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特許7246781波長可変光学フィルタのスペクトル応答速度をテストするためのシステム及び方法
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  • 特許-波長可変光学フィルタのスペクトル応答速度をテストするためのシステム及び方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-17
(45)【発行日】2023-03-28
(54)【発明の名称】波長可変光学フィルタのスペクトル応答速度をテストするためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G01M 11/00 20060101AFI20230320BHJP
   G01J 3/26 20060101ALI20230320BHJP
【FI】
G01M11/00 T
G01J3/26
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021553118
(86)(22)【出願日】2020-07-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-07
(86)【国際出願番号】 CN2020101055
(87)【国際公開番号】W WO2022006811
(87)【国際公開日】2022-01-13
【審査請求日】2021-09-03
(73)【特許権者】
【識別番号】521399803
【氏名又は名称】深▲せん▼市海譜納米光学科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN HYPERNANO OPTICS TECHNOLOGY CO., LTD
【住所又は居所原語表記】1903,1904, Building1, COFCO Chuangxin R&D Centre Zone 69, Xingdong Community Xin’an Street, Bao’an District Shenzhen, Guangdong 518000 CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100205936
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 海龍
(74)【代理人】
【識別番号】100132805
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 貴之
(72)【発明者】
【氏名】甄 明亮
(72)【発明者】
【氏名】兪 萍萍
(72)【発明者】
【氏名】郭 斌
(72)【発明者】
【氏名】黄 錦標
【審査官】田中 洋介
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/117149(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0146700(US,A1)
【文献】特開2006-162632(JP,A)
【文献】Joan Vila-Frances,Analysis of acousto-optic tunable filter performance for imaging applications,Optical Engineering,2010年11月,Vol.49 No.11,pp.113203-1~113203-9
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01M 11/00-11/08
G01J 3/00-3/52
G02B 5/20-5/28
JSTPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
波長可変光学フィルタのスペクトル応答速度をテストするためのシステムであって、
順に設置されるコリメート光源、分光素子、集束レンズ及び光点位置イメージング記録装置を備え、前記波長可変光学フィルタは前記コリメート光源と前記分光素子との間に設置され、テストにおいて一定の波長範囲内で連続的に同調するように構成され、前記分光素子は連続同調過程において波長可変光学フィルタを通過した異なる波長帯のビームを、対応する異なる波長帯の回折ビーム又は屈折ビームに形成することに用いられ、前記集束レンズは光点位置イメージング記録装置に入射しようとする前記回折ビーム又は屈折ビームを集束することに用いられ、前記光点位置イメージング記録装置は対応する異なる波長帯の前記回折ビーム又は屈折ビームがイメージングされる位置変化情報を記録することに用いられることを特徴とする波長可変光学フィルタのスペクトル応答速度をテストするためのシステム。
【請求項2】
前記コリメート光源は順に設置される発光源、スリット及びコリメートレンズを備えることを特徴とする請求項1に記載の波長可変光学フィルタのスペクトル応答速度をテストするためのシステム。
【請求項3】
前記分光素子は回折型回折格子又は屈折型プリズムを用いることを特徴とする請求項1に記載の波長可変光学フィルタのスペクトル応答速度をテストするためのシステム。
【請求項4】
前記光点イメージング記録装置は高速度カメラ又はローリングシャッターカメラを用いることを特徴とする請求項1に記載の波長可変光学フィルタのスペクトル応答速度をテストするためのシステム。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載のシステムを用い、
コリメート光源からの光を波長可変光学フィルタに照射させるステップS1と、
一定の波長範囲内で前記波長可変光学フィルタを連続的に同調するステップS2と、
前記連続同調過程における、前記イメージング記録装置における光点位置の移動距離を記録するステップS3と、
前記移動距離に必要な時間に基づいて前記波長可変光学フィルタの応答速度を取得するステップS4と、を含むことを特徴とする波長可変光学フィルタのスペクトル応答速度をテストするための方法。
【請求項6】
前記光点イメージング記録装置が高速度カメラを備える場合、前記ステップS4は具体的に、光点位置Pに対応する光点位置画像を第Fフレーム、光点位置Pに対応する光点位置画像を第Fフレーム、波長λから波長λまでの応答時間をΔt=(F-F)/Mとして記録し、ここで、Mが光点位置イメージング記録装置のフレームレートであることを含むことを特徴とする請求項5に記載の波長可変光学フィルタのスペクトル応答速度をテストするための方法。
【請求項7】
前記光点イメージング記録装置がローリングシャッターカメラを備える場合、前記ステップS4は具体的に、横座標が波長を示し縦座標が時間を示す座標系を作成し、画像アルゴリズムに基づいて光点位置P及びPの情報を座標系内に位置決めし、更に換算によって波長λから波長λまでの応答時間Δtを換算することを含むことを特徴とする請求項5に記載の波長可変光学フィルタのスペクトル応答速度をテストするための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスペクトルテスト技術分野に関し、且つ、特に波長可変光学フィルタのスペクトル応答速度をテストするためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
波長可変光学フィルタの出力波長の変化速度はマイクロ秒レベルに達し、可視光乃至赤外線の波長域は必要に応じて出力しようとする波長を任意に選択することができ、そして、出力波長の単色性が比較的高く、半波幅が10nmより小さい。その異なる波長出力に時間差があり、従って、一定の波長範囲内の総応答時間を決定するために特別なテストを行う必要がある。現在、波長の高速変化部分のテストは分光計を用いる場合が多く、時間精度がミリ秒レベルのみに達するため、波長出力変化速度の一層高い光学フィルタ素子に対して、時間精度の一層高いテスト方法を用いる必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来技術における波長出力変化速度の高い光学フィルタ素子は波長出力変化に対して高精度の時間テストを行う必要があるという技術的課題を解決するために、本発明は波長可変光学フィルタのスペクトル応答速度をテストするためのシステム及び方法を提供し、従来技術における波長出力変化速度の高い光学フィルタ素子は波長出力変化に対して高精度の時間テストを行う必要があるという技術的課題を解決する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一態様では、波長可変光学フィルタのスペクトル応答速度をテストするためのシステムを提供し、順に設置されるコリメート光源、分光素子、集束レンズ及び光点位置イメージング記録装置を備え、前記波長可変光学フィルタは前記コリメート光源と前記分光素子との間に設置され、テストにおいて一定の波長範囲内で連続的に同調するように構成され、前記分光素子は連続同調過程において波長可変光学フィルタを通過した異なる波長帯のビームを、対応する異なる波長帯の回折ビーム又は屈折ビームに形成することに用いられ、前記集束レンズは光点位置イメージング記録装置に入射しようとする前記回折ビーム又は屈折ビームを集束することに用いられ、前記光点位置イメージング記録装置は対応する異なる波長帯の前記回折ビーム又は屈折ビームがイメージングされる位置変化情報を記録することに用いられる。
【0005】
更に、前記コリメート光源は順に設置される発光源、スリット及びコリメートレンズを備える。
【0006】
更に、前記分光素子は回折型回折格子又は屈折型プリズムを用いる。
【0007】
更に、前記光点イメージング記録装置は高速度カメラ又はローリングシャッターカメラを用いる。
【0008】
波長可変光学フィルタのスペクトル応答速度をテストするための方法であって、上記システムを用い、
コリメート光源からの光を波長可変光学フィルタに照射させるステップS1と、
一定の波長範囲内で前記波長可変光学フィルタを連続的に同調するステップS2と、
前記連続同調過程における、前記イメージング記録装置における光点位置の移動距離を記録するステップS3と、
前記移動距離に必要な時間に基づいて前記波長可変光学フィルタの応答速度を取得するステップS4と、を含む。
【0009】
更に、前記光点イメージング記録装置が高速度カメラを備える場合、前記ステップS4は具体的に、光点位置Pに対応する光点位置画像を第Fフレーム、光点位置Pに対応する光点位置画像を第Fフレーム、波長λから波長λまでの応答時間をΔt=(F-F)/Mとして記録し、ここで、Mが光点位置イメージング記録装置のフレームレートであることを含む。
【0010】
更に、前記光点イメージング記録装置がローリングシャッターカメラを備える場合、前記ステップS4は具体的に、横座標が波長を示し縦座標が時間を示す座標系を作成し、画像アルゴリズムに基づいて光点位置P及びPの情報を座標系内に位置決めし、更に換算によって波長λから波長λまでの応答時間Δtを換算することを含む。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、主に、異なるスペクトルに分光素子を通過させて異なる回折角又は屈折角を有することにより、空間受信側で対応波長の光点位置分布を有し、スペクトル次元の変化情報を空間次元に変換し、スペクトル次元から空間次元までの変換により、波長可変光学フィルタの高速スペクトル出力が光点を高速で移動させ、カメラ側が光点の開始及び終了時の位置に必要な時間を記録することにより、波長可変光学フィルタの波長応答速度を取得する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図面を含んで実施例の更なる理解を提供し、図面は本明細書に取り込まれて本明細書の一部となる。図面は実施例を示し、且つ説明とともに本発明の原理を解釈することに用いられる。他の実施例及び実施例の多くの所期の利点は容易に理解され、その理由は以下の詳細な説明を援用することにより、それらがより良く理解されるためである。図面の素子は必ず比率に応じるものではない。同様の符号は対応の類似部材を指す。
図1】本発明の一実施例に係る光路の模式図である。
図2】本発明の1つの具体的な実施例に係る回折格子の構造模式図である。
図3】本発明の1つの具体的な実施例に係る回折格子による回折のシミュレーション構造の模式図である。
図4】本発明の1つの具体的な実施例に係る高速度カメラによるイメージングの模式図である。
図5】本発明の1つの具体的な実施例に係るローリングシャッターカメラによるイメージングの原理模式図である。
図6】本発明の1つの具体的な実施例に係るローリングシャッターカメラによるイメージングの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の詳細な説明において図面を参照し、該図面は詳細な説明の一部となり、本発明を実践できる説明的で具体的な実施例によって示す。これに対して、説明される図面の方向を参照して方向用語、例えば「頂」、「底」、「左」、「右」、「上」、「下」等を用いる。実施例の部材は若干の異なる方向に位置決めできるので、図示のために方向用語を用い、且つ方向用語は制限のためのものではない。本発明の範囲を逸脱せずに、他の実施例を利用したり、論理的変更を加えたりすることができることを理解すべきである。従って、以下の詳細な説明は制限的に使用されるべきではなく、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲により制限される。
【0014】
図1は本発明の一実施例に係る光路の模式図である。
【0015】
図1に示すように、波長可変光学フィルタのスペクトル応答速度をテストするためのシステムはコリメート光源、分光素子5、集束レンズ6及び光点位置イメージング記録装置7を備え、テスト対象の波長可変光学フィルタ4はコリメート光源と分光素子5との間に配置され、コリメート光源は波長可変光学フィルタ4を照射し、波長可変光学フィルタ4は一定の波長範囲内で連続的に同調し、波長可変光学フィルタ4から射出されたビームは分光素子5に入射し、対応波長帯の回折ビーム又は屈折ビームを生成し、その後、集束レンズ6を通過して光点の形状で光点位置イメージング記録装置7にイメージングされる。
【0016】
具体的な実施例では、光点位置イメージング記録装置7に記録された一定の波長変化範囲内の時間情報及び光点位置移動情報に基づいて、この時間情報及び光点移動位置情報に基づいて前記波長可変光学フィルタの応答速度を取得する。
【0017】
分光素子5の異なる波長の光は分光素子により異なる回折又は屈折角を有する原理に基づいて、波長可変光学フィルタ4は異なる波長の光を同調して異なる光点位置分布を形成し、波長可変光学フィルタの高速スペクトル出力も光点を高速で移動させ、光点位置イメージング記録装置7は光点の開始及び終了時の位置に必要な時間を記録し、それにより波長可変光学フィルタのスペクトル応答速度を取得する。
【0018】
具体的な実施例では、前記光点イメージング記録装置は高速度カメラ又はローリングシャッターカメラを用い、高速度カメラのフレームレートは1秒当たりに数千フレーム、数万フレーム乃至数十万フレームに達することができ、時間精度を大幅に向上させることができる。1080P 30フレームのローリングシャッターカメラは1行当たりの露光時間差が30usであり、時間精度を大幅に向上させることもできる。
【0019】
具体的な実施例では、コリメート光源は光源1、スリット2及びコリメートレンズ3を備え、光源1はスリット2及びコリメートレンズ3を通過した後に平行ビームを形成して波長可変光学フィルタ4を照射し、波長可変光学フィルタに入射した光源の強度及び光源の安定性を確保する。
【0020】
具体的な実施例では、分光素子5は回折型回折格子を用い、波長可変光学フィルタ4を通過した異なる波長帯のビームは回折型回折格子を通過して対応波長帯の回折ビームを生成し、更に集束レンズ6を通過して光点位置イメージング記録装置7に入り、光点位置イメージング記録装置7はビームを受信して光点でイメージングして、波長可変光学フィルタ4の異なる波長帯内での光点が移動する位置画像情報を記録する。
【0021】
分光素子5の選択はこれに限らず、分光素子5は分光作用を果たし、回折格子のような回折型光学素子、又はプリズムのような屈折型幾何光学素子であってもよい。回折格子は反射式又は透過式、通常の回折格子又はブレーズド回折格子であってもよく、具体的な必要に応じて選択してもよい。
【0022】
具体的な実施例では、図2に示すように、分光素子5は反射型ブレーズド回折格子を用いる。コリメート光源はブレーズド角で入射し、ブレーズド方向において集束レンズ6は異なる波長域の回折光線を光点位置イメージング記録装置7に集束する。該反射型ブレーズド回折格子のブレーズド角はθであり、回折格子常数はdであり、nは回折格子斜面法線方向であり、Nは回折格子面法線方向であり、φとφ′は回折格子面法線に対する入射角と反射角であり、iとi′は回折格子斜面法線に対する入射角と反射角であり、ブレーズド回折格子回折スリット分布強度Iは具体的に、
【数1】
であり、ここで、
【数2】
【数3】
【数4】
【数5】
である。回折格子パラメータの選択が固定され、波長λが異なり、回折格子回折スリット分布強度Iが異なる場合、異なる位置にイメージングされることが導出できる。
【0023】
図3には刻線数M=600、ブレーズド角θ=8.6°、回折格子常数d=10uのブレーズド回折格子の回折シミュレーション結果を示し、回折格子の分散性質によって、異なる波長λ及びλは画像検出器の異なる位置にイメージングされることがわかる。波長λ=400nm及びλ=900nmの回折シミュレーション結果によれば、回折格子パラメータの選択が固定され、波長λが異なり、回折格子回折スリット分布強度Iが異なる場合、異なる位置にイメージングされる。従って、波長可変光学フィルタ4は異なる波長の光を同調して異なる光点位置分布を形成し、波長可変光学フィルタの高速スペクトル出力も光点を高速で移動させ、光点位置イメージング記録装置7は光点の開始及び終了時の位置に必要な時間を記録し、それにより波長可変光学フィルタのスペクトル応答速度を取得する。
【0024】
上記装置を用いる、波長可変光学フィルタのスペクトル応答速度をテストするための方法は、
コリメート光源からの光を波長可変光学フィルタに照射させるステップS1と、
一定の波長範囲内で前記波長可変光学フィルタを連続的に同調するステップS2と、
前記連続同調過程における、前記イメージング記録装置における光点位置の移動距離を記録するステップS3と、
前記移動距離に必要な時間に基づいて前記波長可変光学フィルタの応答速度を取得するステップS4と、を含む。
【0025】
具体的な実施例では、S4では、光路における光点位置イメージング記録装置は高速度カメラを用いる場合、高速度カメラは波長可変光学フィルタの一定の波長範囲内での対応光点の移動距離を記録し、移動距離に対応する合計時間に基づいて波長可変光学フィルタの対応のスペクトル範囲内での応答速度を取得し、移動距離に対応する合計時間はカメラのsensor時間特性に基づいて計算できる。
【0026】
具体的な実施例では、図4に示すように、波長可変光学フィルタの起動時間tにおいて、高速度カメラは波長λに対応する光点位置Pを記録し始め、波長はλに移動し、対応する波長可変光学フィルタの停止時間tにおいて、高速度カメラは波長λに対応する光点位置Pを記録し、高速度カメラの画像を分析することにより、光点位置Pに対応する第Fフレーム及び光点位置Pに対応する第Fフレームを取得し、高速度カメラの速度はMフレーム/秒であり、波長可変光学フィルタの起動から停止まで、合計してF-Fフレーム撮影し、波長λから波長λまでの応答時間はΔt=(F-F)/Mである。高速度カメラのフレームレートは1秒当たりに数千フレーム、数万フレーム乃至数十万フレームに達することができ、時間精度を大幅に向上させることができる。
【0027】
具体的な実施例では、S4では、光路における光点位置イメージング記録装置はローリングシャッターカメラのCMOSセンサを用いる場合、各独立した行は前のフレームの読み取りを完了した後に次のフレームの露光を開始することができる。従って、フレームにおける各行は同じ時間量露光するが、異なる行は異なる時点で露光し始め、2フレームの繰り返し露光が許容される。図5に示すように、フレームMの第1行の露光開始時間と第2行の露光開始時間は異なり、この場合、異なる行は異なる露光サンプリング時点を有し、光点の移動により歪みが生じ、このような歪みに基づいて波長可変光学フィルタの応答時間を空間に変換して記録することができる。
【0028】
具体的な実施例では、波長可変光学フィルタの起動時間tにおいて、ローリングシャッターCMOSセンサは波長λに対応する光点位置Pを記録し始め、波長はλに移動し、対応の波長可変光学フィルタの停止時間tにおいて、ローリングシャッターCMOSセンサは波長λに対応する光点位置Pを記録し、図6に示すように、波長空間は図6における横座標で示され、サンプリング時間は図6における縦座標で示され、データに基づいて座標系において光点位置P及びPを位置決めすれば、換算によって波長λから波長λまでの応答時間Δtを換算することができる。
【0029】
具体的な実施例では、ローリングシャッターCMOSセンサの異なる駆動パラメータを変更することにより、測定時間範囲を調整することができる。ローリングシャッターCMOSセンサの画素はW*H、フレームレートはM、シングルフレームの使用時間は1/Mであると仮定すれば、1行当たりの露光時間差は1/(M*H)であり、例えば、1080P 30フレームのローリングシャッターCMOSセンサは1行当たりの露光時間差が1/30*1080=30usであり、時間精度を大幅に向上させることができる。
【0030】
本発明のシステム及び方法によれば、回折又は屈折光学素子を利用して波長可変光学フィルタの時間次元の光フィルタリング効果を空間次元に呈し、イメージングチップ又はセンサを利用して異なる波長域の空間位置を記録し、空間位置差に対応する時間差に基づいて、波長可変光学フィルタの一定の波長範囲内の応答速度を取得し、且つ、高速度カメラ又はローリングシャッターカメラを利用し、時間精度を大幅に向上させることもできる。
【0031】
無論、当業者は本発明の趣旨や範囲を逸脱せずに、本発明の実施例に対して種々の修正や変更を行うことができる。該方式に基づいて、これらの修正や変更は本発明の特許請求の範囲及びその等価範囲に属する場合、本発明は更にこれらの修正や変更を含むように意図される。用語「含む」は特許請求の範囲に列挙しない他の素子又はステップが存在することを排除しない。いくつかの措置が異なる従属請求項に記載されるという単純な事実はこれらの措置の組み合わせが利益を得るために使用できないことを表明しない。特許請求の範囲におけるいかなる符号は範囲を制限するものと見なされるべきではない。

図1
図2
図3
図4
図5
図6