(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-17
(45)【発行日】2023-03-28
(54)【発明の名称】改札システム及び端末機
(51)【国際特許分類】
G07B 15/00 20110101AFI20230320BHJP
G06K 7/08 20060101ALI20230320BHJP
G06K 13/07 20060101ALI20230320BHJP
【FI】
G07B15/00 H
G07B15/00 B
G06K7/08 040
G06K13/07
(21)【出願番号】P 2019052258
(22)【出願日】2019-03-20
【審査請求日】2021-09-08
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川合 信行
【審査官】中村 泰二郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-153023(JP,A)
【文献】特開2006-286108(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07B 11/00-17/04
G06K 7/00- 7/14
13/00-13/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末機から受信した券情報に基づいて改札通路の通行可否を判定するサーバーと、前記端末機と、を備える改札システムであって、
前記端末機は、
主搬送路に沿って券媒体を搬送する主搬送部と、前記主搬送路の第1地点及び第2地点につながった副搬送路に沿って前記券媒体を搬送する副搬送部と、を備え
、前記第1地点と前記第2地点との間の前記主搬送部と、前記副搬送部と、によって形成された循環部を有する搬送部と、
投入口と前記第1地点との間に位置し前記券媒体から前記券情報を読み取る第1読取部と、
前記第1地点と前記第2地点との間に位置し前記券媒体に前記券情報を書き込む書込部と、
前記書込部と前記第2地点との間に位置し前記券媒体から前記券情報を読み取る第2読取部と、
前記サーバーとの間で通信を行う通信部と、
前記第1地点と前記書込部との間に位置し前記券媒体の通過を検知する検知センサと、
制御部と、を備え、
前記第1読取部において前記券媒体から読み取った前記券情報を前記通信部により前記サーバーに送信し
、
前記制御部は、前記券媒体の先端が前記検知センサによって検出されたことに基づいて、前記サーバーに送信した前記券情報に基づいて処理された書込み情報を前記サーバーから受信したか否かを判断し、
前記書込み情報を前記サーバーから受信していない場合に、
前記券媒体を前記循環部において循環して搬送するように前記搬送部を制御し、前記券媒体の先端が前記検知センサによって検出されたことに基づいて、前記書込み情報を前記サーバーから受信していない場合に、前記搬送部は前記券媒体を前記循環部において循環して搬送するのを継続し、
前記書込み情報を前記サーバーから受信した場合
、前記書込部により前記券情報を書き込み、前記第2読取部により前記券媒体に対して前記書込み情報の確認を行う改札システム。
【請求項2】
前記券媒体の先端が前記検知センサによって検出されたことに基づいて、前記書込み情報を前記サーバーから受信した場合に、前記書込部は前記券情報を書き込み、前記搬送部は前記券媒体を前記循環部において循環して搬送するのを中止する、請求項
1に記載の改札システム。
【請求項3】
端末機から受信した券情報に基づいて改札通路の通行可否を判定するサーバーと、前記端末機と、を備える改札システムであって、
前記端末機は、
主搬送路に沿って券媒体を搬送する主搬送部と、前記主搬送路の第1地点及び第2地点につながった副搬送路に沿って前記券媒体を搬送する副搬送部と、を備え、前記第1地点と前記第2地点との間の前記主搬送部と、前記副搬送部と、によって形成された循環部を有
する搬送部と、
投入口と前記第1地点との間に位置し前記券媒体から前記券情報を読み取る第1読取部と、
前記第1地点と前記第2地点との間に位置し前記券媒体に前記券情報を書き込む書込部と、
前記書込部と前記第2地点との間に位置し前記券媒体から前記券情報を読み取る第2読取部と、
前記サーバーとの間で通信を行う通信部と、
制御部と、を備え、
前記第1読取部において前記券媒体から読み取った前記券情報を前記通信部により前記サーバーに送信し、
前記制御部は、前記券媒体が前記第1読取部から前記書込部に搬送されるまでの期間に、前記サーバーに送信した前記券情報に基づいて処理された書込み情報を前記サーバーから受信したか否かを判断し、
前記書込み情報を前記サーバーから受信していない場合に、前記搬送部は前記券媒体を前記循環部において循環して搬送し、前記券媒体が前記書込部を通過した後から次に前記書込部に到達するまでの期間に、前記書込み情報を前記サーバーから受信していない場合に、前記搬送部は前記券媒体を前記循環部において循環して搬送するのを継続
し、
前記書込み情報を前記サーバーから受信した場合、前記書込部により前記券情報を書き込み、前記第2読取部により前記券媒体に対して前記書込み情報の確認を行う改札システム。
【請求項4】
前記券媒体が前記書込部を通過した後から次に前記書込部に到達するまでの期間に、前記書込み情報を前記サーバーから受信した場合に、前記書込部は前記券情報を書き込み、前記搬送部は前記券媒体を前記循環部において循環して搬送するのを中止する、請求項
3に記載の改札システム。
【請求項5】
主搬送路に沿って券媒体を搬送する主搬送部と、前記主搬送路の第1地点及び第2地点につながった副搬送路に沿って前記券媒体を搬送する副搬送部と、を備え
、前記第1地点と前記第2地点との間の前記主搬送部と、前記副搬送部と、によって形成された循環部を有する搬送部と、
投入口と前記第1地点との間に位置し前記券媒体から券情報を読み取る第1読取部と、
前記第1地点と前記第2地点との間に位置し前記券媒体に前記券情報を書き込む書込部と、
前記書込部と前記第2地点との間に位置し前記券媒体から前記券情報を読み取る第2読取部と、
外部に設けられたサーバーとの間で、前記券媒体の処理に必要な情報の通信を行う通信部と、
前記第1地点と前記書込部との間に位置し前記券媒体の通過を検知する検知センサと、
制御部と、を備え、
前記第1読取部において前記券媒体から読み取った前記券情報を前記通信部により前記サーバーに送信し
、
前記制御部は、前記券媒体の先端が前記検知センサによって検出されたことに基づいて、前記サーバーに送信した前記券情報に基づいて処理された書込み情報を前記サーバーから受信したか否かを判断し、
前記書込み情報を前記サーバーから受信していない場合に、
前記搬送部は前記券媒体を前記循環部において循環して搬送し、前記券媒体の先端が前記検知センサによって検出されたことに基づいて、前記書込み情報を前記サーバーから受信していない場合に、前記搬送部は前記券媒体を前記循環部において循環して搬送するのを継続し、
前記書込み情報を前記サーバーから受信した場合
、前記書込部により前記券情報を書き込み、前記第2読取部により前記券媒体に対して前記書込み情報の確認を行う端末機。
【請求項6】
前記券媒体の先端が前記検知センサによって検出されたことに基づいて、前記書込み情報を前記サーバーから受信した場合に、前記書込部は前記券情報を書き込み、前記搬送部は前記券媒体を前記循環部において循環して搬送するのを中止する請求項
5に記載の端末機。
【請求項7】
主搬送路に沿って券媒体を搬送する主搬送部と、前記主搬送路の第1地点及び第2地点につながった副搬送路に沿って前記券媒体を搬送する副搬送部と、を備え、前記第1地点と前記第2地点との間の前記主搬送部と、前記副搬送部と、によって形成された循環部を有
する搬送部と、
投入口と前記第1地点との間に位置し前記券媒体から券情報を読み取る第1読取部と、
前記第1地点と前記第2地点との間に位置し前記券媒体に前記券情報を書き込む書込部と、
前記書込部と前記第2地点との間に位置し前記券媒体から前記券情報を読み取る第2読取部と、
外部に設けられたサーバーとの間で、前記券媒体の処理に必要な情報の通信を行う通信部と、
制御部と、を備え、
前記第1読取部において前記券媒体から読み取った前記券情報を前記通信部により前記サーバーに送信し、
前記制御部は、前記券媒体が前記第1読取部から前記書込部に搬送されるまでの期間に、前記サーバーに送信した前記券情報に基づいて処理された書込み情報を前記サーバーから受信したか否かを判断し、
前記書込み情報を前記サーバーから受信していない場合に、前記搬送部は前記券媒体を前記循環部において循環して搬送し、前記券媒体が前記書込部を通過した後から次に前記書込部に到達するまでの期間に、前記書込み情報を前記サーバーから受信していない場合に、前記搬送部は前記券媒体を前記循環部において循環して搬送するのを継続
し、
前記書込み情報を前記サーバーから受信した場合、前記書込部により前記券情報を書き込み、前記第2読取部により前記券媒体に対して前記書込み情報の確認を行う端末機。
【請求項8】
前記券媒体が前記書込部を通過した後から次に前記書込部に到達するまでの期間に、前記書込み情報を前記サーバーから受信した場合に、前記書込部は前記券情報を書き込み、前記搬送部は前記券媒体を前記循環部において循環して搬送するのを中止する請求項
7に記載の端末機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、改札システム及び端末機に関する。
【背景技術】
【0002】
駅務機器において、利用者が使用する各端末機の処理を最小限に絞り、サーバーに処理内容を集中させるシステムが実現されている。このようなシステムでは、サーバーへ変更を加えることによって各端末機へ変更を反映させることができるため、メンテナンス等のコストを削減することができる。一方、当該システムにおいては、改札機はサーバーに券情報を送信しサーバーで処理された書込み情報を受信するため、サーバーとの通信に時間を要することになる。サーバーと改札機との間の通信やサーバーでの処理に遅延が生じたとしても、改札機において券媒体への書き込みが滞りなく行われることが求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本実施形態の目的は、サーバーの応答遅延に対応することが可能な改札システム及び端末機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態に係る改札システムは、改札システムは、サーバーと、端末機と、を備える改札システムであって、前記端末機は、主搬送路に沿って券媒体を搬送する主搬送部と、前記主搬送路の第1地点及び第2地点につながった副搬送路に沿って券媒体を搬送する副搬送部と、を備えた搬送部と、投入口と前記第1地点との間に位置し前記券媒体から券情報を読み取る読取部と、前記第1地点と前記第2地点との間に位置し前記券媒体に前記券情報を書き込む書込部と、前記サーバーとの間で通信を行う通信部と、前記読取部において前記券媒体から読み取った前記券情報を前記通信部により前記サーバーに送信し、前記券媒体が前記読取部と前記書込部との間に位置するときに、前記サーバーに送信した前記券情報に基づいて処理された書込み情報を前記サーバーから受信していない場合に、前記搬送部は前記券媒体を前記副搬送部へ搬送する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、本実施形態に係る改札システムの構成を概略的に示すブロック図である。
【
図2】
図2は、本実施形態に係る改札機の構成を概略的に示す図である。
【
図3】
図3は、本実施形態に係るサーバーの構成を概略的に示すブロック図である。
【
図4】
図4は、本実施形態に係る改札機の構成を概略的に示すブロック図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態の改札機の動作を説明するためのフローチャートである。
【
図6】
図6は、券媒体の券情報が読み取られる工程を示す図である。
【
図7】
図7は、検知センサによって券媒体が検知される工程を示す図である。
【
図8】
図8は、券媒体が副搬送部に搬送される工程を示す図である。
【
図9】
図9は、券媒体が待機部に保持される工程を示す図である。
【
図10】
図10は、券媒体に券情報が書き込まれる工程を示す図である。
【
図11】
図11は、第1実施形態のサーバーの動作を説明するためのフローチャートである。
【
図12】
図12は、第1実施形態の変形例に係る改札機の動作を説明するためのフローチャートである。
【
図13】
図13は、第2実施形態の改札機の動作を説明するためのフローチャートである。
【
図14】
図14は、第2実施形態の変形例に係る改札機の動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を適宜省略することがある。
【0008】
図1は、本実施形態に係る改札システム100の構成を概略的に示すブロック図である。
改札システム100は、サーバー1と、複数の改札機2と、複数の精算機3と、複数の券売機4と、を備えている。複数の改札機2、複数の精算機3、複数の券売機4は、ネットワーク5を介してサーバー1に接続されている。なお、改札システム100は、単数の改札機2、精算機3、券売機4を備えていても良い。本実施形態の改札システム100は、改札機2、精算機3、券売機4等の端末機をサーバー1によって管理するシステムである。このようなシステムは、サーバー1の設定を変更することによって各端末機に変更を反映させることができるため、判定処理や運賃データの改定を簡単に行うことができる。
【0009】
図2は、本実施形態に係る改札機2の構成を概略的に示す図である。
改札機2は、券媒体を搬送する搬送部25と、読取ヘッドR1、R2、R3と、書込ヘッドWと、検知センサ26aと、処理部29と、制御部20と、通信部22と、を備えている。また、改札機2は、利用者によって券媒体が投入されるための投入口7と、利用者に券媒体を返却するための返却口8と、券媒体を回収するための集札部9と、を有している。
【0010】
搬送部25は、主搬送路に沿って券媒体を搬送する主搬送部25aと、副搬送路に沿って券媒体を搬送する副搬送部25bと、分岐部25cと、を備えている。主搬送部25aは、投入口7から返却口8まで連続している。副搬送部25bは、主搬送路の第1地点P1及び第2地点P2につながっている。副搬送部25bは、券媒体を待機させる待機部11を有している。待機部11で券媒体を待機させた場合、待機させた券媒体を主搬送部25aに取り出すため、待機部11は、第1地点P1の近くに位置していることが望ましい。搬送部25は、第1地点P1と第2地点P2との間の主搬送部25aと、副搬送部25bと、によって形成された循環部12を有している。分岐部25cは、主搬送部25aにつながり、集札部9までつながっている。
【0011】
読取ヘッドR1、R2、R3は、券媒体から券情報を読み取る。読取ヘッドR1、R2、R3は、主搬送路上に位置している。読取ヘッドR1及びR2は、投入口7と第1地点P1との間に位置している。読取ヘッドR1は、読取ヘッドR2よりも投入口7側に位置している。読取ヘッドR3は、第1地点P1と第2地点P2との間に位置している。読取ヘッドR1は、券媒体が裏向きで通過した際に券情報を読み取ることができる。読取ヘッドR2は、券媒体が表向きで通過した際に券情報を読み取ることができる。例えば、読取ヘッドR1によって券情報が読み取られたことで、券媒体が裏向きに投入されていることが判断される。券媒体が裏向きに投入された場合には、第1地点P1において券媒体を待機部11に搬送し第1地点P1から検知センサ26a側へ取り出すことによって券媒体を表向きに反転させることができる。このように、待機部11は、裏向きに投入された券媒体を反転させる機構を兼用することができる。読取ヘッドR3は、書込みヘッドWによって券情報が書き込めたか否かを確認する。
【0012】
書込ヘッドWは、券媒体に券情報を書き込む。書込ヘッドWは、主搬送路上に位置している。書込ヘッドWは、第1地点P1と第2地点P2との間に位置している。書込ヘッドWは、読取ヘッドR3よりも第1地点P1側に位置している。検知センサ26aは、券媒体の通過を検知する。検知センサ26aは、主搬送路上に位置している。検知センサ26aは、第1地点P1と書込ヘッドWとの間に位置している。すなわち、検知センサ26aは、書込ヘッドWと、読取ヘッドR1及びR2との間に位置している。
【0013】
処理部29は、第2地点P2と返却口8との間に位置している。処理部29は、主搬送路上に位置している。処理部29は、券媒体に対して、穴あけや印刷などの処理を行う。制御部20は、改札機2を構成する各部分を制御している。通信部22は、制御部20に接続され、ネットワーク5を介してサーバー1との間の通信を行う。
【0014】
改札機2は、投入口7において券媒体の投入を検知したのに基づいて、券媒体を主搬送部25aによって搬送する。改札機2は、読取ヘッドR1又はR2によって、券媒体から券情報を読み取る。そして、改札機2は、券媒体から読み取った券情報を通信部22によってサーバー1に送信する。サーバー1は、改札機2から券情報を受信して処理し、書込み情報を改札機2に送信する。改札機2は、サーバー1から受信した書込み情報を書込ヘッドWによって券媒体に書き込む。しかし、改札機2は、券媒体が書込ヘッドWに到達するまでに、サーバー1から書込み情報を受信していない場合がある。具体的には、ネットワーク5の通信状況、又は、サーバー1での処理の遅延によって、サーバー1からの書込み情報の受信が遅延する場合がある。
【0015】
そこで本実施形態においては、券媒体が書込ヘッドWに到達するまでに、改札機2がサーバー1からの書込み情報を受信していない場合に、券媒体を以下の2つのパターンで搬送する。1つめのパターンは、検知センサ26によって券の先端を検知したときに、サーバー1から書込み情報を受信していない場合、券媒体を待機部11で保持しておき、書込み情報を受信した後に、待機部11から取り出して書き込みを行うものである。1つ目のパターンについては、
図5で詳述する。2つ目のパターンは、検知センサ26によって券の先端を検知したときに、サーバー1から書込み情報を受信していない場合、書込み情報を受信するまで券媒体を循環部12において循環して搬送させ、検出センサ26に差し掛かる度にサーバー1から書込み情報が来たか否かを判定し、書込み情報を受信している場合に書込みを行うものである。2つ目のパターンについては、
図12で詳述する。
【0016】
図3は、本実施形態に係るサーバー1の構成を概略的に示すブロック図である。
サーバー1は、制御部10と、メモリ11と、通信部12と、判定部13とを備えている。制御部10は、メモリ11、通信部12、判定部13に接続され、それぞれの制御を行う。メモリ11は、制御部10による制御に基づいて、サーバー1の制御に必要な制御データを記憶している。また、メモリ11は、個客の識別情報や運賃表などを記憶している。通信部12は、制御部10による制御に基づいて、改札機2との間で券媒体の処理に必要な情報の通信を行う。同様に、通信部12は、精算機3、券売機4とも券媒体の処理に必要な情報の通信を行う。判定部13は、制御部10による制御に基づいて、利用者の改札機の通行可否を判定する。判定部13は、改札機2から受信した券情報に基づいて改札通路の通行可否を判定する。
【0017】
図4は、本実施形態に係る改札機2の構成を概略的に示すブロック図である。
改札機2は、制御部20と、メモリ21と、通信部22と、読取部23と、書込部24と、搬送部25と、センサ26と、ドア機構27と、報知部28と、処理部29と、を備えている。
【0018】
制御部20は、メモリ21、通信部22、読取部23、書込部24、搬送部25、センサ26、ドア機構27、報知部28、処理部29に接続され、それぞれの制御を行う。メモリ21は、制御部20による制御に基づいて、改札機2の制御に必要な制御データを記憶している。通信部22は、制御部20による制御に基づいて、サーバー1との間で通信を行う。通信部22は、券媒体の処理に必要な情報の通信を行う。
【0019】
読取部23は、制御部20による制御に基づいて、券媒体から券情報を読み取る。読取部23は、
図2に示した読取ヘッドR1、R2、R3を含んでいる。書込部24は、制御部20による制御に基づいて、券媒体に券情報を書き込む。書込部24は、
図2に示した書込ヘッドWを含んでいる。搬送部25は、制御部20による制御に基づいて、券媒体を搬送する。搬送部25については、
図2に示した通りである。センサ26は、制御部20による制御に基づいて、所定の位置に券媒体が位置していることを検出する。センサ26は、
図2に示した検知センサ26aを含んでいる。
【0020】
ドア機構27は、制御部20による制御に基づいて、改札通路を閉鎖、及び、開放する。報知部28は、制御部20による制御に基づいて、利用者に対して報知を行う。具体的には、報知部28は、例えば、利用者が入場不可であると判断された場合に、利用者に対して入場不可の旨を報知するとともに窓口へ誘導する。報知部28は、例えば、音声や画像表示によって報知を行う。処理部29は、制御部20による制御に基づいて、券媒体8に対して各種情報の印刷などの処理を行う。
【0021】
まず、第1実施形態について説明する。第1実施形態は、券媒体の先端が検知センサ26によって検出されたことに基づいて、サーバー1から書込み情報を受信したか否か判定するものである。
図5は、第1実施形態の改札機2の動作を説明するためのフローチャートである。ここでは、
図2及び
図4を参照しながら、改札機2の動作について説明する。
制御部20は、投入口7において券媒体の投入が検出されたか否かを判断する(ST1)。そして、制御部20は、券媒体の投入が検出されたと判断したのに基づいて(ST1、YES)、搬送部25によって券媒体を搬送する。制御部20は、券媒体が読取ヘッドR1又はR2に到達したのに基づいて、読取ヘッドR1又はR2を制御して券媒体から券情報を読み取る(ST2)。制御部20は、読取ヘッドR1又はR2において券媒体から読み取った券情報を通信部22によってサーバー1に送信する(ST3)。
【0022】
制御部20は、券媒体の先端が検知センサ26aによって検出されたか否かを判断する(ST4)。制御部20は、券媒体の先端が検知センサ26aによって検出されたことに基づいて(ST4、YES)、サーバー1に送信した券情報に基づいて処理された書込み情報をサーバー1から受信したか否かを判断する(ST5)。すなわち、制御部20は、券媒体が読取ヘッドR1、R2と書込部Wとの間に位置するときに、書込み情報をサーバー1から受信したか否かを判断する(ST5)。
【0023】
制御部20は、書込み情報をサーバー1から受信していないと判断したのに基づいて(ST5、NO)、券媒体を副搬送部25bの待機部11へ搬送し待機させるように搬送部25を制御する(ST6)。制御部20は、券媒体を待機部11へ搬送し待機させるように搬送部25を制御した後に、書込み情報をサーバー1から受信したか否かを判断する(ST7)。制御部20は、書込み情報をサーバー1から受信したと判断したのに基づいて(ST7、YES)、券媒体を待機部11から主搬送部25aへ搬送するように搬送部25を制御する(ST8)。制御部20は、券媒体の待機部11での待機を解除したのに基づいて(ST8)、券情報を書き込むように書込部24を制御する(ST9)。
【0024】
一方、制御部20は、書込み情報をサーバー1から受信したと判断したのに基づいて(ST5、YES)、券情報を書き込むように書込部24を制御する(ST9)。制御部20は、読取ヘッドR3によって券媒体に対して書込み情報の確認を行うように読取部23を制御する(ST10)。制御部20は、券媒体に対して印刷などの処理を行うように処理部29を制御する(ST11)。制御部20は、券媒体を返却口8から排出するように搬送部25を制御する(ST12)。
【0025】
本実施形態によれば、改札機2は、検知センサ26によって券の先端を検知したときに、サーバー1からの書込み情報を受信していない場合に、券媒体を待機部11で保持しておき、書込み情報を受信した後に、待機部11から取り出して書き込みを行う。そのため、改札機2に対してサーバー1の応答が遅延したとしても、エラーとして処理されるのを抑制することができる。また、複数枚の券媒体を同時に投入することができる改札機においては、搬送部25が
図2に示したような主搬送部25a及び副搬送部25bを備えている場合があり、従来の搬送部25の構成を改造することなく、サーバー1の応答遅延に対応することができる。
【0026】
次に、
図6乃至
図10において、
図5に示した改札機2の動作に対応した券媒体200の位置について説明する。
図6は、券媒体200の券情報が読み取られる工程を示す図である。
券媒体200は、主搬送部25aにおいて投入口7と第1地点P1との間に位置している。券媒体200は、読取ヘッドR1又はR2によって券情報が読み取られる。券媒体200が表向きで投入口7から投入された場合には、券媒体200は、読取ヘッドR2を通過しながら券情報が読み取られる。券媒体200が裏向きで投入口7から投入された場合には、券媒体200は、読取ヘッドR1を通過しながら券情報が読み取られる。改札機2は、券情報を読み取った後に、読み取った券情報をサーバーに送信する。
【0027】
図7は、検知センサ26aによって券媒体200が検知される工程を示す図である。
券媒体200は、主搬送部25aにおいて、第1地点P1と第2地点P2との間に位置している。券媒体200は、先端Eが通過したことを検知センサ26aによって検出される。改札機2は、検知センサ26aが券媒体200の先端Eを検知した後に、サーバーから書込み情報を受信したか判断する。そして、改札機2は、サーバーから書込み情報を受信していないと判断する。
【0028】
図8は、券媒体200が副搬送部25bに搬送される工程を示す図である。
券媒体200は、改札機2がサーバー1から書込み情報を受信していないことに基づいて、副搬送部25bに搬送される。すなわち、券媒体200は、主搬送路上において、書込ヘッドWと読取ヘッドR3を通り過ぎる。このとき、書込ヘッドWと読取ヘッドR3は、券媒体200に対して何も処理を行わない。券媒体200は、第2地点P2において副搬送部25bに進むように搬送される。
【0029】
図9は、券媒体200が待機部11に保持される工程を示す図である。
券媒体200は、副搬送部25bに搬送された後、待機部11において保持される。待機部11は、例えば、ストッパー11aを有している。券媒体200は、ストッパー11aによって待機部11において止められている。券媒体200は、サーバーから書込み情報を受信するまで待機部11で保持される。
【0030】
図10は、券媒体200に券情報が書き込まれる工程を示す図である。
券媒体200は、待機部11から取り出され主搬送部25aにおいて第1地点P1から検知センサ26a側に進むように搬送される。券媒体200は、主搬送路上において、検知センサ26aを通りすぎるが、このとき改札機2はサーバー1からの書込み情報を受信したかという判断を行わない。そして、券媒体200は、書込ヘッドWによって書込み情報が書き込まれる。
【0031】
図11は、第1実施形態のサーバー1の動作を説明するためのフローチャートである。ここでは、
図3を参照しながら、サーバー1の動作について説明する。
制御部10は、通信部12によって券情報が受信されたか否かを判断する(ST21)。制御部10は、通信部12によって券情報が受信されたと判断したのに基づいて(ST21、YES)、受信した券情報に基づいて通行可否判定を行うように判定部13を制御する(ST22)。そして、制御部10は、通行可否判定の結果に基づいて書込み情報を作成し、書込み情報を改札機2に送信するように通信部12を制御する(ST23)。
【0032】
次に、第1実施形態の変形例について説明する。第1実施形態の変形例は、検知センサ26によって券の先端を検知したときに、サーバー1から書込み情報を受信していない場合、書込み情報を受信するまで券媒体を循環部12において循環して搬送させ、検出センサ26に差し掛かる度にサーバー1から書込み情報が来たか否かを判定し、書込み情報を受信している場合に書込みを行うものである。
【0033】
図12は、第1実施形態の変形例に係る改札機2の動作を説明するためのフローチャートである。
図12は、
図5に示した点線によって囲まれたフローチャートの変形例を示している。ここでは、
図2及び
図4を参照しながら、改札機2の動作について説明する。
制御部20は、読取ヘッドR1又はR2において券媒体から読み取った券情報を通信部22によってサーバー1に送信する(ST3)。制御部20は、券媒体の先端が検知センサ26aによって検出されたか否かを判断する(ST4)。制御部20は、券媒体の先端が検知センサ26aによって検出されたことに基づいて(ST4、YES)、書込み情報をサーバー1から受信したか否かを判断する(ST5)。
【0034】
制御部20は、書込み情報をサーバー1から受信していないと判断したのに基づいて(ST5、NO)、券媒体を循環部12において循環して搬送するように搬送部25を制御する(ST31)。すなわち、制御部20は、変形例においても、書込み情報をサーバー1から受信していないと判断した場合には、券媒体を副搬送部25bへ搬送するように搬送部25を制御する。制御部20は、券媒体の先端が検知センサ26aによって検出されたか否かを判断する(ST32)。制御部20は、券媒体の先端が検知センサ26aによって検出されたことに基づいて(ST32、YES)、書込み情報をサーバー1から受信したか否かを判断する(ST33)。制御部20は、書込み情報をサーバー1から受信していないと判断したのに基づいて(ST33、NO)、券媒体を循環部12において循環して搬送するのを中止しないように搬送部25を制御する(ST34)。
【0035】
一方、制御部20は、書込み情報をサーバー1から受信したと判断したのに基づいて(ST33、YES)、券媒体に対して書込み情報を書き込むように書込部24を制御する(ST35)。また、制御部20は、券媒体を循環部12において循環して搬送するのを中止するように搬送部25を制御する(ST36)。そして、制御部20は、券媒体の循環搬送を中止した後に、読取ヘッドR3によって券媒体に対して書込み情報の確認を行うように読取部23を制御する(ST10)。
【0036】
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態は、券媒体が書込ヘッドWに到達するまでの期間に、サーバー1から書込み情報を受信したか否か判定するものである。つまり、第2実施形態は、第1実施形態と比較して、サーバー1から書込み情報を受信したか否か判定するタイミングとして検知センサ26を用いていない点で相違している。
【0037】
図13は、第2実施形態の改札機2の動作を説明するためのフローチャートである。
図13は、
図5に示した点線によって囲まれたフローチャートの変形例を示している。ここでは、
図2及び
図4を参照しながら、改札機2の動作について説明する。
図13は、
図5と比較して、検知センサによる検出の工程(ST4)がない点で主に相違している。
制御部20は、読取ヘッドR1又はR2において券媒体から読み取った券情報を通信部22によってサーバー1に送信する(ST3)。制御部20は、券媒体が読取ヘッドR1又はR2から書込ヘッドWに搬送されるまでの期間に、書込み情報をサーバー1から受信したか否かを判断する(ST41)。すなわち、制御部20は、券媒体が読取ヘッドR1、R2と書込部Wとの間に位置するときに、書込み情報をサーバー1から受信したか否かを判断する(ST41)。制御部20は、書込み情報をサーバー1から受信していないと判断したのに基づいて(ST41、NO)、券媒体を副搬送部25bの待機部11へ搬送し待機させるように搬送部25を制御する(ST6)。以下の工程は、
図5と同様である。一方、制御部20は、書込み情報をサーバー1から受信したと判断したのに基づいて(ST41、YES)、券情報を書き込むように書込部24を制御する(ST9)。
【0038】
図14は、第2実施形態の変形例に係る改札機2の動作を説明するためのフローチャートである。
図14は、
図5に示した点線によって囲まれたフローチャートの変形例を示している。ここでは、
図2及び
図4を参照しながら、改札機2の動作について説明する。
図14は、
図12と比較して、検知センサによる検出の工程(ST4、ST32)がない点で主に相違している。
制御部20は、読取ヘッドR1又はR2において券媒体から読み取った券情報を通信部22によってサーバー1に送信する(ST3)。制御部20は、券媒体が読取ヘッドR1又はR2から書込ヘッドWに搬送されるまでの期間に、書込み情報をサーバー1から受信したか否かを判断する(ST51)。
【0039】
制御部20は、書込み情報をサーバー1から受信していないと判断したのに基づいて(ST51、NO)、券媒体を循環部12において循環して搬送するように搬送部25を制御する(ST31)。制御部20は、券媒体が書込ヘッドWを通過した後から次に書込ヘッドWに到達するまでの期間に、書込み情報をサーバー1から受信したか否かを判断する(ST52)。制御部20は、書込み情報をサーバー1から受信していないと判断したのに基づいて(ST52、NO)、券媒体を循環部12において循環して搬送するのを中止しないように搬送部25を制御する(ST34)。他の工程は、
図12と同様である。
【0040】
以上説明したように、本実施形態によれば、サーバーの応答遅延に対応することが可能な改札システム及び端末機を得ることができる。
【0041】
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0042】
100…改札システム、1…サーバー、2…改札機、
25…搬送部、25a…主搬送部、25b…副搬送部、
P1…第1地点、P2…第2地点、7…投入口、20…制御部、
22…通信部、23…読取部、24…書込部、
26a…検知センサ、11…待機部、12…循環部。