(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-17
(45)【発行日】2023-03-28
(54)【発明の名称】動物忌避システム
(51)【国際特許分類】
A01M 29/10 20110101AFI20230320BHJP
A01M 29/16 20110101ALI20230320BHJP
【FI】
A01M29/10
A01M29/16
(21)【出願番号】P 2022170908
(22)【出願日】2022-10-25
【審査請求日】2022-11-09
(31)【優先権主張番号】P 2021174474
(32)【優先日】2021-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】505060646
【氏名又は名称】日本アール・ビー開発株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000073
【氏名又は名称】弁理士法人プロテック
(74)【代理人】
【識別番号】100167070
【氏名又は名称】狹武 哲詩
(74)【代理人】
【識別番号】100108051
【氏名又は名称】小林 生央
(72)【発明者】
【氏名】野村 健治
【審査官】櫻井 健太
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第10-2295743(KR,B1)
【文献】登録実用新案第3170872(JP,U)
【文献】特開2011-250745(JP,A)
【文献】特開2003-274840(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第107156102(CN,A)
【文献】国際公開第2017/006976(WO,A1)
【文献】国際公開第2012/056726(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01M 1/00 - 99/00
G06Q 10/00 - 10/10
G06Q 30/00 - 30/08
G06Q 50/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の動物忌避装置と、複数のユーザ端末と、複数の専門家端末と、管理サーバと、情報加工サーバと、情報開示サーバとをインターネットで接続してなる動物忌避システムであって、
前記動物忌避装置は、
動く
動物を検知する赤外線センサーと、
前記赤外線センサーが動く
動物を検知することをきっかけに作動して、暗い中で動く
動物の映像を撮影可能な赤外線カメラと、
動物が発する音声を収録する収音マイクと、
前記赤外線カメラの撮像データ及び前記収音マイクの音声データとを解析して前記動物の姿、大きさ、音声、動きの特徴を含む動物の特徴を特定する動物特徴解析装置と、
前記動物特徴解析装置が解析し、特定した結果である動物の特徴と、当該動物を忌避するのに適した衝撃波の波長、音量を含む衝撃波データ及び光の周波数及び光量を含む光データを関連付けて保存し、効果のあったデータ及び試す価値あるデータとを含む情報として保存する忌避情報データベース装置と、
前記動物特徴解析装置が解析し、特定した動物の特徴に基づいて、前記忌避情報データベース装置を参照して、効果のあったデータに基づいて波長及び音量を調整した衝撃波を発生する衝撃波発生器と、
前記動物特徴解析装置が解析し
、特定した動物の特徴に基づいて、前記忌避情報データベース装置を参照して、効果のあったデータに基づいて周波数及び光量を調整した光を発生するストロボフラッシュライトと、
前記衝撃波発生器と、前記ストロボフラッシュライトとが動作した直後の前記赤外線カメラの撮像データ及び前記収音マイク
が取得した音声データとを解析して前記動物が忌避されたか否かを判断し、前記動物が忌避された場合に当該結果を前記忌避情報データベース装置に格納する忌避実績登録装置と、
前記衝撃波発生器と、前記ストロボフラッシュライトとが動作した直後の前記赤外線カメラの撮像データ及び前記
収音マイクが取得した音声データとを解析して前記動物が忌避されたか否かを判断し、前記動物が忌避されなかった場合に当該結果に基づいて、前記忌避情報データベース装置を参照して、試す価値あるデータに基づいて前記衝撃波発生器に波長及び音量を調整した衝撃波を発生させるとともに、前記ストロボフラッシュライトが発する周波数及び光量を調整した光を発生させる忌避制御部と、
前記忌避制御部の動作により、忌避できた場合に前記忌避情報データベース装置のデータをそれに基づいて書き換える忌避情報更新装置と、
前記インターネットとの通信を実行する通信部と
を有し、
前記管理サーバは、
前記ユーザ端末を介してつながるユーザが前記動物忌避装置を購入することを検討している見込み客であるのか、前記動物忌避装置を購入した購入客であるのかを区別する会員種別を含む会員情報を記憶するユーザ会員情報データベース装置と、
前記ユーザ端末を介してつながるユーザのプライバシーにかかわる個人情報を記憶するユーザ個人情報データベース装置と、
前記動物忌避装置の忌避制御部に組み込むプログラムの情報を格納するプログラム情報データベース装置と、
前記動物忌避装置の忌避情報データベース装置が保存する、効果のあったデータ及び試す価値あるデータを当該動物忌避装置との関係において格納する忌避情報メタデータベース装置と、
前記ユーザが購入した又は購入しようとする前記動物忌避装置に付された情報埋め込み図形の情報を記憶する情報埋め込み図形情報データベース装置と、
前記専門家端末を介してつながる専門家の会員種別を含む会員情報を記憶する専門家会員情報データベース装置と、
前記専門家端末を介してつながる専門家のプライバシーにかかわる個人情報を記憶する専門家個人情報データベース装置と、
ユーザ会員情報を管理して前記ユーザ会員情報データベース装置に格納するユーザ会員情報管理部と、
ユーザ個人情報を管理して前記ユーザ個人情報データベース装置に格納するユーザ個人情報管理部と、
前記ユーザが購入した前記動物忌避装置の忌避制御部に組み込まれたプログラムを、当該動物忌避装置に組み込むことの可能な複数のプログラム群として管理するプログラム管理部と、
前記
ユーザが購入した又は購入しようとする前記動物忌避装置に付された情報埋め込み図形の情報を前記ユーザ端末を介して取得して前記情報埋め込み図形情報データベース装置に格納する情報埋め込み図形情報管理部と、
専門家会員情報を管理して前記専門家会員情報データベース装置に格納する専門家会員情報管理部と、
専門家個人情報を管理して前記専門家個人情報データベース装置に格納する専門家個人情報管理部と、
前記複数のユーザ端末、前記複数の専門家端末、前記情報加工サーバ、前記情報開示サーバとのやり取りをすべくインターネットとの間の通信を実行する通信処理部と
を有し、
前記情報加工サーバは、
前記管理サーバの前記ユーザ会員情報データベース装置と、前記ユーザ個人情報データベース装置と、前記プログラム情報データベース装置と、前記忌避情報メタデータベース装置と、前記情報埋め込み図形情報データベース装置と、前記専門家会員情報データベース装置と、前記専門家個人情報データベース装置とから必要な情報を抽出する情報抽出部と、
前記情報抽出部が抽出した情報のうち、個人情報又は守秘すべき情報を捨象する情報捨象部と、
前記情報抽出部が抽出した情報から前記情報捨象部が捨象した情報を除外した情報に対して加工を施す情報加工部と
を有し、
前記情報開示サーバは、
前記情報加工サーバの情報加工部が生成した情報を、複数のレベルごとに管理する開示情報データベース装置と、
前記情報開示サーバに情報の開示を求める前記ユーザ又は前記専門家がいかなる会員種別に属するかを判断する会員種別判断部と、
前記会員種別判断部が判断した結果に基づいて、前記ユーザ又は前記専門家に対して前記開示情報データベース装置が格納する情報へのアクセスを許諾するとともに、前記ユーザが前記専門家に対しアドバイスを求めることを可能とすべく前記ユーザに対し前記専門家に連絡するための情報を開示する情報開示許諾部と、
前記情報開示許諾部が前記ユーザに対し開示する前記専門家に連絡するための情報を前記ユーザが選択して当該専門家に連絡することを決めた場合に、前記管理サーバの専門家会員情報管理部に対して当該専門家の会員種別を当該ユーザの情報にアクセスできる権限を有するものに書換えるよう求める専門家会員情報更新部と
を有し、
前記ユーザ端末は、
前記ユーザの求めに応じて前記情報開示サーバにアクセスして開示された情報を
表示するとともに、当該ユーザの用いる前記動物忌避装置にアクセスして、前記忌避制御部のプログラムの変更又は前記忌避情報データベース装置に登録された試す価値あるデータの書き換え
をするものであり、
前記専門家端末は、
前記専門家の求めに応じて前記情報開示サーバにアクセスして開示された情報を表示するものであり、前記ユーザは前記ユーザ端末に表示された情報を参照して必要に応じて前記専門家に連絡してアドバイスを求め、前記専門家は前記ユーザの前記ユーザ端末と同じ情報を前記専門家端末に表示させて前記ユーザに対しアドバイス
を返す
ことが可能となっている
動物忌避システム。
【請求項2】
請求項1に記載した動物忌避システムであって、
さらに、
前記動物忌避装置を設置する候補となり得る動物忌避装置設置候補場所に設置された複数の臭気センサーを、前記管理サーバにインターネットで接続して設けて、
前記管理サーバは、
前記複数の臭気センサーの検知情報を記憶する臭気センサー検知情報データベース装置と、
前記複数の臭気センサーの検知情報を取得し、前記臭気センサー検知情報データベース装置に格納する臭気センサー検知情報管理部と、
をさらに有し、
前記情報加工サーバの情報抽出部は、
前記臭気センサー検知情報データベース装置からも必要な情報を抽出するものであり、
前記専門家端末が、
前記専門家の求めに応じて前記情報開示サーバにアクセスして開示された情報を表示する際に、前記臭気センサー検知情報を含めた情報を表示するものであり、前記ユーザは前記ユーザ端末に表示された情報を参照して必要に応じて前記専門家に連絡してアドバイスを求め、前記専門家は前記ユーザの前記ユーザ端末と同じ情報を前記専門家端末に表示させて前記ユーザに対し前記動物忌避装置の設置場所の変更提案を含
むアドバイスを返すことが可能となっている
動物忌避システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載した動物忌避システムであって、
前記管理サーバのプログラム管理部が管理する複数のプログラム群には、前記忌避情報データベース装置を参照して試す価値あるデータを選択する際に、複数ある試す価値あるデータの中からランダムに選択するプログラムと、複数ある試す価値あるデータにあらかじめつけられた順位にしたがって順番に選択するプログラムとを含むことを特徴とする動物忌避システム。
【請求項4】
請求項1又は
請求項2に記載した動物忌避システムであって、
さらに、コミュニティ形成サーバを有し、
前記情報開示サーバは、
前記ユーザが前記ユーザ端末を介して前記情報開示サーバにアクセスする際に、前記ユーザに対して開示する情報とともに前記専門家又は前記ユーザのうちの当該ユーザ以外のユーザに連絡をとることが可能な表示を示すことにより、前記コミュニティ形成サーバが形成するコミュニティへ前記ユーザが参加することを促すコミュニティ誘導部をさらに有し、
前記コミュニティ形成サーバは、
前記ユーザに対し、前記専門家の存在及び前記ユーザのうちの当該ユーザ以外のユーザの存在に関する情報を前記管理サーバから取得して、それらを示して前記ユーザが交流を申し出ることを促し、前記ユーザが特定の相手に交流したいという交流の申し出の意思を表示することに基づいて当該特定の相手にその旨を伝える交流申し出部と、
前記交流申し出部が交流の申し出を伝えた際に、その申し出を受け取った前記専門家又は前記ユーザがそれを受け入れる意思を表示したことに基づいて、その受け入れの旨を申し出者に伝える申し出受諾部と、
前記申し出受諾部が前記申し出及びその受諾の旨を受け取ったことに基づいて、両者がチャットにより交流するために両者の書き込みを互いに閲覧可能なトークルームを生成するトークルーム生成部と、
前記トークルーム生成部が生成したトークルームに参加する前記ユーザ又は前記専門家が前記トークルームに書き込むたびに、当該書き込みを両者に閲覧可能とするように動作するトークルーム管理部と、
前記トークルーム生成部が生成するトークルームを一対一の交流のみならず、前記ユーザ又は前記専門家のうちの3人以上の交流へと拡張し、3人以上の交流を運営する交流部と、
前記専門家との間で交流する前記ユーザが、当該交流を通じて前記専門家を評価し、点数をつける専門家評価部と、
前記専門家が前記ユーザを評価し、点数をつける相互評価部と、
前記ユーザ又は前記専門家が活発に交流することを評価して金銭的な価値を有するポイントを付与するポイント付与部と
を有することを特徴とする動物忌避システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネズミ、ヌートリアル、ハクビシン、鹿、きょん、タヌキを含む動物を忌避する(追い払う)システムに関する。
【背景技術】
【0002】
動物の忌避は、驚かせて追い払うことを意味する。動物保護の観点から本明細書では、生かしたまま追い払うという意味で「忌避」という用語を用いる。
【0003】
特許文献1には、砂場に侵入する威嚇装置が提案されている。砂場に立設、埋設、架承等して設けられたセンサー、スイッチ等の検出装置と、この検出装置で作動する前記砂場に少なくとも1基設置される強力投光器、フラッシュライト、レーザー等の光線手段による第1の威嚇装置・超音波発射器、その他発射器等の第3の威嚇装置・テープ、ラジオ、放送、楽器、チャイム等の音声発生装置による第2の威嚇装置・シャワー、噴射、噴霧等を発生するその他第4の威嚇装置と、の組合せで構成される。
【0004】
特許文献2には、火薬を爆発させて鳥獣害を防除するシステムが提案されている。円錐形の先端に引紐を接続した玩具火薬を収納した円錐形のクラッカと、円錐形の先端から開口部に挿入した前記円錐形のクラッカが、太い円錐形部分で固定される貫通孔を備えた隔壁を内部に有し、反対側の開口部から引紐を引き出すように構成した収納ケースと、前記引紐を巻き付ける一方の端部と、引紐を軸線方向に引っ張るコイルバネを備えた他方の端部と、中間部にストッパを備え、プランジャ・ケースに設けた2つの貫通孔を介して軸線方向に移動可能とした引棒と、該引棒の軸線方向と直角に配設したロックバーの先端部に設けてある爪が引棒のストッパから外れるように、コイルバネの反発力に抗してロックバーを反対方向に作動させるプランジャ・ケースに収納したプランジャと、によって破裂音発生装置を構成し、前記プランジャが別置してある制御装置からの信号によって作動した時は、ロックバーのロック解除による引棒のクラッカの反対方向への移動と、これに伴う引紐の伸張により、玩具火薬を破裂させ、前記玩具火薬の破裂に伴う爆発音と硝煙臭により、侵入した鳥獣類を威嚇排除するようにしたものである。
【0005】
特許文献3には、超音波と赤外線センサを用いて動物を忌避するごみ収納ボックスが提案されている。台座と、この台座上に設けられ少なくとも前面が開放されたごみ収納部とを備えたごみ収納ボックスであって、前記ごみ収納部内に収納されたごみを狙う鳥獣を検知するセンサと、該センサからの検知信号に基づいて鳥獣を威嚇する威嚇装置とをさらに備え、前記センサと前記威嚇装置とは、前記台座に取り付けられている。
【0006】
特許文献4には、ICタグを用いて移動体を監視する装置が提案されている。 監視対象である移動体が有するICタグが発信する固有のID情報を含む信号を、少なくとも特定の方向に300メートル離れた位置で検知しうる検知範囲を有する、ICタグリーダ、及び、前記ICタグリーダにより前記信号を検知した事実を出力する出力手段を有し、上記移動体が検知範囲に侵入してきたことを検知する。
【0007】
特許文献5には、作動部材が作動することにより動物を忌避する装置が提案されている。支柱と、作動部材と、前記作動部材を保持する保持機構と、前記保持機構につながっている検知機構と、を有する作動装置において、前記保持機構が、地面から垂直方向に向いている作動部材維持部材と、前記作動部材維持部材に対して直交している作動部材保持部材と、前記作動部材維持部材の上部を保持する作動部材固定部材と、からなり、前記作動部材保持部材が、前記作動部材維持部材を前記支柱との間に挟んで保持し、前記検知機構で検知されると作動部材を作動させる作動装置、動物忌避装置及び動物忌避システムである。
【0008】
特許文献6には、威嚇部を備えて動物の接近を防止する装置が提案されている。本発明にかかる接近防止装置は,鳥類などの動物の接近を防止する接近防止装置であって,所定領域を撮影する撮影手段と,撮影手段により撮影された,異なる時刻における2以上の画像の差分から画像上の複数の点における速度ベクトルを検出する速度ベクトル検出部と,検出された速度ベクトルから速度の最大値を抽出する最大速度抽出部と,速度の最大値を,所定の基準値と比較して,速度の最大値が所定の基準値以上であるか否かを判定する速度判定部と,電気的信号により動作して動物を威嚇する威嚇部と,速度の最大値が所定の基準値以上の場合には,威嚇部を動作させる電気的信号を発生する電気的信号発生部とを備える。
【0009】
特許文献7には、ライトと音声と水とを用いて犬猫が砂場に侵入しないように監視する装置が提案されている。遠赤外線センサーで闇の中の犬猫の動きをキャッチしてライトを点灯し、音声で知らせ、水を噴射させて、光る水で数秒間攻撃し続け退散させる。
【0010】
特許文献8には、超音波と水とを用いて小動物の侵入を防止する装置が提案されている。水を放出する水放出手段を更に備えており、制御手段は、動体検出手段が小動物の接近を検出したときには、超音波出力手段より超音波を出力させるとともに、水放出手段より水を放出させる。
【0011】
特許文献9には、動物を忌避すべく通電する通電性ネットが提案されている。合成樹脂製の繊維を数本撚り上げて緯・経撚糸を編成して格子状のネットを構成し、ネットの長手方向に数本の合成樹脂製の繊維と数本のワイヤーとを撚り上げてなるワイヤー入りの撚糸を数本配備し、ワイヤー入りの撚糸とハ゛ッテリーとを導線を介して接続可能とした防獣用通電性ネットである。
【0012】
特許文献10には、音、光、気体、液体、薬品を用いて動物を忌避する動物威嚇装置が提案されている。非可聴域を含む音、非可視域を含む光、動物が発する赤外線、もしくは圧力の、いずれか、もしくはそれらの組合わせにより、動物の近接を検知する動物検知手段と、その検知信号と雑音を弁別する信号弁別手段と、非可聴域を含む音、非可視域を含む光、気体、液体、もしくは気体または液体に混入した薬品の放射の、いずれか、もしくはそれらの組合わせによる動物威嚇手段とより構成する。
【0013】
特許文献11には、電気的な衝撃で動物を忌避する電撃シートが提案されている。電撃によって鼠を駆除するための鼠駆除用電撃シートであって、前記鼠駆除用電撃シートの上面には、高電圧を印加するための第1電極及び第2電極が縦方向及び横方向に交互に並ぶように露出した状態で設けられ、前記鼠駆除用電撃シートは、第1及び第2シートを含む少なくとも2枚のシートが積層され、前記第1シートは、前記第2シートの上に重ねられ、その上面に、前記第1電極が形成されていると共に複数の窓が設けられ、前記第2シートは、その上面に、前記第2電極が形成され、前記第1シートと前記第2シートとは、前記窓から前記第2電極が露出するように重ねられている。
【0014】
特許文献12には、スピーカ、ランプ、高圧電源を備えた動物忌避システムが提案されている。動物監視・忌避制御装置のカメラによって動体を検知すると、検知信号及び画像を動物威嚇制御サーバ及び情報解析サーバに送信し、テンプレート画像データベースを参照して動物特定部によって画像に含まれる動物を特定して、忌避方法データベースを参照して忌避方法特定部によって各動物に応じた忌避動作情報を特定して、当該忌避動作情報を動物監視・忌避制御装置に送信する。これによって、動物監視・忌避制御装置では、忌避動作情報に従ってスピーカ,威嚇用ランプ,高圧電流発生装置を動作させることによって、動物を威嚇する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【文献】特開平7-255351号公報
【文献】特許第3490319号公報
【文献】特開2004-135525号公報
【文献】特開2007-192736号公報
【文献】特開2007-325504号公報
【文献】特開2010-88338号公報
【文献】登実第3059296号公報
【文献】特開2001-258465号公報
【文献】特開2002-163号公報
【文献】特開平7-87875号公報
【文献】特許第3773199号公報
【文献】特開2006-211917号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
上記のとおり動物を忌避する手段については、光、音、電撃など用いられているが、それを用いてどのようにしたら効果的に動物を忌避できるかについては、状況の変化によって変化し得るものであり、一旦構築したやり方を変更することが必要となる場合もあり得る。また、装置を購入したユーザがその効果を適切に評価すること、役立っていることを確認できるシステムとすることも必要である。本発明は、ユーザが専門家とも意見交換でき、装置の働き具合を制御したり、装置の効果を確認出来たりすることを可能にする動物忌避システムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記解決課題に鑑みて鋭意研究の結果、本発明者は、以下の実施形態に示されるような解決方法を発明するに至った。
【0018】
本発明に係るシステムは、
複数の動物忌避装置と、複数のユーザ端末と、複数の専門家端末と、管理サーバと、情報加工サーバと、情報開示サーバとをインターネットで接続してなる動物忌避システムであって、
前記動物忌避装置は、
動く動物を検知する赤外線センサーと、
前記赤外線センサーが動く動物を検知することをきっかけに作動して、暗い中で動く動物の映像を撮影可能な赤外線カメラと、
動物が発する音声を収録する収音マイクと、
前記赤外線カメラの撮像データ及び前記収音マイクの音声データとを解析して前記動物の姿、大きさ、音声、動きの特徴を含む動物の特徴を特定する動物特徴解析装置と、
前記動物特徴解析装置が解析し、特定した結果である動物の特徴と、当該動物を忌避するのに適した衝撃波の波長、音量を含む衝撃波データ及び光の周波数及び光量を含む光データを関連付けて保存し、効果のあったデータ及び試す価値あるデータとを含む情報として保存する忌避情報データベース装置と、
前記動物特徴解析装置が解析し、特定した動物の特徴に基づいて、前記忌避情報データベース装置を参照して、効果のあったデータに基づいて波長及び音量を調整した衝撃波を発生する衝撃波発生器と、
前記動物特徴解析装置が解析し、特定した動物の特徴に基づいて、前記忌避情報データベース装置を参照して、効果のあったデータに基づいて周波数及び光量を調整した光を発生するストロボフラッシュライトと、
前記衝撃波発生器と、前記ストロボフラッシュライトとが動作した直後の前記赤外線カメラの撮像データ及び前記収音マイクが取得した音声データとを解析して前記動物が忌避されたか否かを判断し、前記動物が忌避された場合に当該結果を前記忌避情報データベース装置に格納する忌避実績登録装置と、
前記衝撃波発生器と、前記ストロボフラッシュライトとが動作した直後の前記赤外線カメラの撮像データ及び前記収音マイクが取得した音声データとを解析して前記動物が忌避されたか否かを判断し、前記動物が忌避されなかった場合に当該結果に基づいて、前記忌避情報データベース装置を参照して、試す価値あるデータに基づいて前記衝撃波発生器に波長及び音量を調整した衝撃波を発生させるとともに、前記ストロボフラッシュライトが発する周波数及び光量を調整した光を発生させる忌避制御部と、
前記忌避制御部の動作により、忌避できた場合に前記忌避情報データベース装置のデータをそれに基づいて書き換える忌避情報更新装置と、
前記インターネットとの通信を実行する通信部と
を有し、
前記管理サーバは、
前記ユーザ端末を介してつながるユーザが前記動物忌避装置を購入することを検討している見込み客であるのか、前記動物忌避装置を購入した購入客であるのかを区別する会員種別を含む会員情報を記憶するユーザ会員情報データベース装置と、
前記ユーザ端末を介してつながるユーザのプライバシーにかかわる個人情報を記憶するユーザ個人情報データベース装置と、
前記動物忌避装置の忌避制御部に組み込むプログラムの情報を格納するプログラム情報データベース装置と、
前記動物忌避装置の忌避情報データベース装置が保存する、効果のあったデータ及び試す価値あるデータを当該動物忌避装置との関係において格納する忌避情報メタデータベース装置と、
前記ユーザが購入した又は購入しようとする前記動物忌避装置に付された情報埋め込み図形の情報を記憶する情報埋め込み図形情報データベース装置と、
前記専門家端末を介してつながる専門家の会員種別を含む会員情報を記憶する専門家会員情報データベース装置と、
前記専門家端末を介してつながる専門家のプライバシーにかかわる個人情報を記憶する専門家個人情報データベース装置と、
ユーザ会員情報を管理して前記ユーザ会員情報データベース装置に格納するユーザ会員情報管理部と、
ユーザ個人情報を管理して前記ユーザ個人情報データベース装置に格納するユーザ個人情報管理部と、
前記ユーザが購入した前記動物忌避装置の忌避制御部に組み込まれたプログラムを、当該動物忌避装置に組み込むことの可能な複数のプログラム群として管理するプログラム管理部と、
前記ユーザが購入した又は購入しようとする前記動物忌避装置に付された情報埋め込み図形の情報を前記ユーザ端末を介して取得して前記情報埋め込み図形情報データベース装置に格納する情報埋め込み図形情報管理部と、
専門家会員情報を管理して前記専門家会員情報データベース装置に格納する専門家会員情報管理部と、
専門家個人情報を管理して前記専門家個人情報データベース装置に格納する専門家個人情報管理部と、
前記複数のユーザ端末、前記複数の専門家端末、前記情報加工サーバ、前記情報開示サーバとのやり取りをすべくインターネットとの間の通信を実行する通信処理部と
を有し、
前記情報加工サーバは、
前記管理サーバの前記ユーザ会員情報データベース装置と、前記ユーザ個人情報データベース装置と、前記プログラム情報データベース装置と、前記忌避情報メタデータベース装置と、前記情報埋め込み図形情報データベース装置と、前記専門家会員情報データベース装置と、前記専門家個人情報データベース装置とから必要な情報を抽出する情報抽出部と、
前記情報抽出部が抽出した情報のうち、個人情報又は守秘すべき情報を捨象する情報捨象部と、
前記情報抽出部が抽出した情報から前記情報捨象部が捨象した情報を除外した情報に対して加工を施す情報加工部と
を有し、
前記情報開示サーバは、
前記情報加工サーバの情報加工部が生成した情報を、複数のレベルごとに管理する開示情報データベース装置と、
前記情報開示サーバに情報の開示を求める前記ユーザ又は前記専門家がいかなる会員種別に属するかを判断する会員種別判断部と、
前記会員種別判断部が判断した結果に基づいて、前記ユーザ又は前記専門家に対して前記開示情報データベース装置が格納する情報へのアクセスを許諾するとともに、前記ユーザが前記専門家に対しアドバイスを求めることを可能とすべく前記ユーザに対し前記専門家に連絡するための情報を開示する情報開示許諾部と、
前記情報開示許諾部が前記ユーザに対し開示する前記専門家に連絡するための情報を前記ユーザが選択して当該専門家に連絡することを決めた場合に、前記管理サーバの専門家会員情報管理部に対して当該専門家の会員種別を当該ユーザの情報にアクセスできる権限を有するものに書換えるよう求める専門家会員情報更新部と
を有し、
前記ユーザ端末は、
前記ユーザの求めに応じて前記情報開示サーバにアクセスして開示された情報を表示するとともに、当該ユーザの用いる前記動物忌避装置にアクセスして、前記忌避制御部のプログラムの変更又は前記忌避情報データベース装置に登録された試す価値あるデータの書き換えをするものであり、
前記専門家端末は、
前記専門家の求めに応じて前記情報開示サーバにアクセスして開示された情報を表示するものであり、前記ユーザは前記ユーザ端末に表示された情報を参照して必要に応じて前記専門家に連絡してアドバイスを求め、前記専門家は前記ユーザの前記ユーザ端末と同じ情報を前記専門家端末に表示させて前記ユーザに対しアドバイスを返すことが可能となっている
これにより、ユーザは他のユーザの利用状況を調べることもでき、また専門家との交流をして、自らの動物忌避装置の動作をより効果的に改変していくことができる。
【0019】
また、前記管理サーバのプログラム管理部が管理する複数のプログラム群には、前記忌避情報データベース装置を参照して試す価値あるデータを選択する際に、複数ある試す価値あるデータの中からランダムに選択するプログラムと、複数ある試す価値あるデータにあらかじめつけられた順位にしたがって順番に選択するプログラムとを含むことを特徴とする。
これにより、適用するプログラムに変化を持たせることが可能となる。
【0020】
複数の動物忌避装置と、複数のユーザ端末と、複数の専門家端末と、管理サーバと、情報加工サーバと、情報開示サーバと、前記動物忌避装置を設置する候補となり得る動物忌避装置設置候補場所に設置された複数の臭気センサーとをインターネットで接続してなる動物忌避システムであって、
前記動物忌避装置は、
動く動物を検知する赤外線センサーと、
前記赤外線センサーが動く動物を検知することをきっかけに作動して、暗い中で動く動物の映像を撮影可能な赤外線カメラと、
動物が発する音声を収録する収音マイクと、
前記赤外線カメラの撮像データ及び前記収音マイクの音声データとを解析して前記動物の姿、大きさ、音声、動きの特徴を含む動物の特徴を特定する動物特徴解析装置と、
前記動物特徴解析装置が解析した結果である動物の特徴と、当該動物を忌避するのに適した衝撃波の波長、音量を含む衝撃波データ及び光の周波数及び光量を含む光データを関連付けて保存し、効果のあったデータ及び試す価値あるデータとを含む情報として保存する忌避情報データベース装置と、
前記動物特徴解析装置が解析した動物の特徴に基づいて、前記忌避情報データベース装置を参照して、効果のあったデータに基づいて波長及び音量を調整した衝撃波を発生する衝撃波発生器と、
前記動物特徴解析装置が解析した動物の特徴に基づいて、前記忌避情報データベース装置を参照して、効果のあったデータに基づいて周波数及び光量を調整した光を発生するストロボフラッシュライトと、
前記衝撃波発生器と、前記ストロボフラッシュライトとが動作した直後の前記赤外線カメラの撮像データ及び前記収音マイクが取得した音声データとを解析して前記動物が忌避されたか否かを判断し、前記動物が忌避された場合に当該結果を前記忌避情報データベース装置に格納する忌避実績登録装置と、
前記衝撃波発生器と、前記ストロボフラッシュライトとが動作した直後の前記赤外線カメラの撮像データ及び前記臭気センサーの検知データとを解析して前記動物が忌避されたか否かを判断し、前記動物が忌避されなかった場合に当該結果に基づいて、前記忌避情報データベース装置を参照して、試す価値あるデータに基づいて前記衝撃波発生器に波長及び音量を調整した衝撃波を発生させるとともに、前記ストロボフラッシュライトが発する周波数及び光量を調整した光を発生させる忌避制御部と、
前記忌避制御部の動作により、忌避できた場合に前記忌避情報データベース装置のデータをそれに基づいて書き換える忌避情報更新装置と、
前記インターネットとの通信を実行する通信部と
を有し、
前記管理サーバは、
前記ユーザ端末を介してつながるユーザが前記動物忌避装置を購入することを検討している見込み客であるのか、前記動物忌避装置を購入した購入客であるのかを区別する会員種別を含む会員情報を記憶するユーザ会員情報データベース装置と、
前記ユーザ端末を介してつながるユーザのプライバシーにかかわる個人情報を記憶するユーザ個人情報データベース装置と、
前記動物忌避装置の忌避制御部に組み込むプログラムの情報を格納するプログラム情報データベース装置と、
前記動物忌避装置の忌避情報データベース装置が保存する、効果のあったデータ及び試す価値あるデータを当該動物忌避装置との関係において格納する忌避情報メタデータベース装置と、
前記ユーザが購入した又は購入しようとする前記動物忌避装置に付された情報埋め込み図形の情報を記憶する情報埋め込み図形情報データベース装置と、
前記専門家端末を介してつながる専門家の会員種別を含む会員情報を記憶する専門家会員情報データベース装置と、
前記専門家端末を介してつながる専門家のプライバシーにかかわる個人情報を記憶する専門家個人情報データベース装置と、
ユーザ会員情報を管理して前記ユーザ会員情報データベース装置に格納するユーザ会員情報管理部と、
ユーザ個人情報を管理して前記ユーザ個人情報データベース装置に格納するユーザ個人情報管理部と、
前記ユーザが購入した前記動物忌避装置の忌避制御部に組み込まれたプログラムを、当該動物忌避装置に組み込むことの可能な複数のプログラム群として管理するプログラム管理部と、
前記ユーザが購入した又は購入しようとする前記動物忌避装置に付された情報埋め込み図形の情報を前記ユーザ端末を介して取得して前記情報埋め込み図形情報データベース装置に格納する情報埋め込み図形情報管理部と、
専門家会員情報を管理して前記専門家会員情報データベース装置に格納する専門家会員情報管理部と、
専門家個人情報を管理して前記専門家個人情報データベース装置に格納する専門家個人情報管理部と、
前記複数の臭気センサーの検知情報を記憶する臭気センサー検知情報データベース装置と、
前記複数の臭気センサーの検知情報を取得し、前記臭気センサー検知情報データベース装置に格納する臭気センサー検知情報管理部と、
前記複数のユーザ端末、前記複数の専門家端末、前記情報加工サーバ、前記情報開示サーバとのやり取りをすべくインターネットとの間の通信を実行する通信処理部と
を有し、
前記情報加工サーバは、
前記管理サーバの前記ユーザ会員情報データベース装置と、前記ユーザ個人情報データベース装置と、前記プログラム情報データベース装置と、前記忌避情報メタデータベース装置と、前記情報埋め込み図形情報データベース装置と、前記専門家会員情報データベース装置と、前記専門家個人情報データベース装置と、前記臭気センサー検知情報データベース装置とから必要な情報を抽出する情報抽出部と、
前記情報抽出部が抽出した情報のうち、個人情報又は守秘すべき情報を捨象する情報捨象部と、
前記情報抽出部が抽出した情報から前記情報捨象部が捨象した情報を除外した情報に対して加工を施す情報加工部と
を有し、
前記情報開示サーバは、
前記情報加工サーバの情報加工部が生成した情報を、複数のレベルごとに管理する開示情報データベース装置と、
前記情報開示サーバに情報の開示を求める前記ユーザ又は前記専門家がいかなる会員種別に属するかを判断する会員種別判断部と、
前記会員種別判断部が判断した結果に基づいて、前記ユーザ又は前記専門家に対して前記開示情報データベース装置が格納する情報へのアクセスを許諾するとともに、前記ユーザが前記専門家に対しアドバイスを求めることを可能とすべく前記ユーザに対し前記専門家に連絡するための情報を開示する情報開示許諾部と、
前記情報開示許諾部が前記ユーザに対し開示する前記専門家に連絡するための情報を前記ユーザが選択して当該専門家に連絡することを決めた場合に、前記管理サーバの専門家会員情報管理部に対して当該専門家の会員種別を当該ユーザの情報にアクセスできる権限を有するものに書換えるよう求める専門家会員情報更新部と
を有し、
前記ユーザ端末は、
前記ユーザの求めに応じて前記情報開示サーバにアクセスして開示された情報を表示するとともに、当該ユーザの用いる前記動物忌避装置にアクセスして、前記忌避制御部のプログラムの変更又は前記忌避情報データベース装置に登録された試す価値あるデータの書き換えをするものであり、
前記専門家端末は、
前記専門家の求めに応じて前記情報開示サーバにアクセスして開示された情報を表示するものであり、前記ユーザは前記ユーザ端末に表示された情報を参照して必要に応じて前記専門家に連絡してアドバイスを求め、前記専門家は前記ユーザの前記ユーザ端末と同じ情報を前記専門家端末に表示させて前記ユーザに対しアドバイスを返すことが可能となっている。
これにより、動物忌避装置の設置場所をより効果的な場所に変更することが可能となる。
【0021】
前記管理サーバのプログラム管理部が管理する複数のプログラム群には、前記忌避情報データベース装置を参照して試す価値あるデータを選択する際に、複数ある試す価値あるデータの中からランダムに選択するプログラムと、複数ある試す価値あるデータにあらかじめつけられた順位にしたがって順番に選択するプログラムとを含むことを特徴とする。
これにより、適用するプログラムに変化を持たせることが可能となる。
【0022】
さらに、コミュニティ形成サーバを有し、
前記情報開示サーバは、
前記ユーザが前記ユーザ端末を介して前記情報開示サーバにアクセスする際に、前記ユーザに対して開示する情報とともに前記専門家又は前記ユーザのうちの当該ユーザ以外のユーザに連絡をとることが可能な表示を示すことにより、前記コミュニティ形成サーバが形成するコミュニティへ前記ユーザが参加することを促すコミュニティ誘導部をさらに有し、
前記コミュニティ形成サーバは、
前記ユーザに対し、前記専門家の存在及び前記ユーザのうちの当該ユーザ以外のユーザの存在に関する情報を前記管理サーバから取得して、それらを示して前記ユーザが交流を申し出ることを促し、前記ユーザが特定の相手に交流したいという交流の申し出の意思を表示することに基づいて当該特定の相手にその旨を伝える交流申し出部と、
前記交流申し出部が交流の申し出を伝えた際に、その申し出を受け取った前記専門家又は前記ユーザがそれを受け入れる意思を表示したことに基づいて、その受け入れの旨を申し出者に伝える申し出受諾部と、
前記申し出受諾部が前記申し出及びその受諾の旨を受け取ったことに基づいて、両者がチャットにより交流するために両者の書き込みを互いに閲覧可能なトークルームを生成するトークルーム生成部と、
前記トークルーム生成部が生成したトークルームに参加する前記ユーザ又は前記専門家が前記トークルームに書き込むたびに、当該書き込みを両者に閲覧可能とするように動作するトークルーム管理部と、
前記トークルーム生成部が生成するトークルームを一対一の交流のみならず、前記ユーザ又は前記専門家のうちの3人以上の交流へと拡張し、3人以上の交流を運営する交流部と、
前記専門家との間で交流する前記ユーザが、当該交流を通じて前記専門家を評価し、点数をつける専門家評価部と、
前記専門家が前記ユーザを評価し、点数をつける相互評価部と、
前記ユーザ又は前記専門家が活発に交流することを評価して金銭的な価値を有するポイントを付与するポイント付与部と
を有することを特徴とする動物忌避システム。
これにより、より広く意見を交換することができ適切な情報を収集することができる。
【発明の効果】
【0023】
以上、説明したように、本発明によれば、動物忌避装置を効果的に利用可能な動物忌避システムが提供される。
また、絶滅危惧種に該当する動物が保護されている区域から出ないようにするという使い方をすることにより、動物の保護に役立てることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の実施形態に係る動物忌避装置の構成を示すブロック図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る動物忌避装置が動物を忌避する際の動作を示すシーケンス図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る動物忌避装置がインターネットを介して制御されることを示すシーケンス図である。
【
図4】本発明の実施形態にかかる動物忌避システムの全体構成を概略的に示す図である。
【
図5】本発明の実施形態にかかる動物忌避システムにおける管理サーバの内部構成を概略的に示す図である。
【
図6】本発明の実施形態にかかる動物忌避システムにおける情報加工サーバの内部構成を概略的に示す図である。
【
図7】本発明の実施形態にかかる動物忌避システムにおける情報開示サーバの内部構成を概略的に示す図である。駅外線カメラ
【
図8】本発明の実施形態にかかる動物忌避システムにおけるコミュニティ形成サーバの内部構成を概略的に示す図である。
【
図9】本発明の実施形態にかかる動物忌避システムにおける情報加工サーバが情報を加工して、情報開示サーバが情報を開示する手順の流れを示すシーケンス図である。
【
図10】本発明の実施形態にかかる動物忌避システムにおけるユーザが本システムを用いて、コミュニティ形成を進める手順の流れを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明のシステムを実施するための最良の形態を詳細に説明する。本明細書にあっては、〇〇部、△△装置というとき、サーバ(サーバコンピュータ)などのコンピュータのCPU(中央処理装置)が必要なコンピュータブログラムを読み込んで機能する状態について表現する。したがって、これらの「〇〇部」「△△装置」は、物の発明の構成要素である。
【0026】
図1は、本発明の実施形態に係る動物忌避装置10の構成を示すブロック図である。赤外線センサー11は、ネズミなどの動物が動くのを検出するセンサーである。ネズミなどの生き物が動くとそれを検出する。そして、赤外線センサー11が何らかの動物の動きを検出したことをトリガーとして、他の機器すなわち赤外線カメラ12、収音マイク18などを動作させるようにすることができる。
臭気センサー15a,15b,15c、15d、15e、15fもまた、ネズミなどの動物の存在をその体臭に基づいて検出するセンサーとして用いることができる。臭気センサー15を用いる場合は、死骸ができた場合に、その死骸が臭気を発するために生きているネズミの動きを検出できなくなる可能性があるので、それを取り除くことが必要となる。
臭気センサー15a,15b,15c、15d、15e、15fを動物忌避装置を設置する場所を決めるために用いることができる。糞の跡は目で見えるが、尿の跡、通り道は目で見えないからである。動物忌避装置を設置した後には、赤外線カメラ、赤外線センサーと同時に作動し、より正確なネズミの存在を確定させるのに役立つ。また臭気センサーが作動しないということが「もうネズミが出ない」ということの証明にもなる。動物忌避装置を設置した後も、臭気センサー15a,15b,15c、15d、15e、15fを動物忌避装置の設置候補場所(移動候補場所)に設置しておき、それらの地点におけるデータを取得することによって、動物忌避装置の設置場所を変更するための情報を取得することも可能である。
【0027】
衝撃波発生器13は、動物を驚かすための衝撃波を発する、あるいは超音波を発してネズミなどを忌避するものである。超音波と衝撃波とを組み合わせることが望ましい。音(人間にとって可聴域かそうでないかに関わらず)の大きさは、設計事項であるが、いくつかのパターンの音の発生プログラムを用意しておき、切換可能とすることができる。一つの施設(飲食店の施設など)に、たとえば30個ほどの衝撃波発生器を設置することが望ましい。衝撃波は、音圧が105db/mが望ましい。また、音波は自動可変(左右)とすることが望ましい。
【0028】
ストロボフラッシュライト14は、ネズミなどの動物が嫌う色の光を強く発するものである。Stage Evolution(株式会社サウンドハウスの登録商標)という名で市販されている舞台照明用の丸型タイプのライトを用いることができる。ネズミは色を判別できないという説もあるが、ネズミが目又は体表面で光の波長を感じると考えられ、緑色または赤色がネズミの嫌う色であることが発明者の実験によって判明した。波長の違い、強さの違い、点滅間隔など、色の発生プログラムもいくつか用意しておいて、切換可能とすることができる。
ストロボライトと音は、同時に作動することでよりネズミに恐怖を与え、機器設置場所から逃げていく。ネズミは縄張り意識が強いので、その場所から他の場所に移動したら、他のネズミに追い返されるか、殺される。またネズミは三日程度食事ができないと餓死する。結果的にこの機器を用いるとネズミが設置場所でなく、外に出て死ぬことになり、死骸の始末をしないで済む。また狭い場所で死骸が見つからずに腐ってしまい、蛆がわく、臭気が出る、黴菌が発生するなどが防げる。
【0029】
赤外線カメラ12は、暗い中で動くものの映像を撮影可能なカメラである。映像を録画できるとともに音を同時に録音可能な収音マイク18を備えるようにしてもよい。また、被写体が動くにつれてそれを追尾して撮影できるようにモータをとりつけたものができる。モータをつけて追尾することで忌避範囲を広くすることが可能である。動物を見つけたときの映像及び動物が逃げていく映像、追い払った映像を保存し、ユーザが見ることができるように構成することで、ネズミ忌避の証拠を得ることができ、ユーザは動物忌避装置を設置したことの効果を確認できる。ネズミには縄張りがあり、設置したところから他の場所に逃げれば、そこにいるネズミに攻撃され、殺傷される。したがって、動物忌避装置を設置した場所で殺す必要がないので、ネズミの死骸を処理する必要が生じない。
【0030】
動物特徴解析装置19は、赤外線カメラ12が撮影した映像及び収音マイク18が取得した音声データを解析して当該動物の特徴を解析し、特定する装置である。このとき当該動物がネズミであるとしたら、どのような種類のネズミであるか、ハクビシンであるとしたら、どのような種類のハクビシンであるかを詳細に特定することが望ましいが、詳しい特定ができないとしても、当該動物に対してどのような衝撃波、どのようなストロボライトを用いて忌避をする(追い払う)のが望ましいかを関係づけるに必要な特徴が得られれば、本発明にかかる動物忌避装置10を動作させることが可能である。
忌避情報データベース装置20には、「動物の特徴」、「当該動物を忌避するのに適した衝撃波の波長・音量、光の波長・強さ」、「過去に効果のあったデータであるか、それとも試す価値あるデータであるか」が関連付けて格納されている。
動物を検知した場合に、後述する忌避制御部16の働きにより、動物特徴解析装置19が解析して得た動物の特徴に照らし合わせて、忌避情報データベース装置20を参照して過去に効果のあったデータに基づく波長、強さで衝撃波発生器13,ストロボフラッシュライト14が作動する。そして、赤外線カメラ12及び収音マイク18は、引き続き作動して、当該動物が逃げたこと(追い払われたこと)を検知する。すると忌避実績登録装置21が当該データ(当該特徴を持つ動物が当該波長・強さの衝撃波・光で忌避できたこと)を前述の忌避情報データベース装置20に追記する。
衝撃波発生器13及びストロボフラッシュライト14が作動したにもかかわらず、その後の赤外線カメラ及び収音マイクの監視によって、忌避できなかった場合には、忌避制御部16は、忌避情報データベース装置20を再度参照して、試す価値あるデータを参照してそれに基づいて衝撃波発生器13及びストロボフラッシュライト14を作動させる。忌避情報データベース装置20が格納する試す価値あるデータは、複数あることが望ましい。そして、当該動物が忌避できるまで繰り返し「試す価値あるデータ」の参照が順次なされていき、忌避できた場合に、忌避情報更新装置22が当該動物を忌避できたことを「動物の特徴」、「当該動物を忌避するのに適した衝撃波の波長・音量、光の波長、強さ」、「過去に効果のあったデータであること」組合せの情報として更新登録を行う。
【0031】
忌避制御部16は、臭気センサー15,赤外線センサー11が動物を検出することに基づいて、衝撃波発生器13、赤外線カメラ12、ストロボフラッシュライト14を動作させる制御部である。マイクロチップなどのCPU(中央処理装置)を含むものとし、外部からプログラムを書き換えたり、切換えたりすることが可能であるように構成される。後述する管理サーバ100を介して、ユーザがユーザ端末1を介してプログラム変更が可能である。
【0032】
通信部17は、インターネットとの通信を実行する。後述する管理サーバ100とつながり、また管理サーバ100を介してユーザ端末1(スマホ、PC、タブレットコンピュータなど)とつながって、ユーザが動物忌避装置10の効果を情報開示サーバ300を介して知り、その動作の切換をするのに通信部17は欠かせない。
ネズミの仲間であるヌートリアルなどが田畑に出てイネや野菜が被害を受けることが知られている。捕獲機などではネズミが利口なので一度かかると二度はかからない。本発明に係る動物忌避装置10は、動作の切換が千差万別に可能となるので、動物忌避装置10を防水タイプとして構成すれば、屋外でも使用可能である。ネズミは夜行性であるので、特に夜間での使用が望まれる。ハクビシンや他の哺乳類(鹿、きょん、タヌキなど)にも効果が確認された。
【0033】
図2は、本発明の実施形態に係る動物忌避装置10が動物を忌避する際の動作を示すシーケンス図である。臭気センサー15、赤外線センサー11が動物の存在を検出すると、その信号(動物検知信号)は、忌避制御部16及び通信部17に送られる。忌避制御部16が動物検知信号を受け取ると、忌避制御部16は、ストロボフラッシュライト14に対してライト動作指示の信号を送り、衝撃波発生器13に対して音波(衝撃波)発生指示信号を送る。そして、同時に赤外線カメラ12を動作させる。ストロボフラッシュライト14が動作したことを示す信号、衝撃波発生器13が動作したことを示す信号、及び赤外線カメラの映像(音声)信号は、通信部17を介して管理サーバ100に送られる。また、忌避情報データベース装置20の情報は、管理サーバ100の忌避情報メタデータベース装置142に送られ、臭気センサー15の検知情報は、管理サーバ100の臭気センサー検知情報管理部127を介して臭気センサー検知情報データベース装置145に送られる。
赤外線カメラの撮影は、常時行って管理サーバ100に送ることとしてもよい。また、ユーザがスマホなどの端末で見たい時に赤外線カメラを作動させることとしてもよい。
【0034】
図3は、本発明の実施形態に係る動物忌避装置10がインターネットを介して制御されることを示すシーケンス図である。動物忌避装置10の動作プログラムは、あらかじめ複数用意しておいて、ユーザがプログラムを書き換えるようにすることができる。
図3に示すように、ユーザ端末から管理サーバに制御プログラム書き換え指示信号を送る。すると、管理サーバ100では、本人確認処理を行って当該指示が間違いなく本人からのものであることを確認してから、プログラム書き換え処理を実行する。すなわち通信部を介して忌避制御部に書き換え指示を出すとともに、書き換えのプログラムを送る(またはプログラムのありかについての情報を送ってそこにアクセスさせる)。忌避制御部では、その指示を受けてプログラムを変更する(必要ならばダウンロードしてインストールする)。プログラムが変更されてインストールが完了すると、忌避制御部は、管理サーバに完了通知の旨を知らせる。そして、管理サーバは、ユーザ端末に完了通知を送る。
このようなプログラムの変更は、ユーザ自身が環境の変化に応じて行うことができる。また、専門家の助言に基づいて行うことができる。
書き換えるための新しいプログラムは、専門家の絶えざる研究に基づいて準備されることができる。管理サーバ100では、プログラム情報データベース装置141が複数のプログラムを格納し、プログラム管理部111がその格納処理などを管理する。
【0035】
図4は、本発明の実施形態にかかる動物忌避システムの全体構成を概略的に示す図である。中央やや右側に縦長の長円で描かれているのがインターネット網である。このインターネット網を介して複数のユーザ端末1、複数の専門家端末51,管理サーバ100,情報加工サーバ200,情報開示サーバ300,コミュニティ形成サーバ400が接続される。ユーザ端末1及び専門家端末51は、ここではスマートフォンを想定して描かれている。タブレットコンピュータやノートパソコンなどを用いてもよい。
図4に描かれている動物忌避装置10には、情報埋め込み図形(たとえばQRコード(登録商標))が付されており、当該装置のスペック(仕様)を明らかにするための識別情報として用いられる。情報埋め込み図形には、当該動物忌避装置が出荷当初に用いているコンピュータプログラムがどのようなものであるかとい情報にアクセスするための情報が埋め込まれており、ユーザはたとえばスマートフォンのカメラでそれを撮影することにより、当該情報にアクセスできるように構成される。ユーザは、会員登録をしなくてもある程度の情報にアクセス可能であるが、会員登録を済ませて管理サーバをはじめとする本システムの使用が深まるにつれて、より詳しい情報にまでアクセスすることができるよう、会員種別ごとに(見込み客、見学客であるのか、使用期間中の客であるのか、購入契約・レンタル契約・リース契約を済ませた客であるのかの違いにより)アクセス可能な情報を制限することが望ましい。見込み客、見学客であれば、過去の忌避実績を示すデータや、実際の動物が忌避する様子を撮影した動画、過去数か月の実績を示す統計情報としてのグラフを示すのに対し、購入して使用する客に対しては、当該ユーザ自身のシステムがどのように機能しているかを示す動画や、グラフを示すことができる、というように差を設けるものである。
【0036】
専門家は、専門家端末51を用いて動物忌避装置を効果的に用いるための様々な情報をシステムに送る。専門家の提供する情報は、ユーザが情報開示サーバ300を介して知ることができる。管理サーバ100は、専門家、ユーザ、それぞれの会員登録、会員種別、会員情報、個人情報などを扱って、外から(たとえばハッカーから)の攻撃に対して守って、正しくアクセス権限を持った人が正しい情報にアクセス可能であるように管理する。情報加工サーバ200は、専門家が入力した情報又はユーザ自身の動物忌避装置の利用現況に関する情報を加工して、広く多くのユーザがアクセスし、利用しやすいものにする。情報開示サーバ300は、ユーザが専門家に関する情報又は多くのユーザが提供するビッグデータにアクセスする際に、当該専門家に関する情報やビッグデータに関する情報をユーザに開示するサーバである。コミュニティ形成サーバ400は、特定の専門家と特定のユーザとが、交流する(たとえば、動物忌避装置の機器設置作業体験会に参加したり、家庭における機器設置の指導をするなど)ことを支援するサーバである。
【0037】
図4において、臭気センサー15a,15b,15c,15d,15e,15fは、それぞれが直接インターネット網に接続されて動物忌避装置10や、管理サーバ100,情報加工サーバ200、情報開示サーバ300,コミュニティ形成サーバ400とつながるように描いてあるが、最寄りの動物忌避装置10を介してインターネット網につながるように構成してもよい。また、臭気センサー15a,15b,15c,15d,15e,15f を動物忌避装置の設置場所を選定するため、候補場所に設置してデータを所定期間取得するという目的のみのために用いることとしてもよいが、その後も設置し続けることにより、動物忌避装置の設置場所変更提案に役立てることができる。また、動物忌避装置の効果を確認するための装置として使用し続けることとしてもよい。
図4には描いていないが、動物忌避装置の機器表面又は取扱説明書などに印刷を施す印刷業者がいて、機器に情報埋め込み図形を印刷する。機器に印刷された情報埋め込み図形は、流通過程にあっても、小売店の店頭にあっても、ユーザの設置場所においても、読み込んでこのトレースシステムにアクセス可能となる。流通過程にあっては、この情報埋め込み図形を読み込むことによって、デモンストレーション情報や、デモンストレーション動画にアクセスできるように構成することが可能である。
【0038】
図5は、本発明の実施形態にかかる動物忌避システムにおける管理サーバ100の内部構成を概略的に示す図である。管理サーバ100は、ユーザ会員情報を登録管理するユーザ会員情報管理部105、ユーザ会員情報のデータを保持するユーザ会員情報データベース装置130,ユーザ個人情報を登録管理するユーザ個人情報管理部110,ユーザ個人情報のデータを保持するユーザ個人情報データベース装置140,ユーザが所有する動物忌避装置の機器に組み込まれたプログラムを管理するプログラム管理部111、動物忌避装置の機器に組み込むプログラムの情報を格納するプログラム情報データベース装置141,動物忌避装置又はその取扱説明書に付された情報埋め込み図形情報を管理する情報埋め込み図形情報管理部115、情報埋め込み図形情報を保持する情報埋め込み情報データベース装置150、専門家会員情報を登録管理する専門家会員情報管理部120、専門家会員情報のデータを保持する専門家会員情報データベース装置155、専門家のプライバシーに関する個人情報を登録管理する専門家個人情報管理部125、専門家個人情報を保持する専門家個人情報データベース装置160,臭気センサー検知情報を格納する検知情報データベース装置145,臭気センサーの検知情報を管理する臭気センサー検知情報管理部127,個々の動物忌避装置の忌避情報データベース装置に格納された動物忌避の実績に関する情報及び試す価値あるデータを当該動物忌避装置の仕様や、設置場所の情報と結び付けて格納する忌避情報メタデータベース装置142,インターネット網と接続する通信を実行する通信処理部170を有している。
【0039】
管理サーバ100が、忌避情報メタデータベース装置142を有しているので、各地に複数設置された動物忌避装置10は、動物忌避をできた実績のデータを次々と管理サーバ100の忌避情報メタデータベース装置142に集結させる。そして、動物忌避装置10の忌避情報更新装置22は、管理サーバ100の忌避情報メタデータベース装置142にアクセスして他の動物忌避装置10の実績データを参照することにより、自己の忌避情報データベース装置20を更新することができる。これにより忌避情報データベース装置20の「試す価値あるデータ」の拡充がなされて、当該動物忌避装置10において、動物忌避が一度で成功しなかった場合に他の周波数・強さの衝撃波やストロボフラッシュを試す際の選択肢の数を増やすことが可能となる。
ユーザは、購入した動物忌避装置の機器の外部に印刷または貼付された情報埋め込み図形(たとえば二次元バーコード)をスキャンして管理サーバにアクセスし、ユーザ登録をすることで、使用する機器との紐づける作業が完了する。
通信処理部170に相当するものは、他のサーバも有しているが、
図6、
図7,
図8では描くのを省略した。
【0040】
図6は、本発明の実施形態にかかる動物忌避システムにおける情報加工サーバ200の内部構成を概略的に示す図である。情報加工サーバ200は、(ユーザ又は)専門家が提供する情報を抽出する情報抽出部220と、得られた情報から個人情報や秘密情報を捨象する情報捨象部240と、開示可能な情報として整える情報加工部260とを有している。専門家又はユーザから提供される情報は、情報開示サーバ300により不特定多数に開示される情報であるので、プライバシーを保護し、秘密情報を保護する観点から、不要なものを除外する。また、複数の専門家が、それぞれ自己の機器設置場所や、設置方法などについての情報を提供するので、その形態にばらつきが出る可能性がある。それを整えることによりユーザに使いやすいものとする。
【0041】
図7は、本発明の実施形態にかかる動物忌避システムにおける情報開示サーバ300の内部構成を概略的に示す図である。情報加工サーバ200によって開示可能な状態に整えられた情報は、開示情報データベース装置320に蓄えられる。開示情報データベース装置320には、会員のそれぞれの種別ごとにアクセス可能な情報が類別されて保持される。ユーザ会員(又は専門家会員)が開示情報データベース装置320にアクセスしようとする時に、当該会員の会員種別を判断する会員種別判断部340、そして当該会員種別に許された範囲の情報について情報開示を許諾する情報開示許諾部360とが情報開示サーバ300にはある。これにより、会員種別ごとに適した情報にアクセス可能となる。この会員種別は、たとえばユーザ会員の契約形態の違い、定期的に納入する会費の額の多いか少ないかによって決めることができる。また、専門家との交流実績に基づいて会員種別を決めることができる。さらにまたクイズを出してその正解率に基づいて会員種別を決めてもよい。専門家が提供する知識にどれだけ習熟したかという実績に基づいて会員種別を定めてもよい。会員種別は会員情報の一部であって、管理サーバ100のユーザ会員情報管理部105,専門家会員情報管理部120を介して、ユーザ会員情報データベース装置130,専門家会員情報データベース装置155に格納される。
【0042】
情報開示サーバ300に蓄えられてユーザに開示される情報の中には、専門家についての情報も含まれる。どのような専門家が在籍しているのか、そしてその専門家がどのような有益な情報を提供しているかについての情報が各ユーザに開示される。その情報に触れたユーザが当該専門家と情報のやり取りをしたい、当該専門家の意見を聴きたいという場合に当該ユーザは、その専門家に対して一定期間、自己の所有する(使用する)動物忌避装置の情報にアクセスする権限を渡すことが望ましい。ユーザがそれを欲する場合に、当該ユーザが当該専門家についての情報を示す表示のそばに設けられた「この専門家に1カ月間、私の動物忌避装置の情報へのアクセスを許可します」という旨のボタンを押すと、情報開示サーバ300の専門家会員情報更新部380が機能して、管理サーバ100の専門家会員情報管理部120に働きかけて、専門家会員情報データベース装置155の当該専門家の会員情報の一部である会員種別が書き換えられ、当該ユーザが見ることのできる情報へ1カ月間アクセスすることが可能となる。また、後述するコミュニティ形成サーバ400の働きにより、当該ユーザと当該専門家との間の交流が、メール、チャット、動画のやりとり、ファイルのやり取りなどの手段により可能となる。
【0043】
情報開示サーバ300のコミュニティ誘導部390は、「専門家とユーザとの一対一の交流」、「ユーザ同士の一対一の交流」、「専門家と複数のユーザとの交流」、「複数のユーザ同士の交流」などを実現する為に、情報開示サーバ300が専門家又はユーザに対して誘導するための表示をする機能を有する。「他のユーザ又は専門家との交流を希望する方はこちらから」という表示をするか、交流を希望するユーザ又は専門家のプロフィールを表示して「この方との交流をするにはこちらから」という表示をして、コミュニティ形成サーバ400が生成し運営するコミュニティへの参加を促す。
【0044】
図8は、本発明の実施形態にかかる動物忌避システムにおけるコミュニティ形成サーバ400の内部構成を概略的に示す図である。コミュニティ形成サーバ400は、(たとえばユーザ)会員の一人が特定の専門家に対して助言を求めたり、質問をしたり、機器設置作業を見せて欲しいと依頼したりといった交流をすることを申し出ることを処理する交流申し出部420,交流の申し出を受けた専門家がそれを受諾する処理を実行する申し出受諾部440,チャットや通話、テレビ電話やメールなどのやり取りを処理する交流部460,一対一又は複数のユーザと専門家との間でトークルームを作成するトークルーム生成部465、そのトークルームを管理するトークルーム管理部470,交流した実績に基づいて当該専門家をユーザが評価する専門家評価部475、ユーザと専門家との間で相互評価を実行する相互評価部485、評価結果に基づいて金銭的な価値を有するポイントを付与するポイント付与部490を有している。
トークルーム生成部465は、一対一の交流のみならず、複数人が同時に交流するためのグループルームを生成する機能をも有しており、専門家又はユーザでグループを作成したい人が、座長となってグループを作ることが可能となっている。専門家又はユーザは、他人が作ったグループに参加するか、自らグループを作成するかのいずれかにより、複数人の交流をすることができる。
【0045】
図9は、本発明の実施形態にかかる動物忌避システムにおける情報加工サーバ200が情報を加工して、情報開示サーバ300が情報を開示する手順の流れを示すシーケンス図である。このシーケンス図にあっては、上から下へと時間が流れる。情報加工サーバが管理サーバに対して各種情報を要求する。すると管理サーバは、情報加工サーバに対して各種情報を引き渡す。情報加工サーバが各種情報を受け取ると、その情報から必要な情報を抽出し、個人情報や秘密情報を捨象する。そして、開示すべき情報として整える(情報加工)。情報加工サーバにより加工された情報は、情報開示サーバに引き渡されてデータベース装置に格納される。
ユーザ端末又は専門家端末から、情報開示サーバ300に対してアクセスがなされると、情報開示サーバ300は、管理サーバ100のユーザ会員情報データベース装置130,専門家会員情報データベース装置155を参照して当該会員の会員種別を判断する。そして、当該会員の種別に適合した情報を開示する。その情報が開示されると、ユーザ端末又は専門家端末に当該情報が表示される。
【0046】
図10は、本発明の実施形態にかかる動物忌避システムにおけるユーザが本システムを用いて、コミュニティ形成を進める手順の流れを示すシーケンス図である。たとえばユーザ1がユーザ2に対して交流を申し出ると、コミュニティ形成サーバが仲介して交流の申し出処理がなされ、ユーザ2に伝達される。ユーザ2がその申し出を受諾する場合には、コミュニティ形成サーバ400を介してその旨が伝えられ、交流が受諾される。そして、コミュニティ形成サーバがお膳立てするのにしたがって、ユーザ1、ユーザ2のチャット、音声通話、ビデオ通話などの交流がなされる。交流した相手との間の交流に満足すると、相互評価をそれぞれの会員がなして、肯定的評価をすることにともなって運営者側がポイント付与をする。ここでは、ユーザ同士の交流としたが、ユーザと専門家との交流も同様になされる。
専門家が、多数のユーザに対してトークルームの形成を申し出て、コミュニティ形成サーバがそれを受けてトークルームを形成する。ユーザ1、ユーザ2がそれに参加するというやり方でトークルームを開催することができる。形成されたトークルームにおいて、専門家が自らの経験や知識に基づいて、コーチ、カウンセリング、指導、助言、コンサルタントを行い、また機器設置の作業を体験する体験会を開催してそれへの参加を呼び掛けることができる。たとえばネズミに不慣れなユーザが実際の機器設置作業に参加するなどして、ネズミの生態に触れることで不要な殺生を避けることが期待できる。そのような交流実績に基づいて専門家を評価して、ポイント付与することができる。
【0047】
≪実施例≫
情報開示サーバ300の開示情報データベース装置320には、テキストデータ、静止画データ、動画データなどを含む。たとえば、「会員データ分析やアクセス数が多い事項に対して、その事項」に関してテキストデータ、静止画データ、動画データを用いて提案することが可能である。
コミュニティ形成サーバ400が、機器設置の作業を体験する体験会を開催する場合に、その際の動画を撮影し、その動画を開示情報データベース装置320に格納して、所定の会員に対してアクセス可能とすることができる。
コミュニティ形成サーバ400によるコミュニティ形成のための交流は、実際に人と人とが対面して行うことが望ましい。人と人との交流の一部をウェブを介して遠隔会議を用いて行うこととしてもよい。
【0048】
以上、本発明の動物忌避システムについて、具体的な実施の形態を示して説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。当業者であれば、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、上述の実施形態におけるサーバコンピュータの構成及び機能に様々な変更・改良を加えることが可能である。
また、実施形態において4つのサーバコンピュータを設けることとしたが、これらの有する機能を適宜、分担又は統合することによりサーバコンピュータの数を増減することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明のシステムは、飲食業、農産業、林産業、牧畜業など動物を忌避又は保護する必要がある業種において広く利用することができるものである。
【符号の説明】
【0050】
1 ユーザ端末
10 動物忌避装置
11 赤外線センサー
12 赤外線カメラ
13 衝撃波発生器
14 ストロボフラッシュライト
15a,15b,15c,15d,15e,15f 臭気センサー
16 忌避制御部
17 通信部
18 収音マイク
19 動物特徴解析装置
20 忌避情報データベース装置
21 忌避実績登録装置
22 忌避情報更新装置
51 専門家端末
100 管理サーバ
105 ユーザ会員情報管理部
110 ユーザ個人情報管理部
111 プログラム管理部
115 情報埋め込み図形情報管理部
120 専門家会員情報管理部
125 専門家個人情報管理部
127 臭気センサー検知情報管理部
130 ユーザ会員情報データベース装置
140 ユーザ個人情報データベース装置
141 プログラム情報データベース装置
142 忌避情報メタデータベース装置
145 臭気センサー検知情報データベース装置
150 情報埋め込み図形情報データベース装置
155 専門家会員情報データベース装置
160 専門家個人情報データベース装置
170 通信処理部
200 情報加工サーバ
220 情報抽出部
240 情報捨象部
260 情報加工部
300 情報開示サーバ
320 開示情報データベース装置
340 会員種別判断部
360 情報開示許諾部
380 専門家会員情報更新部
390 コミュニティ誘導部
400 コミュニティ形成サーバ
420 交流申し出部
440 申し出受諾部
460 交流部
465 トークルーム生成部
470 トークルーム管理部
475 専門家評価部
485 相互評価部
490 ポイント付与部
【要約】
【課題】ユーザが装置を制御し効果を確認できる。
【解決手段】動物忌避装置とユーザ端末と専門家端末と管理サーバと情報加工サーバと情報開示サーバをインターネットで接続してなる動物忌避システムであって、動物忌避装置は赤外線センサーと赤外線カメラと衝撃波発生器とストロボフラッシュライトと臭気センサーと忌避制御部と通信部とを有し、管理サーバはユーザ会員情報データベース装置と情報埋め込み図形情報データベース装置と専門家会員情報データベース装置とユーザ会員情報管理部と情報埋め込み図形情報管理部と専門家会員情報管理部と通信処理部とを有し、情報加工サーバは情報抽出部と情報捨象部と情報加工部とを有し、情報開示サーバは開示情報データベース装置と会員種別判断部と情報開示許諾部とを有し、会員種別に応じてアクセスができるように管理する。
【選択図】
図4