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特許7247480ログ情報収集プログラム、ログ情報収集方法及び情報処理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-20
(45)【発行日】2023-03-29
(54)【発明の名称】ログ情報収集プログラム、ログ情報収集方法及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/01 20060101AFI20230322BHJP
【FI】
G06F3/01 510
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2018128550
(22)【出願日】2018-07-05
(65)【公開番号】P2020009071
(43)【公開日】2020-01-16
【審査請求日】2021-04-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】米澤 和也
(72)【発明者】
【氏名】田中 竜太
【審査官】木村 慎太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-040971(JP,A)
【文献】特開2015-191554(JP,A)
【文献】特開2017-068851(JP,A)
【文献】特開2017-058945(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想空間におけるユーザの状態を示すログ情報を監視し、前記ユーザが仮想空間内において注目度の高い状態であることを示す条件情報に基づき、前記ユーザの状態が注目度の高い状態であるか否かを判定する処理と、
前記ユーザの状態が前記注目度の高い状態であると判定された場合に、前記ログ情報の収集を開始する処理と、
前記仮想空間内に配置されたオブジェクト毎に蓄積された前記ログ情報を分析し、前記オブジェクト毎に、前記ユーザが持った印象を対応付けた分析結果情報を出力する処理と、をコンピュータに実行させるログ収集プログラム。
【請求項2】
仮想空間におけるユーザの状態を示すログ情報を監視し、前記ユーザが仮想空間内において注目度の高い状態であることを示す条件情報に基づき、前記ユーザの状態が注目度の高い状態であると判定されたとき、前記ログ情報に基づき、前記仮想空間内に配置されたオブジェクトを選択する処理と、
前記ログ情報を、選択された前記オブジェクトと対応付けて蓄積する処理と、
前記オブジェクト毎に蓄積された前記ログ情報を分析し、前記オブジェクト毎に、前記ユーザが持った印象を対応付けた分析結果情報を出力する処理と、をコンピュータに実行させる、ログ収集プログラム。
【請求項3】
仮想空間におけるユーザの状態を示すログ情報を監視し、前記ユーザが仮想空間内において注目度の高い状態であることを示す条件情報に基づき、前記ユーザの状態が注目度の高い状態であるか否かを判定する処理と、
前記ユーザの状態が前記注目度の高い状態であると判定された場合に、
前記仮想空間における前記ユーザの位置に応じて、前記仮想空間内に配置されたオブジェクトを選択する処理と、
前記ログ情報の収集を開始し、前記ログ情報を選択された前記オブジェクトと対応付けて蓄積する処理と、
前記オブジェクト毎に蓄積された前記ログ情報を分析し、前記オブジェクト毎に、前記ユーザが持った印象を対応付けた分析結果情報を出力する処理と、をコンピュータに実行させる、ログ収集プログラム。
【請求項4】
前記オブジェクト毎に蓄積された前記ログ情報を分析し、分析結果を示す情報を出力する処理を、前記コンピュータに実行させる、請求項2又は3記載のログ収集プログラム。
【請求項5】
前記分析結果を示す情報を、選択された前記オブジェクト毎に蓄積する処理を、前記コンピュータに実行させる、請求項4記載のログ収集プログラム。
【請求項6】
前記コンピュータは、
前記オブジェクトを選択する処理において、
前記仮想空間における前記ユーザの視線方向において、前記ユーザの位置から所定の範囲内に配置されたオブジェクトを選択する、請求項2乃至5の何れか一項に記載のログ収集プログラム。
【請求項7】
前記コンピュータは、
前記オブジェクトを選択する処理において、
前記仮想空間における前記ユーザの視線上に配置されたオブジェクトを選択する、請求項2乃至5の何れか一項に記載のログ収集プログラム。
【請求項8】
前記条件情報が前記仮想空間に配置されたオブジェクト毎に設定されており、
前記判定する処理は、
前記ユーザの状態を示す情報が、前記条件情報が示す条件を満たしているオブジェクトを選択する、請求項3記載のログ収集プログラム。
【請求項9】
前記オブジェクトの選択方法が、オブジェクト毎に設定されており、
前記オブジェクトを選択する処理は、
前記条件情報において、前記ユーザの状態を示す情報が満たしている条件と対応するオブジェクトに対して設定された選択方法で、前記オブジェクトを選択する、請求項8記載のログ収集プログラム。
【請求項10】
コンピュータによるログ収集方法であって、前記コンピュータが、
仮想空間におけるユーザの状態を示すログ情報を監視し、前記ユーザが仮想空間内において注目度の高い状態であることを示す条件情報に基づき、前記ユーザの状態が注目度の高い状態であるか否かを判定し、
前記ユーザの状態が前記注目度の高い状態であると判定された場合に、前記ログ情報の収集を開始し、
前記仮想空間内に配置されたオブジェクト毎に蓄積された前記ログ情報を分析し、前記オブジェクト毎に、前記ユーザが持った印象を対応付けた分析結果情報を出力する、ログ収集方法。
【請求項11】
コンピュータによるログ収集方法であって、前記コンピュータが、
仮想空間におけるユーザの状態を示すログ情報を監視し、前記ユーザが仮想空間内において注目度の高い状態であることを示す条件情報に基づき、前記ユーザの状態が注目度の高い状態であると判定されたとき、前記ログ情報に基づき、前記仮想空間内に配置されたオブジェクトを選択し、
前記ログ情報を、選択された前記オブジェクトと対応付けて蓄積し、
前記オブジェクト毎に蓄積された前記ログ情報を分析し、前記オブジェクト毎に、前記ユーザが持った印象を対応付けた分析結果情報を出力する、ログ収集方法。
【請求項12】
コンピュータによるログ収集方法であって、前記コンピュータが、
仮想空間におけるユーザの状態を示すログ情報を監視し、前記ユーザが仮想空間内において注目度の高い状態であることを示す条件情報に基づき、前記ユーザの状態が注目度の高い状態であるか否かを判定し、
前記ユーザの状態が前記注目度の高い状態であると判定された場合に、
前記仮想空間における前記ユーザの位置に応じて、前記仮想空間内に配置されたオブジェクトを選択し、
前記ログ情報の収集を開始し、前記ログ情報を選択された前記オブジェクトと対応付けて蓄積し、
前記オブジェクト毎に蓄積された前記ログ情報を分析し、前記オブジェクト毎に、前記ユーザが持った印象を対応付けた分析結果情報を出力する、ログ収集方法。
【請求項13】
仮想空間におけるユーザの状態を示すログ情報を監視し、前記ユーザが仮想空間内において注目度の高い状態であることを示す条件情報に基づき、前記ユーザの状態が注目度の高い状態であるか否かを判定する状態判定部と、
前記ユーザの状態が前記注目度の高いであると判定された場合に、前記ログ情報の収集を開始するログ収集部と、
前記仮想空間内に配置されたオブジェクト毎に蓄積された前記ログ情報を分析し、前記オブジェクト毎に、前記ユーザが持った印象を対応付けた分析結果情報を出力する出力部と、を有する情報処理装置。
【請求項14】
仮想空間におけるユーザの状態を示すログ情報を監視し、前記ユーザが仮想空間内において注目度の高い状態であることを示す条件情報に基づき、前記ユーザの状態が注目度の高い状態であると判定されたとき、前記ログ情報に基づき、前記仮想空間内に配置されたオブジェクトを選択するオブジェクト選択部と、
前記ログ情報を、選択された前記オブジェクトと対応付けて蓄積するログ蓄積部と、
前記オブジェクト毎に蓄積された前記ログ情報を分析し、前記オブジェクト毎に、前記ユーザが持った印象を対応付けた分析結果情報を出力する出力部と、を有する情報処理装置。
【請求項15】
仮想空間におけるユーザの状態を示すログ情報を監視し、前記ユーザが仮想空間内において注目度の高い状態であることを示す条件情報に基づき、前記ユーザの状態が注目度の高い状態であるか否かを判定する状態判定部と、
前記ユーザの状態が前記注目度の高い状態であると判定された場合に、
前記仮想空間における前記ユーザの位置に応じて、前記仮想空間内に配置されたオブジェクトを選択するオブジェクト選択部と、
前記ログ情報の収集を開始し、前記ログ情報を選択された前記オブジェクトと対応付けて蓄積するログ蓄積部と、
前記オブジェクト毎に蓄積された前記ログ情報を分析し、前記オブジェクト毎に、前記ユーザが持った印象を対応付けた分析結果情報を出力する出力部と、を有する情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ログ情報収集プログラム、ログ情報収集方法及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、仮想空間におけるVR(Virtual Reality)コンテンツの品質の向上にむけて、仮想空間に配置されたオブジェクトやエリアに対するユーザの注目の度合いを把握することが求められている。
【0003】
ユーザの注目の度合いを把握するための技術としては、例えば、仮想空間におけるユーザの視点や位置をログ情報として取得し、ユーザの視点を示す画像や、ユーザの移動の履歴を示すヒートマップ等をVRコンテンツに重畳させて表示し、可視化する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-68851号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の技術では、取得したログ情報から、仮想空間内で、ユーザが視線を向けたオブジェクトやエリアは判別されるが、ユーザがそのオブジェクトやエリアに注目して視線を向けたのか、漠然と視点を向けただけなのかを判別することは困難である。また、従来の技術では、ログ情報から、ユーザが滞留した位置を検出することはできるが、ユーザが意図的にその位置に滞留していたのか、漠然と滞留していたのかを判別することは困難である。
【0006】
つまり、従来の技術では、仮想空間においてユーザの注目の度合いが高まった場合におけるログ情報を取得することが困難であった。
【0007】
1つの側面では、本発明は、仮想空間内でユーザの注目の度合いが高まったときのログ情報を収集することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一つの態様では、仮想空間におけるユーザの状態を示すログ情報を監視し、前記ユーザが仮想空間内において注目度の高い状態であることを示す条件情報に基づき、前記ユーザの状態が注目度の高い状態であるか否かを判定する処理と、前記ユーザの状態が前記注目度の高い状態であると判定された場合に、前記ログ情報の収集を開始する処理と、前記仮想空間内に配置されたオブジェクト毎に蓄積された前記ログ情報を分析し、前記オブジェクト毎に、前記ユーザが持った印象を対応付けた分析結果情報を出力する処理と、をコンピュータに実行させる。
【0009】
上記各処理は、上記各処理を実現する機能部、各処理を実現する手順としても良く、各処理をコンピュータに実行させるプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体とすることもできる。
【発明の効果】
【0010】
仮想空間内でユーザの注目の度合いが高まったときのログ情報を取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第一の実施形態の仮想空間提示システムの一例を示す図である。
図2】第一の実施形態におけるログ情報の収集について説明する図である。
図3】第一の実施形態の情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図4】第一の実施形態の情報処理装置の機能を説明する図である。
図5】第一の実施形態の条件情報の一例を示す図である。
図6】第一の実施形態の情報処理装置の動作を説明するフローチャートである。
図7】第一の実施形態のログ情報の一例を示す図である。
図8】第二の実施形態におけるログ情報の収集について説明する図である。
図9】第二の実施形態の情報処理装置の機能を説明する図である。
図10】第二の実施形態の情報処理装置の動作を説明する第一のフローチャートである。
図11】第二の実施形態のログ情報の一例を示す図である。
図12】第二の実施形態におけるログ情報の分析結果の一例を示す図である。
図13】第二の実施形態におけるログ情報の蓄積による効果を説明する図である。
図14】第二の実施形態の情報処理装置の動作を説明する第二のフローチャートである。
図15】第三の実施形態の情報処理装置の機能を説明する図である。
図16】第三の実施形態の選択条件情報の一例を示す図である。
図17】第三の実施形態の情報処理装置の動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第一の実施形態)
以下に図面を参照して、第一の実施形態について説明する。図1は、第一の実施形態の仮想空間提示システムの一例を示す図である。
【0013】
本実施形態の仮想空間提示システム100は、表示装置200、センサ群300、情報処理装置400、ログ蓄積装置500を有する。
【0014】
本実施形態の仮想空間提示システム100において、表示装置200と、センサ群300とは、情報処理装置400と有線又は無線によって接続される。また、仮想空間提示システム100において、情報処理装置400は、ログ蓄積装置500と有線又は無線によって接続される。
【0015】
本実施形態の表示装置200は、例えば、HMD(Head Mounted Display)等であり、ユーザの頭部に装着されて、ユーザに仮想空間を提示する。また、本実施形態の表示装置200は、表示装置200を装着したユーザの視点を追従するためのカメラや、ユーザが発する音声を検出するマイク等を有していても良い。尚、表示装置200は、ヘッドマウントディスプレイでなくても良く、ユーザに仮想空間を提示することができる装置であれば、どのような装置であっても良い。
【0016】
本実施形態のセンサ群300は、ユーザに装着されるものであり、例えば、ユーザの頭部の動きや回転を検出する加速度センサ、ユーザの心拍を検出するためのセンサ等を含む。尚、図1の例では、表示装置200とセンサ群300とがそれぞれ設けられる構成としたが、これに限定されない。センサ群300は、表示装置200の一部であっても良い。
【0017】
本実施形態の情報処理装置400は、表示装置200に、ユーザの視点から見た仮想空間の画像を生成する。尚、仮想空間とは、例えば、3次元座標空間において人や物体などのオブジェクトが配置される仮想的な空間である。情報処理装置400は、オブジェクトの形状や位置等の情報を基に、仮想空間を描画した画像を生成している。
【0018】
また、本実施形態の情報処理装置400は、ログ収集処理部410を有する。ログ収集処理部410は、表示装置200やセンサ群300から取得される情報を監視し、ユーザがログ情報の取得を開始する契機となる状態であるか否かを判定する。そして、ログ収集処理部410は、ユーザが該当する状態となった場合に、監視している情報を、ユーザの行動及び状態を示すログ情報として収集し、ログ蓄積装置500に蓄積する。
【0019】
言い換えれば、情報処理装置400は、表示装置200やセンサ群300から取得される情報から、ユーザが仮想空間内の特定のオブジェクトに対して関心を持ったとされる状態となったか否かを判定する。そして情報処理装置400は、ユーザが該当する状態であると判定された場合に、ログ情報の収集を開始する。
【0020】
本実施形態のログ情報とは、例えば、仮想空間におけるユーザの視点やユーザが発した音声、仮想空間内におけるユーザの位置、ユーザの頭部の動きや回転、ユーザの心拍数等を示す情報である。
【0021】
つまり、情報処理装置400は、仮想空間におけるユーザの視点やユーザが発した音声、仮想空間内におけるユーザの位置、ユーザの頭部の動きや回転、ユーザの心拍数(生体情報)等を示す情報を、ユーザの状態を示す情報として監視している。以下の説明では、情報処理装置400により監視される情報を、監視対象情報と呼ぶ。
【0022】
本実施形態のログ蓄積装置500は、ログ情報データベース510を有する。ログ蓄積装置500では、情報処理装置400から取得したログ情報をログ情報データベース510に格納する。
【0023】
尚、本実施形態では、仮想空間提示システム100は、ログ蓄積装置500を含むものとしたが、これに限定されない。ログ蓄積装置500は、仮想空間提示システム100の外部に設けられていても良い。また、情報処理装置400がログ蓄積装置500を兼ねていても良い。
【0024】
以下に、図2を参照して、本実施形態におけるログ情報の収集について説明する。図2は、第一の実施形態におけるログ情報の収集について説明する図である。
【0025】
図2では、ユーザが時刻Tsにおいて、仮想空間に入り、時刻Teにおいて仮想空間から出た場合のログ情報の収集の仕方を示している。言い換えれば、図2では、時刻Tsにおいて、表示装置200を装着したユーザに対する仮想空間の提示が開始され、時刻Teにおいて、この仮想空間の提示が終了する場合の、情報処理装置400によるログ情報の収集の仕方を示している。
【0026】
情報処理装置400は、時刻Tsにおいて仮想空間の提示が開始されると同時に、表示装置200とセンサ群300から取得される監視対象情報の監視を開始する。
【0027】
図2では、情報処理装置400は、監視対象情報から、時刻T1に、ユーザの状態が、仮想空間内のオブジェクトやエリアに対する注目の度合いが高いとされる状態となったと判定し、ログ情報(監視対象情報)の収集を開始する。そして、情報処理装置400は、時刻T2において、ユーザの状態が、注目の度合いが高いとされる状態ではなくなったと判定し、ログ情報の収集を終了する。
【0028】
尚、以下の説明では、ユーザの仮想空間内のオブジェクトやエリアに対する注目の度合いが高まったとされる状態を、オブジェクトやエリアに対して注目度が高い状態と表現することがある。また、本実施形態では、ログ情報に含まれる情報の項目と、監視対象情報に含まれる情報の項目とが一致していなくても良い。ログ情報は、監視対象情報の一部であっても良いし、監視対象情報がログ情報の一部であっても良い。
【0029】
情報処理装置400は、同様に、時刻T3から時刻T4までの間と、時刻T5から時刻T6までの間は、ユーザの状態は、注目度が高い状態と判定され、ログ情報が収集されている。尚、情報処理装置400では、注目度が高い状態と判定するための条件が事前に設定されている。この条件の詳細は後述する。
【0030】
このように、本実施形態では、ユーザに仮想空間を提示している間におけるユーザの状態に応じて、ログ情報の収集を行うか否かを判定する。より具体的には、本実施形態では、ユーザに仮想空間を提示している間において、ユーザの状態が、仮想空間内のオブジェクトやエリアにする注目度が高い状態と判定された場合に、ログ情報の収集及び蓄積を行う。
【0031】
したがって、本実施形態によれば、仮想空間内でユーザの注目の度合いが高まったときのログ情報を取得することができる。
【0032】
以下に、本実施形態の情報処理装置400について説明する。図3は、第一の実施形態の情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0033】
本実施形態の情報処理装置400は、それぞれバスBで相互に接続されている入力装置41、出力装置42、ドライブ装置43、補助記憶装置44、メモリ装置45、演算処理装置46及びインターフェース装置47を含む。
【0034】
入力装置41は、各種の情報の入力を行うための装置であり、例えばキーボードやポインティングデバイス等により実現される。出力装置42は、各種の情報の出力を行うためものであり、例えばディスプレイ等により実現される。インターフェース装置47は、LANカード等を含み、ネットワークに接続する為に用いられる。
【0035】
ログ収集処理部410を実現させるログ情報収集プログラムは、情報処理装置400を制御する各種プログラムの少なくとも一部である。ログ情報収集プログラムは例えば記憶媒体48の配布やネットワークからのダウンロード等によって提供される。ログ情報収集プログラムを記録した記憶媒体48は、CD-ROM、フレキシブルディスク、光磁気ディスク等の様に情報を光学的、電気的或いは磁気的に記録する記憶媒体、ROM、フラッシュメモリ等の様に情報を電気的に記録する半導体メモリ等、様々なタイプの記憶媒体を用いることができる。
【0036】
また、ログ情報収集プログラムは、ログ情報収集プログラムを記録した記憶媒体48がドライブ装置43にセットされると、記憶媒体48からドライブ装置43を介して補助記憶装置44にインストールされる。ネットワークからダウンロードされたログ情報収集プログラムは、インターフェース装置47を介して補助記憶装置44にインストールされる。
【0037】
補助記憶装置44は、インストールされたログ情報収集プログラムを格納すると共に、情報処理装置400が収集したログ情報等の各種の必要なファイル、データ等を格納する。メモリ装置45は、情報処理装置400の起動時に補助記憶装置44からログ情報収集プログラムを読み出して格納する。そして、演算処理装置46はメモリ装置45に格納されたログ情報収集プログラムに従って、後述するような各種処理を実現している。
【0038】
次に、図4を参照して、本実施形態の情報処理装置400の機能について説明する。図4は、第一の実施形態の情報処理装置の機能を説明する図である。
【0039】
本実施形態の情報処理装置400は、ログ収集処理部410を有する。ログ収集処理部410は、画像処理部411、状態監視部412、条件保持部413、状態判定部414、ログ収集部415、ログ蓄積部416を有する。
【0040】
画像処理部411は、オブジェクトの形状や位置等の情報を基に、仮想空間を描画した画像を示す画像データを生成し、表示装置200に出力する。また、画像処理部411は、ユーザの動きに合わせて、ユーザから見た仮想空間の画像を示す画像データを生成し、表示装置200に出力する。
【0041】
状態監視部412は、表示装置200及びセンサ群300から取得される監視対象情報を監視する。監視対象情報は、例えば、ユーザの視点を示す情報、ユーザの頭部の向きや回転を示す情報、ユーザの心拍数を示す情報、ユーザが発した音声を示す情報、音声の音量を示す情報、仮想空間におけるユーザの位置を示す情報等を含む。尚、監視対象情報は、上述した情報に限定されない。監視対象情報は、上述した情報の一部であっても良いし、上述した情報以外の情報を含んでも良い。
【0042】
尚、ユーザの視点を示す情報とは、仮想空間内において、物を見るためにユーザが向けた視線がそそがれる点を示す情報であり、仮想空間におけるユーザの視点を示す3次元の座標情報である。ユーザの視点を示す座標情報は、例えば、表示装置200の有する視点追従機能等によって検出されるユーザの視点と、仮想空間とから、求められる。
【0043】
ユーザの位置を示す情報は、仮想空間における表示装置200の位置を示す3次元の座標情報である。ユーザの位置を示す情報は、例えば、画像処理部411により、ユーザから見た仮想空間の画像を示す画像データを生成する際に、取得されても良い。
【0044】
ユーザの心拍数を示す情報は、例えば、センサ群300に含まれる脈拍計等によって検出される拍動の回数である。
【0045】
ユーザが発した音声を示す情報及び音声の音量を示す情報とは、例えば、表示装置200の有するマイク等によって集音される音声波形である。以下の説明では、ユーザが発した音声を示す情報及び音声の音量を示す情報を音声波形を示す情報と表現する場合がある。
【0046】
条件保持部413は、ユーザの状態を判定するための条件を示す条件情報420が設定され、保持されている。条件情報420は、ユーザの状態が特定の状態であることを示す条件を含む情報である。条件情報420の詳細は後述する。
【0047】
状態判定部414は、状態監視部412に監視されている監視対象情報と、条件情報420とから、仮想空間内のユーザの状態が、なんらかのオブジェクトやエリアに対する注目度が高い状態となったか否かを判定する。
【0048】
また、状態判定部414は、監視対象情報と条件情報420とから、ユーザの状態が、注目度の高い状態でなくなったか否かを判定する。言い換えれば、状態判定部414は、表示装置200やセンサ群300から取得されるユーザの状態を示す情報と基づき、ユーザの状態が特定の状態である否かを判定している。
【0049】
ログ収集部415は、状態判定部414によって、ユーザの状態が、注目度が高い状態である、と判定された場合に、ログ情報の収集を開始する。また、ログ収集部415は、ログ情報を収集している最中に、ユーザの状態が、注目度が高い状態でなくなったと判定されると、ログ情報の収集を終了する。
【0050】
尚、本実施形態のログ情報は、少なくとも、仮想空間におけるユーザの位置を示す情報と、ユーザの視線を示す情報を含んでいれば良く、監視対象情報と同様の情報でなくても良い。
【0051】
ログ蓄積部416は、ログ収集部415が収集したログ情報を、ログ蓄積装置500にアップロードして、蓄積させる。
【0052】
尚、本実施形態のログ収集部415は、ログ情報をCSVファイル等の形式で収集し、ログ蓄積部416は、このCSVファイルをHTML形式のデータとして、ログ蓄積装置500にアップロードしても良い。
【0053】
ログ情報を収集する際のデータの形式(CSV形式等)や、ログ情報をログ蓄積装置500へアップロードする際のデータの形式(HTML形式等)は、予めログ収集部415とログ蓄積部416に設定されていても良い。
【0054】
以下に、図5を参照して、本実施形態の条件情報420について説明する。図5は、第一の実施形態の条件情報の一例を示す図である。
【0055】
本実施形態の条件情報420では、監視対象情報から得られる項目と、項目に対する条件とが対応付けられている。
【0056】
図5に示す条件情報420-1では、視点の滞留時間に対し、「○秒以上」という条件が対応付けられている。視点の滞留時間とは、視点が一点又はその周辺に滞留している時間であり、ユーザが特定のオブジェクトに注目している状態と想定される。つまり、監視対象情報が条件情報420-1を満たす場合とは、ユーザが特定のオブジェクトを注目している状態と考えられる。
【0057】
また、条件情報420-2では、音量に対し、「×dB以上」という条件が対応付けられている。ここで、音量とは、ユーザが仮想空間内で発した音声の音量である。ユーザの音声の音量が、×dB以上となる場合とは、例えば、ユーザが視認したものに対して、歓声や悲鳴を上げた状態と想定される。つまり、監視対象情報が条件情報420-2を満たす場合とは、ユーザが特定のオブジェクトを視認することで、感嘆や驚き、恐怖等の感情を持った状態と考えられる。言い換えれば、つまり、監視対象情報が条件情報420-2を満たす場合とは、ユーザが特定のオブジェクトに気を取られている状態とも言える。
【0058】
また、条件情報420-3では、心拍数に対し、「××回以上」という条件が対応付けられている。ユーザの心拍数が××回以上となる場合とは、ユーザが、緊張した状態や興奮した状態であると考えられる。つまり、監視対象情報が条件情報420-3を満たす場合とは、ユーザが緊張した状態や興奮した状態で、オブジェクトを視認している状態と言える。
【0059】
尚、図5に示す条件情報420は、一例であり、これに限定されない。条件情報420には、図5に示す条件情報420-1~条件情報420-3以外の項目と条件の対応付けを示す情報が含まれていても良い。
【0060】
例えば、条件情報420には、ユーザが音声を発している時間に対して、所定の時間以上であるとする条件を対応付けても良い。ユーザが音声を発し続けている状態とは、ユーザが視認したオブジェクトに対して、感想や見解を述べている状態であることが推測される。
【0061】
次に、図6を参照して、本実施形態の情報処理装置400の動作について説明する。図6は、第一の実施形態の情報処理装置の動作を説明するフローチャートである。
【0062】
本実施形態の情報処理装置400は、仮想空間の提示指示を受け付けると、画像処理部411により、表示装置200に対して仮想空間を示す画像の画像データを出力し、表示装置200を到着しているユーザに対して仮想空間の提示を開始する(ステップS601)。
【0063】
尚、仮想空間の提示指示は、例えば、ユーザが表示装置200を装着した際に、表示装置200から情報処理装置400に送信されても良い。
【0064】
続いて、情報処理装置400は、状態監視部412により、表示装置200とセンサ群300から出力される監視対象情報を監視し、状態判定部414により、監視対象情報が、条件保持部413の条件情報420を満たすか否かを判定する(ステップS602)。言い換えれば、状態判定部414は、監視対象情報に基づき、ユーザの状態が、注目度の高い状態であるか否かを判定している。
【0065】
ここで、ステップS602における状態判定部414の判定について説明する。
【0066】
本実施形態の状態判定部414は、例えば、監視対象情報が、条件情報420が示す全ての条件を持たす場合に、ユーザの状態を注目度の高い状態と判定しても良い。
【0067】
具体的には、状態判定部414は、例えば、視点を示す情報が条件情報420-1を満たし、且つ、ユーザが発した音声及び音声の音量が条件情報420-2を満たし、且つ、心拍数が条件情報420-3を満たす場合にのみ、ユーザの状態を注目度の高い状態と判定する。
【0068】
また、本実施形態の状態判定部414は、例えば、監視対象情報が、条件情報420が示す条件のうち、何れか一つを満たす場合に、ユーザの状態を注目度の高い状態と判定しても良い。
【0069】
この場合、状態判定部414は、例えば、視点を示す情報が条件情報420-1を満たす場合、ユーザが発した音声及び音声の音量が条件情報420-2を満たす場合、心拍数が条件情報420-3を満たす場合の何れにおいても、ユーザの状態を注目度の高い状態と判定する。
【0070】
さらに、本実施形態の状態判定部414は、例えば、監視対象情報が、条件情報420が示す条件のうち、複数の条件を持たす場合に、ユーザの状態を注目度の高い状態と判定しても良い。
【0071】
この場合、状態判定部414は、例えば、視点を示す情報が条件情報420-1を満たし、且つ、ユーザが発した音声及び音声の音量が条件情報420-2を満たす場合、視点を示す情報が条件情報420-1を満たし、且つ、心拍数が条件情報420-3を満たす場合の何れにおいても、ユーザの状態を注目度の高い状態と判定する。
【0072】
本実施形態では、ユーザの状態を注目度の高い状態と判定される条件の組み合わせが、予め状態判定部414に設定されていても良い。
【0073】
例えば、状態判定部414には、監視対象情報が、条件情報420が示す全ての条件を満たす場合にのみ、ユーザの状態を注目度の高い状態と判定するように設定されていても良い。また、状態判定部414には、監視対象情報が、条件情報420が示す条件のうち、所定の数の条件を満たす場合に、ユーザの状態を注目度の高い状態と判定するように、設定されていても良い。
【0074】
ステップS602において、ユーザの状態を注目度の高い状態と判定されない場合、つまり、ユーザの状態が注目度の高い状態ではない、と判定された場合、情報処理装置400は、後述するステップS606へ進む。
【0075】
ステップS602において、ユーザの状態を注目度の高い状態と判定された場合、情報処理装置400は、ログ収集部415により、ログ情報の収集を開始する(ステップS603)。
【0076】
続いて、情報処理装置400は、状態判定部414により、監視対象情報が、条件情報420に示す条件を満たさなくなったか否かを判定する(ステップS604)。言い換えれば、状態判定部414は、ユーザの状態が、注目度が高い状態ではなくなったか否かを判定する。
【0077】
ここで、ステップS604における状態判定部414の判定について説明する。
【0078】
本実施形態の状態判定部414は、例えば、条件情報420が示す複数の条件を満たす場合に、注目度が高い状態と判定する設定がされていた場合には、この複数の条件のうち、何れか一つの条件が満たされなくなった場合に、注目度が高い状態ではなくなったと判定しても良い。
【0079】
具体的には、例えば、状態判定部414は、条件情報420-1と条件情報420-2を満たす場合に、注目度が高い状態と判定する設定がされていた場合、ユーザの視点が、他のオブジェクトに移動し、条件情報420-1を満たさなくなった時点で、注目度が低い状態(注目度が高くない状態)となったと判定しても良い。
【0080】
ステップS603において、注目度が依然として高いと判定された場合、つまり、監視対象情報が、設定された条件を満たし続けている場合、情報処理装置400は、後述するステップS606へ進む。
【0081】
ステップS603において、注目度が高い状態ではなくなったと判定された場合、つまり、注目度が低くなったと判定された場合、情報処理装置400は、ログ収集部415によるログ情報の収集を停止する(ステップS605)
続いて、情報処理装置400は、画像処理部411による仮想空間の提示が終了するか否かを判定する(ステップS606)。
【0082】
具体的には、例えば、情報処理装置400は、表示装置200が、ユーザの頭部から取り外された場合に、仮想空間の提示の終了するものと判定しても良い。また、情報処理装置400は、例えば、外部から仮想空間の提示の終了の指示を受け付けたとき、仮想空間の提示を終了するものと判定しても良い。
【0083】
ステップS606において、仮想空間の提示を終了しない場合、つまり、仮想空間の提示が継続される場合、情報処理装置400は、ステップS602へ戻る。
【0084】
ステップS606においた、仮想空間の提示を終了する場合、情報処理装置400は、ログ蓄積部416により、収集したログ情報をログ蓄積装置500にアップロードして蓄積させ(ステップS607)、処理を終了する。
【0085】
以下に、図7を参照して、ログ収集部415により収集されるログ情報について説明する。図7は、第一の実施形態のログ情報の一例を示す図である。
【0086】
本実施形態のログ情報71は、例えば、ユーザ毎に収集されるものとした。ユーザを特定するための情報は、例えば、情報処理装置400が表示装置200を介して仮想空間をユーザに提示する際に、情報処理装置400に入力されて保持されていても良い。
【0087】
本実施形態のログ情報71は、ユーザ識別情報と、ログ情報を収集した時間帯を含む情報72と、ログ収集部415が収集した情報73とを含む。
【0088】
図7のログ情報71は、時刻T1から時刻T2までの時間帯におけるユーザAの仮想空間内の位置を示す情報、視点を示す情報、音声を示す情報を含む情報であることがわかる。
【0089】
このように、本実施形態では、情報処理装置400の外部から取得されるユーザの状態を示す情報に基づき、ユーザが仮想空間内において注目度の高い状態となったか否かを判定する。そして、情報処理装置400は、ユーザの状態が、注目度の高い状態である期間のログ情報を収集する。
【0090】
したがって、本実施形態によれば、仮想空間内でユーザの注目の度合いが高まったときのログ情報を取得することができる。
【0091】
(第二の実施形態)
以下に図面を参照して第二の実施形態について説明する。第二の実施形態では、ログ情報をユーザが注目しているオブジェクトと対応付けて、オブジェクト毎に蓄積する点と、蓄積されたログ情報を分析する点が、第一の実施形態と相違する。よって、以下の第二の実施形態の説明では、第一の実施形態との相違点について説明し、第一の実施形態と同様の機能構成を有するものには、第一の実施形態の説明で用いた符号と同様の符号を付与し、その説明を省略する。
【0092】
図8は、第二の実施形態におけるログ情報の収集について説明する図である。
【0093】
図8では、時刻Tsから時刻Teまでの間、ユーザに仮想空間が提示され、ログ情報として、音声波形を示す情報、位置を示す情報、心拍数を示す情報、視点を示す情報を収集する場合を示している。
【0094】
また、図8では、時刻T1から時刻T2の間の時間帯T12、時刻T31から時刻T4の間の時間帯T34、時刻T5から時刻T6の間の時間帯T56において、ユーザの状態が、注目度が高いと判定されている。
【0095】
このとき、本実施形態では、仮想空間内におけるオブジェクトの中から、各時間帯において注目の対象とされたオブジェクトを選択し、選択されたオブジェクト毎にログ情報を蓄積する。注目の対象とされるオブジェクトは、例えは、ユーザとの位置関係に応じて選択されても良い。オブジェクトの選択の詳細は後述する。
【0096】
図8の例では、時間帯T12では、オブジェクトAが注目の対象として選択されている。したがって、時間帯T12において収集されたログ情報は、オブジェクトAに対するユーザのログ情報として蓄積される。また、時間帯T34においては、オブジェクトBが選択され、時間帯T34において収集されたログ情報は、オブジェクトBのログ情報として蓄積される。また、時間帯T56においては、オブジェクトCが選択され、時間帯T56において収集されたログ情報は、オブジェクトそのログ情報として蓄積される。
【0097】
また、本実施形態では、オブジェクト毎に蓄積されたログ情報を分析し、オブジェクトに対する評価を行う。
【0098】
例えば、時間帯T12におけるログ情報が、ユーザの心拍数に乱れがあり、音声が発された時間が短く、音量が大きいことを示したとする。この場合、このユーザは、時間帯T12において選択されたオブジェクトAに対し、驚きを感じたことがわかる。したがって、オブジェクトAのログ情報から、オブジェクトAはユーザを驚かせる可能性がある、という評価が得られる。
【0099】
また、時間帯T23におけるログ情報では、音声のトーンが高く、音声が発せられている時間が長く、且つ、視点の滞留時間が長いことを示したとする。この場合、このユーザは、時間帯T23において選択されたオブジェクトBに対して好印象を抱いていることがわかる。したがって、オブジェクトBのログ情報から、このユーザは、オブジェクトBに対して良い印象を持っている、という評価が得られる。
【0100】
尚、本実施形態では、例えば、ユーザの音声波形を示す情報に対して音声認識を行ってテキストデータを取得し、このテキストデータをログ情報の一部として取得しても良い。
【0101】
また、時間帯T56におけるログ情報では、ユーザの心拍数に乱れがあり、視点が、複数回にわたって短時間オブジェクトC上に滞留したことを示したとする。この場合、このユーザは、時間帯T56で選択されたオブジェクトCから目を背けたり、長時間見ないようにしていることがわかる。したがって、オブジェクトCのログ情報から、オブジェクトCは、このユーザに不快感を与える、という評価が得られる。言い換えれば、オブジェクトCに対して悪い印象を持っている、という評価となる。
【0102】
次に、図9を参照して、本実施形態の情報処理装置400Aの機能について説明する。図9は、第二の実施形態の情報処理装置の機能を説明する図である。
【0103】
本実施形態の情報処理装置400Aは、ログ収集処理部410Aを有する。本実施形態のログ収集処理部410Aは、画像処理部411、状態監視部412、条件保持部413、状態判定部414、ログ収集部415A、ログ蓄積部416、オブジェクト選択部417、ログ分析部418を有する。
【0104】
ログ収集部415Aは、オブジェクト選択部417によってオブジェクトが選択されると、収集したログ情報をオブジェクトと対応付ける。言い換えれば、ログ収集部415Aは、ログ情報に、選択されたオブジェクトを特定する情報を含める。オブジェクトを特定する情報とは、例えば、オブジェクトの名称等であり、オブジェクトを一意に特定することができる情報である。
【0105】
本実施形態のオブジェクト選択部417は、状態判定部414により、ユーザの状態が、注目度が高い状態であると判定とされた場合に、注目の対象とされるオブジェクトを選択する。
【0106】
具体的には、オブジェクト選択部417は、注目度が高い状態であると判定されたときの仮想空間におけるユーザの視線方向において、ユーザの位置から所定の範囲内にあるオブジェクトを、注目の対象とされたオブジェクトとして選択しても良い。所定の範囲は、予め設定されていても良いし、過去のログ情報等から算出されても良い。
【0107】
また、オブジェクト選択部417は、ユーザの視線方向上に存在するオブジェクトを、注目の対象とされたオブジェクトとして選択しても良い。言い換えれば、オブジェクト選択部417は、ユーザの視線とオブジェクトとの交点(衝突点)から、ユーザが直接見ているオブジェクトを、注目の対象とされたオブジェクトとして選択しても良い。
【0108】
つまり、本実施形態のオブジェクト選択部417は、注目度が高いと判定された場合のユーザとの位置と、仮想空間に配置された各オブジェクトの位置との関係に応じて、注目度の対象とされたオブジェクトを選択する。尚、仮想空間に配置された各オブジェクトの位置を示す情報は、画像処理部411等によって保持されていて良い。
【0109】
本実施形態のログ分析部418は、ログ蓄積部416によって蓄積されたログ情報を分析する。ログ分析部418は、例えば、ログ蓄積装置500のログ情報データベース510に蓄積されたログ情報を参照して分析を行っても良い。また、ログ分析部418は、ログ収集部415によって収集され、ログ蓄積部416によりログ情報データベース510に格納される前に、ログ情報の分析を行っても良い。
【0110】
本実施形態のログ分析部418は、例えば、音声波形を示す情報から、音声の高低を示す情報を取得しても良い。また、ログ分析部418は、音声波形を示す情報から、ユーザの発話内容をテキストデータに変換する音声認識機能を有しても良い。
【0111】
また、本実施形態のログ分析部418は、オブジェクト毎のログ情報から、音声の高低、発話内容、視点の滞留時間、視点の挙動、心拍数の変動に応じて、オブジェクトに対するユーザの印象を判定し、オブジェクトの評価として出力しても良い。
【0112】
より具体的には、ログ分析部418では、例えば、音声の高低、発話内容、視点の滞留時間、視点の挙動、心拍数の変動のそれぞれについて、ユーザの印象の良し悪しを判定するための条件が設定されていても良い。
【0113】
例えば、ログ分析部418は、素敵、面白そう、もっと見てみよう等という、オブジェクトに対して肯定的な単語を予め保持しておき、発話内容に、該当する単語が含まれる場合等に、このオブジェクトに対するユーザの印象は良いと判定しても良い。
【0114】
また、例えば、ログ分析部418は、心拍数の変動幅の閾値と、視点の滞留時間の閾値とを保持しており、心拍数の変動幅が閾値以上であり、視点の滞留時間が閾値未満となった場合、このオブジェクトに対するユーザの印象は悪いと判定しても良い。
【0115】
本実施形態のログ分析部418では、オブジェクトに対するユーザの印象を判定するための条件が、情報処理装置400Aの管理者等によって任意に設定されても良い。
【0116】
以下に、図10を参照して、本実施形態の情報処理装置400Aの動作について説明する。図10は、第二の実施形態の情報処理装置の動作を説明する第一のフローチャートである。
【0117】
本実施形態の情報処理装置400Aは、仮想空間の提示指示を受け付けると、画像処理部411により、表示装置200に対して仮想空間を示す画像の画像データを出力し、表示装置200を到着しているユーザに対して仮想空間の提示を開始する(ステップS1001)。
【0118】
続いて、情報処理装置400Aは、状態監視部412により、表示装置200とセンサ群300から出力される監視対象情報を監視し、状態判定部414により、監視対象情報が、条件保持部413の条件情報420を満たすか否かを判定する(ステップS1002)。言い換えれば、状態判定部414は、監視対象情報に基づき、ユーザの状態が、注目度の高い状態であるか否かを判定している。
【0119】
ステップS1002において、ユーザの状態を注目度の高い状態と判定されない場合、つまり、ユーザの状態が注目度の高い状態ではない、と判定された場合、情報処理装置400Aは、後述するステップS1007へ進む。
【0120】
ステップS1002において、ユーザの状態を注目度の高い状態と判定された場合、情報処理装置400Aは、オブジェクト選択部417により、注目の対象とされるオブジェクトを選択する(ステップS1003)。
【0121】
続いて、情報処理装置400Aは、ログ収集部415Aにより、選択されたオブジェクトと対応付けて、ログ情報の収集を開始し(ステップS1004)、ステップS1005へ進む。
【0122】
図10のステップS1005からステップS1008までの処理は、図6のステップS604からステップS607のまでの処理と同様であるから、説明を省略する。
【0123】
ステップS1008に続いて、情報処理装置400Aは、ログ分析部418により、ログ情報の分析を行い(ステップS1009)、分析結果を出力して(ステップS1010)、処理を終了する。
【0124】
尚、ここで出力される分析結果を示す分析結果情報は、ログ情報と同様に、選択されたオブジェクトに対応付けられて、ログ情報データベース510に格納されても良い。また、分析結果情報は、ログ情報の一部として、ログ情報データベース510に蓄積されても良い。
【0125】
以下に、図11を参照して、ログ収集部415Aにより収集されるログ情報について説明する。図11は、第二の実施形態のログ情報の一例を示す図である。
【0126】
本実施形態のログ情報111には、時間帯T12に取得されたログ情報111Aと、時間帯T23に取得されたログ情報111Bと、時間帯T56に取得されたログ情報111Cとを含む。
【0127】
ログ情報111Aは、ユーザ識別情報と、ログ情報を収集した時間帯を含む情報112と、ログ収集部415Aが収集した情報113と、注目の対象として選択されたオブジェクトを特定する情報114とを含む。
【0128】
ログ情報111Aでは、注目の対象として選択されたオブジェクトは、オブジェクトAである。したがって、情報114は、「オブジェクトA」という名称である。
【0129】
ログ情報111Bも、ログ情報111Aと同様に、時間帯T23において注目の対象として選択されたオブジェクトの名称である「オブジェクトB」が含まれる。ログ情報111Cも、ロ同様に、時間帯T56において注目の対象として選択されたオブジェクトの名称である「オブジェクトC」が含まれる。
【0130】
次に、図12を参照して、本実施形態のログ分析部418によるログ情報の分析結果について説明する。図12は、第二の実施形態におけるログ情報の分析結果の一例を示す図である。
【0131】
図12の例では、ログ分析部418により、オブジェクト毎に取得されたログ情報を分析した結果として、各オブジェクトに対するユーザ毎の好感度を出力した場合を示している。尚、ログ分析部418による分析の結果は、例えば、情報処理装置400Aのディスプレイ等に表示されても良いし、情報処理装置400Aから外部の装置へ出力されても良い。
【0132】
図12に示す分析結果を示す分析結果情報121は、オブジェクトA、オブジェクトB、オブジェクトCのそれぞれについての分析結果を示す分析結果情報121A、121B、121Cを含む。
【0133】
分析結果情報121Aは、オブジェクトAを特定する情報と、仮想空間が提示されたユーザを特定する情報と、ユーザ毎のオブジェクトAに対する印象を示す情報とが対応付けられている。図12の例では、オブジェクトAを特定する情報は、オブジェクトAの名称であり、ユーザを特定する情報は、ユーザ名とした。
【0134】
分析結果情報121Aでは、オブジェクトAに対し、ユーザ名が「A」のユーザと、ユーザ名が「B」のユーザが良い印象を持ち、ユーザ名が「C」のユーザが悪い印象を持ったことがわかる。
【0135】
このように、本実施形態では、ユーザの状態が、注目度が高い状態と判定された場合に、注目の対象とされるオブジェクトを選択し、選択したオブジェクト毎にログ情報を蓄積して分析することで、オブジェクト毎に、ユーザからの評価を得ることができる。
【0136】
尚、図12の例では、オブジェクト毎に、各ユーザが持った印象を対応付けた情報を分析結果情報としているが、分析結果として出力される情報は、これに限定されない。
【0137】
例えば、情報処理装置400Aは、図12に示す分析結果情報121に基づき、オブジェクト毎の好感度を示す数値を求め、その結果を分析結果情報として出力しても良い。
【0138】
さらに、本実施形態では、ログ分析部418は、例えば、オブジェクト選択部417により選択されたオブジェクト内におけるユーザの視点の軌跡から、選択されたオブジェクト内において、特にユーザに注目された領域を示す情報を分析結果情報として出力されても良い。
【0139】
具体的には、例えば、仮想空間が、商品が陳列された店舗の内部の空間を示すものであり、注目されているオブジェクトとして、ある商品と対応するオブジェクトが選択された場合を考える。
【0140】
この場合、選択されたオブジェクトは、商品のパッケージを示す画像となる。したがって、オブジェクト内において、特にユーザが注目している領域を示す情報とは、パッケージにおいて特に注目されやすいコンテンツを特定する情報となる。この情報は、例えば、パッケージの考案者が意図したコンテンツに、仮想空間内のユーザが着目しているか否かを検討する際等において、有用な情報となる。
【0141】
次に、図13を参照して、ログ情報をオブジェクト毎に蓄積することによる効果について説明する。
【0142】
図13は、第二の実施形態におけるログ情報の蓄積による効果を説明する図である。図13(A)は、本実施形態が適用された場合を説明する図であり、図13(B)は、本実施形態が適用されない場合を説明する図である。
【0143】
本実施形態では、図13(A)では、名称が「椅子」であるオブジェクトObが、仮想空間Xと、仮想空間Yのそれぞれに配置された場合を示している。
【0144】
仮想空間Xでは、オブジェクトObと対応付けられたログ情報131と、ログ情報131の分析結果情報として、ログ情報131の評価を示す情報132が取得されている。
【0145】
このことから、仮想空間Xにおいて、オブジェクトObは、注目されているオブジェクトとして選択されたことがわかる。また、評価結果を示す情報132では、から、仮想空間XにおけるオブジェクトObは、ユーザに対する印象が良いことがわかる。
【0146】
つまり、仮想空間Xでは、オブジェクトObは、ユーザからの注目度が高く、且つ、ユーザに良い印象を与えるオブジェクトであったことがわかる。
【0147】
これに対し、仮想空間Yでは、オブジェクトObと対応付けられたログ情報は取得されていない。したがって、仮想空間Yでは、オブジェクトObは、注目されているオブジェクトとして選択されておらず、ユーザからの注目度が低いことがわかる。
【0148】
このとき、オブジェクトObは、仮想空間Xにおいては、注目度が高く、好印象を与えることがわかっているため、オブジェクトObが仮想空間Yにおいて注目度が低い理由は、オブジェクトObと仮想空間Yとの相性の問題であることがわかる。
【0149】
これに対し、本実施形態を適用しない図13(B)の例では、オブジェクトObは、仮想空間Xと仮想空間Yのそれぞれにおいて、座標情報として管理される。
【0150】
したがって、例えば、仮想空間Xにおいてログ情報を取得した場合、このログ情報から、仮想空間Xにおける座標(a,b,c)に配置されたオブジェクトObの注目度が高いことがわかる。また、仮想空間Yにおいてログ情報を取得した場合、このログ情報からは、仮想空間Yにおける座標(a′,b′,c′)のオブジェクトObは注目度が低いことがわかる。
【0151】
しかし、図13(B)では、オブジェクトObは、仮想空間Xでは、座標(a,b,c)に配置されたオブジェクトと認識されており、仮想空間Yでは、座標(a′,b′,c′)に配置されたオブジェクトと認識される。したがって、図13(B)では仮想空間Xと仮想空間Yにおいて、同一のオブジェクトが配置されているか否かを判断することができない。このための図13(B)では、単に、仮想空間Yでは座標(a′,b′,c′)のオブジェクトの注目度が低い、ということしかわからず、注目度が低くなる原因を推測することが困難となる。
【0152】
このように、本実施形態では、オブジェクト毎にログ情報と、ログ情報の分析結果情報とを対応付けて蓄積する。このため、例えば、オブジェクトが複数の異なる仮想空間に配置し、仮想空間とオブジェクトの注目度との関係性の検討等を行うことができる。
【0153】
更に、本実施形態によれば、例えば、オブジェクトが車両等の移動体であって、座標と対応付けることができない場合でも、オブジェクト毎にログ情報と、ログ情報の分析結果情報とを対応付けて蓄積することができる。
【0154】
また、図10の例では、ログ収集処理部410Aは、ログ情報を収集した後に、ログ情報の分析を行い、ログ情報と分析結果情報とをログ情報データベース510へ格納するものとしたが、これに限定されない。
【0155】
本実施形態では、ログ情報に対する分析結果情報のみをログ情報データベース510に格納しても良い。
【0156】
図14は、第二の実施形態の情報処理装置の動作を説明する第二のフローチャートである。
【0157】
図14のステップS1401からステップS1407までの処理は、図10のステップS1001からステップS1007までの処理と同様であるから、説明を省略する。
【0158】
ステップS1407において、仮想空間の提示を終了する場合、情報処理装置400Aは、ログ収集部415により収集したログ情報を、ログ分析部418により分析する(ステップS1408)。
【0159】
続いて、情報処理装置400Aは、ログ蓄積部416により、ログ分析部418による分析結果を示す分析結果情報をログ蓄積装置500へアップロードして蓄積し(ステップS1409)処理を終了する。
【0160】
このように、ログ情報の分析結果情報のみをログ蓄積装置500に蓄積するようにすれば、ログ情報を蓄積する場合と比較して、ログ蓄積装置500に要求されるメモリ容量を小さくすることができる。
【0161】
(第三の実施形態)
以下に図面を参照して第三の実施形態について説明する。第三の実施形態では、ユーザの状態が、注目度が高い状態であるか否かを判定するための条件が、オブジェクト毎に設定されている点が、第二の実施形態と相違する。よって、以下の第三の実施形態の説明では、第二の実施形態と同様の機能構成を有するものには、第二の実施形態の説明で用いた符号と同様の符号を付与し、その説明を省略する。
【0162】
図15は、第三の実施形態の情報処理装置の機能を説明する図である。本実施形態の情報処理装置400Bは、ログ収集処理部410Bを有する。
【0163】
ログ収集処理部410Bは、画像処理部411、状態監視部412、条件保持部413A、状態判定部414A、ログ収集部415、ログ蓄積部416、オブジェクト選択部417A、ログ分析部418を有する。
【0164】
本実施形態の条件保持部413Aは、条件情報420Aを保持している。条件情報420Aでは、ユーザの状態が、特定のオブジェクトに注目している状態か否かを判定するための条件が、オブジェクト毎に設定されている。条件情報420Aの詳細は後述する。
【0165】
本実施形態のオブジェクト選択部417Aは、選択条件情報430を保持している。選択条件情報430では、オブジェクトの選択方法がオブジェクト毎に設定されている。選択条件情報430の詳細は後述する。
【0166】
本実施形態の状態判定部414Aは、状態監視部412により監視される監視対象情報が、条件情報430Aの何れかを満たすか否かを判定する。
【0167】
オブジェクト選択部417Aは、状態判定部414Aにより、監視対象情報が満たしている条件と対応するオブジェクトと対応する選択方法で、注目されているオブジェクトを選択する。
【0168】
以下に、図16を参照して、本実施形態の条件情報420Aと選択条件情報430について説明する。図16は、第三の実施形態の条件情報と選択条件情報の一例を示す図である。図16(A)では、条件情報420Aの一例を示し、図16(B)では、選択条件情報430の一例を示す。
【0169】
本実施形態の条件情報420Aは、オブジェクトの種類と、項目と、条件とが対応付けられている。
【0170】
オブジェクトの種類とは、仮想空間に配置されたオブジェクトの種類を示す。図16の例では、オブジェクトの種類として、例えば、音を発する音源、建物や空間や、物体、匂いを発生させる源を含む。
【0171】
項目とは、監視対象情報に含まれる情報の項目であり、条件は、オブジェクトの種類毎に設定された条件を示す。
【0172】
図16(A)では、例えば、オブジェクトの種類が「音源」であった場合、監視対象情報に含まれるユーザの位置が、音源の位置から所定の範囲内の位置とであり、且つ、他のオブジェクトの種類と対応する条件を満たしていない場合に、このユーザは、「音源」であるオブジェクトに注目している状態と判定される。
【0173】
また、図16(A)では、例えば、オブジェクトの種類が、「建物、空間」であった場合、ユーザの視点の位置がオブジェクト内の一定時間以上滞留するか又は移動しており、ユーザの位置が、オブジェクトから所定の範囲内の位置である場合に、このユーザは、「建物、空間」であるオブジェクトに注目している状態と判定される。
【0174】
具体的には、例えば、ユーザの視点がある建物のオブジェクト上で移動しており、且つ、ユーザがこのオブジェクトに近づいたことによって、ユーザの位置がオブジェクトから所定の範囲内となった場合、このユーザの状態は、建物のオブジェクトに注目している状態と判定される。
【0175】
このように、本実施形態では、オブジェクト毎に、ユーザの状態が、注目度が高い状態であるか否かを判定するための条件が設定されている。
【0176】
本実施形態の選択条件情報430は、オブジェクトの種類と、項目と、選択方法とが対応付けられている。
【0177】
図16(B)では、例えば、オブジェクトの種類が「音源」であった場合、監視対象情報に含まれるユーザの位置から、音が聞こえる所定の範囲内にあるオブジェクトが選択される。尚、この場合も音源から発せられる音の音量に応じて所定の範囲が設定されていても良い。
【0178】
また、図16(B)では、例えば、オブジェクトの種類が、「建物、空間」であった場合、ユーザの位置から所定の範囲内の位置にあるオブジェクトが選択される。
【0179】
したがって、例えば、本実施形態において、状態判定部414Aにより、条件情報420Aを参照して、ユーザがオブジェクト「音源」に注目している状態である、と判定されたとする。この場合、オブジェクト選択部417は、選択条件情報430を参照して、ユーザの位置から所定の範囲内の音源を、注目されているオブジェクトに選択する。
【0180】
尚、条件情報420Aと選択条件情報430は、予め、仮想空間毎に設定されていても良い。選択条件情報430は、仮想空間を示す画像の画像データが情報処理装置400Bに入力されたときに、共に情報処理装置400Bに入力されても良い。
【0181】
尚、図16の例では、オブジェクトの種類に対して、監視対象情報の項目と条件とが対応付けられるものとしたが、これに限定されない。選択条件情報430は、例えば、個々のオブジェクトに対して、監視対象情報の項目と条件とが対応付けられていても良い。
【0182】
以下に、図17を参照して、第三の実施形態の情報処理装置400Bの動作を説明する。図17は、第三の実施形態の情報処理装置の動作を説明するフローチャートである。
【0183】
本実施形態の情報処理装置400Bは、仮想空間の提示指示を受け付けると、画像処理部411により、表示装置200に対して仮想空間を示す画像の画像データを出力し、表示装置200を到着しているユーザに対して仮想空間の提示を開始する(ステップS1701)。
【0184】
続いて、情報処理装置400Bは、監視対象情報に基づき、状態判定部414Aにより、ユーザの状態が、条件保持部413Aの条件情報420Aに含まれる何れかの条件を満たすか否かを判定する(ステップS1702)。
【0185】
ステップS1702において、監視対象情報が示すユーザの状態が、条件情報420Aに含まれる何れも満たさない場合、情報処理装置400Bは、後述するステップS1707へ進む。
【0186】
ステップS1702において、監視対象情報が示すユーザの状態が、条件情報420Aに含まれる何れかの条件を満たす場合、情報処理装置400Bは、オブジェクト選択部417Aにより、監視対象情報が満たしている条件と対応するオブジェクトの選択方法に基づき、注目されているオブジェクトを選択する(ステップS1703)。
【0187】
続いて、情報処理装置400Bは、ログ収集部415により、選択されたオブジェクトと対応付けられるログ情報の収集を開始する(ステップS1704)。
【0188】
続いて、情報処理装置400Bは、監視対象情報に基づき、ユーザの状態が、一度満たした条件を満たさなくなったか否かを判定する(ステップS1705)。言い換えれば、情報処理装置400Bは、ユーザの状態が、選択されたオブジェクトに対する注目度が低くなったか否かを判定している。
【0189】
ステップS1705において、ユーザの状態が依然として条件を満たしている場合、情報処理装置400Bは、後述するステップS1707へ進む。
【0190】
ステップS1705において、ユーザの状態が、一度満たした条件を満たさなくなった場合、情報処理装置400Bは、ログ収集部415によるログ情報の収集を停止させ(ステップS1706)、後述するステップS1707へ進む。
【0191】
ステップS1707からステップS1710までの処理は、図10のステップS1007からステップS1010までの処理と同様であるから、説明を省略する。
【0192】
このように、本実施形態では、オブジェクトの種類毎に、オブジェクトに対するユーザの注目度を判定する条件を設定する。したがって、本実施形態によれば、ユーザが注目しているオブジェクトに関するログ情報を取得して蓄積することができる。
【0193】
開示の技術では、以下に記載する付記のような形態が考えられる。
(付記1)
仮想空間におけるユーザの状態を示す情報と、ユーザが特定の状態であることを示す条件情報と、に基づき、前記ユーザの状態が前記特定の状態であるか否かを判定する処理と、
前記ユーザの状態が前記特定の状態であると判定された場合に、ログ情報の収集を開始する処理と、をコンピュータに実行させるログ収集プログラム。
(付記2)
仮想空間におけるユーザの状態を示す情報に応じて、前記仮想空間内に配置されたオブジェクトを選択する処理と、
ログ情報を、選択された前記オブジェクトと対応付けて蓄積する処理と、をコンピュータに実行させる、ログ収集プログラム。
(付記3)
仮想空間におけるユーザの状態を示す情報と、ユーザが特定の状態であることを示す条件情報と、に基づき、前記ユーザの状態が前記特定の状態であるか否かを判定する処理と、
前記ユーザの状態が前記特定の状態であると判定された場合に、
前記仮想空間における前記ユーザの位置に応じて、前記仮想空間内に配置されたオブジェクトを選択する処理と、
ログ情報の収集を開始し、前記ログ情報を選択された前記オブジェクトと対応付けて蓄積する処理と、をコンピュータに実行させる、ログ収集プログラム。
(付記4)
前記オブジェクト毎に蓄積された前記ログ情報を分析し、分析結果を示す情報を出力する処理を、前記コンピュータに実行させる、付記2又は3記載のログ収集プログラム。
(付記5)
前記分析結果を示す情報を、選択された前記オブジェクト毎に蓄積する処理を、前記コンピュータに実行させる、付記4記載のログ収集プログラム。
(付記6)
前記コンピュータは、
前記オブジェクトを選択する処理において、
前記仮想空間における前記ユーザの視線方向において、前記ユーザの位置から所定の範囲内に配置されたオブジェクトを選択する、付記2乃至5の何れか一項に記載のログ収集プログラム。
(付記7)
前記コンピュータは、
前記オブジェクトを選択する処理において、
前記仮想空間における前記ユーザの視線上に配置されたオブジェクトを選択する、付記2乃至5の何れか一項に記載のログ収集プログラム。
(付記8)
前記判定する処理は、
前記ユーザの状態が、前記仮想空間に配置されたオブジェクトに対する注目の度合いが高まった状態であるか否かを判定する、付記1又は3記載のログ収集プログラム。
(付記9)
前記条件情報が前記仮想空間に配置されたオブジェクト毎に設定されており、
前記判定する処理は、
前記ユーザの状態を示す情報が、前記条件情報が示す条件を満たしているオブジェクトを選択する、付記3記載のログ収集プログラム。
(付記10)
前記オブジェクトの選択方法が、オブジェクト毎に設定されており、
前記オブジェクトを選択する処理は、
前記条件情報において、前記ユーザの状態を示す情報が満たしている条件と対応するオブジェクトに対して設定された選択方法で、前記オブジェクトを選択する、付記8記載のログ収集プログラム。
(付記11)
前記ログ情報は、
前記ユーザの状態を示す情報を含む、付記1乃至10の何れか一項に記載のログ収集プログラム。
(付記12)
前記ユーザの状態を示す情報は、
前記仮想空間を表示させる表示装置に設けられたカメラ及びマイクと、前記ユーザの生体情報を検出するセンサとから取得される、付記1乃至11の何れか一項に記載のログ収集プログラム。
(付記13)
コンピュータによるログ収集方法であって、前記コンピュータが、
仮想空間におけるユーザの状態を示す情報と、ユーザが特定の状態であることを示す条件情報と、に基づき、前記ユーザの状態が前記特定の状態であるか否かを判定し、
前記ユーザの状態が前記特定の状態であると判定された場合に、ログ情報の収集を開始する、ログ収集方法。
(付記14)
コンピュータによるログ収集方法であって、前記コンピュータが、
仮想空間におけるユーザの状態を示す情報に応じて、前記仮想空間内に配置されたオブジェクトを選択し、
ログ情報を、選択された前記オブジェクトと対応付けて蓄積する、ログ収集方法。
(付記15)
コンピュータによるログ収集方法であって、前記コンピュータが、
仮想空間におけるユーザの状態を示す情報と、ユーザが特定の状態であることを示す条件情報と、に基づき、前記ユーザの状態が前記特定の状態であるか否かを判定し、
前記ユーザの状態が前記特定の状態であると判定された場合に、
前記仮想空間における前記ユーザの位置に応じて前記仮想空間内に配置されたオブジェクトを選択し、
ログ情報の収集を開始し、前記ログ情報を選択された前記オブジェクトと対応付けて蓄積する、ログ収集方法。
(付記16)
仮想空間におけるユーザの状態を示す情報と、ユーザが特定の状態であることを示す条件情報と、に基づき、前記ユーザの状態が前記特定の状態であるか否かを判定する状態判定部と、
前記ユーザの状態が前記特定の状態であると判定された場合に、ログ情報の収集を開始するログ収集部と、を有する情報処理装置。
(付記17)
仮想空間におけるユーザの状態を示す情報に応じて、前記仮想空間内に配置されたオブジェクトを選択するオブジェクト選択部と、
ログ情報を、選択された前記オブジェクトと対応付けて蓄積するログ蓄積部と、を有する情報処理装置。
(付記18)
仮想空間におけるユーザの状態を示す情報と、ユーザが特定の状態であることを示す条件情報と、に基づき、前記ユーザの状態が前記特定の状態であるか否かを判定する状態判定部と、
前記ユーザの状態が前記特定の状態であると判定された場合に、
前記仮想空間における前記ユーザの位置に応じて、前記仮想空間内に配置されたオブジェクトを選択するオブジェクト選択部と、
ログ情報の収集を開始し、前記ログ情報を選択された前記オブジェクトと対応付けて蓄積するログ蓄積部と、を有する情報処理装置。
【0194】
本発明は、具体的に開示された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
【符号の説明】
【0195】
100 仮想空間提示システム
200 表示装置
300 センサ群
400、400A、400B 情報処理装置
410、410A、410B ログ収集処理部
411 画像処理部
412 状態監視部
413 条件保持部
414 状態判定部
415 ログ収集部
416 ログ蓄積部
417 オブジェクト選択部
418 ログ分析部
420 条件情報
430 選択条件情報
500 ログ蓄積装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
図16
図17