(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-17
(45)【発行日】2023-03-28
(54)【発明の名称】情報処理装置、方法、プログラム、およびシステム
(51)【国際特許分類】
G06F 40/166 20200101AFI20230320BHJP
G06F 3/04842 20220101ALI20230320BHJP
【FI】
G06F40/166
G06F3/04842
(21)【出願番号】P 2022137009
(22)【出願日】2022-08-30
【審査請求日】2022-08-30
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522307513
【氏名又は名称】株式会社オレンジ
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】曽佐 顕
【審査官】成瀬 博之
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-091361(JP,A)
【文献】特開2012-003410(JP,A)
【文献】特開2007-058686(JP,A)
【文献】特開2003-308149(JP,A)
【文献】特開2016-100020(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 40/00-40/58
G06F 3/048-3/0489
G06T 11/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
画面を構成する第1領域に、第1コミック画像、または前記第1コミック画像から抽出された1以上の第1テキスト、のうち少なくとも一方を配置する手段、
前記画面を構成し、かつ前記第1領域とは異なる第2領域に、前記第1テキストの翻訳結果である1以上の第2テキストを配置する手段、
ユーザ指示に応じて、前記第1領域および前記第2領域の表示範囲を更新する手段、
前記ユーザ指示に応じて、前記第2テキストの1つである対象テキストを特定する手段、
前記対象テキストの特定後に、当該対象テキストを編集可能にする手段、
として機能させ、
前記対象テキストは、更新後の前記第2領域の表示範囲に含ま
れ、
前記第2領域は、複数枚の前記第1コミック画像に基づくベース画像に前記第2テキストが重ねられた複数枚の第2コミック画像を部分的かつ連続的に表示可能な第2コミック領域を含み、
前記第1領域および前記第2領域の表示範囲を更新する手段は、いずれかの第2のテキストを前記対象テキストとして選択するユーザ指示に応じて、前記第2コミック領域における当該対象テキストの表示位置が前記第2コミック領域における基準位置に近づくように前記第2コミック領域の表示範囲を更新する、
プログラム。
【請求項2】
コンピュータを、
画面を構成する第1領域に、第1コミック画像、または前記第1コミック画像から抽出された1以上の第1テキスト、のうち少なくとも一方を配置する手段、
前記画面を構成し、かつ前記第1領域とは異なる第2領域に、前記第1テキストの翻訳結果である1以上の第2テキストを配置する手段、
ユーザ指示に応じて、前記第1領域および前記第2領域の表示範囲を更新する手段、
前記ユーザ指示に応じて、前記第2テキストの1つである対象テキストを特定する手段、
前記対象テキストの特定後に、当該対象テキストを編集可能にする手段、
として機能させ、
前記対象テキストは、更新後の前記第2領域の表示範囲に含ま
れ、
前記第2領域は、複数枚の前記第1コミック画像に基づくベース画像に前記第2テキストが重ねられた複数枚の第2コミック画像を部分的かつ連続的に表示可能な第2コミック領域を含み、
前記第1領域および前記第2領域の表示範囲を更新する手段は、前記第2コミック領域の表示範囲をスクロールさせるユーザ指示に応じて、前記第2コミック領域の表示範囲を更新し、
前
記対象テキストを特定する手段は、前記第2コミック領域の更新後の表示範囲から前記対象テキストを特定する、
プログラム。
【請求項3】
前記第2領域は、前記第2テキストが列挙された第2テキスト表が配置される第2テキスト表領域をさらに含み、
前記第1領域および前記第2領域の表示範囲を更新する手段は、前記第2コミック領域の表示範囲を変更するユーザ指示に基づいて特定された前記対象テキストが含まれるように前記第2テキスト表領域の表示範囲を更新する、
請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記第2領域は、前記第2テキストが列挙された第2テキスト表が配置される第2テキスト表領域を含み、
前記第1領域および前記第2領域の表示範囲を更新する手段は、いずれかの第2のテキストを前記対象テキストとして選択するユーザ指示に応じて、前記第2テキスト表領域における当該対象テキストの表示位置が前記第2テキスト表領域における基準位置に近づくように前記第2テキスト表領域の表示範囲を更新する、
請求項1または請求項2に記載のプログラム。
【請求項5】
前記第2領域は、前記第2テキストが列挙された第2テキスト表が配置される第2テキスト表領域を含み、
前記第1領域および前記第2領域の表示範囲を更新する手段は、前記第2テキスト表領域の表示範囲を変更するユーザ指示に応じて、前記第2テキスト表領域の表示範囲を更新し、
前記対象テキストを特定する手段は、前記第2テキスト表領域の更新後の表示範囲から前記対象テキストを特定する、
請求項1または請求項2に記載のプログラム。
【請求項6】
前記コンピュータを、前記第2領域に表示される前記第2テキストの各々を第1態様に設定する手段、として機能させる、
請求項1または請求項2に記載のプログラム。
【請求項7】
前記コンピュータを、前記第2領域に表示される前記対象テキストを前記第1態様とは異なる第2態様に設定する手段、として機能させる、
請求項6に記載のプログラム。
【請求項8】
前記コンピュータを、前記対象テキストの編集中に、前記第2領域に表示される前記対象テキスト以外の第2テキストを前記第1態様とは異なる第3態様に設定する手段、として機能させる、
請求項6に記載のプログラム。
【請求項9】
前記コンピュータを、
ポインタの示す位置に配置されている第2テキストを前記第1態様とは異なる第4態様に設定する手段、
前記第4態様に設定されている第2テキストに対するユーザ指示に応じて、当該第2テキストの属性を変更する手段、
として機能させる、
請求項6に記載のプログラム。
【請求項10】
前記第2領域は
、前記第2テキストが列挙された第2テキスト表が配置される第2テキスト表領域を含み、
前記コンピュータを、前記第2テキスト表において前記対象テキストが編集されたことに応じて、前記第2コミック領域に表示される前記対象テキストを更新する手段、として機能させる、
請求項1または請求項2に記載のプログラム。
【請求項11】
前記第2領域
は、前記第2テキストが列挙された第2テキスト表が配置される第2テキスト表領域を含み、
前記コンピュータを、前記第2コミック領域において前記対象テキストが編集されたことに応じて、前記第2テキスト表領域に表示される前記対象テキストを更新する手段、として機能させる、
請求項1または請求項2に記載のプログラム。
【請求項12】
前記第1領域は、前記第1コミック画像が配置される第1コミック領域を含み
、
前記第1領域および前記第2領域の表示範囲を更新する手段は、前記第1コミック領域および前記第2コミック領域の表示範囲が重複または一致するように前記第1領域および前記第2領域の表示範囲を更新する、
請求項1または請求項2に記載のプログラム。
【請求項13】
前記第1領域は、前記第1コミック画像が配置される第1コミック領域と、前記第1テキストが列挙された第1テキスト表が配置される第1テキスト表領域とのうち少なくとも1つを含み、
前記第2領域は
、前記第2テキストが列挙された第2テキスト表が配置される第2テキスト表領
域を含み、
前記コンピュータを、前記第1コミック領域、前記第1テキスト表領域、前記第2コミック領域、または前記第2テキスト表領域の少なくとも1つのレイアウト、または表示もしくは非表示を、ユーザ指示に応じて制御する手段、として機能させる、
請求項1または請求項2に記載のプログラム。
【請求項14】
前記ユーザ指示は、ポインタによる前記第2テキストの選択とは異なるユーザ指示である、
請求項1または請求項2に記載のプログラム。
【請求項15】
前記ポインタによる前記第2テキストの選択とは異なるユーザ指示は、キー入力による前記第2テキストの選択である、
請求項14に記載のプログラム。
【請求項16】
前記コンピュータを、前記対象テキストに対する編集内容を日時に対応付けたログ情報を記録する手段、としてさらに機能させる、
請求項1または請求項2に記載のプログラム。
【請求項17】
前記第2領域は、前記第2テキストが列挙された第2テキスト表が配置される第2テキスト表領域を含み、
前記第2テキスト表領域の各項目には、当該項目に対応する第2テキストと、当該第2テキストに対して所定の操作を行うためのユーザ指示を受け付けるオブジェクトとが配置される、
請求項1または請求項2に記載のプログラム。
【請求項18】
画面を構成する第1領域に、第1コミック画像、または前記第1コミック画像から抽出された1以上の第1テキスト、のうち少なくとも一方を配置する手段と、
前記画面を構成し、かつ前記第1領域とは異なる第2領域に、前記第1テキストの翻訳結果である1以上の第2テキストを配置する手段と、
ユーザ指示に応じて、前記第1領域および前記第2領域の表示範囲を更新する手段と、
前記ユーザ指示に応じて、前記第2テキストの1つである対象テキストを特定する手段と、
前記対象テキストの特定後に、当該対象テキストを編集可能にする手段と
を具備し、
前記対象テキストは、更新後の前記第2領域の表示範囲に含ま
れ、
前記第2領域は、複数枚の前記第1コミック画像に基づくベース画像に前記第2テキストが重ねられた複数枚の第2コミック画像を部分的かつ連続的に表示可能な第2コミック領域を含み、
前記第1領域および前記第2領域の表示範囲を更新する手段は、いずれかの第2のテキストを前記対象テキストとして選択するユーザ指示に応じて、前記第2コミック領域における当該対象テキストの表示位置が前記第2コミック領域における基準位置に近づくように前記第2コミック領域の表示範囲を更新する、
情報処理装置。
【請求項19】
画面を構成する第1領域に、第1コミック画像、または前記第1コミック画像から抽出された1以上の第1テキスト、のうち少なくとも一方を配置する手段と、
前記画面を構成し、かつ前記第1領域とは異なる第2領域に、前記第1テキストの翻訳結果である1以上の第2テキストを配置する手段と、
ユーザ指示に応じて、前記第1領域および前記第2領域の表示範囲を更新する手段と、
前記ユーザ指示に応じて、前記第2テキストの1つである対象テキストを特定する手段と、
前記対象テキストの特定後に、当該対象テキストを編集可能にする手段と
を具備し、
前記対象テキストは、更新後の前記第2領域の表示範囲に含ま
れ、
前記第2領域は、複数枚の前記第1コミック画像に基づくベース画像に前記第2テキストが重ねられた複数枚の第2コミック画像を部分的かつ連続的に表示可能な第2コミック領域を含み、
前記第1領域および前記第2領域の表示範囲を更新する手段は、前記第2コミック領域の表示範囲をスクロールさせるユーザ指示に応じて、前記第2コミック領域の表示範囲を更新し、
前
記対象テキストを特定する手段は、前記第2コミック領域の更新後の表示範囲から前記対象テキストを特定する、
情報処理装置。
【請求項20】
コンピュータが、
画面を構成する第1領域に、第1コミック画像、または前記第1コミック画像から抽出された1以上の第1テキスト、のうち少なくとも一方を配置するステップと、
前記画面を構成し、かつ前記第1領域とは異なる第2領域に、前記第1テキストの翻訳結果である1以上の第2テキストを配置するステップと、
ユーザ指示に応じて、前記第1領域および前記第2領域の表示範囲を更新するステップと、
前記ユーザ指示に応じて、前記第2テキストの1つである対象テキストを特定するステップと、
前記対象テキストの特定後に、当該対象テキストを編集可能にするステップと
を実行し、
前記対象テキストは、更新後の前記第2領域の表示範囲に含ま
れ、
前記第2領域は、複数枚の前記第1コミック画像に基づくベース画像に前記第2テキストが重ねられた複数枚の第2コミック画像を部分的かつ連続的に表示可能な第2コミック領域を含み、
前記第1領域および前記第2領域の表示範囲を更新するステップでは、前記コンピュータは、いずれかの第2のテキストを前記対象テキストとして選択するユーザ指示に応じて、前記第2コミック領域における当該対象テキストの表示位置が前記第2コミック領域における基準位置に近づくように前記第2コミック領域の表示範囲を更新する、
方法。
【請求項21】
コンピュータが、
画面を構成する第1領域に、第1コミック画像、または前記第1コミック画像から抽出された1以上の第1テキスト、のうち少なくとも一方を配置するステップと、
前記画面を構成し、かつ前記第1領域とは異なる第2領域に、前記第1テキストの翻訳結果である1以上の第2テキストを配置するステップと、
ユーザ指示に応じて、前記第1領域および前記第2領域の表示範囲を更新するステップと、
前記ユーザ指示に応じて、前記第2テキストの1つである対象テキストを特定するステップと、
前記対象テキストの特定後に、当該対象テキストを編集可能にするステップと
を実行し、
前記対象テキストは、更新後の前記第2領域の表示範囲に含ま
れ、
前記第2領域は、複数枚の前記第1コミック画像に基づくベース画像に前記第2テキストが重ねられた複数枚の第2コミック画像を部分的かつ連続的に表示可能な第2コミック領域を含み、
前記第1領域および前記第2領域の表示範囲を更新する手段では、前記コンピュータは、前記第2コミック領域の表示範囲をスクロールさせるユーザ指示に応じて、前記第2コミック領域の表示範囲を更新し、
前
記対象テキストを特定する手段では、前記コンピュータは、前記第2コミック領域の更新後の表示範囲から前記対象テキストを特定する、
方法。
【請求項22】
第1コンピュータと第2コンピュータとを具備するシステムであって、
前記第1コンピュータは、
前記第2コンピュータを介して表示される画面を構成する第1領域に、第1コミック画像、または前記第1コミック画像から抽出された1以上の第1テキスト、のうち少なくとも一方を配置する手段と、
前記画面を構成し、かつ前記第1領域とは異なる第2領域に、前記第1テキストの翻訳結果である1以上の第2テキストを配置する手段と、
前記第2コンピュータからユーザ指示を取得する手段と、
前記ユーザ指示に応じて、前記第1領域および前記第2領域の表示範囲を更新する手段と、
前記ユーザ指示に応じて、前記第2テキストの1つである対象テキストを特定する手段と、
前記対象テキストの特定後に、当該対象テキストを編集可能にする手段と
を備え、
前記対象テキストは、更新後の前記第2領域の表示範囲に含ま
れ、
前記第2領域は、複数枚の前記第1コミック画像に基づくベース画像に前記第2テキストが重ねられた複数枚の第2コミック画像を部分的かつ連続的に表示可能な第2コミック領域を含み、
前記第1領域および前記第2領域の表示範囲を更新する手段は、いずれかの第2のテキストを前記対象テキストとして選択するユーザ指示に応じて、前記第2コミック領域における当該対象テキストの表示位置が前記第2コミック領域における基準位置に近づくように前記第2コミック領域の表示範囲を更新する、
システム。
【請求項23】
第1コンピュータと第2コンピュータとを具備するシステムであって、
前記第1コンピュータは、
前記第2コンピュータを介して表示される画面を構成する第1領域に、第1コミック画像、または前記第1コミック画像から抽出された1以上の第1テキスト、のうち少なくとも一方を配置する手段と、
前記画面を構成し、かつ前記第1領域とは異なる第2領域に、前記第1テキストの翻訳結果である1以上の第2テキストを配置する手段と、
前記第2コンピュータからユーザ指示を取得する手段と、
前記ユーザ指示に応じて、前記第1領域および前記第2領域の表示範囲を更新する手段と、
前記ユーザ指示に応じて、前記第2テキストの1つである対象テキストを特定する手段と、
前記対象テキストの特定後に、当該対象テキストを編集可能にする手段と
を備え、
前記対象テキストは、更新後の前記第2領域の表示範囲に含ま
れ、
前記第2領域は、複数枚の前記第1コミック画像に基づくベース画像に前記第2テキストが重ねられた複数枚の第2コミック画像を部分的かつ連続的に表示可能な第2コミック領域を含み、
前記第1領域および前記第2領域の表示範囲を更新する手段は、前記第2コミック領域の表示範囲をスクロールさせるユーザ指示に応じて、前記第2コミック領域の表示範囲を更新し、
前
記対象テキストを特定する手段は、前記第2コミック領域の更新後の表示範囲から前記対象テキストを特定する、
システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、方法、プログラム、およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ある言語で作成されたコミックを、他の言語使用者に提供するために、翻訳コミックを作成することがある。質の高い翻訳コミックを作成するにあたり、文章の翻訳に加え、写植作業のやり直しおよびそれに伴う背景の補完等を行う必要がある。コミックに含まれる文章は膨大であり、これらの作業を全て人力で行うことは非効率である。
【0003】
特許文献1には、原文を翻訳して翻訳文を生成し、検出された吹出部の範囲に基づいて、原文削除漫画の吹出部に当該翻訳文を挿入して翻訳漫画を生成する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
コミックは、絵と文字との高度な融合である。また、言語間で、文字の記載順序(縦書き、横書き)、および同等の情報量を表現するために必要な文字数、などが異なり得る。故に、コミックに含まれる文字列を単に翻訳して置き換えただけでは、制作者の意図した表現との乖離が生じ、翻訳コミックの品質が低下するおそれがある。
【0006】
特許文献1に記載の技術では吹出部に翻訳文を挿入している。しかしながら、コミックは吹き出しの外に配置される文字列を含む場合があり、かかる文字列に対して当該技術をそのまま適用することはできない。
【0007】
本開示の目的は、翻訳コミックの作成業務を効率化することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様のプログラムは、コンピュータを、画面を構成する第1領域に、第1コミック画像、または第1コミック画像から抽出された1以上の第1テキスト、のうち少なくとも一方を配置する手段、画面を構成し、かつ第1領域とは異なる第2領域に、第1テキストの翻訳結果である1以上の第2テキストを配置する手段、ユーザ指示に応じて、第1領域および第2領域の表示範囲を更新する手段、ユーザ指示に応じて、第2テキストの1つである対象テキストを特定する手段、対象テキストの特定後に、当該対象テキストを編集可能にする手段、として機能させ、対象テキストは、更新後の第2領域の表示範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態の情報処理システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】本実施形態のクライアント装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】本実施形態のサーバの構成を示すブロック図である。
【
図5】本実施形態のテキストデータベースのデータ構造を示す図である。
【
図6】本実施形態の情報処理のフローチャートである。
【
図7】本実施形態の情報処理において表示される画面の例を示す図である。
【
図8】本実施形態の情報処理において表示される画面の例を示す図である。
【
図9】変形例1における翻訳コミックの作成支援画面の一例を示す図である。
【
図10】変形例1における翻訳コミックの作成支援画面の別の例を示す図である。
【
図11】変形例2の辞書データベースのデータ構造を示す図である。
【
図12】変形例2における辞書情報の編集画面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0011】
(1)情報処理システムの構成
情報処理システムの構成について説明する。
図1は、本実施形態の情報処理システムの構成を示すブロック図である。
【0012】
図1に示すように、情報処理システム1は、クライアント装置10と、サーバ30とを備える。
クライアント装置10及びサーバ30は、ネットワーク(例えば、インターネット又はイントラネット)NWを介して接続される。
【0013】
クライアント装置10は、サーバ30にリクエストを送信する情報処理装置の一例である。クライアント装置10は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、又は、パーソナルコンピュータである。クライアント装置10は、例えば、以下のユーザによって使用され得る。
・コミックの出版者(出版会社の構成員を含む)
・コミックの翻訳者(翻訳会社の構成員を含む)
・コミックの制作者(制作会社の構成員を含む)
・コミックの取次者(出版取次会社または電子取次会社の構成員を含む)
【0014】
サーバ30は、クライアント装置10から送信されたリクエストに応じたレスポンスをクライアント装置10に提供する情報処理装置の一例である。サーバ30は、例えば、サーバコンピュータである。
【0015】
(1-1)クライアント装置の構成
クライアント装置の構成について説明する。
図2は、本実施形態のクライアント装置の構成を示すブロック図である。
【0016】
図2に示すように、クライアント装置10は、記憶装置11と、プロセッサ12と、入出力インタフェース13と、通信インタフェース14とを備える。クライアント装置10は、ディスプレイ21に接続される。
【0017】
記憶装置11は、プログラム及びデータを記憶するように構成される。記憶装置11は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及び、ストレージ(例えば、フラッシュメモリ又はハードディスク)の組合せである。
【0018】
プログラムは、例えば、以下のプログラムを含む。
・OS(Operating System)のプログラム
・情報処理を実行するアプリケーション(例えば、ウェブブラウザ、翻訳コミック作成支援用のアプリケーション)のプログラム
【0019】
データは、例えば、以下のデータを含む。
・情報処理において参照されるデータベース
・情報処理を実行することによって得られるデータ(つまり、情報処理の実行結果)
【0020】
プロセッサ12は、記憶装置11に記憶されたプログラムを起動することによって、クライアント装置10の機能を実現するコンピュータである。プロセッサ12は、例えば、以下の少なくとも1つである。
・CPU(Central Processing Unit)
・GPU(Graphic Processing Unit)
・ASIC(Application Specific Integrated Circuit)
・FPGA(Field Programmable Array)
【0021】
入出力インタフェース13は、クライアント装置10に接続される入力デバイスから情報(例えばユーザの指示)を取得し、かつ、クライアント装置10に接続される出力デバイスに情報(例えば画像信号)を出力するように構成される。
【0022】
入力デバイスは、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、又は、それらの組合せである。
出力デバイスは、例えば、ディスプレイ21、スピーカ、又は、それらの組合せである。
【0023】
通信インタフェース14は、クライアント装置10と外部装置(例えばサーバ30)との間の通信を制御するように構成される。
【0024】
ディスプレイ21は、画像(静止画、または動画)を表示するように構成される。ディスプレイ21は、例えば、液晶ディスプレイ、または有機ELディスプレイである。
【0025】
(1-2)サーバの構成
サーバの構成について説明する。
図3は、本実施形態のサーバの構成を示すブロック図である。
【0026】
図3に示すように、サーバ30は、記憶装置31と、プロセッサ32と、入出力インタフェース33と、通信インタフェース34とを備える。
【0027】
記憶装置31は、プログラム及びデータを記憶するように構成される。記憶装置31は、例えば、ROM、RAM、及び、ストレージ(例えば、フラッシュメモリ又はハードディスク)の組合せである。
【0028】
プログラムは、例えば、以下のプログラムを含む。
・OSのプログラム
・情報処理を実行するアプリケーションのプログラム
【0029】
データは、例えば、以下のデータを含む。
・情報処理において参照されるデータベース
・情報処理の実行結果
【0030】
プロセッサ32は、記憶装置31に記憶されたプログラムを起動することによって、サーバ30の機能を実現するコンピュータである。プロセッサ32は、例えば、以下の少なくとも1つである。
・CPU
・GPU
・ASIC
・FPGA
【0031】
入出力インタフェース33は、サーバ30に接続される入力デバイスから情報(例えばユーザの指示)を取得し、かつ、サーバ30に接続される出力デバイスに情報(例えば画像信号)を出力するように構成される。
入力デバイスは、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、又は、それらの組合せである。
出力デバイスは、例えば、ディスプレイである。
【0032】
通信インタフェース34は、サーバ30と外部装置(例えばクライアント装置10)との間の通信を制御するように構成される。
【0033】
(2)実施形態の一態様
本実施形態の一態様について説明する。
図4は、本実施形態の一態様の説明図である。
【0034】
図4に示すように、サーバ30は、第1コミック領域C1と、第2コミック領域C2と、第1テキスト表領域L1と、第2テキスト表領域L2とを含む画面(翻訳コミックの作成支援画面)を、クライアント装置10のディスプレイ21に表示させる。各領域は、「ペイン」と呼ぶこともできる。
【0035】
サーバ30は、第1コミック領域C1には、翻訳前の言語(以下、「原言語」という)のテキスト(以下、「第1テキスト」という)T10a~T13aを含むコミック画像(以下、「第1コミック画像」という)を配置し、第1テキスト表領域L1には、第1コミック画像から抽出された第1テキストT10b~T13bが列挙されたテキスト表(以下、「第1テキスト表」という)を配置する。第1コミック領域C1には、コミック作品の特定のまとまり(1話、または複数話)を構成する複数枚の第1コミック画像のうち表示範囲に含まれる内容が表示される。複数枚の第1コミック画像は、互いに順序付けられている。第1コミック領域C1において、複数枚の第1コミック画像は連続的に表示可能である。例えば連続する2ページのうち先行ページの下部分の画像と後続ページの上部分の画像とが同時に第1コミック領域C1に表示されることもある。複数の第1テキストは、例えば第1コミック画像における出現順に従って互いに順序付けられている。第1テキスト表の最上行には先頭の第1テキストが配置され、第1テキスト表において下方向の行ほど順序が後の第1テキストが配置される。
【0036】
サーバ30は、第2コミック領域C2には、第1コミック画像に基づくベース画像(例えば、第1コミック画像、または第1コミック画像を加工した画像)に、第1テキストの翻訳結果(機械翻訳または人による翻訳結果であり、以下、「第2テキスト」という)T20a~T23aが重ねられたコミック画像(以下、「第2コミック画像」という)を配置し、第2テキスト表領域L2には、第2テキストT20b~T23bが列挙されたテキスト表(以下、「第2テキスト表」という)を配置する。第2コミック領域C2には、コミック作品の特定のまとまり(1話、または複数話)を構成する複数枚の第2コミック画像のうち表示範囲に含まれる内容が表示される。複数枚の第2コミック画像は、互いに順序付けられている。第2コミック領域C2において、複数枚の第2コミック画像は連続的に表示可能である。複数の第2テキストは、対応する第1テキストの順序に応じて互いに順序付けられている。第2テキスト表の最上行には先頭の第2テキストが配置され、第2テキスト表において下方向の行ほど順序が後の第2テキストが配置される。ここで、第2コミック画像において、第1コミック画像に含まれていた第1テキストは個別にまたは一括で、維持されていてもよいし、削除されていてもよい。
【0037】
サーバ30は、第1コミック領域C1、第2コミック領域C2、第1テキスト表領域L1、および第2テキスト表領域L2の表示範囲を連動して制御する。に表示されるテキストが連動(同期)するように、これらの領域の表示内容を制御する。
第1例として、クライアント装置10のユーザが、いずれかの第2テキストを選択すると、サーバ30は当該第2テキストの第2コミック領域C2における表示位置が第2コミック領域C2の中央付近(「第2コミック領域C2における基準位置」の一例)に近づくように第2コミック領域C2の表示範囲を更新する。同様に、サーバ30は、選択された第2テキストの第2テキスト表領域L2における表示位置が第2テキスト表領域L2の中央付近(「第2テキスト表領域L2における基準位置」の一例)に近づくように第2テキスト表領域L2の表示範囲を更新する。
【0038】
第2例として、クライアント装置10のユーザが、第2コミック領域C2の表示範囲を変更(例えばスクロール)すると、サーバ30は更新後の表示範囲において中央付近に位置する第2テキストを選択する。さらに、サーバ30は、選択された第2テキストの第2テキスト表領域L2における表示位置が第2テキスト表領域L2の中央付近に近づくように第2テキスト表領域L2の表示範囲を更新する。
【0039】
第3例として、クライアント装置10のユーザが、第2テキスト表領域L2の表示範囲を変更(例えばスクロール)すると、サーバ30は更新後の表示範囲において中央付近に位置する第2テキストを選択する。さらに、サーバ30は、選択された第2テキストの第2コミック領域C2における表示位置が第2コミック領域C2の中央付近に近づくように第2コミック領域C2の表示範囲を更新する。
【0040】
なお、上記例のいずれについても、サーバ30は、第1コミック領域C1の表示範囲を第2コミック領域C2の表示範囲と重複(例えば一致)するよう更新し、第1テキスト表領域L1の表示範囲を第2テキスト表領域L2の表示範囲と重複(例えば一致)するよう更新する。或いは、サーバ30は、第1コミック領域C1の表示範囲が変更された場合には、第2コミック領域C2の表示範囲を第1コミック領域C1の更新後の表示範囲と重複(例えば一致)するように更新し、かつ第2コミック領域C2の表示範囲の変更が指示されたものとして、上記第2例の制御を行ってよい。同様に、サーバ30は、第1テキスト表領域L1の表示範囲が変更された場合には、第2テキスト表領域L2の表示範囲を第1テキスト表領域L1の更新後の表示範囲と重複(例えば一致)するように更新し、かつ第2テキスト表領域L2の表示範囲の変更が指示されたものとして、上記第3例の制御を行ってよい。
【0041】
サーバ30は、第2コミック領域C2および第2テキスト表領域L2に表示される第2テキスト(例えばテキストボックスなどのテキストオブジェクト)の各々を、当該第2テキストが選択可能であることを示す破線の枠が付された状態(「第1態様」の一例)に設定する。これにより、クライアント装置10のユーザは、第2テキストを容易に認識することができる。また、複数の第2テキストも、それぞれ互いに順序付けられている。クライアント装置10のユーザは、例えばクリック操作、タップ操作、または上下もしくは左右のキー入力により、第2テキストのいずれか1つを選択することができ、サーバ30は第2テキストを選択するユーザ指示に応じて各領域の表示範囲を更新する。また、前述のように、ユーザがいずれかの領域の表示範囲を変更する操作(例えばスクロール操作)を行うと、サーバ30は更新後の第2コミック領域C2または第2テキスト表領域L2の表示範囲からいずれかの第2テキストを選択する。サーバ30は、クライアント装置10から受信したユーザ指示に応じて、選択された第2テキスト(以下、「対象テキスト」という)を特定する。
【0042】
サーバ30は、第2コミック領域C2および第2テキスト表領域L2に表示される対象テキスト(
図4の例ではテキストT21aおよびテキストT21b)を、前述の破線の枠の代わりに例えば実線の枠が付された状態(「第2態様」の一例)に設定する。これにより、クライアント装置10のユーザは、現在の対象テキストと他の第2テキストとを容易に区別することができる。
【0043】
サーバ30は、対象テキストの特定後に、当該対象テキストを編集可能にする。クライアント装置10のユーザは、例えばキーボードを操作することで、対象テキストに対する変更、追加、または削除を行うことができる。
【0044】
このように、本実施形態の情報処理システム1では、サーバ30は、クライアント装置10のユーザからの指示に応じて、画面を構成する各領域の表示範囲を更新するとともに、対象テキストを特定する。対象テキストは、第2コミック領域C2および第2テキスト表領域L2の更新後の表示範囲に含まれる。これにより、1つのユーザ指示によって対象テキストの変更と各領域の表示範囲の更新とが行われるので、テキストの翻訳、または翻訳校正の作業においてユーザに課される入力操作の負担を軽減することができる。つまり、本実施形態の情報処理システム1は、翻訳コミックの作成業務を効率化できる。
【0045】
(3)データベース
本実施形態のデータベースについて説明する。以下のデータベースは、記憶装置31に記憶される。
【0046】
(3-1)テキストデータベース
本実施形態のテキストデータベースについて説明する。
図5は、本実施形態のテキストデータベースのデータ構造を示す図である。
【0047】
テキストデータベースには、テキスト情報を表すレコードが登録される。テキスト情報は、翻訳前のコミック作品に登場するテキスト(以下、「原テキスト」という)に関する情報である。
テキストデータベースは、コミック作品毎に構築されてもよいし、複数のコミック作品に亘って構築されてもよい。
【0048】
図5に示すように、テキストデータベースは、「テキストID」フィールドと、「登場ページ」フィールドと、「原テキスト」フィールドと、「翻訳テキスト」フィールドと、「書式」フィールドと、「配置態様」フィールドと、「置換対象」フィールドと、を含む。各フィールドは、互いに関連付けられている。
【0049】
「テキストID」フィールドには、テキストIDが格納される。テキストIDは、レコードに対応する原テキストを識別する情報である。
【0050】
「登場ページ」フィールドには、登場ページ情報が格納される。登場ページ情報は、レコードに対応する原テキストが記載されているページに関する情報である。
【0051】
「原テキスト」フィールドには、原テキスト情報が格納される。原テキスト情報は、レコードに対応する原テキストの内容を示す。
【0052】
「翻訳テキスト」フィールドには、翻訳テキスト情報が格納される。翻訳テキスト情報は、レコードに対応する原テキストの翻訳結果の内容を示す。
【0053】
「書式」フィールドには、書式情報が格納される。書式情報は、レコードに対応する原テキストの書式に関する情報である。テキストの書式については後述する。なお、各レコードには、レコードに対応する原テキストの翻訳テキストの書式に関する情報も格納されてよい。
【0054】
「配置態様」フィールドには、配置態様情報が格納される。配置態様情報は、レコードに対応する原テキストの配置態様に関する情報である。テキストの配置態様については後述する。なお、各レコードには、レコードに対応する原テキストの翻訳テキストの配置態様に関する情報も格納されてよい。
【0055】
「置換対象」フィールドには、置換対象フラグが格納される。置換対象フラグは、レコードに対応する原テキストが、対応する翻訳テキストによって置換される(つまり、第2コミック画像を作成する過程で削除される)対象となるテキストであるか否かを示す。
【0056】
(4)情報処理
本実施形態の情報処理について説明する。
図6は、本実施形態の情報処理のフローチャートである。
図7は、本実施形態の情報処理において表示される画面の例を示す図である。
図8は、本実施形態の情報処理において表示される画面の例を示す図である。
【0057】
本実施形態の情報処理は、例えばクライアント装置10がユーザ(一例としてコミックの翻訳者)からの指示に基づいてサーバ30に翻訳コミックの作成支援を要求することで、開始し得る。
【0058】
図6に示すように、サーバ30は、情報の表示(S130)を実行する。
具体的には、サーバ30は、クライアント装置10のディスプレイ21に翻訳コミックの作成支援画面を表示するために必要な情報を生成し、クライアント装置10へ送信する。一例として、サーバ30は、
図4に示した第1コミック領域C1、第2コミック領域C2、第1テキスト表領域L1、および第2テキスト表領域L2のそれぞれにおける表示内容を特定可能な情報をクライアント装置10へ送信する。クライアント装置10は、サーバ30から受信した情報に基づいて、ディスプレイ21に翻訳コミックの作成支援画面を表示する。
【0059】
サーバ30は、第1コミック領域C1に表示される第1コミック画像を、例えば外部装置(クライアント装置10を含み得る)から取得してもよいし、記憶装置31から読み出してもよい。サーバ30は、第1テキスト表領域L1に表示される第1テキスト表を、例えば第1コミック画像から第1テキストをOCR(Optical Character Recognition)(AI OCRを含み得る)処理により抽出し、抽出結果を整列することで作成してもよい。或いは、サーバ30は、第1コミック画像に基づく入力データに学習済みモデルを適用することで、テキストを抽出してもよい。つまり、例えば、コミック画像に基づく学習用の入力データと、当該コミック画像に含まれるテキストに基づく教師データとを含む学習データセットを用いた教師あり学習により構築され得る。かかる学習済みモデルによれば、例えばOCR処理では抽出が困難な、特殊なフォントで記載されたテキスト、描き文字に相当するテキスト、などが抽出可能となる。
【0060】
サーバ30は、第2コミック領域C2に表示される第2コミック画像を、第1コミック画像に、当該第1コミック画像から抽出した第1テキストに対応する第2テキストを重ねることで作成してもよい。サーバ30は、第2テキスト表領域T2に表示される第2テキスト表を、第1コミック画像から抽出した第1テキストに対応する第2テキストを整列することで作成してもよい。
【0061】
なお、第2コミック画像は、画像(以下、「中間画像」という)と、当該中間画像上に配置されたテキストオブジェクト(つまり、第2テキスト)との組み合わせであってもよい。つまり、第2コミック画像は、第2テキストの内容、書式、配置態様等を編集可能な状態で生成されてもよい。この場合に、サーバ30は、クライアント装置10のユーザからの指示(例えば作業完了指示)に応じて、中間画像およびテキストオブジェクトを1つの画像ファイルとして統合してもよい。また、中間画像は、第1コミック画像のうち第1テキストが記載されたテキスト領域の少なくとも一部に当該テキスト領域を補完するための画素群が重ねて配置された画像(つまり、レイヤー化された複数の画像)であってもよいし、これらを統合して生成された1つの画像(ファイル)であってもよい。
【0062】
また、サーバ30は、ステップS130において、複数の第2テキストのいずれかを対象テキストとして特定してもよい。第1例として、サーバ30は、順序付けられた複数の第2テキストのうち当該順序が先頭である第2テキストを対象テキストとして特定する。第2例として、サーバ30は、複数の第2テキストのうち後述するログ情報によって特定される編集日時が最も新しい第2テキストを対象テキストとして特定する。第3例として、サーバ30は、複数の第2テキストのうちユーザによって指定された第2テキストを対象テキストとして特定する。或いは、ステップS130では、サーバ30は、対象テキストを特定せずともよい。
【0063】
サーバ30は、第1テキストに対して自ら機械翻訳処理を行うことで第2テキストを生成してもよいし、外部装置(クライアント装置10を含み得る)から第2テキストを取得してもよい。外部装置は、サーバ30から第1テキストを取得し、当該第1テキストに対して機械翻訳処理を行ってもよいし、当該第1テキストを翻訳者に対して提示し当該翻訳者から第2テキストの入力を受け付けてもよい。さらに、クライアント装置10のユーザ(例えば翻訳者)は、第2コミック画像または第2テキスト表中に配置された第2テキストを必要に応じて編集することができる。サーバ30は、第2テキストの生成または編集に応じて、テキストデータベース(
図5)における対応するレコードに含まれる翻訳テキスト情報を更新する。
【0064】
また、サーバ30は、第2テキストに対応する第1テキストの属性を推定し、推定結果に基づいて第2テキストの書式または配置態様を制御してもよい。テキストの属性は、例えば、テキストの書式、配置態様、ソース、またはそれらの組み合わせを含むことができる。
【0065】
テキストの書式は、例えば以下の少なくとも1つを含むことができる。
・フォントサイズ
・フォントの種類
・フォントカラー
・行間
・文字間
・横書き/縦書き設定
・装飾(例えば、縁取、塗りつぶし、など)の有無
【0066】
テキストの配置態様は、例えば以下の少なくとも1つを含むことができる。
・テキストの位置(一例として、テキスト、または当該テキストを構成する文字列もしくは文字の代表点(例えば中心点)の位置)
・テキストの傾き(一例として、テキストを構成する文字の記載方向がコミック画像の上下方向または左右方向に対してどれだけ傾いているか)
・テキストオブジェクトのサイズ
・テキストオブジェクトの形状
【0067】
テキストのソースは、例えば、抽出したテキストがキャラクタに由来する(例えば、キャラクタの台詞、または思考に相当する)か、または効果音もしくはオノマトペに由来する(つまり、非言語の音、または動きの言語的表現に相当するか)、を表す。このほか、テキストのソースとして、動物の鳴き声に由来するテキスト、説明用のテキスト、等がさらに判別されてよい。
【0068】
第1例として、サーバ30は、第2テキストの書式を、当該第2テキストに対応する第1テキストの書式と一致させる。また、サーバ30は、第2テキスト(オブジェクト)の位置(画像内の座標)、傾き、またはサイズを、当該第2テキストに対応する第1テキスト(オブジェクト)の位置、傾き、またはサイズに基づいて決定する(例えば一致させる)。
【0069】
第2例として、サーバ30は、第1テキストが縦書きの言語(例えば日本語)であって、横書きの言語(例えば英語)のテキストへ翻訳される場合に、第2テキストを1文字ずつ、または1単語ずつ縦方向に配置してもよい。これにより、第2テキストに対応する第1テキストのレイアウトを大きく崩すことなく、第2テキストを読みやすい態様で配置することができる。なお、第2テキストを1単語ずつ縦方向に配置する例において、サーバ30は、単語を構成する文字数が閾値を超える場合には、ハイフネーションにより単語を分割することで一行を構成する文字数が過度に多くならないようにしてもよい。
【0070】
第3例として、サーバ30は、第1テキストが記載されたテキスト領域が吹き出し領域に配置されている場合に、当該第1テキストに対応する第2テキストが当該吹き出し領域をはみ出さない範囲で当該第2テキストの書式および配置態様を制御する。例えば、サーバ30は、第2テキスト(オブジェクト)が吹き出し領域に収まるように位置およびサイズを設定し、設定されたオブジェクトに第2テキストが収まる範囲でフォントサイズを最大化する。ただし、一部の第2テキストのフォントサイズが他の第2テキストに比べて極端に大きくならないよう、フォントサイズに上限が設けられてよい。
【0071】
第4例として、上記第3例とは逆に、サーバ30は、第1テキストが記載されたテキスト領域が吹き出し領域に配置されている場合に、当該第1テキストに対応する第2テキストが当該吹き出し領域をはみ出すことを許容したうえで当該第2テキストの書式および配置態様を制御する。例えば、サーバ30は、第2テキスト(オブジェクト)のサイズが吹き出し領域よりも大きくなるように(例えば、第2テキストを記載するテキストボックスが吹き出し領域をはみ出すように)位置およびサイズを設定し、設定されたオブジェクトに第2テキストが収まる範囲でフォントサイズを最大化する。これにより、例えばスマートフォンなどの小画面のデバイスでコミックを閲覧する場合にも、第2テキストの判読性を確保することができる。
【0072】
第5例として、サーバ30は、学習済みモデルを用いて第2テキストの書式および配置態様を決定する。この学習済みモデルは、例えば、以下の情報のうち少なくとも1つに基づく入力データに適用され、第2テキストの最適な書式または配置態様を推論する。
・第1コミック画像
・翻訳前のテキストが記載されたテキスト領域が配置されている吹き出し領域の特定結果
・翻訳前のテキストの属性の推定結果
・翻訳前のテキストの種別の判定結果
・第2テキスト
このような学習済みモデルは、例えば、学習用のコミック画像に基づいて生成した学習用の入力データと、当該学習用のコミック画像に含まれる第1テキストに対応する第2テキストの書式または配置態様を人間が最適化した結果を示す教師データとを含む学習データセットを用いた教師あり学習を行うことで構築することができる。
【0073】
ステップS130の後に、サーバ30は、ユーザ指示の取得(S131)を実行する。
具体的には、クライアント装置10のユーザが、ステップS130においてディスプレイ21に表示された翻訳コミックの作成支援画面に対して操作を行うと、クライアント装置10は当該操作に応じたユーザ指示をサーバ30へ送信する。サーバ30は、クライアント装置10から送信されたユーザ指示を取得する。
【0074】
ここで、ユーザ指示は、例えば第1種別の指示、第2種別の指示、第3種別の指示、またはその他の指示に分類される。
【0075】
第1種別のユーザ指示は、ディスプレイ21に表示されている画面を構成する領域(第1コミック領域C1、第2コミック領域C2、第1テキスト表領域L1、および第2テキスト表領域L2)のいずれかの表示範囲(つまり、表示されるコミック画像またはテキスト表の範囲)を変更する指示である。一例として、第1種別のユーザ指示は、例えば、第1コミック領域C1、第2コミック領域C2、第1テキスト表領域L1、または第2テキスト表領域L2に対するスクロール操作(例えば、ページダウンキー、もしくはページアップキーの押下)である。
【0076】
第2種別のユーザ指示は、いずれかの第2テキストの選択指示である。第1例として、第2種別のユーザ指示は、第2コミック領域C2、または第2テキスト表領域L2のいずれかの表示範囲内の第2テキストを選択する操作(例えば、ポインタによる第2テキストの選択)であってよい。第2例として、第2種別のユーザ指示は、対象テキストが特定されている状態で、その直前または直後の第2テキストを選択する操作(例えば、上下左右キーの押下)であってもよい。第3例として、例えばID(番号またはリンク)指定、またはキーワード検索を用いて、いずれかの第2テキストが選択されてもよい。
【0077】
第3種別のユーザ指示は、選択中のテキスト(対象テキスト)に対する編集の開始指示である。一例として、第3種別のユーザ指示は予め定められたキーの押下(例えば、Enterキー、またはいずれかの文字キーの押下)であってよい。
【0078】
ステップS131において取得したユーザ指示が第1種別の指示に相当する場合に、サーバ30は、表示範囲の更新(S132)を実行する。
具体的には、サーバ30は、ステップS131において取得したユーザ指示に従って、ディスプレイ21に表示されている画面を構成する一部の領域について、表示範囲を更新する。
一例として、サーバ30は、表示範囲の変更が指示された領域(以下、「対象領域」という)をユーザ指示の内容(例えば操作種別、または操作されたオブジェクト、またはそれらの組み合わせ)に基づいて特定する。サーバ30は、対象領域の変更後の表示範囲を特定可能な情報(例えば、ページ番号、コマ番号、ページ内の高さ、テキストの番号、またはそれらの組み合わせ)を、現在の表示範囲とユーザ指示の内容(例えば操作の種別、方向、量、またはそれらの組み合わせ)に基づいて算出する。そして、サーバ30は、対象領域の表示範囲を変更する。また、サーバ30は他の領域の表示範囲も必要に応じて変更する。例えば、対象領域が第2コミック領域C2である場合に、サーバ30は第1コミック領域C1の表示範囲も連動して制御する。逆も同様である。また、対象領域が第2テキスト表領域L2である場合に、サーバ30は第1テキスト表領域L1の表示範囲も連動して制御する。逆も同様である。
【0079】
ステップS132の後に、サーバ30は、対象テキストの特定(S133)を実行する。
具体的には、サーバ30は、ステップS132において更新された表示範囲に含まれる第2テキストのいずれかを対象テキストとして特定する。第1例として、ステップS132において第2コミック領域C2の表示範囲が変更された場合に、サーバ30は、更新後の第2コミック領域C2の基準位置(例えば中央)付近に位置する第2テキストを、対象テキストとして特定する。第2例として、ステップS132において第2テキスト表領域L2の表示範囲が変更された場合に、サーバ30は、更新後の第2テキスト表領域L2の基準位置(例えば中央)付近に位置する第2テキストを、対象テキストとして特定する。
【0080】
ステップS133の後に、サーバ30は、表示範囲の更新(S134)を実行する。
具体的には、サーバ30は、ステップS132において表示範囲を更新していない領域の表示範囲を、ステップS133における対象テキストの特定結果に基づいて更新する。第1例として、ステップS132において第2コミック領域C2の表示範囲が更新された場合に、サーバ30は、第2テキスト表領域L2の基準位置(例えば中央)付近に対象テキストが位置するように第2テキスト表領域L2の表示範囲を更新する。さらに、サーバ30は、第1テキスト表領域L1の表示範囲も連動して制御する。第2例として、ステップS132において第2テキスト表領域L2の表示範囲が更新された場合に、サーバ30は、第2コミック領域C2の基準位置(例えば中央)付近に対象テキストが位置するように第2コミック領域C2の表示範囲を更新する。さらに、サーバ30は、第1コミック領域C1の表示範囲も連動して制御する。
【0081】
さらに、サーバ30は、第2コミック領域C2および第2テキスト表領域L2において、ステップS133において特定された対象テキストに実線の枠を設定し、対象テキスト以外の第2テキストに破線の枠を設定する。
ステップS134の後、サーバ30は、次のユーザ指示を待ち受ける。
【0082】
例えば
図4に示した画面の第1コミック領域C1または第2コミック領域C2に対して、クライアント装置10のユーザが、下方向のスクロール操作(「第1種別のユーザ指示」の一例)を行ったとする。この場合に、サーバ30は、
図7に示すように、第1コミック領域C1、第2コミック領域C2、第1テキスト表領域L1、および第2テキスト表領域L2の表示内容を更新する。
【0083】
サーバ30は、第1コミック領域C1には、T12a~T14aを含む第1コミック画像を配置し、第1テキスト表領域L1には、第1コミック画像から抽出された第1テキストT12b~T14bが列挙された第1テキスト表を配置する。
【0084】
サーバ30は、第2コミック領域C2には、第1コミック画像に基づくベース画像に、第2テキストT22a~T24aが重ねられた第2コミック画像を配置し、第2テキスト表領域L2には、第2テキストT22b~T24bが列挙された第2テキスト表を配置する。
【0085】
サーバ30は、特定された対象テキスト(
図7の例では第2テキストT22a)に対して、前述の破線の枠の代わりに例えば実線の枠を付す。これにより、クライアント装置10のユーザは、現在の対象テキストと他の第2テキストとを容易に区別することができる。
【0086】
ステップS131において取得したユーザ指示が第2種別のユーザ指示に相当する場合に、サーバ30は、対象テキストの特定(S135)を実行する。
具体的には、サーバ30は、ステップS131において取得したユーザ指示によって選択された第2テキストを対象テキストとして特定する。
【0087】
ステップS135の後に、サーバ30は、表示範囲の更新(S136)を実行する。
具体的には、サーバ30は、各領域の表示範囲を、ステップS135における対象テキストの特定結果に基づいて更新する。サーバ30は、第2コミック領域C2の基準位置(例えば中央)付近に対象テキストが位置するように第2コミック領域C2の表示範囲を更新する。さらに、サーバ30は、第1コミック領域C1の表示範囲も連動して制御する。サーバ30は、第2テキスト表領域L2の基準位置(例えば中央)付近に対象テキストが位置するように第2テキスト表領域L2の表示範囲を更新する。さらに、サーバ30は、第1テキスト表領域L1の表示範囲も連動して制御する。
【0088】
さらに、サーバ30は、第2コミック領域C2および第2テキスト表領域L2において、ステップS135において特定された対象テキストに実線の枠を設定し、対象テキスト以外の第2テキストに破線の枠を設定する。
ステップS136の後、サーバ30は、次のユーザ指示を待ち受ける。
【0089】
ステップS131において取得したユーザ指示が第3種別の指示に相当する場合に、サーバ30は、テキストの編集(S137)を実行する。
具体的には、クライアント装置10は、ユーザから現在の対象テキストに対する編集内容を受け付ける。クライアント装置10は、編集内容を特定可能な情報をサーバ30へ送信する。サーバ30は、取得した情報に基づいて、編集内容を特定する。
【0090】
ここで、対象テキストに対する編集は、以下の少なくとも1つを含むことができる。
・対象テキストに対する文字の削除、変更、または追加
・対象テキストの属性の変更
・対象テキスト(オブジェクト)の削除
・第2コミック画像のうち対象テキスト(オブジェクト)を第1コミック画像の対応する部分の画像に戻す
【0091】
ここで、サーバ30は、ステップS137の実行中(つまり、対象テキストの編集中)に、第2コミック領域C2および第2テキスト表領域L2に表示される対象テキスト以外の第2テキストを半透明状態(「第3態様」の一例)に設定してもよい。これにより、クライアント装置10のユーザは、現在の対象テキストと他の第2テキストとを容易に区別できるとともに、現在の対象テキストが編集中であることを容易に認識できる。同様に、サーバ30は、ステップS137の実行中に、第2コミック領域C2において対象テキストを含まないコミック画像(例えば、対象テキストが出現するコマとは異なるコマ、または対象テキストが出現するページとは異なるページ)を半透明状態に設定してもよい。
【0092】
ステップS137の後に、サーバ30は、テキストの更新(S138)を実行する。
具体的には、サーバ30は、ステップS137において特定した編集内容に応じて、対象テキストを編集し、編集結果を第2コミック領域C2および第2テキスト表領域L2に反映する。
ステップS138の後、サーバ30は、次のユーザ指示を待ち受ける。
【0093】
例えば
図4に示した画面におけるテキストT21aまたはテキストT21bがクライアント装置10のユーザによって編集されたとする。この場合に、サーバ30は、
図8に示すように、第2コミック領域C2、および第2テキスト表領域L2におけるテキストT21aまたはテキストT21bを編集結果に応じて更新してもよい。
【0094】
サーバ30は、対象テキストに対する編集内容を日時に対応付けたログ情報を生成し、記憶装置31に保存(つまり、ログ情報を自動記録)してもよい。これにより、クライアント装置10のユーザが編集内容を保存するための操作を行わなくても、最新の編集内容が反映された翻訳コミックのデータを確実に保存することができる。また、サーバ30は、翻訳コミックの初期ファイルに対して、クライアント装置10のユーザから指定された日時までのログ情報に対応する編集内容を全て反映することで、作成途上の任意の時点における翻訳コミックを再現することもできる。また、サーバ30は、任意の時点における翻訳コミックを、初期ファイルとは別のファイルとして保存してもよい。これにより、翻訳コミックのバージョン管理が可能となる。
【0095】
ステップS131において取得したユーザ指示が前述の第1種別~第3種別の指示のいずれとも異なる場合に、サーバ30は当該ユーザ指示に応じた処理を行い、次のユーザ指示を待ち受ける。
【0096】
サーバ30は、例えばクライアント装置10のユーザからの指示(例えば、翻訳コミックの作成修了指示)に応じて、
図6の情報処理を終了する。
【0097】
(5)小括
以上説明したように、本実施形態のサーバ30は、翻訳コミックの作成支援画面を構成する第1コミック領域C1に第1コミック画像を配置し、第1テキスト表領域L1に第1コミック画像から抽出された第1テキストを配置する。サーバ30は、上記画面を構成する第2コミック領域C2および第2テキスト表領域L2に、少なくとも、第1テキストに対応する第2テキストを配置する。サーバ30は、ユーザ指示に応じて、第1領域(ここでは、第1コミック領域C1および第1テキスト表領域L1)および第2領域(ここでは、第2コミック領域C2および第2テキスト表領域L2)の表示範囲を更新するとともに、対象テキストを特定する。対象テキストは、第2領域の更新後の表示範囲に含まれる。サーバ30は、対象テキストの特定後に当該対象テキストを編集可能にする。これにより、1つのユーザ指示によって対象テキストの変更と各領域の表示範囲の更新とが行われるので、テキストの翻訳、または翻訳校正の作業においてユーザに課される入力操作の負担を軽減することができる。つまり、本実施形態の情報処理システム1は、翻訳コミックの作成業務を効率化できる。
【0098】
サーバ30は、いずれかの第2テキストを対象テキストとして選択するユーザ指示に応じて、第2コミック領域C2における当該対象テキストの表示位置が第2コミック領域における基準位置(例えば中央)に近づくように第2コミック領域C2の表示範囲を更新してもよい。これにより、第2コミック領域C2における対象テキストの表示位置が安定するので、ユーザに課す眼の動きを抑えながらユーザに対象テキストを容易に認識させることができる。
【0099】
サーバ30は、第2コミック領域C2の表示範囲を変更するユーザ指示に応じて、第2コミック領域C2の表示範囲を更新し、更新後の表示範囲から対象テキストを特定してもよい。これにより、ユーザは、例えば第2コミック領域C2のスクロール操作を行うことで、第2コミック領域C2の表示範囲に加えて、対象テキストを変更できる。
【0100】
サーバ30は、第2コミック領域C2の表示範囲を変更するユーザ指示に基づいて特定された対象テキストが含まれるように第2テキスト表領域L2の表示範囲を更新してもよい。これにより、ユーザは、例えば第2コミック領域C2のスクロール操作を行うことで、第2コミック領域C2の表示範囲に加えて、第2テキスト表領域L2の表示範囲および対象テキストを変更できる。
【0101】
サーバ30は、いずれかの第2のテキストを対象テキストとして選択するユーザ指示に応じて、第2テキスト表領域L2における当該対象テキストの表示位置が前記第2テキスト表領域L2における基準位置(例えば中央)に近づくように第2テキスト表領域L2の表示範囲を更新してもよい。これにより、第2テキスト表領域L2における対象テキストの表示位置が安定するので、ユーザに課す眼の動きを抑えながらユーザに対象テキストを容易に認識させることができる。
【0102】
サーバ30は、第2テキスト表領域L2の表示範囲を変更するユーザ指示に応じて、第2テキスト表領域L2の表示範囲を更新し、更新後の表示範囲から前記対象テキストを特定してもよい。これにより、ユーザは、例えば第2テキスト表領域L2のスクロール操作を行うことで、第2テキスト表領域L2の表示範囲に加えて、対象テキストを変更できる。
【0103】
サーバ30は、第2領域に表示される第2テキストの各々を第1態様(例えば破線の枠が付された状態)に設定してもよい。これにより、クライアント装置10のユーザは、第2テキストを容易に認識できる。
【0104】
サーバ30は、第2領域に表示される対象テキストを第1態様とは異なる第2態様(例えば実線の枠が付された状態)に設定してもよい。これにより、クライアント装置10のユーザは、対象テキストと他の第2テキストとを容易に区別できる。
【0105】
サーバ30は、対象テキストの編集中に、第2領域に表示される対象テキスト以外の第2テキストを第1態様とは異なる第3態様に設定してもよい。これにより、クライアント装置10のユーザは、現在の対象テキストと他の第2テキストとを容易に区別できるとともに、現在の対象テキストが編集中であることを容易に認識できる。
【0106】
サーバ30は、第2テキスト表において対象テキストが編集されたことに応じて、第2コミック領域に表示される対象テキストを更新する。これにより、クライアント装置10のユーザは、第2テキスト表上で第2テキストを編集するだけで、第2コミック画像に編集後の第2テキストを配置することができる。
【0107】
ユーザ指示は、ポインタによる第2テキストの選択とは異なるユーザ指示であってよい。これにより、ポインタにより第2テキストを選択(例えば第2テキスト(オブジェクト)をクリック、タップ等)せずとも、他の入力操作(例えばキー入力)によりディスプレイ21に表示された第2テキストのいずれかを対象テキストとして選択し、当該対象テキストを編集できる。
【0108】
上記ポインタによる第2テキストの選択とは異なるユーザ指示は、キー入力による第2テキストの選択であってよい。これにより、クライアント装置10のユーザは、例えば、1つのキー入力手段(一例として、ハードウェアキーボード、またはソフトウェアキーボード)により、対象テキストの切り替えとその編集とをシームレスに行うことができる。
【0109】
サーバ30は、対象テキストに対する編集内容を日時に対応付けたログ情報を記録してもよい。これにより、クライアント装置10のユーザが編集内容を保存するための操作を行わなくても、最新の編集内容が反映された翻訳コミックのデータを確実に保存することができる。また、サーバ30は、翻訳コミックの初期ファイルに対して、クライアント装置10のユーザから指定された日時までのログ情報に対応する編集内容を全て反映することで、作成途上の任意の時点における翻訳コミックを再現することもできる。
【0110】
(6)変形例
本実施形態の変形例について説明する。
【0111】
(6-1)変形例1
変形例1について説明する。変形例1は、翻訳コミックの作成支援画面を構成する各領域のレイアウトをユーザ指示に応じて変更する例である。
【0112】
(6-1-1)画面例
図9は、変形例1における翻訳コミックの作成支援画面の一例を示す図である。
図10は、変形例1における翻訳コミックの作成支援画面の別の例を示す図である。
【0113】
変形例1のサーバ30は、前述の第1コミック領域C1、第1テキスト表領域L1、第2コミック領域C2、または第2テキスト表領域L2の少なくとも1つのレイアウト、または表示もしくは非表示を、ユーザ指示(以下、「UI(User Interface)変更指示」という)に応じて制御する。UI変更指示は、例えば本実施形態の情報処理のステップS131において取得されてもよいし、クライアント装置10において実行されるアプリケーションまたはクライアント装置10に提供されるSaaS(Software as a Service)のUI設定を編集する処理において取得されてもよい。
【0114】
UI変更指示は、以下の少なくとも1つを含むことができる。
・少なくとも1つの領域のレイアウト(サイズ、配置、またはそれらの組み合わせ)の変更指示
・少なくとも1つの領域の表示/非表示状態の切り替え指示
【0115】
第1例として、原言語または翻訳後の言語(以下、「目的言語」という)のうち一方(以下、便宜的に「第1言語」という)のコミック領域のサイズの変更指示を取得すると、サーバ30は、当該第1言語のコミック領域のサイズを例えば上下方向に拡大または縮小し、逆に第1言語のテキスト領域のサイズを縮小または拡大する。加えて、サーバ30は、原言語または目的言語のうち第1言語でない一方(以下、便宜的に「第2言語」という)のコミック領域のサイズを第1言語のコミック領域と同様に拡大または縮小し、逆に第2言語のテキスト表領域のサイズを縮小または拡大する。本例の説明は、「コミック領域」および「テキスト表領域」を互いに読み替えることもできる。
【0116】
第2例として、第1言語のコミック領域の配置を、第1言語のテキスト表領域の配置と入れ替える指示を取得すると、サーバ30は指示どおりに両領域の配置を入れ替える。加えて、サーバ30は、第2言語のコミック領域の配置を、第2言語のテキスト表領域の配置と入れ替える。本例の説明は、「コミック領域」および「テキスト表領域」を互いに読み替えることもできる。
【0117】
第3例として、第1言語のコミック領域の配置を、第2言語のコミック領域の配置と入れ替える指示を取得すると、サーバ30は指示どおりに両領域の配置を入れ替える。加えて、サーバ30は、第1言語のテキスト表領域の配置を、第2言語のテキスト表領域の配置と入れ替える。本例の説明は、「コミック領域」および「テキスト表領域」を互いに読み替えることもできる。
【0118】
第4例として、第1言語のコミック領域の配置を、第2言語のテキスト表領域の配置と入れ替える指示を取得すると、サーバ30は指示どおりに両領域の配置を入れ替える。加えて、サーバ30は、第2言語のコミック領域の配置を、第1言語のテキスト表領域の配置と入れ替える。本例の説明は、「コミック領域」および「テキスト表領域」を互いに読み替えることもできる。
【0119】
第5例として、第1言語のコミック領域を非表示状態に設定する指示を取得すると、サーバ30は第1言語のコミック領域を非表示にし、空きスペースに亘って第1言語のテキスト表領域を拡大する。さらに、サーバ30は、第2言語のコミック領域を非表示にし、空きスペースに亘って第2言語のテキスト表領域を拡大する。これにより、例えば
図9に示すように、クライアント装置10のユーザは、いずれかのコミック領域を非表示に設定する指示を行うだけで、第1テキスト表領域L1および第2テキスト表領域L2の表示範囲を広げた状態で、翻訳または翻訳校正作業を快適に行うことができる。このように、第1コミック領域C1を画面内に設けない場合には、第1テキスト表領域L1が第1領域に相当する。第2コミック領域C2を画面内に設けない場合には、第2テキスト表領域L2が第2領域に相当する。
【0120】
上記第5例の説明は、「コミック領域」および「テキスト表領域」を互いに読み替えることもできる。すなわち、第1言語のテキスト表領域を非表示状態に設定する指示を取得すると、サーバ30は第1言語のテキスト表領域を非表示にし、空きスペースに亘って第1言語のコミック領域を拡大する。さらに、サーバ30は、第2言語のテキスト表領域を非表示にし、空きスペースに亘って第2言語のコミック領域を拡大する。これにより、例えば
図10に示すように、クライアント装置10のユーザは、いずれかのテキスト表領域を非表示に設定する指示を行うだけで、第1コミック領域C1および第2コミック領域C2の表示範囲を広げた状態で、翻訳または翻訳校正作業を快適に行うことができる。このように、第1テキスト表領域L1を画面内に設けない場合には、第1コミック領域C1が第1領域に相当する。第2テキスト表領域L2を画面内に設けない場合には、第2コミック領域C2が第2領域に相当する。
【0121】
或いは、第5例の変形例として、第1言語のコミック領域を非表示状態に設定する指示を取得すると、サーバ30は第1言語のコミック領域を非表示にし、空きスペースに亘って第2言語のコミック領域を拡大してもよい。本例の説明は、「コミック領域」および「テキスト表領域」を互いに読み替えることもできる。
【0122】
(5-1-2)小括
以上説明したように、変形例1のサーバ30は、翻訳コミックの作成支援画面を構成するいずれかの領域のレイアウト、または表示もしくは非表示をUI変更指示に応じて制御する。これにより、クライアント装置10のユーザは、自らの作業環境を容易にカスタマイズすることができる。
【0123】
サーバ30は、第1コミック領域C1または第2コミック領域C2のうち一方に対するレイアウトまたは表示有無を変更するユーザ指示に応じて、第1コミック領域C1または第2コミック領域C2のうち他方のレイアウトまたは表示有無を連動して制御してもよい。これにより、クライアント装置10のユーザは、第1コミック領域C1または第2コミック領域C2のうち一方に対するUI変更指示を行うだけで、両方の領域をまとめて変更することができる。
【0124】
サーバ30は、第1テキスト表領域L1または第2テキスト表領域L2のうち一方に対するレイアウトまたは表示有無を変更するユーザ指示に応じて、第1テキスト表領域L1または第2テキスト表領域L2のうち他方のレイアウトまたは表示有無を連動して制御してもよい。これにより、クライアント装置10のユーザは、第1テキスト表領域L1または第2テキスト表領域L2のうち一方に対するUI変更指示を行うだけで、両方の領域をまとめて変更することができる。
【0125】
(6-2)変形例2
変形例2について説明する。変形例2は、コミック作品毎に固有表現と訳語とを関連付ける辞書情報を管理する例である。
【0126】
(6-2-1)データベース
変形例2のデータベースについて説明する。以下のデータベースは、記憶装置31に記憶される。
【0127】
(6-2-1-1)辞書データベース
変形例2の辞書データベースについて説明する。
図11は、変形例2の辞書データベースのデータ構造を示す図である。
【0128】
辞書データベースには、辞書情報が格納される。辞書情報は、コミック作品に出現した固有表現と、当該固有表現に対して割り当てられた訳語とを関連付ける。辞書データベースは、コミック作品別に管理される。例えば、各辞書データベースは、コミック作品を識別する識別子に関連付けられてよい。
【0129】
図11に示すように、辞書データベースは、「固有表現ID」フィールドと、「原表現」フィールドと、「訳語」フィールドと、「初出位置」フィールドと、「カテゴリ」フィールドと、「出現回数」フィールドとを含む。各フィールドは、互いに関連付けられている。
【0130】
「固有表現ID」フィールドには、固有表現IDが格納される。固有表現IDは、辞書情報に対応する固有表現を識別する。
【0131】
「原表現」フィールドには、原表現情報が格納される。原表現情報は、同一レコード内の固有表現IDによって特定される固有表現(以下、「対象固有表現」という)の原言語での表現に関する情報である。一例として、原表現情報は、対象固有表現を原言語で表記したテキストであってよい。
【0132】
「訳語」フィールドには、訳語情報が格納される。訳語情報は、対象固有表現の目的言語での表現(すなわち訳語)に関する情報である。一例として、訳語情報は、対象固有表現を目的言語で表記したテキストであってよい。訳語情報は、例えば人間の翻訳者(クライアント装置10のユーザと同一人物であってもよいし、異なる人物であってもよい)によって指定される。
【0133】
「初出位置」フィールドには、初出位置情報が格納される。初出位置情報は、対象固有表現の初出位置に関する情報である。初出位置情報は、例えば、巻数、話数、ページ数、コマ数、またはそれらの組み合わせで表現されてよい。初出位置情報は、例えば、テキストデータベース(
図5)において、固有表現が抽出された原テキストに対応するレコードに含まれる登場ページ情報および配置態様(位置)情報に基づいて特定可能である。
【0134】
「カテゴリ」フィールドには、カテゴリ情報が格納される。カテゴリ情報は、対象固有表現が属するカテゴリに関する情報である。一例として、カテゴリは、キャラクタ名、組織名、地名、などを含むことができる。
【0135】
「出現回数」フィールドには、出現回数情報が格納される。出現回数情報は、対象固有表現の出現した回数に関する情報である。
【0136】
サーバ30は、例えば以下に説明するように固有表現を抽出することができる。
まず、サーバ30は、第1コミック画像から抽出した第1テキストを単語単位に分解する。テキストが日本語などの分かち書きされない言語に対応する場合には、サーバ30はテキストに対して形態素解析処理を行ってよい。
【0137】
サーバ30は、各単語を汎用辞書データベースと照合する。ここで、汎用辞書データベースには、一般的な単語(例えば、普通名詞、著名な固有名詞、等)とその訳語とを関連付ける汎用情報が格納される。汎用辞書データベースは、コミック作品に関わらず共通に使用される。サーバ30は、汎用辞書データベースに該当するレコードが格納されていない単語を固有表現として抽出する。
【0138】
サーバ30は、抽出した固有表現が処理対象のコミック作品において初出である場合に、辞書データベースに新規レコードを追加する。新規レコードには、新規の固有表現IDと、固有表現の抽出結果に応じた原表現情報と、固有表現の抽出位置に応じた初出位置情報と、出現回数が1回であることを示す出現回数情報とが格納される。他方、サーバ30は、抽出した固有表現が、処理対象のコミック作品において既出である場合には該当するレコードの出現回数情報を更新する。
【0139】
(6-2-2)画面例
図12は、変形例2における辞書情報の編集画面の例を示す図である。
【0140】
変形例1のサーバ30は、辞書データベース(
図11)に保存される辞書情報を、ユーザ指示(以下、「辞書編集指示」という)に応じて編集する。辞書編集指示は、例えば本実施形態の情報処理のステップS131において取得されてもよいし、第2テキストを生成する処理に先立って、または当該処理中に取得されてもよい。
【0141】
サーバ30は、クライアント装置10から送信された辞書編集指示を取得する。サーバ30は、辞書編集指示の取得に応じて、クライアント装置10のディスプレイ21に辞書編集画面を表示するために必要な情報(例えば、第1コミック領域C1に表示される第1テキストに含まれる固有表現に対応する辞書情報)を生成し、クライアント装置10へ送信する。クライアント装置10は、例えば
図12に示す辞書編集画面をディスプレイ21に表示する。
【0142】
図12の辞書編集画面は、辞書領域A30と、プレビュー領域A31とを含む。
辞書領域A30には、辞書データベース(
図11)に保存されている辞書情報の少なくとも一部が表示される。辞書領域A30は、固有表現毎に、オブジェクトB30a~B30dを含む。
【0143】
オブジェクトB30aには、固有表現の原表現情報が表示される。
オブジェクトB30bには、固有表現の初出位置情報が表示される。
【0144】
オブジェクトB30cには、固有表現に現在設定されている訳語情報が表示される。訳語情報が設定されていない場合に、オブジェクトB30cは空欄であってもよい。クライアント装置10のユーザは、オブジェクトB30cを選択して訳語情報を編集(追加、変更、または削除)することができる。
【0145】
オブジェクトB30dには、固有表現に現在設定されているカテゴリ情報が表示される。カテゴリ情報が設定されていない場合に、オブジェクトB30dは空欄であってもよい。クライアント装置10のユーザは、オブジェクトB30dを選択してカテゴリ情報を編集(追加、変更、または削除)することができる。
【0146】
プレビュー領域A31には、クライアント装置10のユーザが辞書領域A30上で選択している固有表現(以下、「アクティブ固有表現」という)の初出位置に対応する第1コミック画像(例えば初出位置となるページのコミック画像)が表示される。サーバ30は、プレビュー領域A31において表示されるアクティブ固有表現を含む第1テキスト(例えばアクティブ固有表現を含むセンテンス、段落、または台詞)を赤色の枠が付された状態に設定してもよい。これにより、クライアント装置10のユーザは、プレビュー領域A31内のどこにアクティブ固有表現を含んだ第1テキストが表示されているかを容易に認識することができる。
【0147】
クライアント装置10のユーザが、訳語情報またはカテゴリ情報の編集を確定すると、クライアント装置10は編集後の訳語情報またはカテゴリ情報をサーバ30へ送信する。サーバ30は、取得した情報に基づいて辞書データベース(
図11)を更新する。
【0148】
また、サーバ30は、機械翻訳の実行範囲中の第1テキストに含まれる全ての固有表現について、訳語の入力完了、または入力された訳語の確認完了を伝える操作を、クライアント装置10を介してユーザから受け付けたことに応じて、これらの第1テキストの機械翻訳を開始してもよい。これにより、固有表現の訳語の指定漏れにより、不適切な翻訳テキストが生成され、作業効率が低下するのを防ぐことができる。
【0149】
具体的には、サーバ30または外部装置は、第1コミック画像の属する特定のコミック作品に対応する辞書データベース(
図11)を参照し、機械翻訳のための学習済みモデルの追加学習を行うことで、当該特定のコミック作品に特化した派生モデルを作成する。サーバ30または外部装置は、第1テキストに対して上記派生モデルを用いた機械翻訳処理を行うことで第2テキストを生成する。さらに、クライアント装置10のユーザ(例えば翻訳者)は、配置された翻訳テキストを必要に応じて編集することができる。サーバ30は、翻訳テキストの生成または編集に応じて、テキストデータベース(
図5)における対応するレコードに含まれる翻訳テキスト情報を更新する。
【0150】
別の例として、サーバ30は、更新された固有表現を含む第1テキストを特定し、当該第1テキストに含まれる固有表現を対応する訳語に置き換えることで中間テキストを生成する。サーバ30は、中間テキストに対して自ら機械翻訳処理を行うことで更新後の第2テキストを生成してもよいし、外部装置から更新後の第2テキストを取得してもよい。外部装置は、サーバ30から中間テキストを取得し、当該中間テキストに対して機械翻訳処理を行ってもよいし、当該中間テキストを翻訳者に対して提示し当該翻訳者から更新後の第2テキストの指定を受け付けてもよい。さらに、クライアント装置10のユーザ(例えば翻訳者)は、第2コミック画像または第2テキスト表中に配置された第2テキストを必要に応じて編集することができる。サーバ30は、第2テキストの生成または編集に応じて、テキストデータベース(
図5)における対応するレコードに含まれる翻訳テキスト情報を更新する。
【0151】
さらなる別の例として、サーバ30、または外部装置が、第1コミック画像の属する特定のコミック作品に対応する辞書データベース(
図11)を参照して、更新された固有表現を含む第1テキストに対する機械翻訳処理を行ってもよい。また、外部装置が、更新された固有表現を含む第1テキストおよび関連する辞書情報を翻訳者に対して提示し当該翻訳者から第2テキストの指定を受け付けてもよい。
【0152】
(5-2-3)小括
以上説明したように、変形例2のサーバ30は、固有表現と、当該固有表現に対して取得された訳語とを関連付ける辞書情報をコミック作品別に管理する。これにより、コミック作品に特有の固有表現に対して適切かつ一貫した訳語を割り当てることができる。
【0153】
(6)その他の変形例
記憶装置11は、ネットワークNWを介して、クライアント装置10と接続されてもよい。ディスプレイ21は、クライアント装置10と一体化されてもよい。記憶装置31は、ネットワークNWを介して、サーバ30と接続されてもよい。
【0154】
上記説明では情報処理システム1を、クライアント/サーバ型のシステムによって実装する例を示した。しかしながら、情報処理システム1は、スタンドアロン型のコンピュータ(例えば、クライアント装置10)、またはピア・ツー・ピア型のシステムによって実装することもできる。
【0155】
上記説明では、各情報処理において各ステップを特定の順序で実行する例を示したが、各ステップの実行順序は、依存関係がない限りは説明した例に制限されない。上記の情報処理の各ステップは、クライアント装置10及びサーバ30の何れでも実行可能である。すなわち、サーバ30によって実行されるとして説明したステップの一部または全部がクライアント装置10によって実行されてよい。一例として、クライアント装置10が、サーバ30から各種情報を取得し、
図6に示した各ステップの処理を実行してもよい。この場合に、サーバ30は、ステップS137においてクライアント装置10から編集内容を特定可能な情報を取得し、前述のログ情報を保存するようにしてもよい。これにより、クライアント装置10における処理結果を、サーバ30に保存される情報に反映することができる。
【0156】
本実施形態では、第1コミック領域C1、第2コミック領域C2、第1テキスト表領域L1、および第2テキスト表領域L2のレイアウトについて特に述べなかった。しかしながら、様々なレイアウトが採用可能である。一例として、第1コミック領域C1および第2コミック領域C2は、互いに同じサイズであって、画面の上下方向または左右方向で同一位置となるように定められてよい。同様に、第1テキスト表領域L1および第2テキスト表領域L2は、互いに同じサイズであって、画面の上下方向または左右方向で同一位置となるように定められてよい。
【0157】
上記説明では、第2テキスト表領域L2の各項目には、当該項目に対応する第2テキストを配置する例を示した。第2テキスト表領域L2の各項目には、当該第2テキストに対して所定の操作を行うためのユーザ指示を受け付けるオブジェクトが配置されてもよい。所定の操作は、例えば以下の少なくとも1つであってよい。
・第2テキスト(オブジェクト)を削除する
・第2コミック画像に含まれる第2テキスト(オブジェクト)を第1コミック画像の対応する部分の画像に戻す(つまり、該当部分を第1コミック画像と同じ画像にする)
・第2テキストを特定するための情報(例えば第2テキストにアクセスするためのリンク)を取得する
サーバ30は、クライアント装置10からこれらのオブジェクトが選択されたことを示す情報を受信すると、選択されたオブジェクトに対応する処理を行う。これにより、ユーザは、所望の第2テキストに対する操作を容易に指示できる。
【0158】
上記説明では、第1テキスト表領域L1に、第1テキストが列挙された第1テキスト表を配置する例を示した。第1テキスト表の各項目には、第1テキストの内容に加えて、当該第1テキストについて推定された属性(例えばフォントサイズ)が表示されてよい。同様に、第2テキスト表領域L2に、第2テキストが列挙された第2テキスト表を配置する例を示した。第2テキスト表の各項目には、第2テキストの内容に加えて、当該第2テキストに適用されている属性(例えばフォントサイズ)が表示されてよい。クライアント装置10のユーザは、特定の操作を行うことで、対象テキストに適用されている属性を編集(例えばフォントサイズを増減)することができる。
【0159】
上記説明では、テキストまたはコミック画像の表示に関して、第1態様、第2態様、または第3態様について述べた。しかしながら、各態様は、上記の例に制限されず、例えば以下の少なくとも1つの設定により定義され得る。
・大きさ、色、テクスチャ、光学的効果、または形状
・アニメーションの有無、および種類
・拡大または縮小率
【0160】
上記変形例2の説明では、サーバ30が、固有表現を自動抽出する例を示した。しかしながら、人間(例えば出版者)がコミック作品に登場する固有表現をリスト化してもよい。或いは、人間が作成した固有表現リストを、上記自動抽出により補完してもよい。一例として、サーバ30は、人間が作成した固有表現に基づいて、各固有表現の初出位置情報または出現回数情報を生成してもよい。
【0161】
上記説明では、画面を、第1コミック領域C1、第2コミック領域C2、第1テキスト表領域L1、および第2テキスト表領域L2の4領域(ペイン)に分割する例を示した。しかしながら、第1コミック領域C1および第2コミック領域C2は、単一の領域(ペイン)として統合されてもよい。第1テキスト表領域L1、および第2テキスト表領域L2は、単一の領域(ペイン)として統合されてもよい。つまり、上記説明において、例えば、第1コミック領域C1または第2コミック領域C2に対する表示範囲の変更は、第1コミック領域C1および第2コミック領域C2の両方に対する表示範囲の変更として読み替えることができる。同様に、第1テキスト表領域L1または第2テキスト表領域L2に対する表示範囲の変更は、第1テキスト表領域L1および第2テキスト表領域L2の両方に対する表示範囲の変更として読み替えることができる。
【0162】
上記説明では、第3種別のユーザ指示を、第1種別のユーザ指示または第2種別のユーザ指示とは独立した指示として説明した。しかしながら、対象テキストが特定された後、追加のユーザ指示を要することなく対象テキストを編集可能としてもよい。例えば、サーバ30は、
図6の表示範囲の更新(S134)の後、ユーザ指示を待たずにテキストの編集(S137)およびテキストの更新(S138)を実行してもよい。同様に、サーバ30は、
図6の表示範囲の更新(S136)の後、ユーザ指示を待たずにテキストの編集(S137)およびテキストの更新(S138)を実行してもよい。一例として、サーバ30は、ポインタ操作によりいずれかの第2テキストが選択された場合、または対象テキストが編集可能な状態でキー操作によりいずれかの第2テキストが選択された場合に、選択された第2テキストを対象テキストとして特定し、かつ追加のユーザ指示を要することなく当該対象テキストを編集可能にしてもよい。
【0163】
上記説明では、対象テキストの特定後に、当該対象テキストを編集可能とする例を示した。しかしながら、対象テキストを変更することなく、その他の第2テキストの属性(例えば位置)をユーザ指示(例えばポインタ操作)により変更可能としてもよい。この場合に、例えばポインタの示す位置に配置されている第2テキスト(オブジェクト)を、第1態様および第2態様のいずれとも異なる第4態様に設定してもよい。
【0164】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の範囲は上記の実施形態に限定されない。また、上記の実施形態は、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更が可能である。また、上記の実施形態及び変形例は、組合せ可能である。
【符号の説明】
【0165】
1 :情報処理システム
10 :クライアント装置
11 :記憶装置
12 :プロセッサ
13 :入出力インタフェース
14 :通信インタフェース
21 :ディスプレイ
30 :サーバ
31 :記憶装置
32 :プロセッサ
33 :入出力インタフェース
34 :通信インタフェース
【要約】
【課題】翻訳コミックの作成業務を効率化する。
【解決手段】本開示の一態様のプログラムは、画面を構成する第1領域に、第1コミック画像、または第1コミック画像から抽出された1以上の第1テキスト、のうち少なくとも一方を配置する手段、画面を構成し、かつ第1領域とは異なる第2領域に、第1テキストの翻訳結果である1以上の第2テキストを配置する手段、ユーザ指示に応じて、第1領域および第2領域の表示範囲を更新する手段、ユーザ指示に応じて、第2テキストの1つである対象テキストを特定する手段、対象テキストの特定後に、当該対象テキストを編集可能にする手段、として機能させ、対象テキストは、更新後の第2領域の表示範囲に含まれる。
【選択図】
図4