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特許7247226水痘・帯状疱疹ウイルスの抗原バリアントおよびその使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-17
(45)【発行日】2023-03-28
(54)【発明の名称】水痘・帯状疱疹ウイルスの抗原バリアントおよびその使用
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/38 20060101AFI20230320BHJP
   A61K 39/25 20060101ALI20230320BHJP
   A61P 31/22 20060101ALI20230320BHJP
   C07K 14/04 20060101ALI20230320BHJP
   C12N 1/15 20060101ALI20230320BHJP
   C12N 1/19 20060101ALI20230320BHJP
   C12N 1/21 20060101ALI20230320BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20230320BHJP
   C12N 15/63 20060101ALI20230320BHJP
【FI】
C12N15/38
A61K39/25
A61P31/22
C07K14/04 ZNA
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
C12N15/63 Z
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020565344
(86)(22)【出願日】2019-05-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-09-24
(86)【国際出願番号】 KR2019006113
(87)【国際公開番号】W WO2019225962
(87)【国際公開日】2019-11-28
【審査請求日】2021-02-12
(31)【優先権主張番号】10-2018-0058219
(32)【優先日】2018-05-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】504385351
【氏名又は名称】モガム・インスティテュート・フォー・バイオメディカル・リサーチ
【氏名又は名称原語表記】MOGAM INSTITUTE FOR BIOMEDICAL RESEARCH
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100138911
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻井 陽子
(74)【代理人】
【識別番号】100165892
【弁理士】
【氏名又は名称】坂田 啓司
(72)【発明者】
【氏名】ナム・ヒョジョン
(72)【発明者】
【氏名】チ・ガヨン
(72)【発明者】
【氏名】キム・ウンミ
【審査官】吉門 沙央里
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第102517302(CN,A)
【文献】国際公開第2006/128026(WO,A2)
【文献】特表2008-531637(JP,A)
【文献】国際公開第2017/090744(WO,A1)
【文献】特表2014-508522(JP,A)
【文献】国際公開第2016/096968(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 15/00-15/90
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
UniProt/GeneSeq
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号1のアミノ酸配列で表される水痘・帯状疱疹ウイルス表面タンパク質(gE)抗原の525番目~536番目538番目および540番目~543番目のアミノ酸残基からなる群から選択される任意の1つのアミノ酸残基のカルボキシ末端トランケーションであるバリエーション;ここで、配列番号1のアミノ酸配列における40番目のアミノ酸残基がスレオニンであり、配列番号1のアミノ酸配列における536番目のアミノ酸残基がロイシンである、
を含む、水痘・帯状疱疹ウイルス表面タンパク質抗原バリアント。
【請求項2】
該抗原バリアントが配列番号2~4、配列番号6、配列番号8および配列番号21~23の任意の1つのアミノ酸配列で表される、請求項1に記載の水痘・帯状疱疹ウイルス表面タンパク質抗原バリアント。
【請求項3】
請求項1または2に記載される水痘・帯状疱疹ウイルス表面タンパク質抗原バリアントをコードする遺伝子。
【請求項4】
該遺伝子が配列番号9~11配列番号13および配列番号15の任意の1つのヌクレオチド配列で表される、請求項3に記載の遺伝子。
【請求項5】
請求項3に記載される遺伝子を含む組換えベクター。
【請求項6】
請求項5に記載される組換えベクターで形質転換された宿主細胞。
【請求項7】
配列番号1のアミノ酸配列で表される水痘・帯状疱疹ウイルス表面タンパク質(gE)抗原の525番目~543番目のアミノ酸残基からなる群から選択される任意の1つのアミノ酸残基のカルボキシ末端トランケーションであるバリエーション;ここで、配列番号1のアミノ酸配列における40番目のアミノ酸残基がスレオニンであり、配列番号1のアミノ酸配列における536番目のアミノ酸残基がロイシンである、
を含む、水痘・帯状疱疹ウイルス表面タンパク質抗原バリアント
を有効成分として含む、水疱または帯状疱疹を予防または治療するためのワクチン組成物。
【請求項8】
請求項7に記載されるワクチン組成物の、水疱または帯状疱疹の予防または治療用医薬の製造のための使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水痘・帯状疱疹ウイルス抗原バリアントおよびその使用、特に、水痘・帯状疱疹ウイルス表面タンパク質(gE)抗原バリアントのなかから選択される、発現レベルが高く免疫原性が高い水痘・帯状疱疹ウイルス抗原バリアント、ならびに水痘・帯状疱疹ウイルス抗原バリアントを有効成分として含む、水痘または帯状疱疹を予防または治療するためのワクチン組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)は、主に小児および青年期の子供において水痘を引き起こすウイルスである。一旦感染すると、VZVは知覚根および脳神経の神経節細胞に何年も休眠状態で留まり、大人になってから免疫が低下した際に再び活性化され、帯状疱疹を引き起こす。水痘は伝染性が高く、一旦感染すると、発熱および倦怠感を伴って全身に水疱用の発疹を引き起こす。正常な子供の多くにおいては、水痘が深刻な状態に進行することは稀であり、最終的には、治療しなくても自然に回復する疾患となる。しかしながら、臓器移植または化学療法を受けた患者においては、水痘が深刻な症状にまで進行する場合が多いことが知られている(Adriana Weinberg et al., J Infectious Diseases, 200(7):1068, 2009; Judith Breuer et al., Expert Review of Vaccines, 2017, DOI:10.1080/14760584.2017.1394843)。
【0003】
帯状疱疹の初期症状は、身体痛のような全身の痛みおよび疼痛、またはナイフで刺されるような強い痛みを伴う強い痒み、ピリピリ感および灼熱感の感覚である。帯状疱疹は、水疱が数日後に出て、皮膚病変が増すにつれ痛みが増し、痛みは年齢が高いほど強い疾患である。帯状疱疹が治癒した場合でも、後遺症としての神経痛が残りうる。40歳以下の大人では比較的稀であるが60歳またはそれ以上の人々においては、神経痛のせいで睡眠が中断され、慢性疲労がもたらされ、軽い接触もしくは摩擦によってさえ強い痛みを感じ、抑うつが生じることすらあることが知られている。
【0004】
水疱予防ワクチンの例には、1970年に開発された弱毒株であるOka株を用いて開発されたVARIVAX (Merck & Co, Inc.) および VARILRIX (GlaxoSmithKline Biologicals SA) といった製品がある。韓国では、1980年に開発されたMAV/06株を用いて製造されたSuduvax (Green Cross) といった製品が市販されている。問題の市販生ワクチンは平均80%の防御効果を示すが、これは、ワクチン接種後も被接種者の20%において感染が起こることを意味する。ワクチンに含まれる生ウイルスによって水痘および帯状疱疹が発症するといった安全性の問題は常に指摘されている。
【0005】
帯状疱疹予防ワクチンとして、Oka株を用いて製造された弱毒生ワクチンであるZOSTAVAX (Merck & Co, Inc.) が開発された。このワクチンは大量のウイルスを含むことから、50歳以上の大人に使用すべきであり小児または青年期の子供には使用すべきでないという条件で、米国および韓国において承認され販売されている。最近、50歳以上に使用することが意図される、ウイルス表面タンパク質(gE)およびアジュバントを含むワクチンが、GlaxoSmithKline Biologicals SAによって開発され、予防効果を示すことが臨床試験において証明されている(2011年1月7日発行の米国特許第7939084号)。
【0006】
ワクチン開発の初期には、抗原として主に弱毒生細胞または死細胞が用いられた。しかしながら、安全性の問題、および病原体中に免疫抑制物質が存在することのため、そのような抗原の開発は、疾患防御に不可欠な免疫を確立することのできる、構造および組成の明確なタンパク質抗原の開発へとシフトしつつある。
【0007】
したがって、本発明者は、水痘・帯状疱疹ウイルス表面タンパク質(gE)抗原のなかから、免疫原性を犠牲にすることなく製造性の改善に寄与しうる、宿主細胞における発現レベルの高いタンパク質抗原を開発するため努力を重ねた。結果として、本発明者は、さまざまな長さおよび測定される発現レベルの水痘・帯状疱疹ウイルス表面タンパク質抗原バリアントを作製し、それによって、該抗原バリアントの中から発現レベルの高い特定のアミノ酸配列を特定して本発明を完成した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、水痘・帯状疱疹ウイルス表面タンパク質(gE)抗原バリアントから選択される、発現レベルが高く免疫原性の高い特定の抗原バリアントを提供することである。
【0009】
本発明の他の課題は、抗原バリアントをコードする遺伝子、遺伝子を含む組換えベクター、および組換えベクターで形質転換された宿主細胞を提供することである。
【0010】
本発明のさらに別の課題は、抗原バリアントを有効成分として含む、水痘または帯状疱疹を予防または治療するためのワクチン組成物を提供することである。
【0011】
本発明のさらなる課題は、抗原バリアントを有効成分として含むワクチン組成物を使用する、水痘または帯状疱疹を予防または治療する方法を提供することである。
【0012】
本発明のさらなる課題は、抗原バリアントを有効成分として含むワクチン組成物の、水痘または帯状疱疹の予防または治療のための使用を提供することである。
【0013】
本発明のさらなる課題は、抗原バリアントを有効成分として含むワクチン組成物の、水痘または帯状疱疹の予防または治療用医薬の製造のための使用を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために、本発明において、配列番号1のアミノ酸配列で表される水痘・帯状疱疹表面タンパク質(gE)抗原の525番目~543番目のアミノ酸残基からなる群から選択される任意の1つのアミノ酸残基のカルボキシ末端トランケーションであるバリエーションを含むことによって特徴付けられる、水痘・帯状疱疹ウイルス表面タンパク質抗原バリアントが提供される。
【0015】
さらに、本発明において、抗原バリアントをコードする遺伝子、遺伝子を含む組換えベクター、および組換えベクターで形質転換された宿主細胞が提供される。
【0016】
さらに、本発明において、抗原バリアントを有効成分として含む、水疱または帯状疱疹を予防または治療するためのワクチン組成物が提供される。
【0017】
さらに、本発明において、抗原バリアントを有効成分として含むワクチン組成物を使用する、水疱または帯状疱疹を予防または治療する方法が提供される。
【0018】
さらに、本発明において、抗原バリアントを有効成分として含むワクチン組成物の、水疱または帯状疱疹の予防または治療のための使用が提供される。
【0019】
さらに、本発明において、抗原バリアントを有効成分として含むワクチン組成物の、水疱または帯状疱疹の予防または治療用医薬の製造のための使用が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、本発明の実験方法を示す図である。
図2図2は、さまざまな長さの水痘・帯状疱疹ウイルス表面タンパク質(gE)抗原のアミノ酸配列を示す。
図3図3は、水痘・帯状疱疹ウイルス抗原であるgE断片の発現レベルを比較するために行ったウエスタンブロットの結果を示す。
図4図4は、GlaxoSmithKline Biologicals SA製水痘・帯状疱疹ウイルスワクチンShingrixに含まれる表面タンパク質抗原(GSK gE546aa)と、本発明者が作製した抗原バリアント(mogam gE537aa)の発現レベルを比較するために行ったウエスタンブロットの結果を示す。
図5図5は、GlaxoSmithKline Biologicals SA製水痘・帯状疱疹ウイルスワクチンShingrixに含まれる表面タンパク質抗原(GSK gE546aa)と、本発明者が作製した抗原バリアント(mogam gE537aa)による液性免疫反応を比較するために行った抗gE特異的IgG ELISAの結果を示す。
図6図6は、GlaxoSmithKline Biologicals SA製水痘・帯状疱疹ウイルスワクチンShingrixに含まれる表面タンパク質抗原(GSK gE546aa)と、本発明者が作製した抗原バリアント(mogam gE537aa)による細胞性免疫反応(CMI)を比較するために行ったマウスIFN-γ ELISAの結果を示す。
図7図7は、水痘・帯状疱疹ウイルス抗原であるgE断片による液性免疫反応を比較するために行った抗gE特異的IgG ELISAの結果を示す。
図8図8は、水痘・帯状疱疹ウイルス抗原であるgE断片による液性免疫反応を比較するために抗gE特異的IgG ELISAを行い、抗原特異的抗体反応を示した応答体の数をまとめることによって得られた結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本書において用いられる技術用語および科学用語はいずれも、異なる定義をしない限り、本発明が関係する分野における専門家に一般に理解されるのと同じ意味を有する。本書に用いられる命名法は全般に、当分野において知られ一般的に用いられるものである。
【0022】
本発明において、水痘・帯状疱疹ウイルスタンパク質抗原のなかから、免疫原性を犠牲にすることなく生産性改善に寄与することのできる、宿主細胞における発現レベルの高い抗原を開発するために、さまざまな長さの表面タンパク質(gE)抗原バリアントを作製し、その発現レベルを測定する実験を行った。結果として、本発明者が作製した水痘・帯状疱疹ウイルス表面タンパク質抗原バリアントのなかで、特定のアミノ酸配列で表される抗原が他の抗原よりも高い発現レベルを示すことが確認された(図3)。
【0023】
さらに、高い免疫原性を有する抗原バリアントを選択するために、抗体力価測定(図7)および抗原特異的反応体測定(図8)を行った。結果として、mogam gE534aa~gE540aaが免疫原性が特に高いことが確認された。
【0024】
したがって、本発明の一側面において、配列番号1のアミノ酸配列で表される水痘・帯状疱疹ウイルス表面タンパク質(gE)抗原の525番目~543番目のアミノ酸残基からなる群から選択される任意の1つのアミノ酸残基のカルボキシ末端トランケーションであるバリエーションを含む水痘・帯状疱疹ウイルス表面タンパク質抗原バリアントが提供される。
【0025】
特に、本発明において、
a)525番目のアミノ酸残基のカルボキシ末端トランケーション;

b)526番目のアミノ酸残基のカルボキシ末端トランケーション;
c)527番目のアミノ酸残基のカルボキシ末端トランケーション;
d)528番目のアミノ酸残基のカルボキシ末端トランケーション;
e)529番目のアミノ酸残基のカルボキシ末端トランケーション;
f)530番目のアミノ酸残基のカルボキシ末端トランケーション;
g)531番目のアミノ酸残基のカルボキシ末端トランケーション;
h)532番目のアミノ酸残基のカルボキシ末端トランケーション;
i)533番目のアミノ酸残基のカルボキシ末端トランケーション;
j)534番目のアミノ酸残基のカルボキシ末端トランケーション;
k)535番目のアミノ酸残基のカルボキシ末端トランケーション;
l)536番目のアミノ酸残基のカルボキシ末端トランケーション;
m)537番目のアミノ酸残基のカルボキシ末端トランケーション;
n)538番目のアミノ酸残基のカルボキシ末端トランケーション;
o)539番目のアミノ酸残基のカルボキシ末端トランケーション;
p)540番目のアミノ酸残基のカルボキシ末端トランケーション;
q)541番目のアミノ酸残基のカルボキシ末端トランケーション;
r)542番目のアミノ酸残基のカルボキシ末端トランケーション;
s)543番目のアミノ酸残基のカルボキシ末端トランケーション;
からなる群から選択されるバリエーションを含むことによって特徴付けられる水痘・帯状疱疹ウイルス表面タンパク質抗原バリアントが提供される。
【0026】
抗原性バリアントは、好ましくは、j)534番目のアミノ酸残基のカルボキシ末端トランケーション;k)535番目のアミノ酸残基のカルボキシ末端トランケーション;l)536番目のアミノ酸残基のカルボキシ末端トランケーション;m)537番目のアミノ酸残基のカルボキシ末端トランケーション;n)538番目のアミノ酸残基のカルボキシ末端トランケーション;o)539番目のアミノ酸残基のカルボキシ末端トランケーション;およびp)540番目のアミノ酸残基のカルボキシ末端トランケーションからなる群から選択されるバリエーションを含むことによって特徴付けられうるが、バリエーションはそれに限定されない。
【0027】
配列番号1: mgtvnkpvvg vlmgfgiitg tlritnpvra svlryddfhX1 dedkldtnsv yepyyhsdha esswvnrges srkaydhnsp yiwprndydg flenahehhg vynqgrgids gerlmqptqm saqedlgddt gihviptlng ddrhkivnvd qrqygdvfkg dlnpkpqgqr lievsveenh pftlrapiqr iygvrytetw sflpsltctg daapaiqhic lkhttcfqdv vvdvdcaent kedqlaeisy rfqgkkeadq pwivvntstl fdeleldppe iepgvlkvlr tekqylgvyi wnmrgsdgts tyatflvtwk gdektrnptp avtpqprgae fhmwnyhshv fsvgdtfsla mhlqykihea pfdlllewly vpidptcqpm rlystclyhp napqclshmn sgctftsphl aqrvastvyq ncehadnyta yclgishmep sfglilhdgg ttlkfvdtpe slsglyvfvv yfnghveava ytvvstvdhf vnaieergfp ptagqppatt kpkeitpvnp gtsplX2ryaa wtgglaavvl lclviflict akrmrvkayr vdkspynqsm yyaglpvddf edsestdtee efgnaiggsh ggssytvyid ktr (ここで、X1はTまたはIであり、X2はLまたはIである)
【0028】
本発明において、水痘・帯状疱疹ウイルス表面タンパク質抗原バリアントは、それが、623アミノ酸からなる配列番号1のアミノ酸配列で表される水痘・帯状疱疹ウイルス表面タンパク質抗原から誘導される、534~540アミノ酸からなる水痘・帯状疱疹ウイルス表面タンパク質抗原バリアント、またはいくつかのアミノ酸残基のカルボキシ末端トランケーションであるバリエーションであることによって特徴付けられうる。例えば、本書において用いられる「534番目のアミノ酸残基のカルボキシ末端トランケーションであるバリエーション」なる表現は、アミノ末端(N末端)からカルボキシ末端(C末端)に向かって1番目~534番目のアミノ酸残基が維持され、535番目のアミノ酸残基からカルボキシ末端までの連続するアミノ酸残基がトランケートされることを意味する。
【0029】
本発明の一態様において、配列番号1のアミノ酸配列における40番目のアミノ酸残基は、スレオニンである。
【0030】
本発明の一態様において、配列番号1のアミノ酸配列における536番目のアミノ酸残基は、ロイシンである。
【0031】
本発明において、水痘・帯状疱疹ウイルス表面タンパク質抗原バリアントは、下記の配列番号2~8および配列番号21~23の任意の1つのアミノ酸配列で表されることによって特徴付けられうる:
a)534番目のアミノ酸残基のカルボキシ末端トランケーションによって得られる配列番号2のアミノ酸配列で表される抗原バリアント;
b)535番目のアミノ酸残基のカルボキシ末端トランケーションによって得られる配列番号3のアミノ酸配列で表される抗原バリアント;
c)536番目のアミノ酸残基のカルボキシ末端トランケーションによって得られる配列番号4のアミノ酸配列で表される抗原バリアント;
d)537番目のアミノ酸残基のカルボキシ末端トランケーションによって得られる配列番号5のアミノ酸配列で表される抗原バリアント;
e)538番目のアミノ酸残基のカルボキシ末端トランケーションによって得られる配列番号6のアミノ酸配列で表される抗原バリアント;
f)539番目のアミノ酸残基のカルボキシ末端トランケーションによって得られる配列番号7のアミノ酸配列で表される抗原バリアント;
g)540番目のアミノ酸残基のカルボキシ末端トランケーションによって得られる配列番号8のアミノ酸配列で表される抗原バリアント;
h)525番目のアミノ酸残基のカルボキシ末端トランケーションによって得られる配列番号21のアミノ酸配列で表される抗原バリアント;
i)530番目のアミノ酸残基のカルボキシ末端トランケーションによって得られる配列番号22のアミノ酸配列で表される抗原バリアント;または
j)543番目のアミノ酸残基のカルボキシ末端トランケーションによって得られる配列番号23のアミノ酸配列で表される抗原バリアント。
【0032】
本発明の表面タンパク質は、クレード1由来の水痘・帯状疱疹ウイルスのエンベロープを構成する糖タンパク質に由来し、カルボキシ末端の一部のトランケーションによって得られる534~540アミノ酸からなるペプチド断片(トランケートされたタンパク質)である。
【0033】
生物学的に等価なアミノ酸バリエーションということであれば、本発明において用いられるアミノ酸配列は、配列番号2~8および配列番号21~23の配列との実質的同一性を有する配列を包含すると解釈される。前記の実質的同一性とは、前記の本発明の配列と任意の他の配列が最大に対応するようにアラインされ、該アラインされた配列が当分野で一般に用いられるアルゴリズムを用いて解析される場合に、本発明の配列に対して他方の配列が、同じ機能を持ちながら少なくとも70%の相同性、好ましくは80%の相同性、より好ましくは90%の相同性、さらに好ましくは95%の相同性を有することを意味する。
【0034】
本発明の一態様において、以下の抗原バリアントが高い免疫原性を有することが確認された:a)534番目のアミノ酸残基のカルボキシ末端トランケーションによって得られる配列番号2のアミノ酸配列で表される抗原バリアント;b)535番目のアミノ酸残基のカルボキシ末端トランケーションによって得られる配列番号3のアミノ酸配列で表される抗原バリアント;c)536番目のアミノ酸残基のカルボキシ末端トランケーションによって得られる配列番号4のアミノ酸配列で表される抗原バリアント;d)537番目のアミノ酸残基のカルボキシ末端トランケーションによって得られる配列番号5のアミノ酸配列で表される抗原バリアント;e)538番目のアミノ酸残基のカルボキシ末端トランケーションによって得られる配列番号6のアミノ酸配列で表される抗原バリアント;f)539番目のアミノ酸残基のカルボキシ末端トランケーションによって得られる配列番号7のアミノ酸配列で表される抗原バリアント;g)540番目のアミノ酸残基のカルボキシ末端トランケーションによって得られる配列番号8のアミノ酸配列で表される抗原バリアント。
【0035】
ワクチン開発の初期には、抗原として弱毒生細胞または死細胞が主に用いられた。しかしながら、安全性の問題のため、そのような抗原の開発は、構造および組成の明確なタンパク質抗原の開発へとシフトしつつある。しかしながら、タンパク質抗原は一般に、従来のワクチンと比較して免疫原性が低いという問題を有する。安全性および免疫原性のいずれにおいても優れ、宿主細胞において高レベルで発現されるという観点から、本発明の抗原バリアントは、水痘・帯状疱疹ウイルスによって引き起こされる水痘または帯状疱疹を予防または治療するためのワクチンとして、効果的に使用されうる。
【0036】
本発明の他の一側面において、抗原性バリアントをコードする遺伝子、それを含む組換えベクター、および組換えベクターで形質転換された宿主細胞が提供される。
【0037】
本発明において、遺伝子は、配列番号9~15の任意の1つのヌクレオチド配列で表されることによって特徴付けられうる。
【0038】
本書において用いられる用語「ベクター」は、DNA配列が、適当な宿主におけるDNA配列の発現を可能にする適当な調節配列に作動可能に連結されたものを含むDNAコンストラクトをいう。ベクターは、プラスミド、ファージ粒子、または単に潜在的ゲノムインサートでありうる。ベクターは適当な宿主に導入されると、宿主のゲノムとは独立に複製および機能しうるか、または場合によってはゲノム自体に一体化されうる。プラスミドは現在最も一般的に用いられる形態のベクターであるので、本明細書において「プラスミド」および「ベクター」はしばしば互換的に用いられる。本発明の目的のために、プラスミドベクターを使用することが好ましい。この目的のために使用することのできる典型的なプラスミドベクターは、(a)宿主細胞あたり数百のプラスミドベクターが生産されるような効果的な複製を可能にする複製起点、(b)プラスミドベクターで形質転換された宿主細胞の選択を可能にする抗生物質耐性遺伝子、および(c)外来DNA断片の挿入を可能にする制限酵素切断部位、を含む構造を有する。ベクター中に適当な制限酵素切断部位が存在しない場合でも、従来の方法にしたがって合成オリゴヌクレオチドアダプターまたはリンカーを使用することにより、ベクターと外来DNAのライゲーションを容易に行うことができる。
【0039】
本書において用いられる用語「組換えベクター」は、通常、異種DNAの断片が挿入された組換え担体をいい、組換え担体は一般に、二本鎖DNA断片の形態である。ここで、異種DNAは、宿主細胞において天然には存在しない外来DNAをいう。組換えベクターは、宿主細胞に導入されると、ベクターおよびそれに挿入された(異種)DNAの複数コピーが生産されうるように、宿主染色体DNAとは独立に複製することができる。
【0040】
ライゲーションの後、遺伝子または組換えベクターによって、宿主細胞の形質転換またはトランスフェクションがなされる。この「形質転換」または「トランスフェクション」のために、異種核酸(DNAまたはRNA)を原核または真核宿主細胞に導入するのに一般に用いられるいくつかの種類のさまざまな方法を用いうる。その例には、エレクトロポレーション、リン酸カルシウム沈殿法、DEAE-デキストラントランスフェクション、およびリポフェクションがある。
【0041】
当分野において知られるように、宿主細胞における導入された遺伝子の発現レベルを高めるために、関心の遺伝子を、選択された発現宿主において機能を発揮する転写または翻訳発現調節配列に、作動可能に連結すべきである。
【0042】
本書において、用語「形質転換」とは、DNAが宿主に、染色体外因子として、または染色体との一体化によって複製されうるように導入されることをいう。当然、本発明の遺伝子配列の発現において、すべてのベクターが等しく機能するわけではないことを理解すべきである。同様に、同じ発現系に関してすべての宿主が等しく機能するわけではない。しかしながら、当業者は、過度の実験を必要とせず本発明の範囲から外れることなく、さまざまなベクター、発現調節配列、および宿主のなかから適当なものを選択することができる。例えば、ベクターは、宿主の中で複製しなければならないから、宿主を考慮して選択されなければならない。これに関して、ベクターのコピー数、そのコピー数制御能力、およびベクターによりコードされる他のタンパク質の発現も考慮しなければならない。
【0043】
本発明において、形質転換される宿主細胞は、好ましくは、動物細胞、植物細胞、酵母、大腸菌および昆虫細胞からなる群から選択されるが、それに限定されない。
【0044】
特に、本発明において、形質転換される宿主細胞として用いられる微生物として、それが生体に適用されるとき無毒または弱毒微生物である限り、任意の微生物を使用しうる。その例は、グラム陰性細菌、例えば大腸菌、サルモネラ・ティフィ(Salmonella typhi)、サルモネラ・ティフィムリウム(Salmonella typhimurium)、ビブリオ・コレレ(Vibrio cholerae)、マイコバクテリウム・ボビス(Mycobacterium bovis)およびシゲラ属;ならびにグラム陽性細菌、例えばバシラス属、ラクトバシラス属、ラクトコッカス属、スタフィロコッカス属、リステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)およびストレプトコッカス属を包含しうる。その好ましい例は、可食微生物である乳酸菌を包含しうる。しかしながら、微生物はそれに限定されない。
【0045】
乳酸菌は、ラクトバシラス属、ストレプトコッカス属、およびビフィドバクテリウム属を包含しうる。ラクトバシラス属の例は、ラクトバシラス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)、ラクトバシラス・プランタラム(Lactobacillus plantarum)、ラクトバシラス・ファーメンタム(Lactobacillus fermentum)、ラクトバシラス・デルブリッキィ(Lactobacillus delbrueckii)、ラクトバシラス・ジョンソニー(Lactobacillus johnsonii)、ラクトバシラス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)、ラクトバシラス・ブルガリクス(Lactobacillus bulgaricus)およびラクトバシラス・カゼイ(Lactobacillus casei)を包含しうる。ストレプトコッカス属の例は、ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophiles)を包含しうる。ビフィドバクテリウム属の例は、ビフィドバクテリウム・インファンティス(Bifidobacterium infantis)、ビフィドバクテリウム・ビフィダム(Bifidobacterium bifidum)、ビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium longum)、ビフィドバクテリウム・ブレーベ(Bifidobacterium breve)、ビフィドバクテリウム・ラクティス(Bifidobacterium lactis)およびビフィドバクテリウム・アドレセンティス(Bifidobacterium adolescentis)を包含しうる。ラクトバシラス・カゼイがより好ましい。しかしながら、乳酸菌はそれに限定されない。
【0046】
微生物は、真菌、例えばアスペルギルス属、酵母、例えばピキア酵母、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、シゾサッカロミセス属、およびアカパンカビを包含する真核細胞、他の低級真核細胞、および高級真核細胞、例えば昆虫由来の細胞であってもよい。
【0047】
微生物は、植物または哺乳動物由来でありうる。その好ましい例は、サル腎細胞(COS-7細胞)、NS0細胞、SP2/0、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、W138、ベビーハムスター腎(BHK)細胞、MDCK、ミエローマ細胞株、HuT78細胞、およびHEK293細胞株を包含し得、CHO細胞が好ましい。しかしながら、微生物はそれに限定されない。
【0048】
本発明のさらなる一側面において、宿主細胞を培養するステップを含む、水痘・帯状疱疹ウイルス抗原を生産する方法が提供される。
【0049】
水痘・帯状疱疹ウイルス抗原を発現することのできる組換えベクターが宿主細胞に導入された場合、宿主細胞を、その中で抗原が発現されるのに十分な期間、またはより好ましくは宿主細胞が培養されている培地中に抗原が分泌されるのに十分な期間培養することによって抗原を生産しうる。
【0050】
いくつかの場合に、発現された抗原は宿主細胞から単離され均一に精製されうる。抗原の単離または精製は、従来のタンパク質単離および精製方法、例えばクロマトグラフィーによって行いうる。クロマトグラフィーの例は、プロテインAカラムまたはプロテインGカラムを含むアフィニティークロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、および疎水性クロマトグラフィーを包含しうる。前記クロマトグラフィーに加えて、濾過、限外濾過、塩析、透析等をさらに組み合わせることによって抗原を単離および精製しうる。
【0051】
本発明の他の一側面において、水痘・帯状疱疹ウイルス抗原バリアントを有効成分として含む、水疱または帯状疱疹を予防または治療するためのワクチン組成物が提供される。
【0052】
本発明の他の一側面において、水痘・帯状疱疹ウイルス抗原バリアントを有効成分として含むワクチン組成物を用いる、水疱または帯状疱疹を予防または治療する方法が提供される。
【0053】
本発明の他の一側面において、水疱または帯状疱疹を予防または治療するための、水痘・帯状疱疹ウイルス抗原バリアントを有効成分として含むワクチン組成物の使用が提供される。
【0054】
本発明の他の一側面において、水疱または帯状疱疹を予防または治療するための医薬の製造のための、抗原バリアントを有効成分として含むワクチン組成物の使用が提供される。
【0055】
本書において、用語「予防」とは、ある状態または疾患を有すると診断されておらず、そのような状態または疾患を有する可能性のある対象において、該状態または疾患の発症を阻止することを意味する。
【0056】
本書において、用語「治療」とは、(a)状態もしくは疾患またはその症状の進行を抑制すること;(b)状態もしくは疾患またはその症状を軽減すること;または(c)状態もしくは疾患またはその症状を解消することを意味する。本発明の組成物は、水痘・帯状疱疹ウイルス感染によって引き起こされる疾患である水痘または帯状疱疹を患う個体において、水痘・帯状疱疹ウイルスに対する免疫反応を活性化し、それによって該疾患の進行を抑制し、該疾患を解消し、または該疾患の症状を軽減するように機能する。したがって、本発明の組成物は、それ自体水痘または帯状疱疹の処置用の組成物でありうるか、または他の薬理成分との組み合わせとして投与される疾患の補助処置として適用されうる。
【0057】
したがって、本書において、用語「治療(または処置)」または「治療剤(または処置剤)」は、「補助的治療(または補助的処置)」または「補助的治療剤(または補助的処置剤)」の意味をも含む。
【0058】
本書において、用語「有効成分」とは、患者において水痘・帯状疱疹ウイルスに対する免疫反応を誘導または増強すること、水痘・帯状疱疹ウイルスに感染したかまたは生水痘・帯状疱疹ウイルスワクチンが投与された患者において該ウイルスの再活性化を阻止、軽減または解消すること、帯状疱疹(HZ)および/または帯状疱疹後神経痛(PHN)を抑制すること、およびHZおよび/またはPHNの重篤度または期間を縮小すること、を包含するがそれに限定されない所望の効果をもたらすのに十分なワクチン組成物をいう。当業者は、そのような所望の効果のレベルはさまざまでありうることを理解する。
【0059】
本書において、用語「免疫反応」とは、細胞性(T細胞)免疫反応および/または抗体(B細胞)反応をさす。
【0060】
本発明のワクチン組成物は、健常個体、および造血細胞移植(HCT)もしくは固形臓器移植(SOT)を受けた免疫低下患者、HIV感染患者、自己免疫疾患患者および血液癌個体;広範な固形悪生物のための化学療法を受ける個体;関節リウマチ(RA)、全身性ループス(SLE)、クローン病、乾癬および多発性硬化症を包含する広範な状態のための長期免疫抑制治療を受ける患者を包含するがそれに限定されない免疫正常および免疫低下患者の集団において、水痘および/またはHZおよび/またはPHNを予防するため、または水痘および/またはHZおよび/またはPHNの重篤度または期間を低減するために有用である。
【0061】
本発明において、ワクチン組成物は、薬学的に許容しうる担体、賦形剤または希釈剤をさらに含むことによって特徴付けられうる。
【0062】
本発明のワクチン組成物は、本発明が関係する技術分野の専門家が容易に実施しうる方法にしたがう、薬学的に許容しうる担体および/または賦形剤を用いる製剤化によって、単位用量形態で調製されうるか、または多回用量の容器に入れられた形態で調製されうる。ここで、投与形態は、従来の方法にしたがって、経口製剤、例えば散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤およびエーロゾル剤、外用製剤、坐剤、および無菌注射用溶液剤の形態で調製され、使用されうる。当分野で知られる適当な製剤は、Remington's Pharmaceutical Science, Mack Publishing Company, Easton PAに記載されるものでありうる。
【0063】
固体の経口投与用製剤は、錠剤、丸薬、散剤、顆粒剤、カプセル剤等を包含し、このような固体製剤は、澱粉、炭酸カルシウム、スクロース、ラクトースおよびゼラチンといった賦形剤少なくとも1つとの混合によって調製される。単なる賦形剤に加えて、ステアリン酸マグネシウムおよびタルクといった滑沢剤も固体製剤に用いられる。
【0064】
液体の経口投与用製剤は、懸濁剤、経口液剤、乳剤、シロップ剤等を包含し、このような液体製剤は、一般的に用いられる単なる希釈剤である水および流動パラフィンに加えて、湿潤剤、甘味剤、香料および保存剤といったさまざまな添加剤を含有しうる。
【0065】
非経口投与用製剤は、無菌水溶液剤、非水性溶媒剤、懸濁剤、乳剤、凍結乾燥製剤および坐剤を包含する。坐剤用の基剤としては、ウイテップゾール、マクロゴール、ツイーン61、カカオ脂、ラウリン、グリセロゼラチン等を使用しうる。
【0066】
本発明において、ワクチン組成物は、アジュバントをさらに含むことによって特徴付けられうる。一般に免疫反応はタンパク質抗原のみでは強くは誘導されず、したがって、ワクチン組成物の効果はアジュバントとの混合によって増強される。
【0067】
本書において、用語「アジュバント」とは、免疫細胞の初期活性化プロセスにおいて抗原に対する免疫反応を非特異的に促進する、薬剤、分子等を包含する物質をさし、各物質は宿主に対して免疫原ではなく、免疫系の細胞の活動を高めることによって免疫を増強する(Warren et al., Annu. Rev. Immunol, 4:369, 1986)。本発明において用いられる、免疫反応を増強することのできるアジュバントは、ワクチン組成物と同時に投与しうるか、または時間を置いて順次投与しうる。
【0068】
本発明のアジュバントは、カルシウムホスフェートヒドロキシド、鉱油、スクワレン、トール様受容体(TLR)アンタゴニスト、界面活性剤、リポソーム、サポニン、サイトカイン、およびその組み合わせからなる群から選択されることによっ特徴付けられうるが、それに限定されない。
【0069】
本発明のさらなる一側面において、処置有効量のワクチン組成物を患者に投与するステップを含む、患者の疾患または障害を治療または予防する方法が提供される。
【0070】
本発明のワクチン組成物の適当な用量は、対象における適当な免疫反応の観察を伴う標準的な試験によって決定することができる。初回のワクチン接種の後、対象を、適当な間隔を置いた1回または複数回の追加免疫に付しうる。
【0071】
本発明のワクチン組成物の適当な用量は、調製方法、投与方法、患者の年齢、体重、性別、病理学的状態、食餌、投与時間、投与経路、排出速度、および応答感受性といった因子によって異なり、当業者による上記因子の考慮によって適当に決定されうる。
【0072】
本発明のワクチン組成物は、医薬の分野において一般的に用いられる経路で投与されうる。非経口投与が好ましく、例えば静脈内、腹腔内、筋肉内、動脈内、経口、心臓内、脊髄内、硬膜内、経皮、腸内、皮下、舌下または局所外用の経路で投与されうる。本発明のワクチン組成物は全般に、有効成分として本発明の水痘・帯状疱疹ウイルス表面タンパク質抗原バリアントを処置有効量で含むことによって特徴付けられうる。
【実施例
【0073】
以下、実施例によって本発明をより詳細に説明する。実施例は、単に説明を目的とするものであって、本発明の範囲が実施例によって制限されると解釈されないことは当業者には明らかであろう。
【実施例1】
【0074】
実施例1:表面タンパク質(gE)コンストラクトの作製
表面タンパク質(gE)コンストラクトを作製するために、PCRを行って所望のgE断片を得た。次いで、各gE断片を制限酵素で切断してpcDNA3.1ベクターに挿入した。pcDNA3.1ベクターに挿入されたgE断片の配列をシーケンシングによって確認した。配列確認したgE断片を含むpcDNA3.1のDNAを、midiprepによって得た。表面タンパク質(gE)断片のアミノ酸配列を表1に示す。
【0075】
【表1】
【実施例2】
【0076】
実施例2:一過性トランスフェクション
gE断片の発現レベルを調べるために、293細胞への一過性トランスフェクションを、リポフェクタミン3000を用いて行った。6ウェルプレートの各ウェルに5×10の細胞を入れ、培養を行った。翌日に、トランスフェクション用のサンプルを調製した。0.2μgのDNAおよび0.4μgのP3000をチューブに入れ、125μlのoptiMEMで希釈し、別のチューブに3.75μlのリポフェクタミン3000を入れ、125μlのoptiMEMで希釈した。希釈DNAを、同量の希釈リポフェクタミン3000の入ったチューブに入れた。次いで、室温で10分間混合しながらチューブをインキュベートして、DNA-リポフェクタミン混合物を調製した。インキュベーションの終了後、DNA-リポフェクタミン混合物を、293細胞の入った6ウェルプレートに加え、COインキュベーター内で2日間培養を行った。培養の終了後、上清を取り、そこにb-メルカプトエタノールを含む4倍のサンプルバッファーを加え、100℃に5分間加熱した。加熱後、得られたものを、ウエスタンブロットを行うまで凍結保存した。
【実施例3】
【0077】
実施例3:ウエスタンブロット
gE断片の発現レベルを比較するために、ウエスタンブロットを行った。各サンプルをNuPAGE4~12%Bis-Trisゲルにかけ、その後PVDF膜に転写した。膜を5%スキムミルクで1時間ブロックし、モノクローナルgE抗体(1μg/ml)と2時間インキュベートし、TBST(ツイーン0.05%)で洗った後、5000倍希釈したヤギ抗マウスIgG-HRPと共に1時間インキュベートした。インキュベートした膜をTBSTで洗った後、ECL基質を用いて発光させた。Chemidoc装置を用いて検出を行った。ウエスタンブロットを行った結果、図3に示すように、抗原gE534aa、gE537aaおよびgE540aaが特に高い発現レベルを示したことがわかった。
【実施例4】
【0078】
実施例4:GlaxoSmithKline Biologicals SAの水痘・帯状疱疹ウイルス表面タンパク質抗原との発現レベル比較
現在市販されているGlaxoSmithKline Biologicals SAの水痘・帯状疱疹ウイルスワクチンであるShingrixに含まれる表面タンパク質抗原(GSK gE546aa)と本発明者が作製した抗原(mogam gE537aa)とを発現レベルに関して比較するために、実施例3に記載したのと同じ方法でウエスタンブロットを行った。GlaxoSmithKline Biologicals SAのShingrixに含まれる表面タンパク質抗原(GSK gE546aa)と本発明者が作製した抗原(mogam gE537aa)との相異を表2に示す。ウエスタンブロットを行った結果、図4に示すように、本発明者が作製した抗原はGlaxoSmithKline Biologicals SAの表面タンパク質抗原よりも高い発現レベルを示したことがわかった。
【0079】
【表2】
【実施例5】
【0080】
実施例5:GlaxoSmithKline Biologicals SAの水痘・帯状疱疹ウイルス表面タンパク質抗原との免疫原性比較
現在市販されているGlaxoSmithKline Biologicals SAの水痘・帯状疱疹ウイルスワクチンであるShingrixに含まれる表面タンパク質抗原(GSK gE546aa)と本発明者が作製した抗原(mogam gE537aa)とを免疫原性に関して比較するために、動物実験を行った。人類は水痘感染歴を有するという観点から、マウスにおいて水痘感染を模すために、雌C57BL/6マウスを、弱毒生ワクチン(LAV、3000pfu)を1回皮下注射することによる初回免疫(LAVプライミング)に付した。LAVプライミング(0日目)から28日後に、マウスを、アジュバントを用いるかまたは用いずにmogam gEまたはGSK gE抗原組成物を筋肉内注射することによる2回目の免疫に付した。gEに対する液性免疫反応を評価するために、LAVプライミングから42日後(42日目)に血液サンプルを採取し、gEまたはVZVに対する細胞性免疫反応(CMI)を評価するために、LAVプライミングから42日後(42日目)に脾臓サンプルから白血球を採取した。免疫日ならびに血液および脾臓サンプル採取日は、LAVプライミング日を0日目として数えた。動物実験方法の概要を表3に示す。
【0081】
【表3】
【0082】
実施例5-1:液性免疫反応の比較
初回および2回目の免疫を行った後、gE抗原特異的IgG力価を測定するために酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)を行った。組換えgEタンパク質(1μg/ml)をELISAプレートに適用し、4℃で一晩インキュベートして、該タンパク質抗原をプレート上にコートした。抗原をコートした各ELISAプレートを3回洗い、2%ウシ血清アルブミン(BSA)を含むリン酸緩衝食塩液(PBS)で1時間ブロックした。BSAによるブロッキング反応の終了後、ELISAプレートを洗った。その後、そこに希釈血清サンプルを加え、2時間インキュベートした。そこに、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)結合ヤギ抗マウスIgG、IgG1またはIgG2c抗体を加え、1時間インキュベートした。最後のインキュベーションの後、ELISAプレートを洗い、HRP基質である3,3',5,5'-テトラメチルベンジジン(TMB、KPL製)の添加によりHRP反応を誘導した。その後、TMB停止液を加えてHRP反応を停止し、ELISAマイクロプレートリーダー(Spectramax 250, Molecular Device)を使用して450nmで光学密度(OD)を測定することにより、産生された抗体の量を調べた。結果として、図5に示すように、本発明者が作製した抗原(mogam gE537aa)およびアジュバントを含むG6が最も高い発光強度を示したことがわかった。この結果から、G6において最も高い液性免疫反応が誘導されたことがわかった。
【0083】
実施例5-2:細胞性免疫反応の比較
初回および2回目の免疫を行った後、抗原刺激によってT細胞から分泌される代表的なサイトカインであるIFN-γの分泌量を調べるためにIFN-γ ELISAを行った。マウスから採取した白血球をVZV溶解物で3日間刺激した。次いで、遠心分離を行って上清を取得し、上清をマウスIFN-γ ELISAキットを用いて分析した。IFN-γ捕捉抗体(4μg/ml)をELISAプレートに適用し、室温で一晩インキュベートしてIFN-γ捕捉抗体をプレート上にコートした。抗体でコートした各ELISAプレートを3回洗った後、1%ウシ血清アルブミン(BSA)を含むPBSで1時間ブロックした。BSAによるブロッキング反応の終了後、ELISAプレートを洗った。次いでそこに、白血球刺激後に取得した上清を加え、室温で2時間インキュベートした。インキュベーションの終了後、ELISAプレートを洗い、ビオチン化マウスIFN-γ検出抗体(400ng/ml)と室温で2時間インキュベートした。洗浄を行った後、ストレプトアビジン-HRPとのさらに20分間のインキュベーションを行った。最後にインキュベートしたELISAプレートを洗い、次いで基質溶液と室温で20分間反応させた。そこに停止溶液を加えて反応を停止させ、ELISAマイクロプレートリーダー(Spectramax 250, Molecular Device)を用いて450nmで光学密度(OD)を測定することにより、産生されたIFN-γサイトカインの量を調べた。結果として、図6に示すように、本発明者が作製した抗原(mogam gE537aa)およびアジュバントを含むG6が最も多いIFN-γサイトカイン量を示したことがわかった。この結果から、G6において最も高い細胞性免疫反応が誘導されたことがわかった。
【実施例6】
【0084】
実施例6:gE抗原断片の抗原特異的免疫原性の確認
実施例6-1:抗原生産のための一過性トランスフェクション
gE断片を発現させるために、293細胞への一過性トランスフェクションを、Expifectamine(商標)293トランスフェクションキットを用いて行った。細胞を2×10細胞/mlで125mlフラスコに入れ、培養した。翌日に、トランスフェクションを実施した。293細胞を2.9×10細胞/mlに希釈して全量25.5mlとし、トランスフェクション用調製物を調製した。30μgのDNAを15mlチューブに入れ、Opti-MEMを用いて1.5mlに調節した。このようにして調製物1を調製した。81μlのExpiFectamine(商標)293試薬を別の15mlチューブに入れ、Opti-MEMを用いて1.5mlに調節した。このようにして調製物2を調製した。室温で5分間インキュベートした。5分後、調製物2の入ったチューブに調製物1を加え、混合した。その後、チューブを室温で20分間インキュベートして、DNA-脂質調製物を調製した。インキュベーションの終了後、DNA-脂質調製物を、293細胞の入った125mlフラスコに加え、インキュベーター内で培養を行った。20時間後にエンハンサーによる処理を行った。150μlのExpiFectamine(商標)293トランスフェクションエンハンサー1を1.5mlチューブに入れ、そこにExpiFectamine(商標)293トランスフェクションエンハンサー2を1.5mlまで加えた。その後、得られたものを293細胞に加え、インキュベーター内で5日間インキュベートした。5日後、培養物上清を取得し、0.45μmフィルターで濾過し、精製を行うまで凍結保存した。
【0085】
実施例6-2:抗原取得のための精製
凍結保存した培養液を解凍し、培養液に等量のPBSを加えた。0.22μmフィルターで濾過し、陰イオン交換クロマトグラフィーを行った。溶出液に5M NaClを加え、疎水性相互作用クロマトグラフィーを行った。クロマトグラフィーからの溶出液を0.22μmフィルターで濾過し、動物実験を行うまで凍結保存した。
【0086】
実施例6-3:免疫
gE抗原断片の免疫原性を調べるために動物実験を行った。雌C57BL/6マウスにgE抗原断片を2週間の間隔を置いて筋肉内注射し、2回目の免疫の2週間後にマウスから血液サンプルを採取した。採取した血液サンプルから血清を分離し、抗体力価を測定するまで凍結保存した。
【0087】
実施例6-4:抗原特異的IgG力価および応答体の測定
抗原特異的IgG力価を測定するために酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)を行った。VZV表面タンパク質(1μg/ml)をELISAプレートにコートし、4℃で一晩インキュベートし、各ELISAプレートを3回洗った。次いで、ELISAプレートを2%ウシ血清アルブミン(BSA)を含むリン酸緩衝食塩液(PBS)で1時間ブロックした。ELISAプレートを洗った。次いでそこに、希釈した血清サンプルを加え、2時間インキュベートした。そこに西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)結合ヤギ抗マウスIgG抗体を加え、1時間インキュベートした。最後のインキュベーションの後、ELISAプレートを洗い、基質である3,3',5,5'-テトラメチルベンジジン(TMB)を加えてHRP反応を誘導した。その後、そこにELISA停止溶液を加えてHRP反応を停止させ、分光計を用いて450nmで光学密度(OD)を測定した。
【0088】
gE抗原断片の配列の違いが抗原特異的免疫原性に差をもたらすかを調べるために、実施例6-3に記載した方法で動物を免疫した。前記抗体力価測定方法にしたがって、動物実験において得た血清を用いて抗原特異的抗体力価を測定した。結果として、図7に示すように、gE534aaまたはgE543aaで免疫した場合のOD値は、gE500aa、gE510aa、gE525aaまたはgE546aaで免疫した場合のOD値よりも高かった。
【0089】
抗体力価測定後、OD値が0.6以上であった個体を応答体とみなし、結果をまとめた。結果として、gE500aaについては抗原特異的応答体は無く、gE510aaで免疫した場合の応答体数はgE546aaで免疫した場合と同じであった。gE525aa、gE534aa、gE537aaまたはgE540aaで免疫した場合の応答体数は、gE510aaまたはgE546aaで免疫した場合の応答体数よりも多かった。したがって、応答体数はgE525aa~gE540aaついて特に多かったことが確認された(図8)。
【0090】
結果として、gE534aa~gE540aaが抗体力価測定において特に高い値を示し、gE525aa~gE543aaが特に多い抗原特異的応答体数を示した。したがって、上記2つの結果を考え合わせると、gE534aa~gE540aaが特に高い免疫原性を示すということができる。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明の水痘・帯状疱疹ウイルス表面タンパク質(gE)抗原バリアントは、タンパク質抗原である。ワクチン組成物として使用される場合、抗原バリアントは生ウイルスワクチンと比較して、高い安全性、および宿主細胞における高い発現レベルを示す。したがって、そのような抗原バリアントは水痘・帯状疱疹ウイルスによって引き起こされる水痘または帯状疱疹の予防または治療用のワクチンとして有用である。
【0092】
本発明の態様を下記項にさらに記載する:
[項1]
配列番号1のアミノ酸配列で表される水痘・帯状疱疹ウイルス表面タンパク質(gE)抗原の525番目~543番目のアミノ酸残基からなる群から選択される任意の1つのアミノ酸残基のカルボキシ末端トランケーションであるバリエーションを含む、水痘・帯状疱疹ウイルス表面タンパク質抗原バリアント。
[項2]
配列番号1のアミノ酸配列における40番目のアミノ酸残基がスレオニンである、上記項1に記載の水痘・帯状疱疹ウイルス表面タンパク質抗原バリアント。
[項3]
配列番号1のアミノ酸配列における536番目のアミノ酸残基がロイシンである、上記項1に記載の水痘・帯状疱疹ウイルス表面タンパク質抗原バリアント。
[項4]
該抗原バリアントが配列番号2~8および配列番号21~23の任意の1つのアミノ酸配列で表される、上記項1に記載の水痘・帯状疱疹ウイルス表面タンパク質抗原バリアント。
[項5]
上記項1~4のいずれかに記載される水痘・帯状疱疹ウイルス表面タンパク質抗原バリアントをコードする遺伝子。
[項6]
該遺伝子が配列番号9~15の任意の1つのヌクレオチド配列で表される、上記項5に記載の遺伝子。
[項7]
上記項5に記載される遺伝子を含む組換えベクター。
[項8]
上記項7に記載される組換えベクターで形質転換された宿主細胞。
[項9]
上記項1~4のいずれかに記載される水痘・帯状疱疹ウイルス表面タンパク質抗原バリアントを有効成分として含む、水疱または帯状疱疹を予防または治療するためのワクチン組成物。
[項10]
上記項1~4のいずれかに記載される水痘・帯状疱疹ウイルス表面タンパク質抗原バリアントを有効成分として含むワクチン組成物を患者に投与するステップを含む、水疱または帯状疱疹を予防または治療する方法。
[項11]
上記項1~4のいずれかに記載される水痘・帯状疱疹ウイルス表面タンパク質抗原バリアントを有効成分として含むワクチン組成物の、水疱または帯状疱疹の予防または治療のための使用。
[項12]
上記項1~4のいずれかに記載される水痘・帯状疱疹ウイルス表面タンパク質抗原バリアントを有効成分として含むワクチン組成物の、水疱または帯状疱疹の予防または治療用医薬の製造のための使用。
上記のとおり、本発明の特定の部分を詳細に説明した。しかしながら、そのような特定の記載は単に好ましい態様を説明するものであって、本発明の範囲がそれに限定されるものではないことは、当業者に明らかである。したがって、本発明の実際の範囲は、特許請求の範囲およびその等価物によって限定される。
【0093】
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図1
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図3
図4
図5
図6
図7
図8
【配列表】
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