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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-20
(45)【発行日】2023-03-29
(54)【発明の名称】コネクタ装置
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/533 20060101AFI20230322BHJP
   H01R 13/46 20060101ALI20230322BHJP
   H01R 13/631 20060101ALI20230322BHJP
【FI】
H01R13/533 D
H01R13/46 A
H01R13/631
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2019023638
(22)【出願日】2019-02-13
(65)【公開番号】P2020135941
(43)【公開日】2020-08-31
【審査請求日】2021-05-28
(73)【特許権者】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】大野 拓弥
【審査官】藤島 孝太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-290826(JP,A)
【文献】国際公開第2013/061880(WO,A1)
【文献】特開2011-034825(JP,A)
【文献】特開2011-198566(JP,A)
【文献】特開2000-268918(JP,A)
【文献】特開2018-078079(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/46
13/533
13/631
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の第1端子を有する第1コネクタと、
前記第1端子と電気的に接続される複数の第2端子を有する第2コネクタと、
前記第1コネクタと前記第2コネクタとを接続する際の衝撃を吸収する衝撃吸収部材とを備えたコネクタ装置であって、
前記第2コネクタは、前記接続方向に延びる柱状のガイド部を有し、
前記第1コネクタは、前記第1コネクタと前記第2コネクタとを接続するときに前記ガイド部が挿入され前記ガイド部の前記接続方向に対する傾倒を抑制するように案内するガイド孔を有し、
前記ガイド部及びガイド孔は、前記第1コネクタと前記第2コネクタとの接続方向に延びる軸線方向から見た形状が正多角形状であり、
前記ガイド孔の内周面に前記接続方向に沿って設けられた第1係合部と、前記ガイド部の外周面に前記接続方向に沿って設けられた第2係合部とが係合するように前記ガイド部が前記ガイド孔に挿入され、
前記複数の第1端子を構成する陽極の第1端子及び陰極の第1端子が、前記接続方向に延びる軸線回りの周方向に交互に等角度間隔を空けて配置され、前記複数の第2端子を構成する陽極の第2端子及び陰極の第2端子が、前記接続方向に延びる軸線回りの周方向に交互に等角度間隔を空けて配置され
前記ガイド部は、前記第1コネクタと前記第2コネクタとが接続された状態で先端が前記第2端子よりも前記第1コネクタ側に位置しており、
前記接続方向から見て、前記衝撃吸収部材は、前記複数の第1端子及び前記複数の第2端子よりも内側に位置しており、前記第1コネクタと前記第2コネクタとを接続する際の衝撃を前記ガイド部の先端との間で吸収するコネクタ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、自動車や電動バイク等においてバッテリとインバータとを接続するために用いられるコネクタ装置は、例えば特許文献1に記載されているように、複数の第1端子を有する第1コネクタと、複数の第1端子に電気的に接続される複数の第2端子を有する第2コネクタとを備えている。第1コネクタ及び第2コネクタの何れか一方のコネクタがインバータと電気的に接続されるとともに、何れか他方のコネクタがバッテリと電気的に接続される。そして、第1コネクタと第2コネクタとが接続されることにより、第1端子と第2端子とが電気的に接続されて、コネクタ装置を介してバッテリとインバータとが電気的に接続されることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-128966号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年、電動バイク、電気自転車等の電動車両には、車体に対して着脱可能なバッテリを搭載したものがある。バッテリは、例えば、車両に搭載されたインバータに接続された第1コネクタに、当該バッテリに設けられた第2コネクタを接続することにより、インバータと電気的に接続される。バッテリは、使用者によって交換や充電等のために車体に対して着脱されることが頻繁にあるため、第1コネクタと第2コネクタとは、頻繁に接続と接続解除とを繰り返すことになる。
【0005】
このような電動車両では、バッテリが挿入される収容凹部が車体に設けられるとともに、車体側の第1コネクタは、収容凹部の底部に設けられることが多い。この場合、収容凹部が水平方向(左右方向)よりも上方に開口していると、使用者は、収容凹部の底部に向けて落下させるような形でバッテリを収容凹部に挿入しがちになる。すると、バッテリは重量が大きいため、収容凹部の底部に配置された第1コネクタに対してバッテリ側に配置された第2コネクタが衝突するような形で第1コネクタと第2コネクタとの接続がなされる虞がある。即ち、第1コネクタと第2コネクタとは、第1コネクタと第2コネクタとを接続する際に衝撃を受ける虞がある。そのため、第1端子及び第2端子の変形や損傷が懸念されていた。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、コネクタ同士を接続する際の衝撃を緩和することができるコネクタ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するコネクタ装置は、複数の第1端子を有する第1コネクタと、前記第1端子と電気的に接続される複数の第2端子を有する第2コネクタと、前記第1コネクタと前記第2コネクタとを接続する際の衝撃を吸収する衝撃吸収部材とを備えた。
【0008】
上記態様によれば、衝撃吸収部材によって第1コネクタと第2コネクタとを接続する際の衝撃を緩和することができる。
複数の前記第1端子は、前記第1コネクタと前記第2コネクタとの接続方向に延びる軸線回りの周方向に間隔を空けて配置され、複数の前記第2端子は、前記接続方向に延びる軸線回りの周方向に間隔を空けて配置され、前記接続方向から見て、前記衝撃吸収部材は、前記第1端子及び前記第2端子よりも内側に位置することが好ましい。
【0009】
上記態様によれば、複数の第1端子を、第1コネクタと第2コネクタとの接続方向に延びる軸線回りの周方向に配置するとともに、複数の第2端子を同接続方向に延びる軸線回りの周方向に配置すると、コネクタ装置において複数の第1端子及び複数の第2端子の内側にスペースが生じる。このスペースに衝撃吸収部材が位置することにより、コネクタ装置において複数の第1端子及び複数の第2端子の外側に衝撃吸収部材が位置する場合に比べて衝撃吸収部材を備えたことによるコネクタ装置の大型化を抑制することができる。
【0010】
前記第2コネクタは、前記接続方向に延び前記第1コネクタと前記第2コネクタとが接続された状態で先端が前記第2端子よりも前記第1コネクタ側に位置する柱状のガイド部を有し、前記第1コネクタは、前記第1コネクタと前記第2コネクタとを接続するときに前記ガイド部が挿入され前記ガイド部の前記接続方向に対する傾倒を抑制するように案内するガイド孔を有し、前記衝撃吸収部材は、前記第1コネクタと前記第2コネクタとを接続する際の衝撃を前記ガイド部の先端との間で吸収することが好ましい。
【0011】
上記態様によれば、第1コネクタと第2コネクタとを接続する際には、第2端子が第1端子に接触するよりも先にガイド部がガイド孔に挿入される。そのため、第2コネクタは、ガイド部及びガイド孔によって第1コネクタと第2コネクタとの接続方向に対して傾斜することが抑制される。その結果、第1端子に対して第2端子が当該接続方向に対して傾斜した状態で接触することが抑制される。従って、第1端子及び第2端子の損傷や変形を抑制できる。そして、第1コネクタと第2コネクタとを接続する際の衝撃は、ガイド部と衝撃吸収部材との間で吸収される。即ち、ガイド部は、第1コネクタと第2コネクタとの接続方向に対して第2コネクタが傾斜することを抑制するだけでなく、衝撃吸収部材と共に第1コネクタと第2コネクタとを接続する際の衝撃を吸収する役割も兼ねている。従って、ガイド部とは別に、衝撃吸収部材と共に第1コネクタと第2コネクタとを接続する際の衝撃を吸収する部材を第2コネクタに設ける場合に比べて、コネクタ装置の構成や形状が複雑化されることを抑制することができる。
【0012】
前記ガイド孔は、前記ガイド孔の内周面に前記接続方向に沿って設けられた第1係合部を有し、前記ガイド部は、前記ガイド部の外周面に前記接続方向に沿って設けられ前記第1係合部と係合し前記第1係合部と共に前記ガイド孔に対する前記ガイド部の周方向の位置決めをする第2係合部を有することが好ましい。
【0013】
上記態様によれば、第1コネクタと第2コネクタとを接続する際に、ガイド孔の第1係合部とガイド部の第2係合部とが係合するようにガイド部をガイド孔に挿入することにより、第1コネクタと第2コネクタとの接続方向に延びる軸線回りの第1コネクタと第2コネクタとの周方向の位置決めを行うことができる。従って、第1端子と、当該第1端子に電気的に接続される第2端子とを、当該接続方向に延びる軸線回りの周方向に位置決めすることができるため、これら第1端子と第2端子とを同接続方向に対向させた状態で、第1コネクタと第2コネクタとを接続することができる。従って、第1コネクタと第2コネクタとの接続を行いやすくなる。
【発明の効果】
【0014】
本発明のコネクタ装置によれば、コネクタ同士を接続する際の衝撃を緩和することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】(a)は一実施形態におけるコネクタ装置の断面図、(b)は同コネクタ装置の部分拡大断面図。
図2】(a)は一実施形態における第1コネクタの断面図(図3(a)における2a-2a断面図)、(b)は同第1コネクタの部分拡大断面図。
図3】(a)は一実施形態における第1コネクタの平面図、(b)は同第1コネクタの部分拡大図。
図4】一実施形態における第2コネクタの断面図(図5における4-4断面図)。
図5】一実施形態における第2コネクタの底面図。
図6】(a)は一実施形態における第2コネクタに備えられる端子部材の平面図、(b)は同端子部材の正面図。
図7】変更例における第1コネクタの平面図。
図8】変更例における第2コネクタの底面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、コネクタ装置の一実施形態について説明する。
図1(a)に示す本実施形態のコネクタ装置10は、例えば電動バイク、電気自転車等の電動車両に備えられ、車両に搭載される図示しないインバータと、同車両に着脱可能に装着される図示しないバッテリとを電気的に接続するものである。コネクタ装置10は、図示しない車体に固定される第1コネクタ11と、バッテリの図示しないケースに固定される第2コネクタ12とを備えている。
【0017】
図2(a)及び図3(a)に示すように、第1コネクタ11は、第1ハウジング20と、複数の第1端子61a,61bと、衝撃吸収部材13とを有する。
第1ハウジング20は、円筒状のハウジング本体21と、ハウジング本体21に外挿される円筒状のアウタハウジング22と、ハウジング本体21に固定されるバックリテーナ23とを有する。ハウジング本体21、アウタハウジング22及びバックリテーナ23は、何れも絶縁性の樹脂材料よりなる。
【0018】
図1(a)に示すように、ハウジング本体21は、第1コネクタ11と第2コネクタ12との接続方向Z1に延びる中心軸線L1を軸とする円筒状をなしている。ここで、接続方向Z1は、第1コネクタ11と第2コネクタ12とを接続する際に、第1コネクタ11に対して第2コネクタ12が相対的に移動される方向である。本実施形態では、接続方向Z1は、中心軸線L1方向と平行である。また、本実施形態では、第1コネクタ11と第2コネクタ12とが接続された状態において第2コネクタ12が位置する側を上方、第1コネクタ11が位置する側を下方として説明する。また、以下、単に「周方向」と記載した場合には、ハウジング本体21の周方向を意味するとともに、単に「径方向」と記載した場合には、ハウジング本体21の径方向を意味するものとする。
【0019】
図2(a)及び図3(a)に示すように、ハウジング本体21は、その径方向中央部にガイド孔31を有する。ガイド孔31は、ハウジング本体21を中心軸線L1方向に貫通している。また、中心軸線L1方向から見て、ガイド孔31は、円形状をなすとともに、ガイド孔31の中心は中心軸線L1上に位置する。
【0020】
図2(a)及び図2(b)に示すように、ガイド孔31の内周面には、中心軸線L1方向に沿って延びる係止溝32が設けられている。係止溝32は、ガイド孔31の内周面の周方向の1箇所に設けられている。係止溝32は、ハウジング本体21の下端から同ハウジング本体21の上端の手前まで延びているとともに、下方及び径方向内側に開口している。ハウジング本体21において、係止溝32と中心軸線L1方向に重なる部分は、ストッパ32aになっている。
【0021】
また、ハウジング本体21は、ハウジング本体21の上端部から径方向外側に突出した当接部33を有する。当接部33は、ハウジング本体21の外周面から鍔状に延出されており、中心軸線L1を中心とした円環状をなしている。
【0022】
また、図2(a)及び図3(a)に示すように、ハウジング本体21は、複数の保持孔34を有する。本実施形態では、ハウジング本体21は、8個の保持孔34を有する。8個の保持孔34は、ハウジング本体21において、ガイド孔31よりも径方向外側且つ当接部33よりも径方向内側に位置している。また、8個の保持孔34は、ハウジング本体21において、周方向に等角度間隔(本実施形態では、周方向に45°間隔)となる8箇所に位置している。各保持孔34は、中心軸線L1方向に延びるとともに、中心軸線L1方向にハウジング本体21を貫通している。これら8個の保持孔34は、全て同じ形状をなしており、中心軸線L1を対称軸として回転対称(8回対称)な形状である。
【0023】
図2(b)及び図3(b)に示すように、各保持孔34の上端開口部には、各保持孔34の内周面から延出された保護部35が設けられている。保護部35は、保持孔34の上端開口部において、保持孔34の径方向内側の内側面及び保持孔34の周方向両側の内側面から保持孔34の内側に突出している。各保護部35は、中心軸線L1方向から見て、保持孔34の上端開口部の形状が、径方向と直交する方向に延び平行をなす2つの部分と、径方向に延び当該2つの部分を繋ぐ部分とからなる略H字状となるように形成されている。
【0024】
また、図2(a)及び図2(b)に示すように、各保持孔34の内部には、各保持孔34の径方向外側の内側面から保持孔34の径方向の幅を狭めるように径方向内側に突出した突出部36が設けられている。突出部36は、保持孔34の下端から同保持孔34の中心軸線L1方向の中央よりもやや上方となる位置に亘って設けられている。突出部36の周方向の幅は、保持孔34の周方向の幅と等しい。
【0025】
また、各保持孔34の内部において、突出部36における径方向内側の側面には、支持部37が設けられている。支持部37は、突出部36の周方向の中央部から径方向内側に突出するとともに、中心軸線L1方向に延びる四角柱状をなしている。支持部37は、突出部36の上端面よりも上方まで延びている。支持部37の上端は、保護部35よりも下方に位置する。また、支持部37の周方向の幅は、突出部36の周方向の幅より狭い。支持部37の先端部には、抜止め部38が設けられている。抜止め部38は、支持部37の先端部から径方向内側に突出している。
【0026】
図2(a)に示すように、アウタハウジング22の内径は、当接部33を除くハウジング本体21の外径と等しいか僅かに大きい。また、アウタハウジング22の外径は、当接部33の外径と等しい。更に、ハウジング本体21の軸方向の長さは、ハウジング本体21における当接部33の下面とハウジング本体21の下端面との間の中心軸線L1方向の長さと等しい。アウタハウジング22は、ハウジング本体21の下端側から同ハウジング本体21に外挿されるとともに、アウタハウジング22の上端面が当接部33の下面に当接している。そして、アウタハウジング22は、ハウジング本体21と同心状(同軸状)に配置されている。また、アウタハウジング22の下端面はハウジング本体21の下端面と面一になっている、即ち、ハウジング本体21の下端面とアウタハウジング22の下端面とは、中心軸線L1と直交する同一平面内に位置する。
【0027】
アウタハウジング22は、外周面から突出した2つの固定凸部41を有する。2つの固定凸部41は、アウタハウジング22の下端部寄りの位置に設けられるとともに、アウタハウジング22の周方向に180°間隔となる2箇所から径方向外側に突出している。
【0028】
バックリテーナ23は、アウタハウジング22の外径と等しい外径を有する円板状をなしている。また、バックリテーナ23は、同バックリテーナ23の外周面に2つの固定爪51を有する。2つの固定爪51は、バックリテーナ23の外周面において同バックリテーナ23の周方向に180°間隔となる2箇所に位置するとともに、バックリテーナ23の外周面からバックリテーナ23の軸方向に沿って上方に延びている。各固定爪51は、バックリテーナ23の径方向に貫通した固定孔52を有する。各固定爪51は、その先端が基端に対してバックリテーナ23の径方向にずれるように弾性変形可能である。
【0029】
バックリテーナ23は、ハウジング本体21及びアウタハウジング22と同軸上に配置されるとともに、ハウジング本体21の下端面及びアウタハウジング22の下端面に当接している。そして、2つの固定爪51の固定孔52に固定凸部41が係合される(嵌る)ことにより、バックリテーナ23は、ハウジング本体21及びアウタハウジング22に対して固定されている。なお、アウタハウジング22は、ハウジング本体21の当接部33とバックリテーナ23とによって中心軸線L1方向の両側から挟まれることにより、ハウジング本体21に対する中心軸線L1方向の位置決めがなされている。
【0030】
また、バックリテーナ23は、ハウジング本体21の8個の保持孔34と中心軸線L1方向に重なる8箇所に挿通孔53を備えている。即ち、8個の挿通孔53は、周方向に等角度間隔(本実施形態では45°間隔)となる8箇所に設けられている。各挿通孔53は、中心軸線L1方向から見た形状が円形状をなしている。
【0031】
図2(a)及び図3(a)に示すように、ハウジング本体21の8つの保持孔34のうち、周方向に90°間隔となる4つの保持孔34、即ち周方向に1つ置きの4つの保持孔34には、それぞれ第1端子61aが挿入されている。本実施形態では、各第1端子61aは、陽極の雌端子である。
【0032】
各第1端子61aは導電性材料よりなる。例えば、各第1端子61aは、銅または銅合金よりなる板材にプレス加工を施して形成されたものである。各第1端子61aは、略四角筒状をなす端子本体62と、端子本体62から延びる電線接続部63とを有する。
【0033】
図2(a)及び図2(b)に示すように、各第1端子61aは、略四角筒状に延びる端子本体62の延びる方向と、保持孔34の延びる方向とが一致するように、ハウジング本体21の下端側から保持孔34内に挿入されている。そして、端子本体62の上端が保護部35に下方から当接することにより、第1端子61aは、保持孔34から上方へ抜けることが阻止されている。また、各第1端子61aの端子本体62には、径方向外側の側壁部に抜止め孔64が形成されている。抜止め孔64内に抜止め部38が配置されるとともに、抜止め部38の上端面に抜止め孔64の内周面が上方から当接することにより、第1端子61aは、保持孔34から下方へ抜けることが阻止されている。なお、端子本体62は、端子本体62の周方向の両側面から径方向外側に延びる図示しない一対の位置決め部を有する。この一対の位置決め部が周方向の両側から支持部37の周方向の両側面に当接することにより、第1端子61aは、ハウジング本体21に対する周方向の位置決めがなされている。
【0034】
図2(b)及び図3(b)に示すように、端子本体62は、径方向内側の側壁部に、2つの接点部65を有する。2つの接点部65は、端子本体62の径方向内側の側壁部から径方向外側(即ち端子本体62の内側)に突出するとともに中心軸線L1方向に沿って延びる突条をなしている。端子本体62において、2つの接点部65は、周方向に離れるとともに互いに平行をなしている。また、各接点部65の長手方向と直交する断面形状は、半円状をなしている。
【0035】
また、端子本体62は、径方向外側の側壁部の上端から延びるとともに端子本体62の内側に折り返された形状をなす押圧部66を有する。押圧部66は、端子本体62の径方向外側の側壁部の上端から下方に延びるとともに、基端に比べて先端が径方向内側に位置する。また、押圧部66は、基端に対して先端が径方向にずれるように弾性変形可能である。
【0036】
押圧部66の径方向内側の側面には、押圧接点部67が設けられている。押圧接点部67は、押圧部66の径方向内側の側面から径方向内側(即ち2つの接点部65側)に突出している。押圧部66の表面は、球面状をなしている。
【0037】
図2(a)に示すように、電線接続部63は、端子本体62の径方向外側の側面から下方に延出されている。電線接続部63は、支持部37の径方向内側の側面に当接している。そして、各第1端子61aの電線接続部63には、車両に搭載されたインバータに接続される陽極の電線71aの端部が電気的に接続されている。電線71aは、電線接続部63にかしめられることにより、同電線接続部63に圧着されている。なお、電線71aは、撚線を絶縁被膜にて被覆したものであり、電線71aにおいて電線接続部63に接続される部分は、絶縁被膜が除去されて撚線が露出している。そして、電線接続部63に電気的に接続された電線71aは、保持孔34の下端から同保持孔34の下方に位置する挿通孔53を通って第1ハウジング20の外部に引き出されている。4つの第1端子61aに接続された4本の電線71aは、ハウジング本体21の外部で1本に纏められている。4本の電線71aは、例えば、超音波接合機を用いて1本に接合されている。
【0038】
また、図2(a)及び図3(a)に示すように、ハウジング本体21の8つの保持孔34のうち、残りの4つの保持孔34(即ち、第1端子61aが挿入されていない保持孔34)であって、周方向に90°間隔となる4つの保持孔34には、それぞれ第1端子61bが挿入されている。本実施形態では、各第1端子61bは、陰極の雌端子である。
【0039】
各第1端子61bは、第1端子61aと同じ形状をなすとともに、第1端子61aと同じ態様で保持孔34内に配置されている。そして、第1コネクタ11において、第1端子61aと第1端子61bとは、周方向に沿って環状に並ぶとともに、周方向に交互に45°間隔に配置されている。
【0040】
各第1端子61bの電線接続部63には、車両に搭載されたインバータに接続される陰極の電線71bの端部が電気的に接続されている。電線71bは、電線接続部63にかしめられることにより、同電線接続部63に圧着されている。なお、電線71bは、陽極の電線71aと同様に撚線を絶縁被膜にて被覆したものであり、電線71bにおいて電線接続部63に接続される部分は、絶縁被膜が除去されて撚線が露出している。そして、電線接続部63に電気的に接続された電線71bは、保持孔34の下端から同保持孔34の下方に位置する挿通孔53を通って第1ハウジング20の外部に引き出されている。4つの第1端子61bに接続された4本の電線71bは、ハウジング本体21の外部で1本に纏められている。4本の電線71bは、例えば、超音波接合機を用いて1本に接合されている。
【0041】
図2(a)及び図2(b)に示すように、ハウジング本体21の内側、即ちガイド孔31の内部には、衝撃吸収部材13が配置されている。本実施形態の衝撃吸収部材13は、圧縮コイルばねである。衝撃吸収部材13は、中心軸線L1方向に伸縮するようにガイド孔31内に配置されている。そして、衝撃吸収部材13の上端には、円板状の当接部材81が設けられている。当接部材81は、同当接部材81の図示しない中心軸線が中心軸線L1と一致するようにガイド孔31の内部に配置されている。そして、当接部材81の外周面には、同当接部材81の外周面から径方向外側に突出した係止部82が設けられている。係止部82は、周方向の一箇所に設けられており、当接部材81の上端面よりも下方に位置する。係止部82を除く当接部材81の外径は、ガイド孔31の外径より僅かに小さい大きさであって、当接部材81の中心軸線が中心軸線L1に対して傾斜することを、ガイド孔31の内周面と当接部材81の外周面とによって抑制可能な大きさである。そして、当接部材81は、ハウジング本体21の係止溝32に係止部82が挿入されることにより、ハウジング本体21に対する周方向の位置決めがなされるとともに、ハウジング本体21に対する中心軸線L1方向の移動が係止溝32及び係止部82によって案内される。また、当接部材81は、係止部82がストッパ32aに下方から当接することにより、ガイド孔31から抜け出ることが阻止される。
【0042】
衝撃吸収部材13は、下端部がバックリテーナ23の上端面に当接している。そして、衝撃吸収部材13は、バックリテーナ23と当接部材81との間で、当接部材81を上方に付勢している。第1コネクタ11においては、ハウジング本体21のストッパ32aに当接部材81の係止部82が当接した状態では、当接部材81の上端面と、ハウジング本体21の上端面とが面一になっている。即ち、同状態では、ハウジング本体21の上端面と当接部材81の上端面とが中心軸線L1と直交する同一平面内に位置する。
【0043】
図4及び図5に示すように、第2コネクタ12は、第2ハウジング90と、第2ハウジング90にインサート成形された端子部材100a,100bとを有する。
第2ハウジング90は、絶縁性の樹脂材料よりなり、有底円筒状をなしている。第2ハウジング90は、円柱状の保持部91と、保持部91の外周縁部から同保持部91の軸方向に沿って延びる円筒状の囲繞部92と、保持部91から囲繞部92の内側に突出したガイド部93とを有する。保持部91と、囲繞部92と、ガイド部93とは一体に形成されている。
【0044】
図1(a)に示すように、保持部91の外径は、第1ハウジング20の外径(アウタハウジング22の外径に同じ)より大きい。囲繞部92は、保持部91の外周縁部から下方に延びるとともに、保持部91と同軸上に位置する。囲繞部92の外径は、保持部91の外径と等しく、囲繞部92の内径は、アウタハウジング22の外径より若干大きい。
【0045】
図1(a)、図4及び図5に示すように、ガイド部93は、保持部91の径方向の中央部から囲繞部92の内側に突出し第2ハウジング90の中心軸線L2(即ち保持部91及び囲繞部92の中心軸線)に沿って接続方向Z1に延びる円柱状をなしている。ガイド部93は、保持部91と同軸上に位置するとともに、囲繞部92と同軸状に設けられている。ガイド部93の外径は、第1ハウジング20のガイド孔31の直径より僅かに小さく、当接部材81における係止部82を除く外径と等しい。このガイド部93の外径は、当該ガイド部93がガイド孔31に挿入されたときに、ガイド孔31の内周面によってガイド部93が中心軸線L1に対して傾斜することが抑制される大きさである。また、ガイド部93の中心軸線L2方向の長さは、囲繞部92の軸方向の長さよりも短い。そして、ガイド部93の先端面は、中心軸線L2と直交する平面状をなすとともに、囲繞部92の先端面よりも上方、即ち、囲繞部92の先端面よりも保持部91側に位置する。本実施形態では、このガイド部93及び衝撃吸収部材13は、第1コネクタ11と第2コネクタ12とを接続する際の衝撃を吸収するダンパー(即ち、衝撃吸収装置)を構成している。
【0046】
図5図6(a)及び図6(b)に示すように、端子部材100a,100bは、導電性材料よりなり、本実施形態では銅または銅合金よりなる。端子部材100aは、中心軸線L2方向に延びる4つの第2端子101aと、これら第2端子101aの基端部(上端部)を連結する連結部102aと、連結部102aから延びる電線接続部103aとを有する。
【0047】
4つの第2端子101aは陽極の雄端子である。4つの第2端子101aは、全て同じ形状をなすとともに、第2ハウジング90の周方向に等角度間隔(本実施形態では90°間隔)となるように設けられている。そして、各第2端子101aは、第2ハウジング90の径方向と直交する平板状をなすとともに、中心軸線L2方向に延びる帯状をなしている。各第2端子101aと中心軸線L2との間の距離(径方向の距離)は、第1コネクタ11における各第1端子61aの接点部65と中心軸線L1との間の距離(径方向の距離)と略等しい(図1(a)参照)。
【0048】
連結部102aは、中心軸線L2方向から見て、中空の十字状をなしている。連結部102aは、保持部91の内部に埋設されている。そして、十字状の連結部102aの4つの先端にそれぞれ第2端子101aの基端部が一体に設けられている。即ち、十字状の連結部102aの4つの先端から第2端子101aがそれぞれ中心軸線L2と平行に下方に延びている。更に、各第2端子101aは、保持部91から囲繞部92の内側に突出している。連結部102aは、4つの第2端子101aを短絡している。
【0049】
電線接続部103aは、連結部102aと一体に形成されるとともに、連結部102aから径方向に沿って外側に延びている。そして、電線接続部103aは、中心軸線L2方向と直交する平板状の帯状をなしている。この電線接続部103aの基端側の部分は、連結部102aと共に保持部91の内部に埋設されている。また、電線接続部103aの先端部は、保持部91の外周面から径方向外側に突出している。そして、保持部91から突出した電線接続部103aの先端部には、バッテリに接続される陽極の電線(図示略)の端部が超音波接合等により電気的に接続されている。
【0050】
端子部材100bは、端子部材100aと同様の形状をなしており、中心軸線L2方向に延びる4つの第2端子101bと、これら第2端子101bの基端部(上端部)を連結する連結部102bと、連結部102bから延びる電線接続部103bとを有する。
【0051】
4つの第2端子101bは陰極の雄端子である。4つの第2端子101bは、全て同じ形状をなすとともに、第2ハウジング90の周方向に等角度間隔(本実施形態では90°間隔)となるように設けられている。また、第2端子101bは、第2端子101aと第2ハウジング90の周方向に交互に配置されている。また、第2端子101aと第2端子101bとは、周方向に45°の間隔を空けて環状に配置されている。そして、各第2端子101bは、第2ハウジング90の径方向と直交する平板状をなすとともに、中心軸線L2方向に延びる帯状をなしている。各第2端子101bと中心軸線L2との間の距離(径方向の距離)は、第1コネクタ11における各第1端子61bの接点部65と中心軸線L1との間の距離(径方向の距離)と略等しい(図1(a)参照)。
【0052】
連結部102bは、中心軸線L2方向から見て、中空の十字状をなしている。連結部102bは、保持部91の内部に埋設されている。なお、連結部102bは、保持部91の内部で、端子部材100aの連結部102aよりも上方に位置するとともに、連結部102bと連結部102aとは中心軸線L2方向に離れている。このように、第2ハウジング90は、端子部材100aと端子部材100bとの電気的な絶縁を確保した状態でこれら端子部材100a,100bを保持している。そして、十字状の連結部102bの4つの先端にそれぞれ第2端子101bの基端部が一体に設けられている。即ち、十字状の連結部102bの4つの先端から第2端子101bがそれぞれ中心軸線L2と平行に下方に延びている。更に、各第2端子101bは、保持部91から囲繞部92の内側に突出している。連結部102bは、4つの第2端子101bを短絡している。
【0053】
電線接続部103bは、連結部102bと一体に形成されるとともに、連結部102bから径方向に沿って外側に延びている。また、電線接続部103bは、端子部材100aの電線接続部103aに対して中心軸線L2回りに90°回転した位置に配置されている。そして、電線接続部103bは、中心軸線L2方向と直交する平板状の帯状をなしている。この電線接続部103bの基端側の部分は、連結部102bと共に保持部91の内部に埋設されている。また、電線接続部103bの先端部は、保持部91の外周面から径方向外側に突出している。そして、保持部91から突出した電線接続部103bの先端部には、バッテリに接続される陰極の電線(図示略)の端部が超音波接合等により電気的に接続されている。
【0054】
図4及び図6(b)に示すように、第2コネクタ12において、各第2端子101aの先端(下端)及び各第2端子101bの先端(下端)の中心軸線L2方向の位置は全て等しい。そして、各第2端子101aの先端及び各第2端子101bの先端は、ガイド部93の先端面よりも上方、即ち、ガイド部93の先端面よりも保持部91側に位置する。
【0055】
また、図1(a)に示すように、ガイド部93は、第1コネクタ11と第2コネクタ12とが接続された状態で同ガイド部93の先端が第2端子101a,101bよりも第1コネクタ11側に位置する。更に、接続方向Z1から見て、衝撃吸収部材13は、第1端子61a,61b及び第2端子101a,101bよりも内側に位置する。
【0056】
本実施形態においては、第1コネクタ11は、車体に設けられた図示しない収容凹部の底部に固定される。収容凹部は、例えば、シート下に設けられる。収容凹部は、例えば、下方に向かって凹設されており、上方に開口している。本実施形態では、収容凹部は、四角筒状の内周面を有するとともに、上側から見た形状が正方形状をなしている。第1コネクタ11は、この収容凹部の底部に、中心軸線L1と収容凹部の凹設方向とが一致するように、且つ当接部材81の上端面が上方を向くように固定される。一方、第2コネクタ12は、図示しないバッテリの底部に固定される。バッテリは、収容凹部の四角筒状の内周面に応じた外周面を有する正四角柱状をなすケースを有する。第2コネクタ12は、このケースの底部に、ケースの上下方向に延びる中心線と中心軸線L2とが平行をなすように、且つ囲繞部92の先端が下方を向くように固定される。
【0057】
本実施形態の作用について説明する。
電動車両にバッテリを装着する際、使用者は、車体に設けられた収容凹部にバッテリを同バッテリの底部側から挿入する。このとき、収容凹部の内周面とバッテリのケースの外周面とによって、接続方向Z1に延びる軸線回りの第1コネクタ11と第2コネクタ12との周方向の位置決めがなされるとともに、第1コネクタ11と第2コネクタ12との径方向の位置決めがなされる。これにより、中心軸線L1と中心軸線L2とが一致した状態で、第2コネクタ12が第1コネクタ11に近接されていく。また、陽極の4つの第1端子61aと陽極の4つの第2端子101aとが接続方向Z1、即ち中心軸線L1,L2方向に対向するとともに、陰極の4つの第1端子61bと陰極の4つの第2端子101bとが中心軸線L1,L2方向に対向した状態で、第2コネクタ12が第1コネクタ11に近接されていく。
【0058】
そして、まず、囲繞部92の先端部の内側に第1ハウジング20の上端部が挿入される。囲繞部92の内周面と第1ハウジング20の外周面とによって、第1コネクタ11と第2コネクタ12との径方向の位置決めがより高精度になされる。この状態で、第2コネクタ12が第1コネクタ11の方へ更に移動されると(即ち第2コネクタ12が接続方向Z1に移動されると)、ガイド部93の先端が当接部材81の上端面に当接し、当接部材81を介して衝撃吸収部材13を圧縮しながらガイド孔31に挿入されていく。このとき、ガイド孔31は、ガイド部93が接続方向Z1(中心軸線L1)に対して傾倒することを抑制するため、ガイド孔31及びガイド部93によって第1コネクタ11の中心軸線L1に対して第2コネクタ12の中心軸線L2が傾倒するように第2コネクタ12が第1コネクタ11に対して傾倒することが抑制される。またこの時、ガイド部93が当接部材81を介して衝撃吸収部材13を圧縮することにより、ガイド部93は、衝撃吸収部材13から接続方向Z1と反対方向、即ち第1コネクタ11から第2コネクタ12を離す方向の付勢力を受ける。その結果、この付勢力によって第2コネクタ12が減速されるため、第1コネクタ11と第2コネクタ12とを接続する際の衝撃が緩和される。このように、衝撃吸収部材13は、第2コネクタ12のガイド部93の先端との間で、第1コネクタ11と第2コネクタ12とが接続される際の衝撃を吸収する。
【0059】
そして、図1(a)及び図1(b)に示すように、第1コネクタ11と第2コネクタ12とを接続する際の衝撃が緩和された状態で、第2コネクタ12が中心軸線L1,L2方向に沿って第1コネクタ11の方へ更に移動される。これにより、陽極の4つの第1端子61aの端子本体62に陽極の4つの第2端子101aがそれぞれ挿入されて電気的に接続される。同時に、陰極の4つの第1端子61bの端子本体62に陰極の4つの第2端子101bがそれぞれ挿入されて電気的に接続される。なお、第1端子61aの端子本体62に挿入された第2端子101aは、押圧部66によって接点部65に押し付けられる。そして、第1端子61aは、接点部65及び押圧接点部67において第2端子101aに接触して電気的に接続される。第1端子61b及び第2端子101bについても同様の態様で電気的に接続される。
【0060】
そして、第1端子61aと第2端子101aとが電気的に接続されるとともに、第1端子61bと第2端子101bとが電気的に接続された状態、即ち第1コネクタ11と第2コネクタ12とが接続された状態を維持するように、バッテリは、車体側に設けられたロック機構により収容凹部内に固定される。ロック機構は、シートが兼ねてもよいし、シートとは別に収容凹部の開口部付近に設けられてもよい。
【0061】
なお、本実施形態では、バッテリが挿入される収容凹部の内周面は、上側から見た形状が正方形状をなす四角筒状をなすとともに、バッテリのケースは、収容凹部の四角筒状の内周面に応じた外周面を有する正四角柱状をなしている。そのため、バッテリは、収容凹部へのバッテリの挿入方向に延びる軸線回り、即ち接続方向Z1に延びる軸線回りに90°回転させるごとに、収容凹部に対して挿入可能となる。即ち、収容凹部にバッテリを挿入可能となる、収容凹部へのバッテリの挿入方向に延びる軸線回りの収容凹部とバッテリとの相対回転位置が4つある。
【0062】
本実施形態では、第1コネクタ11において、陽極の第1端子61aが周方向に90°間隔に配置されるとともに、陰極の第1端子61bが周方向に90°間隔に配置されている。更に、第1コネクタ11において、第1端子61aと第1端子61bとは、周方向に交互に等角度間隔(45°間隔)に配置されている。一方、第2コネクタ12において、陽極の第2端子101aが周方向に90°間隔に配置されるとともに、陰極の第2端子101bが周方向に90°間隔に配置されている。更に、第2コネクタ12において、第2端子101aと第2端子101bとは、周方向に交互に等角度間隔(45°間隔)に配置されている。そのため、第1コネクタ11と第2コネクタ12とは、接続方向Z1に延びる軸線回りに、本実施形態では中心軸線L1,L2回りに第1コネクタ11に対して第2コネクタ12が90°相対回転されるごとに接続可能となる。従って、収容凹部にバッテリを挿入可能な4つの前記相対回転位置のうち何れの相対回転位置で収容凹部にバッテリを挿入しても、第1コネクタ11と第2コネクタ12とが接続される。
【0063】
また、車体からバッテリを取り外す場合には、ロック機構によるロックを解除した後に、バッテリを収容凹部から抜き出す。このとき、圧縮コイルばねである衝撃吸収部材13が、第1コネクタ11から第2コネクタ12を離す方向にガイド部93を付勢しているため、衝撃吸収部材13の付勢力に補助されて使用者は容易にバッテリを収容凹部から抜き出すことができる。
【0064】
本実施形態の効果について説明する。
(1)コネクタ装置10は、第1端子61a,61bを有する第1コネクタ11と、第1端子61a,61bと電気的に接続される第2端子101a,101bを有する第2コネクタ12と、第1コネクタ11と第2コネクタ12とを接続する際の衝撃を吸収する衝撃吸収部材13とを備えている。従って、衝撃吸収部材13によって第1コネクタ11と第2コネクタ12とを接続する際の衝撃を緩和することができる。その結果、第1端子61a,61b及び第2端子101a,101bの変形や損傷を抑制できる。
【0065】
(2)第1端子61a,61bは、第1コネクタ11と第2コネクタ12との接続方向Z1に延びる軸線回りの周方向に間隔を空けて配置され、第2端子101a,101bは、接続方向Z1に延びる軸線回りの周方向に間隔を空けて配置されている。そして、接続方向Z1から見て、衝撃吸収部材13は、第1端子61a,61b及び第2端子101a,101bよりも内側に位置する。
【0066】
このように、第1端子61a,61bを、接続方向Z1に延びる軸線回りの周方向に配置するとともに、第2端子101a,101bを同接続方向Z1に延びる軸線回りの周方向に配置すると、コネクタ装置10において第1端子61a,61b及び第2端子101a,101bの内側にスペースが生じる。また、第1コネクタ11では、陽極の第1端子61aと陰極の第1端子61bとが周方向に交互に配置されているため、周方向に隣り合う第1端子61aと第1端子61bとの間の絶縁距離を考慮する必要がある。同様に、第2コネクタ12では、陽極の第2端子101aと陰極の第2端子101bとが周方向に交互に配置されているため、周方向に隣り合う第2端子101aと第2端子101bとの間の絶縁距離を考慮する必要がある。そして、本実施形態のコネクタ装置10のように、車両のバッテリとインバータとの接続に用いられるような高電圧用のコネクタ装置においては、絶縁距離が長くなりやすい。そのため、第1端子61a,61b及び第2端子101a,101bの内側生じるスペースが大きくなりやすい。従って、このスペースに衝撃吸収部材13を配置することにより、当該スペースを有効利用することができる。また、このスペースに衝撃吸収部材13が位置することにより、コネクタ装置10において第1端子61a,61b及び第2端子101a,101bの外側に衝撃吸収部材13が位置する場合に比べて衝撃吸収部材13を備えたことによるコネクタ装置10の大型化を抑制することができる。
【0067】
(3)第2コネクタ12は、接続方向Z1に延び第1コネクタ11と第2コネクタ12とが接続された状態で先端が第2端子101a,101bよりも第1コネクタ11側に位置する柱状のガイド部93を有する。第1コネクタ11は、第1コネクタ11と第2コネクタ12とを接続するときにガイド部93が挿入されガイド部93の接続方向Z1に対する傾倒を抑制するように案内するガイド孔31を有する。衝撃吸収部材13は、第1コネクタ11と第2コネクタ12とを接続する際の衝撃をガイド部93の先端との間で吸収する。
【0068】
上記構成によれば、第1コネクタ11と第2コネクタ12とを接続する際には、第2端子101a,101bが第1端子61a,61bに接触するよりも先にガイド部93がガイド孔31に挿入される。そのため、第2コネクタ12は、ガイド部93及びガイド孔31によって第1コネクタ11と第2コネクタ12との接続方向Z1に対して傾斜することが抑制される。その結果、第1端子61a,61bに対して第2端子101a,101bが当該接続方向Z1に対して傾斜した状態で接触することが抑制される。従って、第1端子61a,61b及び第2端子101a,101bの変形や損傷をより抑制できる。そして、第1コネクタ11と第2コネクタ12とを接続する際の衝撃は、ガイド部93と衝撃吸収部材13との間で吸収される。即ち、ガイド部93は、接続方向Z1に対して第2コネクタ12が傾斜することを抑制するだけでなく、衝撃吸収部材13と共に第1コネクタ11と第2コネクタ12とを接続する際の衝撃を吸収する役割も兼ねている。従って、ガイド部93とは別に、衝撃吸収部材13と共に第1コネクタ11と第2コネクタ12とを接続する際の衝撃を吸収する部材を第2コネクタ12に設ける場合に比べて、コネクタ装置10の構成や形状が複雑化されることを抑制することができる。
【0069】
(4)衝撃吸収部材13は、第1コネクタ11と第2コネクタ12との接続方向Z1に伸縮可能な圧縮コイルばねであり、第1コネクタ11と第2コネクタ12との接続時に圧縮されることにより第1コネクタ11と第2コネクタ12とを接続する際の衝撃を吸収する。この構成によれば、衝撃吸収部材13の付勢力は、第1コネクタ11と第2コネクタ12との接続を解除する方向に作用することになる。従って、第1コネクタ11と第2コネクタ12との接続を解除する際に、衝撃吸収部材13の付勢力によって第1コネクタ11と第2コネクタ12とを容易に外すことができる。また、衝撃吸収部材13に要するコストを低減できる。
【0070】
(5)第2コネクタ12において、端子部材100a,100bは、第2ハウジング90にインサート成形されている。そのため、端子部材100a,100bと第2ハウジング90との間からバッテリのケース内に水等の液体が浸入することが抑制されている。
【0071】
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・ガイド部93及びガイド孔31の形状は、上記実施形態の形状に限らない。ガイド部93は、接続方向Z1に延びるとともに、第1コネクタ11と第2コネクタ12とが接続された状態で先端が第2端子101a,101bよりも第1コネクタ11側に位置する柱状をなしていればよい。また、ガイド孔31は、第1コネクタ11と第2コネクタ12とを接続するときにガイド部93が挿入されガイド部93の接続方向Z1に対する傾倒を抑制するように案内するものであればよい。
【0072】
例えば、図7及び図8に示す例では、ガイド孔31Aは、ガイド孔31Aの内周面に接続方向Z1に沿って設けられた第1係合部111を有する。また、ガイド部93Aは、ガイド部93Aの外周面に接続方向Z1に沿って設けられ第1係合部111と係合し第1係合部111と共にガイド孔31Aに対するガイド部93Aの周方向の位置決めをする第2係合部112を有する。
【0073】
図7に示すように、第1コネクタ11Aにおいて、ガイド孔31Aは、中心軸線L1方向から見た形状が正八角形状をなす八角筒状の内周面を有する。ガイド孔31Aの内周面を構成する8つの平面の各々は、接続方向Z1と平行に延びる平面状の第1係合部111である。なお、ガイド孔31Aの内部に配置された衝撃吸収部材13の上端部には、上記実施形態の円板状の当接部材81に代えて、正八角形の板状をなす当接部材81Aが設けられている。
【0074】
図8に示すように、第2コネクタ12Aにおいて、ガイド部93Aは、中心軸線L2方向から見た形状が正八角形状をなす八角柱状をなしている。ガイド部93Aの外周面を構成する8つの平面の各々は、接続方向Z1と平行に延びる平面状の第2係合部112である。このガイド部93Aの外形は、ガイド孔31Aより僅かに小さい。
【0075】
第1コネクタ11Aと第2コネクタ12Aとを接続する際には、ガイド孔31Aの第1係合部111とガイド部93Aの第2係合部112とが係合するようにガイド部93Aをガイド孔31Aに挿入することにより、接続方向Z1に延びる軸線回りの第1コネクタ11Aと第2コネクタ12Aとの周方向の位置決めを行うことができる。詳しくは、ガイド孔31Aの8つの第1係合部111とガイド部93の8つの第2係合部112とがそれぞれ径方向に対向するように、ガイド部93Aをガイド孔31Aに挿入する。ガイド部93Aがガイド孔31Aに対して中心軸線L2回りに回転しようとしても、第2係合部112が当該第2係合部112と径方向に対向する第1係合部111に当接することにより(係合することにより)、ガイド部93Aがガイド孔31Aに対して中心軸線L2回りに回転することが阻止される。従って、接続方向Z1に延びる軸線回りの第1コネクタ11Aと第2コネクタ12Aとの周方向の位置決めがなされる。その結果、第1端子61a,61bと、当該第1端子61a,61bに電気的に接続される第2端子101a,101bとを、当該接続方向Z1に延びる軸線回りの周方向に位置決めすることができる。そのため、これら第1端子61a,61bと第2端子101a,101bとを同接続方向Z1に対向させた状態で、第1コネクタ11Aと第2コネクタ12Aとを接続することができる。従って、第1コネクタ11Aと第2コネクタ12Aとの接続を行いやすくなる。
【0076】
なお、図7及び図8に示す例では、ガイド孔31Aは、中心軸線L1方向から見た形状が正八角形状をなす八角筒状の内周面を有するとともに、ガイド部93Aは、中心軸線L2方向から見た形状が正八角形状をなす八角柱状をなしている。しかしながら、ガイド孔31A及びガイド部93Aの形状は、周方向に相対回転不能に係合できる形状であればよい。例えば、ガイド孔31Aは、中心軸線L1方向から見た形状が四角形等の八角形以外の多角形状をなす多角筒状の内周面を有するものであってもよい。そして、ガイド部93Aを、ガイド孔31Aに応じた多角柱状をなすものとしてもよい。この場合、ガイド孔31Aの多角筒状の内周面を構成する各平面が第1係合部に該当し、ガイド部93Aの外周面を構成する各平面が第2係合部に該当する。また例えば、ガイド孔31Aを、円筒状の内周面に接続方向Z1に沿って延びる係合凸部及び係合凹部の何れか一方(第1係合部に該当)を有する形状にするとともに、ガイド部93Aを、円柱状をなし外周面に接続方向Z1に沿って延びる係合凸部及び係合凹部の何れか他方(第2係合部に該当)を有するものとしてもよい。また例えば、ガイド孔31Aを、楕円筒状、軸方向視D形状(円の一部が平面状に切り欠かれた形状)の筒状等の非円筒状の内周面(第1係合部に該当)を有する形状にするとともに、ガイド部93Aを、ガイド孔31Aの内周面に応じた外周面(第2係合部に該当)を有する柱状としてもよい。
【0077】
・中心軸線L1,L2回りの第1コネクタ11と第2コネクタ12との周方向の位置決めは、第1ハウジング20の外周面と第2ハウジング90の囲繞部92の内周面とに設けた周方向に係合する係合部によって行ってもよい。例えば、第1ハウジング20の外周面に接続方向Z1に延びる係合凸部及び係合凹部の何れか一方を設けるとともに、第2ハウジング90の囲繞部92の内周面に接続方向Z1に延びる係合凸部及び係合凹部の何れか他方を設ける。そして、第1コネクタ11と第2コネクタ12とを接続する際には、接続方向Z1に沿って係合凹部に係合凸部を挿入することにより、中心軸線L1,L2回りの第1コネクタ11と第2コネクタ12との周方向の位置決めを行うことができる。
【0078】
また例えば、第1ハウジング20の外周面を楕円筒状、多角筒状、軸方向視D形状(円の一部が平面状に切り欠かれた形状)の筒状等の非円筒状に変更してもよい。この場合、第2ハウジング90の囲繞部92の内周面も第1ハウジング20の外周面の形状に応じて変更する。このようにしても、第1ハウジング20の外周面と囲繞部92の内周面とによって、中心軸線L1,L2回りの第1コネクタ11と第2コネクタ12との周方向の位置決めを行うことができる。
【0079】
・上記実施形態では、衝撃吸収部材13は、第1コネクタ11と第2コネクタ12とが接続された状態において第1端子61a,61b及び第2端子101a,101bの内側に位置する。しかしながら、衝撃吸収部材13は、同状態において第1端子61a,61b及び第2端子101a,101bの外側に位置していてもよい。例えば、衝撃吸収部材13が圧縮コイルばねである場合、圧縮コイルばねの内側に第1端子61a,61b及び第2端子101a,101bが位置するようにしてもよい。この場合、ガイド部93は、円筒状等、衝撃吸収部材13を接続方向Z1に圧縮可能な形状とされる。
【0080】
・上記実施形態では、第1端子61a,61bは周方向に等角度間隔に配置されている。しかしながら、第1端子61a,61bの配置はこれに限らず、任意の配置に変更してもよい。この場合、第2端子101a,101bは、第1端子61a,61bと接続可能なように第1端子61a,61bの配置に応じて配置が変更される。
【0081】
・上記実施形態では、第1コネクタ11に衝撃吸収部材13が設けられるとともに、第2コネクタ12にガイド部93が設けられている。しかしながら、第1コネクタ11にガイド部93を設けるとともに、第2コネクタ12に衝撃吸収部材13を設けてもよい。
【0082】
・上記実施形態では、衝撃吸収部材13は、圧縮コイルばねである。しかしながら、衝撃吸収部材13は、圧縮コイルばね以外に、第1コネクタ11と第2コネクタ12とを接続する際の衝撃を吸収することができるものに変更してもよい。例えば、衝撃吸収部材13は、ガイド部93と協働するオイルダンパー、空気ダンパー等のダンパーであってもよい。また、衝撃吸収部材13は、ガイド孔31の内周面に配置された環状のゴム部材であってもよい。この場合、当該ゴム部材である衝撃吸収部材13とガイド部93の外周面との間の摩擦によって、第1コネクタ11と第2コネクタ12とを接続する際の衝撃が吸収される。
【0083】
・上記実施形態では、第1コネクタ11において、第1端子61a,61bは、ハウジング本体21とは別部品で形成されて、同ハウジング本体21に対して組み付けられている。しかしながら、第1端子61a,61bは、ハウジング本体21にインサート成形されることにより同ハウジング本体21と一体に設けられてもよい。
【0084】
・上記実施形態では、端子部材100a,100bは、第2ハウジング90にインサート成形されている。しかしながら、端子部材100a,100bは、第2ハウジング90とは別体で形成されて、同第2ハウジング90に組み付けられるものであってもよい。また、第2ハウジング90は、複数の部品を組み付けて構成されたものであってもよい。
【0085】
・上記実施形態では、第1ハウジング20は、ハウジング本体21と、アウタハウジング22と、バックリテーナ23とを組み付けて構成されている。しかしながら、第1ハウジング20の構成はこれに限らない。例えば、第1ハウジング20は、ハウジング本体21と、アウタハウジング22と、バックリテーナ23とが一体に形成されたものであってもよい。この場合、第1端子61a,61bは、第1ハウジング20にインサート成形されてもよいし、別部品で形成されて組み付けられてもよい。また、ハウジング本体21、アウタハウジング22及びバックリテーナ23の少なくとも1つは、2つ以上の部品を組み付けて構成されたものであってもよい。
【0086】
・上記実施形態において、第1端子61aを陰極、第1端子61bを陽極とするとともに、第2端子101aを陰極、第2端子101bを陽極としてもよい。
・上記実施形態では、第1コネクタ11に備えられる第1端子61a,61bは雌端子であるとともに、第2コネクタ12に備えられる第2端子101a,101bは雄端子である。しかしながら、第1コネクタ11に備えられる第1端子61a,61bを雄端子とするとともに、第2コネクタ12に備えられる第2端子101a,101bを雌端子としてもよい。
【0087】
・上記実施形態では、第1端子61a,61b及び第2端子101a,101bは、何れも銅または銅合金よりなるが、銅系以外の導電性の金属材料よりなるものであってもよい。例えば、第1端子61a,61b及び第2端子101a,101bは、アルミニウムまたはアルミニウム合金よりなるものであってもよい。
【0088】
・上記実施形態において、第1端子61a,61bの形状及び構成は適宜変更してもよい。そして、第1端子61a,61bの形状及び構成に応じて、第2端子101a,101bの形状及び構成を適宜変更してもよい。
【0089】
例えば、上記実施形態では、4つの第2端子101aは、連結部102a及び電線接続部103aと一体に形成されている。しかしながら、4つの第2端子101aは、別体で設けられて各々に陽極の電線が電気的に接続される構成であってもよい。4つの第2端子101bについても同様である。
【0090】
また例えば、第1端子61a,61bは、接続方向Z1に延びる円筒状をなすとともに、第2端子101a,101bは、当該第1端子61a,61bに挿入される円柱状をなすものであってもよい。
【0091】
また例えば、雌端子である第1端子61a,61bを、導電性材料よりなり筒状をなす接点収容部と、この接点収容部の内部に収容され同接点収容部と電気的に接続された接点部材とから構成される端子としてもよい。この場合、第1ハウジング20において各保持孔34に接点収容部を内嵌するとともに、同接点収容部にインバータに接続される電線を電気的に接続する。そして、各接点収容部の内部に収容される接点部材は、例えば、複数の板ばねが周方向に配置された形状をなすもの、即ちルーバ状に並んだ複数の板ばねを有するものが用いられる。この接点部材は、接点収容部の内周面に当接することにより同接点収容部と電気的に接続されている。この場合、中心軸線L1方向に沿って第1端子61a,61bに円柱状の第2端子101a,101bが挿入されると、第2端子101a,101bは、接点部材の内側に挿入される。そして、接点部材の複数の板ばねが第2端子101a,101bの外周面を第2端子101a,101bの径方向内側に向けて押圧しつつ同外周面に接触することにより、第1端子61a,61bと第2端子101a,101bとは電気的に接続される。
【0092】
また、接点収容部の内部に収容される接点部材としては、例えば斜めコイルスプリングを用いることもできる。この接点部材は、接点収容部の内周面に当接することにより同接点収容部と電気的に接続されている。この場合、中心軸線L1方向に沿って第1端子61a,61bに円柱状の第2端子101a,101bが挿入されると、第2端子101a,101bは、接点部材の内側に挿入される。そして、接点部材が第2端子101a,101bの外周面を第2端子101a,101bの径方向内側に向けて押圧しつつ同外周面に接触することにより、第1端子61a,61bと第2端子101a,101bとは電気的に接続される。
【0093】
また例えば、第1端子61a,61bと第2端子101a,101bとは、第1端子61a,61bに対して第2端子101a,101bが接続方向Z1から当接することにより電気的に接続される構成であってもよい。
【0094】
・上記実施形態では、第1コネクタ11は、陽極の第1端子61a及び陰極の第1端子61bをそれぞれ4つずつ備えている。そして、第2コネクタ12は、陽極の第2端子101a及び陰極の第2端子101bをそれぞれ4つずつ備えている。しかしながら、第1コネクタ11に備えられる第1端子61a,61bの数、及び第2コネクタ12に備えられる第2端子101a,101bの数はこれに限らない。第1コネクタ11は、第1端子を複数備えていればよい。そして、第2コネクタ12は、第1コネクタ11に備えられる第1端子の数に応じた数の第2端子を備えていればよい。
【0095】
・上記実施形態では、バッテリが挿入される収容凹部の内周面は、上側から見た形状が正方形状をなす四角筒状をなすとともに、バッテリのケースは、収容凹部の四角筒状の内周面に応じた外周面を有する正四角柱状をなしている。しかしながら、第1コネクタ11が配置される収容凹部の形状及び第2コネクタ12が配置されるバッテリのケースの形状は、これに限らない。例えば、バッテリが挿入される収容凹部の内周面は、上側から見た形状が長方形状をなす四角筒状をなすとともに、バッテリのケースは、収容凹部の四角筒状の内周面に応じた外周面を有する四角柱状をなすものであってもよい。
【0096】
・上記実施形態では、第1コネクタ11は車体に固定されている。しかしながら、第1コネクタ11は、車体に直接固定される以外に、車体に固定もしくは搭載されたインバータ等の機器に固定されてもよい。
【0097】
・上記実施形態では、第1コネクタ11は車体側に固定されるものとし、第2コネクタ12はバッテリに固定されるものとして説明した。しかしながら、第1コネクタ11をバッテリに固定し、第2コネクタ12を車体側に固定してもよい。この場合、第1コネクタ11からバッテリの内部に水等の液体が浸入することを抑制する止水構造を同第1コネクタ11に設けることが好ましい。
【0098】
・上記実施形態では、コネクタ装置10は、電動バイク、電気自転車等の電動車両の車体側のインバータとバッテリとを電気的に接続するために用いられている。しかしながら、コネクタ装置10の用途はこれに限らず、一方の電線と他方の電線との接続及び接続解除を繰り返すことがある場合に、当該一方の電線と他方の電線との間に使用されてもよい。例えば、コネクタ装置10は、電動の三輪車や四輪車の車体側とバッテリとを電気的に接続するために用いられてもよい。
【0099】
上記実施形態及び変更例から把握できる技術的思想について記載する。
(イ)前記衝撃吸収部材は、前記第1コネクタと前記第2コネクタとの接続方向に伸縮可能な圧縮コイルばねであり、前記第1コネクタと前記第2コネクタとの接続時に圧縮されることにより前記第1コネクタと前記第2コネクタとを接続する際の衝撃を吸収する請求項1から請求項4の何れか1項に記載のコネクタ装置。
【0100】
上記態様によれば、衝撃吸収部材の付勢力は、第1コネクタと第2コネクタとの接続を解除する方向に作用することになる。従って、第1コネクタと第2コネクタとの接続を解除する際に、衝撃吸収部材の付勢力によって第1コネクタと第2コネクタとを容易に外すことができる。また、衝撃吸収部材に要するコストを低減できる。
【符号の説明】
【0101】
10…コネクタ装置
11,11A…第1コネクタ
12,12A…第2コネクタ
13…衝撃吸収部材
31,31A…ガイド孔
61a,61b…第1端子
93,93A…ガイド部
101a,101b…第2端子
111…第1係合部
112…第2係合部
Z1…接続方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8