(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-20
(45)【発行日】2023-03-29
(54)【発明の名称】蓄電装置及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01M 50/262 20210101AFI20230322BHJP
H01G 11/12 20130101ALI20230322BHJP
H01G 11/78 20130101ALI20230322BHJP
H01G 11/84 20130101ALI20230322BHJP
【FI】
H01M50/262 S
H01M50/262 P
H01G11/12
H01G11/78
H01G11/84
(21)【出願番号】P 2019050103
(22)【出願日】2019-03-18
【審査請求日】2021-12-08
(73)【特許権者】
【識別番号】507151526
【氏名又は名称】株式会社GSユアサ
(74)【代理人】
【識別番号】100153224
【氏名又は名称】中原 正樹
(72)【発明者】
【氏名】牛嶌 修
(72)【発明者】
【氏名】和田 彬
【審査官】川口 陽己
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第207818694(CN,U)
【文献】特開2014-072087(JP,A)
【文献】特開2013-051048(JP,A)
【文献】特開2016-100308(JP,A)
【文献】特開2002-222641(JP,A)
【文献】特表2021-503151(JP,A)
【文献】特開2017-188282(JP,A)
【文献】特開2019-220430(JP,A)
【文献】中国実用新案第207199697(CN,U)
【文献】中国実用新案第202153545(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20-50/298
H01G 11/00-11/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一方向に並んで配置された複数の蓄電素子を含む蓄電素子ユニットと、
前記蓄電素子ユニットを拘束する拘束部材であって、前記第一方向と交差する第二方向から見た場合に環状に形成された拘束部材と、を備え、
前記蓄電素子ユニットは、前記第一方向の両側のうちの一方の側の端面を有し、
前記端面は、前記一方の側から見た場合、前記複数の蓄電素子のうちの前記一方の側の端部の蓄電素子の前記一方の側を向く面と重なっており、
前記拘束部材は、
前記端面に当接して配置された側壁部であって、前記端面の、前記第二方向における中央部及びその両側を含む領域に当接する側壁部を有し、
前記側壁部は、前記端面を露出させる開口部を有し、
前記開口部は、前記側壁部の、前記第二方向の両側のうちの一方の側の端縁から他方の側に向けて切欠き状に形成されて
おり、
前記開口部は、前記第二方向に縦長の形状に形成されている、
蓄電装置。
【請求項2】
前記側壁部は、前記第一方向及び前記第二方向と交差する第三方向において互いに異なる位置に配置された2つの前記開口部を有し、
2つの前記開口部は、前記第二方向において、それぞれの配置範囲が異なり、かつ、互いの一部が重複する位置に配置されている、
請求項
1記載の蓄電装置。
【請求項3】
蓄電装置の製造方法であって、
前記蓄電装置は、
第一方向に並んで配置された複数の蓄電素子を含む蓄電素子ユニットと、前記蓄電素子ユニットを前記第一方向で拘束する拘束部材であって、前記第一方向と交差する第二方向から見た場合に環状に形成された拘束部材と、を備え、
前記製造方法は、
前記蓄電素子ユニットの前記第一方向の端面を、押圧体を用いて押圧することで前記蓄電素子ユニットを前記第一方向に圧迫する圧迫工程と、
前記拘束部材が、前記蓄電素子ユニットの前記端面の前記第二方向における中央部及びその両側を含む領域に当接する位置に到達するまで、前記拘束部材の前記蓄電素子ユニットに対する前記第二方向の位置を移動させる移動工程とを含み、
前記移動工程は、前記圧迫工程において前記蓄電素子ユニットを圧迫した状態を維持しながら、前記押圧体が、前記拘束部材の前記第二方向の一方の端縁から他方に向けて切欠き状に形成されている開口部に挿入される位置まで、前記蓄電素子ユニットに対する前記第二方向の位置を移動させる初期移動工程を含む、
蓄電装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の蓄電素子を備える蓄電装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の蓄電素子を備える蓄電装置が知られている。例えば特許文献1には、電池セルがスペーサを介して積層されてなる電池ブロックと、この電池ブロックを結束して固定している結束バンドとを備える電池パックが開示されている。この結束バンドは、固定具を備え、固定具は、結束バンドの両端部を係止して、結束バンドを締め付け状態で緊締する係止部を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
蓄電装置において、複数の蓄電素子を拘束部材で拘束した場合、例えば、複数の蓄電素子それぞれの温度変化または経年劣化による膨張が抑制される。これにより、蓄電装置の性能の劣化または不具合の発生が抑制される。
【0005】
しかしながら、拘束部材の構造として、特許文献1のように、複数の蓄電素子に巻き付けた結束バンドを固定具で緩まないように係止する構造を採用する場合、結束バンドには、複数の蓄電素子に巻き付けて拘束するための可撓性及び強度が要求される。さらに、固定具は、結束バンドの張力に抗して結束バンドを係止する構造及び強度が要求される。そのため、結束バンド及び固定具の組み合わせにより、拘束部材を構成する場合、拘束部材の構造の複雑化、重量の増加、または、部品点数の増加等の問題が生じる。
【0006】
本発明は、本願発明者が上記課題に新たに着目することによってなされたものであり、複数の蓄電素子を備える蓄電装置であって、簡易な構成で信頼性が向上された蓄電装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る蓄電装置は、第一方向に並んで配置された複数の蓄電素子を含む蓄電素子ユニットと、前記蓄電素子ユニットを拘束する拘束部材であって、前記第一方向と交差する第二方向から見た場合に環状に形成された拘束部材と、を備え、前記拘束部材は、前記蓄電素子ユニットの前記第一方向の両側のうちの一方の側の端面に当接して配置された側壁部であって、前記端面の、前記第二方向における中央部及びその両側を含む領域に当接する側壁部を有し、前記側壁部は、前記端面を露出させる開口部を有し、前記開口部は、前記側壁部の、前記第二方向の両側のうちの一方の側の端縁から他方の側に向けて切欠き状に形成されている。
【0008】
この構成によれば、拘束されていない蓄電素子ユニットを、拘束部材で拘束された状態にするまでの過程において、開口部を介して蓄電素子ユニットを圧迫しながら、蓄電素子ユニットに対する拘束部材の取付作業を行うことができる。つまり、一列に並べた複数の蓄電素子を含む蓄電素子ユニットに対して、予め環状に形成された拘束部材を後付けすることができる。具体的には、例えば、蓄電素子ユニットの上端部を棒状の押圧体で圧迫しながら、押圧体を側壁部の開口部に挿入することができる。つまり、押圧体と拘束部材との干渉を避けながら、蓄電素子ユニットの上端部を環状の拘束部材の中に入れること(初期移動工程を行うこと)ができる。これにより、困難な作業である、環状の拘束部材への蓄電素子ユニットの挿入作業をスムーズに行うことができる。また、その結果、拘束部材による蓄電素子ユニットに対する高い拘束力を得ることができる。また、拘束部材の側壁部が、蓄電素子ユニットの端面の中央部及びその両側を含む範囲に当接するため、1つの拘束部材で蓄電素子ユニットをバランスよく拘束することが可能である。従って、蓄電装置の部品点数の削減、軽量化、または構造の簡易化等が可能となる。このように、本態様に係る蓄電装置によれば、簡易な構成で信頼性を向上させることができる。
【0009】
また、前記開口部は、前記第二方向に縦長の形状に形成されている、としてもよい。
【0010】
この構成によれば、例えば、開口部を介して蓄電素子ユニットを圧迫した状態を維持しながら、拘束部材を、第二方向に比較的に長い距離移動させることが可能である。これにより、蓄電素子ユニットへの拘束部材の取付作業を効率よく行うことができ、かつ、拘束部材による蓄電素子ユニットに対する高い拘束力を得ることができる。つまり、信頼性が向上された蓄電装置の製造を効率よく行うことができる。
【0011】
また、前記側壁部は、前記第一方向及び前記第二方向と交差する第三方向において互いに異なる位置に配置された2つの前記開口部を有し、2つの前記開口部は、前記第二方向において、それぞれの配置範囲が異なり、かつ、互いの一部が重複する位置に配置されている、としてもよい。
【0012】
この構成によれば、例えば、2つの開口部のうちの一方を介して蓄電素子ユニットを圧迫しながら拘束部材を下方に移動させ、その圧迫を維持しながら、他方の開口部を介して蓄電素子ユニットを圧迫することができる。さらに、その後に、当該一方の開口部を介した圧迫を解除し、拘束部材をさらに下方に移動させることができる。つまり、開口部を介した蓄電素子ユニットへの圧迫を、2つの開口部の間で引き継ぎながら、拘束部材の蓄電素子ユニットへの取付作業を行うことができる。これにより、蓄電素子ユニットへの拘束部材の取付作業を効率よく行うことができ、かつ、拘束部材による蓄電素子ユニットに対する高い拘束力を得ることができる。従って、信頼性が向上された蓄電装置の製造がより効率化される。
【0013】
また、本発明の一態様に係る蓄電装置の製造方法において、前記蓄電装置は、第一方向に並んで配置された複数の蓄電素子を含む蓄電素子ユニットと、前記蓄電素子ユニットを前記第一方向で拘束する拘束部材であって、前記第一方向と交差する第二方向から見た場合に環状に形成された拘束部材と、を備え、前記製造方法は、前記蓄電素子ユニットの前記第一方向の端面を、押圧体を用いて押圧することで前記蓄電素子ユニットを前記第一方向に圧迫する圧迫工程と、前記拘束部材が、前記蓄電素子ユニットの前記端面の前記第二方向における中央部及びその両側を含む領域に当接する位置に到達するまで、前記拘束部材の前記蓄電素子ユニットに対する前記第二方向の位置を移動させる移動工程とを含み、前記移動工程は、前記圧迫工程において前記蓄電素子ユニットを圧迫した状態を維持しながら、前記押圧体が、前記拘束部材の前記第二方向の一方の端縁から他方に向けて切欠き状に形成されている開口部に挿入される位置まで、前記蓄電素子ユニットに対する前記第二方向の位置を移動させる初期移動工程を含む。
【0014】
この製造方法によれば、一列に並べた複数の蓄電素子を含む蓄電素子ユニットに対して、予め環状に形成された拘束部材を後付けすることができる。具体的には、例えば、蓄電素子ユニットの上端部を棒状の押圧体で圧迫しながら、押圧体を拘束部材の開口部に挿入することができる。つまり、押圧体と拘束部材との干渉を避けながら、蓄電素子ユニットの上端部を環状の拘束部材の中に入れること(初期移動工程を行うこと)ができる。これにより、困難な作業である、環状の拘束部材への蓄電素子ユニットの挿入作業をスムーズに行うことができる。また、その結果、拘束部材による蓄電素子ユニットに対する高い拘束力を得ることができる。このように、本態様に係る蓄電装置の製造方法によれば、簡易な構成で信頼性が向上された蓄電装置を製造することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、簡易な構成で信頼性が向上された蓄電装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】実施の形態に係る蓄電装置の外観を示す斜視図である。
【
図2】実施の形態に係る蓄電装置を分解した場合の各構成要素を示す分解斜視図である。
【
図3】実施の形態に係る蓄電素子ユニット及び拘束部材の構成を示す分解斜視図である。
【
図4】実施の形態に係る拘束部材の蓄電素子ユニットへの取り付け工程の一部を示す第1の図である。
【
図5】実施の形態に係る拘束部材の蓄電素子ユニットへの取り付け工程の一部を示す第2の図である。
【
図6】実施の形態に係る拘束部材の蓄電素子ユニットへの取り付け工程の一部を示す第3の図である。
【
図7】実施の形態に係る拘束部材の蓄電素子ユニットへの取り付け工程の一部を示す第4の図である。
【
図8】実施の形態に係る拘束部材の複数の変形例を示す図である。
【
図9】蓄電素子ユニットへの取り付け用の開口部を有する拘束部材の複数の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態(その変形例を含む)に係る蓄電装置及びその製造方法について説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、各図において、寸法等は厳密に図示したものではない。
【0018】
また、以下の説明及び図面中において、複数の蓄電素子の並び方向、蓄電素子の容器の長側面の対向方向、または、当該容器の厚さ方向をX軸方向と定義する。また、1つの蓄電素子における電極端子の並び方向、または、蓄電素子の容器の短側面の対向方向をY軸方向と定義する。また、蓄電装置の外装体における本体部と蓋体との並び方向、蓄電素子とバスバーとの並び方向、または、上下方向をZ軸方向と定義する。これらX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向は、互いに交差(以下実施の形態及びその変形例では、直交)する方向である。なお、使用態様によってはZ軸方向が上下方向にならない場合も考えられるが、以下では説明の便宜のため、Z軸方向を上下方向として説明する。
【0019】
また、以下の実施の形態及び特許請求の範囲において、平行及び直交などの、相対的な方向または姿勢を示す表現が用いられる場合があるが、これらの表現は、厳密には、その方向または姿勢ではない場合も含む。例えば、2つの方向が直交する、とは、当該2つの方向がなす角が90°であることを意味するだけでなく、実質的に直交すること、すなわち、例えば数%程度の差異を含むことも意味する。
【0020】
また、以下の説明において、例えば、X軸方向プラス側とは、X軸の矢印方向側を示し、X軸方向マイナス側とは、X軸方向プラス側とは反対側を示す。Y軸方向及びZ軸方向についても同様である。
【0021】
(実施の形態)
[1.蓄電装置の全般的な説明]
まず、
図1及び
図2を用いて、実施の形態に係る蓄電装置1の全般的な説明を行う。
図1は、実施の形態に係る蓄電装置1の外観を示す斜視図である。
図2は、実施の形態に係る蓄電装置1を分解した場合の各構成要素を示す分解斜視図である。
【0022】
蓄電装置1は、外部からの電気を充電し、また外部へ電気を放電することができる装置である。具体的には、蓄電装置1は、例えば、自動車、自動二輪車、ウォータークラフト、スノーモービル、農業機械、建設機械、または、電気鉄道用の鉄道車両等の移動体の駆動用若しくはエンジン始動用のバッテリ等として用いられる。上記の自動車としては、電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)、プラグインハイブリッド電気自動車(PHEV)及びガソリン自動車が例示される。上記の電気鉄道用の鉄道車両としては、電車、モノレール、及びリニアモーターカーが例示される。また、蓄電装置1は、家庭用または発電機用等に使用される定置用のバッテリ等としても用いられる。
【0023】
図1及び
図2に示すように、蓄電装置1は、複数の蓄電素子20と、複数の蓄電素子20を収容する外装体10とを備える。本実施の形態では、外装体10には8個の蓄電素子20が収容されている。なお、蓄電装置1が備える蓄電素子20の数は8には限定されない。蓄電装置1は、複数の蓄電素子20を備えればよい。本実施の形態では、X軸方向に並べられた複数の蓄電素子20及び複数のスペーサにより1つの蓄電素子ユニット24が構成されており、蓄電素子ユニット24は拘束部材60によって拘束されている。拘束部材60は、一対の側壁部61が一対の接続壁部63で接続されており、Z軸方向から見た場合に環状に形成されている。側壁部61には複数の開口部62が形成されている。なお、X軸方向は第一方向の一例であり、Z軸方向は、第一方向と交差する第二方向の一例である。拘束部材60については、
図3~
図7を用いて後述する。
【0024】
外装体10は、蓄電素子ユニット24を収容する本体部12と、蓄電素子ユニット24の上方に配置されるバスバープレート17と、バスバープレート17の上方を覆うように配置される蓋体11とを有している。バスバープレート17には複数のバスバー33が保持されており、複数のバスバー33はバスバーカバー70及び75に覆われている。また、バスバープレート17と蓋体11との間には、制御回路等を含む接続ユニット80が配置されている。
【0025】
外装体10は、蓄電装置1の外殻を構成する矩形状(箱状)の容器(モジュールケース)である。つまり、外装体10は、蓄電素子ユニット24及びバスバープレート17等を所定の位置に固定し、これらを衝撃などから保護する部材である。外装体10は、例えば、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリスチレン(PS)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、ポリフェニレンエーテル(PPE(変性PPEを含む))、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ABS樹脂、または、それらの複合材料等の絶縁部材等により形成されている。
【0026】
本実施の形態における外装体10の本体部12は、上述した絶縁部材により形成された壁部16により構成された容器であり、蓄電素子ユニット24及びバスバープレート17等を外部から絶縁している。壁部16は、X軸方向に対向する一対の側壁と、Y軸方向に対向する一対の側壁と、Z軸方向マイナス側に位置する底壁とからなり、これらの側壁および底壁が一体化された箱状の容器である本体部12を構成している。また、4つの側壁の、底壁とは反対側(Z軸方向プラス側)の端部により、本体部12の開口部15が形成されている。
【0027】
外装体10が有する蓋体11は、本体部12の開口部15を閉塞する矩形状の部材であり、本体部12と水密に固定されている。また、蓋体11は、正極側の外部端子91及び負極側の外部端子92を有している。外部端子91及び92は、接続ユニット80及びバスバー33を介して複数の蓄電素子20と電気的に接続されており、蓄電装置1は、この外部端子91及び92を介して、外部からの電気を充電し、また外部へ電気を放電する。外部端子91及び92は、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金等の金属製の導電部材で形成されている。本体部12は、蓄電素子ユニット24を収容するための開口部15が形成された有底矩形筒状のハウジング(筐体)である。
【0028】
蓄電素子20は、電気を充電し、また、電気を放電することのできる二次電池(単電池)であり、より具体的には、リチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池である。蓄電素子20は、扁平な直方体形状(角形)の形状を有しており、本実施の形態では、上述のように、8個の蓄電素子20がX軸方向に配列されており、8個の蓄電素子20は、拘束部材60によって一括して拘束されている。
【0029】
なお、蓄電素子20は、非水電解質二次電池には限定されず、非水電解質二次電池以外の二次電池であってもよいし、キャパシタであってもよい。また、蓄電素子20は、使用者が充電をしなくても蓄えられている電気を使用できる一次電池であってもよい。また、蓄電素子20は、固体電解質を用いた電池であってもよい。
【0030】
具体的には、蓄電素子20は、金属製の容器21を備え、容器21の蓋部分には、金属製の電極端子22(正極端子及び負極端子)が設けられている。電極端子22(正極端子及び負極端子)は、容器21の蓋部分から、バスバープレート17側に向けて(上方、つまりZ軸方向プラス側に向けて)突出して配置されている。なお、容器21の内方には、電極体(蓄電要素または発電要素ともいう)及び集電体(正極集電体及び負極集電体)等が配置され、電解液(非水電解質)などが封入されているが、詳細な説明は省略する。
【0031】
バスバー33は、バスバープレート17に保持された状態で、少なくとも2つの蓄電素子20上に配置され、当該少なくとも2つの蓄電素子20の電極端子22同士を電気的に接続する矩形状の板状部材である。バスバー33は、例えば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等の金属製の導電部材で形成されている。なお、本実施の形態では、5つのバスバー33を用いて、蓄電素子20を2個ずつ並列に接続して4セットの蓄電素子群を構成し、かつ、当該4セットの蓄電素子群を直列に接続している。また、8個の蓄電素子20の電気的な接続の態様に特に限定はなく、8個の蓄電素子20の全てが、7個のバスバーによって直列に接続されてもよい。
【0032】
接続ユニット80は、複数のバスバー及び制御基板等を有するユニットであり、8個の蓄電素子20と、外部端子91及び92とを電気的に接続する。接続ユニット80が有する制御基板は複数の電気部品を有し、これら複数の電気部品により、各蓄電素子20の状態を検出する検出回路、及び、充電及び放電を制御する制御回路等が形成されている。本実施の形態では、接続ユニット80は、バスバープレート17に固定されている。
【0033】
バスバープレート17は、バスバー33を保持する樹脂製の部材である。より詳細には、バスバープレート17は、複数のバスバー33、接続ユニット80、及び、その他配線類等(図示せず)を保持し、これら部材の位置規制等を行うことができる部材である。また、バスバープレート17には、複数のバスバー33のそれぞれを保持し、かつ、複数のバスバー33それぞれの一部を複数の蓄電素子20の側に露出させるバスバー用開口部17aが複数設けられている。
【0034】
バスバーカバー70及び75のそれぞれは、複数のバスバー33を上方から覆う樹脂製の部材であり、例えば、複数のバスバー33と接続ユニット80とを電気的に絶縁する役割を担っている。
【0035】
[2.蓄電素子ユニット及び拘束部材の構成]
以上のように構成された蓄電装置1における蓄電素子ユニット24及び拘束部材60の構成について、
図3を用いて説明する。
図3は、実施の形態に係る蓄電素子ユニット24及び拘束部材60の構成を示す分解斜視図である。
【0036】
図3に示すように、本実施の形態に係る蓄電素子ユニット24は、X軸方向に並べられた複数の蓄電素子20と、複数の蓄電素子20に対し配列方向(X軸方向)の拘束力を与える拘束部材60とを有する。より具体的には、複数の蓄電素子20のそれぞれが有する角形の容器21は、一対の長側面21aと一対の短側面21bとを有している。複数の蓄電素子20のそれぞれは、長側面21aがX軸方向を向く姿勢(短側面21bがX軸方向と平行になる姿勢)でX軸方向に並べられている。本実施の形態では、各蓄電素子20のX軸方向の両側にはスペーサ42が配置されており、かつ、複数の蓄電素子20のX軸方向の両端にはエンドプレート41が配置されている。つまり、本実施の形態では、8個の蓄電素子20に対して9枚のスペーサ42と2枚のエンドプレート41とが配置されており、これにより、1つの蓄電素子ユニット24が構成されている。なお、複数の蓄電素子20のそれぞれは、容器21の容器本体の外面に沿って配置される絶縁フィルム(図示せず)を有してもよい。
【0037】
本実施の形態において、スペーサ42は樹脂材料からなる絶縁性の板材によって構成されているが、スペーサ42は、マイカシートなどの耐熱性の板材によって構成することもできる。また、エンドプレート41はスペーサ42よりも剛性の高い部材で構成されている。例えば、エンドプレート41は金属材料の板材で構成されている。エンドプレート41は、スペーサ42と同じ樹脂材料からなる絶縁性の板材であって、スペーサ42の厚みよりも分厚い板材で構成することもできる。
【0038】
このように構成された蓄電素子ユニット24に対し、蓄電素子ユニット24をX軸方向及びY軸方向から囲む環状の拘束部材60が配置される。拘束部材60は、蓄電素子ユニット24における複数の蓄電素子20の並び方向である第一方向(X軸方向)の端面24aに当接して配置された側壁部61を有する。なお、本実施の形態では、蓄電素子ユニット24のX軸方向の端面24aは、エンドプレート41の外側面によって形成されている。
【0039】
より具体的には、本実施の形態に係る拘束部材60は、X軸方向において蓄電素子ユニット24を挟むように配置された2つの側壁部61と、2つの側壁部61を接続する2つの接続壁部63とを有する。2つの接続壁部63のそれぞれは、蓄電素子ユニット24のY軸方向の側方に配置されている。なお、本実施の形態では、1枚の金属製の基材を折り曲げ、かつ、両端を溶接することで、平面視(Z軸方向から見た場合)において矩形環状の拘束部材60が作製されている。つまり、拘束部材60において、部材間の接続箇所は1か所のみであるため、強固な拘束力を得ることができる。また、基材の両端の接続には溶接が用いられているため、例えば、ボルト、ナット、またはリベットなどの部品を用いずに環状の拘束部材60を構成することができる。これにより、拘束部材60の軽量化または部品点数の削減が実現される。また、拘束部材60を蓄電素子ユニット24に取り付ける前に、基材の両端の溶接が行われるため、溶接の熱によって蓄電素子ユニット24を損傷させることがない。
【0040】
なお、拘束部材60の基材としては、鉄またはアルミニウム合金等を素材とする金属板が例示される。また、拘束部材60が金属製であることは必須ではなく、例えば繊維強化プラスチックのような非金属によって拘束部材60が形成されてもよい。また、拘束部材60は、溶接部などの基材における継ぎ目を有する必要はない。つまり、拘束部材60は、シームレスな構造体によって実現されてもよい。
【0041】
この拘束部材60は、蓄電素子ユニット24に取り付ける時点では、既に
図3に示すように環状に形成された完成品であるため、蓄電素子ユニット24をX軸方向で拘束するように、拘束部材60を蓄電素子ユニット24に取り付けるのは容易ではない。そこで、本実施の形態では、拘束部材60の側壁部61に開口部62を設け、この開口部62を利用して拘束部材60を蓄電素子ユニット24に取り付ける手法が採用されている。なお、本実施の形態では、側壁部61には複数の開口部62が設けられており、これら複数の開口部62を分類するために互いに異なる符号を付している。具体的には、
図3に示すように、側壁部61には、2つの開口部62aと、1つの開口部62bと、2つの開口部62cとが設けられている。
【0042】
開口部62a、62b、及び62cは、側壁部61の第二方向(Z軸方向)における位置が互いに異なっており、かつ、開口部62bの一部は、開口部62a及び62cのそれぞれの一部と、Z軸方向における配置範囲が重複している。つまり、第三方向(Y軸方向)から見た場合に、開口部62bの一部は、開口部62a及び62cのそれぞれの一部と重複する。また、2つの開口部62aは、側壁部61の第二方向(Z軸方向)の一方の端縁から他方の側に向けて切欠き状に形成されている。
【0043】
このように、側壁部61に、複数の開口部62が形成されていることで、環状に形成された拘束部材60の内側に蓄電素子ユニット24を配置することができ、かつ、蓄電素子ユニット24を拘束部材60によって拘束した状態にすることができる。つまり、蓄電素子ユニット24に、環状の拘束部材60を後付けすることができる。以下、拘束部材60の蓄電素子ユニット24への取り付け工程を、
図4~
図7を用いて説明する。
【0044】
[3.拘束部材の蓄電素子ユニットへの取り付け工程]
図4~
図7は、拘束部材60の蓄電素子ユニット24への取り付け工程の一部を示す第1~第4の図である。なお、
図4~
図7において、蓄電素子ユニット24をX軸方向に圧迫する押圧装置150については、蓄電素子ユニット24を直接的に押圧する棒状の押圧体151及び152のみが簡易的に図示されている。また、蓄電素子ユニット24を載置する作業台及び拘束部材60を移動させるロボット等の図示は省略されている。
【0045】
拘束部材60を蓄電素子ユニット24に取り付ける場合、まず、蓄電素子ユニット24のX軸方向の端面24aを、押圧体151を用いて押圧する。具体的には、
図4に示すように、蓄電素子ユニット24のX軸方向の両側の端面24aのそれぞれに、一対の押圧体151を当接させる。さらに、蓄電素子ユニット24の両側の一対の押圧体151のうちの少なくとも一方の側(例えば、X軸方向プラス側)の一対の押圧体151を、蓄電素子ユニット24の方向(X軸方向マイナス側)に移動させる。つまり、二組の一対の押圧体151で、蓄電素子ユニット24をX軸方向に圧迫する。本実施の形態では、一対の押圧体151は端面24aの上端部に当接しており、これにより、蓄電素子ユニット24の上端部のX軸方向の幅が狭められる。なお、蓄電素子ユニット24のX軸方向の両側における押圧体151及び152は、蓄電素子ユニット24及び拘束部材60に対して実質的に同一の役目を担う。そのため、以下では、蓄電素子ユニット24のX軸方向プラス側の押圧体151及び152の動作について説明を行い、蓄電素子ユニット24のX軸方向マイナス側の押圧体151及び152の動作についての説明は省略する。
【0046】
上記のように、一対の押圧体151を用いて蓄電素子ユニット24が圧迫された状態を維持しながら、蓄電素子ユニット24の上方から拘束部材60を下降させる。このとき、蓄電素子ユニット24の上端部のX軸方向の幅が狭められていることで、
図5に示すように、蓄電素子ユニット24の上端部を環状の拘束部材60の内側に無理なく挿入することができる。また、一対の押圧体151のそれぞれは、拘束部材60の下端から上方に向けて切欠き状に形成された開口部62aに挿入され、一対の押圧体151のそれぞれが開口部62aの上端の周縁部に当接するまで(または、当該周縁部の近傍に位置するまで、以下同じ。)拘束部材60が下方に移動される。その結果、高さ方向(第二方向、Z軸方向)において開口部62aよりも高い位置に形成されている開口部62bから、蓄電素子ユニット24の端面24aが露出する。これにより、開口部62bを介して蓄電素子ユニット24を圧迫することが可能となる。そこで、
図6に示すように、一対の押圧体151によって蓄電素子ユニット24が圧迫された状態を維持しながら、開口部62bに押圧体152を挿入することで、押圧体152によって蓄電素子ユニット24をX軸方向に圧迫する。つまり、蓄電素子ユニット24のX軸方向の圧迫が、開口部62aを介した圧迫から、開口部62bを介した圧迫に引き継がれる。
【0047】
このように、開口部62bに挿入された押圧体152によって蓄電素子ユニット24が圧迫された状態になった後に、一対の押圧体151は後退する。つまり、一対の押圧体151による蓄電素子ユニット24の圧迫が解除される。これにより、拘束部材60は、押圧体152が開口部62bの上端の周縁部に当接するまで下方に移動することができる。その結果、高さ方向(第二方向、Z軸方向)において開口部62bよりも高い位置に形成されている2つの開口部62cから、蓄電素子ユニット24の端面24aが露出する。これにより、2つの開口部62cを介して蓄電素子ユニット24を圧迫することが可能となる。そこで、
図7に示すように、押圧体152によって蓄電素子ユニット24が圧迫された状態を維持しながら、2つの開口部62cに一対の押圧体151を挿入することで蓄電素子ユニット24をX軸方向に圧迫する。つまり、蓄電素子ユニット24のX軸方向の圧迫が、開口部62bを介した圧迫から、開口部62cを介した圧迫に引き継がれる。
【0048】
その後、一対の押圧体151のそれぞれが開口部62cの上端の周縁部に当接するまで拘束部材60が下方に移動される。この状態で、拘束部材60の下端が、蓄電素子ユニット24の下端に到達していない場合、拘束部材60の下端が蓄電素子ユニット24の下端に到達するまで(取付完了位置まで)、拘束部材60が下方に押し込まれる。このとき、例えば一対の押圧体151を用いて、拘束部材60の開口部62aを介して蓄電素子ユニット24の下端部を圧迫しながら拘束部材60を下方に押し込むことも可能である。また、開口部62cが、拘束部材60の上端縁から下方に向けて切欠き状に設けられていれば、2つの開口部62cに挿入された一対の押圧体151によって蓄電素子ユニット24を圧迫した状態を維持しながら、拘束部材60を取付完了位置まで移動させることも可能である。
【0049】
以上のような工程を経ることで、蓄電素子ユニット24に拘束部材60が取り付けられ、蓄電素子ユニット24が有する複数の蓄電素子20のそれぞれは、拘束部材60によるX軸方向の拘束力(圧迫力)を受ける。そのため、各蓄電素子20において、内部の電極体の移動が抑制され、また、温度変化または経年劣化による容器21の膨張も抑制される。また、蓄電素子20が膨張することによる他の蓄電素子20の移動(位置ずれ)が生じ難くなるため、複数の蓄電素子20のそれぞれにおけるバスバー33との接合部に不具合が生じ難い。
【0050】
なお、本実施の形態における圧迫工程前の蓄電素子ユニット24は、複数の蓄電素子20、エンドプレート41およびスペーサ42を配列した際に、X軸方向における寸法が拘束部材60の寸法(一対の側壁部61間の距離)よりも大きくなる場合を想定している。ここで、押圧装置150は、X軸方向において、拘束部材60の寸法よりも蓄電素子ユニット24の寸法が小さくなるまで蓄電素子ユニット24を圧迫する定寸管理による工程を実施することができる。そして圧迫工程の後に圧迫力が解放されると、蓄電素子ユニット24にはX軸方向の寸法が元に戻る復元力を生じる。これを利用して、蓄電素子ユニット24と拘束部材60との間の隙間が次第に狭くなり、最終的に互いに当接して、複数の蓄電素子20のそれぞれは、拘束部材60によるX軸方向の拘束力を受けることができる。これによって、例えば蓄電素子ユニット24全体として、複数の蓄電素子20、エンドプレート41およびスペーサ42に若干の寸法公差が生じていたとしても、定寸管理による圧迫と、その復元力を利用することで最適な拘束状態を実現することができる。
【0051】
以上説明したように、本実施の形態に係る蓄電装置1は、第一方向(X軸方向)に並んで配置された複数の蓄電素子20を含む蓄電素子ユニット24と、蓄電素子ユニット24を第一方向(X軸方向)で拘束する拘束部材60とを備える。拘束部材60は、第一方向(X軸方向)と交差する第二方向(Z軸方向)から見た場合に環状に形成されている。拘束部材60は、蓄電素子ユニット24の第一方向(X軸方向)の両側のうちの一方の側の端面24aに当接して配置された側壁部61であって、端面24aの、第二方向(Z軸方向)における中央部及びその両側を含む領域に当接する側壁部61を有する。側壁部61は、端面24aを露出させる開口部62を有し、開口部62は、側壁部61の、第二方向(Z軸方向)の両側のうちの一方の側の端縁から他方の側に向けて切欠き状に形成されている。具体的には、本実施の形態では、開口部62aが、側壁部61の下端縁から上方に向けて切欠き状に形成されている(
図3等参照)。
【0052】
この構成によれば、拘束されていない蓄電素子ユニット24を、拘束部材60で拘束された状態にするまでの過程において、開口部62aを介して蓄電素子ユニット24を圧迫しながら、蓄電素子ユニット24に対する拘束部材60の取付作業を行うことができる。つまり、一列に並べた複数の蓄電素子20を含む蓄電素子ユニット24に対して、予め環状に形成された拘束部材60を後付けすることができる。具体的には、蓄電素子ユニット24の上端部を棒状の押圧体151で圧迫しながら、押圧体151を側壁部61の開口部62aに挿入することができる。つまり、押圧体151と拘束部材60との干渉を避けながら、蓄電素子ユニット24の上端部を環状の拘束部材60の中に入れること(初期移動工程を行うこと)ができる。これにより、困難な作業である、環状の拘束部材60への蓄電素子ユニット24の挿入作業をスムーズに行うことができる。また、その結果、拘束部材60による蓄電素子ユニット24に対する高い拘束力を得ることができる。
【0053】
また、拘束部材60は複数の部材の組み合わせではなく、1つの基材を加工することで得られる単一の部品として実現できる。そのため、蓄電素子ユニット24を拘束する部材を構成するために、蓄電素子ユニット24を囲むように複数の部材を配置し、その後に、複数の部材をボルト等で締結すること、または、複数の部材を溶接で接合することは不要である。また、拘束部材60の側壁部61が、蓄電素子ユニット24の端面24aの中央部及びその両側を含む範囲に当接するため、1つの拘束部材60で蓄電素子ユニット24をバランスよく拘束することが可能である。従って、蓄電装置1の部品点数の削減、軽量化、または構造の簡易化等が可能となる。また、拘束部材60を作製する際の溶接の熱が蓄電素子ユニット24を損傷させる可能性もない。このように、本実施の形態に係る蓄電装置1は、簡易な構成で信頼性が向上された蓄電装置である。
【0054】
また、本実施の形態において、拘束部材60が有する開口部62は、第二方向(Z軸方向)に縦長の形状に形成されている。具体的には、本実施の形態では、開口部62a、62b、及び62cの全てが縦長(Z軸方向に長尺状)である。
【0055】
この構成によれば、例えば、開口部62を介して蓄電素子ユニット24を圧迫した状態を維持しながら、拘束部材60を、第二方向(Z軸方向)に比較的に長い距離移動させることが可能である。これにより、拘束部材60の蓄電素子ユニット24への取付作業を効率よく行うことができ、かつ、拘束部材60による蓄電素子ユニット24に対する高い拘束力を得ることができる。つまり、信頼性が向上された蓄電装置1の製造を効率よく行うことができる。
【0056】
また、本実施の形態において、拘束部材60が有する側壁部61は、第一方向(X軸方向)及び第二方向(Z軸方向)と交差する第三方向(Y軸方向)において互いに異なる位置に配置された2つの開口部62を有する。当該2つの開口部62は、第二方向(Z軸方向)において、それぞれの配置範囲が異なり、かつ、互いの一部が重複する位置に配置されている。具体的には、本実施の形態では、
図3~
図7に示すように、開口部62a及び開口部62bは、Y軸方向において互いに異なる位置に配置されている。また、Z軸方向において、開口部62a及び開口部62bそれぞれの配置範囲は異なり、かつ、開口部62aの上端部と開口部62bの下端部とはZ軸方向において重複する位置に配置されている。開口部62b及び開口部62cについても同様である。すなわち、開口部62b及び開口部62cは、Y軸方向において互いに異なる位置に配置されている。また、Z軸方向において、開口部62b及び開口部62cそれぞれの配置範囲は異なり、かつ、開口部62bの上端部と開口部62cの下端部とはZ軸方向において重複する位置に配置されている。
【0057】
この構成によれば、例えば
図4~
図6に示すように、2つの開口部62a及び62bのうちの開口部62aを介して蓄電素子ユニット24を圧迫しながら拘束部材60を下方に移動させ、その圧迫を維持しながら、開口部62bを介して蓄電素子ユニット24を圧迫することができる。さらに、その後に、開口部62aを介した圧迫を解除し、拘束部材60をさらに下方に移動させることができる。つまり、開口部62を介した蓄電素子ユニット24への圧迫を、2つの開口部62の間で引き継ぎながら、拘束部材60の蓄電素子ユニット24への取付作業を行うことができる。これにより、蓄電素子ユニット24への拘束部材60の取付作業を効率よく行うことができ、かつ、拘束部材60による蓄電素子ユニット24に対する高い拘束力を得ることができる。従って、信頼性が向上された蓄電装置1の製造がより効率化される。
【0058】
また、本実施の形態に係る蓄電装置1の製造方法は、例えば以下のように説明される。本実施の形態に係る蓄電装置1の製造方法は、圧迫工程と移動工程とを含み、移動工程は初期移動工程を含む。圧迫工程では、蓄電素子ユニット24の第一方向(X軸方向)の端面24aを、押圧体151を用いて押圧することで蓄電素子ユニット24を第一方向(X軸方向)に圧迫する。移動工程では、拘束部材60が、蓄電素子ユニット24の端面24aの第二方向(Z軸方向)における中央部及びその両側を含む領域に当接する位置に到達するまで、拘束部材60の蓄電素子ユニット24に対する第二方向(Z軸方向)の位置を移動させる。初期移動工程では、圧迫工程において蓄電素子ユニット24を圧迫した状態を維持しながら、押圧体151が、拘束部材60の第二方向(Z軸方向)の一方の端縁から他方に向けて切欠き状に形成されている開口部62aに挿入される位置まで、蓄電素子ユニット24に対する第二方向(Z軸方向)の位置を移動させる。
【0059】
この製造方法によれば、一列に並べた複数の蓄電素子20を含む蓄電素子ユニット24に対して、予め環状に形成された拘束部材60を後付けすることができる。具体的には、蓄電素子ユニット24の上端部を押圧体151で圧迫しながら、押圧体151を拘束部材60の開口部62aに挿入することができる。つまり、押圧体151と拘束部材60との干渉を避けながら、蓄電素子ユニット24の上端部を環状の拘束部材60の中に入れること(初期移動工程を行うこと)ができる。これにより、困難な作業である、環状の拘束部材60への蓄電素子ユニット24の挿入作業をスムーズに行うことができる。また、その結果、拘束部材60による蓄電素子ユニット24に対する高い拘束力を得ることができる。このように、本実施の形態に係る蓄電装置1の製造方法によれば、簡易な構成で信頼性が向上された蓄電装置1を製造することができる。
【0060】
[4.変形例]
上述のように、実施の形態に係る拘束部材60によれば、第二方向(Z軸方向)の一方の端縁から他方に向けて切欠き状に形成された開口部62を有しており、開口部62を介した蓄電素子ユニット24の圧迫が可能である。これにより、拘束部材60の蓄電素子ユニット24への取り付けが効率よく行われる。このような効果は、
図2~
図7に示す構成とは異なる構成を有する拘束部材でも奏される。そこで、実施の形態に係る拘束部材60についての複数の変形例を、
図8を用いて説明する。
【0061】
図8は、実施の形態に係る拘束部材の複数の変形例を示す図である。具体的には、
図8の(a)は、実施の形態の変形例1に係る拘束部材60aの外観を示す斜視図であり、
図8の(b)は、実施の形態の変形例2に係る拘束部材60bの外観を示す斜視図であり、
図8の(c)は、実施の形態の変形例3に係る拘束部材60cの外観を示す斜視図である。
【0062】
図8の(a)に示す変形例1に係る拘束部材60aは、下端縁から上方に向けて切欠き状に形成された2つの開口部62aと、開口部62aよりも高い位置に形成された開口部62bとを有している。高さ方向(第二方向、Z軸方向)において、開口部62aの上端部と開口部62bの下端部とは重複する。
【0063】
この構成によれば、押圧体151と拘束部材60aとの干渉を避けながら、蓄電素子ユニット24の上端部を環状の拘束部材60aの中に入れることができる。また、蓄電素子ユニット24への圧迫を、2つの開口部62a及び62bの間で引き継ぎながら、拘束部材60aの蓄電素子ユニット24への取付作業を行うことができる。また、開口部62bは、拘束部材60aの上端部まで延設されているため、開口部62bを介した蓄電素子ユニット24への圧迫を維持しながら、取付完了位置まで拘束部材60aを移動させることも可能である。
【0064】
図8の(b)に示す変形例2に係る拘束部材60bは、下端縁から上方に向けて切欠き状に形成された1つの開口部62aと、開口部62aよりも高い位置に形成された2つの開口部62bとを有している。高さ方向(第二方向、Z軸方向)において、開口部62aの上端部と開口部62bの下端部とは重複する。
【0065】
この構成によれば、押圧体151と拘束部材60bとの干渉を避けながら、蓄電素子ユニット24の上端部を環状の拘束部材60bの中に入れることができる。また、蓄電素子ユニット24への圧迫を、2つの開口部62a及び62bの間で引き継ぎながら、拘束部材60aの蓄電素子ユニット24への取付作業を行うことができる。また、開口部62bは、拘束部材60bの上端部まで延設されているため、開口部62bを介した蓄電素子ユニット24への圧迫を維持しながら、取付完了位置まで拘束部材60bを移動させることも可能である。
【0066】
図8の(c)に示す変形例3に係る拘束部材60cは、下端縁から上方に向けて切欠き状に形成された2つの開口部62aと、開口部62aよりも高い位置に形成された開口部62bを含む複数の開口部62bとを有している。
【0067】
この構成によれば、押圧体151と拘束部材60cとの干渉を避けながら、蓄電素子ユニット24の上端部を環状の拘束部材60cの中に入れること(初期移動工程)ができる。また、初期移動工程の後に、押圧体151による圧迫を解除して、拘束部材60cを下方に押し込むことで1以上の開口部62bから蓄電素子ユニット24の端面24a(
図4等参照)を露出させることができる。さらに、開口部62bの内径よりも小さい押圧面を有する押圧体で、開口部62bを介して蓄電素子ユニット24をX軸方向に圧迫することで、圧迫を維持しながら、拘束部材60cを下方に移動させることが可能である。その後、当該押圧体による圧迫を解除して、拘束部材60cを下方に押し込むことで、より上方の1以上の開口部62bから蓄電素子ユニット24の端面24aを露出させることができる。このような作業を繰り返すことで、拘束部材60cを取付完了位置まで移動させることも可能である。
【0068】
[5.参考としての拘束部材の構成例]
以下、開口部を有する拘束部材であって、開口部を介して蓄電素子ユニット24を圧迫しながら蓄電素子ユニット24に取り付け可能な拘束部材の複数の構成例を、
図9を用いて説明する。
図9は、蓄電素子ユニット24への取り付け用の開口部を有する拘束部材の複数の構成例を示す図である。
【0069】
図9の(a)に示す拘束部材60dは、下端部から上端部にかけて、2つの開口部65aと、1つの開口部65bと、2つの開口部65cとを有している。高さ方向(第二方向、Z軸方向)において、開口部65aの上端部と開口部65bの下端部とは重複し、開口部65bの上端部と開口部65cの下端部とは重複する。
【0070】
この構成によれば、例えば、蓄電素子ユニット24の上端部に近い位置を押圧体で押圧することで、蓄電素子ユニット24の上端部のX軸方向の幅を狭め、この状態で、蓄電素子ユニット24の上端部を、環状の拘束部材60dに挿入することができる。また、開口部65aから蓄電素子ユニット24の端面24aが露出する位置まで、拘束部材60dを移動させることで、開口部65aを介して蓄電素子ユニット24をX軸方向に圧迫することができる。さらに、蓄電素子ユニット24への圧迫を、2つの開口部65a、65b、65cの順で引き継ぎながら、拘束部材60dを下方に移動させることができ、これにより、拘束部材60dを取付完了位置まで移動させることも可能である。
【0071】
図9の(b)に示す拘束部材60eは、下端部から上端部にかけて延設された、2つの開口部65を有している。
【0072】
この構成によれば、例えば、蓄電素子ユニット24の上端部に近い位置を押圧体で押圧することで、蓄電素子ユニット24の上端部のX軸方向の幅を狭め、この状態で、蓄電素子ユニット24の上端部を、環状の拘束部材60eに挿入することができる。また、開口部65から蓄電素子ユニット24の端面24aが露出する位置まで、拘束部材60eを移動させることで、開口部65を介して蓄電素子ユニット24をX軸方向に圧迫することができる。このとき、例えば2つの押圧体151を用いて、2つの開口部65を介して、Y軸方向においてバランスよく蓄電素子ユニット24を圧迫することができる。さらに、2つの開口部65は、拘束部材60eの上端部まで延設されているため、2つの開口部65を介した蓄電素子ユニット24への圧迫を維持しながら、拘束部材60eを取付完了位置まで移動させることも可能である。
【0073】
図9の(c)に示す拘束部材60fは、下端部から上端部にかけて延設された、1つの開口部65を有している。
【0074】
この構成によれば、例えば、蓄電素子ユニット24の上端部に近い位置を押圧体で押圧することで、蓄電素子ユニット24の上端部のX軸方向の幅を狭め、この状態で、蓄電素子ユニット24の上端部を、環状の拘束部材60fに挿入することができる。また、開口部65から蓄電素子ユニット24の端面24aが露出する位置まで、拘束部材60fを移動させることで、開口部65を介して蓄電素子ユニット24をX軸方向に圧迫することができる。さらに、開口部65は、拘束部材60fの端部まで延設されているため、開口部65を介した蓄電素子ユニット24への圧迫を維持しながら、拘束部材60fを取付完了位置まで移動させることも可能である。
【0075】
なお、この構成における1つの開口部65は、Y軸方向において蓄電素子20の容器21における長側面21aの中央をZ軸方向に沿って延在する位置にある。蓄電素子20の容器21は、長側面21aの中央が膨れ易い形状であるため、この位置を押圧体で押圧することで、圧迫工程および圧迫力を解放した後の復元力の利用を効率よく実施することができる。
【0076】
図9の(d)に示す拘束部材60gは、下端部から上端部にかけて設けられた複数の開口部66を有する。
【0077】
この構成によれば、例えば、蓄電素子ユニット24の上端部に近い位置を押圧体で押圧することで、蓄電素子ユニット24の上端部のX軸方向の幅を狭め、この状態で、蓄電素子ユニット24の上端部を、環状の拘束部材60gに挿入することができる。また、最も下に位置する1以上の開口部66から蓄電素子ユニット24の端面24aが露出する位置まで、拘束部材60fを移動させることで、当該1以上の開口部66を介して蓄電素子ユニット24をX軸方向に圧迫することができる。このとき、開口部66の内径よりも小さい押圧面を有する押圧体で、開口部66を介して蓄電素子ユニット24をX軸方向に圧迫することで、圧迫を維持しながら、拘束部材60gを下方に移動させることが可能である。その後、当該押圧体による圧迫を解除して、拘束部材60gを下方に押し込むことで、より上方の1以上の開口部66から蓄電素子ユニット24の端面24aを露出させることができる。このような作業を繰り返すことで、拘束部材60gを取付完了位置まで移動させることも可能である。
【0078】
(他の実施の形態)
以上、本発明に係る蓄電装置について、実施の形態に基づいて説明した。しかしながら、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を上記実施の形態に施したものも、あるいは、上記説明された複数の構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
【0079】
例えば、拘束部材60を蓄電素子ユニット24に取り付ける場合、治具によって固定された拘束部材60に対して、押圧装置150で圧迫した状態の蓄電素子ユニット24を移動させることで、拘束部材60を蓄電素子ユニット24に取り付けてもよい。つまり、蓄電素子ユニット24及び拘束部材60の第二方向(Z軸方向)における相対位置を変化させることができれば、拘束部材60を蓄電素子ユニット24に取り付ける場合に、蓄電素子ユニット24及び拘束部材60のいずれを移動させてもよい。
【0080】
また、蓄電素子ユニット24に対して下方(Z軸方向マイナス側)から拘束部材60を取り付けてもよい。この場合、開口部62aを、拘束部材60の上端縁から下方に向けて切欠き状に形成することで、蓄電素子ユニット24の下端部を環状の拘束部材60の中に入れること(初期移動工程)が容易化される。
【0081】
また、
図4から7で示した蓄電素子ユニット24は電極端子22を上向きにした姿勢で拘束部材60が取り付けられたが、例えば蓄電素子ユニット24は電極端子22を下向きにした姿勢で拘束部材60が取り付けられてもよい。
【0082】
また、拘束部材60における接続壁部63(
図3参照)は、蓄電素子ユニット24における各蓄電素子20の端子配置面(電極端子22が配置されている側面)の側に配置されてもよい。つまり、蓄電素子ユニット24の姿勢を
図3のままとした場合、一対の接続壁部63は、Z軸方向に対向して配置されてもよい。
【0083】
側壁部61を接続する一対の接続壁部63は、蓄電素子ユニット24を直接的に圧迫する機能を有する必要はない。そのため、例えば、各蓄電素子20の電極端子22との干渉を避ける位置に、Z軸方向で対向する一対の接続壁部63が配置されてもよい。これにより、蓄電素子ユニット24における短側面21bの側から(Y軸方向から)、拘束部材60を蓄電素子ユニット24に取り付けることが可能である。なお、この場合、Y軸方向は第二方向の一例であり、Y軸方向から見た場合、拘束部材60は環状に形成されている。また、側壁部61は、蓄電素子ユニット24の第一方向(X軸方向)の端面24aの、第二方向(Y軸方向)における中央部及びその両側を含む領域に当接する。
【0084】
また、拘束部材が有する開口部の数及び形状は、
図3~
図8に示す数及び形状には限定されない。例えば、拘束部材に求められる強度、または、拘束部材もしくは蓄電素子ユニット24のサイズ等に応じて、拘束部材が有する開口部の数及び形状は適宜決定されてもよい。つまり、第二方向(Z軸方向)から見た場合に環状の拘束部材は、第二方向(Z軸方向)の一方の端縁から他方の側に向けて切欠き状に形成された開口部を介して、蓄電素子ユニット24を第一方向(X軸方向)に押圧できる構造であればよい。
【0085】
また、接続壁部63の形状及びサイズも、拘束部材に求められる強度、または、拘束部材もしくは蓄電素子ユニット24のサイズ等に応じて適宜決定されてもよい。
【0086】
また、蓄電素子ユニット24は、複数のスペーサ42及びエンドプレート41を備えなくてもよい。例えば、各蓄電素子20が、外周を覆う絶縁フィルムを有する場合、互いに隣り合う蓄電素子20の容器21間は、絶縁フィルムによって絶縁される。そのため、互いに隣り合う蓄電素子20の間に、絶縁のためのスペーサ42を配置しなくてもよい。なお、実施の形態に係る蓄電素子ユニット24のように、圧迫される側の端面(つまり端面24a)が、エンドプレート41により形成されている場合、端面24aへの押圧力がエンドプレート41により分散されて、エンドプレート41に隣接する蓄電素子20に与えられる。そのため、拘束部材60の蓄電素子ユニット24への取付作業において、エンドプレート41に隣接する蓄電素子20に局所的に大きな力が作用する可能性が低減される。つまり、過大な押圧力による蓄電素子20の損傷の可能性が低減する。このことは、蓄電装置1の信頼性の向上に寄与する。
【0087】
また、拘束部材60が取り付けられた状態の蓄電素子ユニット24の上面および底面(Z軸方向の両側の面)、並びに、4つの側面(X軸方向の両側の面、および、Y軸方向の両側の面)のうちの少なくとも1つの面が、外装体10に直接的または間接的に固定されてもよい。たとえば、蓄電素子ユニット24の底面が、外装体10の本体部12の底壁部の内面に接着剤によって固定されてもよい。これにより、蓄電素子ユニット24は、X軸方向の膨張が拘束部材60によって抑制され、かつ、Z軸方向の移動(特にZ軸方向プラス側への移動)が、本体部12の底壁部によって抑制される。つまり、複数の蓄電素子20それぞれの様々な方向への変形または変位を、外装体10及び拘束部材60の組み合わせにより効果的に抑制することできる。また、蓄電素子1の全体としての強度、耐振動性、または耐衝撃性などが向上する。この効果は、蓄電素子ユニット24または/及び拘束部材60の底面以外の面を外装体に固定することでも得られる。また、拘束部材60が外装体10に接着剤等で固定された場合、拘束部材60及び外装体10のそれぞれは、一方が他方の強度を向上させる補強部材として機能することができる。なお、蓄電素子ユニット24または/及び拘束部材60を外装体10に固定する手法は、接着剤による接着には限定されず、例えば、凹凸の嵌合による固定、または、熱溶着による固定などの各種の手法を採用することができる。
【0088】
また、上記実施の形態に含まれる構成要素を任意に組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本発明は、リチウムイオン二次電池などの蓄電素子を備えた蓄電装置に適用できる。
【符号の説明】
【0090】
1 蓄電装置
20 蓄電素子
24 蓄電素子ユニット
24a 端面
60、60a、60b、60c 拘束部材
61 側壁部
62、62a、62b、62c 開口部
63 接続壁部
151、152 押圧体