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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-20
(45)【発行日】2023-03-29
(54)【発明の名称】スパンボンド不織布
(51)【国際特許分類】
   D04H 3/018 20120101AFI20230322BHJP
   D04H 3/007 20120101ALI20230322BHJP
   D04H 3/016 20120101ALI20230322BHJP
   D04H 3/16 20060101ALI20230322BHJP
【FI】
D04H3/018
D04H3/007
D04H3/016
D04H3/16
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019505274
(86)(22)【出願日】2018-10-15
(86)【国際出願番号】 JP2018038384
(87)【国際公開番号】W WO2019078176
(87)【国際公開日】2019-04-25
【審査請求日】2021-10-04
(31)【優先権主張番号】P 2017200994
(32)【優先日】2017-10-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000003159
【氏名又は名称】東レ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】中野 洋平
(72)【発明者】
【氏名】島田 大樹
(72)【発明者】
【氏名】羽根 亮一
【審査官】春日 淳一
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-286862(JP,A)
【文献】特開2000-355866(JP,A)
【文献】特開2003-319970(JP,A)
【文献】特開平09-119011(JP,A)
【文献】特開平05-031137(JP,A)
【文献】特開昭64-006161(JP,A)
【文献】特開2011-052332(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D04H1/00-18/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリプロピレン系樹脂からなり、単繊維繊度が0.5~1.0dtexで、かつ扁平度が1.5以上の扁平断面を有する細繊度異型断面繊維から構成されるスパンボンド不織布であって、少なくとも片面のKES法による表面粗さSMDが1.0~3.0μmであり、メルトフローレートが、55~250g/10分であり、かつKES法による平均曲げ剛性Bが0.001~0.020gf・cm/cmであることを特徴とするスパンボンド不織布。
【請求項2】
単位目付当たりの通気量が、4~18cc/cm・秒/(g/m)である請求項1記載のスパンボンド不織布。
【請求項3】
タテ方向の単位目付当たりの引張強度が、1.0N/2.5cm/(g/m)以上である請求項1または2記載のスパンボンド不織布。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリオレフィン系扁平断面繊維からなり、特に衛生材料用途としての使用に適したスパンボンド不織布に関するものである。
【背景技術】
【0002】
紙おむつや生理用ナプキン等の衛生材料用の不織布には、一般的に透水性を有し、肌に直接接するトップシート、吸収体および防水性を有するバックシートから構成されている。これらの中で、バックシートは、防水性の他に直接手で触れる部分であることから、肌触り性や柔軟性、さらには不織布に印刷が施される場合において、印刷に適した不織布表面であることが求められる。
【0003】
これらバックシートの要求の中にある印刷性に対しては、扁平断面繊維を用いることが知られている。例えば、扁平度を1.5以上とした印刷性に優れるバックシート用の不織布が提案されている(特許文献1参照。)。
また別に、扁平断面繊維を細繊度とした繊維からなる不織布の提案もなされている(特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】日本国特開2003-319970号公報
【文献】日本国特開2001-89963号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
確かに、特許文献1に開示される、扁平度が1.5以上の扁平断面繊維から構成される不織布は、丸断面糸に対し表面が平滑になりやすく、印刷性が優れている。しかしながらこの提案では、実施例で用いられている繊維の単繊維繊度が2.8dtexであり、一般的な太さの繊維で不織布が製造されているため、地合が劣位であり、また表面平滑性が不十分で印刷性や肌触り、さらには防水性にも課題があった。
また、特許文献2に開示される提案では原料がポリエチレンテレフタレート(PET)繊維であるために、製造される不織布は硬くなってしまい、また実施例に記載されている表面粗さは大きく、肌触りに劣るという課題があった。
【0006】
そこで本発明の目的は、上記の課題に鑑み、細繊度ながら紡糸性が良好で生産性の高いポリオレフィン系扁平断面繊維からなり、肌触り、柔軟性、防水性および強度に優れており、また表面が平滑な印刷に適したスパンボンド不織布を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のスパンボンド不織布は、ポリオレフィン系樹脂からなる単繊維繊度が0.5~2.0dtexで、かつ扁平度が1.5以上の扁平断面を有する細繊度異型断面繊維から構成され、少なくとも片面のKES法による表面粗さSMDが1.0~3.0μmであり、かつKES法による平均曲げ剛性Bが0.001~0.020gf・cm/cmであることを特徴とするスパンボンド不織布である。
【0008】
本発明のスパンボンド不織布の好ましい態様によれば、前記のスパンボンド不織布の単位目付当たりの通気量は、4~18cc/cm・秒/(g/m)である。
【0009】
本発明のスパンボンド不織布の好ましい態様によれば、前記のスパンボンド不織布のタテ方向の単位目付当たりの引張強度は、1.0N/2.5cm/(g/m)以上である。
【0010】
本発明のスパンボンド不織布の好ましい態様によれば、前記のスパンボンド不織布のメルトフローレートは、45~250g/10分である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、細繊度ながら紡糸性が良好で生産性の高いポリオレフィン系扁平断面繊維からなり、肌触り、柔軟性、防水性および強度に優れており、また表面が平滑で印刷に適したスパンボンド不織布が得られる。これらの特性から、本発明のスパンボンド不織布は、特に衛生材料用途、中でもバックシート用に好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本発明で用いられる扁平断面を有する細繊度異形断面繊維を例示する断面図である。
図2図2は、本発明で用いられる扁平断面を有する細繊度異形断面繊維を例示する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明のスパンボンド不織布は、ポリオレフィン系樹脂からなる単繊維繊度が0.5~2.0dtexで、かつ扁平度が1.5以上の扁平断面を有する細繊度異型断面繊維から構成され、少なくとも片面のKES法による表面粗さSMDが1.0~3.0μmであり、かつKES法による平均曲げ剛性Bが0.001~0.020gf・cm/cmのスパンボンド不織布である。
【0014】
このようにすることにより、肌触り、柔軟性、防水性および強度に優れており、また表面が平滑で印刷に適したスパンボンド不織布とすることができる。
【0015】
本発明で用いられるポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂が挙げられる。ポリエチレン系樹脂としては、エチレンの単独重合体もしくはエチレンと各種α-オレフィンとの共重合体などが挙げられ、ポリプロピレン系樹脂としては、プロピレンの単独重合体もしくはプロピレンと各種α-オレフィンとの共重合体などが挙げられる。紡糸性や強度の特性の観点から、特にポリプロピレン系樹脂が好ましく用いられる。
【0016】
本発明で用いられるポリオレフィン系樹脂としては、2種以上の混合物であってもよく、またその他のオレフィン系樹脂や熱可塑性エラストマー等を含有する樹脂組成物を用いることもできる。
【0017】
本発明で用いられるポリオレフィン系樹脂には、本発明の効果を損なわない範囲で、通常用いられる酸化防止剤、耐候安定剤、耐光安定剤、帯電防止剤、紡曇剤、ブロッキング防止剤、滑剤、核剤、および顔料等の添加物、あるいは他の重合体を必要に応じて添加することができる。
【0018】
本発明で用いられるポリオレフィン系樹脂の融点は、80~200℃であることが好ましく、より好ましくは100~180℃である。融点を好ましくは80℃以上、より好ましくは100℃以上とすることにより、実用に耐え得る耐熱性が得られ易くなる。また、融点を好ましくは200℃以下、より好ましくは180℃以下とすることにより、口金から吐出された糸条を冷却し易くなり、繊維同士の融着を抑制し安定した紡糸が行い易くなる。
【0019】
本発明のスパンボンド不織布を構成する繊維は、単繊維繊度が0.5~2.0dtexであることが重要である。単繊維繊度を0.5dtex以上とし、好ましくは0.6dtex以上とし、より好ましくは0.7dtex以上とすることにより、紡糸性の低下を防ぎ、安定して品質の良いスパンボンド不織布を生産することができる。一方、単繊維繊度を2.0dtex以下とし、好ましくは1.5dtex以下とし、より好ましくは1.0dtex以下とすることにより、柔軟性を向上させ、不織布表面が滑らかで、肌触りに優れたスパンボンド不織布とすることができる。
【0020】
本発明のスパンボンド不織布を構成する繊維の断面形状は扁平断面であり、扁平度が1.5以上であることが重要である。扁平度を1.5以上とし、好ましくは1.7以上とし、より好ましくは2.0以上とすることにより、表面が平滑で印刷するのに好適となり、上記の細繊度との相乗効果により、表面の凹凸が極めて小さく、平滑で肌触りのよい表面を有するスパンボンド不織布とすることができる。上限は特に定めるものではないが、扁平度が5.0以上になると不織布が高密度となり、風合いが硬くなる場合があるため好ましくない。また、本発明で言う扁平断面とは、図1で示すように、楕円形状や、図2で示すように、長辺が実質的な直線となっている形状を指すものである。図1及び図2は、本発明で用いられる扁平断面を有する細繊度異形断面繊維を例示する断面図である。
【0021】
本発明のスパンボンド不織布は、少なくとも片面のKES法(KAWABATA EVALUATION SYSTEM)による表面粗さSMDが1.0~3.0μmであることが重要である。KES法による表面粗さSMDを1.0μm以上とし、好ましくは1.3μm以上とし、より好ましくは1.6μm以上とし、さらに好ましくは2.0μm以上とすることにより、スパンボンド不織布が過度に緻密化して、柔軟性が損なわれたりすることを防ぐことができる。一方、KES法による表面粗さSMDを3.0μm以下とし、好ましくは2.8μm以下とし、より好ましくは2.6μm以下とすることにより、表面が滑らかでざらつき感が小さく、肌触りに優れ、印刷に適したスパンボンド不織布とすることができる。
【0022】
本発明のスパンボンド不織布のKES法による平均曲げ剛性Bは、0.001~0.020gf・cm/cmであることが好ましい。KES法による平均曲げ剛性Bを好ましくは0.020gf・cm/cm以下とし、より好ましくは0.017gf・cm/cm以下とし、さらに好ましくは0.015gf・cm/cm以下とすることにより、特に、衛生材料用のスパンボンド不織布として用いる場合に、十分な柔軟性を得ることができる。また、KES法による平均曲げ剛性Bが極端に低い場合には取り扱い性に劣る場合があるため、平均曲げ剛性Bは0.001gf・cm/cm以上であることが好ましい。KES法による平均曲げ剛性Bは、目付、単繊維繊度および熱圧着条件(圧着率、温度および線圧)によって調整することができる。
【0023】
本発明のスパンボンド不織布の単位目付当たりの通気量は、4~18cc/cm・秒/(g/m)であることが好ましい。単位目付当たりの通気量を好ましくは18cc/cm・秒/(g/m)以下とし、より好ましくは17cc/cm・秒/(g/m)以下とし、さらに好ましくは16cc/cm・秒/(g/m)以下とすることにより、バックシートで必要となる防水性を十分に満たすことができる。一方、単位目付当たりの通気量を好ましくは4cc/cm・秒/(g/m)以上とし、より好ましくは5cc/cm・秒/(g/m)以上とし、さらに好ましくは6cc/cm・秒/(g/m)以上とすることにより、スパンボンド不織布が過度に緻密化して、柔軟性が損なわれたりすることを防ぐことができる。通気量は、目付、単繊維繊度および熱圧着条件(圧着率、温度および線圧)によって調整することができる。
【0024】
本発明のスパンボンド不織布のタテ方向の単位目付当たりの引張強度は、1.0N/2.5cm/(g/m)以上であることが好ましい。単位目付当たりの引張強度を好ましくは1.0N/2.5cm/(g/m)以上とし、より好ましくは1.2N/2.5cm/(g/m)以上とし、さらに好ましくは1.5N/2.5cm/(g/m)以上とすることにより、紙おむつ等を製造する際の工程通過性や製品としての使用に耐え得るものとなる。また、上限値については、あまりに高い場合は、柔軟性を損なう恐れがあるため、3.0N/2.5cm/(g/m)以下であることが好ましい。引張強度は、単繊維繊度、紡糸速度、エンボスロールの圧着率、温度および線圧等により、調整することができる。単繊維繊度と引張強度の関係については、細繊度化により、繊維同士の接着点が増加することにより、引張強度を向上させることができる。
【0025】
本発明のスパンボンド不織布のメルトフローレート(以下、MFRと記載する場合がある。)は、45~250g/10分であることが好ましい。MFRを好ましくは45~250g/10分とし、より好ましくは55~230g/10分とし、さらに好ましくは65~220g/10分とすることにより、生産性を高くするために速い紡糸速度で延伸したとしても、変形に対し容易に追従することができ、安定した紡糸が可能となる。また、安定して速い紡糸速度で延伸することが可能となるため、繊維の配向結晶化を進め、高い機械強度を有する繊維とし、ひいては不織布の強度を高めることができる。
【0026】
スパンボンド不織布のメルトフローレート(MFR)は、ASTM D-1238により、荷重が2160gで、温度が230℃の条件で測定される。
【0027】
本発明のスパンボンド不織布の原料であるポリオレフィン系樹脂のMFRは、上記の理由と同じく好ましくは45~250g/10分であり、より好ましくは55~230g/10分であり、さらに好ましくは65~220g/10分である。このポリオレフィン系樹脂のMFRも、ASTM D-1238により、荷重が2160gで、温度が230℃の条件で測定される。
【0028】
本発明のスパンボンド不織布には、滑り性や柔軟性を向上させるために、構成繊維であるところのポリオレフィン系樹脂からなるポリオレフィン系繊維に、炭素数が23以上50以下の脂肪酸アミド化合物が含有されていることが好ましい態様である。
【0029】
ポリオレフィン系繊維に混合される脂肪酸アミド化合物の炭素数により、脂肪酸アミド化合物の繊維表面への移動速度が変わることが知られている。脂肪酸アミド化合物の炭素数を好ましくは23以上とし、より好ましくは30以上とすることにより、脂肪酸アミド化合物が過度に繊維表面に露出することを抑制し、紡糸性と加工安定性に優れたものとし、高い生産性を保持することができる。一方、脂肪酸アミド化合物の炭素数を好ましくは50以下とし、より好ましくは42以下とすることにより、脂肪酸アミド化合物が繊維表面に移動しやすくなり、スパンボンド不織布に滑り性と柔軟性を付与することができる。
【0030】
本発明で使用される炭素数が23以上50以下の脂肪酸アミド化合物としては、飽和脂肪酸モノアミド化合物、飽和脂肪酸ジアミド化合物、不飽和脂肪酸モノアミド化合物、および不飽和脂肪酸ジアミド化合物などが挙げられる。
具体的には、炭素数が23以上50以下の脂肪酸アミド化合物として、テトラドコサン酸アミド、ヘキサドコサン酸アミド、オクタドコサン酸アミド、ネルボン酸アミド、テトラコサエンタペン酸アミド、ニシン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、メチレンビスラウリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、エチレンビスベヘン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビスベヘン酸アミド、ヘキサメチレンヒドロキシステアリン酸アミド、ジステアリルアジピン酸アミド、ジステアリルセバシン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスエルカ酸アミド、およびヘキサメチレンビスオレイン酸アミドなどが挙げられ、これらは複数組み合わせて用いることもできる。
【0031】
本発明では、これらの脂肪酸アミド化合物の中でも、特に飽和脂肪酸ジアミド化合物であるエチレンビスステアリン酸アミドが好ましく用いられる。エチレンビスステアリン酸アミドは、熱安定性に優れているため溶融紡糸が可能であり、このエチレンビスステアリン酸アミドが配合されたポリオレフィン系繊維により、高い生産性を保持しながら、滑り性や柔軟性に優れたスパンボンド不織布を得ることができる。
【0032】
本発明では、ポリオレフィン系繊維に対する脂肪酸アミド化合物の添加量は、0.01~5.0質量%であることが好ましい態様である。脂肪酸アミド化合物の添加量を好ましくは0.01~5.0質量%とし、より好ましくは0.1~3.0質量%とし、さらに好ましくは0.1~1.0質量%とすることにより、紡糸性を維持しながら適度な滑り性と柔軟性を付与することができる。
【0033】
ここでいう添加量とは、本発明のスパンボンド不織布を構成するポリオレフィン系繊維、具体的には、ポリオレフィン系繊維を構成する樹脂全体に対して添加した脂肪酸アミド化合物の質量パーセントを言う。例えば、芯鞘型複合繊維を構成する鞘部成分のみに脂肪酸アミド化合物を添加する場合でも、芯鞘成分全体量に対する添加割合を算出している。
【0034】
本発明のスパンボンド不織布の目付は、10~100g/mであることが好ましい。目付を好ましくは10g/m以上とし、より好ましくは13g/m以上とし、さらに好ましくは15g/m以上とすることにより、実用に供し得る機械的強度のスパンボンド不織布を得ることができる。一方、目付を好ましくは100g/m以下とし、より好ましくは50g/m以下とし、さらに好ましくは30g/m以下とすることにより、衛生材料用の不織布としての使用に適した適度な柔軟性を有するスパンボンド不織布とすることができる。
【0035】
次に、本発明のスパンボンド不織布を製造する方法の好ましい態様について、具体的に説明する。
【0036】
本発明のスパンボンド不織布は、スパンボンド(S)法により製造される長繊維不織布である。不織布の製造方法としては、スパンボンド法、フラッシュ紡糸法、湿式法、カード法およびエアレイド法等を挙げることができるが、スパンボンド法は、生産性や機械的強度に優れている他、短繊維不織布で起こりやすい毛羽立ちや繊維の脱落を抑制することができる。また、スパンボンド(S)不織布層を、SS(2層)、SSS(3層)およびSSSS(4層)のように複数層積層することにより、生産性や地合均一性を向上させることができる。
【0037】
スパンボンド法では、まず溶融した熱可塑性樹脂(ポリオレフィン系樹脂)を紡糸口金から長繊維として紡出し、これをエジェクターにより圧縮エアで吸引延伸した後、移動するネット上に繊維を捕集して不織繊維ウェブ化する。さらに得られた不織繊維ウェブに熱接着処理を施し、スパンボンド不織布が得られる。
【0038】
紡糸口金やエジェクターの形状としては、丸形や矩形等、種々の形状のものを採用することができる。なかでも、圧縮エアの使用量が比較的少なくエネルギーコストに優れること、糸条同士の融着や擦過が起こりにくく、糸条の開繊も容易であることから、矩形口金と矩形エジェクターの組み合わせが好ましく用いられる。また、紡糸口金の吐出孔の形状は扁平断面糸を得るために、矩形の形状が好ましく用いられる。
【0039】
本発明では、ポリオレフィン系樹脂を押出機において溶融し、計量して紡糸口金へと供給し、長繊維として紡出する。ポリオレフィン系樹脂を溶融し紡糸する際の紡糸温度は、200~270℃であることが好ましく、より好ましくは210~260℃であり、さらに好ましくは220~250℃である。紡糸温度を上記範囲内とすることにより、安定した溶融状態とし、優れた紡糸安定性を得ることができる。
【0040】
紡出された長繊維の糸条は、次に冷却される。紡出された糸条を冷却する方法としては、例えば、冷風を強制的に糸条に吹き付ける方法、糸条周りの雰囲気温度で自然冷却する方法、および紡糸口金とエジェクター間の距離を調整する方法等が挙げられ、またはこれらの方法を組み合わせる方法を採用することができる。また、冷却条件は、紡糸口金の単孔あたりの吐出量、紡糸温度および雰囲気温度等を考慮して適宜調整して採用することができる。
【0041】
次に、冷却固化された糸条は、エジェクターから噴射される圧縮エアによって牽引され、延伸される。
紡糸速度は、3,500~6,500m/分であることが好ましく、より好ましくは4,000~6,500m/分であり、さらに好ましくは4,500~6,500m/分である。紡糸速度を3,500~6,500m/分とすることにより、高い生産性を有することになり、また繊維の配向結晶化が進み、高強度の長繊維を得ることができる。通常では紡糸速度を上げていくと、紡糸性は悪化して糸状を安定して生産することができないが、前述したとおり特定の範囲のMFRを有するポリオレフィン系樹脂を用いることにより、意図するポリオレフィン繊維を安定して紡糸することができる。
【0042】
続いて、得られた長繊維を、移動するネット上に捕集して不織繊維ウェブ化する。本発明においては、高い紡糸速度で延伸するため、エジェクターから出た糸条は高速で噴射される。このように高速で噴射される糸条を制御された状態で開繊し、ネットに捕集することにより、繊維の絡みが少なく、均一性の高いスパンボンド不織布を得ることができる。
【0043】
エジェクターから噴射された糸条を制御された状態で開繊する方法としては、エジェクターとネットの間に角度をつけた平板を設置して糸条を誘導する方法、上記の平板に複数の角度の異なる溝を設けることにより、平板に沿って落下する糸条と溝に沿って落下する糸条に分離させてシート流れ方向に分散し開繊する方法、およびエジェクター出口に複数の角度の異なる平板を櫛歯状に配列し、糸条をそれぞれの平板に沿って落下させることによりシート流れ方向に分散し開繊する方法などが挙げられる。
【0044】
なかでも、細繊維径の糸条を効率よくシート流れ方向に分散させ、極力減速させることなく制御された状態で開繊できることから、エジェクター出口に複数の角度の異なる平板を櫛歯状に配列し、糸条をそれぞれの平板に沿って落下させることにより開繊する方法を用いることが、好ましい態様である。
【0045】
また本発明では、不織繊維ウェブに対して、ネット上でその片面から熱フラットロールを当接して仮接着させることも好ましい態様である。このようにすることにより、ネット上を搬送中に不織繊維ウェブの表層がめくれたり吹き流れたりして地合が悪化することを防ぎ、糸条を捕集してから熱圧着するまでの搬送性を改善することができる。
【0046】
続いて、得られた不織繊維ウェブを、熱接着により一体化することにより、意図するスパンボンド不織布を得ることができる。
【0047】
不織繊維ウェブを熱接着により一体化する方法としては、上下一対のロール表面にそれぞれ彫刻(凹凸部)が施された熱エンボスロール、片方のロール表面がフラット(平滑)なロールと他方のロール表面に彫刻(凹凸部)が施されたロールとの組み合わせからなる熱エンボスロール、および上下一対のフラット(平滑)ロールの組み合わせからなる熱カレンダーロールなど、各種ロールにより熱接着する方法や、ホーンの超音波振動により熱溶着させる超音波接着などの方法が挙げられる。
【0048】
なかでも、生産性に優れ、部分的な熱接着部で強度を付与し、かつ非接着部で不織布ならではの風合いや肌触りを保持することができることから、上下一対のロール表面にそれぞれ彫刻(凹凸部)が施された熱エンボスロール、または片方のロール表面がフラット(平滑)なロールと他方のロール表面に彫刻(凹凸部)が施されたロールとの組み合わせからなる熱エンボスロールを用いることが好ましい態様である。
【0049】
熱エンボスロールの表面材質としては、十分な熱圧着効果を得て、かつ片方のエンボスロールの彫刻(凹凸部)が他方のロール表面に転写することを防ぐため、金属製ロールと金属製ロールを対にすることが好ましい態様である。
【0050】
このような熱エンボスロールによるエンボス接着面積率は、5~30%であることが好ましい。接着面積を好ましくは5%以上とし、より好ましくは8%以上とし、さらに好ましくは10%以上することにより、スパンボンド不織布として実用に供し得る強度を得ることができる。一方、接着面積を好ましくは30%以下とし、より好ましくは25%以下とし、さらに好ましくは20%以下とすることにより、衛生材料用のスパンボンド不織布として、特に紙おむつ用途での使用に適した適度な柔軟性を得ることができる。超音波接着を用いる場合でも、接着面積率は上記と同様の範囲であることが好ましい。
【0051】
ここでいう接着面積率とは、接着部がスパンボンド不織布全体に占める割合のことを言う。具体的には、一対の凹凸を有するロールにより熱接着する場合は、上側ロールの凸部と下側ロールの凸部とが重なって不織繊維ウェブに当接する部分(接着部)のスパンボンド不織布全体に占める割合のことを言う。また、凹凸を有するロールとフラットロールにより熱接着する場合は、凹凸を有するロールの凸部が不織繊維ウェブに当接する部分(接着部)のスパンボンド不織布全体に占める割合のことを言う。また、超音波接着する場合は、超音波加工により熱溶着させる部分(接着部)のスパンボンド不織布全体に占める割合のことを言う。
【0052】
熱エンボスロールや超音波接着による接着部の形状としては、円形、楕円形、正方形、長方形、平行四辺形、ひし形、正六角形および正八角形などを用いることができる。また、接着部は、スパンボンド不織布の長手方向(搬送方向)と幅方向にそれぞれ一定の間隔で均一に存在していることが好ましい。このようにすることにより、スパンボンド不織布の強度のばらつきを低減させることができる。
【0053】
熱接着時の熱エンボスロールの表面温度は、使用しているポリオレフィン系樹脂の融点に対し-50~-15℃とすることが好ましい態様である。熱ロールの表面温度をポリオレフィン系樹脂の融点に対し好ましくは-50℃以上とし、より好ましくは-45℃以上とすることにより、適度に熱接着させ実用に供しうる強度のスパンボンド不織布を得ることができる。また、熱エンボスロールの表面温度をポリオレフィン系樹脂の融点に対し好ましくは-15℃以下とし、より好ましくは-20℃以下とすることにより、過度な熱接着を抑制し、衛生材料用のスパンボンド不織布として、特に紙おむつ用途での使用に適した適度な柔軟性を得ることができる。
【0054】
熱接着時の熱エンボスロールの線圧は、50~500N/cmとすることが好ましい。ロールの線圧を好ましくは50N/cm以上とし、より好ましくは100N/cm以上とし、さらに好ましくは150N/cm以上とすることにより、適度に熱接着させ実用に供しうる強度のスパンボンド不織布を得ることができる。一方、熱エンボスロールの線圧を好ましくは500N/cm以下とし、より好ましくは400N/cm以下とし、さらに好ましくは300N/cm以下とすることにより、衛生材料用のスパンボンド不織布として、特に紙おむつ用途での使用に適した適度な柔軟性を得ることができる。
【0055】
また、本発明では、スパンボンド不織布の厚みを調整することを目的に、上記の熱エンボスロールによる熱接着の前および/あるいは後に、上下一対のフラットロールからなる熱カレンダーロールにより熱圧着を施すことができる。上下一対のフラットロールとは、ロールの表面に凹凸のない金属製ロールや弾性ロールのことであり、金属製ロールと金属製ロールを対にしたり、金属製ロールと弾性ロールを対にしたりして用いることができる。
【0056】
また、ここで弾性ロールとは、金属製ロールと比較して弾性を有する材質からなるロールのことである。弾性ロールとしては、ペーパー、コットンおよびアラミドペーパー等のいわゆるペーパーロールや、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコン系樹脂、ポリエステル系樹脂および硬質ゴム、およびこれらの混合物からなる樹脂製のロールなどが挙げられる。
【0057】
本発明のスパンボンド不織布は、細繊度ながら紡糸性が良好で生産性の高いポリオレフィン系扁平断面繊維からなり、優れた肌触り、柔軟性、防水性および強度を有し、また表面が平滑で印刷に適していることから、特に衛生材料用途、中でも紙おむつのバックシート用に好適に用いることができる。
【実施例
【0058】
次に、実施例に基づき、本発明のスパンボンド不織布について具体的に説明する。
(1)ポリオレフィン系樹脂のメルトフローレート(MFR):
ポリオレフィン系樹脂のメルトフローレートは、ASTM D-1238により、荷重が2160gで、温度が230℃の条件で測定される。
【0059】
(2)単繊維繊度(dtex):
得られた繊維をエポキシ樹脂に包埋して、次いでミクロトームで繊維長手方向に対し水平に切断して試料片を得る。次いで、走査型電子顕微鏡で1000倍の写真を撮影し、任意の50本の単繊維断面の面積を測定した。測定した断面積と使用する樹脂の固形密度から長さ10,000m当たりの重量を単繊維繊度として、小数点以下第二位を四捨五入して算出した。
【0060】
(3)紡糸速度(m/分):
上記の単繊維繊度と、各条件で設定した紡糸口金単孔から吐出される樹脂の吐出量(以下、単孔吐出量と略記する。)(g/分)から、次の式に基づき、紡糸速度を算出した。
・紡糸速度(m/分)=(10000×[単孔吐出量(g/分)])/[平均単繊維繊度(dtex)]。
【0061】
(4)扁平度:
上記の単繊維繊度で撮影した写真から、単繊維断面の短軸長aと長軸長bを測定し、長軸長bを短軸長aで除した値を扁平度とした。
【0062】
(5)スパンボンド不織布の目付:
スパンボンド不織布の目付は、JIS L1913(2010年)6.2「単位面積当たりの質量」に基づき、20cm×25cmの試験片を、試料の幅1m当たり3枚採取し、標準状態におけるそれぞれの質量(g)を量り、その平均値を1m当たりの質量(g/m)で表した。
【0063】
(6)スパンボンド不織布のKES法による表面粗さSMD:
KES法による標準試験で、スパンボンド不織布の表面粗さSMDを測定した。まず、幅200mm×200mmの試験片をスパンボンド不織布の幅方向等間隔に3枚採取し、カトーテック社製KES-FB4-AUTO-A自動化表面試験機を用いて、試験片を試料台にセットし、10gfの荷重をかけた表面粗さ測定用接触子(素材:φ0.5mmピアノ線、接触長さ:5mm)で試験片の表面を走査して、表面の凹凸形状の平均偏差を測定した。この測定をすべての試験片の縦方向(不織布の長手方向)と横方向(不織布の幅方向)で行い、これらの計6点の平均偏差を平均して小数点以下第二位を四捨五入し、表面粗さSMD(μm)とした。表面粗さSMDはスパンボンド不織布の両面で測定し、表1にはこれらのうち小さい方の値を記載した。
【0064】
(7)スパンボンド不織布のKES法による曲げ剛性B:
KES法による標準試験で、スパンボンド不織布の曲げ剛性B値を測定した。まず、タテ方向(不織布の長手方向)とヨコ方向(不織布の幅方向)で幅200mm×200mmの試験片を各3枚採取し、カトーテック社製KES-FB2曲げ特性試験機を用いて、1cmの間隔のチャックに試料を把持して、1cm間隔のチャックに試料を把持して、曲率-2.5~+2.5cm-1の範囲で、0.50cm-1の変形速度で純曲げ試験を行い、測定した値を平均し、小数点以下第四位を四捨五入して曲げ剛性B値を求めた。
【0065】
(8)スパンボンド不織布の単位目付当たりの通気量:
JIS L 1913(2010年)の6.8.1 フラジール形法に準じ、気圧計の圧力125Paで、80cm×100cmの不織布において任意の20点について測定し、平均値について小数点以下第二位を四捨五入して算出した。続いて、算出した通気量(cc/cm・秒)を、上記(5)で求めた目付(g/m)から、次の式より小数点以下第二位を四捨五入して単位目付当たりの通気量を算出した。
・単位目付当たりの通気量=通気量(cc/cm・秒)/目付(g/m)。
【0066】
(9)スパンボンド不織布の単位目付当たりの引張強度:
JIS L1913(2010年)の6.3.1に準じ、サンプルサイズ2.5cm×30cm、つかみ間隔20cm、引張速度10cm/分の条件でMDとCD方向の各3点の引張試験を行い、サンプルが破断した時の強度を引張強度(N/2.5cm)とし、平均値について小数点以下第二位を四捨五入して算出した。続いて、算出した引張強度(N/2.5cm)を、上記(5)で求めた目付(g/m)から、次の式より小数点以下第二位を四捨五入して単位目付当たりの引張強度を算出した。
・単位目付当たりの引張強度=引張強度(N/5cm)/目付(g/m)。
【0067】
(実施例1)
メルトフローレート(MFR)が70g/10分のホモポリマーからなるポリプロピレン樹脂を押出機で溶融し、紡糸温度が235℃で、扁平断面の紡糸口金から、単孔吐出量が0.43g/分で紡出した糸条を、冷却固化した後、矩形エジェクターでエジェクターの圧力を0.30MPaとした圧縮エアによって牽引、延伸し、移動するネット上に捕集してポリプロピレン長繊維からなる不織繊維ウェブを得た。得られたポリプロピレン長繊維の特性は、単繊維繊度が0.9dtexで、扁平度が2.1であり、単繊維繊度から換算した紡糸速度は5,024m/分であった。紡糸性については、1時間の紡糸において糸切れは見られず良好であった。
引き続き、得られた不織繊維ウェブを、上ロールに金属製で水玉柄の彫刻がなされた接着面積率が16%のエンボスロールを用い、下ロールに金属製フラットロールで構成される上下一対の熱エンボスロールを用いて、線圧が300N/cmで、熱接着温度が130℃の温度で熱接着し、目付が18g/mのスパンボンド不織布を得た。得られたスパンボンド不織布について、表面粗さSMD、曲げ剛性B、単位目付当たりの通気量、および単位目付当たりの引張強度を測定して評価した。結果を表1に示す。
【0068】
(実施例2)
ホモポリマーからなるポリプロピレン樹脂のMFRを200g/10分とし、エジェクターの圧力を0.45MPaとしたこと以外は、実施例1と同じ方法により、ポリプロピレン長繊維からなるスパンボンド不織布を得た。得られたポリプロピレン長繊維の特性は、単繊維繊度が0.8dtexで、扁平度が1.6であり、単繊維繊度から換算した紡糸速度は5,492m/分であった。紡糸性については、1時間の紡糸において糸切れは見られず良好であった。得られたスパンボンド不織布について、表面粗さSMD、曲げ剛性B、単位目付当たりの通気量、および単位目付当たりの引張強度を測定して評価した。結果を表1に示す。
【0069】
(実施例3)
ホモポリマーからなるポリプロピレン樹脂に、脂肪酸アミド化合物として、エチレンビスステアリン酸アミドを0.5質量%添加したこと以外は、実施例1と同じ方法により、ポリプロピレン長繊維からなるスパンボンド不織布を得た。得られたポリプロピレン長繊維の特性は、単繊維繊度が0.9dtexで、扁平度が2.1であり、単繊維繊度から換算した紡糸速度は5,037m/分であった。紡糸性については、1時間の紡糸において糸切れは見られず良好であった。得られたスパンボンド不織布について、表面粗さSMD、曲げ剛性B、単位目付当たりの通気量、および単位目付当たりの引張強度を測定して評価した。結果を表1に示す。
【0070】
(比較例1)
ホモポリマーからなるポリプロピレン樹脂のMFRを35g/10分とし、単孔吐出量を0.83g/分とし、エジェクターの圧力を0.20MPaとしたこと以外は、実施例1と同じ方法により、ポリプロピレン長繊維からなるスパンボンド不織布を得た。得られたポリプロピレン長繊維の特性は、単繊維繊度が2.7dtexで、扁平度が2.9であり、単繊維繊度から換算した紡糸速度は3,074m/分であった。紡糸性については、1時間の紡糸において糸切れは見られず良好であった。
得られたスパンボンド不織布について、表面粗さSMD、曲げ剛性B、単位目付当たりの通気量、および単位目付当たりの引張強度を測定して評価した。結果を表1に示す。
【0071】
【表1】
【0072】
実施例1~3のスパンボンド不織布は、細繊度扁平断面糸で構成されているために、表面が滑らかで肌触りに優れ、高い柔軟性と防水性を有していた。また、繊維は細繊度ながら高い紡糸速度で延伸することにより、優れた機械強度を発現していた。さらに、エチレンビスステアリン酸アミドを添加した実施例3のスパンボンド不織布は、より柔軟性が増しており、衛生材料用途として特に好適なものであった。
【0073】
一方、比較例1は、単繊維繊度が2.7dtexと太いために、たとえ扁平断面糸で構成されていても表面のざらつき感が大きく、風合いや肌触りの劣るものであった。
【0074】
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。本出願は2017年10月17日出願の日本特許出願(特願2017-200994)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
図1
図2