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特許7247649情報処理プログラム、情報処理方法、及び情報処理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-20
(45)【発行日】2023-03-29
(54)【発明の名称】情報処理プログラム、情報処理方法、及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0201 20230101AFI20230322BHJP
   G06Q 30/015 20230101ALI20230322BHJP
   G06F 16/245 20190101ALI20230322BHJP
【FI】
G06Q30/0201
G06Q30/015
G06F16/245
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019033042
(22)【出願日】2019-02-26
(65)【公開番号】P2020140234
(43)【公開日】2020-09-03
【審査請求日】2021-11-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087480
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 修平
(72)【発明者】
【氏名】緒方 晶
(72)【発明者】
【氏名】福島 秀明
(72)【発明者】
【氏名】谷口 和隆
【審査官】渡邉 加寿磨
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-102739(JP,A)
【文献】特開2006-155296(JP,A)
【文献】特開2008-234583(JP,A)
【文献】特開2006-236155(JP,A)
【文献】特開2005-157776(JP,A)
【文献】特開2005-242509(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G06F 16/245
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タグの読み取り装置から、前記読み取り装置が読み取ったタグ付きの商品の識別情報を受信し、
受信した前記識別情報の受信回数の情報に基づき前記商品の利用状況を特定し、
同一の商品に対応する前記識別情報の受信回数が所定回数以上である場合に、特定した前記利用状況に基づいて、記憶部に記憶した前記商品の識別情報に対応付けられた人物の連絡先に対し所定の情報を送信する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【請求項2】
タグの読み取り装置から、前記読み取り装置が読み取ったタグ付きの商品の識別情報及び前記読み取り装置の位置情報を受信し、
受信した前記識別情報の受信回数及び前記位置情報の情報に基づき前記商品の利用状況を特定し、
特定した前記利用状況と、新たに受信した前記位置情報と過去に受信した前記位置情報との比較結果とに基づいて、記憶部に記憶した前記商品の識別情報に対応付けられた人物の連絡先に対し、前記新たに受信した前記位置情報に基づいて抽出した店舗の情報を含む所定の情報を送信する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【請求項3】
互いに異なる場所にそれぞれ設置されたタグの読み取り装置から、前記読み取り装置が読み取ったタグ付きの商品の識別情報、前記読み取り装置の位置情報及びタグを読み取った時刻の全てを受信し、
受信した前記識別情報の受信回数、前記位置情報及びタグを読み取った時刻の全ての情報に基づき前記商品の利用状況を特定し、
同一の商品に対応する前記識別情報の受信回数が所定回数以上である場合に、特定した前記利用状況に基づいて、記憶部に記憶した前記商品の識別情報に対応付けられた人物の連絡先に対し所定の情報を送信する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【請求項4】
前記読み取り装置が読み取った識別情報に対応付けられた属性に基づき、前記商品に関する情報を前記識別情報に対応付けられた前記人物を含む複数の連絡先に送信する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の情報処理プログラム。
【請求項5】
前記読み取り装置は移動手段を利用する際の出入口毎に設置され、
前記読み取り装置から、前記識別情報、前記位置情報及び前記時刻の全てを間接的に受信し、
受信した前記識別情報の受信回数、前記位置情報及び前記時刻の全ての情報に基づき前記利用状況を特定する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする請求項に記載の情報処理プログラム。
【請求項6】
前記人物は、前記商品の購入者であり、
前記所定の情報は、前記商品に関連する関連商品の販売に関する情報及び前記商品に対するサービスに関する情報の少なくとも一方を含む、
ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の情報処理プログラム。
【請求項7】
タグの読み取り装置から、前記読み取り装置が読み取ったタグ付きの商品の識別情報を受信し、
受信した前記識別情報の受信回数の情報に基づき前記商品の利用状況を特定し、
同一の商品に対応する前記識別情報の受信回数が所定回数以上である場合に、特定した前記利用状況に基づいて、記憶部に記憶した前記商品の識別情報に対応付けられた人物の連絡先に対し所定の情報を送信する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする情報処理方法。
【請求項8】
タグ付きの商品の識別情報と人物の連絡先とを対応付けて記憶する記憶部と、
タグの読み取り装置から、前記読み取り装置が読み取った前記商品の識別情報を受信し、受信した前記識別情報の受信回数の情報に基づき前記商品の利用状況を特定し、同一の商品に対応する前記識別情報の受信回数が所定回数以上である場合に、特定した前記利用状況に基づいて、前記人物の連絡先に対し所定の情報を送信する処理を実行する処理部と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件は、情報処理プログラム、情報処理方法、及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
玄関等の出入口に設けられ、利用者に使用されている購入済みの商品に付されたRadio Frequency IDentifier(RFID)タグから品名の情報を読み取るタグリーダが知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-288481号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、購入済みの商品に付されたRFIDタグとそのRFIDタグから情報を読み取るタグリーダを利用して、商品の利用状況に基づいた情報発信を行う技術は知られていない。
【0005】
そこで、1つの側面では、商品の利用状況に基づいた情報発信を行える情報処理プログラム、情報処理方法、及び情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの実施態様では、情報処理プログラムは、タグの読み取り装置から、前記読み取り装置が読み取ったタグ付きの商品の識別情報を受信し、受信した前記識別情報の受信回数の情報に基づき前記商品の利用状況を特定し、同一の商品に対応する前記識別情報の受信回数が所定回数以上である場合に、特定した前記利用状況に基づいて、記憶部に記憶した前記商品の識別情報に対応付けられた人物の連絡先に対し所定の情報を送信する、処理をコンピュータに実行させることを特徴とする。
1つの実施態様では、情報処理プログラムは、タグの読み取り装置から、前記読み取り装置が読み取ったタグ付きの商品の識別情報及び前記読み取り装置の位置情報を受信し、受信した前記識別情報の受信回数及び前記位置情報の情報に基づき前記商品の利用状況を特定し、特定した前記利用状況と、新たに受信した前記位置情報と過去に受信した前記位置情報との比較結果とに基づいて、記憶部に記憶した前記商品の識別情報に対応付けられた人物の連絡先に対し、前記新たに受信した前記位置情報に基づいて抽出した店舗の情報を含む所定の情報を送信する、処理をコンピュータに実行させることを特徴とする。
1つの実施態様では、情報処理プログラムは、互いに異なる場所にそれぞれ設置されたタグの読み取り装置から、前記読み取り装置が読み取ったタグ付きの商品の識別情報、前記読み取り装置の位置情報及びタグを読み取った時刻の全てを受信し、受信した前記識別情報の受信回数、前記位置情報及びタグを読み取った時刻の全ての情報に基づき前記商品の利用状況を特定し、同一の商品に対応する前記識別情報の受信回数が所定回数以上である場合に、特定した前記利用状況に基づいて、記憶部に記憶した前記商品の識別情報に対応付けられた人物の連絡先に対し所定の情報を送信する、処理をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
商品の利用状況に基づいた情報発信を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は情報処理システムの一例である。
図2図2は商品の一例を説明するための図である。
図3図3は顧客管理サーバのハードウェア構成の一例である。
図4図4はカウンタ端末、顧客管理サーバ、第1無線リーダ、第2無線リーダ、及び移動管理サーバのブロック図の一例である。
図5図5(a)は顧客情報DBの一例である。図5(b)は移動情報DBの一例である。
図6図6は商品IDを登録する処理を含む第1の処理シーケンス図の一例である。
図7図7(a)から(c)は顧客管理テーブルの一例である。
図8図8は案内情報を送信する処理を含む第2の処理シーケンス図の一例である。
図9図9(a)から(e)は移動管理テーブルの一例である。
図10図10は対応表の一例である。
図11図11(a)及び(b)は顧客管理テーブルの一例である。
図12図12(a)から(d)は顧客端末の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本件を実施するための形態について図面を参照して説明する。
【0010】
図1は情報処理システムSTの一例である。図2は商品BGの一例を説明するための図である。図1に示すように、情報処理システムSTはカウンタ端末100と、情報処理装置としての顧客管理サーバ200を構成要素として含んでいる。また、情報処理システムSTは読み取り装置としての第1無線リーダ310及び第2無線リーダ320と、移動管理サーバ400を構成要素として含んでいる。情報処理システムSTの構成要素に顧客端末500を含めてもよい。第1無線リーダ310及び第2無線リーダ320はRFID技術を利用したゲート型の非接触リーダであり、RFIDゲートと呼ばれることもある。カウンタ端末100、顧客管理サーバ200、第1無線リーダ310、第2無線リーダ320、移動管理サーバ400、及び顧客端末500は通信ネットワークNWを介して互いに接続されている。通信ネットワークNWとしては、例えばインターネットがある。
【0011】
カウンタ端末100は商品BGを販売する小売事業者の店舗に設置される。カウンタ端末100としては例えばPersonal Computer(PC)やPoint Of Sales(POS)端末などがある。本実施形態では、図1に示すように、小売事業者が運営する店舗「ABC百貨店」のレジカウンタにカウンタ端末100が設置されている。第1無線リーダ310及び第2無線リーダ320は互いに異なる場所にそれぞれ設置される。より詳しくは、第1無線リーダ310及び第2無線リーダ320は電車といった移動手段を利用する際の出入口である改札口毎に設置される。この場合、第1無線リーダ310及び第2無線リーダ320は鉄道事業者「PQR鉄道」によって管理される。本実施形態では、図1に示すように、第1無線リーダ310がY駅改札口の改札内に設置され、第2無線リーダ320がK駅改札口の改札内に設置される。尚、第1無線リーダ310及び第2無線リーダ320は改札内に代えて改札外に設置されていてもよい。また、図1では、1台の第1無線リーダ310と1台の第2無線リーダ320が示されているが、1対の第1無線リーダ310と1対の第2無線リーダ320としてもよい。
【0012】
ここで、小売事業者と鉄道事業者との間に資本関係があってもよいし、資本関係がなくてもよい。小売事業者と鉄道事業者の間に資本関係がある場合、小売事業者と鉄道事業者はグループ企業になる。また、本実施形態では、一例として鉄道事業者を説明するが、輸送事業者であれば鉄道事業者に限定されず、航空事業者であってもよいし、船舶事業者であってもよい。航空事業者であれば搭乗口内に第1無線リーダ310及び第2無線リーダ320が設置される。船舶事業者であれば乗船口内に第1無線リーダ310及び第2無線リーダ320が設置される。
【0013】
顧客管理サーバ200と移動管理サーバ400はクラウドサービスを提供するデータセンターDCに設置される。顧客管理サーバ200と移動管理サーバ400としては例えばアプリケーションサーバといったコンピュータがある。尚、顧客管理サーバ200は小売事業者が運営する店舗内にあってもよいし、店舗以外に位置する小売事業者の拠点(例えば本社など)にあってもよい。顧客管理サーバ200はカウンタ端末100によるアクセスを許可する。一方で、顧客管理サーバ200は第1無線リーダ310及び第2無線リーダ320からの読取情報の受信を拒否する。すなわち、顧客管理サーバ200と第1無線リーダ310及び第2無線リーダ320との通信は論理的に遮断されている。これは、顧客管理サーバ200と第1無線リーダ310及び第2無線リーダ320を管理する事業者が相違するためである。これにより、小売事業者が顧客管理サーバ200によって管理する情報と読取情報の混在が回避される。逆に、移動管理サーバ400は第1無線リーダ310及び第2無線リーダ320からの読取情報の受信を許可するが、カウンタ端末100によるアクセスを拒否する。すなわち、移動管理サーバ400とカウンタ端末100との通信は論理的に遮断されている。これにより、鉄道事業者が移動管理サーバ400によって管理する読取情報は小売事業者から保護される。
【0014】
この結果、店舗で商品BGの販売を担当する商品販売者10はカウンタ端末100を利用して顧客管理サーバ200が記憶する情報を閲覧することができる。一方で、鉄道事業者の駅係員や情報管理者などの職員は鉄道事業者が保有する管理端末(不図示)を利用して顧客管理サーバ200の情報を閲覧することができない。逆に、鉄道事業者の職員は管理端末を利用して移動管理サーバ400が記憶する情報を閲覧することができるが、商品販売者10はカウンタ端末100を利用してその情報を閲覧することができない。このように、カウンタ端末100は顧客管理サーバ200と対応付いており、第1無線リーダ310及び第2無線リーダ320は移動管理サーバ400と対応付いている。
【0015】
ここで、図1に示すように、商品販売者10は顧客20に商品BGを販売する。より詳しくは、商品販売者10は商品BGの販売時に無線タグX1を商品BGに取り付けて販売する。商品販売者10は無線タグX1が既に付帯した商品BGを販売してもよい。無線タグX1はカード型であってもよいし、シール型であってもよい。無線タグX1はキーホルダー型であってもよいし、バッジ型であってもよい。無線タグX1はRFID技術を利用した非接触タグであり、RFIDタグと呼ばれることもある。
【0016】
図2に示すように、無線タグX1は商品BGを識別する識別情報(以下、商品IDという。)と商品BGを販売する小売事業者を識別する識別情報(以下、会社IDという。)をタグ情報として記憶する。詳細は後述するが、無線タグX1は商品IDを記憶していればよく、無線タグX1が会社IDを記憶していない実施形態であってもよい。この場合、商品IDと会社IDとを関連付けて記憶するDatabase(DB)サーバが例えばデータセンターDCなどに設置される。ここで、商品IDは商品BG又は商品BGの属性を識別する情報である。商品IDが商品BGを識別する情報である場合、商品BGが異なれば、無線タグX1は異なる商品IDを記憶する。一方、商品IDが商品BGの属性を識別する情報である場合、商品BGが異なっていても、無線タグX1は同じ商品IDを記憶する。一例を挙げると、商品BGが通勤鞄である場合、無線タグX1は通勤鞄の色が異なれば通勤鞄毎に異なる商品IDを記憶してもよいし、色が異なっていてもどの通勤鞄にも同じ商品IDを記憶してもよい。商品IDは商品BGの販売前から無線タグX1に記憶されていてもよいし、商品BGの販売時に無線タグX1に記憶させてもよい。このように、商品BGが商品IDと会社IDを記憶する無線タグX1を付帯しているため、第1無線リーダ310及び第2無線リーダ320を使用することによって、第1無線リーダ310及び第2無線リーダ320はいずれも無線タグX1から商品IDと会社IDを読み取ることができる。
【0017】
カウンタ端末100は、商品販売者10の操作に基づいて、無線タグX1に記憶された商品IDを顧客管理サーバ200に送信する。例えば、カウンタ端末100は、商品販売者10が商品BGを販売する際の操作に基づいて、商品IDを無線タグX1に書き込む。カウンタ端末100は書き込んだ商品IDを顧客管理サーバ200に向けて送信する。そして、商品販売者10は商品IDが書き込まれた無線タグX1を商品BGに取り付ける。一方で、無線タグX1が既に商品BGに付帯している場合には、カウンタ端末100は無線タグX1に記憶された商品IDを読み取る。カウンタ端末100は読み取った商品IDを顧客管理サーバ200に向けて送信する。
【0018】
尚、詳細は後述するが、顧客管理サーバ200はカウンタ端末100から送信された商品IDを受信すると、各種の情報と商品IDとを関連付けて顧客情報として記憶する。商品IDと関連付けて記憶される情報としては、例えば、顧客20の氏名を表す情報(以下、顧客名という。)や連絡先を表す情報(以下、連絡先という。)がある。また、このような情報として、顧客20が購入した商品BGの名称又は商品BGの属性の名称を表す情報(以下、商品名という。)や商品BGの販売日を表す情報(以下、販売日という。)などもある。
【0019】
図1に示すように、顧客20が商品BGを購入した日より後の別の日に顧客20が商品BGと顧客端末500を所持してY駅の改札口を通過すると、第1無線リーダ310は商品BGの無線タグX1に記憶されたタグ情報を読み取る。第1無線リーダ310はタグ情報を読み取ると、読取情報を移動管理サーバ400に向けて送信する。読取情報は、タグ情報のほか、第1無線リーダ310の設置場所を表す位置情報と読取日時も含んでいる。これにより、移動管理サーバ400は第1無線リーダ310から送信された読取情報を記憶する。
【0020】
顧客20が、鉄道事業者が運行する電車を利用して、K駅の改札口を通過すると、第2無線リーダ320は商品BGの無線タグX1に記憶されたタグ情報を読み取る。第2無線リーダ320はタグ情報を読み取ると、読取情報を移動管理サーバ400に向けて送信する。読取情報は、タグ情報のほか、第2無線リーダ320の設置場所と読取日時も含んでいる。これにより、移動管理サーバ400は第2無線リーダ320から送信された読取情報を記憶する。したがって、移動管理サーバ400が記憶する2つの読取情報を分析すれば、商品BGの移動経路を特定することができる。例えば、2つの設置場所と2つの読取日時の時間差を分析すれば、2つの駅間の移動に異なる鉄道事業者の電車を利用できる場合でも、どの鉄道事業者の電車を利用したかを特定することができる。尚、顧客20がK駅付近での用事を済ませ、Y駅に戻る場合には、以上説明した順序と逆の順序で移動管理サーバ400は読取情報を記憶する。
【0021】
移動管理サーバ400は定期的に又は非定期的に複数の読取情報を集約し、集約した読取情報を商品BGの移動情報として顧客管理サーバ200に送信する。移動情報は商品IDと位置情報と読取日時の少なくとも1つを含んだ情報である。送信時期は小売事業者と鉄道事業者との契約(例えば情報販売契約など)に基づいて定めればよい。詳細は後述するが、移動管理サーバ400が記憶する読取情報は会社IDを含むため、移動管理サーバ400は会社IDから小売事業者の宛先を特定する。移動管理サーバ400は特定した宛先の小売事業者が管理する顧客管理サーバ200に移動情報を送信する。
【0022】
顧客管理サーバ200が移動情報を受信すると、顧客管理サーバ200が記憶する顧客情報と移動情報とを関連付けて分析し、商品BGの利用状況を特定する。例えば、商品BGの利用頻度が高ければ、顧客管理サーバ200は顧客20にとって商品BGがお気に入りであると判断し、商品BGを利用する顧客20に対する案内情報を生成する。例えば、顧客管理サーバ200は商品BGに関連する関連商品の販売に関する所定の案内情報を生成する。顧客管理サーバ200は案内情報を生成すると、商品BGの商品IDから顧客20の連絡先を特定し、特定した連絡先の顧客端末500に案内情報を送信する。この案内情報は、通信ネットワークNWと接続された携帯基地局(不図示)に到達する。携帯基地局は案内情報を広域無線通信により顧客端末500に送信する。これにより、顧客端末500は案内情報を受信して表示する。すなわち、顧客管理サーバ200が特定した商品BGの利用状況が小売事業者の販売促進に繋がる。尚、図1では、顧客端末500の一例としてスマートフォンが示されているが、Personal Computer(PC)やタブレット端末であってもよい。
【0023】
次に、図3を参照して、顧客管理サーバ200のハードウェア構成について説明する。
【0024】
図3は顧客管理サーバ200のハードウェア構成の一例である。尚、上述したカウンタ端末100、第1無線リーダ310、第2無線リーダ320、移動管理サーバ400、及び顧客端末500については基本的に顧客管理サーバ200と同様のハードウェア構成であるため、説明を省略する。図3に示すように、顧客管理サーバ200は、少なくともハードウェアプロセッサとしてのCentral Processing Unit(CPU)200A、Random Access Memory(RAM)200B、Read Only Memory(ROM)200C及びネットワークI/F(インタフェース)200Dを含んでいる。顧客管理サーバ200は、必要に応じて、Hard Disk Drive(HDD)200E、入力I/F200F、出力I/F200G、入出力I/F200H、ドライブ装置200Iの少なくとも1つを含んでいてもよい。CPU200Aからドライブ装置200Iまでは、内部バス200Jによって互いに接続されている。すなわち、顧客管理サーバ200はコンピュータによって実現することができる。尚、CPU200Aに代えてMicro Processing Unit(MPU)をハードウェアプロセッサとして利用してもよい。
【0025】
入力I/F200Fには、入力装置710が接続される。入力装置710としては、例えばキーボードやマウスなどがある。出力I/F200Gには、表示装置720が接続される。表示装置720としては、例えば液晶ディスプレイがある。入出力I/F200Hには、半導体メモリ730が接続される。半導体メモリ730としては、例えばUniversal Serial Bus(USB)メモリやフラッシュメモリなどがある。入出力I/F200Hは、半導体メモリ730に記憶されたプログラムやデータを読み取る。入力I/F200F及び入出力I/F200Hは、例えばUSBポートを備えている。出力I/F200Gは、例えばディスプレイポートを備えている。
【0026】
ドライブ装置200Iには、可搬型記録媒体740が挿入される。可搬型記録媒体740としては、例えばCompact Disc(CD)-ROM、Digital Versatile Disc(DVD)といったリムーバブルディスクがある。ドライブ装置200Iは、可搬型記録媒体740に記録されたプログラムやデータを読み込む。ネットワークI/F200Dは、例えば通信回路及びLANポートを備えている。ネットワークI/F200Dは上述した通信ネットワークNWと接続される。
【0027】
上述したRAM200Bには、ROM200CやHDD200Eに記憶されたプログラムがCPU200Aによって一時的に格納される。RAM200Bには、可搬型記録媒体740に記録されたプログラムがCPU200Aによって一時的に格納される。格納されたプログラムをCPU200Aが実行することにより、CPU200Aは後述する各種の機能を実現し、また、後述する各種の処理を実行する。尚、プログラムは後述する処理シーケンス図に応じたものとすればよい。
【0028】
図4はカウンタ端末100、顧客管理サーバ200、第1無線リーダ310、第2無線リーダ320、及び移動管理サーバ400のブロック図の一例である。図5(a)は顧客情報DB211の一例である。図5(b)は移動情報DB410の一例である。
【0029】
まず、カウンタ端末100について説明する。カウンタ端末100は入力装置110、表示装置120、制御装置130、及び書込装置140を含んでいる。特に、制御装置130は通信部131と制御部132を含んでいる。入力装置110、表示装置120、書込装置140、及び通信部131は制御部132と接続されている。尚、入力装置110は例えばキーボードなどによって実現することができる。表示装置120は例えば液晶ディスプレイによって実現することができる。制御装置130の通信部131は通信回路によって実現することができ、制御部132は上述したCPU200A及びRAM200Bによって実現することができる。書込装置140は例えばRFIDライタによって実現することができるが、RFIDリーダ・ライタによって実現してもよい。
【0030】
制御部132は入力装置110で入力された顧客名、商品名及び販売日を取得する。例えば、小売事業者が提供する会員向けサービスを利用できる会員に顧客20が該当する場合、商品販売者10は商品BGを販売する前に顧客20が携帯する会員カードを提示してもらうことにより、顧客名を入力装置110に入力することができる。また、商品販売者10は顧客20に商品BGを販売する前、販売する際又は販売した後に、その商品BGの商品名と販売日を入力装置110に入力することができる。
【0031】
さらに、商品BGに無線タグX1が付帯している場合には、商品販売者10は顧客20に商品BGを販売する前又は販売する際に、その商品BGに付帯する無線タグX1を書込装置140に近づける。無線タグX1と書込装置140との距離が通信可能な所定の近距離以内に近づくと、書込装置140は無線タグX1から商品IDを読み取る。そして、制御部132は無線タグX1から書込装置140を介してその無線タグX1が記憶する商品IDを取得する。
【0032】
一方、商品BGに無線タグX1が付帯していない場合には、商品販売者10はまだ情報を記憶していない無線タグX1に商品IDと会社IDを書き込むために書込装置140を利用する。書込装置140が無線タグX1に商品IDと会社IDを書き込むと、商品IDと会社IDが書き込まれた無線タグX1を商品販売者10は商品BGに取り付けたり、添付したりする。無線タグX1がカード型である場合、無線タグX1を商品BGやその包装箱に入れてもよい。尚、無線タグX1に商品IDと会社IDを書き込む場合、書込装置140が予め会社IDを記憶していてもよいし、制御部132や不図示の記憶部が予め会社IDを記憶していてもよい。一方、商品IDについては、制御部132が商品IDを生成してもよいし、商品販売者10が入力装置110から商品IDを入力してもよい。この場合、制御部132は生成された又は入力された商品IDを保持する。
【0033】
このように、制御部132は顧客名、商品名及び販売日を取得する。また、制御部132は商品IDを取得又は保持する。制御部132は顧客名、商品名、販売日、及び商品IDを取得すると、通信部131に送信する。制御部132が商品IDを保持する場合についても同様である。通信部131は顧客名、商品名、販売日、及び商品IDを受信すると、受信した顧客名、商品名、販売日、及び商品IDを顧客管理サーバ200に向けて送信する。尚、制御部132及び通信部131は、上記の処理以外にも種々の処理を実行するが、その処理の詳細については後述する。
【0034】
次に、顧客管理サーバ200について説明する。顧客管理サーバ200は記憶部210と通信部220と処理部230を含んでいる。特に、記憶部210は顧客情報DB211を含んでいる。処理部230は受信部231と特定部232と送信部233とを含んでいる。尚、記憶部210は上述したHDD200Eによって実現することができる。通信部220は上述したネットワークI/F200Dによって実現することができる。処理部230は上述したCPU200A及びRAM200Bによって実現することができる。
【0035】
顧客情報DB211は顧客情報を記憶する。より詳しくは、図5(a)に示すように、顧客情報DB211は顧客管理テーブルT1により顧客名や商品名などを管理する。顧客管理テーブルT1は顧客名フィールド、連絡先フィールド、商品名フィールド、商品IDフィールド、販売日フィールド、位置情報フィールド、及び読取日時フィールドを構成要素として含んでいる。
【0036】
顧客名フィールドと連絡先フィールドには顧客20の氏名と顧客20の連絡先が顧客情報として登録される。顧客名に代えて顧客20を識別する情報(以下、顧客IDという。)であってもよい。顧客IDは文字、数字、記号などによって表すことができる。連絡先は電子メールのメールアドレスであってもよいし、電話番号であってもよい。連絡先に顧客20の住所を含めてもよい。例えば携帯電話機に割り当てられた携帯電話番号が連絡先に登録されれば、文字列が制限された短文の電子メールを案内情報として利用することができる。尚、顧客情報は小売事業者が提供する会員向けサービスに顧客20が入会した際に登録される。商品名フィールドには商品BGの商品名が登録される。商品IDフィールドには商品IDが登録される。販売日フィールドには商品BGの販売日が登録される。位置情報フィールドには第1無線リーダ310又は第2無線リーダ320の位置情報が登録される。読取日時フィールドにはタグ情報の読取日時が登録される。
【0037】
通信部220はカウンタ端末100から送信された顧客名、商品名、販売日、及び商品IDを受信する。通信部220は顧客名、商品名、販売日、及び商品IDを受信すると、これらを処理部230の受信部231に送信する。受信部231が顧客名と商品名と販売日を受信すると、特定部232は受信部231が受信した顧客名と同じ顧客名を顧客情報DB211から特定し、特定した顧客名の商品名フィールドに商品名を登録し、特定した顧客名の販売日フィールドに販売日を登録する。また、特定部232は商品名を登録した後、一定時間内に商品IDを受信すると、登録した商品名に対応付けてその商品IDを商品IDフィールドに登録する。その他、特定部232はカウンタ端末100からのアクセスを許可し、第1無線リーダ310及び第2無線リーダ320からの読取情報の受信を拒否する処理など、種々の処理を実行するが、処理の詳細については後述する。
【0038】
次に、第1無線リーダ310及び第2無線リーダ320について説明する。第1無線リーダ310は第1読取部311及び第1通信部312を含んでいる。第2無線リーダ320は第2読取部321及び第2通信部322を含んでいる。第1通信部312及び第2通信部322は通信ネットワークNWと接続されている。
【0039】
商品BGに付帯する無線タグX1が第1読取部311に近づくと、第1読取部311は無線タグX1と接触していない状態で無線タグX1からタグ情報を読み取る。第1読取部311がタグ情報を読み取ると、第1通信部312は第1読取部311が読み取ったタグ情報を取得する。第1通信部312はタグ情報を取得すると、取得したタグ情報と第1無線リーダ310の位置情報とタグ情報の読取日時とを含む読取情報を移動管理サーバ400に向けて送信する。同様に、商品BGに付帯する無線タグX1が第2読取部321に近づくと、第2読取部321は無線タグX1と接触していない状態で無線タグX1からタグ情報を読み取る。第2読取部321がタグ情報を読み取ると、第2通信部322は第2読取部321が読み取ったタグ情報を取得する。第2通信部322はタグ情報を取得すると、取得したタグ情報と第2無線リーダ320の位置情報とタグ情報の読取日時とを含む読取情報を移動管理サーバ400に向けて送信する。
【0040】
次に、移動管理サーバ400について説明する。移動管理サーバ400は移動情報DB410、通信部420、及び管理部430を含んでいる。尚、移動情報DB410は上述したHDD200Eによって実現することができる。通信部420は上述したネットワークI/F200Dによって実現することができる。管理部430は上述したCPU200A及びRAM200Bによって実現することができる。
【0041】
移動情報DB410は読取情報を記憶する。複数の読取情報が蓄積されることにより商品BGの移動経路を特定可能な移動情報になる。図5(b)に示すように、移動情報DB410は移動管理テーブルT2により読取情報を管理する。移動管理テーブルT2は商品IDフィールド、会社IDフィールド、位置情報フィールド、及び読取日時フィールドを構成要素として含んでいる。
【0042】
商品IDフィールドには読取情報に含まれる商品IDが登録される。会社IDフィールドには読取情報に含まれる会社IDが登録される。位置情報フィールドには読取情報に含まれる第1無線リーダ310の位置情報又は第2無線リーダ320の位置情報が登録される。読取日時フィールドには読取情報に含まれる読取日時が登録される。
【0043】
通信部420は第1無線リーダ310から送信された読取情報を受信する。また、通信部420は第2無線リーダ320から送信された読取情報を受信する。通信部420は読取情報を受信すると、受信した読取情報を管理部430に送信する。管理部430は、読取情報を受信すると、受信した読取情報を受信する度に移動情報DB410に登録する。その他、管理部430はカウンタ端末100からのアクセスを拒否し、第1無線リーダ310及び第2無線リーダ320のそれぞれから送信された読取情報の受信を許可する処理など、種々の処理を実行するが、処理の詳細については後述する。
【0044】
次に、情報処理システムSTの動作について説明する。
【0045】
図6は商品IDを登録する処理を含む第1の処理シーケンス図の一例である。図7(a)から(c)は顧客管理テーブルT1の一例である。まず、図6に示すように、カウンタ端末100の制御部132は顧客名を取得する(ステップS101)。例えば、商品販売者10は顧客20に会員カードを提示してもらい、会員カードに記載された顧客名を入力装置110に入力する。入力装置110に顧客名が入力されると、制御部132は入力された顧客名を取得する。尚、会員カードが、顧客名を書き込んだ磁気ストライプカードであり、カウンタ端末100が磁気カードリーダを備えている場合、制御部132は磁気カードリーダが読み取った顧客名を取得してもよい。また、カウンタ端末100は顧客端末500が記憶する顧客名を取得してもよい。
【0046】
制御部132が顧客名を取得すると、商品販売者10は顧客20に商品BGを販売し、販売した商品BGの商品名と販売日を入力装置110に入力する。入力装置110に商品名と販売日が入力されると、制御部132は入力された商品名と販売日を取得し(ステップS102)、通信部131は顧客名と商品名と販売日を顧客管理サーバ200に送信する(ステップS103)。
【0047】
ステップS103の処理が完了すると、顧客管理サーバ200の通信部220はカウンタ端末100から送信された顧客名と商品名と販売日を受信する。通信部220が顧客名と商品名と販売日を受信すると、特定部232は通信部220が受信した顧客名に基づいて、顧客情報DB211が記憶する顧客名を特定し、特定した顧客名に商品名と販売日を対応付けて登録する(ステップS201)。
【0048】
したがって、図7(a)に示すように、顧客管理テーブルT1に既に顧客名と連絡先が登録されており、商品名と販売日が登録されていない場合には、特定部232は受信した顧客名と同じ顧客名を顧客管理テーブルT1から特定し、図7(b)に示すように、特定した顧客名に、受信した商品名と販売日を対応付けて登録する。本実施形態では、特定部232は顧客名「山田太郎」に商品名「通勤鞄(手提げ型)」(図7(b)では「(手提げ型)」を省略)と販売日「2018年6月4日」を対応付けて登録している。また、特定部232は顧客名「山田太郎」に商品名「紳士靴」と販売日「2018年6月4日」を対応付けて登録している。
【0049】
特定部232が商品名と販売日を登録し終えると、カウンタ端末100の制御部132は商品IDを取得する(ステップS104)。より詳しくは、制御部132は書込装置140を介して商品IDを取得する。制御部132は自身が生成した商品IDを保持していてもよい。制御部132が商品IDを取得又は保持すると、通信部131は既に取得した商品名と共に商品IDを顧客管理サーバ200に送信する(ステップS105)。特に、制御部132が複数の商品名を取得した場合、通信部131は顧客20が無線タグX1の取り付け対象として選択した商品名と共に商品IDを送信する。すなわち、顧客20が商品BGへの無線タグX1の取り付けを希望した場合に、商品販売者10は取り付け対象として選択された商品BGに対し無線タグX1を取り付ける。尚、この場合、商品販売者10が顧客20によって選択された商品BGの商品名を入力装置110に入力することで、制御部132は選択された商品名を通信部131に送信する。
【0050】
ステップS105の処理が完了すると、顧客管理サーバ200の通信部220はカウンタ端末100から送信された商品名及び商品IDを受信する。通信部220が商品名及び商品IDを受信すると、特定部232は通信部220が受信した商品IDを登録する(ステップS202)。より詳しくは、特定部232は通信部220が受信した商品名に基づいて、一定時間(例えば数分程度)内に登録された商品名を顧客情報DB211から特定し、特定した商品名に商品IDを対応付けて登録する。
【0051】
したがって、図7(b)に示すように、顧客管理テーブルT1に既に商品名が登録されており、商品IDが登録されていない場合には、特定部232は、図7(c)に示すように、受信した商品名と同じ商品名に、受信した商品IDを対応付けて登録する。本実施形態では、特定部232は商品名「通勤鞄(手提げ型)」(図7(c)では「(手提げ型)」を省略)に商品ID「A001」を対応付けて登録している。また、特定部232は商品名「紳士靴」に商品ID「A002」を対応付けて登録している。
【0052】
図8は案内情報を送信する処理を含む第2の処理シーケンス図の一例である。図9(a)から(e)は移動管理テーブルT2の一例である。図10は対応表の一例である。図11(a)及び(b)は顧客管理テーブルT1の一例である。図12(a)から(d)は顧客端末500の一例である。
【0053】
まず、図8に示すように、第1無線リーダ310では、第1読取部311がタグ情報を読み取る(ステップS301)。例えば、顧客20が商品BGの購入後に通勤で商品BGと顧客端末500を所持してY駅の改札口を通過すると、第1読取部311は商品BGの無線タグX1に記憶されたタグ情報を読み取る。タグ情報は商品IDと会社IDを記憶している。尚、顧客20は商品BGと併せて商品ID「A002」(商品名「紳士靴」)で識別される別の商品も購入しているが、この日は商品BGと一緒には利用していない。このため、第1読取部311は別の商品の無線タグに記憶されたタグ情報を読み取らない。ステップS301の処理が完了すると、次いで、第1通信部312は読取情報を移動管理サーバ400に向けて送信する(ステップS302)。読取情報は、タグ情報のほか、第1無線リーダ310の位置情報と読取日時も含んでいる。
【0054】
ステップS302の処理が完了すると、移動管理サーバ400では、通信部420を介して、管理部430が読取情報を受信する(ステップS501)。管理部430が読取情報を受信すると、管理部430は読取情報を移動情報DB410に登録する。したがって、図9(a)に示すように、移動管理テーブルT2に、商品ID、会社ID、位置情報及び読取日時が登録されていない場合には、管理部430は、図9(b)に示すように、読取情報に含まれる商品ID、会社ID、位置情報及び読取日時を登録する。
【0055】
その後、第2無線リーダ320では、第2読取部321がタグ情報を読み取る(ステップS401)。例えば、顧客20が鉄道事業者の電車を利用し終えて、K駅の改札口を通過すると、第2読取部321は商品BGの無線タグX1に記憶されたタグ情報を読み取る。ステップS401の処理が完了すると、次いで、第2通信部322は読取情報を移動管理サーバ400に向けて送信する(ステップS402)。読取情報は、タグ情報のほか、第2無線リーダ320の位置情報と読取日時も含んでいる。
【0056】
ステップS402の処理が完了すると、移動管理サーバ400では、通信部420を介して、管理部430が読取情報を受信する(ステップS502)。管理部430が読取情報を受信すると、管理部430は読取情報を移動情報DB410に登録する。したがって、図9(b)に示すように、移動管理テーブルT2に、商品ID、会社ID、位置情報及び読取日時が登録されている場合には、管理部430は、図9(c)に示すように、これらの情報に続けて、読取情報に含まれる商品ID、会社ID、位置情報及び読取日時を登録する。
【0057】
その後、例えば顧客20が職場での業務を終えて退勤した場合、顧客20がK駅の改札口を通過することにより、第2読取部321は商品BGの無線タグX1に記憶されたタグ情報を読み取る。これにより、管理部430は、図9(d)に示すように、既に登録された情報に続けて、読取情報に含まれる商品ID、会社ID、位置情報及び読取日時を登録する。そして、顧客20が鉄道事業者の電車を利用し終えてY駅の改札口を通過することにより、第1読取部311は商品BGの無線タグX1に記憶されたタグ情報を読み取る。これにより、管理部430は、図9(e)に示すように、既に登録された情報に続けて、読取情報に含まれる商品ID、会社ID、位置情報及び読取日時を登録する。
【0058】
ここで、図8に示すように、管理部430は宛先を特定する(ステップS503)。より詳しくは、管理部430は、複数の読取情報を集約した移動情報を送信する所定の送信時期を検出すると、宛先を特定する。例えば、管理部430は所定の送信時期を検出すると、移動情報DB410から商品IDと会社IDの特定の組み合わせを含む読取情報を抽出する。そして、管理部430は抽出した読取情報の会社IDと所定の対応表とに基づいて、宛先を特定する。ここで、対応表は、図10に示すように、会社IDと会社名と宛先とを対応付けている。対応表により会社IDに応じた会社名及び宛先を特定することができる。宛先は電子メールのメールアドレスであってもよいし、電話番号又はファクシミリ番号であってもよいし、Internet Protocol(IP)アドレスであってもよい。このような対応表は移動情報DB410に格納されていてもよいし、移動情報DB410以外の記憶装置に格納されていてもよい。
【0059】
管理部430が宛先を特定すると、管理部430は、通信部420を介して、移動情報を顧客管理サーバ200に送信する(ステップS504)。より詳しくは、管理部430は特定した宛先を利用して、その宛先と関連付けられた顧客管理サーバ200に移動情報を送信する。尚、移動情報は管理部430が抽出した読取情報の中から商品ID、位置情報、及び読取日時を集約した情報である。これらの情報により商品IDの移動経路を特定することができる。集約対象は商品ID、位置情報、及び読取日時のいずれか1つ又は2つであってもよいし、全てであってもよい。
【0060】
管理部430が移動情報を送信すると、顧客管理サーバ200では、通信部220を介して、受信部231が移動情報を受信する(ステップS601)。受信部231が移動情報を受信すると、特定部232は移動情報の一部である位置情報及び読取日時を顧客情報DB211に登録する。より詳しくは、特定部232は受信部231が受信した移動情報の商品IDに基づいて、受信した商品IDと同じ商品IDを顧客情報DB211から特定し、特定した商品IDに関連付けて位置情報及び読取日時を登録する。
【0061】
したがって、図11(a)に示すように、顧客管理テーブルT1に、商品IDが登録されており、位置情報及び読取日時が登録されていない場合には、特定部232は、図11(b)に示すように、登録されている商品IDに関連付けて位置情報及び読取日時を登録する。本実施形態では、特定部232は位置情報フィールド及び読取日時フィールドに商品ID「A001」に関連付けて位置情報「Y駅改札」及び読取日時「2019年4月3日8時00分」などを登録している。
【0062】
特定部232が位置情報及び読取日時を登録し終えると、特定部232は商品BGの利用状況を特定する(ステップS602)。より詳しくは、特定部232は顧客情報DB211にアクセスし、商品IDの受信回数、位置情報、及び読取日時の少なくとも1つに基づいて、商品BGの利用状況を特定する。
【0063】
例えば、特定部232は同一の商品BGに対応する商品IDを抽出して商品IDの受信回数を分析し、その受信回数が所定回数以上であることを検出した場合、その商品BGの利用回数又は利用頻度が高いと判断する。これにより、その商品BGが顧客20にとってお気に入りであることを特定することができる。また、特定部232は読取日時とその読取日時に対応する商品BGの販売日を抽出して読取日と販売日の差を分析し、その差が所定月数以上であることを検出した場合、その商品BGの商品寿命の接近を判断することができる。この場合、特定部232は受信回数に応じた商品BGの利用回数なども利用して、商品寿命を補正するようにしてもよい。
【0064】
その他、特定部232は位置情報と読取日時を抽出し、新たに受信した位置情報と過去に受信した位置情報との比較結果に応じて、顧客20が利用する駅の変更を特定するようにしてもよい。処理の一例を挙げると、まず、特定部232は最新の読取日時に対応する位置情報から所定月数前の位置情報までを抽出する。次いで、特定部232は抽出した位置情報を駅毎にグループ化して複数のグループを生成する。特定部232は複数のグループを生成すると、生成したグループを読取日時に基づいて時系列に整列し、直近のグループの大きさと直近以外のグループの大きさを比較する。グループの大きさは例えば位置情報の数量を利用すればよい。特定部232は比較した結果、直近のグループの大きさが直近以外のグループの大きさより大きいと判断した場合、転居や異動などにより顧客20の利用する駅に変更があったと判断する。
【0065】
また、商品販売者10に対し顧客20から商品BGの盗難届が提出された場合には、商品販売者10はカウンタ端末100を利用して商品BGの商品IDに対し商品BGの属性と異なる別の属性(例えば盗難届受領など)を対応付ける。このような別の属性を商品IDに対応付けることにより、特定部232は別の属性に基づいて商品IDの受信回数と位置情報と読取日時を抽出することができる。そして、特定部232は抽出したこれらの情報に基づいて、商品BGの不正な利用状況を特定することができる。すなわち、特定部232は抽出したこれらの情報に基づいて、商品BGの不正利用を判断することができる。例えば、商品BGを盗難した犯人が第1無線リーダ310や第2無線リーダ320の付近を通過すれば、商品BGの移動経路を特定することができる。この場合、特定部232は商品BGの商品IDと位置情報と読取日時を商品BGに関する情報として警察などの捜査機関が管理するコンピュータシステムに送信するようにしてもよい。尚、特定部232は商品IDの受信回数、位置情報、及び読取日時の全てに基づいて、商品BGの利用状況を特定してもよい。これにより、商品BGの利用状況の特性精度が向上する。
【0066】
ステップS602の処理において、特定部232が商品BGの利用状況を特定すると、送信部233は、通信部220を介して、案内情報を顧客端末500に送信する(ステップS603)。より詳しくは、送信部233は特定部232が特定した利用状況に基づいて、顧客情報DB211が記憶する商品IDに対応付けられた連絡先に対して案内情報を送信する。尚、詳細は後述するが、案内情報の内容は特定部232が特定した利用状況によって相違する。
【0067】
送信部233が案内情報を送信すると、顧客端末500は案内情報を受信する(ステップS701)。顧客端末500は案内情報を受信すると、案内情報を表示する(ステップS702)。これにより、図12(a)から(d)に示すように、顧客20は各種の案内画面を確認することができる。特に、案内情報の内容は特定部232が特定した利用状況によって相違するため、顧客端末500には商品BGの利用状況に応じた様々な案内画面が表示される。
【0068】
例えば、特定部232が商品BGの利用回数などが高いと判断した場合には、図12(a)に示すように、顧客20に推薦する商品BGに類似する類似商品の販売に関する情報を含む案内画面が表示される。特定部232が商品BGの商品寿命の接近を判断した場合には、図12(b)に示すように、使用商品に対する新商品の販売に関する情報や商品BGに対するサービスに関する情報を含む案内画面が表示される。尚、これらの情報はいずれか一方であってもよい。また、類似商品や新商品は、商品BGに関連する関連商品の一例であって、商品BGに関連していれば、類似商品や新商品以外の商品であってもよい。
【0069】
特定部232が顧客20の利用する駅に変更があったと判断した場合には、図12(c)に示すように、変更後の駅の近くに出店された小売事業者の店舗の情報を含む案内画面が表示される。特定部232が商品BGの不正利用を判断した場合には。図12(d)に示すように、顧客20が使用する商品BGに関する情報を警察に提供した旨を含む案内画面が表示される。
【0070】
以上、本実施形態に係る顧客管理サーバ200は記憶部210と処理部230を含んでいる。特に、記憶部210は顧客情報DB211を含み、処理部230は受信部231と特定部232と送信部233とを含んでいる。顧客情報DB211は無線タグX1が付いた商品BGの商品IDと顧客20の連絡先とを対応付けて記憶する。受信部231は第1無線リーダ310から第1無線リーダ310が読み取った商品ID、第1無線リーダ310の位置情報、読取時刻の少なくとも1つを間接的に受信する。また、受信部231は第2無線リーダ320から第2無線リーダ320が読み取った商品ID、第2無線リーダ320の位置情報、読取時刻の少なくとも1つを間接的に受信する。特定部232は受信部231が受信した商品IDの受信回数、位置情報、及び読取時刻の少なくとも1つを含む移動情報に基づき、商品BGの利用状況を特定する。送信部233は特定部232が特定した利用状況に基づいて、商品IDに対応付けられた顧客20の連絡先に対し所定の案内情報を送信する。これにより、小売事業者にとって商品BGの利用状況に基づいた情報発信を行うことができる。
【0071】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明に係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である
【0072】
なお、以上の説明に関して更に以下の付記を開示する。
(付記1)タグの読み取り装置から、前記読み取り装置が読み取ったタグ付きの商品の識別情報、前記読み取り装置の位置情報及びタグを読み取った時刻の少なくとも一つを受信し、受信した前記識別情報の受信回数、前記位置情報及びタグを読み取った時刻の少なくとも一つの情報に基づき前記商品の利用状況を特定し、特定した前記利用状況に基づいて、記憶部に記憶した前記商品の識別情報に対応付けられた人物の連絡先に対し所定の情報を送信する、処理をコンピュータに実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
(付記2)同一の商品に対応する前記識別情報の受信回数が所定回数以上である場合に、前記人物の連絡先に対し前記所定の情報を送信する、処理をコンピュータに実行させることを特徴とする付記1に記載の情報処理プログラム。
(付記3)新たに受信した前記位置情報と過去に受信した前記位置情報との比較結果に応じて、前記新たに受信した前記位置情報に基づいて抽出した店舗の情報を含む情報を送信する、処理をコンピュータに実行させることを特徴とする付記1または2に記載の情報処理プログラム。
(付記4)前記読み取り装置が読み取った識別情報に対応付けられた属性に基づき、前記商品に関する情報を前記識別情報に対応付けられた前記人物を含む複数の連絡先に送信する、処理をコンピュータに実行させることを特徴とする付記1乃至3のいずれか一項に記載の情報処理プログラム。
(付記5)前記読み取り装置は互いに異なる場所にそれぞれ設置され、前記読み取り装置から、前記識別情報、前記位置情報及び前記時刻の全てを間接的に受信し、受信した前記識別情報の受信回数、前記位置情報及び前記時刻の全ての情報に基づき前記利用状況を特定する、処理をコンピュータに実行させることを特徴とする付記1乃至4のいずれか一項に記載の情報処理プログラム。
(付記6)前記読み取り装置は移動手段を利用する際の出入口毎に設置され、前記読み取り装置から、前記識別情報、前記位置情報及び前記時刻の全てを間接的に受信し、受信した前記識別情報の受信回数、前記位置情報及び前記時刻の全ての情報に基づき前記利用状況を特定する、処理をコンピュータに実行させることを特徴とする付記1乃至4のいずれか一項に記載の情報処理プログラム。
(付記7)前記人物は、前記商品の購入者であり、前記所定の情報は、前記商品に関連する関連商品の販売に関する情報及び前記商品に対するサービスに関する情報の少なくとも一方を含む、ことを特徴とする付記1乃至6のいずれか一項に記載の情報処理プログラム。
(付記8)タグの読み取り装置から、前記読み取り装置が読み取ったタグ付きの商品の識別情報、前記読み取り装置の位置情報及びタグを読み取った時刻の少なくとも一つを受信し、受信した前記識別情報の受信回数、前記位置情報及びタグを読み取った時刻の少なくとも一つの情報に基づき前記商品の利用状況を特定し、特定した前記利用状況に基づいて、記憶部に記憶した前記商品の識別情報に対応付けられた人物の連絡先に対し所定の情報を送信する、処理をコンピュータが実行することを特徴とする情報処理方法。
(付記9)タグ付きの商品の識別情報と人物の連絡先とを対応付けて記憶する記憶部と、タグの読み取り装置から、前記読み取り装置が読み取った前記商品の識別情報、前記読み取り装置の位置情報及びタグを読み取った時刻の少なくとも一つを受信し、受信した前記識別情報の受信回数、前記位置情報及びタグを読み取った時刻の少なくとも一つの情報に基づき前記商品の利用状況を特定し、特定した前記利用状況に基づいて、前記人物の連絡先に対し所定の情報を送信する処理を実行する処理部と、を備えることを特徴とする情報処理装置。
(付記10)前記処理部は、同一の商品に対応する前記識別情報の受信回数が所定回数以上である場合に、前記人物の連絡先に対し前記所定の情報を送信する、ことを特徴とする付記9に記載の情報処理装置。
(付記11)前記処理部は、新たに受信した前記位置情報と過去に受信した前記位置情報との比較結果に応じて、前記新たに受信した前記位置情報に基づいて抽出した店舗の情報を含む情報を送信する、ことを特徴とする付記9または10に記載の情報処理装置。
(付記12)前記処理部は、前記読み取り装置が読み取った識別情報に対応付けられた属性に基づき、前記商品に関する情報を前記識別情報に対応付けられた前記人物を含む複数の連絡先に送信する、ことを特徴とする付記9乃至11のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(付記13)前記読み取り装置は互いに異なる場所にそれぞれ設置され、前記処理部は、前記読み取り装置から、前記識別情報、前記位置情報及び前記時刻の全てを間接的に受信し、受信した前記識別情報の受信回数、前記位置情報及び前記時刻の全ての情報に基づき前記利用状況を特定する、ことを特徴とする付記9乃至12のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(付記14)前記読み取り装置は移動手段を利用する際の出入口毎に設置され、前記処理部は、前記読み取り装置から、前記識別情報、前記位置情報及び前記時刻の全てを間接的に受信し、受信した前記識別情報の受信回数、前記位置情報及び前記時刻の全ての情報に基づき前記利用状況を特定する、ことを特徴とする付記9乃至12のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(付記15)前記人物は、前記商品の購入者であり、前記所定の情報は、前記商品に関連する関連商品の販売に関する情報及び前記商品に対するサービスに関する情報の少なくとも一方を含む、ことを特徴とする付記9乃至14のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【符号の説明】
【0073】
ST 情報処理システム
100 カウンタ端末
200 顧客管理サーバ
210 記憶部
211 顧客情報DB
220 通信部
230 処理部
231 受信部
232 特定部
233 送信部
310 第1無線リーダ
320 第2無線リーダ
400 移動管理サーバ
410 移動情報DB
420 通信部
430 管理部
500 顧客端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12