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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-20
(45)【発行日】2023-03-29
(54)【発明の名称】財布
(51)【国際特許分類】
   A45C 1/08 20060101AFI20230322BHJP
【FI】
A45C1/08
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2018231797
(22)【出願日】2018-12-11
(65)【公開番号】P2020092788
(43)【公開日】2020-06-18
【審査請求日】2021-12-09
(73)【特許権者】
【識別番号】518440006
【氏名又は名称】金井 努
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(72)【発明者】
【氏名】金井 努
【審査官】渡邉 洋
(56)【参考文献】
【文献】実開昭60-008621(JP,U)
【文献】登録実用新案第3144461(JP,U)
【文献】特開2003-070516(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0190526(US,A1)
【文献】登録実用新案第3213046(JP,U)
【文献】登録実用新案第3211288(JP,U)
【文献】仏国特許出願公開第01237918(FR,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45C 1/00-15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
財布本体を備え、
前記財布本体は、紙幣が収納される紙幣収納部と、硬貨が収納される硬貨収納部と、前記紙幣収納部の外面に連結されるカード収納部と、を有し、
前記紙幣収納部は、展開及び巻三つ折りの状態に折り畳み可能であり、
前記硬貨収納部には、前記紙幣収納部の外面と連結される連結面が設けられ、
前記硬貨収納部は、前記連結面を前記紙幣収納部の展開方向と同方向に回動させることで、前記硬貨を出し入れ可能に開口し、
前記紙幣収納部が巻三つ折りの状態に折り畳まれることで、上面視で、前記硬貨収納部と前記カード収納部との間に前記紙幣収納部全体が配置されるように構成されていることを特徴とする財布。
【請求項2】
前記財布本体の周囲を囲み、前記展開方向と同方向に展開及び折り畳み可能なカバー部を備え、
前記カバー部は、前記財布本体において前記硬貨収納部のみと連結し、前記財布本体と独立して展開及び折り畳み可能に構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の財布。
【請求項3】
前記硬貨収納部と前記カバー部との間に、前記紙幣が前記展開方向に沿って挿通される紙幣挿通部が、前記紙幣収納部と別体に形成されていることを特徴とする、請求項2に記載の財布。
【請求項4】
前記カバー部は、その内面かつ一端に、前記紙幣の一端を固定する紙幣固定部を有していることを特徴とする、請求項2又は3に記載の財布。
【請求項5】
前記紙幣固定部には、前記展開方向に沿って、前記カバー部の他端に向かって突出する固定用舌片が設けられ、
前記固定用舌片は、前記カバー部の折り目上に形成されていることを特徴とする、請求項4に記載の財布。
【請求項6】
前記カバー部は、その内面に、小物収納部を有していることを特徴とする、請求項2~5の何れかに記載の財布。
【請求項7】
前記小物収納部は、前記展開方向と略垂直な端辺を軸に、前記展開方向に沿って回動可能であることを特徴とする、請求項6に記載の財布。
【請求項8】
前記カバー部は、前記展開方向における両端に、互いに着脱可能な着脱部を有していることを特徴とする、請求項2~7の何れかに記載の財布。
【請求項9】
前記着脱部は、前記カバー部の外面かつ一端に設けられる帯状体と、前記カバー部の内面かつ他端に設けられる着脱用舌片と、により構成され、
前記着脱用舌片は、前記カバー部と前記帯状体との間に挿通されることを特徴とする、請求項8に記載の財布。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折り畳み式の財布に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、紙幣や硬貨、カード等を収納した状態で、コンパクトにして持ち運べる、折り畳み式の財布が広く普及している。
【0003】
このような折り畳み式の財布に関する発明として、例えば、特許文献1には、収容されている硬貨の確認や硬貨の出し入れが容易な財布が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特願2001-264373
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような折り畳み式の財布は、収納性を向上させるために皮の枚数を増やすと、財布自体の厚みが増してしまい、使い勝手が悪化するという問題があった。
【0006】
本発明は上記のような実状に鑑みてなされたものであり、高い収納性を維持しつつ、利便性を向上させた財布を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、財布本体を備え、
前記財布本体は、紙幣が収納される紙幣収納部と、硬貨が収納される硬貨収納部と、を有し、
前記紙幣収納部は、展開及び折り畳み可能であり、
前記硬貨収納部には、前記紙幣収納部の外面と連結される連結面が設けられ、
前記硬貨収納部は、前記連結面を前記紙幣収納部の展開方向と同方向に回動させることで、前記硬貨を出し入れ可能に開口することを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、連結面が、紙幣収納部を形成する面と硬貨収納部を形成する面とを兼ねているため、財布自体の厚みの増加を抑え、紙幣収納部と硬貨収納部とを設けることが可能となる。また、硬貨収納部は、紙幣収納部の展開方向と同方向の回動動作で、硬貨を出し入れ可能に開口するため、紙幣収納部及び硬貨収納部の使用を、フレキシブルに切り替えることが可能となる。
【0009】
本発明の好ましい形態では、前記財布本体は、カード収納部を有し、前記カード収納部は、前記紙幣収納部を折り畳むことで、前記紙幣収納部を介して前記硬貨収納部と対向するように、前記紙幣収納部の外面に設けられていることを特徴とする。
【0010】
このような構成とすることで、紙幣収納部の展開方向と同方向の回動動作により、紙幣収納部、硬貨収納部及びカード収納部の使用を、フレキシブルに切り替えることが可能となる。
【0011】
本発明の好ましい形態では、前記財布本体の周囲を囲み、前記展開方向と同方向に展開及び折り畳み可能なカバー部を備え、前記カバー部材は、前記硬貨収納部と連結していることを特徴とする。
【0012】
このような構成とすることで、財布自体の堅牢性を向上させることが可能となる。
【0013】
本発明の好ましい形態では、前記硬貨収納部と前記カバー部との間に、前記紙幣が前記展開方向に沿って挿通される紙幣挿通部が形成されていることを特徴とする。
【0014】
このような構成とすることで、例えば一万円札等、使用頻度の少ない紙幣を、紙幣収納部とは別に収納しておくことが可能となる。
【0015】
本発明の好ましい形態では、前記カバー部は、その内面かつ一端に、前記紙幣の一端を固定する紙幣固定部を有していることを特徴とする。
【0016】
このような構成とすることで、紙幣挿通部を挿通させた紙幣を、より安定的に固定し、収納しておくことが可能となる。
【0017】
本発明の好ましい形態では、前記紙幣固定部には、前記展開方向に沿って、前記カバー部の他端に向かって突出する固定用舌片が設けられ、前記固定用舌片は、前記カバー部の折り目上に形成されていることを特徴とする。
【0018】
このような構成とすることで、カバー部を折り畳んだ状態を長時間維持していると、カバー部を展開させた際、固定用舌片に、カバー部の内面から離間する方向に反り癖が付く。これにより、使用者は、紙幣挿通部を挿通させた紙幣の端部を、紙幣固定部に容易に挿通させることが可能となる。
【0019】
本発明の好ましい形態では、前記カバー部は、その内面に、小物収納部を有していることを特徴とする。
【0020】
このような構成とすることで、財布自体の収納性を向上させることが可能となる。
【0021】
本発明の好ましい形態では、前記小物収納部は、前記展開方向と略垂直な端辺を軸に、前記展開方向に沿って回動可能であることを特徴とする。
【0022】
このような構成とすることで、小物収納部の対向する両面に収納空間を形成することが可能となる。
また、小物収納部とカバー部の内面との間に紙幣の端部を挟むことができ、紙幣を、より安定的に固定し、収納しておくことが可能となる。
【0023】
本発明の好ましい形態では、前記カバー部は、前記展開方向における両端に、互いに着脱可能な着脱部を有していることを特徴とする。
【0024】
このような構成とすることで、カバー部の不意の展開動作を抑制することが可能となる。
【0025】
本発明の好ましい形態では、前記着脱部は、前記カバー部の外面かつ一端に設けられる帯状体と、前記カバー部の内面かつ他端に設けられる着脱用舌片と、により構成され、前記着脱用舌片は、前記カバー部と前記帯状体との間に挿通されることを特徴とする。
【0026】
このような構成とすることで、カバー部の着脱作業を容易に行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、収納性を維持しつつ、利便性を向上させた財布を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の実施形態に係る財布を折り畳んだ状態の概略斜視図である。
図2】本発明の実施形態に係る財布のカバー部を展開した際の図であって、(a)正面図、(b)背面図、(c)上面図である。
図3】本発明の実施形態に係る財布の使用方法を示した図であって、(a)折り畳んだ状態の概略斜視図、(b)係止手段の部分拡大図である。
図4】本発明の実施形態に係る財布のカバー部を展開した際の図であって、(a)正面図、(b)上面図である。
図5】本発明の実施形態に係る財布のカバー部を展開した際の図であって、(a)正面図、(b)上面図である。
図6】本発明の実施形態に係る財布の使用方法を示した正面図である。
図7】本発明の実施形態に係る財布のカバー部及び財布本体を展開した際の図であって、(a)正面図、(b)上面図である。
図8】本発明の実施形態に係る財布のカバー部及び財布本体を展開した際の図であって、(a)正面図、(b)上面図である。
図9】本発明の実施形態に係る財布のカバー部及び財布本体を展開した際の図であって、(a)正面図、(b)右側面図、(c)上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図1図9を用いて、本発明の実施形態に係る財布について説明する。
なお、以下に示す実施形態は本発明の一例であり、本発明を以下の実施形態に限定するものではない。また、これらの図において、符号Aは、本実施形態に係る財布を示す。また、これらの図において、破線は、財布Aに設けられた縫い目を示す。
【0030】
図1に示すように、財布Aは、折り畳まれた状態において、全体として略直方体状に概略構成されており、財布本体1と、財布本体1の周囲を囲み、展開方向と同方向に展開及び折り畳み可能なカバー部2と、を備えている。
【0031】
カバー部2は、内面に着脱用舌片21a(図2参照)が設けられた第一着脱面21を有しており、第一着脱面21は、折り畳んだ状態において、一短辺側側面に露出している。
この状態において、着脱用舌片21aは、第二着脱面22の外面に設けられた帯状体22a(図2参照)と第二着脱面22との間に挿通され、カバー部2の折り畳まれた状態を維持している。
【0032】
また、カバー部2は、第二着脱面22に隣接した面に、外面に収納空間形成シート23aが積層された側面23を有しており、側面23は、折り畳まれた状態において、一長辺側側面に露出している。
【0033】
このように、財布Aが、財布本体1の周囲を囲み、展開方向X(図2以降参照)と同方向に展開及び折り畳み可能なカバー部2を備えることで、財布A自体の堅牢性を向上させることが可能となる。
また、カバー部2が、互いに着脱可能な着脱用舌片21aと帯状体22aとを有していることで、カバー部2の不意の展開動作を抑制することが可能となる。
【0034】
図2は、第一着脱面21を回転させ、着脱用舌片21aが露出するように、第一着脱面21のみを展開方向Xに展開させた際の図である。
【0035】
図2(a)に示すように、着脱用舌片21aは、その左辺が第一着脱面21の内面に縫合されており、帯状体22aは、その上端及び下端が第二着脱面22の外面に縫合されている。
【0036】
これにより、使用者は、第一着脱面21を展開方向Xに回転させるのみで、着脱用舌片21aと帯状体22aとの連結状態を容易に解消することが可能となる。
【0037】
図2(b)に示すように、カバー部2は、第二着脱面22に対向する側面24の上端及び下端に、一対の係止手段tを有している。
【0038】
図3は、財布Aの使用方法を示す概略斜視図である。
【0039】
図3(a)に示すように、使用者は、任意のカードcを、側面23と収納空間形成シート23aとの間に形成された収納空間に収納することができる。
なお、カードcの隠れ線は、点線で示している。
【0040】
図3(b)に示すように、一対の係止手段tは、略四角枠状の係止具t1と、係止具t1を収納する係止具収納部t2により構成されている。
【0041】
使用者は、係止具t1を上方に引き上げることで、係止具t1を、図3(b)の左図から右図の状態(係止具t1の内周面と係止具収納部t2の内面とを接触させた状態)とし、係止具t1を、側面24の厚さ方向に回動させることができる(矢印a)。
【0042】
これにより、使用者は、係止具t1に紐や帯状体を挿通させることができ、ストラップや服飾品、他の収納部材等を連結しておくことが可能となる。
【0043】
図4は、第一着脱面21に隣接する側面25をさらに展開させた際の図である。
【0044】
図4に示すように、カバー部2は、側面25の内面に略長方形状の小物収納部25aを有している。
【0045】
詳述すれば、小物収納部25aは、3枚のシート部材が積層されてなり、図4において、カバー部2の内面に最も近いシート部材と中央のシート部材との周縁が縫合されている。
また、図4において、カバー部2の内面から最も離れているシート部材と中央のシート部材との周縁が、一長辺を残して縫合されている。
【0046】
これにより、小物収納部25aには、図4において示されている面が、一長辺側が開口し袋状に形成されたカード収納面25a1として設けられている。使用者は、任意のカードcを、開口から挿入し、カード収納面25a1に収納することができる(矢印b)。
【0047】
また、小物収納部25aは、開口している長辺と対向する一長辺が、側面25の内面に縫合されており、使用者は、小物収納部25aを、この一長辺を軸として、カバー部2の展開方向Xと同方向に回動させることができる。
【0048】
図5は、小物収納部25aを図4から略180度回動させ、かつ第二着脱面22をさらに展開方向Xと逆方向に展開させた際の図である。
【0049】
図5に示すように、小物収納部25aには、図4に示す面と対向する面に切り込みnが形成されている。
【0050】
これにより、小物収納部25aには、図5において示されている面が、2枚のシート部材間の空間に小物を収納可能な小物収納面25a2が設けられている。使用者は、鍵等の任意の小物iを、切り込みnから挿入し、小物収納面25a2に収納することができる(矢印c)。
【0051】
このように、対向する両面に収納空間が形成された小物収納部25aにより、財布A自体の収納性を向上させることが可能となる。
【0052】
また、財布本体1は、折り畳まれた状態では略長方形状である硬貨収納部13(図8参照)の両短辺が、カバー部2の内面と縫合されており、財布本体1とカバー部2との間に紙幣挿通部p(図9参照)が形成されている。
さらに、カバー部2は、第二着脱面22の内面に紙幣bの一端を固定する紙幣固定部22bを有している。
【0053】
紙幣固定部22bについて詳述すれば、紙幣固定部22bは、略長方形状であり、図5における財布本体1側の長辺を残して、その周縁が第二着脱面22の内面に縫合されている。
また、紙幣固定部22bは、図5における財布本体1側の長辺から、展開方向Xに向かって突出する固定用舌片22b1が設けられている。
さらに、固定用舌片22b1は、カバー部2の折り目上、即ち、第二着脱面22と側面23との境界線l上に形成されている。
なお、第二着脱面22と側面23との境界線lは、一点鎖線で仮想的に示している。
【0054】
これにより、使用者は、任意の紙幣bを、紙幣挿通部pを介してカバー部2の内面に収納しておくことができる(矢印d)。特に、使用者は、例えば一万円札等、使用頻度の少ない紙幣bを、紙幣収納部12(図7参照)に収納する紙幣bとは別に収納しておくことが可能となる。
【0055】
また、固定用舌片22b1が、第二着脱面22と側面23との境界線l上に形成されていることで、カバー部2を折り畳んだ状態を長時間維持していると、図5に示すようにカバー部2を展開させた際、固定用舌片22b1に、カバー部2の内面から離間する方向に反り癖が付く。
【0056】
これにより、使用者は、紙幣挿通部pを挿通させた紙幣bを、紙幣固定部22bに容易に挿通させることができ、紙幣bを、カバー部2の内面に安定的に収納しておくことができる。
【0057】
図6は、財布Aの使用方法を示す図であって、図6(a)は、図4において、小物収納部25aのカード収納面25a1にカードcを収納した際の図、図6(b)は、図5において、小物収納部25aの小物収納面25a2に小物iを収納し、紙幣挿通部p及び紙幣固定部22bを用いてカバー部2の内面に紙幣bを収納した際の図である。
なお、カードc、小物i及び紙幣bの隠れ線は点線で示している。
【0058】
図7(a)は、図5の状態から小物収納部25aを図4の状態となるように回動させ、財布本体1のカード収納部11を、その開口が見えるように展開方向Xに回動させた際の正面図、図7(b)は、図7(a)の上面図である。
【0059】
カード収納部11は、紙幣収納部12を折り畳むことで、紙幣収納部12を介して硬貨収納部13と対向するように、紙幣収納部12の外面に設けられている。
なお、紙幣収納部12は、図7(b)や図5(b)に示されるように、三つ折りの状態で折り畳まれる。
【0060】
さらに詳述すれば、カード収納部11は、袋状であり、その一面に指を引っ掛けるための切り欠き11aが設けられている。また、カード収納部11の中央には、仕切り11bが上下に一対設けられている。
【0061】
これにより、使用者は、切り欠き11aに指を引っ掛け、切り欠き11aが設けられた面を展開方向Xに回動させることで、カード収納部11の開口を広げ、仕切り11bを挟んで任意の2枚のカードcをカード収納部11に収納することができる(矢印e)。
なお、カード収納部11に収納するカードcの枚数は、これに限られず、何枚であっても良い。
【0062】
図8(a)は、図7の状態からカード収納部11を回動させ、紙幣収納部12を展開方向Xに展開させた際の正面図、図8(b)は、図8(a)の上面図である。
【0063】
図8(a)に示すように、紙幣収納部12は、略長方形状のシート部材を長辺方向の略中央で二つに折り曲げ、一長辺を縫合することで形成されている。
なお、図8(a)に示すように、折り曲げた短辺に対向する短辺近傍の長辺は縫合されていない。
【0064】
これにより、使用者は、図8(a)に示すように、紙幣収納部12の一面をめくることができ、容易に紙幣bを収納することができる(矢印f)。
【0065】
図9(a)は、図8の状態から、紙幣収納部12の外面と連結する連結面jを展開方向Xに回動させることで、硬貨収納部13を開口させた際の正面図、図9(b)は、図9(a)の右側面図である。図9(c)は、図9(a)の上面図である。
【0066】
図9(a)に示すように、硬貨収納部13は、従来の財布に用いられる既知のボックス型構造であり、連結面jを展開方向Xに回動させることで、展開方向Xと略垂直方向に開口する。
また、硬貨収納部13には、閉口状態を維持する着脱部材mが設けられており、着脱部材mは、凸部m1と凹部m2とにより構成されている。そして、連結面jを、図9(a)に示す状態から、展開方向Xと逆方向に回動させると、硬貨収納部13が折り畳まれ、自然に凸部m1と凹部m2とが係合し、閉口状態が維持される。
【0067】
図9(b)に示すように、折り畳んだ状態で略長方形状の硬貨収納部13の両短辺がカバー部2の内面と縫合されており、財布本体1とカバー部2との間に紙幣挿通部pが形成されている。
【0068】
このように、連結面jが、紙幣収納部12を形成する面と硬貨収納部13を形成する面とを兼ねているため、財布A自体の厚みの増加を抑え、紙幣収納部12と硬貨収納部13とを設けることが可能となる。
なお、連結面jは、袋状であり、カード収納空間j1が形成されている。
【0069】
また、使用者は、連結面jや紙幣収納部12、カード収納部11を展開方向Xへ回動させることで、紙幣収納部、硬貨収納部及びカード収納部の使用を、フレキシブルに切り替えることが可能となり、図9に示す状態において、任意の硬貨sを硬貨収納部13に収納することができる(矢印g)。
【0070】
なお、上述の実施形態において示した各構成部材の諸形状や寸法等は一例であって、設計要求等に基づき種々変更可能である。
【符号の説明】
【0071】
A 財布
1 財布本体
11 カード収納部
11a 切り欠き
11b 仕切り
12 紙幣収納部
13 硬貨収納部
j 連結面
j1 カード収納空間
t 係止手段
t1 係止具
t2 係止具収納部
m 着脱部材
m1 凸部
m2 凹部
2 カバー部
21 第一着脱面
21a 着脱用舌片
22 第二着脱面
22a 帯状体
22b 紙幣固定部
22b1 固定用舌片
23 側面
23a 収納空間形成シート
24 側面
25 側面
25a 小物収納部
25a1 カード収納面
25a2 小物収納面
n 切り込み
p 紙幣挿通部
c カード
b 紙幣
s 硬貨
X 展開方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9