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特許7246768カバードステントの製造方法及びそれによって製造されたカバードステント
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-17
(45)【発行日】2023-03-28
(54)【発明の名称】カバードステントの製造方法及びそれによって製造されたカバードステント
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/04 20130101AFI20230320BHJP
   A61F 2/82 20130101ALI20230320BHJP
【FI】
A61F2/04
A61F2/82
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021130983
(22)【出願日】2021-08-10
(65)【公開番号】P2022177774
(43)【公開日】2022-12-01
【審査請求日】2021-08-12
(31)【優先権主張番号】10-2021-0064307
(32)【優先日】2021-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】516374842
【氏名又は名称】ビーシーエム カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100149870
【弁理士】
【氏名又は名称】芦北 智晴
(72)【発明者】
【氏名】ミョン,ビョン チョル
(72)【発明者】
【氏名】キム フンソン
【審査官】上石 大
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-223540(JP,A)
【文献】特開2005-278993(JP,A)
【文献】特表2007-505687(JP,A)
【文献】特開2011-240120(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/04
A61F 2/82
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カバードステントの製造方法であって、
円筒状胴体(110)、及び前記円筒状胴体(110)の一端又は両端に形成され、前記円筒状胴体(110)より直径が大きい拡管部(120)を含むジグ(100)を準備し、前記円筒状胴体(110)の外面に第1PTFE(polytetrafluoroethylene)テープ(201)を巻き付けるテーピング作業を行う過程と、
円筒状胴体(310)、及び前記円筒状胴体(310)の一端又は両端に形成され、前記円筒状胴体(310)より直径が大きい拡管部(320)を含むステント(300)の内部にジグ(100)を挿入した後、前記円筒状胴体(310)及び拡管部(320)の外面に第2PTFE(polytetrafluoroethylene)テープ(202)を巻き付けるテーピング作業を行う過程と、
前記ジグ(100)が内部に挿入されたステント(300)をオーブン(400)に入れ、第1及び第2PTFE(polytetrafluoroethylene)テープ(201、202)が互いに接着可能な状態になるように加熱した後、前記オーブン(400)から取り出す過程と、
加熱された前記第1及び第2PTFE(polytetrafluoroethylene)テープ(201、202)がそれぞれ巻かれたジグ(100)及びステント(300)を前記ジグ(100)の一部と同じ形状に形成された下部弾性部材(500)の第1嵌込部(501)に嵌め込んだ後、前記ジグ(100)の残部と同じ形状に形成された上部弾性部材(510)の第1嵌込部(511)に嵌め込む過程と、
前記下部弾性部材(500)及び上部弾性部材(510)を前記下部弾性部材(500)及び上部弾性部材(510)と同じ形状に形成された金型(600)の第1嵌込部(601)に嵌め込んだ後、前記上部弾性部材(510)を押圧部材(610)で押圧し、第1及び第2PTFE(polytetrafluoroethylene)テープ(201、202)を互いに接着させて空間部(330)を埋めることによりステント(300)の円筒状胴体(310)に第1被膜(200)を形成する過程と、
前記押圧部材(610)の押圧を解除して金型(600)の第1嵌込部(601)から下部弾性部材(500)及び上部弾性部材(510)を抜き出し、前記下部弾性部材(500)の第1嵌込部(501)及び上部弾性部材(510)の第1嵌込部(511)からステント(300)を抜き出した後、前記ステント(300)からジグ(100)を除去する過程と、
前記拡管部(320)に固定されなかった第2PTFE(polytetrafluoroethylene)テープ(202)を円筒状胴体(310)に向けて裏返して前記拡管部(320)を露出させた後、シリコンコーティングで前記拡管部(320)にシリコンコーティング層(203)を形成して空間部(330)を埋める過程と、
前記第2PTFE(polytetrafluoroethylene)テープ(202)を拡管部(320)を包むように元の状態に戻した後、前記拡管部(320)の空間部(330)、第2PTFE(polytetrafluoroethylene)テープ(202)及びシリコンコーティング層(203)を連結糸(700)で縫着してステント(300)の前記拡管部(320)に第2被膜(210)を形成する過程とを含んでなることを特徴とする、カバードステントの製造方法。
【請求項2】
前記下部弾性部材(500)及び上部弾性部材(510)はシリコン又はゴム材からなることを特徴とする、請求項1に記載のカバードステントの製造方法。
【請求項3】
前記押圧部材(610)は油圧又は空圧で作動するシリンダー(611)によって上部弾性部材(510)を押圧するか押圧状態を解除することを特徴とする、請求項1に記載のカバードステントの製造方法。
【請求項4】
前記拡管部(120)はその外面に形成されたつまみ(130)を含み、
前記下部弾性部材(500)及び上部弾性部材(510)の外面には、第1嵌込部(501、511)とそれぞれ連結され、つまみ(130)が嵌め込まれる第2嵌込部(502、512)がそれぞれ形成され、
前記金型(600)の外面には、第1嵌込部(601)と連結され、つまみ(130)が嵌め込まれる第2嵌込部(602)が形成されることを特徴とする、請求項1に記載のカバードステントの製造方法。
【請求項5】
前記下部弾性部材(500)及び上部弾性部材(510)はその外面に形成されたつまみ(520)を含み、
前記金型(600)の外面には、第1嵌込部(601)と連結され、つまみ(520)が嵌め込まれる第3嵌込部(603)が形成されることを特徴とする、請求項1に記載のカバードステントの製造方法。
【請求項6】
1PTFE(polytetrafluoroethylene)テープ(201)と
円筒状胴体(310)、及び前記円筒状胴体(310)の一端又は両端に形成され、前記円筒状胴体(310)より直径が大きい拡管部(320)を含むステント(300)と、
前記円筒状胴体(310)及び拡管部(320)の外面に巻き付けられて拡管部(320)を包んでいる第2PTFE(polytetrafluoroethylene)テープ(202)と
シリコンコーティング層(203)とを含むカバードステントであって、
第1及び第2PTFE(polytetrafluoroethylene)テープ(201、202)互いに接着さて空間部(330)を埋めることによりステント(300)の円筒状胴体(310)に第1被膜(200)を形成しており
前記シリコンコーティング層(203)が前記拡管部(320)に形されて空間部(330)を埋めており
記拡管部(320)の空間部(330)、第2PTFE(polytetrafluoroethylene)テープ(202)及びシリコンコーティング層(203)連結糸(700)で縫着されてステント(300)の前記拡管部(320)に第2被膜(210)を形成していることを特徴とする、カバードステント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカバードステントの製造方法及びそれによって製造されたカバードステントに関するもので、特にステントの円筒状胴体にPTFE材の被膜を形成し、円筒状胴体より直径が大きいステントの拡管部にPTFE材及びシリコン材からなる被膜を形成するカバードステントの製造方法及びそれによって製造されたカバードステントに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、気道、食道、十二指膓、胆道、尿道官などのような人体の内腔に腫瘍やその他の原因で狭窄又は閉塞する病変部位が発生すれば、正常な機能を果たさないことから、人体の内腔で発生した病変部位にステントを挿入して拡張させることにより、正常な機能を果たすことができるようにする。
【0003】
これに関連して、特許文献1は、少なくとも一つ以上の最初の超弾性形状記憶合金ワイヤを対角線方向に上下側で上線と下線として交差するように編んで多数の菱形空間部を有する中空形胴体から形成されたステントであって、中空形胴体にはワイヤを対角線方向に垂直に突出するように折り曲げた係止突起を形成して人体の内腔で滑りを防止するように構成され、係止突起はワイヤの上線を胴体の対角線方向に垂直に突出するように折り曲げて構成され、ワイヤの上線は2本以上の複数の下線の上を通るように形成して構成され、二つ以上の複数の係止突起を連続的に形成して構成されたことを特徴とする滑り防止用ステントを提供した。
【0004】
しかし、特許文献1は、係止突起によってステントが病変部位で滑って離脱することを防止しにくかった。
【0005】
そのため、従来には、図1及び図2に示すように、円筒状胴体2aと、前記円筒状胴体2aより直径が大きいように前記円筒状胴体2aの端部に形成され、病変部位が発生した人体の内腔にかかる拡管部2bとを含むカバードステント2を提供した。
【0006】
ここで、前記円筒状胴体2aにはPTFE材の被膜2cが形成され、拡管部2bにはPTFE材の被膜2d又はシリコン材の被膜2eが形成された。
【0007】
しかし、従来の場合には、前記拡管部2bがステント伝達装置のカテーテルに圧着された状態で挿入されることから、PTFE材の特性上、被膜2dが延びる問題が発生した。
【0008】
そのため、前記病変部位にカバードステント2を施術するとき、PTFE材の特性上延びる被膜2dにより、拡管部2bが元の形状に戻らない問題があった。
【0009】
すなわち、前記拡管部2bのワイヤの弾性及び延びたPTFE材の被膜2dの弾性のみによっては復元力が足りなくて前記拡管部2bが元の形状に戻ることが難しかった。
【0010】
これにより、前記拡管部2bが人体の内腔に十分にかからなく、人体の振動などのような外力によって前記人体の内腔で滑って病変部位を離脱する事例があった。
【0011】
また、前記拡管部2bにシリコン材の被膜2eが形成されたカバードステント2を病変部位に施術すれば、人体の内腔で発生した体液に前記シリコン材の被膜2eが接触して溶けるなどの毀損の問題が発生した。
【0012】
このような理由で、前記病変部位は成長するにつれて毀損されたシリコン材の被膜2eを通して拡管部2bの空間部に挿入され、これにより、成長した前記病変部位によってカバードステント2の内部が塞がるおそれがあるだけではなく、成長した前記病変部位が拡管部2bの空間部にかかり、一定期間が経った後にステントを交替するか又は除去するとき、カバードステント2を人体の内腔から除去しにくくなるおそれがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【文献】韓国登録特許第10-1657648号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
したがって、本発明は、病変部位に施術するとき、ステント伝達装置のカテーテルによって圧着されていた拡管部が被膜の弾性によって従来より容易に元の形状に戻って人体の内腔にかかるようにするカバードステントの製造方法及びそれによって製造されたカバードステントを提供することを目的とする。
【0015】
また、本発明は、拡管部に形成された被膜が人体の内腔で発生した体液によって溶けることを防止するカバードステントの製造方法及びそれによって製造されたカバードステントを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前述した目的を達成するために、本発明は、カバードステントの製造方法であって、円筒状胴体、及び前記円筒状胴体の一端又は両端に形成され、前記円筒状胴体より直径が大きい拡管部を含むジグを準備し、前記円筒状胴体の外面に第1PTFE(polytetrafluoroethylene)テープを巻き付けるテーピング作業を行う過程と、円筒状胴体、及び前記円筒状胴体の一端又は両端に形成され、前記円筒状胴体より直径が大きい拡管部を含むステントの内部にジグを挿入した後、前記円筒状胴体及び拡管部の外面に第2PTFE(polytetrafluoroethylene)テープを巻き付けるテーピング作業を行う過程と、前記ジグが内部に挿入されたステントをオーブンに入れ、第1及び第2PTFE(polytetrafluoroethylene)テープが互いに接着可能な状態になるように加熱した後、前記オーブンから取り出す過程と、加熱された前記第1及び第2PTFE(polytetrafluoroethylene)テープがそれぞれ巻かれたジグ及びステントを前記ジグの一部と同じ形状に形成された下部弾性部材の第1嵌込部に嵌め込んだ後、前記ジグの残部と同じ形状に形成された上部弾性部材の第1嵌込部に嵌め込む過程と、前記下部弾性部材及び上部弾性部材を前記下部弾性部材及び上部弾性部材と同じ形状に形成された金型の第1嵌込部に嵌め込んだ後、前記上部弾性部材を押圧部材で押圧し、第1及び第2PTFE(polytetrafluoroethylene)テープを互いに接着させて空間部を埋めることによりステントの円筒状胴体に第1被膜を形成する過程と、前記押圧部材の押圧を解除して金型の第1嵌込部から下部弾性部材及び上部弾性部材を抜き出し、前記下部弾性部材の第1嵌込部及び上部弾性部材の第1嵌込部からステントを抜き出した後、前記ステントからジグを除去する過程と、前記拡管部に固定されなかった第2PTFE(polytetrafluoroethylene)テープを円筒状胴体に向けて裏返して前記拡管部を露出させた後、シリコンコーティングで前記拡管部にシリコンコーティング層を形成して空間部を埋める過程と、前記第2PTFE(polytetrafluoroethylene)テープを拡管部を包むように元の状態に戻した後、前記拡管部の空間部、第2PTFE(polytetrafluoroethylene)テープ及びシリコンコーティング層を連結糸で縫着してステントの前記拡管部に第2被膜を形成する過程とを含んでなることを特徴とするカバードステントの製造方法及びそれによって製造されたカバードステントを提供する。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、拡管部の空間部、第2PTFEテープ及びシリコンコーティング層を連結糸で縫着してステントの拡管部に第2被膜を形成する効果がある。
【0018】
すなわち、PTFEより弾性の良いシリコンコーティング層によってステントの拡管部の弾性が向上する効果がある。
【0019】
これにより、病変部位に施術するとき、ステント伝達装置のカテーテルによって圧着されていた拡管部が、第2被膜のシリコンコーティング層の弾性によって従来より容易に元の状態に戻って人体の内腔に安定的にかかることにより、人体の振動などのような外力によって病変部位で滑って離脱することを従来より確かに防止する効果がある。
【0020】
本発明は、第2被膜のシリコンコーティング層の代わりに第2被膜の第2PTFEテープが人体の内腔に接触する効果がある。
【0021】
すなわち、拡管部に形成された第2被膜のシリコンコーティング層が人体の内腔で発生した体液に溶けて毀損されることを従来より確かに防止する効果がある。
【0022】
これにより、成長した病変部位が拡管部の空間部に浸透することを防止し、カバードステントの内部が塞がることを防止する効果がある。
【0023】
また、成長した病変部位が拡管部の空間部にかかり、一定期間が経った後にステントを交替又は除去するとき、カバードステントを人体の内腔から除去しにくくなることを従来より確かに防止する効果がある。
【0024】
本発明は、金型及び押圧部材を介して上部及び下部弾性部材を均一に押圧して第1及び第2PTFEテープを接着させることができる効果がある。
【0025】
すなわち、第1及び第2PTFEテープが従来より均一に接着されてステントの空間部を埋めるから、ステントの円筒状胴体に第1被膜が安定的に形成される効果がある。
【0026】
言い換えれば、ステントの円筒状胴体からPTFE材の第1被膜が剥離されることを防止する効果がある。
【0027】
これにより、病変部位が成長して円筒状胴体の空間部に浸透することを第1被膜によって防ぐ効果がある。
【0028】
本発明は、上部及び下部弾性部材がシリコン材又はゴム材からなるから、上部及び下部弾性部材の製造が簡便な効果がある。
【0029】
本発明は、ジグ又は上部及び下部弾性部材につまみが形成されるから、オーブン及び上部及び下部弾性部材及び金型に対してステントを容易に入れるか取り出すことができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】従来のカバードステントを示す正面図である。
図2】同上
図3】本発明の実施例に使われるジグ及びステントの多様な形状を示す正面図である。
図4】同上
図5】同上
図6】同上
図7】同上
図8】同上
図9】同上
図10】同上
図11】同上
図12】同上
図13】同上
図14】同上
図15】同上
図16】本発明の実施例によるカバードステントの製造過程を示す図である。
図17】本発明の実施例によるカバードステントの設置状態を示す図である。
図18】同上
図19】本発明の実施例の他の実施例による上部及び下部弾性部材及び金型の平面図である。
図20】本発明の実施例のさらに他の実施例による上部及び下部弾性部材及び金型の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、前述したような本発明を添付図面に基づいて詳細に説明する。
【0032】
図3図18に示すように、本発明の実施例によるカバードステント1000の製造過程は次のようである。
【0033】
円筒状胴体110、及び前記円筒状胴体110の一端又は両端に形成され、前記円筒状胴体110より大きい直径を有する拡管部120を含むジグ100を準備し、前記円筒状胴体110の外面に第1PTFE(polytetrafluoroethylene)テープ201を巻き付けるテーピング作業を行う。
【0034】
ここで、前記ジグ100の拡管部120は、図3に示すように、多様な形状に形成されるが、図3に示した形状とは違う形状にも形成されることができる。
【0035】
また、前記ジグ100は金属素材からなり、第1PTFEテープ201はジグ100の螺旋方向にのみ巻かれるか、前記ジグ100の円周方向にのみ巻かれるか、前記ジグ100の螺旋方向及び円周方向に混合して巻かれる。
【0036】
そして、円筒状胴体310、及び前記円筒状胴体310の一端又は両端に形成され、前記円筒状胴体310より大きい直径を有する拡管部320を含むステント300の内部にジグ100を挿入した後、前記円筒状胴体310及び拡管部320の外面に第2PTFE(polytetrafluoroethylene)テープ202を巻き付けるテーピング作業を行う。
【0037】
ここで、前記ステント300の円筒状胴体310及び拡管部320は最初の超弾性形状記憶合金からなる少なくとも1本以上のワイヤ340が網状に編まれながら交差し、ジグ100が内部に挿入可能な中空状に形成され、多数の空間部330が外面に形成される。
【0038】
また、前記ステント300の拡管部320は、図3に示すように、多様な形状に形成され、図3に示した形状とは違う形状にも形成されることができる。
【0039】
また、前記第2PTFEテープ202はステント300の螺旋方向にのみ巻かれるか、前記ステント300の円周方向にのみ巻かれるか、前記ステント300の螺旋方向及び円周方向に混合して巻かれる。
【0040】
そして、前記ジグ100が内部に挿入されたステント300をオーブン400に入れて第1及び第2PTFE(polytetrafluoroethylene)テープ201、202が互いに接着可能な状態になるように加熱した後、前記オーブン400から取り出す過程を行う。
【0041】
ここで、前記オーブン400はジグ100が内部に挿入されたステント300を300℃以上に加熱し、第1及び第2PTFEテープ201、202は前記300℃以上の加熱によって性質が柔軟になって互いに接着可能な状態になる。
【0042】
そして、加熱された前記第1及び第2PTFE(polytetrafluoroethylene)テープ201、202がそれぞれ巻かれたジグ100及びステント300を前記ジグ100の一部と同じ形状に形成された下部弾性部材500の第1嵌込部501に嵌め込んだ後、前記ジグ100の残部と同じ形状に形成された上部弾性部材510の第1嵌込部511に嵌め込む過程を行う。
【0043】
ここで、前記下部弾性部材500及び上部弾性部材510はシリコン材又はゴム材からなり、ヒンジ部材を介して互いに連結される。
【0044】
また、前記下部弾性部材500の第1嵌込部501と上部弾性部材510の第1嵌込部511はステント300の厚さによって変形されて拡張される。
【0045】
そして、前記下部弾性部材500及び上部弾性部材510を前記下部弾性部材500及び上部弾性部材510と同じ形状に形成された金型600の第1嵌込部601に嵌め込んだ後、前記上部弾性部材510を押圧部材610で押圧して第1及び第2PTFE(polytetrafluoroethylene)テープ201、202を互いに接着させて空間部330を埋めることにより、ステント300の円筒状胴体310に第1被膜200を形成する過程を行う。
【0046】
ここで、前記ステント300の厚さによって第1嵌込部501、511が変形されて拡張された下部弾性部材500及び上部弾性部材510は金型600の第1嵌込部601と押圧部材610からいずれか一側からの偏重なしに四方から均一に圧力を受けるようになる。
【0047】
また、前記下部弾性部材500及び上部弾性部材510は金型600の第1嵌込部601と押圧部材610の均一な圧力により、第1及び第2PTFEテープ201、202がそれぞれ巻かれたジグ100及びステント300を全体的に均一に押圧するようになる。
【0048】
また、前記ステント300のワイヤ340に密着した下部弾性部材500及び上部弾性部材510の一部は変形されなく、前記ステント300のワイヤ340に密着しない下部弾性部材500及び上部弾性部材510の残部は変形されて空間部330に浸透して前記ステント300に巻かれた第2PTFEテープ202を押圧するようになる。
【0049】
また、前記ステント300に巻かれた第2PTFEテープ202は、下部弾性部材500及び上部弾性部材510の押圧によって空間部330に浸透し、円筒状胴体110に巻かれた第1PTFEテープ201に密着しながら接着される。
【0050】
すなわち、前記空間部330が埋められることにより、ステント300の円筒状胴体310に第1被膜200が形成される。
【0051】
また、前記押圧部材610は油圧又は空圧で作動するシリンダー611のシリンダーロッドに連結され、前記シリンダー611によって上部弾性部材510を押圧するようになる。
【0052】
また、前記金型600は第1嵌込部601が形成されるように結合される少なくとも2個以上の構成部からなることもできる。
【0053】
そして、前記押圧部材610の押圧を解除して金型600の第1嵌込部601から下部弾性部材500及び上部弾性部材510を抜き出し、前記下部弾性部材500の第1嵌込部501及び上部弾性部材510の第1嵌込部511からステント300を抜き出した後、前記ステント300からジグ100を除去する過程を行う。
【0054】
ここで、前記押圧部材610は油圧又は空圧で作動するシリンダー611によって上部弾性部材510を押圧するか解除するようになる。
【0055】
また、前記拡管部320を包んでいる第2PTFE(polytetrafluoroethylene)テープ202は前記拡管部320の空間部330を埋めなくて前記拡管部320に固定されない。
【0056】
また、前記ステント300からジグ100を除去するに先立ち、冷却作業を行う。
【0057】
そして、前記拡管部320に固定されなかった第2PTFE(polytetrafluoroethylene)テープ202を円筒状胴体310に向けて裏返して前記拡管部320を露出させた後、シリコンコーティングで前記拡管部320にシリコンコーティング層203を形成して空間部330を埋める過程を行う。
【0058】
ここで、前記シリコンコーティング層203は、拡管部320をシリコン溶液に浸すか、前記拡管部320にシリコンを噴射することによって形成する。
【0059】
また、前記シリコンコーティング層203を形成した後には乾燥作業を行う。
【0060】
そして、前記第2PTFE(polytetrafluoroethylene)テープ202を拡管部320を包むように元の状態に戻した後、前記拡管部320の空間部330、第2PTFE(polytetrafluoroethylene)テープ202及びシリコンコーティング層203を連結糸700で縫着して連結してステント300の前記拡管部320に第2被膜210を形成する過程を行う。
【0061】
すなわち、前記ステント300の円筒状胴体310には第1及び第2PTFE(polytetrafluoroethylene)テープ201、202からなる第1被膜200が形成され、前記ステント300の拡管部320には第2PTFE(polytetrafluoroethylene)テープ202及びシリコンコーティング層203からなる第2被膜210が形成されることにより、本発明の実施例による前記カバードステント1000が出来上がる。
【0062】
図17及び図18に示すように、前記カバードステント1000は、飲食物、胆汁、血液などが通過する人体の内腔1にステント伝達装置を介して施術され、前記人体の内腔1で発生した狭窄又は閉塞した病変部位1aを拡張させる。
【0063】
ここで、前記ステント伝達装置のカテーテルによって圧着されていた拡管部320は、病変部位1aに施術されるとき、シリコンコーティング層203の弾性によって元の形状に容易に戻って人体の内腔1にかかる。
【0064】
また、前記第2被膜210の第2PTFEテープ202は、人体の内腔1で発生した体液がシリコンコーティング層203に接触することを防ぐ。
【0065】
図19に示すように、本発明の実施例の他の実施例による前記拡管部120はつまみ130が外面から突設される。
【0066】
よって、加熱された前記第1及び第2PTFE(polytetrafluoroethylene)テープ201、202ではなく、つまみ130を用いてオーブン400からジグ100及びステント300を取り出す。
【0067】
そして、前記下部弾性部材500及び上部弾性部材510の外面には、第1嵌込部501、511とそれぞれ連結され、つまみ130が嵌め込まれる第2嵌込部502、512がそれぞれ形成される。
【0068】
また、前記金型600の外面には、第1嵌込部601と連結され、つまみ130が嵌め込まれる第2嵌込部602が形成される。
【0069】
よって、前記つまみ130を用いて金型600の第1嵌込部601から下部弾性部材500及び上部弾性部材510を抜き出し、前記つまみ130を用いて下部弾性部材500の第1嵌込部501及び上部弾性部材510の第1嵌込部511からステント300を抜き出す。
【0070】
そして、図20に示すように、本発明の実施例のさらに他の実施例による前記下部弾性部材500及び上部弾性部材510はつまみ520が外面に突設される。
【0071】
ここで、前記つまみ520は下部弾性部材500及び上部弾性部材510の外面の一端又は両端に突設される。
【0072】
また、前記金型600の外面には、第1嵌込部601と連結され、つまみ520が嵌め込まれる第3嵌込部603が形成される。
【0073】
よって、前記つまみ520を用いて金型600の第1嵌込部601から下部弾性部材500及び上部弾性部材510を抜き出す。
【0074】
以上では本発明を特定の好適な実施例を例として図示して説明したが、本発明は前述した実施例に限定されず、本発明の精神を逸脱しない範疇内で本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者によって多様な変更及び修正が可能であろう。
【符号の説明】
【0075】
100 ジグ
110 円筒状胴体
120 拡管部
130 つまみ
200 第1被膜
201 第1PTFEテープ
202 第2PTFEテープ
203 シリコンコーティング層
210 第2被膜
300 ステント
310 円筒状胴体
320 拡管部
330 空間部
340 ワイヤ
400 オーブン
500 下部弾性部材
501 第1嵌込部
502 第2嵌込部
510 上部弾性部材
511 第1嵌込部
512 第2嵌込部
520 つまみ
600 金型
601 第1嵌込部
602 第2嵌込部
603 第3嵌込部
610 押圧部材
611 シリンダー
700 連結糸
1000 カバードステント
図1
図2
図3
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図5
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