(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-20
(45)【発行日】2023-03-29
(54)【発明の名称】植物栽培装置
(51)【国際特許分類】
A01G 9/00 20180101AFI20230322BHJP
【FI】
A01G9/00 C
(21)【出願番号】P 2022084491
(22)【出願日】2022-05-24
【審査請求日】2022-09-16
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】391040973
【氏名又は名称】徳寿工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092875
【氏名又は名称】白川 孝治
(72)【発明者】
【氏名】坂谷 英志郎
(72)【発明者】
【氏名】谷口 将一
【審査官】吉田 英一
(56)【参考文献】
【文献】特許第7034358(JP,B1)
【文献】特開2001-269059(JP,A)
【文献】米国特許第06557491(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 9/00
A01G 7/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の方向に所定の間隔を置いて並設された複数の架台と、該複数の架台の上部に設けられた複数の軸受部と、該複数の軸受部の各軸受孔を貫通する状態で回転可能に軸支された回転軸と、上記複数の軸受部の相互に対向する軸受部間における上記回転軸の各軸受端部側に位置して直交状態で中間部を支持され、当該回転軸の回転に応じて垂直面方向に回動する各アーム部材と、該各アーム部材の両端部に相対回転可能に吊り下げられた一対の栽培床とを備え、上記回転軸を所定の回動手段で回転させることにより、上記各アーム部材の両端部に相対回転可能に吊り下げられた一対の栽培床を相互に水平な第1の吊り下げ状態と相互に垂直又は垂直に近い第2の吊り下げ状態に変位させる植物栽培装置であって、
上記複数の架台は、それぞれ上記
各軸受部の軸受孔の位置を上記回転軸が同一軸心状態で直線的に貫通し得るように上下および左右
各方向に任意に調節し得る軸受孔位置調節構造を備えて構成されている
一方、
上記各軸受部は、上記対応する各架台に対してそれぞれ前後方向に傾動可能に取り付けられており、その軸受孔の開口面が鉛直面方向に沿うように調節可能となっている、
ことを特徴とする植物栽培装置。
【請求項2】
複数の軸受部は、それぞれ
対応する各架台に対して前後方向に傾動可能に取り付けられた上部が半円形で下部が方形の軸受本体プレートと、該軸受本体プレートの上部側半円形部分に同軸に対応し、外周部に設けた複数個の連結軸を介して所定の間隔を開けた状態で連結一体化されたリングプレートと、該リングプレートと上記軸受本体プレートの上部を連結する上記複数個の連結軸の外周に回転可能に遊嵌された複数個のローラー部材と、これら複数個のローラー部材の内側に内接する状態で回転可能に保持された円形の回転プレートと、該回転プレートの中心部に設けられた軸受孔とからなっていることを特徴とする請求項1に記載の植物栽培装置。
【請求項3】
回転軸は角形の鋼管部材よりなり、各回転プレートの軸受孔は、同角形の鋼管部材よりなる回転軸を同軸水平状態に貫挿する角形の回転軸貫挿孔よりなっていることを特徴とする請求項2記載の植物栽培装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、栽培床をアーム部材および回転軸を介して所定の架台上に回動可能に支持し、植物栽培施設の空間部を利用して植物を栽培するようにした植物栽培装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近の植物栽培装置では、ビニールハウス等植物栽培施設内の限られたスペースにおいて可能な限り苗の植え付け本数(床数)を増やして収量を増大させること、常時各栽培床の植物に均等に太陽光線を当てて、均一、かつ良好な生育を図ること、限られたスペースにおいて可能な限り苗の植え付け本数を増やしながらも、必要な時には必要な作業スペースを確保できることが求められている。
【0003】
このような事情に基づき、本願発明者等は、上記のような植物栽培施設内において、左右一対の栽培床をアーム部材および回転軸を介して所定の架台上に回動可能に支持し、所定の回転操作手段によって回転軸を回転させることによって、左右一対の栽培床が共に水平な状態に維持される第1の状態と何れか一方が上方で他方が下方の垂直な状態に維持される第2の状態に任意に変位させることができるようにした植物栽培装置の特許出願を行った(特許文献1を参照)。
【0004】
このような構成の植物栽培装置では、左右一対の栽培床が水平に維持された状態では複数列の栽培装置の栽培床が相互に近接することにより植え付け本数(床数)の増大が図られ、また各栽培装置の栽培床に均等に太陽光線が当てられて均一かつ良好な生育状態が実現される。さらに左右一対の栽培床が垂直に維持された状態では複数列の栽培装置相互の間に必要な作業空間が形成される。したがって、上記各要望に応えることができる。
【0005】
そして、この植物栽培装置の場合、アーム部材を介して左右一対の栽培床を回動可能に支持する回転軸には相当に長尺(例えば一例として全長25m程度)のものを用いており、同長尺の回動軸の長手方向両端間に所定の間隔(例えば6m間隔)で複数組(例えば4組)の架台を設置し、それら各架台の上部中央に設けた軸受け部で長尺の回転軸を回転可能に支持する一方、隣接する架台間において前後一対のアーム部材、前後一対のアーム部材両端間に左右一対の栽培床を配設し、回転可能に支持している。複数組の各架台は、たとえば左右2本の脚部を備えた門型の構造をしていて、左右2本の脚部を栽培施設内の設置面にコンクリートなどで基礎打ちをし、レベルを取ることにより必要な高さに設置している。
【0006】
長尺の回転軸としては単体(一本)のもの又は連結構造(継ぎ足し構造)のものが任意に採用されている。この長尺の回転軸の一端には、たとえば減速機構を備えた手動式の回転操作手段が設けられており、同回転操作手段を用いて一端から他端までの全体(25m)を必要に応じ回転させて、アーム部材を水平状態から垂直状態、垂直状態から水平状態に回動するようになっている。
【0007】
これにより、前後一対のアーム部材両端間に相対回転可能に吊り下げられている左右一対の栽培床も水平状態から垂直状態、垂直状態から水平状態に回動変位する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、上記特許文献1の植物栽培装置のように、回転軸が相当な長尺であり、減速機構を備えた手動式の回転操作手段を用いて複数列の前後一対のアーム部材、同前後一対のアーム部材両端間に支持された左右一対の栽培床を支持した回転軸を一端から他端までの全体に亘って軸ブレなくスムーズに回転させるには、当該回転軸の一端から他端までの全体が複数の軸受けそれぞれによってストレートな同一軸心状態に支持されていること、すなわち水平、垂直いずれの方向にも変位せず、できるだけ完全な同一軸心状態に保持されていることが必要である。
【0010】
ところが、複数列の各架台が左右2本の脚部を備えた門型の構造をしていて、左右2本の脚部とそれらの上端同士を相互に連結する連結部(軸受け支持部)が完全な固定構造の場合、複数列ある各架台それ全体として、設置位置の設定およびレベル調整を行なわなければならないため、非常に設置作業が面倒になる。また、コンクリートによる基礎打ちはそれ自体面倒な作業であり、できるだけビニールハウス等植物栽培施設の圃場部分には基礎打ちをしたくない事情もある。
【0011】
そこで、例えば複数列の各架台の左右2本の脚部を基礎打ちをすることなく、設置面(圃場面)の土中に所定の深さ打ち込んで必要な高さに支持することが考えられる。しかし、その場合にも、左右2本の脚部とそれらの上端同士を相互に連結する連結部(軸受け支持部)が完全な固定構造の場合には脚部の打ち込みが難しく、基礎工事がないと適切な設置は困難である。
【0012】
このような事情から、上記先の出願の発明の架台構造には、未だ改良の必要性が見出された。
【0013】
本願発明は、このような問題を解決するためになされたもので、架台を構成する左右2本の脚部と該左右2本の脚部の上端部を連結する連結部材(軸受け支持部)の連結部を最終的な固定状態までは相対的に可動とすることにより、基礎工事を行う場合はもちろん、単に左右2本の脚部を土中に所定の深さ打ち込んで必要な高さに支持する場合にも、容易に水平、垂直各方向の位置調整を行うことができる架台を備えた植物栽培装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本願発明は、上記の課題を解決するための手段として、次のような構成を有している。
【0015】
(1)請求項1の発明の課題解決手段
請求項1の発明の植物栽培装置は、所定の方向に所定の間隔を置いて並設された複数の架台と、該複数の架台の上部に設けられた複数の軸受部と、該複数の軸受部の各軸受孔を貫通する状態で回転可能に軸支された回転軸と、上記複数の軸受部の相互に対向する軸受部間における上記回転軸の各軸受端部側に位置して直交状態で中間部を支持され、当該回転軸の回転に応じて垂直面方向に回動する各アーム部材と、該各アーム部材の両端部に相対回転可能に吊り下げられた一対の栽培床とを備え、上記回転軸を所定の回動手段で回動させることにより、上記各アーム部材の両端部に相対回転可能に吊り下げられた一対の栽培床を相互に水平な第1の吊り下げ状態と相互に垂直又は垂直に近い第2の吊り下げ状態に変位させる植物栽培装置であって、上記複数の架台は、それぞれ上記軸受部の軸受孔の位置を上記回転軸が同一軸心状態で直線的に貫通し得るように水平および垂直方向に任意に調節し得る軸受孔位置調節構造を備えて構成されている一方、上記各軸受部は、上記対応する各架台に対してそれぞれ前後方向に傾動可能に取り付けられており、その軸受孔の開口面が鉛直面方向に沿うように調節可能となっていることを特徴としている。
【0016】
このような構成によると、所定の方向に所定の間隔を置いて複数台並設されている各架台上の軸受部の軸受孔を貫通して回転可能に軸支されている回転軸を回動させることにより、各架台間における前後一対のアーム部材の両端部に相対回転可能に吊り下げられている左右一対の栽培床を相互に水平な第1の吊り下げ状態と相互に垂直又は垂直に近い第2の吊り下げ状態、又はその逆の状態に任意に変位させることができる。
【0017】
したがって、先の出願の場合と同様に、所定の植物栽培施設内において、当該構成の植物栽培装置を左右方向に複数列近接して設置した場合、左右一対の栽培床を相互に水平な第1の吊り下げ状態に維持した状態では、栽培施設内の空間を有効に活用し、植え付け本数(床数)の増大を図ることができ、また左右一対の複数の栽培床の各々に均一に太陽光を照射させることができるので、生育効率を向上させることができる。他方、左右一対の栽培床を相互に垂直又は垂直に近い第2の吊り下げ状態に維持した状態では、左右方向複数列の植物栽培装置相互の間に必要な作業スペースを形成することができる。また、左右一対の栽培床のうち、作業の必要な栽培床を上方側に位置させることにより、楽な作業姿勢での作業が可能になる。この第2の吊り下げ状態は、一対の栽培床が上下鉛直方向に位置する完全に垂直な状態に変位させても良いが、同垂直な状態からある程度傾斜した垂直に近い状態(垂直手前の状態)でも良く、略同様の目的を達成することができる。また、これにより上方側に来る栽培床の高さ調節を行うこともできる。
【0018】
そして、この発明の植物栽培装置では、そのような植物栽培装置の構成において、上部に軸受部を取り付け、同軸受部を介して上記回転軸を支持する複数の架台は、それぞれ上記軸受部の軸受孔の位置を上記回転軸が同一軸心状態で直線的に貫通し得るように水平および垂直方向に任意に調節し得る軸受孔位置調節構造を備えて構成されている。
【0019】
したがって、上記回転軸を回転可能に支持する複数の架台上の各軸受部の軸受孔の位置は、当該架台の軸受孔位置調節構造を利用して上記回転軸が同一軸心状態で直線的に貫通し得るように水平および垂直方向に適切に調節される。その結果、各架台の脚部を設置面に打ち込むようにした場合にも、複数の架台上の複数の軸受部の各軸受け孔の位置を同一軸線上に揃ったものとすることができる。そのため、各軸受け孔に対する回転軸の挿通作業は容易であり、また支持された回転軸の回転もスムーズなものとなる。
【0020】
そして、その場合において、複数の軸受部は対応する各架台に対してそれぞれ前後方向に傾動可能に取り付けられており、その軸受孔の開口面が鉛直面方向に沿うように調節可能となっていることを特徴としている。
【0021】
このような構成によると、複数の架台上の複数の軸受部の各軸受孔の位置(中心位置)を同一軸線上に揃ったものとすることができるだけでなく、複数の軸受部の各軸受孔の開口面を鉛直面方向に沿うように調節することができるので、各軸受孔の開口面を水平方向に延びる回転軸に対して確実に直交した状態で対応させることができる。その結果、各軸受部の軸受孔の中心軸同士がより確実に一致し、相互に同心状態で回転軸を支持することができるようになる。したがって、回転軸の回転状態もよりスムーズなものとなる。
【0022】
(2)請求項2の発明の課題解決手段
請求項2の発明の植物栽培装置は、上記請求項1の発明の植物栽培装置において、複数の軸受部は、それぞれ対応する各架台に対して前後方向に傾動可能に取り付けられた上部が半円形で下部が方形の軸受本体プレートと、該軸受本体プレートの上部側半円形部分に同軸に対応し、外周部に設けた複数個の連結軸を介して所定の間隔を開けた状態で連結一体化されたリングプレートと、該リングプレートと上記軸受本体プレートの上部を連結する上記複数個の連結軸の外周に回転可能に遊嵌された複数個のローラー部材と、これら複数個のローラー部材の内側に内接する状態で回転可能に保持された円形の回転プレートと、該回転プレートの中心部に設けられた軸受孔とからなっていることを特徴としている。
【0023】
請求項1の発明の植物栽培装置の構成に示されるように、複数の架台の各架台中央部に設けられる複数の軸受部は、各架台に対してそれぞれ前後方向に傾動可能(起伏可能)となっていて、その軸受孔の開口面が鉛直面方向に沿うように調節可能となっていることが好ましい。そのようになっていると、各軸受孔の開口面を水平方向に延びる回転軸に対して確実に直交した状態で対応させることができ、各軸受け部の軸受け孔の中心軸同士がより確実に一致し、相互に同心状態で回転軸を支持することができるようになる。したがって、回転軸の回転状態もよりスムーズなものとなる。
【0024】
そして、そのような構成になっている場合において、当該各軸受部が、それぞれ対応する各架台に対して前後方向に傾動可能に取り付けられた上部が半円形で下部が方形の軸受本体プレートと、該軸受本体プレートの上部側半円形部分に同軸に対応し、外周部に設けた複数個の連結軸を介して所定の間隔を開けた状態で連結一体化されたリングプレートと、該リングプレートと上記軸受本体プレートの上部を連結する上記複数個の連結軸の外周に回転可能に遊嵌された複数個のローラー部材と、これら複数個のローラー部材の内側に内接する状態で回転可能に保持された円形の回転プレートと、該回転プレートの中心部に設けられた軸受孔により構成されていると、回転軸が回転軸方向に厚さの薄い回転プレートの軸受孔により支持されるようになり、各軸受孔の貫通部において、それぞれその前後方向にある程度の傾きがあっても、その影響が小さく、よりスムーズな回転軸の回転を維持することができるようになる。
【0025】
(3)請求項3の発明の課題解決手段
請求項3の発明の植物栽培装置は、上記請求項2の発明の植物栽培装置において、回転軸は角形の鋼管部材よりなり、各回転プレートの軸受孔は、同角形の鋼管部材よりなる回転軸を同軸水平状態に貫挿する角形の回転軸貫挿孔よりなっていることを特徴としている。
【0026】
このように、上記請求項2の発明の軸受け部の構成において、回転軸を角形の鋼管部材により形成すると共に、複数個のローラー部材の内側に内接する状態で回転可能に保持されている各回転プレートの軸受孔を、同角形の鋼管部材よりなる回転軸を同軸水平状態に貫挿する角形の回転軸貫挿孔に形成すると、角形の鋼管部材よりなる回転軸を各回転プレートの角形の回転軸貫挿孔に貫挿するだけで、回転軸と各回転プレートが容易に係合され、各回転プレートを介して複数個のローラー部材により確実に回転可能に支持される。
【発明の効果】
【0027】
以上の結果、本願発明の植物栽培装置では、所定の方向に所定の間隔で並設された複数の架台の各架台部分でのレベル調節が容易になり、それら各架台の軸受け部の軸受け孔を長尺の回転軸が貫通して回転可能に支持される場合にも確実に同心状態に支持することができる。したがって、前後一対のアーム部材および前後一対のアーム部材を介して吊り下げられた左右一対の栽培床の回動もスムーズなものとなり、一端側回動操作手段による回動操作も容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本願発明の実施の形態に係る植物栽培装置の植物栽培施設(ビニールハウス)内における第1の状態(水平状態)を示す正面図である。
【
図2】同植物栽培装置の第1の状態(水平状態)における基本構成を示す拡大正面図である。
【
図3】同植物栽培装置の植物栽培施設(ビニールハウス)内における第2の状態(垂直状態)を示す正面図である。
【
図4】同植物栽培装置の第2の状態(垂直状態)における基本構成を示す拡大正面図である。
【
図5】同植物栽培装置の植物栽培施設(ビニールハウス)内における
図1の第1の状態(水平状態)における側面図である。
【
図6】同植物栽培装置の架台および軸受け部分の構成を示す
図2のA―A線切断部の拡大断面図である。
【
図7】同植物栽培装置の架台および軸受け部分の構成を示す拡大正面図である。
【
図8】同植物栽培装置の
図6に示す架台および軸受け部分の構成を示す拡大側面図である。
【
図9】同植物栽培装置の架台の脚部部分の構成を示す拡大斜視図である。
【
図10】同植物栽培装置の軸受部分の構成を示す拡大斜視図である。
【
図11】同植物栽培装置の架台の脚部部分の固定構造を示す拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、添付の
図1~
図11を参照して本願発明の実施の形態に係る植物栽培装置の構成および作用効果について詳細に説明する。
【0030】
<植物栽培施設の概略と当該植物栽培施設内における植物栽培装置の設置状態について>
図1および
図3は、それぞれ
図2および
図4に示す本願発明の実施の形態に係る植物栽培装置を所定の植物栽培施設(ビニールハウス等)内において左右方向(幅方向)に近接して複数列(4列)設置した設置状態を示している。
図1および
図2は、それら各列の植物栽培装置の左右一対の栽培床をそれぞれ水平な状態に維持した第1の状態、
図3および
図4は、同各列の植物栽培装置の左右一対の栽培床をそれぞれ垂直な状態に維持した第2の状態を示している。
【0031】
この実施の形態の場合、上記左右方向複数列(4列)の植物栽培装置の各列の植物栽培装置は、さらに前後方向(施設長手方向)に複数組(4組)の植物栽培装置を同軸状態に連接して構成されている。また、上記植物栽培施設内における植物栽培装置設置スペースの大きさは、一例として前後方向の長さが30m程度、左右方向の幅が6m程度、上下方向の高さが3m程度のものが選ばれており、これらの条件によって形成される空間中において、各栽培装置における左右一対の栽培床が
図1および
図2のような水平状態、
図3および
図4のような垂直状態に維持されるようになっている。
【0032】
<各植物栽培装置の構成について>
図2および
図4は、上記左右に複数列、前後に複数組配設された各植物栽培装置(1列1組の植物栽培装置)の水平状態および垂直状態の構成を示している。
【0033】
すなわち、この実施の形態における植物栽培装置は、たとえば
図5、
図6に示すように、当該植物栽培施設の前後方向(長手方向)に所定の間隔をおいて配設された、軸受部21および脚部24よりなる前後一対の架台2,2と、該架台2,2の各軸受部21,21により前後両端部を回転可能に支持された所定の長さの回転軸3と、該回転軸3の架台2,2間の前後両端部にあって各々中間部を支持された所定の長さの前後一対のアーム部材4,4と、該アーム部材4,4各々の左右両端側に相対回動可能に軸支された左右一対の栽培床支持枠5,5と、該左右一対の栽培床支持枠5,5の前後栽培床支持枠5,5間に設けられた2本の金属パイプ11,11よりなる栽培床とから構成されている。
【0034】
<架台2部分の構成について>
この実施の形態における架台2,2は、たとえば
図7~
図10に示すように、当該植物栽培施設の装置設置面上に所定の間隔を保って鉛直に立設される所定の高さの脚部24と、該脚部24の上端部中央に設けられる軸受部21とから成っている。
【0035】
脚部24は、軸受部21取り付け用の長さの短い第1の金属パイプ24aと、該第1の金属パイプ24aの両端を支持する長さの長い第2、第3の金属パイプ24b,24bと、第1の金属パイプ24aの両端を第2、第3の金属パイプ24b,24bの上端側所定の位置に係合固定するブラケット部材27、27とからなっている。第2、第3の金属パイプ24b,24bは、当該植物栽培施設の装置設置面地中に等間隔で相互に平行に所定の深さ打ち込むことにより、所望の高さの鉛直な状態に立設される。そして、それら相互に平行な等間隔の第2、第3の金属パイプ24b,24bの上端部間に上記ブラケット部材27、27を用いて水平に交差直交する状態に上記第1の金属パイプ24aの両端が係合固定される。
【0036】
上記ブラケット部材27、27は、たとえば
図9、
図11に示すように、側面視V字形状で開口部側が拡大した本体部材27aと、該本体部材27aの開口端側係合リブの内側に側方から強制的に打ち込まれる楔部材27bとからなっている。そして、上記第2、第3の金属パイプ24b,24bの上端部間に上記ブラケット部材27、27を用いて上記第1の金属パイプ24aの両端を交差する状態に係合し、水準器を用いて上記第1の金属パイプ24aが水平状態にあることを確認した後に楔部材27bを打ち込んで確実に係合固定する。固定後は、たとえば
図11に示すように、必要に応じて、上記ブラケット部材27,27の曲成部正面部分にドリリングネジ29を螺合して最終的な固定を行う。これにより軸受部21を取り付ける上記第1の金属パイプ24aの高さ調節と同第1の金属パイプ24a部分の上記第2、第3の金属パイプ24b,24bの上端部間への水平な取り付けが実現される。
【0037】
<軸受部21部分の構成について>
図6~
図8、
図10は、上述した回転軸3を軸周り方向に回転可能に支持する軸受部21部分の構成を示している。
【0038】
すなわち、この実施の形態の軸受部21は、上部22aが半円形で下部が方形の軸受本体プレート22と、該軸受本体プレート22の上部22a側半円形部分に同軸に対応し、外周部に設けた6個の連結軸を介して所定の間隔を開けた状態で連結一体化されたドーナツ状のリングプレート21aと、該リングプレート21aと上記軸受本体プレート22の上部22aを連結する上記6個の連結軸の外周に回転可能に遊嵌された6個のローラー部材21b、21b・・と、これら6個のローラー部材21b、21b・・の内側に内接する状態で自由に回転可能に保持された円形で所定の厚さの回転プレート21cと、該回転プレート21cの中心部に設けられた正方形状の回転軸貫挿孔(軸受孔)30とからなっている(
図7および
図8参照)。軸受本体プレート22の方形の下部は、その端部が所定幅水平方向に直角に折り曲げられて、上述した脚部24側の第1の金属パイプ24aへの取付用フランジ部22bを形成している。この脚部24側第1の金属パイプ24aへの取付用フランジ部22bは、脚部24の第1の金属パイプ24aに対して左右一対のU状桿26,26を介して固定される軸受け取り付け部材23の上面部23aに対してボルトナット25,25を介して取り付けられるようになっている。
【0039】
軸受け取り付け部材23は、
図7および
図10に示されるように、全体として左右方向に長い断面ハット形の形状を成し、上部側中央に上記軸受本体プレート22の取付部、下部側左右に第1の金属パイプ24aに当接するフランジ部23b,23bを有して構成されている。フランジ部23b,23bは、それぞれ前後に長く、その前端側と後端側の2カ所には各々U状桿26,26嵌挿用の所定の幅の長穴23c,23c、23c,23cが設けられている。これら長穴23c,23c、23c,23cには、たとえば
図6~
図8に示すように、それぞれ上記第1の金属パイプ24aの下方側からU状桿26,26のストレートな連結端部26a,26a、26a,26aが嵌挿され、同連結端部26a,26a、26a,26a部分にナット26b,26b、26b,26bを螺合し、同部分を螺合締結することにより、軸受け取り付け部材23を上記第1の金属パイプ24aの上部に固定するようになっている(
図7および
図8参照)。
【0040】
このように、軸受部21を垂直方向に支持する軸受け取り付け部材23を架台2の脚部24の第1の金属パイプ24aに対して、U状桿26,26を介して連結固定するようにすると、固定するまでの間は第1の金属パイプ24aに沿って左右方向に自由にスライドさせることができるので、軸受け部21単独での左右方向の位置の調節が可能であり、また所定のレベルで締め付けてはあっても、たとえば
図8中の矢印に示すように、左右方向の位置を決めた後に第1の金属パイプ24aを中心として半固定状態で前側又は後ろ側に所望の角度回動させることができる。つまり、軸受け部21の回転軸3長手方向(前後方向)に対する起伏角を脚部24の鉛直状態とは別に独立して最終調節することができる。
【0041】
すなわち、この実施の形態の場合、上述したように、脚部24側においては、まず左右一対の支柱である第2、第3の金属パイプ24b,24b、24b,24b・・をそれぞれ糸を張るなどして所定の左右幅、所定の前後間隔で可能な限り鉛直な状態に設置する(打ち込み設置する)。そして、その上で、軸受部21を支持する第1の金属パイプ24,24・・をそれら左右一対の支柱である第2、第3の金属パイプ24b,24b、24b,24b・・に対して、ブラケット部材27、27を用いて係合固定することにより、第1の金属パイプ24aの上下高さ(地上高)および左右位置(左右係合位置)の調節を可能としている。したがって、前後方向に所定の間隔で連設される複数の架台2,2・・の脚部24,24・・における第1の金属パイプ24、24・・の支持状態は、それぞれ第1の金属パイプ24a,24a・・全体として共通な高さおよび左右位置に設定される。
【0042】
しかし、軸受け支持部材としての第1の金属パイプ24、24・・が全体として共通な高さおよび左右位置にあったとしても、第1の金属パイプ24a、24a・・と軸受部21, 21・・は別体のものであり、第2、第3の金属パイプ24b,24b、24b,24b・・も必ずしも正確に鉛直状態に打ち込まれているとは限らない。したがって、軸受部21,21・・を軸受け取付部材22,22・・を介して各第1の金属パイプ24a,24a・・の左右方向中間部に正確に鉛直状態で取り付けるには、第1の金属パイプ24a,24a・・との関係においても、軸受部21,21・・の鉛直位置の調整を行う必要がある。
【0043】
上記のように、軸受部21を垂直方向に支持する軸受け取り付け部材23を架台2の脚部24の第1の金属パイプ24aに対して、U状桿26,26を介して連結固定するようにすると、そのような要求に確実に応えることができる。
【0044】
<軸受部21による回転軸3の支持構造について>
この実施の形態の場合、上記長尺の回転軸3としては、たとえば断面正方形の角形の鋼管部材が用いられている。そして、この角形の鋼管部材よりなる回転軸3が上記複数の架台2,2・・の各軸受部21,21・・の各回転プレート21c,21c・・の断面正方形の回転軸貫挿孔(特許請求の範囲における軸受け孔に該当する)30,30・・内に同軸水平状態に貫挿されて回転可能に支持されている。この場合、上記各回転プレート21c,21c・・における回転軸貫挿孔30,30・・の形状は、当然ながら回転軸3の外形形状に対応したものとなっているが、その内径寸法は、一例として回転軸3の外径寸法に対して所定の隙間を持った大きめの寸法に形成されている。角形の回転軸3と角形の回転軸貫挿孔30,30・・との回転方向への係合は所定の隙間があっても十分であり、また、この実施の形態における回転軸3の回転は、一時的で、しかもゆっくりとしたものであるから、相互の貫挿部に所定の隙間があっても回転時に騒音を発生させる恐れはない。
【0045】
特に、この実施の形態では、前後方向に相当に距離(25m)のある複数の架台2,2・・の各軸受部21,21・・間に連続する長尺の回転軸3を支持させるものであるから、軸受孔である各回転軸貫挿孔30,30・・部分に水平、垂直方向の位置ずれがあると、長尺の回転軸3を真っ直ぐに挿通させるのが難しいし、無理に挿通させたとしても回転軸貫挿孔30,30・・と回転軸3との間に交差方向の力が生じてスムーズに回らない恐れがある。
【0046】
ところが、上述のように、軸受部21における回転軸貫挿孔30,30・・を回転軸3の軸方向に厚さの薄い回転プレート21cに形成すると共に、同回転軸貫挿孔30,30・・の内径を回転軸3の外径よりも所定寸法大きいものに すると、回転軸3の挿通が容易なだけでなく、軸受孔である回転軸貫挿孔30,30・・部分に少々の水平、垂直方向の位置ずれがあったとしても、回転軸3との間に交差方向の力を生じさせるようなことがなく、スムーズな回転を実現することができる。また、この実施の形態の場合、上記回転軸貫挿孔30,30・・を形成した回転プレート21cだけでなく、同回転プレート21cをローラー部材21b,21b・・を介して支持する軸受けプレート22およびリングプレート21aも共に偏平なプレート部材で形成されている。したがって、より上記の作用を実現しやすくなる。
【0047】
また、そのような全体としても偏平で回転軸3方向の寸法が小さい軸受部21の起伏角が、上述のように調節可能となっている。したがって、同構成の場合、上記回転軸3の長さが相当に長くなっても、容易な挿通、スムーズな回転を実現することができる。
【0048】
<アーム部材4,4の構成>
上記複数の架台2,2・・の相互に対向する架台2,2間において、その前後両端側に位置して設けられるアーム部材4,4は、たとえば
図2、
図4~
図6に示されるように、上記脚部24の第1の金属パイプ24aの長さの2倍程度の長さの断面長方形の角形鋼管よりなり、その中間部部分に断面正方形の上記回転軸3の貫挿孔(図示省略)を形成して構成されている。そして、同回転軸貫挿孔に対して上記回転軸3を貫挿することにより架台2,2上の空間部に支持され、当該回転軸3の回転に応じて当該回転軸3周りの鉛直面に沿って右回り又は左回りに回転せしめられるようになっている。
【0049】
<左右一対の栽培床の構成>
一方、この実施の形態の場合、上記アーム部材4,4各々の左右両端側に栽培床支持枠5,5、5,5を介して相対回動可能に吊り下げられた左右一対の栽培床は、たとえば
図2、
図4に示されるように、それぞれ所定の間隔を置いて並設支持された2本の金属パイプ11,11により構成されている。栽培床支持枠5,5、5,5は、たとえば側面視三角形状の金属製板枠により構成され、その上端側頂辺部5a,5a、5a,5a中央部を連結軸40,40,40,40を介して上記アーム部材4,4各々の左右両端側に相対回動可能に枢着されている一方、下端側底辺部5b,5b、5b,5bに所定の間隔を開けて2本の金属パイプ11,11、11,11の両端を係合している。そして、同2本の金属パイプ11,11、11,11上にそれぞれ前後方向各2組の養液管理が可能なピートバッグ1,1、1,1を設置して培地としている(
図5,
図6参照)。
【0050】
図5では、それら前後2組のピートバッグ1,1相互間の中間部分を切除して示している(2本の2点鎖線参照)ことから1組に見えるが、左右のものは別々であり、実際には2組のピートバッグ1,1が設置されている。これは他の架台2,2・・間においても同様である。
【0051】
<上記実施の形態に係る植物栽培装置の特徴>
以上のような構成によると、所定の方向に所定の間隔を置いて複数台並設されている各架台2,2・・上の軸受部21、21・・の軸受孔である回転軸貫挿孔30、30・・を貫通して回転可能に軸支されている回転軸3を回動させることにより、各架台2,2・・間における前後一対のアーム部材4,4、4,4・・の両端部に相対回転可能に吊り下げられている左右一対の栽培床を相互に水平な第1の吊り下げ状態(
図1および
図2)と相互に垂直な第2の吊り下げ状態(
図3および
図4)、又はその逆の状態に任意に変位させることができる。
【0052】
したがって、すでに述べた先の出願の場合と同様に、所定の植物栽培施設内において、当該構成の植物栽培装置を左右方向に複数列近接して設置した場合、左右一対の栽培床を相互に水平な第1の吊り下げ状態(
図1および
図2)に維持した状態では、栽培施設内の空間を有効に活用し、植え付け本数(床数)の増大を図ることができ、また左右一対の複数の栽培床の各々に均一に太陽光を照射させることができるので、生育効率を向上させることができる。他方、左右一対の栽培床を相互に垂直な第2の吊り下げ状態(
図3および
図4)に維持した状態では、左右方向複数列の植物栽培装置相互の間に必要な作業スペースを形成することができる。また、左右一対の栽培床のうち、作業の必要な栽培床を上方側に位置させることにより、楽な作業姿勢での作業が可能になる。なお、この第2の吊り下げ状態は、
図3および
図4のように一対の栽培床が上下鉛直方向に位置する完全に垂直な状態だけでなく、たとえば上記垂直な状態からある程度傾斜した垂直に近い状態(垂直手前の状態)でも良く、略同様の目的を達成することができる。また、これにより上方側に来る栽培床の高さ調節を行うことも可能となる。
【0053】
また、上記植物栽培装置では、上記上部に軸受部21を取り付け、同軸受部21を介して上記回転軸3を支持する複数の架台2,2・・は、それぞれ上記軸受部21の軸受孔である回転軸貫挿孔30、30・・の位置を上記回転軸3が同一軸心状態で直線的に貫通し得るように水平および垂直方向に任意に調節し得る回転軸貫挿口位置調節構造を備えて構成されている。
【0054】
したがって、上記回転軸3を回転可能に支持する複数の架台2,2・・上の各軸受部21,21・・の回転軸貫挿孔30、30・・の位置は、当該架台2,2・・の回転軸貫挿口位置調節構造を利用して上記回転軸3が同一軸心状態で直線的に貫通し得るように水平および垂直方向に適切に調節される。その結果、各架台2,2・・の脚部24、24・・(その第2、第3の金属パイプ24b,24b)を設置面に打ち込むようにした場合にも、複数の架台2,2・・上の複数の軸受部21,21・・の各回転軸貫挿孔30、30・・の位置を同一軸線上に揃ったものとすることができる。そのため、各回転軸貫挿孔30、30・・に対する回転軸3の挿通作業は容易であり、また支持された回転軸3の回転もスムーズとなる。
【0055】
<各種の変形例について>
以上の説明では、回転軸3として、たとえば断面正方形の角形鋼管を採用したが、これはたとえば円形鋼管又は内実型の円形軸に変更することも可能である。その場合、アーム部材4,4の回転軸貫挿孔と回転軸3外周との間に相互に係合する係合部を設け、回転軸3の回転に応じてアーム部材4,4がスムーズに回転するようにする。
【0056】
また、以上の説明では、脚部24を、それぞれ断面円形の第1の金属パイプ24a、第2、第3の金属パイプ24b,24bにより形成したが、これらはたとえば断面正方形の角型金属パイプに変更することもできる。
【0057】
また、以上の説明における前後一対のアーム部材4,4・・の長さ寸法及び(又は)栽培床支持枠5,5・・の上下寸法は、栽培床で栽培される植物の種類に応じて適切な寸法に設定される。たとえば栽培される植物が苺の場合、着果期になると果梗部分が長くのび、実が栽培床の両側から下方に垂れ下がる。
【0058】
したがって、栽培する植物が苺などの場合には、それを考慮してアーム部材4,4・・の長さを、その他の植物の場合よりも長くし、また栽培床支持枠5,5・・の上下寸法(上端側頂辺部5a,5a・・と下端側底辺部5b,5b・・間の寸法)を短くすることによって、栽培床5,5・・の回転半径を大きくし(栽培床底部の金属パイプ11,11・・と回転軸3との距離を大きくし)、上述した
図2の状態から
図4の状態(又はその逆の
図4の状態から
図2の状態)にアーム部材4,4・・(栽培床)を回転させたときに、垂れ下がった苺の実が回転軸3に干渉しないようにする。
【符号の説明】
【0059】
1:ピートバッグ
2:架台
3:回転軸
4:アーム部材
5:栽培床支持枠
11:金属パイプ
21:軸受部
21a:リングプレート
21b:ローラー部材
21c:回転プレート
22:軸受け本体プレート
24:脚部
24a:第1の金属パイプ
24b,24b:第2,第3の金属パイプ
27:ブラケット部材
30:回転軸貫挿孔(軸受孔)
【要約】 (修正有)
【課題】回転軸を支持する軸受け部の水平、垂直各方向の位置調整ができる架台を備えた植物栽培装置を提供する。
【解決手段】複数の架台と、該複数の架台の上部に設けられた複数の軸受部と、該複数の軸受部の各軸受孔を貫通する状態で回転可能に軸支された回転軸と、複数の軸受部の相互に対向する軸受部間における回転軸の各軸受端部側に位置して直交状態で中間部を支持され、回転軸の回転に応じて垂直面方向に回動する各アーム部材と、各アーム部材の両端部に相対回転可能に吊り下げられた一対の栽培床とを備え、回動軸を回動させることにより、各アーム部材の両端部に相対回転可能に吊り下げられた一対の栽培床を相互に水平な第1の状態と相互に垂直又は垂直に近い第2の状態に変位させる植物栽培装置であって、複数の架台は、軸受孔の位置を回転軸が同一軸心状態で貫通し得るように水平および垂直方向に調節する軸受孔位置調節構造を備る。
【選択図】
図7