(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-20
(45)【発行日】2023-03-29
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20230322BHJP
【FI】
A63F7/02 304D
(21)【出願番号】P 2018082729
(22)【出願日】2018-04-24
【審査請求日】2021-01-21
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000154679
【氏名又は名称】株式会社平和
(74)【代理人】
【識別番号】100120592
【氏名又は名称】山崎 崇裕
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 康仁
(72)【発明者】
【氏名】岸 正明
(72)【発明者】
【氏名】石原 佳嗣
【審査官】大浜 康夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-000238(JP,A)
【文献】特開2017-217502(JP,A)
【文献】特開2017-070383(JP,A)
【文献】特開2017-192844(JP,A)
【文献】特開2013-126461(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも下降が可能な可動体と、
前記可動体の第1部位を最上部の高さを含む複数の高さで支持可能な第1支持部材と、
前記可動体の前記第1部位とは異なる第2部位を
少なくとも最上部、中段部及び最下部の高さで支持可能な第2支持部材と
を備え、
前記第2支持部材は、
前記第2部位を前記中段部の高さで支持する動摩擦係数がゴムより低い材料を用いて形成された特定支持部と、衝撃吸収性を有した材料を用いて形成され前記特定支持部の下側に密着して配置された衝撃吸収体とを有しており、前記特定支持部の動作に伴って前記第2部位を前記中段部の高さから下降させ、
前記可動体は、
前記第1部位が前記最上部の高さで支持されつつ前記第2部位が
前記最下部の高さで支持されうることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技の進行に伴い可動体を用いた演出を実行する遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の遊技機においては、可動体による演出効果を向上させるために、様々な工夫がなされている。例えば、主可動体には、副可動体及びこれを駆動するモータが配設されるとともに、一方がリールに連結された索条体の他端が連結されており、連繋手段がリールの回転を規制することで主可動体を上方の第1位置に保持しつつ、規制を解除してリールの繰出方向への回転を許容することで主可動体を下方の第2位置まで自重によって落下させ、主可動体が第2位置に落下した状態からリールを巻取方向に回転して索条体を巻取ることで主可動体を第1位置まで移動させる遊技機が知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の先行技術によれば、副可動体を駆動することで、主可動体に連結されている索条体に加わる荷重を増加することができるため、可動体を勢いよく移動させてインパクトのある演出を行うことができると考えられる。
【0005】
しかしながら、主可動体を第1位置から第2位置に落下させるだけでは動作が単調であるため、遊技回数を重ねるうちに落下動作を見慣れてしまい、遊技者を飽きさせてしまう虞がある。
【0006】
そこで、本発明は、可動体を用いて遊技者を飽きさせない演出を実行する技術の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するため以下の解決手段を採用する。なお、以下の括弧書中の文言はあくまで例示であり、本発明はこれに限定されるものではない。また、本発明は、以下の解決手段に示す各発明特定事項を少なくとも1つ含む発明とすることができる。さらに、以下の解決手段に示す各発明特定事項には、発明特定事項を限定する要素を追加して下位概念化することができ、発明特定事項を限定する要素を削除して上位概念化することもできる。
【0008】
解決手段1:本解決手段の遊技機は、自重による落下が可能な可動体と、前記可動体の第1部位を第1位置で支持する第1支持部材と、前記可動体の前記第1部位とは異なる第2部位を前記第1位置とは異なる高さの第2位置で支持する第2支持部材とを備える。
【0009】
全ての解決手段は、以下の流れで遊技が進行する点において共通している。
(1)遊技球が発射されると、障害釘や風車、構造物等に案内されながら遊技領域内を流下し、その過程で何らかの領域を通過したり、入球口(入賞口等)に入球したりする。遊技領域内で発生するこれらの事象に応じて遊技が進行する。
【0010】
本解決手段は、以下の特徴を有している。
(2)可動体は、上記(1)の遊技領域内に設けられており、自重による落下が可能である。
【0011】
(3)第1支持部材は、上記(2)の可動体の一部位である第1部位(例えば一端部)を第1位置で支持する。第1支持部材には、自重により落下した可動体の第1部位を支持してその落下を規制する部材(ストッパー)や、可動体の第1部位を第1位置に保持する部材(ロック部)等が該当する。
【0012】
(4)第2支持部材は、上記(2)の可動体の一部位であり上記(3)の第1部位とは異なる第2部位(例えば他端部)を上記(3)の第1位置とは異なる高さの第2位置で支持する。第2支持部材には、自重により落下した可動体の第2部位を支持してその落下を規制する部材(ストッパー)や、可動体の第2部位を第2位置に保持する部材(ロック部)等が該当する。
【0013】
可動体を用いた演出においては、その動きによって視覚効果を高めるために、モータからの駆動力を利用して可動体を一定の方向に変位させたり、或いは自重により可動体を水平に落下させたりする動作が、一般的によく取り入れられている。しかしながら、これらの動作はいずれも、可動体の動作方向に変化がないため、遊技者の目には可動体を規則的に移動させているだけの単調なものとして映り、遊技者を飽きさせてしまう虞がある。
【0014】
これに対し、本解決手段の遊技機においては、可動体の第1部位は或る高さの第1位置で支持される一方、可動体の第2部位は異なる高さの第2位置で支持される。つまり、2つの部位がそれぞれ高さの異なる位置で支持されることにより、落下した後の可動体には傾きが生じる。したがって、本解決手段によれば、変則的に見える態様で可動体を落下させてその可動体を支持することができるため、可動体を用いて遊技者を飽きさせない演出を実行することができる。
【0015】
解決手段2:本解決手段の遊技機は、解決手段1において、前記可動体は、自己に生じる傾きに応じて前記第1部位から前記第2部位までの長さを変更可能に設けられている。
【0016】
本解決手段には、以下の特徴が追加される。
(5)上記(2)の可動体は、自己が傾くと、その傾きに応じて上記(3)の第1部位から上記(4)の第2部位までの長さを変更可能に設けられている。
【0017】
可動体を高さ方向に落下又は変位させる機構においては、可動体を支持しながら高さ方向に変位することが可能な支持体が設けられる。こうした支持体を高さ方向に案内するガイド部材の位置は、固定されているのが一般的である。また、可動体が2つの部位で支持される場合には、支持体は2つ設けられ、ガイド部材はそれぞれに1個ずつ合計2個設けられる。
【0018】
可動体が水平な状態においては、2つの支持体間の距離は、2個のガイド部材間の距離に等しく、一定であるため、可動体はいずれの高さでも支持されることが可能である。しかしながら、可動体が傾いた状態においては、2つの支持体間の距離は、可動体が水平な状態における場合よりも大きくなるため、水平な状態における距離と傾いた状態における距離との差分を補う機構が無ければ、可動体は水平な状態のまま留まるほかなく、傾くことができない。言い方を変えると、距離の差分を補う機構が無ければ、可動体はその2つの部位が異なる高さで支持を受けることは不可能である。
【0019】
これに対し、本解決手段によれば、可動体は支持を受ける第1部位から第2部位までの長さを可動体に生じる傾きに応じて変更することができるため、傾斜することにより長くなる可動体と2つの支持体間の距離を適切に調整しながら可動体をスムーズに傾斜させることができる。したがって、可動体を用いた演出をより効果的に実行して、遊技者を飽きさせない演出を実行することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、可動体を用いて遊技者を飽きさせない演出を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図5】ロゴ可動体ユニットの背面図の一部を拡大した図である。
【
図6】左右に分解された状態のロゴ可動体ユニットを示す背面図(1/2)である。
【
図7】左右に分解された状態のロゴ可動体ユニットを示す背面図(2/2)である。
【
図8】ロゴ可動体ユニットを背面側からみた斜視図である。
【
図9】ロゴ可動体の落下態様を説明する図(1/5)である。
【
図10】ロゴ可動体の落下態様を説明する図(2/5)である。
【
図11】ロゴ可動体の落下態様を説明する図(3/5)である。
【
図12】ロゴ可動体の落下態様を説明する図(4/5)である。
【
図13】ロゴ可動体の落下態様を説明する図(5/5)である。
【
図14】遊技盤ユニットの一部を拡大して示す正面図である。
【
図15】パチンコ機に装備された各種の電子機器類を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、パチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と略称する。)1の正面図である。また、
図2は、パチンコ機1の背面図である。パチンコ機1は、遊技球を遊技媒体として用いるものであり、遊技者は、遊技場運営者から遊技球を借り受けてパチンコ機1による遊技を行う。なお、パチンコ機1における遊技において、遊技球はその1個1個が遊技価値を有した媒体であり、遊技の成果として遊技者が享受する特典(利益)は、例えば遊技者が獲得した遊技球の数に基づいて遊技価値に換算することができる。以下、
図1及び
図2を参照しつつパチンコ機1の全体構成について説明する。
【0023】
〔全体構成〕
パチンコ機1は、その本体として主に外枠ユニット2、一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7(プラ枠、遊技機枠)を備えている。遊技者に相対する正面からみて、その最も前面側には一体扉ユニット4が位置している。一体扉ユニット4の背面側(奥側)には内枠アセンブリ7が位置しており、内枠アセンブリ7の外側を囲むようにして外枠ユニット2が配置されている。
【0024】
外枠ユニット2は、木材及び金属材を縦長の矩形状に組み合わせた構造体であり、この外枠ユニット2は、遊技場内の島設備(図示されていない)に対してねじ等の締結具を用いて固定されるものである。なお、縦長矩形状の外枠ユニット2において、上下の短辺に相当する部位には木材が用いられており、左右の長辺に相当する部位には金属材が用いられている。
【0025】
一体扉ユニット4は、その下部位置に受皿ユニット6が一体化された構造である。一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7は、外枠ユニット2を介して島設備に取り付けられ、これらはそれぞれ図示しないヒンジ機構を介して開閉式に動作する。図示しないヒンジ機構の開閉軸線は、パチンコ機1の正面からみて左側端部に沿って垂直方向に延びている。
【0026】
図1中の正面からみて内枠アセンブリ7の右側縁部(
図2では左側縁部)には、その内側に統一錠ユニット9が設けられている。また、これに対応して一体扉ユニット4及び外枠ユニット2の右側縁部(裏側)にも、それぞれ図示しない施錠具が設けられている。
図1に示されるように、外枠ユニット2に対して一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7が閉じた状態で、その裏側にある統一錠ユニット9は施錠具とともに一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7の開放を不能にしている。
【0027】
また、受皿ユニット6の右側縁部には鍵穴付きのシリンダ錠6aが設けられている。例えば、遊技場の管理者が専用キーを鍵穴に差し込んでシリンダ錠6aを時計回りに捻ると、統一錠ユニット9が作動して内枠アセンブリ7とともに一体扉ユニット4の開放が可能な状態となる。これら全体を外枠ユニット2から前面側へ開放する(扉のように動かす)と、前面側にてパチンコ機1の裏側が露出することになる。
【0028】
一方、シリンダ錠6aを反時計回りに捻ると、内枠アセンブリ7は施錠されたままで一体扉ユニット4の施錠だけが解除され、一体扉ユニット4が開放可能となる。一体扉ユニット4を前面側へ開放すると遊技盤ユニット8が直に露出し、この状態で遊技場の管理者が盤面内での球詰まり等の障害を取り除くことができる。また、一体扉ユニット4を開放すると、受皿ユニット6も一緒に前面側へ開放される。
【0029】
また、パチンコ機1は、遊技用ユニットとして遊技盤ユニット8を備えている。遊技盤ユニット8は、一体扉ユニット4の背後(内側)で内枠アセンブリ7に支持されている。遊技盤ユニット8は、例えば一体扉ユニット4を前面側へ開放した状態で内枠アセンブリ7に対して着脱可能である。一体扉ユニット4には、その中央部に縦長円形状の窓4aが形成されており、この窓4a内にガラスユニット(参照符号なし)が取り付けられている。ガラスユニットは、例えば窓4aの形状に合わせてカットされた2枚の透明板(ガラス板)を組み合わせたものである。ガラスユニットは、一体扉ユニット4の裏側に図示しない取り付け具を介して取り付けられる。遊技盤ユニット8の前面には遊技領域8a(盤面、遊技盤)が形成されており、この遊技領域8aは窓4aを通じて前面側から遊技者に視認可能である。一体扉ユニット4が閉じられると、ガラスユニットの内面と盤面との間に遊技球が流下できる空間が形成される。
【0030】
〔球皿の構成〕
受皿ユニット6は、全体的に一体扉ユニット4から前面側へ突出した形状をなしており、その上面に上皿6bが形成されている。この上皿6bには、遊技者に貸し出された遊技球(貸球)や入賞により獲得した遊技球(賞球)を貯留することができる。また、受皿ユニット6には、上皿6bの下段の左側に下皿6cが形成されている。この下皿6cには、上皿6bが満杯の状態でさらに払い出された遊技球が貯留される。なお、本実施形態のパチンコ機1はいわゆるCR機(CRユニットに接続する機種)であり、遊技者が借り受けた遊技球は、賞球とは別に裏側の払出装置ユニット172から受皿ユニット6(上皿6b又は下皿6c)に払い出される。
【0031】
受皿ユニット6の上面には貸出操作部14が設けられており、この貸出操作部14には、球貸ボタン10及び返却ボタン12が配置されている。図示しないCRユニットに有価媒体(例えば磁気記録媒体、記憶IC内蔵媒体等)を投入した状態で球貸ボタン10を遊技者が操作すると、予め決められた度数単位(例えば5度数)に対応する個数(例えば125個)分の遊技球が貸し出される。このため貸出操作部14の上面には度数表示部(図示されていない)が配置されており、この度数表示部には、CRユニットに投入されている有価媒体の残存度数が表示される。なお、遊技者は、返却ボタン12を操作することで、度数が残存している有価媒体の返却を受けることができる。本実施形態ではCR機を例に挙げているが、パチンコ機1はCR機とは別の現金機(CRユニットに接続されない機種)であってもよい。
【0032】
また、受皿ユニット6の上面には、上段位置にある上皿6bの手前に上皿球抜きボタン6dが設置されており、そして下皿6cの手前の右側には下皿球抜きボタン6eが設置されている。遊技者は上皿球抜きボタン6dを例えば押し込み操作することで、上皿6bに貯留された遊技球を下皿6cへ流下させることができる。また、遊技者は、下皿球抜きボタン6eを例えば押し込み操作することで、下皿6cに貯留された遊技球を下方へ落下させて排出することができる。排出された遊技球は、例えば図示しない球受け箱等に受け止められる。
【0033】
受皿ユニット6の右下部には、ハンドルユニット16が設置されている。遊技者はこのハンドルユニット16を操作することで発射制御基板セット174を作動させ、遊技領域8aに向けて遊技球を発射する(打ち込む)ことができる(球発射装置)。発射された遊技球は、遊技盤ユニット8の下縁部から左側縁部に沿って上昇し、図示しない外バンドに案内されて遊技領域8a内に放り込まれる。遊技領域8a内には多数の障害釘や風車(図中参照符号なし)等が配置されており、放り込まれた遊技球は障害釘や風車により誘導・案内されながら遊技領域8a内を流下する。なお、遊技領域8a内(盤面、遊技盤)の構成については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
【0034】
〔枠前面の構成〕
一体扉ユニット4には、演出用の構成要素として左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49が設置されている。このうち左トップレンズユニット47にはガラス枠トップランプ46及び左側のガラス枠装飾ランプ48が組み込まれており、右上電飾ユニット49には右側のガラス枠装飾ランプ50が組み込まれている。その他にも一体扉ユニット4には、左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49の下方にそれぞれ連なるようにして左右のガラス枠装飾ランプ52が設置されており、これらガラス枠装飾ランプ52は、一体扉ユニット4の左右縁部から受皿ユニット6の上側位置にまで回り込むようにして延びている。一体扉ユニット4においてガラス枠トップランプ46や左右のガラス枠装飾ランプ48,50,52等は、ガラスユニットを取り巻くようにして配置されている。
【0035】
上述した各種ランプ46,48,50,52は、例えば内蔵するLEDの発光(点灯や点滅、輝度階調の変化、色調の変化等)により演出を実行する。また、一体扉ユニット4の上部において、左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49にはそれぞれガラス枠上スピーカ54が組み込まれており、左右のガラス枠装飾ランプ52にはそれぞれガラス枠内スピーカ55が組み込まれている。一方、内枠アセンブリ7の右下位置(パチンコ機1の正面からみてハンドルユニット16の左上位置)には内枠スピーカ56が組み込まれており、また外枠ユニット2の左下位置には外枠スピーカ58が組み込まれている。これらスピーカ54,55,56,58は、効果音やBGM、音声等(音響全般)を出力して演出を実行するものである。
【0036】
〔操作部材〕
また、受皿ユニット6の中央には、上皿6bから前面側上方へ突出するようにして操作ユニット60が設置されている(操作手段)。操作ユニット60は、その中央部に大きなプッシュボタン64を有しており、プッシュボタン64の左側にはハンドルレバー62を有している。操作ユニット60は、演出上で示される様々な場面で操作を受け付けることが可能である。演出上のある場面ではハンドルレバー62が遊技者によって手前側に引き込み操作されたり、別の場面ではプッシュボタン64が押し込み操作されたりする。遊技者は、各種の態様で操作ユニット60を操作することにより、演出内容(例えば液晶表示器42に表示される背景画面)を切り替えたり、例えば図柄の変動中や大当りの確定表示中、あるいは大当り遊技中に何らかの演出(予告演出、確変昇格演出、大役中の昇格演出等)を発生させたりすることができる。
【0037】
また、プッシュボタン64の周囲には、リング状部65がプッシュボタン64を取り囲むようにして設置されている。リング状部65は、ハンドルレバー62やプッシュボタン64とは異なり、装飾用として設けられた部材であり、ハンドルレバー62の引き込み操作に連動して反時計回りに回転動作する。また、リング状部65は、周方向に一定の間隔で区切られてなる複数のセルを有している。これらのセルは、遊技者による操作を受け付けることはできないが、遊技者に対し操作方法を知らせる場面で有効活用される。
【0038】
遊技者に何らかの操作を要求する場合、操作ユニット60の操作方法を表す縮小版画像が液晶表示器42の画面に表示される。このとき、指定した操作を行うことが可能な時間(操作有効時間)を併せて遊技者に知らせるために、縮小版画像におけるリング状部65は各セルがあたかもランプであるかのように表現される。より具体的には、縮小版画像中のリング状部65は、操作可能な状態になると全てのセルが点灯しているように表され、残り時間の減少に伴いセルが1つずつ消灯していくように表され、残り時間がなくなると全てのセルが消灯したように表される。実際のリング状部65は光源を有しておらず、画面に表示された縮小版画像に表されたリング状部65のように点灯/消灯することはないが、縮小版画像中のリング状部65の点灯/消灯をこのようにして切り替えることにより、遊技者に対して操作の残り時間を感覚的に把握させることができる。
【0039】
さらに、プッシュボタン64は、遊技の進行過程で所定の契機が発生すると、上方に大きく突出する構造に構成されている。プッシュボタン64の突出時には、通常時の約3倍の高さまで飛び出す。プッシュボタン64はその内部に光源を有している。プッシュボタン64は、通常時は1色(例えば青色)又は多色に発光するが、突出時にはさらにカラフルに発光して非常な存在感を発揮することができる。このようなプッシュボタン64の動作により、この場面で要求されているボタンの押し込み操作が特別に重要なものであることを遊技者に認識させることができる。
【0040】
その他に受け皿ユニット6の上面には、貸出操作部14に隣接して方向キー66が設置されている。方向キー66は上下左右の方向を示す4つのキースイッチを十字形状に配列したものであり、各方向別のキースイッチは独立して押し込み操作可能である。遊技者は演出上の様々な場面で方向キー66を押し込み操作することで、液晶表示器の画面上に表示されるカーソル等を任意に移動させることができる。
【0041】
〔裏側の構成〕
図2に示されているように、パチンコ機1の裏側には、電源制御ユニット162や主制御基板ユニット170、払出装置ユニット172、流路ユニット173、発射制御基板セット174、払出制御基板ユニット176、裏カバーユニット178等が設置されている。この他にパチンコ機1の裏側には、パチンコ機1の電源系統や制御系統を構成する各種の電子機器類(図示しない制御コンピュータを含む)や外部端子板160、電源コード(電源プラグ)164、アース線(アース端子)166、図示しない接続配線等が設置されている。
【0042】
払出装置ユニット172は、例えば賞球タンク172a及び賞球ケース(参照符号なし)を有しており、このうち賞球タンク172aは内枠アセンブリ7の上縁部(裏側)に設置された状態で、図示しない補給経路から補給された遊技球を蓄えることができる。賞球タンク172aに蓄えられた遊技球は、図示しない上側賞球樋を通じて賞球ケースに導かれる。流路ユニット173は、払出装置ユニット172から送り出された遊技球を前面側の受皿ユニット6に向けて案内する。
【0043】
また、外部端子板160は、パチンコ機1を外部の電子機器(例えばデータ表示装置、ホールコンピュータ等)に接続するためのものであり、この外部端子板160からは、パチンコ機1の遊技進行状態やメンテナンス状態等を表す各種の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)が外部の電子機器に向けて出力されるものとなっている。
【0044】
電源コード164は、例えば遊技場の島設備に設置された電源装置(例えばAC24V)に接続されることで、パチンコ機1の動作に必要な電源(電力)を確保するものである。また、アース線166は、同じく島設備に設置されたアース端子に接続されることで、パチンコ機1のアース(接地)を確保するものである。
【0045】
図3は、遊技盤ユニット8を単独で示す正面図である。遊技盤ユニット8は、ベースとなる遊技板8bを備えており、この遊技板8bの前面側に遊技領域8aが形成されている。遊技板8bは、例えば透明樹脂板で構成されており、遊技盤ユニット8が内枠アセンブリ7に固定された状態で、遊技板8bの前面はガラスユニットに平行となる。遊技板8bの前面には、略円形状に設置された発射レール(参照符号なし)の内側に遊技領域8aが形成されている。なお、発射レールは遊技板8bの左下隅位置から遊技板8bの右上隅位置まで時計回り方向に延びている。
【0046】
遊技領域8a内には、その中央位置に比較的大型の演出ユニット40が配置されており、この演出ユニット40を中心として遊技領域8aが左側部分、右側部分及び下部分に大きく分かれている。遊技領域8aの左側部分は、通常遊技状態(低確率非時間短縮状態)で使用される第1遊技領域(左打ち領域)であり、遊技領域8aの右側部分は、特殊遊技状態(大当り遊技状態、小当り遊技状態、低確率時間短縮状態、高確率時間短縮状態等)で使用される第2遊技領域(右打ち領域、特定の領域)である。なお、遊技領域8aの左側部分は、高確率非時間短縮状態(有利遊技状態)においても使用される。また、遊技領域8a内には、演出ユニット40の周辺に中始動入賞口26、始動ゲート20、普通入賞口22,24、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31等が分布して設置されている。
【0047】
このうち、中始動入賞口26は、遊技領域8aの下部分の中央に配置されている。始動ゲート20、可変始動入賞装置28、第2可変入賞装置31及び第1可変入賞装置30は、遊技領域8aの右側部分に上からこの順番で配置されている。ここで、第1可変入賞装置30は、中始動入賞口26の右側に配置されており、第2可変入賞装置31は、第1可変入賞装置30の右上に配置されている。さらに、左側の3つの普通入賞口22は遊技領域8aの左側部分に配置されており、右側の1つの普通入賞口24(所定の入賞口)は第2可変入賞装置31及び第1可変入賞装置30より下流側に配置されている。
【0048】
遊技領域8a内に放り込まれた遊技球は、その流下の過程で中始動入賞口26、普通入賞口22,24に入球したり、始動ゲート20を通過したり、作動時の可変始動入賞装置28や開放動作時の第1可変入賞装置30、開放動作時の第2可変入賞装置31に入球したりする。ここで、遊技領域8aの左側領域を流下する遊技球は、主に中始動入賞口26に入球するか、普通入賞口22に入球する可能性がある。一方、遊技領域8aの右側領域を流下する遊技球は、主に始動ゲート20を通過するか、作動時の可変始動入賞装置28に入球するか、開放動作時の第1可変入賞装置30に入球するか、開放動作時の第2可変入賞装置31に入球するか、普通入賞口24に入球する可能性がある。始動ゲート20を通過した遊技球は続けて遊技領域8a内を流下するが、中始動入賞口26、普通入賞口22,24、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31に入球した遊技球は遊技板(遊技盤ユニット8を構成する合板材、透明板等)に形成された貫通孔を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。
【0049】
ここで、本実施形態では、遊技領域8a(盤面)の構成上、中始動入賞口26や普通入賞口22に遊技球を入球させる場合は、遊技領域8a内の左側部分の領域(左打ち領域)に遊技球を打ち込む(いわゆる「左打ち」を実行する)必要がある。
【0050】
一方、可変始動入賞装置28や、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31、普通入賞口24に遊技球を入球させる場合は、遊技領域8a内の右側部分の領域(右打ち領域)に遊技球を打ち込む(いわゆる「右打ち」を実行する)必要がある。
【0051】
本実施形態において、可変始動入賞装置28は、所定の作動条件が満たされた場合(普通図柄が当りの態様で所定の停止表示時間にわたり停止表示された場合)に作動し、それに伴って右始動入賞口28a(所定の入球口)への入球を可能にする(普通電動役物)。可変始動入賞装置28には、舌片型(ベロタイプ)の開閉部材28bが設けられている。図示の状態にて、開閉部材28bは、盤面より奥に引っ込んだ位置(待避位置)にあり、遊技球が右始動入賞口28aに入球することを不能又は困難にしている。一方、開閉部材28bが盤面より手前側へ突出した位置(駆動位置)に移動すると、開閉部材28bは上方から流下してくる遊技球を受け止め、右始動入賞口28aに遊技球を案内する(右始動入賞口28aへの入球が可能又は容易となる)。なお、可変始動入賞装置28は、開閉部材がその下端縁部分をヒンジとして前方へ倒れ込むように変位して、右始動入賞口を開放する装置であってもよい。
【0052】
第1可変入賞装置30は、規定の条件が満たされた場合(特別図柄が大当り又は小当りの態様で停止表示された場合)であって所定の第1条件(例えば大当り遊技の1ラウンド目から5ラウンド目、又は、7ラウンド目から16ラウンド目であるという条件、小当り遊技の開放状態であるという条件)が満たされた場合に作動し、第1大入賞口30bへの入球を可能にする(特別電動役物、第1特別入球事象発生手段)。
【0053】
第1可変入賞装置30は、中始動入賞口26の右側に配置された装置であり(いわゆる下アタッカ)、例えば1つの開閉部材30aを有している。第1可変入賞装置30は、開閉部材30aが盤面の内部にスライドするタイプの装置である(スライド式のアタッカ)。そして、この開閉部材30aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して前後方向に往復動作する。開閉部材30aは、盤面から遊技者側に突出した状態で閉位置(閉鎖状態)にあり、このとき遊技球は開閉部材30aの上面を転動することになるため、第1大入賞口30bへの入球は不能又は困難(第1大入賞口30bは閉塞中)である。そして、第1可変入賞装置30が作動すると、開閉部材30aが盤面の内部に引き込まれ、第1大入賞口30bを開放する(開放状態)。この間に第1可変入賞装置30は遊技球の流入が不能ではない(可能又は容易な)状態となり、第1大入賞口30bへの入球という事象を発生させることができる。
【0054】
第2可変入賞装置31は、第1可変入賞装置30と同様に規定の条件が満たされた場合(特別図柄が大当りの態様で停止表示された場合)であって、所定の第2条件(例えば大当り遊技の6ラウンド目であるという条件)が満たされた場合に作動し、第2大入賞口31b(特定の入賞口)への入球を可能にする(特別電動役物、第2特別入球事象発生手段)。
【0055】
第2可変入賞装置31は、第1可変入賞装置30の右上に配置された装置であり(いわゆる上アタッカ)、例えば1つの開閉部材31aを有している。第2可変入賞装置31は、開閉部材31aが盤面の内部にスライドするタイプの装置である(スライド式のアタッカ)。そして、この開閉部材31aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して前後方向に往復動作する。開閉部材31aは、盤面から遊技者側に突出した状態で閉位置(閉鎖状態)にあり、このとき遊技球は開閉部材31aの上面を転動することになるため、第2大入賞口31bへの入球は不能又は困難(第2大入賞口31bは閉塞中)である。そして、第2可変入賞装置31が作動すると、開閉部材31aが盤面の内部に引き込まれ、第2大入賞口31bを開放する(開放状態)。この間に第2可変入賞装置31は遊技球の流入が不能ではない(可能又は容易な)状態となり、第2大入賞口31bへの入球という事象を発生させることができる。
【0056】
また、第2可変入賞装置31の内部には、第2可変入賞装置31に入球した遊技球を誘導するための誘導通路31cが配置されている。誘導通路31cは、第2大入賞口31bから下方に延び、そこから左に曲がって左下方に延びた後、再び下方に延びている。
【0057】
そして、誘導通路31cの上流には、第2カウントスイッチ85が配置されており、誘導通路31cの中流には、確変領域用羽根部材31d及び確変領域用孔31eが配置されており、誘導通路31cの下流には、排出口31fが配置されている。
【0058】
第2可変入賞装置31に入球した遊技球は、最初に第2カウントスイッチ85にて入球したことが検出される。ここで、確変領域用羽根部材31dを作動させる確変領域ソレノイドがONとなっている場合には、確変領域用羽根部材31dが起き上がって遊技球を確変領域用孔31eに導く。一方、確変領域用羽根部材31dを作動させる確変領域ソレノイドがOFFとなっている場合には、確変領域用羽根部材31dが起き上がらないため、遊技球は確変領域用羽根部材31dの上部を通り抜けて、排出口31fに導かれる。
【0059】
〔確変領域(特定領域)〕
また、確変領域用孔31eの内部には、確変領域(参照符号なし)が設けられている。確変領域は、第2可変入賞装置31が閉鎖状態である場合は遊技球が通過不能な領域であり、第2可変入賞装置31が開放状態である場合であって確変領域用羽根部材31dが作動している場合は遊技球が通過可能な領域である。
【0060】
確変領域用羽根部材31dは、大当り遊技中に第2可変入賞装置31が開放する際に作動する。確変領域用羽根部材31dの動作パターンは、ラウンドの開始と同時に短期間(例えば0.1秒)にわたり演出領域を開放し、その後に数秒(2~3秒程度)閉鎖した後に確変領域を長期間(例えば20秒程度)にわたってロング開放するパターンである。なお、ラウンドの開始と同時に実行される短期開放では遊技球は確変領域用羽根部材31dまで到達しないので、この作動によって遊技球が確変領域に導かれることはない。また、確変領域用羽根部材31dが動作しても、第2可変入賞装置31がショート開放する場合には、遊技球が確変領域を通過することはない。
【0061】
遊技盤ユニット8には、その中央位置から右側部分にかけて演出ユニット40が設置されている。演出ユニット40は、その上縁部40aが遊技球の流下方向を変化させる案内部材として機能する他、その内側に各種の装飾部品40bを備えている。装飾部品40bはその立体的な造形により遊技盤ユニット8の装飾性を高めるとともに、例えば内蔵された発光器(LED等)により透過光を発することで、演出的な動作をすることができる。また、演出ユニット40の内側には液晶表示器42(画像表示器)が設置されており、この液晶表示器42には特別図柄に対応させた演出図柄をはじめ、各種の演出画像が表示される。このように遊技盤ユニット8は、その盤面の構成や演出ユニット40の装飾性に基づいて、遊技者にパチンコ機1の特徴を印象付けている。また、本実施形態のように遊技板8bが透明樹脂板(例えばアクリル板)である場合、前面側だけでなく遊技板8bの背後に配置された各種の装飾体(可動体や発光体を含む)による装飾性を付加することができる。
【0062】
その他に演出ユニット40の内部には、演出用のロゴ可動体310(例えば複数の英字を並列してなる大きなロゴを表した可動装飾物)をはじめとする複数の可動体とともに駆動源(例えばモータ、ソレノイド等)が付属している。これら複数の可動体は、液晶表示器42による画像を用いた演出や発光器による演出に加えて、有形物の変位や発光を伴う演出を実行することができる。これらの可動体を用いた演出により、二次元の画像を用いた演出とは別の訴求力を発揮することができる。
【0063】
また、演出ユニット40の左側縁部には球案内通路40dが形成されており、その下縁部には転動ステージ40eが形成されている。球案内通路40dは遊技領域8a内にて左斜め上方に開口しており、遊技領域8a内を流下する遊技球が無作為に球案内通路40d内に流入すると、その内部を通過して転動ステージ40e上に放出される。転動ステージ40eの上面は滑らかな湾曲面を有しており、ここでは遊技球が左右方向に転動自在である。転動ステージ40e上で転動した遊技球は、やがて下方の遊技領域8a内に流下する。転動ステージ40eの中央位置には球放出路40kが形成されており、転動ステージ40eから球放出路40kに案内された遊技球は、その真下にある中始動入賞口26に流入しやすくなる。
【0064】
その他、遊技領域8a内にはアウト口32が形成されており、各種入賞口に入球(入賞)しなかった遊技球は最終的にアウト口32を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。また、普通入賞口22,24や中始動入賞口26、右始動入賞口28a、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31に入球した遊技球も含めて、遊技領域8a内に打ち込まれた全ての遊技球は遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。回収された遊技球は、図示しないアウト通路アセンブリを通じてパチンコ機1の裏側から枠外へ排出され、さらに図示しない島設備の補給経路に合流する。
【0065】
〔ロゴ可動体ユニット〕
図4は、ロゴ可動体ユニット300の正面図である。
【0066】
ロゴ可動体ユニット300は、大別すると、上述したロゴ可動体310と、ロゴ可動体310を高さ方向に変位させるために設けられた2つの駆動機構(左駆動機構320及び右駆動機構360)とで構成されている。
【0067】
ロゴ可動体310には、ロゴ文字列及びその周囲の装飾が表されたロゴ装飾体311が正面側に配置される一方、背面側には、ロゴ可動体310が高さ方向に変位する上で必要となる部材が設けられている。なお、ロゴ可動体310の背面側の構成については、別の図面を参照しながら詳しく後述する。
【0068】
左駆動機構320は、ロゴ可動体310により表されるロゴ文字列の先頭側の端部、すなわち正面からみて左側の端部を支持しつつ、状況に応じてロゴ可動体310を左端部側で高さ方向に変位させる機構であり、演出ユニット40内部の正面からみて左側に設けられている。また、右駆動機構360は、ロゴ可動体310により表されるロゴ文字列の末尾側の端部、すなわち正面からみて右側の端部を支持しつつ、状況に応じてロゴ可動体310を右端部側で高さ方向に変位させる機構であり、演出ユニット40内部の正面からみて右側に設けられている。
図4には、ロゴ可動体310が左駆動機構320及び右駆動機構360により初期位置に保持された状態が示されている。
【0069】
左駆動機構320は、動力源として左モータ350を有している。左モータ350は、演出制御装置124から送信される駆動信号に基づいて駆動され、左ロッド354を回転させる動力を供給する。左ロッド354には左スライダ356が嵌め込まれており、左ロッド354が回転すると、これに連動して左スライダ356の位置が高さ方向に変位する。つまり、左モータ350は、左ロッド354を介して左スライダ356を間接的に変位させる。具体的には、左モータ350は、正転(時計回りに回転)することにより左スライダ356を下降させる一方、逆転(反時計回りに回転)することにより左スライダ356を上昇させる。
【0070】
左駆動機構320においては、左可動支持部330に締結された左アーム片331を介してロゴ可動体310の左端部が左可動支持部330により支持されている。また、左駆動機構320の上部には、左ロック部352が設けられている。左ロック部352は、左可動支持部330が動かないよう初期位置にロックするための機構を有している。左ロック部352が左可動支持部330から延びた左ロック用突起(図示されていない)を支持して左可動支持部330をロックすることにより、ロゴ可動体310の左端部は初期位置(左第1位置)に保持される。
【0071】
左ロック部352は左スライダ356と連係している。左ロック部352が左ロック用突起を支持した状態(ロゴ可動体310の左端部が初期位置に保持された状態)で左モータ350が正転すると、左スライダ356が下降し、これに伴って左ロック部352が左ロック用突起から離れる。その結果、左ロック部352によるロックが解除される。
【0072】
左ロック部352によるロックが解除されると、左可動支持部330は、自重によりガイドレール338に沿って鉛直方向に落下する。鉛直下方位置には左ストッパー340が配設されており、自重により落下した左可動支持部330は、当接面334が左ストッパー340に当接することによりその落下が規制される。左ストッパー340が当接面334に当接して左可動支持部330を支持することにより、ロゴ可動体310の左端部は左第2位置に保持される。
【0073】
また、左可動支持部330は、左モータ350による動力を間接的に利用して下降させることも可能である。左可動支持部330は、左スライダ356に当接可能な持上片336を有しており、持上片336が左スライダ356に当接した状態では、持上片336を介して左スライダ356に支持される。この状態で左モータ350が正転すると、左スライダ356が下降し、これに伴って左可動支持部330はガイドレール338に沿って下降する。
【0074】
自重により落下、又は、左モータ350の正転に伴い下降した左可動支持部330は、左モータ350による動力を間接的に利用して上昇させることができる。持上片336が左スライダ356に当接した状態で左モータ350が逆転すると、左スライダ356が上昇し、これに伴って左可動支持部330は持上片336を介して左スライダ356により持ち上げられ、ガイドレール338に沿って上昇する。
【0075】
図4に示されるように、左ストッパー340の上面から左第1位置における当接面334までの高さはH
Lである。つまり、左可動支持部330及びこれに支持されるロゴ可動体310の左端部は、最大で高さH
Lの距離を鉛直方向に変位可能である。なお、自重による落下の場合には、左第1位置から左第2位置までの高さH
Lでの変位に固定されるが、左モータ350による動力を利用した変位の場合には、左第1位置と左第2位置との間で高さH
Lを上限とした任意の距離を上昇又は下降することができる。
【0076】
一方、右駆動機構360は、動力源として右モータ390及びソレノイド(図示されていない)を有している。これらの動力源は、いずれも演出制御装置124から送信される駆動信号に基づいて駆動される。右モータ390は、右ロッド394を回転させる動力を供給する。右ロッド394には右スライダ396が嵌め込まれており、右ロッド394が回転すると、これに連動して右スライダ396の位置が高さ方向に変位する。つまり、右モータ390は、右ロッド394を介して右スライダ396を間接的に変位させる。具体的には、右モータ390は、正転(時計回りに回転)することにより右スライダ396を下降させる一方、逆転(反時計回りに回転)することにより右スライダ396を上昇させる。また、ソレノイドは、可動ストッパー部380を外側(右ロッド394が配置されている側)に引き抜く動力を供給する。なお、可動ストッパー部380については後述する。
【0077】
右駆動機構360においては、右可動支持部370に締結された右アーム片(
図4では図示されていない)を介してロゴ可動体310の右端部が右可動支持部370により支持されている。また、右駆動機構360の上部には、右ロック部392が設けられている。右ロック部392は、右可動支持部370が動かないよう初期位置にロックするための機構を有している。右ロック部392が右可動支持部370から延びた右ロック用突起(図示されていない)を支持して右可動支持部370をロックすることにより、ロゴ可動体310の右端部は初期位置(右第1位置)に保持される。
【0078】
右ロック部392は右スライダ396と連係している。右ロック部392が右ロック用突起を支持した状態(ロゴ可動体310の右端部が初期位置に保持された状態)で右モータ390が正転すると、右スライダ396が下降し、これに伴って右ロック部392が右ロック用突起から離れる。その結果、右ロック部392によるロックが解除される。
【0079】
右ロック部392によるロックが解除されると、右可動支持部370は、自重によりガイドレール378に沿って鉛直方向に落下する。鉛直下方位置には可動ストッパー部380が配設されている一方、右可動支持部370の背面側左下端部には当接片374が配設されている。自重により落下した右可動支持部370は、当接片374が可動ストッパー部380の上部に設けられた右第1ストッパー382に当接することにより落下が規制される。右第1ストッパー382が当接片374に当接して右可動支持部370を支持することにより、ロゴ可動体310の右端部は右第2位置に保持される。
【0080】
右第1ストッパー382が当接片374に当接し右可動支持部370を支持した状態(ロゴ可動体310の右端部が右第2位置に保持された状態)で上述したソレノイドが作動すると、可動ストッパー部380は外側位置(右ロッド394が配置されている側に近づいた位置)に変位し、これに伴って右第1ストッパー382による右可動支持部370の支持が解除される。
【0081】
ところで、ソレノイドは、具体的には、可動ストッパー部380の本体であるストッパーベース381に対して作用する。ソレノイドが作動すると、ストッパーベース381に引き抜く力が作用して可動ストッパー部380が外側位置に変位するが、外側位置への変位の最中(支持が解除されない間)は、右第1ストッパー382は当接片374に当接したままであり、当接片374に対して摺動する。ここで、右第1ストッパー382は、耐衝撃性を有しつつもゴムと比べて動摩擦係数が低い材質からなる材料(例えば、ポリアセタール(POM)からなる動摩擦係数0.46の材料)を用いて形成されている。これにより、右第1ストッパー382と当接片374との間に生じる摩擦抵抗を小さくし、可動ストッパー部380をスムーズに引き抜いて右可動支持部370の支持を解除することができる上に、右第1ストッパー382が右可動支持部370の落下による衝撃を直接的に受けても壊れにくいものとすることができる。
【0082】
また、右第1ストッパー382とストッパーベース381との間には、衝撃吸収体383が両者に密着した状態で配設されている。衝撃吸収体383は、衝撃吸収性に優れた材質からなる材料(例えば、ニトリルゴム(NBR)からなる動摩擦係数1.03の材料)を用いて形成されている。右第1ストッパー382が右可動支持部370の落下による衝撃を受けると、その衝撃は、右第1ストッパー382の下面に密着している衝撃吸収体383に伝達される。衝撃吸収体383は、伝達された衝撃を効果的に吸収することができ、これにより右第1ストッパー382の耐久性を向上させることができる。
【0083】
右第1ストッパー382による支持が解除されると、右可動支持部370は、自重によりガイドレール378に沿ってさらに落下する。ガイドレール378の下端部に近接した位置には右第2ストッパー388が配設されている一方、右可動支持部370の上部背面側には規制用突起(図示されていない)が設けられている。自重によりさらに落下した右可動支持部370は、規制用突起が右第2ストッパー388に当接することによりその落下が規制される。右第2ストッパー388が規制用突起に当接して右可動支持部370を支持することにより、ロゴ可動体310の右端部は右第3位置に保持される。
【0084】
このような機構を用いて、右可動支持部370は、先ず右第1位置(初期位置)から右第2位置に落下させ(第1段階の落下)、次に右第2位置から右第3位置に落下させることにより(第2段階の落下)、2段階で落下させることができる。また、右可動支持部370は、その落下を右第2位置で規制することなく、右第1位置から右第3位置まで一気に落下させることも可能である。右可動支持部370を右第1位置から右第3位置まで一気に落下させるには、ロゴ可動体310の右端部が右第1位置に保持された状態でソレノイドを作動させ、可動ストッパー部380を外側位置に変位させた状態で右ロック部392によるロックを解除すればよい。
【0085】
さらに、右可動支持部370は、右モータ390による動力を間接的に利用して下降させることも可能である。右可動支持部370は、右スライダ396に当接可能な持上片376を有しており、持上片376が右スライダ396に当接した状態では、持上片376を介して右スライダ396に支持される。この状態で右モータ390が正転すると、右スライダ396が下降し、これに伴って右可動支持部370はガイドレール378に沿って下降する。
【0086】
自重により落下し、又は、右モータ390の正転に伴い下降した右可動支持部370は、右モータ390による動力を間接的に利用して上昇させることができる。持上片376が右スライダ396に当接した状態で右モータ390が逆転すると、右スライダ396が上昇し、これに伴って右可動支持部370は持上片376を介して右スライダ396により持ち上げられ、ガイドレール378に沿って上昇する。
【0087】
図4に示されるように、右第1ストッパー382の上面から右第1位置における当接片374の下端までの高さ、すなわち右第1位置から右第2位置までの高さはH
R1である。また、右可動支持部370が右第2ストッパー388に支持された状態における当接片374の下端から右第1ストッパー382の上面までの高さ、すなわち右第2位置から右第3位置までの高さはH
R2である。したがって、右可動支持部370及びこれに支持されるロゴ可動体310の右端部は、最大で高さH
R1と高さH
R2との合計距離H
R3を鉛直方向に変位可能である。なお、自重による落下の場合には、右第1位置から右第2位置までの高さH
R1での変位、右第2位置から右第3位置までの高さH
R2での変位、又は右第1位置から右第3位置までの高さH
R3での変位のいずれかに固定されるが、右モータ390による動力を利用した変位の場合には、右第1位置と右第3位置との間で高さH
R3を上限とした任意の距離を上昇又は下降することができる。
【0088】
本実施形態においては、左第1位置から左第2位置までの高さHLと、右第1位置から右第2位置までの高さHR1は同一である。したがって、左ロック部352によるロック(左可動支持部330の支持)を解除するタイミングと、右ロック部392によるロック(右可動支持部370の支持)を解除するタイミングを同期させることにより、ロゴ可動体310を水平落下させることができる。
【0089】
図5は、ロゴ可動体ユニット300の背面図の一部を拡大した図である。
発明の理解を容易とするために、
図5においては、左駆動機構320及び右駆動機構360を、各々の背面側に設けられたカバー部材の一部を取り外した状態で表している。
【0090】
上述したように、ロゴ可動体310の右端部(背面側からみて左端部)は、右アーム片371を介して右可動支持部370に支持されている。より具体的には、右アーム片371の中央部には嵌合孔372が形成されており、この嵌合孔372に対し、ロゴ可動体310の一部をなすプレート312の背面側右端部に配設された右回転軸318が嵌め込まれている。このようにして、プレート312は、嵌合孔372を介して右アーム片371(右可動支持部370)と連結されている。
【0091】
また、上述したように、ロゴ可動体310の左端部(背面側からみて右端部)は、左アーム片331を介して左可動支持部330に支持されている。より具体的には、左アーム片331の中央部には嵌合孔332が形成されており、この嵌合孔332に対し、ロゴ可動体310の一部をなすロゴ装飾体311の背面側左端部に配設された左回転軸316が嵌め込まれている。このようにして、ロゴ装飾体311は、嵌合孔332を介して左アーム片331(左可動支持部330)と連結されている。そして、ロゴ装飾体311の背面には、プレート収容部314が設けられている。プレート収容部314は、自身とロゴ装飾体311との間にプレート312を収容する空間を有している。
【0092】
図6及び
図7は、ロゴ可動体ユニット300が左右に分解された状態を示す背面図である。このうち、
図6は、分解されたうちの左側(背面側からみて右側)の部位、すなわちロゴ装飾体311の左端部と連結された左可動支持部330を有する左駆動機構320の背面図であり、
図7は、分解されたうちの右側(背面側から見て左側)の部位、すなわちプレート312の右端部と連結された右可動支持部370を有する右駆動機構360の背面図である。
【0093】
ロゴ可動体ユニット300は、プレート312をプレート収容部314から抜き出すことにより、大きなまとまりとして2つの部位、すなわちロゴ可動体310(ロゴ装飾体311)の左端部(背面側からみて右端部)を支持する左可動支持部330が設けられた左駆動機構320と、ロゴ可動体310(プレート312)の右端部(背面側からみて左端部)を支持する右可動支持部370が設けられた右駆動機構360とに分解することができる。言い方を変えると、ロゴ可動体ユニット300は、プレート312をプレート収容部314に収容することにより、左駆動機構320と右駆動機構360とがロゴ可動体310を介し連結されて一体化することで完成する。ロゴ可動体ユニット300は、完成した状態で演出ユニット40内部の所定の位置に配設される。
【0094】
なお、
図6及び
図7においては、左可動支持部330が左第1位置(初期位置)に位置している一方で右可動支持部370は右第3位置に位置している状態が表されているが、これは説明の便宜のためである。ロゴ可動体ユニット300が演出ユニット40の内部に配設される際には、右可動支持部370は右第1位置(初期位置)に位置している。つまり、左可動支持部330及び右可動支持部370は、いずれも初期位置にロックされた状態で演出ユニット40の内部に配設される。
【0095】
図8は、ロゴ可動体ユニット300を背面側からみた斜視図である。
図8に示されたロゴ可動体ユニットは、
図6に表された左駆動機構320と
図7に表された右駆動機構360とがロゴ可動体310を介し連結された状態に該当する。
【0096】
上述したように、ロゴ可動体310の左端部は、左第1位置から左第2位置までの間を変位可能に設けられている一方、ロゴ可動体310の右端部は、右第1位置から右第3位置までの間を変位可能に設けられている。したがって、ロゴ可動体310の左端部から右端部までの距離は、ロゴ可動体310が水平である状態において最短となる一方、ロゴ可動体310に傾きが生じると長くなる。具体的には、ロゴ可動体310の左端部又は右端部、或いは両方が変位することにより生じる傾きがより大きければ、ロゴ可動体310の左端部から右端部までの距離はより長くなる。
【0097】
ロゴ可動体310の左端部が変位するとき、ロゴ装飾体311は左回転軸316に沿って回動し、これに伴いロゴ可動体310の左端部に傾きが生じる。また、ロゴ可動体310の右端部が変位するとき、プレート312は右回転軸318に沿って回動し、これに伴いプレート312をプレート収容部314にて受け入れているロゴ可動体310の右端部に傾きが生じる。ロゴ可動体310に傾きが生じると、プレート312は、プレート収容部314からその傾きに応じた長さだけ引き出される方向にスライドする。また、プレート312は、ロゴ可動体310の傾きが拡大すると、プレート収容部314から引き出される方向にスライドする一方、ロゴ可動体310の傾きが縮小すると、プレート312はプレート収容部314に押し込まれる方向にスライドする。
【0098】
プレート312がスライドする空間の両側には、ガイドローラ313が2個ずつ、合計4個設けられている。ガイドローラ313は、中心軸の周りを回動可能に設けられており、各ガイドローラ313の中心軸は、ロゴ装飾体311の背面に固定されている。また、各ガイドローラ313は、プレート収容部314に収容されたプレート312に対し密着はせず、遊びを持った状態で軽く接触し得る位置に存在している。ロゴ可動体310に傾きが生じると、プレート312はこれに連動して引き出され、又は押し込まれてスライドし、ガイドローラ313に接触する。接触されたガイドローラ313は、中心軸に沿って回動し、プレート312をスライドする方向に案内して、プレート312の動きを促進させる。このような機構により、プレート312をプレート収容部314の内部でスムーズにスライドさせることができる。
【0099】
このようにして、ロゴ可動体310の傾きに応じた長さだけプレート312をプレート収容部314の内部でスライドさせることで、ロゴ可動体310の左端から右端までの距離、すなわちロゴ可動体310の全長をその傾きに応じて変化させることができる。より正確には、ロゴ可動体310の全長のうち、ロゴ装飾体311の右端(末尾端)よりも後方の長さを適切に調整することができる。
【0100】
なお、プレート312の全長は、動き代を考慮して、プレート収容部314の全長よりも長く形成されており、左可動支持部330及び右可動支持部370が初期位置にロックされた状態(
図5に示される状態)では、プレート312の先端部は、プレート収容部314の左端(背面側からみて右端)から大幅に突き抜けている。また、ロゴ可動体310が最大に傾いた状態では、プレート312が引き出される方向にスライドすることでその先端部はプレート収容部314の内部に収容されるが、このときもプレート312は、全てのガイドローラ313と接触可能な位置(全てのガイドローラ313に挟まれる位置)に保たれている。プレート312の全長やガイドローラ313の配設位置をこのように設定することにより、稼働中にプレート312がプレート収容部314から外れたり、プレート312と一部のガイドローラ313との接触が解除されてスライド方向への案内に支障を来したりする不具合を起こすことなく、ガイドローラ313にプレート312をスライド方向に確実に案内させることができる。
【0101】
〔ロゴ可動体の落下後の状態〕
図9~
図13は、ロゴ可動体310を自重により落下させた後の状態、及び、各状態に至る落下態様を説明する図である。以下、順を追って説明する。
【0102】
〔左第2位置×右第1位置の状態〕
図9は、ロゴ可動体310の左端部が左第2位置に保たれる一方、ロゴ可動体310の右端部が右第1位置に保たれた状態を表している。
【0103】
ロゴ可動体310は、その右端部が右可動支持部370とともに右第1位置にロックされたまま、その左端部が左可動支持部330とともに左第1位置から落下して左ストッパー340によりその落下が規制されると、
図9に示される状態に至る。
【0104】
この態様により落下した後のロゴ可動体310は、左下に傾斜しており、この傾斜に連動してプレート312が引き出される方向にスライドした結果、プレート312の右端部がロゴ装飾体311の右側に現れている。したがって、この態様による落下後には、ロゴ可動体310の全長は、ロゴ装飾体311の全長(固定長LC)から正面視可能なプレート312の右端部の長さ(可変長LV)だけ伸長している。
【0105】
〔左第2位置×右第2位置〕
図10は、ロゴ可動体310の左端部が左第2位置に保たれる一方、ロゴ可動体310の右端部が右第2位置に保たれた状態を表している。
【0106】
ロゴ可動体310は、その左端部が左可動支持部330とともに左第1位置から落下して左ストッパー340によりその落下が規制される一方、その右端部が右可動支持部370とともに右第1位置から落下して右第1ストッパー382(可動ストッパー部380)によりその落下が規制されると、
図10に示される状態に至る。
【0107】
この態様により落下した後のロゴ可動体310は、水平な状態に保たれており、プレート312は引き出される方向にはスライドしていない。したがって、この態様による落下後のロゴ可動体310の全長は、ロゴ装飾体311の全長(固定長LC)に等しい(すなわち、このとき可変長LVは生じない。)。
【0108】
〔左第2位置×右第3位置〕
図11は、ロゴ可動体310の左端部が左第2位置に保たれる一方、ロゴ可動体310の右端部が右第3位置に保たれた状態を表している。
【0109】
ロゴ可動体310は、その左端部が左可動支持部330とともに左第1位置から落下して左ストッパー340によりその落下が規制される一方、その右端部が右可動支持部370とともに右第2位置から落下するか、或いは、ソレノイドが作動した状態で右第1位置から落下して、右第2ストッパー388によりその落下が規制されると、
図11に示される状態に至る。
【0110】
この態様により落下した後のロゴ可動体310は、右下に小さく傾斜しており、この傾斜に連動して、プレート312は引き出される方向にスライドしている。しかしながら、スライドした長さは、プレート312の右端部がロゴ装飾体311の右側に現れるほどの長さには達していない。したがって、落下後のロゴ可動体310の全長は、ロゴ装飾体311の全長(固定長LC)から伸長はしていない(すなわち、このとき可変長LVは生じない。)。
【0111】
〔左第1位置×右第2位置〕
図12は、ロゴ可動体310の左端部が左第1位置に保たれる一方、ロゴ可動体310の右端部が右第2位置に保たれた状態を表している。
【0112】
ロゴ可動体310は、その左端部が左可動支持部330とともに左第1位置にロックされたまま、その右端部が右可動支持部370とともに右第1位置から落下して右第1ストッパー382(可動ストッパー部380)によりその落下が規制されると、
図12に示される状態に至る。
【0113】
この態様により落下した後のロゴ可動体310は、右下に傾斜しており、この傾斜に連動してプレート312が引き出される方向にスライドした結果、プレート312の右端部がロゴ装飾体311の右側に現れている。したがって、この態様による落下後には、ロゴ可動体310の全長は、ロゴ装飾体311の全長(固定長LC)から正面視可能なプレート312の右端部の長さ(可変長LV)だけ伸長している。
【0114】
〔左第1位置×右第3位置〕
図13は、ロゴ可動体310の左端部が左第1位置に保たれる一方、ロゴ可動体310の右端部が右第3位置に保たれた状態を表している。
【0115】
ロゴ可動体310は、その左端部が左可動支持部330とともに左第1位置にロックされたまま、その右端部が右可動支持部370とともに右第2位置から落下するか、或いは、ソレノイドが作動した状態で右第1位置から落下して、右第2ストッパー388によりその落下が規制されると、
図13に示される状態に至る。
【0116】
この態様により落下した後のロゴ可動体310は、右下に大きく傾斜しており、この傾斜に連動してプレート312が引き出される方向にスライドした結果、プレート312の右端部がロゴ装飾体311の右側に大きく現れている。したがって、ロゴ可動体310の全長は、ロゴ装飾体311の全長(固定長LC)から正面視可能なプレート312の右端部の長さ(可変長LV)だけ伸長している。
【0117】
なお、
図9~
図13に示した各状態の中で、ロゴ可動体310の傾斜の度合いは
図13における場合が最も大きい。したがって、可変長L
Vは、
図13に示される状態において最大となる。
【0118】
〔ロゴ可動体の落下態様〕
このように、本実施形態においては、ロゴ可動体310が落下すると、
図9~
図13に示される5種類のいずれかの状態となるが、これらの各状態に至る落下の態様には、より多くの種類が想定されている。
【0119】
〔左第2位置×右第1位置への落下態様〕
ロゴ可動体310が
図9に示される状態(左第2位置×右第1位置)に至るには、
図4の状態(左第1位置×右第1位置=初期位置)で左ロック部352によるロックが解除されることにより、ロゴ可動体310の左端部が左第1位置から落下する、という、1段階での落下の態様が考えられる。
【0120】
〔左第2位置×右第2位置への落下態様〕
ロゴ可動体310が
図10に示される状態(左第2位置×右第2位置)に至るには、大別して2種類の態様が考えられる。1つ目は、
図4の状態(初期位置)から直接的に
図10の状態(左第2位置×右第2位置)に至る態様、すなわち、左ロック部352によるロックの解除と右ロック部392によるロックの解除が同時になされることにより、ロゴ可動体310が初期位置から水平落下する、という1段階での落下の態様である。
【0121】
また、2つ目は、
図4の状態(初期位置)から
図9の状態(左第2位置×右第1位置)又は
図12の状態(左第1位置×右第2位置)のいずれかを経て
図10の状態(左第2位置×右第2位置)に至る態様である。この態様においては、左ロック部352によるロックの解除と右ロック部392によるロックの解除が異なるタイミングでなされることにより、ロックが先に解除された側のロゴ可動体310の端部が先に落下してその方向にロゴ可動体310が一旦傾いた後で、ロックが後に解除された側の端部が落下し、最終的にロゴ可動体310が水平に保たれる。つまり、この態様においては、ロゴ可動体310は2段階で落下する。
【0122】
〔左第2位置×右第3位置への落下態様〕
ロゴ可動体310が
図11に示される状態(左第2位置×右第3位置)に至るには、大別して3種類の態様が考えられる。1つ目は、
図4の状態(初期位置)から直接的に
図10の状態(左第2位置×右第2位置)に至った後に
図11の状態(左第2位置×右第3位置)に至る態様、すなわち、左ロック部352によるロックの解除と右ロック部392によるロックの解除が同時になされてロゴ可動体310が初期位置から水平落下し、この落下が各ストッパー340,382により規制された後に、ソレノイドが作動して右第1ストッパー382による規制が解除されてロゴ可動体310の右端部がさらに落下するという、ロゴ可動体310が2段階で落下する態様である。
【0123】
また、2つ目は、
図4の状態(初期位置)から
図9の状態(左第2位置×右第1位置)を経て
図11(左第2位置×右第3位置)の状態に至る態様である。この態様においては、左ロック部352によるロックの解除と、ソレノイドが作動した状態での右ロック部392によるロックの解除とが、それぞれ異なるタイミングでなされることにより、ロックが先に解除された側のロゴ可動体310の端部が先に落下してその方向にロゴ可動体310が一旦傾いた後で、ロックが後に解除された側の端部が落下する。つまり、この態様においても、ロゴ可動体310は2段階で落下する。
【0124】
そして、3つ目は、
図4の状態(初期位置)から
図9の状態(左第2位置×右第1位置)又は
図12の状態(左第1位置×右第2位置)のいずれかを経て、さらに
図10の状態(左第2位置×右第2位置)を経た後に
図11の状態(左第2位置×右第3位置)に至る態様である。この態様においては、左ロック部352によるロックの解除と右ロック部392によるロックの解除が異なるタイミングでなされることにより、ロゴ可動体310のロックが先に解除された側の端部が落下してその方向にロゴ可動体310が一旦傾いた後で、ロックが後に解除された側の端部が落下してロゴ可動体310が水平状態となり、さらにその後にソレノイドが作動して右第1ストッパー382による規制が解除され、ロゴ可動体310の右端部がさらに落下する。つまり、この態様においては、ロゴ可動体310は3段階で落下する。
【0125】
〔左第1位置×右第2位置への落下態様〕
ロゴ可動体310が
図12に示される状態(左第1位置×右第2位置)に至るには、
図4の状態(初期位置)で右ロック部392によるロックが解除されることにより、ロゴ可動体310の右端部が右第1位置から落下する、という、1段階での落下の態様が考えられる。
【0126】
〔左第1位置×右第3位置への落下態様〕
ロゴ可動体310が
図13に示される状態(左第1位置×右第3位置)に至るには、大別して2種類の態様が考えられる。1つ目は、
図4の状態(初期位置)から
図12の状態(左第1位置×右第2位置)を経て
図13の状態(左第1位置×右第3位置)に至る態様である。この態様においては、右ロック部392によるロックが解除されてロゴ可動体310の右端部が落下し、その落下が右第1ストッパー382により規制された後に、ソレノイドが作動して右第1ストッパー382による規制が解除され、ロゴ可動体310の右端部がさらに落下する。つまり、この態様においては、ロゴ可動体310は2段階で落下する。
【0127】
また、2つ目は、
図4の状態(初期位置)から直接的に
図13の状態(左第1位置×右第3位置)に至る態様である。この態様においては、ソレノイドが作動した状態で右ロック部392によるロックが解除されて、ロゴ可動体の310の右端部が右第1位置から右第3位置まで、1段階で一気に落下する。
【0128】
一般的に、可動体を用いた演出においては、可動体を上方の位置から下方の位置へ1段階で水平に落下させる動作がよくみられる。しかしながら、水平落下の動作は非常に単調であり、新鮮さや意外性が感じられないため、可動体を水平落下させるだけでは、遊技者を飽きさせてしまう虞がある。
【0129】
〔本実施形態の優位性〕
これに対し、本実施形態においては、ロゴ可動体310の全長、より正確には、ロゴ装飾体311の右端よりも後方の長さを調整可能とする機構が設けられているため、ロゴ可動体310を自在に傾斜させることができ、結果として、ロゴ可動体310を上述したように非常に多様な態様で落下させることが可能となる。
【0130】
具体的には、ロゴ可動体310を水平落下させる他に、ロゴ可動体310の左端部のみを落下させてロゴ可動体310を左下に傾斜させたり、これとは逆にロゴ可動体310の右端部のみを落下させてロゴ可動体310を右下に傾斜させたりすることができる。また、ロゴ可動体310をこのように傾斜させる際に、左ロック部352によるロックを解除するタイミング、右ロック部392によるロックを解除するタイミング、及びソレノイドを作動させるタイミングを様々に異ならせることにより、ロゴ可動体310を落下させるタイミングを左端部と右端部とで様々に変化させることができる。その結果、ロゴ可動体310をストンと1段階で落下させたり、或いは、カクカクと2段階又は3段階で落下させたりすることができる。
【0131】
このように、本実施形態によれば、ロゴ可動体310の自重による落下をバリエーションに富んだ態様で実現することができる。したがって、ロゴ可動体310を用いて遊技者を飽きさせない演出を実行することが可能となる。
【0132】
ところで、ロゴ可動体310の全長を調整可能とする機構は、ロゴ可動体310を水平落下させる上でもメリットがある。ロゴ可動体310を水平落下させるには、上述したように、ロゴ可動体310を
図4の状態(初期位置)から直接的に
図10の状態(左第2位置×右第2位置)に至らせるために、左ロック部352によるロックの解除と、右ロック部392によるロックの解除とが、通常であれば同時に行われる。
【0133】
ここで、何らかの事情により、ロックを解除するタイミングが左右で多少ずれた場合を想定してみる。このとき、ロゴ可動体310の全長を調整可能とする機構が設けられていない場合には、ロゴ可動体310を傾斜させることができない。したがって、一方のロックが解除されても、他方のロックが解除されなければ、ロゴ可動体310を落下させることができず、ロックが解除された側の端部は一時的に初期位置で中空に保たれたような状態に陥り、他方のロックが解除されてようやく、ロゴ可動体310を水平落下させることができる。一方の端部が中空に保たれる間は、ロゴ可動体310の全荷重は、ロックが解除されていない側に集中することとなり、そこに掛かる負荷は通常より遥かに大きくなるため、このような動作が繰り返されれば、耐久性の低下に繋がり兼ねない。
【0134】
これに対し、本実施形態によれば、ロゴ可動体310の全長を調整可能とする機構が設けられていることにより、ロゴ可動体310を傾斜させることができる。したがって、ロゴ可動体310の動作に余裕を持たせることができ、ロックが解除された側のロゴ可動体310の端部を先行して速やかに落下させ、これを追って時間差でロックが解除された他方の端部についても速やかに落下させることができる。このように、本実施形態によれば、左右でロックを解除するタイミングの誤差を吸収して、ロゴ可動体310を落下させる演出をスムーズに実行することが可能となる。
【0135】
図14は、遊技盤ユニット8の一部(窓4a内の左下位置)を拡大して示す正面図である。すなわち遊技盤ユニット8には、例えば窓4a内の左下位置に普通図柄表示装置33及び普通図柄作動記憶ランプ33aが設けられている他、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35及び遊技状態表示装置38が設けられている。このうち普通図柄表示装置33は、例えば2つのランプ(LED)を交互に点灯させて普通図柄を変動表示し、そしてランプの点灯又は消灯により普通図柄を停止表示する。普通図柄作動記憶ランプ33aは、例えば2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせによって0~4個の記憶数を表示する。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプを点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。なお、ここでは2つのランプ(LED)を使用することとしているが、4つのランプ(LED)を使用して普通図柄作動記憶ランプ33aを構成してもよい。この場合、点灯するランプの個数で作動記憶数を表示することができる。
【0136】
普通図柄作動記憶ランプ33aは、始動ゲート20を遊技球が通過すると、その都度、作動抽選の契機となる通過が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その通過を契機として普通図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。なお、本実施形態では、普通図柄作動記憶ランプ33aが未点灯(記憶数が0個)の場合、普通図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で始動ゲート20を遊技球が通過しても表示態様は変化しない。すなわち、普通図柄作動記憶ランプ33aの表示態様によって表される記憶数(最大4個)は、その時点で未だ普通図柄の変動が開始されていない通過の回数を表している。
【0137】
また、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35は、例えばそれぞれ7セグメントLED(ドット付き)により、対応する第1特別図柄又は第2特別図柄の変動状態と停止状態とを表示することができる(図柄表示手段)。なお、第1特別図柄表示装置34や第2特別図柄表示装置35は、複数のドットLEDを幾何学的(例えば円形状)に配列した形態であってもよい。
【0138】
また、第1特別図柄作動記憶ランプ34a及び第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、例えばそれぞれ2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせで構成される表示態様により、それぞれ0~4個の記憶数を表示する(記憶数表示手段)。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプを点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。
【0139】
第1特別図柄作動記憶ランプ34aは、中始動入賞口26に遊技球が入球するごとに、中始動入賞口26に遊技球が入球したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その入球を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。また、第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、可変始動入賞装置28に遊技球が入球するごとに、右始動入賞口28aに遊技球が入球したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化し(最大4個まで)、その入球を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化する。なお、本実施形態では、第1特別図柄作動記憶ランプ34aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第1特別図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で中始動入賞口26に遊技球が入球しても表示態様は変化しない。また、第2特別図柄作動記憶ランプ35aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第2特別図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で可変始動入賞装置28に遊技球が入球しても表示態様は変化しない。すなわち、各特別図柄作動記憶ランプ34a,35aの表示態様により表される記憶数(最大4個)は、その時点で未だ第1特別図柄又は第2特別図柄の変動が開始されていない入球の回数を表している。
【0140】
また、遊技状態表示装置38には、例えば大当り種別表示ランプ38a,38b,38c、確率変動状態表示ランプ38d、時短状態表示ランプ38e、発射位置指定ランプ38fにそれぞれ対応するLEDが含まれている。なお、本実施形態では、上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38が1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤ユニット8に取り付けられている。
【0141】
統合表示基板89に実装されたこれらのLEDランプは、その点灯又は消灯の切り替えを制御する目的で、異なる4つの制御領域(以下、「コモン」と称する)に区分けされている。見方を変えると、統合表示基板89には4つのコモンが存在し、個々のランプはいずれか1つのコモンに属している。本実施形態においてはダイナミック点灯方式が採用されており、ランプの駆動は割込周期(例えば4ms)の間隔をおいてコモン単位で順に行われる。したがって、統合表示基板89に実装された全てのランプが同時に駆動されることはない。
【0142】
〔制御上の構成〕
次に、パチンコ機1の制御に関する構成について説明する。
図15は、パチンコ機1に装備された各種の電子機器類を示すブロック図である。パチンコ機1は、制御動作の中枢となる主制御装置70(主制御用コンピュータ)を備えており、この主制御装置70は主に、パチンコ機1における遊技の進行を制御する機能を有している。なお、主制御装置70は、主制御基板ユニット170に内蔵されている。
【0143】
また、主制御装置70には、中央演算処理装置である主制御CPU72を実装した回路基板(主制御基板)が装備されており、主制御CPU72は、図示しないCPUコアやレジスタとともにROM74、RAM(RWM)76等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また、主制御装置70には、乱数回路75や割込コントローラ(割込CTR)192、パラレルI/Oポート79、タイマ回路(PTC)194、シリアル通信回路(SCU)196が装備されている。このうち乱数回路75は、特別図柄抽選の大当り判定用や普通図柄抽選の当り判定用にハードウェア乱数(例えば10進数表記で0~65535)を発生させるものであり、ここで発生された乱数は主制御CPU72に入力される。また、割込コントローラ192は、パラレルI/Oポート79、タイマ回路194、シリアル通信回路196から各割込要求(XINT割込、PTC割込、SCU割込)を受け付け、これらの割込要求を優先順位に基づき制御する。その他にも主制御装置70には、図示しないクロック発生回路、様々な状態を監視し必要に応じてリセットを発生させるリセットコントローラ等の周辺ICが装備されており、これらは主制御CPU72とともに回路基板上に実装されている。なお、回路基板上(又は内層部分)には、信号伝送経路や電源供給経路、制御用バス等が配線パターンとして形成されている。なお、主制御装置70のI/Oポートはシリアル形式としてもよい。
【0144】
上述した始動ゲート20には、遊技球の通過を検出するためのゲートスイッチ78が一体的に設けられている。また、遊技盤ユニット8には、中始動入賞口26、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31にそれぞれ対応して中始動入賞口スイッチ80、右始動入賞口スイッチ82、第1カウントスイッチ84及び第2カウントスイッチ85が装備されている。各始動入賞口スイッチ80,82は、中始動入賞口26、可変始動入賞装置28(右始動入賞口28a)への遊技球の入球を検出するためのものである。また、第1カウントスイッチ84は、第1可変入賞装置30(第1大入賞口)への遊技球の入球を検出し、その数をカウントするためのものである。さらに、第2カウントスイッチ85は、第2可変入賞装置31(第2大入賞口31b)への遊技球の入球を検出し、その数をカウントするためのものである。さらに、確変領域スイッチ95は、第2可変入賞装置31の内部に配置された確変領域を遊技球が通過したことを検出するためのスイッチである(検出手段)。
【0145】
同様に遊技盤ユニット8には、普通入賞口22への遊技球の入球を検出する第1入賞口スイッチ86と、普通入賞口24への遊技球の入球を検出する第2入賞口スイッチ81とが装備されている。なお、左側の3つの普通入賞口22については、共通の入賞口スイッチ86を用いる構成を例に挙げているが、例えば3つの入賞口スイッチを設置して、各普通入賞口22に対する遊技球の入球を個別に検出してもよい。
【0146】
いずれにしても、これらスイッチ類の入賞検出信号は、図示しない入出力ドライバを介して主制御CPU72に入力される。なお、遊技盤ユニット8の構成上、本実施形態ではゲートスイッチ78、第1カウントスイッチ84、第2カウントスイッチ85、第1入賞口スイッチ86、第2入賞口スイッチ81、確変領域スイッチ95からの入賞検出信号は、パネル中継端子板87を経由して送信され、パネル中継端子板87には、それぞれの入賞検出信号を中継するための配線パターンや接続端子等が設けられている。
【0147】
上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38は、主制御CPU72からの制御信号に基づいて表示動作を制御されている。主制御CPU72は、遊技の進行状況に応じてこれら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aに対する制御信号を出力し、各LEDの点灯状態を制御している。また、これら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aは、上述したように1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤ユニット8に設置されており、この統合表示基板89にはパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
【0148】
また、遊技盤ユニット8には、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31及び確変領域の上流にそれぞれ対応して普通電動役物ソレノイド88、第1大入賞口ソレノイド90、第2大入賞口ソレノイド97及び確変領域用ソレノイド99が設けられている。これらソレノイド88,90,97,99は主制御CPU72からの制御信号に基づいて動作(励磁)し、それぞれ可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31を開閉動作(作動)させたり、確変領域用羽根部材31dを可動させたりする。なお、これらソレノイド88,90,97,99についてもパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
【0149】
その他に一体扉ユニット4にはガラス枠開放スイッチ91が設置されており、また、内枠アセンブリ7にはプラ枠開放スイッチ93が設置されている。一体扉ユニット4が単独で開放されると、ガラス枠開放スイッチ91からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力され、また、外枠ユニット2から内枠アセンブリ7が開放されると、プラ枠開放スイッチ93からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力される。主制御CPU72は、これら接点信号から一体扉ユニット4や内枠アセンブリ7の開放状態を検出することができる。なお、主制御CPU72は、一体扉ユニット4や内枠アセンブリ7の開放状態を検出すると、外部情報信号として扉開放情報信号を生成する。
【0150】
パチンコ機1の裏側には、払出制御装置92が装備されている。この払出制御装置92(払出制御コンピュータ)は、上述した払出装置ユニット172の動作を制御する。払出制御装置92には、払出制御CPU94を実装した回路基板(払出制御基板)が装備されており、この払出制御CPU94もまた、図示しないCPUコアとともにROM96、RAM98等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。払出制御装置92(払出制御CPU94)は、主制御CPU72からの賞球指示コマンドに基づいて払出装置ユニット172の動作を制御し、要求された個数の遊技球の払出動作を実行させる。なお、主制御CPU72は賞球指示コマンドとともに、外部情報信号として賞球情報信号を生成する。
【0151】
払出装置ユニット172の図示しない賞球ケース内には、払出モータ102(例えばステッピングモータ)とともに払出装置基板100が設置されており、この払出装置基板100には払出モータ102の駆動回路が設けられている。払出装置基板100は、払出制御装置92(払出制御CPU94)からの払出数指示信号に基づいて払出モータ102の回転角度を具体的に制御し、指示された数の遊技球を賞球ケースから払い出させる。払い出された遊技球は、流路ユニット173内の払出流路を通って受皿ユニット6に送られる。
【0152】
また、例えば賞球ケースの上流位置には払出路球切れスイッチ104が設置されている他、払出モータ102の下流位置には払出計数スイッチ106が設置されている。払出モータ102の駆動により実際に賞球が払い出されると、その都度、払出計数スイッチ106からの計数信号が払出装置基板100に入力される。また、賞球ケースの上流位置で球切れが発生すると、払出路球切れスイッチ104からの接点信号が払出装置基板100に入力される。払出装置基板100は、入力された計数信号や接点信号を払出制御装置92(払出制御CPU94)に送信する。払出制御CPU94は、払出装置基板100から受信した信号に基づき、実際の払出数や球切れ状態を検知することができる。
【0153】
また、パチンコ機1には、例えば下皿6cの内部(パチンコ機1の正面からみて奧の位置)に満タンスイッチ161が設置されている。実際に払い出された賞球(遊技球)は流路ユニット173を通じて上皿6bに放出されるが、上皿6bが遊技球で満杯になると、それ以上に払い出された遊技球は上述したように下皿6cへ流れ込む。さらに、下皿6cが遊技球で満杯になると、それによって満タンスイッチ161がONになり、満タン検出信号が払出制御装置92(払出制御CPU94)に入力される。これを受けて払出制御CPU94は、主制御CPU72から賞球指示コマンドを受信してもそれ以上の賞球動作を一旦保留とし、未払出の賞球残数をRAM98に記憶させておく。なお、RAM98の記憶は電源断時にもバックアップが可能であり、遊技中に停電(瞬間的な停電を含む)が発生しても、未払出の賞球残数情報が消失してしまうことはない。
【0154】
また、パチンコ機1の裏側には、発射制御基板108とともに発射ソレノイド110が設置されている(球発射手段)。また、受皿ユニット6内には球送りソレノイド111が設けられている。これら発射制御基板108、発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111は上述した発射制御基板セット174を構成しており、このうち発射制御基板108には発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111の駆動回路が設けられている。このうち球送りソレノイド111は、受皿ユニット6内に蓄えられた遊技球を1個ずつ、発射機ケース内で所定の発射位置に送り出す動作を行う。また、発射ソレノイド110は、発射位置に送り出された遊技球を打撃し、上述したように遊技領域8aに向けて遊技球を1個ずつ連続的(間欠的)に打ち出す動作を行う。なお、遊技球の発射間隔は、例えば0.6秒程度の間隔(1分間で100個以内)である。
【0155】
一方、パチンコ機1の表側に位置するハンドルユニット16には、発射レバーボリューム112、タッチセンサ114及び発射停止スイッチ116が設けられている。このうち発射レバーボリューム112は、遊技者による発射ハンドルの操作量(いわゆるストローク)に比例したアナログ信号を生成する。また、タッチセンサ114は、静電容量の変化から遊技者の身体がハンドルユニット16(発射ハンドル)に触れていることを検出し、その検出信号を出力する。そして、発射停止スイッチ116は、遊技者の操作に応じて発射停止信号(接点信号)を生成する。
【0156】
受皿ユニット6には発射中継端子板118が設置されており、発射レバーボリューム112やタッチセンサ114、発射停止スイッチ116からの各信号は、発射中継端子板118を経由して発射制御基板108に送信される。また、発射制御基板108からの駆動信号は、発射中継端子板118を経由して球送りソレノイド111に印加される。遊技者が発射ハンドルを操作すると、その操作量に応じて発射レバーボリューム112でアナログ信号(エンコードされたデジタル信号でもよい)が生成され、このときの信号に基づいて発射ソレノイド110が駆動される。これにより、遊技者の操作量に応じて遊技球を打ち出す強さが調整されるものとなっている。なお、発射制御基板108の駆動回路は、タッチセンサ114からの検出信号がオフ(ローレベル)の場合か、もしくは発射停止スイッチ116から発射停止信号が入力された場合は発射ソレノイド110の駆動を停止する。この他に、発射中継端子板118には遊技球等貸出装置接続端子板120が接続されており、この遊技球等貸出装置接続端子板120にCRユニットが接続されていない場合、同じく発射制御基板108の駆動回路は発射ソレノイド110の駆動を停止する。
【0157】
また、受皿ユニット6には度数表示基板122及び貸出及び返却スイッチ基板123が内蔵されている。このうち度数表示基板122には、度数表示部の表示器(3桁分の7セグメントLED)が設けられている。また、貸出及び返却スイッチ基板123には球貸ボタン10や返却ボタン12にそれぞれ接続されるスイッチモジュールが実装されており、球貸ボタン10又は返却ボタン12が操作されると、その操作信号が貸出及び返却スイッチ基板123から遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに送信される。また、CRユニットからは、有価媒体の残り度数を表す度数信号が遊技球等貸出装置接続端子板120を経由して度数表示基板122に送信される。度数表示基板122上の図示しない表示回路は、度数信号に基づいて表示器を駆動し、有価媒体の残り度数を数値表示する。また、CRユニットに有価媒体が投入されていなかったり、あるいは投入された有価媒体の残り度数が0になったりした場合、度数表示基板122の表示回路は表示器を駆動してデモ表示(有価媒体の投入を促す表示)を行うこともできる。
【0158】
また、パチンコ機1は制御上の構成として、演出制御装置124(演出制御用コンピュータ)を備えている。この演出制御装置124は、パチンコ機1における遊技の進行に伴う演出の制御を行う。演出制御装置124にもまた、中央演算処理装置である演出制御CPU126が回路基板(複合サブ制御基板)上に装備されている。演出制御CPU126は、図示しないCPUコアとともにRAM(RWM)130やeDRAM131等の半導体メモリを内蔵したLSIとして構成されている。なお、演出制御装置124は、パチンコ機1の裏側で裏カバーユニット178に覆われる位置に設けられている。
【0159】
演出制御装置124には、演出を制御する上で必要となる様々な機能部品が装備されている。具体的には、演出の制御に関する基本的なプログラムが格納された制御ROM180や、時刻管理を行うリアルタイムクロック(RTC)184、制御の正常性を監視するウォッチドッグタイマIC(WDTIC)188、演出画像の描画を行うVDP152、演出画面を構成する描画素材(動画像データ)や演出の進行とともに出力される音声素材(音声データ)を格納するCGROM(画像・音声ROM)190の他に、演出の再生に用いられる各種デバイスを制御するための音声IC134、LEDドライバ198、SMC(シリアル制御コントローラ)199及びドライバIC132等が装備されている。
【0160】
音声IC134は、演出の実行中に再生される効果音やBGM等の音声を生成するサウンドジェネレータであり、アンプを経由してガラス枠上スピーカ54、ガラス枠内スピーカ55、内枠スピーカ56及び外枠スピーカ58に音声を出力することにより、ステレオ2ch又はモノラル2chの音声再生(より大きなチャンネル数としてもよい)を実現する。
【0161】
LEDドライバ198は、パチンコ機1の前面側に設けられた各種ランプ46~53や、可動体ランプ59、すなわち演出ユニット40の内部に設けられたロゴ可動体310をはじめとする複数の可動体に内蔵された光源に関する、演出の実行にともなう点灯パターン及び輝度パターンを制御する。LEDドライバ198は、先ず演出制御CPU126から送信された指示内容に基づいて点灯パターン及び輝度パターンの制御を行い、これに応じた駆動データをドライバIC132に転送する。
【0162】
SMC199は、演出ユニット40の内部に設けられた演出用の可動体の駆動源となる可動体モータ(左モータ350、右モータ390等)の駆動パターンを制御する。SMC199は、先ず演出制御CPU126から送信された指示内容に基づいて駆動パターンを生成し、これをドライバIC132に転送する。なお、ここではSMC199をモータの駆動パターン生成にのみ用いているが、SMC199はモータだけでなくランプの点灯パターンや輝度パターンを生成することもできるため、上述したLEDドライバ198に代えてSMC199を適用し、SMC199がランプ及びモータの両方のデータパターンを生成する構成とすることも可能である。
【0163】
ドライバIC132は、LEDドライバ198やSMC199から転送された駆動データに基づいてランプやモータに対し印加する駆動電圧の制御を行う。ドライバIC132は、例えば図示しないPWM(パルス幅変調)ICやMOSFET等のスイッチング素子を備えており、各種ランプ46~53や可動体モータ350,390に印加する駆動電圧をスイッチング(又はデューティ切替)して、その動作を管理することにより、ランプや可動体を用いた演出再生を実現する。なお、各種ランプには、ガラス枠トップランプ46やガラス枠装飾ランプ48,50,52の他に、操作ユニット60の各部位に内蔵された光源や遊技盤ユニット8に設置された装飾・演出用の盤面ランプ53が含まれる。盤面ランプ53は、演出ユニット40に内蔵されるLEDや、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31等に内蔵されるLEDに相当するものである。また、ここではガラス枠装飾ランプ52がサブ接続基板136に接続されている例を挙げているが、受皿ユニット6に受け皿電飾基板を設置し、ガラス枠装飾ランプ52については受け皿電飾基板を介してドライバIC132に接続される構成であってもよい。
【0164】
演出制御装置124と主制御装置70とは、例えば図示しない通信用ハーネスを介して相互に接続されている。ただし、これらの間の通信は、主制御装置70から演出制御装置124への一方向のみで行われ、逆方向への通信は行われない。なお、通信用ハーネスには、主制御装置70から演出制御装置124に対して送信される各種演出用のコマンド(以下、「演出コマンド」と称する。)のバス幅に応じてパラレル形式を採用してもよいし、それぞれのドライバ(I/O)のハード構成に合わせてシリアル形式を採用してもよい。
【0165】
本実施形態では一体扉ユニット4の内面にサブ接続基板136が設置されており、ドライバIC132や音声IC134からの駆動信号はサブ接続基板136を経由して各種ランプ46~52やスピーカ54,55,56,58に印加されている。また、サブ接続基板136には、ハンドルレバー62、ボタンモータ63、プッシュボタン64、方向キー66の他に図示しない音量調整スイッチが接続されており、遊技者がこれらの操作部材を操作すると、それらの接点信号がサブ接続基板136を通じて演出制御装置124に入力される。なお、ここではサブ接続基板136に各操作部材62,64,66を接続した例を挙げているが、受け皿電飾基板を設置する場合、各操作部材62,64,66は受け皿電飾基板に接続されていてもよい。
【0166】
その他、遊技盤ユニット8にはドライバ基板138が設置されており、このドライバ基板138には盤面ランプ53の他に可動体モータ350,390、可動体ランプ59及びストッパーソレノイド398が接続されている。可動体モータ350,390は、例えば図示しないリンク機構を介してロゴ可動体310を駆動する。ストッパーソレノイド398は、図示しないリンク機構を介してストッパーベース381に対して作用し、可動ストッパー部380を幅方向に変位させる。ドライバIC132からの駆動信号は、ドライバ基板138を経由して盤面ランプ53、可動体モータ350,390、可動体ランプ59及びストッパーソレノイド398にそれぞれ印加される。
【0167】
液晶表示器42は遊技盤ユニット8の裏側に設置されており、遊技盤ユニット8に形成された略矩形の開口を通じてその表示画面が視認可能となっている。また、遊技盤ユニット8の裏側にはインバータ基板158が設置されており、このインバータ基板158は液晶表示器42のバックライト(例えば冷陰極管)に印加される交流電源を生成している。
【0168】
その他、内枠アセンブリ7の裏側には電源制御ユニット162(電源制御手段)が装備されている。この電源制御ユニット162はスイッチング電源回路を内蔵し、電源コード164を通じて島設備から外部電力(例えばAC24V等)を取り込むと、そこから必要な電力(例えばDC+34V、+12V等)を生成することができる。電源制御ユニット162で生成された電力は、主制御装置70や払出制御装置92、演出制御装置124、インバータ基板158に分配されている。さらに、払出制御装置92を経由して発射制御基板108に電力が供給されている他、遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに電力が供給されている。なお、ロジック用の低電圧電力(例えばDC+5V)は、各装置に内蔵された電源用IC(3端子レギュレータ等)で生成される。また、上述したように電源制御ユニット162は、アース線166を通じて島設備にアース(接地)されている。
【0169】
この他に、電源制御ユニット162にはRAMクリアスイッチ163が設けられている。RAMクリアスイッチ163は、RAMクリア(RAM76の使用禁止領域を除く全領域の初期化)を行うためのスイッチであり、電源投入時にRAMクリアスイッチ163が操作されると、RAMクリア信号が主制御装置70及び払出制御装置92に入力される。なお、RAMクリアスイッチが主制御装置70に設けられていてもよい。また、RAMクリア信号を払出制御装置92には入力させず、主制御装置70がRAMクリア信号の入力を受け付けると、主制御装置70が払出制御装置92に対してRAMクリアコマンドを送信する構成としてもよい。
【0170】
外部端子板160は払出制御装置92に接続されており、主制御装置70(主制御CPU72)にて生成された各種の外部情報信号は、払出制御装置92を経由して外部端子板160から外部に出力されるものとなっている。主制御装置70(主制御CPU72)及び払出制御装置92(払出制御CPU94)は、外部端子板160を通じてパチンコ機1の外部に向けて外部情報信号を出力することができる。外部端子板160から出力される信号は、例えば遊技場のホールコンピュータ(図示していない)で集計される。なお、ここでは払出制御装置92を経由する構成を例に挙げているが、主制御装置70からそのまま外部情報信号が外部端子板160に出力される構成であってもよい。
【0171】
以上説明したように、上述した実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)本実施形態によれば、ロゴ可動体310の一部をなすプレート312をプレート収容部314の内部でスライドさせることができるため、ロゴ可動体310に傾きが生じた場合に、プレート312をその傾きに応じた長さだけ引き出す方向にスライドさせて、ロゴ可動体310の全長(左端から右端までの長さ)を適切に調整することができる。これにより、ロゴ可動体310を自在に傾斜させて、ロゴ可動体310の左端部と右端部とをそれぞれ高さの異なる位置に落下させることが可能となる。
【0172】
(2)本実施形態によれば、左駆動機構320にはロゴ可動体310の左端部及びこれを支持する左可動支持部330の左第1位置からの自重による落下を左第2位置で規制する左ストッパー340が設けられており、右駆動機構360にはロゴ可動体310の右端部及びこれを支持する右可動支持部370の右第1位置からの自重による落下を右第2位置で規制する右第1ストッパー382(可動ストッパー部380)、及び、右第3位置で規制する右第2ストッパー388が設けられているため、ロゴ可動体310の左端部と右端部とを様々な組み合わせによる位置に落下させることができ、遊技者を飽きさせない演出を実行することが可能となる。
【0173】
(3)本実施形態によれば、左ロック部352によるロゴ可動体310の左端部の左第1位置へのロックを解除するタイミング、右ロック部392によるロゴ可動体310の右端部の右第1位置へのロックを解除するタイミング、及び可動ストッパー部380を引き抜く力を供給するソレノイドを作動させるタイミングを様々に変化させることで、ロゴ可動体310の左端部と右端部とを様々な組み合わせによる位置に落下させる際に、1段階~3段階でのバリエーションに富んだ態様により落下させることができるため、遊技者を飽きさせない演出を実行することが可能となる。
【0174】
(4)本実施形態によれば、ガイドローラ313が接触してきたプレート312をスライドする方向に案内してプレート312の動きを促進させるため、プレート312をプレート収容部314の内部でスムーズにスライドさせることができ、ロゴ可動体310のスムーズな落下(傾斜)に貢献することができる。
【0175】
本発明は上述した一実施形態に制約されることなく、種々に変形して実施することができる。一実施形態で挙げた演出の態様や各種数値はあくまで例示であり、上述した内容に限定されるものではない。
【0176】
上述した実施形態では、ロゴ可動体310の右端部を支持する右可動支持部370の自重による落下を最大2段階で可能としているが、段階数はこれに限定されない。さらなる段階での落下を受け止めるための機構を搭載することにより、3段階以上としてもよい。また、ロゴ可動体310の左端部を支持する左可動支持部330の自重による落下を1段階のみとしているが、右駆動機構360と同様の機構を左駆動機構320に搭載することにより、複数段階としてもよい。
【0177】
上述した実施形態では、ロゴ可動体310の左端部が左可動支持部330により支持されつつ、ロゴ可動体310の右端部が右可動支持部370により支持される例で説明したが、ロゴ可動体310が支持を受ける部位は左端部及び右端部に限定されず、ロゴ可動体310が無理なく支持を受けることが可能ないずれか2つの部位が、それぞれ別の可動支持部により支持されればよい。例えば、ロゴ可動体310が無理のない状態で支持を受けられるならば、2つの部位は、ロゴ可動体310の中央部より左寄りの一部位と中央部より右寄りの一部位でもよいし、ロゴ可動体310の左上部の一部位と右下部の一部位でもよいし、ロゴ可動体310の左下部の一部位と右上部の一部位でもよい。
【0178】
上述した実施形態では、ロゴ可動体310の一部をなすプレート312が右可動支持部370と連結される一方、プレート収容部314が背面側に設けられたロゴ装飾体311が左可動支持部330と連結される例で説明したが、これとは逆に、プレート312が左可動支持部330と連結される一方、ロゴ装飾体311が右可動支持部370と連結されてもよい。この場合には、ロゴ可動体310の傾きに応じてロゴ装飾体311の左端(先頭端)よりも前方の部分に伸長可能となり、これによりロゴ可動体310の全長が調整されることとなる。
【0179】
上述した実施形態では、ロゴ可動体310の傾きに応じてプレート312をスライドさせることによりロゴ可動体310の全長を調整する例で説明したが、ロゴ可動体310の全長を調整する方法は、これに限定されない。例えば、バネの付勢力を利用した機構等により調整してもよい。
【0180】
その他の演出例であげた画像はあくまで一例であり、これらは適宜に変形することができる。また、パチンコ機1の構造や盤面構成、具体的な数値等は図示のものも含めて好ましい例示であり、これらを適宜に変形可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0181】
1 パチンコ機
8 遊技盤ユニット
8a 遊技領域
20 始動ゲート
28 可変始動入賞装置
33 普通図柄表示装置
33a 普通図柄作動記憶ランプ
34 第1特別図柄表示装置
35 第2特別図柄表示装置
34a 第1特別図柄作動記憶ランプ
35a 第2特別図柄作動記憶ランプ
38 遊技状態表示装置
42 液晶表示器
70 主制御装置
72 主制御CPU
76 RAM
124 演出制御装置
126 演出制御CPU
130 RAM
300 ロゴ可動体ユニット
310 ロゴ可動体
311 ロゴ装飾体
312 プレート
313 ガイドローラ
314 プレート収容部
320 左駆動機構
330 左可動支持部
340 左ストッパー
360 右駆動機構
370 右可動支持部
381 右第1ストッパー
388 右第2ストッパー