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特許7247359トルクコンバータに接続するための原動機ロータコネクタを含むハイブリッドモジュール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-17
(45)【発行日】2023-03-28
(54)【発明の名称】トルクコンバータに接続するための原動機ロータコネクタを含むハイブリッドモジュール
(51)【国際特許分類】
   B60K 6/40 20071001AFI20230320BHJP
   H02K 7/18 20060101ALI20230320BHJP
   B60K 6/26 20071001ALI20230320BHJP
   B60K 6/36 20071001ALI20230320BHJP
【FI】
B60K6/40 ZHV
H02K7/18 B
B60K6/26
B60K6/36
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021549887
(86)(22)【出願日】2020-02-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-20
(86)【国際出願番号】 US2020019278
(87)【国際公開番号】W WO2020176354
(87)【国際公開日】2020-09-03
【審査請求日】2021-08-25
(31)【優先権主張番号】16/285,795
(32)【優先日】2019-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515009952
【氏名又は名称】シェフラー テクノロジーズ アー・ゲー ウント コー. カー・ゲー
【氏名又は名称原語表記】Schaeffler Technologies AG & Co. KG
【住所又は居所原語表記】Industriestr. 1-3, 91074 Herzogenaurach, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】マシュー ペイン
(72)【発明者】
【氏名】マークス シュタインベアガー
【審査官】井古田 裕昭
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0257475(US,A1)
【文献】特開2011-051429(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 6/40
H02K 7/18
B60K 6/26
B60K 6/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
変速機の上流かつ内燃機関の下流のトルク経路に配置するように構成されたハイブリッドモジュールであって、
ロータを含む電動機を含むハイブリッド駆動ユニットと、
トルクコンバータと、
前記ロータを前記トルクコンバータに回転不能に固定するコネクタであって、前記コネクタが、前記ロータに回転不能に固定された第1のセクション、前記トルクコンバータに回転不能に固定された第2のセクション、および前記第1のセクションおよび前記第2のセクションを一緒に噛み合う配置で軸方向に固定することにより、前記第1のセクションおよび前記第2のセクションが一緒に回転不能に固定されている、保持器、を含む、コネクタと、を備え、
前記第1のセクションが、第1の歯を含み、前記第2のセクションが、第2の歯を含み、前記第1の歯が、前記第2の歯と噛み合っており、
前記第1の歯の各々および前記第2の歯の各々が、その中に形成されるそれぞれの溝を含み、前記保持器が、前記溝の各々に受容されている、ハイブリッドモジュール。
【請求項2】
変速機の上流かつ内燃機関の下流のトルク経路に配置するように構成されたハイブリッドモジュールであって、
ロータを含む電動機を含むハイブリッド駆動ユニットと、
トルクコンバータと、
前記ロータを前記トルクコンバータに回転不能に固定するコネクタであって、前記コネクタが、前記ロータに回転不能に固定された第1のセクション、前記トルクコンバータに回転不能に固定された第2のセクション、および前記第1のセクションおよび前記第2のセクションを一緒に噛み合う配置で軸方向に固定することにより、前記第1のセクションおよび前記第2のセクションが一緒に回転不能に固定されている、保持器、を含む、コネクタと、を備え、
前記第1のセクションが、第1の歯を含み、前記第2のセクションが、第2の歯を含み、前記第1の歯が、前記第2の歯と噛み合っており、
前記第1の歯が、前記ロータから軸方向に離れて突出し、前記第2の歯が、前記トルクコンバータから軸方向に離れて突出している、ハイブリッドモジュール。
【請求項3】
変速機の上流かつ内燃機関の下流のトルク経路に配置するように構成されたハイブリッドモジュールであって、
ロータを含む電動機を含むハイブリッド駆動ユニットと、
トルクコンバータと、
前記ロータを前記トルクコンバータに回転不能に固定するコネクタであって、前記コネクタが、前記ロータに回転不能に固定された第1のセクション、前記トルクコンバータに回転不能に固定された第2のセクション、および前記第1のセクションおよび前記第2のセクションを一緒に噛み合う配置で軸方向に固定することにより、前記第1のセクションおよび前記第2のセクションが一緒に回転不能に固定されている、保持器、を含む、コネクタと、を備え、
前記ロータが、複数のロータ磁石セグメントを支持するロータキャリアを含み、前記第1のセクションが、前記ロータキャリアの後端に固定されている、ハイブリッドモジュール。
【請求項4】
前記トルクコンバータが、前カバーを含み、前記第2のセクションが、複数の円周方向に間隔を置いた留め具によって前記前カバーに固定されている、請求項1から3のいずれか一項に記載のハイブリッドモジュール。
【請求項5】
変速機の上流かつ内燃機関の下流のトルク経路に配置するように構成されたハイブリッドモジュールを構築する方法であって、
コネクタを介してハイブリッド駆動ユニットおよびトルクコンバータを回転不能に一緒に固定することを含み、前記ハイブリッド駆動ユニットが、ロータを含む電動機を含み、前記コネクタが、前記ロータに回転不能に固定された第1のセクションと、前記トルクコンバータに回転不能に固定された第2のセクションと、前記第1のセクションおよび前記第2のセクションを一緒に噛み合う配置で軸方向に固定することにより、前記第1のセクションおよび前記第2のセクションが回転不能に一緒に固定される、保持器と、を含み、
前記第1のセクションが、第1の歯を含み、前記第2のセクションが、第2の歯を含み、前記第1のセクションおよび前記第2のセクションが、一緒に軸方向に押し付けられることにより、前記第1の歯が、前記第2の歯と噛み合い、
前記第1の歯の各々および前記第2の歯の各々が、その中に形成されるそれぞれの溝を含み、前記方法が、前記保持器を前記溝の各々に軸方向に押し付けることを含む、方法。
【請求項6】
前記第1のセクションおよび前記第2のセクションの所定の位置に前記保持器を保持する保持リングを提供することと、前記保持器に対して前記保持リングを軸方向に押し付ける弾性要素を提供することと、を更に含む、請求項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、電動機ロータに関し、特に、ハイブリッドモジュールにおける電動機ロータに関する。
【背景技術】
【0002】
電動機ロータキャリアは、一般に、トルクコンバータの前カバーにリベットで留められる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
変速機の上流かつ内燃機関の下流のトルク経路に配置するように構成されたハイブリッドモジュールが提供される。ハイブリッドモジュールは、ロータを含む電動機を含むハイブリッド駆動ユニットを含む。ハイブリッドモジュールはまた、トルクコンバータと、ロータをトルクコンバータに回転不能に固定するコネクタと、を含む。コネクタは、ロータに回転不能に固定された第1のセクションと、トルクコンバータに回転不能に固定された第2のセクションと、第1のセクションおよび第2のセクションを一緒に噛み合う配置で軸方向に固定することにより、第1のセクションおよび第2のセクションが一緒に回転不能に固定されている、保持器と、を含む。
【0004】
ハイブリッドモジュールの実施形態では、第1のセクションは、第1の歯を含み得、第2のセクションは、第2の歯を含み得、第1の歯は、第2の歯と噛み合っている。第1の歯の各々および第2の歯の各々は、その中に形成されるそれぞれの溝を含み得、保持器は、各溝内に受容されている。保持器は、スナップリングであってもよい。スナップリングは、各溝内に受容されたテーパ面を含んでもよい。第1の歯は、ロータから軸方向に離れて突出してもよく、第2の歯は、トルクコンバータから軸方向に離れて突出してもよい。ロータは、複数のロータ磁石セグメントを支持するロータキャリアを含んでもよい。第1のセクションは、ロータキャリアの後端に固定されてもよい。第1のセクションは、ロータキャリアとの単一ピースとして一体形成されてもよい。トルクコンバータは、前カバーを含んでもよく、第2のセクションは、複数の円周方向に間隔を置いた留め具によって前カバーに固定されてもよい。コネクタは、保持器を第1のセクションおよび第2のセクションの所定の位置に保持する保持リングを更に含んでもよい。ハイブリッドモジュールは、保持器に対して保持リングを軸方向に押し付ける弾性要素を更に含んでもよい。
【0005】
変速機の上流かつ内燃機関の下流のトルク経路に配置するように構成されたハイブリッドモジュールを構築する方法もまた提供される。本方法は、コネクタを介してハイブリッド駆動ユニットおよびトルクコンバータを回転不能に一緒に固定することを含む。ハイブリッド駆動ユニットは、ロータを含む電動機を含む。コネクタは、ロータに回転不能に固定された第1のセクションと、トルクコンバータに回転不能に固定された第2のセクションと、第1のセクションおよび第2のセクションを一緒に噛み合う配置で軸方向に固定することにより、第1のセクションおよび第2のセクションが一緒に回転不能に固定されている、保持器と、を含む。
【0006】
ハイブリッドモジュールの実施形態では、第1のセクションが第1の歯を含み得、第2のセクションが第2の歯を含み得、第1のセクションおよび第2のセクションが軸方向に一緒に押し付けられることにより、第1の歯が第2の歯と噛み合うことできる。第1の歯の各々および第2の歯の各々は、その中に形成されるそれぞれの溝を含み得る。本方法は、保持器を溝の各々に軸方向に押し付けることを含んでもよい。本方法は、ロータキャリアとの単一ピースとして、第1のセクションを一体形成することを更に含んでもよい。本方法は、複数の円周方向に間隔を置いた留め具によって第2のセクションを前カバーに固定することを更に含んでもよい。本方法は、保持器を第1のセクションおよび第2のセクションの所定の位置に保持する保持リングを提供することを更に含んでもよい。本方法は、保持リングを保持器に対して軸方向に押し付ける弾性要素を提供することを更に含んでもよい。
【0007】
本開示は、以下の図面を参照して以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の一実施形態によるハイブリッドモジュールの図である。
図2】本開示の一実施形態によるコネクタを含む図1に示すハイブリッドモジュールの一部の拡大図を概略的に示す。
図3図2のA-Aに沿うコネクタ29の図を示す。
図4】本開示の別の実施形態によるコネクタを含むハイブリッドモジュールの一部の拡大図を概略的に示す。
図5図4に示すコネクタのセクションが一緒に接合されることにより、コネクタがロータキャリアおよび前カバーを一緒に回転不能に固定することを例示する。
図6図4に示すコネクタのセクションが一緒に接合されることにより、コネクタがロータキャリアおよび前カバーを一緒に回転不能に固定することを例示する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示は、トルクコンバータと、スナップリングによって軸方向に保持されたロータとの間のスプライン接続を提供する。このような接続により、コンポーネントを1つのユニットとしてバランス調整する必要があるリベットで留められた設計とは対照的に、迅速な組み立てと、トルクコンバータおよびロータの別個のバランス調整機能が可能になり得る。追加的に、ユニット全体ではなくて、トルクコンバータまたはロータのみを修理中に交換することができるように、接続を分解してもよい。
【0010】
図1は、本開示の一実施形態によるハイブリッドモジュール10を示す。モジュール10は、モジュール10の前側10aにおける内燃機関への取り付けのために構成されたハイブリッド駆動ユニット12と、モジュール10の後側10bにおける変速機入力シャフトへの取り付けのために構成されたトルクコンバータ14と、を含む。既知の方法で、ハイブリッド駆動ユニット12は、内燃機関からトルクコンバータ14にトルクを伝達するか、または駆動ユニット12の電動機16を介してトルクコンバータ14を直接駆動するように選択的に動作可能である。これらの線に沿って、ハイブリッド駆動ユニット12は、トルクコンバータ14を入力シャフト20に選択的に接続するためのエンジン接続/切断クラッチ18を含み、これは、例えばフライホイールを介して内燃機関のクランクシャフトに回転不能に接続するか、またはトルクコンバータを電動機16のみによって駆動することができるように、トルクコンバータ14を入力シャフト20から切断するように構成される。
【0011】
電動機16は、ステータ22およびロータ24を含み、ステータ22は、ハイブリッド駆動ユニット12のハウジング26に固定される。ステータ22のコイルに電流が提供されると、コイル内の電流によって付勢される複数の永久磁石セグメント24aを含むロータ24により、ロータ24は、既知の方法でハイブリッドモジュール10の中心軸CAの周りを回転する。本明細書で使用される軸方向、半径方向、および円周方向という用語は、中心軸CAに対して使用される。磁石セグメント24aは、ロータキャリア28によって自身の内周に支持されている。ロータキャリア28は、磁石セグメント24aの内周を支持する円筒状に軸方向に延在するセクション28aと、軸方向に延在するセクション28aの端部から半径方向外向きに突出する円盤状に半径方向に延在するセクション28bと、を含む。
【0012】
電動機16は、ロータキャリアハブ28上にロータ24を軸方向に保持するために軸方向に延在するセクション28aに固定されたロータクランプリング27aを更に含む。ロータクランプリング27aは、磁石セグメント24aがセクション28bとリング27aとの間に軸方向にクランプされるように、半径方向に延在するセクション28bが設けられているロータキャリアハブ28の第2の軸と対向するロータキャリアハブ28の第1の軸端部に設けられている。第1の非鉄板27bは、ロータ24とリング27aとの間に軸方向に設けられており、第2の非鉄板27cは、ロータ24とセクション28bとの間に軸方向に設けられている。板27b、27cは、アルミニウムで形成され、ロータ磁石と接触して、本質的に磁束場の短絡であり、電動機の効率を低下させる渦電流を遮断し得る。トルクコンバータ14は、以下の図に関して更に詳細に記述されるコネクタ29によってハイブリッド駆動ユニット12に回転不能に固定される。
【0013】
クラッチ18は、複数のクラッチプレート30を含み、少なくともその一部は、軸方向に延在するセクション28aの内周面に形成されたスプライン32によって、クラッチプレートの外径端部で軸方向に摺動可能に支持されている。クラッチプレート30の少なくとも1つは、シャフト20に回転不能に固定されたカウンタプレッシャプレート36に固定された内側支持体34によって、クラッチプレートの内径端部で軸方向に摺動可能に支持されている。クラッチ18は、シャフト20の外周に沿って軸方向に摺動可能なピストン38を更に含み、ピストン38の前後の流体圧力差に基づいてクラッチ18を係合および解放する。ピストン38がクラッチプレート30をカウンタプレッシャプレート36に対して押し付けると、クラッチ18が係合され、シャフト20からのトルクがクラッチプレート30を介してロータキャリアハブ28に伝達され、ロータキャリア28は受容されたトルクをダンパアセンブリ14に伝達する。ピストン38は、支持プレート42によって支持されたばね40によってクラッチプレート30から軸方向に離れて保持される。ピストン38はまた、クラッチプレート30に対するピストン38のリフトオフを制限するリフトオフ制御プレート43に弾性的に接続される。
【0014】
ハウジング26は、シャフト20の半径方向外側のクラッチ18のエンジン側に設けられた軸方向に延在する突出部44を含む。突出部44は、玉軸受46を支持し、玉軸受46は、突出部44上のロータフランジ48を回転可能に支持する。玉軸受46の内側レースは、突出部44の外周面に着座し、ロータフランジ48は、玉軸受46の外側レースの外周面から、ロータキャリアハブ28の軸方向に延在するセクション28aまで延在する。
【0015】
トルクコンバータ14は、カバー31を一緒に形成する前カバー31aおよび後カバー31bを含み、コネクタ29の留め具49は、半径方向内側に延在して中心軸CAと交差する前カバー31aの半径方向に延在するセクション31cを、軸方向に通過する。後カバー31bは、複数のインペラブレード54を含むインペラ52のインペラシェル50を形成し、複数のインペラブレード54は、環状ボウルとして形作られ、インペラブレード54の後端部に接触するインペラシェル50の丸みを帯びたブレード支持部分50aによって支持される。
【0016】
トルクコンバータ14はまた、タービン56の係合部がインペラシェル50の係合部と係合してロックアップクラッチを形成するように、インペラシェル50に向かって、およびインペラシェル50から離れるように軸方向に移動可能なピストンを画定するように構成されるタービン56を含む。タービン56は、複数のタービンブレード60を支持するタービンシェル58を含む。トルクコンバータ14はまた、タービン56とインペラ52との間に軸方向にステータ62を含み、流体がインペラブレード54に到達する前に、タービンブレード60から流れる流体を方向転換して、トルクコンバータ14の効率を高める。トルクコンバータ14は、タービンシェル58に固定されたダンパアセンブリ64を更に含む。ダンパアセンブリ64は、タービンシェル58からトルクを受容し、トルクを変速機入力シャフトに伝達するように構成される。変速機入力シャフトにトルクを伝達するために、ダンパアセンブリ64は、変速機入力シャフトの外周面に回転不能に接続するためのスプライン付き内周面を含む支持ハブ66を含む。
【0017】
摩擦材料68は、ブレード54の半径方向外側にあり、かつインペラシェル50の係合部を形成するインペラシェル50の半径方向に延在する壁72に係合するために、ブレード60の半径方向外側にあり、かつタービン56の係合部を形成するタービンシェル58の外側半径方向延長部70の半径方向に延在するインペラに面する表面上に接着される。他の実施形態では、外側半径方向延長部70に接着される代わりに、またはそれに加えて、摩擦材料68は、半径方向に延在する壁72の半径方向に延在するタービンに面する表面または半径方向延長部70と壁72との間の1つ以上の追加ディスクに接着され得る。摩擦材料68が外側半径方向延長部70、半径方向に延在する壁72、または1つ以上の追加ディスクに接着されているか否かに関係なく、摩擦材料68は延長部70と壁72との間に軸方向に設けられて、タービンピストン56の係合部をインペラシェル50の係合部に選択的に回転係合する。トルクコンバータ14は、前カバー31aの留め具29を介してハイブリッド駆動ユニット12から入力されたトルクを受容し、このトルクはインペラ52に伝達される。インペラ52は、ロックアップクラッチが解放されているときは、インペラブレード54からタービンブレード60への流体の流れを介して、またはロックアップクラッチが係合されているときは、摩擦材料68を介してタービン56を駆動する。次いで、タービン56がダンパアセンブリ64を駆動し、次にダンパアセンブリが変速機入力シャフトを駆動する。
【0018】
図2は、コネクタ29を例示するために図1に示すハイブリッドモジュール10の一部の拡大図を概略的に示す。コネクタ29は、ロータキャリア28に回転不能に固定された第1のセクション74と、前カバー31aに回転不能に固定された第2のセクション76と、セクション74、76を軸方向に一緒に固定する保持器78と、前カバー31aの半径方向に延在するセクション31cに形成されたそれぞれの穴80を通って各々延在する複数の円周方向に間隔を置いた留め具49と、を含む。図2に示す実施形態では、第1のセクション74は、ロータキャリア28との単一ピースとして一体形成され、第2のセクション76は、リベットの形態で留め具49によって前カバーセクション31cの前および外面31dに固定されたプレートとして形成され、保持器78は、スナップリングとして形成される。
【0019】
第1のセクション74は、ロータキャリア28の後端に、より具体的には、ロータキャリア28の円筒状セクション28aの後端に形成され、ロータキャリア28の半径方向に延在する後面28cを越えて軸方向後方に突出している。第2のセクション76は、第1のセクション74と係合するための係合セクション76a、およびリベット49を受容するためのベースセクション76bを含む。図2に示す実施形態では、ベースセクション76bは、係合セクション76aから半径方向外側にあり、受容留め具49を軸方向に通過する複数の円周方向に間隔を置いた穴82を含む。各留め具49は、それぞれの穴80、82の内側に受容される軸部49aと、前カバーセクション31cの半径方向に延在する内および後面31eに接触する後ヘッド49bと、ベースセクション76bの半径方向に延在する前面76cに接触する前ヘッド49cと、を含む。留め具49が前カバー31aに対して軸方向に第2のセクション76を保持することにより、第2のセクション76の半径方向に延在する後面76dが、前カバーセクション31cの半径方向に延在する前面31dに接触する。
【0020】
図3は、図2のA-Aに沿うコネクタ29の図を示す。図3に示すように、第1のセクション74は、ロータキャリア28から軸方向に突出する、複数の円周方向に間隔を置いた第1の歯84を含み、第2のセクション76の係合セクション76aは、係合セクション76aの支持部分76cから軸方向に突出する、複数の円周方向に間隔を置いた第2の歯86を含む。歯84、86は各々、台形形状を有する。より具体的には、歯84は各々、2つの傾斜面84a、84bによって画定された2つの横方向の端を含み、これらは、ロータキャリア28から軸方向に離れて延在しながら、互いに向かってテーパ状になり、端面84cの対向する円周方向端を接合する。同様に、歯86は各々、2つの傾斜面86a、86bによって画定された2つの横方向の端を含み、これらは、前カバー31aから軸方向に離れて延在しながら、互いに向かってテーパ状になり、端面86cの対向する円周方向端を接合する。歯84は、複数の円周方向に間隔を置いた間隙85によって互いから円周方向に分離され、歯86は、複数の円周方向に間隔を置いた間隙87によって互いから分離されている。この構成により、歯84は、歯86と噛み合い、歯84の各々は、間隙87のそれぞれ1つに受容され、歯86の各々は、間隙85のそれぞれ1つに受容される。各傾斜面86aは、1つの傾斜面84bに接触し、各傾斜面86bは、1つの傾斜面84aに接触する。ハイブリッドモジュールの動作の間、トルクが歯84、86を介してロータキャリア28からトルクコンバータ14に伝達されるように、歯84、86は、セクション74、76を一緒に回転不能に固定するスプライン接続を形成する。
【0021】
図2および図3を一緒に参照すると、第1のセクション74および第2のセクション76は、セクション74、76の両方に接触する保持器78を介して軸方向に一緒に保持され、保持器78は、第1のセクション74に形成された第1の溝88内および第2のセクション76に形成された第2の溝90内に保持される。より具体的には、保持器78は、歯84の各々および歯86の各々に接触し、保持器78は、歯84の各々の内周面74aに形成された溝88内に保持され、歯86の各々の内周面76eに形成された溝90内に保持される。したがって、保持器78は、セクション74、76を一緒に軸方向に固定しながら、溝88を溝90と軸方向に整列させて、ラッシュが接続から除去されるように、嵌合する歯84、86を一緒にくさび留めする。図2に示すように、保持器78の外周面は、テーパ面部分78aを含む。保持器78の外周面はまた、保持器78の最外面を画定する平面部分78bと、2つの平らな半径方向に延在する側面78c、78dと、を含む。テーパ面部分78aが完全に溝88、90内にあるように、表面78b、78c、78dの各々は、溝88、90の各々のそれぞれの平面に接触する。
【0022】
図4は、本開示の別の実施形態によるコネクタ129を含むハイブリッドモジュール10の一部の拡大図を概略的に示す。コネクタ129は、コネクタ29と同様に形成され、噛み合う歯は、図3に示す歯84、86と同じように構成されている。コネクタ129は、ロータキャリア28に回転不能に固定された第1のセクション174と、前カバー31aに回転不能に固定された第2のセクション176と、セクション174、176を軸方向に一緒に固定する保持器178と、前カバー31aの半径方向に延在するセクション31cに形成されたそれぞれの穴180を通って各々延在する複数の円周方向に間隔を置いた留め具149と、を含む。図4に示す実施形態では、第1のセクション174は、ロータキャリア28との単一ピースとして一体形成され、第2のセクション176は、リベットの形態で留め具149によって前カバーセクション31cの外面31dに固定されたプレートとして形成され、保持器178は、スナップリングとして形成される。
【0023】
第1のセクション174は、ロータキャリア28の後端に、より具体的には、ロータキャリア28の円盤状の半径方向に延在するセクション28bの後側に形成され、ロータキャリア28の半径方向に延在する後面28cを越えて軸方向後方に突出している。第2のセクション176は、第1のセクション174と係合するための係合セクション176a、およびリベット149を受容するためのベースセクション176bを含む。図4に示す実施形態では、ベースセクション176bは、係合セクション176aから半径方向内側にあり、受容留め具149を軸方向に通過する複数の円周方向に間隔を置いた穴182を含む。各留め具149は、それぞれの穴180、182の内側に受容される軸部149aと、前カバーセクション31cの半径方向に延在する後面31eに接触する後ヘッド149bと、ベースセクション176bの半径方向に延在する後面176cに接触する前ヘッド149cと、を含む。留め具149が前カバー31aに対して軸方向に第2のセクション176を保持することにより、第2のセクション176の半径方向に延在する後面176dが、前カバーセクション31cの半径方向に延在する前面31dに接触する。
【0024】
上記のように、図3に示す配置と同じように、第1のセクション174は、ロータキャリア28から軸方向に突出する複数の円周方向に間隔を置いた歯を含み、第2のセクション176の係合セクション176aは、係合セクション176aの支持部分から軸方向に突出する複数の円周方向に間隔を置いた歯を含む。ハイブリッドモジュールの動作の間、トルクが、セクション174、176の歯を介してロータキャリア28からトルクコンバータ14に伝達されるように、セクション174の歯は、セクション176の歯と噛み合い、セクション174、176を一緒に回転不能に固定するスプライン接続を形成する。
【0025】
第1のセクション174および第2のセクション176は、セクション174、176の両方に接触する保持器178を介して一緒に軸方向に保持され、保持器178は、第1のセクション174の歯の外周に形成された溝188および第2のセクション176の歯の外周に形成された溝190内に保持される。したがって、保持器178は、セクション174の歯における溝188をセクション176の歯における溝190と軸方向に整列させながら、セクション174、176を一緒に軸方向に固定して、ラッシュが接続から除去されるように、嵌合する歯を一緒にくさび留めする。図4に示すように、保持器178の内周面は、設置の容易さを可能にするテーパ面部分178aを含む。保持器178の内周面はまた、保持器178の最外面を画定する平面部分178b、および2つの平らな半径方向に延在する側面178c、178dを含む。テーパ面部分178aが完全に溝188、190内にあるように、表面178b、178c、178dの各々は、溝188、190の各々のそれぞれの平面に接触する。
【0026】
コネクタ129はまた、保持器178が、軸CA(図1)を中心としたコネクタ129の回転の間に溝188、190から出ることを防止する保持リング192を含む。ダイアフラムスプリング194の形態の弾性要素は、保持器178に対して保持リング192を保持し、ODをカバーする。保持リング192は、保持器178の表面178cに軸方向に当接する半径方向に延在するセクション192aと、保持器178の外周面178eに半径方向に当接する軸方向に延在するセクション192bと、を含む。ダイアフラムスプリング194の半径方向内端が、半径方向に延在するセクション192aに軸方向に接触し、ダイアフラムスプリング194の半径方向外端が、ロータキャリア28の半径方向に延在する後面28cに軸方向に接触することによって、ダイアフラムスプリング194は、ロータキャリア28と保持リング192との間に軸方向に圧縮され、保持リング192を保持器178に対して軸方向に保持する。ロータキャリア28の円盤状の半径方向に延在するセクション28bには、軸方向の突出部196が設けられており、この突出部は、リングとして、または1つ以上の円周方向にセグメントとして形成されてもよく、これは、ダイアフラムスプリング194を半径方向に整列させることに役立つ。
【0027】
図5および図6は、コネクタ129のセクション174、176が一緒に接合されることにより、コネクタ129が、ロータキャリア28および前カバー31aを一緒に回転不能にどのように固定するかを例示する。図5は、駆動ユニット12から離れて間隔を置いたトルクコンバータ14を示し、第1のセクション174は、駆動ユニット12に固定され、第2のセクション176から間隔を置かれ、これは、セクション174、176が一緒に接合される前に、トルクコンバータ14に固定される。第2のセクション176は、留め具149および保持器178を介して前カバー31aに固定され、保持リング192およびダイアフラムスプリング194は、第1のセクション174の外周面に保持される。保持器178は、溝188の後側に保持され、保持リング192およびダイアフラムスプリング194は、溝の前側に保持される。次に、駆動ユニット12およびトルクコンバータ14が一緒にまとめられることにより、第1のセクション174および第2のセクション176は、図6に示すように、セクション174、176の歯の噛み合いを介して接触し、噛み合う。溝188、190が軸方向に互いに整列されるように、第1および第2のセクション174、176が、噛み合う配向に一緒にまとめられた後、保持器178は荷重によって軸方向前方に押し付けられ、これは、ダイアフラムスプリング194を軸方向に圧縮し、保持器178を溝188、190に移動させ、保持器178を溝188、190内で半径方向に収縮させる。この時点で、保持リング192は、ダイアフラムスプリング194によって軸方向後方に保持器178上に押し付けられ、保持器178が第1のセクション174および第2のセクション176を軸方向に一緒に固定するように、保持器178を溝188、190内に保持する。
【0028】
前述の明細書では、本発明は、特定の例示的な実施形態およびその例を参照して説明されてきた。しかしながら、以下の特許請求の範囲に記載されるような本発明のより広い主旨および範囲から逸脱することなく、様々な変更および変形が行われることができることは明らかであろう。したがって、明細書および図面は、限定的な意味ではなく例示的な方法で見なされるべきである。
【符号の説明】
【0029】
CA 中心軸
10 ハイブリッドモジュール
12 ハイブリッド駆動ユニット
14 トルクコンバータ
16 電動機
18 エンジン接続/切断クラッチ
20 入力シャフト
22 ステータ
22a 外周面
24 ロータ
24a 磁石セグメント
26 ハウジング
27a ロータクランプリング
27b 非鉄板
27c 非鉄板
28 ロータキャリアハブ
28a 円筒状の軸方向に延在するセクション
28b 円盤状の半径方向に延在するセクション
28c 半径方向に延在する後面
29 コネクタ
30 クラッチプレート
31 カバー
31a 前カバー
31b 後カバー
31c 前カバーの半径方向に延在するセクション
31d 前および外面
31e 後および内面
32 スプライン
34 内側支持体
36 カウンタ圧力プレート
38 ピストン
40 ばね
42 支持プレート
43 リフトオフ制御プレート
44 ハウジング突出部
46 玉軸受
48 ロータフランジ
49 留め具
49a 軸部
49b 後ヘッド
49c 前ヘッド
50 インペラシェル
50a 丸みを帯びたブレード支持部
52 インペラ
54 インペラブレード
56 タービン
58 タービンシェル
60 タービンブレード
62 ステータ
64 ダンパアセンブリ
66 支持ハブ
68 摩擦材料
70 外側半径方向延長部
72 半径方向に延在する壁
74 第1のコネクタセクション
74a 内周面
76 第2のコネクタセクション
76a 係合セクション
76b ベースセクション
76c 半径方向に延在する前面
76d 半径方向に延在する後面
76e 内周面
78 保持器
78a テーパ面部分
78b、78c、78d 平面部分
80 穴
82 穴
84 第1の歯
84a、84b 傾斜面
84c 端面
85 円周方向に間隔を置いた間隙
86 第2の歯
86a、86b 傾斜面
86c 端面
87 円周方向に間隔を置いた間隙
88 第1の溝
90 第2の溝
129 コネクタ
149 留め具
149a 軸部
149b 後ヘッド
149c 前ヘッド
174 第1のコネクタセクション
176 第2のコネクタセクション
176a 係合セクション
176b ベースセクション
176c 半径方向に延在する前面
176d 半径方向に延在する後面
178 保持器
178a テーパ面部分
178b、178c、178d 平面部分
178e 外周面
188 第1の溝
190 第2の溝
192 保持リング
194 ダイアフラムスプリング
図1
図2
図3
図4
図5
図6