(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-20
(45)【発行日】2023-03-29
(54)【発明の名称】自立運転用蓄電システム、蓄電ユニット及び制御方法
(51)【国際特許分類】
H02J 7/34 20060101AFI20230322BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20230322BHJP
H02J 7/02 20160101ALI20230322BHJP
H02J 7/35 20060101ALI20230322BHJP
H02J 3/38 20060101ALI20230322BHJP
H02J 9/06 20060101ALI20230322BHJP
H02J 3/32 20060101ALI20230322BHJP
【FI】
H02J7/34 G
H02J7/00 302C
H02J7/02 F
H02J7/35
H02J3/38 130
H02J9/06 120
H02J3/32
(21)【出願番号】P 2020523612
(86)(22)【出願日】2019-05-22
(86)【国際出願番号】 JP2019020269
(87)【国際公開番号】W WO2019235220
(87)【国際公開日】2019-12-12
【審査請求日】2021-12-21
(31)【優先権主張番号】P 2018108309
(32)【優先日】2018-06-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099933
【氏名又は名称】清水 敏
(74)【代理人】
【識別番号】100124028
【氏名又は名称】松本 公雄
(74)【代理人】
【識別番号】100078813
【氏名又は名称】上代 哲司
(74)【代理人】
【識別番号】100094477
【氏名又は名称】神野 直美
(72)【発明者】
【氏名】秋田 哲男
(72)【発明者】
【氏名】綾井 直樹
【審査官】田中 慎太郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2012/165365(WO,A1)
【文献】特開2016-073020(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/34
H02J 7/00
H02J 7/02
H02J 7/35
H02J 3/38
H02J 9/06
H02J 3/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の蓄電ユニットと、
制御部とを含み、
前記複数の蓄電ユニットの各蓄電ユニットは、蓄電池と、電力の入力端子と、電力の出力端子と、当該入力端子及び当該出力端子を開放又は短絡するスイッチとを有し、前記制御部からの指示にしたがって前記スイッチ及び前記蓄電池の充放電を制御し、
前記複数の蓄電ユニットは、前記複数の蓄電ユニットの各蓄電ユニットの入力端子と、前記各蓄電ユニットとは別の蓄電ユニットであって、前記複数の蓄電ユニットのうちの1つの蓄電ユニットの出力端子とが接続されることにより、前記複数の蓄電ユニット全体として直列接続されており、
直列接続された前記複数の蓄電ユニットにおいて、いずれの蓄電ユニットの出力端子にも接続されていない入力端子は、電力系統の停電時に自立運転を行ない発電した電力を自立出力端子から出力する発電装置の前記自立出力端子に接続され、
直列接続された前記複数の蓄電ユニットにおいて、いずれの蓄電ユニットの入力端子にも接続されていない出力端子は、停電時に電力が供給されるべき特定負荷に接続され、
前記制御部は、前記電力系統が停電状態になったことを受けて、
前記特定負荷に接続された前記蓄電ユニットに要求を送信し、
前記特定負荷に接続された前記蓄電ユニットは、前記制御部から送信された前記要求を受けて、当該蓄電ユニットの蓄電池の蓄電量を前記制御部に送信し、
前記制御部は、前記特定負荷に接続された前記蓄電ユニットから受信した前記蓄電量に応じて、前記複数の蓄電ユニットの各蓄電ユニットに対する前記指示を生成する、自立運転用蓄電システム。
【請求項2】
前記制御部は、
前記蓄電量に加えて前記自立出力端子の出力電力に応じて、前記複数の蓄電ユニットの各蓄電ユニットに対する前記指示を生成する、請求項1に記載の自立運転用蓄電システム。
【請求項3】
前記特定負荷に供給される電流を検出するセンサをさらに含み、
前記制御部は、
前記蓄電量に加えて前記センサの検出値から得た前記特定負荷の消費電力と前記自立出力端子の出力電力とに応じて、前記複数の蓄電ユニットの各蓄電ユニットに対する前記指示を生成する、請求項
1に記載の自立運転用蓄電システム。
【請求項4】
前記制御部は、前記複数の蓄電ユニットの内のいずれかの蓄電ユニットに含まれ、
前記制御部は、前記制御部を含む蓄電ユニットを除く前記複数の蓄電ユニットの各々と、有線又は無線で互いに通信する通信部を含み、
前記制御部は、前記制御部を含む蓄電ユニットを除く前記複数の蓄電ユニットの各々に対して前記指示を、前記通信部を介して送信する、請求項1から請求項
3のいずれか1項に記載の自立運転用蓄電システム。
【請求項5】
蓄電池を含み、別の蓄電ユニットと共通の制御部からの指示にしたがって前記蓄電池の充放電を制御する蓄電ユニットであって、
電力の入力端子と、
電力の出力端子と、
前記入力端子及び前記出力端子を開放又は短絡するスイッチとをさらに含み、
前記蓄電ユニットは、前記入力端子及び前記出力端子の少なくとも一方を介して、前記別の蓄電ユニットと直列接続され、
直列接続された前記蓄電ユニット及び前記別の蓄電ユニットにおいて、いずれの蓄電ユニットの出力端子にも接続されていない入力端子は、電力系統の停電時に自立運転を行ない発電した電力を自立出力端子から出力する発電装置の前記自立出力端子に接続され、
前記蓄電ユニットは、特定負荷に接続された場合、前記電力系統が停電状態になったことを受けて前記制御部から送信される要求を受けて、当該蓄電ユニットの蓄電池の蓄電量を前記制御部に送信し、
前記スイッチは、前記制御部が、
前記蓄電量に基づいて生成して出力した指示に応じて、前記入力端子及び前記出力端子を開放又は短絡する、蓄電ユニット。
【請求項6】
前記蓄電池は、前記スイッチがオンすることにより、前記入力端子と前記出力端子とを短絡する電路に接続されており、
前記スイッチの一端は前記蓄電池に接続され、
前記スイッチの他端は前記入力端子に接続されている、請求項
5に記載の蓄電ユニット。
【請求項7】
複数の蓄電ユニットを含み、
前記複数の蓄電ユニットの各蓄電ユニットは、蓄電池と、電力の入力端子と、電力の出力端子と、当該入力端子及び当該出力端子を開放又は短絡するスイッチとを有し、
前記複数の蓄電ユニットは、前記複数の蓄電ユニットの各蓄電ユニットの入力端子と、前記各蓄電ユニットとは別の蓄電ユニットであって、前記複数の蓄電ユニットのうちの1つの蓄電ユニットの出力端子とが接続されることにより、前記複数の蓄電ユニット全体として直列接続されており、
直列接続された前記複数の蓄電ユニットにおいて、いずれの蓄電ユニットの出力端子にも接続されていない入力端子は、電力系統の停電時に自立運転を行ない発電した電力を自立出力端子から出力する発電装置の前記自立出力端子に接続され、
直列接続された前記複数の蓄電ユニットにおいて、いずれの蓄電ユニットの入力端子にも接続されていない出力端子は、停電時に電力が供給されるべき特定負荷に接続されているシステムの制御方法であって、
前記電力系統が停電状態になったか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにより、前記停電状態が発生したと判定されたことを受けて
、前記複数の蓄電ユニットの各々の前記スイッチ及び前記蓄電池の充放電を制御する制御ステップとを含
み、
前記制御ステップは、
前記判定ステップにより、前記停電状態が発生したと判定されたことを受けて、前記特定負荷に接続された前記蓄電ユニットに要求を送信するステップと、
前記特定負荷に接続された前記蓄電ユニットから、前記要求を受けて送信される、当該蓄電ユニットの蓄電池の蓄電量を受信するステップと、
受信された前記蓄電量に基づいて、前記複数の蓄電ユニットの各々の前記スイッチ及び前記蓄電池の充放電を制御するための指示を生成し、前記複数の蓄電ユニットの各々に送信するステップとを含む、制御方法。
【請求項8】
前記制御ステップは、前記複数の蓄電ユニットのうち、前記特定負荷に接続されている蓄電ユニットの蓄電池を最初に充放電させる
ように、前記指示を生成するステップを
さらに含む、請求項
7に記載の制御方法。
【請求項9】
前記自立出力端子から電力が出力されているか否かを判定する自立出力判定ステップをさらに含み、
前記制御ステップは、前記自立出力判定ステップにより、前記自立出力端子から電力が出力されていると判定されたことを受けて、前記自立出力端子から出力される電力が前記特定負荷に供給されるように、前記複数の蓄電ユニットの各々の前記スイッチを制御しつつ、前記発電装置の余剰電力により、前記複数の蓄電ユニットの各々の前記蓄電池を充電するステップを含み、
前記複数の蓄電ユニットの各々の前記蓄電池の充電割合は、前記複数の蓄電ユニットの各々の前記蓄電池の状態が均等になるように制御される、請求項
7又は請求項
8に記載の制御方法。
【請求項10】
前記制御ステップは、前記自立出力判定ステップにより、前記自立出力端子から電力が出力されていないと判定されたことを受けて、
前記蓄電量がゼロでなければ、前記複数の蓄電ユニットの内、前記自立出力端子に接続されている蓄電ユニットのスイッチである第1スイッチを開放し、且つ、前記複数の蓄電ユニットの内、前記発電装置により近い位置で前記直列接続されている蓄電ユニットの蓄電池から前記特定負荷に電力が供給されるように、前記第1スイッチ以外の、前記複数の蓄電ユニットの各々の前記スイッチを制御する第1ステップを含む、請求項
9に記載の制御方法。
【請求項11】
前記制御ステップは、前記第1ステップの後、前記特定負荷に電力を出力していた蓄電ユニットの蓄電池の蓄電量がゼロになったか否かを判定する蓄電量判定ステップをさらに含み、
前記制御ステップは、前記蓄電量判定ステップにより、前記特定負荷に電力を出力していた蓄電ユニットの蓄電池の蓄電量がゼロになったと判定されたことを受けて、当該蓄電ユニットのスイッチである第2スイッチを開放し、且つ、当該蓄電ユニットよりも、前記特定負荷に近い位置で前記直列接続されている蓄電ユニットの蓄電池から前記特定負荷に電力が供給されるように、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチ以外の、前記複数の蓄電ユニットの各々の前記スイッチを制御する第2ステップをさらに含む、請求項
10に記載の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、自立運転用蓄電システム、蓄電ユニット及び制御方法に関する。本出願は、2018年6月6日出願の日本出願第2018-108309号に基づく優先権を主張し、前記日本出願に記載された全ての記載内容を援用するものである。
【背景技術】
【0002】
電力系統に接続され、一旦蓄電池に蓄えた電力を、停電時等に電力変換装置を介して負荷に供給することができる蓄電システムが知られている。太陽光発電システムにも接続され、負荷に供給される電力を超えた発電電力(余剰電力)を蓄える蓄電システムも知られている。そのような蓄電システムにおいて、一旦、所定容量の蓄電システムを設置した後に、何らかの理由により大容量の電力を蓄電することが必要になることがある。後掲の特許文献1には、既設の太陽光発電システムにおいて、設置後にバックアップ電源システムの容量の増大を簡易に行なうことができる技術が開示されている。
【0003】
既設の蓄電システムにおいて蓄電容量を増大するために、蓄電池のみで構成される増設ユニットが追加される。
図1を参照して、蓄電ユニット900のパワーコンディショナ(以下、PCS(Power Conditioning System)という)は特定コンセント906に接続されている。電力系統に停電が発生すると、蓄電ユニット900のPCSは、リモコン904による設定に応じて、蓄電ユニット900及び増設ユニット902に蓄えられた電力を直流から交流に変換して、特定コンセント906に供給する。これにより、特定コンセント906に接続されている機器には、停電時にも電力が供給される。蓄電ユニット900の蓄電池に、増設ユニット902の蓄電池が並列に接続されることにより蓄電容量が大きくなる。したがって、比較的小容量の要望には蓄電ユニット900単体で対応し、要求される容量がより大きければ、増設ユニット902を追加することで対応が可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【0005】
本開示のある局面に係る自立運転用蓄電システムは、複数の蓄電ユニットと、制御部とを含み、複数の蓄電ユニットの各蓄電ユニットは、蓄電池と、電力の入力端子と、電力の出力端子と、当該入力端子及び当該出力端子を開放又は短絡するスイッチとを有し、制御部からの指示にしたがってスイッチ及び蓄電池の充放電を制御し、複数の蓄電ユニットは、複数の蓄電ユニットの各蓄電ユニットの入力端子と、各蓄電ユニットとは別の蓄電ユニットであって、複数の蓄電ユニットのうちの1つの蓄電ユニットの出力端子とが接続されることにより、複数の蓄電ユニット全体として直列接続されており、直列接続された複数の蓄電ユニットにおいて、いずれの蓄電ユニットの出力端子にも接続されていない入力端子は、電力系統の停電時に自立運転を行ない発電した電力を自立出力端子から出力する発電装置の自立出力端子に接続され、直列接続された複数の蓄電ユニットにおいて、いずれの蓄電ユニットの入力端子にも接続されていない出力端子は、停電時に電力が供給されるべき特定負荷に接続され、制御部は、電力系統が停電状態になったことを受けて、複数の蓄電ユニットの各蓄電ユニットに対する指示を生成する。
【0006】
本開示の別の局面に係る蓄電ユニットは、蓄電池を含み、別の蓄電ユニットと共通の制御部からの指示にしたがって蓄電池の充放電を制御する蓄電ユニットであって、電力の入力端子と、電力の出力端子と、入力端子及び出力端子を開放又は短絡するスイッチとをさらに含み、蓄電ユニットは、入力端子及び出力端子の少なくとも一方を介して、別の蓄電ユニットと直列接続され、スイッチは、制御部が、電力系統が停電状態になったことを受けて出力した指示に応じて、入力端子及び出力端子を開放又は短絡する。
【0007】
本開示のさらに別の局面に係る制御方法は、複数の蓄電ユニットを含み、複数の蓄電ユニットの各蓄電ユニットは、蓄電池と、電力の入力端子と、電力の出力端子と、当該入力端子及び当該出力端子を開放又は短絡するスイッチとを有し、複数の蓄電ユニットは、複数の蓄電ユニットの各蓄電ユニットの入力端子と、各蓄電ユニットとは別の蓄電ユニットであって、複数の蓄電ユニットのうちの1つの蓄電ユニットの出力端子とが接続されることにより、複数の蓄電ユニット全体として直列接続されており、直列接続された複数の蓄電ユニットにおいて、いずれの蓄電ユニットの出力端子にも接続されていない入力端子は、電力系統の停電時に自立運転を行ない発電した電力を自立出力端子から出力する発電装置の自立出力端子に接続され、直列接続された複数の蓄電ユニットにおいて、いずれの蓄電ユニットの入力端子にも接続されていない出力端子は、停電時に電力が供給されるべき特定負荷に接続されているシステムの制御方法であって、電力系統が停電状態になったか否かを判定する判定ステップと、判定ステップにより、停電状態が発生したと判定されたことを受けて、自立出力端子から供給されている電力量、及び、複数の蓄電ユニットの各々の蓄電池の蓄電量に応じて、複数の蓄電ユニットの各々のスイッチ及び蓄電池の充放電を制御する制御ステップとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、従来の自立運転用蓄電システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、同じ製品の蓄電ユニットを複数並列に備える自立運転用蓄電システムの構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、本開示の実施形態に係る自立運転用蓄電システムの構成を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、
図3のリモコンの動作を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、
図3の蓄電ユニットの動作を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、
図3の増設ユニットの動作を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、
図3の発電装置の動作を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、
図3の蓄電ユニット及び増設ユニットの停電時における状態を示すブロック図である。
【
図9】
図9は、
図3の蓄電ユニット及び増設ユニットの停電時における、
図8とは別の状態を示すブロック図である。
【
図10】
図10は、
図3の蓄電ユニット及び増設ユニットの停電時における、
図8及び
図9とは別の状態を示すブロック図である。
【
図13】
図13は、第2変形例におけるリモコンの動作を示すフローチャートである。
【
図14】
図14は、第3変形例に係る自立運転用蓄電システムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本開示が解決しようとする課題]
図1の構成では、増設ユニット902は、蓄電ユニット900とは構成が異なるため、蓄電ユニット900と増設ユニット902とをそれぞれ別の製品番号を付して管理することが必要になる。また、蓄電ユニット900の製造台数と増設ユニット902の製造台数とを調整することも必要になり、煩雑である。
【0010】
したがって、本開示は、蓄電ユニットを複数備え、電力系統に停電が発生した場合に、特定負荷に効率的に電力を供給することができる自立運転用蓄電システム、蓄電ユニット及びその制御方法を提供することを目的とする。
【0011】
[本開示の効果]
本開示によれば、蓄電ユニットを複数備える自立運転用蓄電システムにおいて、電力系統に停電が発生した場合に、特定負荷に効率的に電力を供給できる。
【0012】
[本開示の実施形態の説明]
最初に、本開示の実施の形態の内容を列記して説明する。以下に記載する実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
【0013】
(1)本開示のある局面に係る自立運転用蓄電システムは、複数の蓄電ユニットと、制御部とを含み、複数の蓄電ユニットの各蓄電ユニットは、蓄電池と、電力の入力端子と、電力の出力端子と、当該入力端子及び当該出力端子を開放又は短絡するスイッチとを有し、制御部からの指示にしたがってスイッチ及び蓄電池の充放電を制御し、複数の蓄電ユニットは、複数の蓄電ユニットの各蓄電ユニットの入力端子と、各蓄電ユニットとは別の蓄電ユニットであって、複数の蓄電ユニットのうちの1つの蓄電ユニットの出力端子とが接続されることにより、複数の蓄電ユニット全体として直列接続されており、直列接続された複数の蓄電ユニットにおいて、いずれの蓄電ユニットの出力端子にも接続されていない入力端子は、電力系統の停電時に自立運転を行ない発電した電力を自立出力端子から出力する発電装置の自立出力端子に接続され、直列接続された複数の蓄電ユニットにおいて、いずれの蓄電ユニットの入力端子にも接続されていない出力端子は、停電時に電力が供給されるべき特定負荷に接続され、制御部は、電力系統が停電状態になったことを受けて、複数の蓄電ユニットの各蓄電ユニットに対する指示を生成する。
【0014】
上記した従来技術の問題を解決するために、
図2のように、蓄電ユニット910と同じ製品の増設ユニット912を追加することが考えられる。蓄電ユニット910及び増設ユニット912は、発電装置920の自立出力端子に並列に接続されている。即ち、蓄電ユニット910は、第1自立出力端子926に接続され、停電時に、第1特定負荷922に電力を供給可能に構成されている。増設ユニット912は、第2自立出力端子928に接続され、停電時に、第2特定負荷924に電力を供給可能に構成されている。なお、実際の配電線は複数本(2相又は3相)であるが、
図2では1本のラインで示している。
【0015】
停電が発生すると、リモコン914は、発電装置920が発電中であれば、発電された電力が第1特定負荷922に供給されるように蓄電ユニット910のPCSを制御する。第1自立出力端子926から供給される電力が、第1特定負荷922の消費電力を超える場合(余剰電力がある場合)、リモコン914は、余剰電力で蓄電ユニット910内部の蓄電池を充電するように、蓄電ユニット910のPCSを制御する。第1自立出力端子926から供給される電力が、第1特定負荷922の消費電力よりも小さい場合、リモコン914は、不足する電力を蓄電ユニット910内部の蓄電池から供給するように、蓄電ユニット910のPCSを制御する。発電装置920が発電中でなければ、リモコン914は、蓄電ユニット910内部の蓄電池から電力を第1特定負荷922に供給するように、蓄電ユニット910のPCSを制御する。
【0016】
リモコン916もリモコン914と同様に動作する。即ち、停電が発生すると、リモコン916は、発電装置920が発電中であれば、発電された電力が第2特定負荷924に供給されるように増設ユニット912のPCSを制御する。第2自立出力端子928から供給される電力が、第2特定負荷924の消費電力を超える場合、リモコン916は、余剰電力で増設ユニット912内部の蓄電池を充電するように、増設ユニット912のPCSを制御する。第2自立出力端子928から供給される電力が、第2特定負荷924の消費電力よりも小さい場合、リモコン916は、不足する電力を増設ユニット912内部の蓄電池から供給するように、増設ユニット912のPCSを制御する。発電装置920が発電中でなければ、リモコン916は、増設ユニット912内部の蓄電池から電力を第2特定負荷924に供給するように、増設ユニット912のPCSを制御する。
【0017】
しかし、
図2の構成では、発電装置の自立出力が2系統必要であり、蓄電ユニット910及び増設ユニット912のそれぞれを制御するために合計2つのリモコンが必要である等、冗長なシステムである。また、異常発生時等に、2つのリモコンをそれぞれ操作する必要があり煩雑である。これに対して、上記した本開示のある局面に係る自立運転用蓄電システムでは、従来技術の問題を解決できることに加えて、電力系統に停電が発生した場合に、複数の蓄電ユニット及び発電装置のいずれかから特定負荷に効率的に電力を供給できる。また、複数の蓄電ユニットが直列接続されていることにより、並列接続される場合よりも長い時間、特定負荷に電力を供給できる。
【0018】
(2)好ましくは、制御部は、自立出力端子の出力電力に応じて、複数の蓄電ユニットの各蓄電ユニットに対する指示を生成する。これにより、複数の蓄電ユニット及び発電装置の中から、特定負荷に供給する電力源を適切に決定できる。
【0019】
(3)より好ましくは、特定負荷に供給される電流を検出するセンサをさらに含み、制御部は、センサの検出値から得た特定負荷の消費電力と自立出力端子の出力電力とに応じて、複数の蓄電ユニットの各蓄電ユニットに対する指示を生成する。これにより、複数の蓄電ユニット及び発電装置の中から、特定負荷に供給する電力源を、より適切に決定できる。
【0020】
(4)さらに好ましくは、制御部は、蓄電ユニットの蓄電池の蓄電量に応じて、当該蓄電ユニットに対する指示を生成する。これにより、複数の蓄電ユニット及び発電装置の中から、特定負荷に供給する電力源を適切に決定でき、1つの蓄電ユニットの蓄電池から電力を供給しているときに蓄電量がゼロになれば、別の蓄電ユニットの蓄電池から電力を供給できる。
【0021】
(5)好ましくは、制御部は、複数の蓄電ユニットの内のいずれかの蓄電ユニットに含まれ、制御部は、制御部を含む蓄電ユニットを除く複数の蓄電ユニットの各々と、有線又は無線で互いに通信する通信部を含み、制御部は、制御部を含む蓄電ユニットを除く複数の蓄電ユニットの各々に対して指示を、通信部を介して送信する。
【0022】
(6)より好ましくは、制御部は、直列接続された複数の蓄電ユニットのうち、特定負荷に接続されている蓄電ユニットの蓄電池を最初に充放電させるように、複数の蓄電ユニットの各蓄電ユニットに対する指示を生成する。
【0023】
(7)さらに好ましくは、制御部は、直列接続された複数の蓄電ユニットにおいて、特定負荷により近い位置で接続されている蓄電ユニットの蓄電池をより優先的に充放電させるように、複数の蓄電ユニットの各蓄電ユニットに対する指示を生成する。
【0024】
(8)好ましくは、制御部は、自立出力端子から供給される電力量が所定値未満になったことを受けて、特定負荷に電力を供給する蓄電ユニットのスイッチをオフして当該蓄電ユニットの蓄電池への自立出力端子からの電力供給を停止し、当該蓄電ユニットよりも特定負荷側に位置する蓄電ユニットのスイッチをオンするように、複数の蓄電ユニットの各蓄電ユニットに対する指示を生成する。
【0025】
(9)より好ましくは、蓄電ユニットは、電力系統が停電状態になったことを受けて制御部から送信される要求を受けて、当該蓄電ユニットの蓄電池の蓄電量を制御部に送信する。
【0026】
(10)さらに好ましくは、自立運転用蓄電システムはリモコンをさらに含み、制御部はリモコンに含まれる。
【0027】
(11)好ましくは、自立運転用蓄電システムは、電力系統から供給される電力を検出するセンサと、当該センサの検出値に応じて、電力系統が停電状態になったか否かを判定する判定部とをさらに含む。
【0028】
(12)より好ましくは、制御部は、外部装置から、電力系統が停電状態になったことを表す信号を受信する受信部を含む。
【0029】
(13)さらに好ましくは、自立運転用蓄電システムは、電力系統が停電状態になったことを受けて、特定負荷を電力系統から切り離し、直列接続された複数の蓄電ユニットに接続する切替部をさらに含む。
【0030】
(14)本開示の別の局面に係る蓄電ユニットは、蓄電池を含み、別の蓄電ユニットと共通の制御部からの指示にしたがって蓄電池の充放電を制御する蓄電ユニットであって、電力の入力端子と、電力の出力端子と、入力端子及び出力端子を開放又は短絡するスイッチとをさらに含み、蓄電ユニットは、入力端子及び出力端子の少なくとも一方を介して、別の蓄電ユニットと直列接続され、直列接続された蓄電ユニット及び別の蓄電ユニットにおいて、いずれの蓄電ユニットの出力端子にも接続されていない入力端子は、電力系統の停電時に自立運転を行ない発電した電力を自立出力端子から出力する発電装置の自立出力端子に接続され、スイッチは、制御部が、発電装置の自立出力端子の出力電力が消失状態になったことを受けて出力した指示に応じて、入力端子及び出力端子を開放又は短絡する。
【0031】
(15)好ましくは、蓄電池は、スイッチがオンすることにより、入力端子と出力端子とを短絡する電路に接続されており、スイッチの一端は蓄電池に接続され、スイッチの他端は入力端子に接続されている。
【0032】
(16)本開示のさらに別の局面に係る制御方法は、複数の蓄電ユニットを含み、複数の蓄電ユニットの各蓄電ユニットは、蓄電池と、電力の入力端子と、電力の出力端子と、当該入力端子及び当該出力端子を開放又は短絡するスイッチとを有し、複数の蓄電ユニットは、複数の蓄電ユニットの各蓄電ユニットの入力端子と、各蓄電ユニットとは別の蓄電ユニットであって、複数の蓄電ユニットのうちの1つの蓄電ユニットの出力端子とが接続されることにより、複数の蓄電ユニット全体として直列接続されており、直列接続された複数の蓄電ユニットにおいて、いずれの蓄電ユニットの出力端子にも接続されていない入力端子は、電力系統の停電時に自立運転を行ない発電した電力を自立出力端子から出力する発電装置の自立出力端子に接続され、直列接続された複数の蓄電ユニットにおいて、いずれの蓄電ユニットの入力端子にも接続されていない出力端子は、停電時に電力が供給されるべき特定負荷に接続されているシステムの制御方法であって、電力系統が停電状態になったか否かを判定する判定ステップと、判定ステップにより、停電状態が発生したと判定されたことを受けて、自立出力端子から供給されている電力量、及び、複数の蓄電ユニットの各々の蓄電池の蓄電量に応じて、複数の蓄電ユニットの各々のスイッチ及び蓄電池の充放電を制御する制御ステップとを含む。
【0033】
(17)好ましくは、制御ステップは、複数の蓄電ユニットのうち、特定負荷に接続されている蓄電ユニットの蓄電池を最初に充放電させるステップを含む。
【0034】
(18)より好ましくは、自立出力端子から電力が出力されているか否かを判定する自立出力判定ステップをさらに含み、制御ステップは、自立出力判定ステップにより、自立出力端子から電力が出力されていると判定されたことを受けて、自立出力端子から出力される電力が特定負荷に供給されるように、複数の蓄電ユニットの各々のスイッチを制御しつつ、発電装置の余剰電力により、複数の蓄電ユニットの各々の蓄電池を充電するステップを含み、複数の蓄電ユニットの各々の蓄電池の充電割合は、複数の蓄電ユニットの各々の蓄電池の状態が均等になるように制御される。
【0035】
(19)より好ましくは、制御ステップは、自立出力判定ステップにより、自立出力端子から電力が出力されていないと判定されたことを受けて、複数の蓄電ユニットの内、自立出力端子に接続されている蓄電ユニットのスイッチである第1スイッチを開放し、且つ、複数の蓄電ユニットの内、発電装置により近い位置で直列接続されている蓄電ユニットの蓄電池から特定負荷に電力が供給されるように、第1スイッチ以外の、複数の蓄電ユニットの各々のスイッチを制御する第1ステップを含む。
【0036】
(20)さらに好ましくは、制御ステップは、第1ステップの後、特定負荷に電力を出力していた蓄電ユニットの蓄電池の蓄電量がゼロになったか否かを判定する蓄電量判定ステップをさらに含み、制御ステップは、蓄電量判定ステップにより、特定負荷に電力を出力していた蓄電ユニットの蓄電池の蓄電量がゼロになったと判定されたことを受けて、当該蓄電ユニットのスイッチである第2スイッチを開放し、且つ、当該蓄電ユニットよりも、特定負荷に近い位置で直列接続されている蓄電ユニットの蓄電池から特定負荷に電力が供給されるように、第1スイッチ及び第2スイッチ以外の、複数の蓄電ユニットの各々のスイッチを制御する第2ステップをさらに含む。
【0037】
[本開示の実施形態の詳細]
以下の実施の形態では、同一の部品には同一の参照番号を付してある。それらの名称及び機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
【0038】
(実施形態)
[全体構成]
図3を参照して、本開示の実施形態に係る自立運転用蓄電システム100は、蓄電ユニット102と、増設ユニット104と、リモコン106と、切替部108と、第1センサ110と、第2センサ132とを含む。蓄電ユニット102は、発電装置120の自立出力端子122に接続されている。増設ユニット104は、蓄電ユニット102に直列に接続されている。リモコン106は、通信部107を含む。リモコン106は、通信部107を介して蓄電ユニット102及び増設ユニット104と、有線又は無線により通信する。切替部108は、増設ユニット104に接続されている。第1センサ110は、特定負荷124に供給される電力を測定する。第2センサ132は、電力系統130からの電力供給を検出する。特定負荷124は、電力系統130に停電が発生していないとき(以下、通常時ともいう)に限らず、停電が発生しているとき(以下、停電時ともいう)にも電力が供給されるべき負荷である。一般負荷134は、通常時に電力が供給されるが、停電時には電力が供給されない負荷である。なお、実際の配電線は複数本(2相又は3相)であるが、
図3では1本のラインで示している。
【0039】
発電装置120は、電力系統130から一般負荷134に電力を供給するための配電線に接続され、通常時には、発電した電力を一般負荷134に供給できる。発電装置120は、電力系統130の停電時には、第2センサ132に電力を供給するための配電線への接続を開放して自立運転を開始し、自立出力端子122から電力を供給する。第2センサ132は、例えば電力系統130から供給される電圧を検出する電圧センサであり、発電装置120は、第2センサ132の検出値により、停電の発生の有無を判定できる。発電装置120は、自立運転を開始すると、自立出力端子122から供給する電力量を表す情報(以下、自立出力情報ともいう)をリモコン106に送信する。ここでは、発電装置120は、太陽光パネルとPCSとを備えた太陽光発電システムである。発電装置120のPCSは、制御部(CPU、マイコン等)と記憶部(例えば、書換可能な不揮発性メモリ)と通信部とを備え、リモコン106の通信部と通信を行なう。
【0040】
蓄電ユニット102及び増設ユニット104はそれぞれ、PCSと蓄電池(リチウムイオン二次電池等)とを備える。蓄電ユニット102及び増設ユニット104はそれぞれ、外部から供給される電力(交流)を、PCSを介して交流から直流に変換して内部の蓄電池に蓄える。蓄電ユニット102及び増設ユニット104の各PCSは、制御部(CPU、マイコン等)と記憶部(例えば、書換可能な不揮発性メモリ)と通信部とを備えている。各PCSは、自機の通信部を介してリモコン106の通信部107と通信を行ない、運転/停止等の指示を受信する。各PCSは、リモコン106からの指示に応じて充放電動作を実行する。ここでは、蓄電ユニット102と増設ユニット104とは同じ構成であり、蓄電池の容量も同じであるとする。即ち、蓄電ユニット102及び増設ユニット104は同じ製品として市場に提供される。
【0041】
また、蓄電ユニット102及び増設ユニット104はそれぞれ、第1バイパススイッチ112及び第2バイパススイッチ114を備えている。蓄電ユニット102の第1バイパススイッチ112は、その一端(蓄電ユニット102の入力端)が自立出力端子122に接続され、他端(蓄電ユニット102の出力端)がPCSに接続されている。即ち、第1バイパススイッチ112は、PCS及び蓄電池よりも蓄電ユニット102の入力端子側に配置されている。増設ユニット104の第2バイパススイッチ114は、その一端(増設ユニット104の入力端)が蓄電ユニット102の出力端に接続され、他端(増設ユニット104の出力端)がPCSに接続されている。即ち、第2バイパススイッチ114は、PCS及び蓄電池よりも増設ユニット104の入力端子側に配置されている。
【0042】
切替部108は、一方の入力端140が増設ユニット104の出力端に接続され、他方の入力端142が電力系統130から電力を供給するための配電線に接続されており、出力端144は特定負荷124に接続されている。切替部108は、リモコン106により制御され、通常時には他方の入力端142と出力端144とを接続し、電力系統130の停電時には一方の入力端140と出力端144とを接続する。これにより、通常時と電力系統130の停電時とにおいて、特定負荷124に供給する電力の供給源が変更される。
【0043】
リモコン106は、制御部(CPU、マイコン等)と記憶部(例えば、書換可能な不揮発性メモリ)と通信部とを備えている。リモコン106は、蓄電ユニット102及び増設ユニット104と通信し、受信した情報を適宜記憶部に記憶する。リモコン106は、第1センサ110の検出値を受けて、特定負荷124に供給されている電力量を求めることができる。第1センサ110は、例えば電流センサであり、設置された位置で配電線に流れる電流(交流)を検出し、対応する情報(電流値等)を出力する。また、リモコン106は、第2センサ132の検出値を受けて、電力系統130に停電が発生したか否かを判定できる。リモコン106は、停電が発生したことを検出すると、切替部108を制御して、上記したように接続を切替えさせ、発電装置120から取得した自立出力情報に応じて、蓄電ユニット102及び増設ユニット104の各PCSを制御する。
【0044】
[制御動作]
以下に、
図4から
図7を参照して、電力系統130の停電時におけるリモコン106、蓄電ユニット102、増設ユニット104及び発電装置120が行なう動作を具体的に説明する。ここでは、蓄電ユニット102及び増設ユニット104は、通常時(初期状態)には、それぞれ第1バイパススイッチ112及び第2バイパススイッチ114が開放(オフ)され、それぞれのPCSは停止しているとする。なお、PCSが停止している状態では、PCSは充放電の制御動作を停止しているが、リモコン106と通信可能な状態にある。
【0045】
図4のフローチャートはリモコン106により実行される。具体的には、リモコン106の制御部が、リモコン106内部の記憶部から所定のプログラムを読出して実行する。
【0046】
ステップ200において、リモコン106は、特定負荷124の消費電力を測定する。具体的には、リモコン106は、第1センサ110から入力される情報(電流値)から特定負荷124に供給されている電力を求め、内部の記憶部に記憶する。後述するように、ステップ200は繰返されるので、最新の電力値を記憶しておけばよい。その後制御は、ステップ202に移行する。
【0047】
ステップ202において、リモコン106は、電力系統130に停電が発生しているか否かを判定する。具体的には、リモコン106は、第2センサ132からの情報(電圧値)により、停電時であるか否かを判定する。例えば、電圧が所定値(ゼロに近い値)以下であれば、停電時であると判定することができる。停電時であると判定された場合、制御はステップ204に移行する。そうでなければ、制御はステップ200に戻る。
【0048】
ステップ204において、リモコン106は、上記したように切替部108を停電時の設定(入力端140及び出力端144が接続)にし、増設ユニット104内部の蓄電池の蓄電量(以下、SOC(State Of Charge)という)の送信を要求する要求コード(以下、SOC要求コードともいう)を、増設ユニット104に送信する。後述するように、ステップ204は繰返されるので、既に切替部108が停電時の設定になっていれば、その状態が維持される。その後、制御はステップ206に移行する。
【0049】
ステップ206において、リモコン106は、ステップ204で増設ユニット104に要求したSOCと、発電装置120の自立出力電力の情報とを取得したか否かを判定する。自立出力電力の情報は、上記したように、停電が発生すると、発電装置120からリモコン106に送信される自立出力情報(自立出力端子122から供給する電力量)である。両方を取得したと判定された場合、リモコン106は、取得したSOC及び自立出力情報を記憶部に記憶し、制御はステップ208に移行する。そうでなければ、ステップ206が繰返される。後述するように、ステップ206は繰返されるので、SOC及び自立出力情報は最新の値が記憶されていればよい。
【0050】
ステップ208において、リモコン106は、ステップ206で取得したSOC(増設ユニット104の蓄電池の蓄電量)がゼロであるか否かを判定する。SOC=0であると判定された場合、制御はステップ210に移行する。そうでなければ、制御はステップ218に移行する。
【0051】
ステップ210において、リモコン106は、入力される電力をバイパス出力し、且つ、PCSを停止するように、増設ユニット104に指示を送信する。指示は、例えば、バイパスパラメータ(バイパススイッチのON/OFF)及び充放電パラメータの組を含むようにすればよい。バイパスパラメータに関しては、例えば、“1”はバイパス出力の指示、即ち、ユニット内部のバイパススイッチをオン(短絡)する指示を表し、“0”はバイパス出力しない指示、即ち、ユニット内部のバイパススイッチをオフする指示を表す。充放電パラメータに関しては、例えば、“-1”は充電の指示、“1”は放電の指示、“0”は停止(充放電なし)の指示を表す。このような規則が予め定められていれば、リモコン106は増設ユニット104に、(1,0)のデータ(バイパスパラメータが“1”(バイパス出力する)、充放電パラメータが“0”(PCSを停止))を含む指示を送信すればよい。その後制御は、ステップ212に移行する。
【0052】
ステップ212において、リモコン106は、ステップ206で取得した自立出力電力が、ステップ200で測定した特定負荷124の電力以上であるか否かを判定する。自立出力電力が特定負荷電力以上であると判定された場合、制御はステップ214に移行する。そうでなければ、制御はステップ216に移行する。
【0053】
ステップ214において、リモコン106は、蓄電ユニット102に入力される電力をバイパス出力し、且つ、充電するように、蓄電ユニット102に指示を送信する。具体的には、バイパスパラメータ及び充放電パラメータを上記のように設定するとすれば、リモコン106は蓄電ユニット102に、(1,-1)のデータを含む指示を送信すればよい。その後制御は、ステップ226に移行する。(1,-1)のデータは、バイパスパラメータが“1”(バイパス出力する)、充放電パラメータが“-1”(充電)を表す。
【0054】
ステップ216において、リモコン106は、蓄電ユニット102に入力される電力をバイパス出力せず、且つ、放電するように、蓄電ユニット102に指示を送信する。具体的には、バイパスパラメータ及び充放電パラメータを上記のように設定するとすれば、リモコン106は蓄電ユニット102に、(0,1)のデータを含む指示を送信すればよい。(0,1)のデータは、バイパスパラメータが“0”(バイパス出力しない)、充放電パラメータが“1”(放電)を表す。その後制御は、ステップ226に移行する。
【0055】
一方、SOC=0でない場合(ステップ208参照)、ステップ218において、リモコン106は、蓄電ユニット102に入力される電力をバイパス出力し、且つ、PCSを停止するように、蓄電ユニット102に指示を送信する。具体的には、バイパスパラメータ及び充放電パラメータを上記のように設定するとすれば、リモコン106は蓄電ユニット102に、(1,0)のデータを含む指示を送信すればよい。(1,0)のデータは、バイパスパラメータが“1”(バイパス出力する)、充放電パラメータが“0”(PCSを停止)を表す。その後制御は、ステップ220に移行する。
【0056】
ステップ220において、リモコン106は、ステップ206で取得した自立出力電力が、ステップ200で測定した特定負荷124の電力以上であるか否かを判定する。自立出力電力が特定負荷電力以上であると判定された場合、制御はステップ222に移行する。そうでなければ、制御はステップ224に移行する。
【0057】
ステップ222において、リモコン106は、増設ユニット104に入力される電力をバイパス出力し、且つ、充電するように、増設ユニット104に指示を送信する。具体的には、バイパスパラメータ及び充放電パラメータを上記のように設定するとすれば、リモコン106は増設ユニット104に、(1,-1)のデータを含む指示を送信すればよい。(1,-1)のデータは、バイパスパラメータが“1”(バイパス出力する)、充放電パラメータが“-1”(充電)を表す。その後制御は、ステップ226に移行する。
【0058】
ステップ224において、リモコン106は、増設ユニット104に入力される電力をバイパス出力せず、且つ、放電するように、増設ユニット104に指示を送信する。具体的には、バイパスパラメータ及び充放電パラメータを上記のように設定するとすれば、リモコン106は増設ユニット104に、(0,1)のデータを含む指示を送信すればよい。(0,1)のデータは、バイパスパラメータが“0”(バイパス出力しない)、充放電パラメータが“1”(放電)を表す。その後制御は、ステップ226に移行する。
【0059】
ステップ226において、リモコン106は、終了するか否かを判定する。例えば、電力系統130の停電が解消し、電力系統130から電力の供給が開始されたことにより、リモコン106は終了と判定する。終了すると判定された場合、リモコン106は、切替部108を通常時の状態に変更し、蓄電ユニット102及び増設ユニット104に対して停止指示を送信する。その後、本プログラムは終了する。そうでなければ、制御はステップ200に戻り、終了すると判定されるまで、ステップ200からステップ226の処理が繰返される。なお、本プログラムが一旦終了しても、電力系統130が停電から復帰すれば、再度本プログラムが起動されることが好ましい。
【0060】
図5のフローチャートは蓄電ユニット102により実行される。具体的には、蓄電ユニット102の制御部が、蓄電ユニット102内部の記憶部から所定のプログラムを読出して実行する。
【0061】
ステップ300において、蓄電ユニット102は、データを受信したか否かを判定する。受信したと判定された場合、制御はステップ302に移行する。そうでなければ、ステップ300が繰返される。
【0062】
ステップ302において、蓄電ユニット102は、ステップ300で受信したデータにバイパス出力の指示が含まれているか否かを判定する。含まれていると判定された場合、制御はステップ304に移行する。そうでなければ、制御はステップ306に移行する。バイパスパラメータが“1”であれば、バイパス出力の指示と判定され、バイパスパラメータが“0”であれば、バイパス出力の指示ではないと判定される。
【0063】
ステップ304において、蓄電ユニット102は、第1バイパススイッチ112をオンする。その後制御はステップ308に移行する。
【0064】
ステップ306において、蓄電ユニット102は、第1バイパススイッチ112をオフする。その後制御はステップ308に移行する。
【0065】
ステップ308において、蓄電ユニット102は、充電、放電及び停止のいずれの指示を受けたか判定する。充放電パラメータが“-1”であれば充電の指示、“1”であれば放電の指示、“0”であれば停止の指示と判定される。充電の指示であると判定されると、制御はステップ310に移行し、放電の指示と判定されると、制御はステップ312に移行し、停止の指示であると判定されると、制御はステップ314に移行する。
【0066】
ステップ310において、蓄電ユニット102は、PCSにより蓄電池の充電を開始する。その後制御はステップ316に移行する。
【0067】
ステップ312において、蓄電ユニット102は、PCSにより蓄電池の放電を開始する。その後制御はステップ316に移行する。
【0068】
ステップ314において、蓄電ユニット102は、PCSを停止する。その後制御はステップ316に移行する。
【0069】
ステップ316において、蓄電ユニット102は、終了の指示を受けたか否かを判定する。終了の指示を受けたと判定された場合、本プログラムは終了する。そうでなければ、制御はステップ300に戻り、ステップ300からステップ316の処理が繰返される。終了の指示は、例えば、リモコン106から蓄電ユニット102に停止指示を送信することにより成される。なお、本プログラムが一旦終了しても、電力系統130が停電から復帰すれば、再度本プログラムが起動されることが好ましい。
【0070】
図6のフローチャートは増設ユニット104により実行される。具体的には、増設ユニット104の制御部が、増設ユニット104内部の記憶部から所定のプログラムを読出して実行する。
【0071】
図6のフローチャートは、
図5のフローチャートにステップ400及び402が追加されたものである。
図6では、動作の主体が蓄電ユニット102から増設ユニット104に変更され、処理の対象が増設ユニット104内部の第2バイパススイッチ114及びPCSである点が
図5と異なる。
図5と同じ番号を付したステップの処理は
図5の処理と同じであるので、重複説明を繰返さず、主として異なる点を説明する。
【0072】
増設ユニット104は、蓄電ユニット102と同様に、データを受信したか否かを判定し(ステップ300)、受信したと判定された場合、ステップ400において、増設ユニット104は、SOCの送信要求を受信したか否かを判定する。具体的には、増設ユニット104は、ステップ300で受信したデータが、ステップ204(
図4参照)で増設ユニット104から送信されたSOC要求コードであるか否かを判定する。SOC要求コードを受信したと判定された場合、制御はステップ402に移行する。そうでなければ、制御はステップ302に移行する。
【0073】
ステップ402において、増設ユニット104は、増設ユニット104内部の蓄電池の現在の蓄電量(SOC)を検出し、その値をリモコン106に送信する。その後、制御はステップ302に移行する。
【0074】
増設ユニット104は、蓄電ユニット102と同様に、終了の指示を受けるまで、ステップ300からステップ316、ステップ400及びステップ402の処理を繰返す。なお、増設ユニット104は、ステップ304では第2バイパススイッチ114をオンし、ステップ306では第2バイパススイッチ114をオフする。増設ユニット104は、ステップ310では、増設ユニット104内部のPCSにより充電を開始し、ステップ312では、増設ユニット104内部のPCSにより放電を開始し、ステップ314では、増設ユニット104内部のPCSを停止させる。ステップ316において、増設ユニット104が、リモコン106から増設ユニット104に送信した停止指示を受信すると、本プログラムは終了する。なお、本プログラムが一旦終了しても、電力系統130が停電から復帰すれば、再度本プログラムが起動されることが好ましい。
【0075】
図7のフローチャートは発電装置120により実行される。具体的には、発電装置120内部の制御部が、発電装置120内部の記憶部から所定のプログラムを読出して実行する。
【0076】
ステップ500において、発電装置120は、電力系統130に停電が発生したか否かを判定する。具体的には、発電装置120は、第2センサ132からの情報(電圧値)により、電力系統130に停電が発生しているか否かを判定する。例えば、電圧が所定値(ゼロに近い値)以下であれば、停電時であると判定できる。停電時であると判定された場合、制御はステップ502に移行する。そうでなければ、ステップ500が繰返される。
【0077】
ステップ502において、発電装置120は、自立運転を開始する。具体的には、発電装置120は上記したように、第2センサ132に電力を供給するための配電線への接続を開放して、自立出力端子122から電力の出力を開始する。その後、制御はステップ504に移行する。
【0078】
ステップ504において、発電装置120は上記したように、自立出力端子122から供給する電力量を表す自立出力情報をリモコン106に送信する。その後、制御はステップ506に移行する。
【0079】
ステップ506において、発電装置120は、終了するか否かを判定する。例えば、電力系統130の停電が解消し、電力系統130から電力の供給が開始されたことにより、発電装置120は終了すると判定する。終了すると判定された場合、発電装置120は、一般負荷134に電力を供給するための配電線に接続して電力の供給を開始し、自立出力端子122からの電力の供給を停止する。その後、本プログラムは終了する。そうでなければ、制御はステップ504に戻り、終了すると判定されるまで、ステップ504の処理が繰返される。なお、本プログラムが一旦終了しても、電力系統130が停電から復帰すれば、再度本プログラムが起動されることが好ましい。
【0080】
以上により、電力系統130に停電が発生すると、リモコン106は、切替部108を停電時の状態に設定して特定負荷124を電力系統130から切り離し、増設ユニット104にSOC(蓄電量)の送信を要求する(
図4のステップ204)。これにより、特定負荷124は、発電装置120の自立出力端子122、蓄電ユニット102及び増設ユニット104から電力が供給され得る接続状態になる。電力系統130に停電が発生すると、発電装置120は、自立運転を開始し、自立出力情報(自立出力端子122からの出力電力量)をリモコン106に送信する(
図7のステップ502及び504)。増設ユニット104は、SOC要求コードを受信すると、SOCをリモコン106に送信する(
図6のステップ402)。リモコン106は、発電装置120の自立運転により供給される自立出力電力及び増設ユニット104のSOCに応じて、発電装置120、蓄電ユニット102及び増設ユニット104のいずれから特定負荷124に電力を供給するかを決定する。続いて、リモコン106は、決定に応じた指示を蓄電ユニット102及び増設ユニット104に送信する(
図4のステップ208からステップ224参照)。蓄電ユニット102は、リモコン106から受信した指示に応じて、第1バイパススイッチ112を設定し、PCSによる充放電を開始する、又はPCSを停止する(
図5のステップ302からステップ314)。同様に、増設ユニット104は、リモコン106から受信した指示に応じて、第2バイパススイッチ114を設定し、PCSによる充放電を開始する、又はPCSを停止する(
図6のステップ302からステップ314)。これにより、停電時において、発電装置120、蓄電ユニット102及び増設ユニット104のいずれかから、特定負荷124に電力を供給できる。
【0081】
図8から
図11を参照して、自立出力電力及び増設ユニット104の蓄電量(SOC)に応じて、特定負荷124にどのように電力が供給されるかを具体的に説明する。なお、
図8から
図11には、
図4に示した構成のうち、停電時に特定負荷124に供給される電力の変化に関係する要素のみを示している。破線の矢印は電流を表す。ここでは、通常時に、蓄電ユニット102及び増設ユニット104の蓄電池は充電されている(満充電には限らない)とする。
【0082】
図8は、停電時に発電装置120が発電中であり、自立出力端子122から出力される電力(自立出力電力)が特定負荷124の消費電力よりも大きく、SOC=0ではない(増設ユニット104の蓄電池に蓄電されている)場合を示す。この場合、
図4のステップ208の判定結果はNOであり、ステップ218が実行される。また、ステップ220の判定結果はYESであり、ステップ222が実行される。したがって、蓄電ユニット102には、(1,0)のデータ(バイパスパラメータが“1”(バイパス出力する)、充放電パラメータが“0”(PCSを停止))を含む指示が送信される。また、増設ユニット104には、(1,-1)のデータ(バイパスパラメータが“1”(バイパス出力する)、充放電パラメータが“-1”(充電))を含む指示が送信される。その結果、
図8に示すように、蓄電ユニット102のPCSは停止し、第1バイパススイッチ112はオンし、入力される電力をバイパスして増設ユニット104に出力する。増設ユニット104は、入力される電力をバイパスして特定負荷124に出力し、余剰電力を内部の蓄電池に充電する。
【0083】
図9は、
図8の状態から、発電装置120の発電量が低下し、自立出力端子122から出力される電力(自立出力電力)が特定負荷124の消費電力よりも小さくなった場合(SOC=0ではない)を示す。この場合、
図4のステップ208の判定結果はNOであり、ステップ218が実行される。また、ステップ220の判定結果はNOであり、ステップ224が実行される。したがって、蓄電ユニット102には、
図8の場合と同様に、(1,0)のデータを含む指示が送信される。また、増設ユニット104には、
図8の場合と異なり、(0,1)のデータ(バイパスパラメータが“0”(バイパス出力しない)、充放電パラメータが“1”(放電))を含む指示が送信される。その結果、
図9に示すように、蓄電ユニット102のPCSが停止し、第1バイパススイッチ112がオン(バイパス出力する)した状態が維持される。増設ユニット104は、第2バイパススイッチ114をオフ(バイパス出力しない)し、内部の蓄電池を放電して特定負荷124に電力を供給する。
【0084】
図10は、
図9の状態から、増設ユニット104の蓄電残量がゼロ(SOC=0)になり、発電装置120の発電電力が増大し、自立出力端子122から出力される電力(自立出力電力)が特定負荷124の消費電力よりも大きくなった場合を示す。この場合、
図4のステップ208の判定結果はYESであり、ステップ210が実行される。また、ステップ212の判定結果はYESであり、ステップ214が実行される。したがって、増設ユニット104には、(1,0)のデータ(バイパスパラメータが“1”(バイパス出力する)、充放電パラメータが“0”(PCSを停止))を含む指示が送信される。蓄電ユニット102には、(1,-1)のデータ(バイパスパラメータが“1”(バイパス出力する)、充放電パラメータが“-1”(充電))を含む指示が送信される。その結果、
図10に示すように、蓄電ユニット102は、第1バイパススイッチ112をオン(バイパス出力する)し、入力される電力のうち特定負荷124で消費される電力をバイパスして増設ユニット104に出力し、余剰電力を内部の蓄電池に充電する。増設ユニット104は、PCSを停止し、第2バイパススイッチ114をオン(バイパス出力する)し、入力される電力をバイパスして特定負荷124に出力する。
【0085】
図11は、
図10の状態から、発電装置120の発電量が低下し、自立出力端子122から出力される電力(自立出力電力)が特定負荷124の消費電力よりも小さくなった場合(SOC=0)を示す。この場合、
図4のステップ208の判定結果はYESであり、ステップ210が実行される。また、ステップ212の判定結果はNOであり、ステップ216が実行される。したがって、増設ユニット104には、
図10の場合と同様に、(1,0)のデータを含む指示が送信される。蓄電ユニット102には、
図10の場合と異なり、(0,1)のデータ(バイパスパラメータが“0”(バイパス出力しない)、充放電パラメータが“1”(放電))を含む指示が送信される。その結果、
図11に示すように、蓄電ユニット102は、第1バイパススイッチ112をオフ(バイパス出力しない)し、内部の蓄電池を放電して増設ユニット104に電力を出力する。増設ユニット104は、PCSを停止し、第2バイパススイッチ114がオン(バイパス出力する)した状態を維持し、入力される電力をバイパスして特定負荷124に出力する。
【0086】
このように、直列に接続された2台の蓄電ユニットのうち、特定負荷124により近い位置で接続されたユニット(増設ユニット104)に充放電を実行させる。そのユニット(増設ユニット104)の蓄電量がなくなり放電できなくなれば、残りのユニット(蓄電ユニット102)に充放電させる。これにより、停電が発生した場合に、発電装置120、蓄電ユニット102及び増設ユニット104のいずれかから効率的に特定負荷124に電力を供給できる。
【0087】
上記では、直列に接続された蓄電ユニット102及び増設ユニット104のうち、特定負荷124により近い位置(即ち発電装置120からより遠い位置)で接続された増設ユニット104に、最初に充放電を実行させる場合を説明したが、これに限定されない。例えば、停電が発生し、発電装置120の自立出力電力が特定負荷124の消費電力よりも大きい場合、特定負荷124に電力を供給しつつ、発電装置120の余剰電力により、蓄電ユニット102及び増設ユニット104を充電してもよい。このとき、蓄電ユニット102及び増設ユニット104を充電する電力の割合は、蓄電ユニット102及び増設ユニット104の各々の状態、即ち、SOC及び劣化度の少なくとも一方を考慮して、その値が均等になるように制御すればよい。劣化度は、電池の劣化状態を表す指標、例えばSOH(State Of Health)である。SOHは、ある時点(劣化時)の蓄電容量(Ah)の、初期の満充電容量(Ah)に対する割合(%)で表される。
【0088】
一方、発電装置120の自立出力電力が消失した場合(ゼロになった場合)、蓄電ユニット102の第1バイパススイッチ112をオフする。そして、直列に接続された蓄電ユニット102及び増設ユニット104のいずれかから特定負荷124に電力を供給する。例えば、
図11と同様に、増設ユニット104の第2バイパススイッチ114をオンし、特定負荷124からより遠い位置(即ち発電装置120により近い位置)で接続された蓄電ユニット102の蓄電池から特定負荷124に電力を供給する。ここでは、増設ユニット104の蓄電池は蓄電されている(SOC=0ではない)とする。その後、蓄電ユニット102の蓄電池の蓄電残量が消失すれば(ゼロになれば)、
図12に示すように、増設ユニット104の第2バイパススイッチ114をオフし、増設ユニット104の蓄電池から特定負荷124に電力を供給する。
【0089】
[効果]
同じ製品である蓄電ユニット102及び増設ユニット104を2台直列に接続した構成の自立運転用蓄電システム100において、停電が発生した場合に、発電装置120、蓄電ユニット102及び増設ユニット104のいずれかから特定負荷124に電力を供給できる。また、発電装置120の発電量が変化した場合には、蓄電ユニット102及び増設ユニット104の充放電状態を適切に制御して、特定負荷124への電力供給を維持できる。
【0090】
発電装置120の発電量が低下した場合には、蓄電ユニット102又は増設ユニット104から特定負荷124に電力を供給するように制御する。そのとき、蓄電ユニット102及び増設ユニット104が直列接続されていることにより、並列接続される場合よりも長い時間特定負荷124に電力を供給できる。
【0091】
また、1台の蓄電ユニット102が設置された後、停電時に特定負荷124に供給する電力量を増大させる必要が生じた場合、蓄電ユニット102と同じ製品(増設ユニット104)を追加することにより容易に対応できる。
【0092】
(第1変形例)
上記では、2台の蓄電ユニットを、発電装置120の自立出力端子122と特定負荷124との間に直列接続する場合を説明したが、これに限定されない。3台以上の蓄電ユニットを、発電装置120の自立出力端子122と特定負荷124との間に直列接続してもよい。その場合にも、直列に接続された複数台の蓄電ユニットのうち、特定負荷124に最も近い位置で接続された蓄電ユニットに充放電を実行させる。その蓄電ユニットの蓄電量がゼロになり放電できなくなれば、特定負荷124に2番目に近い位置で接続された蓄電ユニットに充放電を実行させる。同様に、特定負荷124に2番目に近い位置で接続された蓄電ユニットの蓄電量がゼロになれば、特定負荷124に3番目に近い位置で接続された蓄電ユニットに充放電を実行させる。このように、特定負荷124に近い蓄電ユニットから優先的に順次充放電させることにより、停電が発生した場合に、発電装置及び複数の蓄電ユニットのいずれかから特定負荷124に効率的に電力を供給できる。また、複数の蓄電ユニットが直列接続されていることにより、並列接続される場合よりも長い時間、特定負荷124に電力を供給できる。なお、特定負荷124から遠い蓄電ユニット、即ち、発電装置120に近い蓄電ユニットから優先的に順次充放電させてもよい。
【0093】
3台以上の蓄電ユニットを、発電装置120の自立出力端子122と特定負荷124との間に直列接続する場合、リモコン106は、2台の蓄電ユニットを直列接続する場合と同様に動作すればよい。即ち、リモコン106は、自立出力端子122の出力電力に応じて、各蓄電ユニットに対して、それぞれの内部のバイパススイッチの設定及びPCSの動作に関する指示を生成すればよい。これにより、複数の蓄電ユニット及び発電装置120の中から、特定負荷124に供給する電力源を適切に決定することができる。
【0094】
また、リモコン106は、第1センサ110の検出値から得た特定負荷124の消費電力と自立出力端子122の出力電力とに応じて、各蓄電ユニットに対して、それぞれの内部のバイパススイッチの設定及びPCSの動作に関する指示を生成してもよい。これにより、複数の蓄電ユニット及び発電装置の中から、特定負荷124に供給する電力源を、より適切に決定できる。
【0095】
また、リモコン106は、各蓄電ユニットの蓄電池の蓄電量及び劣化度(SOH)の少なくとも一方に応じて、当該蓄電ユニットに対して、内部のバイパススイッチの設定及びPCSの動作に関する指示を生成してもよい。これにより、複数の蓄電ユニット及び発電装置の中から、特定負荷124に供給する電力源を適切に決定でき、1つの蓄電ユニットの蓄電池から電力を供給しているときに蓄電量がゼロになれば、別の蓄電ユニットの蓄電池から電力を供給できる。
【0096】
上記では、バイパスパラメータ及び充放電パラメータを含む指示が送信される場合を説明したが、これに限定されない。各ユニット(蓄電ユニット102及び増設ユニット104)に対して、それぞれのバイパススイッチの設定及びPCSの動作を指定できればよい。例えば、リモコン及び各ユニットが、バイパススイッチの設定及びPCSの動作の可能な組合せをテーブル形式で記憶しておき、リモコンから、1つの組合せを特定する情報(例えば、番号)を各ユニットに送信してもよい。各ユニットは、番号でテーブルを検索して、バイパススイッチの設定及びPCSの動作を特定できる。
【0097】
上記では、リモコン106が第2センサ132の検出値から停電の有無を判定する場合を説明したが、これに限定されない。リモコン106は、外部装置(例えば発電装置120)から停電の発生を表す情報を受信してもよい。
【0098】
(第2変形例)
上記では、特定負荷124に供給される電流を第1センサ110により検出する場合を説明したが、これに限定されない。蓄電ユニット102及び増設ユニット104は、内部に電流センサを備えており、それぞれのユニットの出力電力を測定できる。したがって、
図3において、第1センサ110を備えない構成であってもよい。その場合、リモコン106は、
図4のフローチャートにおいて、ステップ200の処理を実行する必要はない。リモコン106は、蓄電ユニット102及び増設ユニット104のそれぞれに関して、内部の電流センサにより、各ユニットの出力電流を測定し、測定値から算出される出力電力と各ユニットの最大出力電力とを比較する。その比較結果に応じて、リモコン106は、蓄電ユニット102及び増設ユニット104のそれぞれから電力を供給するか否かを決定できる。
【0099】
例えば、リモコン106は、
図13のフローチャートを実行すればよい。
図13のフローチャートは、
図4のフローチャートにおいて、ステップ200が削除され、ステップ212、216、220及び224がそれぞれステップ242、244、248及び250に代替され、ステップ240及び246が追加されたものである。
図13の各ステップに関して、
図4と同じ番号が付されたステップの処理は
図4と同じである。したがって、重複説明を繰返さず、主として異なる点に関して説明する。
【0100】
停電が発生すると、リモコン106は、SOC及び自立出力電力を取得する。その後、リモコン106は、ステップ208での判定結果がYES(SOC=0)である場合、ステップ210において、増設ユニット104に、入力される電力をバイパス出力し、且つ、PCSを停止するように指示を送信する。その後、ステップ240において、リモコン106は、蓄電ユニット102に、入力される電力をバイパス出力するように指示を送信する。
【0101】
続いて、ステップ242において、リモコン106は、蓄電ユニット102に、蓄電ユニット102の出力電力(内部の電流センサにより測定された出力電流値からの算出値)の送信を要求する。リモコン106は、取得した値(蓄電ユニット102の出力電力)が、自立出力最大値未満であるか否かを判定する。蓄電ユニット102の出力電力が、自立出力最大値未満であれば、制御はステップ214に移行し、そうでなければ、制御はステップ244に移行する。この自立出力最大値は、現時点で発電装置120が出力可能な電力の最大値、即ち、ステップ206で取得した自立出力電力(発電装置120から送信される、自立出力端子122から供給される電力量を表す自立出力情報)を意味する。蓄電ユニット102及び増設ユニット104はいずれも、バイパスするように指示されて(ステップ210及び240)バイパススイッチがオンしており、増設ユニット104はSOC=0である。したがって、蓄電ユニット102の内部の電流センサの測定値から算出される蓄電ユニット102の出力電力は、特定負荷124の消費電力を表している。また、蓄電ユニット102の出力電力には、蓄電ユニット102自体の出力電力に加えて、発電装置120からの出力電力が含まれ得る。
【0102】
ステップ214では、上記したように、
図4と同じ処理が実行される。一方、ステップ244において、リモコン106は、蓄電ユニット102に、バイパスし放電するように指示を送信する。
【0103】
これにより、蓄電ユニット102の出力電力(特定負荷124での消費電力)が、発電装置120の最大電力を超える場合、不足分を蓄電ユニット102の放電により供給できる(ステップ244)。
【0104】
ステップ208での判定結果がNO(SOC>0)である場合、ステップ218において、リモコン106は、蓄電ユニット102に、入力される電力をバイパス出力し、且つ、PCSを停止するように指示を送信する。その後、ステップ246において、リモコン106は、増設ユニット104に、入力される電力をバイパス出力するように指示を送信する。
【0105】
続いて、ステップ248において、リモコン106は、増設ユニット104に、増設ユニット104の出力電力(内部の電流センサにより測定された出力電流値からの算出値)の送信を要求する。リモコン106は、取得した値(増設ユニット104の出力電力)が、自立出力最大値未満であるか否かを判定する。増設ユニット104の出力電力が、自立出力最大値未満であれば、制御はステップ222に移行し、そうでなければ、制御はステップ250に移行する。この自立出力最大値は、増設ユニット104自体が出力可能な電力の最大値を意味する。蓄電ユニット102及び増設ユニット104はいずれも、バイパスするように指示されて(ステップ218及び246)バイパススイッチがオンしている。したがって、増設ユニット104の内部の電流センサの測定値から算出される増設ユニット104の出力電力には、増設ユニット104自体の出力電力に加えて、発電装置120及び蓄電ユニット102からの出力電力が含まれ得る。但し、ここでは、ステップ218により、蓄電ユニット102からの出力電力は0になっている。
【0106】
ステップ222では、上記したように、
図4と同じ処理が実行される。一方、ステップ250において、リモコン106は、増設ユニット104及び蓄電ユニット102に、放電するように指示を送信する。
【0107】
これにより、増設ユニット104の出力電力(特定負荷124での消費電力)が、増設ユニット104自体の自立出力最大値を超える場合、不足分を蓄電ユニット102の放電により供給できる(ステップ250)。例えば、増設ユニット104の最大出力電力(自立出力最大値)を1500Wとしたとき、増設ユニット104の出力電力(測定値)が1600Wを超えた場合、蓄電ユニット102から不足分(100W)を供給できる。
【0108】
なお、増設ユニット104自体が出力可能な最大電力は、予めリモコン106内部の記憶部に記憶しておけばよい。
【0109】
また、
図13のステップ242の処理に関して、自立出力最大値として、蓄電ユニット102自体が出力可能な電力の最大値を用いてもよい。その場合には、ステップ242に続く処理においては、蓄電ユニット102の出力電力(特定負荷124での消費電力)が、蓄電ユニット102自体の自立出力最大値を超えるときには、不足分を発電装置120から供給すればよい。また、その場合には、ステップ206において、リモコン106は、自立出力電力(発電装置120から送信される自立出力情報)を取得しなくてもよい。
【0110】
(第3変形例)
上記では、リモコン106が主体となって、蓄電ユニット102及び増設ユニット104を制御する場合を説明したが、これに限定されない。蓄電ユニット102及び増設ユニット104の少なくとも一方が主体となって同様の制御を行なってもよい。第3変形例では、蓄電ユニット102が主体となり、リモコン106と同様の制御を行なう。第3変形例に係る自立運転用蓄電システム150は、
図14に示すように構成できる。自立運転用蓄電システム150は、
図3の自立運転用蓄電システム100からリモコン106を削除したものである。自立運転用蓄電システム150はさらに、蓄電ユニット102のPCS152及び増設ユニット104のPCS154を相互に通信可能に接続する通信経路160と、蓄電ユニット102のPCS152が情報を取得し各機器を制御するためのライン162~168とを含む。通信経路160は、有線通信によるものであっても無線通信によるものであってもよい。
【0111】
蓄電ユニット102のPCS152は、
図5に示したフローチャートの処理に加えて、
図4に示したフローチャートと同様の処理を実行する。増設ユニット104のPCS154は、
図6に示したフローチャートと同じ処理を実行する。発電装置120は、
図7に示したフローチャートと同じ処理を実行する。したがって、
図4から
図7の各ステップを適宜参照する。
【0112】
PCS152は、第1センサ110から特定負荷電力検出ライン162を介して入力される情報(電流値)から特定負荷124に供給されている電力を求める(
図4のステップ200参照)。続いて、PCS152は、第2センサ132から停電検出ライン164を介して入力される情報(電圧値)により、電力系統130に停電が発生しているか否かを判定する(
図4のステップ202参照)。
【0113】
PCS152は、切替部108に切替部制御ライン166を介して指示を出力し、切替部108を停電時の設定(入力端140及び出力端144が接続)にする。また、PCS152は、増設ユニット104内部の蓄電池のSOCの送信を要求するSOC要求コードを、増設ユニット104に通信経路160を介して送信する(
図4のステップ204参照)。これを受けて、増設ユニット104のPCS154は、増設ユニット104内部の蓄電池の現在のSOCを検出し、通信経路160を介してその値をPCS152に送信する(
図6のステップ402参照)。
【0114】
PCS152は、発電装置120から自立出力情報取得ライン168を介して自立出力情報(発電装置120が供給する電力量)を取得し、増設ユニット104から通信経路160を介してSOCを取得する(
図4のステップ206参照)。続いて、PCS152は、SOCがゼロであるか否かを判定する(
図4のステップ208参照)。SOC=0である場合、PCS152は、入力される電力をバイパス出力し、且つ、PCSを停止するように、増設ユニット104に通信経路160を介して指示を送信する(
図4のステップ210参照)。これを受けて、増設ユニット104のPCS154は、指示に応じた処理を実行する(
図6のステップ302~314参照)。
【0115】
PCS152は、自立出力電力が特定負荷124の電力以上であるか否かを判定する(ステップ212参照)。自立出力電力が特定負荷電力以上であれば、PCS152は、蓄電ユニット102に入力される電力をバイパス出力し、且つ、充電するように蓄電ユニット102を制御する(
図4のステップ214参照)。即ち、PCS152は、第1バイパススイッチ112をオンし(
図5のステップ304参照)、蓄電池の充電を開始する(
図5のステップ310参照)。
【0116】
自立出力電力が特定負荷電力未満であれば、PCS152は、蓄電ユニット102に入力される電力をバイパス出力せず、且つ、放電するように、蓄電ユニット102を制御する(
図4のステップ216参照)。即ち、PCS152は、第1バイパススイッチ112をオフし(
図5のステップ306参照)、蓄電池の放電を開始する(
図5のステップ312参照)。
【0117】
SOC=0でない場合、PCS152は、蓄電ユニット102に入力される電力をバイパス出力し、且つ、充放電の制御機能を停止するように、蓄電ユニット102を制御する(
図4のステップ218参照)。即ち、PCS152は、第1バイパススイッチ112をオンし(
図5のステップ304参照)、蓄電ユニット102の蓄電池の充放電を制御する機能を停止する(
図5のステップ314参照)。続いて、PCS152は、自立出力電力が特定負荷124の電力以上であるか否かを判定する(
図4のステップ220参照)。
【0118】
自立出力電力が特定負荷電力以上であれば、PCS152は、増設ユニット104に入力される電力をバイパス出力し、且つ、充電するように、増設ユニット104に通信経路160を介して指示を送信する(
図4のステップ222参照)。自立出力電力が特定負荷電力未満であれば、PCS152は、増設ユニット104に入力される電力をバイパス出力せず、且つ、放電するように、増設ユニット104に通信経路160を介して指示を送信する(
図4のステップ224参照)。これを受けて、増設ユニット104のPCS154は、指示に応じた処理を実行する(
図6のステップ302からステップ314参照)。
【0119】
以上により、自立運転用蓄電システム150は、自立運転用蓄電システム100(
図3)と同様に動作する。即ち、電力系統130に停電が発生すると、PCS152は、切替部108を停電時の状態に設定して特定負荷124を電力系統130から切り離し、増設ユニット104にSOC(蓄電量)の送信を要求する(
図4のステップ204参照)。これにより、特定負荷124は、発電装置120の自立出力端子122、蓄電ユニット102及び増設ユニット104から電力が供給され得る接続状態になる。電力系統130に停電が発生すると、発電装置120は、自立運転を開始し、自立出力情報をPCS152に送信する(
図7のステップ502及びステップ504参照)。増設ユニット104は、SOC要求コードを受信すると、SOCをPCS152に送信する(
図6のステップ402参照)。PCS152は、発電装置120の自立運転により供給される自立出力電力及び増設ユニット104のSOCに応じて、発電装置120、蓄電ユニット102及び増設ユニット104のいずれから特定負荷124に電力を供給するかを決定する。続いて、PCS152は、決定に応じて、蓄電ユニット102を設定し、指示を増設ユニット104に送信する(
図4のステップ208からステップ224参照)。即ち、PCS152は、決定に応じて、第1バイパススイッチ112を設定し、充放電を開始する、又は、充放電の制御機能を停止する(
図5のステップ302からステップ314参照)。同様に、増設ユニット104は、PCS152から受信した指示に応じて、第2バイパススイッチ114を設定し、PCS154による充放電を開始する、又は、PCS154の充放電の制御機能を停止する(
図6のステップ302からステップ314参照)。これにより、停電時において、発電装置120、蓄電ユニット102及び増設ユニット104のいずれかから、特定負荷124に電力を供給できる。
【0120】
以上のように、蓄電ユニット102のPCS152は、リモコン106の機能を担うことができる。なお、蓄電ユニット102の代わりに増設ユニット104が主体となって、上記と同様の制御を行なってもよい。即ち、蓄電ユニット102がリモコンを含む場合、又は、増設ユニット104がリモコンを含む場合が考えられる。
【0121】
上記では、バイパススイッチ(112、114)が、各蓄電ユニット(102、104)における入力端子とPCSとの間にのみ配置され、PCSと出力端子とがスイッチを介さずに直接接続されている場合を説明したが、これに限定されない。PCSと出力端子との間にスイッチを設けてもよい。また、各蓄電ユニットにおいて、PCSの前後にスイッチを設け、合計2つのスイッチを制御してもよい。
【0122】
以上、実施の形態を説明することにより本発明を説明したが、上記した実施の形態は例示であって、本発明は上記した実施の形態のみに制限されるわけではない。本発明の範囲は、発明の詳細な説明の記載を参酌した上で、請求の範囲の各請求項によって示され、そこに記載された文言と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含む。
【符号の説明】
【0123】
100、150 自立運転用蓄電システム
102、900、910 蓄電ユニット
104、902、912 増設ユニット
106、904、914、916 リモコン
108 切替部
110 第1センサ
112 第1バイパススイッチ
114 第2バイパススイッチ
120、920 発電装置
122 自立出力端子
124 特定負荷
130 電力系統
132 第2センサ
134 一般負荷
140、142 入力端
144 出力端
152、154 PCS
160 通信経路
162 特定負荷電力検出ライン
164 停電検出ライン
166 切替部制御ライン
168 自立出力情報取得ライン
200、202、204、206、208、210、212、214、216、218、220、222、224、226、300、302、304、306、308、310、312、314、316、400、402、500、502、504、506 ステップ
906 特定コンセント
922 第1特定負荷
924 第2特定負荷
926 第1自立出力端子
928 第2自立出力端子