(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-17
(45)【発行日】2023-03-28
(54)【発明の名称】人体模型試験デバイスのための腰椎伸張制限アセンブリ
(51)【国際特許分類】
G01M 7/08 20060101AFI20230320BHJP
【FI】
G01M7/08 B
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021003720
(22)【出願日】2021-01-13
【審査請求日】2021-03-15
(32)【優先日】2020-01-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】319005017
【氏名又は名称】ヒューマネティックス イノヴァティブ ソリューションズ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ベルナルド ウィレム ビーン
【審査官】岩永 寛道
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0000425(US,A1)
【文献】国際公開第2019/052608(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0318195(US,A1)
【文献】特表2011-508204(JP,A)
【文献】特開2015-210105(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01M 5/00- 7/08
G09B 23/06
G09B 23/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心軸を画定する腰部装着ブラケットと、
前記腰部装着ブラケットに取り付けられた腰椎部材であって、弾性材料から形成された腰椎部材と、
前記腰椎部材に配置された結合ブラケットと、
前記中心軸に関して対向する、前記腰椎部材の側面に結合された一対の腰部クランプ板と、
前記中心軸に関し、かつ前記腰部装着ブラケットに関する、衝突シミュレーション中の前記腰椎部材の伸張運動を制限するために、前記一対の腰部クランプ板の
両方に装着されたベルトシステムであって、前記ベルトシステムは、前記腰椎部材から少なくとも部分的に離間しており、したがって、前記中心軸に関する前記腰椎部材の運動を許容するための可撓性ギャップを画定する、ベルトシステム、と、
を備え
、
前記ベルトシステムは、
第1端と第2端との間に延在する中間部分をそれぞれ含む一対のベルトを備え、各前記第1端部は前記結合ブラケットに結合され、前記第2端のそれぞれは前記一対の腰部クランプ板の対応する一方にそれぞれ取り付けられており、
前記一対のベルトのそれぞれの前記中間部分は、前記中間部分と前記腰椎部材との間に前記可撓性ギャップを画定するように、前記腰椎部材から離間している、衝突試験ダミー。
【請求項2】
前記結合ブラケットに取り付けられた腰部装着ウェッジをさらに備える、
請求項1記載の衝突試験ダミー。
【請求項3】
中心軸を画定する腰部装着ブラケットと、
前記腰部装着ブラケットに取り付けられた腰椎部材であって、弾性材料から形成された腰椎部材と、
前記中心軸に関して対向する、前記腰椎部材の側面に結合された一対の腰部クランプ板と、
前記中心軸に関し、かつ前記腰部装着ブラケットに関する、衝突シミュレーション中の前記腰椎部材の伸張運動を制限するために、前記一対の腰部クランプ板の両方に装着されたベルトシステムであって、前記ベルトシステムは、前記腰椎部材から少なくとも部分的に離間しており、したがって、前記中心軸に関する前記腰椎部材の運動を許容するための可撓性ギャップを画定する、ベルトシステム、と、
を備え、
前記ベルトシステムは、第1端と第2端との間に延在する単一のベルトであって、前記一対の腰部クランプ板の対応する一方にそれぞれ装着された前記第1端及び前記第2端を有する、単一ベルトを備え、
前記ベルトの中間部分は、前記腰椎部材から離間しており、したがって、前記中間部分と前記腰椎部材との間に前記可撓性ギャップを画定する、
衝突試験ダミー。
【請求項4】
前記一対の前記腰部クランプ板のうちの1つ、前記腰椎部材及び前記腰部装着ブラケットを固定して前記ベルトシステムを装着するための留め具を前記一対の前記腰部クランプ板の両方に備える、
請求項1記載の衝突試験ダミー。
【請求項5】
前記腰椎部材は、
前記中心軸に沿って配置されるベース領域と、
前記中心軸に関して前記ベース領域の対向する側面から外側に延在する一対の外側脚であって、前記一対の腰部クランプ板のそれぞれ1つに結合された前記一対の外側脚のそれぞれのターミナル端を有する、一対の外側脚と、
前記ベース領域から前記腰部装着ブラケットに向かう方向に延在する一対の内側脚であって、前記中心軸の対向する側面上の前記一対の外側脚の範囲内に配置された一対の内側脚と、
を備える、
請求項1乃至4いずれか1項記載の衝突試験ダミー。
【請求項6】
前記一対の外側脚のそれぞれ1つの長さL1は、前記一対の内側脚のそれぞれ1つの対応する長さL2より大きく、及び/又は、
前記一対の腰部クランプ板のそれぞれは、
前記ベルトシステムに結合された本体部分と、
前記本体部分から、前記中心軸に向かい、かつ湾曲する前記一対の外側脚の前記ターミナル端に向かう方向へ内側に延在する一対のフランジ部分と、を備え、
前記本体部分は中央凹領域を含み、
前記ベルトシステムは、前記中央凹領域と、前記一対の外側脚の前記ターミナル端と、前記一対のフランジ部分との間で画定されたギャップの中に保持されている、
請求項5記載の衝突試験ダミー。
【請求項7】
前記腰椎部材に連結した腰部装着ウェッジを備える、
請求項1乃至6いずれか1項記載の衝突試験ダミー。
【請求項8】
前記腰椎部材に結合された腰部装着ウェッジと、
前記腰部装着ウェッジの対向する側面に結合された一対の離間した支持板と、
前記結合ブラケットは中央ベース領域及び前記中央ベース領域から横方向に延在する一対の離間したフィンガーフランジを有し、前記一対の離間したフィンガーフランジのそれぞれ1つは前記一対の離間した支持板のそれぞれ1つに結合し、したがって、前記一対の支持板のそれぞれ1つは前記腰部装着ウェッジと前記一対の離間したフィンガーフランジの前記それぞれ1つとの間に配置される、結合ブラケットと、を備え、
前記一対のベルトのそれぞれ一方の前記第1端は、前記一対の離間したフィンガーフランジのそれぞれ一方に結合されており、
前記一対のベルトのそれぞれ他方の前記第1端は、前記一対の離間したフィンガーフランジのそれぞれ他方に結合されている、
請求項
1記載の衝突試験ダミー。
【請求項9】
前記腰椎部材に連結されたベースクランプ板であって、したがって、前記腰椎部材が前記結合ブラケットと前記ベースクランプ板との間に配置されている、ベースクランプ板と、
前記腰椎部材を、前記結合ブラケット及び前記ベースクランプ板のそれぞれに固定するための1つ以上の留め具と、を備える、
請求項8記載の衝突試験ダミー。
【請求項10】
前記一対のベルトのそれぞれ一方は、第1ループ端と第2ループ端との間に延在する前記中間部分を備えると共に、開口を画定する前記第1ループ端及び前記第2ループ端のそれぞれを有し、
前記一対の離間したフィンガーフランジのそれぞれ1つは、前記一対のベルトの対応するそれぞれ1つの前記第1ループ端の前記開口の中に挿入されており、
前記一対の腰部クランプ板のそれぞれ1つは、前記一対のベルトの対応するそれぞれ1つの前記第2ループ端の前記開口の中に挿入されている、
請求項8記載の衝突試験ダミー。
【請求項11】
前記単一のベルトは、第1端と第2端との間に延在する中央部分を含み、
前記中央部分は、一対の中間部分を備えると共に、前記一対の中間部分のうちの、前記中央部分と前記第1端との間に延在する第1中間部分、及び前記一対の中間部分のうちの、前記中央部分と前記第2端との間に延在する第2中間部分を有する、
請求項3記載の衝突試験ダミー。
【請求項12】
前記
単一ベルトの前記第1端は、第1ループ端を備え、
前記
単一ベルトの前記第2端は、第2ループ端を備え、
前記第1ループ端及び前記第2ループ端のそれぞれは開口を画定し、
前記一対の腰部クランプ板のそれぞれ一方は、前記第1ループ端の前記開口の中に挿入されており、前記一対の腰部クランプ板のそれぞれ他方は、前記第2ループ端の前記開口の中に挿入されている、
請求項3記載の衝突試験ダミー。
【請求項13】
前記腰椎部材の底部表面及び頂部表面に隣接して配置されたベースクランプ板であって、前記ベースクランプ板は前記腰椎部材と腰部装着ウェッジとの間の前記頂部表面に隣接して配置されたドーム領域を含み、前記ドーム領域は上部湾曲表面を有する、ベースクランプ板、を備え、
前記ベルトの中央部分は、前記腰部装着ウェッジの対応する下部湾曲表面に隣接して、前記ドーム領域の前記上部湾曲表面上に配置されている、
請求項3記載の衝突試験ダミー。
【請求項14】
前記腰椎部材に腰部装着ウェッジを固定するための1つ以上の留め具を有し、
前記ベルトの中央部分は前記腰部装着ウェッジと前記腰椎部材との間に介在する、
請求項3記載の衝突試験ダミー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年1月14日に出願された米国仮特許出願第62/960,938号の優先権及びすべての利益を主張し、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
発明の背景
1.技術分野
本開示は、概して、人体模型試験デバイスに関し、より詳細には、人体模型試験デバイスのための腰椎伸張制限アセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
2.関連技術の説明
自動車、航空機、及びその他の車両メーカーは、車両及びその乗員に対する衝突の影響を測定するために、広範な種類の衝突試験を実施する。衝突試験、時にはクラッシュ試験と称されることもある、を通して、車両メーカーは車両の改良に利用できる貴重な情報を得る。
【0004】
衝突試験は、しばしば人体の損傷リスクを推定するために、人体模型試験デバイスを使用し、これは、時には人体模型マネキンとも称され、「衝突試験ダミー」としてよりよく知られている。
【0005】
衝突試験ダミーは、典型的には、頭部アセンブリ、脊椎アセンブリ(頸部を含む)、胸郭アセンブリ、腹部、腰椎、骨盤アセンブリ、左右の腕アセンブリ、及び左右の脚アセンブリを含む。通常、腕アセンブリは、上腕アセンブリ及び前腕アセンブリを有する。上腕アセンブリは、典型的には、肩アセンブリに接続されており、肩アセンブリは、典型的には、脊椎アセンブリに接続されている。関節は、様々なアセンブリを互いに結合し、ヒトの可動域をシミュレートする連結(articulation)を可能にするために設けられる。
【0006】
さらに、これらのアセンブリは、典型的には、皮膚で覆われた内側発泡材料を含む模擬肉で覆われている。人体模型試験デバイスは、対象となるヒトの一般的な機械的性質、質量、関節、及び関節の剛性を有していなければならない。さらに、人体模型試験デバイスは、衝突試験中に人のように車両の内部と相互作用するのに十分な機械的衝撃応答を具備しなければならない。
【0007】
特定の衝突試験ダミーでは、骨盤アセンブリは、腰椎と腰椎装着ブラケットとの間に腰椎部材を含む。腰椎部材は、ヒトの腰椎器官に類似の方法で側面衝撃衝突シミュレーション中に屈曲及び伸張(flex and stretch)するように設計されたゴム等の弾性材料で作られている。特に、弾性腰椎部材を含む衝突試験ダミーは、せん断試験条件において仙骨と脊椎を分離する(すなわち、柔軟である)ための近位側衝突試験条件のために開発された。
【0008】
本開示は、人体模型試験デバイスの腰椎領域を対象にするものである。
【発明の概要】
【0009】
本開示は、側面衝撃条件中のヒトの腰椎領域の自然な応答に対応するように、衝突シミュレーション中の腰椎部材の伸張運動を制限するための特徴を含む、人体模型試験デバイス、又は、衝突試験ダミーを提供する。
【0010】
衝突試験ダミーは、中心軸を画定する腰部装着ブラケットを有する骨盤アセンブリと、下部の腰部装着ブラケットに取り付けられる腰椎部材であって、弾性材料から形成されている、腰椎部材と、中心軸に関して対向する、腰椎部材の側面に結合された一対の腰部クランプ板と、腰椎部材に取り付けられた腰部装着ウェッジと、を備える。衝突試験ダミーは、衝突シミュレーション中に腰椎部材の伸張運動を制限するための腰部伸張制限アセンブリも備える。腰部伸張制限アセンブリは、1つ以上のベルトを有するベルトアセンブリを備え、1つ以上のベルトのそれぞれは、一対の腰部クランプ板の一方又は両方に装着される。
【0011】
腰椎伸張制限アセンブリは、遠位側衝撃試験などの側面衝撃衝突シミュレーション中の弾性腰椎部材の伸張量を制限するように構成されているが、近位側面条件における仙骨と胸椎との間の剪断挙動には影響を及ぼさない。換言すれば、制限アセンブリは、側面衝撃衝突シミュレーション中の遠位側面条件における腰部の過伸張を防止する。腰部伸張制限アセンブリを含むことは、同じコンポーネントを含むが腰部伸張制限アセンブリを含まない衝突試験ダミーと比較して、衝突試験ダミーの耐久性を改善し、衝突試験ダミーの頭部可動域再現性も改善する。
【0012】
本開示の他の特徴及び利点は、添付の図面と併せて取られた後続の説明を読んだ後、同じことがよりよく理解されるようになるので、容易に理解されるであろう
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、衝突試験ダミーを斜視図で示す図である。
【
図2】
図2は一実施形態による腰椎伸張制限アセンブリを含む骨盤アセンブリの一部を斜視図で示す図である。
【
図3】
図3は、一実施形態による
図2の腰椎伸張制限アセンブリを分解斜視図で示す図である。
【
図4】
図4は、組み立てられた状態における
図3の腰椎伸張制限アセンブリの正面図である。
【
図7】
図7は、別の実施形態による腰椎伸張制限アセンブリを含む骨盤アセンブリを部分断面図で示す図である。
【
図8】
図8は、さらに別の実施形態による骨盤アセンブリで使用するための腰椎伸張制限アセンブリを分解斜視図で示す図である。
【
図9】
図9は、組み立てられた状態における
図8の腰椎伸張制限アセンブリを含む骨盤アセンブリを部分断面図で示す図である。
【
図10】10は、仮想的な人体模型試験デバイスを構築し、評価するためのシステムを模式的に示す図である。
【
図11】
図11は、衝突試験ダミーにおける遠位側面衝撃を評価するための側面衝撃衝突シミュレータを斜視図で示す図である。
【
図12】
図12乃至
図15は、47ミリ秒、60ミリ秒、97ミリ秒、129ミリ秒の複数の時間間隔における、
図11の側面衝撃衝突シミュレータ内の側面衝撃条件中の
図2乃至6の衝突試験ダミーの一部を斜視図で示す図である。
【
図13】
図12乃至
図15は、47ミリ秒、60ミリ秒、97ミリ秒、129ミリ秒の複数の時間間隔における、
図11の側面衝撃衝突シミュレータ内の側面衝撃状態の間の
図2乃至6の衝突試験ダミーの一部を斜視図で示す図である。
【
図14】
図12乃至
図15は、47ミリ秒、60ミリ秒、97ミリ秒、129ミリ秒の複数の時間間隔における、
図11の側面衝撃衝突シミュレータ内の側面衝撃状態の間の
図2乃至6の衝突試験ダミーの一部を斜視図で示す図である。
【
図15】
図12乃至
図15は、47ミリ秒、60ミリ秒、97ミリ秒、129ミリ秒の複数の時間間隔における、
図11の側面衝撃衝突シミュレータ内の側面衝撃状態の間の
図2乃至6の衝突試験ダミーの一部を斜視図で示す図である。
【
図16】
図16は、衝突試験ダミーにおける遠位側衝撃を評価するための振り子側面衝撃衝突シミュレータを斜視図で示す図である。
【
図17】
図17乃至
図22は、47ミリ秒、60ミリ秒、97ミリ秒、129ミリ秒の複数の時間間隔における、
図16の振り子側面衝撃衝突シミュレータ内の振り子側面衝撃条件中の、
図2乃至6の衝突試験ダミーの一部を斜視図で示す図である。
【
図18】
図17乃至
図22は、47ミリ秒、60ミリ秒、97ミリ秒、129ミリ秒の複数の時間間隔における、
図16の振り子側面衝撃衝突シミュレータ内の振り子側面衝撃条件の間の、
図2乃至6の衝突試験ダミーの一部を斜視図で示す図である。
【
図19】
図17乃至
図22は、47ミリ秒、60ミリ秒、97ミリ秒、129ミリ秒の複数の時間間隔における、
図16の振り子側面衝撃衝突シミュレータ内の振り子側面衝撃条件の間の、
図2乃至6の衝突試験ダミーの一部を斜視図で示す図である。
【
図20】
図17乃至
図22は、47ミリ秒、60ミリ秒、97ミリ秒、129ミリ秒の複数の時間間隔における、
図16の振り子側面衝撃衝突シミュレータ内の振り子側面衝撃条件の間の、
図2乃至6の衝突試験ダミーの一部を斜視図で示す図である。
【
図21】
図17乃至
図22は、47ミリ秒、60ミリ秒、97ミリ秒、129ミリ秒の複数の時間間隔における、
図16の振り子側面衝撃衝突シミュレータ内の振り子側面衝撃条件の間の、
図2乃至6の衝突試験ダミーの一部を斜視図で示す図である。
【
図22】
図17乃至
図22は、47ミリ秒、60ミリ秒、97ミリ秒、129ミリ秒の複数の時間間隔における、
図16の振り子側面衝撃衝突シミュレータ内の振り子側面衝撃条件の間の、
図2乃至6の衝突試験ダミーの一部を斜視図で示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図面、特に
図1を参照すると、本発明による、人体模型試験デバイス又は衝突試験ダミーの一実施形態が、概略的に12として示されている。一実施形態では、衝突試験ダミー12は、50パーセンタイル(50%)の男性型であり、座位で示されている。この衝突試験ダミー12は、主として、前部座席及び後部座席のための車内及び拘束システムの性能を試験するために使用される。衝突試験ダミー12のサイズと重さは、身体計測学に基づいており、通常、ミシガン大学運輸研究所(UMTRI)、米軍身体計測調査(ANSUR)、及び米国及び欧州の民間人体計測学リソース(CESAR)が別々に行っている。前記運動の範囲、重心、及びセグメントの質量は、人体測定データによって画定されたヒトの被験者のものをシミュレートすることを理解されたい。また、衝突試験ダミー12は、任意の適切なサイズであり得ることを理解されたい。
【0015】
図1に示すように、衝突試験ダミー12は、全体として14で示す頭部アセンブリを含む。衝突試験ダミー12はまた、全体として15で示される脊椎アセンブリを含み、脊椎アセンブリは、頭部アセンブリ14に取り付けられた頸部30を含む上端と、衝突試験ダミー12の胴部領域内に延在する下端とを有する。
【0016】
衝突試験ダミー12の胴部領域は、全体として16で示される胸郭アセンブリを含み、胸郭アセンブリは、脊椎アセンブリ15に接続されている。衝突試験ダミー12はまた、全体として18で示される右腕アセンブリと、全体として20で示される左腕アセンブリとを含む一対の腕アセンブリを有し、これらは、全体として21で示される肩アセンブリを介して衝突試験ダミー12に取り付けられる。脊椎アセンブリ15の下端は、腰部-胸部アダプタ(図示せず)に接続され、これは腰部-骨盤アダプタ(図示せず)に接続されることを理解されたい。
【0017】
図1に最も良く示されているように、衝突試験ダミー12は、全体として22で示されている骨盤アセンブリを含み、これは、脊椎アセンブリ15の骨盤/腰椎取付装着ブロックに接続されている。衝突試験ダミー12は、骨盤アセンブリ22に取り付けられた、右脚アセンブリ24及び左脚アセンブリ26を含む。衝突試験ダミー12の様々な構成要素は、衝突試験ダミー12の生体忠実度のために、肉及び皮膚アセンブリなどのポリビニルの皮膚で覆われ得ることを理解されたい。
【0018】
胸郭アセンブリ16は、脊柱ボックスから前方に離間して配置された胸骨を含む。胸骨は、全体として、逆「V」形状であるが、任意の好適な形状であることもできる。胸郭アセンブリ16はまた、脊柱ボックスと胸骨との間に延在する1つ以上の肋骨36を含む。肋骨36は、全体として弓形の形状であり、全体として矩形の断面形状であるが、任意の好適な形状であることもできる。複数の肋骨36は、脊柱ボックス及び胸骨に沿って垂直方向に離間して配置されている。肋骨36は、留め具などの適切な機構によって脊柱ボックス及び胸骨に連結されている。衝突試験ダミー12はまた、任意に、胸郭アセンブリ16及び骨盤アセンブリ22内に画定された空洞45内に少なくとも部分的に配置された内部臓器アセンブリを含むこともできる。さらに、衝突試験ダミー12はまた、内部臓器アセンブリを所定の位置に保持するための腹筋層を含んでもよい。また、衝突試験ダミーは、典型的には、胸郭アセンブリ16の外側に配置された一対の側板75、77を含む。
【0019】
次に、
図2~
図9を参照すると、本発明の3つの代替実施形態による、骨盤アセンブリ22の拡大図が示されており、衝突試験ダミー12と動作関係にある3つの代替実施形態のうちの1つにおける腰部伸張制限アセンブリ200が含まれている。
【0020】
3つの代替的な実施形態の各々において、3つの代替的な実施形態の全てを代表する
図2の第1の実施形態に最もよく示されているように、骨盤アセンブリ22は、一対の骨盤骨部材、好ましくは右骨盤骨部材70及び左骨盤骨部材72を含む。骨盤骨部材70、72は、熱硬化性プラスチック材料等のプラスチック材料で作られる。特定の実施形態では、熱硬化性プラスチック材料は、例えばChemtura Corporation(現在のLanXess AG ドイツ・ケルン)から市販されている、Adiprene(R)の商標名で市販されている、TDI末端ポリエーテル・プレポリマーのブレンドを含み得る。ポリエーテル・プレポリマーブレンドは、市販のジアミン硬化剤で硬化されることを理解されたい。また、ポリエーテル・プレポリマーブレンドは、特殊用途に必要とされる、特定の静的及び動的特性を達成するように調整されることも理解されたい。骨盤骨部材70、72は、留め具が貫通して延在することができるための複数の開口と、部材が貫通して延在できるための複数の開口と、を含み得ることをさらに理解されたい。
【0021】
骨盤アセンブリ22はまた、腰部装着ブラケット94に取り付けられた腰椎部材98を含む。腰椎部材98は、その両側に貫通して延在する複数の下部開口100(
図3参照)を画定する。腰椎部材98は、弾性材料で作られる。また、骨盤アセンブリ22は、下部開口100内に配置された複数の腰部ブッシング(図示せず)と、腰椎部材98の相対向する側部98A、98Bに結合され、その上に配置された腰部クランプ板104とを含み得る。本明細書で定義される、腰椎部材98のそれぞれの相対向する側部98A、98Bは、中心軸CAの相対向する側部に配置された腰椎部材98の外部表面を指す(
図4参照)。
【0022】
特定の実施形態では、
図2にも示されるように、腰椎部材98は、複数の開口501を画定する中心軸CAに沿って配置されたベース領域500を含む。腰椎部材98は、中心軸CAに関してベース領域500の対向する側部98A、98Bから、中心軸から外側に向かって延在する一対の外側脚502、504を含み、外側脚502、504は、長さL1を有し、特定の実施例においては、下向きのC字形を形成するように、下部腰部ブラケット94に向かう方向において湾曲する外側脚502、504の特定の曲率を有し、それ故、したがって湾曲した一対の外側脚502、504として一対の外側脚502、504をさらに画定する。さらに、
図2にも示される特定の実施形態では、長さL2を有する離間した一対の内側脚506、508が、ベース領域500から下部腰部ブラケット94に向かって延在し得る。内側脚506、508は、典型的には、それらの長さに沿って真っすぐであると共に、ベース領域500の反対側で、下部腰部ブラケット94上に配置されているが、腰部ブラケット94に固着又は固定されていない、ターミナル端506A、508Bを有する。さらに、外側脚502、504のターミナル端502A、504Aは、典型的には、中心軸CAに関して、下部腰部ブラケット94の対向フランジ側94A、94Bの外方に配置され、以下にさらに説明するように、下部腰部ブラケット94に固定される。外側脚502、504のターミナル端502A、504Aは、複数の開口100をさらに画定する。
【0023】
長さL1及びL2は、図示を容易にするために、
図4に垂直長として示されているが、ベース領域500とそれらのそれぞれのターミナル端502A、504A、506A、508Aとの間の外表面に沿って延びるそれぞれの長さとして画定され、湾曲又は直線であり得る。図示すように、特定の実施形態では、外側脚502、504の長さL1は、内側脚506、508の長さL2よりも長い。さらに、特定の実施形態では、それぞれの外側脚502、504の長さL1は同じである。さらに、特定の実施形態では、それぞれの内側脚506、508の長さL2は同じである。
【0024】
また、
図2及び
図4に示すように、腰部クランプ板104は、中心軸CAに関して、腰椎部材98のそれぞれの対向する側面98A、98Bにそれぞれ結合され、その上に配置された一対の腰部クランプ板104A、104Bを含む。換言すると、腰部クランプ板104の各対の第1腰部クランプ板104Aは、中心軸CAに関して腰椎部材98の一方の側面に連結され、その上に配置され、腰部クランプ板104の各対の第2腰部クランプ板104Aは、中心軸CAに関して腰椎部材98の他方の側面に連結され、その上に配置される。(
図1に示されるような衝突試験ダミー及び
図2に示されるような骨盤アセンブリ22の斜視図から見た場合、右腰部クランプ板104A及び左腰部クランプ板10として示される)。特に、一対の腰部クランプ板104のうち第1腰部クランプ板104Aは、第1の離間した外側脚502のターミナル端502Aの外側面に結合され、その上に配置され、一対の腰部クランプ板104のうち第2の腰部クランプ板104Bは、第2の離間した外側脚504のターミナル端504Aの外側に結合され、その上に配置されている。
【0025】
各腰部クランプ板104、104A、104Bは、本体部分105(
図3を参照)と、本体部分105から内方に延在し、特に、本体部分105から腰椎部材98及び中心軸CAに向かう方向に内方に延在し、特に、特定の実施形態では、離間された第1外側脚又は第2外側脚502、504のそれぞれのターミナル端502A、504Aに向かう方向に内方に延在する、一対のフランジ部分107(
図3参照)とを有する。本体部分105及びフランジ部分107は、それらを貫通して延在する複数の開口106を画定する。本体部分105は、フランジ部分107のそれぞれの対の間に延在する中央凹領域109(
図3参照)を画定する。
【0026】
骨盤アセンブリ22はまた、腰部装着ブラケット94内の開口121に貫通し係合して、腰椎部材98を腰部装着ブラケット94に固定するために、クランプ板104の内の開口106及び腰椎部材98の開口100を貫通して延在するネジなどの複数の留め具108を含む。より詳細には、特定の実施形態では、留め具108は、クランプ板104の開口106、任意の腰部ブッシュ、及び腰椎部材98のそれぞれの第1又は第2の離間した外側脚502、504の開口100を介して延在し、したがって、腰部装着ブラケット94の開口121に係合し、腰椎部材98のそれぞれ第1又は第2の離間した外側脚502、504を腰部装着ブラケット94に固定する。留め具108でそれぞれの外側脚502、504に固定する場合、本体部分105の中央凹領域509は、それぞれの外側脚502、504から離間したままであり、フランジ部分107は、ターミナル端502A、504Aに隣接して配置される。
【0027】
骨盤アセンブリ22はまた、一対の離間した支持板175、177の間に配置された腰部装着ウェッジ110を備え、腰部装着ウェッジ及び支持板175、177のそれぞれは、腰椎部材98の頂部表面に隣接して配置されている。可撓性の腰椎部材98は、衝突試験ダミー12の腰部装着ウェッジ110と腰部装着ブラケット94との間の可撓性連結部として機能する。(すなわち、衝突試験ダミー12の骨盤体セグメントと仙骨と、衝突試験ダミー12の体セグメント胸郭と胸椎との間の可撓性連結部として機能する)。腰部装着ウェッジ110は、ノッチ領域111を画定し、一対の開口115を画定する。支持板175、177の各々は、下部ノッチ領域178、179をも画定する。
【0028】
骨盤アセンブリ22はまた、ベース領域500の下側に隣接して配置されたベースクランプ板116を含む。ベースクランプ板116は、それを通って延在する複数の開口119を画定し、それぞれの留め具123を受け入れる。
【0029】
図2~
図6にも示されているように、特定の実施形態では、骨盤アセンブリ22は、腰椎部材98のベース領域500の頂部表面上に配置された結合ブラケット131を含む。結合ブラケット131は、中央ベース領域133と、中央領域133の端部から衝突試験ダミー12の後方に向かう方向において横方向又は垂直方向に延在する一対の離間したフィンガーフランジ137、139とを含む。中央ベース領域133は、ベースクランプ板116、腰椎部材98のベース領域500、及び結合ブラケット131と、結合又は固定するために使用される対応する留め具123を受容するための複数の開口135を画定する。
【0030】
完全に組み立てられた場合、中央ベース領域133は、腰椎部材98のベース領域500の頂部表面に沿って延在し、腰部装着ウェッジ110と腰椎部材98との間、及び支持板175、177の下部ノッチ領域178、178のそれぞれと腰椎部材98との間で、ノッチ領域111を通って延在する。さらに、一対の離間したフィンガーフランジ137、139の各々は、中心軸CAに対向するそれぞれの支持板175、177の対向する横方向側面から外側に、かつその側面に隣接して配置される。
【0031】
図2、
図5及び
図6に最も良く示されているように、一対の離間したフィンガーフランジ137、139の各々は、ベルト保持ターミナル端141、143へと終端する内方長さ領域142、144を含む。それぞれの離間したフィンガーフランジ137、139のベルト保持ターミナル端141、143は、結合ブラケット131を、それぞれの支持板175、177を介して、腰部装着ウェッジ110に結合又は固定するために使用される留め具112を受容するための開口145、147を画定する。
【0032】
また、
図2~
図9の3つの異なる例示的な実施形態に示されているように、骨盤アセンブリ22は、衝突シミュレーション中、特に側面衝撃衝突シミュレーション中、より詳しくは遠位側面衝撃衝突シミュレーション中に、腰椎部材98の最終的な伸張を制限するように機能する腰部伸張制限アセンブリ200も含む。特に、腰部伸張制限アセンブリ200は、衝突シミュレーション中に、特に側面衝撃衝突シミュレーション中に、より詳しくは遠側衝撃衝突シミュレーション中に、腰椎部材98の最終的な伸張を制限するように集合的に機能する1つ以上のベルトを有するベルトアセンブリ201を画定する。
【0033】
図2~
図6に示す第1の実施形態では、ベルトアセンブリ201は、第1端206と第2端208との間に延在する中間部204を各々有する一対のベルト202を含む。さらに、それぞれの第1端及び第2端206、208の各々のターミナル部分は、ループして、ベルト202の中間部204に固定されている。したがって、ベルト202のそれぞれの対のそれぞれ一方の第1端及び第2端206、208は、そこに開口209、211を有する第1ループ端及び第2ループ端206A、208Aとしてさらに画定されることができる。ベルト202の各々の第2端部208は、スリット開口213も画定する。一対のベルト202の、第1端206と第2端部208との間で測定されたそれぞれの長さは、それぞれの外側脚502、504の長さL1よりも長い。さらに、特定の実施形態では、一対の中間部分204のそれぞれの長さは、それぞれの外側脚502、504の長さL1よりも長い。
【0034】
ベルト202のそれぞれは、第1ループ端206Aのそれぞれの開口209を通して、一対の離間したフィンガーフランジ137、139のそれぞれの1つを挿入することによって、結合ブラケット131に結合されており、したがって、ベルト202のそれぞれの第1のループ端206A、206Bがそれぞれのベルト保持端141、143と中央ベース領域133との間のそれぞれの内方長さ領域142、144のまわりに配置される。挿入後、留め金具112は、離間したフィンガーフランジ137、139それぞれのベルト保持ターミナル端141、143のそれぞれの開口145、147を介し、かつ、腰部装着ウェッジ110のそれぞれの開口115を介して、挿入され、一対の離間したフィンガーフランジ137、139のそれぞれ1つの周りに保持されたそれぞれのベルト202で結合ブラケット131を腰部装着ウェッジ110に固定する。
【0035】
図2~
図6にも示されているように、ベルト202の第2ループ端208Aの各々は、腰部クランプ板104の本体部分105の周囲に結合されている。特に、それぞれの腰部クランプ板104は、第2ループ端208Aのそれぞれの開口211内に挿入され、したがって、ベルト202のそれぞれの第2ループ端208Aが一対のフランジ部分107の間の本体部分105の中央凹領域109の周囲に配置される。次に、それぞれの留め具108は、腰部クランプ板104のそれぞれの開口106を介し、腰椎部材98のターミナル端502A、504Aのそれぞれの開口100を介し、さらに、腰部装着ブラケット94のそれぞれの開口121を介して、挿入され、結合又は固定し、腰椎部材98と腰部装着ブラケット94との間の第1及び第2の離間した外部脚502、504のそれぞれを、中央凹領域109と、それぞれの外側脚502、504のターミナル端502A、504Aの外部表面との間に形成された可撓性ギャップ(flexing gap)219の範囲内及び一対のフランジ部分507の範囲内で、腰部クランプ板104のそれぞれのフランジ部分107と腰椎部材98のそれぞれの外部脚502、504との間で保持されたそれぞれのベルト202の第2端208Aと固定する。この可撓性ギャップ219は、一対の中間部分204のそれぞれの長さが、それぞれの外側脚502、504の長さL1よりも長いために生成される。
【0036】
図示のように、また、それぞれの腰部クランプ板104に関してそれぞれのベルト202の第2端208Aを配置するために、この締結プロセスの一部として、腰部クランプ板104の対応する開口106内に挿入される前に、留め具108のうちの1つの108Aはまた、スリット開口213を介して挿入される。
【0037】
したがって、それぞれのベルト202のそれぞれ一方の第1端及び第2端206、208は、それぞれの留め具112、108によって、腰椎部材98及び腰椎装着ウェッジ110のそれぞれに固定されており(
図5参照)、それぞれのベルト202のそれぞれの中間部分204は、緩い状態(loose)に保たれ、腰椎部材98及び腰部装着ウェッジ110とは独立して、自由に動く状態(free to move)に保たれる。したがって、衝突試験ダミー12が側面衝撃衝突シミュレーション、特に、遠位側面衝撃衝突シミュレーションにおいて使用される場合、腰部伸張制限アセンブリ200のベルト202は、弾性腰椎部材98が、ヒトの腰椎領域と一致する方法で側面衝撃に応答して、それぞれのベルト202の限度内で撓曲することを可能にするが、腰椎部材98が、ヒトの腰椎領域と一致する範囲を越えて撓曲することを防止する。特に、遠位側面衝撃衝突シミュレーション中に、第1方向又は第1方向と反対の第2方向において腰椎部材98が伸張する間、(遠位側面衝撃シミュレーションの特定の側面に対応する弾性腰椎部材98の伸張方向に依存する)それぞれのベルト202のうちの1つの中間部204は、ヒトの腰椎領域の自然な応答に対応する最大許容限度で伸長する腰椎部材98と接触するが、ヒトの腰椎領域の自然な応答を超える腰椎部材98のさらなる伸長(elongation)を防止する。
【0038】
側面衝撃衝突シミュレーションの前に、
図2及び
図4~
図6に示すように、ベルト202のそれぞれの対のそれぞれの中間部分204は、腰椎部材98に対関して離間されており(したがって、上述のように、緩く、自由な状態であり)、可撓性ギャップ219を画定し、側面衝撃条件中のヒトの腰椎領域の自然な応答に対応する最大許容限度に対応するように設計された可撓性ギャップ219を画定する間隔を有する。
【0039】
したがって、中心軸CAに関して衝突試験ダミー12の一方の側に沿って方向付けられた側面衝撃シミュレーション中に、腰椎部材98は、中心軸CAの一方の側に向かって伸長し、腰椎部材98の伸長は、腰椎部材98の外部表面がベルト1202のそれぞれの中間部分204の内部表面204Aと接触するように行われる。一旦、それぞれの中間部分204の内部表面204Aに接触すると、腰椎部材98は、それ以上中心軸CAから離れて伸長することができない。それ故、それぞれのベルト202は、側面衝撃条件中のヒトの腰椎領域の自然な応答に対応して、側面衝撃衝突シミュレーションの間、腰椎部材98の伸長を中心軸CAから所定の距離に制限する。
【0040】
図2~
図6による一実施形態における一対のベルト202を使用することの代替的実施形態では、
図7及び
図8~
図9の代替実施形態における腰部伸張制限アセンブリ200及びベルトアセンブリ201は、後述するように、単一のベルト1202又は2202を含むことができる。これらの代替的な実施形態では、
図2~
図6と
図7又は
図8~
図9の骨盤アセンブリ22の間で共通である構成要素は、説明を容易にするために同じ参照番号によって識別される。
【0041】
まず、
図7を参照すると、第2実施形態によるベルトアセンブリ1201は、第1端1206と第2端1208との間に延在する中央部分1204を有する単一のベルト1202を含む。
【0042】
さらに、第1端及び第2端1206、1208の各々におけるターミナル端1206A、1208Aは、ループ状にされ、ベルト1202の中間部1220、1222に固定されると共に、中間部1220、1222は、中央部分1204と第1端及び第2の端部1206、1208それぞれとの間で画定され、したがって、開口1209、1210を有する第1ループ端及び第2ループ端1206A、1206Bとして、第1端及び第2端部1206、1208をさらに画定する。
【0043】
図7において、ベルト1202の第1ループ端及び第2ループ端1206A、1208Aのそれぞれは、腰部クランプ板104の本体部分105の周りに結合されている。特に、それぞれの腰部クランプ板104が第1ループ端及び第2ループ端1206A、1208Aのそれぞれの開口1209、1211内に挿入され、したがって、ベルト1202の第1ループ端及び第2ループ端1206A、1208Aのそれぞれ1つが一対のフランジ部分107の間の本体部分105の中央凹領域109の周りに配置される。次に、それぞれの留め具108は、腰部クランプ板104のそれぞれの開口106を介し、腰椎部材98のターミナル端502A、504Aのそれぞれの開口100を介し、さらに、腰部装着ブラケット94のそれぞれの開口121を介して、挿入され、結合又は固定し、腰椎部材98と腰部装着ブラケット94との間の第1及び第2の離間された外部脚502、504のそれぞれを、腰部クランプ板104と腰椎部材98のそれぞれの外側脚502、504との間に保持されたベルト1202の第1ループ端及び第2ループ端1206A、1208Aのそれぞれ1つと固定する。図示のように、また、それぞれの腰部クランプ板104に対してそれぞれのベルト202の第2端208Aを配置するために、この締結プロセスの一部として、腰部クランプ板104の対応する開口106内に挿入される前に、留め具108のうちの1つの108Aはまた、スリット開口213を介して挿入される。
【0044】
図7にも示されているように、
図2~
図6に示されているような一対のベルト202と比較すると、単一のベルト1202を使用するために対をなすベルトを腰部装着ウェッジ110に結合するための結合ブラケット131を使用する必要はない。その代わりに、ベースクランプ板116は腰椎部材98の周りに延在し、したがたがって、腰椎部材98と腰部装着ウェッジ110との間でベース領域500の頂部表面に隣接して配置された頂部部分116Bと、ベース領域500の底部表面に隣接して配置された底部部分116Aとを画定する。頂部部分116Bはドーム領域129を有する。ドーム領域129は、中央ベース領域133内の対応する開口135に隣接して配置された下部表面129Aから延在する複数の開口(図示せず)を画定した。それぞれの留め具123は、ベースクランピン部板116の底部116A、腰椎部材98、及びドーム領域129に、対応する整列した開口の各セットを通して挿入され、ベースクランプ板116と腰椎部材98のベース領域500とを結合又は固定する。
【0045】
ベルト1202の中央部分1204は、ドーム領域129の上部湾曲表面1131上に、腰部装着ウェッジ110の対応する下部湾曲表面133に隣接して配置される。したがって、ベルト1202は、ドーム領域129が無い状態よりも、ベルト1202の中間部分1220、1222上により少ないたるみを有するドーム領域129上に自己センタリングすることが可能であり、側面衝撃衝突シミュレーションの間、腰椎部材98のより制限された制御を可能にする。(すなわち、ベルト1202内のより小さなたるみは、腰椎部材98のより限定された運動を可能にし、不自然な腰椎伸長を防止する)。
【0046】
したがって、衝突試験ダミー12が、側面衝撃衝突シミュレーション、特に、遠位側面衝撃衝突シミュレーションにおいて使用される場合、腰部伸張制限アセンブリ200のベルト1202は、ヒトの腰椎領域と一致する方法で側面衝撃に応答して、弾性腰椎部材98がベルト1202の範囲内で撓曲するのを可能にするが、腰椎部材98がヒトの腰椎領域と一致する方法を超えて撓曲することを防止する。特に、ベルト1202のうちの1つ又は他の中間部分1220、1222は、ヒトの腰椎領域の自然な応答に対応する最大許容限度で(遠位側面衝撃衝突試験の方向に依存して)伸長する腰椎部材98と接触するが、ヒトの腰椎領域の自然な反応を超える腰椎部材98のさらなる伸長を防止する。換言すると、腰部伸張制限アセンブリ200のベルト1202は、遠位側面の条件での腰部の過剰な伸張を防止し、近位側面条件における仙骨と胸椎との間の剪断挙動には影響を及ぼさない。
【0047】
側面衝撃衝突シミュレーションの前に、
図7に示すように、ベルト1202の一対の中間部1220、1222は、側面衝撃条件中のヒトの腰椎領域の自然な反応に対応する最大許容限度に対応するように設計された、それぞれの可撓性ギャップ219を画定するために、腰椎部材98に対して離間されている(したがって、上述のように、緩く、かつ自由な状態である)。
図2~
図6の第1の実施形態と同様に、ベルト1202の一対の中間部1220、1222のそれぞれの長さは、可撓性ギャップ1219を提供するように、それぞれの外側脚502、504の長さL1よりも長い。
【0048】
したがって、中心軸CAに対して衝突試験ダミー12の1つの側面に沿って方向付けられた側面衝撃シミュレーションの間、腰椎部材98は、中心軸CAの一方の側面の方向において伸長され、腰椎部材98の伸長は、腰椎部材98の外部表面がベルト1202のそれぞれの中間部分1220、1222の内部表面1220A、1222Aと接触するようにされる。一旦、それぞれの中間部分1220、1222の内部表面1220A、1222Aに接触すると、腰椎部材98は、中心軸CAから離れてそれ以上伸長することができない。それ故、それぞれのベルト1202は、側面衝撃条件中のヒトの腰椎領域の自然な反応に対応して、側面衝撃衝突シミュレーションの間、腰椎部材98の伸長を中心軸CAから所定の距離に制限する。
【0049】
さらに別の代替的な実施形態では、
図8~
図9に示すように、ベルトアセンブリ201は、第1端2206と第2端2208との間に延在する中央部分2204を有する単一のベルト2202を含む。中央部分2204は、1つ以上の開口2210を画定する(ここでは、2つの開口2010として示される)。さらに、第1端及び第2端2206、2208の各々におけるターミナル端部分2206A、2208Aは、ループ状にされ、ベルト2202の中間部2220、2222に固定され、中間部2220、2222は、中央部分2204と第1端及び第2端2206、2208それぞれとの間で画定され、したがって、開口2209、2210を有する第1ループ端及び第2ループ端2206A、2206Bとして、第1端及び第2端部2206、2208をさらに画定する。また、第1ループ端部分及び第2のループ端部分2206A、2208Aのターミナル端2206A、2208Aは、腰部クランプ板2104内の開口2106のサイズ及び位置に対応する複数の開口2205、2207も画定する。特に、
図8に示すように、腰部クランプ板2104は、中心軸CAに関して、腰椎部材98の対向する側面98A、98Bにそれぞれ結合され、その上に配置された一対の腰部クランプ板2104A、2104Bを含む。特定の実施形態では、ブッシング2211は、ベルト2202内のそれぞれの開口2205、2207、2210内に導入され得る。
【0050】
図8~
図9の実施形態では、
図7の単一ベルト1202とは対照的に、この実施形態の単一ベルト2202の中央部分2204は、緩んでおらず自己整合を可能にするが、その代わり、腰部装着ウェッジ110と腰椎部材98との間に固定される。特に、開口2210は、複数の留め具123のうちの対応するものを受け入れるように構成される。特に、
図9に最も良く示されているように、骨盤アセンブリ22は、例えば、ベースクランプ板116の開口119を介し、腰椎部材98(
図9参照)のベース部分500の開口501を介し、かつ、ベルト1202の中央部分2204の開口2210を介して延在するネジなどの、一つ以上の留め具123及び好ましくは複数の留め具123を含み、腰部装着ウェッジ110を貫通して係合し、腰部装着ウェッジ110を腰椎部材98に、それらの間に介挿され固定されたベルト202の中央部分1204で固定する。また、
図5に示すように、ワッシャ125は、ベルト2202の中央部分2204と腰椎部材98の上部表面との間で留め具118上に配置され得る。
【0051】
図8~
図9には示されていないが、第1ループ端及び第2ループ端2206A、2208Aの開口2205、2207、それぞれの腰部クランプ板2104、2104A、2104Bの開口2106、腰椎部材98の開口100を介して、腰部装着ブラケット94の開口121内に延在するネジ等の、(
図2~
図6の留め具108に類似の)複数の留め具は、上記の
図2~
図6の実施形態の腰部クランプ板104、104A、104Bの使用を介して説明したのと類似の方法で、第1ループ端及び第2ループ端2206A、2208A及び腰部クランプ板2104、2104A、2104Bを、腰椎部材98及び腰部装着ブラケット94に固定するために使用することができる。
【0052】
したがって、
図8~
図9に示す実施形態では、ベルト2202の第1端及び第2の端2206、2208、及びベルト2202の中央部分2204が固定されており、ベルト2202の中間部分2220、2222は、腰椎部材98及び腰部装着ウェッジ110とは独立して移動するように、緩んで自由なままである。したがって、衝突試験ダミー12が側面衝撃衝突シミュレーション、特に、遠位側面衝撃衝突シミュレーションにおいて使用される場合、腰部伸張制限アセンブリ200のベルト2202は、ヒトの腰椎領域と一致する方法で側面衝撃に応答して、弾性腰椎部材98がベルト2202の限界内で撓曲することを可能にするが、腰椎部材98がヒトの腰椎領域と一致する限界を越えて撓曲することを防止する。特に、ベルト2202の中間部2220、2222のうちの一方又は他方は、伸長する腰椎部材98と(遠位側面衝撃衝突試験シミュレーションの方向に応じて)ヒトの腰椎領域の自然な反応に対応する最大許容限度で接触させるが、ヒトの腰椎領域の自然な反応を超える腰椎部材98のさらなる伸長を防止する。
【0053】
側面衝撃衝突シミュレーションの前に、
図8~
図9に記載され、かつ図示されるように、ベルト1202の一対の中間部2220、2222は、それぞれ、腰椎部材98に対して離間し(故に、上述のように緩んだ状態であり自由である)、それぞれの可撓性ギャップ2219を画定し、側面衝撃条件中のヒトの腰椎領域98の自然な反応に対応する最大許容限度に対応するように設計されたそれぞれの可撓性ギャップ2219を画定する間隔を有する。
図2~
図6の第1の実施形態と同様に、ベルト1202の対をなす中間部分2220、2222のそれぞれの長さは、それぞれの外側脚502、504の長さL1よりも長く、したがって、可撓性ギャップ2219を提供する。
【0054】
したがって、中心軸CAに対して衝突試験ダミー12の一方の側に沿って方向付けられた側面衝撃シミュレーションの間、腰椎部材98の伸長は、腰椎部材98の外部表面が腰椎部材98の外部表面がベルト2202のそれぞれの中間部分2220、2222の内部表面2220A、2222Aと接触するようにされる。一旦、それぞれの中間部分2220、2222の内部表面2220A、2222Aと接触すると、腰椎部材98は、それ以上中心軸CAから離れることができない。それ故、ベルト2202は、側面衝撃条件中のヒトの腰椎領域の自然な反応に対応する側面衝撃衝突シミュレーションの間、腰椎部材98の伸長を中心軸CAから所定の距離に制限する。
【0055】
要約すると、
図1~
図9の衝突試験ダミー12の腰椎部材98の付加的な伸長は、腰椎伸張制限アセンブリ200が存在しない場合、衝突試験ダミー12がラップベルト及び車両センターコンソールによって骨盤領域においてのみ制限され、したがって正確な遠側衝撃衝撃衝突シミュレーションが発生しない場合に、頭部可動域データにおける遠位側面衝撃衝突試験シミュレーションデータの相違に寄与することができる。特に、遠位側面衝撃試験中の弾性腰椎部材98の付加的な伸長によって引き起こされる、X軸(すなわち、図示のような軸CA)に対する、腰部のせん断(lumbar shear)、腰部の伸張又は伸び(lumbar stretch)、及び腰部の屈曲又曲げ(lumbar bending)は、頭部可動域の変動に寄与すると考えられる。上述の
図2~
図9の実施形態のいずれか1つによる腰部伸張制限アセンブリ200の衝突試験ダミー12への組み込みは、したがって、X軸における腰部剪断、腰部伸張、及び腰部屈曲を制限することによって、この問題に対処し、したがって、同じ条件下で実施される遠位側面衝突衝突シミュレーション中の頭部可動域の再現性を改善することが期待される。さらにまた、
図2~
図9の実施形態のいずれか1つによる腰部伸張制限アセンブリ200を含むこと(inclusion)は、側面衝撃衝突シミュレーションに影響を及ぼしたり、変更したりするとは考えられない。さらに一層、
図2~
図9の実施形態のいずれか1つによる腰部伸張制限アセンブリ200を含むことにより、過剰伸張による腰椎部材98への損傷を、実質的に防止するか、あるいは、最小限に抑えることができる。
【0056】
本開示はまた、仮想衝突試験ダミーを生成し、生成された仮想衝突試験ダミーを、仮想遠位側面衝突試験等の仮想衝突試験において、コンピュータ1030に含まれるソフトウェアアプリケーションを用いて評価するためのシステム1000を記載する。システム1000は、衝突試験ダミー12の仮想表現であって、上述した
図2~
図9の実施形態のうちのいずれか1つによる腰部伸張制限アセンブリ200の仮想表現を含み、
図2~
図9で同様に説明した全ての特徴及び構成要素を含む。
【0057】
次に
図10を参照すると、コンピュータ1030は、少なくとも1つのプロセッサ1032、メモリ1034、大容量ストレージメモリデバイス1036、入出力(I/O)インターフェース1038、及びヒューマンマシンインターフェース(HMI)1040を含み得る。コンピュータ1030はまた、ネットワーク1013及び/又はI/Oインターフェース1038を介して、1つ以上の外部リソース1042に動作可能に結合され得る。外部リソースには、サーバ、データベース、大容量ストレージデバイス、周辺デバイス、クラウドベースのネットワークサービス、又はコンピュータ1030によって使用され得る他の任意の適切なコンピューティングリソースが含まれ得るが、これらに限定されない。
【0058】
プロセッサ1032は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、マイクロコンピュータ、中央処理ユニット、フィールドプログラマブルゲートアレイ、プログラマブル論理デバイス、状態マシン、論理回路、アナログ回路、デジタル回路、又はメモリ1034に記憶された動作命令に基づいて信号(アナログ又はデジタル)を操作する他の任意のデバイスから選択される1つ以上のデバイスを含み得る。メモリ1034は、読出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、スタティック・ランダム・アクセス・メモリ(SRAM)、ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(DRAM)、フラッシュ・メモリ、キャッシュ・メモリ、又は情報を記憶することができる他の任意のデバイスを含むが、これらに限定されない、単一のメモリ・デバイス又は複数のメモリ・デバイスを含み得る。大容量ストレージデバイス36は、ハードドライブ、光学ドライブ、テープドライブ、不揮発性固体デバイス、又は情報を記憶することができる他の任意のデバイスなどのデータ記憶デバイスを含み得る。データベース1044は、大容量ストレージメモリデバイス1036上に存在し得、本明細書に記載される種々のシステム及びモジュールによって使用されるデータを収集し、組織化するために使用され得る。
【0059】
プロセッサ1032は、メモリ1034内に存在するオペレーティングシステム1046の制御下で動作し得る。オペレーティングシステム1046は、メモリ1034内に存在するアプリケーション1048等の、1つ以上のコンピュータソフトウェアアプリケーションとして実装されたコンピュータ・プログラムコードが、プロセッサ1032によって実行される命令を有するように、コンピュータリソースを管理し得る。代替的な実施形態では、プロセッサ1032は、アプリケーション1048を直接実行し得、その場合、オペレーティングシステム1046は省略され得る。また、1つ以上のデータ構造1050は、メモリ1034内に存在し得、プロセッサ1032、オペレーティングシステム1046、及び/又はアプリケーション1048によって、データを記憶又は操作するために使用され得る。本明細書で提供されるソフトウェアアプリケーション1048は、仮想人体模型試験デバイス10’を生成するソフトウェアアプリケーションと、生成された仮想人体模型試験デバイス10’を仮想衝突試験設定において評価するソフトウェアアプリケーションとを含む。
【0060】
I/Oインターフェース1038は、プロセッサ1032を、ネットワーク1013及び/又は外部リソース1042等の他のデバイス及びシステムに動作可能に結合する機械インターフェースを提供し得る。それにより、アプリケーション1048は、I/Oインターフェース1038を介して通信することによって、ネットワーク1013及び/又は外部リソース1042と協働して動作し得、本発明の実施形態を含む様々な特徴、機能、アプリケーション、プロセス、及び/又はモジュールを提供し得る。また、アプリケーション1048は、1つ以上の外部リソース1042によって実行されるプログラムコードを有し得、或いは、さもなければ、コンピュータ1030の外部の他のシステム又はネットワーク構成要素によって提供される機能及び/又は信号に依存し得る。実際、ほぼ無限のハードウェア及びソフトウェア構成が可能であることを考えると、当業者であれば、本発明の実施形態は、コンピュータ1030の外部に配置されたアプリケーション、複数のコンピュータ又は他の外部リソース1042に分散されたアプリケーション、又はクラウドコンピューティング・サービス等のネットワーク1013上でサービスとして提供されるコンピューティングリソース(ハードウェア及びソフトウェア)によって提供されるアプリケーションを含み得ることを理解するであろう。
【0061】
HMI 1040は、コンピュータ1030のユーザがコンピュータ1030と直接対話することを可能にするために、既知の方法でコンピュータ1030のプロセッサ1032に動作可能に結合され得る。HMI 1040は、ビデオ及び/又は英数字ディスプレイ、タッチスクリーン、スピーカ、及びユーザに情報を提供することができる任意の他の適切なオーディオ及びビジュアルインジケータを含んでもよい。また、HMI 1040は、ユーザからのコマンド又はインプットを受け入れ、入力されたインプットをプロセッサ1032に送信することができる、英数字キーボード、ポインティングデバイス、キーパッド、押しボタン、制御ノブ、マイクロホンなどの入力デバイス及び制御デバイスを含み得る。
【0062】
実施例
実施例1 遠位側面衝撃衝突シミュレータを用いた遠位側面衝撃衝突シミュレーション
【0063】
実施例1は、
図2~
図6の衝突試験ダミー(
図11~
図15を参照)の遠位側面衝撃衝突シミュレーション5000を示し、これは、腰部伸張制限アセンブリ200の一部として一対のベルト202を含み、腰椎部材98が側面衝撃条件(side impact condition)中にどのように移動するかを示し、さらに、腰部伸張制限アセンブリ200が、同じ遠位側面衝撃衝突条件の下で、遠位側面衝撃衝突シミュレーションの間、ヒトの脊椎の通常のヒトの応答をより厳密にシミュレートするために、そのような動作運動をどのように制限するかを示す。
【0064】
図11は、衝突試験ダミーにおける遠側衝撃を評価するための側面衝撃衝突シミュレータを斜視図で示す図である。シミュレータ5000は、自動車等の車両を代表し、ショルダーハーネスシートベルト5004を有するシート5002を含む。シート5002は、車両のドアを表すサイドパネル構造5006に隣接して配置される。特に、
図11に示すように、
図2~
図6の実施形態による衝突試験ダミー10は、側面衝撃衝突シミュレーションの直前に、シート5002に着座し、ショルダーハーネスシートベルト5004で固定されるように示されている。
図11にも示されるように、側面パネル構造5006上に提供される側面衝撃を表す力(矢印5008で示される)が示される。側面パネル構造5006に加えられたこの力5008の結果としての、腰椎部材98に対するこの力5008の衝撃は、以下のように、
図8~
図11に異なる時間間隔で示される。
【0065】
図12~
図15は、腰椎部材98、及び、下部腰部ブラケット94及び腰部装着ブラケット110の部分、及びベースクランプ板116を含むのみであり、したがって、
図11の側面衝撃衝突シミュレータ5000内の側面衝撃条件が開始された後に提供される時間間隔において、腰椎部材98が、下部腰椎ブラケット94に対してどのように伸長されるかを示す。骨盤アセンブリ22の他の構成要素は、図示を容易にするために省略されている。
【0066】
図12は、側面衝撃条件の47ミリ秒後の、衝突試験ダミー10の骨盤アセンブリ22の一部を示す。この時間間隔で、腰椎部材98は、加えられた力5008に向かって、中心軸CAの一方の側(
図12に示すように、右方向)に伸長されている。より詳しくは、腰椎部材98の伸長は、腰椎部材98の湾曲した外側脚504の外部表面を、一対のベルト202の第2ベルトの中間部分204の内部表面204Aに近接させるようになる(すなわち、
図11のように、第2ベルトは、一対のベルト202のうちの、サイドパネル構造5006に最も近接して位置するベルト202である)。同時に、腰椎部材98の湾曲した外側脚502の外部表面は、一対のベルト202の第1ベルトの中間部分204の内部表面204Aと離間したままになる(すなわち、第1のベルトは、一対のベルト202のうちの、
図11のサイドパネル構造5006から最も離れたベルト202である)。同時に、外側脚502、504の各々のターミナル端502A、504Aは、対向する腰部クランプ板104A、104B及び下部腰部ブラケット94の側面に固定されたままである。
【0067】
さらにまた、内側脚506、508の各々はまた、中心軸CAに対して外側脚504に向かう方向にシフトしており、ターミナル端506A、506Bは、下部腰部ブラケット94から(
図2、4、5に示すように、下部腰部ブラケット94に対して上方に)変位している。図示されているように、内側脚506は、右方にシフトし、ここで、中心軸CAと概ね整列している。
【0068】
図13は、振り子衝撃条件の60ミリ秒後の、骨盤アセンブリ22の部分を示す。
図13は、腰部伸張制限アセンブリ200によって制御されるように、下部腰部部材98の最大許容変位量を有する振り子衝撃条件を表す。
【0069】
この60ミリ秒の時間間隔で、腰椎部材98は、サイドパネル構造5006に向かって、中心軸CAの一方の側(
図13に示すように、右方向)に伸長されたままである。ここで、腰椎部材98の伸長は、腰椎部材98の湾曲した外側脚504の外部表面を、第2ベルト202の中間部分204の内部表面204Aと接触させ、したがって、第2のベルト202の中間部分204によって制限される最も大きな可能な範囲で中心軸CAの右方に変位させるようなものである。同時に、腰椎部材98の湾曲した外側脚502の外部表面は、腰椎部材98のベース領域500が下部腰椎ブラケット94から上方に向かって力5008に向かって上方に離れる運動に応答して腰部装着ウェッジ110が運動することにより、一対のベルト202の第1ベルトが真っすぐなので、一対のベルト202の第1ベルトが、第1ベルト202の中間部分204の内部表面204Aに近接又は接触するように移動する。
図12と同様に、外側脚502、504の各々のターミナル端502A、504Aは、対向する腰部クランプ板104A、104B及び下部腰部ブラケット94の側面に固定されたままである。
【0070】
さらに、内側脚506、508の各々はまた、中心軸CAに対してサイドパネル構造5006に向かう方向にさらにシフトしており、ターミナル端506A、508Aは、下部腰部ブラケット94から変位したままである。図示されるように、内側脚506は、さらに右方にシフトしており、ここで、内側脚508と共に中心軸CAから右方に配置されている。さらにまた、内側脚508は、中心軸CAに対してある角度において延在するその長さで、湾曲した外側脚504と接触させられている。さらに、内側脚506は、中心軸CAに対して整列し、また内側脚508に対してある角度に有り、したがって、内側脚506は内側脚508のターミナル端508Aと接触する。
【0071】
図14は、側面衝撃条件から97ミリ秒後の骨盤アセンブリ22の一部を示しており、これは、図示のように、腰椎部材98が、
図13に記載したように、一対のベルト202の第2ベルトに対して最大伸長を達成した直後の瞬間を指す。
【0072】
この97ミリ秒の時間間隔において、第2ベルト202の中間部分204の力は、腰椎部材98を中心軸CAに向かって戻し、側面パネル構造5006から離れるように押し出し、その結果、湾曲した脚504が第2ベルト202の中間部分204との接触から押し出される。同時に、腰椎部材98の湾曲した脚502は、第1ベルト202の中間部分と接触したままである。
図13及び
図14と同様に、外側脚502、504の各々のターミナル端502A、504Aは、対向する腰部クランプ板104A、104B及び下部腰部ブラケット94の側面に固定されたままである。
【0073】
しかしながら、この97ミリ秒の時間間隔において、腰椎部材98のベース領域500は、下部腰椎ブラケット94(
図14に示すように)から離れ(
図14に示されるように上方)、かつ、力5008から離れる方向に移動し、これにより、内側脚506、508は、応答してさらに上方に移動する。
【0074】
さらに、内側脚506、508は、外側脚502に向かい、かつ、中心軸CAに対してサイドパネル構造5006から離れる方向にシフトし、ターミナル端506A、506Bは、
図13よりも遠くに下部腰部ブラケット94から移動される。
図14において、
図13と同様に、内側脚506、508はそれぞれ、中心軸CAに対してわずかに角度を保ち、外側脚506は、内側脚508のターミナル端508Aと接触したままである。
【0075】
図15は、振り子衝撃条件の完了時間に対応する、振り子衝撃条件の129ミリ秒後の骨盤アセンブリ22の一部を図示する。この129ミリ秒の時間間隔で、湾曲した外側脚508を押圧する第2ベルト202の中間部分204の力が消散され、結果として、外側脚506、508は、一対のベルト202のそれぞれの中間部分204の内部表面204Aと離間した関係に戻される。
図12~
図14と同様に、外側脚502、504の各々のターミナル端502A、504Aは、対向する腰部クランプ板104A、104B及び下部腰部ブラケット94の側面に固定されたままである。
【0076】
さらにまた、腰椎部材98のベース500は、下部腰部ブラケット94に向かう方向(
図15に示すように、下方)に移動し、これにより、内側脚506、508は、応答して下方に移動する。
【0077】
特定の時間間隔は、与えられた側面衝撃条件に関する特定の条件に関連して
図12~
図15に示されており、このような時間間隔は、腰部伸張制限アセンブリが一例においてどのように機能するかを示すための単なる代表的なものであって、制限とみなされるべきではない。
【0078】
実施例2 振り子遠位側面衝撃衝突シミュレータを用いた遠位側面衝撃衝突シミュレーション
【0079】
実施例2は、
図2~
図6の衝突試験ダミー(
図16~
図22を参照)の遠位側面振り子衝撃衝突シミュレーション5000を示し、これは、腰椎部材98が振り子側面衝撃条件の間にどのように移動するかを示し、さらに、腰部伸張制限アセンブリ200が、同じ遠位側面衝突衝撃衝突条件の下で、振り子遠位側面衝撃衝突シミュレーションの間、ヒトの脊椎の通常のヒトの応答をより厳密にシミュレートするために、そのような運動をどのように制限するかを示す。
【0080】
図16は、衝突試験ダミーの遠位側面衝撃を評価するために用いられる振り子側面衝撃衝突シミュレータ6000を斜視図で示す図である。シミュレータ6000は、自動車等の車両を代表し、ショルダーハーネスシートベルト2004を有するシート6002を含む。振り子デバイス6006は、シート6002の一方に隣接して配置される。
【0081】
振り子デバイス6006は、ワイヤ6010から懸架されているプローブ6008を含む。プローブ6008は、
図16に示されるように、直径約15センチメートル及び質量約23キログラムを有する管の形態である。プローブ6008は、円弧6012に沿ってスイングし、その結果、力(矢印6014によって示される)が、骨盤骨部材70、72のうちの1つ(
図2による骨盤骨部材72として示される)の側面に加えられる。腰椎部材98に対するこの力6014の衝撃は、以下のように、
図17~
図22に、異なる時間間隔で示される。
【0082】
上記の実施例1と同様で、
図17~
図22は、腰椎部材98を含んで、下部の腰部のブラケット94および腰部の取付け楔110を分配するだけであり、したがって、
図16の振り子側面衝撃シミュレーション6000が開始する間、振り子側面衝突条件の後に与えらえる時間間隔において、腰椎部材98がどのように下部腰部ブラケット及び腰部装着ウェッジに関して延長されるかについて示す。腰部伸張制限アセンブリ200の他の部分、特にベルト202、204を含む骨盤アセンブリ22の他の構成要素は省略されている。しかし、腰椎部材98に対するこのようなコンポーネントの影響については述べられた。
【0083】
図17は、振り子側面衝撃条件が開始される直前の衝突試験ダミー10の骨盤アセンブリ22の一部を示しており、これはゼロ(0)ミリ秒に相当する。したがって、骨盤アセンブリ22の部分は、
図2~
図6に関して上述したようなものであり、ここでは簡略化のために繰り返さない。
【0084】
図18は、側面衝撃条件の20ミリ秒後の、衝突試験ダミー10の骨盤アセンブリ22の一部を示す。この時間間隔で、腰椎部材98は、加えられた力6014に向かって、中心軸CAの一方の側(
図18に示すように、右方向)に伸長されている。より詳しくは、腰椎部材98の伸長は、腰椎部材98の湾曲した外側脚504の外部表面を、一対のベルト202の第2ベルトの中間部分204の内部表面204Aに近接させるようになる(すなわち、第2ベルトは、一対のベルト202のうちの、
図16のように振り子デバイス6006に最も近接して位置するベルト202である)。同時に、腰椎部材98の湾曲した外側脚502の外部表面は、一対のベルト202の第1ベルトの中間部分204の内部表面204Aと離間した関係のままになる(すなわち、第1のベルトは、一対のベルト202のうちの、
図16の振り子デバイス6006から最も離れたベルト202である)。同時に、外側脚502、504の各々のターミナル端502A、504Aは、対向する腰部クランプ板104A、104B及び下部腰部ブラケット94の側面に固定されたままである。
【0085】
さらにまた、内側脚506、508の各々はまた、中心軸CAに対して外側脚504に向かう方向にシフトしており、ターミナル端506A、506Bは、下部腰部ブラケット94から(
図18に示すように、下部腰部ブラケット94に対して上方に)変位している。図示するように、内側脚506、508は、両方とも、力6014に向かう方向にシフトし、ここで、湾曲した外側脚504と中心軸CAとの間の間のそれぞれの位置にある。さらにまた、内側脚508は、中心軸CAに対してある角度において延在するその長さで、湾曲した外側脚504と接触させられている。さらに、内側脚506は、中心軸CAに対して整列し、また内側脚508に対してある角度に有り、したがって、内側脚506は内側脚508のターミナル端508Aと接触する。
【0086】
図19は、振り子衝撃条件の28ミリ秒後の、骨盤アセンブリ22の部分を示す。
図19は、図示のように、腰椎部材98が
図18で説明されているように、一対のベルト202の第2ベルトに対して最大伸長を達成した、直前又はその時の瞬間を指す。
【0087】
この28ミリ秒の時間間隔で、腰椎部材98は、中心軸CAの一方の側の方向(
図19に示すように、右方向)に伸長されたままである。ここで、腰椎部材98の伸長は、例えば、腰椎部材98の湾曲した外側脚506の外部表面を第2ベルト202の中間部分204の内部表面204Aと接触させ、したがって、第2ベルト202の中間部分204によって制限される最も大きな可能な範囲で中心軸CAの右方に変位させる。同時に、腰椎部材98の湾曲した脚502の外部表面は、腰椎部材98のベース領域500の上方及び右方への運動により、一対のベルト202の第1ベルトが真っすぐなので、第1ベルト202の中間部分204の内部表面204Aに近接又は接触するように移動する。
図17及び
図18と同様に、外側脚502、504の各々のターミナル端502A、504Aは、対向する腰部クランプ板104A、104B及び下部腰部ブラケット94の側面に固定されたままである。
【0088】
さらにまた、内側脚506、508の各々は、プローブ6008に向かい、かつ、
図19に対して中心軸CAから離れる方向にさらにシフトし、ターミナル端506A、506Bは、腰椎部材98のベース領域500の上方及び右方への運動のために、下部腰部ブラケット94から変位したままである。さらにまた、内側脚506は、中心軸CAに対して整列し、また内側脚508に対してある角度にあり、したがって、内側脚506は内側脚508のターミナル端508Aと接触する。さらにまた、腰椎部材98のベース部分500は、下部腰部ブラケット94から離れる方向(
図19に示されるように上方)に移動し、これにより、内側脚506、508は、応答して下部腰部ブラケットから離れる方向(すなわち、
図19に示されるように上方)に移動する。
【0089】
図20は、振り子衝撃条件の40ミリ秒後の、骨盤アセンブリ22の部分を示す。
図20は、図示のように、腰椎部材98が、
図19に記載したように、一対のベルト202の第2ベルトに対して最大伸長を達成した直後の瞬間を指す。
【0090】
この40ミリ秒間隔で、一対のベルト202の第2のベルトの中間部分204の力は、腰椎部材98を中心軸CAに向かって押し戻し、その結果、湾曲した脚504が第2のベルト202の中間部分204の内部表面204Aとの接触から押し出される。同時に、腰椎部材98の湾曲した脚502は、第1ベルト202の中間部分の内部表面203Aと接触したままである。
図17~
図19と同様に、外側脚502、504の各々のターミナル端502A、504Aは、対向する腰部クランプ板104A、104B及び下部腰部ブラケット94の側面に固定されたままである。
【0091】
さらに、この40ミリ秒の時間間隔で、腰椎部材98のベース領域500は、下部腰部ブラケット94から離れる方向(
図20に示すように上方)に移動し続け、これにより、内側脚506、508は、応答して、下部腰部ブラケット94からさらに離れる方向(すなわち、
図20に示すように上方)に移動する。
【0092】
さらにまた、内側脚506、508は、外側脚502に向かう方向であって、かつ、中心軸CAに向かう方向において湾曲した外側脚504から離れる方向にシフトし、ターミナル端506A、506Bは、
図19よりも遠くに下部腰部ブラケット94から変位される。
図20において、
図19と同様に、内側脚506、508はそれぞれ、中心軸CAに対してわずかに角度を保ち、外側脚506は、内側脚508のターミナル端508Aと接触したままである。
【0093】
図21は、振り子衝撃条件の50ミリ秒後の、骨盤アセンブリ22の部分を示す。
【0094】
この50ミリ秒の時間間隔で、一対のベルト202の第2ベルトの中間部204の力は、中心軸CAに向かって腰椎部材98を押し戻し続けた。その結果、
図20に比べて、湾曲した脚504が第2ベルト202の中間部分204との接触からさらに押し出される。同時に、腰椎部材98の湾曲した脚502は、一対のベルト202の第1ベルトの中間部分の内部表面204Aと接触しなくなり始める(beginning to come out of contact)。
図17~
図20と同様に、外側脚502、504の各々のターミナル端502A、504Aは、対向する腰部クランプ板104A、104B及び下部腰部ブラケット94の側面に固定されたままである。
【0095】
さらに、腰椎部材98のベース領域500は、下部腰部ブラケット94に向かう方向(
図21に示すように下方)に移動しており、これにより、内側脚506、508は、応答して、下部腰部ブラケット94に向かう(すなわち、
図21に示すように下方)移動を引き起こす。
【0096】
さらに、内側脚506、508は、外側脚502に向かい、かつ、中心軸CAに向かう方向において湾曲した外側脚504から離れる方向にシフトし、ターミナル端506A、506Bは、
図19及び20よりも近くに下部腰部ブラケット94から移動される。
図21において、
図17~
図20と同様に、内側脚506、508はそれぞれ、中心軸CAに対してわずかに角度を保ち、外側脚506は、内側脚508のターミナル端508Aと接触したままである。
【0097】
図22は、振り子衝撃条件の完了時間に対応する、振り子衝撃状態の60ミリ秒後の骨盤アセンブリ22の一部を図示する。この60ミリ秒の時間間隔で、湾曲した外側脚508を押圧する第2ベルト202の中間部分204の力が消散し、結果として、外側脚506、508は、一対のベルト202のそれぞれの中間部分204と離間した関係に戻される。
図17~
図21と同様に、外側脚502、504の各々のターミナル端502A、504Aは、対向する腰部クランプ板104A、104B及び下部腰部ブラケット94の側面に固定されたままである。
【0098】
さらにまた、腰椎部材98のベース500は、下部腰部ブラケット94に向かう方向(
図22に示すように、下方)に移動し続け、これにより、内側脚506、508は、応答してさらに下部腰部ブラケット94に向かって(即ち
図22に示すように、下方)に移動する。
【0099】
特定の時間間隔は、与えられた側面衝撃条件に関する特定の条件に関連して
図17~
図22に示されており、このような時間間隔は、腰部伸張制限アセンブリが一例においてどのように機能するかを示すための単なる代表的なものであって、制限とみなされるべきではない。
【0100】
実施例1及び実施例2の両方に例示されているように、腰部伸張制限アセンブリ200の一対のベルト202は、側面衝撃衝突シミュレーション中の弾性腰椎部材98の伸張量を制限する。換言すると、腰部伸張制限アセンブリ200は、実施例1及び2による側面衝撃衝突シミュレーションの間に、遠位側面条件での腰椎部材98の過剰伸張を防止する。
【0101】
本開示は、例示的な方法で記載されている。使用されいる用語は、限定ではなく、説明の言葉の性質を有するものであることが理解されるべきである。
【0102】
上記教示事項に鑑み、本開示の多くの変更及び変形が考えられる。したがって、本開示は、具体的に記載された以外の方法で実施することができる。