(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-17
(45)【発行日】2023-03-28
(54)【発明の名称】蓋状部品
(51)【国際特許分類】
F16H 57/031 20120101AFI20230320BHJP
【FI】
F16H57/031
(21)【出願番号】P 2022534954
(86)(22)【出願日】2021-06-02
(86)【国際出願番号】 JP2021021016
(87)【国際公開番号】W WO2022009568
(87)【国際公開日】2022-01-13
【審査請求日】2022-12-27
(31)【優先権主張番号】P 2020118332
(32)【優先日】2020-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000231350
【氏名又は名称】ジヤトコ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100148301
【氏名又は名称】竹原 尚彦
(74)【代理人】
【識別番号】100176991
【氏名又は名称】中島 由布子
(74)【代理人】
【識別番号】100217696
【氏名又は名称】川口 英行
(72)【発明者】
【氏名】日▲高▼ 萌
(72)【発明者】
【氏名】吉田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】藤井 俊行
【審査官】前田 浩
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-19887(JP,A)
【文献】国際公開第2019/176329(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 57/031
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動オイルポンプと対向配置される蓋状部品であって、
前記蓋状部品は、
プレート部と、当該プレート部の外周縁を囲む周壁部と、を備え、
前記プレート部の蓋側コネクタが突出する面に、前記電動オイルポンプの少なくとも一部を収容する収容溝が形成されている、蓋状部品。
【請求項2】
請求項1において、
前記蓋側コネクタが突出する面の反対側に、前記蓋側コネクタと接続するコントローラが設置されている、蓋状部品。
【請求項3】
請求項2において、
前記コントローラと、前記プレート部と、の間にクリアランスが介在している、蓋状部品。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一において、
外周壁と内周壁とに挟まれたシール溝を有し、
前記シール溝に収容されるシールを有し、
前記外周壁又は前記内周壁の少なくとも一方に、前記シールに設けられたタブがはめこまれる切欠部を有する、蓋状部品。
【請求項5】
請求項4において、
前記切欠部を前記内周壁に有し、前記切欠部は、前記収容溝が配置された収容溝配置領域を避けて配置されている、蓋状部品。
【請求項6】
請求項5において、
前記蓋側コネクタが配置されたコネクタ配置領域を有し、
前記切欠部は、前記収容溝配置領域及び前記コネクタ配置領域を避けて配置されている、蓋状部品。
【請求項7】
請求項4乃至請求項6のいずれか一において、
前記切欠部より幅の広い他の切欠部と、
前記他の切欠部にはめこまれ、前記タブよりも幅の広い他のタブと、を有する、蓋状部品。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7のいずれか一に記載の蓋状部品と、前記電動オイルポンプと、を有する装置であって、
前記電動オイルポンプと前記蓋状部品とは、第1方向においてオーバーラップし、
前記電動オイルポンプと前記蓋側コネクタとは、前記第1方向と交差する第2方向においてオーバーラップする、装置。
【請求項9】
請求項8において、
前記蓋側コネクタと接続する装置側コネクタと、を有し、
電動オイルポンプは、インバータと、前記インバータと接続する回転電機と、を有し、
前記インバータは、前記第2方向において前記回転電機と前記装置側コネクタとの間に配置されている、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓋状部品に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1、2には、車両における動力伝達に係わる装置において、電動オイルポンプ室の蓋に変速機コントローラ(ATCU:Automatic Transmission Control Unit)が取り付けられた構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-19887号公報
【文献】特開2019-19888号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
装置に含まれる蓋状部品であって、装置のレイアウト性に寄与する蓋状部品を提供することが求められている。若しくは、当該蓋状部品を有する装置を提供することが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のある態様は、
電動オイルポンプと対向配置される蓋状部品であって、
蓋側コネクタが突出する面側に前記電動オイルポンプの少なくとも一部を収容する収容溝を有する構成の蓋状部品とした。
【発明の効果】
【0006】
本発明のある態様によれば、装置のレイアウト性に寄与する蓋状部品を提供することができる。若しくは、当該蓋状部品を有する装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】変速機ケース内における無段変速機の各構成要素の配置を説明する概略構成図である。
【
図3】変速機ケースと蓋状部品との配置を示す図である。
【
図4】変速機ケースと電動オイルポンプとの配置を示す図である。
【
図7】蓋状部品と電動オイルポンプとの配置を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本実施形態にかかる蓋状部品4を有する装置として、車両における動力伝達に係わる装置であるベルト式の無段変速機1を例に挙げて説明する。
【0009】
図1は、変速機ケース2内における無段変速機1の各構成要素の配置を説明する概略構成図である。
図1では、バリエータ20、ギヤ列21、ファイナルギヤ22及び差動装置23を、簡略的に仮想線で示している。
図2は、変速機ケース2を説明する図である。
図2は、
図1におけるA-A方向から見た無段変速機1の斜視図である。
なお、本明細書及び図面中、車両前後方向(第1方向)、車両左右方向(第2方向)及び鉛直線VL方向とは、車両に搭乗した運転者から見た方向を意味する。車両前後方向、車両左右方向及び鉛直線VL方向は、互いに交差(直交)する。
【0010】
図1に示すように、無段変速機1のバリエータ20は、プライマリプーリ201と、セカンダリプーリ202と、ベルト等の動力伝達部材203と、を有している。
プライマリプーリ201は、図示しない駆動源の回転駆動力が入力されて回転軸X1(プライマリプーリ201の軸中心)回りに回転する。セカンダリプーリ202は、回転軸X1に平行な回転軸X2(セカンダリプーリ202の軸中心)回りに回転する。
【0011】
動力伝達部材203は、プライマリプーリ201の外周とセカンダリプーリ202の外周とに巻き掛けられている。プライマリプーリ201に入力された回転駆動力は、動力伝達部材203を介してセカンダリプーリ202に伝達される。
【0012】
バリエータ20では、プライマリプーリ201からセカンダリプーリ202に回転駆動力を伝達する際に、プライマリプーリ201における動力伝達部材203の巻き掛け半径と、セカンダリプーリ202における動力伝達部材203の巻き掛け半径とが変更される。これにより、プライマリプーリ201に入力された回転駆動力が変速されて、セカンダリプーリ202に伝達される。
【0013】
回転駆動力を変速する変速比は、プライマリプーリ201とセカンダリプーリ202における動力伝達部材203の巻き掛け半径に応じて決まる。巻き掛け半径は、無段変速機1を搭載した車両の走行状態などに基づいて、変速機コントローラ9によって決定される。
【0014】
セカンダリプーリ202に伝達された回転駆動力は、ギヤ列21と、ファイナルギヤ22と、差動装置23とを介して、最終的に駆動輪(図示せず)に伝達される。
【0015】
変速機ケース2の外周壁25は、変速機ケース2の内部に、バリエータ20、ギヤ列21、ファイナルギヤ22及び差動装置23を収容する第1室S1を形成している。
【0016】
図2に示すように、変速機ケース2は、当該変速機ケース2を挟んだ一方側(図中、右側)からサイドカバーScが取り付けられ、他方側(図中、左側)からコンバータハウジングChが取り付けられている。
無段変速機1は、変速機ケース2とサイドカバーScとコンバータハウジングChの重ね合わせ方向を車両左右方向(車幅方向)に沿わせた状態で、駆動源(図示せず)に取り付けられている。
【0017】
図1に示すように、変速機ケース2は、当該変速機ケース2の外周壁25の下部開口250を囲む周壁部26を有している。
変速機ケース2の周壁部26には、鉛直線VL方向下側からオイルパン27が取り付けられている。オイルパン27は、周壁部26に固定された状態で、外周壁25の下部開口250を塞いでいる。オイルパン27は、変速機ケース2の下部に作動油OL(オイル)の貯留空間となる第3室S3を形成している。
【0018】
第3室S3内には、コントロールバルブユニットBが配置されている。
コントロールバルブユニットBは、アッパーバルブB1とロアバルブB2とを重ね合わせて構成されている。アッパーバルブB1とロアバルブB2との間にはセパレートプレート(図示せず)が介在している。アッパーバルブB1とロアバルブB2は、内部にそれぞれ油路(図示せず)が形成されており、セパレートプレートと合わせて油圧制御回路を構成している。
【0019】
コントロールバルブユニットBは、アッパーバルブB1とロアバルブB2の重ね合わせ方向を鉛直線VL方向に沿わせた状態で、第3室S3に収容されている。
【0020】
変速機ケース2の内部空間は、鉛直線VL方向上側が第1室S1となっており、下側が第3室S3となっている。また、第1室S1の容積は、第3室S3の容積よりも十分大きくなるように設定されている。
【0021】
図1に示すように、外周壁25における車両前方側の領域(図中、左側)は、鉛直線VL方向に延びる仕切壁部251となっている。
仕切壁部251には、オイルクーラOCと電動オイルポンプ3が固定されている。仕切壁部251において電動オイルポンプ3は、オイルクーラOCよりもオイルパン27側(鉛直線VL方向下側)に配置されている。
【0022】
仕切壁部251は、オイルクーラOCが取り付けられた第1壁252と、電動オイルポンプ3が取り付けられた第2壁253と、を有している。第2壁253は、鉛直線VL方向における第1壁252の下側に位置している。
【0023】
図1および
図2に示すように、変速機ケース2の下部開口250を囲む周壁部26には、車両前方側に膨出領域261が形成されている。膨出領域261は、仕切壁部251よりも車両前方側まで膨出している。
【0024】
図1に示すように、鉛直線VL方向における膨出領域261とオイルクーラOCとの間の領域には、電動オイルポンプ3を囲む壁部28が形成されている。壁部28で囲まれた空間は、電動オイルポンプ3の収容空間となる第2室S2となっている。壁部28には、第2室S2の開口を塞ぐ蓋状部品4が取り付けられている。
【0025】
図3は、変速機ケース2と蓋状部品4との配置を示す図である。
図3は、壁部28から蓋状部品4を離間させて示すと共に、蓋状部品4を分解して示した分解斜視図である。
図4は、変速機ケース2と電動オイルポンプ3との配置を示す図である。
図4は、
図3の車両前後方向における蓋状部品4側から壁部28を見た図である。
なお、
図4ではコントロールバルブユニットBとワイヤーハーネス11を破線で記載してある。また、作動油OLの油面は省略してある。
【0026】
図4に示すように、壁部28は、上壁部281と、下壁部282と、側壁部283、284と、から略矩形環状に形成されている。第2室S2は、これら上壁部281と、下壁部282と、側壁部283、284と、で囲まれた空間である。
具体的には、上壁部281は、仕切壁部251における第1壁252と第2壁253との境界部から車両前方側に向けて延出している(
図1参照)。下壁部282は、膨出領域261と一体に形成されている。
図4に示すように、側壁部283、284は、これら上壁部281と下壁部282の端部同士を接続すると共に、鉛直線VL方向に延びている。
【0027】
壁部28におけるオイルパン27側の下方に位置する領域には、第2室S2と第3室S3とを連通させる連通孔282aが形成されている(
図1参照)。連通孔282aは、下壁部282と第2壁253とに跨がるように形成されている。
【0028】
図4に示すように、電動オイルポンプ3は、第3室S3に貯留された作動油OLを吸い上げてコントロールバルブユニットB内に供給するポンプ部30(回転電機)と、当該ポンプ部30の駆動を制御するインバータ部31とから構成されている。
電動オイルポンプ3は、ポンプ部30とインバータ部31とが車両左右方向に沿う直線Lm1方向で隣接した状態で、第2室S2内に収容されている。
【0029】
第2室S2内において、直線Lm1方向におけるインバータ部31を挟んだポンプ部30と反対側には、コネクタ端子Kが配置されている。コネクタ端子Kは、図示しないブラケットを介してインバータ部31に固定されている。
【0030】
コネクタ端子Kは、コントロールバルブユニットBと、後記する変速機コントローラ9とを電気的に接続するための接続端子である。コネクタ端子Kは、コントロールバルブユニットBから延びるワイヤーハーネス11の先端に取り付けられている。ワイヤーハーネス11は、連通孔282aを通ってコネクタ端子KとコントロールバルブユニットBとを接続している(
図1参照)。すなわち、コネクタ端子Kは、無段変速機1(装置)に設けられた装置側端子である。
【0031】
図4に示すように、第2室S2内では、インバータ部31及びコネクタ端子Kは、直線Lm1方向における側壁283側に配置されている。
【0032】
図3に示すように、第2室S2は、車両前後方向における前側が、変速機ケース2の外部に開口している。この状態において、インバータ部31は、壁部28の先端面28aよりも車両前方側に突出している。
【0033】
第2室S2の開口は、壁部28の車両前方側(図中、左側)の先端面28aに固定された蓋状部品4で塞がれている。
【0034】
図3に示すように、蓋状部品4は、内蓋5と、中蓋6と、外蓋7と、から構成されている。これら内蓋5と中蓋6と外蓋7は、車両前後方向に沿う直線Lp方向に沿って順番に重ね合わせられている。
【0035】
[蓋状部品4]
図5は、蓋状部品4の内蓋5を説明する図である。
図5は、蓋状部品4を、
図3の車両前後方向における変速機ケース2側から見た図である。なお、
図5では、分かり易くするために、ガスケット8にクロスハッチングを付してある。また、電動オイルポンプ3を破線で記載してある。
図6は、蓋状部品4を説明する図である。
図6は、
図5におけるA-A断面の模式図である。
【0036】
図5に示すように、内蓋5は、略矩形形状を成す板状の底壁部50(プレート部)と、厚み方向における底壁部50の一方の面50a側の外周縁を全周に亘って囲む周壁部51と、を有している。
【0037】
底壁部50は、第2室S2の開口(
図4参照)を塞ぐ大きさに設定されている。
図6に示すように、内蓋5は、底壁部50の厚み方向を直線Lp方向に沿わせた状態で第2室S2の開口を塞いでいる。なお、内蓋5の底壁部50は、一定の厚さHを有しており、剛性強度が確保されている。
【0038】
図6に示すように、底壁部50には、当該底壁部50を直線Lp方向に貫通する貫通孔501が形成されている。また、底壁部50には、直線Lp方向における底壁部50の一方の面50a(
図6における下側)に開口すると共に、底壁部50の厚さHを少なくする方向に窪む凹溝502が形成されている。
【0039】
図5に示すように、貫通孔501と凹溝502は、底壁部50の長手方向に沿う直線Lm2方向で隣り合っている。また、貫通孔501と凹溝502は、直線Lm2方向における底壁部50の一方側に配置されている(
図5における左側)。
【0040】
図5に示すように、直線Lp方向から見て、貫通孔501は、後記する変速機コントローラ9のコネクタ部91の外形と略整合する形状を有している。
【0041】
図6に示すように、凹溝502は、深さが異なる3つの溝(第1凹溝502a、第2凹溝502b、第3凹溝502c)から構成されている。これら第1凹溝502a、第2凹溝502b、第3凹溝502cは、直線Lm2方向に沿って配置されていると共に、貫通孔501から離れるにつれて深さが段階的に浅くなっている。なお、凹溝502の深さとは、直線Lp方向における底壁部50の一方の面50aから底面までの距離である。
【0042】
図5に示すように、凹溝502は、直線Lm2方向で貫通孔501と隣り合う第1凹溝502aを有している。第1凹溝502aでは、直線Lp方向における底壁部50の一方の面50aから溝底502a1までの深さがD1となっている(
図6参照)。
【0043】
図5に示すように、直線Lp方向から見て、第1凹溝502aは、電動オイルポンプ3のインバータ部31の外形(
図5における仮想線参照)と略整合する形状を有している。第2凹溝502b、第3凹溝502cは、電動オイルポンプ3のポンプ部30(
図5における仮想線参照)と紙面前後方向で重なる位置に形成されている。
【0044】
図5に示すように、凹溝502は、直線Lm2方向における第1凹溝502aを挟んだ貫通孔501と反対側で、第1凹溝502aと連続する第2凹溝502bを有している。第2凹溝502bでは、直線Lp方向における底壁部50の一方の面50aから溝底502b1までの深さが、第1凹溝501aの深さD1よりも浅い深さD2となっている(D2<D1、
図6参照)。
【0045】
図5に示すように、凹溝502は、直線Lm2方向で第2凹溝502bを挟んだ第1凹溝502aと反対側で、第2凹溝502bと連続する第3凹溝502cを有している。第3凹溝502cでは、直線Lp方向における底壁部50の一方の面50aから溝底502c1までの深さが、第2凹溝501bの深さD2よりも浅い深さD3となっている(D3<D2、
図6参照)。
【0046】
図5に示すように、底壁部50の外周縁を全周に亘って囲む周壁部51は、直線Lp方向から見て略矩形環状を成している。具体的には、周壁部51は、直線Lm2方向に延びる長壁511、512と、これら長壁511、512の端部同士を繋ぐ短壁513、514と、から構成されている。
【0047】
図6に示すように、周壁部51は、直線Lp方向における底壁部50の一方の面50aから離れる方向に延びると共に、直線Lp方向における先端面51a側が外側に張り出したフランジ形状を成している。
【0048】
図6に示すように、内蓋5には、直線Lp方向における底壁部50の一方の面50a側において、底壁部50と周壁部51とで囲まれた空間R1が形成されている。
【0049】
図5に示すように、内蓋5の空間R1は、底壁部50のうち貫通孔501が形成された第1領域W1と、底壁部50のうち凹溝502が形成された第2領域W2と、底壁部50のうち貫通孔501および凹溝502が形成されていない第3領域W3とに区画される。第1領域W1、第2領域W2、第3領域W3は、直線Lm2方向における一方側から他方側に向かってこの順番で並んでいる。
第1領域W1は、コネクタ部91が設けられたコネクタ配置領域を構成する。第2領域W2は、凹溝502が設けられた収容溝配置領域を構成する。第3領域W3は、コネクタ配置領域及び収容溝配置領域以外の領域を構成する。
【0050】
第1領域W1は、周壁部51のうち長壁511、512と短壁513とで囲まれている。第2領域W2は、周壁部51のうち長壁511、512で挟まれている。第3領域W3は、周壁部51のうち長壁511、512と短壁514とで囲まれている。
【0051】
図6に示すように、周壁部51の先端面51aには、シール溝55が開口している。
図5に示すように、シール溝55は、周壁部51に沿って底壁部50を囲むように形成されている。シール溝55は、直線Lp方向から見て略矩形環状を成している。
なお、
図5、
図6は、シール溝55に、後記するガスケット8が嵌った状態を示していると共に、ガスケット8を一部切欠いて、シール溝55を露出させている。
【0052】
図5の四角枠にそれぞれ示しているが、シール溝55は、長壁511に形成された第1シール溝551と、長壁512に形成された第2シール溝552と、短壁513に形成された第3シール溝553と、短壁514に形成された第4シール溝554と、から構成されている。第3シール溝553と第4シール溝554は、第1シール溝551と第2シール溝552の端部同士をそれぞれ繋いでいる。
【0053】
図5に示すように、周壁部51は、シール溝55を境界とした内側が内周壁51bとなっており、外側が外周壁51cとなっている。内周壁51bには、当該内周壁51bを一部切り欠いた切欠56、57が形成されている。
【0054】
切欠56は、長壁512における短壁514側の端部近傍に形成されている。切欠56は、第3領域W3において、第2シール溝552と空間R1とを連通している。
切欠57は、短壁514に形成されている。切欠57は、第3領域W3において、第4シール溝554と空間R1とを連通している。
【0055】
切欠56の切欠き幅T1は、切欠57の切欠き幅T2よりも大きい(T1>T2)。
なお、切欠57の切欠き幅T2が、切欠56の切欠き幅T1よりも大きくても良い。切欠56の切欠き幅T1と切欠57の切欠き幅T2が異なっていれば良い。
【0056】
図5に示すように、シール溝55には、シール材としてガスケット8が嵌め込まれている(収容されている)。ガスケット8は、耐油性を備える樹脂材料をシール溝55の形状に合わせて成型したものである。
【0057】
図5に示すように、ガスケット8は、全周に亘ってシール溝55に嵌めこまれる略矩形環状の基部80を有している。
具体的には、
図5の四角枠にそれぞれ示すように、基部80は、第1シール溝551と第2シール溝552にそれぞれ嵌め込まれる第1基部81、第2基部82と、第3シール溝553と第4シール溝554にそれぞれ嵌め込まれる第3基部83、第4基部84と、から構成されている。
【0058】
第2基部82の内周と、第4基部84の内周からは、タブ825、845がそれぞれ突出している。基部80とタブ825、845は一体に形成されている。タブ825、845は、前記したシール溝55の切欠き56、57にそれぞれ嵌め込まれている。
【0059】
図3、
図6に示すように、内蓋5は、直線Lp方向における底壁部50の他方の面50b側の外周縁が、全周に亘って周壁部58で囲まれている。周壁部58は、直線Lp方向における底壁部50の他方の面50bから離れる方向に延びている。
【0060】
図6に示すように、内蓋5には、直線Lp方向における底壁部50の他方の面50b側において、底壁部50と周壁部58とで囲まれた凹部585が形成されている。凹部585は、直線Lp方向における空間R1と反対側に開口している。
【0061】
内蓋5の凹部585の開口は、中蓋6で塞がれている。この状態において、凹部585と中蓋6との間には空間R2が形成されている。内蓋5と中蓋6とはボルト(図示せず)等で固定されている。
【0062】
中蓋6は、凹部585の開口を塞ぐ大きさで形成された板状の底壁部60と、当該底壁部60を全周に亘って囲む周壁部61と、から構成されている。
中蓋6は、底壁部60の厚み方向を直線Lp方向に沿わせた状態で凹部585の開口を塞いでいる。底壁部60には、当該底壁部60を直線Lp方向に貫通する貫通孔601が形成されている。貫通孔601は、後記するコネクタ部91の外形と略整合する形状で形成されている。
【0063】
周壁部61は、直線Lp方向における内蓋5から離れる方向(
図6における上側)に延びている。中蓋6には、底壁部60と周壁部61とで囲まれた凹部615が形成されている。凹部615は、直線Lp方向における内蓋5と反対側に開口している。
【0064】
中蓋6の凹部615の開口は、板状の外蓋7で塞がれている。この状態において、凹部615と外蓋7との間には空間R3が形成されている。中蓋6と外蓋7とはボルト(図示せず)等で固定されている。中蓋6と外蓋7との間にはシール材C1が介在している。外蓋7は、当該外蓋7の厚み方向を直線Lp方向に沿わせた状態で凹部615の開口を塞いでいる。
【0065】
図6に示すように、空間R3内には、変速機コントローラ9が収容されている。変速機コントローラ9は、板状の基板90と、当該基板90上の配線(図示せず)と電気的に接続されたコネクタ部91と、を備える。
【0066】
基板90は、当該基板90の厚み方向を直線Lp方向に沿わせた状態で、中蓋6の底壁部60にボルト(図示せず)等で固定されている。
【0067】
コネクタ部91は、直線Lp方向における内蓋5側に向かって基部90から延びている。コネクタ部91は、直線Lp方向で中蓋6の貫通孔601と、内蓋5の貫通孔501とを貫通している。この状態において、コネクタ部91の先端部は、内蓋5の空間R1内に露出している。また、コネクタ部91の外周と貫通孔601、501の内周との間には、シール材C2、C3が介在している。すなわち、コネクタ部91は、蓋状部品4に設けられた蓋側コネクタである。
【0068】
蓋状部品4は、内蓋5を直線Lp方向で第2室S2に対向させた状態で変速機ケース2に取り付けられる(
図3参照)。
以下、蓋状部品4を変速機ケース2に取り付けた状態での、蓋状部品4と電動オイルポンプ3との配置関係を説明する。
【0069】
図7は、蓋状部品4と電動オイルポンプ3との配置を説明する図である。
図7は、
図1におけるB-B断面の模式図である。
【0070】
図7に示すように、蓋状部品4は、内蓋5の周壁部51の先端面51aを、変速機ケース2の壁部28の先端面28aに直線Lp方向で重ねた状態で、ボルト(図示せず)等によって壁部28に固定される。この状態において、内蓋5は、底壁部50と周壁部51とで囲まれた空間R1が、変速機ケース2における壁部28で囲まれた第2室S2と連通する。
【0071】
具体的には、内蓋5の周壁部51における長壁511側の先端面51a(
図5参照)は、変速機ケース2の壁部28における上壁部281側の先端面28a(
図4参照)と重なる。周壁部51における長壁512側の先端面51a(
図5参照)は、壁部28における下壁部282側の先端面28a(
図4参照)と重なる。周壁部51における短壁513側の先端面51a(
図5参照)は、壁部28における側壁部283側の先端面28a(
図4参照)と重なる。周壁部51における短壁514側の先端面51a(
図5参照)は、壁部28における側壁部284側の先端面28a(
図4参照)と重なる。
【0072】
図7に示すように、内蓋5は、長手方向に沿う直線Lm2が、車両左右方向に沿う直線Lm1方向に沿った状態で壁部28に固定される。
この状態において、内蓋5における底壁部50の一方の面50aは、直線Lp方向でコネクタ端子K及び電動オイルポンプ3とオーバーラップする。また、内蓋5の底壁部50を貫通するコネクタ部91は、電動オイルポンプ3のインバータ部31と直線Lm1方向でオーバーラップする。
【0073】
内蓋5の第1領域W1では、変速機コントローラ9のコネクタ部91がコネクタ端子Kに直線Lp方向から外嵌される。これにより、コネクタ部91(変速機コントローラ9)とコネクタ端子K(コントロールバルブユニットB)とが電気的に接続される。
【0074】
内蓋5の第2領域W2では、内蓋5の凹溝502が直線Lp方向で電動オイルポンプ3とオーバーラップする。具体的には、凹溝502の第1凹溝502aが、電動オイルポンプ3の少なくとも一部であるインバータ部31とオーバーラップし、凹溝502の第2凹溝502b、第3凹溝502cが、電動オイルポンプ3の少なくとも一部であるポンプ部30とオーバーラップする。
【0075】
ここで、
図7に示すように、凹溝502のうち、第1凹溝502aの深さD1(
図6参照)は、蓋状部品4で第2室S2の開口を塞いだ際に、壁部28から突出する電動オイルポンプ3の一部を構成するインバータ部31を収容できる深さに設定されている。すなわち、凹溝502は、電動オイルポンプ3の少なくとも一部を収容する。
【0076】
例えば、凹溝502を備えない蓋状部品を用いる場合、インバータ部31が車両前後方向に大きくなると、変速機ケース2の壁部28や内蓋5の周壁部51を車両前後方向に延ばす必要がある。そうすると、無段変速機1が大きくなるため、車両に対するレイアウト性が悪くなる。
本実施形態にかかる蓋状部品4では、インバータ部31を車両前後方向に大きくしても、凹溝502の第1凹溝502aでインバータ部31を収容できるので、変速機ケース2の壁部28や内蓋5の周壁部51を車両前後方向に延ばす必要はない。
また、インバータ部31の大きさを変えない場合には、車両前後方向における変速機ケース2の壁部28や内蓋5の周壁部51の長さを短くすることができる。よって、蓋状部品4は、車両に対する無段変速機1のレイアウト性に寄与している。
【0077】
また、
図7に示すように、内蓋5を壁部28に取り付けた状態において、蓋状部品4では、第2室S2と変速機コントローラ9(基板90)との間に空間R2(空気の層)を介在させている。
無段変速機1の駆動時には、バリエータ20の作動や潤滑に用いられたオイル(作動油OL)が高温になる。そのため、電動オイルポンプ3を収容する第2室S2内は、電動オイルポンプ3が発生する熱で、高温になる。
【0078】
本実施形態では、変速機コントローラ9を収容する空間R3と第2室S2との間に、空間R2が介在している。空間R2内の空気の層は、断熱層として機能する。
そのため、変速機コントローラ9の基板90に、第2室S2側の熱が伝達されることを抑制している。なお、空間R2に、断熱材を入れた構成としても良い。
【0079】
そして、第2室S2内では、電動オイルポンプ3のインバータ部31とポンプ部30との接続部周りが特に高温になる。
図7に示すように、凹溝502のうち、第2凹溝502b及び第3凹溝502cの深さD2、D3(
図6参照)は、蓋状部品4で第2室S2の開口を塞いだ際に、電動オイルポンプ3のポンプ部30との間で空隙部CL1、CL2が形成される深さに設定されている。空隙部CL1、CL2がある分だけ、底壁部50がポンプ部30から遠ざかることになる。従って、ポンプ部30の熱が内蓋5に伝達されることを抑制できる。よって、最終的にポンプ部30の熱が変速機コントローラ9の基板90に伝達されることを抑制できる。
【0080】
ここで、内蓋5の周壁部51と壁部28の間には、ガスケット8が介在している(
図3参照)。ガスケット8は、蓋状部品4を変速機ケース2に取り付ける前に、予め内蓋5のシール溝55に嵌め込んでおく必要がある。
【0081】
本実施形態では、内蓋5における周壁部51の内周壁51bに、切欠56、57が形成されている。ガスケット8は、これら切欠56、57に嵌め込まれるタブ825、845を有している(
図5参照)。
【0082】
タブ825、845を切欠56、57に嵌め込むことで、ガスケット8がシール溝55内で変位して位置がずれる、いわゆるガスケットずれが発生することを規制している。これにより、蓋状部品4のシール性が低下することを抑制できる。
【0083】
なお、切欠56、57を周壁部51の外周壁51cに形成してもガスケットずれを防ぐことができる。しかしながら、タブ825、845の一部が外部雰囲気に曝されるため、例えば塩害の影響によりガスケット8が劣化する虞がある。
【0084】
そこで、本実施形態のように切欠56、57を内周壁51bに形成することで、タブ825、845を外部雰囲気に曝さないようにすることでガスケット8の劣化を抑制できるためより好適である。
【0085】
ここで、
図5に示すように、シール溝55の切欠き56、57は、内周壁51bにおける第3領域W3に形成されている。
図7に示すように、第3領域W3は、直線Lm1方向におけるインバータ部31やコネクタ端子Kとの距離が第1領域W1や第2領域W2よりも離れた場所に位置している。
【0086】
従って、シール溝55にガスケット8を嵌め込むと、タブ825、845が第3領域W3に配置されるようになっている。これにより、タブ825、845が切欠56、57から空間R1側にはみ出しても、インバータ部31やコネクタ端子Kと干渉しないようになっている。
【0087】
また、本実施形態では、切欠56の切欠き幅T1と切欠き57の切欠き幅T2とが異なるように設定されている(
図5参照)。そして、ガスケット8のタブ825、845は、切欠56、57の幅T1、T2にそれぞれ整合する幅に形成されている。
これにより、ガスケット8のシール溝55に対する組み付け方向は、一方向に限定される。よって、ガスケットの組み付けミス(例えば裏表反対)に起因するシール性の低下を抑制できる。
【0088】
なお、切欠及びタブは、2ヶ所に限定されない。第3領域W3内であれば1ヶ所に形成されていてもよい。また、第3領域W3内であれば3ヶ所以上に形成されていても良い。
【0089】
以上のとおり、本実施形態にかかる蓋状部品4は、以下の構成を有している。
(1)蓋状部品4は、電動オイルポンプ3と対向配置される。
蓋状部品4における内蓋5には、変速機コントローラ9のコネクタ部91(蓋側コネクタ)が突出する底壁部50の一方の面50a側に電動オイルポンプ3の少なくとも一部を収容する凹溝502(収容溝)を有する。
【0090】
例えば、底壁部50の一方の面50aに凹溝502を設けない場合、電動オイルポンプ3の少なくとも一部(例えばインバータ部31)を車両前後方向に大きくすると、変速機ケース2の壁部28や内蓋5の周壁部51を車両前後方向に延ばす必要がある。そうすると、無段変速機1が大きくなるため、車両に対するレイアウト性が悪くなる。
そこで、上記のように構成することで、底壁部50の一方の面50a側に電動オイルポンプ3が配置されるので、電動オイルポンプ3の少なくとも一部(例えば、インバータ部31等)とコネクタ部91とが直線Lm1方向でオーバーラップして配置される。
よって、インバータ部31を車両前後方向に大きくしても、凹溝502でインバータ部31を収容できるので、変速機ケース2の壁部28や内蓋5の周壁部51を車両前後方向に延ばす必要はない。
また、インバータ部31の大きさを変えない場合には、車両前後方向における変速機ケース2の壁部28や内蓋5の周壁部51の長さを短くすることができる。
よって、蓋状部品4は、車両に対する無段変速機1のレイアウト性に寄与できる。
【0091】
本実施形態にかかる蓋状部品4は、以下の構成を有している。
(2)蓋状部品4には、内蓋5の底壁部50における他方の面50b(蓋側コネクタが突出する面の反対側)に、コネクタ部91と接続する変速機コントローラ9の基板90(コントローラ)が設置されている。
【0092】
ここで、内蓋5の底壁部50は、剛性強度確保のため、一定の厚さHを有している。
そして、上記のように構成すると、底壁部50の一方の面50a側に、底壁部50の厚みを利用して凹溝502を形成するなど、利用できるスペースを増やすことができる。よって、設計の自由度が向上する。
【0093】
本実施形態にかかる蓋状部品4は、以下の構成を有している。
(3)蓋状部品4は、変速機コントローラ9と、凹溝502が設けられた内蓋5の底壁部50(プレート部)と、の間に空間R2(クリアランス)が介在している。
【0094】
電動オイルポンプ3(インバータ、モータ等)は発熱部品である。
そこで、上記のように構成して、変速機コントローラ9と、内蓋5の底壁部50との間に空気の層(クリアランス)を介在させることで、電動オイルポンプ3の熱が変速機コントローラ9に伝達されることを抑制できる。これにより、変速機コントローラ9の温度上昇を抑制することができる。
【0095】
本実施形態にかかる蓋状部品4は、以下の構成を有している。
(4)蓋状部品4の内蓋5は、外周壁51cと内周壁51bとに挟まれたシール溝55を有する。
蓋状部品4は、シール溝55に収容されるガスケット8(シール)を有する。
蓋状部品4は、外周壁51c又は内周壁51bの少なくとも一方に、ガスケット8に設けられたタブ845が嵌め込まれる切欠57(切欠部)を有する。
【0096】
このように構成すると、ガスケット8にタブ845を設けて、当該タブ845を切欠57に嵌め込むことができる。よって、ガスケット8の位置がずれてシール性が低下することを抑制できる。
なお、ガスケット8の形状は限定されないが、ガスケット8の形状が非対称形状(正面視した場合に、左右又は上下の少なくとも一方が非対称の形状)のときに特に有効である。
【0097】
本実施形態にかかる蓋状部品4は、以下の構成を有している。
(5)蓋状部品4の内蓋5の切欠57は、内周壁51bに形成されている。
切欠57は、凹溝502が形成された第2領域W2(収容溝配置領域)を避けて配置されている。
【0098】
このように構成すると、切欠57に嵌め込まれたタブ845が、外部雰囲気に露出しないので、外部雰囲気に曝されることでガスケット8が劣化することを抑制することができる。特に塩害に対して有利である。
なお、内周壁51b側に切欠57を設けるとタブ845と内周側の部品とが干渉するおそれがあるが、第2領域W2を避けて切欠57が配置されているので、電動オイルポンプ3の少なくとも一部(特にインバータ部31)とタブ845との干渉を避けることができる。
【0099】
本実施形態にかかる蓋状部品4は、以下の構成を有している。
(6)蓋状部品4の内蓋5は、コネクタ部91が配置された第1領域W1(コネクタ配置領域)を有する。
切欠57は、内蓋5における第2領域W2(収容溝配置領域)及び第1領域W1(コネクタ配置領域)を避けた第3領域W3に配置されている。
【0100】
このように構成すると、電動オイルポンプ3の少なくとも一部(特にインバータ等)とタブ845との干渉を避け、且つ、コネクタ部91とタブ845との干渉を避けることができる。
【0101】
本実施形態にかかる蓋状部品4は、以下の構成を有している。
(7)蓋状部品4の内蓋5には、切欠57の切欠き幅T2より広い切欠き幅T1の他の切欠56(切欠部)が形成されている。
ガスケット8は、他の切欠56にはめこまれ、タブ845の幅T2よりも広い幅T1の他のタブ825を有する。
【0102】
このように構成すると、ガスケット8の表裏面の組付けミスを抑制して、組付けミスによるシール性の低下を抑制できる。
なお、切欠57及びタブ845の幅T2が、切欠56及びタブ825の幅T1より大きくても良い。切欠56の切欠き幅T1と切欠57の切欠き幅T2が異なっていれば良い。
【0103】
本実施形態にかかる蓋状部品4を備える無段変速機1(装置)は、以下の構成を有している。
(8)無段変速機1は、蓋状部品4と、電動オイルポンプ3と、を有する。
無段変速機1において、電動オイルポンプ3と蓋状部品4とは、車両前後方向(第1方向)に沿う直線Lp方向においてオーバーラップしている。
無段変速機1において、電動オイルポンプ3とコネクタ部91とは、車両前後方向と交差する車両左右方向(第2方向)に沿う直線Lm1方向においてオーバーラップしている。
【0104】
このように構成すると、凹溝502のうち、コネクタ部91と隣り合う第1凹溝502a(段差部)に電動オイルポンプの少なくとも一部(特にインバータ部31等)を配置することができる。これにより、インバータ部31を車両前後方向に大きくしても、第1凹溝502aにインバータ部31を収容することで、変速機ケース2の壁部28や内蓋5の周壁部51を車両前後方向に延ばす必要はない。よって、無段変速機1のレイアウト性を向上することができる。
【0105】
本実施形態にかかる蓋状部品4を備える無段変速機1(装置)は、以下の構成を有している。
(9)無段変速機1は、コネクタ部91と接続するコネクタ端子K(装置側コネクタ)を有する。
電動オイルポンプ3は、インバータ部31(インバータ)と、インバータ部31と接続するポンプ部30(回転電機)と、を有する。
無段変速機1において、インバータ部31は、直線Lm1方向においてポンプ部30とコネクタ端子Kとの間に配置されている。
【0106】
このように構成すると、インバータ部31により駆動されるポンプ部30が、インバータ部31を挟んでコネクタ部91及びコネクタ端子Kとは反対側に配置される。これにより、第2室S2にデッドスペースが発生することを抑制できるので、無段変速機1のレイアウト性を向上することができる。
【0107】
本実施形態では、第1方向を車両前後方向とし、第2方向を車両左右方向として説明したが、第1方向、第2方向はこれに限られるものではない。
【0108】
以上、本願発明のある形態を説明したが、本実施形態に示した態様のみに限定されるものではない。発明の技術的な思想の範囲内で、適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0109】
1 無段変速機(装置)
3 電動オイルポンプ
30 ポンプ部(回転電機)
31 インバータ部(インバータ)
4 蓋状部品
50 底壁部(プレート部)
50a 一方の面(蓋側コネクタが突出する面)
50b 他方の面(蓋側コネクタが突出する面の反対側)
502 凹溝(収容溝)
51b 内周壁
51c 外周壁
55 シール溝
56 切欠(切欠部)
57 切欠(切欠部)
8 ガスケット(シール)
825 タブ
845 タブ
9 変速機コントローラ
90 基板(コントローラ)
91 コネクタ部(蓋側コネクタ)
K コネクタ端子(装置側コネクタ)
Lp 直線(第1方向)
Lm1 直線(第2方向)
R2 空間(クリアランス)
W1 第1領域(コネクタ配置領域)
W2 第2領域(収容溝配置領域)
W3 第3領域