(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-17
(45)【発行日】2023-03-28
(54)【発明の名称】ヘテロジニアスオペレーティングシステムに基づくメッセージ伝送システム、方法及び車両
(51)【国際特許分類】
H04L 67/51 20220101AFI20230320BHJP
H04L 67/12 20220101ALI20230320BHJP
【FI】
H04L67/51
H04L67/12
(21)【出願番号】P 2021557441
(86)(22)【出願日】2020-03-12
(86)【国際出願番号】 CN2020079037
(87)【国際公開番号】W WO2020192443
(87)【国際公開日】2020-10-01
【審査請求日】2021-10-28
(31)【優先権主張番号】201910242370.9
(32)【優先日】2019-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510177809
【氏名又は名称】ビーワイディー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【氏名又は名称】村井 康司
(72)【発明者】
【氏名】林国▲鋒▼
(72)【発明者】
【氏名】王坤
【審査官】岩田 玲彦
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-182256(JP,A)
【文献】特開2006-127461(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0217818(US,A1)
【文献】特開2003-223341(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/00-12/66
41/00-101/695
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のオペレーティングシステムを有する第1のメッセージ受信端と、
前記第1のオペレーティングシステムを有する第1のメッセージ転送エージェントと、
前記第1のオペレーティングシステムとは異なる第2のオペレーティングシステムを有する第2のメッセージ送信端と、を備え、
前記第1のメッセージ転送エージェントは、それぞれ前記第1のメッセージ受信端と前記第2のメッセージ送信端に接続され、前記第2のメッセージ送信端と前記第1のメッセージ受信端との間にメッセージ伝送を行い、
前記第1のメッセージ受信端は、N個(Nは1より大きい正の整数である)存在し、各第1のメッセージ受信端は、サービス識別子を有し、
前記第1のメッセージ転送エージェントは、
前記第2のメッセージ送信端から送信された第1のメッセージを受信し、
前記第1のメッセージにおけるサービス識別子と一致する第1のターゲットメッセージ受信端を取得し、
前記第1のメッセージを前記第1のターゲットメッセージ受信端に転送し、
前記第1のターゲットメッセージ受信端は、N個の前記第1のメッセージ受信端のうちの少なくとも1つであることを特徴とする、
ヘテロジニアスオペレーティングシステムに基づくメッセージ伝送システム。
【請求項2】
前記第1のオペレーティングシステムを有する第1のメッセージ送信端と、
前記第2のオペレーティングシステムを有する第2のメッセージ転送エージェントと、
前記第2のオペレーティングシステムを有する第2のメッセージ受信端と、
をさらに備え、
前記第2のメッセージ転送エージェントは、前記第1のメッセージ送信端と前記第2のメッセージ受信端にそれぞれ接続され、前記第1のメッセージ送信端と前記第2のメッセージ受信端との間にメッセージ伝送を行うことを特徴とする、
請求項1に記載のヘテロジニアスオペレーティングシステムに基づくメッセージ伝送システム。
【請求項3】
前記第1のメッセージ転送エージェントと前記第1のメッセージ受信端は、指定された第1のIPアドレス及び第1のポート番号を介して通信接続され、
前記第1のメッセージ転送エージェントと前記第2のメッセージ送信端は、指定された第1のIPアドレス及び第1のポート番号を介して通信接続され、
前記第1のIPアドレス及び第1のポート番号は、前記第1のメッセージ転送エージェントにバインディングされる、
請求項1又は2に記載のヘテロジニアスオペレーティングシステムに基づくメッセージ伝送システム。
【請求項4】
前記第2のメッセージ転送エージェントと前記第1のメッセージ送信端は、指定された第2のIPアドレス及び第2のポート番号を介して接続され、
前記第2のメッセージ転送エージェントと前記第2のメッセージ受信端は、指定された第2のIPアドレス及び第2のポート番号を介して通信接続され、
前記第2のIPアドレス及び第2のポート番号は、前記第2のメッセージ転送エージェントにバインディングされることを特徴とする、
請求項2に記載のヘテロジニアスオペレーティングシステムに基づくメッセージ伝送システム。
【請求項5】
前記第2のメッセージ送信端はさらに、前記第1のメッセージに対してシリアライズ処理を行い、かつ前記第1のメッセージ転送エージェントにシリアライズされた第1のメッセージを送信し、
前記第1のメッセージ転送エージェントはさらに、シリアライズされた第1のメッセージを前記第1のターゲットメッセージ受信端に転送し、
前記第1のターゲットメッセージ受信端はさらに、シリアライズされた第1のメッセージに対してデシリアライズ処理を行って、前記第1のメッセージを取得することを特徴とする、
請求項
1に記載のヘテロジニアスオペレーティングシステムに基づくメッセージ伝送システム。
【請求項6】
前記第2のメッセージ送信端はさらに、前記第1のメッセージに対して暗号化処理を行い、かつ前記第1のメッセージ転送エージェントに暗号化された第1のメッセージを送信し、
前記第1のメッセージ転送エージェントはさらに、暗号化された第1のメッセージを前記第1のターゲットメッセージ受信端に転送し、
前記第1のターゲットメッセージ受信端はさらに、暗号化された第1のメッセージを復号して、前記第1のメッセージを取得することを特徴とする、
請求項
1~5のいずれか1項に記載のヘテロジニアスオペレーティングシステムに基づくメッセージ伝送システム。
【請求項7】
前記第1のオペレーティングシステムを有する第1のメッセージ送信端と、
前記第2のオペレーティングシステムを有する第2のメッセージ転送エージェントと、
前記第2のオペレーティングシステムを有する第2のメッセージ受信端と、
をさらに備え、
前記第2のメッセージ転送エージェントは、前記第1のメッセージ送信端と前記第2のメッセージ受信端にそれぞれ接続され、前記第1のメッセージ送信端と前記第2のメッセージ受信端との間にメッセージ伝送を行い、
前記第2のメッセージ受信端は、M個(Mは1より大きい正の整数である)であり、サービス識別子を有し、
前記第2のメッセージ転送エージェントはさらに、前記第1のメッセージ送信端から送信された第2のメッセージを受信し、前記第2のメッセージにおけるサービス識別子と一致する第2のターゲットメッセージ受信端を取得し、かつ前記第2のメッセージを前記第2のターゲットメッセージ受信端に転送し、
前記第2のターゲットメッセージ受信端は、M個の前記第2のメッセージ受信端のうちの少なくとも1つであることを特徴とする、
請求項1、3~
6のいずれか1項に記載のヘテロジニアスオペレーティングシステムに基づくメッセージ伝送システム。
【請求項8】
第1のメッセージ転送エージェントにより第1のメッセージ受信端と第2のメッセージ送信端との間にメッセージを伝送することを特徴とする、請求項1~
7のいずれか1項に記載のヘテロジニアスオペレーティングシステムに基づくメッセージ伝送システム
によるメッセージ伝送方法であって、
前記第1のメッセージ転送エージェントにより、前記第2のメッセージ送信端から送信された第1のメッセージを受信し、前記第1のメッセージにおけるサービス識別子と一致する第1のターゲットメッセージ受信端を取得し、かつ前記第1のメッセージを前記第1のターゲットメッセージ受信端に転送し、
前記第1のターゲットメッセージ受信端は、N個の前記第1のメッセージ受信端のうちの少なくとも1つであり、Nが1より大きい正の整数であることを特徴とする、
メッセージ伝送方法。
【請求項9】
前記第2のメッセージ送信端により、前記第1のメッセージにシリアライズ処理を行い、かつ前記第1のメッセージ転送エージェントにシリアライズされた第1のメッセージを送信し、
前記第1のメッセージ転送エージェントにより、シリアライズされた第1のメッセージを前記第1のターゲットメッセージ受信端に転送し、
前記第1のターゲットメッセージ受信端により、シリアライズされた第1のメッセージに対してデシリアライズ処理を行って、前記第1のメッセージを取得することを特徴とする、
請求項
8に記載のメッセージ伝送方法。
【請求項10】
前記第2のメッセージ送信端により、前記第1のメッセージに対して暗号化処理し、かつ前記第1のメッセージ転送エージェントに暗号化された第1のメッセージを送信し、
前記第1のメッセージ転送エージェントにより、暗号化された第1のメッセージを前記第1のターゲットメッセージ受信端に転送し、
前記第1のターゲットメッセージ受信端により、暗号化された第1のメッセージを復号して、前記第1のメッセージを取得することを特徴とする、
請求項
8又は9に記載のメッセージ伝送方法。
【請求項11】
請求項1~
7のいずれか1項に記載のヘテロジニアスオペレーティングシステムに基づくメッセージ伝送システムを備えることを特徴とする、車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本開示は、ビーワイディー カンパニー リミテッドが2019年3月28日に提出した、発明の名称が「ヘテロジニアスオペレーティングシステムに基づくメッセージ伝送システム、方法及び車両」の、中国特許出願第「201910242370.9」号の優先権を主張するものである。
【0002】
本開示は、車両の技術分野に関し、特にヘテロジニアスオペレーティングシステムに基づくメッセージ伝送システム、方法及び車両に関する。
【背景技術】
【0003】
自動車の電子化の継続的な浸透に伴い、ダッシュボード、センターディスプレイ、車載情報娯楽システム端末は、アップグレード及び統合に直面し、現在のプロセッサ技術の発展は、全液晶メーター、車載情報娯楽システム、自動車ネットワークモジュール、HUD等の統合にハードウェア基礎を提供する。このような統合は、オペレーティングシステム及びソフトウェア規模の拡大を必然的にもたらし、複数のオペレーティングシステム間の通信問題は特に重要になり、車両システム全体の安定性及び安全性に関わる。したがって、どのように車両中の複数のオペレーティングシステムにおける複数の装置間の相互通信を実現するかは、早急に解決する必要がある問題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、上記技術的課題の1つを少なくともある程度解決することを目的とする。
【0005】
このために、本開示は、ヘテロジニアスオペレーティングシステムに基づくメッセージ伝送システムを提供することを第1の目的とし、該システムにより、第2のオペレーティングシステムに搭載された第2のメッセージ送信端が第1のメッセージ転送エージェントにより第2のオペレーティングシステムに搭載された第2のメッセージ受信端とのメッセージ通信を実現することができ、異なるオペレーティングシステムに搭載された装置の相互通信を容易にする。
【0006】
本開示は、ヘテロジニアスオペレーティングシステムに基づくメッセージ伝送方法を提供することを第2の目的とする。
【0007】
本開示は、車両を提供することを第3の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本開示の第1の態様の実施例に係るヘテロジニアスオペレーティングシステムに基づくメッセージ伝送システムは、第1のオペレーティングシステム及び第2のオペレーティングシステムを含み、前記第1のオペレーティングシステムは、第2のオペレーティングシステムと異なり、前記第1のオペレーティングシステムに対応するネットワークトポロジ構造は、第1のメッセージ転送エージェント及び第1のメッセージ受信端を含み、前記第2のオペレーティングシステムに対応するネットワークトポロジ構造は、第2のメッセージ送信端を含み、前記第1のメッセージ転送エージェントは、それぞれ前記第1のメッセージ受信端と前記第2のメッセージ送信端に接続され、前記第2のメッセージ送信端と前記第1のメッセージ受信端との間にメッセージ伝送を行う。
【0009】
本開示の実施例のヘテロジニアスオペレーティングシステムに基づくメッセージ伝送システムでは、第2のオペレーティングシステムにおける第2のメッセージ送信端は、第1のメッセージ転送エージェントと接続され、かつ第1のオペレーティングシステムにおける第1のメッセージ受信端は、第1のメッセージ転送エージェントと接続されている。これにより、第2のオペレーティングシステムに搭載された第2のメッセージ送信端が第1のメッセージ転送エージェントにより第1のオペレーティングシステムに搭載された第1のメッセージ受信端とのメッセージ通信を実現することができ、異なるオペレーティングシステムに搭載された装置の相互通信を容易にする。
【0010】
上記目的を達成するために、本開示の第2の態様の実施例に係るヘテロジニアスオペレーティングシステムに基づくメッセージ伝送システムによる、ヘテロジニアスオペレーティングシステムに基づくメッセージ伝送方法は、第1のメッセージ転送エージェントにより第1のメッセージ受信端と第2のメッセージ送信端との間にメッセージ伝送を行う。
【0011】
本開示の実施例のヘテロジニアスオペレーティングシステムに基づくメッセージ伝送方法では、第2のオペレーティングシステムにおける第2のメッセージ送信端を第1のメッセージ転送エージェントと接続し、かつ第1のオペレーティングシステムにおける第1のメッセージ受信端を第1のメッセージ転送エージェントと接続する。これにより、第2のオペレーティングシステムに搭載された第2のメッセージ送信端が第1のメッセージ転送エージェントにより第1のオペレーティングシステムに搭載された第1のメッセージ受信端とのメッセージ通信を実現することができ、異なるオペレーティングシステムに搭載された装置の相互通信を容易にする。
【0012】
上記目的を達成するために、本開示の第3の態様の実施例に係る車両は、本開示の第1の態様の実施例に係るヘテロジニアスオペレーティングシステムに基づくメッセージ伝送システムを含む。
【0013】
本開示の付加的な態様及び利点は、一部が以下の説明において示され、一部が以下の説明において明らかになるか、又は、本開示の実践により把握される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
以下、本開示の上記及び/又は付加的な態様及び利点は、図面を参照して実施例を説明することにより明らかになり、理解されやすくなる。
【0015】
【
図1】本開示の一実施例に係るヘテロジニアスオペレーティングシステムに基づくメッセージ伝送システムの概略構成図である。
【
図2】本開示の別の実施例に係るヘテロジニアスオペレーティングシステムに基づくメッセージ伝送システムの概略構成図である。
【
図3】本開示の実施例のメッセージ送信端が実行する処理プロセスの概略図である。
【
図4】本開示の実施例のメッセージ転送エージェントが実行する処理プロセスの概略図である。
【
図5】本開示の実施例のメッセージ受信端が実行する処理プロセスの概略図である。
【
図6】本開示の別の実施例のヘテロジニアスオペレーティングシステムに基づくメッセージ伝送システムの概略構成図である。
【
図7】本開示の一実施例のヘテロジニアスオペレーティングシステムに基づくメッセージ伝送方法のフローチャートである。
【
図8】本開示の別の実施例のヘテロジニアスオペレーティングシステムに基づくメッセージ伝送方法のフローチャートである。
【
図9】本開示の別の実施例のヘテロジニアスオペレーティングシステムに基づくメッセージ伝送システムの概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本開示の実施例を詳細に説明し、実施例の例を図面に示すが、一貫して同一又は類似の符号は、同一又は類似の部品、或いは、同一又は類似の機能を有する部品を表す。以下、図面を参照しながら説明される実施例は、例示的なものに過ぎず、本開示を解釈するものであり、本開示を限定するものであると理解すべきではない。
【0017】
以下、図面を参照しながら本開示の実施例のヘテロジニアスオペレーティングシステムに基づくメッセージ伝送システム、方法及び車両を説明する。
【0018】
図1は、本開示の一実施例に係るヘテロジニアスオペレーティングシステムに基づくメッセージ伝送システムの概略構成図である。
【0019】
なお、本開示の実施例について、メッセージ伝送システムにおけるヘテロジニアスオペレーティングシステムの数が2つである場合を例として説明する。
【0020】
なお、本開示におけるメッセージ伝送システムは、同じ装置に位置し、例えば、車両に搭載することができる。
【0021】
図1に示すように、該メッセージ伝送システムは、第1のオペレーティングシステム10及び第2のオペレーティングシステム20を含み、第1のオペレーティングシステム10は、第2のオペレーティングシステム20と異なり、第1のオペレーティングシステム10に対応するネットワークトポロジ構造は、第1のメッセージ転送エージェント101及び第1のメッセージ受信端102を含み、第2のオペレーティングシステム20に対応するネットワークトポロジ構造は、第2のメッセージ送信端201を含む。
第1のメッセージ転送エージェント101は、それぞれ第1のメッセージ受信端102と第2のメッセージ送信端201に接続され、第2のメッセージ送信端201と第1のメッセージ受信端102との間にメッセージ伝送を行う。
【0022】
理解すべきこととして、第1のオペレーティングシステム10に位置する第1のメッセージ転送エージェント101及び第1のメッセージ受信端102については、第1のメッセージ転送エージェント101及び第1のメッセージ受信端102が有するオペレーティングシステムは、第1のオペレーティングシステムであり、すなわち、第1のメッセージ転送エージェント101及び第1のメッセージ受信端102は、第1のオペレーティングシステムを有する装置である。
【0023】
本開示の実施例では、第2のオペレーティングシステムにおける第2のメッセージ送信端は、第1のメッセージ転送エージェントと接続され、かつ第1のオペレーティングシステムにおける第1のメッセージ受信端は、第1のメッセージ転送エージェントと接続されている。これにより、第2のオペレーティングシステムに搭載された第2のメッセージ送信端が第1のメッセージ転送エージェントにより第1のオペレーティングシステムに搭載された第1のメッセージ受信端とのメッセージ通信を実現することができ、異なるオペレーティングシステムに搭載された装置の相互通信を容易にする。
【0024】
第1のメッセージ転送エージェント101は、メッセージ送信端とメッセージ受信端との間のデータ転送にチャネルを提供する。
【0025】
本開示の一実施例では、実際の応用において、第2のオペレーティングシステム20における第2のメッセージ送信端201が第1のオペレーティングシステム10における第1のメッセージ受信端102と通信する必要があるだけでなく、第2のオペレーティングシステム20におけるメッセージ受信端が第1のオペレーティングシステム10におけるメッセージ送信端と通信できる必要を満たすために、例示的な実施形態として、
図2に示すように、該第1のオペレーティングシステム10に対応するネットワークトポロジ構造はさらに、第1のメッセージ送信端103を含み、第2のオペレーティングシステム20に対応するネットワークトポロジ構造はさらに、第2のメッセージ転送エージェント202及び第2のメッセージ受信端203を含む。
第2のメッセージ転送エージェント202は、それぞれ第1のメッセージ送信端103と第2のメッセージ受信端203に接続され、第1のメッセージ送信端103と第2のメッセージ受信端203との間にメッセージ伝送を行う。
【0026】
本開示の実施例では、第1のオペレーティングシステムにおける第1のメッセージ送信端は、第2のメッセージ転送エージェントと接続され、かつ第2のオペレーティングシステムにおける第2のメッセージ受信端は、第2のメッセージ転送エージェントと接続されている。これにより、第1のオペレーティングシステムに搭載された第1のメッセージ送信端が第2のメッセージ転送エージェントにより第2のオペレーティングシステムに搭載された第2のメッセージ受信端とのメッセージ通信を実現することができ、異なるオペレーティングシステムに搭載された装置の相互通信を容易にする。
【0027】
本開示の一実施例では、通信の安全性を向上させるために、例示的な実施形態として、第1のメッセージ転送エージェント101と第1のメッセージ受信端102は、指定された第1のIPアドレス及び第1のポート番号を介して通信接続され、第1のメッセージ転送エージェント101と第2のメッセージ送信端201は、指定された第1のIPアドレス及び第1のポート番号を介して通信接続され、第1のIPアドレス及び第1のポート番号は、第1のメッセージ転送エージェント101にバインディングされる。
【0028】
具体的には、第1のメッセージ受信端102については、第1のメッセージ受信端102が第2のメッセージ送信端201にサービスを提供することができるように、対応する第1のメッセージ受信端102を第1のオペレーティングシステム10に対応するネットワークトポロジ構造に追加すると、第1のメッセージ受信端102は、第1のメッセージ転送エージェント101に接続要求を送信し、接続要求は、第1のメッセージ転送エージェント101に対応する第1のIPアドレス及び第1のポート番号を含む。
【0029】
それに対応して、第1のメッセージ転送エージェント101は、第1のメッセージ受信端102の接続要求を受信して識別し、接続要求を受けると、第1のメッセージ受信端102と第1のメッセージ転送エージェント101との通信接続を確立する。
【0030】
具体的には、第2のメッセージ送信端201については、第2のメッセージ送信端201が第1のオペレーティングシステム10における、対応するメッセージ受信端と通信することができるように、第2のメッセージ送信端201を第2のオペレーティングシステム20に対応するネットワークトポロジ構造に追加すると、第2のメッセージ送信端201は、第1のメッセージ転送エージェント101に接続要求を送信し、接続要求は、第1のメッセージ転送エージェント101に対応する第1のIPアドレス及び第1のポート番号を含む。
【0031】
それに対応して、第1のメッセージ転送エージェント101は、第2のメッセージ送信端201の接続要求を受信して識別し、接続要求を受けると、第2のメッセージ送信端201と第1のメッセージ転送エージェント101との通信接続を確立する。これにより、第2のメッセージ送信端201は、データを要求する必要がある第1のメッセージ転送エージェント101に接続されて、後続の第2のメッセージ送信端201が第1のメッセージ転送エージェント101により第2のオペレーティングシステム20における、対応するメッセージ受信端との通信を容易にする。
【0032】
本開示の一実施例では、通信の安全性を向上させるために、第2のメッセージ転送エージェント202と第1のメッセージ送信端103は、指定された第2のIPアドレス及び第2のポート番号を介して接続され、第2のメッセージ転送エージェント202と第2のメッセージ受信端203は、指定された第2のIPアドレス及び第2のポート番号を介して通信接続され、第2のIPアドレス及び第2のポート番号は、第2のメッセージ転送エージェント202にバインディングされる。
【0033】
具体的には、第2のメッセージ受信端203については、第2のメッセージ受信端203が第1のメッセージ送信端103にサービスを提供することができるように、対応する第2のメッセージ受信端203を第2のオペレーティングシステム20に対応するネットワークトポロジ構造に追加すると、第2のメッセージ受信端203は、第2のメッセージ転送エージェント202に接続要求を送信し、接続要求は、第2のメッセージ転送エージェント202に対応する第2のIPアドレス及び第2のポート番号を含む。
【0034】
それに対応して、第2のメッセージ転送エージェント202は、第2のメッセージ受信端203の接続要求を受信して識別し、接続要求を受けると、第2のメッセージ受信端203と第2のメッセージ転送エージェント202との通信接続を確立する。
【0035】
具体的には、第1のメッセージ送信端103については、第1のメッセージ送信端103が第2のオペレーティングシステム20におけるメッセージ受信端と通信することができるように、第1のメッセージ送信端103を第1のオペレーティングシステム10に対応するネットワークトポロジ構造に追加すると、第1のメッセージ送信端103は、第2のメッセージ転送エージェント202に接続要求を送信し、接続要求は、第2のメッセージ転送エージェント202に対応する第2のIPアドレス及び第2のポート番号を含む。
【0036】
それに対応して、第2のメッセージ転送エージェント202は、第1のメッセージ送信端103の接続要求を受信して識別し、接続要求を受けると、第1のメッセージ送信端103と第2のメッセージ転送エージェント202との通信接続を確立する。これにより、第1のメッセージ送信端103は、データを要求する必要がある第2のメッセージ転送エージェント202に接続されて、後続の第1のメッセージ送信端103が第2のメッセージ転送エージェント202により第2のオペレーティングシステム20におけるメッセージ受信端との通信を容易にする。
【0037】
本開示の一実施例では、第1のオペレーティングシステム10が他のオペレーティングシステムに様々なサービスを提供することができるように、第1のメッセージ受信端102は、N個(Nは1より大きい正の整数である)であり、サービス識別子を有する。
【0038】
第1のメッセージ転送エージェント101はさらに、第2のメッセージ送信端201から送信された第1のメッセージを受信し、第1のメッセージにおけるサービス識別子と一致する第1のターゲットメッセージ受信端を取得し、かつ第1のメッセージを第1のターゲットメッセージ受信端に転送し、第1のターゲットメッセージ受信端は、N個の第1のメッセージ受信端102のうちの少なくとも1つである。
【0039】
なお、負荷分散の目的を達成するために、例示的な実施形態として、複数の第1のメッセージ受信端102に対して、同じサービス識別子を設定することができるが、各第1のメッセージ受信端102については、各第1のメッセージ受信端102は、1つのサービス識別子に対応する。
【0040】
理解すべきこととして、サービス識別子は、サービスタイプに対応し、異なるサービスタイプであれば、それらに対応するサービス識別子は異なる。
【0041】
例示的な実施形態として、第1のメッセージ受信端102に対応するサービス識別子は、対応する第1のメッセージ受信端102を第1のオペレーティングシステム10に対応するネットワークトポロジ構造に追加した後に設定したものであってよい。
【0042】
例示的な実施形態として、異なるオペレーティングシステムにある2つの装置の間に相互通信を行うことで、メッセージ伝送における拡張性問題を解決することができるように、第2のメッセージ送信端201はさらに、第1のメッセージにシリアライズ処理を行い、かつ第1のメッセージ転送エージェント101にシリアライズされた第1のメッセージを送信する。
【0043】
第1のメッセージ転送エージェント101はさらに、シリアライズされた第1のメッセージを第1のターゲットメッセージ受信端に転送する。
【0044】
それに対応して、第1のターゲットメッセージ受信端はさらに、シリアライズされた第1のメッセージにデシリアライズ処理を行って、第1のメッセージを取得する。
【0045】
本開示の実施例では、シリアライズ及びデシリアライズの伝送技術を採用して、伝送されたメッセージを処理することにより、ヘテロジニアスオペレーティングシステムにおいてユーザデータの伝送をより容易に実現することができる。
【0046】
メッセージ伝送の安全性を向上させるために、例示的な実施形態として、第2のメッセージ送信端201はさらに、第1のメッセージに対して暗号化処理を行い、かつ第1のメッセージ転送エージェント101に暗号化された第1のメッセージを送信する。
【0047】
第1のメッセージ転送エージェント101はさらに、暗号化された第1のメッセージを第1のターゲットメッセージ受信端に転送する。
それに対応して、第1のターゲットメッセージ受信端はさらに、暗号化された第1のメッセージを復号して、第1のメッセージを取得する。
【0048】
本開示の別の実施例では、異なるオペレーティングシステムの間の装置のメッセージ伝送を容易にし、かつメッセージ伝送の安全性を向上させるために、本開示の実施例における第2のメッセージ送信端201はさらに、第1のメッセージに対してシリアライズ処理を行い、かつシリアライズされた第1のメッセージに対して暗号化処理を行い、かつ暗号化されたメッセージを第1のメッセージ転送エージェント101に送信する。
【0049】
それに対応して、第1のメッセージ転送エージェント101はさらに、第2のメッセージ送信端201から送信されたメッセージを第1のターゲットメッセージ受信端に転送する。
【0050】
それに対応して、第1のターゲットメッセージ受信端はさらに、受信されたメッセージに対して復号処理とデシリアライズ処理を行って、第2のメッセージ送信端201から送信された第1のメッセージを取得する。
【0051】
本開示の一実施例では、第2のオペレーティングシステム20が様々なサービスを提供することができるように、第2のメッセージ受信端203は、M個(Mは1より大きい正の整数である)であり、サービス識別子を有する。
第2のメッセージ転送エージェント202はさらに、第1のメッセージ送信端103から送信された第2のメッセージを受信し、第2のメッセージにおけるサービス識別子と一致する第2のターゲットメッセージ受信端を取得し、かつ第2のメッセージを第2のターゲットメッセージ受信端に転送する。
【0052】
第2のターゲットメッセージ受信端は、M個の第2のメッセージ受信端203のうちの少なくとも1つである。
【0053】
なお、負荷分散の目的を達成するために、例示的な実施形態として、複数の第2のメッセージ受信端203に対して、同じサービス識別子を設定することができるが、各第2のメッセージ受信端203については、各第2のメッセージ受信端203は、1つのサービス識別子に対応する。
【0054】
サービス識別子は、サービスタイプに対応し、異なるサービスタイプであれば、それらに対応するサービス識別子は異なる。
【0055】
例示的な実施形態として、第2のメッセージ受信端203に対応するサービス識別子は、対応する第2のメッセージ受信端203を第2のオペレーティングシステム20に対応するネットワークトポロジ構造に追加した後に設定したものである。
【0056】
なお、第2のオペレーティングシステム20における第2のメッセージ送信端201と同様に、第1のオペレーティングシステム10における第1のメッセージ送信端103はさらに、第2のメッセージに第1の前処理を行うことができ、上記第1の前処理は、シリアライズ処理と暗号化処理の少なくとも1つを含む。
【0057】
それに対応して、第2のメッセージ転送エージェント202はさらに、第1の前処理後の第2のメッセージを対応する第2のターゲットメッセージ受信端に転送することができる。
【0058】
それに対応して、第2のターゲットメッセージ受信端は、受信した第2のメッセージに対して第2の前処理を行って、ユーザによって送信された第2のメッセージを取得することができ、第2の前処理は、デシリアライズ処理と復号処理の少なくとも1つを含む。
【0059】
なお、任意のオペレーティングシステムにおけるメッセージ送信端については、メッセージ送信端の処理プロセスの概略は、
図3に示すとおりであり、以下、
図3を参照して該実施例におけるメッセージ送信端が実行する処理プロセスを説明し、具体的には、以下のステップ301~ステップ312を含むことができる。
【0060】
ステップ301では、メッセージ送信端を、データを要求する必要があるメッセージ転送エージェントに接続する。
【0061】
ステップ302では、ユーザ要求メッセージを待つ。
【0062】
ステップ303では、シリアライズ操作を行う。
【0063】
具体的には、flatbuffer3を用いてユーザ要求メッセージをシリアライズする。
【0064】
ステップ304では、暗号化アルゴリズムでステップ303で生成されたデータを暗号化する。
【0065】
ステップ305では、データをスタックにプッシュする。
【0066】
具体的には、ステップ304で生成されたデータをスタックにプッシュする。
【0067】
ステップ306では、HEADサービス識別子をスタックにプッシュする。
【0068】
ステップ307では、メッセージソース識別子をスタックにプッシュする。
【0069】
ステップ308では、ヌルフレーム+IPアドレスをスタックにプッシュする。
【0070】
ステップ309では、スタック内のメッセージを送信し、受信待ち状態にする。
【0071】
メッセージ送信端から送信されたメッセージは、フォーマットがHEAD+Payloadの方式であってよい。
【0072】
HEADは、サービス識別子を指し、1個の33bitの符号なし整数から変換された文字列であり、Payloadは、シリアライズされ暗号化されたユーザデータである。
【0073】
メッセージ送信端は、ユーザレベルメッセージに、フォーマットがIPアドレス+ヌルフレーム+メッセージソース識別子であるエンベロープを追加することにより、対応するメッセージ受信端は、サービスメッセージフィールドにより要求されたメッセージ送信端を見つけて、要求応答通信を1回完了することができることを確保する。
【0074】
ステップ310では、メッセージを受信し、エンベロープ及びHEADサービス識別子を取り除く。
【0075】
ステップ311では、ステップ310でのメッセージ本文を復号する。
【0076】
ステップ312では、ステップ310でのメッセージ本文をデシリアライズし、ユーザが処理し、ステップ302に戻る。
【0077】
具体的には、flatbuffer3を用いてステップ310でのメッセージ本文をデシリアライズし、ユーザレベルの処理インタフェースを呼び出す。
【0078】
任意のオペレーティングシステムにおけるメッセージ転送エージェントについては、メッセージ転送エージェントの処理プロセスの概略は、
図4に示すように、具体的には、以下のステップ401~ステップ407を含むことができる。
【0079】
ステップ401では、メッセージ転送エージェントを本システムのIPアドレス及び指定されたポート番号にバインディングする。
【0080】
ステップ402では、メッセージの受信を待つ。
【0081】
ステップ403では、エンベロープを取り除いて解析する。
【0082】
ステップ404では、メッセージがメッセージ送信端からのものであるか否かを判定し、そうであれば、ステップ405を実行し、そうでなければ、ステップ406を実行する。
【0083】
ステップ405では、エンベロープとユーザデータを再カプセル化し、メッセージをメッセージ受信端に送信し、ステップ402に戻る。
【0084】
ステップ406では、メッセージがメッセージ受信端からのものであるか否かを判定し、そうであれば、ステップ407を実行し、そうでなければ、ステップ402を実行する。
【0085】
ステップ407では、エンベロープとユーザデータを再カプセル化し、メッセージを対応するメッセージ送信端に送信し、ステップ402に戻る。
【0086】
任意のオペレーティングシステムにおけるメッセージ受信端については、メッセージ受信端の処理プロセスの概略は、
図5に示すように、具体的には、以下のステップ501~ステップ509を含むことができる。
【0087】
ステップ501では、メッセージ受信端を生成し、かつ本システムのメッセージ転送エージェントに接続する。
【0088】
具体的には、生成されたメッセージ受信端を本システムのメッセージ転送エージェントに接続した後、さらに該メッセージ受信端にサービス識別子を設定することができる。
【0089】
ステップ502では、ユーザ要求メッセージの受信を待つ。
【0090】
ステップ503では、ユーザメッセージを受信してから、エンベロープ及びメッセージ本文を取り除く。
【0091】
ステップ504では、ステップ503で生成されたメッセージ本文を復号する。
【0092】
ステップ505では、ステップ504で生成されたデータをデシリアライズする。
【0093】
例示的な実施形態として、ステップ504で生成されたデータを、flatbuffer4を用いてデシリアライズすることができる。
【0094】
flatbuffer4は、データをシリアライズしデシリアライズするツールである。
【0095】
ステップ506では、ユーザ応答データを生成する。
【0096】
具体的には、ステップ505で生成されたデータをユーザレベルに使用し、かつユーザ応答データを生成する。
【0097】
ステップ507では、ユーザレベルの応答データをシリアライズする。
【0098】
例示的な実施形態として、flatbuffer4を用いてステップ505で生成されたデータに対してシリアライズ処理を行うことができる。
【0099】
ステップ508では、ステップ507で生成されたデータを暗号化する。
【0100】
ステップ509では、ステップ508のメッセージ本文をカプセル化されたエンベロープと共に本オペレーティングシステムにおけるメッセージ転送エージェントに転送し、ステップ502に戻る。
【0101】
理解すべきこととして、本開示の実施例のヘテロジニアスオペレーティングシステムに基づくメッセージ伝送システムは、K個のオペレーティングシステムを含み、K個のオペレーティングシステムがそれぞれ異なる。
【0102】
Kは、2以上の正の整数である。
【0103】
K個のオペレーティングシステムのうちの任意の2つのオペレーティングシステムについては、2つのオペレーティングシステムの間のメッセージ通信方式は、上記第1のオペレーティングシステムと第2のオペレーティングシステムとの間のメッセージ通信方式と同じであり、ここでは説明を省略する。
【0104】
例えば、Kは3であり、3つのオペレーティングシステムは、それぞれAndroidシステム、QNXシステム及びLinux(登録商標)システムであってよく、各オペレーティングシステムは、3つのメッセージ受信端、2つのメッセージ送信端及び1つのメッセージ転送エージェントを含むと仮定し、3つのオペレーティングシステムに対応するネットワークトポロジ構造の概略構成図は、
図6に示すとおりである。
図6から分かるように、各オペレーティングシステムにおける3つのメッセージ受信端は、いずれも本オペレーティングシステムのメッセージ転送エージェントに接続され、各オペレーティングシステムにおける2つのメッセージ送信端は、それぞれ他のオペレーティングシステムのメッセージ転送エージェントに接続される。
【0105】
なお、ユーザが対応するオペレーティングシステムに新しいメッセージ受信端及びメッセージ送信端の少なくとも1つを追加する必要がある場合、既存のメッセージ受信端とメッセージ送信端の設定を変更する必要がなく、ユーザは、必要に応じて対応するオペレーティングシステムにおいて、対応する通信ネットワークを構築することができ、オペレーティングシステムのネットワークトポロジ構造が変化しない。
【0106】
なお、QNXシステムは、リアルタイムで、埋め込み式で、マイクロカーネルで、優先度に基づくもので、メッセージ伝送用で、プリエンプティブ式マルチタスクで、マルチユーザであり、フォールトトレラント能力を持つ分散型ネットワークオペレーティングシステムである。
【0107】
本発明に係る、
図1又は
図2に示すヘテロジニアスオペレーティングシステムに基づくメッセージ伝送システムによる、ヘテロジニアスオペレーティングシステムに基づくメッセージ伝送方法は、第1のメッセージ転送エージェントにより第1のメッセージ受信端と第2のメッセージ送信端との間にメッセージ伝送を行う。
【0108】
本開示の実施例では、第2のオペレーティングシステムにおける第2のメッセージ送信端は、第1のメッセージ転送エージェントと接続され、かつ第1のオペレーティングシステムにおける第1のメッセージ受信端は、第1のメッセージ転送エージェントと接続されている。これにより、第2のオペレーティングシステムに搭載された第2のメッセージ送信端が第1のメッセージ転送エージェントにより第1のオペレーティングシステムに搭載された第1のメッセージ受信端とのメッセージ通信を実現することができ、異なるオペレーティングシステムに搭載された装置の相互通信を容易にする。
【0109】
本開示の一実施例では、第1のメッセージ転送エージェントにより、第2のメッセージ送信端から送信された第1のメッセージを受信し、第1のメッセージにおけるサービス識別子と一致する第1のターゲットメッセージ受信端を取得し、かつ第1のメッセージを第1のターゲットメッセージ受信端に転送し、第1のターゲットメッセージ受信端は、N個の第1のメッセージ受信端のうちの少なくとも1つであり、Nは1より大きい正の整数である。
【0110】
本開示の一実施例では、異なるヘテロジニアスオペレーティングシステムの間のメッセージ伝送をさらに容易にするために、
図7に示すように、該メッセージ伝送方法はさらに、以下のステップ701~ステップ703を含むことができる。
【0111】
ステップ701では、第2のメッセージ送信端により第1のメッセージに対してシリアライズ処理を行い、かつ第1のメッセージ転送エージェントにシリアライズされた第1のメッセージを送信する。
【0112】
ステップ702では、第1のメッセージ転送エージェントにより、シリアライズされた第1のメッセージを第1のターゲットメッセージ受信端に転送する。
【0113】
ステップ703では、第1のターゲットメッセージ受信端により、シリアライズされた第1のメッセージに対してデシリアライズ処理を行って、第1のメッセージを取得する。
【0114】
本開示の一実施例では、メッセージ通信の安全性を向上させるために、
図8に示すように、該メッセージ伝送方法はさらに、以下のステップ801~ステップ803を含むことができる。
【0115】
ステップ801では、第2のメッセージ送信端により第1のメッセージに対して暗号化処理を行い、かつ第1のメッセージ転送エージェントに暗号化された第1のメッセージを送信する。
【0116】
ステップ802では、第1のメッセージ転送エージェントにより、暗号化された第1のメッセージを第1のターゲットメッセージ受信端に転送する。
【0117】
ステップ803では、第1のターゲットメッセージ受信端により、暗号化された第1のメッセージを復号して、第1のメッセージを取得する。
【0118】
本開示の一実施例では、2つのオペレーティングシステムの間が通信できることを保証すると共に、通信の安全性を向上させるために、
図9に示すように、該メッセージ伝送方法はさらに、以下のステップ901~ステップ908を含むことができる。
【0119】
ステップ901では、第2のメッセージ送信端により、第1のメッセージに対してシリアライズ処理を行って、バイトストリームを取得する。
【0120】
ステップ902では、第2のメッセージ送信端により、バイトストリームに対して暗号化処理を行い、かつ暗号化されたバイトストリームに対応するデータパケットを生成して、第1のメッセージ転送エージェントにデータパケットを送信する。
【0121】
ステップ903では、第1のメッセージ転送エージェントによりデータパケットを第1のターゲットメッセージ受信端に転送する。
【0122】
ステップ904では、第1のターゲットメッセージ受信端により、データパケットに対して復号処理とデシリアライズ処理を行って、第1のメッセージを取得する。
【0123】
ステップ905では、第1のターゲットメッセージ受信端により、第1のメッセージに基づいて対応する応答情報を生成し、かつ応答情報にシリアライズ処理を行って、対応するバイトストリームを取得する。
【0124】
ステップ906では、第1のターゲットメッセージ受信端により、対応するバイトストリームに対して暗号化処理を行い、かつ暗号化されたバイトストリームに対応するデータパケットを生成して、対応するデータパケットを第1のメッセージ転送エージェントに送信する。
【0125】
ステップ907では、第1のメッセージ転送エージェントにより対応するデータパケットを第2のメッセージ送信端に転送する。
【0126】
ステップ908では、第2のメッセージ送信端により、対応するデータパケットに対して復号処理とデシリアライズ処理を行って、第1のターゲットメッセージ受信端からフィードバックされた応答メッセージを取得する。
【0127】
なお、前述のヘテロジニアスオペレーティングシステムに基づくメッセージ伝送システムについての解釈説明は、該実施例における、ヘテロジニアスオペレーティングシステムに基づくメッセージ伝送方法にも適用され、ここでは説明を省略する。
【0128】
オペレーティングシステムにおけるメッセージ送信端が実行する処理プロセスについては、上記
図3を参照することができ、ここでは説明を省略する。
【0129】
オペレーティングシステムにおけるメッセージ転送エージェントが実行する処理プロセスについては、上記
図4を参照することができ、ここでは説明を省略する。
【0130】
オペレーティングシステムにおけるメッセージ受信端が実行する処理プロセスについては、上記
図5を参照することができ、ここでは説明を省略する。
【0131】
上記実施例を実現するために、本発明はさらに、上記実施例のヘテロジニアスオペレーティングシステムに基づくメッセージ伝送システムを含む車両を提供する。
【0132】
なお、車両にメッセージ伝送システムが含まれる場合、オペレーティングシステムにおけるメッセージ送信端は、車両における、メッセージ送信必要のある装置であり、メッセージ受信端は、車両におけるメッセージフィードバックの装置であってよい。
【0133】
本明細書の説明において、用語の「一実施例」、「いくつかの実施例」、「例」、「具体的な例」又は「いくつかの例」等を参照した説明は、該実施例又は例と組み合わせて説明された具体的な特徴、構造、材料又は特性が本開示の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを意味する。本明細書において、上記用語の例示的な表現は、必ずしも同一の実施例又は例に限定されるものではない。また、説明された具体的な特徴、構造、材料又は特性は、任意の1つ以上の実施例又は例において適切な形態で結合することができる。また、互いに矛盾しない場合、当業者は、本明細書で説明された異なる実施例又は例、及び異なる実施例又は例の特徴を結合し、組み合わせることができる。
【0134】
また、用語「第1の」、「第2の」は、説明目的のためのみに用いられ、相対的な重要性を指示するか又は暗示し、或いは指示された技術的特徴の数量を暗示すると理解すべきではない。これにより、「第1の」、「第2の」で限定された特徴は、少なくとも1つの該特徴を明示的又は暗示的に含むことができる。本開示の説明において、「複数」とは、明確かつ具体的な限定がない限り、少なくとも2つ、例えば2つ、3つなどを意味する。
【0135】
フローチャート又は本開示で他の方式で説明された任意のプロセス又は方法についての説明は、特定のロジック機能又はプロセスのステップを実現するための1つ以上の実行可能な命令を含むコードのモジュール、セグメント又は部分を示すと理解されてよく、また、本開示の好ましい実施形態の範囲は、別の実現を含み、示されたか又は検討された順序ではなく、係る機能に応じてほぼ同時に又は逆の順序で機能を実行してよく、これは、本開示の実施例が属する当業者に理解されるべきである。
【0136】
フローチャートに示されるか又は本開示で他の方式で説明されたロジック及び/又はステップは、例えば、ロジック機能を実現するための実行可能な命令の順序付けられたリストとしてみなされてよく、具体的には、任意のコンピュータ可読媒体に具体的に実現することにより、命令実行システム、装置又は機器(例えば、コンピュータに基づくシステム、プロセッサを含むシステム、又は命令実行システム、装置、又は機器から命令を読み取って命令を実行できる他のシステム)の使用に供し、又はこれらの命令実行システム、装置若しくは機器を組み合わせて使用されてよい。本明細書において、「コンピュータ可読媒体」は、命令実行システム、装置又は機器の使用に供するか、又はこれらの命令実行システム、装置又は機器と組み合わせて使用するように、プログラムを含み、記憶し、通信し、伝播させるか又は伝送する任意の装置であってよい。コンピュータ可読媒体のより具体的な例(非網羅的リスト)は、1つ以上の配線を有する電気接続部(電子装置)、ポータブルコンピュータディスクボックス(磁気装置)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバ装置、及びポータブル読み取り専用メモリ(CDROM)を含む。また、コンピュータ可読媒体はさらに、その上にプログラムを印刷できる紙又は他の適切な媒体であってよいため、例えば、紙又は他の媒体に光学走査を行い、次に編集し、解釈するか又は必要に応じて他の適切な方式で処理することにより電子的にプログラムを取得し、その後に、コンピュータメモリに記憶することができる。
【0137】
理解すべきこととして、本開示の各部分は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア又はそれらの組み合わせで実現することができる。上記実施形態では、複数のステップ又は方法は、メモリに記憶され、かつ適切な命令実行システムにより実行されるソフトウェア又はファームウェアで実現することができる。例えば、ハードウェアで実現すれば、他の実施形態と同様に、データ信号に対してロジック機能を実現するためのロジックゲート回路を有する離散ロジック回路、適切な組み合わせロジックゲート回路を有する特定用途向け集積回路、プログラマブルゲートアレイ(PGA)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)等という本分野の公知技術のうちのいずれか又はそれらの組み合わせで実現することができる。
【0138】
当業者が理解できるように、上記実施例の方法に含まれる全部又は一部のステップを、プログラムにより関連ハードウェアに命令を出して完成させることができ、このプログラムは、コンピュータ可読記憶媒体に記憶することができ、該プログラムが実行される時に、方法の実施例のステップの1つ又はそれらの組み合わせを含む。
【0139】
また、本開示の各実施例における各機能ユニットは、1つの処理モジュールに統合されてもよく、別々に物理的に存在してもよく、2つ又は2つ以上のユニットを1つのモジュールに統合してもよい。上記統合されたモジュールは、ハードウェアの形態で実現されてもよく、ソフトウェア機能モジュールの形態で実現されてもよい。統合されたモジュールは、ソフトウェア機能モジュールの形態で実現され、かつ独立した製品として販売又は使用される場合、コンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよい。
【0140】
上記言及された記憶媒体は、読み出し専用メモリ、磁気ディスク又は光ディスクなどであってよい。以上、本開示の実施例を示し説明したが、上記実施例は例示的なものであり、本開示を限定するものであると理解すべきではなく、当業者であれば、本開示の範囲で上記実施例に対して変更、修正、交換及び変形を行うことができる。
【符号の説明】
【0141】
第1のオペレーティングシステム10、第2のオペレーティングシステム20、第1のメッセージ転送エージェント101、第1のメッセージ受信端102、第1のメッセージ送信端103、第2のメッセージ送信端201、第2のメッセージ転送エージェント202、第2のメッセージ受信端203。