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特許7247389SSAO阻害剤として有用なアミノピリミジン化合物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-17
(45)【発行日】2023-03-28
(54)【発明の名称】SSAO阻害剤として有用なアミノピリミジン化合物
(51)【国際特許分類】
   C07D 239/47 20060101AFI20230320BHJP
   C07D 471/10 20060101ALI20230320BHJP
   C07D 401/04 20060101ALI20230320BHJP
   C07D 401/14 20060101ALI20230320BHJP
   C07D 403/04 20060101ALI20230320BHJP
   A61K 31/506 20060101ALI20230320BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230320BHJP
【FI】
C07D239/47 Z
C07D471/10 101
C07D401/04
C07D401/14
C07D403/04
A61K31/506
A61P43/00 111
【請求項の数】 22
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022025774
(22)【出願日】2022-02-22
(62)【分割の表示】P 2019543810の分割
【原出願日】2018-02-07
(65)【公開番号】P2022068325
(43)【公開日】2022-05-09
【審査請求日】2022-02-22
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2017/000157
(32)【優先日】2017-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2017/117791
(32)【優先日】2017-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】594197872
【氏名又は名称】イーライ リリー アンド カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100126778
【弁理士】
【氏名又は名称】品川 永敏
(74)【代理人】
【識別番号】100162684
【弁理士】
【氏名又は名称】呉 英燦
(74)【代理人】
【識別番号】100150500
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 靖
(74)【代理人】
【識別番号】100176474
【弁理士】
【氏名又は名称】秋山 信彦
(72)【発明者】
【氏名】ファン・モンヤン
(72)【発明者】
【氏名】チン・ルオヘン
(72)【発明者】
【氏名】ウェイ・イー
(72)【発明者】
【氏名】ジョウ・グオチアン
(72)【発明者】
【氏名】ジョウ・ジンイェ
【審査官】中島 芳人
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-527717(JP,A)
【文献】特表2011-504485(JP,A)
【文献】国際公開第2011/034078(WO,A1)
【文献】特表2015-521167(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K 31/
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式1:
【化1】

[式中、
R1は、
【化2】
からなる群から選択され;
R2は、H、-C(O)NH、-C(O)NH(CH)、-C(O)N(CH
【化3】
からなる群から選択され、
R3は、HまたはCHであり、
R4は、Hまたは
【化4】
であり、
R5は、H、-C1-4アルキル、-C3-4シクロアルキル、および-CH-C3-4シクロアルキルからなる群から選択され;ならびに
nは、1または2である]
で示される化合物またはその医薬的に許容される塩を製造するための方法であって、
a)式A:
【化5】

[式中、Pgは、保護基である]
で示される化合物を、置換環状アミン化合物と反応させ、続いて脱保護工程により、式B:
【化6】

[式中、R1は、式1で定義されるとおりである]
で示される化合物を生成し、
b)前記式Bで示される化合物を、適当なアミンで保護された2-ブロモメチル-3-フルオロ-プロピル-2-エン-アミンと反応させ、続いて脱保護工程により、式1で示される化合物を生成し、次いで
c)適宜、前記式1で示される化合物を医薬的に許容される塩に変換する工程
を含む、方法。
【請求項2】
前記式1で示される化合物またはその医薬的に許容される塩が、式2:
【化7】

で示される化合物またはその医薬的に許容される塩である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
R1が、
【化8】
からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
R1が、
【化9】
である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
R5が、H、-CH
【化10】
からなる群から選択される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
R1が、
【化11】
であり、ならびに
R2が、H、-C(O)NH、-C(O)NH(CH)、-C(O)N(CH
【化12】
からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
R3が、Hである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
R4が、
【化13】
である、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記式1で示される化合物が、
【化14】
またはその医薬的に許容される塩である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記式1で示される化合物が、
【化15】
またはその医薬的に許容される塩である、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記化合物が、一もしくは二塩酸塩として供される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記化合物が、
【化16】
である、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
工程a)が、式Aで示される化合物と置換環状アミンとの反応中に塩基の存在下で行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記塩基が、N,N-ジイソプロピルエチルアミンまたは炭酸カリウムである、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
工程a)における式Aで示される化合物の保護基が、ベンジルである、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
工程a)の脱保護工程が、パラジウム触媒による水素化を用いる、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
工程b)の適当にアミンで保護された2-ブロモメチル-3-フルオロ-プロピル-2-エン-アミンが、tert-ブチル N-[(E)-2-(ブロモメチル)-3-フルオロ-アリル]カルバメートである、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
工程b)の脱保護工程が、酸を用いる、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記酸が、HClである、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記式1で示される化合物が、
【化17】
またはこれらの医薬的に許容される塩からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記式1で示される化合物が、
【化18】
またはこれらの医薬的に許容される塩からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記式1で示される化合物が、
【化19】
またはこれらの医薬的に許容される塩からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アミノピリミジン化合物、前記化合物の医薬的に許容される塩、および前記化合物およびこれらの塩の治療上の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
セミカルバジド感受性アミノオキシダーゼ/血管接着タンパク質-1(SSAO/VAP-1)は、膜結合アイソフォームおよび血漿可溶性アイソフォームの両方が存在する。主に、内皮細胞表面、血管平滑筋および脂肪細胞から発現される。SSAO/VAP-1は、グルコース処理、炎症反応およびその関連する疼痛、ならびに白血球動員を含む多くの細胞プロセスに関与する。この酵素の高い活性レベルは、糖尿病、アテローム性動脈硬化症、脳卒中、慢性腎臓疾患、およびアルツハイマー病、その他の障害を伴う。SSAO/VAP-1は、脂肪肝疾患などの肝臓疾患の病理発生に関与している(Weston C. J., et al., J. Neural. Transm., 2011, 118, 1055)。脂肪肝疾患(FLD)には、肝臓における脂肪の過剰な蓄積(炎症を伴うこともある)によって特徴付けられる一連の病状が含まれる。FLDは、インスリン耐性によって特徴付けられる非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)を引き起こしうる。NAFLDを治療しない場合、持続的な炎症反応または非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、進行性肝線維症、最終的には、肝硬変症に進行しうる。現在、NAFLDおよび/またはNASHなどの肝臓疾患のための代替的な治療方法を供することが必要とされている。
【0003】
SSAO/VAP-1阻害剤は、肝臓の炎症および線維症を減少させ、それにより肝臓疾患の治療、特に、NAFLDおよび/またはNASHの治療を供するものと考えられている。さらに、SSAO/VAP-1の活性化は、炎症およびこれに関連する疼痛に関与するため、SSAA/VAP-1酵素の阻害は、疼痛、特に、骨関節炎に関連する疼痛に有用でありうる(Luis M. et al., J of Pharm and Experimental Therapeutics, 2005, 315, 553)。
【0004】
US特許第8,426,587号は、SSAO/VAP1阻害剤として有用なハロアリルアミン化合物を開示する。
【0005】
現在、NASHの治療用に認可された薬物は存在しておらず、NASHの標準治療は、からなる食事管理および/または生活スタイルの改善からなる。さらに、疼痛のための現在の標準治療は、非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDS)およびオピエート系が多数を占めている。両方の薬物クラスとも、短期間の使用のみが推奨されている。疼痛、特に、慢性疼痛を管理するためのより多くの治療選択肢が望まれている。本発明は、SSAO/VAP-1酵素を阻害し、これらの必要性を1つでも解決しうる化合物を提供する。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、下記式1:
【化1】

[式中、
R1は、
【化2】
から選択され;
R2は、H、-C(O)NH、-C(O)NH(CH)、-C(O)N(CH
【化3】
から選択され;
R3は、HまたはCHであり、
R4は、Hまたは
【化4】
であり、
R5は、H、-C1-4アルキル、-C3-4シクロアルキル、-CH-C3-4シクロアルキルから選択され;ならびに
nは、1または2である]
で示される化合物またはその医薬的に許容される塩を提供する。
【0007】
【化5】
で表されるフッ素への結合は、フッ素原子およびメトキシピリミジン基が、互いにZ(zusammen,一緒に)またはE(entgegen,逆に)のいずれかでありうることを示す(Brecher, J., et al., "Graphical Representation of Stereochemical Configuration", Pure and Appl. Chem, 2006, 78(10) 1897, at 1959を参照のこと)。式1で示される構造には、二重結合についてZ立体化学配置またはE立体化学配置を示す化合物;またはそれぞれZまたはE立体化学配置を示す化合物の混合物が含まれる。好ましい本発明の化合物は、二重結合についてE立体化学配置を有する。
【0008】
本発明はまた、式2:
【化6】

[式中、
R1は、
【化7】
から選択され、
R2は、H、-C(O)NH、-C(O)NH(CH)、-C(O)N(CH
【化8】
から選択され;
R3は、HまたはCHであり、
R4は、Hまたは
【化9】
であり;
R5は、H、-C1-4アルキル、-C3-4シクロアルキル、および-CH-C3-4シクロアルキルであり;ならびに
nは、1または2である]
で示される化合物またはその医薬的に許容される塩を提供する。
【0009】
別の形態において、本発明は、式1または2で示される化合物であって、R1は、
【化10】
から選択され、R2、R3、R4、R5、およびnは、上記で供されるとおりである、化合物またはその医薬的に許容される塩を提供する。1の好ましい実施態様において、R1は、
【化11】
であり、R5およびnは、上記で供されるとおりである。他の好ましい実施態様において、R1は、
【化12】
であり、R5は、H、-CH
【化13】
から選択され;さらに好ましくは、R5は、-CHである。
【0010】
別の形態において、本発明は、式1または2で示される化合物であって、R1は、
【化14】
であり;R2は、H、-C(O)NH、-C(O)NH(CH)、-C(O)N(CH
【化15】
から選択され;ならびにR3およびR4は、上記で供されるとおりである、化合物またはその医薬的に許容される塩を提供する。1の好ましい実施態様において、R3は、Hであり、R4は、上記で供されるとおりであり、またはその医薬的に許容される塩である。他の好ましい実施態様において、R3は、Hであり、R4は、Hである。
【0011】
別の形態において、本発明は、式1または2で示される化合物であって、R1は、
【化16】
であり;
R4は、
【化17】
であり、ならびにR2およびR3は、上記で供されるとおりである、化合物またはその医薬的に許容される塩を提供する。より好ましくは、R2およびR3は両方、Hである。
【0012】
別の形態において、本発明は、下記式3:
【化18】
3,
で示される化合物またはその医薬的に許容される塩を提供する。
【0013】
さらに別の形態において、本発明は、下記式4:
【化19】
4,
で示される化合物またはその医薬的に許容される塩を提供する。1の形態において、式4の化合物は、遊離塩基として供される。
【0014】
別の形態において、式4の化合物は、医薬的に許容される塩として供される。好ましくは、式4の化合物は、一もしくは二塩酸付加塩として供される。
【0015】
別の形態において、本発明は、式1~4のいずれか1つで示される化合物またはその医薬的に許容される塩、および医薬的に許容される担体、希釈剤または賦形剤を含む、医薬組成物を提供する。前記医薬組成物は、肝障害に罹患している患者の治療に用いることができる。
【0016】
別の形態において、本発明は、肝障害の治療を必要とする患者の治療方法を提供する。前記方法は、有効量の式1~4で示される化合物またはその医薬的に許容される塩を前記患者に投与することを特徴とする。ある実施態様において、前記方法には、肝障害の治療を必要とする患者の治療方法であって、前記肝障害が、肝線維症、アルコール誘発性線維症、アルコール性脂肪症、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)、および非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)から選択されるものである方法が含まれる。特に好ましい実施態様において、前記方法には、NASHの治療を必要とする患者の治療方法が含まれる。好ましくは、前記方法には、NASHの治療のために、有効量の式4に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩を投与することが含まれる。
【0017】
別の形態において、本発明は、治療における使用のための式1~4のいずれか1つで示される化合物またはその医薬的に許容される塩を提供する。好ましい実施態様において、本発明は、肝障害の治療のための式1~4のいずれか1つで示される化合物またはその医薬的に許容される塩を提供する。前記肝障害は、肝線維症、アルコール誘発性線維症、アルコール性脂肪症、NAFLD、およびNASHから選択されうる。ある実施態様において、前記治療は、肝線維症の治療のためである。別の実施態様において、前記治療は、NAFLDのためである。なおさらなる別の実施態様において、前記治療は、NASHのためである。
【0018】
さらに別の形態において、本発明は、肝障害の治療剤の製造における、式1~4で示される化合物またはその医薬的に許容される塩の使用を提供する。好ましい実施態様において、前記肝障害は、肝線維症、アルコール誘発性線維症、アルコール性脂肪症、NAFLD、およびNASHから選択される。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本明細書で用いられる用語「医薬的に許容される塩」は、臨床的および/または獣医学的使用に許容されると考えられる本発明の化合物の塩を意味する。医薬的に許容される塩の例およびこれらの一般的な製造方法は、"Handbook of Pharmaceutical Salts: Properties, Selection and Use" P. Stahl, et al., 2nd Revised Edition, Wiley-VCH, 2011 and S.M. Berge, et al., "Pharmaceutical Salts", Journal of Pharmaceutical Sciences, 1977, 66(1), 1-19で見出すことができる。
【0020】
本発明の医薬組成物は、医薬的に許容される添加剤を用いて製造されうる。前記医薬組成物のための本明細書で用いられる用語「医薬的に許容される添加剤」は、その組成物または製剤の他の添加剤と適合しており、患者に有害ではない1つまたはそれ以上の担体、希釈剤、および賦形剤を意味する。医薬組成物の例およびそれらの製造方法は、can be found in "Remington: The Science and Practice of Pharmacy", Loyd, V., et al. Eds., 22nd Ed., Mack Publishing Co., 2012で見出すことができる。
【0021】
本明細書で用いられるように、用語「有効量」は、肝臓の炎症、線維症、および脂肪性肝炎を含む肝臓疾患などの障害を治療するときに有効な投薬である量を意味する。担当医は、当業者として、従来技術を用いることによって、および同様の状況下で得られた結果を観察することによって有効量を容易に決定することができる。化合物の有効量または用量の決定で考慮される因子として、化合物またはその塩のいずれかが投与されるか;他の薬剤の共投与(使用される場合);哺乳類の種;その大きさ、年齢、および総体的な健康;合併症の程度または障害の重症度;各患者の反応性;投与様式;投与される調製物のバイオアベイラビリティ特性;選択される投薬計画;他の併用投薬の使用;およびその他の関連事項が挙げられる。
【0022】
本明細書で用いられるように、用語「治療する」、「治療するため」、または「治療」には、存在する症状、障害、状態、または疾患の進行または重症度を遅らせ、減らし、または逆転させることが含まれ、肝臓疾患、例えば、肝臓の炎症、線維症、および脂肪性肝炎を治療することが含まれうる。
【0023】
本明細書で用いられるように、用語「患者」は、哺乳類を意味し、好ましくは、患者は、ヒトまたはコンパニオン哺乳類、例えば、イヌまたはネコである。
【0024】
治療する医師、獣医、または他の医療者は、必要とされる患者の治療のための化合物の有効量を決定することができる。好ましい医薬組成物は、経口投与のための錠剤またはカプセル剤、経口投与のための溶液、または注射可能な溶液として製剤化することができる。前記錠剤、カプセル剤、または溶液は、本発明の化合物を、治療を必要とする患者を治療するために有効な量で含みうる。
【0025】
本明細書で用いられる略語は、Daub G.H., et al., "The Use of Acronyms in Organic Chemistry" Aldrichimica Acta, 1984, 17(1), 6-23に従って定義される。他の略語は、下記のとおりに定義される:「Boc」は、tert-ブトキシカルボニルを意味し;「DBAD」は、ジベンジルアゾジカルボキシレートを意味し;「DCM」は、ジクロロメタンを意味し;「DIPEA」は、N,N-ジイソプロピルエチルアミンを意味し;「DMF」は、ジメチルホルムアミドを意味し;「DMSO」は、ジメチルスルホキシドを意味し;「EDTA」は、エチレンジアミンテトラ酢酸を意味し;「EGTA」は、エチレングリコールテトラ酢酸を意味し;「ES/MS」は、エレクトロスプレー質量分析を意味し;「EtOAc」は、酢酸エチルを意味し;「EtOH」は、エタノールまたはエチルアルコールを意味し;「HATU」は、(ジメチルアミノ)-N,N-ジメチル(3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-b]ピリジン-3-イルオキシ)メタンイミニウムヘキサフルオロホスフェートを意味し;「HEPES」は、4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸を意味し;「hrまたはhrs」は、時間または時間を意味し;「IC50」は、その薬剤に可能な最大阻害応答の50%を生じる薬剤濃度(相対的なIC50)、またはプラセボコントロールと比較して目的の活性の50%阻害を生じる薬剤濃度(絶対的なIC50)を意味し;「IU」は、国際単位を意味し;「LCMS」は、液体クロマトグラフィー質量分析を意味し;「MAOaおよびMAOb」は、各々、モノアミンオキシダーゼaおよびbアイソフォームを意味し;「MeOH」は、メチルアルコールまたはメタノールを意味し;「minまたはmins」は、分を意味し;「MTBE」は、メチル t-ブチル エーテルを意味し;「NASH」は、非アルコール性脂肪性肝炎を意味し;「NMP」は、N-メチルピロリドンまたは1-メチル-2-ピロリジノンを意味し;PEは、石油エーテルを意味し;t(R)=保持時間;「sat」は、飽和溶液を意味し;「SSAO」は、セミカルバジド感受性アミンオキシダーゼを意味し;「hSSAO」は、ヒトSSAOを意味し;ならびに「TG」は、トリグリセリドを意味し;「THF」は、テトラヒドロフランを意味する。
【0026】
本明細書に記載の製造において、ヒドロキシルおよびアミノ官能基は、本明細書に記載の化合物の合成を容易にするために保護することができる。保護官能基の例は、"Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis," Wuts, P.G.M., et al., Eds. 5th Ed., John Wiley and Sons, 2014で見出すことができる。ヒドロキシル基またはアミノ基に容易に変換することができる他の官能基を用いることができる。このような官能基、製造、およびこれらの基の変換は、"Comprehensive Organic Transformations: A Guide to Functional Group Preparations" by Larock. R.C., Wiley VCH, 1999、および"March’s Advanced Organic Chemistry: Reactions, Mechanisms and Structure," Smith, M.B., Ed., 7th Ed., Wiley-Interscience, 2013で見出すことができる。
【0027】
本発明の化合物またはその塩は、様々な方法、下記のスキーム、製造、実施例で示されるものによって調製されうる。下記スキームにおける各工程の生成物は、従来の方法(抽出、蒸発、沈殿、クロマトグラフィー、濾過、トリチュレーション、および結晶化を含む)によって回収することができる。さらに、各異性体、エナンチオマー、およびジアステレオマーは、選択的な結晶化技術またはキラルクロマトグラフィー(例えば、J. Jacques, et al., "Enantiomers, Racemates, and Resolutions", John Wiley and Sons, Inc., 1981、およびE.L. Eliel and S.H. Wilen, "Stereochemistry of Organic Compounds", Wiley-Interscience, 1994を参照のこと)などの方法によって分離または分解されうる。下記スキームにおいて、全ての置換基は、他に記載のない限り、以前に定義されるとおりである。試薬および出発物質は、当業者が容易に利用可能である。
スキーム1
【化20】
【0028】
スキーム1は、式1(式中、「PG」は、ヒドロキシル基の保護基である)で示される化合物の一般的な合成を示す。具体的には、ステップ1のサブステップ1において、化合物Aのクロロが、R1置換環状アミン化合物の窒素と置換して、化合物Bが生じうる。ステップ1のサブステップ2において、ヒドロキシル基の脱保護は、具体的な保護基に応じて様々な方法で行うことができる。ステップ2のサブステップ1において、得られた化合物Bのヒドロキシルを、適当に保護されたアミンである2-ブロモ-3-フルオロ-プロピル-2-エン-アミンでアルキル化して、式1の化合物を得ることができる。該アルキル化は、一般に、塩基性条件下で行うことができる。保護アミンを脱保護して、式1の化合物を得ることができる。
【実施例
【0029】
製造および実施例
下記の製造および実施例は、本発明をさらに例示し、本化合物の典型的な合成を示す。
【0030】
製造1
tert-ブチル 4-(5-ブロモ-2-ピリジル)-2-オキソ-ピペラジン-1-カルボキシレート
【化21】
トリエチルアミン(2.4mL,17mmol)、DMAP(160mg,1.30mmol)およびtert-ブトキシカルボニル tert-ブチルカルボネート(1.87g,1.1当量,8.59mmol)を、DCM(45mL)中の4-(5-ブロモ-2-ピリジル)ピペラジン-2-オン(2.00g,7.81mmol)の溶液に加える。該反応混合物を25℃で3日間攪拌して、黄色の懸濁液を生成する。DCM(50mL)を該反応物に加え、該混合物を食塩水で洗浄する(5x50mL)。該有機層を濃縮して、粗生成物を黄色の固形物として得る。該物質をシリカゲルクロマトグラフィー(PE中で0~50%のEtOAcのグラジエントで溶出)にかけて、表題化合物(1.57g,55%)を白色の固形物として得る。
【0031】
製造2
Tert-ブチル 2-オキソ-4-[5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2-ピリジル]ピペラジン-1-カルボキシレート
【化22】
1,4-ジオキサン(30mL)中のtert-ブチル 4-(5-ブロモ-2-ピリジル)-2-オキソ-ピペラジン-1-カルボキシレート(1.57g,4.41mmol)、4,4,5,5-テトラメチル-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン(1.23g,1.1当量,4.85mmol)および酢酸カリウム(1.29g,3.00当量,13.2mmol)の懸濁液に、Pd(dppf)Cl(0.32g,0.1当量,0.441mmol)を25℃で加える。該反応混合物を、100℃でN下において攪拌しながら1時間脱気する。該反応混合物を濾過し、該濾液を濃縮して、粗生成物を黄色の油状物として得る。該物質をシリカゲルクロマトグラフ(PE中で0~50%のEtOAcのグラジエントで溶出)にかけて、表題化合物(1.70g,96%)を淡黄色の固体として得る。
【0032】
製造3
tert-ブチル 4-(5-ヒドロキシ-2-ピリジル)-2-オキソ-ピペラジン-1-カルボキシレート
【化23】
水酸化ナトリウム(水溶液,2mL,1M)および過酸化水素(水溶液,2mL,30質量%)を、0℃でTHF(5mL,61.6mmol)中のtert-ブチル 2-オキソ-4-[5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2-ピリジル]ピペラジン-1-カルボキシレート(500mg,1.24mmol)の懸濁液に加える。該反応混合物を25℃で2時間攪拌する。該反応物を飽和NaSO溶液でクエンチし、pHを1M HClで6~7に調整する。該混合物をEtOAcで抽出し(3x20mL)、該有機抽出物を合わせ、濃縮して、粗生成物を黄色の油状物として得る。該粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(PE中で0~70%のEtOAcのグラジエントで溶出)にかけて、表題化合物(120mg,33%)を黄色の固形物として得る。 LCMS (m/z): 294.0 [M+H]+.
【0033】
製造4
1-メチル-3-(4-ピリジルオキシ)ピロリジン-2-オン
【化24】
THF(10mL)中のDBAD(3.06g,13.0mmol)の溶液を、0℃でDCM(9mL)およびTHF(15mL)中の3-ヒドロキシ-1-メチル-ピロリジン-2-オン(500mg,4.34mmol)、ピリジン-4-オール(0.826g,8.69mmol)、および(n-ブチル)P(2.72g,13.0mmol)溶液に滴下して加え、該反応混合物を室温で4時間攪拌する。該反応混合物を減圧濃縮し、該残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(DCM中で0.5~10%のMeOHのグラジエントで溶出)で精製して、表題化合物(300mg,収率32%)を淡黄色の油状物として得る。LCMS (m/z): 193.0 [M+H]+, 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.50 - 8.35 (m, 2H), 7.00 - 6.87 (m, 2H), 4.94 (dd, J = 6.0, 7.6 Hz, 1H), 3.56 - 3.46 (m, 1H), 3.44-3.32 (m, 1H), 2.93 (s, 3H), 2.63-2.50 (m, 1H), 2.21-2.09 (m, 1H).
【0034】
製造5
3-(1-ベンジルピリジン-1-イウム-4-イル)オキシ-1-メチル-ピロリジン-2-オン ブロミド
【化25】
ブロモメチルベンゼン(0.534g,3.12mmol)を、DMF(8.0mL)中の1-メチル-3-(4-ピリジルオキシ)ピロリジン-2-オン(5,300mg,1.56mmol)の混合物に加え、反応混合物を55℃に16時間温める。該反応混合物を減圧濃縮し、水(20mL)で希釈し、EtOAcで抽出する(2x10mL)。該水層を減圧濃縮して、表題化合物(450mg,71.4%)を白色の固形物として得る。1H NMR (400 MHz, d6-DMSO) δ 9.04 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 7.75 (d, J = 7.6 Hz, 2H), 7.56 - 7.48 (m, 2H), 7.47 - 7.33 (m, 3H), 5.72 (s, 2H), 5.61 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 3.42 - 3.37 (m, 5H), 2.70-2.58 (m, 1H), 2.17 - 2.00 (m, 1H)
【0035】
製造6
3-[(1-ベンジル-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-4-イル)オキシ]-1-メチル-ピロリジン-2-オン
【化26】
NaBH(212mg,5.58mmol)を、0℃でMeOH(8.0mL)中の3-(1-ベンジルピリジン-1-イウム-4-イル)オキシ-1-メチル-ピロリジン-2-オン ブロミド(450mg,1.12mmol)の溶液に加え、該反応混合物を0℃で10分間攪拌する。該反応混合物をEtOAc(40mL)で希釈し、NaHCO(飽和水溶液)(30mL)および食塩水(30mL)で洗浄する。該有機層を無水NaSO上で乾燥させ、濾過し、続いて該濾液を減圧濃縮する。粗生成物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(DCM中で0~1%のMeOHのグラジエントで溶出)にかけて、表題化合物(120mg,36%)を無色のガム状物として得る。LCMS (m/z): 287.1 [M+H]+, 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.45-7.14 (m, 5H), 4.71 (t, J = 3.2 Hz, 1H), 4.62-4.50 (m, 1H), 3.74-3.50 (m, 2H), 3.50-3.40 (m, 1H), 3.40-3.25 (m, 1H), 3.18-3.06 (m, 1H), 3.05-2.95 (m, 1H), 2.89 (s, 3H), 2.75-2.65 (m, 1H), 2.55-2.47 (m, 1H), 2.43-2.30 (m, 1H), 2.25-2.15 (m, 2H), 2.06-1.94 (m, 1H)
【0036】
製造7
1-メチル-3-(4-ピペリジルオキシ)ピロリジン-2-オン
【化27】
パラジウム炭素(50% 水,10重量%,20.0mg)を、EtOH(6.0mL)中の3-[(1-ベンジル-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-4-イル)オキシ]-1-メチル-ピロリジン-2-オン(120mg,0.40mmol)の溶液に加え、該反応混合物を室温で水素雰囲気下において5時間攪拌する。該反応混合物を珪藻土に通して濾過し、該濾液を減圧濃縮して、表題化合物(85.0mg,96.9%)を無色のガム状物として得る。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 4.20-4.10 (m, 1H), 3.90-3.80 (m, 1H), 3.45-3.35 (m, 1H), 3.30-3.18 (m, 1H), 3.14-3.04 (m, 2H), 2.85 (s, 3H), 2.66-2.55 (m, 2H), 2.36-2.28 (m, 1H), 1.98-1.90 (m, 2H), 1.55-1.35 (m, 2H)
【0037】
製造8
tert-ブチル 2-シクロプロピル-1-オキソ-2,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-8-カルボキシレート
【化28】
tert-ブチル 1-オキソ-2,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-8-カルボキシレート(161mg,0.60mmol)、酢酸銅(II)(110mg,0.61mmol)、および炭酸セシウム(98mg,0.30mmol)を合わせる。次いで、ピリジン(145mg,1.83mmol)、2-シクロプロピル-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(203mg,1.21mmol)およびトルエン(1.2mL)をシリンジにより加える。該混合物を110℃に64時間加熱する。該混合物をEtOAcで洗浄し、珪藻土に通して濾過する。該濾液を濃縮し、該残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中で50%のEtOAcで溶出)にかけて、表題化合物を淡黄色の油状物として得る。LCMS (m/z): 317.3 [M+Na]+
【0038】
製造9
2-シクロプロピル-2,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-1-オン塩酸塩
【化29】
HCl中のtert-ブチル 2-シクロプロピル-1-オキソ-2,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-8-カルボキシレート(172mg,0.555mmol)をMeOH(6.0mL,3mmol,0.5mmol/mL)中に溶解し、80℃に50分間加熱する。該混合物を減圧濃縮して、表題化合物を淡褐色の油状物として得て、さらに精製することなく用いる。LCMS (m/z): 195.3 [M+H]+
【0039】
製造10
O1-tert-ブチル O4-メチル 4-(2-ブロモエチル)ピペリジン-1,4-ジカルボキシレート
【化30】
ヘキサン中のリチウム ジイソプロピルアミド(9.70mL,19.396mmol,2mol/L)を、-78℃でN下において、THF(45mL)中のO1-tert-ブチル O4-メチル ピペリジン-1,4-ジカルボキシレート(3.146g,12.93mmol)の溶液に滴下して加える。生じた混合物を-78℃で30分間攪拌し、次いで1,2-ジブロモエタン(2.23mL,25.861mmol)を加える。生じた混合物を室温に温め、1時間攪拌する。該反応物を飽和NHCl溶液(20mL)でクエンチし、EtOAcで抽出する(2x30mL)。該有機抽出物を合わせて、NaSO上で乾燥させ、濾過し、次いで乾燥するまで濃縮する。該粗物質をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中で20%のEtOAcで溶出)により精製して、表題化合物(0.698g,15%)を黄色がかった油状物として得る。LCMS (m/z): (79Br/81Br) 372.2/374.2 [M+Na]+
【0040】
製造11
tert-ブチル 2-tert-ブチル-1-オキソ-2,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-8-カルボキシレート
【化31】
O1-tert-ブチル O4-メチル 4-(2-ブロモエチル)ピペリジン-1,4-ジカルボキシレート(698mg,1.89mmol)をMeOH(5mL)中に溶解し、2-メチルプロパン-2-アミン(1.59mL,15.1mmol)を加える。該溶液を、マイクロ波照射により120℃に16時間加熱する。該溶液を濃縮し、次いで該残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中で25%のEtOAcで溶出)により精製して、表題化合物(74mg,11%)を明黄色の油状物として得る。LCMS (m/z): 333.3 [M+Na]+
【0041】
製造12
2-tert-ブチル-2,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-1-オン塩酸塩
【化32】
HCl中のtert-ブチル 2-tert-ブチル-1-オキソ-2,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-8-カルボキシレート(74mg,0.21mmol)をMeOH(5mL,2.5mmol,0.50mmol/mL)中に溶解し、マイクロ波照射により80℃に5分間加熱する。該溶液を濃縮して、表題化合物(56mg,95%)を明黄色の油状物として得る。LCMS (m/z): 211.2 [M+H]+
【0042】
製造13
2-メチル-2,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-1-オン塩酸塩
【化33】
tert-ブチル 2-メチル-1-オキソ-2,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-8-カルボキシレート(45.2g,168mmol)を0℃に冷却する。MeOH中のHCl(250mL,4.0M)を加え、該溶液を30分間激しく攪拌する。該混合物を室温に温め、5時間攪拌し、次いで乾燥するまで濃縮して、表題化合物(34.6g,98.4%)を淡黄色の固形物として得る。ES/MS (m/z) 169.2 (M+H).
【0043】
製造14
tert-ブチル N-[(E)-2-[(2-クロロピリミジン-5-イル)オキシメチル]-3-フルオロ-アリル]カルバメート
【化34】
炭酸カリウム(1.126g,8.14mmol)を、DMF(10mL)中の2-クロロピリミジン-5-オール(501mg,3.84mmol)およびtert-ブチル N-[(E)-2-(ブロモメチル)-3-フルオロ-アリル]カルバメート(507mg,1.89mmol)の溶液に加え、生じた混合物を室温で終夜攪拌する。該反応物を、水およびEtOAcを加えることによりクエンチし、該水層をEtOAcで抽出する(3x50mL)。該有機抽出物を合わせて、該溶液をNaSO上で乾燥させ、濾過し、該濾液を減圧濃縮する。該物質をヘキサン中のEtOAcでシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにかけて、表題化合物を白色の固形物(658mg,87%)として得る。LCMS (ESI): m/s 340.2 [M+Na]+.
【0044】
製造15
8-(5-ベンジルオキシピリミジン-2-イル)-2,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-1-オン
【化35】
DIPEA(1.7g,13mmol)および5-ベンジルオキシ-2-クロロ-ピリミジン(0.61g,2.8mmol)を、NMP(10mL)中の2-メチル-2,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-1-オン塩酸塩(0.50g,2.6mmol)の混合物に加える。該反応混合物を100℃で20時間攪拌する。次いで該反応混合物を水(40mL)で希釈し、EtOAcで抽出する(2×20mL)。該有機抽出物を合わせて、食塩水で洗浄し(3×20mL)、無水NaSO上で乾燥させ、濾過し、次いで該濾液を減圧濃縮して、残渣が生じる。該残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(DCM中で0~1%のMeOHのグラジエントで溶出)にかけて、表題化合物(0.39g,42%)を淡黄色の固形物として得る。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.11 (s, 2H), 7.45-7.30 (m, 5H), 5.79 (s, 1H), 5.02 (s, 2H), 4.55-4.45 (m, 2H), 3.38 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 3.21-3.10 (m, 2H), 2.15 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 1.98-1.85 (m, 2H), 1.55-1.43 (m, 2H).
【0045】
製造16
1-(5-ベンジルオキシピリミジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボキサミド
【化36】
DMF(6mL)中の5-ベンジルオキシ-2-クロロ-ピリミジン(400mg,1.81mmol)、ピペリジン-4-カルボキサミド(0.28g,1.2当量,2.18mmol)、およびDIPEA(2.0当量,3.63mmol)の混合物を、100℃でN下において17時間攪拌する。該反応混合物を水(60mL)に注ぎ入れ、濾過する。該濾過ケーキをEtOAc(30mL)で洗浄し、該物質を0.5時間攪拌する。該溶液を濾過し、該濾過ケーキを減圧下で乾燥させて、表題化合物(310mg,49%)をピンク色の固形物として得る。1H NMR: (400 MHz, CD3OD) δ 8.13 (s, 2H), 7.47-7.28 (m, 5H), 5.07 (s, 2H), 4.67-4.60 (m, 2H), 2.95-2.84 (m, 2H), 2.50-2.40 (m, 1H), 1.85-1.75 (m, 2H), 1.68-1.60 (m, 2H).
【0046】
製造17
8-(5-ベンジルオキシピリミジン-2-イル)-2-シクロプロピル-2,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-1-オン
【化37】
5-ベンジルオキシ-2-クロロ-ピリミジン(79mg,0.36mmol)および炭酸カリウム(164mg,1.19mmol)を合わせて加える。2-シクロプロピル-2,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-1-オン塩酸(72mg,0.30mmol)をEtOH(3.0mL)中に溶解し、該反応混合物に加える。該反応物をマイクロ波照射により110℃に62時間加熱する。該混合物をEtOAcで希釈し、該スラリーを珪藻土に通して濾過する。該濾液を濃縮し、該粗混合物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中で55%のEtOAcで溶出)により精製して、表題化合物(40mg,35%)を白色の固形物として得る。LCMS (m/z): 379.2 [M+H]+.
【0047】
製造18
8-(5-ベンジルオキシピリミジン-2-イル)-2-tert-ブチル-2,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-1-オン
【化38】
NMP(1mL)を2-tert-ブチル-2,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-1-オン塩酸塩(56mg,0.20mmol)、5-ベンジルオキシ-2-クロロ-ピリミジン(54mg,0.25mmol)および炭酸カリウム(113mg,0.82mmol)に加える。該混合物をマイクロ波照射により120℃に16時間加熱する。該混合物をEtOAcで希釈し、それを珪藻土に通して濾過する。該濾液を濃縮して、残渣が生じ、該残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中で25%のEtOAcで溶出)にかけて、表題化合物(16mg,収率19%)を白色の固形物として得る。LCMS (m/z): 395.3 [M+H]+
【0048】
製造19
9-(5-ベンジルオキシピリミジン-2-イル)-2,9-ジアザスピロ[5.5]ウンデカン-1-オン
【化39】
tert-ブチル 1-オキソ-2,9-ジアザスピロ[5.5]ウンデカン-9-カルボキシレート(1.907g,6.96mmol)をDCM(50mL)中に溶解し、トリフルオロ酢酸(10mL)を室温で攪拌しながら加える。生じた溶液を4時間攪拌する。該溶液を濃縮して、中間体2,9-ジアザスピロ[5.5]ウンデカン-1-オン 2,2,2-トリフルオロ酢酸(2.096g,6.683mmol)を淡黄色の油状物として得る。該粗混合物に、DMF(10mL)中の5-ベンジルオキシ-2-クロロ-ピリミジン(880mg,3.99mmol)、ヨウ化銅(158mg,0.830mmol)、N,N’-ビス(2-フェノキシフェニル)オキサミド(220mg,0.804mmol)およびリン酸三カリウム(2.612g,12.06mmol)を加える。。生じた混合物をN下で攪拌し、100℃に6時間加熱する。該混合物をEtOAcで希釈し、珪藻土に通して濾過する。該濾液を濃縮し、得られた粗物質をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(DCM中で7%のMeOHで溶出)にかけて、表題化合物(869mg,61%)を黄色の固形物として得る。LCMS (m/z): 353.2 [M+H]+
【0049】
製造20
8-(5-ベンジルオキシピリミジン-2-イル)-2-メチル-2,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-1-オン
【化40】
鉱油中の水素化ナトリウム(60質量%,66mg,1.6mmol)を、DMF(8.0mL)中の8-(5-ベンジルオキシピリミジン-2-イル)-2,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-1-オン(0.39g,1.1mmol)の溶液に加え、該混合物を0℃で20分間攪拌する。ヨードメタン(0.31g,2.2mmol)を冷却した(0℃)混合物に加える。該混合物を周囲温度に温め、該混合物を1時間攪拌する。該反応物を水(30mL)でクエンチする。生じた混合物をEtOAcで抽出する(2×15mL)。該有機抽出物を合わせ、食塩水で洗浄し(2×20mL)、無水NaSO上で乾燥させ、濾過し、次いで該濾液で減圧濃縮して、表題化合物(0.42g,98%)を黄色の固体として得て、さらに精製することなく用いることができる。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.04 (s, 2H), 7.38-7.24 (m, 5H), 4.95 (s, 2H), 4.42 (dt, J = 4.0, 13.6 Hz, 2H), 3.27 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 3.15-3.02 (m, 2H), 2.79 (s, 3H), 1.96 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 1.90-1.78 (m, 2H), 1.42-1.34 (m, 2H).
【0050】
別の製造20
8-(5-ベンジルオキシピリミジン-2-イル)-2-メチル-2,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-1-オン
NMP中で5-ベンジルオキシ-2-クロロ-ピリミジン(24.824g,112.50mmol)、2-メチル-2,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-1-オン塩酸塩(29.736g,145.27mmol)および炭酸カリウム(46.643g,337.50mmol)を合わせる。NMP(170mL)およびトリエチルアミン(23.5mL、168.75mmol)を加え、該混合物を130℃に30時間加熱する。該混合物を冷まし、濾過して、該固形物を収集し、続いて該固形物をEtOAcで洗浄する。該濾液を濃縮し、該濃縮溶液を砕いた氷(約1.2L)に注ぎ入れる。明褐色の固形物がすぐに沈殿する。該混合物を30分間攪拌し、次いで該混合物を室温で終夜静置する。該混合物を濾過して、該固形物を収集し、該固形物をMTBE(400mL)で洗浄する。該固形物を減圧下で50℃にて1.5日間乾燥させて、表題化合物(36.924g,88.48%)を淡褐色の固体として得て、さらに精製することなく用いることができる。ES/MS (m/z) 353.3 (M+H).
【0051】
製造21
8-(5-ベンジルオキシピリミジン-2-イル)-2-(シクロプロピルメチル)-2,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-1-オン
【化41】
鉱油中の水素化ナトリウム(22mg,0.55mmol,60質量%)を、0℃でDMF(5.0mL)中の8-(5-ベンジルオキシピリミジン-2-イル)-2,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-1-オン(60mg,0.18mmol)の攪拌溶液に加える。該混合物を室温に温め、5分間攪拌する。(ブロモメチル)シクロプロパン(100mg,0.71mmol)を加え、生じた混合物を室温で16時間攪拌する。該溶媒を減圧下で蒸発させて、粗生成物を得る。該物質をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中で40%のEtOAcで溶出)にかけて、表題生成物(40mg,55%)を白色の固形物として得る。LCMS (m/z): 392.2 [M+H]+
【0052】
製造22
9-(5-ベンジルオキシピリミジン-2-イル)-2-メチル-2,9-ジアザスピロ[5.5]ウンデカン-1-オン
【化42】
9-(5-ベンジルオキシピリミジン-2-イル)-2,9-ジアザスピロ[5.5]ウンデカン-1-オン(183mg,0.51mmol)をTHF(8mL)中に溶解し、該溶液を0℃に冷却する。水素化ナトリウム(41mg,1.018mmol,60質量%)を一度に加える。該溶液を0℃で15分間攪拌する。ヨードメタン(0.064mL,1.02mmol)を0℃で加え、該混合物を室温に温め、30分間攪拌する。該混合物を0℃に冷却し、さらなる量の水素化ナトリウム(20mg,0.51mmol)を加え、15分間攪拌する。ヨードメタン(0.032mL,0.51mmol)を加え、該混合物を室温に温め、次いで30分間攪拌する。飽和NHCl(水溶液)を加えて、該反応物をクエンチし、EtOAcで希釈する。有機層を分離し、該水層をEtOAcで抽出する(2x)。該有機抽出物を合わせて、NaSO上で乾燥させ、濾過し、該濾液を濃縮して、残渣が生じる。該残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中で75%のEtOAcで溶出)にかけて、表題化合物(158mg,83%)を得る。LCMS (m/z): 367.2 [M+H]+
【0053】
製造23
8-(5-ヒドロキシピリミジン-2-イル)-2-メチル-2,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-1-オン
【化43】
パラジウム炭素(水中で50%,10重量%,42mg)を、MeOH(40mL)中の8-(5-ベンジルオキシピリミジン-2-イル)-2-メチル-2,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-1-オン(0.42g,1.1mmol)の溶液に加える。該混合物を、水素雰囲気下において室温で4時間、続いて40℃で6時間攪拌する。該混合物を珪藻土のパッドに通して濾過する。該濾液を減圧濃縮して、表題化合物(0.34g,97%)を淡黄色の固形物として得て、さらに精製することなく用いることができる。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.05 (s, 2H), 4.54-4.44 (m, 2H), 3.37 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 3.15-3.05 (m, 2H), 2.88 (s, 3H), 2.07 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 1.96-1.88 (m, 2H), 1.45-1.40 (m, 2H), ES/MS (m/z) 262.9 (M+H).
【0054】
別の製造23
8-(5-ヒドロキシピリミジン-2-イル)-2-メチル-2,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-1-オン
EtOAc(100mL)およびMeOH(100mL)中の8-(5-ベンジルオキシピリミジン-2-イル)-2-メチル-2,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-1-オン(18.190g,49.04mmol)の懸濁液を高圧リアクターに移し、これに、MeOH(40mL)中の5%のパラジウム活性炭素(1.84g,0.865mmol)の懸濁液を加える。該混合物を、Parr(登録商標)シェーカー内において、310kPaの水素下で4時間水素化する。該混合物をMeOHで希釈し、該混合物を珪藻土に通して濾過する。該濾液を乾燥するまで濃縮して、表題化合物(12.9g,46.7mmol,95.3%)を黄色の固体として得て、さらに精製することなく用いる。ES/MS (m/z) 263.3 (M+H).
【0055】
製造24
2-シクロプロピル-8-(5-ヒドロキシピリミジン-2-イル)-2,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-1-オン
【化44】
8-(5-ベンジルオキシピリミジン-2-イル)-2-シクロプロピル-2,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-1-オン(39mg,0.10mmol)をEtOAc(2.0mL)中に溶解する。パラジウム活性炭素(10mg,0.005mmol,5質量%)をMeOH(1.0mL)中で懸濁し、上記溶液に移す。1,4-シクロヘキサジエン(0.096mL,1.01mmol)を加え、生じた混合物を室温で終夜攪拌する。該混合物をEtOAcで希釈し、珪藻土に通して濾過する。該濾液を濃縮して、表題化合物(29mg,98%)を白色の固形物として得て、さらに精製することなくそのまま用いる。LCMS (m/z): 289.1 [M+H]+
【0056】
製造25
2-(シクロプロピルメチル)-8-(5-ヒドロキシピリミジン-2-イル)-2,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-1-オン
【化45】
8-(5-ベンジルオキシピリミジン-2-イル)-2-(シクロプロピルメチル)-2,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-1-オン(40mg,0.097mmol)およびパラジウム炭素(20mg,5質量%)を、MeOH(10mL)中で一緒にしてH雰囲気下において室温で16時間攪拌する。該混合物を珪藻土に通して濾過し、該濾液を減圧濃縮して、粗生成物を得て、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(80%のEtOAcおよび20%のヘキサンで溶出)にかけて、表題化合物(17mg,55%)を白色の固形物として得る。LCMS (m/z): 303.3 [M+H]+
【0057】
製造26
9-(5-ヒドロキシピリミジン-2-イル)-2,9-ジアザスピロ[5.5]ウンデカン-1-オン
【化46】
パラジウム活性炭素(50mg,0.023mmol)をMeOH(15mL)中で懸濁し、9-(5-ベンジルオキシピリミジン-2-イル)-2,9-ジアザスピロ[5.5]ウンデカン-1-オン(97mg,0.27mmol)に加える。水素バルーンを設置し、水素で3回排気し、得られた混合物を室温で4時間攪拌する。該混合物をMeOHで希釈し、該溶液を珪藻土に通して濾過する。該濾液を濃縮して、表題化合物(72mg,99%)を白色の固形物として得て、さらに精製することなくそのまま用いる。LCMS (m/z): 263.1 [M+H]+
【0058】
下記化合物を基本的に製造26の方法に従って製造する(該混合物を1~5時間攪拌する)。
【表1】


【0059】
製造30
tert-ブチル N-[(E)-3-フルオロ-2-[[2-(2-メチル-1-オキソ-2,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-8-イル)ピリミジン-5-イル]オキシメチル]アリル]カルバメート
【化47】

8-(5-ヒドロキシピリミジン-2-イル)-2-メチル-2,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-1-オン(0.14g,0.49mmol)、tert-ブチル N-[(E)-2-(ブロモメチル)-3-フルオロ-アリル]カルバメート(0.11g,0.41mmol)、および炭酸カリウム(0.17g,1.2mmol)を無水DMF(5.0mL)中で合わせる。生じた混合物を50℃に温め、1.5時間攪拌する。該混合物を水(30mL)で希釈し、EtOAcで抽出する(2×15mL)。該有機抽出物を合わせて、食塩水で洗浄し(2×20mL)、無水NaSO上で乾燥させ、濾過し、次いで該濾液を減圧濃縮して、残渣が生じる。該残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(DCM中で0~0.5%のMeOHで溶出)にかけて、表題化合物(0.16g,82%)を白色の固形物として得る。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.09 (s, 2H), 6.70 (d, J = 82.0 Hz, 2H), 4.78 (br s, 1H), 4.60-4.45 (m, 2H), 4.39 (s, 2H), 4.00 (s, 2H), 3.41-3.28 (m, 2H), 3.25-3.18 (m, 2H), 2.94-2.76 (m, 3H), 2.12-2.01 (m, 2H), 2.00-1.85 (m, 2H), 1.50-1.38 (m, 12H).
【0060】
別の製造30
tert-ブチル N-[(E)-3-フルオロ-2-[[2-(2-メチル-1-オキソ-2,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-8-イル)ピリミジン-5-イル]オキシメチル]アリル]カルバメート
8-(5-ヒドロキシピリミジン-2-イル)-2-メチル-2,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-1-オン(12.9g,46.7mmol)、tert-ブチル N-[(E)-2-(ブロモメチル)-3-フルオロ-アリル]カルバメート(13.2g,49.1mmol)、および炭酸カリウム(19.4g,140mmol)をDMF(73mL)と合わせる。生じた混合物を室温で5時間攪拌する。該混合物をEtOAcで希釈し、珪藻土に通して濾過する。該濾液を濃縮して、残渣が生じる。該残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(DCM中で3% MeOHで溶出)にかけて、表題化合物(18.6g,40.6mmol,86.8%)を黄色の油状物として得る。ES/MS (m/z) 450.3 (M+H).
【0061】
下記化合物を基本的に別の製造30の方法に従って製造する(該混合物を3時間から64時間攪拌する)。
【表2】





室温で攪拌し、該反応物を80℃に1.5時間加熱する
【0062】
製造37
tert-ブチル 4-[5-[(E)-2-[(tert-ブトキシカルボニルアミノ)メチル]-3-フルオロ-アリルオキシ]-2-ピリジル]-2-オキソ-ピペラジン-1-カルボキシレート
【化48】
tert-ブチル N-[(E)-2-(ブロモメチル)-3-フルオロ-アリル]カルバメート(0.12g,1.1当量,0.450mmol)および炭酸カリウム(0.17g,3当量,1.23mmol)を、DMF(3mL,39mmol)中のtert-ブチル 4-(5-ヒドロキシ-2-ピリジル)-2-オキソ-ピペラジン-1-カルボキシレート(120mg,0.409mmol)の溶液に加える。該混合物を70℃で2時間攪拌して、黄色の懸濁液を得る。水(20mL)を該混合物に加え、該混合物をEtOAcで抽出する(3x20mL)。該抽出物を合わせ、合わせた有機抽出物を食塩水で洗浄する(2x20mL)。該有機抽出物を濃縮して、表題化合物(180mg)を黄色の油状物として得て、さらに精製することなく、そのまま用いる。LCMS (ESI): m/s 381.2 [M+H]+.
【0063】
製造39
tert-ブチル N-[(E)-2-[[2-(4-カルバモイル-1-ピペリジル)ピリミジン-5-イル]オキシメチル]-3-フルオロ-アリル]カルバメート
【化49】
基本的に製造38の方法による手順に従うが、2当量の炭酸カリウムを用いる。ES/MS (m/z) [M+H]+ 410.2
【0064】
製造40
tert-ブチル N-[(E)-3-フルオロ-2-[[2-(3-メチル-2-オキソ-イミダゾリジン-1-イル)ピリミジン-5-イル]オキシメチル]アリル]カルバメート
【化50】
tert-ブチル N-[(E)-2-[(2-クロロピリミジン-5-イル)オキシメチル]-3-フルオロ-アリル]カルバメート(114mg,0.36mmol)、メチルイミダゾリジノン(115mg,1.151mmol)、ヨウ化銅(40.1mg,0.211mmol)、トランス-N,N’-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジアミン(40μL)、炭酸セシウム(351mg,1.077mmol)、および1,4-ジオキサン(10mL)の混合物を、N雰囲気下においてマイクロ波条件下で160℃に3時間加熱する。該反応混合物を濾過し、減圧下で濃縮する。該残渣を下記条件で分取HPLCにかける:LCカラム:SunFire C18 30x100mm 5μm;A:HO(0.1% FA);B:ACN(0.1% FA),11分で24~39% ACNのグラジエント、17分で停止;カラム温度 室温;流速 30mL/分;t(R)=10.0分(UV)。表題生成物を白色の固形物として得る(137mg,27%)。LCMS (ESI): m/s 382.2 [M+H]+.
【0065】
製造41
tert-ブチル N-[(E)-3-フルオロ-2-[[2-(3-オキソ-2,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-8-イル)ピリミジン-5-イル]オキシメチル]アリル]カルバメート
【化51】
tert-ブチル N-[(E)-2-[(2-クロロピリミジン-5-イル)オキシメチル]-3-フルオロ-アリル]カルバメート(65mg,0.20mmol)、2,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-3-オン(67mg,0.41mmol)、DIPEA(0.11mL,0.63mmol)および1,4-ジオキサン(5.0mL)の混合物を、マイクロ波照射下において120℃で12時間攪拌する。該溶媒を減圧下で蒸発させて、粗生成物を得て、これをシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(DCM中で0~5% MeOHのグラジエントで溶出)にかけて、表題化合物(61mg,68.46%)を白色の固形物として得る。LCMS (ESI): m/s 436.3 [M+H].
【0066】
下記化合物を基本的に製造41の方法に従って製造する(110~120℃に3~12時間加熱する)。
【表3】








下記の精製手順を参照。
【0067】
製造43の精製
tert-ブチル N-[(E)-3-フルオロ-2-[[2-[4-(2-オキソピロリジン-1-イル)-1-ピペリジル]ピリミジン-5-イル]オキシメチル]アリル]カルバメート
該粗物質を下記条件で分取HPLCにかけて(カラム:SunFire C18 30x100mm 5μm;A:HO(0.1% FA);B:ACN(0.1% FA),グラジエント:11分で33~48% ACN、18分で停止;カラム温度:室温;流速:30mL/分;t(R)=8.7分(UV))、表題化合物(16mg,21%)が白色の固形物として生じる。
【0068】
製造45の精製
tert-ブチル N-[(E)-2-[[2-[(3S)-3-(シクロプロピルカルバモイル)-1-ピペリジル]ピリミジン-5-イル]オキシメチル]-3-フルオロ-アリル]カルバメート
該粗物質を下記条件で分取HPLCにかけて(カラム:XBridge(登録商標)C18 30x150mm 5μm;A:HO 10mM NHHCO;B:ACN,グラジエント:11分で35~40% ACN、17分で停止;カラム温度:室温;流速:35mL/分;t(R)=9.8分(UV)))、表題化合物(120mg,53%)が生じる。
【0069】
製造47の精製
tert-ブチル N-[(E)-2-[[2-(3,3-ジメチル-5-オキソ-ピペラジン-1-イル)ピリミジン-5-イル]オキシメチル]-3-フルオロ-アリル]カルバメート
該粗物質を下記条件で分取HPLCにかけて(カラム:SunFire C18 30x100mm 5μm;A:HO(0.1% FA);B:ACN(0.1% FA)、グラジエント:11分で29~44% ACN、17分で停止;カラム温度:室温;流速:30mL/分;t(R)=10.1分(UV))、表題化合物が白色の固形物(15mg,6%)として生じる。
【0070】
製造51
tert-ブチル N-[(E)-2-[[2-(4,4-ジメチル-2-オキソ-イミダゾリジン-1-イル)ピリミジン-5-イル]オキシメチル]-3-フルオロ-アリル]カルバメート
【化52】
tert-ブチル N-[(E)-2-[[2-[(2-アミノ-2-メチル-プロピル)アミノ]ピリミジン-5-イル]オキシメチル]-3-フルオロ-アリル]カルバメート(151mg,0.41mmol)をTHF(10mL)中に溶解し、1,1’-カルボニルジイミダゾール(122mg,0.73mmol)を一度に加える。該混合物を室温で終夜攪拌し、続いて該混合物を60℃に5時間加熱する。該反応混合物を減圧濃縮して、粗製混合物をさらに精製することなく用いる。
【0071】
製造52
tert-ブチル N-[(E)-3-フルオロ-2-[[2-[4-(1-メチル-2-オキソ-ピロリジン-3-イル)オキシ-1-ピペリジル]ピリミジン-5-イル]オキシメチル]アリル]カルバメート
【化53】
NMP(2.0mL)中の1-メチル-3-(4-ピペリジルオキシ)ピロリジン-2-オン(85mg,0.386mmol)、tert-ブチル N-[(E)-2-[(2-クロロピリミジン-5-イル)オキシメチル]-3-フルオロ-アリル]カルバメート(0.123g,0.386mmol)およびDIPEA(0.102g,0.772mmol,0.135mL)の混合物を、100℃で16時間攪拌する。該反応混合物を水(30mL)で希釈し、該混合物をEtOAcで抽出する(3x15mL)。該有機抽出物を合わせて、食塩水で洗浄し(3x30mL)、無水NaSO上で乾燥させ、濾過し、次いで該濾液を減圧濃縮する。該残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(DCM中で0~0.5% MeOHで溶出)にかけて、表題化合物(85mg,41%)を無色のガム状物として得る。LCMS (m/z): 480.2 [M+H]+,
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.08 (s, 2H), 6.70 (d, J = 81.6 Hz, 1H), 4.77 (br s, 1H), 4.39 (d, J = 3.6 Hz, 2H), 4.38-4.25 (m, 2H), 4.20-4.14 (m, 1H), 4.13-4.05 (m, 1H), 4.04-3.94 (m, 2H), 3.45-3.36 (m, 1H), 3.35-3.20 (m, 3H), 2.87 (s, 3H), 2.42-2.28 (m, 1H), 2.06-1.94 (m, 3H), 1.62-1.50 (m, 2H), 1.43 (s, 9H)
【0072】
製造53
1-[5-[(E)-2-[(tert-ブトキシカルボニルアミノ)メチル]-3-フルオロ-アリルオキシ]ピリミジン-2-イル]ピペリジン-4-カルボン酸
【化54】
水酸化リチウム(300mg,12.5mmol)を、THF(8.0mL)および水(4.0mL)の混合物中のメチル 1-[5-[(E)-2-[(tert-ブトキシカルボニルアミノ)メチル]-3-フルオロ-アリルオキシ]ピリミジン-2-イル]ピペリジン-4-カルボキシレート(260mg,0.55mmol)の攪拌溶液に加える。生じた混合物を室温で16時間攪拌する。濾過して、該固形物を除去し、該濾液を濃縮して、粗表題生成物を得て、さらに精製することなくそのまま用いることができる。LCMS (ESI): m/s 411.3[M+H].
【0073】
製造54
1-[5-[(E)-2-[(tert-ブトキシカルボニルアミノ)メチル]-3-フルオロ-アリルオキシ]ピリミジン-2-イル]-4-メチル-ピペリジン-4-カルボン酸
【化55】
水酸化リチウム(19mg,0.79mmol)を、THF(4.0mL)および水(2.0mL)の混合物中のエチル 1-[5-[(E)-2-[(tert-ブトキシカルボニルアミノ)メチル]-3-フルオロ-アリルオキシ]ピリミジン-2-イル]-4-メチル-ピペリジン-4-カルボキシレート(35mg,0.077mmol)の攪拌溶液に加える。生じた混合物を室温で16時間攪拌する。次いで、該混合物を、マイクロ波照射下で100℃に2時間加熱する。10% HClを加えて、pHを約3に調整し、該混合物を、乾燥するまで減圧下で蒸発させて、該粗表題生成物を白色の固形物として得て、さらに精製することなくそのまま用いる。LCMS (ESI): m/s 425.3[M+H].
【0074】
製造55
tert-ブチル N-[(E)-2-[[2-[4-(ジメチルカルバモイル)-1-ピペリジル]ピリミジン-5-イル]オキシメチル]-3-フルオロ-アリル]カルバメート
【化56】
THF中のジメチルアミン(0.10mL,0.20mmol,2mol/L)を、DMF(4.0mL)中の1-[5-[(E)-2-[(tert-ブトキシカルボニルアミノ)メチル]-3-フルオロ-アリルオキシ]ピリミジン-2-イル]ピペリジン-4-カルボン酸(60mg,0.14mmol)の攪拌溶液に加え、続いてHATU(0.10g,0.26mmol)およびDIPEA(0.05mL,0.3mmol)を加える。該混合物を室温で16時間攪拌する。該溶媒を減圧下で留去して、粗生成物を得て、下記条件を用いて分取HPLCにより精製する:カラム:SunFire C18 30x100mm 5μm;A:HO(0.1% FA);B:ACN(0.1% FA),グラジエント:11分で31~46% ACN、18分で停止;カラム温度:室温;流速:30mL/分;t(R)=9.2分(UV)。表題生成物(23mg,37%)を白色の固形物として単離する。LCMS (ESI): m/s 438.4[M+H].
【0075】
製造56
tert-ブチル N-[(E)-3-フルオロ-2-[[2-[4-[(3S)-3-ヒドロキシピロリジン-1-カルボニル]-1-ピペリジル]ピリミジン-5-イル]オキシメチル]アリル]カルバメート
【化57】
適当なアミン化合物であるピロリジン-3-オールを用いて、基本的に製造55の方法による手順に従う。
【0076】
実施例1
8-[5-[(E)-2-(アミノメチル)-3-フルオロ-アリルオキシ]ピリミジン-2-イル]-2-メチル-2,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-1-オン二塩酸塩
【化58】
3M HCl中のtert-ブチル N-[(E)-3-フルオロ-2-[[2-(2-メチル-1-オキソ-2,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-8-イル)ピリミジン-5-イル]オキシメチル]アリル]カルバメート(0.16g,0.34mmol)をMeOH(5.0mL)中に溶解する。生じた混合物を室温で1時間攪拌する。該混合物を減圧濃縮して、残渣を得る。該残渣を水(5mL)中に溶解し、該混合物を凍結乾燥させて、表題化合物(0.13g,86%)を淡黄色のガム状物として得る。ES/MS (m/z) 350.2 (M+H).
【0077】
実施例2
8-[5-[(E)-2-(アミノメチル)-3-フルオロ-アリルオキシ]ピリミジン-2-イル]-2-メチル-2,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-1-オン
【化59】
炭酸カリウム(100mL)および2-メチル-THF(200mL)の飽和水溶液を、8-[5-[(E)-2-(アミノメチル)-3-フルオロ-アリルオキシ]ピリミジン-2-イル]-2-メチル-2,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-1-オン二塩酸塩(9.17g,21.2mmol)に加える。水層を有機層から分離する。該水層を2-メチル-THF(200mL)で洗浄し、該有機抽出物を該有機層に加える。該有機層をNaSO上で乾燥させ、濾過し、次いで該濾液を減圧濃縮して、表題化合物(85質量%,7.47g,18.2mmol,85.9%)を得る。ES/MS (m/z) 350.2 (M+H).
【0078】
実施例3
4-[5-[(E)-2-(アミノメチル)-3-フルオロ-アリルオキシ]-2-ピリジル]ピペラジン-2-オン
【化60】
HCl(3mL,1,4-ジオキサン中で4M)を、1,4-ジオキサン(2mL)中のtert-ブチル 4-[5-[(E)-2-[(tert-ブトキシカルボニルアミノ)メチル]-3-フルオロ-アリルオキシ]-2-ピリジル]-2-オキソ-ピペラジン-1-カルボキシレート(180mg,0.364mmol)の溶液に加える。該反応混合物を室温で2時間攪拌する。該溶媒を減圧下で留去して、粗生成物を黄色の固形物として得る。該物質を、下記条件を用いて分取HPLCにかけて(カラム:Kromasil C18 250*50mm*10μm,1~30% B(A(水/0.05% NHOH)を含む),B:ACN,流速:25mL/分)、表題化合物(20.2mg,19%)を得る。LCMS (ESI): m/s 280.9 [M+H]+, 1H NMR (400 MHz, d4-MeOH 7.95 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 7.37 (dd, J = 9.2, 3.2 Hz, 1H), 6.97 (d, J = 84 Hz, 1H), 6.83 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 4.57 (d, J = 3.2 Hz, 2H), 4.03 (s, 2H), 3.71 (t, J = 4.0 Hz, 2H), 3.62-3.55 (m, 2H), 3.44 (t, J = 4.0 Hz, 2H).
【0079】
実施例4
3-[[1-[5-[(E)-2-(アミノメチル)-3-フルオロ-アリルオキシ]ピリミジン-2-イル]-4-ピペリジル]オキシ]-1-メチル-ピロリジン-2-オン二塩酸塩
【化61】
MeOH中のHCl(4.0mL,4M)中のtert-ブチル N-[(E)-3-フルオロ-2-[[2-[4-(1-メチル-2-オキソ-ピロリジン-3-イル)オキシ-1-ピペリジル]ピリミジン-5-イル]オキシメチル]アリル]カルバメート(85mg,0.160mmol)の混合物を、室温で1時間攪拌し、次いで該反応混合物を減圧濃縮する。該残渣を、下記条件を用いて分取HPLCにかけて(カラム:YMC-Actus Triart C18 150*30mm*5μm,0~30% B(A(水/0.05% HCl)を含有)、B:ACN、流速:25mL/分)、表題化合物(45mg,61%)を黄色のガム状物として得る。LCMS (m/z): 380.3 [M+H]+, 1H NMR (400 MHz, d4-MeOH) δ 6.86 (s, 2H), 5.68 (d, J = 80.4 Hz, 1H), 3.13 (d, J = 2.8 Hz, 2H), 2.73 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 2.55-2.41 (m, 3H), 2.29-2.14 (m, 4H), 1.88-1.76 (m, 2H), 1.29 (s, 3H), 0.95-0.81 (m, 1H), 0.52-0.15 (m, 5H)
【0080】
実施例5
1-[5-[(E)-2-(アミノメチル)-3-フルオロ-アリルオキシ]ピリミジン-2-イル]-3-メチル-イミダゾリジン-2-オン塩酸塩
【化62】
tert-ブチル N-[(E)-3-フルオロ-2-[[2-(3-メチル-2-オキソ-イミダゾリジン-1-イル)ピリミジン-5-イル]オキシメチル]アリル]カルバメート(35.1mg,0.0920mmol)をHCl(10mL,EtOAc中で1M)中に溶解し、得られた溶液を終夜攪拌する。該懸濁液を減圧濃縮し、水中に溶解し、該溶液を凍結乾燥させて、表題化合物をオフホワイト色の固形物(24mg,63%)として得る。LCMS (ESI): m/s 282.2 [M+H]+.
【0081】
下記化合物を、適当なBOC保護アリルメチルアミン化合物を用いて、基本的に実施例5の方法に類似する方法で製造する。
【表4】


1mLの0.5mol/L HCl(MeOH中)と予め混合する
該混合物を80℃に1時間加熱する
【0082】
実施例8
1-[5-[(E)-2-(アミノメチル)-3-フルオロ-アリルオキシ]ピリミジン-2-イル]ピペリジン-4-カルボキサミド塩酸塩
【化63】
HCl(8mL,MeOH中で4M)中のtert-ブチル N-[(E)-2-[[2-(4-カルバモイル-1-ピペリジル)ピリミジン-5-イル]オキシメチル]-3-フルオロ-アリル]カルバメート(80.0mg,0.195mmol)の混合物を10℃で2時間攪拌する。該反応混合物を減圧濃縮する。該残渣を分取HPLC(0.05% HClで溶出)で精製して、表題化合物(43.0mg,62%)を黄色の固形物として得る。LCMS (ESI): m/s 309.9 [M+H], 1H NMR (400 MHz, d4-MeOH) δ 8.49 (s, 2H), 7.28 (d, J = 80.4 Hz, 1H), 4.74 (d, J = 2.8 Hz, 2H), 4.60-4.47 (m, 2H), 3.86 (s, 2H), 3.41-3.33 (m, 2H), 2.78-2.60 (m, 1H), 2.08-1.95 (m, 2H), 1.87-1.72 (m, 2H).
【0083】
実施例9
8-[5-[(E)-2-(アミノメチル)-3-フルオロ-アリルオキシ]ピリミジン-2-イル]-2,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-3-オン二塩酸塩
【化64】
tert-ブチル N-[(E)-3-フルオロ-2-[[2-(3-オキソ-2,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-8-イル)ピリミジン-5-イル]オキシメチル]アリル]カルバメート(61mg,0.1401mmol,100質量%)およびMeOH中のHCl(4.0mL,0.39mol/L)の混合物を、マイクロ波照射下において60℃で2時間攪拌する。該溶媒を減圧下で蒸発させて、表題化合物を黄色の固体(60mg,99%)として得る。LCMS (ESI): m/s 336.3 [M+H].
【0084】
下記化合物を、基本的に実施例9の方法に類似する方法で調製する(約60~80℃に5分間~2時間加熱する)。
【表5】











該粗物質を水中に溶解し、固形物に凍結乾燥させる。
下記の精製方法を参照のこと。
【0085】
実施例12の精製
7-[5-[(E)-2-(アミノメチル)-3-フルオロ-アリルオキシ]ピリミジン-2-イル]-2,7-ジアザスピロ[4.5]デカン-3-オン
該粗物質を下記条件で分取HPLCにかけて(LCカラム:XBridge(登録商標)C18 30x150mm 5μm;A:HO 10mM NHHCO;B:ACN,グラジエント:0~2分で0~5% ACN、2~12分で10~20% ACN、18分で停止;カラム温度:室温;流速:35mL/分;t(R)=10.7分(UV))、表題生成物(8.5mg,36%)が白色の固形物として生じる。
【0086】
実施例20の精製
9-[5-[(E)-2-(アミノメチル)-3-フルオロ-アリルオキシ]ピリミジン-2-イル]-2-メチル-2,9-ジアザスピロ[5.5]ウンデカン-1-オン
該粗物質を水中に溶解し、NaHCOで塩基性にする。得られた物質を下記条件で分取HPLCかけて(LCカラム:XBridge C18 30x100mm 5μm;A:HO(10mM NHHCO);B:ACN,グラジエント:9分で10~25% B、14分で停止;カラム温度:室温;流速:35mL/分;t(R)=8.7分(UV))、表題化合物(21mg,52%)が明黄色の油状物として生じる。
【0087】
実施例22
1-[5-[(E)-2-(アミノメチル)-3-フルオロ-アリルオキシ]ピリミジン-2-イル]-N,N,4-トリメチル-ピペリジン-4-カルボキサミド二ギ酸
【化65】
THF中のジメチルアミン(0.20mL,0.40mmol,2mol/L)を、DMF(2.0mL)中の1-[5-[(E)-2-[(tert-ブトキシカルボニルアミノ)メチル]-3-フルオロ-アリルオキシ]ピリミジン-2-イル]-4-メチル-ピペリジン-4-カルボン酸(32mg,0.075mmol)の攪拌溶液に加え、続いてHATU(60mg,0.16mmol)およびDIPEA(0.065mL,0.37mmol)を加える。該混合物を室温で16時間攪拌する。該混合物を減圧濃縮して、粗生成物を得る。該粗物質を、下記条件を用いて分取HPLCにかけて(LCカラム:SunFire C18 30x100mm 5μm;A:HO(0.1% FA);B:ACN(0.1% FA),グラジエント:0~3分で5~5% ACN、3~13分で5~10% ACN、19分で停止;カラム温度:室温;流速:30mL/分;t(R)=8.5分(UV))、表題化合物(15mg,43%)が白色の固形物として生じる。LCMS (ESI): m/s 352.2[M+H].
【0088】
生物学的アッセイ
SSAO/VAP-1インビトロ活性
組み換えhSSAO、hMAOa、およびhMAObアイソフォームのアミンオキシダーゼ活性を、Promega(V1402)からのMAO-Glo(登録商標)アッセイキットを用いて測定する。試験化合物(ベヒクルとしてDMSO、SSAOについては0.5v/v%)および酵素を室温で10分間インキュベートし、発光基質を加える。該基質濃度は、ヒト組み換えSSAOについて10μMである。該アッセイは、ウェルプレート内のpH7.4緩衝液(50mM HEPES、120mM NaCl、5mM KCl、2mM CaCl、1.4mM MgCl、0.001% Tween-20)中で行う。該基質の酸化を2時間行い、製造業者のプロトコールに従って検出試薬を加える。試験化合物のIC50値は、用量応答曲線を、4パラメーター非線形回帰分析を用いて適合させることによって算出する。実施例の化合物は、100nM未満のhSSAO阻害IC50値を示す。実施例1の化合物のIC50値は、19.36±5.68である(n=5)(データは、平均±標準偏差として示す)。
【0089】
試験された実施例化合物は、hMAOaおよびhMAObについてそれぞれ、15μMおよび180μMのIC50値を示し、このことは、実施例の化合物が、hMAOaまたはhMAObに対して選択性を有することを示す。
【0090】
SSAOターゲットエンゲージメント
ラット血漿および肝臓組織におけるSSAO活性を、Promega(V1402)からのMAO-Glo(登録商標)アッセイキットを用いて測定する。化合物処置後のラットにおける残りのSSAO活性を、MAO阻害剤クロルギリンおよびパルギリンの存在で反応しにくい血漿または肝臓溶解物における総アミンオキシダーゼ活性を測定することによって推定する。ラットに、実施例1の化合物を15、3、0.6、0.12、0.025、0.005mg/kgの用量で投与する。コントロール群を、同一の容量(2ml/kg)の投薬ベヒクル(ヒドロキシエチルセルロース 1w/v%、0.25% Tween80)として投与する。化合物処置2または24時間後の血漿および肝臓を回収し、分析するまで-78℃で保存する。組織溶解物は、溶解緩衝液(20mM HEPES、pH7.4、150mM NaCl、1mM EDTA、1mM EGTA、1% Triton X-100および1xロッシュコンプリートプロテアーゼインヒビター錠剤)中でホモジェナイズすることによって調製する。組織粒子は、4℃で2,000rpmにおける30分間の遠心分離によって取り除く。40μlの血漿または肝臓溶解物を、クロルギリン(10μM)およびパルギリン(10μM)と室温で20分間インキュベートし、発光基質(50μM)を60分間加える。生じた生成物を製造業者の方法に従って定量化する。MAO阻害剤の存在に対して反応しにくい活性フラクションを、残りのSSAO活性の代替物として用いる。実施例1の化合物を、様々な用量で投与される上記に基本的に記載されるプロトコールで評価する。結果を下記表に記載する。
実施例1の化合物のSSAOターゲットエンゲージメント
【表6】


データは、平均±SEMとして示す(n=6)。
【0091】
これらの結果により、実施例1の化合物が、ラット血漿および肝臓組織の両方のSSAO活性を用量依存的に阻害することが示される。