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特許7247090装置、及び、アブレーション治療のための方法におけるその使用
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-17
(45)【発行日】2023-03-28
(54)【発明の名称】装置、及び、アブレーション治療のための方法におけるその使用
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/18 20060101AFI20230320BHJP
   A61N 5/067 20060101ALI20230320BHJP
   A61B 18/28 20060101ALI20230320BHJP
【FI】
A61B18/18
A61N5/067 ZNM
A61B18/28
【請求項の数】 24
(21)【出願番号】P 2019532046
(86)(22)【出願日】2017-12-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-01-23
(86)【国際出願番号】 US2017066522
(87)【国際公開番号】W WO2018112261
(87)【国際公開日】2018-06-21
【審査請求日】2020-11-30
(31)【優先権主張番号】62/435,431
(32)【優先日】2016-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508328693
【氏名又は名称】ナノスペクトラ バイオサイエンセズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】NANOSPECTRA BIOSCIENCES, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【弁護士】
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】グッドリッチ グレン パトリック
(72)【発明者】
【氏名】シュウォーツ ジョン アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】マーフィ アンドリュー マーク
【審査官】二階堂 恭弘
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0094698(US,A1)
【文献】米国特許第6039728(US,A)
【文献】特開2002-17743(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0005755(US,A1)
【文献】特開昭62-268552(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 18/18
A61N 5/067
A61B 18/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半球形状の透過性封止端部を有する細長い導入プローブを備えるレーザ照射アセンブリと、
拡散先端部と、光ファイバコネクタとを有する光ファイバと、
前記光ファイバと光通信するように構成され、前記光ファイバを通して、前記レーザ照射アセンブリに電磁放射線を送るように構成されたレーザ光源と、
前記レーザ照射アセンブリと流体的に連通するように構成された冷却剤槽と、
前記冷却剤槽から前記レーザ照射アセンブリに冷却剤を搬送するように構成された冷却剤入口管と、
前記冷却剤入口管を介して前記冷却剤槽から前記レーザ照射アセンブリに冷却剤を搬送し、前記光ファイバを冷却するように構成されたポンプと、
前記レーザ照射アセンブリと流体的に連通し、前記レーザ照射アセンブリからの冷却剤を受け入れるように構成された冷却剤回収バッグと、
前記レーザ照射アセンブリから前記冷却剤回収バッグに冷却剤を搬送するように構成された冷却剤出口管と、を備え、
前記光ファイバコネクタは、前記レーザ照射アセンブリと係合するように構成され、前記光ファイバコネクタは、前記レーザ照射アセンブリと係合すると、前記光ファイバの前記拡散先端部が前記レーザ照射アセンブリ内に配置され、
前記レーザ光源は、作動すると、光ファイバ及び前記封止端部を介して、前記電磁放射線を送り、
前記レーザ照射アセンブリは、前記拡散先端部から出射された前記電磁放射線による照射によってナノ粒子を加熱し、
前記細長い導入プローブの半球形状端部は、前記電磁放射線を実質的に吸収せずに、前記電磁放射線の透過を許容し、
前記細長い導入プローブの前記半球形状端部は、前記レーザ光源からの前記電磁放射線による熱の蓄積を減らし、前記細長い導入プローブの溶解の発生を減らすことを特徴とするレーザ照射システム。
【請求項2】
前記レーザ光源を作動及び停止するように構成されたアクチュエータを更に備えることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記アクチュエータは、フットペダルであることを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記アクチュエータは、また、前記ポンプを制御することを特徴とする請求項2又は3に記載のシステム。
【請求項5】
前記レーザ光源及び前記ポンプは、前記アクチュエータにより略同時に作動し、前記レーザ光源及び前記ポンプは、前記アクチュエータにより略同時に停止することを特徴とする請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記冷却剤入口管は、可撓性のタイゴン(登録商標)チューブであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項7】
前記冷却剤入口管の長さは、4メートルであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項8】
前記冷却剤入口管は、低量で冷却剤を流すように構成されたことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項9】
前記冷却剤入口管は、8ml/分で冷却剤を流すように構成されたことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項10】
前記レーザ光源は、近赤外線である放射線を提供することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項11】
前記レーザ光源は、805nm~810nmの範囲の波長を有する放射線を提供することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項12】
前記光ファイバは、前記光ファイバから前記レーザ照射アセンブリの外へ放射線を分配するように構成された拡散部を備えることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項13】
前記光ファイバの前記拡散部の長さは、1.0cm~1.8cmの範囲であることを特徴とする請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
レーザ光を透過するように構成された封止半球形状端部で終端する第1内腔を有する導入プローブと、
前記導入プローブの前記第1内腔内に配置され、第2内腔を有する内側管と、
拡散先端部を有する光ファイバと、を備え、
前記光ファイバは、前記第2内腔内に配置され、
前記光ファイバは、前記導入プローブの前記封止半球形状端部を介してレーザ放射線を送り、
前記第1内腔は、前記第2内腔と流体的に連通し、
前記レーザ放射線は、前記導入プローブを介してナノ粒子を照射することによって前記ナノ粒子を加熱し、
記導入プローブの半球形状端部は、前記レーザ放射線を実質的に吸収せずに、前記レーザ放射線の透過を許容し、
記導入プローブの前記半球形状端部は、前レーザ放射線による熱の蓄積を減らし、前記導入プローブの溶解の発生を減らすことを特徴とするレーザ照射装置。
【請求項15】
前記第1内腔と流体的に連通した冷却剤出口と、前記第2内腔と流体的に連通した冷却剤入口と、を備え、
前記レーザ照射装置は、前記冷却剤入口から前記第2内腔を介して前記第1内腔へ冷却剤を通過させ、前記冷却剤出口から前記冷却剤を排出させるように構成されたことを特徴とする請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記冷却剤入口と、前記冷却剤出口とは、異なるコネクタで相互に作用し、前記レーザ照射装置を介した冷却剤の不適切なルートを防ぐように構成されていることを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記冷却剤入口と、前記冷却剤出口とは、異なる性別であることを特徴とする請求項15又は請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記冷却剤入口は、雄型コネクタを備え、前記冷却剤出口は、雌型コネクタを備えることを特徴とする請求項15乃至17のいずれか1項に記載の装置。
【請求項19】
光ファイバは、前記光ファイバから前記レーザ照射装置の外へ放射線を分配するように構成された拡散部を備えることを特徴とする請求項15乃至18のいずれか1項に記載の装置。
【請求項20】
前記光ファイバの前記拡散部の長さは、1.0cm~1.8cmの範囲であることを特徴とする請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記導入プローブの外側は目盛付であることを特徴とする請求項14乃至20のいずれか1項に記載の装置。
【請求項22】
前記目盛は、4mm間隔であることを特徴とする請求項21に記載の装置。
【請求項23】
腫瘍の治療方法に使用される請求項1乃至13のいずれか1項に記載のシステム又は請求項14乃至22のいずれか1項に記載の装置。
【請求項24】
前立腺腫瘍の治療方法に使用される請求項1乃至13のいずれか1項に記載のシステム又は請求項14乃至22のいずれか1項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本特許出願は、2016年12月16日に出願された米国仮特許出願第62/435,431号の利益を主張するものであり、その全ての開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
治療処置アブレーションのためにナノ粒子を照射する方法、システム、キット、及び、装置について開示する。
【背景技術】
【0003】
治療方法のために、熱及び放射線アブレーションを使用することができ、組織を焼灼及び/又はアブレーションする。これらの技術は、癌組織及び腫瘍のアブレーションのために使用することができる。
【発明の概要】
【0004】
本明細書に開示した実施形態は、組織の治療処置及び/又はアブレーション治療のための方法、システム、キット、及び、装置に関する。実施形態はレーザ照射システムに関する。上記実施形態、又は、本明細書に記載した実施形態は、以下の特徴の1つ以上を有することができる。
【0005】
実施形態では、レーザ照射システムはレーザ照射アセンブリを備える。実施形態では、レーザ照射アセンブリは、半球形状の透過性封止端部を有する細長い導入プローブを備える。
【0006】
実施形態では、レーザ照射システムは、拡散先端部と、光ファイバコネクタとを有する光ファイバを備える。実施形態では、光ファイバコネクタは、レーザ照射アセンブリと係合するように構成されている。実施形態では、光ファイバコネクタがレーザ照射アセンブリと係合すると、光ファイバの拡散先端部は、レーザ照射アセンブリ内に配置される。
【0007】
実施形態では、レーザ照射システムは、光ファイバと光通信するように構成されたレーザ光源を備える。実施形態では、レーザ光源は、光ファイバを通してレーザ照射アセンブリに放射線を送るように構成されている。実施形態では、レーザ光源が作動すると、レーザ光源は、光ファイバと封止端部とを通って電磁放射線を送る。
【0008】
実施形態では、レーザ放射システムは冷却剤槽を備える。実施形態では、冷却剤槽は、レーザ照射アセンブリと流体的に連通する。実施形態では、レーザ照射アセンブリは、冷却剤槽からレーザ照射アセンブリに冷却剤を搬送するように構成された冷却剤入口管を備える。
【0009】
実施形態では、レーザ照射システムは、冷却剤入口管を介して冷却剤槽からレーザ照射アセンブリに冷却剤を搬送し、光ファイバを冷却するように構成されたポンプを備える。実施形態では、レーザ照射システムは、レーザ照射アセンブリと流体的に連通し、レーザ照射アセンブリからの冷却剤を受け入れるように構成された冷却剤回収バッグを備える。実施形態では、レーザ照射アセンブリは、レーザ照射アセンブリから冷却剤回収バッグに冷却剤を搬送するように構成された冷却剤出口管を備える。
【0010】
実施形態では、レーザ照射システムは、レーザ光源を作動及び停止するように構成されたアクチュエータを更に備える。実施形態では、アクチュエータはフットペダルである。実施形態では、アクチュエータはポンプを制御する。実施形態では、レーザ及びポンプはアクチュエータにより略同時に作動する。実施形態では、レーザ及びポンプはアクチュエータにより略同時に停止する。
【0011】
実施形態では、冷却剤入口管はタイゴン材料である。実施形態では、冷却剤入口管の長さは、約4メートルである。実施形態では、冷却剤入口管は、低量で冷却剤を流すように構成されている。実施形態では、冷却剤入口管は、約8ml/分で冷却剤を流すように構成されている。
【0012】
実施形態では、レーザ光源は、近赤外波長である波長を有する放射線を提供する。実施形態では、レーザ光源は、約805nm~約810nmの範囲の波長を有する放射線を提供する。
【0013】
実施形態では、光ファイバは、光ファイバからレーザ照射アセンブリの外へ放射線を分配するように構成された拡散部を備える。
【0014】
実施形態では、光ファイバの拡散部の長さは、約1.0cm~約1.8cmの範囲である。実施形態では、光ファイバの拡散部の長さは、約50mm、30mm、18mm、10mm以下、上記値の間の値、又は、これらの値を含む及び/若しくはこれらの値に及ぶ範囲である。
【0015】
本明細書に開示した実施形態は、前立腺癌を治療する方法に関する。上記した実施形態、又は、本明細書に記載した実施形態は、以下の特徴の1つ以上を有することができる。
【0016】
実施形態において、方法では、ナノ粒子を患者に全身的に挿入及び/又は注入する。実施形態では、ナノ粒子は、赤外線を熱エネルギーに変換する。実施形態において、方法では、ナノ粒子を、前立腺腫瘍に優先的に集積させる。実施形態において、方法では、トロカールとトロカールの周りを覆うカテーテルとを備えるトロカールアセンブリを第1挿入点で患者に挿入する。実施形態において、方法では、トロカールアセンブリが、腫瘍の近位面を通過し、腫瘍の遠位側で終端し、腫瘍内に第1通路を形成するように、トロカールアセンブリを、前立腺腫瘍を通過させることにより、トロカールアセンブリを患者に配置する。実施形態において、方法では、患者からトロカールを取り除く。実施形態において、方法では、第1通路内で患者にカテーテルを残す。実施形態において、方法では、レーザ照射アセンブリの導入プローブをカテーテルに挿入する。実施形態では、レーザ照射アセンブリは、第1内腔を有し、レーザ光を透過するように構成された半球形状封止端部で終端する細長の導入プローブを備える。実施形態では、レーザ照射アセンブリは、第2内腔を有し、導入プローブの前記第1内腔内に位置する内側管を備える。実施形態では、レーザ照射アセンブリは、レーザ光源からのフォトンを受け入れるように構成された光ファイバを備え、光ファイバは、導入プローブの第2内腔内に配置され、導入プローブの半球形状端部を介してレーザ放射線を送るように構成されている。実施形態では、第1内腔は、第2内腔と流体的に連通する。
【0017】
実施形態において、方法では、導入プローブを、腫瘍の第1通路内の、腫瘍の遠位側又は遠位側の近くに位置する第1位置に案内する。実施形態において、方法では、導入プローブが第1通路内の第1位置に存在すると、レーザ光源を作動させ、第1期間に第1位置でナノ粒子をアブレーション温度に加熱する非アブレーション赤外線を生成する。実施形態において、方法では、カテーテルと、導入プローブとを、腫瘍の第1通路内の、第1位置に対して近位に位置する第2位置に後退させる。実施形態において、方法では、導入プローブが第2位置に存在すると、レーザ光源を作動させ、第2期間にナノ粒子をアブレーション温度に加熱する非アブレーション赤外線を生成する。
【0018】
実施形態において、方法では、第1通路からカテーテルとレーザ照射器とを取り除く。実施形態において、方法では、トロカールアセンブリを第1挿入点から腫瘍の近位側に横方向に配置された第2挿入点で患者に挿入する。実施形態において、方法では、トロカールアセンブリが腫瘍の近位面を通過し、腫瘍の遠位側で終端し、腫瘍を介して第2通路を形成するように、トロカールアセンブリを、前立腺腫瘍を通過させることにより、トロカールアセンブリを患者に配置する。実施形態において、方法では、導入プローブをカテーテルに挿入する。実施形態において、方法では、腫瘍の第2通路内の腫瘍の遠位側の近くに位置する第1位置に導入プローブを案内する。実施形態において、方法では、導入プローブが第2通路内の第1位置に存在すると、レーザ光源を作動させ、第3期間に第2通路の第1位置でナノ粒子をアブレーション温度に加熱する非アブレーション赤外線を生成する。実施形態において、方法では、カテーテル及び導入プローブを、腫瘍の第2通路内の、第1位置に対して近位に位置する第2位置に後退させる。実施形態において、方法では、導入プローブが第2通路の第2位置に存在すると、レーザ光源を作動させ、第4期間にナノ粒子をアブレーション温度に加熱する非アブレーション赤外線を生成する。
【0019】
実施形態では、第1通路の第1位置及び第2位置は、約8mm離れている。実施形態では、第2通路の第1位置及び第2位置は、約8mm離れている。実施形態では、テンプレートグリッドが使用され、トロカールアセンブリを第1挿入点及び第2挿入点に配置する。
【0020】
実施形態において、方法では、第1挿入点及び第2挿入点から腫瘍の近位側に横方向に配置された追加の挿入点で、トロカールアセンブリを患者に挿入する。
【0021】
実施形態では、テンプレートグリッドが使用され、追加の挿入点でトロカールアセンブリが配置される。
【0022】
実施形態では、レーザ照射アセンブリは、第1内腔と流体的に連通する冷却剤出口と、第2内腔と流体的に連通する冷却剤入口と、を備え、レーザ照射アセンブリは、冷却剤を冷却剤入口から第2内腔を通って第1内腔へ通過させ、冷却剤出口から排出するように構成されている。
【0023】
実施形態では、レーザ照射器は、利用者により制御されるアクチュエータにより作動する。実施形態では、利用者が、アクチュエータを用いてレーザ照射器を作動させると、冷却剤は、レーザ照射アセンブリの第1入口に流れ込み、レーザ照射器が停止すると、冷却剤は、レーザ照射アセンブリに流れない。実施形態では、アクチュエータはフットペダルである。
【0024】
実施形態では、レーザ照射器は、近赤外波長を有する放射線を出射する。実施形態では、レーザ照射器は、約805nm~約810nmの範囲の近赤外波長を有する放射線を出射する。実施形態では、レーザ照射装置は、組織の光熱凝固の誘発に不十分なパワーの放射線を出射する。実施形態では、光ファイバは、腫瘍内で非アブレーション赤外線を分配させる拡散先端部を備える。実施形態では、放射線は、拡散先端部から横方向又は側方へ分配される。実施形態では、放射線は、光ファイバの先端部及び/若しくは終端部、並びに/又は、拡散先端部を介して送られない。実施形態では、放射線は、光ファイバの先端部及び/若しくは終端部、並びに/又は、拡散先端部、半球形状封止端部を介して送られる。実施形態では、レーザ照射器は、拡散先端部の約3.5W/cm~約4.5W/cmの間で放射線を出射する。
【0025】
実施形態は、導入プローブを備えるレーザ照射装置に関する。上記した実施形態、又は、本明細書に記載した実施形態は、以下の特徴の1つ以上を有することができる。
【0026】
実施形態では、導入プローブは、レーザ光を透過するように構成された半球形封止状端部で終端する第1内腔を備える。実施形態では、導入プローブは、前記導入プローブの前記第1内腔内に配置され、第2内腔を有する内側管を備える。実施形態では、導入プローブは、光ファイバを備える。実施形態では、光ファイバは第2内腔内に配置されている。実施形態では、光ファイバは、導入プローブの半球形状端部を介してレーザ放射線を送ることができる。実施形態では、第1内腔は、第2内腔と流体的に連通している。
【0027】
実施形態では、装置は、第1内腔と流体的に連通した冷却剤出口と、第2内腔と流体的に連通した冷却剤入口と、を備える。実施形態では、装置は、冷却剤入口から第2内腔を介して第1内腔へ冷却剤を通過させ、冷却剤出口から冷却剤を排出させるように構成されているレーザ照射アセンブリを備える。実施形態では、流体入口と、流体出口とは、異なるコネクタで相互に作用し、レーザ照射装置を介した冷却剤の不適切なルートを防ぐように構成されている。実施形態では、流体入口と流体出口とは、異なる性別である。実施形態では、流体入口は雄型コネクタを備え、流体出口は雌型コネクタを備える。
【0028】
実施形態では、光ファイバは、光ファイバからレーザ照射アセンブリの外へ放射線を分配するように構成された拡散部を備える。実施形態では、光ファイバの拡散部の長さは、約1.0cm~約1.8cmの範囲である。実施形態では、光ファイバの拡散部は、約50mm、30mm、18mm、10mm以下、上記値の間の値、又は、これらの値を含む及び/若しくはこれらの値に及ぶ範囲である。
【0029】
実施形態では、プローブの外側は目盛付である。実施形態では、目盛は約4mm間隔である。
【0030】
実施形態は、腫瘍を治療する方法に関する。上記した実施形態、又は、本明細書に記載した実施形態は、以下の特徴の1つ以上を有することができる。
【0031】
実施形態において、方法では、赤外光を熱エネルギーに変換するナノ粒子を患者に全身的に注入する。
【0032】
実施形態において、方法では、ナノ粒子を腫瘍に優先的に集積させる。
【0033】
実施形態において、方法では、トロカールと、トロカールの周りを覆うカテーテルとを備えるトロカールアセンブリを第1挿入点で患者に挿入する。
【0034】
実施形態において、方法では、トロカールアセンブリが、腫瘍の近位面を通過し、腫瘍の遠位側で終端し、腫瘍内に第1通路を形成するように、トロカールアセンブリを、腫瘍を通過させることにより、トロカールアセンブリを患者に配置する。
【0035】
実施形態において、方法では、患者からトロカールを取り除き、第1通路内で患者にカテーテルを残す。
【0036】
実施形態において、方法では、レーザ照射アセンブリの導入プローブを前記カテーテルに挿入する。レーザ照射アセンブリは導入プローブを備える。実施形態では、導入プローブは、第1内腔を有し、レーザ光を透過するように構成された半球形状封止端部で終端する。実施形態では、導入プローブは、第2内腔を有し、導入プローブの第1内腔内に配置された内側管を備える。実施形態では、方法は導入プローブを備え、導入プローブは、レーザ光源からのフォトンを受け入れるように構成された光ファイバを備える。実施形態では、光ファイバは、導入プローブの第2内腔内に配置され、導入プローブの半球形状端部を介してレーザ放射線を送るように構成されている。実施形態では、第1内腔は、第2内腔と流体的に連通する。
【0037】
実施形態において、方法では、導入プローブを、腫瘍の第1通路内の、腫瘍の遠位側の近くに位置する第1位置に案内する。
【0038】
実施形態において、方法では、導入プローブが第1通路内の第1位置に存在すると、レーザ光源を作動させ、第1期間に第1位置でサブアブレーション赤外線を生成し、ナノ粒子をアブレーション温度に加熱する。
【0039】
実施形態において、方法では、カテーテルと、導入プローブとを、腫瘍の第1通路内の、第1位置に対して近位に位置する第2位置に後退させる。
【0040】
実施形態において、方法では、導入プローブが前記第2位置に存在すると、レーザ光源を作動させ、第2期間にサブアブレーション赤外線を生成し、ナノ粒子をアブレーション温度に加熱する。
【0041】
実施形態は、腫瘍の治療方法に関する。上記した実施形態、又は、本明細書に記載した実施形態は、以下の特徴の1つ以上を有することができる。実施形態において、方法では、導入プローブを備えるレーザ照射器を提供する。実施形態では、導入プローブは、半球形状端部と、光ファイバとを備え、光ファイバは、レーザ光源と光通信する。実施形態において、方法では、導入プローブを、組織の近位面を介して組織の遠位側と、第1位置とを通過させることにより、腫瘍を備える組織に導入プローブを配置する。実施形態において、方法では、導入プローブが第1位置に存在する間、レーザ光源を作動させ、第1期間にサブアブレーション放射線を組織に送る。実施形態において、方法では、導入プローブを、第1位置に対して近位に位置する組織の第2位置に後退させる。実施形態において、方法では、導入プローブが第2位置に存在すると、レーザ光源を作動させ、第2期間に組織にサブアブレーション赤外線を送る。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1図1は、レーザ照射システムの実施形態を示す。
図2A図2Aは、レーザカテーテルアセンブリの実施形態を示す。
図2A1図2A1は、図2Aに示されたレーザカテーテルアセンブリの拡大図を示す。
図2A2図2A2は、図2Aに示されたレーザカテーテルアセンブリの拡大図を示す。
図2B図2Bは、図2Aに示されたレーザカテーテルアセンブリの図である。
図3A図3Aは、図2Aのレーザカテーテルアセンブリに挿入可能な光ファイバの実施形態を示す。
図3B図3Bは、図3Aに示された光ファイバの図である。
図4図4は、冷却剤入口導管の実施形態の図である。
図5A図5Aは、冷却剤回収バッグの実施形態を示す。
図5B図5Bは、図5Aに示された冷却剤回収バッグの図である。
図6A図6Aは、トロカールスリーブアセンブリの図を示す。
図6A1図6A1は、トロカールスリーブアセンブリの図を示す。
図6A2図6A2は、トロカールスリーブアセンブリの図を示す。
図6A3図6A3は、トロカールスリーブアセンブリの図を示す。
図6A4図6A4は、トロカールスリーブアセンブリの図を示す。
図6B図6Bは、トロカールスリーブアセンブリの図を示す。
図6B1図6B1は、トロカールスリーブアセンブリの図を示す。
図6B2図6B2は、トロカールスリーブアセンブリの図を示す。
図6B3図6B3は、トロカールスリーブアセンブリの図を示す。
図6B4図6B4は、トロカールスリーブアセンブリの図を示す。
図7A図7Aは、本明細書に記載のレーザカテーテルアセンブリの実施形態を用いたテスト組織の挿入及び照射を示す。
図7B図7Bは、本明細書に記載のレーザカテーテルアセンブリの実施形態を用いたテスト組織の挿入及び照射を示す。
図7C図7Cは、本明細書に記載のレーザカテーテルアセンブリの実施形態を用いたテスト組織の挿入及び照射を示す。
図7D図7Dは、本明細書に記載のレーザカテーテルアセンブリの実施形態を用いたテスト組織の挿入及び照射を示す。
図7E図7Eは、本明細書に記載のレーザカテーテルアセンブリの実施形態を用いたテスト組織の挿入及び照射を示す。
図7F図7Fは、本明細書に記載のレーザカテーテルアセンブリの実施形態を用いたテスト組織の挿入及び照射を示す。
図7G図7Gは、本明細書に記載のレーザカテーテルアセンブリの実施形態を用いたテスト組織の挿入及び照射を示す。
図7H図7Hは、本明細書に記載のレーザカテーテルアセンブリの実施形態を用いたテスト組織の挿入及び照射を示す。
図7I図7Iは、本明細書に記載のレーザカテーテルアセンブリの実施形態を用いたテスト組織の挿入及び照射を示す。
図7J図7Jは、本明細書に記載のレーザカテーテルアセンブリの実施形態を用いたテスト組織の挿入及び照射を示す。
図8A図8Aは、レーザプローブ配置のための六角形グリッドテンプレートの実施形態を示す。
図8B図8Bは、四角形グリッドテンプレートの実施形態を示す。
図8C図8Cは、グリッド開口間に7mm間隔を有する六角形グリッドテンプレートを用いたレーザ露光領域の実施形態を示す。
図8D図8Dは、グリッド開口間に3mm間隔を有する四角形グリッドテンプレートを用いたレーザ露光領域の実施形態を示す。
図8E図8Eは、3つの部分に分解した四角形グリッドの図を示す。
図8F図8Fは、モノリシック六角形グリッドの実施形態の図である。
図8G図8Gは、3つの部分の四角形グリッドの実施形態の図である。
図9A図9Aは、レーザ照射システムキットの実施形態の部品を示す。
図9B図9Bは、レーザ照射システムキットの実施形態の部品を示す。
図9C図9Cは、レーザ照射システムキットの実施形態の部品を示す。
図9D図9Dは、レーザ照射システムキットの実施形態の部品を示す。
図9E図9Eは、レーザ照射システムキットの実施形態の部品を示す。
図9F図9Fは、レーザ照射システムキットの実施形態の部品を示す。
図9G図9Gは、レーザ照射システムキットの実施形態の部品を示す。
図10A図10Aは、円錐先端部を有するレーザカテーテルと、透過性先端部を有するレーザカテーテルアセンブリとをテストするための実験装置の写真である。
図10B図10Bは、円錐先端部を有するレーザカテーテルと、透過性先端部を有するレーザカテーテルアセンブリとをテストするための実験装置の写真である。
図11A図11Aは、円錐先端部を有するレーザカテーテルの加熱を示すグラフである。
図11B図11Bは、円形の透過性先端部を有するレーザカテーテルアセンブリの加熱を示すグラフである。
図12A図12Aは、6.0W照射後、円錐先端部を有するレーザカテーテルの遠位端部の熱画像を示す。
図12B図12Bは、6.0W照射後、円錐先端部を有するレーザカテーテルの遠位端部の熱画像を示す。
図12C図12Cは、6.0W照射後、半球形状先端部を有するレーザカテーテルの遠位端部の熱画像を示す。
図12D図12Dは、6.0W照射後、半球形状先端部を有するレーザカテーテルの遠位端部の熱画像を示す。
図13図13は、18mmの散布器を有する光ファイバを使用した時の円錐先端部レーザカテーテルの加熱を示す。
図14A図14Aは、患者の前立腺の9枚の全組織標本断面写真のうちの1枚である(スケールバー=1cm)。
図14B図14Bは、患者の前立腺の9枚の全組織標本断面写真のうちの1枚である(スケールバー=1cm)。
図14C図14Cは、患者の前立腺の9枚の全組織標本断面写真のうちの1枚である(スケールバー=1cm)。
図14D図14Dは、患者の前立腺の9枚の全組織標本断面写真のうちの1枚である(スケールバー=1cm)。
図14E図14Eは、患者の前立腺の9枚の全組織標本断面写真のうちの1枚である(スケールバー=1cm)。
図14F図14Fは、患者の前立腺の9枚の全組織標本断面写真のうちの1枚である(スケールバー=1cm)。
図14G図14Gは、患者の前立腺の9枚の全組織標本断面写真のうちの1枚である(スケールバー=1cm)。
図14H図14Hは、患者の前立腺の9枚の全組織標本断面写真のうちの1枚である(スケールバー=1cm)。
図14I図14Iは、患者の前立腺の9枚の全組織標本断面写真のうちの1枚である(スケールバー=1cm)。
図15図15は、2人の患者からの腫瘍組織及び健康組織のサンプル中のナノ粒子の相対的な集積を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0043】
腫瘍を治療するための様々な方法、システム、及び、装置を開示する。本明細書に開示された実施形態は、腫瘍を治療するための方法、電磁放射線により組織及び腫瘍を照射するために用いられるシステム、そのシステムの部品及び装置、電磁放射線により組織及び腫瘍を照射するために用いられるシステムを提供するためのキットに関する。実施形態では、システムは、ナノ粒子により吸収される非アブレーション赤外線(例えば、それ自身では組織のアブレーションに不十分な強度の放射線及び/又はサブアブレーション放射線)を提供する。実施形態では、ナノ粒子は、熱エネルギーに変換する放射線を吸収する。実施形態では、赤外線自体がサブアブレーション可能であるが、ナノ粒子により生成された熱エネルギーは、熱凝固、温熱治療、及び/又は、組織アブレーションに十分である。腫瘍を治療する、組織をアブレーションするための様々な方法、装置、システム、及び、キットを以下に説明し、1つ以上の所望の改善を達成するために採用することのできる様々な例を示す。これらの例は、単なる例示的なものであり、示された一般的な発明並びにこれらの発明の様々なアスペクト及び特徴を如何なる方法でも限定するものではない。更に、本明細書で用いられた表現及び用語は、説明のためのものであり、限定を意図するものではない。本明細書に開示された特徴又はステップは、本質又は必須ではない。本明細書に開示されたシステム又は方法は、本明細書に記載した1つ以上のステップ又は特徴を除くことができる。
【0044】
光学特性は、光波長フォトンがどのように生物学組織と相互作用するのかを決定する。これらは、光散乱及び光吸収である。細胞の膜などによりフォトンが屈折率の変化に遭遇すると、散乱が発生する。散乱フォトンは、組織を通って移動し続けるが、方向を変える。吸収は、ヘモグロビン分子又は細胞オルガネラなどの吸収されたものすべてにフォトンのエネルギーを蓄積させる。吸収フォトンのエネルギーは、通常、吸収部分から放出する熱に変換される。
【0045】
フォトンエネルギーの吸収は、光凝固を引き起こすことができ、その結果、タンパク質を分解し、光散乱を大幅に増加させ、組織への光の透過能力を減少させる。フライパンで加熱した場合の卵白の透明から不透明への変化は、この現象の周知の例である。治療方法としての光熱凝固は、特定量のエネルギーを細胞間で組織に送るために、光ファイバを通して送られるレーザエネルギーの能力を使用することができる。レーザ間質性温熱療法(Laser Interstitial Thermal Therapy (LITT))は、組織内で熱凝固を直接発生させるために、十分な光パワーを送る技術である。本質的には、光エネルギーは、結果として生じる熱を除去する身体の能力を上回る速度で組織に送られる。この熱により温熱治療及び組織アブレーションを行うことができる。
【0046】
しかしながら、LITTと、他のフォトンベースの治療法との有効治療深度は、組織での光散乱及び吸収(熱凝固により引き起こされるものも含む)により妨げられることもある。この散乱及び吸収は、光源から組織までの距離の増加に伴い指数関数的に減少する光強度をもたらすことができる。別の制約は、一次元光源(例えば、レーザ光を組織に細胞間で送るために用いられる光ファイバ散布器)により送られた場合、光強度又は放射照度(W/cmで測定)も半径方向に低下及び/又は減少することである。最終的な結果は、光放射照度がそれを送る光源のすぐ近くで高く、光源(例えば、散布器)のすぐ近くの外側の領域ではるかに低いということである。光線療法のフォトンベースプロセスも非特異的であり、凝固領域の形状は、エネルギー源の形状に基づいており、凝固領域の体積は、蓄積された総エネルギーに依存する。例えば、フォトンベースプロセスに用いられる現在のレーザカテーテルは、光ファイバ拡散器と、12~15Wのパワーを用いて、拡散器の周りに楕円形の凝固領域を生成する。従って、標的組織を治療する選択性は低い。
【0047】
更に、現在のシステムは、高パワーの放射照度を必要とすることから、レーザ送達カテーテルを破壊及び/又は変形させることのできる高いレーザ温度が生じる。能動的な冷却は、レーザ送達カテーテルのすぐ周りの組織の炭化を防ぐ、及び/又は、器具の損傷を防ぐために使用される。しかしながら、これらのシステムは、これらのレーザカテーテルを冷却するために用いられる冷却剤を積極的に調整することはなく、通常、光ファイバ拡散器を囲む薄いカバー内で15~20mL/分の室温食塩水の流れを可能にし、レーザカテーテルでの組織炭化を防止する。制限されていない冷却剤の流れは、レーザの適用間に冷却剤源に曝されている組織を冷却することができる。
【0048】
本明細書に開示された実施形態は、(例えば、ナノ粒子又は他の薬剤を使用して)粒子指向光熱凝固を発生させる非アブレーション放射線を使用するための方法、装置、システム、及び、キットに関する。実施形態において、開示された技術及び装置は、組織の標的化及び効果的な組織の治療において、選択性を高めることができる。本明細書に開示された実施形態は、熱凝固、温熱治療、及び/又は、組織アブレーションが望まれる部位で放射線を発生させるために用いられるシステム及び装置に関する。
【0049】
実施形態では、方法及び装置は、腫瘍の治療ために用いられる粒子指向(例えば、ナノ粒子)光熱凝固に関する。実施形態において、方法では、腫瘍(又は標的とされる別の組織)を有する患者にナノ粒子を注入する。実施形態では、ナノ粒子は、所定期間、腫瘍内に集積する。実施形態では、ナノ粒子が目的の部位に集積すると、レーザカテーテルアセンブリのレーザプローブは、目的の部位又は目的の部位の近くに(例えば、腫瘍又は腫瘍の近くに)配置される(例えば、挿入、位置決め等)。実施形態では、レーザカテーテルアセンブリは、ナノ粒子に電磁放射線(例えば、紫外線、可視光線、近赤外光、遠赤外光、マイクロ波等)を送るために作動する。実施形態では、放射線は赤外線である。実施形態では、レーザカテーテルアセンブリは、それ自身により(例えば、ナノ粒子不在)、光熱凝固、温熱治療、及び/又は、組織アブレーションに不十分な強度の放射線(例えば、非アブレーション放射線及び/又はサブアブレーション放射線)を送る。実施形態では、放射線強度は、ナノ粒子により熱エネルギーに変換される。実施形態では、ナノ粒子により変換された熱は、アブレーション温熱治療、組織凝固、及び/又は、組織アブレーションに十分である。
【0050】
実施形態では、開示された方法に用いられるナノ粒子は、赤外線を吸収し、それを熱エネルギーに変換するように設計されている。実施形態では、金ナノシェル(例えば、AuroShell)は、サブアブレーション赤外線をアブレーション温度に変換させるナノ粒子として用いられている。金のナノシェル(例えば、AuroShell)は、説明のために代表的なナノ粒子として用いられているが、赤外フォトンを吸収し、これらのフォトンを熱エネルギーに変換する任意のナノ粒子(又はマイクロ粒子)が想定されることに留意されたい。特定の理論に縛られることなく、ナノシェルによるフォトンの吸収は、フォトンを効果的に絶滅させ、そのエネルギーを熱に変換させると信じられている。その熱は周りの組織に放出される。フォトンが粒子により散乱すると(例えば、吸収されていない)、散乱フォトンは、他の場所(例えば、組織、他のナノシェルによる)の吸収に利用可能である。ナノ粒子の変換は、ナノシェル(AuroShell、金‐金硫化物ナノシェル、及び、他の変形物のような金シェルシリカコアナノシェルを含む)、固体ナノ球体(金、銀等)、金属ナノロッド(金、銀等)、ナノスター、中空ナノ粒子、ナノケージ、楕円形「ナノライス」、カーボン粒子、フラーレン、カーボンフラーレン、金属ナノ粒子、金属コロイド、カーボン粒子、カーボンナノチューブ、フラーレン(buckyball)、及び、これらの組み合わせを含む。
【0051】
実施形態では、本実施形態に開示された方法は、治療のために組織を標的化するために用いられる。実施形態では、標的組織は腫瘍組織である。実施形態では、腫瘍標的は、癌により引き起こされる腫瘍を含む。実施形態では、腫瘍は、結腸直腸癌、脳癌、肺癌、乳癌、頭頸部癌、膵臓癌、卵巣癌、メラノーマ、前立腺癌、及び、他の癌により引き起こされるものである。実施形態では、本明細書に開示された技術は、組織における腫瘍を治療、及び/又は、基礎となる腫瘍組織を破壊しながら健康な組織の機能を維持するために適している。例えば、実施形態では、本明細書に開示された技術及び装置は、腫瘍組織又は機能不全組織を特異的に標的化するために用いることができる。特定の健康な組織の機能損失は、患者の生活の質に破壊的な影響を与えることもある。例えば、のどから癌腫瘍組織をアブレーションするための外科的処置により、話すことができなることもある。前立腺から癌腫瘍組織をアブレーションするための外科的処置により、性的機能を失うこともある。現在のアブレーション方法では、腫瘍における加熱器具の配置に基づいて、組織が加熱される。加熱エレメントが作動し、これにより、その周りの健康な組織を含む組織を殺してしまう。実施形態では、本明細書に開示された治療は、病気ではない基礎となる健康な組織の構造及び/又は機能を、部分的、実質的、及び/又は、完全に保護し、これらの基礎となる組織の通常の機能を促進又は実質的に維持する。
【0052】
実施形態において、方法では、ナノ粒子を患者に全身的に注入する(例えば、しみ込ませる)。全身への導入は、ナノ粒子を循環器系及び/若しくは標的部位から離れた又は遠くの体内の部位へ導入を含む。実施形態では、非経口投与ルートを介してナノ粒子を患者に導入することができる(例えば、静脈、筋肉、皮下、病巣、腹腔を介した注入)。これらの部位を、治療部位から離れた患者の身体の領域(例えば、腫瘍部位以外の身体の領域)に配置させることができる。例えば、ナノ粒子は、主に、腫瘍内に優先的に集積する。これは、腫瘍のサイズと、腫瘍の漏れやすく、無秩序な未完成の脈管構造からの受動的な血管外漏出との結果によるものある。この現象はEPR(enhanced permeability and retention)効果と呼ばれている。実施形態では、受動的な集積は、放射線変換器の標的化堆積を可能にし、腫瘍に特異的な光熱凝固を提供する。
【0053】
実施形態では、ナノ粒子は、体内に導入された後、腫瘍に受動的に集積する。実施形態では、この受動集積は、所定期間の経過により達成される。実施形態では、ナノ粒子は、しみ込み及び/又は注入後、少なくとも約12時間及び/又は少なくとも約36時間以下の間、腫瘍に集積する。実施形態では、ナノ粒子は、少なくとも、約12時間、24時間、約36時間、又は、上記値を含む及び/若しくは上記値に及ぶ期間、腫瘍部位に集積する。
【0054】
実施形態では、ナノ粒子は、腫瘍血管新生の血管周囲腔に集積し、レーザエネルギーの焦点としての役割を果たす。実施形態では、関心部位に集積後、レーザ及び/又は電磁エネルギーは、ナノ粒子を加熱するために用いられる。実施形態では、このレーザエネルギー(例えば、電磁エネルギー)は、ナノ粒子を十分な温度に加熱し、標的組織を熱凝固、温熱治療、及び/又は、アブレーションする。
【0055】
実施形態では、レーザエネルギーは、図1に示されたレーザ照射システム100を用いて、治療のための標的部位で生成される。実施形態では、図1に示されたように、レーザ照射システム100は、レーザカテーテルアセンブリ101(例えば、レーザ照射器)を備える。実施形態では、レーザ照射システムは、更に、照射システム200と、冷却システム300との1つ以上を備える。実施形態では、照射システム200は、光ファイバ202と、レーザ光源203とを備える。実施形態では、光ファイバ202は、レーザ光源203に接続され、レーザ光源203と光通信し、及び/又は、レーザ光源203からレーザエネルギーを受け入れるように構成されている。実施形態では、本明細書に記載したように、レーザ光源、光ファイバ、及び/又は、レーザカテーテルは光通信する。実施形態では、冷却剤システムは、冷却剤槽305、冷却剤ポンプ307、及び/又は、冷却剤回収バッグ309の1つ以上を備える。実施形態では、本明細書に記載したように、冷却剤槽、レーザカテーテルアセンブリ、及び/又は、冷却剤回収バッグは、互いに、流体的に連通するように構成されている。実施形態では、レーザ照射システムは、レーザカテーテルアセンブリを有するが、例えば、照明システム及び/又は冷却剤搬送システム及びその部品のような他の特徴の1つ以上を欠いている。
【0056】
実施形態では、図1に示されたように、レーザカテーテルアセンブリ101は、冷却剤入口コネクタ104を介して冷却剤を受け入れるように構成されている。実施形態では、レーザ照射システム100は、冷却剤槽305(例えば、バッグ、ボトル)を備える。実施形態では、冷却剤槽305は、冷却剤入口導管306を介して冷却剤入口コネクタ104に流体的に連通している。実施形態では、冷却剤槽305からの冷却剤は、冷却剤ポンプ307用いて、冷却剤入口コネクタ104を介してレーザカテーテルアセンブリ101に搬送される。実施形態では、冷却剤入口導管306は、冷却剤入口コネクタ104と相互作用するように構成された入口導管コネクタ310を有する。
【0057】
実施形態では、レーザカテーテルアセンブリ101は、冷却剤出口コネクタ108を介して冷却剤を排出するように構成されている。実施形態では、レーザ照射システム100は、冷却剤回収バッグ309(例えば、バッグ、ボトル)を備える。実施形態では、冷却剤回収バッグ309は、冷却剤出口導管311を介して冷却剤出口コネクタ108に流体的に連通している。実施形態では、レーザカテーテルアセンブリ101からの冷却剤は、冷却剤出口コネクタ108を介して冷却剤回収バッグ309に搬送される。実施形態では、冷却剤出口導管311は、冷却剤出口コネクタ108と相互作用するように構成された出口導管コネクタ312を有する。
【0058】
実施形態では、図2Aに示されたように、レーザカテーテルアセンブリ101の入口及び出口コネクタは、異なる性別である。実施形態では、このような構成により、冷却剤供給及び回収アタッチメントに対し、レーザカテーテルアセンブリ101の入口及び出口コネクタの誤った接続及び/又は誤った組み合わせを防止することができる(例えば、後方接続の防止)。例えば、図1に示されたように、冷却剤入口コネクタ104を、雌型受け部104’を有する雌型コネクタとすることができ、冷却剤供給入口310は、雄型突起315と、任意のシュラウド316(例えば、フード、ねじ付シュラウド)とを有する雄型コネクタを有することができる。冷却剤出口コネクタ108を、雄型突起108’と、任意のシュラウド108”(例えば、フード、ねじ付シュラウド)とを有する雄型コネクタとすることができ、冷却剤出口導管コネクタ324は、雌型受け部325を有する雌型コネクタを有することができる。実施形態では、冷却剤入口コネクタ104を雄型コネクタとすることができ、冷却剤出口コネクタ108を雌型コネクタ(図示しない)とすることができる。実施形態では、異なる性別に代えて、又は、異なる性別に加え、入口導管コネクタ310及び出口導管コネクタ324(図示しない)の色と一致するように、入口コネクタ104と出口コネクタ108とを色分けすることができる。例えば、実施形態では、入口コネクタ104と入口導管コネクタ310とを一色(例えば、赤、オレンジ、黄色、緑、シアン、青、インディゴ、バイオレット、紫、マゼンタ、ピンク、茶色、白、灰色、黒)とすることができ、出口コネクタ108と出口導管コネクタ324とを他の異なる色(例えば、赤、オレンジ、黄色、緑、シアン、青、インディゴ、バイオレット、紫、マゼンタ、ピンク、茶色、白、灰色、黒)とすることができる。実施形態では、雄型及び雌型コネクタをルアーコネクタ(実施形態では、ISO594準拠のルアーテーパを有する)とすることができる。実施形態では、入口及び出口コネクタは異なる性別ではない。
【0059】
図2A及び図2Bに示されたように、実施形態では、レーザカテーテルアセンブリ101は、導入プローブ113を備える。実施形態では、図2Aに示されたように、レーザカテーテルアセンブリ101は、出口アームユニット125、出口アーム126、入口アームユニット130、及び、入口アーム131の1つ以上を備える。実施形態では、導入プローブ113は、近位導入プローブコネクタシール135(例えば、シール、スリーブ)から導入プローブ113の封止端部115に延在する長尺チューブである。
【0060】
実施形態では、導入プローブ113は外側管状部114を備える。実施形態では、図2A及び図2Bに示されたように、外側管状部114は、連続材料(例えば、単一材料から成形された単一部品、単一構造)である。実施形態では、外側管状部114は、紫外線、可視光、近赤外光、遠赤外光、及び/又は、マイクロ波放射線の1つ以上のような電磁放射線の特定波長に対して透明又は実質的に透明である。
【0061】
実施形態では、外側管状部114は封止端部115を有する。実施形態では、封止端部115は、透明、光学的及び/又は赤外線透明、及び/又は、実質的に光学的及び/又は赤外線透明である。実施形態では、封止端部115は、紫外線、可視光、近赤外光、遠赤外光、及び/又は、マイクロ波放射線の1つ以上のような電磁放射線の特定波長に対して透明、又は、実質的に透明である。実施形態では、封止端部115は透過性を有する。実施形態では、レーザ光源203からの電磁放射線は、封止端部115を透過する(例えば、本明細に開示されたような拡散先端部204を介して)。実施形態では、図2A2に示されたように、封止端部115は、導入プローブ113に沿って、光ファイバ202からの光を円錐形分配140又は半球形分配141で分配するように成形されている。円錐形分配140は、封止端部115から外側方向及び遠位方向に広がっており、半球形分配141は、封止端部115から外側方向及び遠位方向に広がっている。実施形態では、光の分布(円錐状又は半球状)は、分布内において、所定の距離での放射線量が実質的又は略同じ強度となるように拡散されている(例えば、点140A及び140B、並びに/又は、点141C及び141D)。実施形態では、端部115は、放射線及び/又は光を、実質的に吸収せずに、透過させるように構成されている。
【0062】
実施形態では、光ファイバ先端部204は放射線の透過を阻止するように構成され、及び/又は、光ファイバ先端部204は放射線を実質的に遮断する。実施形態では、拡散先端部223は、放射線源から受け入れた放射線の大部分、及び/又は、実質的に全て、及び/又は、全てを横方向(例えば、拡散先端部から側方)へ出射するように構成されている。実施形態では、放射線を横方向(例えば、側方)へ出射する拡散先端部により、拡散先端部223に近接する組織を有利に治療することができる。実施形態では、このような構成は、ファイバ先端部204の直前の組織の加熱量及び放射線量を防止及び/又は低減する。
【0063】
実施形態では、本明細書に記載したように、拡散先端部223は、導入プローブからの電磁放射線を横方向へ分配するように構成されている。実施形態では、拡散器からの電磁放射線の強度は、拡散先端部223からの等距離で略又は実質的に等しい。実施形態では、導入プローブ113から出射した光は、分配され及び/又は集光されない。実施形態では、導入プローブ113から出射した光は、実質的に均等に分配される。実施形態では、光は拡散器の表面に沿って拡散器から分配されることから、出射した放射線は影をつくらない(例えば、放射線がレーザカテーテル等の部品により遮断される場所)。実施形態では、レーザカテーテルアセンブリ及び/又は拡散先端部は、集束レンズを欠き、ミラーを備えない。
【0064】
実施形態では、封止端部は半球形状(例えば、半球体形状、半球状、ドーム形状等を有する半球形状)である。実施形態では、本明細書に記載したように、封止端部は透過性を有する。実施形態では、透過性は、拡散先端部223からの全て、実質的に全て、又は、一部の電磁放射線の透過を可能にすることを意図する。実施形態では、外側管状部114は、封止端部115と連続している(例えば、封止端部及び外側管状部は、単一材料から成型された単一部品、単一構造等である)。実施形態では、透過性封止端部115は、プローブの先端部での熱の蓄積を低減させる点において有益である。この特徴により、プローブの溶融を回避し、プローブの方向に沿って組織内へレーザを分配することができる。実施形態では、封止端部は、円錐形状ではなく、及び/又は、粉砕材料(例えば、散乱材料、不透明又は実質的に不透明材料)ではない。実施形態では、円形及び/又は円錐形構造では、放射線が導入プローブを透過できないことがわかっている。実施形態では、グランド及び/又は円錐形構造は、放射線を集中させることができ、プローブの反り及び/又は炭化、並びに/又は、プローブの周りの組織の焼損を導くホットスポット及び加熱を引き起こすことがわかっている。
【0065】
実施形態では、半球形状の先端部は、無線周波数を用いて準備されている。実施形態では、半球形状の先端部は、主軸上に配置され、その後、ステンレス金型に挿入されるナイロン押出物から形成されている。実施形態では、金型は、RFエネルギーにより加熱され、押出物は、空気圧作動式グリッパを用いて、キャビティ内に同時に押し込まれ、押出物の先端部は、主軸の端部上で再度流し込まれる/再成形される。実施形態では、RF機械は、押出物に特化した温度、圧力、及び、時間で設定されることから、十分に再現可能な先端部を製造することができる。実施形態では、先端部は、半球形状ではなく、別の形状である。この形状により、熱を実質的に蓄積させず、又は、放射線を集中させずに、放射線は透過することができる(例えば、円形立方体端部形状、立方体端部形状、円形円柱端部形状、円柱端部形状)。
【0066】
実施形態では、図2A1に示されたように、外側管状部114は内腔116(例えば、第1内腔)を備える。実施形態では、内側管117は、第1内腔116内に存在する。実施形態では、内側管117は第2内腔118を備える。
【0067】
実施形態では、図2A及び図2Bに示されたように、レーザカテーテルアセンブリ101は、冷却剤入口コネクタ104を介して冷却剤を受け入れ、カテーテル入口導管132、入口アームユニット131を通って、内側アームユニット130の本体に冷却剤を取り込むように構成されている。その後、冷却剤は、内側管117を介して、開放プール119へ移動し、第1内腔116、外側アームユニット125、外側アームを通って、カテーテル外側導管に移動し、冷却剤出口コネクタ108を介して外に出る。すなわち、実施形態では、冷却剤入口コネクタ104、カテーテル入口導管132、入口アームユニット131、入口アームユニット130、内側管117、開放プール119、第1内腔116、外側アームユニット125、外側アーム、カテーテル外側導管、及び/又は、冷却剤出口コネクタ108の1つ以上は、流体的に連通している。
【0068】
実施形態では、導入プローブ113は、近位端部から遠位端部に延在し、外側管状部114の半球形状の封止端部115は、遠位端部に位置している。実施形態では、内側管117は、半球形状の封止端部115から離れた所で終端し、導入プローブ113の遠位端部に開放プール119を残す。実施形態では、光ファイバが導入プローブ113に配置されると、拡散先端部223の終端は、内側管117の遠位端部、又は、略遠位端部で終端する。実施形態では、拡散先端部223の一部は、内側管117から開放プール119に突出する。実施形態では、この突起により、より集中した量の電磁放射線が導入プローブ113の封止端部115を透過することができる。実施形態では、開放プールは領域を提供する。冷却剤は、ファイバ先端部204により実質的に制限されずに(例えば、内腔内で冷却剤の流れを遮断及び/又は制限する)この領域の周りを流れる。
【0069】
実施形態では、レーザカテーテルアセンブリ101は、端部開口120を介して導入プローブ113に光ファイバ202を受け入れるように構成されている。実施形態では、内側管117は、第2内腔118内で光ファイバ202を受け入れるように構成されている。実施形態では、光ファイバコネクタ222は、端部開口120の特徴と結合し、流体密封シールを提供する。実施形態では、結合は、導入プローブ113内の位置で拡散先端部223を固定する。実施形態では、レーザカテーテルアセンブリ101は、1つのみの光ファイバ202を受け入れ、導入プローブ113及び内側管117は、1つのみの光ファイバ先端部204及び/又は拡散先端部223を受け入れるような大きさに形成され、及び/又は、構成されている。
【0070】
実施形態では、本明細書に記載したように、第2内腔118は、冷却剤入口コネクタ104に流体的に連通している。実施形態では、本明細書に記載したように、第1内腔116は、冷却剤出口コネクタ108に流体的に連通している。実施形態では、光ファイバ202が第2内腔118内に配置されていると、レーザカテーテルアセンブリは、冷却剤が冷却剤入口コネクタ104から第2内腔118を通って第1内腔116に流れ、冷却剤出口コネクタ312から排出されるように構成されている。
【0071】
実施形態では、レーザカテーテルアセンブリ101の内腔において、導入プローブ113を、ナイロン、PA12ナイロンのような材料、又は、同様の材料から形成することができる。実施形態では、PA12ナイロンにより、ポリカーボネイトのような材料とは反対に、導入プローブ113は導入器及び組織を滑らかに通過する。
【0072】
実施形態では、図2Aに示されたように、導入プローブ113は、印刷された「ハッシュ」マーク121を備える。実施形態では、導入プローブ113は目盛付である。実施形態では、ハッシュマーク及び/又は目盛により、組織へのプローブの侵入の深さ(及び/又はプローブが組織から後退した距離)の印を明確に付けることができる。実施形態では、ハッシュマークは、約4mm、約8mm、約12mm以下、上記値の間の値、又は、これらの値を含む及び/若しくはこれらの値に及ぶ範囲の間隔で設けられている。実施形態では、本明細書に記載したように、間隔をおいてハッシュマークとドットとを交互に設けることにより、様々な光学拡散器(例えば、1cmの拡散器、1.8cmの拡散器)により、様々な治療のために、組織を通ってレーザカテーテルアセンブリ101を後退させることができる。実施形態では、これらの目盛及び/又はハッシュマークにより、利用者は、プローブの深さを直接視覚化することができる。実施形態では、これらの目盛及び/又はハッシュマークにより、プローブの位置を正確に制御することができ、組織を効率良く及び/又は制御してアブレーションすることができる。実施形態では、導入プローブは、約50cm、30cm、20cm、10cm以下、上記値の間の値、又は、これらの値を含む及び/若しくはこれらの値に及ぶ範囲の長さである。
【0073】
実施形態では、光ファイバ202は拡散先端部を備える。実施形態では、拡散先端部223は、放射線散乱特徴(例えば、地形、隆起、粗面化、くぼみ)を有する光ファイバ202の一部である。放射線散乱特徴により、放射線(例えば、レーザ光、フォトン、放射線)が光先端部から異なる方向(例えば、散乱、拡散)へ出ることが促進され、及び/又は、可能になる。実施形態では、これらの特徴は、拡散器に沿った勾配として設けられ、レーザ光源203に近づくにつれて密度が低くなり、レーザ光源203から遠ざかるにつれて密度が高くなる。実施形態では、密度勾配は、全拡散先端部に沿って放射線の略均一な分配を促進する。実施形態では、光ファイバ202の拡散部分223は、異なる長さとすることもできる。実施形態では、光ファイバの拡散部分を、約50mm、30mm、18mm、10mm以下、上記値の間の値、又は、これらの値を含む及び/又はこれらの値に及ぶ範囲の長さとすることができる。実施形態では、より長い拡散器により、より高いレーザパワーを用いて、それをより長い拡散器に沿って分配させることにより、同じ時間でより大きな腫瘍を治療することができる。実施形態では、小さな拡散先端部を用いることにより、用いられるレーザパワーを小さくすることができ、より特殊なより小さな腫瘍を治療することができる。実施形態では、単一の治療は、様々な大きさの拡散器を使用することができ、身体の特定の領域及び特定の大きさの腫瘍に対する治療を調整する。実施形態では、図3Bに示されたように、光ファイバは、柔軟性及び/又は可撓性があり、よじれ又は破損なく導入プローブ内で移動するように構成されている。実施形態では、光ファイバは、手術中に邪魔にならない場所にレーザ光源を配置することができるような十分な長さを有する。実施形態では、光ファイバの長さは、1m、2m、3m、5m以下、又は、上記値を含む及び/若しくは上記値に及ぶ範囲である。
【0074】
開示されたレーザカテーテルアセンブリのデザイン特徴を用いて達成された1つ以上の改良について、以下の通り、説明する。実施形態では、導入プローブに沿って配置されたハッシュマークにより、利用者は、レーザカテーテル拡散先端部の位置及び標的となる腫瘍に対する治療の程度を決めることができる。実施形態では、導入器プローブの最初の位置(z軸に沿って身体に挿入される深さ及びxy軸に沿った横方向の位置)は、コンピュータ断層写真(Computer Tomograhy)を用いて決めることができる。最初の位置に達すると、ハッシュマークを用いて治療位置を特定することができる。プローブ上の目盛により決められた間隔で、プローブをある位置から次の位置に後退させることができる。レーザカテーテルアセンブリへの印刷は、「深さゲージ」を提供する。この深さゲージにより、利用者は、レーザカテーテルアセンブリの組織への侵入量が分かり、開始位置からのプローブの後退量が分かる。実施形態では、例えば、ハッシュマーク間の間隔は8mmであり、ハッシュマーク間の「点」間の間隔は8mmである。これらの間隔は、4mm間隔の「定規」を提供し、正確な「引き戻し」を可能にする。実施形態では、本明細書に記載したように、レーザカテーテルアセンブリの拡散先端部を組織内で横方向へ適切に配置するために、グリッドが使用される。実施形態では、本明細書に記載したように、10mmのグリッド許可に対して、8mmの引き戻しが用いられる。これらのマークは、レーザカテーテルがどのくらい深く標的腫瘍又は組織に位置しているかを利用者に知らせる直接的な方法を提供し、カテーテルトラックに沿って連続的なアブレーション領域を生成するためにカテーテルを徐々に引き戻すための直接的な手段を提供する。
【0075】
実施形態では、図3A及び図3Bに示されたように、光ファイバは、光ファイバコネクタ122(例えば、実施形態では、ISO594準拠ルアーテーパを有するルアーコネクタ)を備えることができる。実施形態では、光ファイバコネクタは、光ファイバ先端部204の遠位端部から固定の距離で結合されている。実施形態では、光ファイバコネクタ122は、レーザカテーテルアセンブリ101の端部開口120に係合するように構成されている。実施形態では、光ファイバコネクタ122の固定位置により、拡散先端部をカテーテルアセンブリ101内に適切に後退させることができる。実施形態では、レーザカテーテルアセンブリ101内に光ファイバ202を固定することにより、先端部の溶解を防止することができ、拡散器の周りに適切な冷却剤の流れを保証することができる。実施形態では、光ファイバを固定することにより、拡散先端部がレーザカテーテルアセンブリ101から滑り出すのを防止することができる。実施形態では、レーザカテーテルアセンブリ101内に光ファイバ202を固定することにより、レーザを拡散先端部から適切に拡散させることができる(例えば、拡散器の一部が内部の内側管117から出ることを防止し、又は、例えば、冷却剤の流れを塞ぐ及び/若しくは放出された光の不均一な分布を引き起こす可能性のある拡散器のプローブ113の先端部に対する突き当たり防止する)。実施形態では、ファイバを固定することにより、導入プローブ113の先端部から光を十分に拡散させることができ、先端部の前で組織を治療することができる(拡散先端部の近くの横方向の組織に加えて)。
【0076】
実施形態では、光ファイバは、約2、3.5、5m以下、又は、上記値を含む及び/若しくは上記値に及ぶ範囲の全長を有する。実施形態において、本明細書に記載したように、全レーザ照射システムが手術室(例えば、無菌環境)に収容されるサイズを有することから、この長さは、手術室におけるクラッタを低減するという点において有益である。
【0077】
実施形態では、レーザ照射システム100の冷却剤供給システムは、冷却剤槽305、冷却剤入口導管306、冷却剤ポンプ307を備える。実施形態において、冷却剤供給システムは、レーザカテーテルアセンブリ101に冷却剤(例えば、食塩水、水)を供給する。実施形態では、冷却剤は、レーザカテーテルアセンブリ101及び導入プローブ113の近くでの光凝固の早期の開始を防ぐ。早期に開始する光凝固は、組織へのレーザ放射線の光の透過を有害的に制限し、及び/又は、光励起ナノ粒子の腫瘍特異性を無効にする可能性がある。
【0078】
図4は、冷却剤入口導管306の実施形態を示す。実施形態では、冷却剤入口導管306は、約3m、約4m、約5m、約10m以下、上記値の間の値、又は、これらの値を含む及び/若しくはこれらの値に及ぶ範囲の長さとすることができる。実施形態では、冷却剤入口導管306の長さは、手術環境におけるクラッタを低減する。実施形態では、冷却剤入口導管306は、可撓性のタイゴン(Tygon)チューブ(ポリ塩化ビニルチューブ等、例えば、可撓性チューブ)からなる。これにより、長さに沿った位置で、冷却剤入口導管を冷却ポンプに固定することができる。実施形態では、チューブの直径は約1/8インチである。実施形態では、チューブの直径は、約1/12、1/8、1/4インチ以下、又は、上記値を含む及び/若しくは上記値に及ぶ範囲である。実施形態において、この直径により、ポンプヘッド間隔をより小さくすることができ、冷却剤流量をより制御することができ、及び/又は、チューブセット間の流量をより一定にすることができる。実施形態において、この特徴により、戻りラインにおけるメータ及び外部の流量制限器を不要にすることができる。実施形態において、この特徴により、本明細書に記載した方法の間に使用された低流量(例えば、約8mL/分以下)の冷却剤をより正確に制御することができる。実施形態において、達成可能な流量mL/分は、2、4、8、10以下、又は、上記値を含む及び/又は上記値に及ぶ範囲である。図5A、5Bは、冷却剤回収バッグの実施形態を示す。図5Bに示されたように、冷却剤回収バッグは、レーザカテーテルアセンブリに取り付けられるように構成された柔軟な長さのチューブを備える。
【0079】
実施形態では、本明細書に開示された冷却剤供給セット設計は、冷却剤を供給する槽に対して冷却剤ポンプを配置することができないという問題をなくす又は低減することができるという点において有益である。実施形態において、本実施形態に開示された内径のポリ塩化ビニルチューブを使用することにより、低流量(例えば、8mL/分)の冷却剤を制御することができるという点において有益である。
【0080】
実施形態では、冷却剤ポンプ307は流量調整器を有する。所定の流量を達成するために、所定の速度に設定するように流量調整器を較正することができる。実施形態では、ポンプは蠕動ポンプ(例えば、Langer BT100-1L)である。実施形態では、ポンプは、約0.002、0.01、0.1、1、20、50、100、500mL/分以下、又は、上記値を含む及び/若しくは上記値に及ぶ範囲の流量で搬送する。実施形態では、冷却剤ポンプ307は、静かな動作特徴を有し、約10、20、30、40、50、60、70、80以下、又は、上記値を含む及び/若しくは上記値に及ぶ範囲のデシベルレベルで動作する。実施形態では、開示されたシステムは、患者がいる手術室に配置されることから、この静かなポンプは有益である。
【0081】
実施形態では、ポンプ307を作動装置(例えば、フットスイッチ、ペダル、パネル、ボタン)に接続することができる。実施形態では、利用者(例えば、医師又はポンプを作動させる技術者)により、作動装置をオン又はオフすることができる。実施形態では、レーザ光源が作動装置(例えば、フットスイッチ、ペダル、パネル、ボタン)に接続されている。この作動装置を、ポンプを制御する作動装置と同じ装置又は違う装置とすることができる。実施形態では、ポンプの作動装置と、レーザ光源の作動装置とが同じ場合は、作動装置は、1つ以上のトグルスイッチ(例えば、ボタン又はパネル)を有することができる。トグルスイッチにより、利用者は、レーザカテーテルを通る冷却剤の流れ、及び/又は、レーザ光源によるレーザの出射を別々又は同時に制御することができる。実施形態では、レーザ光源とポンプとが同時に作動する場合、作動装置は単一のスイッチを有することができる。このスイッチは、レーザ光源及びポンプを同時にオン又はオフするためのものである。実施形態では、レーザ光源と、ポンプとが別々に作動する場合、アクチュエータは、異なるスイッチを有し、1つの装置を一度に作動させることができる。
【0082】
実施形態では、アクチュエータ接続により、レーザが作動している場合は冷却剤の流れを許容し、レーザが作動していない場合は冷却剤の流れを止める。実施形態では、冷却剤の消費量を減らすこと(例えば、冷却剤バッグ数の変更)に加え、この特徴は、レーザ治療の間の組織の予冷を防止することができるという点において有益である。実施形態では、レーザが作動中、ポンプは、デフォルトの流量を有するようにプログラム可能である。実施形態では、ポンプのデフォルトの流量の制御は、開示された方法に有用である。開示された方法は、リアルタイムの温度監視を行うことなく、名目サブアブレーションレーザ線量を使用することができる。実施形態では、デフォルトの流量mL/分は、約0.002、約0.01、約0.1、約1、約5以下、又は、上記値を含む及び/又は上記値に及ぶ範囲である。所定量の流量により、利用者は、所定の速度で熱を除去することができる。実施形態では、レーザがオフの場合の冷却剤の流れの自動停止は、組織の冷却を回避する点において有用である。レーザ治療間(例えば、レーザがオフの場合)のレーザカテーテルアセンブリを通る冷却剤の流れは、周りの組織(例えば、約30~37℃)を冷却剤の温度(例えば、約21~23℃)に冷却する。実施形態では、これは、組織をアブレーションするために超える必要のある追加の温度勾配のため、不十分な治療という効果を有する。実施形態では、開示された特徴の組み合わせにより、厳密に規制された冷却を行うことができる。実施形態では、温度制御は、決められた時間の治療の最後まで、レーザカテーテルに近接する組織の凝固を遅らせることができるという点において有益である。実施形態では、凝固から生じる光拡散の増加は、組織へ光の透過を効果的に減衰させることから、ナノ粒子は光フォトンによってのみ活性化さるので、光凝固の遅延は、レーザカテーテルからより長い距離で腫瘍組織を治療するという点において有用である。
【0083】
実施形態では、レーザカテーテルアセンブリ101を1回通過後、冷却剤回収バッグ309は冷却剤を回収する。実施形態では、冷却剤回収バッグ309は、冷却剤出口導管311と、出口導管コネクタ324(図5A~B参照)とを介してレーザカテーテルアセンブリ101に接続されている。実施形態では、冷却剤回収バッグ309の容量は、約1.5リットル、2.0リットル、又は、3リットル以上である。実施形態では、この容積により、治療期間通じて回収を行うことができる。実施形態では、治療期間は、フットスイッチ作動ポンプを用いた8mL/分での62標準的な約3分間位以上の治療である。実施形態では、冷却剤回収バッグ309は、ベットサイドに配置することができる一体型の1.5mのチューブセットを有する。
【0084】
実施形態では、レーザカテーテルアセンブリは、トロカールアセンブリ400を用いて腫瘍又は腫瘍組織を有する臓器に取り込まれる。トロカールアセンブリ400は、トロカール425と、トロカール425の周りを覆うスリーブカテーテル426(カテーテルシース)とを備える。図2Bに示されたように、実施形態では、導入プローブ113は、柔軟性及び/又は可撓性があり(例えば、ねじれることなく25cmのプローブを円形のループ状にすることができる)。実施形態では、先端部は曲げることのできる材料からなる。この材料は、先端部が組織における閉塞の周囲に移動することができるという点において有益である。実施形態では、本明細書に記載したように、プローブの柔軟な材料は、組織への接着に対して耐性を有し、並びに/又は、非粘着性及び/若しくは実質的に非粘着性を有する点において有益である。実施形態では、導入プローブ113は、約300mm、約240mm、200mm以下、又は、上記値を含む及び/若しくは上記値に及ぶ範囲の長さ(例えば、近位端部から遠位端部)を有する。実施形態では、導入プローブは、約2mm、1mm、0.5mm以下、又は、上記値を含む及び/若しくは上記値に及ぶ範囲の幅を有する。
【0085】
実施形態では、導入プローブ113の導入を容易にするために、図6A~6A2に示されたように、導入プローブ113は、トロカールスリーブプローブ427を用いて組織に挿入される。図6Aに示されたように、実施形態では、トロカールスリーブアセンブリ427は、トロカール425と、スリーブカテーテル426とを備えることができる。実施形態では、トロカール425はトロカール内腔428を備える。図6A1は、内腔428が露出した状態のトロカールアセンブリ400の二等分図を示す。図6A4は、カテーテルスリーブアセンブリ427の端面図を示す。図6B及び6B1は、スリーブなしのトロカール425を示し、図6B1は二等分図である。実施形態では、図示されたように、トロカール425はトロカールハンドル429を備える。実施形態では、トロカールハンドル429は人間工学的(ergonomic)である。実施形態では、トロカールハンドル429は、1つ以上の指掛け部431を有する。指掛け部は、配置中のトロカール425の操作を容易にする。実施形態では、トロカールハンドル429により、患者の組織を通ってトロカールを配置することができ、及び/又は、治療部位で患者にトロカールアセンブリ427を配置することができる。
【0086】
実施形態では、トロカール425は、3面カニューレ及び/又は針430を備える。図6A3は、シース426を有するカテーテル先端部430を備える。図6B2は、シース426のないカテーテル先端部430の拡大図を示す。図6B3は、トロカール先端部430の前面図を示す。実施形態では、3面トロカール先端部430は、トロカールが患者の組織を通って押されることから、組織の引っ張りを回避する。実施形態では、傾斜した針は、組織を通過するときに傾斜面の側面を引っ張ることができる。実施形態では、傾斜した針は、トロカールとして用いられる(図示しない)。図6B4は、トロカール429の端面図を示す。
【0087】
実施形態では、治療部位への挿入後、トロカール425は患者の身体から取り除かれる。実施形態では、トロカール425を取り除くと、カテーテルシース426は患者に残される。実施形態では、カテーテルシース426は、レーザカテーテルアセンブリ101の導入プローブ113を治療部位に配置するために用いられる。
【0088】
実施形態では、本明細書に開示された方法では、トロカールアセンブリ427を、挿入点(例えば、第1挿入点)で患者に挿入する。トロカールアセンブリ427は、トロカール426と、トロカール426の周りを覆うカテーテルシース426とを備える。このような挿入は、標的組織(例えば、腫瘍)を示す試験体700を用いた図7A~Jに示されている。この場合、試験体は生の鶏の胸である。試験体は、腫瘍又は腫瘍を有する臓器のモデルとして使用される。図7Aは、試験体と、保護カバー433内のトロカールスリーブアセンブリ427とを示す。図7Bは、保護カバー433から取り除かれたトロカールスリーブアセンブリ427を示す。図7Cに示されたように、実施形態では、トロカールスリーブアセンブリ427を、標的組織(例えば、試験体700)の近位側701(近位側は利用者の位置及び/又は挿入点を基準とする)に挿入することができる。実施形態では、図7Dに示されたように、トロカールスリーブアセンブリ427は、標的組織の主要部を通って標的組織700の遠位側702又は略遠位側に挿入される。実施形態では、標的組織の近位側と遠位側との中間位置にトロカールスリーブアセンブリを配置することができる。図7Dでは、トロカール425は、標的組織の遠位側702で見える。
【0089】
図7Eに示されたように、実施形態では、トロカールカテーテルアセンブリが標的組織702の遠位側に到達すると、トロカール425が取り除かれ、カテーテルシース426が所定の位置に残る。実施形態では、MRI、超音波、又は、他のリアルタイムの撮像方法(例えば、コンピュータ断層写真)により、トロカールスリーブアセンブリ427を適切に配置することができる。
【0090】
実施形態では、図7Fに示されたように、カテーテルシースへの挿入のために、レーザカテーテルアセンブリ101の導入プローブ113を準備することができる。図示のように、レーザが作動すると、放射線111の半径範囲が拡散先端部の周りに存在する。実施形態では、導入プローブ113をカテーテルシース426に挿入する前に、光ファイバ202がレーザカテーテルアセンブリ101内に配置される。実施形態では、光ファイバ202は、開放端部220との光ファイバコネクタ222の係合により、レーザカテーテルアセンブリ101に固定される。
【0091】
実施形態では、図7Gに示されたように、レーザカテーテルアセンブリ101の導入プローブ113をカテーテルシース426に挿入することができる。実施形態では、カテーテルシース426は、導入プローブ113のような器具の挿入を容易にする挿入口432を備える。実施形態では、導入プローブ113が標的組織の適切な位置に到達すると、シース426を標的組織700の近位側に向けて若干後退させることができ、導入プローブ113及び/又は拡散先端部223を露出させる。実施形態では、カテーテルシースがレーザ光源により出射した放射線に対して透明な場合は、導入プローブ113を露出させるためにカテーテルシースを後退させる必要はない。実施形態では、導入プローブの目盛は、カテーテルシース426を通して見ることができる。これにより、処置中に患者への挿入深さを容易に認識することができる。
【0092】
図7Gに示されたように、レーザ光源を作動させ、拡散先端部223を照射し、標的組織700の照射領域710を形成する。この第1領域は所定の期間照射される。所定の期間は、標的組織700の遠位側702から近位側701へカテーテルシース426及び導入プローブ113を若干後退させ、治療のために標的組織の第2領域(第2照射領域712)を露出させることのできる期間である。実施形態では、標的組織の大きさに応じて、後退及び/又は照射プロセスを複数回繰り返すことができる。図7Iに示すように、実施形態では、第3領域(第3照射位置712)を、例えば、照射することができる。実施形態では、レーザカテーテルアセンブリ101のハッシュマーク121により、利用者は、導入プローブ113が後退するにつれて、照射のための第1、第2、第3、第4領域等の適切な位置を判断することができる。
【0093】
実施形態では、導入プローブ113、並びに/又は、導入プローブ及びカテーテルシース426を、約4mm、約8mm、約12mm以下、上記値の間の値、又は、これらの値を含む及び/又はこれらの値に及ぶ範囲の距離で徐々に標的組織から後退させる。実施形態では、標的組織の照射領域間の距離は、約4mm、約8mm、約12mm以下、前記値の間の値、又は、これらの値を含む及び/若しくはこれらの値に及ぶ範囲である。実施形態では、照射領域間の距離は導入プローブの目盛を用いて決まる。実施形態では、トロカールスリーブアセンブリ427を、標的組織の別の領域(例えば、横方向に配置された第2挿入点)に再挿入することができ、上記照射及び後退プロセスを繰り返すことができる。実施形態では、レーザアセンブリは、照射後、腫瘍の異なる領域に再配置される。
【0094】
実施形態では、図7A~7Jに示された試験体に関しては、標的領域において腫瘍(例えば、臓器又は腺における腫瘍)を治療するための方法は、トロカールスリーブアセンブリ427を患者に配置するステップを有することができる。実施形態では、トロカールスリーブアセンブリは、トロカールアセンブリが腫瘍の近位面(トロカールスリーブアセンブリを挿入する利用者に向かう)を通過し、腫瘍の遠位側(トロカールスリーブアセンブリを挿入する利用者から離れる)で終端するように、例えば、前立腺腫瘍を通過させることにより、トロカールスリーブアセンブリは配置される。実施形態では、腫瘍の近位側から遠位側へのトロカールスリーブアセンブリの挿入は、腫瘍内での第1通路を形成する。実施形態では、図7A~7Jの試験体を用いて記載した通り、腫瘍を治療する方法は、患者からトロカールを取り除くステップと、第1通路内で患者にカテーテル(例えば、カテーテルシース426)を残すステップとを有する。実施形態では、レーザカテーテルアセンブリ101(例えば、レーザ照射アセンブリ)を得ることができる。実施形態では、本明細書に記載したように、レーザカテーテルアセンブリ101は、導入プローブ113と、光ファイバ202との1つ以上を備える。実施形態において、導入プローブ113(例えば、レーザ導入プローブ)は、第1内腔を備え、レーザ光を透過するように構成された半球形状封止端部で終端する。実施形態では、導入プローブは、導入プローブの第1内腔内に配置された内側管を備える。実施形態では、内側管は第2内腔を備える。実施形態では、光ファイバを第2内腔内に配置することができる。実施形態では、第2内腔内に配置した場合、光ファイバは、導入プローブの半球形状端部を介してレーザ放射線を送る。実施形態では、光ファイバが第1内腔内に配置された場合、第1内腔は第2内腔と流体的に連通している。
【0095】
実施形態では、方法は、レーザ照射アセンブリをカテーテルシース426に挿入するステップと、レーザ照射器(例えば、レーザカテーテルアセンブリ101)を腫瘍の第1通路内で第1位置に案内するステップと、を備える。実施形態では、第1位置は、腫瘍の近く又は遠位側に配置されている。実施形態では、カテーテルは、導入プローブを露出させるように部分的に取り除かれ、又は、完全に取り除かれる。実施形態では、方法は、第1通路内の第1位置でレーザ照射器を作動させ、第1期間に非アブレーション赤外線を生成し、これにより、ナノ粒子をアブレーション温度に加熱するステップを有する。
【0096】
実施形態では、方法は、第1通路内の第2位置にカテーテル及びレーザ照射器を後退させるステップを有する。実施形態では、第1通路内の第2位置は、第1通路の第1位置よりも腫瘍の近位側に近い。実施形態では、レーザ照射器は、第1通路内の第2位置で作動し、第2期間に非アブレーション赤外線を生成する。実施形態では、レーザ照射器の照射は、ナノ粒子をアブレーション温度に加熱する。
【0097】
実施形態では、方法は、第1通路からカテーテル及びレーザ照射器を後退させ、第2挿入点で患者にトロカールアセンブリを挿入する。実施形態では、第2挿入点は、第1挿入点から腫瘍の近位置側に横方向へ配置されている。実施形態では、トロカールアセンブリは、腫瘍の近位面を通過し、腫瘍の遠位側で終端し、腫瘍を介して第2通路を形成するように、前立腺腫瘍を通過させることにより、トロカールアセンブリは患者に配置されている。実施形態では、トロカールは、トロカールアセンブリから取り除かれる。実施形態では、レーザ照射アセンブリの導入プローブは、その後、カテーテルに配置される。実施形態では、導入プローブは、腫瘍における第2通路内の第1位置の場所に案内される。カテーテルは、導入プローブを露出させるように部分的に取り除かれ、又は。完全に取り除かれる。実施形態では、第1位置は、腫瘍の遠位側の近くに配置される。実施形態では、任意の通路における第1位置を、標的組織(例えば、腫瘍)の近位面及び遠位面の間の中間とすることもできる。
【0098】
実施形態では、レーザ照射器は、第2通路内の第1位置で作動し、第3期間に非アブレーション赤外線を生成する。実施形態では、第2通路の第1位置でのレーザ照射器の作動は、ナノ粒子をアブレーション温度に加熱する。実施形態では、第1通路に使用した手順と同様に、レーザ照射器を第2通路内で第2位置の近位に後退させることができる。実施形態では、レーザ照射器を第2通路内の第2位置で作動させることができ、第4期間に非アブレーション赤外線を生成し、これにより、ナノ粒子をアブレーション温度に加熱する。
【0099】
実施形態では、レーザ照射器は、照射のために、各通路内で1、2、3、4、5、6箇所以上の位置に配置されている。実施形態では、通路内で標的組織の照射領域の間の距離は、約4mm、約8mm、約12mm、上記値の間の値、又は、これらの値を含む及び/若しくはこれらの値に及ぶ範囲である。実施形態では、通路の各位置でのレーザが作動する期間(例えば、照射時間)は、約1分、3分、5分、上記値の間の値、又は、これらの値を含む及び/若しくはこれらの値に及ぶ範囲である。
【0100】
実施形態では、照射及び/又は治療並びに後退方法は、治療の通路に沿ったシーディング剤(例えば、癌組織)を防止する。実施形態では、遠位標的部位への導入プローブ113の配置後、カテーテルシース426を標的組織から後退させることができる。実施形態では、後退方法は、組織の焼灼を補助し、器具の後退に伴う散乱を防止する。実施形態では、標的組織の遠位側から近位側へレーザカテーテルアセンブリを後退させることにより、血液を凝固させることができ、及び/又は、シーディングを実質的又は全体的に封止することができる。実施形態では、標的組織の遠位側から近位側へレーザカテーテルアセンブリを後退させることにより、血流による腫瘍組織が拡散される、又は、標的組織等から癌細胞が押し出される。
【0101】
実施形態では、本明細書に開示した挿入及び後退方法、及び/又は、他の方法は、腫瘍組織、癌組織を有する腺、癌組織を有する臓器、及び/又は、癌組織を有する構造(例えば、咽喉)に対して行うことができる。例えば、前立腺を治療する場合、本明細書に記載したように、前立腺を通って遠位側に導入プローブを挿入することができ、後退させることができる。
【0102】
実施形態では、本明細書に記載したように、グリッド又はテンプレートが用いられ、標的組織(例えば、腫瘍)へのトロカールスリーブアセンブリの挿入点を決める。実施形態では、横方向に間隔を置いて設けられた孔を有するテンプレートグリッドが用いられ、トロカールスリーブアセンブリの配置を案内する。実施形態では、患者の組織内の各挿入点は、テンプレートグリッドにおける孔の間隔により決まる。実施形態では、テンプレートグリッドにより決められた挿入点の間の横方向の距離は、約4mm、約8mm、約12mm以下、上記値の間の値、又は、これらの値を含む及び/若しくはこれらの値に及ぶ範囲である。実施形態では、挿入点の間の横方向の距離は、テンプレートグリッドを用いて決められない。実施形態では、挿入点の間の横方向の距離は、約4mm、約8mm、約12mm以下、上記値の間の値、又は、これらの値を含む及び/若しくはこれらの値に及ぶ範囲である。実施形態では、複数回の挿入(例えば、複数のレーザカテーテルからの複数のプローブ)を、グリッドを用いて同時に行うことができる。実施形態では、単一のレーザカテーテル及びグリッドを用いて、挿入を連続的に行うことができる。
【0103】
実施形態では、赤外光は、導入プローブから約4mm横方向に透過することができることから、8mmを超える横幅を有する腫瘍又は治療領域には、レーザカテーテルアセンブリの導入プローブ(又は、プローブ)が複数回挿入される。複数の挿入点が用いられる場合、レーザ導入器の自由な配置(又は、レーザ投与間の間隔を維持しようとする、例えば、定規を用いた配置)により、レーザカテーテルアセンブリは、誤って配置されることもある。誤った配置の可能性は内腔治療において高い。これは、皮膚表面でのレーザカテーテルアセンブリの間隔を設定することのみが可能であることによる。実施形態では、8mmを超える横幅を有する腫瘍又は治療領域には、複数のレーザカテーテルアセンブリを同時に配置する(単一のレーザカテーテルアセンブリの個別の配置を繰り返す)装置を用いることができ、透過点の間の固定間隔を維持する。実施形態では、この装置をテンプレート型(例えば、グリッド又は治具)とすることができる。
【0104】
実施形態では、図8Aに示されたグリッドテンプレートを使用することができ、選択された間隔でレーザカテーテルアセンブリを設定及び/若しくは配置する、並びに/又は、レーザカテーテルアセンブリの導入プローブの複数の透過部の平行位置合わせを維持する。実施形態では、グリッドの使用は未治療の腫瘍のマージンを防止又は減らす。未治療の腫瘍のマージンは、プローブの誤った配置によりレーザ線量が粒子活性化に不十分である場合に生じる。実施形態では、グリッドは、複数の開口801を備える。実施形態では、各グリッド開口801は、覆われたトロカール425、カテーテルシース426、及び/又は、導入プローブ113を受け入れるように構成されている。実施形態では、トロカール425が標的組織に配置されると、それが取り除かれ、カテーテルシース426を残す。その後、レーザカテーテルアセンブリ101の導入プローブ113をシース426に挿入することができ、本明細書に開示された照射方法を実施することができる。実施形態では、本明細書に記載したように、複数(2、3、4、5、6、7、8、9、10以上)のレーザカテーテルアセンブリ101及び導入プローブ113を、グリッドを用いて配置された複数のシース426に挿入することができる。その後、治療中に、導入プローブ113を一緒に又は連続的に後退させることができる(これにより、標的領域を治療する時間を短縮する)。実施形態では、ガイドワイヤを使用することができる。実施形態では、ガイドワイヤは、レーザカテーテルアセンブリの配置のためには使用されない。
【0105】
実施形態では、図8Aに示されたように、6角形グリッド802が使用される。実施形態では、6角形グリッド802を用いて、最近接プローブに等距離間隔を提供することができる。四角形構造グリッド850が図8Bに示されている。図示されたように、四角形構造グリッド850のグリッド開口851が一致し、四角形状852を提供する。図8A及び8Bに示されたように、ラベル付けされたマーカ803、804、853、854を用い、グリッド800、850内でレーザカテーテルが配置されるべき場所を示す。図8A及び8Bに示されたように、ラベル付けされたマーカは、グリッドの異なる軸上にアルファベット指標803、853(例えば、A、B、C、D、E、F、G、H、I、J、K、L、M、N、O、P、Q、R、S、T、U、V、W、X、Y、Z、AA)又は数字指標804、854(例えば、1、2、3、4、5)を備えることができる。色(例えば、赤、オレンジ、黄色、緑、シアン、青、インディゴ、バイオレット、紫、マゼンタ、ピンク、茶色、白、灰色、黒)、形(例えば、四角、円形、三角、ダイヤモンド型、5角形、6角形)、又は、色分けされた形状の組み合わせ等の他の指標を用いることもできる。
【0106】
図8Bに示されたように、四角形グリッドは、グリッド位置の簡単な識別を可能にするが、それらは、図8C及び8Dに示すようなある種の欠点を有する。図8Cは、7mmの最小開口間隔を有する6角形の実施形態を示す。図8Dは、3mmの開口間隔を有する四角形構成を示す。まず、3mm間隔を有する四角形グリッド(図8Dに示されたように)では、例えば、グリッド位置は両軸に3mm離れている。これは、図8Dに示されたように、対角線に沿った移動は、4.24mmの移動を表す。従って、光透過半径が4mmである腫瘍の横方向の広がりを完全に覆うために、四角形グリッドは、「オーバーサンプリング」を必要とする。すなわち、3mmの四角形グリッドでは、主軸に沿って交互の格子位置を使用する必要があるが、各対角線グリッド位置が使用されない限り、対角線に沿って潜在的な未治療領域がある。これは、標的領域を完全に覆うために使用する必要があるグリッド位置と、迂回可能な位置とを計算する時間のかかる治療計画につながる。図8Dに示されたように、横方向位置が満たされていない場合、3mm間隔を有する9つのグリッド位置の四角形パターンは重ならない領域(白)を示す。
【0107】
実施形態では、その一部が図8Cに示された6角形グリッドの配置を採用することにより、各最近接位置が等距離であることから、これらの困難性を回避することができる。実施形態では、治療領域の境界が規定されると、内側グリッド位置の全てが用いられ、最小限の重なりで標的領域を完全に覆う。これは2つの利点をもたらす。2つの利点は、患者に挿入する導入器の数を減らす(及び/又は最小化する)こと、治療回数を減らす(及び/又は最小化する)ことである。実施形態では、グリッド開口間の7mm間隔を用い、任意のグリッド位置からの最大4mmの距離を保証することができる。図8Cは、7mm間隔を有する3つのグリッド位置を示し、4mm半径の治療領域の集中を示す。図8Cに示されたように、実施形態では、3連続構造の各孔の中心間の最大距離は、穴の各4mmに設定されている。結果として、レーザ配置のために隣接する孔を使用することにより、最小限の余剰で領域を連続的に覆うことができ、最も効果的に治療時間を使用することができる。実施形態では、隣接グリッド開口間の間隔は、約5mm、4mm、3mm、2mm以下、上記値の間の値、又は、これらの値に及ぶ範囲である。
【0108】
実施形態では、グリッドは、モノリシック構造(例えば、ワンピースデザイン)を用いて準備されている。実施形態では、グリッドは、単一のプラスチック部品からコンピュータ数値制御ミリングにより機械加工されている。実施形態では、文字及び数字(例えば、指標)がプラスチックにエッチングされ、及び/又は、表面に印刷されている。実施形態では、モノリシックデザインは、図8Eに示されたような3つのピースのテンプレートグリッドから明確である。実施形態では、開口の大きさは、約20ゲージ、14ゲージ、12ゲージ以下、上記値の間の値、又は、これらの値に及ぶ範囲である。
【0109】
実施形態では、四角形グリッドにおける各数値及び文字指定は、垂直方向及び水平方向の2つの孔を覆い、所望の呼び出しについて両方向の軸においてあいまいさが2倍になる。実施形態では、7mm間隔の6角形グリッド(図8Aに示されたような)により、正確な識別を容易にするために、全ての位置の明確な識別、及び、孔の交互の列の印刷又は内接水平線の識別を可能にする。図8F及び8Gは、それぞれ、6角形グリッド及び4角形グリッドの実施形態を示す。
【0110】
実施形態では、治療の間、利用者により制御されるアクチュエータにより、レーザ照射器を作動することができる。実施形態では、利用者がアクチュエータを用いてレーザ照射器を作動すると、冷却剤が自動的にレーザ照射アセンブリの第1入口に流れる。実施形態では、レーザ照射器が作動せず、組織を照射しない場合は、冷却剤は、レーザ照射アセンブリに流れない。実施形態では、アクチュエータはフットペダルである。
【0111】
実施形態では、本明細書に記載したように、レーザパワーは、組織内でナノ粒子により吸収される。実施形態では、吸収すると、ナノ粒子は、組織の光熱凝固の誘発に十分な高温に加熱される。実施形態では、レーザを用いてナノ粒子を用いた光熱療法を行うことができる。このレーザのパワーは、凝固温熱療法を誘発しないように十分低く設定されている(例えば、3.5~4.5W/cmの拡散器)。実施形態では、レーザのパワーは、約2W/cm、3W/cm、4W/cm、5W/cm、6W/cm以下、又は、これらの値を含む及び/若しくはこれらの値に及ぶ範囲である。実施形態では、ナノ粒子が放射エネルギーを吸収すると、凝固温熱療法が起こる。実施形態では、約45℃、約35℃、約30℃以下、又は、これらの値を含む及び/若しくはこれらの値に及ぶ範囲の温度で、非凝固温熱療法を誘発させることができる。実施形態では、凝固温度は、約45℃以上の組織温度を含む。実施形態では、光熱凝固を起こす温度を誘発することなく、レーザを約3~5分間作動することができる。
【0112】
実施形態では、レーザ照射器は、近赤外波長を有する放射線を出射する。実施形態では、正常組織を通ってエネルギーの貫通を可能にする近赤外領域(例えば、約670nm~約1200nmの波長の範囲)の放射線を最大限に吸収するように、ナノ粒子を設計することができる。実施形態では、これらの波長内で出射するレーザを適用すると、ナノ粒子は、このエネルギーを吸収し、熱に変換し、腫瘍の温度をアブレーション可能レベルに上げる。実施形態では、ナノ粒子誘発温熱療法の効果は、腫瘍及びその直近の領域に限られた温度上昇をもたらし、組織アブレーション領域を局所化し、周りの健康的な組織への損傷を減らすことである。実施形態では、レーザ照射器は、約805nm~約810nmの範囲の近赤外波長を有する放射線を出射する。実施形態では、約805~約810nmの範囲の波長により、ナノ粒子の吸収性を上げながら、組織の吸収性を下げることができる。実施形態では、約1000nmの波長を使用することができる。
【0113】
実施形態では、レーザ照射器は、組織の光熱凝固の誘発に不十分なパワーの放射線を出射する。実施形態では、光ファイバは、腫瘍内に非アブレーション赤外線を分配する拡散先端部を備える。実施形態では、レーザ照射器は、拡散先端部の約3.5W/cm~約4.5W/cmの放射線を出射する。
【0114】
実施形態は、本明細書に記載したようなレーザ治療に使用するキットに関する。図9A~9Gはキットの実施形態を示す。キットは、レーザ照射システムの1つ以上の部品を備える。実施形態では、図9Aに示されたように、充填材料を有する容器を設けることができる。実施形態では、キットは、図9Bに示されたような光拡散パックを備える。実施形態では、本明細書に記載したような光ファイバ先端部と、光ファイバコネクタとを有する光ファイバ202を備える。実施形態では、光拡散パックは、ファイバ及び/又は拡散先端部を保護する光ファイバシースを備える。実施形態では、キットは、図9Cに示されたような冷却剤供給部を備える。実施形態では、冷却剤供給部は、1つ以上の冷却剤槽、冷却剤入口導管、入口導管コネクタ、冷却剤回収バッグ、冷却剤出口導管、及び/又は、冷却剤出口コネクタの1つ以上を備える。実施形態では、キットは、レーザカテーテルアセンブリパケットを備える。実施形態では、レーザカテーテルアセンブリキットは、1つ以上のレーザカテーテルアセンブリ101を備える。実施形態では、レーザカテーテルアセンブリの導入プローブ113は、図9Dに示されたような保護シース122を用いて保護される。実施形態では、更に、図9Eに示されたように指図910(例えば、アセンブリ上又はレーザカテーテルアセンブリの使用)を備える。実施形態では、指図は、図1に示されたような図を備える。実施形態では、本明細書に開示されたようなレーザカテーテルシステムの使用方法が、指図の一部として示されている。実施形態では、図9Fに示されたように、パッキング材料の追加層がキットを覆うために使用されている。実施形態では、図9Gに示されたように、パッキング容器を、発送準備のできているキットを提供するために、冷却、封止することができる。図示はしないが、実施形態では、キットは、更に、冷却剤ポンプ、それに関連するトロカール及び装置、グリッドアセンブリ等を備える。更に、図9A~9Gに示された1つ以上の部品をキットから除くことができる。
【0115】
添付図面を参照し実施形態を示す。図は、一定の尺度で描かれているが、示されたもの以外の寸法及び比率が考慮され、これらは開示された発明の範囲内であることから、このような尺度に限定されることはない。距離、角度等は、単に例示的なものであり、示された装置の実際の寸法及びレイアウトと必ずしも正確な関係であることはない。部品を追加、削除、及び/又は、再配置することができる。更に、様々な実施形態に関連する本明細に開示された特別な特徴、態様、方法、特性、性質、品質、属性、要素等は、本明細に記載された他の全ての実施形態において使用することができる。本明細書に記載した任意の方法は、記載した工程を実施するのに適した装置を使用して実施することもできる。
実施例
実施例1:レーザカテーテル試験
【0116】
臨床診断中、冷却カテーテルレーザシステムのあるレーザ導入プローブの先端部が溶融し、組織への光の透過の損失により先端部が焦げたことが観察されている。この焦げにより、非特異的凝固及び熱固定が生じる。半球形状レーザカテーテル先端部を有する実施形態の加熱を、Visualase(登録商標)冷却カテーテルシステム(Cooled Catheter System (CCS))(グランド円錐先端部を有する)と並べて比較した。CCSの円錐先端部には、かなり熱が集中し、半球形状レーザカテーテル先端部の熱を超えていることが測定された。この実施例に記載された実験は、CCSの加熱が円錐先端部に集中していること、この加熱の3分の1から2分の1超がレーザ拡散ファイバ(Laser Diffuser Fiber: LDF)の端部損失の結果であることを示す。この結果は、Visualaseレーザ拡散ファイバと、同じ円錐Visualase冷却カテーテルシステム内の半球形状レーザカテーテル先端部を有する実施形態とを、同じ条件で使用することにより得られた。半球形状レーザカテーテル先端部を有する実施形態が使用された場合、放出熱は、同じVisualase円錐先端部カテーテルにおいてVisualase LDFが使用された場合よりも34~57%少ない。特定の理論に縛られることなく、Visualase LDFの端部と、円錐カテーテル端部とからの光の過剰な漏れは、装置を破壊するホットスポットの発生に寄与する。先端部の加熱の残りは、カテーテル自体の形状及び材料から生じる。CCSを用いた22~57℃の温度上昇とは対照的に、同様の実験条件での半球形状レーザカテーテル先端部の温度上昇は2℃未満であった。
試験構成
【0117】
Visualase CCSと、半球形状レーザカテーテル先端部を有するレーザカテーテルアセンブリとは、透明な2重内腔液冷16Gカテーテル内の固定された等方性拡散先端部光ファイバを用いて、互いに、同様に構成された。試験は、「最悪のシナリオ」を表す屋外で行われた。「最悪のシナリオ」とは、組織に対する熱結合及び/又は熱伝達がない状態である。熱結合及び/又は熱伝達は、先端部から熱の放出を補助する。CCSは、標準のVisualase冷却レーザ塗布システム(Visualase Cooled Laser Applicator System: (VCLAS))の一部として組み立てられた。11mのLDFの先端部は、CCS先端部の末端部の2mm以内に進められた。冷却剤入口及び出口には、室温水の1Lフラスコから供給されたVCLAS管セット(延長セットを含まない)が供給された。冷却剤は、Visualase K-pumpにより供給された。
【0118】
図10A、10Bの写真は、実施した実験の実験レイアウトを示す。冷却剤ポンプ307と、レーザ203とは、カート(図10Aの左側)に置かれ、冷却管セットを介して、CCS/LDFアセンブリ901に接続されていた。図10A、10Bの中心におけるサーマルカメラ900、調整可能なアームに取り付けられた小さな物体は、ラップトップコンピュータにより操作された。電源902も示されている。CCS/LDFアセンブリは、図10Bに示されたリングスダンドに吊り下げられている。レーザパワーメータは、図10Aの右側に示されている。
試験
【0119】
1.CCS/LDFアセンブリの加熱、空気中で測定した4.5、6.0、12.0Wレーザパワー、標準冷却剤流量。
【0120】
2.Visualase LDFの代わりに使用された18mmのAuroLase光ファイバ拡散器を有するCCSアセンブリの加熱。
試験条件
【0121】
空気:サーマルカメラによる迅速な測定を可能にし、熱伝導率の「最悪なシナリオ」を表す非生理学的条件。
【0122】
向き:全ての場合において、CCSアセンブリ901は、先端部を下方へ向けた状態で垂直に取り付けられた。
【0123】
レーザ出力:10mmの拡散器に4.5±0.1W、18mmの拡散器に6.0±0.1W、12.0±0.1W、2倍の標準レーザパワー(最大可能レーザ出力に近い)。
【0124】
基準冷却剤流量:7.9±0.2mL/分の室温(20~21℃)水。
CCS実験設定
【0125】
レーザ:ダイオメド(Diomed)15+#10000126
【0126】
冷却剤ポンプ:Visualase K-pump、特性#10000125
【0127】
冷却剤供給:標準AuroLase療法CSS
【0128】
光パワーオプトメータ:ギガヘルツ‐オプティック(Gigahertz-Optik)P9710-2 NBI 特性#10000242/243
【0129】
サーマルカメラ900:ICIモデル3720
【0130】
データ記録及び画像制御ソフトウエア:カスタムICA IRFlashアプリケーションを実行しているLenovo Ultrabook Yoga 2 pro
試験物
【0131】
カテーテル先端部から2mm進められたレーザ拡散ファイバを有する冷却カテーテルアセンブリ
【0132】
カテーテル先端部から2mm進められた18mm光ファイバ拡散器を有する冷却カテーテルアセンブリ
CCS/LDFアセンブリの加熱
【0133】
図11A及び11Bは、Visualase(登録商標)冷却カテーテルシステム(CCS)(グラウンド円錐先端部を有する:図11A)のデータと、本明細書(図11B)に開示されたような半球形状レーザカテーテル先端部のデータとを示す。図11Aは、3分間の4.5、6.0、及び、12.0Wのレーザ出力のCCSアセンブリの遠位端のピーク温度の上昇を示す。冷却剤の流れは、中断されず、7.9mL/分で設定され、室温(20℃)の1L槽から供給された。温度は、特徴的な一次過渡応答に従った。温度は、4.5Wで22°に上昇し、上昇は、6.0Wで28℃、12.0Wで57℃だった。最終温度での沈降は急速で、1.9~2.9秒の時定数で、全ての場合において、15秒以内で効果的に安定した。
【0134】
図11Bは、半球形状レーザカテーテル先端部を備えるレーザカテーテルアセンブリの加熱を示す。ここでの加熱条件は、図11AにおけるVisualaseシステムの前の照射の条件と一致する。比較すると、半球形状レーザカテーテル先端部を備えるレーザカテーテルアセンブリは、12.0Wの照射で、標準的な3分間の治療の間、温度が周囲温度より1.2~1.6℃上昇した。図11Bは、半球形状レーザカテーテル先端部を備えるレーザカテーテルアセンブリの加熱を示す。ここでの加熱条件は、アセンブリ#1(円形)及びアセンブリ#2(四角)について、基準(6.0W/18mm拡散器)及び2倍のレーザ出力である。アセンブリ#1及びアセンブリ#2は、同一条件で試験された2つの同一光ファイバ/レーザカテーテルアセンブリである。アセンブリは、室温水により8.0mL/分で冷却された。図11A及び11Bは、温度変化を詳細に明確に示すために、異なる尺度で描かれている。例えば、図11Bは温度の拡大図を示す。
【0135】
図12A、12Bは、CCS/LDFアセンブリの遠位端950及び6.0W照射の最後の偽カラーサーマルイメージを示す。図12C、12Dは、6.0W照射の最後での半球形状カテーテルの実施形態の遠位端の偽カラーサーマルイメージを示す。熱は、CCSの先端に集中し、この熱の温度は、52.4℃であり、周囲温度よりも28°高い。図12Bは、6.0Wの照射でのCCS/LDF先端部のクローズアップを示し、円錐先端部の末端における熱の蓄積を明確に示している。加熱が円錐先端部内に集中していることが図12Aから明確である。これは、図12BにおけるCCS先端部のクローズアップにより更に明確である。図12Bから、最も熱い部分はCCSの先端であることが明確である。図12C及び12Dから、熱が半球形状冷却カテーテルの先端部に蓄積されないことが明らかである。
2.CCS/OFDアセンブリの加熱
【0136】
異なるレーザカテーテルによる熱の発生は、2つの原因:光ファイバ拡散器と、カテーテルの材料及び構造とである。これら2つの寄与を区別するために、本明細書に記載したレーザカテーテルシステムの光ファイバ拡散器をCCSに置き換え、レーザ照射が繰り返された。
【0137】
図13は、Visualaseレーザ拡散ファィバの代わりに、本明細書に開示されたレーザ拡散器(18mmの拡散先端部を有する)の実施形態を用いたCCSの温度上昇を示す。図13は、3分間の4.5、6.0、及び、12.0Wのレーザ出力でのCCS/OFDアセンブリの遠位端部のピーク温度の上昇を記録する。冷却剤の流れは、中断されず、7.9mL/分に設定され、室温(20℃)の1L槽から供給された。温度は、また、特徴的な一次過渡応答に従った。温度は、4.5Wで9.4°に上昇し、6.0Wで12.3℃、12.0Wで38℃に上昇した。最終温度での沈降は、以前よりも遅く、2.2~4.8秒の時定数で、25秒以内で効果的に安定した。全体として、LDFからOFDへの変更により、発生熱は、4.5Wの出力で57%、6.0Wの出力で56%、12.0Wの出力で34%減少した。CCSの加熱は、円錐端部において圧倒的であることから、1)本明細書に開示された光拡散器に切り替えることによりもたらされる加熱の34~57%の低下は、拡散先端部からの端部損失の大幅な低下の結果であり、2)かなりの熱は、円錐先端部内に集中した光の結果である。
結論
【0138】
臨床処置中に、冷却カテーテルシステムの円錐先端部が溶融する傾向にあることから、組織への光の透過の損失により、先端部が焦げ、非特異的凝固及び熱固定が生じる。本明細書に記載した実験は、CCSの加熱が実際には円錐端部に集中していることを示す。この加熱の3分の1~2分の1超は、レーザ拡散ファイバの端部損失の結果であり、残りは、カテーテルの形状及び材料からである。比較すると、CCSでは、22~57°の温度上昇であり、略同一の条件下で、本明細書に記載したようなレーザカテーテルアセンブリの実施形態(例えば、半球形状先端部を有する本明細書に記載した実施形態)を用いた温度上昇は、2℃より小さかった。
実施例2:前立腺腫瘍の治療
【0139】
これは、単一グループの患者の単群研究である。研究の目的は、ナノ粒子指向レーザ照射を使用して前立腺組織の直接焦点アブレーションに対するMRI/US融合画像技術の使用の有効性を判断することである。
【0140】
患者集団は、MRIで視覚化され、MRI/US融合ガイド下生検(MRI/US Fusion Guided Biopsy)を使用して確認され低~中リスクの限局性前立腺癌を有する男性からなる。また、患者には、MRI画像で視覚化された領域の外側で超音波ガイド下生検により検出された疾患がない。
【0141】
この研究には1つの群/グループがある。最大45人の患者には、FDAクリアレーザと、間質性光ファイバとを用いたMRI/USガイドレーザ照射の12~36時間前に、静脈内に、AuroShell粒子を単回注入した。
【0142】
凝固懐死の出現から溶解作用による組織の再構築までの時間を考慮して、レーザ照射の48~96時間後に造影剤補強MRIによりアブレーションの有効性及び急性アブレーション量を評価する。MRI上の「ボイド」の出現が病変の収縮よりもより一般的に予想される。
【0143】
前立腺組織の集中アブレーションの有効性は、レーザ治療の90日後(主要エンドポイント)及び1年目後に、MRI/超音波ガイド下生検より評価される。標準治療の患者1人当たりの経過観察は、1年の経過観察を超えて6か月ベースで行われるが、最初の研究の範囲外である。
【0144】
ナノ粒子量:この研究では、AuroShellが使用されている。これらは金ナノシェルである。AuroShell量:各患者には、最大7.5mL/kgのAuroShell粒子が注入された。AuroShell粒子は、100光学濃度(約2.77×1011粒子/mL又は36mg粒子/kgの患者体重)に濃縮されている。AuroShell粒子は、標準的な非DEHP注入セットにより静脈内に投与され、研究者の裁量で120mL/時から基準600mL/時までで注入される。
【0145】
レーザ線量:レーザ照射は、粒子注入の12~36時間後に超音波ガイド下で行われる。等方性拡散先端部を有する水冷ジャケットにおける等方性ファイバは、経会陰アプローチ(transperineal approach)により挿入される。尿道は、尿道カテーテルにより食塩水(又は水)を巡回させることにより冷却される。810±10nmのレーザパワーの測定された出力の1cm当たりの5.0Wまでの長さの光ファイバ拡散器は、各治療部位に対して、4分間にわたって送達される。必要に応じて、レーザファイバが再配置され、別の領域が照射される。
包含基準
【0146】
患者は、前立腺の腫瘍の組織学的又は細胞学的証拠を記録している。患者は45歳以上である。患者又は患者の法定代理人は、インフォームドコンセントを読み、理解し、署名することができる。臓器は、MR画像で視覚化される臨床TIC又は臨床T2a前立腺癌を閉じ込めた。前立腺癌は、MR画像ガイド下生検によって診断される。グリーソンスコア≦7、前のMR/US融合ガイド下前立腺生検で2以下の陽性病変。標準的な生検コアが陽性であれば、それらは、MR病変が生検され、癌性であると証明されたものと同じ前立腺の場所からのものである(左/右、ベース、中腺、頂点)。前のMRIの結果は、アブレーション前120日以内のものであった。NCCNガイドライン(www.nccn.org)に従って、転移性疾患がない-PSA > 15ng/mlによる患者において、臨床T1及びPSA > 20又はT2及びPSA > 10 PSA < 15 ng/ml又はPSA密度 < 0.15 ng/mlの場合、骨スキャンは、r/o転移性疾患を示唆した。試験の性質及び代替治療の選択肢が説明された後、書面のインフォームドコンセントが患者に与えられている。
除外基準
【0147】
ペグ化金ナノシェル懸濁液(ポリエチレングリコール、金)のいずれかの成分に対する既知の過敏症による患者。同時の治験治療を受けている患者、又は、ペグ化ナノシェル粒子を投与する日の前に問題の治験治療の5半減期の期間内に治験療法を受けた患者。
導入
【0148】
前立腺癌は、男性に最も一般的に診断される癌である。2014年において、米国の約23万3千人の男性が前立腺癌と診断され、およそ2万9千人がその病気により死亡した。アフリカ系アメリカ人男性における前立腺癌の平均年間発生率は、非ヒスパニック系白人男性よりも60%高く、平均年間死亡率は、非ヒスパニック系白人男性の2倍以上であった。
【0149】
原発性前立腺癌に対する既存の治療法は、「監視療法」、外科的アブレーション、及び、放射線療法(近接照射療法を含む)を含む。これらの治療法は、勃起障害、尿失禁、直腸損傷などの重大な副作用がある。治療に伴う副作用を軽減、現在の疾患を根絶、又は、進行までの時間を遅らせる集中的な治療アプローチが必要とされている。
【0150】
組織の光学的性質は、光エネルギーの伝播深度を本質的に制限し、それにより集中的な治療を可能にする。エネルギー源から発生した熱は、本質的に拡散性があり、非特異性である。熱除去熱をミリメートルスケールで伝播させることは可能であるが、それは、腫瘍構造に特異的ではない。ナノシェル粒子は、より正確に局所化されたコンフォーマル療法の機会を提供し、ミリメートルスケールで腫瘍に特異的な損傷を与える。
【0151】
先験的なMRI融合画像に基づく超音波ガイドを用いたMRI融合画像アプローチにより、アブレーションの対象となる前立腺病変内又はそれに隣接して光ファイバカテーテルを正確に配置することができる。
【0152】
MRI融合画像と、その後のレーザカテーテルの指向性配置との併合は、前立腺組織の集中的な療法のためのナノシェル療法の有効性及び有用性を確立する手段を表す。MRI超音波融合アプローチは、MR/US融合技術の能力を考慮すると、超音波のみのアプローチを用いて特定された限界を解決する。
【0153】
1)治療前の標的計画、2)超音波を最初に使用した後、近接照射療法ステッパーを使用してカテーテルの配置を計画するための安全性の追加レベルとして使用されるガイド画像、これにより、アブレーションされる病変の近くにレーザカテーテルを正確に配置することができる。
【0154】
この方法は、頭頸部の扁平上皮癌、イヌメラノーマ、口腔の癌に使用することができ、イヌ及び人間の前立腺において、粒子指向性光熱エネルギーの本質的な集中的な性質を示す役割を果たす。画像治療法を導入することにより、正確に病変を治療することができる。更に、新生物組織と同じ場所に位置にする粒子の能力は、標的腫瘍に適合する病変のアブレーションを可能にする。
【0155】
ナノシェル療法の利点は、周囲の組織への損傷を最小限に抑えながら、選択性が高く且つ迅速に腫瘍を破壊し、最小限の毒性で潜在的に治療可能な腫瘍の治療を可能にするとことである。前臨床研究は、ナノシェル療法は効果的であり、検出可能な全身毒性を引き起こさないことを証明している。
治験装置及びシステム
【0156】
本明細書に記載したナノシェル及びレーザ照射システムは、レーザからの近赤外照射を用いて、固体腫瘍を破壊する。熱に蓄積したエネルギーの内在的な吸収及び伝達に依存する他のエネルギーアブレーション方法と異なり、腫瘍に体系的に搬送されたナノシェル粒子は、このレーザ照射の外因性の吸収体としての役割を果たし、腫瘍組織に特有の致死熱反応を起こす。
【0157】
ナノシェル療法は、3つの成分からなり:(i)近赤外レーザ光源(ii)腫瘍の近く及び/又は内側にレーザエネルギーを送るための侵入型ファイバ光プローブ(iii)ナノシェル粒子、レーザエネルギーを吸収及び熱に変換するように設計された近赤外吸収不活性材料。ナノシェル粒子は、全身的に送られ、腫瘍部位に選択的に集積し、その後、近赤外レーザにより照射される。粒子は、この照射を吸収し、熱に変換し、周囲の健康な組織への損傷を最小限に抑えながら、腫瘍と血管とを熱破壊する。腫瘍の血管周囲空間内への粒子の集積は、受動的であり、固体腫瘍の有窓新生血管特徴にのみ依存することから、ナノシェル療法を、以前に化学療法及び放射線療法を受けた患者に使用することができる。処置中、腫瘍の周りに配置された針熱電対を使用することにより、治療のマージンを観察することができる。実施形態では、これは、アブレーション領域の周りの温度を監視し、オペレータが重要な構造、又は、意図する標的組織の外側エリアを過加熱する危険性を最小限にすることができる。低温制御点(約45℃~約50℃の閾値)は、尿道、尿道括約筋、直腸壁など重要な構造の近くで使用され、これらの組織への損傷を防ぐ。
【0158】
ナノシェル療法は、再発する治りにくい頭頸部の癌と転移性の肺腫瘍とに役立つ。
【0159】
この研究には1つの群/グループがある。最大45人の患者は、FDAクリアレーザ及び侵入型レーザファイバを用いた超音波ガイドレーザ照射の12~36時間前に、ナノシェル粒子の単回静脈注入を受ける。急性の効き目及びアブレーション量は、コントラストが高められたMRIにより評価される。この評価は、溶解作用による組織の再構築前に、凝固懐死の出現のための時間を考慮して、レーザ照射の48~96時間後に行われる。
【0160】
ナノシェル/レーザカテーテル治療は、近赤外エネルギーを用いて固体腫瘍を光熱アブレーションするためのシステムである。システムは、侵入型ファイバ光プローブを利用し、FDAクリアレーザにより出射された近赤外エネルギーを、固体腫瘍の近く及び/又は内側の部位に送る。熱に蓄積したエネルギーの内在的な吸収及び伝達に依存する他のエネルギーアブレーション方法とは異なり、腫瘍に体系的に搬送されたナノシェル/レーザカテーテル療法粒子は、このレーザ照射の外因性の吸収体としての役割を果たし、腫瘍組織に特有の致死熱反応を起こす。
【0161】
ナノシェル/レーザカテーテル療法は3つの要素からなる。(i)近赤外レーザ光源(ii)腫瘍の近く及び/又は内側の部位にレーザエネルギーを送るための侵入型ファイバ光プローブ(iii)ナノシェル粒子、レーザエネルギーを吸収し、熱に変換するように設計された近赤外吸収不活性治験材料。
【0162】
ナノシェル/レーザカテーテル療法は、FDAクリア臨床レーザと、経皮的にエネルギーを送る侵入型ファイバ光プローブと、を使用することができる。FDAクリア臨床レーザは、所望のパラメータ(エネルギー、デューティ周期、サイクルタイム)により、近赤外エネルギーを出射する。この研究で使用されたナノシェル粒子は、金の金属シェルと、非導電性又は絶縁性のコアとからなる。このコアは、ファイバにより送られた近赤外エネルギーの外因性の吸収体としての役割を果たす。
【0163】
この研究におけるナノシェル/レーザカテーテル療法は、FDAクリアレーザと、赤外エネルギー源として、Diomed 15-PLUS (K013499)又はLiteCure, LLC (K093087)と、侵入型液体冷光ファイバ光源と、を使用する。
【0164】
ナノシェル/レーザカテーテル療法に含まれるステップは、(i)~(iii)の1つ以上を有することができる。(i)ナノシェル粒子の静脈内注入(ii)Enhanced Permeability and retention: EPR効果による腫瘍内のナノシェル粒子の集積を可能にする12~36時間の遅延(iii)連続波(CW)又はパルスコヒーレント光によるエリアの照射。この照射は、例えば、800~815nmの間の所望の波長で、最大4分間、最大5.0Wの平均放出出力(1cmの等方性拡散放出を想定)で行われる。エリアにおけるナノシェル粒子は、光を吸収し、金属シェルは、吸収した光を熱に変換し、腫瘍の熱アブレーションに十分な熱を生成する。アプリケータは、外部に配置する、又は、間質的若しくは内視鏡的に挿入することができ、コリメート又は分散ファイバ先端部を使用することができる。
【0165】
この研究に使用されているナノシェル粒子は、金属シェルと、非導電性又は絶縁体コアとからなる。所望の波長で光を吸収又は散乱させるように、これらの粒子を設計及び構成することができる。この「同調性」は、金属シェルと、非導電性コアとの厚さの比率を変えることにより達成される。粒子の外側シェルは、金からなり、埋め込み材料又は埋め込み装置のコーティングとして、特定の形状で生体内での長い使用の歴史を有する。非導電性コアは、シリカであるが、任意の絶縁材料からなることもできる。癌治療のために、ナノシェル粒子は、光が人の組織により十分に吸収されない波長で赤外光を吸収するように設計されている。人の組織は、750nm~1100nmの範囲で最小限の吸収性を有し、「ウォーターウィンドウ」又は「組織光ウィンドウ」と呼ばれている。固体金ナノ粒子及び微小粒子は、組織により吸収された波長で光を吸収することから、金コーティングされたナノシェル粒子を、この「組織光ウィンドウ」内で光を吸収又は拡散するように設計することができ、新しい生体内適用を可能にする。
【0166】
この研究で使用されているナノシェル粒子は、固体シリカ(二酸化ケイ素)コアに堆積した薄い金シェルからなる。この金シェルの厚さは、10~20nmである。食塩水環境中の粒子の凝集を防止し、生体内での立体障害を提供するために、5000分子量(MW)のメトキシ‐ポリエチレングリコール(PEG)鎖は、チオール(硫黄)結合を介して結合されている。PEGコーティングは、等張性の水溶液中のナノシェル粒子の安定性を改善し、投与時の循環半減期も改善することができる。本明細書に報告されている研究では、粒子は、所望のレベル(一般的には、0.1体積%未満)に濃縮され、注入のために等張液中に懸濁される(水中10%トレハロース)。
作用メカニズム
【0167】
レーザ及び無線周波数アブレーション装置は、エネルギーの放出により組織を熱破壊するために使用される。このエネルギーの放出は、血液還流熱拡散により、エネルギーを放散する組織の能力を超える速度で行われる。また、レーザは、組織又は血液内で発色団により自然に吸収された波長でエネルギーを提供する。ここでは、天然の吸収剤として組織又は血液の特性を利用し、光を熱エネルギーに変換する。その結果、細胞が熱凝固又は組織が熱固定され、血管系が破壊される。
【0168】
ナノシェル粒子は、静脈内に注入され、腫瘍に関連した有窓血管構造の結果として、腫瘍間質に集積することが知られている。この集積方法は、他の粒子により確立されており、ERP効果と呼ばれている。ナノシェル粒子の静脈内注入後の腫瘍組織のSEM分析は、粒子の集積が優先的に腫瘍血管系の近くであることを示している。
【0169】
ナノシェル粒子は、近赤外エネルギーを吸収し、表面プラズモン共鳴により近赤外エネルギーを熱に変換するように設計されている。ナノシェル/レーザカテーテル療法により利用された近赤外線量レベルは、ナノシェル粒子の存在なしで、腫瘍又は正常組織に著しい損傷を引き起こすものより低い。組織におけるナノシェル粒子の存在下では、近赤外線量は、光熱凝固に十分な熱反応を起こし、細胞死をもたらす。これは、FDAクリア塞栓症ミクロスフェアと同様の方法で腫瘍血管系の破壊又は閉塞を含むことがある。
ナノシェルの準備
【0170】
この研究で使用されているナノシェル粒子は、80mL単位で無菌IVバッグに入れられ、2~8℃で維持されている。注入のために、パッケージは、冷蔵から取り出され、30分間室温に暖められる。材料を均等に分散させるために、バッグは、優しくもまれる又は振られる必要がある。注入用チューブを、C-Flex、非DEHP、医療用グレードチューブとする必要がる。1.2マイクロフィルタ(Pall TNA1又は同等品)を、注入チューブと患者のカテーテルとの間に取り付ける必要がある。
粒子量及び投与
【0171】
ナノシェル粒子は、600mL/時(10mL/分)で注入される。投与の3日前から投与の6時間後の間、粒子を腫瘍に最大限に集積させるために、血管収縮薬が回避される。各患者は、最大7.5ml/Kgのナノシェル粒子の静脈内注入を受ける。このナノシェル粒子は、100光学濃度(患者体重の約2.77×1011粒子/mL又は36mg粒子/kg)に濃縮されている。
レーザ応用
【0172】
レーザ照射は、粒子注入の12~36時間後、MRI/US融合ガイド下で行われる。尿道カテーテルを通って食塩水(又は水)を循環させることにより、尿道を冷却させることができる(通常6~10mL/分)。封入されたカテーテルにおける等方性拡散先端部を有する光ファイバは、14G針/カニューレ導入器を用いる経腹膜アプローチを用いて、間質的に挿入される。各治療部位について、最大5.0Wの810±10nmのレーザパワーの測定出力が最大4分間放出される。必要であれば、レーザファイバを再配置することもでき、別の領域を照射することもできる。
【0173】
具体的な手順は、AuroLase療法(IFU)の取り扱い説明書に記載されているが、手順の概要は以下の通りである。
【0174】
使用の前に、レーザを較正し、レーザファイバを通って出力した最大5.0W/cmの平均出力までレーザを確かめる。使用の前に、レーザファイバの冷却システムが適切に機能しているかを確かめる。超音波ガイドを用いて、治療される指標病変の近くの前立腺に針/カニューレ導入器を挿入し、尿道及び他の重要な構造を回避する。MRI生成された融合画像は、レーザ配置のガイドには使用されず、超音波ガイドによる配置の確認機能のみを果たす。導入器から針を引き抜き、それをレーザカテーテルと交換する。カニューレを引き抜き、レーザカテーテルの出射部分を露出させる。敏感又は重要な構造(例えば、尿道、前立腺カプセル、又は、神経束)に対し標的病変が近接していると、治療領域付近の温度を観察するために、針熱電対は、レーザカテーテルと共に臨床医の判断により挿入される。ファイバを配置し、前立腺内の領域を最大4分間照射する。治療される病変のサイズにより示されると、照射長よりも短い2mmの距離でファイバを引き出し、新しい領域を照射する。全病変を照射するように、要求に基づき、繰り返す。別の標的病変が治療されると、新たな部位でステップを繰り返す。単一の標的病変が治療されると、研究者は、反対側の前立腺半球で単一レーザ治療を行い、レーザ治療のネガティブ制御として機能する(即ち、腫瘍組織の脈管構造へ粒子が集積しなくても通常組織に対する熱損傷がない)。前立腺の各半球に1つずつの2つの病変を治療する場合、このネガティブコントロール手順は実施されない。研究者の判断により、レーザ治療中に尿道を冷却するために、フォーリー(Foley)カテーテルが使用されると、熱誘発性浮腫の結果として、尿道の閉塞を防ぐために残る可能性もある。フォーリーカテーテルは、4、5日目の経過観察MRIまでその場に残ることもある。
【0175】
全身検査(一般的な外観、皮膚、首、耳、目、鼻、喉、肺、心臓、腹部、背中、直腸、リンパ節、手足、神経学的状態)は、ベースライン及び90日の経過観察で行われる。
【0176】
経過観察MRI融合生検は、90日の経過観察訪問で行われ、腫瘍アブレーションの有効性と、前立腺組織の局所アブレーションの有効性とが判断される。腫瘍アブレーションの有効性の判断は、治療領域内の生存する癌細胞の存在を確認することにより行われる。患者は、医師の治療を考慮して、1年及び6か月後に標準的な生検による再評価を受ける。これは、MRI/US融合生検と、標準的な12コア生検とを含む。
結果
【0177】
患者は、治療の6ヶ月後、腫瘍の大きさが70~80%減少している。25%の患者では、前立腺癌が完全に根絶している。50%の患者では、副作用もなく、通常の前立腺機能が維持されている。
実施例3:頭頸部の腫瘍の治療
頭頸部の難治性及び/又は再発性腫瘍を有する患者におけるAuroLase療法のパイロット研究
【0178】
これは、頭頸部の難治性及び/又は再発性腫瘍を有する患者の治療における、AuroLase療法のオープンラベル、多設備、単回投与のパイロット研究である。5人の患者からなる3つの治療グループを、それぞれ登録し、治療後6か月間観察する。各グループは、AuroShell粒子の単回投与を受ける。最初のグループで予期せぬ装置の重大な悪影響が観察されない場合は、2番目及び3番目のグループで、この量を67%まで増やすことができる。各グループのレーザ照射は、2番目及び3番目のグループのための段階的なレーザ線量測定による1つ以上の間質性照射(腫瘍サイズに基づく)からなる。
【0179】
5人の患者の最初のグループは、この粒子は、100光学の濃度に濃縮された4.5ml/KgのAuroShell粒子(約1.3 x 10^12 粒子/Kg又は20 mg 粒子/Kg)の最低レベルの治療により治療される。1cmの拡散先端部を有する水冷ジャケットにおける等方性ファイバは、腫瘍内及び/又は腫瘍の近くに間質的に挿入され、800~810nmのレーザパワーの最大3.5Wまでの測定平均出力は、75%のデューティサイクル、毎秒1.25パルスで最大4分の間放出される。元の位置から1cmの距離にファイバを再配置することもでき、適切な予防策により、腫瘍の他の側面、又は、異なる腫瘍を照射する。ファイバの配置点において、推定厚が1.0cmを超える腫瘍の場合、ファイバをカテーテル内に後退させることができ、腫瘍の塊を照射する。
【0180】
最初の3人の患者の治療後、各患者の安全性データ(治療4週間後の訪問からのデータを含む)は、FDAの要求により提出される。予期せぬ装置の悪影響がない場合は、他の2人の患者(研究の最初のグループにおいて、全部で5人の患者)について、登録と治療とが続けられる。これらの2人の患者は、4.5 ml/Kgの最低濃度で治療されている。最初のグループにおいて、AuroShell量に関係する予期せぬ装置の悪影響が観察されない場合は、AuroShell量は、第2及び第3のクループのために、4.5 ml/Kg~7.5 ml/KgのAuroShell粒子(約2.1 x 10^12 粒子/Kg又は34 mg粒子/Kg)に増加する。ここでのAuroShell粒子は100光濃度に濃縮されている。
【0181】
最初のグループにおいて、予期せぬ装置の悪影響が観察されない場合は、5人の患者の第2の治療グループのために、75%のデューティサイクル、毎秒1.25パルスで、最大4分間放出された800~801nmのレーザパワーの4.5Wの測定平均出力に、レーザ照射を増加させることもできる。
【0182】
2番目のグループにおいて、AuroLase療法に起因する予期せぬ装置の悪影響が観察されない場合は、5人の患者の第3の治療グループのために、100%のデューティサイクル(連続波)で、最大4分間放出された800~810nmのレーザパワーの5.0Wの測定平均出力に、レーザ照射を増加させることもできる。
【0183】
各治療グループでは、AuroShell粒子は、最初の15分間2ml/分で静脈に投与され、その後、最大10ml/分まで増える。AuroShell粒子の投与の約0.5、2、4、8、24及び48時間後、2mlの血液サンプルが得られ、粒子の濃度は、動的光拡散分析(DLS)及び中性子放射化分析(NAA)により決まる。
【0184】
粒子の静脈注入の約12~36時間後、標的腫瘍は、記載した通り、レーザにより照射される。標的病変のAuroLase療法後、生検が行われ、金の集積が中性子放射化分析により測定される。
【0185】
レーザ治療の1日後の観察に加え、患者の経過観察は、1週目、2週目に行われ、その後、治療後6ヶ月間は、1ヶ月に1回行われる。
【0186】
米国では、年間約4万6千件の頭頸部の癌が診断され、年間約1万1千人の死亡者がいる。手術、放射線療法、及び、化学療法を含む多くの領域にわたる治療努力にもかかわらず、残念ながら、5年生存率は、ここ数年で効果的に改善していない。これらの治療努力は、全て患者に対する実質的な疾患率に関係している。
【0187】
ナノシェル療法を使用することができ、レーザからの近赤外照射を用いて選択的に固体腫瘍を破壊する。腫瘍に全身的に搬送された粒子は、このレーザ照射の外因性の吸収剤としての役割を果たし、熱反応を起こす。
ナノシェル
【0188】
ナノシェル(例えば、Auroshell)は、シリカコアと、官能基分子と、金の薄膜とを備える。シリカコアの直径は、約110~125nmである(金シェルを含む粒子の全直径は、140~170nmである)。官能基分子は、金コロイドをシリカ、APTES(3‐アミノプロピルトリエトキシシラン)に付着させる。金の薄層(厚さ10~20nm)は、シリカコアの官能基化表面に固定されている。シリカコアに金シェルを付着させるプロセスは、直径2~6nmの小さなコロイド金ナノ粒子の製造と、これらのナノ粒子のAPTESに存在するアミノ基への結合と、を含む。これらのコロイド状ナノ粒子は、ホルムアルデヒド(HAuCl4)を還元するための各形成部位として働き、シェル層を完成させる。金シェルは、約95%の粒子質量を占める。表面へ5000MWのPEGチオール層が付着する。
量及び投与
【0189】
EPR効果及びAuroLase効能を高めるために、投与の1時間前に、ブランケット又は加熱パッドにより、患者の体温を高める必要がある。加熱パッドは、腫瘍エリアに適用される。腫瘍が口腔内、又は、口若しくは食道の近くにある場合は、冷たい飲み物を避ける必要がある。
【0190】
AuroShell粒子は、注入の最初の15分間、毎分2mlで静脈内に投与され、残りの注入では、毎分10mlまで速度を上げる。血液サンプルは、AuroShell粒子の血液クリアランスを決めるために、0.5、2、4、8、24及び48時間で採取される。
【0191】
投与後、最初の6時間の間、最大限の効果を得るために、血管収縮薬は避ける必要がある。5人の患者の第1グループは、4.5ml/KgのAuroShell粒子(約1.3 x 10^12 粒子/Kg又は20 mg粒子/Kg)の静脈内注入を受ける。この粒子は、100光密度に濃縮されている。第1グループにおいて、AuroShell量に関連する予期せぬ重大な悪影響が観察されない場合、第2及び第3グループについて、AuroShell量を、4.5ml/Kgから7.5ml/KgのAuroShell粒子(又は、約2.1 x 10^12粒子/Kg又は34 mg 粒子/Kg)に増やす。AuroShell粒子は100光密度に濃縮されている。
レーザ応用
【0192】
AuroLaseシステムの適切な操作の較正及び検証は、レーザ処置を開始する前に行われ、以下に要約される。MRI、CT、又は、同様の画像技術に基づいて、腫瘍領域は、外科医によりグリッドにマッピングされ、推定腫瘍マージンの外側の最大1.0cmまでエリアの系統的なレーザ露光を可能にする。この技術は、レーザ応用1回当たりの推定1cmの組織治療量に基づいている。AuroShell注入の12~36時間後の時点で、患者は治療の準備をする。医師の判断に従って、患者を鎮静化させ、又は、患者に麻酔をかけることもできる。レーザ及び冷却剤ポンプは、接続され、インターロックケーブルと共に接続されている。光ファイバは、レーザに接続され、カテーテルにねじ込まれている。無菌食塩水バッグ(1L)は、吊り下げられ、レーザファイバ冷却チューブセットに接続されている。レーザファイバ冷却チューブは、蠕動冷却剤ポンプを介して導かれ、カテーテルの入口に接続されている。ドレインチューブは、カテーテルの出口及び流体回収バッグに接続されている。冷却剤ポンプを作動させ、冷却ラインを準備する。レーザ設定は、所望の平均パワー放出するように調整される必要がある。ファイバのパワー出力は、カテーテルを積算球体オプトメータに取り付けられた無菌チューブに挿入することにより、確認される。レーザパワーノブ(LASER POWER knob)は、仕様通り、平均出力パワーを出すように調整されている。侵入型カテーテルは、14ゲージ導入カテーテルを用いて治療される腫瘍の近く(約1cm以内)に配置され、腫瘍の播種を回避する。レーザは、所定時間照射され、その後、ファイバは、再配置され(グリッド座標を変更する場合は、新たな導入器を使用)、前もってマッピングした通り、腫瘍の追加領域を照明し、レーザを再照射する。患者の標的病変へのレーザ照射直後、少なくとも6mgの腫瘍組織を提供する生検(長さ1cmの18ゲージTru‐Cut針生検又は同様の技術)が行われ、中性子放射化分析により、金集積を測定する。1人の患者に対し複数の腫瘍が治療されている場合は、生検は、奇数番号の病変(1、3、5など)対してのみ必要となる。
終了点
【0193】
各患者について、最大5つの指標病変が特定された。指標病変とは、直接検査(ファイバオプティック鼻咽頭鏡検査又は喉頭鏡検査による検査が許可されている)及び生検に利用できるものである。各指標病変は、従来の技術を用いて最長直径≧15mmを有する少なくとも1つの寸法、又は、スパイラルCTスキャンを用いて最長直径≧10mmを有する少なくとも1つの寸法を有し、中性子放射化分析による評価のために、生検(長さ1cmの18ゲージTru‐Cut針生検又は同様の技術)により少なくとも6mgの腫瘍組織を提供することができる。腫瘍の測定は、物理的な測定、及び、病変に適した画像技術、例えば、CT、MRI、X線から評価される。ベースライン測定は、AuroLase療法のできるだけ近くで行われる。最大5つの測定可能な病変の全ては、標的病変として特定され、ベースラインで記録され、測定される。標的病変は、それらの大きさ(最長直径を有する病変)と、正確に測定を繰り返すためのそれらの適合性(画像技術又は臨床)に基づいて、選択される。全ての標的病変の最長直径(LD)の合計が計算され、ベースライン合計LDとして報告される。ベースライン合計LDは、基準として使用される。この基準は、目標腫瘍を特徴づけるためのものである。
【0194】
全ての他の病変(又は病気の部位)は、非標的病変として特定され、ベースラインで記録される。これらの病変の測定は必要ではないが、経過観察によりこれらの病変のそれぞれの存在は記録される必要がある。
結果
【0195】
患者は、治療6か月後で腫瘍の大きさが60~80%減少する。15%の患者では、癌が完全に根絶されている。40%の患者では、副作用が報告されず、通常の前立腺機能が維持されている。
実施例4
【0196】
以下の研究は、本明細書に記載したレーザカテーテルアセンブリの実施形態によりナノ粒子(AuroShell)を利用して達成した結果について記載する。
【0197】
クリアFDA IDE下で頭頸部癌を有する11人の被験者に対して行われたAuroLase療法の完了したパイロット研究(例えば、本明細書に記載したようなナノ粒子の使用及びレーザカテーテルアセンブリによる照射)は、粒子搬送及びレーザ処置のいずれにも安全性に関する問題がないことを明らかにした。
【0198】
同様に、生検により診断された前立腺癌の22人の被験者に対して行われたAuroLase療法のパイロット研究は、粒子搬送及びレーザ処置のいずれにも重篤な副作用が生じないことを結論付けた。現在の研究では、合計33人の被験者がAuroShell(登録商標)粒子の注入を受け、更に26人が関連するレーザ治療を受けており、重篤な副作用は報告されていない。
【0199】
前臨床安全性は、動物実験における生体外及び生体内でのAuroShell(登録商標)粒子に確立されている。概念実証研究は粒子を用いて行われた。これらの粒子は、脳内の接種腫瘍に対して全身的に送られ、マウスにおいて同所性に増殖したイヌ前立腺及びヒト前立腺腫瘍に直接注入された。
【0200】
動物及びヒトの基本的な安全性が確立されたことにより、現在の研究の焦点は、本明細書に記載したようなレーザカテーテルを用いて、ナノシェル及びこれらのナノシェルのサブアブレーション赤外線照射による治療の効果を判断することである。22人の患者のパイロット研究において、治療は、前立腺疾患に苦しむ患者に行われた。22人全ての患者には、3つの異なる量でナノシェルが注入された。これらの患者の15人は、その後、レーザ処置を同様に受けた。異なる研究において、更に13人の患者にナノシェルを注入され、その後、腫瘍組織の超音波ガイドレーザアブレーションが行われた。
【0201】
この試験は、安全性トライアルとして考えられ、組織されているが、組織病理学的分析には、質の異なる多数の全載前立腺切片が利用可能であった。これらの分析から、治療効果について追加の結論を引き出すことができた。
【0202】
前立腺研究は、メキシコ健康安全委員会、COFEPRISの主催により行われた。この研究は原発性アブレーション可能前立腺癌の患者の治療におけるAuroLaser療法の非盲検、多施設、単回パイロット研究として行われた。前立腺全摘除術が予定されていた患者のみを登録した。トライアルは2つの群に分けられた。グループ1:予定された前立腺全摘除術の1日前にAuroShell粒子が注入された患者。グループ2:患者がレーザ治療の1日前及び予定された前立腺全摘除術の5±1日前にAuroShell粒子の注入を受けた患者。患者には、粒子注入後、6ヶ月間経過観察が行われた。経過観察は、バイタルサイン、血液学、血液化学、及び、尿検査の定期的なチェックを含む。グループ1において、合計7人の患者が研究を完了し、グループ2において、合計15人の患者が研究を完了した。
前立腺結果
【0203】
2011年1月から2012年7月の間、メキシコで22人の前立腺患者を登録した。各患者には、臨床AuroShell粒子(本明細に記載されているようなナノシェル)が注入され、これらの患者の15人には、AuroLase療法レーザ治療が施された。安全性の結果とは別に、結果に基づいて2つの一般的な結論が出された。1)狭い範囲のパワー設定では、レーザエネルギーは、確認できない熱損傷から、幅最大1cmの熱損傷に進む。2)核放射化分析(Nuclear Activation Analysis: NAA)は、正常な前立腺組織とは対照的に、前立腺腺癌においてユーロシェル粒子集積が増えたことを示す。
有害事象
【0204】
AuroLase療法の注入要素に起因した有害事象は2つだけであった。注入時に明らかなアレルギー反応を経験した患者。この患者は、静脈内投与で回復した。上胃部の灼熱感の一つの症状を経験した患者。この患者には、治療は行われず、自発的に回復した。レーザ治療に起因した有害事象はなかった。
注入及びレーザ量
【0205】
全ての患者に、同じ7.5mL/kg(100OD)粒子を注入した。これは、粒子量を重量によって、血液量によって量る。グループ2の15人の患者は、注入の翌日にレーザ治療を受けた。経直腸的な超音波プローブを使用して、前立腺の各半球の皮質内に光ファイバーシステムを一箇所配置した。各半球内の光ファイバカテーテルの位置は、針生検により示された最高のグリーソンスコアの位置に基づいて調整された。レーザ治療の目的は、腫瘍組織をアブレーションするが健康な腺をアブレーションしないレーザ量を開発することにより、処置の安全性を実証することであった。これは安全性の研究であったが、最適なレーザ照射量に基づいて各部位で3分間照射されるレーザ照射量を3.0W~3.5Wで変化させることによる有効性の洞察が確立された。合計で6人の患者が3.5W以下で治療された。15人のレーザ治療を受けた患者では、この量は、3分間で放出された5.0W(3人の患者)まで増分的に増加され、その後、各治療部位(6人の患者)で3分又は4分間で放出された4.5Wに減少した。
メキシコ研究の限界及び結果の解釈
【0206】
安全性の評価としては、かなり満足できるものであるが、メキシコの前立腺研究は、以下の方法で治療効果を判断する能力に限界があった。
【0207】
1)トライアルのために患者を診断及び病期分類するために使用された標準的な12パンチ生検は、患者の腫瘍の数、範囲、又は、特定の位置の正確なマッピングを提供しなかった。
【0208】
2)利用可能な小型の携帯用超音波システムは、特定の前立腺半球の一般的な領域にレーザカテーテルを挿入するのに十分敏感であるが、レーザカテーテルを腫瘍内又は腫瘍に隣接して確実に配置するミリメートルスケールの分解能を提供しなかった。この分解能は、全ての場合において、超音波システムでは見えない。
【0209】
3)所定の症例についての固定、切断、埋め込み、搬送、評価、及び、報告のロジスティックスは、その後の症例の治療パラメータを調整するのに十分な情報を提供することはほとんどなかった。
【0210】
4)研究が行われた私立クリニックは、レーザ治療された前立腺の個別の不完全な切片の全載スライドを提供することができた。
【0211】
図14A~14Iは、15人のレーザ治療患者(>3.5W:スケールバー=1cmで治療した患者)の最後の9人の代表的な全載切片を示す。これらのH&E(ヘマトキシリン及びエオシン)切片は、前立腺1000内の存在する腫瘍組織1001と、光ファイバの配置1002と、結果として生じる凝固懐死ゾーン1003との間の空間的関係を示す。患者208及び210~215については、少なくとも1つのレーザファイバの配置は、腫瘍の領域内又は腫瘍に隣接していた。一般的に、4.5Wレベルでの治療により、腫瘍境界に一致して凝固懐死が生じたが、一般に正常腺では生じなかった。5.0レベルでの治療では、一般的に、熱損傷を起こす傾向があった。前立腺カプセルが凝固懐死性ゾーンによって破られたことはないことが更に注目される。
【0212】
図14Aは、3分間の4.4W照射を示し、正常腺には損傷はなかった。図14Bは、3分間の4.4W照射を示し、正常腺には損傷はなかった。図14Cは、3分間の5.0W照射を示し、正常腺には特定の損傷はなかった。図14Dは、3分間の5.0W照射を示し、正常腺には損傷がなく、癌腫の周りにも特定の損傷はなかった。図14Eは、4分間の4.5W照射を示し、2次部位(1002)には損傷がなく、腫瘍境界(1003)に一致する損傷ゾーンを示す。図14Fは、4分間の4.5W照射を示し、通常腺には損傷がなく、癌腫の周りにも損傷はない。図14Gは、癌腫及び正常組織に重なる熱損傷、出血により増強された正常腺における熱損傷を伴う3分間の4.5W照射を示す(左上領域、1003)。図14Hは、3分間の4.5W照射を示し、正常腺における熱損傷を示す。図14Iは、3分間の5W照射を示し、正常腺における熱損傷(矢印領域、1003)を示す。
【0213】
図15は、NAAにより判断されたように、患者210、211(図14D、14E参照)から採取した代表的なサンプル中のAuroShell粒子の相対的集積を示す。選択されたサンプルは、グリーソンスコアから判断されるように腫瘍グレードがそうであるようにかなり変化するが、明らかに腫瘍組織中の粒中により大きな集積がある。
治療効果を実証するための概念
【0214】
組織の光学特性は、光エネルギーの伝播深度を制限し、それにより、正確な焦点治療を可能にする。エネルギー源から発生した熱は、本質的に拡散性及び非特異性を有する。アブレーション熱をミリメートルスケールで伝播させることは可能であるが、それは腫瘍構造に特異的ではない。AuroShell粒子は、より正確に局所化されたコンフォーマル療法の機会を提供し、ミリメートルスケールで腫瘍の特異的な損傷をもたらす。MRI融合画像アプローチは、アブレーションの対象となる指標前立腺病変内又はそれに隣接した光ファイバカテーテルの正確な配置を可能にする。MRI融合画像アプローチは、先験的なMRI融合画像に基づく超音波ガイダンスを使用する。
治療効果を実証するための詳細
【0215】
粒子指向治療は焦点を絞ることができる。4.5~5.0W/cmの狭い範囲のレーザパワーの設定では、正常な腺組織を補修し、粒子含有腺癌及びBPHを熱でアブレーションするために光熱治療を行うことができる。
【0216】
粒子の存在に起因する増強された光吸収の結果として、AuroLase療法は、3~4分間の治療時間の経過にわたり標的組織を55~65℃に上昇させることによって光熱損傷を起こすことができる。これらの温度プロファイルは、凝固懐死性領域を生成する。この領域は、何日もかけて再顆粒化し、溶解する。溶解しない傾向である熱固定病変と反対に、ほとんどの病理組織学的検査では生きているように見える。光熱アブレーションの結果は、治療後48~72時間以内に完全に実現され、MRI下で観察可能である。
【0217】
粒子の集積は、血管や細胞壁の細胞表面バイオマーカーではなく、血管新生に基づくことから、AuroLase療法は、化学療法や放射線療法の直後(又はその前)に実施することができる。AuroLase療法の有効性が以前の療法の影響を受けるという証拠はまだない。
要約
【0218】
安全性の問題は、粒子の安全性とレーザ放出との観点から答えられた。
【0219】
MRI融合画像と、それに続くレーザカテーテルの配置との併合は、限局性前立腺疾患の治療のためのAuroLase療法の有効性及び有用性を確立する手段を表し、AuroLase療法の利用における論理的な次のステップを表す。MRI超音波融合アプローチは、以下のことが可能であることから、AuroLase療法の前の研究で特定された限界を解消するために役立つ。1)治療前の目標計画、2)アブレーションされる指標病変の近くにレーザカテーテルを正確に配置するためのガイド画像。
【0220】
治療される指標病変に一致する集中アブレーションのために、リアルタイムに近い熱データ(理想的にはMRTI)と組み合わせた前立腺内の光ファィバーカテーテルの3次元局在化は、適切な治療パワーを確認し、治療時間を延長又は短縮することができる。
【0221】
頭頸部の扁平上皮癌、イヌのメラノーマ、及び、口腔の癌、並びに、イヌ及びヒトの前立腺における全ての試験は、粒子指向性光熱エネルギーの焦点性質を実証する。画像療法を組み込むことにより、正確な病変治療が可能になる。更に、新生組織に同位置する粒子の能力は、標的腫瘍に適合する病変アブレーションを可能にする。
【0222】
AuroLase療法の潜在的な利点は、周辺組織への損傷を最小限に抑えながら、選択的且つ迅速に腫瘍を破壊することであり、最小限の毒性で潜在的に腫瘍の治癒的な治療を可能にする。前臨床試験は、AuroLase療法が効果的であり、検出可能な全身毒性を引き起こさないことを実証している。
【0223】
要約すると、腫瘍を治療するための方法、システム、及び、装置の様々な実施形態及び実施例が開示されている。方法、システム、及び、装置は、それらの実施形態及び実施例で開示されているが、当業者であれば、このような開示が具体的に開示された実施形態を超え、他の変形実施形態及び/又は他の実施形態の用途、並びに、それらの変形例及び均等物に及ぶことを理解されたい。例えば、方法のいくつかの実施形態は、他の種類の装置及びシステムと共に使用されるように構成されている。本開示は、開示された実施形態の様々な特徴及び態様が互いに組み合わされる、又は、変えられることを明示する。従って、本開示の範囲は、上記した特定の開示された実施形態に限定されるべきではなく、添付の特許請求の範囲又は将来的に提示される特許請求項の範囲の公平な解釈によってのみ判断される必要がある。
図1
図2A
図2A1
図2A2
図2B
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図6A
図6A1
図6A2
図6A3
図6A4
図6B
図6B1
図6B2
図6B3
図6B4
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図7F
図7G
図7H
図7I
図7J
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図8F
図8G
図9A
図9B
図9C
図9D
図9E
図9F
図9G
図10A
図10B
図11A
図11B
図12A
図12B
図12C
図12D
図13
図14A
図14B
図14C
図14D
図14E
図14F
図14G
図14H
図14I
図15