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▶ エヌケイビー・プロパティーズ・マネジメント・エルエルシーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-17
(45)【発行日】2023-03-28
(54)【発明の名称】移動中のデータを格納する方法
(51)【国際特許分類】
   H04B 10/27 20130101AFI20230320BHJP
   H04J 14/00 20060101ALI20230320BHJP
【FI】
H04B10/27
H04J14/00
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021062738
(22)【出願日】2021-04-01
(62)【分割の表示】P 2019056078の分割
【原出願日】2017-03-21
(65)【公開番号】P2021101587
(43)【公開日】2021-07-08
【審査請求日】2021-04-01
(31)【優先権主張番号】15/465,356
(32)【優先日】2017-03-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/311,814
(32)【優先日】2016-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】523009975
【氏名又は名称】エヌケイビー・プロパティーズ・マネジメント・エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】NKB Properties Management, LLC
【住所又は居所原語表記】80 Cuttermill Road, Great Neck, NY 11021, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100221729
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 圭介
(72)【発明者】
【氏名】ダマギ、ダニエル・エム
(72)【発明者】
【氏名】ハーレブ、オハド
(72)【発明者】
【氏名】リトビン、アリエル
(72)【発明者】
【氏名】ウィルナー、アラン・エリ
(72)【発明者】
【氏名】バラク、ナフタリー
(72)【発明者】
【氏名】マクマナモン、ポール・フランシス
(72)【発明者】
【氏名】マクガフィン、アシャー
【審査官】鴨川 学
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-296075(JP,A)
【文献】特開平07-045091(JP,A)
【文献】国際公開第2015/057417(WO,A1)
【文献】特開平10-145391(JP,A)
【文献】特開昭58-171002(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 10/27
H04J 14/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動中のデータを伝達する信号を維持するように構成された再循環ループであって、信号イントロデューサ及び信号リターナを含む再循環ループを使用する、データ格納方法であって、
前記信号イントロデューサによって、前記データを伝達する前記信号を前記再循環ループに導入するステップと、
前記信号リターナによって、前記信号イントロデューサに前記信号を返送するステップと、
前記信号イントロデューサによって、前記信号リターナから受信された前記信号を前記信号リターナに返送するステップと、
信号再生器によって、第1のタイミングに、前記信号全体に満たない前記信号の第1の部分のみを再生するステップと、
前記信号再生器によって、前記第1のタイミングの後の第2のタイミングに、前記信号全体に満たない前記信号の第2の部分のみを再生するステップと、
を含む、データ格納方法。
【請求項2】
前記信号リターナは、導波路であり、
前記信号イントロデューサは、信号生成器と前記導波路との間で前記信号を結合するように構成された導波路カプラである、請求項1に記載のデータ格納方法。
【請求項3】
前記信号リターナは、反射表面を含む、請求項1に記載のデータ格納方法。
【請求項4】
移動中のデータを伝達する信号を維持するように構成された再循環ループであって、信号イントロデューサ及び信号リターナを含む再循環ループを使用する、データ格納方法であって、
前記信号イントロデューサによって、前記データを伝達する前記信号を前記再循環ループに導入するステップと、
前記信号リターナによって、前記信号イントロデューサに前記信号を返送するステップと、
前記信号イントロデューサによって、前記信号リターナから受信された前記信号を前記信号リターナに返送するステップと、
信号再生器によって、第1のタイミングに、前記信号全体に満たない前記信号の第1の部分のみを再生するステップと、
記信号再生器によって、前記第1のタイミングの後の第2のタイミングに、前記信号全体に満たない前記信号の第2の部分のみを再生するステップと、
前記再循環ループを通じて第1の方向に前記信号の第1の部分を再循環するステップと、
前記再循環ループを通じて前記第1の方向とは異なる第2の方向に前記信号の第2の部分を再循環するステップであって、該第2の部分は、前記第1の部分以外のものである、ステップと
データ格納方法。
【請求項5】
移動中のデータを伝達する信号を維持するように構成された再循環ループであって、信号イントロデューサ及び信号リターナを含む再循環ループを使用する、データ格納方法であって、
前記信号イントロデューサによって、前記データを伝達する前記信号を前記再循環ループに導入するステップと、
前記信号リターナによって、前記信号イントロデューサに前記信号を返送するステップと、
前記信号イントロデューサによって、前記信号リターナから受信された前記信号を前記信号リターナに返送するステップと、
信号再生器によって、第1のタイミングに、前記信号全体に満たない前記信号の第1の部分のみを再生するステップと、
記信号再生器によって、前記第1のタイミングの後の第2のタイミングに、前記信号全体に満たない前記信号の第2の部分のみを再生するステップと、
を含み、
信号生成器が、前記信号として多重化電磁信号を生成するように構成され、
前記多重化電磁信号は、前記多重化電磁信号の第1のセットを含み、前記第1のセットの第1の多重化信号は、前記第1のセットの第2の多重化信号以外のデータを伝達し、
前記多重化電磁信号の前記第1のセットの各信号は、前記多重化電磁信号の前記第1のセットを生成するために使用される多重化スキームとは異なる多重化スキームを使用して生成される前記多重化電磁信号の第2のセットを含む、データ格納方法。
【請求項6】
移動中のデータを伝達する信号を維持するように構成された再循環ループであって、信号イントロデューサ及び信号リターナを含む再循環ループを使用する、データ格納方法であって、
前記信号イントロデューサによって、前記データを伝達する前記信号を前記再循環ループに導入するステップと、
前記信号リターナによって、前記信号イントロデューサに前記信号を返送するステップと、
前記信号イントロデューサによって、前記信号リターナから受信された前記信号を前記信号リターナに返送するステップと、
信号再生器によって、第1のタイミングに、前記信号全体に満たない前記信号の第1の部分のみを再生するステップと、
記信号再生器によって、前記第1のタイミングの後の第2のタイミングに、前記信号全体に満たない前記信号の第2の部分のみを再生するステップと、
を含み、
信号生成器が、前記信号として多重化電磁信号を生成するように構成され、
前記多重化電磁信号は、前記多重化電磁信号の第1のセットを含み、前記第1のセットの第1の多重化信号は、前記第1のセットの第2の多重化信号以外のデータを伝達し、
前記多重化電磁信号の前記第1のセットの各信号は、前記多重化電磁信号の前記第1のセットを生成するために使用される多重化スキームとは異なる多重化スキームを使用して生成される前記多重化電磁信号の第2のセットを含み、
前記多重化電磁信号の第2のセットの各信号は、前記多重化電磁信号の第3のセットを含み、
前記多重化電磁信号の第3のセットは、前記多重化電磁信号の第1のセットを生成するために使用される前記多重化スキームとは異なる多重化スキームであって、前記多重化電磁信号の第2のセットを生成するために使用される前記多重化スキームとも異なる多重化スキームを使用して生成される、データ格納方法。
【請求項7】
信号生成器が、前記信号として符号分割多重化信号を生成するように構成され、
前記符号分割多重化信号は、多重化信号の第1のセットを含み、前記第1のセットの第1の多重化信号は、前記第1のセットの第2の多重化信号以外のデータを伝達する、請求項1に記載のデータ格納方法。
【請求項8】
信号生成器が、前記信号として軌道角運動量分割多重化信号を生成するように構成され、
前記軌道角運動量分割多重化信号は、多重化信号の第1のセットを含み、前記第1のセットの第1の多重化信号は、前記第1のセットの第2の多重化信号以外のデータを伝達する、請求項1に記載のデータ格納方法。
【請求項9】
信号生成器が、前記信号として空間分割多重化信号を生成するように構成され、
前記空間分割多重化信号は、多重化信号の第1のセットを含み、前記第1のセットの第1の多重化信号は、前記第1のセットの第2の多重化信号以外のデータを伝達する、請求項1に記載のデータ格納方法。
【請求項10】
信号生成器が、前記信号として偏波分割多重化信号を生成するように構成され、
前記偏波分割多重化信号は、多重化信号の第1のセットを含み、前記第1のセットの第1の多重化信号は、前記第1のセットの第2の多重化信号以外のデータを伝達する、請求項1に記載のデータ格納方法。
【請求項11】
信号生成器が、前記信号として波長分割多重化信号を生成するように構成され、
前記波長分割多重化信号は、多重化信号の第1のセットを含み、前記第1のセットの第1の多重化信号は、前記第1のセットの第2の多重化信号以外のデータを伝達する、請求項1に記載のデータ格納方法。
【請求項12】
データ管理システムが、前記信号の部分によって伝達されたデータブロックを前記信号の前記部分の物理的プロパティ及び場所の少なくとも1つと関連付けるように構成され、
前記データブロックの動作を制御する制御信号を生成するステップであって、該制御信号は、前記信号の前記部分の前記物理的プロパティ及び前記場所の前記少なくとも1つを参照してクロック信号に基づいて生成される、ステップをさらに含む、請求項1に記載のデータ格納方法。
【請求項13】
データ管理システムが、データ格納システムのデータを管理するように構成され、
前記データのデータブロックの削除、書込及び更新の少なくとも1つを行うために、前記データ格納システムの外部から要求を受信するステップと、
前記再循環ループに含まれるイレイサによって、前記データ管理システムから受信された情報に基づいて、前記信号の第1の部分を消去するステップであって、前記第1の部分は、前記データブロックを伝達し、該データブロックは、前記データ全体に満たない、ステップとをさらに含む、請求項1に記載のデータ格納方法。
【請求項14】
前記再循環ループに位置付けられた信号調節器によって、前記信号の第1の部分に第1の信号利得を提供するステップをさらに含み、
前記第1の信号利得は、前記再循環ループを通じて前記信号の以前の往復に対して得られた信号強度に関する情報に従って提供される、請求項1記載のデータ格納方法。
【請求項15】
移動中のデータを伝達する信号を維持するように構成された再循環ループであって、信号イントロデューサ及び信号リターナを含む再循環ループを使用する、データ格納方法であって、
前記信号イントロデューサによって、前記データを伝達する前記信号を前記再循環ループに導入するステップと、
前記信号リターナによって、前記信号イントロデューサに前記信号を返送するステップと、
前記信号イントロデューサによって、前記信号リターナから受信された前記信号を前記信号リターナに返送するステップと、
信号再生器によって、第1のタイミングに、前記信号全体に満たない前記信号の第1の部分のみを再生するステップと、
記信号再生器によって、前記第1のタイミングの後の第2のタイミングに、前記信号全体に満たない前記信号の第2の部分のみを再生するステップと、
第1の部分が位相整合条件を満たす場合に、信号調節器によって、前記信号の前記第1の部分に信号増幅を提供することによって前記信号のフィルタリングを提供するステップと、
データ格納方法。
【請求項16】
前記信号イントロデューサは、レーザ信号を前記信号として生成するように構成されたレーザ送信機に接続された信号カプラである、請求項1に記載のデータ格納方法。
【請求項17】
前記第1のタイミングの前のタイミングおいて、更に、第2の部分が再生されその後に、第1の部分再生されるように、非同期的に前記信号を再生する、請求項1に記載のデータ格納方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、2016年3月22日に出願された米国仮特許出願第62/311,814号明細書及び2017年3月21日に出願された米国実用特許出願第15/465,356号明細書への優先権を主張し、それらの特許の各々の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、情報格納技術の分野に関し、具体的には、例えば、データを伝達する、並びに、構造間、構造内、空洞内及び/又は異なる伝送媒質(真空、結晶、非線形媒質、自由空間、光導波路若しくは光ファイバを含む)を用いて/使用して透過又は反射するレーザ又は他の光ビームのような、移動中の電磁放射線として情報を格納することができるシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
電磁通信システムでは、光ビームなどの信号の最大伝送距離は、自由空間において又は光ファイバ若しくは他の導波路において信号が経験する損失や、様々な分散及び非線形効果に起因するデータを伝達する信号の拡散や、送信源からの雑音(これらに限定されないが、システムの摂動、ランダム散乱事象及び光の自然放出を含む)の追加によって決定付けられる。その結果、信号を長距離伝送する場合、信号は、典型的には、様々な距離間隔で信号を再生しなければならない。完全なデータ信号再生は、典型的には、データタイミング再生(retiming)、波形整形(reshaping)及び振幅増幅(reamplification)(又は増幅)を含む「3R」プロセスと見なされる。
【0004】
宇宙におけるレーザベースのデータ通信はよく知られている。例えば、欧州宇宙機関(European Space Agency)のArtemis衛星は、CNES地球観測衛星SPOT4との光データ伝送リンクを提供した。宇宙における光通信の通信範囲は数千キロメートルと信頼できるものである。また、この数値よりも桁違いに大きい距離にわたるレーザ又は光通信も達成可能である。また、NASAのOptical Payload for Lasercomm Science(OPALS)プロジェクトは、地球局と国際宇宙ステーションとの間の光通信を使用した高速データ転送速度の実演に成功した。別の例では、2013年1月に、NASAが、およそ390,000キロメートル離れた月周回衛星ルナーリコネサンスオービタ(Lunar Reconnaissance Orbiter)にモナリザの画像を表すレーザを伝送している。
【0005】
従来のデータセンタは各種の短所を有し、それらの短所は、整備が高価であり得ることや、様々なタイプの媒質を必要とし得ることや、ハッキングされたり、許可なしに物理的に又は遠隔操作でアクセスされたりして、その結果、データのコピー、破壊、アクセスの許可のない別の方法での変更又は攻撃ができるようになることを含む。それに加えて、停電、自然災害及び災難(火災、洪水、地震、戦争など)も従来の地球上のデータセンタに影響を及ぼし得る。また、これらのデータセンタのうちの1つから消去されたデータは、正しい専門知識を有する人物によって回復することができる。また、これらのデータセンタは、賃借料、冷却費用、電気コスト及び物理的セキュリティなど、実質的な間接費が生じるという欠点を有する。従来より、データ格納ユニットは、複数のラックで構築することができ、各(データ)ラックは、複数のハードドライブ(様々な技術に基づき得る)及びコンピュータ(ルータ、スイッチ、ファイアウォール、他のデバイスなど)で構成される。この設定は、多くの制限及び課題を有し、これらに限定されないが、上記で記述されるような高い動作費用や、かなり大規模な物理的場所、高い電力消費量、大きな整備及び高い冷却ニーズに対する要件が含まれる。
【0006】
レーザ文脈における電磁ビームの配向及び指向は、ジンバル又は光位相アレイ並びに細かい角度精度で指向するために使用される他の周知の手法を使用して行うことができる。信号送信機の各々は、反射表面などの対象との光通信のために選択的にステアリングすることができる。衛星群の中の近隣の衛星を追跡するため、調整可能な仰角設定と協調して、慣性基準系を使用することができる。ホスト衛星ジッタ及びわずかな軌道差を補償するため、ビームステアリングミラーを使用することができる。さらなる例は、本明細書に添付され、参照により本明細書に完全に組み込まれる、Dr. Paul McManamonが議長を務める全米科学アカデミー(National Academy of Sciences)の研究における議論である(非特許文献1)で提供されている。参照により本明細書に完全に組み込まれるものとして、Kartalopoulosの(特許文献1)、Lynchの(特許文献2)、Bozzay等の(特許文献3)、Ionov等の(特許文献4)、Coleman等の(特許文献5)、Rabowskyの(特許文献6)、Woodの(特許文献7)、Passmore等の(特許文献8)、Desurview等の(特許文献9)、d’Auria等の(特許文献10)、今西等の(特許文献11)、(非特許文献2)、須崎の(特許文献12)、(非特許文献3)、(非特許文献4)、Modleyの(特許文献13)、Bona等の(特許文献14)、(非特許文献5)、Poustie等の(特許文献15)、Newton等の(特許文献16)、Halemane等の(特許文献17)、Shaw等の(特許文献18)、Haysの(特許文献19)、Desurvire等の(特許文献20)、Chenの(特許文献21)、Drayerの(特許文献22)、Smithの(特許文献23)、Hall等の(特許文献24)、Songの(特許文献25)、Suの(特許文献26)、Kanko等の(特許文献27)、Myersの(特許文献28)、J.Judensteinの(特許文献29)、Shawの(特許文献30)、Small等の(特許文献31)、Ramachandranの(特許文献32)、Ramachandranの(特許文献33)、Golwich等の(特許文献34)、Pooleの(特許文献35)及びKish,Jr.等の(特許文献36)が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】米国特許第5,602,838号明細書
【文献】米国特許第6,002,916号明細書
【文献】米国特許第6,043,918号明細書
【文献】米国特許第7,103,280号明細書
【文献】米国特許第8,913,894号明細書
【文献】米国特許出願公開第2010/0269143号明細書
【文献】米国特許出願公開第2010/0279604号明細書
【文献】米国特許第4,856,862号明細書
【文献】米国特許第4,815,804号明細書
【文献】米国特許第4,653,042号明細書
【文献】米国特許第5,862,286号明細書
【文献】米国特許第4,136,929号明細書
【文献】米国特許第7,199,343号明細書
【文献】米国特許第5,740,117号明細書
【文献】英国特許第1998/000821号明細書
【文献】米国特許第4,479,701号明細書
【文献】米国特許第4,877,952号明細書
【文献】米国特許第4,469,397号明細書
【文献】米国特許出願公開第2007/0081785号明細書
【文献】米国特許第4,738,503号明細書
【文献】米国特許第6,917,739号明細書
【文献】米国特許第6,172,926号明細書
【文献】米国特許第5,533,154号明細書
【文献】米国特許第5,566,261号明細書
【文献】米国特許第6,647,163号明細書
【文献】米国特許第5,058,060号明細書
【文献】米国特許出願公開第2003/0007230号明細書
【文献】米国特許出願公開第2002/0196488号明細書
【文献】米国特許第4,166,212号明細書
【文献】米国特許第4,473,270号明細書
【文献】米国特許第8,582,972号明細書
【文献】米国特許出願公開第2009/0202191号明細書
【文献】米国特許第7,177,510号明細書
【文献】米国特許第7,110,651号明細書
【文献】米国特許第4,974,931号明細書
【文献】米国特許第7,103,239号明細書
【非特許文献】
【0008】
【文献】“Laser Radar:Progress and Opportunities in Active Electro-Optical Sensing”2014
【文献】Pidishety,“Investigation of scalability of all-fiber fused mode selective coupler for generating multiple OAM states,”in Proceedings of International Conference on Fiber Optics and Photonics,2016
【文献】McDonald et al.,“Spatial Solitary-Wave Optical Memory,”Journal of the Optical Society of America B(Optical Physics),vol.7,no.7,pp.1328-1335,1990
【文献】Leo et al.,“Temporal cavity solitons in one-dimensional Kerr media as bits in an all-optical buffer,”Nature Photonics,vol.4,pp.471-476,2010
【文献】Boyd et al.,“Applications of Slow Light in Telecommunications,”Optics&Photonics News,vol.17,no.4,pp.18-23,2006
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
データ格納システム及び方法を説明する。一実施形態では、本開示の態様によるシステムは、データ格納システムのディジタルデータを管理するように構成されたデータ管理システムと、ディジタルデータを伝達する高周波信号を通信衛星に伝送するように構成された地球上の送信機と、高周波信号を信号に変換し、第1のレーザ衛星に信号を伝送するように構成された通信衛星と、ディジタルデータを伝達するレーザ信号を生成するように構成されたレーザ信号生成器であって、第2のレーザ衛星にディジタルデータを伝送するように構成されたレーザ信号生成器を備える第1のレーザ衛星と、第1の衛星から伝送されたディジタルデータを第1のレーザ衛星に返送するように構成された第2のレーザ衛星とを含み、第1のレーザ衛星は、第2のレーザ衛星から伝送されたディジタルデータを第2のレーザ衛星に返送するように構成され、その結果、移動中の格納の再循環ループでディジタルデータを伝送することができ、第1のレーザ衛星及び第2のレーザ衛星の少なくとも1つは、データ管理システムによって識別されたディジタルデータのデータブロックを回収するように構成することができる。本開示の態様による再循環ループは、システムが停止されるか若しくは分解されるまで又は信号が消去されるまで信号が維持される信号ループを含み得る。
【0010】
そのようなシステムでは、データ管理システムは、受信されたデータブロックに対する要求に応答するものとしてデータブロックを識別することができ、データブロックは、ディジタルデータ全体に満たない。
【0011】
本開示の別の態様によれば、移動中のデータを格納するように構成された再循環ループであって、第1の輸送船と、第1の輸送船から遠く離れた所に位置付けられた第2の輸送船とを含む再循環ループを含むデータ格納システムであって、第1の輸送船が、第2の輸送船にデータを伝送するように構成された信号生成器及び信号送信機から成る群から選択された少なくとも1つを備え、第2の輸送船が、第1の輸送船から伝送されたデータを第1の輸送船に返送するように構成され、第1の輸送船が、第2の輸送船から伝送されたデータを第2の輸送船に返送するように構成される、データ格納システムが開示される。信号は、その全て又は一部を反射することによって返送することも、信号を再生して伝送することによって返送することもできる。
【0012】
そのようなデータ格納システムのデータ管理システムは、データ格納システムのデータを管理するように構成することができ、第1の輸送船及び第2の輸送船の少なくとも1つは、データ格納システムの外部から受信されたデータブロックに対するデータ回収要求に応答するものとしてデータ管理システムによって識別されたデータのデータブロックを回収するように構成することができ、データブロックは、データ全体に満たない。
【0013】
そのようなシステムでは、再循環ループを通じた信号の各往復に対し、信号は、移動した状態で維持することができる。
【0014】
そのようなシステムでは、第1の輸送船及び第2の輸送船の少なくとも1つは、衛星であり得る。
【0015】
そのようなシステムでは、第1の輸送船及び第2の輸送船の少なくとも1つは、地球を周回する地球同期軌道上の衛星であり得る。そのようなシステムでは、第1の輸送船及び第2の輸送船の少なくとも1つは、船、航空機(飛行機、熱気球若しくはドローンなど)、潜水艦又は静止海洋構造物(例えば、オイルリグ)であり得る。
【0016】
そのようなシステムでは、再循環ループは、第3の輸送船を比較することができ、第2の輸送船は、第3の輸送船にデータを伝送することによって第3の輸送船を介して第1の輸送船にデータを返送するように構成することができる。
【0017】
そのようなシステムでは、再循環ループは、輸送船間でデータを再循環させ、連続して次々と繰り返し起きるように構成することができる。
【0018】
そのようなシステムでは、第1及び輸送船の少なくとも1つは、信号を返送するように位置付けられた及び構成された反射表面を備え得る。
【0019】
そのようなシステムでは、第2の輸送船は、信号を返送するように位置付けられた及び構成されたコーナーキューブを備え得る。そのような再循環リンクへの陸上局信号リンクは、電磁信号伝達(RF若しくは光信号など)又は他のタイプの信号伝達を使用することができる。
【0020】
そのようなシステムでは、信号生成器及び信号送信機の少なくとも1つは、データを伝達する及び第2の輸送船に伝送される電磁放射線信号を生成することができる。
【0021】
そのようなシステムでは、信号生成器及び信号送信機の少なくとも1つは、データを伝達する及び第2の輸送船に伝送される光ビーム信号(例えば、レーザ信号)を生成することができる。
【0022】
そのようなシステムでは、信号生成器及び信号送信機の少なくとも1つは、多重化信号の第1のセットを含む多重化電磁信号を生成するように構成することができ、多重化電磁信号の第1のセットの各信号は、多重化信号の第1のセットとは異なる多重化スキームを使用して生成された多重化電磁信号の第2のセットを含む。
【0023】
そのようなシステムでは、第1の輸送船は、第2の輸送船に関する位置情報を維持するように構成することができるシステムアセットトラッカを備える。
【0024】
そのようなシステムでは、システムは、データ完全性を保証するために巡回冗長検査を実行するように構成された誤りチェッカをさらに備え得る。
【0025】
また、そのようなシステムは、第1の時刻に、第1の動作を実行するためにデータ格納システムの外部から第1の要求を受信するステップであって、第1の動作が、データの第1のデータブロックに対する読取動作、書込動作及び削除動作のうちの1つを含む、ステップと、第1の時刻の後の第2の時刻に、第2の動作を実行するためにデータ格納システムの外部から第2の要求を受信するステップであって、第2の動作が、データの第2のデータブロックに対する読取動作、書込動作及び削除動作のうちの1つを含む、ステップとを行うように構成されたコントローラを含み得、システムは、第2の動作を実行した後に第1の動作を実行する。
【0026】
そのようなシステムでは、第1の動作が読取動作である場合、第2の動作は読取動作であり得、第1の動作が書込動作である場合、第2の動作は書込動作であり得、第1の動作が削除動作である場合、第2の動作は削除動作であり得る。
【0027】
そのようなシステムでは、信号生成器及び信号送信機の少なくとも1つは、符号分割多重化信号を信号として生成するように構成することができ、符号分割多重化信号は、多重化信号の第1のセットを含み、その結果、第1のセットの第1の多重化信号は、第1のセットの第2の多重化信号以外のデータを伝達する。
【0028】
そのようなシステムでは、信号生成器及び信号送信機の少なくとも1つは、軌道角運動量分割多重化信号を信号として生成するように構成することができ、軌道角運動量分割多重化信号は、多重化信号の第1のセットを含み、その結果、第1のセットの第1の多重化信号は、第1のセットの第2の多重化信号以外のデータを伝達する。
【0029】
そのようなシステムでは、信号生成器及び信号送信機の少なくとも1つは、空間分割多重化信号を信号として生成するように構成することができ、空間分割多重化信号は、多重化信号の第1のセットを含み、その結果、第1のセットの第1の多重化信号は、第1のセットの第2の多重化信号以外のデータを伝達する。
【0030】
そのようなシステムでは、信号生成器及び信号送信機の少なくとも1つは、偏波分割多重化信号を信号として生成するように構成することができ、偏波分割多重化信号は、多重化信号の第1のセットを含み、その結果、第1のセットの第1の多重化信号は、第1のセットの第2の多重化信号以外のデータを伝達する。
【0031】
そのようなシステムでは、信号生成器及び信号送信機の少なくとも1つは、周波数分割多重化信号を信号として生成するように構成することができ、周波数分割多重化信号は、多重化信号の第1のセットを含み、その結果、第1のセットの第1の多重化信号は、第1のセットの第2の多重化信号以外のデータを伝達する。
【0032】
また、そのようなシステムは、信号の部分によって伝達されたデータブロックを信号の部分の物理的プロパティ及び場所の少なくとも1つと関連付けるように構成されたデータ管理システムと、データブロックの動作を制御する制御信号を生成するように構成されたコントローラであって、制御信号が、信号の部分の物理的プロパティ及び場所の少なくとも1つを参照してクロック信号に基づいて生成することができる、コントローラとを含み得る。
【0033】
また、そのようなシステムは、データ格納システムのデータを管理するように構成されたデータ管理システムであって、データのデータブロックの削除、書込及び更新の少なくとも1つを行うために、データ格納システムの外部から要求を受信するように構成されたデータ管理システムを含み得、再循環ループは、データ管理システムから受信された情報に基づいて、信号の第1の部分を消去するように構成されたイレイサを含み、第1の部分は、データブロックを伝達し、データブロックは、データ全体に満たない。
【0034】
本開示の別の態様によれば、移動中のディジタルデータを伝達するレーザ信号を維持するように構成された再循環ループであって、光導波路、光導波路カプラ及び再生器を含む再循環ループと、ディジタルデータを伝達するレーザ信号を生成し、入力/出力光導波路にレーザ信号を伝送するように構成された信号生成器とを含むデータ格納システムであって、光導波路カプラが、入力/出力光導波路と光導波路との間でレーザ信号を結合し、再生器が、光導波路に結合され、光導波路を通じてレーザ信号を増幅及び/又は再生するように構成される、データ格納システムが開示される。
【0035】
また、そのようなシステムは、データ格納システムのディジタルデータを管理するように構成されたデータ管理システムを含み得、再循環ループは、データ管理システムによって提供された情報に基づくタイミングに従って、ディジタルデータのデータブロックを伝達するレーザ信号の部分を消去するように構成されたイレイサであって、レーザ信号の部分が、レーザ信号全体に満たない、イレイサを含み得る。
【0036】
そのようなシステムでは、信号生成器は、多重化信号をレーザ信号として生成するように構成することができ、多重化信号は、多重化レーザ信号の第1のセットを含み、その結果、第1のセットの第1の多重化レーザ信号は、第1のセットの第2の多重化レーザ信号以外のデータを伝達し、多重化信号の第1のセットの各レーザ信号は、多重化信号の第1のセットを生成するために使用された多重化スキームとは異なる多重化スキームを使用して生成された多重化レーザ信号の第2のセットを含む。
【0037】
そのようなシステムでは、多重化レーザ信号の第2のセットの各レーザ信号は、多重化レーザ信号の第3のセットを含み得、多重化レーザ信号の第3のセットは、多重化信号の第1のセットを生成するために使用された多重化スキームとは異なる多重化スキームであって、多重化信号の第2のセットを生成するために使用された多重化スキームとは異なる多重化スキームを使用して生成される。
【0038】
本開示のさらなる態様によれば、移動中のデータを伝達する信号を維持するように構成された再循環ループであって、導波路及び導波路カプラを含む再循環ループであり、導波路カプラが、データを伝達する信号を結合して導波路に入れるように構成される、再循環ループと、信号の増幅及び再生の少なくとも1つによって導波路を通じて運ばれた信号を調節するように構成された信号調節器とを含むデータ格納システムが開示される。
【0039】
そのようなシステムでは、導波路は、光ファイバを含み得る。
【0040】
そのようなシステムは、導波路カプラに信号を伝送するように構成された信号生成器を含み得、信号生成器によって生成された信号は、電磁信号であり得る。
【0041】
そのようなシステムは、導波路カプラに信号を伝送するように構成された信号生成器を含み得、信号生成器によって生成された信号は、レーザ信号であり得る。
【0042】
そのようなシステムでは、再循環ループは、信号調節器をさらに含み得、導波路は、導波路カプラと信号調節器との間で信号を運ぶように位置付けられた第1のセグメントと、信号調節器に接続された第2のセグメントとを含み得、第1のセグメントは、第2のセグメントとは物理的に直接接続されない。
【0043】
そのようなシステムでは、再循環ループは、信号調節器を含み得、信号調節器は、信号が信号調節器を通過するたびに信号の少なくとも一部分を増幅するように構成された信号増幅器を含み得る。
【0044】
そのようなシステムは、データ格納システムのデータを管理するように構成されたデータ管理システムであって、データのデータブロックの削除、書込及び更新の少なくとも1つを行うために、データ格納システムの外部から要求を受信するように構成されたデータ管理システムを含み得、再循環ループは、データ管理システムから受信された情報に基づいて、信号の第1の部分を消去するように構成されたイレイサを含み得、第1の部分は、データブロックを伝達し、データブロックは、データ全体に満たない。
【0045】
そのようなシステムでは、データ管理システムは、要求及びタイミング情報のデータ管理システムからイレイサによって受信された情報に従ってタイミング情報を生成するように構成することができる。
【0046】
そのようなシステムは、導波路カプラに信号を伝送するように構成された信号生成器を含み得、信号生成器によって生成されたデータを伝達する信号は、伝播方向マルチプレクサによって多重化された信号であり得、伝播方向マルチプレクサは、再循環ループを通じて第1の方向に信号の第1の部分を伝送し、再循環ループを通じて第1の方向とは異なる第2の方向に信号の第2の部分を伝送するように構成される。
【0047】
そのようなシステムは、信号再生器を含み得、信号調節器は、信号の少なくともいくつかを増幅するように構成された信号増幅器であり得、信号再生器は、第1のタイミングに、信号全体に満たない信号の第1の部分のみを再生し、第1のタイミングの後の第2のタイミングに、信号全体に満たない信号の第2の部分のみを再生するように構成することができる。
【0048】
そのようなシステムでは、システムは、非同期的に信号を再生することができ、その結果、第2の部分は、信号の最も長い間再生されていない部分である。
【0049】
そのようなシステムでは、システムは、第3のタイミングに、信号の第1の部分のみを再生し、第4のタイミングに、信号の第2の部分のみを再生することができ、第1のタイミングと第3のタイミングとの間の間隔は、第2のタイミングと第4のタイミングとの間の間隔より大きい。
【0050】
そのようなシステムでは、システムは、信号の第2の部分のみの再生と交互に行われる信号の第1の部分のみの再生を行うことができる。
【0051】
また、そのようなシステムは、第1の時刻に、第1の動作を実行するためにデータ格納システムの外部から第1の要求を受信するステップであって、第1の動作が、データの第1のデータブロックに対する読取動作、書込動作及び削除動作のうちの1つを含む、ステップと、第1の時刻の後の第2の時刻に、第2の動作を実行するためにデータ格納システムの外部から第2の要求を受信するステップであって、第2の動作が、データの第2のデータブロックに対する読取動作、書込動作及び削除動作のうちの1つを含む、ステップとを行うように構成されたコントローラを含み得、システムは、第2の動作を実行した後に第1の動作を実行する。
【0052】
そのようなシステムでは、第1の動作が読取動作である場合、第2の動作は読取動作であり得、第1の動作が書込動作である場合、第2の動作は書込動作であり得、第1の動作が削除動作である場合、第2の動作は削除動作であり得る。
【0053】
また、そのようなシステムは、データ完全性決定器を含み得、データ完全性決定器は、信号再生器が第1の部分を再生した場合に第1の部分のみのデータ完全性を決定し、信号再生器が第2の部分を再生した場合に第2の部分のみのデータ完全性を決定するように構成される。
【0054】
そのようなシステムでは、システムは、データ完全性を保証するために巡回冗長検査を実行するように構成された誤り巡回冗長チェッカをさらに備え得る。
【0055】
そのようなシステムでは、再循環ループは、信号の信号強度に応じて、非線形方式で、信号に対して信号損失を与えるように構成された信号フィルタをさらに含み得る。
【0056】
そのようなシステムでは、再循環ループは、第1の値未満の信号強度を有する信号の部分をフィルタ除去するように構成された信号フィルタをさらに含み得る。
【0057】
そのようなシステムでは、再循環ループは、信号の第1の部分に信号損失を提供するように構成された信号フィルタをさらに含み得、信号の第1の部分は、信号の第2の部分より大きい信号強度を有し、提供される信号損失は、信号の第1の部分の時間的に変動する強度の数学関数であり得る。
【0058】
そのようなシステムでは、再循環ループは、信号の第1の部分及び信号の第2の部分に信号損失を提供するように構成された信号フィルタをさらに含み得、第1の部分は、第2の部分より大きい信号強度を有し、第1の部分に提供される信号損失は、往復利得より大きいものであり得、第2の部分に提供される信号損失は、往復利得より小さいものであり得る。
【0059】
そのようなシステムでは、再循環ループは、第1の屈折率を有する材料を含む信号フィルタをさらに含み得、信号フィルタは、第1の値未満の信号強度を有する信号の第1の部分に信号損失を提供し、材料の屈折率を変更して、第1の値より高い第2の強度を有する信号の第2の部分に信号損失を提供するように構成することができる。
【0060】
そのようなシステムでは、導波路カプラは、第1のカプラ及び第2のカプラを含み得、第1のカプラは、信号の第1の部分のみを結合するように構成され、第2のカプラは、第1の部分以外の信号の第2の部分のみを結合するように構成され、第1及び第2の部分は、第1の多重化スキームの一部として信号で多重化される。
【0061】
そのようなシステムでは、第1のカプラは、第3のカプラ及び第4のカプラを含み得、第3のカプラは、第2の部分以外の信号の第3の部分のみを結合するように構成され、第4のカプラは、第2の部分以外及び第3の部分以外の信号の第4の部分のみを結合するように構成され、第1の部分は、第3及び第4の部分を含み得、第3及び第4の部分は、第1の多重化スキームとは異なる第2の多重化スキームの一部として信号で多重化される。
【0062】
そのようなシステムでは、導波路カプラは、導波路に信号を伝送するように構成された信号入力カプラと、導波路から信号を取り除くように構成された信号出力カプラとを含み得、信号入力カプラは、再循環ループにおいて、信号出力カプラから遠く離れた所に位置付けることができる。
【0063】
そのようなシステムでは、導波路は、ナノ構造化光ファイバであり得る。
【0064】
また、そのようなシステムは、導波路カプラに信号を伝送するように構成された信号生成器を含み得、信号生成器は、多重化電磁信号を信号として生成するように構成することができ、多重化電磁信号は、多重化電磁信号の第1のセットを含み、その結果、第1のセットの第1の多重化信号は、第1のセットの第2の多重化信号以外のデータを伝達し、多重化電磁信号の第1のセットの各信号は、多重化電磁信号の第1のセットを生成するために使用された多重化スキームとは異なる多重化スキームを使用して生成された多重化電磁信号の第2のセットを含み得る。
【0065】
そのようなシステムでは、多重化電磁信号の第2のセットの各レーザ信号は、多重化電磁信号の第3のセットを含み得、多重化電磁信号の第3のセットは、多重化電磁信号の第1のセットを生成するために使用された多重化スキームとは異なる多重化スキームであって、多重化電磁信号の第2のセットを生成するために使用された多重化スキームとは異なる多重化スキームを使用して生成される。
【0066】
また、そのようなシステムは、導波路カプラに信号を伝送するように構成された信号生成器を含み得、信号生成器は、符号分割多重化信号を信号として生成するように構成することができ、符号分割多重化信号は、多重化信号の第1のセットを含み、その結果、第1のセットの第1の多重化信号は、第1のセットの第2の多重化信号以外のデータを伝達する。
【0067】
また、そのようなシステムは、導波路カプラに信号を伝送するように構成された信号生成器を含み得、信号生成器は、軌道角運動量分割多重化信号を信号として生成するように構成することができ、軌道角運動量分割多重化信号は、多重化信号の第1のセットを含み、その結果、第1のセットの第1の多重化信号は、第1のセットの第2の多重化信号以外のデータを伝達する。
【0068】
また、そのようなシステムは、導波路カプラに信号を伝送するように構成された信号生成器を含み得、信号生成器は、空間分割多重化信号を信号として生成するように構成することができ、空間分割多重化信号は、多重化信号の第1のセットを含み、その結果、第1のセットの第1の多重化信号は、第1のセットの第2の多重化信号以外のデータを伝達する。
【0069】
また、そのようなシステムは、導波路カプラに信号を伝送するように構成された信号生成器を含み得、信号生成器は、偏波分割多重化信号を信号として生成するように構成することができ、偏波分割多重化信号は、多重化信号の第1のセットを含み、その結果、第1のセットの第1の多重化信号は、第1のセットの第2の多重化信号以外のデータを伝達する。
【0070】
また、そのようなシステムは、導波路カプラに信号を伝送するように構成された信号生成器を含み得、信号生成器は、周波数分割多重化信号を信号として生成するように構成することができ、周波数分割多重化信号は、多重化信号の第1のセットを含み、その結果、第1のセットの第1の多重化信号は、第1のセットの第2の多重化信号以外のデータを伝達する。
【0071】
また、そのようなシステムは、信号の部分によって伝達されたデータブロックを信号の部分の物理的プロパティ及び場所の少なくとも1つと関連付けるように構成されたデータ管理システムと、データブロックの動作を制御する制御信号を生成するように構成されたコントローラであって、制御信号が、信号の部分の物理的プロパティ及び場所の少なくとも1つを参照してクロック信号に基づいて生成される、コントローラとを含み得る。
【0072】
また、そのようなシステムは、データ格納システムのデータを管理するように構成されたデータ管理システムであって、データのデータブロックの削除、書込及び更新の少なくとも1つを行うために、データ格納システムの外部から要求を受信するように構成されたデータ管理システムを含み得、再循環ループは、データ管理システムから受信された情報に基づいて、信号の第1の部分を消去するように構成されたイレイサを含み得、第1の部分は、データブロックを伝達し、データブロックは、データ全体に満たない。
【0073】
そのようなシステムでは、信号調節器は、信号の第1の部分に第1の信号利得を提供するように構成することができ、第1の信号利得は、再循環ループを通じて以前の信号の往復に対して得られた信号強度に関する情報に従って提供することができる。
【0074】
そのようなシステムでは、信号調節器は、信号の第1の部分に信号増幅を提供することによって信号のフィルタリングを提供するように構成することができ、信号増幅は、第1の部分が位相整合条件を満たす場合に第1の部分に提供することができる。
【0075】
そのようなシステムでは、信号調節器は、ポンプビーム及びアイドラビームを提供するように構成することができ、ポンプビーム及びアイドラビームは、フィルタリングを提供するように構成される。
【0076】
また、そのようなシステムは、移動中のデータを伝達する光信号を維持するように構成された再循環ループを含む光空洞を含み得、再循環ループは、信号カプラ、第1の信号リターナ及び信号調節器を含み、信号調節器は、信号の増幅及び再生の少なくとも1つによって信号を調節するように構成され、信号カプラは、信号を第1の信号リターナに伝送することによって信号の少なくとも一部分を結合して光空洞に入れるように構成され、第1の信号リターナは、信号カプラに信号を返送するように位置付けられ及び構成され、信号カプラは、第1の信号リターナから受信された信号を第1の信号リターナに返送するように構成される。
【0077】
そのようなシステムでは、信号カプラは、光空洞に信号を伝送するように構成された信号入力カプラと、光空洞から信号を取り除くように構成された信号出力カプラとを含み得、信号入力カプラは、光空洞において、信号出力カプラから遠く離れた所に位置付けることができる。
【0078】
そのようなシステムでは、ループは、第2の信号リターナを含み、第1の信号リターナは、第2の信号リターナに信号を伝送することによって信号カプラに信号を返送するように構成することができる。
【0079】
そのようなシステムでは、光空洞は、連続反射表面を含み得、連続反射表面は、第1の信号リターナ及び第2の信号リターナを含む。
【0080】
そのようなシステムでは、第1の信号リターナは、信号を反射表面に反射させることによって信号を返送することができる。
【0081】
本開示の態様によれば、光信号をフィルタリングする方法であって、信号利得を提供することによって光信号を増幅するステップと、光信号の信号強度に応じて、非線形方式で、光信号に対して信号損失を与えるステップとを含む、方法であり、信号損失を与えるステップが、光信号の第1の部分に信号損失を提供するステップであって、光信号の第1の部分が、光信号の第2の部分より大きい信号強度を有し、第1の部分に提供される信号損失が、信号利得より大きい、ステップと、信号利得より小さい信号損失を第2の部分に提供するステップとを含む、方法も提供される。
【0082】
そのような方法では、提供される信号損失は、信号の第1の部分の時間的に変動する強度の数学関数であり得る。
【0083】
そのような方法では、信号フィルタは、第1の屈折率を有する材料を含み得、信号フィルタは、第1の値未満の信号強度を有する信号の第3の部分に信号損失を提供するように構成され、方法は、材料の屈折率を変更して、第1の値より高い第2の強度を有する信号の第1の部分に信号損失を提供するステップを含み得る。
【0084】
また、移動中のデータを伝達する信号を維持するように構成された再循環ループであって、信号イントロデューサ及び信号リターナを含む再循環ループを使用したデータ格納方法も説明される。この方法は、信号イントロデューサによって、データを伝達する信号を再循環ループに導入するステップと、信号リターナによって、信号イントロデューサに信号を返送するステップと、信号イントロデューサによって、信号リターナから受信された信号を信号リターナに返送するステップとを含み得る。
【0085】
そのような方法では、信号リターナは、導波路であり得、信号イントロデューサは、信号生成器と導波路との間で信号を結合するように構成された導波路カプラであり得る。
【0086】
そのような方法では、信号リターナは、反射表面を含み得る。
【0087】
そのような方法では、信号イントロデューサは、輸送船上に位置付けることができる。
【0088】
また、そのような方法は、再循環ループを通じて第1の方向に信号の第1の部分を再循環するステップと、再循環ループを通じて第1の方向とは異なる第2の方向に信号の第2の部分を再循環するステップであって、第1の部分が、第1の部分以外のものである、ステップとを含み得る。
【0089】
そのような方法では、信号生成器は、多重化電磁信号を信号として生成するように構成することができ、多重化電磁信号は、多重化電磁信号の第1のセットを含み、その結果、第1のセットの第1の多重化信号は、第1のセットの第2の多重化信号以外のデータを伝達し、多重化電磁信号の第1のセットの各信号は、多重化電磁信号の第1のセットを生成するために使用された多重化スキームとは異なる多重化スキームを使用して生成された多重化電磁信号の第2のセットを含み得る。
【0090】
そのような方法では、多重化電磁信号の第2のセットの各信号は、多重化電磁信号の第3のセットを含み得、多重化電磁信号の第3のセットは、多重化電磁信号の第1のセットを生成するために使用された多重化スキームとは異なる多重化スキームであって、多重化電磁信号の第2のセットを生成するために使用された多重化スキームとは異なる多重化スキームを使用して生成される。
【0091】
そのような方法では、信号生成器は、符号分割多重化信号を信号として生成するように構成することができ、符号分割多重化信号は、多重化信号の第1のセットを含み、その結果、第1のセットの第1の多重化信号は、第1のセットの第2の多重化信号以外のデータを伝達する。
【0092】
そのような方法では、信号生成器は、軌道角運動量分割多重化信号を信号として生成するように構成することができ、軌道角運動量分割多重化信号は、多重化信号の第1のセットを含み、その結果、第1のセットの第1の多重化信号は、第1のセットの第2の多重化信号以外のデータを伝達する。
【0093】
そのような方法では、信号生成器は、空間分割多重化信号を信号として生成するように構成することができ、空間分割多重化信号は、多重化信号の第1のセットを含み、その結果、第1のセットの第1の多重化信号は、第1のセットの第2の多重化信号以外のデータを伝達する。
【0094】
そのような方法では、信号生成器は、偏波分割多重化信号を信号として生成するように構成することができ、偏波分割多重化信号は、多重化信号の第1のセットを含み、その結果、第1のセットの第1の多重化信号は、第1のセットの第2の多重化信号以外のデータを伝達する。
【0095】
そのような方法では、信号生成器は、周波数分割多重化信号を信号として生成するように構成することができ、周波数分割多重化信号は、多重化信号の第1のセットを含み、その結果、第1のセットの第1の多重化信号は、第1のセットの第2の多重化信号以外のデータを伝達する。
【0096】
そのような方法では、データ管理システムは、信号の部分によって伝達されたデータブロックを信号の部分の物理的プロパティ及び場所の少なくとも1つと関連付けるように構成することができ、方法は、データブロックの動作を制御する制御信号を生成するステップであって、制御信号が、信号の部分の物理的プロパティ及び場所の少なくとも1つを参照してクロック信号に基づいて生成される、ステップをさらに含み得る。
【0097】
そのような方法では、データ管理システムは、データ格納システムのデータを管理するように構成することができ、方法は、データのデータブロックの削除、書込及び更新の少なくとも1つを行うために、データ格納システムの外部から要求を受信するステップと、再循環ループに含まれるイレイサによって、データ管理システムから受信された情報に基づいて、信号の第1の部分を消去するステップであって、第1の部分が、データブロックを伝達し、データブロックが、データ全体に満たない、ステップとをさらに含み得る。
【0098】
また、そのような方法は、再循環ループに位置付けられた信号調節器によって、信号の第1の部分に第1の信号利得を提供するステップであって、第1の信号利得が、再循環ループを通じて以前の信号の往復に対して得られた信号強度に関する情報に従って提供することができる、ステップを含み得る。
【0099】
また、そのような方法は、第1の部分が位相整合条件を満たす場合に、信号調節器によって、信号の第1の部分に信号増幅を提供することによって信号のフィルタリングを提供するステップを含み得る。
【0100】
本発明の他の特徴及び利点は、添付の図面を参照する本発明の以下の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0101】
図1】本開示の例による、衛星ベースの情報格納システムの主要な構成要素を示す。
図2A】本開示の例による、ユーザ及び衛星ベースの情報格納システムと通信する地球局のコンポーネントを示す。
図2B】本開示の例による、ユーザがそれにより最初に衛星と通信するシステムを示し、DMS又は他のコンポーネントの全て又は一部を保持するために地球局を使用しても使用しなくともよい。
図3】本開示の態様による、衛星の位置付けの追加の例を示す。
図4】本開示の態様による、衛星の位置付けの追加の例を示す。
図5】本開示の態様による、衛星の位置付けの追加の例を示す。
図6】本開示の態様による、衛星の位置付けの追加の例を示す。
図7】本開示の態様による、衛星の位置付けの追加の例を示す。
図8】本開示の態様による、衛星の位置付けの追加の例を示す。
図9】信号の受信及び返送を行うためのコーナーキューブの例の図解である。
図10】本開示の態様による、電磁信号を反射構造(図10ではコーナーキューブとして示される)に伝送する電磁信号衛星の例を示し、その衛星は、反射して返ってきた信号を受信する。
図11】本開示の態様による、電磁信号を反射構造(図10ではコーナーキューブとして示される)に伝送する電磁信号衛星の例を示し、その衛星は、反射して返ってきた信号を受信する。
図12】本開示の態様による、導波路を通じて第2の電磁通信デバイスに電磁信号を伝送する第1の電磁信号通信デバイスと、第1の電磁通信デバイスに信号を送り返す第2の電磁通信デバイスとの間の通信システムの例を示す。
図13】本開示の態様による、地球上又は地中の構成の例の図解であり、第1の電磁通信信号デバイスは、反射器表面(コーナーキューブ又は別のタイプの反射器であり得る)に電磁通信信号を伝送し、次いで、電磁通信信号は、反射して電磁信号通信デバイスに返される。
図14】本開示の態様による、本開示の態様の空上の実装形態の例の図解であり、航空機又は他の空中輸送船、乗り物若しくは構造は、電磁信号を互いに反射するか又は再生して再伝送する電磁信号通信デバイスを有する。
図15】本開示の態様による、空上の実装形態の例の図解であり、1つ又は複数の構造或いは航空機又は空中乗り物若しくは輸送船は、第1の電磁信号通信デバイスを含み、第1の電磁信号通信デバイスは、第2の航空機(例示を目的として、飛行機として示される)上に又は第2の航空機に取り付けられた第2の電磁通信デバイスに電磁信号を伝送し、次いで、第2の電磁通信デバイスは、反射して第1の電磁信号通信デバイスに返されるか或いはコーナーキューブ又は他のタイプの反射性表面などの構造を有し、その構造は、電磁信号を反射して第1の電磁信号通信デバイスに返す。
図16】本開示の態様による、別の空上の実装形態の例の図解であり、図14の実施形態と同様であるが、電磁信号通信デバイス及び/又は反射性構造は、ジェットエンジン又はプロペラなしの空中輸送船(例として、熱気球、ヘリウム風船若しくは小型飛行船として示される)上に取り付けられている。
図17】本開示の態様による、本開示の態様の海上の実装形態の例の図解であり、第1の電磁信号通信デバイスは、海上の輸送船又は乗り物(説明に役立つ例として、潜水艦として示される)上に取り付けられ、輸送船(説明に役立つ例として、船及び潜水艦として示される)に取り付けるか又は収納することができる第2の電磁信号通信デバイスに電磁信号を伝送し、次いで、第2の電磁信号通信デバイスは、電磁信号を反射して第1の電磁信号通信デバイスに返すか、又は、信号を再生して、第1の電磁通信デバイスに電磁信号を再伝送することができる。
図18】本開示の態様による、レーザ通信を使用して信号受信機Aと信号受信機Bとの間で通信するためのシステムの概要の図解であり、受信機は、反射器と共に信号ループを形成する。
図19】本開示の態様による、レーザ通信を使用して信号受信機Aと信号受信機Bとの間で通信するためのシステムの概要の図解であり、受信機は、信号ループを形成する。
図20】導波路を通じてなど、ループを通じて移動する信号の例の概略図解である。
図21】本開示の態様による、導波路を使用したループベースの移動中の格納システムを再循環するデータの管理を可能にするための電子制御システムの例の概略図解である。
図22】本開示の態様による、光ファイバスプールを使用した移動中のデータ格納のためのループの例の概略図解である。
図23】本開示の態様による、信号を変調するためのシステムの例の概略図解である。
図24A】同じ設備若しくはコンテナ内に位置付けるか又は互いに遠く離れた所に位置付けることができる接続用の伝送及び受信ハードウェアを伴う導波路として使用された光ファイバのスプールを示す。
図24B】同じ設備若しくはコンテナ内に位置付けるか又は互いに遠く離れた所に位置付けることができる接続用の伝送及び受信ハードウェアを伴う導波路として使用された光ファイバのスプール、並びに、第1の構成と同じ設備内に位置付けることができるか又は第1の構成から遠く離れた所に位置付けることができるさらなるそのような構成を示す。
図24C】情報を格納するために第1及び第2の端部が同じ電子システムに接続された導波路として使用された光ファイバのスプールを示す。
図25】本開示の態様による、再循環ループ内での信号の波長分割多重化/逆多重化を利用した移動中の格納のためのシステムの例の概略図解である。
図26】本開示の態様による、信号の増幅調節の例の概略図解である。
図27】本開示の態様による、光導波路ループにおける空間分割多重化システムを利用した移動中の格納のためのシステムの例の概略図解である。
図28】本開示の態様による、導波路ループに対する伝播方向分割多重化(DDM)を利用した移動中の格納のためのシステムの例の概略図解である。
図29】本開示の態様による、再循環ループの自由空間の実装形態における波長分割多重化及び/又は空間分割多重化並びに方向分割多重化を利用したシステムの例の概略図解である。
図30】本開示の態様による、信号利得及び雑音低減を制御するために安定性を提供するループに対するパッシブ非線形フィルタの例の概略図解である。
図31A】本開示の態様による、非線形フィルタがどのように信号再循環ループに対する利得安定性及び雑音低減を提供することができるかの例を示す。
図31B】本開示の態様による、非線形フィルタがどのように信号再循環ループに対する利得安定性及び雑音低減を提供することができるかの例を示す。
図31C】本開示の態様による、非線形フィルタがどのように信号再循環ループに対する利得安定性及び雑音低減を提供することができるかの例を示す。
図31D】本開示の態様による、非線形フィルタがどのように信号再循環ループに対する利得安定性及び雑音低減を提供することができるかの例を示す。
図31E】本開示の態様による、非線形フィルタがどのように信号再循環ループに対する利得安定性及び雑音低減を提供することができるかの例を示す。
図31F】本開示の態様による、非線形フィルタがどのように信号再循環ループに対する利得安定性及び雑音低減を提供することができるかの例を示す。
図32A】本開示の態様による、再循環ループの例を示し、各再循環ループは、光空洞によって形成される。
図32B】本開示の態様による、再循環ループの例を示し、各再循環ループは、光空洞によって形成される。
図32C】本開示の態様による、再循環ループの例を示し、各再循環ループは、光空洞によって形成される。
【発明を実施するための形態】
【0102】
図面は、本開示の態様の例を示す。本開示の他の特徴及び利点は、添付の図面を参照する、本発明の以下の説明から並びに/或いは図及びテキスト記述のうちの1つ又は複数の組合せから明らかになるであろう。
【0103】
電磁放射線として又は1つ若しくは複数の他のタイプの移動中の信号として情報又は任意の種類のデータを格納するための方法及びシステムが開示される。再循環ループは、例えば、移動中のデータを伝達する信号を維持する。再循環ループは、自由空間において又は導波路(1つ若しくは複数の光ファイバなど)を通じてデータを反射するか又は別の方法で再伝送する衛星又は他の輸送船から形成することができる。また、再循環ループは、再循環ループに信号を注入したり、再循環ループから信号を取り除いたりするカプラや、ループを再循環する信号を増幅し、信号をフィルタリングすることができる信号調節器(増幅器など)も含み得る。光空洞もまた、再循環ループの信号を維持するために使用することができる。信号を反射するか又は別の方法で返送するノードを順序どおりに繰り返すことも、往復するたびにノードの順序を変化させることもできる。導波路の実装形態及び光空洞の実装形態は、地球上の若しくは他のデータセンタとして又はスタンドアロンデバイスとして提供することができ、信号はレーザであり得る。
【0104】
一例では、衛星ベースのレーザ、陸上の若しくは水上/水面下のレーザ又は光ビーム或いは他の電磁放射線のような任意のものを使用してデータの伝送及び格納を行うことができる。電磁放射線又は電磁ビームは、本明細書で使用される場合は、レーザビーム又は信号、メーザビーム又は信号、光ビーム又は信号を含むいかなる種類の電磁信号も、音響波、電波、IR放射線、UV放射線、マイクロ波帯の伝送を含むいかなるタイプの有線又は無線信号も、前述の2つ以上のいかなる組合せも含み得る。本明細書では所々で単にレーザビーム又は信号と呼ばれているが、誘導、整形若しくは整相が行われているか又は前述のいずれでもないかにかかわらず、他のタイプの光信号及び他のタイプの電磁放射線伝送(電波、マイクロ波、IR、UV及び電磁放射線の波長の帯域幅の組合せを含む)も含まれることが意図される。
衛星は、本明細書で使用される場合は、人工又は自然の衛星又は同じ軌道を周回する物体を含み得、これらに限定されないが、LEO(地球低軌道)、MEO(通常、LEO(約2,000km)の上方且つGEO(約35,700km~35,800km)の下方として理解される地球中軌道)、GEO(地球静止軌道又は地球同期軌道)又はさらに遠い軌道の物体、或いは、他の任意の軌道又は位置の物体を含み得、これらに限定されないが、月及び他の天体を周回する物体を含み、これらに限定されないが、月上の、ラグランジュ点における、宇宙ステーション上の及び/又は地球、宇宙若しくは水中の/水上の/水面下の他の任意の位置における反射器、鏡、コーナーキューブ、電磁(RF、レーザ光など)受信機及び/又は送信機を含む。
さらに、衛星という用語は、本明細書で使用される場合は、衛星として単独で配備されるか又はさらなる従来の衛星構造上の、同衛星構造の近くの若しくは同衛星構造と関連付けられた反射性表面などの構造(例えば、コーナーキューブを含む)を指し得る。信号は、本明細書で使用される場合は、レーザ若しくは光信号又は相次いで伝送される一連の信号バーストなどのビームを意味し得る。本明細書では所々で「情報」又は「データ」と呼ばれているが、信号又はビームの一部として伝送されるものは、非ペイロードデータ、命令、ヘッダ及びフッタデータ、暗号化データ、制御データ並びに他のデータを含むいかなる種類のデータも含み得ることが理解されよう。いくつかの実施形態では、データは、特有の「ハードドライブ」ユニット又は記憶装置、データラックマウント方式のデバイス、ボックスコンピュータシステム、光ファイバケーブル、電磁信号の転送が可能な自由空間又は他の任意の形態若しくは物質内に、電磁放射線として移動中に格納することができる。本開示の一態様によれば、ループは、復調することも、電気信号として格納することもなく、信号を再循環させることができる。例えば、信号は、反射、増幅及び/又はフィルタリングを伴う場合でも、連続動作中の状態で維持することができる。本開示の別の態様によれば、再循環ループは、信号のいくつか又は全体が各往復において通過させられるか又はループを通じて通過させられる一時的な電子データバッファを含み得る。
【0105】
図1に示されるように、地球局20aは、例えば、高周波伝送を介して、衛星ベースの格納システムに情報を格納するためのコマンド、情報を更新するためのコマンド及び衛星ベースの格納システムから情報を回収するためのコマンドを伝送する。地球局20aは、図1に示されるように、説明に役立つ例として、通信衛星30aと通信することができる。別の実施形態では、エンドユーザは、VSAT(超小型地上局)又は他の任意の技術若しくは他の任意の形態の電磁通信を使用して、データ格納システムの衛星と直接通信することができる。
エンドユーザは、衛星又は他の任意の形態の通信を使用して、地球局20a、20bと通信すること又は衛星30、40と直接通信することができる。圧縮及び/又は暗号化能力を含んでも含まなくともよく、地球局20a、20bに、衛星30、40上に及び/又は他の任意の場所若しくは他の任意のコンポーネントの一部にあるデータ管理システム。通信は、RF通信でも、いかなるタイプの電磁通信でも、複数の電磁通信タイプのいかなる組合せでもあり得る。地球局通信衛星30aは、情報を格納するための信号伝達を実装する衛星グループ又は衛星群40aにこの情報を中継することができる。しかしながら、いくつかの実施形態によれば、いくつかの実装形態における地球局20aは、電磁信号衛星グループ40aと直接通信する。
【0106】
電磁信号衛星グループ40aは、データの符号化又は格納を行うために、データを伝達する光ビーム又は他の電磁信号を互いに渡し合う。4つで構成されるグループとして示されているが、電磁信号衛星グループ40aは、2つ以上の衛星、1つの衛星と反射器衛星(反射器が衛星上若しくは他の場所に位置付けられる)、又は、複数の反射器を含み得る。いくつかの実施形態によれば、1つ(又は複数の衛星)と、月、地球又は他の任意の場所に位置付けられた反射器とを使用することも、月、地球若しくは他の天体上又はそれらの大気、表面若しくは他の部分を反射器として使用することもできる。
衛星30、40は、LEO、MEO、GEO、ラグランジュ点又は他の軌道若しくは位置に位置付けることができる。衛星40は、反射性表面を有し得、反射性表面は、信号を反射して伝送側の衛星に返し、次いで、伝送側の衛星は、同じ衛星に信号を送り返すか、又は、第3の衛星、第4の衛星などに信号を伝送し、第1の衛星に返る再循環データループを作成することができる。また、衛星グループ40aの第1の衛星は、グループの第2の衛星に信号を伝送することができ、グループの第2の衛星は、信号を受信し、次いで、信号を反射する代わりに、信号を再生してグループの第1の衛星に送り返すか又は別の衛星に伝送するために、1つ又は複数のアンテナ又は他のレセプタを有する。
信号は、以下で説明されるように、コーナーキューブなどの反射表面によって反射される場合又は反射として導波路を通じて伝播される場合であっても、連続動作中又は移動中であると考えることができる。信号は、信号を反射することによって及び/又は信号を方向転換する他の何らかの方法(伝送若しくは再伝送)によって或いは増幅と反射の組合せによって返送することができる。
【0107】
衛星40は、宇宙に配備された簡単で比較的安価なデバイスであり得る、コーナーキューブ、反射器又は電磁通信受信機/送信機(別の衛星上、地球上若しくは月上の又は他の任意の位置のものであり得る)にビームを当てることができる。このように、1つ又は複数の受信機衛星、コーナーキューブ又は他の反射器にデータを伝送する衛星である衛星40を提供することができる。
反射器は、本明細書で使用される場合は、鏡、ブラッグ反射器又は同様の反射性表面など、技術的且つ物理的意味で放射線を反射するデバイスのみならず、ビームの伝播をリバース又はステアリングするという実質的に同様の機能を実行するシステム又はデバイスも含み、これらに限定されないが、2つ以上の鏡又は反射性表面で構成されるシステム、1つ又は複数のレンズで構成されるシステム、伝播をステアリングする導波路及びファイバ、並びに、放射線を吸収すると同時に、逆方向に伝播する同一の又はほぼ同一のプロパティ及び特性を有する新しい放射線を生み出す位相共役鏡を含む。コーナーキューブは、コーナーキューブに衝突した光が反射して送信源に向けて返ってくるように位置付け及びサイズ指定された反射表面を有し得る。そのような反射デバイス又はシステムはいずれも、前述の一般性を失うことなく、問題の放射線を「反射する」ということができる。
例えば、衛星は、大規模なデータ(格納)能力を達成するために、多重ループ又は伝送メッシュネットワークを確立することによって、多くの受信機衛星又はコーナーキューブに異なる信号を伝送することができる。衛星40と、第2のノードを形成するその対極にあるデバイス(又は他の反射器)とは、数万キロメートル隔てて位置付けることができる。例えば、10,000km若しくは80,000km程度の距離又は他の任意の距離を使用することができる。
【0108】
伝送側の衛星の対極にある衛星40は、データを受信し、次いで、発信源の衛星にデータを送り返すことができる。このことは、当業者に知られているであろう多くの異なる方法で実行することができる。一例は、光を検出し、電気に変換し、次いで、電子回路及び別のセットのレーザ又は他の光源を使用して発信源の衛星に送り返すことである。別の手法は、開口及び空間モード変換器を使用して光信号を回復し、伝送損失を補償するために光増幅器を使用してデータ信号を増幅し、次いで、発信源の衛星に送り返すためにデータ信号を変換して異なる空間モードに戻すことであり得る。これは、以下で論じられるように、例えば1R増幅ステーションを使用した、光再送信機と見なすことができる。
【0109】
或いは、伝送側の衛星からのビームを反射する受信ノードは、単独で位置付けられるか又は受信側の衛星の近くに位置付けられたコーナーキューブ(若しくは他の反射器)であり得るか又はコーナーキューブを使用することができる。従って、ビームを受信する衛星として本明細書で所々で説明され、図面に示されているが、受信ノードは、例えばコーナーキューブなどの、反射性表面でも、他の反射性デバイスでもあり得る。また、そのような反射性デバイスは、トランシーバを含み得、トランシーバは、反射性デバイスの位置及び/又は配向を制御側の衛星、各ステーション又は他のノードに伝え、動作のための命令(位置を移動するため、配向を変更するため、動作を開始するための命令及び同様のものを含む)を制御側の衛星、各ステーション又は他のノードから受信する。
【0110】
コーナーキューブの断面は、コーナーキューブに衝突した光が反射して送信源に向けて返ってくるようにサイズ指定することができる。コーナーキューブの表現は、図9に示される。光は、コーナーキューブに衝突し、複数回バウンドし、次いで、光の発信源である正確な所に向けて返送される。返送される光は、角度のデルタ関数であり得る。回折限界によって制限されるビームのビーム幅は、以下で提供される方程式(4)で指定される。平坦な表面からのランバート散乱は、余弦パターンで反射される。
【0111】
コーナーキューブは、2つの平面が交わり、単なる1次元で集光する二面体であり得る。或いは、コーナーキューブは、2次元で集光する三面体であり得る。三面体のコーナーキューブは、以下のような断面を有する。
【数1】
ただし、aは、コーナーキューブの直径であり、λは、光の波長であり、コーナーキューブは、典型的なコーナーキューブの妥当な近似値である反射率が1の完全な鏡を備えることが想定される。この反射率が1の完全な鏡は、照光エリアの3~20%又はそれ以上であり得る表面反射率を有する反射エリアと比較される。平坦な表面の断面は、通常、
【数2】
として指定される。
ただし、ρは、表面反射率であり、Aは、照光エリアである。対等のアンテナ利得は、方程式(1)の断面の比率を方程式(2)の断面に取り入れることによって推定することができる。コーナーキューブは、例えば、コーナーキューブに対する表面反射率ρを1に近似させることができるように、高反射性の表面を使用して作ることができる。
【0112】
コーナーキューブ又は他の反射性表面から信号が返送され次第、発信源の衛星は、ビームを再生して同じコーナーキューブ又は異なるコーナーキューブに送ることができる。各衛星は、多くの電磁信号生成器又は潜在的には数百の電磁信号生成器を有することができ、各々は、データビームを生成する。データビームを生成することは、電磁搬送波を生成すること、信号を変調すること、信号を増幅すること、信号を多重化すること、信号を伝送すること又は前述の組合せを含み得る。
【0113】
地球局20a、bに伝送される信号及び地球局20a、bから衛星に伝送される信号は、データのセキュリティを保証するために暗号化することができる。例えば、高度暗号化規格(AES:Advanced Encryption Standard、ラインダール(Rijndael)として知られている場合がある)又はMD5メッセージダイジェストアルゴリズム若しくはより新しいSHA-2(Secure Hash Algorithm 2)などのハッシュ関数を含む、様々な暗号化技法を使用することができる。分散格納及び分散処理のためのApache Hadoopを含む、データを管理するための様々な手法が企図される。図2に示されるように、地球局20は、例えば、TCP/IPなどの様々な通信プロトコルを使用して、並びに、セルラネットワークを含む電話システムなどのありとあらゆる通信ネットワーク又は手段を使用して、或いは、任意の無線又は有線通信システム又はプロトコルを使用して、遠隔の地球上のノードと通信することができる。
【0114】
長期間にわたって同じデータを維持するため、通信ループの両極端において必要に応じて振幅増幅するためのデータを伝達する信号の振幅増幅が必要とされ得る。しかしながら、時間と共に、雑音が増大する。受信信号は、増幅する一方で、誤りが生じたかどうかの判断において使用するように増幅信号のごく一部を差し向けることができる。
【0115】
必要に応じて、長期間の間破損していないデータを維持するため、例えば、周期的にチェックすることができる誤り訂正符号によって、破損データを交換するための誤り検出及び訂正手法を使用することができる。上記の図18及び図19は、基本的な概念を示す。
【0116】
光は、あるレーザ(仮に言えば、レーザA)から受信機Bに伝送することができる。OAM変調/多重化が採用される場合は、増幅の前に光を復調する必要があり得る。光が増幅された時点で、信号の一部分を切り離し、その誤りを検査することができる。標準的な誤り検出及び訂正スキームを使用することができる。次いで、この往復又は後続の往復のいずれかにおいて破損データを交換することができる。
【0117】
既存のデータに対する更新が受信されるたびに、衛星に命令を伝送することができ、衛星(又は複数の衛星)は、信号受信機を使用して、例えば、周期的3R再生の目的で若しくは他の何らかのポイントで自動的に受信されたデータをモニタすることによって又は他の何らかの手段によって、関連データファイルに対する電磁信号ビームを探索することができる。従って、各情報片には、例えば、電磁信号データストリームに挿入する前に、ヘッダ又はフッタとして使用することができるファイル番号又は別の指定子を割り当てることができる。再生のために電気信号に変換する時の電磁信号データストリームは、適切なファイル番号、他の何らかの指定子又は各データブロックに対する指定を共に提供する情報セットに対するモニタリングが行われる。また、電磁信号再生の時に新しいデータをデータストリームに追加することもできる。従って、地球局20a、bは、格納システムの顧客又はユーザと関連付けられた広範なデータ記録にファイル番号又は他の何らかの指定子を割り当てることができる。
ユーザから受信された情報の変更又は更新を求める要求が受信され次第、地球局20a、bは、変更又は更新を反映させるために、そのファイル番号と関連付けられたデータ記録を書き直すように指示することができる。例えば、地球局20a、bは、ファイル番号と関連付けられたデータ記録の全て(要求ユーザに対するデータ記録の全てであり得る)を地球局20a、bに伝送するように通信衛星グループに指示することができ、地球局20a、bは、ファイルのデータ記録に対する変更又は更新を行い、次いで、変更又は更新済みのファイルを通信衛星グループに伝送することができる。その代替として、通信信号衛星グループの1つ又は複数のマスタ衛星は、ファイル番号と共に、変更又は更新要求を受信し、ファイル番号と関連付けられたデータ記録の変更又は更新を実行することができる。
【0118】
データを伝達するため、様々なタイプの電磁信号生成器及び様々なタイプの電磁放射線を使用することができる。同じ衛星が複数のタイプの電磁信号生成器を有する場合もあり、高データ速度で符号化するために多くのタイプの変調が使用される。例えば、レーザ生成器の一部として、半導体を使用したダイオード電磁信号生成器を使用することができる。
【0119】
電磁信号生成器及びシステムの他のコンポーネント並びに衛星30、40への給電のための電気は、衛星上又は衛星近くに位置付けられた太陽電池パネルから得ることができる。しかしながら、ソーラーパワーに加えて又はその代わりに、原子力発電、燃料発電若しくは化学発電、バッテリ電力、キャパシタベースの充電、他のソーラーパワー源及び同様のもの又は前述の組合せを含む、他の発電源を使用することができる。
【0120】
伝送される各ビームは、異なる色又は波長の電磁信号を使用する多くの異なるチャネルを含み得、多くの異なるチャネルは、光回折格子を含む複数の方法によって区別することができる。これは、波長分割多重化(WDM)又は周波数分割多重化として知られている。例えば、いくつかの事例では、160もの数の又はそれ以上のそのような異なる波長チャネルを定義することができる。他のタイプの電磁放射線の場合、例えば、無線電信搬送波に対して、類似した周波数分割多重化を使用することができる。
【0121】
それに加えて又はその代替として、異なる偏波の電磁信号を使用することによって(すなわち、異なる向きに光を「回転させる」ことによって)、異なるチャネルのデータを作成することができる。他のチャネル多重化スキームは、空間分割多重化を含み、その部分集合は、各々が直交する又はほぼ直交する空間モードである多重ビームの多重化である。この例は、軌道角運動量である。空間モード及び偏波は、組み合わせて、伝送されているデータの総量を増加できることに留意されたい。上記で言及したように、空間(例えば、軌道角運動量)、偏波及び波長多重化並びに高次キーイング(QPSK又はQAMなど)などの方法は、伝送データ量を拡大することができ、従って、伝送中のデータを格納する場合の利用可能な格納スペースを拡大する。
【0122】
図1、3~8に示されるように、冗長地球局20b、冗長地球局通信衛星30b及び冗長電磁信号衛星グループ40bを提供することもできる。冗長システムは、壊滅的な故障の事例において、全てのデータのバックアップを提供することができる。それに従って、冗長システムは、通信衛星グループ30aとして、同一の又はほぼ同一の情報又はデータを格納することができる。その代替として、地球局20b、地球局通信衛星30b及び第2の電磁信号衛星グループ40bは、電磁信号衛星グループ40aとは異なる情報を格納することができる。その代替として又はそれに加えて、冗長データ「格納」は、複数の受信ノードへの及び/又は複数の時刻における(マルチキャスティングと同様)同じビームの伝送を同じ衛星又は衛星グループに行わせることによって達成することができる。すなわち、情報の冗長及び障害回復を提供するために、各衛星は、情報を具体化する第1の電磁信号を第1の対象(第2の衛星又は反射構造若しくは表面など)に伝送し、同じ情報を具体化する第2の電磁信号を第2の対象(第2の衛星又は反射構造若しくは表面など)に伝送することができる。
【0123】
電磁信号生成のための開口は、伝送側の衛星とビームが伝送される反射器との間の距離、ビームの波長及び他の因子に応じて、必要に応じて設定することができる。
【0124】
受信端末が位置するスポットのサイズは、以下で記述されるように計算することができる。
【0125】
以下の論考は、レーザの文脈における本開示の態様を説明するが、他のタイプの電磁信号を使用することもできる。レーザビームは、ある端末又はノードから放出され、第2の端末又はノードに進む。ビーム幅の特徴付けに関しては、多くの異なる約束事がある。以下の方程式は、広がり角θに対して使用することができる。
【数3】
ただし、λは、波長であり、Dは、伝送側の開口の直径である。回折限界のこの近似定式化の場合、θは、半値全幅のビーム幅であり得る。レーザ通信は、狭ビームにより、長距離通信を可能にすることができる。例えば、10GHz周波数ビームと200THz周波数ビーム(1.5ミクロン波長)とを比較すると、ビーム幅は、RFビームの方が20,000倍広い。変数dは、所定の距離Rにおけるビームスポットの直径として定義することができる。その事例では、以下の通りである。
【数4】
【0126】
所定の光子のエネルギーは、
【数5】
によって与えられる。
ただし、hは、プランク定数であり、vは、周波数である。レーザ通信端末によって受信されるエネルギーは、
【数6】
によって与えられる。
ただし、Arは、受信開口のエリアであり、Aillumは、照光されているエリアである。受信開口と同じ直径の伝送開口は、以前の方程式に従って
【数7】
のように得られる。
ただし、Nは、受信された光子の数である。特定の検出器がどれほど感度の高いものであるかに応じて、数字を選ぶことができる。この方程式を逆に解くと、
【数8】
を得ることができる。
【0127】
レーザが出力する電力の必要な量の問題に移り、Bビット毎秒(データ速度と呼ぶことができる)の伝送を想定する。各ビットは、エネルギーの量Etを必要とする。従って、レーザ電力は、EtとBの積である。
【数9】
を定義することができる。
【0128】
これより、
【数10】
が得られる。
【0129】
伝送及び受信用のレーザ開口直径に対してこの方程式(8)を使用すると、他の値は、多かれ少なかれ最適な直径を決定するために選ぶことができる。モノスタティックシステム又は伝送及び受信用の少なくとも同じ開口直径を想定すると、例として、表1のように、いくつかの値に到達する。表1は、1つの基本的な想定集合に対する単なる例であり、開口サイズ及びビーム拡散は、これらに限定されないが、使用される波長、ビーム及び開口サイズ、使用されるモード並びに伝送距離を含む複数のパラメータに基づいて異なる。
【0130】
【表1】
【0131】
さらなる例示として、10,000kmの距離を使用することも、<10,000km、10,000~80,000km又は>80,000kmなどの他の何らかの距離を使用することもできる。
【0132】
この想定集合の場合、約10cmの直径又は上記で指定される値の範囲の直径の開口を使用することができる。しかしながら、より小さな開口やより大きな開口も企図される。平均電力が10ワット程度のレーザは、上記で提供されるいくつかの値の文脈における伝送のために使用することができるが、これらの値は、ある特定の例の桁数を示すための単なる例示として提供される。これは大規模なトレード空間であり、従って、他の想定が可能である。異なる距離は勿論、より大きな及びより小さな開口、より大きな及びより小さな電力のレーザを使用することができる。各ビーム又は伝送は、伝送側の衛星と受信ノードとの間の距離と同じでも、その距離より短くとも長くともよい。
【0133】
ユーザは、地球局20a、bにアクセスすることによってデータを格納又は回収することを希望する場合がある。例えば、ユーザが地球局20a、bにアクセスするためにインターネット接続又は他の手段を使用することも、ユーザが衛星に直接アクセスし、次いで、衛星がデータ管理システム(地球局にも、衛星上にも、他の任意の場所又は他の任意のコンポーネントの一部にもあり得る)と通信することもできる。地球局20a、bは、適切なユーザ又は組織のグループに通信をルーティングするため、攻撃及びハッキングを防ぐためのセキュリティを提供するための多くのコンポーネントと、アップロード又はダウンロードされているユーザ情報を一時的に格納するバッファと、データ管理システムとを有し得る。
【0134】
地球局20a、bは、電磁信号トランシーバを使用して(例えば、RF信号伝達を使用して)衛星と通信する。地球局にアクセスする場合、ユーザは、DMS又はセキュリティシステムによって、身分証明及びパスワード又は同様のもの或いは別の方法で検証されるものを含む認証情報を照会される。DMS(データ管理システム)は、将来のアクセス要件のために、衛星が保有する「格納装置」から情報を回収するために、請求処理のために、セキュリティ上の理由で及び同様の理由で、データ及びその所有者又は伝送ユーザにタグ付けすることができる。
次いで、地球局通信衛星を使用して、データは、衛星間での「移動中の」格納のために電磁信号衛星に移動される。論じられるように、本開示の態様によれば、地球局20a、bが1つ又は複数の電磁信号衛星と直接通信できるように、地球局通信衛星を省略することができる。ユーザによって要求され次第、地球局を使用して、以前に格納された情報へのアクセスが行われる。データ管理システム又は地球局の他のありとあらゆるコンポーネントは、地球局にも、衛星にも若しくは衛星上にも、他の任意の場所又は他の任意のコンポーネントの一部にもあり得る。
【0135】
従って、本開示の態様によれば、データは、信号増幅も時折必要としながら、透過及び反射される連続動作中の状態で維持することによって「格納する」ことができる。本開示の態様によれば、各往復における又は各ノード通過における信号の選択された部分の信号再生は、データを伝達する電磁ビームの要件により、必要に応じてのみ必要とされ得る。衛星間又は他の伝送ノード間の距離が等しい場合は、ビーム容量は、
BC=(BBR*D*N)/C
BC=ビーム容量(ビット)
BBR=ビームビットレート(bps:ビット毎秒)
N=ビーム経路の衛星(又はノード)間のホップ数
D=ビーム経路の衛星(又はノード)間の距離
C=光の速度(km/sec)
と表現することができる。衛星間又はノード間の距離が等しくない場合は、
BC=(BBR*ΣD)/C
である。ただし、ΣDは、ビーム経路の全ての距離の総和を示す。
例えば、衛星がコーナーキューブなどの反射ノードにビームを伝送し、反射ノードがビームを反射して衛星に返し、衛星がビームを受信して再生しなければならない実施形態では、ΣDは、衛星とコーナーキューブとの間の距離のちょうど2倍の距離に、コーナーキューブ内で進んだ距離(上記で記述される方程式の目的では無視することができる)を加えたものである。
【0136】
例えば、パブリックデータネットワークを使用することができる。検証及びセキュリティのために、認証及び承認サブシステムを提供することができる。次いで、要求されたデータは、衛星グループから地球局通信衛星30a、bを通じて地球局20a、bに得られるか又は回収され、パブリックデータネットワークを通じてDMS設備及び顧客に返される。また、地球局20a、bにアクセスするために、ローカルエリアネットワーク(LAN)又は同様のものを使用することもできる。
【0137】
本明細書では所々で衛星ベースの実施形態を参照して説明されているが、そのような電磁信号格納システムは、例えば、既存の光ファイバネットワーク、新しい光ファイバネットワーク、データラック、ライトアップダークファイバを利用して、海に、水面下に、空中に、陸上に、地下に配備すること、並びに、前述の組合せを使用して地球上又は宇宙空間において及び構造上に配備することもできる。例えば、海上の船、輸送船又は他の可動プラットフォーム若しくは定常構造は、例えば、図17に示されるように、そのような電磁信号を行ったり来たりさせることができる。別の例として、陸上の乗り物又は定常構造、ファイバネットワーク、ダークファイバ、ネットワークの空中電磁信号システムは、電磁信号を伝送することができる。航空機ベースの実装形態の例は、図14~16に示される。航空機、小型飛行船、熱気球、通信塔、ドローン又は前述の組合せなどの空中輸送船を使用した通信の追加の構成(電磁信号用の送信機、受信機及び反射器でもあり得る)は、図14~16に示される。或いは、前述の輸送船、乗り物及び構造の組合せを使用することができる。
【0138】
図29は、波分割多重化(WDM)、空間分割多重化(SDM)、偏波分割多重化(PDM)及び方向分割多重化(DDM)を使用した自由空間ループを使用した格納システム99dの例である。衛星65などの第1の輸送船は、第2の輸送船66との通信範囲に位置付けられる。光ビーム67又は他の何らかのタイプの電磁放射線は、L×n×4個のチャネルを内包する自由空間を通じて伝播することができ、各チャネルは、空間モード、偏波、伝播方向及び波長の独特の組合せを有する。自由空間を伝播するものとして論じられているが、電磁信号は、大気(地球の大気若しくは別の惑星の大気など)を通じて、真空を通じて、空間を通じて及び/又は他の媒質(水など)を通じて、その全体又は一部を渡すことができる。
次いで、信号67は、第2の輸送船66から第1の輸送船65に返送される。また、広範な波長に対して波長λiの光を生成するための光源1-iや、n個の信号源の各々をL*4個の別個のチャネル(各空間モード、偏波及び方向の組合せに対して)に分けるビームスプリッタ69-iなど、以前の実施形態で説明されているシステムの他のコンポーネントを含めることもできる。例えば、光ファイバスプリッタ又はいくつかの溶融ファイバカプラを使用することができる。例えば図23に示される、変調器113-iを提供することができ、高周波ドライバ72-iは、電気接続10を使用して、制御システム8と変調器113-iのコンポーネントとの間のインタフェースを提供することができる。入力セレクタ73-iは、チャネルのデータを再循環させることも、例えば、光スイッチ又は他の何らかのそのような要素を使用して、新しいデータをチャネルに挿入することもでき、従って、イレイサ103として機能することができる。
【0139】
入力セレクタ73-iは、使用することができる制御論理によって駆動される電気光学スイッチとして実装することができるが、全て又はいくつかのそのようなスイッチングの代わりに、全光スイッチングが可能である。入力セレクタ73-iは、図21のカプラ101と同様に、入力/出力カプラとして機能するために、スプリッタ87-iと協調して稼働する。コリメータ74-iは、光ファイバ90から発散する光を平行にし、平行移動段階において非球面レンズを使用して実装することができる。変換器75-iは、空間モード間で光を変換する。このように、n個の光源の各々から現れるL個のビームの各々には、異なる空間モード又は空間モードと偏波の組合せを与えることができる。このことは、2つの直線偏波子及び1つの空間光変調器(SLM)(光ビームを異なる空間モードに変換するために空間的に変動する位相を追加する)を使用して実装することができる。
【0140】
マルチプレクサ116は、4Ln個の空間ビームの各々の伝播軸を相互に位置合せするために、自由空間多重化を提供することができ、各ビームは、波長、空間次数、伝播の方向及び偏波の独特の組合せを有する。このことは、例えば、log2(L×n×4)偏光ビームスプリッタによって、次いで、
【数11】
半波長板及びlog2(L×n×4)2ステアリングミラーによって、埋め込むことができる。また、入力/出力セパレータ77は、ビームスプリッタ又は低損失実装デバイスでもあり得る。光アイソレータ78は、入力及び出力チャネルを各伝播方向に分離し、ガリレオ式望遠鏡79は、拡大して、ビームを平行にすること及び/又はビームを再集光することによって、ビームサイズを制御するために提供することができる。ビームステアリング80は、ビームを第2の輸送船(具体的には、第2の輸送船上の反射デバイス又は表面81)に指向するために提供することができる。このことは、例えば、制御システム8を使用して圧電素子を使用して最適化することができる2つのステアリングミラーによって遂行することができるか、又は、コーナーキューブを提供することができる。反射器81は、光ビームを第1の輸送船65に返送することができる。三面体のコーナーキューブを使用することができるが、その代わりに、放物面鏡及び/又はビームを第1の輸送船65に指向するポインタを使用することもできる。
【0141】
自由空間デマルチプレクサ118Aは、各ビームをn個のビームに逆多重化するように位置付けることができ、ビームごとに全く異なる波長を1つずつ有する。このことは、ブレーズド回折格子又は他の何らかのタイプの同様のデバイスを使用して実装することができる。さらなる自由空間デマルチプレクサ118Bは、これらの2*n個のビームをオリジナルの電力の1/2L倍の2*L個のビームに逆多重化するように位置付けることができる。この自由空間デマルチプレクサは、log22L偏光ビームスプリッタ、
【数12】
半波長板及びlog22L2ステアリングミラーとして実装することができる。変換器84-iは、選択的に選ばれた空間モードと偏波の組合せを基本空間モード(すなわち、ガウスビーム)に変換するように位置付けることができる。このことは、半波長板及びSLMを使用して実装することができ、その空間パターンは、復調すべきモードとは正反対の方位変動と、正しい空間モードの電力を凝縮するためのフレネルレンズの両方を含む。方位変動がこのSLMのパターンとは正反対のモードに加えて、空間モードは、フレネルレンズによって強く集光することが難しい場合があるが、その理由は、それらの中心における相殺的干渉のためである。
【0142】
自由空間ビームを結合して光ファイバ90に入れるため、カプラ85-iを提供することができる。このことは、平行移動段階において非球面レンズを使用して遂行することができる。このように、ファイバは、その方位角パターンが空間モード変換器84-iのパターンとは正反対のこのチャネルに対する空間モードを効率的に結合することによって、空間フィルタとして使用することができる。
図26では、例として、1R再生器102-iが示されているが、この自由空間の実装形態では、使用される波長、空間モード、方向及び偏波多重化に適合するいかなる増幅器又は増幅器の組合せも使用することができる。スプリッタ87-iは、誘導波を実質的に同一の信号に分ける。このスプリッタ87-iの出力は、信号を再循環させるために、受信機又は復調システム88-i(フォトダイオード若しくはコヒーレント光受信機など)及び入力セレクタ73-iに伝送することができる。フォトダイオード又は他の何らかのそのようなデバイスは、適切に選択された各波長に対して使用することができる。制御システム8は、例えば、ディジタル論理、ソフトウェア、FPGA又は前述の組合せとして実装することができるシステムの要素の制御を提供する。制御システム8の他の任意の適切な実装形態も使用することができる。
【0143】
本開示の別の態様によれば、二段階増幅を実行するため、デマルチプレクサ、SLM、信号カプラ、ファイバ増幅器及びマルチプレクサを輸送船2に提供することができる。別の実施形態では、両方の輸送船に対して完全な3R再生を実行するため、制御論理、受信機及び送信機を伴う完全なデジタルシステムを輸送船2に提供することができる。
【0144】
追加の変形形態は、2つを超える輸送船を配備すること及び/又は3つ以上の輸送船間で信号を渡し合うことを含み得、単に1つのコーナーキューブ若しくは反射表面の代わりに指向方法を使用して及び/又は又は伝送信号受信のための異なる望遠鏡を使用して(他の機能に加えて可変焦点距離を有するレンズとしてSLMの一方又は両方を使用することを含む)、4つ又は任意の数の輸送船が再循環ループを形成することができる。第1の輸送船及び第2の輸送船として説明されており、衛星、航空機、熱気球、ドローン、船、静止海洋構造物(オイルリグ及びブイなど)並びに同様のものを参照して所々で説明されているが、第2の輸送船は、実際には、惑星若しくは月、惑星の大気又はその中で自然に起こる媒質などの自然物体でも、既存の衛星又は同様のものなどの既存の人工建造物の表面でもあり得る。また、2つの輸送船として説明されているが、輸送船は、地球上のデータセンタ又は同様のもの及び自由空間におけるノードであっても、コンピュータ及び他の電気コンポーネントを備えるラックマウント方式のシステム上において、ラックマウント方式のシステムで又はラックマウント方式のシステムと併せてなど、データセンタに提供することができる導波路の実装形態を使用してもよい。
【0145】
別の実施形態では、格納装置は、ラックにあり得る。この事例では、送信及び受信機器は、ラックに或いは他の任意の機械、媒体及び/又は適切な構造に配置され、光ファイバ又は他の任意の適切な伝送媒質は、前記送信及び受信機器に接続される(例えば、光導波路)。増幅器、データ管理システム、暗号化システム及び/又は圧縮システムを含めることができる。好ましい実施形態では、光ファイバのループには、例えば光カプラを介して、互いに接続される光ファイバの両端部を提供することができる。この事例では、データを伝達するレーザ、メーザ又は他の光信号は、再循環ループ内に伝送し、その後、ループを通じて往復することができ、その結果、ループ内で、レーザビーム、メーザビーム又は他の光信号の形態で移動中にデータが格納される。
【0146】
図20は、変調を介してデータが符号化され、光ループ100を通じて進む、レーザ、メーザ、光ビーム又は他の光信号(UV及びIR信号を含む)などの信号の基本的な概念の例を示す。カプラ101は、信号の少なくとも一部分を結合して再循環ループ100に入れ、再循環ループ100は、上記で論じられるループ状の構成で、光ファイバなどの導波路によって形成することができる。信号は、内包される信号の増幅及び損失の均衡を取るために、及び、光ファイバ又は他の任意の光伝送媒質において固有の他の誤り又は分散を補償するために時折再生を行うために、必要に応じてそのような機器をループに組み込むことによって、ループを無限に再循環することができる。
次いで、信号の一部は、各往復において、カプラ101によって結合してループ外に出される。光ループ100に対して信号を提供するカプラ101は、多くのコンポーネントを含み得る。例えば、光ループ100に対して信号を提供する入力カプラは、光ループ100から信号を受信する出力カプラとは異なるコンポーネントであり得、そのようなコンポーネントは、統合することも、互いに隣接して又は遠く離れた所に位置付けることも、光ループ100の異なる部分に位置付けることもできる。信号は、以下で論じられるように、反時計回りの方向にも(示されるような)、時計回りの方向にも、両方の方向にも循環することができる。
【0147】
図24Bに示されるように、光ファイバのスプールは、伝送及び受信ハードウェアを接続する導波路として使用することができ、その結果、伝送及び受信ハードウェアは、同じ設備内に位置付けることも、互いに遠く離れた所に位置付けることもできる。第2のそのような光ファイバベースの構成は、第1の構成に格納されたデータの冗長安全性及びバックアップを提供するために、第1の構成と同じ設備内に位置付けることができる。第2のそのような光ファイバベースの構成は、第1の構成のデータに加えてさらなるデータを格納することも、信号再循環ループを形成するために第1の構成とリンクすることもできる。第2のそのような光ファイバベースの構成は、第1の構成から遠く離れた所に位置付けることも、同じ設備の一部として位置付けることもできる。そのような構成の一方又は両方は、コンピュータラック上又はコンピュータラックで提供することも、それらの構成だけで提供することもできる。また、そのような構成の一方又は両方は、データを格納するユニットの不可欠な一部として組み入れることができる。
【0148】
図21は、本開示の実施形態による、再循環レーザ、メーザ又は他の光信号内のデータを格納するために、連続したループベースの移動中の格納システム99を再循環しているデータの管理を可能にするための電子制御システムの例示的な実施形態を示す。システム99に格納されたデータの更新を求める様々な要求(データの書込、読取及び消去のための命令など)は、制御論理104によって受信することができる。
【0149】
信号カプラ101は、入力A、B及び出力C、Dを有し得る。入力Bは、再循環ループ100から光信号及びデータを受信するが、入力Aは、システム99の残りの部分からデータを受信する。同様に、信号カプラ101の出力Cは、再循環ループ100に光信号及びデータを挿入するように接続することができるが、出力Dは、マルチプレクサ118に提供することができ、マルチプレクサ118は、信号を多くの別個のチャネル119に分離し、データは、ループ100からのデータを回収するためにデータ取得コンポーネント120に伝送される。レーザ信号又は同様のものを含む電磁放射線であり得る光信号の一部は、信号カプラ101の入力Aから、結合されて、信号カプラ101の出力Dに送られ、その結果、信号及びデータをループ100に注入することができる。同様に、上記で説明されるように、入力Bに入る信号の一部は、出力Dへと続いてループ内を再循環する一方で、循環信号の残りの部分は、信号カプラ101の出力Cを通じて出力することができる。このカプラの結合比は、検出が可能なほど十分な強度を出力信号が有すること、及び、データ損失に至るであろう劣化をもたらすことなく、再循環信号がループを循環し続けることを保証するように選ぶことができる。
【0150】
信号振幅増幅器102(1R再生ステーション)は、信号が再循環ループ100を通じて再循環する際に、信号のピーク強度を制御することができる。信号は、信号振幅増幅器102によって、往復損失の均衡を取るように選ばれた利得によって、許容電力レベル内に維持される。2つ以上のそのような信号振幅増幅器は、利得安定性を達成するため、望まない非線形相互作用を防ぐため、又は、振幅増幅器の直後の高強度によるコンポーネントの損傷を防ぐために必要とされ得る。信号が多くの異なる光波長、ファイバモード又は他の分離可能ビームで構成される場合は、ビーム、波長、波長範囲又はモードの各々を適切な増幅器に誘導するために、逆多重化及び多重化のシステムと組み合わせて、波長、波長範囲、モード又はビームの各々に対して、別個の信号増幅器102を提供することができる。
【0151】
また、図21には、特定のデータブロックに相当する信号の部分を消去するために、通過する信号の一部分を破壊する損失変調器103が示されている。本開示の態様によれば、特定のメモリブロック及びその中で伝達されるデータに相当する信号の明確な部分又はパルスは、損失変調器(「イレイサ」)103を使用して再循環ループの損失を変調することによって消去することができ、その結果、遅延生成器107によって決定付けられるように、所定の瞬間にループ100を通過する信号を消去することができる。このように、信号全体を除去することなく、信号の一部分及びその中で伝達されるデータを排除することができる。多重化信号の事例では、3Rバッファ126などのバッファを使用して、イレイサ103を通過した瞬間に消去するつもりであった対象信号チャネルと共に消去された信号チャネルを復元することができる。
すなわち、3Rバッファ126によって提供されたデータに基づいて、遅延生成器107によって提供されたタイミングで消去されたデータは全て(消去予定のデータブロックを伝達する信号チャネルを除いて)復元することができる。或いは、イレイサは、デマルチプレクサ、複数の損失変調器及びマルチプレクサを備え得、デマルチプレクサ、複数の損失変調器及びマルチプレクサは、そのビームとタイムスロットを共有する他の全てのビームを消去することなく、信号ビームを消去することができるように構成され、従って、3Rバッファを使用して書き直す必要性を避けることができる。データを消去するために損失変調器103が提供されているが、他の適切ないかなる消去要素も要望通り使用することができる。
【0152】
制御論理104は、書込、更新、読取及び/又は消去などの命令や、コンピュータクロック(例えば、例えばチップとして埋め込まれたもの)から又は別のタイプのクロック(原子時計など)からの信号などのクロック信号をシステム99の外部から受信することができる。次いで、制御論理104は、アドレステーブル106を使用して、消去、読取又は書込予定のデータブロックに相当する所望の再循環信号又は再循環信号の一部分におけるパルスのタイミングを調べることができる。具体的には、制御論理104は、データの所望のブロックの出力を制御するために、イレイサ103に、又は、電気接続127を介して、遅延パルスなどのタイミング信号を生成するように遅延生成器107に信号伝達することができる。電気接続145は、要求に応答してシステムの外部に対象データを出力する。
従って、制御論理104の機能は、アドレス又は名前テーブルなどのテーブル106を維持するために電子機器を制御することであり得る。その中に格納された情報は、「書込」などの動作を実行するために(すなわち、受信した要求に応じて、例えば次の利用可能なスロットで又は明確なアドレスで、再循環ループ100にデータを入れるために)適切にタイミングを合わせた信号を生成するため、遅延生成器107に与えることができる。本開示の態様によれば、書込命令は、対象アドレスとタイムスロットを共有する全てのデータブロックを読み取って3Rバッファ126に入れ、ループ100内の同じタイムスロットを共有するメモリの全てのブロックを消去し、入力ビットを新しい空のスロットに書き込むことを必要とし得る。次いで、データブロックのチャネルが書込プロセスの間に消去されているため、3Rバッファ126を使用してデータブロックを書き直すことができる。ただし、イレイサの代替の実装形態は、上記で説明されるように、この最後のステップを避けることができる。
【0153】
アドレス指定を介するこのタイミングのプロセスは、遅延パルス又は対等のタイミング方法を様々なデバイスに伝送すべき場合に推測するために、ループを通じるパルスの循環を非常に精密に追跡するという遅延生成器の能力に依存する。このプロセスは、デッドレコニングによって遂行することができる。別の追跡手法は、カルマンフィルタの使用であり、システムの特徴付けに基づくデッドレコニングをシステムにおけるデータの位置の周期的チェックと組み合わせる。そのようなチェック又は再同期化は、システムに格納された特有の再同期化ブロックによって、又はさもなければ、格納されたデータブロックを周期的にポーリングすることによって遂行することができる。別のそのような動作は、「読取」動作であり、その動作は、例えば、信号の一部分のタイミングに従ってアドレステーブル106から回収されたアドレスに相当する指定されたデータブロックを読み取ることを必要とし得る。また、ループ100に格納された全ての情報は、図21に示される電気接続129を介して受信されている除去命令に応答して、1R再生ステーション102を停止させることによって又は例えばイレイサ103によってループ損失を変調することによって、永久的に削除することができる。
【0154】
アドレステーブル106は、データブロックのアドレス指定を、再循環ループ100を通過するパルスの物理値と関連付けるための情報を格納することもできる。信号は多重化
することができ、従って、制御論理104は、所定の時刻にループを通過する情報の2つ以上のチャネルの説明をする必要があり得る。例えば、アドレステーブル106は、ランダムアクセスメモリ又は他のタイプのメモリとして構成することができる。遅延生成器107は、制御論理104の一部分であり得るが、ループ100を通過する信号の正しいパルス又は一部分にアクセスするために制御信号を適切に遅延させるため、ループ100と相互作用するコンポーネントに遅延制御信号を生成する別個のコンポーネントでもあり得る。或いは、このコンポーネントは、提供されるクロックに合わせるビットタイミングスキームを使用することによって省略することができる。この方法では、全ての動作は、遅延を生成する代わりに、通常のクロックサイクルを使用して実行することができる。
【0155】
遅延書込命令における固定遅延109は、信号変調器113へのループ経路及び信号変調器113を通じたループ経路を通じた伝播遅延の差を考慮するように計算することができる。
【0156】
信号変調器113は、遅延生成器107から電気接続111を介して一連の遅延電気パルスを入力として受信し、その変調115において、例えば、入力信号111のパルスと同じタイミングで遅延されたデータを符号化する信号を伝達する図21には示されていない送信源から提供された光ビームを変調することによって、信号を生成することができる。多重化信号の場合、信号変調器113は、各々がデータを異なるチャネルに符号化するように構成された一連の同様のデバイスを備えることも、制御信号114に応じてどの信号チャネルを生成するかを制御するように独立して構成することが可能な1つ又は複数のデバイスであることもあり得る。
【0157】
入力バッファ110は、入力ビット(ループ100に追加予定の新しいデータ)を読み取り、入力ビットの符号化を待っている間、格納しておき、次いで、ループ100に入力することができる。遅延生成器107からのパルス108によってトリガされると、入力バッファ110は、電気接続111を介して、入力デマルチプレクサ112を介して、適切な遅延を有する符号化予定のビットを内包する信号を変調器113に送信することができる。入力バッファ110は、RAMなどの従来の電子メモリであり得る。そのような電気信号は、ループ100内の意図するデータブロックに合わせた適切な時間量だけ遅延された、入力バッファ110から入力デマルチプレクサ112を介して信号変調器113に伝達予定のビットを内包する。
【0158】
入力デマルチプレクサ112は、制御論理104からの制御信号114に基づいて、信号変調器113によってどのチャネル(すなわち、波長、空間モード、方向など)に遅延入力信号111を書き込むかを制御するために提供することができる。入力デマルチプレクサ112は、いくつかの実施形態では、信号変調器113に組み入れても、完全に欠如していてもよく、完全に欠如している場合は、遅延生成器107は、異なる入力チャネルに対する(すなわち、異なる波長、空間モード、方向などに対する)異なる遅延パルス信号108を生成する。
【0159】
入力マルチプレクサ116は、1つ又は複数の異なるチャネル(すなわち、波長、空間モード、方向など)からの信号115を結合して、信号カプラ101に進むビーム117にする。図21に示される例では、一度にたった1つの信号しか多重化できないが、本開示の態様によれば、多くの入力信号を同時に及び/又は非同期的に多重化して信号カプラ101に送ることができる。次いで、信号カプラ101は、その変調において符号化された情報を伝達する信号の部分をループ100に注入する。本開示の態様によれば、ループ100に格納することができるデータの量を増加するために、異なる方法(これらに限定されないが、異なる波長、空間モード、方向などを含む)で信号を伝達する複数の独立したチャネルを同じ時刻にループ100に注入することができる。
【0160】
出力デマルチプレクサ118は、信号カプラ101の出力Cから出力された信号を受信し、異なる物理的属性(これらに限定されないが、波長、空間モード及び方向などを含む)によって分離されるように、各チャネルを別個の信号に分割する。
【0161】
データ取得(DAQ)120は、出力デマルチプレクサ118からファイバ119を通じて信号を受信することができ、光の変調で符号化された情報を電気信号で符号化されるディジタル情報に復調することができる。DAQ 120は、フォトダイオードなどの物理的な光検出器と、遅延生成器107によって生成された一連の遅延パルス121によってそのタイミングを決定することができるサンプリングアナログ/ディジタル変換器(ADC)とを含み得る。DAQ 120を使用することで、ループ100からディジタル情報フォーマットでメモリの1つ又は複数の明確なブロックを読み出すことができる。要望通りデータを復調するために、適切ないかなるデバイス又は要素も使用することができる。
【0162】
DAQ 120は、逆多重化信号119の各チャネルを復号するために、一連の異なるDAQシステムとして提供することができ、その場合、遅延生成器107から受信される遅延パルス信号121は、対応する数の異なるデータラインを介して受信することができる。或いは、DAQ 120は、信号DAQシステムを構成可能な出力デマルチプレクサ118と組み合わせた信号システムであり得、制御論理104又は遅延生成器107からの制御信号によって制御される。具体的には、電気接続121を介して受信された遅延電気パルスは、特定のメモリブロックのデータの読取をトリガする。これらのパルスは、所望のデータを捕捉するためにDAQ 120が信号をサンプリングすべき時点に対応する。DAQ 120の実装形態に応じて、電極121は、DAQの各々に接続するバス又は単一のライン(例えば、出力デマルチプレクサ119によってチャネル選択が実行されている場合)であり得る。
【0163】
このように、ライン122は、誤りを訂正するために受信されたデータのデータ完全性をチェックする巡回冗長検査(CRC)又は対等の誤り訂正符号若しくは順方向誤り訂正方法を実行する論理及び/又はソフトウェア123に、ディジタル電気信号で符号化されたデータを供給する。
【0164】
非同期的な再生管理は、信号全体に対して信号の完全な再生(3R)が同じ時刻に実行されないように提供することができる。代わりに、非同期的な再生管理によれば、プロセスは、図21に示される制御論理104の遅延生成器107を使用してずらすことができる。3R再生は、信号全体が光ファイバを通過するのに要する時間より長い時間を要するため、このことは、論じられるように、必要であり得る。
【0165】
例えば、非同期的な再生のためのアルゴリズムは、必要なサブコンポーネントの利用可能性に基づいて再生動作をスケジューリングする信号スケジューリングスレッドと、スケジューリングされた再生タスクを実行すべき場合に遅延生成器107に信号伝達する別個の動作スレッドとを使用することができる。スケジューリングスレッドは、最も長い間再生されていないデータブロックの再生を次の利用可能な機会にスケジューリングし、次いで、次に最も長い間再生されていないデータブロックの再生のスケジューリングに進むなど、以下同様である。
全てのコンポーネントが利用可能である場合(例えば、現在、再生、書込又は消去動作がスケジューリングされていないため)は、次のそのような機会は、問題のデータブロックがカプラ101を次に通過した場合に受信ステップを実行することに続いて、データブロックがイレイサ103を次に通過した場合にデータブロックの消去を実行し、次いで、新しい空のタイムスロットが次に通過した場合に到達するように3Rバッファ126に格納されたデータの再伝送を実行するためのものであり得る。この最終的なステップは、各通過に合わせて複数のステップに細分することができるが、その理由は、例えば、信号変調器113はシステムによって格納された多重化チャネルの数より少ない変調器を含むため、又は、特定のチャネルに書き込む変調器は既に別の動作のスケジューリングが行われているためである。従って、スケジューラは、遅延生成器107に適切に信号伝達する動作スレッドを用いて、これらのステップをスケジューリングすることになる。
【0166】
スケジューリングスレッドが再生をスケジューリングする次のデータブロック(「最も古いデータブロック」)は、スケジューリングされた以前のデータブロックの再生前に、以前のデータブロックの再生と同時に、又は、以前のデータブロックの再生の成功に厳密に続く代わりに、交互に実行される両方のデータブロックの再生のステップで、実行をスケジューリングすることができる。従って、再生管理は、そのような非同期的な方式で実行することができる。また、再生のスケジューリングのための他のアルゴリズムも企図される。様々なリソースのより密度の高い使用は、前述の実行されるスケジューリング順番で動作をスケジューリングする代わりに、より速やかに実行することができる動作を優先することによって得ることができる。そのようなアルゴリズムの一例は、全てのデータブロックを再生するために必要な時間を最小化するためにリソース使用量を最大化するために、非線形フィッティングアルゴリズム(例えば、レベンバーグ-マーカート法)を使用することができる。同様に、並列スケジューリング並びにシングルスレッド組合せスケジューリング及び動作を含む他のスレッド構造を使用することができる。システムにデータを書き込むためのアルゴリズムは、リソース使用量を最適化することに基づいて又は再生時間を最小化することに基づいて、新しいデータを書き込むデータブロックを同様に選択することができる。
【0167】
CRC 123は、3Rが実行されているか又は読み取られているデータブロックに対してのみデータ完全性を保証するために巡回冗長検査を実行することができる。従って、システムは、完全性チェックの実行及びデータブロックに相当する信号の部分の生成に十分な時間を有する。CRCは、データブロックに対して3Rが実行されるたびに、この巡回冗長検査を実行することができる。電気接続又はラインとして論じられているが、ライン122及び他のラインは、バスとして提供することも、高周波又は他の周波数電磁放射線、光信号若しくは同様のものを介して伝えることもできることが理解されよう。
【0168】
本開示の態様によれば、各データブロックは、「ヘッダ」又はブロックを識別する他のタグ付けの形態でタグ付けすることができ、ヘッダは、再循環ループ100を通じる信号経路の一部としてデータブロックで符号化することができる。この実施形態では、アドレステーブル106は、好ましくは、データブロックのヘッダに記載される識別番号などのタグと、ユーザと関連付けられた電子通信のユーザとの間の関連性を維持する。このように、正しいヘッダを有するデータブロックは、再循環ループ100から読み出し、さらなる処理のために出力に提供することができる。或いは、データブロックは、例えば、提供されるクロックに合わせて出力を調節するために、出力バッファ47に一時的に格納することができる。アドレステーブル106を含むそのようなデータ管理は、システムの外部で提供することができ、制御論理104は、ヘッダ情報のみを受信することができ、その結果、制御論理104は、要求されたヘッダに相当するデータブロックを返送することができる。明確にするため、「ヘッダ」は、他のいかなる形態のタグ付けも意味し得る。
【0169】
スイッチ125は、電気接続126を介して受信された制御信号に基づいて、データ124を、例えば、ユーザから受信されたデータに対する要求に応えて、出力ピン145、146を介してデータ格納システム99の外部に出力するか、又は、制御信号126に基づいて3R再生のために接続128を介して3Rバッファ126に供給するかを制御することができる。データを直接出力する代わりに、データは、要求されるまで出力バッファ47に格納することができる。
【0170】
3Rバッファ126は、3R再生(すなわち、「振幅増幅、タイミング再生及び波形整形」)のプロセスのタイミングを正確に合わせるために、遅延生成器107からの遅延パルス127を待つ間、データを保持することができる。この実施形態では、3R再生は、信号を受信し、信号を消去し、新しい信号として信号を再伝送することによって、遂行することができる。しかしながら、全光再生などの代替の3R方法も企図される。タイムスロットを共有するデータブロックの全てのデータファミリ(タイムスロットを共有する信号チャネル)の場合、全ファミリは、3Rバッファ126に供給することができる。
次いで、そのタイムスロットに対する信号は、消去遅延パルスライン128を使用して消去することができる。電気接続127を介して送信された遅延パルスは、適切な時刻に再伝送をトリガすることができる。また、3Rバッファ126は、そのようなイレイサの実装形態が使用される場合に書き込むためにスロットをクリアするためにタイムスロットを消去した結果として再生しなければならないデータを保持することによって、書込プロセスの間に同様の目的を果たすことができる。この事例では、128を介して消去遅延パルスを伝送する必要はないが、代わりに、3Rバッファ126の読出が入力ビットの伝送完了の後に続く。別の変形形態は、3Rバッファ126においてアドレス指定スキームを使用することを含み、その結果、3Rバッファ126内のデータは、選択されたいかなる順序でも出力することができ、一度に複数のデータブロックを書き直す高速の非同期的な実装形態が可能になる。
【0171】
論じられるように、遅延パルスは、3Rバッファ126におけるデータの伝送をトリガするため、遅延生成器107から電気接続127を介して伝送することができ、入力バッファ110から書込をトリガするためにライン108を介して伝送される遅延パルスと同じ方法で生成される。これらの遅延パルスに先立って、書込動作を終える場合を除いて(この場合、タイムスロットは既にクリアされており、所望の入力ビットの伝送の完了の直後にデータを再伝送するためにパルスが生成される)、適切なタイムスロットを消去するために、消去遅延パルスライン108bにおいて遅延パルスが伝送され得る。
【0172】
また、論じられるように、遅延パルスは、データを安全に且つ永久的に消去するために3R再生の一部として又は消去動作としてイレイサ103を使用して所望のタイムスロットの消去をトリガするために、電気接続108bを介して遅延生成器107から伝送することもできる。データは、もはや使用されなくなってから消去することも、分散誘起広がりにより、最終的に他の信号と干渉するようになることもあり得るが、これは、次にそのタイムスロットが再生されている時に3R再生を単に実行しないことによって最も容易に遂行することができる。
【0173】
除去データライン129は、インバータを通じて、1R再生プロセスの電力を制御することができる。このラインが「1」に設定された場合は、1R再生は停止し、その結果、ループにおける信号の増幅は止まり、その中で伝達されるデータは、急速に、安全に且つ不可逆的に破壊される。
【0174】
図22は、例えば図21のループ100のような、データ格納のための連続再循環ループの例であり、導波路として光ファイバのスプール13が使用される。非変調光信号は、ファイバレーザであり得る光源1によって信号変調器113に提供することができる。或いは、光源1は、直接変調することができ、信号変調器113に代わって用いることができる。例えば、光源が半導体空洞レーザである場合は、信号は、ポンプ電流を変調することによって変調することができる。
【0175】
1R再生ステーション102は、ファイバレーザ増幅器であっても、光ファイバ12の長さに沿った分散利得システムによって置き換えてもよい。例えば、分散ラマン増幅又は光パラメトリック増幅を使用することができる。光ファイバスプール13は、ナノ構造光ファイバ導波路であり得る。「ナノ構造化光ファイバ」は、ファイバが単一モード化されないように比較的大きな外半径を使用する一方でモードが比較的小さなエリアに限定されるように設計された半径方向指数プロファイルを有し得る。ナノ構造化光ファイバとして企図されるものは、例えば、第1の領域、第2の領域及び第3の領域を有する「リングファイバ」を含む技術ファミリであり、第1の領域は、円筒であり、第2の領域は、半径が第1の領域の半径より大きく、第1の領域を取り囲む円筒であり、第3の領域は、半径が第2の領域の半径より大きく、第1及び第2の領域の両方を取り囲む円筒であり、その結果、第2の領域は、第1及び第2の領域の両方より大きい光屈折率を有する。
第1の領域は、空気又はファイバであり得る。「ボルテックスファイバ」は、第1の領域、第2の領域、第3の領域及び第4の領域を有し、第1の領域は、円筒であり、第2の領域は、半径が第1の領域の半径より大きく、第1の領域を取り囲む円筒であり、第3の領域は、半径が第2の領域の半径より大きく、第1及び第2の領域の両方を取り囲む円筒であり、第4の領域は、半径が第1の領域の半径及び第2の領域の半径より大きく、第1、第2及び第3の領域を取り囲む円筒であり、第1の領域及び第3の領域は両方とも、第2及び第4の領域より大きい光屈折率を有する。「マルチコアファイバ」(スーパモードファイバ又はフォトニックランタンファイバとも呼ばれる)は、少なくとも2つの互いに交わらないコア領域と、クラッド領域とを有し、コア領域は全て円筒であり、クラッド領域は、いずれのコア領域の半径よりも大きい半径を有する円筒であり、クラッド領域は、全てのコア領域を取り囲み、各コア領域は、クラッド領域より大きい光屈折率を有する。
「光ワイヤ」は、第1の領域を有し、第1の領域は、空気より大きい屈折率を有する円筒である(空気がクラッドの役割を果たす)。「フォトニック結晶ファイバ」は、大多数のオープン円筒又は他のオープン形状(多角形若しくは星形など)で作られており、空気又は低屈折率のガラスで満たされた可変半径のものである場合が多い(中心領域は高屈折率のガラスで満たされている場合が多い)。光ファイバ12又は光ファイバスプール13は、例えば、Corning SMF 28又はその何らかの均等物であり得るが、例えば、変調器の消光比を増加するためにPMファイバを使用することもできる。制御システム8は、図21に示されるシステムと同様のものであり得る。イレイサ103及び/又は信号変調器113は、図23に示されるようなマッハ-ツェンダ(MZ)強度変調器14及び偏波コントローラ5を含み得、増幅器の有無にかかわらず、電気接続10を介して制御システム8によって制御される。制御システム8は、制御論理104、アドレステーブル106、遅延生成器107及び他のそのようなコンポーネントを含み得る。
【0176】
図23は、例えば、信号変調器113及び/又はイレイサ103のような、信号変調の例を示す。最初に、着信光信号の偏波(すなわち、導波路又はファイバモード)は、偏波コントローラ5によって制御することができる。好ましい実施形態では、このことは、インラインファイバ偏波コントローラによって遂行することができる。この要素は、ファイバ又は導波路9がPMファイバである場合は不要であり得る。同様に、システムが空間分割多重化(SDM)用に修正された場合又は偏波に依存しない変調器14が使用される場合は、偏波コントローラ5は不要であり得る。
【0177】
光強度変調器14は、マッハ-ツェンダ(MZ)強度変調器であり得、電気接続22を介してRFドライバ24から電子制御電圧を受信し、RFドライバ24は、接続20を介して制御システム8からの信号によって駆動され、接続20は、図22の電気接続10の要素であり得る。この光強度変調器14は、異なる電気光学変調器(EOM)、音響光学変調器(AOM)又は他の変調器(電界吸収変調器(EAM)など)に置き換えることができる。例えば、(PSK)などの他のキーイングスキームの場合、位相変調器を代わりに使用することができる。
【0178】
光増幅器は、信号の電力を制御するために利得を提供することができる。光アイソレータ15及び17は、増幅器の不安定性を引き起こし得る後方反射を防ぐために使用することができる。関連RFドライバ25及び電気接続21を伴う第2の光変調器18は、例えば、「1」と「0」のより優れた区別を提供するために、単独の変調器より大きな変調信号における消光比を提供することができる。
【0179】
図25は、システム99aに対して波長分割多重化(WDM)を使用した移動中のデータ格納のための再循環連続ループの例を示し、同じタイムスロットのチャネルを消去することなく、個々のチャネルを消去することができるスキームを示す。波長分割デマルチプレクサ31は、光ファイバ12(又は他の導波路)から渡された信号を逆多重化する。信号は、n個の全く異なるファイバチャネルを表すn個の全く異なる波長λnを含み、チャネルごとに1つずつの波長λiしか伝達しない。このことは、アレイ導波路回折格子(AWG)によって又はn個の異なる溶融ファイバカプラ(波長特有のもの及び光ファイバ12の長さに沿って直列にカスケード接続されたもの)によって実現することができる。再循環ループ100の一部として位置付けられたものとして図25に概略的に示されているが、WDM回路98aは、再循環ループの外部に位置付けることができ、その結果、WDM回路98a多重化信号は、1つ又は複数の信号カプラによって再循環ループ100に注入できることが理解されよう。
【0180】
波長分割マルチプレクサ32は、n個の全く異なるファイバチャネル(1つの波長λiに対してチャネル1つずつ)を1つのファイバ又は導波路に組み合わせるか又は多重化することができる。従って、多重化信号は、n個の全く異なる波長λnで情報を格納することができる。これは、例えば、n個の異なる溶融ファイバカプラ101-1、101-2、...101-n(波長特有のもの及び光ファイバ12の長さに沿って直列にカスケード接続されたもの)として又はAWGと同様の統合デバイス若しくは対等の技法として実装することができる。
【0181】
図25は、要素番号-チャネル番号としてインデックスが付けられたn個の波長チャネルを説明する要素を示す。従って、第4のチャネルの33番目の要素は、33-4と呼ばれることになる。102-iは、チャネルiの波長λiの信号のための1R再生ステーションである。このいくつかの詳細は、図26で見ることができる。図25で提供される例によれば、波長間等化を提供することができ、他のチャネルに提供される電力とは無関係に、各チャネルは既定の電力に正規化される。そのようなチャネル正規化利得は、アクティブ又はパッシブであり得る。信号制御システムは、さらなる電気接続を使用して全てのチャネルのアクティブ等化を提供することができる。
【0182】
往復損失変調器103-iは、図21に示されるイレイサ103の多重化実装形態であり得、以下に続く図23で実装することができる。往復損失変調器103-iは、信号のチャネルiの波長λiのデータを消去する。
【0183】
信号カプラ101-iは、図21に示される信号カプラ101のコンポーネントであり得、2つの入力a、bから出力c、dを使用して、波長λiのデータ部分を伝達する信号をチャネルiに注入したり、チャネルiから排出したりすることができる。このことは、結合波長λiによる誘導波のエバネセント結合を利用する溶融ファイバカプラを使用して遂行することができる。光源1-iは、波長λiの変調又は非変調光信号を提供することができる。
【0184】
各チャネルの信号変調は、波長λiの変調器によって実行することができ、詳細は、図23に示されている。DAQ 120-iは、例えばフォトダイオードを使用して、チャネルiの信号を電気信号に復調する。或いは、復調の別の手段を使用することができる。
【0185】
図26は、1R再生ユニット(例えば、図21若しくは図22の102又は図25の102-i)の例の詳細な概略図解である。光増幅器46(例えば、ドープファイバ増幅器)は、関連チャネルの信号を増幅する。この増幅器の利得は、往復損失を完全に補償するように選択すべきであり、複数の別個の段階において提供する必要があり得る。光アイソレータは、増幅器の不安定性を引き起こし得る後方反射を防ぐために使用することができる。
【0186】
非線形強度フィルタ48或いは制御及び/又は安定性の対等のアクティブ及び/又はパッシブ手段を使用することができる。非線形強度フィルタ48は、非常に低い又は非常に高い強度の信号に対して、より高い損失を提供する。これにより、図30及び図31に示されるように、ファイバループにおける信号のピーク強度の均一な、制御された、無限の維持のための1R再生プロセスを安定させるために、信号強度のアクティブ及び/又はパッシブ制御が提供される。或いは、フィルタ48のアクティブ実装形態の例は、99%/1%溶融ファイバカプラ、前記カプラの1%チャネルに接続された電力計及び制御システムによって駆動される可変光減衰器(EAMなど)を含み得る。例えば、所定のデータブロックの現在及び過去の電力を入力として取り入れる離散比例・積分・微分(PID)コントローラを使用して、増幅器46の利得(例えば、増幅器46のポンプ電流を変調することによって)又は損失(例えば、電界吸収変調器(EAM)を使用して)を制御することができる。
【0187】
図27は、SDM(又はモード分割多重化、MDM)99bを利用した格納システムの例の概略図解である。マルチモード光ファイバ(MMF)のスプール52は、システムを実用的にするためにかなり低いクロストークでチャネル間の効果的な区別を可能にするように、軌道角運動量(OAM)伝達モードなどの異なる空間モードで信号を伝播する。このことは、異なるモード(すなわち、チャネル)間で結合する分散モードと摂動モードの両方を最小化するように設計されたカスタムナノ構造化ファイバによって実現することができる。例えば、マルチモード光ファイバ53及びマルチモード光ファイバのスプール52は、ボルテックスファイバ、マルチコアファイバ(スーパモードファイバ及びフォトニックランタンを含む)、光ワイヤ、フォトニック結晶ファイバ並びに/或いは所望のプロパティを有する他の任意の形態のファイバ又は導波路であり得る。
ディジタル多重入力多重出力(MIMO)技法は、伝播の間に結合によって混合された空間モードをディジタル方式で逆多重化するために使用することができる。そのような手法は、各往復におけるディジタル信号への変換を必要とし得る。或いは、モード選択性カプラ54-iを波長無依存型に設計すること及び/又は溶融ファイバカプラ以外の別の結合方法を使用することができる。各カプラ54-iの前の偏波コントローラ5-iは、カプラ54-i及びマルチモードファイバ53の設計に応じて必要であっても必要でなくともよい。例えば、マルチモードファイバが伝播の間のモード間混合を防ぐことによってモードの区別を可能にする場合は、偏波コントローラ5-iは不要である。しかしながら、マルチモードファイバがMIMO技法によってモードの区別を可能にする場合は、偏波コントローラ5-iは必要であり得、実際に偏波コントローラ5-iは、それ自体を、ナノ構造化ファイバとMIMO技法の両方の代わりに、いくつかのマルチモードファイバのモードを区別するための手段として使用することができる。同様に、カプラ54-iのいくつかの設計は、カプラ入力aの前のシングルモードファイバ9に偏波コントローラを挿入すること必要とし得る。マルチモード光ファイバ53又はマルチモード光ファイバのスプール52が、モード結合を防ぐように設計された偏波維持又はナノ構造化ファイバである場合は、それらは、同じタイプのファイバのものでなければならない。
【0188】
溶融ファイバカプラ54-iは、特有の周波数でMMF 53によって誘導されたある特有の空間モードを何らかの妥当な結合比で結合してCorning SMF 28(又は他のタイプの導波路)などのシングルモード光ファイバ(SMF)9に入れるために、2つの入力(a、b)及び2つの出力(c、d)を含み得る。光強度変調器103は、対象信号又は信号の一部分を消去するために使用することができる。マッハ-ツェンダ干渉計を使用することができる。このコンポーネントの制御は、制御システム8及び電気接続10を介して実行することができる。
【0189】
振幅増幅器102は、図26に示されるように、他の実施形態で使用される振幅増幅器と実質的に同様であり得る。シングルモードファイバの代わりに、例えば、ファイバスプール53と整合するマルチモードファイバ12など、異なるコンポーネントを選ばれなければならない。利得媒質(例えば、エルビウム)でドープされたこの同じカスタムナノ構造化MMF 53に基づくファイバ増幅器46が実演されてきており、低い差動モード利得(DMG)で同時に全てのモードに利得を提供するために使用することができる。しかしながら、これらに限定されないが、マルチプレクサ及びデマルチプレクサと協調するSMF EDFAを含む、他の増幅器を使用することができる。非線形フィルタ48(又は制御等化の対等のアクティブ若しくはパッシブ手段)も同様に実質的に同様であり得るが、増幅器46のDMGを補償するために、異なるコンポーネントの選択を必要とすること及び/又はアクティブ若しくはパッシブ手段を介する差動モード損失(DML)のさらなる提供を必要とすることがあり得る。
【0190】
図28は、本開示の態様による、伝播方向分割多重化(DDM)ベースの格納システム99cの例を示す。移動中の格納システム99cに対して、より高い容量を提供することができ、再循環連続ループの全く異なる開始及び終了の欠如を活用する。
【0191】
具体的には、注入予定の信号は、時計回りに伝播予定の第1の部分と、反時計回りに伝播予定の信号の第2の部分とに細分することができる。従って、成分は、複製されて、対応するインデックス(すなわち、時計回りチャネル1及び反時計回りチャネル2)を有する2つの対向伝播チャネルに入る。1つ又は複数の追加の多重化スキームに加えて、DDMを提供することができる。
【0192】
図28に示されるように、第1のカプラ61は、第1のカプラ61の接続aを介して時計回りに伝播する信号を導波路ループ12に注入し、カプラ61の接続bを介して反時計回りに伝播する信号を導波路ループ12から取り除く。誘導波のエバネセント結合を使用する溶融ファイバカプラが好ましい。同様に、第2のカプラ62は、第2のカプラのコネクタaを介して反時計回りに伝播する信号を導波路ループ12に注入し、時計回りに伝播する信号を導波路ループ12から取り除く。カプラ61及び62は、DDM信号を同時に多重化するため及び図21の単独の信号カプラ101として集合的に機能するために協調して稼働する。
【0193】
さらに、入力C、出力B及び双方向接続Aを有するカプラ63は、入力及び出力成分を分離するために提供することができる。光アイソレータ64は、信号チャネルクロストークを防ぐために提供することができる。
【0194】
一実施形態を構築するため、図25、27及び28に示されるWDM、SDM及びDDMの技法は、全ての3つのスキーム及び他の可能なスキームを同時に使用して、組み合わせて1つのシステムにすることができる。これを実現するには、本開示の態様に従って、図25に示される各波長チャネルの信号カプラ101-iを、例えば図27に示されるような溶融ファイバカプラのアレイと交換することができ、各モードに対して各コンポーネント1-i~11-iをそのようなコンポーネントのアレイと交換することを含む。それに加えて、追加の多重化スキーマは、各信号の複数ビットを提供することによって、追加の格納を可能にするために、他の変調方法と共に、方向分割多重化(DDM)技法を使用して追加することができる。例えば、直交変調(QAM)又は直角位相シフトキーイング(QPSK)。自由空間における空間モードは導波路モード(光ファイバモードなど)が有するような固有の偏波が欠如しているため、自由空間の実施形態では、偏波多重化とSDMの組合せは、SDMファイバモード多重化と対等の容量を達成するために必要であり得る。
【0195】
図30は、ループ内の信号の往復利得を制御し、そうしなければループに蓄積し得る雑音を低減するために、パッシブ方法で安定性を提供する非線形フィルタの例を示す。雑音低減は、可飽和吸収体140によって遂行することができる。高い光カー効果を有する材料(例えば、SbSI、Zn、Se又はGaAs)で作られた低フィネスエタロン141は、利得安定を提供するために使用することができる。エタロンは、低強度で100%の透過性を有するように(すなわち、波長又は波長集合が材料の共振波長であるように)チューンすることができる。しかしながら、パルスの強度が上昇するにつれて、材料の屈折率が変化するため、エタロンの透過率が変化する。次いで、反射電力は、光アイソレータ14によって吸収することができる。
【0196】
図31A~Fは、図30で例として示される非線形フィルタがどのように往復利得制御の安定性を提供するか及びどのように往復利得制御の安定性をチューンすることができるかの例を示す。図31Aでは、典型的なレーザ増幅器の信号利得が示されている。図31Bは、線形損失を提供する1つ又は複数の信号カプラ、端面及び変調器を含むシステムの様々な受動素子を示す。図31Cは、信号増幅器が利得を提供する方法と同じ方法で可飽和吸収体が損失を提供することを示す。しかしながら、以下で論じられるような実用的な理由で、信号増幅器の利得より高い損失を有し、且つ、はるかに低い飽和点を有する可飽和吸収体を選ぶことができる。
図31Dは、以下の公式に従って反射率を提供する非線形エタロンを示す。
【数13】
ただし、Fは、エタロンフィネスであり、kは、光の波数であり、lは、エタロン空洞の長さであり、Iは、信号の強度である。
【0197】
図31Eは、フィルタなしでは、全ての雑音が増幅され、増幅器飽和領域でしか安定性を達成できないことを示す。γa-lb=0をチューンすることによって低レベルで利得を制御する試みは、本質的に不安定なものであり得るが、その理由は、わずかに正の場合であっても増幅器飽和領域に至り、わずかに負の場合であっても信号パルスはゼロに行き着く可能性があるためである。
【0198】
図31Fは、非線形フィルタが追加された状態での安定性制御及び雑音低減を示す。フィルタが追加されると、第1に、可飽和吸収体の飽和Icより少ない低レベル雑音が往復損失を生じる。第2に、増幅器飽和領域の前の強度のポイントにおいて安定ポイントに達することができ、これは、このフィルタを調整することによって調整することができる。それに従って、フィルタは、以下の方法でチューンすることができる。
【0199】
雑音遮断は、可飽和吸収体損失(γa-lbを超えるべきである)を上げることによって、雑音をより効率的に取り除くようにチューンすることができる。しかしながら、雑音遮断は、システム性能を制限し得る組織的な往復損失を低減するためにチューンダウンすることも、雑音の消滅よりも速く生成が行われている場合はチューンアップすることもできる。
【0200】
安定性ポイントは、エタロンフィネス又はエタロンのカー定数を調整することによってチューンすることができる。
【0201】
複数の等しく離間された波長が使用されている場合は、エタロンの長さは、各波長がエタロンの共振波長であるようにチューンすることができる。
【0202】
このように、安定した波長無依存増幅(特有の離散波長での)をチューン可能な方式でレーザ増幅器の飽和領域をはるかに下回って達成することも、それと同時に、信号雑音を低減することもできる。
【0203】
同様のフィルタリングは、位相依存フィルタ又は位相依存増幅を使用して、位相シフトキーイング又は同様の位相依存キーイングスキーム(QAMなど)に対して行うことができる。一実施形態によれば、位相整合ポンプ及びアイドラを用いた光パラメトリック増幅(OPA)は、π/2ラジアンを超えて位相整合条件からシフトされた信号に損失を提供する一方で、信号及びアイドラによって設定された位相整合条件を満たす信号に選択的に増幅を提供するために使用することができる。この構成では、1つのポンプが複数の信号に対して機能することができるが、各信号が正確に位相整合されたアイドラを有することを保証するために、モード間の有効屈折率の差の影響を考慮することができる。また、波長が異なる信号の場合、各信号に対する正しい波長及び位相のアイドラを提供しなければならず、それは、通常の関係ωs+ωi=2ωpと一致し得る。
同様に、複数のポンプを用いたスキームは、異なる波長及び/又は位相整合条件を提供するために使用することができる。或いは、ωp1+ωp2=2ωsの関係を有する波長が異なる2つのポンプを使用することができる。そのような事例では、事実上各信号はそれ自体のアイドラとして機能するため、アイドラは不要であり得る。ポンプ及びアイドラ位相整合関係を一定に維持するため、ポンプ及びアイドラは、周期的にリフレーズ及び/又は交換する必要があり得る。このことは、例えば、アイドラ及びポンプを阻止するが信号は阻止しない波長フィルタを使用して各往復においてポンプ及びアイドラをループから取り除くことによって遂行することができ、その結果、例えば定在波(CW)レーザ源によって、ポンプ及びアイドラを一定の状態で提供することができる。従って、そのようなアイドラは、要望どおり、位相選択増幅を提供する代わりに、いかなる位相の信号にも増幅を提供することになる。同様に、アイドラは、空乏を避けるほど十分な電力を有することができる(信号の増幅から経験する利得を考慮した後)。他の位相依存又は位相選択要素は、注入同期ファイバ増幅器など、同じ又は同様の機能性を提供することができる。
【0204】
別の実施形態では、再循環ループは、データを格納する光空洞を含み得る。図32Aは、各々がその間で光のビーム156へのデータの格納を維持するために反射器の役割を果たす2対以上の受信機及び送信機(「反射器A」及び「反射器B」)によってこの空洞を形成することができる例を示す。上記で説明されるシステムに同様のコンポーネントを使用することで、光源1A及び1Bによって光信号を生成することができ、次いで、光信号は、信号変調器113A及び113Bによって変調して、信号受信機120B又は120Aに伝送することができ、信号受信機120B又は120Aは、信号を復調し、電気データに変換することができる。制御システム8A及び8Bは、データの受信及び再伝送を選択的に制御することができ、従って、イレイサ103は必要ではない場合がある。
同様に、信号は、受信及び再伝送のたびに完全に再生することができ、従って、信号調節器102は必要ではない場合がある。データを結合して電気信号として出力すること及び/又はデータ動作(読取、書込若しくは消去など)を実行することは、上記で説明されるものと同様の方法を使用して、反射器の一方又は両方において実行することができる。同様に、誤り訂正は、両方の反射器において、一方の反射器において又は間欠的に適用することができる。多重化は、受信機及び送信機のアレイを使用して又は図29に示されるような追加の多重化及び逆多重化要素を追加することによって、追加することができる。
【0205】
或いは、図32Bに示されるように、信号の方向転換は、鏡によって遂行することができる。この実施形態では、信号ビーム156は、両方向に進むことができ、他の実施形態では、複数の方向又は1つの方向に進むことができる。信号ビーム156は、ビームを空洞に維持するために、2つの鏡152を使用して反射性空洞に格納することができる。鏡152は、安定した方法でビームを空洞に維持するように設計することができ、それらの方法の多くはよく知られている。ファイバの実施形態と同様に、信号を消去するためのイレイサ103及び信号調節器102は、利得媒質153及び非線形フィルタ48を含めて、空洞の内部に提供することができる。非線形フィルタ48は、上記で説明されるように、アクティブ又はパッシブであり得、利得及び損失の往復安定性並びに/或いは雑音低減を提供することができる。
【0206】
例えばビームスプリッタ160を使用して、入力信号158を結合してシステムに入れることや、出力信号159を結合してシステムから出すことができ、ビームスプリッタ160は、図21、22、25及び27のカプラ101と同じ機能を実行することができる。或いは、1つ又は複数の鏡152は、部分的に透過性であり得、その結果、空洞に格納された信号156のうちの適切な比率は、各往復において、結合して、前記部分的に透過性の鏡を通じて出される。信号生成及び信号検出は、レーザ源1及び信号変調器113を使用してシステムにデータを書き込むため並びに信号復調装置120を使用して出力信号159を復調するために、図22と同様の方法で遂行することができる。後方反射ビームが信号生成器1に入ることを防ぐために、光アイソレータ64を提供することができる。
【0207】
他の多くの空洞設計及びサイズが企図される。例えば、空洞は、放物面鏡が各端部にある多くの平面鏡及び/又はレンズを含み得、それにより、ステアリング安定性をビームに提供することができる。別の例では、空洞は、1つ又は複数の非平坦な反射性表面を使用して形成することができ、1つ又は複数の非平坦な反射性表面は、各往復において信号ビーム156を数回反射する。その例は図32Cに示されており、空洞は、1つの楕円状に湾曲した反射性表面162であり得る。この実施形態では、入力/出力カプラは、反射性表面162の部分的に透過性の部分161であり得、図21のカプラ101と同様に、各往復において、入力ビーム163が空洞に入り、空洞内で適切な比率の電力を結合し、出力ビーム164として出すことを可能にする。入力ビーム163及び出力ビーム164は、上記で説明される同じ方法を使用して生成及び受信することができる。消去及び信号調節を提供するため、空洞内の信号ビームの経路に要素(例えば、イレイサ103及び利得媒質153)を挿入することができる。上記で説明されるように、非線形フィルタ48又は多重化要素を提供することができる。
【0208】
本システム、方法及びデバイスは、人間の動作が不要となるように、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア又は前述の組合せとして実装されるコンポーネントを使用して実装することができ、1つ又は複数のコンピュータシステム又は他の処理システムにおいて実装することができる。地球局20a、bのコンポーネントを実装し、衛星のコントローラ、地球局20a、b及び衛星上のトランシーバのコントローラ、電磁信号生成器及び再生器のコントローラ並びに同様のものを実装するコンピュータ又はコンピュータシステムは、本開示による方法を実行するために、各々が、1つ又は複数のユニットの1つ又は複数のプロセッサを含むことも、1つ又は複数のユニットの1つ又は複数のプロセッサとして提供することもできる。これらのコンピュータ又はプロセッサの1つ又は複数或いは全ては、インターネット或いは他の通信ネットワーク及び/又は手段を介してアクセスすることができる。2つ以上のこれらのユニット又はこれらのユニットのコンポーネントは、例えば1つ又は複数のラックマウント方式のデバイスとして、単一のデバイス上又は一連のそのようなデバイス上で起動しているプロセス上で実行することも、同プロセスによって実行することもできる。本明細書で説明される地球局20a、bとの通信インタフェースは、有線又は無線インタフェース通信を含み得、ワイヤ、ケーブル、光ファイヤ、電話回線、セルラリンク、衛星接続、高周波リンク(WI-FIなど)又は他のそのような通信チャネル及びネットワーク(無線若しくは有線通信を含む)を介して、或いは、前述の組合せを介して通信することができる。
【0209】
本発明はその特定の実施形態に関連して説明してきたが、当業者であれば、他の多くの変形形態及び変更形態並びに他の使用が明らかになるであろう。また、ある実装形態(例えば、衛星若しくは輸送船の自由空間の実装形態、ラックの自由空間の実装形態又は導波路の実装形態)に対して説明されるコンポーネント又は他の構造若しくはシステム、特徴、ステップは、別の実装形態に対して配備することも、使用することもできる。同じ構造の一部として記述されるコンポーネントは、別個のコンポーネント又は構造としてパッケージ化することができ、別々にパッケージ化されたものとして説明されるコンポーネントは、統合すること又は一緒に提供することができる。また、コンポーネントは、コンポーネントが論理的に関連付けられるか又はコンポーネントが直接通信する構造から遠く離れて提供することができる。
【0210】
順次概説されるステップは、必ずしも順次実行しなければならないわけではなく、必ずしも全てのステップを実行しなければならないわけではなく、他の介在ステップを挿入することができる。従って、本発明は、本明細書の具体的な開示によって制限されない。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図15
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図21
図22
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図24B
図24C
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31A
図31B
図31C
図31D
図31E
図31F
図32A
図32B
図32C