(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-17
(45)【発行日】2023-03-28
(54)【発明の名称】犠牲材料を組み込んだ3D印刷支持構造体
(51)【国際特許分類】
B29C 64/40 20170101AFI20230320BHJP
B29C 64/106 20170101ALI20230320BHJP
B29C 64/314 20170101ALI20230320BHJP
B33Y 70/00 20200101ALI20230320BHJP
【FI】
B29C64/40
B29C64/106
B29C64/314
B33Y70/00
(21)【出願番号】P 2019149618
(22)【出願日】2019-08-19
【審査請求日】2022-08-19
(32)【優先日】2018-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】596170170
【氏名又は名称】ゼロックス コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】キャロライン・ピー・ムーアラグ
(72)【発明者】
【氏名】ナン-シン・フー
(72)【発明者】
【氏名】ヴァレリー・エム・ファルジア
【審査官】北澤 健一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0327701(US,A1)
【文献】国際公開第2018/108639(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 64/00-64/40
B33Y 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
3D印刷用の支持材料であって、
100℃
~300℃の調整可能な分解温度を有するポリ(アルキレンカーボネート)の、3から250マイクロメートルのサイズを有するコア/シェル粒子を含み、前記コアは前記支持材料の5重量%か
ら50重量%の不活性材料を含む、支持材料。
【請求項2】
前記ポリ(アルキレンカーボネート)が、ポリ(プロピレンカーボネート)、ポリ(エチレンカーボネート)、ポリ(ブチレンカーボネート)及びポリ(シクロヘキセンカーボネート)、ポリ(ノルボルネンカーボネート)、並びにポリ(シクロヘキセンプロピレンカーボネート)からなる群から選択される、請求項1に記載の支持材料。
【請求項3】
前記ポリ(アルキレンカーボネート)が
、10,000
~500,000の範囲の分子量(Mw)を有する、請求項1に記載の支持
材料。
【請求項4】
前記不活性材料が、シリカ、チタニア、アルミナ、炭素、ガラス、金属、セルロース、及び合成ポリマーからなる群から選択される、請求項1に記載の支持材料。
【請求項5】
シクロデキストリン、有機酸、光酸発生剤、光塩基発生剤、熱酸発生剤、及び熱塩基発生剤からなる群から選択される添加剤を更に含む、請求項1に記載の支持材料。
【請求項6】
前記添加剤の濃度が、前記ポリ(アルキレンカーボネート)の重量に基づい
て0.1
~5重量%である、請求項5に記載の支持材料。
【請求項7】
前記有機酸が
、5~30個の炭素原子を含有するカルボン酸を含む、請求項5に記載の支持材料。
【請求項8】
前記光酸発生剤又は前記熱酸発生剤が、ジフェニルヨードニウム塩、ベンジルスルホン酸エステル、イミノスルホン酸エステル、及びスピロピラン系スルホン酸を含む、請求項5に記載の支持材料。
【請求項9】
前記光塩基発生剤が、2-(9-オキソキサンテン-2-イル)プロピオン酸1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカ-5-エン塩又は1,5,7eトリアザ-ビシクロ[4.4.0]デカ-5-エンテトラフェニルボレートを含む、請求項5に記載の支持材料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、三次元(3D)製造を含む、付加製造を対象とする。本開示はまた、付加製造によって作製された製品にも関する。
【0002】
付加製造(AM)としても知られる、3D印刷は、物理的な対象物が「付加」プロセスでビルドアップされる印刷技術の一種であり、最も一般的には、液体樹脂を硬化させること、加熱したノズルから溶融プラスチックを押し出すこと、又はポリマー若しくは金属粉体の層を焼結することによる。
【0003】
構造支持体は、ほとんどのAMプロセスで必要とされる。例えば、ポリマー部品の溶融堆積モデリング(FDM)印刷では、同じ又は異なる材料の支持体が使用され、この支持体は、切断及びサンディングすることによって部品から除去されなければならず、又は、支持材料が溶融可能若しくは溶解可能である場合は、溶融若しくは溶解することによって除去されなければならない。溶融又は溶解の場合であっても、プロセスは、浴中に対象物を配置する又は溶融ワックスをこすり落とすなどの追加の工程を伴うことになる。他のAM技術は、高い支持性を有し、かつ容易に除去可能で、かつ自動化を可能にする支持材料を必要とする。
【0004】
従来の選択的レーザー焼結(SLS)及び金属粉体印刷は、粉体を使用し、粉末床は一般に自立型である。しかしながら、より新しいプロセスが登場し、1層ずつの粉体を利用するようになり、これらのプロセスでは、支持体が容易に除去されることを必要とする。3D対象物を作製するための電子写真印刷が実証されてきており、これは、3D支持粉体を利用して機能する。
【0005】
ほとんどの3D印刷は、印刷プロセスの一部として除去可能な支持体を必要とし、著しい欠点は、支持体の除去が、浴溶解、切断、こすり落とし、サンディング、及び/又は研磨などによって手動で行われることである。自動化された支持体除去プロセスを可能にする支持材料システムが望ましい。
【0006】
様々な実施形態によれば、3D印刷用の支持材料が提供される。支持材料は、100℃~約300℃の分解温度を有するポリ(アルキレンカーボネート)を含む。
【0007】
ビルド材料及び支持材料を含む三次元的な物品が本明細書に開示される。支持材料は、100℃~約300℃の分解温度を有するポリ(アルキレンカーボネート)を含む。
【0008】
本明細書に記載される更なる態様は、三次元物品を印刷する方法を提供する。本方法は、ビルド材料を印刷することと、支持材料を印刷することと、を含む。支持材料はポリ(アルキレンカーボネート)を含み、支持材料はビルド材料を支持する。支持材料は、支持材料の分解温度を超える温度に加熱される。支持材料は、印刷されたビルド材料を残して分解する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本明細書に開示される様々な実施形態によるコア/シェル粒子の概略図である。
【
図2】本明細書に開示される様々な実施形態による粒子の概略図である。
【
図3】本明細書に開示される様々な実施形態によるフィラメントの概略図である。
【
図4】A及びBは、本明細書に開示されるコア/シェル粒子を使用して3D対象物を形成するための実施形態を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
例示された実施例に対して、添付の「特許請求の範囲」の趣旨及び範囲から逸脱することなく、1つ以上の実装に関しての例示、改変及び/又は修正を行うことができる。加えて、特定の特徴がいくつかの実装のうちの1つにのみ関して開示されていることがあり得るが、そのような特徴は、任意の所与の機能又は特定の機能のために所望されかつ有利であり得るものとして、他の実装の1つ以上の他の特徴と組み合わされてもよい。更に、用語「含む(including)」、「含む(includes)」、「有する(having)」、「有する(has)」、「有する(with)」、又はこれらの変形が「発明を実施するための形態」及び「特許請求の範囲」のいずれかで使用される限りにおいて、そのような用語は、用語「含む(comprising)」と同様の方法での包含であることが意図される。用語「~のうちの少なくとも1つ」は、列挙された項目のうちの1つ以上を選択することができることを意味するために使用される。
【0011】
実施形態の広い範囲を記載する数値範囲及びパラメーターは近似値であるが、特定の実施例に記載される数値は、可能な限り正確に報告される。しかしながら、いずれの数値も、その対応の試験測定値に見出される標準偏差から必然的に生じる特定の誤差を本質的に含む。更に、本明細書に開示される全ての範囲は、その中に包含される任意の及び全てのサブ範囲を包含すると理解されるべきである。例えば、「10未満」の範囲は、ゼロの最小値と10の最大値との間(境界値を含む)の任意の及び全てのサブ範囲、すなわち、ゼロ以上の最小値と10以下の最大値とを有する任意の及び全てのサブ範囲、例えば、1~5を含むことができる。特定の場合では、パラメーターについて記載した数値は、負の値をとることができる。この場合、「10未満」と記載された範囲の例示的な値は、負の値、例えば、-1、-2、-3、-10、-20、-30などを想定することができる。
【0012】
3D印刷は、三次元(3D)対象物を作製するために様々な材料が使用されるプロセスを指す。材料は一緒に付加される(一緒に溶解される液体分子又は固体粒子など)。3D印刷は、ラピッドプロトタイピング及び付加製造(AM)の両方で使用される。3D対象物は、ほぼ任意の形状又はジオメトリであり得、典型的には、3Dモデル、又は付加製造ファイル(AMF)ファイル(通常は連続層)などの別の電子データ源からデジタルモデルデータを使用して生成される。したがって、従来の機械加工プロセスにおいてストックから除去される材料とは異なり、3D印刷又はAMは、通常、材料を1層ずつ連続的に付加することによって、コンピュータ支援設計(CAD)モデル又はAMFファイルから三次元対象物をビルドする。
【0013】
溶融堆積造形(FDM)は、ポリ乳酸(PLA)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ナイロン、ポリエーテルイミド、及びアクリロニトリルスチレンアクリレート(ASA)などの熱可塑性材料を使用する。FDM 3D印刷は、コイルから巻き出され、押出ノズルに供給される熱可塑性フィラメントを使用する。押出フローをオン及びオフにして、熱可塑性材料を適切な場所に堆積させる。ノズルは、熱可塑性材料を溶融させるように加熱されている。熱可塑性材料は、加熱によって軟化され、ノズル又は押出ヘッドによって堆積される。ノズルは、コンピュータ制御によって水平方向及び垂直方向の両方に移動させることができる。ノズルは、コンピュータ支援製造(CAM)ソフトウェアパッケージによって制御されたツール経路をたどり、部品は、一度に1層ずつ底部からビルドアップされる。
【0014】
MJM(マルチジェット印刷)は、圧電印刷ヘッド技術を使用して光硬化性プラスチックを1層ずつ堆積するインクジェット印刷プロセスである。材料としては、アクリレート及びメタクリレートなどのUV硬化性材料が挙げられる。
【0015】
3D部品を印刷するための電子写真ベースの付加製造システムは、電子写真プロセスを使用して3D部品の各層をポリマートナー又は粉体系材料から現像するために、電子写真(EP)エンジンを使用する。次いで、現像された層は転写媒体に転写され、転写媒体は、層が(例えば、熱及び/又は圧力を使用して)転写定着される転写定着アセンブリに層を送達して、3D部品及び支持構造体を1層ずつビルドする。電子写真3D部品印刷プロセスで使用される粉体材料(例えば、ポリマー又は熱可塑性トナー)は、典型的には、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)など、1種類以上のエンジニアリンググレードの熱可塑性材料に由来する。
【0016】
3D印刷又は他の形態のAMにおける支持材料のための材料組成物が本明細書に開示される。支持材料は、犠牲材料の分解温度よりも高い熱の適用時に除去される犠牲材料を組み込む。複合体不活性/ポリ(アルキレンカーボネート)材料の設計が提供され、シリカ/砂、チタニア及び炭素などの不活性成分が、材料コストを低減し、支持材料又は構造支持体の強度及び安定性を高める。構造支持体は、不活性成分と、熱が適用されると分解するポリ(アルキレンカーボネート)と、を含む。熱が適用されると、ポリ(アルキレンカーボネート)が分解して不活性成分が残る。次いで、不活性成分は落下し、回収及び再使用され得る。
【0017】
本明細書に開示される材料組成物は、様々なAMプロセスで適用され得る。例えば、FDM印刷の場合、溶融混合されたポリマー/フィラー材料は、FDM支持体を提供するために押し出され得る。開示される材料組成物は、金属射出成形(MIM)で使用され得る。すなわち、不活性材料及びポリ(アルキレンカーボネート)を含有する材料組成物は、3D対象物を形成するために射出成形され得る。3D対象物は焼結され、支持体は除去のために分解される。
【0018】
シリカ/砂、チタニア、アルミナ、ガラス、金属、セルロース、合成ポリマー、及び炭素繊維などの不活性材料をポリ(アルキレンカーボネート)に組み込んで、3D印刷支持材料を製造する。組成物中に組み込まれた不活性材料は、支持材料に強度を付加する。
【0019】
ポリ(アルキレンカーボネート)は、二酸化炭素から誘導され、CO2と1つ以上のエポキシドとの共重合によって生成されるコポリマーである。ポリ(エチレンカーボネート)、ポリ(プロピレンカーボネート(PPC))、ポリ(ブチレンカーボネート)、ポリ(シクロヘキセンカーボネート(PCC))、ポリ(ノルボルネンカーボネート)、及びポリ(シクロヘキセンプロピレンカーボネート)などを含む、様々な種類のポリ(アルキレンカーボネート)を合成することができる。ポリ(アルキレンカーボネート)は、約10,000~約500,000の範囲の分子量(Mw)を有する。
【0020】
ポリ(アルキレンカーボネート)は、それらの好ましい分解範囲、並びに不活性環境及び富酸素環境の両方においてほとんど残留物のない分解により、好適な熱分解性支持材料である。ポリ(アルキレンカーボネート)の分解は、ポリマー構造の種類及び周囲の化学環境に応じて異なる経路で生じ得る。例えば、PCCの熱分解は、ランダムな鎖切断反応、鎖アンジッピング反応、又は両方の組み合わせを介して生じ得る。スキーム1に示されるようなランダムな鎖切断反応は、内部カーボネート基の破損から始まり、二酸化炭素及びオリゴマーを生成する。結果として得られたオリゴマーは、二酸化炭素及びアセトンなどの揮発性分子に更に分解する。一方、鎖アンジッピング反応は、スキーム2に示されるように、ポリマー鎖の末端から開始し、プロピレンカーボネート及びオリゴマーをもたらす。プロピレンカーボネート及びオリゴマーの両方は、二酸化炭素、アセトン、及びプロピレンエポキシドなどの揮発性分子に更に分解し得る。
【0021】
【0022】
ポリ(アルキレンカーボネート)を含む支持材料は、約100℃~約300℃、又は約120℃~約250℃、又は約150℃~約200℃の範囲の調整可能な分解温度を有する。支持材料の分解温度は、ポリ(アルキレンカーボネート)の分子構造によって決定することができる。より好都合には、ポリ(アルキレンカーボネート)は、少量の添加剤を添加することによって調整することができ、この添加剤は、分解温度を上昇させる安定剤として、又はポリマーの分解温度を低下させる触媒としてのいずれかで機能する。
【0023】
特定の実施形態では、いくつかの有機添加剤は、骨格のカルボニル部分間に水素結合相互作用を生じさせることにより、鎖切断(スキーム1)によって誘発されるポリマー分解経路を抑制するための安定剤として使用され得る。このような有機添加剤の例示的な例としては、シクロデキストリン、及びステアリン酸、クエン酸などのカルボン酸といったものが挙げられる。あるいは、アンジッピング反応(スキーム2)は、ヒドロキシル末端基(-OH)によるポリマー主鎖中の求電子性炭素原子の攻撃によって進行し得るため、反応性部分、例えば、無水マレイン酸などでエステル化することによって反応性ヒドロキシル基を末端封止することにより、熱分解温度を上昇させ得る。有機添加剤の濃度は、ポリ(アルキレンカーボネート)の約0.05~約10重量%、又は約0.1~約8重量%、又は約0.2~約5重量%であり得る。
【0024】
他の実施形態では、ポリ(アルキレンカーボネート)の熱分解は、純粋なポリマーの温度よりも低い温度でより容易に生じるように、酸又は塩基によって触媒され得る。実用的な観点から、UV光又は熱などの外部刺激によって生成されることができ、かつ劣化を伴わずにポリマーを加工することを可能にすることができる、酸触媒又は塩基触媒の使用。この触媒は、支持材料の除去のための分解プロセスを促進するために、光又は熱に曝露することによって後で活性化することができる。ジフェニルヨードニウム塩、ベンジルスルホン酸エステル、イミノスルホン酸エステル、及びスピロピラン系スルホン酸を含む、様々な種類の既知の光及び熱酸発生剤が組み込まれ得る。光酸触媒の例示的な例としては、4-メチルフェニル[4-(1-メチルエチル)フェニル]テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート又は(4-tert-ブチルフェニル)ヨードニウムトリス(ペルフルオロメチルスルホニル)メチドなどが挙げられる。光塩基触媒の例示的な例としては、2-(9-オキソキサンテン-2-イル)プロピオン酸1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカ-5-エン塩又は1,5,7eトリアザ-ビシクロ[4.4.0]デカ-5-エンテトラフェニルボレートが挙げられる。実施形態では、酸触媒又は塩基触媒の濃度は、ポリ(アルキレンカーボネート)の約0.01~約5重量%、又は約0.05~約3重量%、又は約0.1~約5重量%であり得る。
【0025】
熱分解温度、ガラス転移温度、弾性率、及びメルトフローインデックスなどのポリ(アルキレンカーボネート)の特性は、様々な方法によって制御することができる。更に、ポリ(アルキレンカーボネート)からなる支持材料は、シリカ/砂、チタニア、アルミナ、ガラス、金属、セルロース、合成ポリマー、及び炭素繊維など、不活性材料を更に含み得る。ポリ(アルキレンカーボネート)を含む支持材料は、内部に組み込まれた不活性材料を有し得、それにより、3D印刷での加工条件下で支持材料として使用されるのに十分な強度を有し得る。不活性材料の充填は、支持材料の約1~約80重量%、又は約5重量%~約50重量%、又は約3重量%~約25重量%の範囲であり得る。
【0026】
本開示の支持材料は、3D印刷プロセスの種類に応じて異なる形態の形状又はサイズであり得る。例えば、支持材料は、3D印刷において粉体粒子、ペレット、又はフィラメントとして使用することができる。支持材料は、従来技術を使用して製造され得る。
【0027】
図1は、コア/シェル粒子10としての支持材料の実施形態の概略図である。コア及びシェルの寸法は、縮尺どおりではない。コア12は、シリカ、チタニア、アルミナ、ガラス、金属、セルロース、合成ポリマー、及び炭素繊維などの不活性材料である。コアは、不活性材料の個々の粒子を含み得る。あるいは、コアは、ポリ(アルキレンカーボネート)結合剤中に分散された不活性材料の複数の粒子を含み得る。コア/シェル粒子10のシェル15は、約100℃~約300℃の温度で分解するポリ(アルキレンカーボネート)を含む。シェルの分解温度は、特定のポリマーの選択によって、又は前述したように有機添加剤若しくは触媒の添加を介して、調整され得る。具体的なポリ(アルキレンカーボネート)としては、ポリ(エチレンカーボネート)、ポリ(プロピレンカーボネート)(PPC)、ポリ(ブチレンカーボネート)、ポリ(シクロヘキセンカーボネート)、ポリ(ノルボルネンカーボネート)、及びポリ(シクロヘキセンプロピレンカーボネート)などが挙げられる。ポリ(アルキレンカーボネート)は、約10,000~約500,000の範囲の分子量(Mw)を有する。
図1のコア/シェル粒子10は、約3マイクロメートル~約250マイクロメートルのサイズを有し、又は実施形態では、約5マイクロメートル~約200マイクロメートル、若しくは約20マイクロメートル~約100マイクロメートルのサイズを有する。シェル15の厚さは、印刷プロセス中に支持体として十分な結合強度を提供する限り、様々であり得る。
【0028】
コア/シェル粒子10は、任意の既知の技術又はプロセスによって作製され得る。例えば、コア内に不活性材料の個々の粒子を含有するコア/シェル粒子10は、湿式コーティング及び粉体コーティングなどを含む、従来のコーティング技術を使用して作製され得る。
【0029】
本明細書に開示される支持材料のコア/シェル粒子は、凝集プロセス及び合体プロセスによって調製され得、これらのプロセスでは、ポリ(アルキレンカーボネート)のコア粒子を含む混合物が適切な粒径に凝集され、次いで、最終の粒子形状及び形態を達成するように合体される。実施形態では、ポリ(アルキレンカーボネート)のシェルが、凝集コア粒子に付加され、続いてコア/シェル粒子のシェルを形成するように合体する。コア/シェル粒子のサイズは、約5~120マイクロメートル、6~80マイクロメートル、又は10~60マイクロメートルの範囲であり得る。
【0030】
特定の実施形態では、本明細書に開示される支持材料の微小粒子は、ホットメルト押出機を使用してポリ(アルキレンカーボネート)から調製され得る。本開示のプロセスは、ポリ(アルキレンカーボネート)を油と接触させて混合物を形成することを含む。油は、ポリマー溶媒及びコアセルベート剤として働き、ポリマーを合体させてコアセルベート液滴を形成させ、最終的に、コアセルベート液滴は、周囲温度まで冷却する間に微小粒子に硬化する。微小粒子が完全に硬化した後、油は、油混和性溶媒で洗い流され得る。相分離は、油の臨界体積分率を超える油とポリ(アルキレンカーボネート)との間で起こり、これはポリマー濃度、ポリマー分子量、及び温度に依存する。押し出しプロセスに使用される油としては、シリコーン油、非シリコーン油、又はこれらの混合物が挙げられ得る。シリコーン油の具体的な例としては、ジオルガノポリシロキサン、有機官能性シロキサン、シリコーンポリエーテル、シリコーンアルキルワックス、フェニルシリコーン、フルオロシリコーン、直鎖シロキサン、環状シロキサン、アミノ官能性オリゴシロキサン、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。ジオルガノポリシロキサンの例としては、限定するものではないが、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、エチルメチルポリシロキサン、ジラエチルシロキサン(diraethylsiloxane)とメチルビニルシロキサンとのコポリマー、及びOH末端を有するこのようなポリマー又はコポリマーの混合物が挙げられる。直鎖シロキサンの例としては、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサンが挙げられるが、これらに限定されない。環状シロキサンの例としては、オクタメチルテトラシクロシロキサン、デカメチルペンタシクロシロキサンが挙げられるが、これらに限定されない。実施形態では、油は、ジオルガノポリシロキサンを含む。実施形態では、油は、ポリジメチルシロキサンを含む。非シリコーン油の例は、ケシ油、オリーブ油、ピーナッツ油、ゴマ油、綿実油、大豆油、ベニバナ油、コーン油、ヒマワリ種子油及びキャノーラ油などの不飽和油、又は鉱油、長鎖パラフィン油、及び流動ワセリンなどの飽和油であり得る。
【0031】
具体的には、プロセスは、ポリ(アルキレンカーボネート)樹脂と油とを混合することを含む。ポリ(アルキレンカーボネート)樹脂は、ホットメルト押出機への供給の前に、室温又は高温のいずれかで、油及び他の任意追加の添加剤と予め混合され得る。ポリ(アルキレンカーボネート)樹脂及び油及び他の任意追加の添加剤は、ホットメルト押出機に別々に添加され得る。油に対するポリ(アルキレンカーボネート)樹脂の重量比は、約0.5:2.0~約1.5:0.5、約0.75:1.8~約1.25:0.75、約1.0:1.6~約1.1:1.0、約0.25:1.0~約1.0:0.33、約0.42:1.0~約1.0:0.6、又は約0.63:1.0~約1.0:0.90の特定の範囲内であり得る。
【0032】
更に、プロセスは、ポリ(アルキレンカーボネート)樹脂及び油を含有する混合物を加熱することを含む。ポリ(アルキレンカーボネート)樹脂と油との混合物は、混合前又は混合中に、ポリ(アルキレンカーボネート)樹脂のガラス転移温度(Tg)を超える温度で加熱され得る。実施形態では、ポリ(アルキレンカーボネート)樹脂と油との混合物は、約30~約120℃、約30~約100℃、又は約40~約80℃の温度で加熱され得る。
【0033】
ポリ(アルキレンカーボネート)樹脂、油、及び他の任意追加の添加剤の混合物は、約50回転/分(rpm)~約1500rpm、実施形態では約250rpm~約1000rpm、又は約225rpm~約500rpmの速度で、押出機内で混合され得る。混合又は接触は、約1分~約60分、約5分~約30分、又は約10分~約20分実施され得る。この混練は、ポリ(アルキレンカーボネート)樹脂、油、及び他の任意追加の添加剤の分子レベルの混合を達成するのに役立つ。この種の分子混合は、混合物を、均一な形状及び密度を有する微小粒子複合体に変換することができる。プロセスは、微小粒子複合体に約0~約50メートルグラム(mg)の圧力を適用して、実施形態では、材料をオリフィス又はダイへ押し通して、微小粒子を形成することを含む。単位「メートルグラム」は、1グラムを重力に対して1メートルの距離にわたって上昇させる際に働く動力を指す。結果として得られた微小粒子を室温(すなわち、20℃~25℃)まで冷却し、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、又はこれらの混合物などの有機溶媒で洗浄して油を除去する。洗浄工程後の微小粒子は、例えば、濾紙に通して濾過することによって、又は遠心分離によって、回収することができる。結果として得られる微小粒子の粒径は、約5~約100マイクロメートルの範囲であり得る。
【0034】
あるいは、ポリ(アルキレンカーボネート)微小粒子はまた、沈殿プロセスによっても調製され得、このプロセスは、ポリ(アルキレンカーボネート)樹脂及びポリマー安定剤を水混和性有機溶媒中に溶解させることによって、ポリ(アルキレンカーボネート)樹脂及びポリマー安定剤を含む第1の溶液を調製することから始まる。本開示の様々な実施形態によると、溶媒に可溶性であるか、又はポリ(アルキレンカーボネート)樹脂に対する親和性を示す任意のポリマーは、ポリマー安定剤として有効であり得る。非限定的な例示的なポリマー安定剤としては、ポリスチレン、ポリ(ビニルアセテート)、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(アクリロニトリル)、ポリ(ジメチルシロキサン)、ポリ(ビニルクロライド)、ポリ(エチレン)、ポリ(プロピレン)、ポリ(ラウリルメタクリレート)、ポリ(オキシエチレン)、ポリ(アクリルアミド)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(エチレンイミン)、ポリ(ビニルメチルエーテル)、ポリ(4-ビニルピリジン)、ポリ(12-ヒドロキシステアリン酸)、ポリ(イソブチレン)、シス-1:4-ポリ(イソプレン)、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、Tween(商標)80、Tween(商標)20、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、コポビドン及びポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリメタクリレート、ヒプロメロースアセテートサクシネート、ヒプロメロースフタレート、Soluplus(登録商標)などのポリビニルカプロラクタム-ポリビニルアセテート-ポリエチレングリコールグラフトコポリマー、ポリビニルアセテートフタレート、並びにセルロースアセテートフタレートが挙げられ得る。特定の実施形態では、ポリマー安定剤はポリビニルアルコールであり、特定の実施形態では、ポリ(アルキレンカーボネート)及びポリマー安定剤は、約30℃~約60℃の範囲の温度など、高温で溶解され得る。
【0035】
水混和性有機溶媒は、例えば、アルコール、酢酸、アセトン、及びジメチルアセトアミドなどのアセトアミドといった、当該技術分野において既知のものから選択され得る。特定の例示的実施形態では、水混和性有機溶媒は、ジメチルアセトアミド(DMAc)である。水混和性有機溶媒に対するポリ(アルキレンカーボネート)樹脂の比は、約0.1:1~約1:1、例えば、約0.15:1、約0.16:1、約0.17:1、又は約0.2:1などであり得る。
【0036】
ポリビニルアルコールなどの水溶性ポリマーを含む第2の溶液は、水分散液として水中に調製され得る。他の水溶性ポリマーとしては、例えば、ポリビニルアルコール、PEG及び、例えば、ポリ(プロピレンオキシド)、ポリ(エチレンブチレン)、及びポリ(カプロラクトン)など、PEGを含有するブロックコポリマー;ポビドンとしても知られるポリビニルピロリドン;ポリビニルピロリドン-ビニルアセテートコポリマー;ポリアクリル酸;ポリ(エチレンオキシド)及びポリ(プロピレンオキシド)のブロックコポリマーで修飾されたポリ(アクリル酸)コポリマー;ポリアクリルアミド;N-(2-ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド;ジビニルエーテル-無水マレイン酸;ポリ(2-アルキル-2-オキサゾリン);ポリホスフェート及びポリホスホネートなどのポリホスホエステル;ポリ[ジ(カルボキシラトフェノキシ)ホスファゼン]及びポリ[ジ(メトキシエトキシエトキシ)ホスファゼン]などの水溶性ポリホスファゼン;キサンタンガム、ペクチン、N-カルボキシメチルキトサン、デキストラン、カラギーナン、グアーガムなどの天然水溶性ポリマー;ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース及びナトリウムカルボキシメチルセルロースなどのセルロースエーテル;ヒアルロン酸;アルブミン;デンプン及びデンプン系誘導体;N-ビニルカルボキサミドの水溶性ポリマー;並びに親水性、アニオン性、及びカチオン性界面活性剤が挙げられ得る。特定の実施形態では、水溶性ポリマーはポリビニルアルコールである。
【0037】
次いで、第2の溶液は、メーターを介して第1の溶液に供給され、混合されて、第3の溶液を生成し得、これにより、第3の溶液からポリ(アルキレンカーボネート)微小粒子の沈殿物がもたらされる。次いで、ポリ(アルキレンカーボネート)微小粒子は濾過され、乾燥され得る。特定の実施形態では、本明細書に開示される方法に従って調製されたポリ(アルキレンカーボネート)微小粒子は、自ら周囲温度に到達することによって徐冷されるか、又は、例えば氷で、急冷されるなどによって、冷却される。結果として得られる微小粒子の粒径は、約5~約100マイクロメートルの範囲であり得る。
【0038】
実施形態では、支持材料は、ポリ(アルキレンカーボネート)全体にわたって分散した不活性材料を有する粒子を含み得る。
図2は、ポリ(アルキレンカーボネート)25内に分散した不活性材料22を有する粒子20としての支持材料の実施形態の概略図である。不活性材料22としては、シリカ/砂、チタニア、アルミナ、ガラス、金属、セルロース、合成ポリマー、及び炭素繊維が挙げられる。ポリ(アルキレンカーボネート)25は、約100℃~約300℃の温度で分解する。
図2の粒子20は、約3マイクロメートル~約500マイクロメートルのサイズ有し、又は実施形態では、約5マイクロメートル~約250マイクロメートル、若しくは約20マイクロメートル~約100マイクロメートルのサイズを有する。粒子20は、コア/シェル粒子又はポリ(アルキレンカーボネート)微小粒子に対して上述した技術によって製造され得る。加えて、粒子20は、例えば、押し出しによって不活性材料をポリ(アルキレンカーボネート)とブレンドすること、ブレンドを粒子に粉砕すること、及び粒子をふるい分けすることなどを含む、他の従来の機械的粉砕プロセスによって製造されてもよい。
【0039】
実施形態では、支持材料は、不活性材料がポリ(アルキレンカーボネート)全体にわたって分散している、ポリ(アルキレンカーボネート)のフィラメントであり得る。
図3は、ポリ(アルキレンカーボネート)35内に分散した不活性材料32を有するフィラメント30としての支持材料の実施形態の概略図である。不活性材料としては、シリカ/砂、チタニア、アルミナ、ガラス、金属、セルロース、合成ポリマー、及び炭素繊維が挙げられる。ポリ(アルキレンカーボネート)35は、約100℃~約300℃の温度で分解する。
図3のフィラメント30は、支持材料としての使用に適した長さ及び直径を有する。3D印刷業界の現行の規格は、印刷ノズルサイズ、印刷速度、及び印刷解像度などのプリンタ設定に応じて、約0.5ミリメートル~約15ミリメートル、又は約0.75ミリメートル~約4.5ミリメートル、又は約1ミリメートル~約3.5ミリメートルの直径を有するフィラメントを提供し得る。フィラメント30は、ポリ(アルキレンカーボネート)のガラス転移温度を超える温度で不活性材料32とポリ(アルキレンカーボネート)とを混合し、次いで混合物を押し出してフィラメントを形成することによって製造され得る。
【0040】
図4(A)及び
図4(B)は、犠牲ポリカーボネート材料及び不活性フィラーを使用して3D印刷の支持体を形成するプロセスを概略的に実証する。
図4(A)では、3D対象物43は、本明細書に開示される、粉体粒子又はフィラメントを使用した様々な3D印刷技術のうちの1つを介して形成される。3D対象物43は、記載された様々な3D印刷技術のうちの1つでビルド材料を使用して形成される。3D対象物43は、ポリ(アルキレンカーボネート)45及び不活性材料44から形成された支持体42によって支持される。支持体42は、3D対象物43と共に、例えば、3D印刷方法によって形成される。支持体42は、3D印刷方法の間、3D対象物43を支持する。支持体42は、本明細書に開示されるように粒子又はフィラメントから形成されることができる。支持体42は、本明細書に開示されるように、ポリ(アルキレンカーボネート)45と共に不活性材料44を含有し得る。ポリ(アルキレンカーボネート)45の分解温度を超えて3D対象物43及び支持体42の温度を上昇させる熱が3D対象物43に加えられる。ポリ(アルキレンカーボネート)がCO
2及び揮発性分子に分解し、不活性材料44が離れて落ちるので、支持体42は崩壊する。これを
図4(B)に示す。支持体42に組み込まれた不活性材料44は、主に、安価な無機コアからなり、結合のためにポリ(アルキレン(alkyklene)カーボネート)の薄層で囲まれている。
【実施例1】
【0041】
ホットメルト押出によるポリ(プロピレンカーボネート)微小粒子の調製
微小粒子の調製のために小規模のHaake二軸押出機を使用した。ポリジメチルシロキサン油(PDMS、Clearco、18-22K cSt)に対してポリ(プロピレンカーボネート)(QPAC(登録商標)40)の1:1の配合では、ポリ(プロピレンカーボネート)の量は30グラムであり、PDMS油の量も30グラムであった。ポリ(プロピレンカーボネート)及びPDMS油を予混合し、Haake押出機に通して供給した。ポリ(プロピレンカーボネート)又はQPAC(登録商標)40が油全体にわたって完全に溶融するように押出機を50℃に設定した。押出機のrpmを200に設定し、20メガグラムのトルク下で樹脂/油を15分間混合した。押出後、ポリ(プロピレンカーボネート)微小粒子をアルミニウムパン上に排出し、室温まで冷却した。ポリ(プロピレンカーボネート)/油スラリーを約200mLのヘプタンと共にビーカーに入れ、オーバーヘッド撹拌機で約20分間混合した。望ましくないPDMS/ヘプタン混合物を、Whatman#1 90mm濾紙を用いて真空濾過により除去して、ポリ(プロピレンカーボネート)微小粒子を回収した。この洗浄手順をもう1回繰り返した。最終濾過後、次いで、「清潔な」微小粒子(すなわち、生成物)をヒュームフード内のアルミニウムパン内で一晩空気乾燥させて、残留エチルアセテートを蒸発させた。粒径は、約35μm~約75μmの範囲であった。
【実施例2】
【0042】
水混和性溶媒/水沈殿からの沈殿によるポリ(プロピレンカーボネート)微小粒子の調製
50gのポリ(プロピレンカーボネート)(QPAC(登録商標)40)及び19.5gのポリビニルアルコールを300gのジメチルアセトアミド中で混合して第1の溶液を作製することによって微小粒子を調製した。脱イオン水中の(2.2重量%)のポリビニルアルコールの別個の溶液も調製した。次に、ポリビニルアルコール水溶液が、最終溶液からのポリ(プロピレンカーボネート)微小粒子の沈殿を引き起こさせる溶媒として作用するように、ポリビニルアルコール水溶液を蠕動ポンプによってメーターを介して第1の溶液に供給した。微小粒子を自ら周囲温度に到達するように放置した。粒径は、約30μm~約45μmの範囲であった。