
(3)前記第二表示が前記演出表示手段に表示されている前記インターバル期間において前記特定のエラー条件を充足した第二のときにおいて、当該第二表示が表示されている期間に重複して前記特定のエラーに係る報知が行われ、前記第二のときにおいて前記操作手段に対する操作を受け付けなくても、当該特定のエラー条件を充足した後に新たに表示され得る前記第一表示が制限される、又は、当該特定のエラー条件を充足するまで維持されていた前記第一表示が当該特定のエラー条件の充足を契機に制限される、(1)又は(2)に記載の遊技機。
(4)前記第二表示が前記演出表示手段に表示されるとき、前記第一表示が非表示になり当該第二表示の表示が開始された後に新たに前記第一表示が表示され得るものであり、前記第一のときにおいて前記操作手段が操作を受け付けると、前記第一表示が非表示になり前記第二表示の表示が開始されてから所定時間が経過するまで前記第一表示が表示されず、前記所定時間が経過した後に新たに前記第一表示が表示され得るものであり、前記第一のときに報知される前記特定のエラーに係る報知の時間長さに関わらず、前記所定時間が一定である、(1)から(3)のいずれか一つに記載の遊技機。
(5)前記演出モードは、少なくとも一部の図柄変動の実行期間中に設定可能なものであり、前記演出モードを設定可能な図柄変動において、当該図柄変動において設定されている前記演出モードを示す第四表示が前記演出表示手段に表示され、前記第四表示は、前記インターバル期間において前記演出表示手段に表示され得る前記第一表示及び前記第二表示のいずれとも表示態様が異なる表示であり、前記演出モードを設定可能な図柄変動において前記特定のエラー条件を充足しているとき、前記第四表示は制限されない、(1)から(4)のいずれか一つに記載の遊技機。
(a)前記第二表示が前記演出表示手段に表示されるとき、当該第二表示の表示開始の前後で前記第一表示が維持され得るものであり、前記第二表示が前記第一表示に重複して表示されることによって当該第一表示の視認可能な領域が小さくなる、又は、当該第二表示に重複しない位置に前記第一表示の表示位置が移動する、(1)から(3)のいずれか一つに記載の遊技機。
【符号の説明】
【0182】
10 遊技機
20 前面扉
21 上部パネル
22 下部パネル
23 ベットボタン
23a 最大ベットボタン
23b 単一ベットボタン
24 メニュー選択ボタン
24a 十字キーボタン
24b 決定ボタン
25 状態表示LED
25a 投入枚数表示LED
25b 貯留枚数表示LED
25c 獲得枚数表示LED
25d 指示表示LED
25e 再遊技表示LED
25f 遊技開始表示LED
25g 投入可能表示LED
25h 有利区間表示LED
26 スタートレバー
27(27L、27C、27R) ストップボタン
27a 停止可能表示LED
31 メダル投入口
32 精算ボタン
33 メダル返却ボタン
34 ドア錠
35 メダル排出口
36(36a、36b、36c、36d、36e、36f、36g、36h) 装飾LED
37 下皿
38(38a、38b、38c、38d) スピーカ口
40a、40b 各種センサ
41(41a、41b、41c、41d、41e、41f、41g、41h) 装飾LED基板
42 状態表示LED基板
43 ストップボタン基板
43a ストップボタンセンサ
44 スタートレバーセンサ
45 ベットボタン基板
45a 最大ベットボタンセンサ
45b 単一ベットボタンセンサ
45c プッシュボタンセンサ
46 メニュー選択ボタン基板
46a 十字キーボタンセンサ
46b 決定ボタンセンサ
47 メダルセレクタ
47a メダルセレクタ本体
47b メダルブロッカ
47c メダル通過センサ
48 設定変更装置
48a 設定キースイッチ
48b 設定変更スイッチ
48c 設定表示LED
48d 設定キーカバー
49(49a、49b、49c、49d) スピーカ
51 投入メダル通路
52 払出メダル通路
53 返却メダル通路
54 収納メダル通路
60 遊技機本体部
62 演出表示領域
63 演出表示装置
64 リール枠
65(65L、65C、65R) リール
66(66L、66C、66R) リールセンサ
67(67L、67C、67R) リール照明基板
68 リールモータ
90 外枠
91 電源装置
92 電源スイッチ
93 メダル収納庫
94 メダル払出口
95 メダル補助収納庫
96 ヒンジ部
96a 上段ヒンジ部
96b 中段ヒンジ部
96c 下段ヒンジ部
100 メイン基板
101、201 CPU
102、202 RAM
103、203 ROM
110 遊技状態制御部
111 遊技モード制御部
112 CZ判定部
120 内部抽選部
130 役フラグ設定部
140 回動制御部
150 表示図柄判定部
160 指令生成部
170 外部出力部
200 サブ基板
210 サブ統括部
220 演出表示部
230 音声出力部
240 LED発光部
L1~L5 ライン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23