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特許7246973三次元積層装置及びファイバーの取替方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-17
(45)【発行日】2023-03-28
(54)【発明の名称】三次元積層装置及びファイバーの取替方法
(51)【国際特許分類】
   B23K 26/34 20140101AFI20230320BHJP
   B23K 26/21 20140101ALI20230320BHJP
   B23K 26/064 20140101ALI20230320BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20230320BHJP
   B29C 64/153 20170101ALI20230320BHJP
   B29C 64/268 20170101ALI20230320BHJP
   B29C 64/209 20170101ALI20230320BHJP
   B29C 64/241 20170101ALI20230320BHJP
   B33Y 50/02 20150101ALI20230320BHJP
   B29C 64/393 20170101ALI20230320BHJP
   B22F 3/105 20060101ALI20230320BHJP
   B22F 3/16 20060101ALI20230320BHJP
【FI】
B23K26/34
B23K26/21 Z
B23K26/064 K
B33Y30/00
B29C64/153
B29C64/268
B29C64/209
B29C64/241
B33Y50/02
B29C64/393
B22F3/105
B22F3/16
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019039898
(22)【出願日】2019-03-05
(65)【公開番号】P2020142270
(43)【公開日】2020-09-10
【審査請求日】2022-03-01
(73)【特許権者】
【識別番号】315017775
【氏名又は名称】日本電産マシンツール株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100138689
【弁理士】
【氏名又は名称】梶原 慶
(74)【代理人】
【識別番号】100188673
【弁理士】
【氏名又は名称】成田 友紀
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】廣野 陽子
(72)【発明者】
【氏名】田内 拓至
(72)【発明者】
【氏名】山本 雄介
【審査官】岩見 勤
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-171657(JP,A)
【文献】特開2015-196264(JP,A)
【文献】特開2010-284699(JP,A)
【文献】国際公開第2014/002236(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 26/34
B23K 26/21
B23K 26/064
B33Y 30/00
B29C 64/153
B29C 64/268
B29C 64/209
B29C 64/241
B33Y 50/02
B29C 64/393
B22F 3/105
B22F 3/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉末を噴射する粉末噴射口、光ビームを照射する光ビーム照射口、及び、前記光ビームを導くファイバーが接続されるファイバー接続口が設けられる積層ヘッドと、
前記積層ヘッドを鉛直方向に沿って移動させるヘッド移動部と、
前記積層ヘッドから、前記粉末が噴射されて前記光ビームが照射される基台部と、
前記基台部を、前記鉛直方向に直交する第1方向と、前記鉛直方向及び前記第1方向に直交する第2方向とに沿って移動させる基台移動部と、
前記積層ヘッドに接続され、鉛直方向に交差する回転軸を中心として前記積層ヘッドを回転させる回転機構と、
前記ファイバーを覆う取り外し可能なカバー部と、
を備え、
前記回転機構は、前記積層ヘッドを回転させることで、
前記ファイバー接続口が、鉛直方向上方側を向いて開口する第1状態と、
前記ファイバー接続口が、鉛直方向上方側に対して交差する方向を向いて開口する第2状態と、を切り替え、
前記カバー部は、前記第1状態において前記積層ヘッドに干渉せず、前記第2状態において前記積層ヘッドに干渉する、
三次元積層装置。
【請求項2】
前記回転機構の最大回転角度は、前記積層体の成形時において前記積層ヘッドの中心軸が鉛直方向に対してなす角度よりも大きい、請求項1に記載の三次元積層装置。
【請求項3】
前記ファイバー接続口は、前記第2状態において、鉛直方向に対して、85度以上95度以下交差する方向に向いて開口する、請求項1又は請求項2に記載の三次元積層装置。
【請求項4】
前記ファイバー接続口は、前記積層ヘッドにおいて前記光ビーム照射口が設けられる面と反対側の面に設けられる、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の三次元積層装置。
【請求項5】
前記回転機構は、
表面が鉛直方向に直交する平面に交差する第1板部と、
前記積層ヘッドに固定され、前記第1板部の表面に表面が接触した状態で前記第1板部に対して回転可能に接続される第2板部と、
を備え、
前記第2板部が前記第1板部に対して回転することで、前記第1状態と前記第2状態とを切り替える、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の三次元積層装置。
【請求項6】
前記回転機構は、前記第2板部の前記第1板部に対する回転軸となる回転軸部と、前記第2板部を前記第2状態で位置決めする位置決め部と、前記第2板部を前記第2状態で固定する固定部と、を有する、請求項5に記載の三次元積層装置。
【請求項7】
前記積層ヘッドよりも鉛直方向上方に設けられ、前記ファイバーを移動可能に挟持する滑車部をさらに有する、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の三次元積層装置。
【請求項8】
粉末を噴射する粉末噴射口、光ビームを照射する光ビーム照射口、及び、前記光ビームを導くファイバーが接続されるファイバー接続口が設けられる積層ヘッドと、前記積層ヘッドを鉛直方向に沿って移動させるヘッド移動部と、前記積層ヘッドから、前記粉末が噴射されて前記光ビームが照射される基台部と、前記基台部を、前記鉛直方向に直交する第1方向と、前記鉛直方向及び前記第1方向に直交する第2方向とに沿って移動させる基台移動部と、を有する三次元積層装置から、前記ファイバーを取り替えるファイバーの取替方法であって、
前記ファイバー接続口に前記ファイバーが取付けられ、前記ファイバー接続口が鉛直方向上方側を向く第1状態から、鉛直方向に交差する回転軸を中心として前記積層ヘッドを回転させることで、前記積層ヘッドを、前記ファイバー接続口が鉛直方向上方側に対して交差する方向を向く第2状態に切り替える第1回転ステップと、
前記第2状態となった前記積層ヘッドの前記ファイバー接続口から、前記ファイバーを取り外す取外しステップと、
前記取外しステップによって前記ファイバーが取り外された前記積層ヘッドの前記ファイバー接続口に、前記ファイバー又は別のファイバーを取り付ける取付けステップと、
前記取付けステップによって前記ファイバーが取り付けられた積層ヘッドを回転させて、第2状態から第1状態に切り替える第2回転ステップと、
を有する、
ファイバーの取替方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、三次元積層装置及びファイバーの取替方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、金属粉末などの粉末を原料として三次元積層体を成形する積層体成形方法が実用化されている。例えば特許文献1には、積層ヘッドから光ビームを照射しつつ粉末を噴射することで三次元積層体を製造する、デポジション方式の三次元積層装置が記載されている。特許文献1のようなデポジション方式においては、一般的に、光ビームを導くためのファイバーが積層ヘッドに接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-196264号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
積層ヘッドに接続されるファイバーは、メンテナンス時などにおいては、積層ヘッドから取り外される。しかし、取り外された際に、ファイバーと接続されていた箇所から積層ヘッド内に、ほこりなどの異物が混入するおそれがある。異物が混入すると、光ビームが異物に照射されるなどの原因により、積層ヘッド、ファイバー、積層ヘッドに接続される光源などが破損する可能性がある。従って、積層ヘッドにおいては、異物の侵入を抑制するように、ファイバーが接続される位置を設定することが求められる。さらに、ファイバーが接続される位置、すなわち光ビームの入射位置と、光ビームの出射位置との関係によっては、積層ヘッド内の光学部品の数を多くする必要が生じて、装置サイズが大きくなってしまうおそれもある。従って、装置サイズが大きくなることを抑制しつつ、メンテナンス時に異物の混入を抑制する三次元積層装置が求められている。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決するものであり、装置サイズが大きくなることを抑制しつつ、メンテナンス時に異物の混入を抑制する三次元積層装置及びファイバーの取替方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係る三次元積層装置は、粉末を噴射する粉末噴射口、光ビームを照射する光ビーム照射口、及び、前記光ビームを導くファイバーが接続されるファイバー接続口が設けられる積層ヘッドと、前記積層ヘッドを鉛直方向に沿って移動させるヘッド移動部と、前記積層ヘッドから、前記粉末が噴射されて前記光ビームが照射される基台部と、前記基台部を、前記鉛直方向に直交する第1方向と、前記鉛直方向及び前記第1方向に直交する第2方向とに沿って移動させる基台移動部と、前記積層ヘッドに接続され、鉛直方向に交差する回転軸を中心として前記積層ヘッドを回転させる回転機構と、前記ファイバーを覆う取り外し可能なカバー部と、を備え、前記回転機構は、前記積層ヘッドを回転させることで、前記ファイバー接続口が、鉛直方向上方側を向いて開口する第1状態と、前記ファイバー接続口が、鉛直方向上方側に対して交差する方向を向いて開口する第2状態と、を切り替え、前記カバー部は、前記第1状態において前記積層ヘッドに干渉せず、前記第2状態において前記積層ヘッドに干渉する。
【0007】
この三次元積層装置は、第2状態に切り替えてからファイバーを取り外すことにより、異物の混入を抑制しつつ、第1状態にも切り替え可能とすることで、装置サイズが大きくなることを抑制することができる。
【0008】
前記回転機構の最大回転角度は、前記積層体の成形時において前記積層ヘッドの中心軸が鉛直方向に対してなす角度よりも大きいことが好ましい。この三次元積層装置によると、ファイバー接続口の向きを水平方向に近づけて、異物の混入を抑制できる。
【0009】
前記ファイバー接続口は、前記第2状態において、鉛直方向に対して、85度以上95度以下交差する方向に向いて開口することが好ましい。この三次元積層装置は、ファイバー接続口の向きを水平方向に近づけて、異物の混入を抑制できる。
【0010】
前記ファイバー接続口は、前記積層ヘッドにおいて前記光ビーム照射口が設けられる面と反対側の面に設けられることが好ましい。この三次元積層装置は、光ビーム照射口と粉末噴射口とを反対の面に設けることで、光ビームの光路を簡易にすることができ、装置サイズが大きくなることを抑制できる。
【0011】
前記回転機構は、表面が鉛直方向に直交する平面に交差する第1板部と、前記積層ヘッドに固定され、前記第1板部の表面に表面が接触した状態で前記第1板部に対して回転可能に接続される第2板部と、を備え、前記第2板部が前記第1板部に対して回転することで、前記第1状態と前記第2状態とを切り替えることが好ましい。この三次元積層装置は、回転機構として第1板部と第2板部とを備えることで、第1状態と第2状態とを適切に切り替えることができる。
【0012】
前記回転機構は、前記第2板部の前記第1板部に対する回転軸となる回転軸部と、前記第2板部を前記第2状態で位置決めする位置決め部と、前記第2板部を前記第2状態で固定する固定部と、を有することが好ましい。この三次元積層装置は、回転軸部を中心に第2板部を回転させて、位置決め部で位置決めした状態で、固定部で第2状態に固定することができるため、第2状態に適切に切り替えることができる。
【0013】
前記ファイバーを覆う取り外し可能なカバー部をさらに有し、前記カバー部は、前記第1状態において前記積層ヘッドに干渉せず、前記第2状態において前記積層ヘッドに干渉してもよい。この三次元積層装置は、カバー部がある場合にも、第1状態と第2状態とを適切に切り替えて、異物の混入を抑制することができる。
【0014】
前記積層ヘッドよりも鉛直方向上方に設けられ、前記ファイバーを移動可能に挟持する滑車部をさらに有することが好ましい。この三次元積層装置は、滑車部でファイバーを挟持することで、ファイバーを適切に保持することができる。
【0015】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係るファイバーの取替方法は、粉末を噴射する粉末噴射口、光ビームを照射する光ビーム照射口、及び、前記光ビームを導くファイバーが接続されるファイバー接続口が設けられる積層ヘッドと、前記積層ヘッドを鉛直方向に沿って移動させるヘッド移動部と、前記積層ヘッドから、前記粉末が噴射されて前記光ビームが照射される基台部と、前記基台部を、前記鉛直方向に直交する第1方向と、前記鉛直方向及び前記第1方向に直交する第2方向とに沿って移動させる基台移動部と、を有する三次元積層装置から、前記ファイバーを取り替えるファイバーの取替方法であって、前記ファイバー接続口に前記ファイバーが取付けられ、前記ファイバー接続口が鉛直方向上方側を向く第1状態から、鉛直方向に交差する回転軸を中心として前記積層ヘッドを回転させることで、前記積層ヘッドを、前記ファイバー接続口が鉛直方向上方側に対して交差する方向を向く第2状態に切り替える第1回転ステップと、前記第2状態となった前記積層ヘッドの前記ファイバー接続口から、前記ファイバーを取り外す取外しステップと、前記取外しステップによって前記ファイバーが取り外された前記積層ヘッドの前記ファイバー接続口に、前記ファイバー又は別のファイバーを取り付ける取付けステップと、前記取付けステップによって前記ファイバーが取り付けられた積層ヘッドを回転させて、第2状態から第1状態に切り替える第2回転ステップと、を有する。この取替方法によると、第2状態に切り替えてからファイバーを取り外すことにより、異物の混入を抑制しつつ、第1状態にも切り替え可能とすることで、装置サイズが大きくなることを抑制することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、装置サイズが大きくなることを抑制しつつ、メンテナンス時に異物の混入を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本実施形態の三次元積層装置の模式図である。
図2図2は、本実施形態の三次元積層装置の模式図である。
図3図3は、本実施形態に係る積層ヘッドの模式図である。
図4図4は、第1板部の模式図である。
図5図5は、第2板部の模式図である。
図6図6は、本実施形態に係る回転機構の模式図である。
図7図7は、本実施形態に係る回転機構の模式図である。
図8図8は、ファイバーの取替方法のフローを説明するフローチャートである。
図9図9は、本実施形態に係る回転機構の別の例を示す模式図である。
図10図10は、本実施形態に係る回転機構の別の例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含むものである。
【0019】
図1及び図2は、本実施形態の三次元積層装置の模式図である。ここで、本実施形態では、水平面内の一方向を方向X、水平面内において方向Xと直交する方向を方向Y、方向X及び方向Yのそれぞれと直交する方向、すなわち鉛直方向を、方向Zとする。また、方向Yに沿う方向のうち一方の方向を、方向Y1とし、方向Yに沿う方向のうち他方の方向、すなわち方向Y1の反対方向を、方向Y2とする。本実施形態においては、三次元積層装置1の方向Y2側が、三次元積層装置1の正面側であり、三次元積層装置1の方向Y1側が、三次元積層装置1の背面側である。三次元積層装置1の正面側とは、例えば、作業者が積層体を成形するために三次元積層装置1を操作する側である。また、方向Zに沿う方向のうち一方の方向を、方向Z1とし、方向Zに沿う方向のうち他方の方向、すなわち方向Z1の反対方向を、方向Z2とする。本実施形態では、方向Z1が鉛直方向上方に向かう方向であり、方向Z2が鉛直方向下方に向かう方向である。図1は、本実施形態に係る三次元積層装置1を方向Yから見た模式図であり、図2は、三次元積層装置1を方向Xから見た模式図である。
【0020】
図1に示すように、三次元積層装置1は、三次元積層室R内に、台部10と、基台移動部12と、基台部14と、台部16と、積層ヘッド18と、回転機構20と、ヘッド移動部22と、ファイバー24と、管26と、滑車部28と、台部30と、カバー部32と、光源部33と、粉末供給部34と、制御部36とを備える。
【0021】
三次元積層装置1は、基台部14に、三次元形状物である積層体を成形する装置である。基台部100は、積層体が成形される土台となる部材である。本実施形態の基台部14は、板状の部材である。なお、基台部14は、これに限定されない。基台部14は、積層体とは別体として積層体の土台となる部材であってもよいし、積層体と結合されて積層体の一部となる部材であってもよい。
【0022】
台部10は、基台移動部12や基台部14などを支持する台である。基台移動部12は、台部10上に設けられ、基台部14を支持する。基台移動部12は、制御部36の制御により、基台部14を移動させる機構である。基台移動部12は、第1移動部12Aと、第2移動部12Bと、回転部12Cとを有する。第1移動部12Aは、水平方向に沿った(鉛直方向に直交する)第1方向に基台部14を移動させる機構である。本実施形態では、第1移動部12Aは、基台部14を方向Yに沿って移動させる。さらに言えば、本実施形態においては、第1移動部12A上に、第2移動部12B、回転部12C、及び基台部14が配置され、第1移動部12Aは、第2移動部12B、回転部12C、及び基台部14を、方向Yに沿って移動させる。
【0023】
第2移動部12Bは、水平方向に沿った(鉛直方向に直交する)第2方向に基台部14を移動させる機構であり、第2方向は、第1方向に直交する方向である。本実施形態では、第2移動部12Bは、基台部14を方向Xに沿って移動させる。さらに言えば、本実施形態においては、第2移動部12B上に、回転部12C及び基台部14が配置され、第2移動部12Bは、回転部12C及び基台部14を方向Xに沿って移動させる。なお、本実施形態では、第1移動部12Aと第2移動部12Bは、上部に載せた基台部14を移動させるスライダであるが、スライダ以外の機構であってもよい。
【0024】
回転部12Cは、基台部14が配置される回転テーブルである。回転部12Cは、少なくとも1つの回転軸を中心として回転することで、上部に配置されている基台部14を回転させる。本実施形態では、回転部12Cは、互いに直交する3つの回転軸を回転中心として基台部14を回転させる。
【0025】
このように、基台移動部12は、第1移動部12Aと第2移動部12Bとにより、基台部14を方向X及び方向Yに沿って移動させる。さらに、基台移動部12は、回転部12Cにより、基台部14を3つの回転軸を回転中心として回転させる。すなわち、基台移動部12は、基台部14を、2つの軸に沿って移動させ3つの回転軸を中心に回転させる、5軸の移動機構である。ただし、基台移動部12は、5軸の移動機構に限られず、例えば、基台部14を方向X及び方向Yに沿って移動させる2軸の移動機構であってもよい。
【0026】
台部16は、三次元積層室R内に設けられる台座であり、本実施形態ではヘッド移動部22が設けられている。
【0027】
積層ヘッド18は、基台部14の方向Z1側、すなわち基台部14の鉛直方向上方側に設けられる。積層ヘッド18は、光ビーム照射口42Bから、基台部14に向けて光ビームLを照射し、粉末噴射口44Bから、基台部14に向けて粉末Pを噴射することで、基台部14上で積層体を形成する。すなわち、本実施形態に係る三次元積層装置1は、積層ヘッド18を備えるデポジション方式の三次元積層装置である。
【0028】
図3は、本実施形態に係る積層ヘッドの模式図である。図3に示すように、積層ヘッド18は、内管42と外管44とを有する。外管44は、管状の部材であり、先端、すなわち方向Z2に向かって径が小さくなっている。内管42も、管状の部材であり、先端、すなわち方向Z2に向かって径が小さくなっている。内管42は、外管44の内部に挿入されているため、内管42と外管44とで、二重管を構成している。積層ヘッド18は、内管42の内周面側の空間が、光ビームLが通過するビーム経路42Aとなる。また、積層ヘッド18は、内管42の外周面と外管44の内周面との間の空間が、粉末Pが通過する粉末流路44Aとなる。すなわち、粉末流路44Aは、ビーム経路42Aの周囲を囲う形状の流路となる。本実施形態では、粉末流路44Aは、ビーム経路42Aの外周に同心円状に配置される。
【0029】
積層ヘッド18は、方向Z2側の端部40Aに、光ビーム照射口42Bが開口している。また、積層ヘッド18は、方向Z1側の端部40B、すなわち端部40Aとは反対側の端部に、ファイバー接続口48が設けられる。ファイバー接続口48は、端部40Bに設けられた開口である。光ビーム照射口42Bとファイバー接続口48とは、ビーム経路42Aを介して連通している。すなわち、光ビーム照射口42Bは、ビーム経路42Aの方向Z2側の開口であり、ファイバー接続口48は、ビーム経路42Aの方向Z1側の開口である。また、積層ヘッド18は、ビーム経路42Aの光ビーム照射口42Bとファイバー接続口48との間の位置に、光学素子46が設けられる。光学素子46は、例えば、光ビームLをコリメートするコリメートレンズと、コリメートした光ビームLを集光する集光レンズと、を備える。ただし、光学素子46の構成はこれに限られず任意である。
【0030】
ファイバー接続口48には、ファイバー24が接続される。ファイバー24は、光ビームLの光源となる光源部33に接続されるファイバーであり、端部24Aがファイバー接続口48に接続される。ファイバー24は、光源部33からの光ビームLが入射され、入射した光ビームLを端部24Aまで導き、端部24Aから積層ヘッド18のビーム経路42A内に光ビームLを出射する。ビーム経路42A内に出射された光ビームLは、ビーム経路42A内を方向Z2に向けて進行し、光学素子46を通って、光ビーム照射口42Bから積層ヘッド18の外部に出射される。光ビーム照射口42Bから出射された光ビームLは、方向Z2に向けて進み、基台部14に向けて照射される。
【0031】
また、積層ヘッド18は、方向Z2側の端部40Aに、粉末噴射口44Bが開口している。粉末噴射口44Bは、光ビーム照射口42Bを囲うように開口する。また、積層ヘッド18は、方向Z1側の端部40Bに、管接続口49が設けられる。管接続口49は、端部40Bに設けられた開口である。粉末噴射口44Bと管接続口49とは、粉末流路44Aを介して連通している。すなわち、粉末噴射口44Bは、粉末流路44Aの方向Z2側の開口であり、管接続口49は、粉末流路44Aの方向Z1側の開口である。
【0032】
管接続口49には、管26が接続される。管26は、粉末Pが貯留されるタンクである粉末供給部34に接続される管であり、端部26Aが管接続口49に接続される。管26は、粉末供給部34からの粉末Pを端部26Aまで導き、端部26Aから積層ヘッド18の粉末流路44A内に粉末Pを供給する。粉末流路44A内に供給された粉末Pは、粉末流路44A内を方向Z2に向けて流れ、粉末噴射口44Bから積層ヘッド18の外部に噴射される。粉末噴射口44Bから噴射された粉末Pは、方向Z2に向けて進み、基台部14に向けて噴射される。
【0033】
ここで、光ビームLは、所定のスポット径をもって基台部14に向かって照射される。図3の例では、光ビームLは、基台部14上の基材Aに、スポット径、すなわち光ビームの収束位置が重なるように、照射される。基材Aは、三次元積層装置1に積層されている最中の積層体であってもよいし、積層体の母材となる部材であってもよい。基材Aは、光ビームLによって溶融され、基材Aが溶融した溶融プールA1を形成する。また、粉末Pは、所定の収束径をもって、基台部14に向かって噴射される。粉末Pは、溶融プールA1に向けて、すなわち収束位置が溶融プールA1と重なるように噴射される。従って、粉末噴射口44Bから噴射された粉末Pは、溶融プールA1内で溶融される。そして、基台部14は、積層ヘッド18に対して移動するため、光ビームLが照射される位置が変化する。従って、光ビームLが照射されて溶融プールA1を形成していた箇所は、光ビームLが照射されなくなることで冷却されて固化して、ビードA2を形成する。このビードA2を三次元状に積層することで、積層体が成形される。
【0034】
なお、本実施形態における光ビームLは、レーザ光であるが、レーザ光に限られず、例えば電子ビームなどであってもよい。また、本実施形態における粉末Pは、金属粉末であるが、粉末であれば、金属粉末に限られない。
【0035】
なお、図1及び図3の例では、光ビームLを伝送するファイバー24と、粉末Pを供給する管26とが、積層ヘッド18に接続されているが、それ以外の管が積層ヘッド18に接続されていてもよい。例えば、積層ヘッド18に気体を供給する管や、積層ヘッド18に冷却水を供給する管などが、積層ヘッド18に接続されていてもよい。これらの管も、積層ヘッド18の端部40Bに接続されることが好ましい。なお、積層ヘッド18に接続される管により供給される気体としては、粉末流路44Aに供給されて粉末Pを流すためのガスや、粉末P及び光ビームLが供給される箇所の外周を覆うように供給される不活性ガスなどが挙げられる。
【0036】
図1に戻り、回転機構20は、積層ヘッド18に接続され、方向Zに交差する回転軸を中心として積層ヘッド18を回転させる機構である。回転機構20は、ヘッド移動部22を介して台部16に取付けられているが、ヘッド移動部22を介さずに台部16に取付けられてもよいし、台部16に取付けられていなくてもよい。すなわち、回転機構20の取付け位置は、任意である。
【0037】
図1に示すように、回転機構20は、第1板部50と、第2板部52と、接続部54とを有する。第1板部50は、板状の部材である。本実施形態においては、第1板部50は、表面50Aの反対側の面である背面50Bが、ヘッド移動部22を介して台部16に取付けられている。第2板部52は、表面52Aが、第1板部50の表面50Aに回転可能に取り付けられている。接続部54は、第2板部52と積層ヘッド18とを接続する部材である。接続部54は、例えば、第2板部52の表面52Aの反対側の面である背面52Bと、積層ヘッド18の側面(ここでは方向X側の面)とを接続する。接続部54は、第2板部52と積層ヘッド18とを、互いの相対位置が固定されるように接続する。すなわち、積層ヘッド18は、第2板部52に対して位置が固定されている。回転機構20の詳細な構造は、後述する。
【0038】
ヘッド移動部22は、積層ヘッド18を方向Zに沿って移動させる。本実施形態では、ヘッド移動部22は、台部16に取付けられている。ヘッド移動部22は、回転機構20と、回転機構20に接続される積層ヘッド18とを、方向Zに沿って移動させる。本実施形態では、ヘッド移動部22は、回転機構20と積層ヘッド18とを移動させるスライダであるが、スライダ以外の機構であってもよい。また、ヘッド移動部22は、台部16に取付けられることに限られず、取付け位置は任意である。
【0039】
図1及び図2に示すように、滑車部28は、積層ヘッド18よりも方向Z1側に設けられ、ファイバー24を移動可能に挟持する。滑車部28は、滑車28Aと滑車28Bとを有する。滑車28Aと滑車28Bとは、軸状の部材である。滑車28Aは、台部16から、積層ヘッド18が設けられる側に向けて方向Xに沿って延在し、方向Xに沿った軸を中心に回転する。滑車28Bは、滑車28Aよりも方向Z2側に設けられる。滑車28Bは、台部16から、積層ヘッド18が設けられる側に向けて方向Xに沿って延在し、方向Xに沿った軸を中心に回転する。また、図2に示すように、滑車28Aと滑車28Bとは、スライド部28C内に設けられており、スライド部28C内を、方向Zに沿って移動する。滑車28Aと滑車28Bとは、回転機構20に接続されており、回転機構20及び積層ヘッド18と一体で、方向Zに沿って移動する。
【0040】
滑車28Aと滑車28Bとの間には、ファイバー24が設けられる。図2に示すように、ファイバー24は、積層ヘッド18のファイバー接続口48に接続される端部24Aと、光源部33に接続される端部24Bとの間の箇所の中間部24Cが、滑車28Aと滑車28Bとの間に位置している。すなわち、ファイバー24は、中間部24Cにおいて、滑車28Aと滑車28Bとに挟持されている。滑車28Aと滑車28Bとは回転するため、ファイバー24は、滑車28Aと滑車28Bと対して移動可能である。
【0041】
図1に示すように、管26も、ファイバー24と同様に、滑車部28に移動可能に挟持されている。ファイバー24と管26とは、滑車28Aに設けられた仕切り部28A1を介して、互いに接触しないように滑車部28に挟持されている。なお、積層ヘッド18にファイバー24及び管26以外の管が接続されている場合、その管も、ファイバー24と同様に、滑車部28に移動可能に挟持されることが好ましい。
【0042】
なお、滑車部28は、ファイバー24と管26とを取り外し可能な構成となっている。図1に示すように、滑車28Aは、台部16側の箇所28A2を中心として、方向Y回りに回転する。これにより、滑車28Aは、図1の破線に示すように開き、ファイバー24と管26との取付け及び取外しが可能なスペースを形成する。
【0043】
図1及び図2に示すように、台部30は、上面にカバー部32が設けられる台である。カバー部32は、ファイバー24を覆うカバーである。図2に示すように、カバー部32は、積層ヘッド18の方向Y1側、すなわち、積層ヘッド18よりも三次元積層装置1の背面側に、配置される。カバー部32の面32Aは、方向Yにおいて、積層ヘッド18と対向するよう配置されている。カバー部32の面32Aは、方向Yにおいて、ファイバー24と積層ヘッド18との間に設けられているといえる。カバー部32は、積層ヘッド18の方向Z1側が開口しており、方向Z1側の開口から、カバー部32内に、すなわち面32Aより方向Y1側に、ファイバー24が挿入される。なお、カバー部32は、ファイバー24に加え、管26も覆っている。また、積層ヘッド18にファイバー24及び管26以外の管が接続されている場合、その管も、ファイバー24と同様に、カバー部32に覆われることが好ましい。
【0044】
カバー部32は、このようにファイバー24を覆うことで、積層時の光ビームLなどによる熱が、ファイバー24に伝わることを抑制している。なお、カバー部32は、三次元積層装置1から取り外し可能に構成されている。
【0045】
図1に示す制御部36は、三次元積層装置1を制御する制御装置、ここでは数値制御装置である。制御部36は、基台移動部12を制御して基台部14を移動させ、ヘッド移動部22を制御して積層ヘッド18を方向Zに沿って移動させ、積層ヘッド18による光ビームLの照射を制御して、積層ヘッド18による粉末Pの噴射を制御する。なお、本実施形態においては、回転機構20は、例えば人力によって回転する機構であり、制御部36の制御により自動で回転する機構ではない。ただし、回転機構20は、制御部36の制御により回転するものであってもよい。
【0046】
次に、回転機構20について詳細に説明する。回転機構20は、積層ヘッド18を回転させることで、積層ヘッド18を、第1状態と第2状態とに切り替える。第1状態と第2状態については、後述する。最初に、第1板部50及び第2板部52の構成について説明する。図4は、第1板部の模式図である。図1及び図4に示すように、回転機構20の第1板部50は、表面50A及び背面50Bが、方向Zに沿っている。図4の例では、第1板部50は、方向Y1側よりも方向Y2側の方が、表面が広い形状となっているが、そのような形状は一例である。
【0047】
図4に示すように、第1板部50は、回転軸受部60と、開口部62、64と、突起部66とが設けられる。回転軸受部60は、後述の第2板部52の軸部70と共に、回転機構20の回転軸部20aを構成する。回転軸受部60は、開口部60Aと軸受部60Bとを有する。開口部60Aは、表面50Aに開口する穴である。開口部60Aは、中心軸が表面50Aに直交するように、ここでは中心軸が方向Xに沿うように、設けられている。軸受部60Bは、開口部60Aに挿入される軸受けである。軸受部60Bは、例えば、転がり軸受けや、滑り軸受けなどである。
【0048】
開口部62、64は、表面50Aから背面50Bまで貫通する穴である。開口部62、64は、後述の第2板部52の開口部72、74と共に、回転機構20の固定部20b1、20b2を構成する。突起部66は、表面50Aから突出する突起である。突起部66は、後述の第2板部52の切欠き部76と共に、回転機構20の位置決め部20c1を構成する。なお、回転軸受部60と開口部62、64と突起部66とが設けられる位置は、図4の例に限られない。
【0049】
図5は、第2板部の模式図である。図5は、第1状態の向きにおける第2板部52を示している。図5に示すように、第2板部52は、表面52A及び背面52Bが、方向Zに沿っている。第2板部52は、軸部70と、開口部72、74と、切欠き部76とが設けられる。軸部70は、表面52Aから方向Xに沿って突出する軸状の部材である。開口部72、74は、表面52Aから背面52Bまで貫通する穴である。切欠き部76は、第2板部52の側面に設けられる切欠きである。また、第2板部52は、側面に把持部78を有してもよい。把持部78は、作業者が把持するための部材である。作業者は、把持部78を把持して第2板部52に回転方向のモーメントを加えることで、第2板部52を回転させることができる。
【0050】
なお、以上説明したように、第1板部50の表面50Aと第2板部52の表面52Aとは、方向Zに沿っているが、方向Zに沿っていることに限られない。例えば、第1板部50の表面50Aと第2板部52の表面52Aとは、方向Zに対して直交していなければよい。言い換えれば、第1板部50の表面50Aと第2板部52の表面52Aとは、方向Zに直交する平面に対して交差していればよい。
【0051】
第2板部52は、第1板部50に対して回転可能に接続される。より詳しくは、図1に示すように、第2板部52は、表面52Aが、第1板部50の表面50Aに接触するように第1板部50に接続される。そして、第2板部52は、第1板部50が接触する表面50Aと反対側の背面50Bにおいて、積層ヘッド18と接続される。以下、第2板部52が第1板部50に接続された構成について説明する。
【0052】
図6及び図7は、本実施形態に係る回転機構の模式図である。図6は第1状態を示しており、図7は第2状態を示している。図6に示すように、第1状態は、第2板部52に取付けられた積層ヘッド18のファイバー接続口48が、方向Z1側を向いて開口する状態である。また、第1状態は、積層ヘッド18の中心からファイバー接続口48に向かう方向が、方向Z1に沿っていると言ってもよい。また、ファイバー接続口48の中心軸を中心軸AX2とすると、第1状態は、ファイバー接続口48が方向Z1側を向いて開口し、かつ、中心軸AX2が方向Z1に沿っている状態であると言ってもよい。また、第1状態は、積層ヘッド18の光ビーム照射口42B及び粉末噴射口44Bが、方向Z2側を向いて開口する状態であるともいえる。
【0053】
図6に示すように、第1板部50と第2板部52とは、第1板部50の回転軸受部60と第2板部52の軸部70とが重なるように接続される。より詳しくは、第2板部52の表面52Aが、第1板部50の表面50Aに接触し、表面52Aに設けられた軸部70が、回転軸受部60内に挿入されている。軸部70は、回転軸受部60に挿入された状態で、回転可能となっている。すなわち、軸部70は、第2板部52の回転軸となるため、回転軸受部60と軸部70とで、回転軸部20aを構成しているということができる。このように、本実施形態における回転軸部20aは、軸部70が回転軸受部60内で回転する機構であるが、回転可能な機構であれば、このような軸と軸受けとの構造に限られない。
【0054】
また、第1状態においては、第1板部50の開口部62と、第2板部52の開口部72とが、方向Xから見て、重畳する。本実施形態においては、開口部62と開口部72とにボルトなどの部材を挿入して、第1板部50と第2板部52とを、開口部62と開口部72とが重畳した状態で固定する。これにより、第1板部50と第2板部52とは、開口部62と開口部72とが重畳した状態、すなわち第1状態で固定される。このように、開口部62と開口部72とは、第1板部50と第2板部52とを第1状態で固定する固定部20b1になっている。ただし、第1状態で固定する固定部20b1は、開口部62と開口部72とに限られず、別の構成であってもよい。
【0055】
また、第2板部52の切欠き部76と第1板部50の突起部66とは、切欠き部76内に突起部66が位置した状態で開口部62と開口部72とが重畳するような位置に、設けられている。言い換えれば、切欠き部76と突起部66とは、切欠き部76内に突起部66が位置した状態で第1状態となるような位置に、設けられている。従って、例えば第2状態から第1状態に変化させる場合は、切欠き部76内に突起部66が位置する状態まで、第2板部52を回転させて、その状態で開口部62と開口部72とにボルトを挿入することで、第1板部50と第2板部52とが、第1状態で固定される。このように、切欠き部76と突起部66とは、第1板部50と第2板部52とを、第1状態の位置に規定する位置決め部20c1となっている。ただし、第1状態の位置に規定する位置決め部20c1は、切欠き部76と突起部66とに限られず、別の構成であってもよい。
【0056】
次に、第2状態について説明する。図7に示すように、第2状態は、第2板部52に取付けられた積層ヘッド18のファイバー接続口48が、方向Z1に対して交差する方向を向いて開口する状態である。また、第2状態は、積層ヘッド18の中心からファイバー接続口48に向かう方向が、方向Z1に交差している状態と言ってもよい。また、第2状態は、中心軸AX2が方向Z1に対して交差する方向に沿っている状態であると言ってもよい。ここで、方向Z1に沿った仮想的な軸AXと中心軸AX2とがなす角度を、角度θとする。この場合、第2状態において、角度θは、85度以上95度以下であることが好ましい。さらに、第2状態においては、角度θが90度、すなわち中心軸AX2が方向Z1に対して直交する水平方向に沿っていることがより好ましい。なお、第2状態においては、積層ヘッド18の光ビーム照射口42B及び粉末噴射口44Bも、方向Z1側に対して交差する方向を向いて開口する状態となっている。さらに言えば、回転機構20の最大回転角度は、積層体Aの成形時において積層ヘッド18の中心軸AX2が鉛直方向に対してなす角度よりも、大きい。
【0057】
図7に示すように、第2状態においては、第2板部52の表面52Aが第1板部50の表面50Aに接触し、表面52Aに設けられた軸部70が回転軸受部60内に挿入された状態で、第2板部52の位置が第1状態から変化している。すなわち、第2状態は、第2板部52が、第1状態から、回転軸部20a(軸部70及び回転軸受部60)を中心として回転した後の状態となっている。第2状態においては、第1板部50の開口部64と、第2板部52の開口部74とが、方向Xから見て、重畳する。本実施形態においては、開口部64と開口部74とにボルトなどの部材を挿入して、第1板部50と第2板部52とを、開口部64と開口部74とが重畳した状態で固定する。これにより、第1板部50と第2板部52とは、開口部64と開口部74とが重畳した状態、すなわち第2状態で固定される。このように、開口部64と開口部74とは、第1板部50と第2板部52とを第2状態で固定する固定部20b2になっている。ただし、第2状態で固定する固定部20b2は、開口部64と開口部74とに限られず、別の構成であってもよい。
【0058】
また、第2板部52の側面52Cと第1板部50の突起部66とは、側面52Cと突起部66とが接触した状態で開口部64と開口部74とが重畳するような位置に、設けられている。言い換えれば、側面52Cと突起部66とは、側面52Cと突起部66とが接触した状態で第2状態となるような位置に、設けられている。従って、例えば第1状態から第2状態に変化させる場合は、側面52Cと突起部66とが接触する状態まで、第2板部52を回転させて、その状態で開口部64と開口部74とにボルトを挿入することで、第1板部50と第2板部52とが、第2状態で固定される。このように、側面52Cと突起部66とは、第1板部50と第2板部52とを、第2状態の位置に規定する位置決め部20c2となっている。ただし、第2状態の位置に規定する位置決め部20c2は、側面52Cと突起部66とに限られず、別の構成であってもよい。
【0059】
回転機構20は、第1状態と第2状態とにおいて、以上のような状態となっている。第1状態と第2状態とを切り替える場合、第2板部52を、回転軸部20aの中心軸である回転軸AX1を回転中心として回転させる。積層ヘッド18は、第2板部52に対して位置が固定されているため、第2板部52と一体で回転して、第1状態と第2状態とが切り替えられる。第1状態から第2状態に切り替える場合、図6の第1状態において、例えば開口部62と開口部72とからボルトを外して第1状態での固定を解除した後、第2板部52を、回転軸AX1を回転中心として(図6及び図7の例では反時計回りに)回転させる。そして、例えば図7に示した状態で開口部64と開口部74とにボルトを挿入することで、第2状態に固定する。第2状態から第1状態に切り替える場合は、図7の第2状態において、例えば開口部64と開口部74とからボルトを外して第2状態での固定を解除した後、第2板部52を、回転軸AX1を回転中心として(図6及び図7の例では時計回りに)回転させる。そして、例えば図6に示した状態で開口部62と開口部72とにボルトを挿入することで、第1状態に固定する。
【0060】
ここで、三次元積層装置1は、メンテナンスなどの際に、光ビームLを導通するファイバー24を、積層ヘッド18から取り外す。ファイバー24が取り外されると、積層ヘッド18は、ファイバー接続口48が露出した状態となるため、ほこりなどの異物が、ファイバー接続口48から積層ヘッド18内に侵入するおそれがある。ファイバー接続口48が方向Z1側、すなわち鉛直方向上方側に向けて開口している場合、重力などによって異物の侵入する可能性が高くなる。従って、ファイバー接続口48は、鉛直方向上方側から交差した方向、例えば鉛直方向に直交する水平方向に向けて開口することが好ましい。一方、三次元積層装置1は、光ビーム照射口42B及び粉末噴射口44Bが、方向Z2側、すなわち鉛直方向下方側を向いて開口した状態で、積層体の積層を行うことが好ましい。従って、三次元積層装置1は、ファイバー接続口48が鉛直方向上方に対して交差し、光ビーム照射口42Bが鉛直方向下方に向くことが好ましいといえる。これを満たすために、例えば、積層ヘッド18の底面(鉛直方向下方側の面)に光ビーム照射口42Bを配置し、積層ヘッド18の側面(水平方向側の面)にファイバー接続口48を配置することも考えられる。しかし、この場合、側面のファイバー接続口48から入射された光ビームLを底面の光ビーム照射口42Bに導くために、光ビームLの光路を曲げるなどの措置が必要となり、内部の光学部品の数を増やす必要性が生じるおそれがある。この場合、装置サイズが大きくなってしまう。
【0061】
また、光ビーム照射口42Bを側面に設けた上で、すなわち例えば横向きに光ビームLや粉末Pを供給させる構成とした上で、積層条件を工夫して積層を適切に行わせることも考えられる。この場合は、例えば、光ビーム照射口42Bとは反対側の側面にファイバー接続口48を設ける設計となる。しかし、この場合、積層ヘッド18が水平方向に長くなるため、積層ヘッド18が、積層ヘッド18に水平方向で隣り合うカバー部32に干渉するおそれもある。
【0062】
それに対し、本実施形態に係る三次元積層装置1は、回転機構20により、ファイバー接続口48を鉛直方向上方に向けた第1状態と、ファイバー接続口48を鉛直方向に交差する方向に向けた第2状態とを切り替えることができる。従って、メンテナンス時には、第2状態に切り替えてからファイバー24を取り外すことで、光ビーム照射口42Bを鉛直方向上方から交差した向きに開口させて、異物の混入を抑制することができる。また、例えば第1状態において光ビーム照射口42Bを鉛直方向下方に向くように設計することで、第1状態において積層を適切に行いつつ、装置サイズが大きくなることを抑制することも可能となる。このように、本実施形態に係る三次元積層装置1によると、第1状態と第2状態とを切り替えることで、異物の混入を抑制しつつ、装置サイズが大きくなることを抑制することができる。また、カバー部32は、積層時の熱がファイバー24などに伝わることを抑制するものである。三次元積層装置1は、カバー部32を設けることが必要な積層を行う際に、第1状態とすることで、積層時に積層ヘッド18がカバー部32に干渉することを防止することができる。また、第2状態においては、積層ヘッド18が横向きとなるため、カバー部32に干渉するおそれがあるが、第2状態とするメンテナンス時には高温とならないため、カバー部32を取り外すことができる。すなわち、第2状態にする前にカバー部32を取り外すことで、カバー部32の干渉も防止することができる。
【0063】
次に、ファイバー24の取替方法のフローを、フローチャートに基づき説明する。図8は、ファイバーの取替方法のフローを説明するフローチャートである。図8は、第1状態であってファイバー24が積層ヘッド18に接続された状態から、ファイバー24を取り替えるフローを示している。図8に示すように、ファイバー24を取り替える際には、積層ヘッド18の駆動(粉末P及び光ビームLの供給)を停止した状態で、カバー部32を三次元積層装置1から取り外す(ステップS10)。そして、第2板部52を第1板部50に対して回転させることで、第1状態から第2状態に切り替える(ステップS12;第1回転ステップ)。第2状態においては、積層ヘッド18は、ファイバー接続口48が鉛直方向下方に対して交差する方向に向けて開口した状態となる。なお、第2板部52を回転させる前に、ファイバー24(及び管26)を、滑車部28から取り外すことが好ましいが、ファイバー24(及び管26)を滑車部28に取付けたまま第2板部52を回転させてもよい。
【0064】
第2状態に切り替えたら、積層ヘッド18のファイバー接続口48から、ファイバー24を取り外し(ステップS14;取外しステップ)、メンテナンスなどが終了して、ファイバー24を再度取付けるまで、第2状態のままに保持する。そして、ファイバー24を再度取付ける場合は、第2状態のまま、積層ヘッド18のファイバー接続口48にファイバー24を取り付ける(ステップS16;取付けステップ)。なお、取り付けるファイバー24は、取り外したファイバー24と別のものであってもよいし、同じものであってもよい。例えば、ビームの形状を変更する際に、別のファイバーに交換する。ファイバー24を取り付けたら、第2板部52を第1板部50に対して回転させることで、第2状態から第1状態に切り替え(ステップS18;第2回転ステップ)、カバー部32を再度取付けて(ステップS20)、本処理を終了する。なお、カバー部32の取付け及び取外しは必須ではない。
【0065】
以上説明したように、本実施形態に係る三次元積層装置1は、積層ヘッド18と、回転機構20とを有する。積層ヘッド18は、粉末Pを噴射する粉末噴射口44Bと、光ビームLを照射する光ビーム照射口42Bと、光ビームLを導くファイバー24が接続されるファイバー接続口48が設けられる。回転機構20は、積層ヘッド18に接続され、鉛直方向に交差する回転軸AX1を中心として積層ヘッド18を回転させる。回転機構20は、積層ヘッド18を回転させることで、ファイバー接続口48が、方向Z1(鉛直方向上方側)を向いて開口する第1状態と、ファイバー接続口48が、方向Z1(鉛直方向上方側)に対して交差する方向を向いて開口する第2状態と、を切り替える。
【0066】
本実施形態に係る三次元積層装置1は、回転機構20により、ファイバー接続口48を鉛直方向上方に向けた第1状態と、ファイバー接続口48を鉛直方向に交差する方向に向けた第2状態とを切り替えることができる。従って、第2状態に切り替えてからファイバー24を取り外すことにより、異物の混入を抑制しつつ、第1状態にも切り替え可能とすることで、装置サイズが大きくなることを抑制することができる。
【0067】
また、ファイバー接続口48は、第2状態において、方向Z(鉛直方向)に対して、85度以上95度以下交差する方向に向いて開口する。ファイバー接続口48を方向Zに対してこのような角度で傾斜させることで、ファイバー接続口48の向きを水平方向に近づけて、異物の混入を抑制できる。さらに、ファイバー接続口48を鉛直方向下方に向けないことで、ファイバー24の取付けの際に、ファイバー24が鉛直方向上方に向くことを抑制して、ファイバー24側への異物の混入も抑制することができる。
【0068】
また、三次元積層装置1は、積層ヘッド18を方向Zに沿って移動させるヘッド移動部22と、積層ヘッド18から粉末Pが噴射されて光ビームLが照射される基台部14と、基台移動部12とを有することが好ましい。基台移動部12は、基台部14を鉛直方向に直交する第1方向と、鉛直方向及び第1方向に直交する第2方向とに沿って移動させる。この三次元積層装置1は、積層ヘッド18が方向Zに沿った一軸に沿って移動する構成である。
【0069】
ただし、三次元積層装置1は、積層ヘッド18が多軸に沿って移動する構成であってよいし、所定の回転軸(例えば3つの回転軸)を中心として回転する構成であってもよい。この場合においては、回転機構20の回転軸AX1は、積層ヘッド18が回転する回転軸とは別の回転軸であることが好ましい(回転方向は同じであってもよい)。すなわち、回転機構20の回転軸AX1は、積層ヘッド18で積層を行う際に用いられる回転軸とは別の回転軸であることが好ましく、さらに言えば、回転機構20は、積層ヘッド18で積層を行う際に用いられる回転機構とは、別の機構であることが好ましい。例えば、積層ヘッド18で積層を行う際に用いられる回転機構(回転軸)を、回転機構20(回転軸AX1)と共通にした場合、積層ヘッド18で積層を行う際に用いられる回転機構(回転軸)に対し、異物混入を好適に抑制するような回転角度を実現させる必要が生じる。この場合、積層を行う際に用いられる回転機構が、鉛直方向に対し、例えば85度以上95度以下の大きな回転角度を実現する必要が生じる。しかし、積層を行う際に用いられる回転機構にこのような大きな回転角度を持たせた場合、積層ヘッド構造の複雑化や長大化を招きかねず、積層精度に影響を及ぼすおそれが生じる。それに対し、積層を行う際に用いられる回転機構(回転軸)と、回転機構20(回転軸AX1)とを別にすることで、積層を行う際に用いられる回転機構の回転角度を大きくする必要がなくなり、回転機構20によって異物混入を抑えつつ、積層ヘッド構造を複雑化、長大化させることなく、積層精度の低下も抑制することができる。
【0070】
また、ファイバー接続口48は、積層ヘッド18において、粉末噴射口44B及び光ビーム照射口42Bが設けられる面(端部40A)と反対側の面(端部40B)に設けられる。例えば、積層ヘッド18の側面(水平方向側の面)にファイバー接続口48を配置すると、側面のファイバー接続口48から入射された光ビームLを底面の光ビーム照射口42Bに導くために、光ビームLの光路を曲げるなどの、光路が複雑となり、装置サイズが大きくなるおそれがある。それに対し、ファイバー接続口48を、光ビーム照射口42Bと粉末噴射口44Bとを反対の面に設けることで、光ビームLの光路を簡易にすることができ、装置サイズが大きくなることを抑制できる。
【0071】
また、回転機構20は、第1板部50と第2板部52とを備える。第1板部50は、表面50Aが鉛直方向に直交する平面に交差する。第2板部52は、積層ヘッド18に固定され、第1板部50の表面50Aに表面52Aが接触した状態で、第1板部50に対して回転可能に接続される。回転機構20は、第2板部52が第1板部50に対して回転することで、第1状態と第2状態とを切り替える。この三次元積層装置1は、回転機構20として第1板部50と第2板部52とを備えることで、第1状態と第2状態とを適切に切り替えることができる。さらに、第1板部50と第2板部52との表面同士を接触させることで、積層ヘッド18の軸ずれを好適に抑制することができる。
【0072】
また、回転機構20は、第2板部52の第1板部50に対する回転軸となる回転軸部20aと、第2板部52を第2状態で位置決めする位置決め部20c2と、第2板部52を第2状態で固定する固定部20b2と、を有する。この三次元積層装置1は、回転軸部20aを中心に第2板部52を回転させて、位置決め部20c2で位置決めした状態で、固定部20b2で第2状態に固定することができるため、第2状態に適切に切り替えることができる。
【0073】
また、三次元積層装置1は、ファイバー24を覆う取り外し可能なカバー部32をさらに有する。カバー部32は、積層時の熱がファイバー24などに伝わることを抑制するものである。カバー部32は、第1状態において積層ヘッド18に干渉せず、第2状態において積層ヘッド18に干渉する。三次元積層装置1は、積層を行う第1状態ではカバー部32が積層ヘッド18と干渉せず、カバー部32が不要となる第2状態においてはカバー部32を取り外すことができるため、カバー部32がある場合にも、第1状態と第2状態とを適切に切り替えて、異物の混入を抑制することができる。なお、カバー部32は、第2状態においても積層ヘッド18に干渉しないものであってもよい。
【0074】
また、三次元積層装置1は、積層ヘッド18よりも方向Z1側に設けられ、ファイバー24を移動可能に挟持する滑車部28をさらに有する。三次元積層装置1は、滑車部28でファイバー24を挟持することで、ファイバー24を適切に保持することができる。
【0075】
また、本実施形態に係るファイバー24の取替方法は、第1状態から、鉛直方向に交差する回転軸AX1を中心として積層ヘッド18を回転させることで、積層ヘッド18を第2状態に切り替える第1回転ステップと、第2状態となった積層ヘッド18のファイバー接続口48からファイバー24を取り外す取外しステップと、取外しステップによってファイバー24が取り外された積層ヘッド18のファイバー接続口48に、ファイバー24又は別のファイバーを取り付ける取付けステップと、取付けステップによってファイバー24が取り付けられた積層ヘッド18を回転させて、第2状態から第1状態に切り替える第2回転ステップと、を有する。この取替方法によると、第2状態に切り替えてからファイバー24を取り外すことにより、異物の混入を抑制しつつ、第1状態にも切り替え可能とすることで、装置サイズが大きくなることを抑制することができる。
【0076】
なお、本実施形態に係る回転機構20は、第2板部52が回転軸部20aを中心に第1板部50に対して回転する構成であったが、回転機構20の構成はこれに限られない。図9及び図10は、本実施形態に係る回転機構の別の例を示す模式図である。図9及び図10の例においては、回転機構20の第1板部50が、溝部60aを有している。溝部60aは、第1板部50の表面50Aに設けられる溝であり、回転軸AX1を中心とした円弧状となっている。また、図9及び図10の例では、第2板部52の軸部70aは、溝部60a内に移動可能に挿入される。図9の第1状態では、軸部70aは、溝部60aの一方の端部側に位置している。そして、軸部70aを溝部60aに沿って移動させることで、第2板部52が回転軸AX1を中心軸として回転して、軸部70aが溝部60aの他方の端部側に位置する第2状態となる。このように、回転機構20は、溝部60aを設けて第2板部52を回転させてもよい。
【0077】
また、回転機構20は、積層ヘッド18を回転させて第1状態と第2状態とを切り替えるものであれば、第1板部50及び第2板部52を有する構成でなくてもよい。例えば、回転機構20は、シャフト及びカップリングを備え、モータを駆動源として積層ヘッド18を回転させる機構であってもよいし、クランク機構とシリンダとを備え、シリンダを駆動させることでクランク機構により積層ヘッド18を回転させる機構であってもよい。この場合のシリンダの駆動源は任意であり、例えば、エア、電動、手動などであってよい。また、回転機構20は、円形レールにより積層ヘッド18を回転させる機構であってもよい。また、位置決め部として、キーを設けてもよいし、外周の一部を平面とし、他の一部を円周状としてもよい。また、回転機構20は、遊星歯車により積層ヘッド18を回転させる機構であってもよい。また、減速機として歯車を用い、回転に要する力を小さくする機構を加えてもよい。
【0078】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態の内容により実施形態が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0079】
1 三次元積層装置
12 基台移動部
14 基台部
18 積層ヘッド
20 回転機構
22 ヘッド移動部
24 ファイバー
42B 光ビーム照射口
44B 粉末噴射口
48 ファイバー接続口
50 第1板部
52 第2板部
図1
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図10