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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-17
(45)【発行日】2023-03-28
(54)【発明の名称】自動ドア監視システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/20 20230101AFI20230320BHJP
   E05F 15/70 20150101ALI20230320BHJP
   E05F 15/73 20150101ALI20230320BHJP
【FI】
G06Q10/20
E05F15/70
E05F15/73
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018204488
(22)【出願日】2018-10-30
(65)【公開番号】P2020071623
(43)【公開日】2020-05-07
【審査請求日】2021-08-23
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】501013156
【氏名又は名称】フルテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140796
【弁理士】
【氏名又は名称】原口 貴志
(73)【特許権者】
【識別番号】000238197
【氏名又は名称】扶桑電機工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】高杉 義幸
(72)【発明者】
【氏名】渡部 浩二
【審査官】松田 岳士
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-374583(JP,A)
【文献】特開2004-068287(JP,A)
【文献】特開2002-309855(JP,A)
【文献】特開2006-083529(JP,A)
【文献】特開2007-231650(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05F 15/00-15/79
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動ドアの設置場所に配置される自動ドア側システムを複数備える自動ドア監視システムであって、
前記自動ドア側システムは、
前記自動ドアと、
前記自動ドアから出力された第1の情報に基づいて前記第1の情報とは異なる第2の情報を生成する情報生成部と
を備え、
前記自動ドアは、
ドアと、
前記ドアの近傍の物体を検知するためのセンサーと、
前記ドアを開閉させるためのモーターと、
前記センサーから出力される情報が入力されて前記モーターを制御する制御部と
を備え、
前記自動ドア監視システムは、
複数の前記自動ドア側システムとネットワークを介して通信可能に接続され、前記自動ドアから出力された前記第1の情報に基づいて前記第1の情報とは異なる第3の情報を生成するサーバーと、
前記情報生成部によって生成された前記第2の情報、および、前記サーバーによって生成された前記第3の情報を通知する情報通知部と
を備えることを特徴とする自動ドア監視システム。
【請求項2】
前記サーバーは、前記センサーから出力された前記第1の情報に基づいて前記第3の情報を生成することを特徴とする請求項1に記載の自動ドア監視システム。
【請求項3】
前記第1の情報は、前記自動ドアの状態および動作の少なくとも1つに関する情報としての保全情報であり、
前記第2の情報および前記第3の情報は、前記自動ドアの異常を示す異常情報であることを特徴とする請求項1に記載の自動ドア監視システム。
【請求項4】
前記保全情報は、
前記自動ドアの開きおよび閉じの少なくとも1つの動作における前記ドアの移動速度と、
前記自動ドアの開きおよび閉じの少なくとも1つの動作の所要時間と、
前記自動ドアの開きおよび閉じの少なくとも1つの動作における前記モーターの回転の回数と、
前記センサーの稼働時間と、
前記センサーによる検知回数と、
前記センサーの感度と
の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項3に記載の自動ドア監視システム。
【請求項5】
自動ドアの設置場所に配置される自動ドア側システムを複数備える自動ドア監視システムであって、
前記自動ドア側システムは、
前記自動ドアと、
前記自動ドアから出力された第1の情報に基づいて前記第1の情報とは異なる第2の情報を生成する情報生成部と
を備え、
前記自動ドアは、
ドアと、
前記ドアの近傍の物体を検知するためのセンサーと、
前記ドアを開閉させるためのモーターと、
前記センサーから出力される情報が入力されて前記モーターを制御する制御部と
を備え、
前記自動ドア監視システムは、
複数の前記自動ドア側システムとネットワークを介して通信可能に接続され、前記情報生成部によって生成された前記第2の情報に基づいて前記第2の情報とは異なる第3の情報を生成するサーバーと、
前記サーバーによって生成された前記第3の情報を通知する情報通知部と
を備え
前記第1の情報は、前記自動ドアの状態および動作の少なくとも1つに関する情報としての保全情報であり、
前記情報生成部は、前記保全情報が正常であることを示す情報と、前記保全情報が異常であることを示す情報とのいずれか一方を前記第2の情報として生成し、
前記第3の情報は、前記自動ドアの異常を示す異常情報であることを特徴とする自動ドア監視システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動ドアの状態を監視する自動ドア監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の自動ドア監視システムとして、マットスイッチ等のセンサーの検知信号がONになってから一定時間経過してもドアのクローズド信号がONのままである場合に、ドアが開かない故障が発生していることを故障診断装置で診断し、センサーの検知信号がOFFになってから一定時間経過してもドアのクローズド信号がONにならない場合に、ドアが開きっぱなしの故障が発生していることを故障診断装置で診断し、故障診断装置での診断の結果を遠隔地のコンピューターによって通知するものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実開昭63-083384号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の自動ドア監視システムにおいては、自動ドアの駆動装置のメーカーによって故障診断装置が製造される場合、故障診断装置における自動ドアの故障の診断のアルゴリズムが自動ドアの駆動装置に適したものになるので、自動ドアの故障の診断の信頼性が高いが、故障診断装置における自動ドアの故障の診断のアルゴリズムが自動ドア監視システムの管理者によって設定可能ではないので、自動ドアの故障の診断の新たなアルゴリズムに対応することが容易ではないという問題がある。
【0005】
一方、従来の自動ドア監視システムにおいては、故障診断装置における自動ドアの故障の診断のアルゴリズムが自動ドア監視システムの管理者によって設定可能である場合、自動ドアの故障の診断の新たなアルゴリズムに対応することが容易であるが、自動ドアの故障の診断のアルゴリズムが自動ドアの駆動装置に適したものになるとは限らないという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、通知する情報の信頼性の高さと、通知する情報の生成のアルゴリズムの更新の容易性とを両立することができる自動ドア監視システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の自動ドア監視システムは、自動ドアから出力された情報に基づいて情報を生成する情報生成部と、前記自動ドアから出力された情報、および、前記情報生成部によって生成された情報の少なくとも1つに基づいて情報を生成するサーバーと、前記情報生成部および前記サーバーの少なくとも1つによって生成された情報を通知する情報通知部とを備えることを特徴とする。
【0008】
この構成により、本発明の自動ドア監視システムは、情報生成部と、サーバーとを備えているので、自動ドアの駆動装置に適したアルゴリズムで情報を生成する情報生成部が、この駆動装置のメーカーによって製造されることによって、情報生成部によって生成される情報の信頼性を向上することができるとともに、サーバーにおける情報の生成のアルゴリズムが自動ドア監視システムの管理者によって設定されることによって、サーバーによって生成される情報の生成のアルゴリズムが容易に更新されることができる。したがって、本発明の自動ドア監視システムは、情報通知部によって通知する情報の信頼性の高さと、情報通知部によって通知する情報の生成のアルゴリズムの更新の容易性とを両立することができる。
【0009】
本発明の自動ドア監視システムは、前記自動ドアは、ドアと、前記ドアの近傍の物体を検知するためのセンサーとを備え、前記サーバーは、前記センサーから出力された情報に基づいて情報を生成しても良い。
【0010】
この構成により、本発明の自動ドア監視システムは、センサーから出力された情報に基づいてサーバーによって情報を生成するので、センサーから出力された情報に基づいて情報生成部によって情報を生成しなくても良く、自動ドアの駆動装置のメーカーと、自動ドアのセンサーのメーカーとが異なる場合に、自動ドアの駆動装置のメーカーによる情報生成部の製造を容易化することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の自動ドア監視システムは、通知する情報の信頼性の高さと、通知する情報の生成のアルゴリズムの更新の容易性とを両立することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施の形態に係る自動ドア監視システムのブロック図である。
図2図1に示す自動ドア側システムのブロック図である。
図3】駆動装置を現わした状態での図2に示す自動ドアの正面図である。
図4図3に示す自動ドアの側面図である。
図5図2に示す例とは異なる例での自動ドア側システムのブロック図である。
図6】モーターの電流値の正常時からの変化に基づいて異常情報を生成する場合の図2に示すデータ変換器の動作のフローチャートである。
図7】モーターによって開かれる場合の図3に示すドアの移動速度の一例を示す図である。
図8】モーター電流値異常情報に基づいて故障予知情報を生成する場合の図1に示すサーバーの動作のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0014】
まず、本実施の形態に係る自動ドア監視システムの構成について説明する。
【0015】
図1は、本実施の形態に係る自動ドア監視システム10のブロック図である。
【0016】
図1に示すように、自動ドア監視システム10は、自動ドアの設置場所に配置される自動ドア側システム20を備えている。自動ドア監視システム10は、自動ドア側システム20と同様の構成の自動ドア側システムを、自動ドア側システム20以外に少なくとも1つ備えることが可能である。
【0017】
自動ドア監視システム10は、例えばコールセンターや自動ドアの保守業務を行う拠点などに配置される拠点端末60を備えている。拠点端末60は、自動ドアの各種の設定を示す設定情報と、自動ドアの状態および動作の少なくとも1つに関する情報としての各種の保全情報と、自動ドアの故障の予知を示す故障予知情報と、自動ドアの発生済みの故障を示す故障情報との少なくとも1つが送信されてきた場合に、送信されてきた情報を、拠点に所属する者に通知する装置であり、本発明の情報通知部を構成している。自動ドアの故障予知情報および故障情報は、自動ドアの異常を示す異常情報の一種である。したがって、拠点のサービスパーソンは、拠点端末60によって通知された情報に応じて、電話や現場作業などの保守業務を行うことができる。自動ドア監視システム10は、拠点端末60と同様の構成の拠点端末を、拠点端末60以外に少なくとも1つ備えることが可能である。自動ドア監視システム10における拠点端末は、自動ドアの保守業務を行う拠点毎に1つ以上配置されても良い。拠点端末は、例えばPC(Personal Computer)などのコンピューターによって構成されている。
【0018】
自動ドア監視システム10は、自動ドアの設定情報、保全情報、故障予知情報および故障情報など、自動ドアに関する様々な情報を自動ドア側システムから収集するサーバー70を備えている。サーバー70は、自動ドア側システムから収集した情報に基づいて故障予知情報および故障情報を生成することができる。サーバー70は、自動ドア側システムから収集した情報や、自ら生成した故障予知情報および故障情報など、自動ドアに関する様々な情報を拠点端末に通知することができる。サーバー70は、例えばPCなどのコンピューターによって構成されている。
【0019】
自動ドア側システムと、サーバー70とは、インターネットなどのネットワーク11を介して互いに通信可能に接続されることが可能である。同様に、拠点端末と、サーバー70とは、インターネットなどのネットワーク12を介して互いに通信可能に接続されることが可能である。
【0020】
図2は、自動ドア側システム20のブロック図である。
【0021】
図2に示すように、自動ドア側システム20は、自動ドア30を備えている。自動ドア側システム20は、自動ドア30と同様の構成の自動ドアを、自動ドア30以外に少なくとも1つ備えることが可能である。
【0022】
図3は、駆動装置40を現わした状態での自動ドア30の正面図である。図4は、自動ドア30の側面図である。
【0023】
図3および図4に示すように、自動ドア30は、引き戸である左右1枚ずつのドア31と、開閉しない固定された建具である左右1枚ずつのフィックス32と、ドア31の下部に取り付けられた振れ止め31aが案内されるガイドレール33と、ドア31およびフィックス32の上部に設けられた無目34と、無目34に取り付けられていてドア31の一面側で近傍の通行者などの物体を検知するための起動センサー35と、無目34に取り付けられていてドア31の他面側で近傍の通行者などの物体を検知するための起動センサー36と、フィックス32に取り付けられていてドア31の開口を通過する通行者などの物体を検知するための補助光電センサー37と、無目34内に設けられた駆動装置40とを備えている。
【0024】
駆動装置40は、ハンガーレール41と、ハンガーレール41上を走行する戸車42aを備えていて2つで1枚のドア31を吊り下げる4つのドアハンガー42と、2つのドア31のそれぞれの1つのドアハンガー42が取り付けられたタイミングベルト43と、タイミングベルト43がかけられた駆動プーリー44および従動プーリー45と、ドアハンガー42が接触することによってドア31の開方向への移動を制限するドアストッパー46と、駆動プーリー44を駆動するモーター47と、自動ドア30を制御するコントローラー48とを備えている。
【0025】
駆動装置40は、様々なメーカーのものが採用されることが可能である。
【0026】
コントローラー48は、コンピューターである。コントローラー48は、モーター47の電流値を検知することが可能である。
【0027】
起動センサー35、起動センサー36および補助光電センサー37と、コントローラー48との間の通信は、例えばCAN(Controller Area Network)通信などの特定の通信で実現される。
【0028】
図2に示すように、自動ドア側システム20は、コントローラー48から出力される情報などの情報を特定の通信方式の通信データに加工するデータ変換器21を備えている。データ変換器21は、コンピューターである。ここで、コントローラー48からデータ変換器21に出力される情報としては、例えば、自動ドア30の各種の設定情報と、自動ドア30の開きの動作におけるモーター47の電流値、自動ドア30の開きの動作におけるドア31の移動速度、自動ドア30の閉じの動作におけるドア31の移動速度、自動ドア30の開きの動作の所要時間、自動ドア30の1回の開きの動作におけるモーター47の回転の回数など、自動ドア30の各種の保全情報と、自動ドア30の異常を示す異常情報とが存在する。コントローラー48からデータ変換器21への情報の出力は、即時に実行されても良い。コントローラー48から出力される情報の種類やフォーマットは、駆動装置40のメーカーによって異なる。したがって、データ変換器21のメーカーは、駆動装置40のメーカーと同一であることが好ましい。データ変換器21は、コントローラー48から出力される情報に基づいて故障予知情報および故障情報を生成することができ、本発明の情報生成部を構成している。自動ドア側システム20は、自動ドア毎にデータ変換器を備えている。
【0029】
自動ドア側システム20は、データ変換器21、起動センサー35、起動センサー36および補助光電センサー37から出力される情報を中継する中継ボックス22を備えている。ここで、起動センサー35、起動センサー36および補助光電センサー37から中継ボックス22に出力される情報としては、例えば、各センサーの各種の設定情報と、各センサーの稼働時間、各センサーによる検知回数、各センサーの感度など、各センサーの状態および動作の少なくとも1つに関する情報としての各種の保全情報と、各センサーの異常を示す異常情報とが存在する。データ変換器21から中継ボックス22に出力される情報としては、コントローラー48からデータ変換器21に出力された情報以外に、データ変換器21で生成された故障予知情報および故障情報が存在する。
【0030】
中継ボックス22と、起動センサー35、起動センサー36および補助光電センサー37との間の通信は、例えばCAN通信などの特定の通信で実現される。
【0031】
自動ドア側システム20は、自動ドア毎に中継ボックスを備えている。なお、自動ドア側システム20に含まれる中継ボックスは、中継ボックス22が親機で、他は子機である。
【0032】
自動ドア側システム20は、中継ボックスによって中継された情報をサーバー70(図1参照。)に送信する無線または有線の通信機器としてのゲートウェイ23を備えている。ゲートウェイ23は、自動ドア側システム20に含まれる中継ボックスのうち親機である中継ボックス22のみに接続されている。したがって、自動ドア側システム20は、複数の自動ドアに対して1つのゲートウェイ23のみを備えていれば良く、ゲートウェイの購入費と、通信費とを抑えることができる。
【0033】
なお、データ変換器、中継ボックスおよびゲートウェイは、自動ドアに対して後付けが可能な構成になっている。したがって、自動ドアの所有者は、データ変換器、中継ボックスおよびゲートウェイを利用したサービスの提供を受けることを希望する場合にのみ、データ変換器、中継ボックスおよびゲートウェイを自動ドアに対して設置されることが可能であり、データ変換器、中継ボックスおよびゲートウェイを利用したサービスの提供を受けることを希望しない場合には、データ変換器、中継ボックスおよびゲートウェイを自動ドアに対して設置するための導入コストを抑えることができる。
【0034】
自動ドア側システム20は、図2に示す自動ドア30に代えて、図5に示す自動ドア50を備えても良い。
【0035】
図5は、自動ドア50を備える場合の自動ドア側システム20のブロック図である。
【0036】
図5に示す自動ドア側システム20の構成のうち、図2に示す自動ドア側システム20の構成と同一の構成については、同一の符合を付して詳細な説明を省略する。
【0037】
図5に示すように、自動ドア50の駆動装置は、自動ドア50を制御するコントローラー51を備えている。自動ドア50の駆動装置は、様々なメーカーのものが採用されることが可能である。コントローラー51は、コンピューターである。コントローラー51は、モーター47の電流値を検知することができない。
【0038】
自動ドア50は、モーター47の電流値を検知するクランプ型センサー52と、例えばCAN通信などの特定の通信に対応している起動センサー35、起動センサー36および補助光電センサー37を、この通信に非対応のコントローラー51に接続するための変換器53とを備えている。クランプ型センサー52は、モーター47と、コントローラー51とを接続する電線を挟み込むことによって、この電線における電流値、すなわち、モーター47の電流値を検知するものである。
【0039】
データ変換器21は、コントローラー51から出力される情報や、クランプ型センサー52から出力される電流値などの情報を特定の通信方式の通信データに加工する。ここで、コントローラー51からデータ変換器21に出力される情報としては、例えば、自動ドア50の各種の設定情報と、自動ドア30の開きの動作におけるモーター47の電流値、自動ドア30の開きの動作におけるドア31の移動速度、自動ドア30の閉じの動作におけるドア31の移動速度、自動ドア30の開きの動作の所要時間、自動ドア30の1回の開きの動作におけるモーター47の回転の回数など、自動ドア50の各種の保全情報と、自動ドア50の異常を示す異常情報とが存在する。コントローラー51からデータ変換器21への情報の出力の頻度は、例えば30分間に1回である。
【0040】
データ変換器21のメーカーは、自動ドア50の駆動装置のメーカーと同一であることが好ましい。データ変換器21のメーカーが自動ドア50の駆動装置のメーカーと同一である場合、自動ドア50の駆動装置のメーカーは、駆動装置40のメーカーと同一である。すなわち、データ変換器21は、駆動装置40と、自動ドア50の駆動装置とで共通のものが使用されることが可能である。
【0041】
次に、自動ドア監視システム10の動作について説明する。
【0042】
まず、モーター47の電流値の正常時からの変化に基づいて故障予知情報を生成する場合の自動ドア監視システム10の動作について説明する。
【0043】
図6は、モーター47の電流値の正常時からの変化に基づいて異常情報を生成する場合のデータ変換器21の動作のフローチャートである。
【0044】
図6に示すように、データ変換器21は、コントローラー48から出力された情報に基づいて、自動ドア30が開いたと判断するまで、自動ドア30が開いたか否かを判断する(S101)。
【0045】
データ変換器21は、自動ドア30が開いたとS101において判断すると、自動ドア30の今回の開きの動作全体におけるモーター47の電流値の平均値を算出する(S102)。
【0046】
図7は、モーター47によって開かれる場合のドア31の移動速度の一例を示す図である。
【0047】
図7に示すように、コントローラー48は、閉まっているドア31をモーター47によって開く場合、時間ゼロから時間t1までの間でモーター47によってドア31の移動速度を速度ゼロから速度v1まで加速し、時間t1から時間t2までの間でモーター47によってドア31の移動速度を速度v1で維持し、時間t2から時間t3までの間でモーター47によってドア31の移動速度を速度v1から速度v2まで減速し、時間t3から時間t4までの間でモーター47によってドア31の移動速度を速度v2で維持し、時間t4から時間t5までの間でモーター47によってドア31の移動速度を速度v2から速度ゼロまで減速する。
【0048】
自動ドア30の1回の開きの動作全体におけるモーター47の電流値の平均値とは、時間ゼロから時間t5までの間のモーター47の電流値の平均値である。
【0049】
図6に示すように、データ変換器21は、S102の処理の後、自動ドア30の1回の開きの動作全体におけるモーター47の電流値の、正常時の平均値(以下「モーター電流値正常値」という。)に対して、S102において算出した平均値が特定の値以上大きいか否かを判断する(S103)。ここで、データ変換器21は、モーター電流値正常値を事前に記憶している。例えば、データ変換器21は、モーター電流値正常値の設定が指示された場合に、モーター47によって自動ドア30を開閉させる動作を特定の回数実行し、この動作におけるモーター47の電流値に基づいてモーター電流値正常値を決定する。モーター電流値正常値の設定が指示されるタイミングとしては、例えば自動ドア30の設置時が考えられる。
【0050】
データ変換器21は、モーター電流値正常値に対して、S102において算出した平均値が特定の値以上大きくはないとS103において判断すると、モーター47の電流値が正常であることを示す正常情報(以下「モーター電流値正常情報」という。)を生成し(S104)、このモーター電流値正常情報を中継ボックス22に出力して(S105)、S101の処理を実行する。
【0051】
データ変換器21は、モーター電流値正常値に対して、S102において算出した平均値が特定の値以上大きいとS103において判断すると、モーター47の電流値が異常であることを示す異常情報(以下「モーター電流値異常情報」という。)を生成し(S106)、このモーター電流値異常情報を中継ボックス22に出力して(S107)、S101の処理を実行する。
【0052】
データ変換器21から中継ボックス22に出力されたモーター電流値正常情報やモーター電流値異常情報は、ゲートウェイ23を介してサーバー70に送信される。
【0053】
図8は、モーター電流値異常情報に基づいて故障予知情報を生成する場合のサーバー70の動作のフローチャートである。
【0054】
図8に示すように、サーバー70は、モーター電流値正常情報またはモーター電流値異常情報を受信したと判断するまで、モーター電流値正常情報またはモーター電流値異常情報を受信したか否かを判断する(S121)。
【0055】
サーバー70は、モーター電流値正常情報またはモーター電流値異常情報を受信したとS121において判断すると、モーター電流値正常情報およびモーター電流値異常情報に関して、モーター電流値異常情報を3回連続して受信したか否かを判断する(S122)。
【0056】
サーバー70は、モーター電流値異常情報を3回連続して受信していないとS122において判断すると、S121の処理を実行する。
【0057】
サーバー70は、モーター電流値異常情報を3回連続して受信したとS122において判断すると、モーター47の電流値に関する故障予知情報を生成する(S123)。ここで、サーバー70は、例えば、ドア31、ガイドレール33、ハンガーレール41、ドアハンガー42など、モーター47の電流値の変化に関連する部品の劣化度合いを故障予知情報に含めても良い。例えば、サーバー70は、モーター47の電流値の変化に関連する部品の劣化度合いを、モーター47の電流値の正常時からの変化の程度に基づいて取得することが可能である。
【0058】
サーバー70は、S123の処理の後、自動ドア30を管理している拠点の拠点端末に、S123において生成した故障予知情報を送信して(S124)、S121の処理を実行する。
【0059】
自動ドア30を管理している拠点の拠点端末は、S124において送信されてきた故障予知情報を受信すると、受信した故障予知情報を例えば表示によって通知する。したがって、自動ドア30を管理している拠点のサービスパーソンは、この拠点の拠点端末によって通知された故障予知情報に応じて、電話や現場作業などの保守業務を行うことができる。なお、自動ドア30の開きの動作におけるモーター47の電流値の異常は、例えば、ドア31およびガイドレール33の少なくとも一方にゴミが付着していたり、ドア31およびガイドレール33の少なくとも一方が変形や摩耗していたりして、ドア31と、ガイドレール33との間に異常な摩擦が発生している場合や、ハンガーレール41と、ドアハンガー42の戸車42aとの少なくとも一方にゴミが付着していたり、ハンガーレール41および戸車42aの少なくとも一方が変形や摩耗していたりして、ハンガーレール41と、戸車42aとの間に異常な摩擦が発生している場合など、自動ドア30の開きの動作におけるドアの移動に対して異常な抵抗が存在する場合に発生している可能性が高い。自動ドア30は、自動ドア30の開きの動作におけるドアの移動に対して異常な抵抗が存在する場合、この抵抗が除去されるための何らかの処置が実行されなければ、いずれ故障によって動作しなくなる可能性が高い。したがって、自動ドア監視システム10は、故障予知情報を拠点端末に表示することによって、サービスパーソンによる自動ドア30の予知保全を支援することができる。
【0060】
サーバー70は、以上において、モーター電流値異常情報を3回連続して受信した場合に故障予知情報を生成する。しかしながら、サーバー70は、モーター電流値異常情報を3回以外の複数回連続して受信した場合に故障予知情報を生成しても良い。また、サーバー70は、モーター電流値異常情報を複数回連続して受信するという条件以外の条件に応じて、故障予知情報を生成しても良い。例えば、サーバー70は、モーター電流値異常情報を合計で特定の回数以上受信した場合に故障予知情報を生成しても良いし、モーター電流値異常情報を特定の期間の間に特定の回数以上受信した場合に故障予知情報を生成しても良い。
【0061】
自動ドア監視システム10は、以上において、サーバー70がデータ変換器21と連携して故障予知情報を生成する。しかしながら、データ変換器21やサーバー70がモーター47の電流値の正常時からの変化に基づいて単独で故障予知情報を生成しても良い。例えば、データ変換器21は、自動ドア30の1回の開きの動作全体におけるモーター47の電流値の平均値がモーター電流値正常値に対して特定の値以上大きい場合に、モーター47の電流値に関する故障予知情報を生成し、この故障予知情報を中継ボックス22に出力しても良い。そして、サーバー70は、データ変換器21から中継ボックス22およびゲートウェイ23を介して送信されてきた故障予知情報を、自動ドア30を管理している拠点の拠点端末に送信しても良い。
【0062】
データ変換器21およびサーバー70は、以上において、自動ドア30の1回の開きの動作全体におけるモーター47の電流値の平均値の正常時からの変化に基づいて故障予知情報を生成する。しかしながら、データ変換器21およびサーバー70の少なくとも1つは、自動ドア30におけるモーター47の電流値の正常時からの変化として、自動ドア30の1回の開きの動作全体におけるモーター47の電流値の平均値以外の値の正常時からの変化に基づいて故障予知情報を生成しても良い。例えば、データ変換器21およびサーバー70の少なくとも1つは、例えば図7における時間ゼロから時間t1までの間など、自動ドア30の1回の開きの動作の一部の区間におけるモーター47の電流値の平均値の正常時からの変化に基づいて故障予知情報を生成しても良い。また、データ変換器21およびサーバー70の少なくとも1つは、自動ドア30の1回の閉じの動作におけるモーター47の電流値の平均値の正常時からの変化に基づいて故障予知情報を生成しても良いし、自動ドア30の1回の開きおよび閉じの両方の動作におけるモーター47の電流値の平均値の正常時からの変化に基づいて故障予知情報を生成しても良い。また、データ変換器21およびサーバー70の少なくとも1つは、自動ドア30の1回の開きおよび閉じの少なくとも1つの動作におけるモーター47の電流値のピーク値の正常時からの変化に基づいて故障予知情報を生成しても良い。なお、ピーク値は、通常、図7における時間ゼロから時間t1までの間に発生する。
【0063】
以上においては、自動ドア30におけるモーター47の電流値の正常時からの変化に基づいて故障予知情報を生成する場合の自動ドア監視システム10の動作について説明している。しかしながら、自動ドア50におけるモーター47の電流値の正常時からの変化に基づいて故障予知情報を生成する場合の自動ドア監視システム10の動作についても、クランプ型センサー52から出力される電流値を利用することを除いて同様である。
【0064】
以上においては、自動ドアにおけるモーターの電流値の正常時からの変化に基づいて故障予知情報を生成する場合の自動ドア監視システム10の動作について説明している。しかしながら、データ変換器およびサーバー70の少なくとも1つは、自動ドアの開きおよび閉じの少なくとも1つの動作におけるドアの移動に対して異常な抵抗が存在する場合の故障予知情報として、自動ドアにおけるモーターの電流値の正常時からの変化に基づいた故障予知情報以外の故障予知情報を、自動ドアにおけるモーターの電流値の正常時からの変化に基づいた故障予知情報と同様な方法によって生成することができる。
【0065】
例えば、データ変換器およびサーバー70の少なくとも1つは、自動ドアの1回の開きおよび閉じの少なくとも1つの動作全体におけるドアの移動速度の平均値の正常時からの変化に基づいた故障予知情報や、自動ドアの1回の開きおよび閉じの少なくとも1つの動作におけるドアの移動速度の最高値の正常時からの変化に基づいた故障予知情報など、自動ドアの開きおよび閉じの少なくとも1つの動作におけるドアの移動速度の正常時からの変化に基づいた故障予知情報を、自動ドアにおけるモーターの電流値の正常時からの変化に基づいた故障予知情報と同様な方法によって生成することができる。データ変換器およびサーバー70の少なくとも1つは、自動ドアの開きおよび閉じの少なくとも1つの動作におけるドアの移動速度が正常時に対して特定の速度以上低い場合に、自動ドアの開きおよび閉じの少なくとも1つの動作におけるドアの移動に対して異常な抵抗が存在すると判断することができる。
【0066】
また、データ変換器およびサーバー70の少なくとも1つは、自動ドアの1回の開きおよび閉じの少なくとも1つの動作の所要時間の正常時からの変化に基づいた故障予知情報を、自動ドアにおけるモーターの電流値の正常時からの変化に基づいた故障予知情報と同様な方法によって生成することができる。データ変換器およびサーバー70の少なくとも1つは、自動ドアの1回の開きおよび閉じの少なくとも1つの動作の所要時間が正常時に対して特定の時間以上長い場合に、自動ドアの開きおよび閉じの少なくとも1つの動作におけるドアの移動に対して異常な抵抗が存在すると判断することができる。
【0067】
また、データ変換器およびサーバー70の少なくとも1つは、自動ドアに発生する振動を検知する振動センサーを自動ドアが備えている場合に、自動ドアの1回の開きおよび閉じの少なくとも1つの動作において振動センサーによって検知される振動の正常時からの変化に基づいた故障予知情報を、自動ドアにおけるモーターの電流値の正常時からの変化に基づいた故障予知情報と同様な方法によって生成することができる。データ変換器およびサーバー70の少なくとも1つは、自動ドアの1回の開きおよび閉じの少なくとも1つの動作において自動ドアに発生する振動が特定の程度以上増加した場合に、自動ドアの開きおよび閉じの少なくとも1つの動作におけるドアの移動に対して異常な抵抗が存在すると判断することができる。
【0068】
以上においては、自動ドアの開きおよび閉じの少なくとも1つの動作におけるドアの移動に対して異常な抵抗が存在する場合の故障予知情報について説明している。しかしながら、データ変換器およびサーバー70の少なくとも1つは、自動ドアの開きおよび閉じの少なくとも1つの動作におけるドアの移動に対して異常な抵抗が存在する場合の故障予知情報以外の故障予知情報についても、自動ドアの開きおよび閉じの少なくとも1つの動作におけるドアの移動に対して異常な抵抗が存在する場合の故障予知情報と同様な方法によって生成することができる。
【0069】
例えば、データ変換器およびサーバー70の少なくとも1つは、自動ドアの1回の開きおよび閉じの少なくとも1つの動作におけるモーターの回転の回数の正常時からの変化に基づいた故障予知情報を、自動ドアにおけるモーターの電流値の正常時からの変化に基づいた故障予知情報と同様な方法によって生成することができる。ドアの開方向への移動は、ドアハンガーがドアストッパーに接触することによって停止する。したがって、自動ドアの1回の開きの動作におけるモーターの回転の回数は、自動ドアが正常な状態であれば、常に一定である。しかしながら、駆動装置のタイミングベルトが正常時より伸びてしまうと、モーターが通常通りの回数回転したとしてもドアの移動距離が正常時より短くなるので、自動ドアの1回の開きの動作におけるモーターの回転の回数は、正常時より長くなる。また、ドア、ガイドレール、ハンガーレール、ドアハンガーなどの部品のネジが緩むと、ドアハンガーがドアストッパーに接触したとしてもドアがきちんと停止しなくなり、自動ドアの1回の開きの動作におけるモーターの回転の回数は、正常時より長くなる。以上においては、自動ドアの開きの動作について説明しているが、自動ドアの閉じの動作についても同様である。したがって、データ変換器およびサーバー70の少なくとも1つは、自動ドアの1回の開きおよび閉じの少なくとも1つの動作におけるモーターの回転の回数が正常時に対して特定の回数以上増えた場合に、タイミングベルトの伸びや、ドア、ガイドレール、ハンガーレール、ドアハンガーなどの部品のネジの緩みが存在すると判断することができる。自動ドアは、タイミングベルトの伸びや、ドア、ガイドレール、ハンガーレール、ドアハンガーなどの部品のネジの緩みが存在する場合、タイミングベルトの伸びや、ドア、ガイドレール、ハンガーレール、ドアハンガーなどの部品のネジの緩みを解消するための何らかの処置が実行されなければ、いずれ故障によって動作しなくなる可能性が高い。
【0070】
データ変換器およびサーバー70の少なくとも1つは、起動センサー、補助光電センサーなどの各センサーの感度の正常時からの変化に基づいた故障予知情報を、自動ドアにおけるモーターの電流値の正常時からの変化に基づいた故障予知情報と同様な方法によって生成することができる。データ変換器およびサーバー70の少なくとも1つは、センサーの感度が正常時に対して特定の程度以上劣化した場合に、このセンサーの感度が劣化していると判断することができる。また、データ変換器およびサーバー70の少なくとも1つは、各センサーの感度の劣化度を、自動ドアの開閉回数、各センサーの稼働時間、各センサーによる検知回数などに基づいて判断することができ、判断した劣化度に基づいた故障予知情報を生成することができる。自動ドアは、センサーの感度が劣化している場合、センサーの感度の劣化を解消するための何らかの処置が実行されなければ、いずれ故障によって動作しなくなる可能性が高い。
【0071】
以上においては、故障予知情報について説明している。しかしながら、データ変換器およびサーバー70の少なくとも1つは、故障予知情報以外の情報についても、自動ドアから出力された情報に基づいて生成することができる。
【0072】
例えば、データ変換器およびサーバー70の少なくとも1つは、自動ドアの故障情報についても、故障予知情報と同様に、自動ドアから出力された情報に基づいて生成することができる。すなわち、データ変換器およびサーバー70の少なくとも1つは、自動ドアが開閉の動作をすることができない状態であることを自動ドアから出力された情報に基づいて判断すると、この自動ドアの故障情報を生成する。また、データ変換器およびサーバー70の少なくとも1つは、自動ドアから通知されるはずの情報が、特定の時間の間、通知されない場合に、この自動ドアの故障情報を生成しても良い。
【0073】
なお、中継ボックスは、サーバー70に送信すべき故障情報が存在する場合には、故障情報をゲートウェイ経由でサーバー70に即時に送信し、サーバー70に送信すべき設定情報および保全情報の少なくとも1つが存在する場合には、サーバー70に送信すべき設定情報および保全情報を、例えば1日1回など、定期的にゲートウェイ経由でサーバー70に送信する。中継ボックスは、サーバー70に送信すべき故障予知情報が存在する場合には、故障予知情報をゲートウェイ経由でサーバー70に即時に送信しても良いし、故障予知情報を定期的にゲートウェイ経由でサーバー70に送信しても良い。中継ボックスは、一部の情報をゲートウェイ経由でサーバー70に即時に送信しないことによって、ゲートウェイによる情報の送信に必要な通信コストを抑えることができる。
【0074】
自動ドアから出力された情報に基づいて自動ドアの故障予知情報、故障情報および異常情報などの情報が生成される場合、自動ドアの故障予知情報、故障情報および異常情報などの情報の生成のアルゴリズムは、この自動ドアの駆動装置に適したアルゴリズムであることが好ましいので、この駆動装置のメーカーによって設定されることが好ましい。しかしながら、自動ドアの駆動装置に適したアルゴリズムは、この駆動装置のメーカーのノウハウである場合もあり、このメーカーから自動ドア監視システム10の管理者に開示されることが困難である場合もある。自動ドア監視システム10は、自動ドアの故障予知情報、故障情報および異常情報などの情報を生成するデータ変換器が、この自動ドアの駆動装置のメーカーによって製造されることによって、このデータ変換器による自動ドアの故障予知情報、故障情報および異常情報などの情報の生成のアルゴリズムが自動ドア監視システム10の管理者に知られる可能性を低減することができる。したがって、自動ドアの駆動装置のメーカーは、自動ドアの駆動装置に適したアルゴリズムで情報を生成するデータ変換器を、自動ドア監視システム10の管理者に提供することができる。
【0075】
自動ドア監視システム10は、データ変換器と、サーバー70とを備えているので、自動ドアの駆動装置に適したアルゴリズムで情報を生成するデータ変換器が、この駆動装置のメーカーによって製造されることによって、データ変換器によって生成される情報の信頼性を向上することができるとともに、サーバー70における情報の生成のアルゴリズムが自動ドア監視システム10の管理者によって設定されることによって、サーバー70によって生成される情報の生成のアルゴリズムが容易に更新されることができる。したがって、自動ドア監視システム10は、拠点端末によって通知する情報の信頼性の高さと、拠点端末によって通知する情報の生成のアルゴリズムの更新の容易性とを両立することができる。
【0076】
自動ドア監視システム10は、起動センサーまたは補助光電センサーから出力された情報に基づいてサーバー70によって情報を生成するので、起動センサーまたは補助光電センサーから出力された情報に基づいてデータ変換器によって情報を生成しなくても良く、自動ドアの駆動装置のメーカーと、自動ドアの起動センサーまたは補助光電センサーのメーカーとが異なる場合に、自動ドアの駆動装置のメーカーによるデータ変換器の製造を容易化することができる。
【符号の説明】
【0077】
10 自動ドア監視システム
21 データ変換器(情報生成部)
30 自動ドア
31 ドア
35、36 起動センサー(センサー)
37 補助光電センサー(センサー)
50 自動ドア
60 拠点端末(情報通知部)
70 サーバー
図1
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図8