(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-17
(45)【発行日】2023-03-28
(54)【発明の名称】エンジンの吸気装置
(51)【国際特許分類】
F02M 35/10 20060101AFI20230320BHJP
F02D 35/00 20060101ALI20230320BHJP
F02D 45/00 20060101ALI20230320BHJP
【FI】
F02M35/10 101E
F02D35/00 366E
F02D45/00 366
F02M35/10 301G
(21)【出願番号】P 2019227476
(22)【出願日】2019-12-17
【審査請求日】2021-12-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】100087653
【氏名又は名称】鈴江 正二
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 隆寛
(72)【発明者】
【氏名】長井 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】吉田 怜央
(72)【発明者】
【氏名】上山 満
(72)【発明者】
【氏名】坂口 久美子
【審査官】小関 峰夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-185197(JP,A)
【文献】実開昭64-041661(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2008/0072979(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0308494(US,A1)
【文献】独国特許出願公開第102010025898(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02D 35/00
F02D 45/00
F02M 35/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサ取付管(1)と、センサ取付管(1)に取り付けられたエアフローセンサ(2)と、センサ取付管(1)の取付管入口側部(1a)に外嵌された取付管入口側吸気ホース(3)と、センサ取付管(1)の取付管出口側部(1b)に外嵌された取付管出口側吸気ホース(4)と、取付管入口側吸気ホース(3)を取付管入口側部(1a)に締め付ける取付管入口側締付具(3a)と、取付管出口側吸気ホース(4)を取付管出口側部(1b)に締め付ける取付管出口側締付具(4a)を備えた、エンジンの吸気装置において、
センサ取付管(1)に隙間(1c)を保持して内嵌される吸気検出用通風管(5)を備え、吸気検出用通風管(5)内にエアフローセンサ(2)の検出部(2a)が
差し込まれ、
吸気検出用通風管(5)の外周にリブ(5e)が
突設され、
センサ取付管(1)と吸気検出用通風管(5)の間に挟まれた複数本のOリング(7a)(7b)を備え、
この複数本のOリング(7a)(7b)を介して吸気検出用通風管(5)がセンサ取付管(1)に弾性支持されて
、センサ取付管(1)の内周面と吸気検出用通風管(5)のリブ(5e)の外周縁との間に隙間が保持されている、ことを特徴とするエンジンの吸気装置。
【請求項2】
請求項1に記載されたエンジンの吸気装置において、
通風管入口側部(5a)は、センサ取付管(1)の吸気上流側に向けて拡開するベルマウス形状とされ、その入口側端部(5ae)は取付管入口側部(1a)を吸気上流側から
覆い、通風管入口側部(5a)がOリング(7a)でセンサ取付管(1)に弾性支持されている、ことを特徴とするエンジンの吸気装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載されたエンジンの吸気装置において、
吸気検出用通風管(5)の中心軸線(5c)の方向を軸長方向、吸気検出用通風管(5)の軸長方向中間位置での内直径寸法(5d)を基準内直径寸法(5ds)とし、エアフローセンサ(2)の検出部(2a)の軸長方向中央位置(2b)からの通風管入口側部(5a)の入口側軸長寸法(5as)が、基準内直径寸法(5ds)の1倍~2倍に設定されている、ことを特徴とするエンジンの吸気装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載されたエンジンの吸気装置において、
吸気検出用通風管(5)の中心軸線(5c)の方向を軸長方向、吸気検出用通風管(5)の軸長方向中間位置での内直径寸法(5d)を基準内直径寸法(5ds)とし、エアフローセンサ(2)の検出部(2a)の軸長方向中央位置(2b)からの通風管出口側部(5b)の出口側軸長寸法(5bs)が、基準内直径寸法(5ds)の0.5倍~2倍に設定されている、ことを特徴とするエンジンの吸気装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンの吸気装置に関し、詳しくは、エアフローセンサの検出精度を高く維持できるエンジンの吸気装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、センサ取付管と、センサ取付管に取り付けられたエアフローセンサと、センサ取付管の取付管入口側部に外嵌された取付管入口側吸気ホースと、センサ取付管の取付管出口側部に外嵌された取付管出口側吸気ホースを備えた、エンジンの吸気装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-185197号公報(
図1参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
《問題点》 エアフローセンサの検出精度が低下することがある。
特許文献1のエンジンでは、取付管入口側吸気ホースを取付管入口側部に締め付ける取付管入口側締付具と、取付管出口側吸気ホースを取付管出口側部に締め付ける取付管出口側締付具を用いるが、各締付具の締付力でセンサ取付管に歪が生じると、センサ取付管内を通過する吸気の流れが乱れ、エアフローセンサの検出精度が低下することがある。
【0005】
本発明の課題は、エアフローセンサの検出精度を高く維持できるエンジンの吸気装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願発明の主要な構成は、次の通りである。
図1または
図2に例示するように、センサ取付管(1)と、センサ取付管(1)に取り付けられたエアフローセンサ(2)と、センサ取付管(1)の取付管入口側部(1a)に外嵌された取付管入口側吸気ホース(3)と、センサ取付管(1)の取付管出口側部(1b)に外嵌された取付管出口側吸気ホース(4)と、取付管入口側吸気ホース(3)を取付管入口側部(1a)に締め付ける取付管入口側締付具(3a)と、取付管出口側吸気ホース(4)を取付管出口側部(1b)に締め付ける取付管出口側締付具(4a)を備えた、エンジンの吸気装置において、
図2に例示するように、センサ取付管(1)に隙間(1c)を保持して内嵌される吸気検出用通風管(5)を備え、吸気検出用通風管(5)内にエアフローセンサ(2)の検出部(2a)が差し込まれ
、
吸気検出用通風管(5)の外周にリブ(5e)が突設され、
センサ取付管(1)と吸気検出用通風管(5)の間に挟まれた複数本のOリング(7a)(7b)を備え、
この複数本のOリング(7a)(7b)を介して吸気検出用通風管(5)がセンサ取付管(1)に弾性支持されて、センサ取付管(1)の内周面と吸気検出用通風管(5)のリブ(5e)の外周面との間に隙間が保持されている、ことを特徴とするエンジンの吸気装置。
【発明の効果】
【0007】
本願発明は、次の効果を奏する。
《効果》 エアフローセンサ(2)の検出精度を高く維持できる。
図2に例示する取付管入口側締付具(3a)と取付管出口側締付具(4a)の締付力で、センサ取付管(1)に歪が生じても、その歪は隙間(1c)により吸気検出用通風管(5)には及び難く、吸気検出用通風管(5)内の吸気(6)の乱れが起こり難く、エアフローセンサ(2)の検出精度を高く維持できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態に係るエンジンの吸気装置の側面図である。
【
図2】
図1の吸気装置で用いるセンサ取付管とその周辺部品の断面図である。
【
図3】
参考形態の吸気装置で用いるブローバイガス導入管とその周辺部品の断面図である。
【
図4】
図1の吸気装置を取り付けるエンジンの右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1,図2,図4~図6は本発明の実施形態に係るエンジンの吸気装置を説明する図で、この実施形態では、立形の直列多気筒ディーゼルエンジンについて説明する。
【0010】
このエンジンの概要は、次の通りである。
図4に示すように、このエンジンは、シリンダブロック(15)と、シリンダブロック(15)の上部に組み付けられたシリンダヘッド(16)と、シリンダヘッド(16)の上部に組み付けられたシリンダヘッドカバー(17)と、クランク軸(18)の架設方向を前後方向として、シリンダブロック(15)の前部に配置された伝動ギヤケース(19)と、シリンダブロック(15)の後部に配置されたフライホイール(20)と、シリンダブロック(15)の下部に組み付けられたオイルパン(29)を備えている。
【0011】
このエンジンは、前後方向と直交する水平方向を左右横方向として、
図4,5に示すように、シリンダヘッド(16)の右側面に組み付けられた吸気マニホルド(21)と、吸気マニホルド(21)の吸気入口に組み付けられた吸気スロットル(22)と、シリンダヘッドカバー(17)の右側に架設されたコモンレール(23)と、シリンダブロック(15)の右側に配置された燃料サプライポンプ(24)を備え、
図6に示すように、シリンダヘッド(16)の左側面に組み付けられた排気マニホルド(25)と、排気マニホルド(25)の排気出口に組み付けられた過給機(26)を備えている。
【0012】
このエンジンの燃料供給装置は、
図4,5に示す燃料サプライポンプ(24)やコモンレール(23)からなるコモンレール式燃料噴射装置である。
このエンジンの吸気装置は、
図1に示すエアクリーナ(27)と、センサ取付管(1)と、ブローバイガス導入管(8)と、過給機(26)のエアコンプレッサ(26a)と、
図4,5に示す吸気スロットル(22)と、吸気マニホルド(21)を備えている。
このエンジンの排気装置は、
図5,6に示す排気マニホルド(25)と、過給機(26)の排気タービン(26b)と、排気処理装置(28)を備えている。排気処理装置(28)は、排気処理ケース(28a)内にDOC(図示せず)とDPF(図示せず)を収容している。DOCはディーゼル酸化触媒の略称、DPFはディーゼル・パティキュレート・フィルタの略称である。
【0013】
図1または
図2に示すように、吸気装置は、センサ取付管(1)と、センサ取付管(1)に取り付けられたエアフローセンサ(2)と、センサ取付管(1)の取付管入口側部(1a)に外嵌された取付管入口側吸気ホース(3)と、センサ取付管(1)の取付管出口側部(1b)に外嵌された取付管出口側吸気ホース(4)と、取付管入口側吸気ホース(3)を取付管入口側部(1a)に締め付ける取付管入口側締付具(3a)と、取付管出口側吸気ホース(4)を取付管出口側部(1b)に締め付ける取付管出口側締付具(4a)を備えている。
【0014】
図2に示すように、この吸気装置は、センサ取付管(1)に隙間(1c)を保持して内嵌される吸気検出用通風管(5)を備え、吸気検出用通風管(5)内にエアフローセンサ(2)の検出部(2a)が差し込まれている。
【0015】
上記構成によれば、
図2に示す取付管入口側締付具(3a)と取付管出口側締付具(4a)の締付力で、センサ取付管(1)に歪が生じても、その歪は隙間(1c)により吸気検出用通風管(5)には及び難く、吸気検出用通風管(5)内の吸気(6)の乱れが起こり難く、エアフローセンサ(2)の検出精度を高く維持できる。
【0016】
図2に示すセンサ取付管(1)と吸気検出用通風管(5)は、硬質の合成樹脂製パイプである。エアフローセンサ(2)は、ホットワイヤ式のものである。取付管入口側吸気ホース(3)と取付管出口側吸気ホース(4)は、可撓性の合成樹脂製ホースである。取付管入口側締付具(3a)と取付管出口側締付具(4a)は、金属性の締付バンドである。
【0017】
図2に示すように、この吸気装置は、センサ取付管(1)と吸気検出用通風管(5)の間に挟まれた複数本のOリング(7a)(7b)を備えている。
この複数本のOリング(7a)(7b)を介して吸気検出用通風管(5)がセンサ取付管(1)に弾性支持されている。
【0018】
上記構成によれば、
図2に示す吸気検出用通風管(5)の振動が複数本のOリング(7a)(7b)の弾性変形で緩和されるため、吸気検出用通風管(5)の振動による吸気(6)の乱れが起こり難く、エアフローセンサ(2)の検出精度を高めることができる。
Oリング(7a)(7b)は、吸気検出用通風管(5)の吸気上流側端部と吸気下流側端部にそれぞれ1本ずつ用いられている。
【0019】
図2に示すように、吸気検出用通風管(5)の外周にリブ(5e)が突設されてい。
上記構成によれば、
図2に示すリブ(5e)により吸気検出用通風管(5)の強度が高まり、吸気検出用通風管(5)に取付管入口側締付具(3a)や取付管出口側締付具(4a)の締付力がかかっても、吸気検出用通風管(5)が歪み難いため、吸気検出用通風管(5)内の吸気(6)の流れが乱れ難く、エアフローセンサ(2)の検出精度を高めることができる。
この実施形態では、複数本のOリング(7a)(7b)を介して吸気検出用通風管(5)がセンサ取付管(1)に弾性支持されて、センサ取付管(1)の内周面と吸気検出用通風管(5)のリブ(5e)の外周縁との間に隙間が保持されている。
【0020】
図2に示すように、通風管入口側部(5a)は、センサ取付管(1)の吸気上流側に向けて拡開するベルマウス形状とされ、その入口側端部(5ae)は取付管入口側部(1a)を吸気上流側から覆っている。
上記構成によれば、
図2に示すように、取付管入口側吸気ホース(3)の内直径寸法(3b)に比べ、吸気検出用通風管(5)の内直径寸法(5d)は小さく、これらの内直径寸法差による段差が生じるが、ベルマウス形状の通風管入口側部(5a)により、吸気(6)は、取付管入口側吸気ホース(3)から吸気検出用通風管(5)に滑らかに導入されるため、段差による吸気(6)の乱れが起こり難く、エアフローセンサ(2)の検出精度を高めることができる。
この実施形態では、通風管入口側部(5a)がOリング(7a)でセンサ取付管(1)に弾性支持されている。
【0021】
図2に示すように、この吸気装置では、吸気検出用通風管(5)の中心軸線(5c)の方向を軸長方向、吸気検出用通風管(5)の軸長方向中間位置での内直径寸法(5d)を基準内直径寸法(5ds)とし、エアフローセンサ(2)の検出部(2a)の軸長方向中央位置(2b)からの通風管入口側部(5a)の入口側軸長寸法(5as)が、基準内直径寸法(5ds)の1倍~2倍に設定されている。
【0022】
図2に示す通風管入口側部(5a)の入口側軸長寸法(5as)が基準内直径寸法(5ds)の1倍未満である場合、吸気検出用通風管(5)の通風管入口側部(5a)内での吸気(6)の整流が不十分になり、エアフローセンサ(2)の検出精度が低くなるおそれがある。他方、これが2倍を超えると、取付管入口側部(1a)から通風管入口側部(5a)が大きく突出し、取付管入口側吸気ホース(3)の曲げの自由度が低下するおそれがある。
これに対し、通風管入口側部(5a)の入口側軸長寸法(5as)が上記範囲内にある場合には、上記問題が起こり難く、エアフローセンサ(2)の検出精度が高いと共に、取付管入口側吸気ホース(3)の曲げの自由度も高い。
【0023】
基準内直径寸法(5ds)は、吸気検出用通風管(5)の内直径寸法(5d)が一定になる吸気検出用通風管(5)の軸長方向中間位置での内直径寸法(5d)とすればよい。この実施形態では、吸気検出用通風管(5)の軸長方向中間位置にある最小の内直径寸法(5d)を基準内直径寸法(5ds)としている。
【0024】
図2に示すように、この吸気装置では、吸気検出用通風管(5)の中心軸線(5c)の方向を軸長方向、吸気検出用通風管(5)の軸長方向中間位置での内直径寸法(5d)を基準内直径寸法(5ds)とし、エアフローセンサ(2)の検出部(2a)の軸長方向中央位置(2b)からの通風管出口側部(5b)の出口側軸長寸法(5bs)が、基準内直径寸法(5ds)の0.5倍~2倍に設定されている。
【0025】
図2に示す通風管出口側部(5b)の出口側軸長寸法(5bs)が、基準内直径寸法(5ds)の0.5倍未満である場合、通風管出口側部(5b)の吸気下流側で生じる後流の影響により、エアフローセンサ(2)の検出精度が低くなるおそれがある。他方、これが2倍を超えると、取付管出口側部(1b)から通風管出口側部(5b)が大きく突出し、取付管出口側吸気ホース(4)の曲げの自由度が低下するおそれがある。
これに対し、通風管出口側部(5b)の出口側軸長寸法(5bs)が上記範囲内にある場合には、上記問題が起こり難く、エアフローセンサ(2)の検出精度が高いと共に、取付管出口側吸気ホース(4)の曲げの自由度も高い。
【0026】
図3は、参考形態に係る吸気装置であり、以下、参考形態について説明する。
図3に示すように、
参考形態に係る吸気装置は、内周にブローバイガス導入口(8a)が開口されたブローバイガス導入管(8)と、ブローバイガス導入管(8)に内嵌された通気管(9)と、ブローバイガス導入管(8)と通気管(9)の間に保持されたブローバイガス通過隙間(10)と、通気管(9)の吸気上流側に臨むブローバイガス通過隙間(10)の吸気上流側端部を閉塞する閉塞部(10a)と、通気管(9)の吸気下流側に臨むブローバイガス通過隙間(10)の吸気下流側端部に開口されたブローバイガス放出口(10b)を備えている。
【0027】
上記構成によれば、
図3に示すように、ブローバイガス(11)は、ブローバイガス導入口(8a)からブローバイガス通過隙間(10)に流入し、通気管(9)を通過する低温の吸気(6)の衝突を受けることなく、ブローバイガス放出口(10b)から放出されるため、ブローバイガス(11)中の水分の氷結によるブローバイガス経路の閉塞が起こり難い。
ブローバイガス導入管(8)と通気管(9)は、いずれも硬質の合成樹脂パイプである。ブローバイガス(11)は、シリンダヘッドカバー(17)からブローバイガス導入チューブ(8e)を介してブローバイガス導入口(8a)に導入される。ブローバイガス導入チューブ(8e)は可撓性の合成樹脂製チューブである。
【0028】
図3に示すように、通気管(9)とブローバイガス導入管(8)の間にOリング(12)が挟まれ、このOリング(12)で前記閉塞部(10a)が構成されている。
【0029】
上記構成によれば、
図3に示す通気管(9)が振動しても、Oリング(12)の弾性変形で、ブローバイガス通過隙間(10)の吸気上流側端部の閉塞が維持されるため、吸気(6)がブローバイガス通過隙間(10)に進入し難く、ブローバイガス(11)中の水分の氷結によるブローバイガス経路の閉塞が起こり難い。
【0030】
図1または
図3に示すように、ブローバイガス導入管(8)の導入管入口側部(8b)に外嵌された導入管入口側吸気ホース(13)と、導入管入口側吸気ホース(13)を導入管入口側部(8b)に締め付ける導入管入口側締付具(13a)を備えている。
図3に示すように、通気管入口側部(9a)の外周にリブ(9c)が突設されている。
【0031】
図3に示すリブ(9c)により、通気管入口側部(9a)の強度が高まり、導入管入口側部(8b)に導入管入口側締付具(13a)の締付力がかかっても、通気管入口側部(9a)が歪み難く、ブローバイガス通過隙間(10)の吸気上流側の閉塞が維持されるため、吸気(6)がブローバイガス通過隙間(10)に進入せず、ブローバイガス(11)中の水分の氷結によるブローバイガス経路の閉塞が起こり難い。
導入管入口側吸気ホース(13)は可撓性の合成樹脂製ホースである。導入管入口側締付具(13a)は、金属製締付バンドである。導入管入口側吸気ホース(13)は、取付管出口側吸気ホース(4)で兼用されている。
【0032】
図3に示すように、この吸気装置は、ブローバイガス導入管(8)の導入管入口側部(8b)に外嵌された導入管入口側吸気ホース(13)を備え、通気管入口側部(9a)は、ブローバイガス導入管(8)の吸気上流側に向けて拡開し、その入口側端部(9b)は、導入管入口側部(8b)を吸気上流側から覆うベルマウス形状とされている。
【0033】
図3に示すように、導入管入口側吸気ホース(13)の内直径寸法(13b)に比べ、通気管(9)の内直径寸法(9d)は小さく、これらの内直径寸法差による段差が生じるが、ベルマウス形状の通気管入口側部(9a)により、吸気(6)は、導入管入口側吸気ホース(13)から通気管(9)に滑らかに導入されるため、吸気(6)が閉塞部(10a)を越えてブローバイガス通過隙間(10)に進入し難くいため、ブローバイガス(11)中の水分の氷結によるブローバイガス経路の閉塞が起こり難い。
【0034】
図3に示すように、通気管入口側部(9a)の入口側端部(9b)は、ブローバイガス導入管(8)の吸気上流側端面(8c)に沿っている。
このため、
図3に示すように、通気管入口側部(9a)が導入管入口側部(8b)から大きく突出せず、導入管入口側吸気ホース(13)の曲げの自由度が高い。
【0035】
図3に示すように、吸気装置は、ブローバイガス導入管(8)の導入管出口側部(8d)に外嵌された導入管出口側吸気ホース(14)を備え、通気管出口側部(9e)の出口側端部(9f)は導入管出口側部(8d)内に配置されている。
このため、
図3に示すように、通気管出口側部(9e)が導入管出口側部(8d)から突出せず、導入管出口側吸気ホース(14)の曲げの自由度が高い。
【0036】
図3に示す導入管出口側吸気ホース(14)は、導入管出口側締付具(14a)で導入管出口側部(8d)に締め付けられている。導入管出口側吸気ホース(14)は可撓性の合成樹脂製ホースで、導入管出口側締付具(14a)は金属製締付バンドである。
【0037】
図3に示すように、通気管出口側部(9e)の外周には周方向に沿う円環状のリブ(9g)がブローバイガス通過隙間(10)に向けて突出されている。このため、リブ(9g)とブローバイガス導入管(8)の間に形成される絞り隙間により、ブローバイガス放出口(10b)に向かうブローバイガス(11)の一部がリブ(9g)に沿ってブローバイガス通過隙間(10)の周方向を迂回し、円環状のブローバイガス放出口(10b)の広い範囲からブローバイガス(11)が放出される。
【符号の説明】
【0038】
(1)…センサ取付管、(1a)…取付管入口側部、(1b)…取付管出口側部、(1c)…隙間、(2)…エアフローセンサ、(2a)…検出部、(2b)…軸長方向中央位置、(3)…取付管入口側吸気ホース、(3a)…取付管入口側締付具、(5)…吸気検出用通風管、(5a)…通風管入口側部、(5ae)…入口側端部、(5as)…入口側軸長寸法、(5b)…通風管出口側端部、(5bs)…出口側軸長寸法、(5c)…中心軸線、(5d)…内直径寸法、(5ds)…基準内直径寸法、(7a)(7b)…Oリング。