(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-17
(45)【発行日】2023-03-28
(54)【発明の名称】管理装置、管理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/08 20120101AFI20230320BHJP
【FI】
G06Q40/08
(21)【出願番号】P 2022153469
(22)【出願日】2022-09-27
【審査請求日】2022-11-29
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】田中 卓弥
(72)【発明者】
【氏名】川名 弘志
【審査官】原 忠
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0316510(US,A1)
【文献】特開2020-067878(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無人移動体のユーザを識別するためのユーザ識別情報又は前記無人移動体を識別するための移動体識別情報と、前記無人移動体が移動する目的及び場所を示す移動情報と、を含む移動申請情報を、前記ユーザが使用している情報処理端末から受信する受信部と、
前記ユーザ識別情報又は前記移動体識別情報に関連付けられた前記無人移動体の保険の補償範囲を示す保険情報と、前記移動申請情報に基づいて特定した、前記無人移動体が移動するために必要な前記保険の条件を示す保険条件情報と、を取得する取得部と、
前記保険情報が示す前記保険の補償範囲が、前記保険条件情報が示す前記保険の条件を満たすか否かを判定する判定部と、
前記判定部が判定した結果を前記ユーザに通知する通知部と、
を有する管理装置。
【請求項2】
前記通知部は、前記保険条件情報に含まれる複数の条件のうち、前記保険の補償範囲に含まれない1以上の条件を前記ユーザに通知する、
請求項1に記載の管理装置。
【請求項3】
前記通知部は、前記保険条件情報に含まれる複数の条件のうち前記保険の補償範囲に含まれない1以上の条件を補償範囲に含む他の保険に加入することが可能なアクセス先を前記ユーザに通知する、
請求項1に記載の管理装置。
【請求項4】
前記取得部は、前記移動申請情報に含まれる移動日時及び場所で予想される気象を示す気象予想情報を取得し、
前記判定部は、前記気象予想情報が示す気象が前記保険の補償範囲内であるか否かを判定する、
請求項1に記載の管理装置。
【請求項5】
前記取得部は、前記無人移動体の登録日時、製造日時、重量、移動距離、点検履歴情報、及び運搬する荷物の重量の少なくともいずれかを、前記移動体識別情報に関連付けた移動体情報を取得し、
前記判定部は、前記移動体情報が示す内容が、前記保険条件情報が示す前記保険の条件を満たすか否かを判定する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の管理装置。
【請求項6】
前記無人移動体が移動した履歴を示す移動履歴情報と、前記無人移動体の登録日時、製造日時、型式、点検履歴情報及び事故履歴情報のうち少なくともいずれかを含む移動体情報と、前記移動申請情報と、のうち少なくともいずれかに基づいて、前記無人移動体が移動するために必要な保険料を算出する算出部をさらに有する、
請求項1に記載の管理装置。
【請求項7】
前記取得部は、前記無人移動体が移動中である場合、一定の時刻ごとに、当該無人移動体が移動した内容または前記無人移動体が取得した周辺環境情報を示す移動中情報を取得し、
前記判定部は、前記保険の補償範囲が、前記移動中情報に対応する前記保険の条件を満たすか否かを判定し、
前記通知部は、前記判定部が前記保険の条件を満たさないと判定した場合は、前記保険の補償範囲が不十分であることを、前記無人移動体が移動中に前記ユーザに通知する、
請求項1に記載の管理装置。
【請求項8】
コンピュータが実行する、
無人移動体のユーザを識別するためのユーザ識別情報又は前記無人移動体を識別するための移動体識別情報と、前記無人移動体が移動する目的及び場所を示す移動情報と、を含む移動申請情報を、前記ユーザが使用している情報処理端末から受信するステップと、
前記ユーザ識別情報又は前記移動体識別情報に関連付けられた前記無人移動体の保険の補償範囲を示す保険情報と、前記移動申請情報に基づいて特定した、前記無人移動体が移動するために必要な前記保険の条件を示す保険条件情報と、を取得するステップと、
前記保険情報が示す前記保険の補償範囲が、前記保険条件情報が示す前記保険の条件を満たすか否かを判定するステップと、
前記判定するステップにおいて判定した結果を前記ユーザに通知するステップと、
を有する管理方法。
【請求項9】
コンピュータに、
無人移動体のユーザを識別するためのユーザ識別情報又は前記無人移動体を識別するための移動体識別情報と、前記無人移動体が移動する目的及び場所を示す移動情報と、を含む移動申請情報を、前記ユーザが使用している情報処理端末から受信するステップと、
前記ユーザ識別情報又は前記移動体識別情報に関連付けられた前記無人移動体の保険の補償範囲を示す保険情報と、前記移動申請情報に基づいて特定した、前記無人移動体が移動するために必要な前記保険の条件を示す保険条件情報と、を取得するステップと、
前記保険情報が示す前記保険の補償範囲が、前記保険条件情報が示す前記保険の条件を満たすか否かを判定するステップと、
前記判定するステップにおいて判定した結果を前記ユーザに通知するステップと、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理装置、管理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
無人移動体の一例であるドローン等の無人飛行体を対象とした保険サービスにおいて無人飛行体の保険料を算出するための情報処理装置が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザは、無人移動体を対象とした保険サービスに加入することで、無人移動体が事故を起こしたり故障したりした場合に補償を受けることができる。また、事故などの発生に備えて、無人移動体の移動申請を行う場合や前記移動申請を受け付ける場合に、ユーザが、このような保険への加入を求められることが考えられる。そのため、無人移動体の事故に備えた保険の加入の有無や補償範囲を確認したいという要求があることが想定される。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、無人移動体による移動に関する保険の加入の有無や補償範囲を簡便に知ることができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係る管理装置は、無人移動体のユーザを識別するためのユーザ識別情報又は前記無人移動体を識別するための移動体識別情報と、前記無人移動体が移動する目的及び場所を示す移動情報と、を含む移動申請情報を、前記ユーザが使用している情報処理端末から受信する受信部と、前記ユーザ識別情報又は前記移動体識別情報に関連付けられた前記無人移動体の保険の補償範囲を示す保険情報と、前記移動申請情報に基づいて特定した、前記無人移動体が移動するために必要な前記保険の条件を示す保険条件情報と、を取得する取得部と、前記保険情報が示す前記保険の補償範囲が、前記保険条件情報が示す前記保険の条件を満たすか否かを判定する判定部と、前記判定部が判定した結果を前記ユーザに通知する通知部と、を有する。
【0007】
前記通知部は、前記保険条件情報に含まれる複数の条件のうち、前記保険の補償範囲に含まれない1以上の条件を前記ユーザに通知してもよい。
【0008】
前記通知部は、前記保険条件情報に含まれる複数の条件のうち前記保険の補償範囲に含まれない1以上の条件を補償範囲に含む他の保険に加入することが可能なアクセス先を前記ユーザに通知してもよい。
【0009】
前記取得部は、前記移動申請情報に含まれる移動日時及び場所で予想される気象を示す気象予想情報を取得し、前記判定部は、前記気象予想情報が示す気象が前記保険の補償範囲内であるか否かを判定してもよい。
【0010】
前記取得部は、前記無人移動体の登録日時、製造日時、重量、移動距離、点検履歴情報、及び運搬する荷物の重量の少なくともいずれかを、前記移動体識別情報に関連付けた移動体情報を取得し、前記判定部は、前記移動体情報が示す内容が、前記保険条件情報が示す前記保険の条件を満たすか否かを判定してもよい。
【0011】
前記無人移動体が移動した履歴を示す移動履歴情報と、前記無人移動体の登録日時、製造日時、型式、点検履歴情報及び事故履歴情報のうち少なくともいずれかを含む移動体情報と、前記移動申請情報と、のうち少なくともいずれかに基づいて、前記無人移動体が移動するために必要な保険料を算出する算出部をさらに有してもよい。
【0012】
前記取得部は、前記無人移動体が移動中である場合、一定の時刻ごとに、当該無人移動体が移動した内容または前記無人移動体が取得した周辺環境情報を示す移動中情報を取得し、前記判定部は、前記保険の補償範囲が、前記移動中情報に対応する前記保険の条件を満たすか否かを判定し、前記通知部は、前記判定部が前記保険の条件を満たさないと判定した場合は、前記保険の補償範囲が不十分であることを、前記無人移動体が移動中に前記ユーザに通知してもよい。
【0013】
本発明の第2の態様に係る管理方法は、コンピュータが実行する、無人移動体のユーザを識別するためのユーザ識別情報又は前記無人移動体を識別するための移動体識別情報と、前記無人移動体が移動する目的及び場所を示す移動情報と、を含む移動申請情報を、前記ユーザが使用している情報処理端末から受信するステップと、前記ユーザ識別情報又は前記移動体識別情報に関連付けられた前記無人移動体の保険の補償範囲を示す保険情報と、前記移動申請情報に基づいて特定した、前記無人移動体が移動するために必要な前記保険の条件を示す保険条件情報と、を取得するステップと、前記保険情報が示す前記保険の補償範囲が、前記保険条件情報が示す前記保険の条件を満たすか否かを判定するステップと、前記判定するステップにおいて判定した結果を前記ユーザに通知するステップと、を有する。
【0014】
本発明の第3の態様に係るプログラムは、コンピュータに、無人移動体のユーザを識別するためのユーザ識別情報又は前記無人移動体を識別するための移動体識別情報と、前記無人移動体が移動する目的及び場所を示す移動情報と、を含む移動申請情報を、前記ユーザが使用している情報処理端末から受信するステップと、前記ユーザ識別情報又は前記移動体識別情報に関連付けられた前記無人移動体の保険の補償範囲を示す保険情報と、前記移動申請情報に基づいて特定した、前記無人移動体が移動するために必要な前記保険の条件を示す保険条件情報と、を取得するステップと、前記保険情報が示す前記保険の補償範囲が、前記保険条件情報が示す前記保険の条件を満たすか否かを判定するステップと、前記判定するステップにおいて判定した結果を前記ユーザに通知するステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、無人移動体の事故又は故障に対して保険の適切な補償を受けられるか否かを知ることができるようにするという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本実施形態に係る管理システム1の概要を説明するための図である。
【
図9】管理装置20における処理シーケンスの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<管理システム1の概要>
図1は、本実施形態に係る管理システム1の概要を説明するための図である。
図1に示す管理システム1は、情報端末10と管理装置20とを備える。情報端末10と管理装置20とは、インターネット、イントラネット、LAN(Local Area Network)、無線LAN又は移動体通信網等のネットワークを介して互いに通信可能に接続されている。
【0018】
情報端末10は、例えば、ドローン等の無人移動体(以下、「移動体」という)のユーザが使用するスマートフォン、タブレット端末又はパーソナルコンピュータ等の装置である。管理装置20は、例えば、コンピュータであり、1若しくは複数の物理的なサーバ、又はクラウドサーバで構成されている。
【0019】
管理システム1は、移動体のユーザが、移動体が移動するために必要な保険に加入したか否かを、移動体の移動申請を受け付けた際に判定するためのシステムである。ここで、必要な保険に加入したか否かとは、ユーザが保険に加入したか否かに限らず、移動申請の内容が、ユーザが加入した保険の補償範囲であるか否かを含む。移動申請の内容は、例えば、移動体の移動目的、移動体が移動する領域、移動体が移動する時刻、移動体が自律走行をするか否か、移動体の移動に際して補助者がいるか否か等である。補助者は、有人機を確認した場合に衝突を回避することを操縦者に助言等をする人である。
【0020】
管理装置20は、移動体のユーザが加入した保険の補償範囲を含む保険情報を記憶部に記憶している。管理装置20は、ネットワークを介して接続された、保険会社が所有、使用、又は管理するサーバ又はクラウドサーバ等のコンピュータに保険情報を記憶させてもよい。
【0021】
管理装置20は、保険条件情報を記憶部に記憶している。保険条件情報は、移動体が移動するために必要な保険の補償範囲を示す情報である。保険条件情報が示す、移動するために必要な保険の補償範囲は、例えば、移動する領域が有人地帯か否か、当該領域が目視できるか否か、自律移動か否か、移動に際して補助者がいるか否か等の移動内容の組み合わせに応じて定められている。
以下、情報端末10及び管理装置20の動作の概要を、
図1を用いて説明する。
【0022】
情報端末10は、上述した移動申請の内容を含む移動申請情報を管理装置20に送信する(
図1における(1))。管理装置20は、記憶部を参照することにより、移動申請情報を送信した情報端末10のユーザ又は移動体に対応する保険情報を取得する(
図1における(2))。管理装置20は、移動申請情報に含まれる、移動体が移動する位置を含む領域を特定し、当該領域に対応する保険条件情報を取得する(
図1における(3))。
【0023】
管理装置20は、保険情報が示す保険種別又は補償範囲が、保険条件情報が示す保険条件(すなわち、移動体が移動するために必要な種別の保険又は補償範囲)を満たすか否かを判定する(
図1における(4))。例えば、管理装置20は、保険条件情報が示す保険条件が「有人地帯における自律移動が補償範囲に含まれている」であることを特定する。管理装置20は、保険情報の免責事項に「有人地帯における移動」又は「自律移動」が含まれていることを特定した場合、移動体が移動するために必要な保険にユーザが加入していないと判定する。
【0024】
管理装置20は、判定した結果を情報端末10に通知する(
図1における(5))。例えば、管理装置20は、移動体が移動するために必要な保険にユーザが加入していると判定した場合、移動申請情報が示す移動申請の内容を許可することを情報端末10に通知する。一方、管理装置20は、移動体が移動するために必要な保険にユーザが加入していないと判定した場合、ユーザが加入した保険の補償範囲に不足している補償範囲を情報端末10に通知する。例えば、管理装置20は、不足している補償範囲が「有人地帯における移動」又は「自律移動」であることを示すメッセージを情報端末10に通知する。
【0025】
管理装置20がこのように動作することで、移動体のユーザは、移動体に将来発生する可能性がある事故又は故障等のトラブルに対して、自身が加入した保険の補償を受けられるか否かを知ることができる。さらに、管理装置20は、保険の補償範囲に含まれない状態でユーザが移動体を移動させることを防ぐことができる。
以下、管理装置20の構成及び動作を詳細に説明する。
【0026】
<管理装置20の構成>
図2は、管理装置20の構成を示す図である。管理装置20は、通信部21と、記憶部22と、制御部23と、を有する。
【0027】
通信部21は、ネットワークを介して情報を送受信するための通信デバイスを含む。通信デバイスは、例えば、LANコントローラ又は無線LANコントローラである。
【0028】
記憶部22は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の記憶媒体を有する。記憶部22は、制御部23が実行するプログラムを記憶している。記憶部22は、ユーザが、移動体が移動するために必要な保険に加入しているか否かを判定するために用いる各種の情報を記憶する。
【0029】
制御部23は、例えば、CPU(Central Processing Unit)又はGPU(Graphical Processing Unit)である。制御部23は、記憶部22に記憶されたプログラムを実行することにより、受信部231、取得部232、判定部233、通知部234及び算出部235として機能する。
以下、制御部23により実現される各部の構成を説明する。
【0030】
受信部231は、移動体のユーザを識別するためのユーザID又は移動体を識別するための移動体IDと、移動体が移動する目的及び場所を示す移動情報と、を含む移動申請情報を、ユーザが使用している情報端末10から受信する。受信部231は、情報端末10から取得した移動申請情報を記憶部22に記憶させる。
【0031】
図3は、移動申請情報の一例を示す図である。
図3に示す移動申請情報は、ユーザID、移動体ID及び申請内容が関連付けられている。申請内容は、例えば、移動元の位置、経由位置、移動先の位置、移動開始日時、到着予定日時、移動目的、積載重量、操作モード及び補助者の有無に関する情報を含む。操作モードは、ユーザが移動体を手動で操作する場合は「手動」を示し、移動体が自律移動をする場合は「自律移動」を示す。
【0032】
取得部232は、移動申請情報に基づいて、ユーザが加入した保険の補償範囲が保険条件を満たすか否かを判定するための各種の情報を取得する。取得部232は、記憶部22に記憶された、ユーザID又は移動体IDと保険を識別するための保険IDとが関連付けられたユーザ情報を参照することにより、移動申請情報に含まれるユーザID又は移動体IDに関連付けられた保険IDを特定する。この動作により、移動申請情報を送信したユーザが加入した保険を特定できる。
【0033】
取得部232は、移動申請情報に含まれるユーザID又は移動体IDに関連付けられた移動体の保険の補償範囲を示す保険情報を、記憶部22又は保険会社のサーバ等の情報処理装置から取得する。
図4は、保険情報の一例を示す図である。
図4に示す保険情報は、保険ID、保険会社名、対人、対物、機体、及び免責事項が関連付けられている。「対人」は、人への損害に対する補償額の上限を示す。「対物」は、物への損害に対する補償額の上限を示す。「機体」は、移動体への損害に対する補償額の上限を示す。
【0034】
取得部232は、移動申請情報に基づいて特定した、移動体が移動するために必要な保険の条件を示す保険条件情報と、を取得する。取得部232は、例えば、記憶部22を参照することにより、移動申請情報に含まれる移動元の位置、経由位置、移動先の位置のいずれかを含む領域に関連付けられた保険条件情報を取得する。
図5は、保険条件情報の一例を示す図である。
図5に示す保険条件情報は、領域、領域に含まれる位置、人の有無を示す人口、禁止目的、補助者が必要か否かを示す補助者、及び保険条件が関連付けられている。保険条件は、対人補償額の条件を示す「対人」、対物補償額の条件を示す「対物」、及び免責事項に関する条件を示す「免責事項」を含む。
【0035】
また、取得部232は、移動体の登録日時、製造日時、重量、移動距離、点検履歴情報、及び運搬する荷物の重量の少なくともいずれかを、移動体IDに関連付けた移動体情報を取得してもよい。取得部232は、例えば、移動申請情報に含まれる移動体IDに関連付けられた移動体情報を取得する。
図6は、移動体情報の一例を示す図である。
図6に示す移動体情報は、移動体ID、移動体の型式、移動体の登録日時、移動体の製造日時、移動体の重量、1回あたりの最大移動距離、最大積載重量、移動体が備える装備、移動履歴、事故履歴、及び点検履歴が関連付けられている。
【0036】
図6に示す「移動履歴」、「事故履歴」及び「点検履歴」は、それぞれ記憶部22に記憶されたファイル名を示す。管理装置20は、
図6に示すファイル名を指定することで、各種の履歴情報を参照することができる。移動履歴は、例えば、累積移動距離、累積移動時間、累積移動回数、1回あたりの最大移動距離、1回あたりの最大移動時間、指定された速度に達しなかった回数、又はいずれかの部品の異常が検出された回数等を含む。
【0037】
「累積移動距離」は、移動体の使用が開始されてからの移動距離の累積値である。「累積移動時間」は、移動体の使用が開始されてからの移動時間の累積値である。「累積移動回数」は、移動体の使用が開始されてから移動した回数である。「1回あたりの最大移動距離」は、過去の移動において最も長い距離を移動した際の移動距離である。「1回あたりの最大移動時間」は、過去の移動において最も長い時間を移動した際の移動時間である。「指定された速度に達しなかった回数」は、例えば、情報端末10が指定した速度に達しない状態で移動先まで移動した回数である。「いずれかの部品の異常が検出された回数」は、過去の移動において部品の異常が検出された回数である。
【0038】
事故履歴は、移動体が起こした事故又は移動体に発生した故障に関する履歴である。以下の説明においては、事故又は故障を単に「事故」という。事故履歴は、事故が発生した日時、事故が発生した位置、事故により損害を受けた人又は物、事故による移動体の損害を含む。
【0039】
点検履歴は、点検の目的、点検の項目、点検の結果及び修理の内容を含む。点検の目的は、例えば「定期点検」、「移動前点検」、「移動後点検」、「事故後点検」等である。点検の項目は、例えば、部品の異常の有無、試験飛行による動作確認、移動履歴が示す累積移動距離又は累積移動時間が閾値を超えたことによる部品交換等である。取得部232がこのように移動履歴、事故履歴、及び点検履歴を取得することで、例えば、判定部233が、ユーザが移動体の部品を適切なタイミングで交換したか否か、及びユーザが適切なタイミングで点検を受けたか否かを特定し、保険条件を満たすか否かを判定できる。
【0040】
また、取得部232は、移動申請情報に含まれる移動日時及び場所で予想される気象を示す気象予想情報を取得してもよい。取得部232は、例えば、
図3に示す「移動元」、「経由位置」、「移動先」の少なくともいずれかを含む領域を特定する。取得部232は、特定した領域と、
図3に示す「移動開始日時」から「到着日時予定」までの移動時間とを外部の情報処理装置(不図示)に通知することにより、特定した領域における移動時間の気象予想情報を取得する。気象予想情報は、例えば、天気、降水量、風速、警告情報の有無と種類のいずれかが含まれる。取得部232が気象予想情報を取得することで、移動体の移動時の気象が保険の補償範囲であるか否かを判定できる。
【0041】
また、取得部232は、移動体が移動中である場合、一定の時刻ごとに、当該移動体が移動した内容または移動体が取得した周辺環境情報を示す移動中情報を取得してもよい。移動した内容は、例えば、一定の時刻毎の移動体の位置、速度、警告情報の有無である。周辺環境情報は、例えば、移動体が備えるセンサが取得したセンサ情報、及びカメラが撮像した画像データである。センサは、例えば、障害物センサ、気圧センサ、感雨センサ、風速センサである。
【0042】
図7は、移動中情報の一例を示す図である。
図7に示す移動中情報は、移動体ID、移動時刻、移動位置、移動速度、警告情報、及び周辺環境情報が関連付けられている。周辺環境情報は、一例として、障害物センサ情報と風速センサ情報とを示す。例えば、管理装置20は、保険情報の免責事項が「異常発生後の移動における事故」を示し、移動中情報に含まれる警告情報がバッテリーエラーを示す場合、保険の条件を満たさないと判定し、ユーザに保険の補償範囲が不十分であることを通知できる。
【0043】
判定部233は、保険情報が示す保険の補償範囲が、保険条件情報が示す保険の条件を満たすか否かを判定する。判定部233は、例えば、取得部232が取得した保険情報から、移動申請情報が示すユーザID又は移動体IDに関連付けられた保険IDに対応する保険情報を特定する。判定部233は、例えば、取得部232が取得した保険条件情報から、移動申請情報が示す位置を含む領域に関連付けられた保険条件情報を特定する。そして、判定部233は、特定した保険情報が示す補償範囲と特定した保険条件情報が示す保険条件とを比較し、保険の補償範囲が保険条件を満たすか否かを判定する。
【0044】
具体的には、判定部233は、ユーザ情報を参照することにより、
図3(移動申請情報)に示すユーザID「U1」に関連付けられた保険ID「IN1」を特定する。判定部233は、
図4(保険情報)を参照することにより、保険ID「IN1」に関連付けられた対人補償額、対物補償額、及び免責事項を特定する。判定部233は、
図3(移動申請情報)を参照することにより、ユーザID「U1」に関連付けられた移動元の位置「P1」を特定する。判定部233は、
図5(保険条件情報)を参照することにより、位置「P1」を含む領域「R1」に関連付けられた保険条件に含まれる対人補償額、対物補償額、及び免責事項を特定する。
【0045】
続いて、判定部233は、保険情報に含まれる対人補償額「無制限」が、保険条件情報に含まれる対人補償額「無制限」を満たすと判定する。同様に、判定部233は、対物補償額についても保険の補償範囲が保険条件を満たすと判定する。判定部233は、保険条件情報が示す免責事項C1「有人地帯での事故又は故障を補償すること」に対して、保険情報が示す免責事項B1「有人地帯の移動」が保険条件を満たさないと判定し、保険の補償範囲が、保険条件を満たさないと判定する。判定部233がこのように動作することで、ユーザが加入した保険が、移動体が移動する領域の保険条件を満たすか否かを判定できる。
【0046】
また、判定部233は、
図3に示す「申請内容」が、保険条件情報が示す保険の条件を満たすか否かを判定してもよい。一例として、判定部233は、移動申請情報に含まれる移動元の位置、経由位置、及び移動先の位置を含む領域が、移動体が侵入することを禁止している侵入禁止エリアか否かを判定する。そして、判定部233は、侵入禁止エリアであると判定した場合、保険の免責事項に該当すると判定し、保険条件を満たさないと判定する。
【0047】
他の例として、判定部233は、移動申請情報に含まれる「移動目的」が、
図5に示す「禁止目的」に該当する場合、保険条件を満たさないと判定する。また、判定部233は、移動申請情報に含まれる「補助者」が「無し」を示し、且つ「操作モード」が「手動」を示す場合、
図5に示す「補助者」が「手動操作では必要」を示す場合は、保険条件を満たさないと判定する。判定部233がこのように移動申請情報に含まれる申請内容について保険条件を満たすか否かを判定することで、より多くの判定項目によりユーザが加入した保険について判定することができる。
【0048】
また、判定部233は、移動体情報が示す内容が、保険条件情報が示す保険の条件を満たすか否かを判定してもよい。移動体情報が示す内容は、例えば、
図6に示す「型式」、「登録日時」、「製造日時」、「最大積載重量」、「移動履歴」、「点検情報」等の各種のデータである。
【0049】
判定部233は、例えば、移動体情報に含まれる各種のデータそれぞれが示す値が閾値を超えたか否かを判定し、閾値を超えた場合は移動体の保険が保険条件を満たさないと判定する。閾値は、保険条件に基づいて管理装置20が決定した値であり、記憶部22が記憶する判定テーブルに含まれている。保険条件は、例えば「累積移動距離500km未満までを補償」、「部品の異常を検出した回数が3回まで補償」等の条件である。なお、管理装置20は、移動体のメーカが指定した閾値、保険会社が指定した閾値、国又は行政機関が指定した閾値の少なくともいずれかを外部の情報処理装置から取得して記憶部22に記憶させてもよいし、取得した複数の閾値を組み合わせて記憶部22に記憶させてもよい。
【0050】
図8は、判定テーブルの一例を示す図である。
図8に示す判定テーブルは、移動体の型式と移動履歴に関する判定項目に対応する判定閾値とが関連付けられている。さらに、移動体の用途によって要求される安全性が異なることが想定されるため、
図8に示す判定テーブルにおいては、用途と型式の組み合わせごとに異なる判定閾値が関連付けられている。
【0051】
例えば、判定部233は、移動体情報が示す「型式」及び「移動履歴」と移動申請情報が示す「移動目的」とを参照することにより、型式「K1」と用途「運搬」と移動履歴に含まれる累積移動距離「800km」とを特定する。続いて、判定部233は、累積移動距離「800km」が、
図8に示す「用途(運搬)」及び「型式K1」に関連付けられた判定項目「累積移動距離」の閾値「700km」を超えていることを特定し、ユーザが加入した保険が保険条件を満たしていないと判定する。判定部233がこのように動作することで、ユーザが加入した保険において不足している補償範囲を明確にできる。
【0052】
また、判定部233は、取得部232が取得した気象予想情報が示す気象が保険の補償範囲内であるか否かを判定してもよい。気象は、例えば、天気、降水量、風速、警報の有無である。判定部233は、例えば、移動体の移動日時における移動体の移動経路を含む領域の気象予想情報を取得し、気象予想情報が示す各種の気象データそれぞれが示す値が閾値を超えたか否かを判定する。閾値は、例えば「風速8m/s」、「降水量1m」、「警報の数0個」等の値であり、管理装置20が保険会社のサーバ等の情報処理装置から取得して記憶部22に記憶させた値である。
【0053】
ところで、気象予想情報は、時間の経過とともに変化する場合がある。さらに、気象予想情報は、直前の時刻の気象予想情報であればあるほど正確性が向上する。そこで、判定部233は、受信部231が移動申請情報を受信した日時から当該移動申請情報に含まれる移動開始日時までの期間において、一定の時間毎に、取得部232が取得した気象予想情報が示す気象が保険の補償範囲内であるか否かを判定してもよい。判定部233がこのように動作することで、気象が保険の補償範囲内であるか否かの判定結果が変化した場合に、判定結果が変化したことをユーザに通知できる。その結果、ユーザは、移動体の移動の中止又は実行を適宜判断できる。
【0054】
また、判定部233は、保険の補償範囲が、移動中情報に対応する保険の条件を満たすか否かを判定してもよい。判定部233は、例えば、一定の時刻ごとに、取得部232が取得した移動体の移動中情報に含まれる移動速度、警告情報、センサ情報等の各種の情報それぞれに対応する保険条件を特定する。そして、判定部233は、ユーザが加入した保険の補償範囲が、特定した保険条件を満たすか否かを判定する。
【0055】
一例として、判定部233は、
図7に示す「風速センサ情報」を参照することにより、取得部232が12時5分に移動体M1から取得した移動中情報に含まれる風速センサ情報が「8m/s」を示すことを特定する。続いて、判定部233は、
図5に示す保険条件の「免責事項」を参照することにより、免責事項C2「強風による事故又は故障を補償すること」を特定し、
図5に示す保険の「免責事項」を参照することにより、免責事項B2「風速8m/s以上の移動」を特定する。
【0056】
そして、判定部233は、保険の補償範囲(風速8m/s未満)が、移動中情報(風速8m/s)に対応する保険の条件(強風による事故又は故障の補償)を満たさないと判定する。判定部233がこのように動作することで、移動体が移動している間に保険の補償範囲が保険条件を満たさなくなったことをユーザに通知できる。
【0057】
通知部234は、判定部233が判定した結果をユーザに通知する。「通知する」とは、例えば、メール又はメッセージをユーザの情報端末10に送信することである。通知部234は、例えば、判定部233が、ユーザが加入した保険の補償範囲が保険条件を満たすと判定したことを条件として、移動体の移動を許可することをユーザに通知する。
【0058】
一方、通知部234は、判定部233が、保険の補償範囲が保険条件を満たさないと判定した場合、移動体の移動を許可しないことをユーザに通知する。この場合、通知部234は、保険条件情報に含まれる複数の条件のうち、保険の補償範囲に含まれない1以上の条件をユーザに通知してもよい。通知部234は、例えば、判定部233が保険の補償範囲と保険条件とを比較することにより特定した、保険が補償していない範囲に対応する保険条件(以下、「不足条件」という場合がある)をユーザに通知する。
【0059】
さらに、通知部234は、保険条件情報に含まれる複数の条件のうち保険の補償範囲に含まれない1以上の条件を補償範囲に含む他の保険に加入することが可能なアクセス先をユーザに通知してもよい。例えば、記憶部22は、複数の保険条件それぞれに関連付けて当該保険条件を補償範囲に含む保険を契約可能なアドレス(例えば、URL)を記憶している。そして、通知部234は、記憶部22を参照することにより、不足条件に対応するアドレスを特定し、ユーザに通知する。通知部234がこのように動作することで、ユーザは、簡単かつ迅速に保険条件を満たす保険に加入することができる。
【0060】
ユーザは、通知されたアドレスにアクセスして保険に加入した場合の保険料金を、当該アドレスにアクセスする前に知りたいと考える場合がある。そこで、通知部234は、アクセス先に関連付けて当該アクセス先が示す保険に加入した場合の保険料金をユーザに通知してもよい。
【0061】
例えば、記憶部22は、複数のアドレスそれぞれに関連付けて、保険の基本料金と移動申請情報に含まれる複数の申請内容それぞれに対応する加算料金又は割引料金とを記憶している。基本料金、加算料金及び割引料金は、概算値(すなわち見積料金)であってもよい。加算料金は、移動体の事故又は故障が発生する蓋然性が高くなると保険会社が判断した申請内容に対して加算される料金であり、割引料金は、移動体の事故又は故障が発生する蓋然性が低くなると保険会社が判断した申請内容に対して割引される料金である。一例として、
図3に示す申請内容「補助者」が「無し」の場合は1万円の加算料金が発生し、「補助者」が「有り」の場合は5千円の割引料金が発生する。
【0062】
そして、通知部234は、記憶部22が記憶している保険の基本料金と申請内容に対応する加算料金又は割引料金とに基づいて算出部235が算出した保険料金を、当該保険料金に対応するアドレスに関連付けてユーザに通知する。通知部234がこのように動作することで、ユーザは、保険料金を把握した後に、保険を契約するためのアドレスにアクセスできるので、安心して保険に加入する手続きを進めることができる。さらに、ユーザが複数のアドレスを取得した場合、複数の保険のうち最も保険料金が低い保険を選択することを、簡単かつ迅速に実行できる。
【0063】
また、通知部234は、判定部233が移動中情報に対応する保険の条件を満たさないと判定した場合は、保険の補償範囲が不十分であることを、移動体が移動中にユーザに通知してもよい。通知部234は、例えば、判定部233が移動中情報に対応する保険の条件を満たさないと判定したタイミングに、不足条件をユーザに通知する。通知部234がこのように動作することで、ユーザは、移動中の移動体を停止させることができる。
【0064】
ユーザは、移動体が移動中に保険の補償範囲が不十分な状態に変化した場合は、移動体を早く停止させたいと考える。しかしながら、ユーザがメール又はメッセージを閲覧していない場合は、保険の補償範囲が不十分な状態に変化したことに気付くまでに時間を要することが想定される。そこで、通知部234は、判定部233が移動中情報に対応する保険の条件を満たさないと判定した場合は、メール又はメッセージによる通知と合わせて電話等の音声による通知を実施してもよい。
【0065】
算出部235は、移動履歴情報と、移動体の登録日時、製造日時、型式、点検履歴情報及び事故履歴情報のうち少なくともいずれかを含む移動体情報と、移動申請情報と、のうち少なくともいずれかに基づいて、移動体が移動するために必要な保険料を算出する。一例として、算出部235は、移動体の移動申請情報に含まれる移動目的と同じ移動目的で移動する複数の他の移動体の保険料の平均値を、移動体が移動するために必要な保険料として算出する。
【0066】
他の例として、算出部235は、移動履歴情報、移動体情報、移動申請情報の少なくともいずれかが入力されると移動体が移動するために必要な保険料を出力する機械学習モデルを用いて保険料を算出する。機械学習モデルは、例えば、複数の移動体の移動履歴に含まれる「累積移動距離」と、外部の情報処理装置から取得した複数の移動体の事故実績情報と、複数の移動体の損害賠償に関する情報と、気象情報との関係を教師データとして、深層学習して構築される。
【0067】
また、算出部235は、保険条件情報のうち不足条件を補償するために必要な保険料を算出してもよい。算出部235は、例えば、判定部233が保険の補償範囲と保険条件とを比較することにより特定した不足条件が入力されると、当該不足条件に対応する保険の保険料を出力する機械学習モデルを用いて保険料を算出する。算出部235がこのように動作することで、通知部234は、不足条件と保険料とを関連付けてユーザに通知できる。
【0068】
<管理装置20における処理シーケンス>
図9は、管理装置20における処理シーケンスの例を示す図である。
図9に示す処理シーケンスは、受信部231が移動申請情報を受信する時点から開始している(S11)。取得部232は、移動申請情報に含まれるユーザID又は移動体IDに関連付けられた保険情報を取得する(S12)。取得部232は、移動目的、移動申請情報に含まれる移動元の位置、経由位置、移動先の位置の少なくともいずれかを含む領域に関連付けられた保険条件情報を取得する(S13)。
【0069】
判定部233は、保険情報が示す保険が、保険条件情報が示す保険条件を満たすか否かを判定する(S14)。保険条件を満たす場合(S14のYES)、通知部234は、ユーザが加入した保険が保険条件を満たすことをユーザに通知する(S15)。保険条件を満たさない場合(S14のNO)、通知部234は、判定部233が判定した、補償範囲に含まれない保険条件を特定する(S16)。続いて、通知部234は、記憶部22を参照することにより、特定した保険条件を補償する保険を契約するためのアクセス先を特定する(S17)。そして、通知部234は、特定した保険条件とアクセス先とをユーザに通知する(S18)。
【0070】
<管理装置20による効果>
以上説明したように、管理装置20は、ユーザID又は移動体IDと移動体が移動する目的及び場所を示す移動情報とを含む移動申請情報を受信する受信部231と、保険の補償範囲を示す保険情報と移動体が移動するために必要な保険の条件を示す保険条件情報とを取得する取得部232と、保険の補償範囲が保険の条件を満たすか否かを判定する判定部233と、判定部233が判定した結果を通知する通知部234と、を有する。
【0071】
管理装置20がこのように構成されることで、管理装置20は、移動体に将来発生する可能性がある事故又は故障に対して保険の適切な補償が受けられるか否かを、移動体の移動を許可する前に判定してユーザに通知することができる。その結果、判定結果の通知を受けたユーザは、移動体に対する適切な補償が可能な保険に加入した後に移動体を移動させることができる。
【0072】
なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0073】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0074】
1 管理システム
10 情報端末
20 管理装置
21 通信部
22 記憶部
23 制御部
231 受信部
232 取得部
233 判定部
234 通知部
235 算出部
【要約】 (修正有)
【課題】無人移動体の事故又は故障に対して保険の適切な補償を受けられるか否かを知ることができる管理装置、管理方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】管理システム1において、管理装置20は、無人移動体のユーザを識別するためのユーザ識別情報又は無人移動体を識別するための移動体識別情報と、無人移動体が移動する目的及び場所を示す移動情報と、を含む移動申請情報を、ユーザが使用している情報処理端末10から受信する受信部231、ユーザ識別情報又は移動体識別情報に関連付けられた無人移動体の保険の補償範囲を示す保険情報と、移動申請情報に基づいて特定した、無人移動体が移動するために必要な保険の条件を示す保険条件情報と、を取得する取得部232、保険情報が示す保険の補償範囲が、保険条件情報が示す保険の条件を満たすか否かを判定する判定部233及び判定部233が判定した結果をユーザに通知する通知部234を有する。
【選択図】
図2