(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-20
(45)【発行日】2023-03-29
(54)【発明の名称】肌状態、体状態又は心状態のケアに関する情報出力システム、情報出力プログラム及び情報出力方法
(51)【国際特許分類】
G16H 20/70 20180101AFI20230322BHJP
A61B 5/00 20060101ALI20230322BHJP
【FI】
G16H20/70
A61B5/00 M
(21)【出願番号】P 2018123872
(22)【出願日】2018-06-29
【審査請求日】2021-04-01
(31)【優先権主張番号】P 2017128338
(32)【優先日】2017-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000113470
【氏名又は名称】ポーラ化成工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】特許業務法人創成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】本川 智紀
(72)【発明者】
【氏名】加藤 朋美
(72)【発明者】
【氏名】及川 優
(72)【発明者】
【氏名】中西 類子
(72)【発明者】
【氏名】飯田 隆
(72)【発明者】
【氏名】横田 幸信
(72)【発明者】
【氏名】村越 淳
(72)【発明者】
【氏名】寺田 知彦
【審査官】加舎 理紅子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/107747(WO,A1)
【文献】特開2007-222276(JP,A)
【文献】特開2003-093351(JP,A)
【文献】特開2015-204033(JP,A)
【文献】特開2017-116415(JP,A)
【文献】特開2002-032487(JP,A)
【文献】国際公開第2015/125454(WO,A1)
【文献】特開2008-242963(JP,A)
【文献】特開2002-024400(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G16H 10/00 - 80/00
A61B 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を出力する出力部と、
ユーザの行動データに示されるユーザの行動を認識する行動認識部と、
前記ユーザの行動に基づいて、前記ユーザの疲労の状態及び心状態の一方または両方の状態の変化を予測する予測部と、
前記予測部によって予測された前記ユーザの状態の変化を示す情報を前記出力部に出力する出力制御部とを備え、
前記予測部は、前記ユーザの行動と、当該行動に応じて付与される前記ユーザの状態のスコアの変動量と、を関連付けた情報を参照して、前記ユーザの行動に基づいて、前記ユーザの行動に関連付けられた前記ユーザの状態のスコアの変動量を認識し、当該変動量に基づいて、前記ユーザの状態のスコアの時系列的な変化を予測するように構成されて
おり、
前記変動量は、前記ユーザの状態の改善の度合いが大きいほど連続的または断続的に大きい値となり、前記ユーザの状態の改善の度合いが小さいほど連続的または断続的に小さい値となり、
前記出力制御部は、前記予測部の予測結果に従った前記ユーザの状態のスコアの時系列的な変化を示す情報と、前記ユーザの行動を示す情報と、当該行動に関連する前記変動量とを前記出力部に出力することを特徴とする情報出力システム。
【請求項2】
情報を出力する出力部と、
ユーザの行動データに示されるユーザの行動を認識する行動認識部と、
前記ユーザの行動に基づいて、前記ユーザの肌状態、体状態及び心状態の少なくとも1つの状態の変化を予測する予測部と、
前記予測部によって予測された前記ユーザの状態の変化を示す情報を前記出力部に出力する出力制御部と、
情報の入力を受け付ける入力部と、
前記入力部を介して入力された情報に基づいて、前記行動に応じて付与される前記ユーザの状態の目標スコアを認識する目標スコア認識部とを備え、
前記予測部は、
前記ユーザの行動と、当該行動に応じた前記ユーザの状態のスコアの変動量と、を関連付けた情報を参照して、前記ユーザの行動に基づいて、前記ユーザの行動に関連付けられた前記ユーザの状態のスコアの変動量を認識し、当該変動量に基づいて、前記ユーザの状態のスコアの時系列的な変化を予測するとともに、
前記ユーザの行動と、当該行動に応じた前記ユーザの状態の目標スコアを達成するまでの期間の変動量と、を関連付けた情報を参照して、前記ユーザの行動に基づいて、前記ユーザの状態の目標スコアを達成するまでの期間を予測し、
前記出力制御部は、前記ユーザの状態のスコアの時系列的な変化を示す情報とともに、前記期間を出力部に出力することを特徴とする情報出力システム。
【請求項3】
請求項2記載の情報出力システムにおいて、
前記予測部は、前記ユーザの行動に応じて前記期間を延長または短縮させ、前記延長または短縮された期間に応じて前記ユーザの状態のスコアの時系列的な変化の予測を行い、
前記出力制御部は、前記ユーザの状態のスコアの時系列的な変化を示す情報と延長または短縮前の期間と延長または短縮後の期間とを出力部に出力するように構成されていることを特徴とする情報出力システム。
【請求項4】
情報を出力する出力部と、
ユーザの行動データに示されるユーザの行動を認識する行動認識部と、
前記ユーザの行動に基づいて、前記ユーザの肌状態、体状態又は心状態の少なくとも1つである状態の変化を予測する予測部と、
前記予測部によって予測された前記ユーザの状態の変化を示す情報を前記出力部に出力する出力制御部とを備え、
前記予測部は、前記ユーザの行動データから前記ユーザの行動の回数又は度合いの周期性を認識し、当該周期性に基づいて、当該周期性が所定期間継続した場合の、当該所定期間における前記行動の回数又は度合いを推定し、前記行動の回数又は度合いと、当該行動の回数又は度合いに応じて付与される前記ユーザの状態のスコアの変動量と、を関連付けた情報を参照して、前記周期性に基づいて推定された前記行動の回数又は度合いに基づいて、前記ユーザの行動に関連付けられた前記ユーザの状態のスコアの変動量を認識し、当該変動量に基づいて、前記ユーザの状態のスコアの時系列的な変化を予測するように構成されていることを特徴とする情報出力システム。
【請求項5】
情報を出力する出力部と、
ユーザの行動データに示されるユーザの行動を認識する行動認識部と、
前記ユーザの行動に基づいて、前記ユーザの肌状態の変化を予測する予測部と、
前記予測部によって予測された前記ユーザの肌状態の変化を示す情報を前記出力部に出力する出力制御部とを備え、
前記予測部は、前記ユーザの行動と、当該行動に応じて付与される前記ユーザの顔又は体の部位ごとの肌状態のスコアの変動量と、を関連付けた情報を参照して、前記ユーザの行動に基づいて、前記ユーザの行動に関連付けられた前記ユーザの肌状態のスコアの変動量を認識し、当該変動量に基づいて、前記ユーザの肌状態のスコアの時系列的な変化を前記ユーザの顔又は体の部位ごとに予測するように構成されており、
前記出力制御部は、前記ユーザの写真又は前記ユーザを模した画像を前記出力部に出力させるように構成され、かつ、前記ユーザの部位ごとの予測に応じた、当該ユーザの顔又は体の各部位における肌の状態を文言又は色で示した画像、又は当該ユーザの顔の各部位における肌の角層の状態を示す画像、を前記ユーザの写真又は前記ユーザを模した画像の当該部位に対応する部分に出力するように構成されていることを特徴とする情報出力システム。
【請求項6】
請求項
2~5のうちいずれか1項記載の情報出力システムにおいて、
前記変動量は、前記ユーザの状態の改善の度合いが大きいほど連続的または断続的に大きい値となり、前記ユーザの状態の改善の度合いが小さいほど連続的または断続的に小さい値となり、
前記出力制御部は、前記予測部の予測結果に従った前記ユーザの状態のスコアの時系列的な変化を示す情報と、前記ユーザの行動を示す情報と、当該行動に関連する前記変動量とを前記出力部に出力することを特徴とする情報出力システム。
【請求項7】
情報を出力する出力部を備えるシステムが実行する方法であって、
前記システムのユーザの行動データに示されるユーザの行動を認識するステップと、
前記ユーザの行動に基づいて、前記ユーザの疲労の状態及び心状態の一方または両方の状態の変化を予測するステップと、
前記予測された前記ユーザの状態の変化を示す情報を前記出力部に出力するステップとを含み、
前記ユーザの状態の変化を予測するステップは、前記ユーザの行動と、当該行動に応じて付与される前記ユーザの状態のスコアの変動量と、を関連付けた情報を参照して、前記ユーザの行動に基づいて、前記ユーザの行動に関連付けられた前記ユーザの状態のスコアの変動量を認識し、当該変動量に基づいて、前記ユーザの状態のスコアの時系列的な変化を予測するステップを含
み、
前記変動量は、前記ユーザの状態の改善の度合いが大きいほど連続的または断続的に大きい値となり、前記ユーザの状態の改善の度合いが小さいほど連続的または断続的に小さい値となり、
前記予測された前記ユーザの状態の変化を示す情報を前記出力部に出力するステップは、前記ユーザの状態のスコアの時系列的な変化を予測するステップの予測結果に従った前記ユーザの状態のスコアの時系列的な変化を示す情報と、前記ユーザの行動を示す情報と、当該行動に関連する前記変動量とを前記出力部に出力するステップを含むことを特徴とする情報出力方法。
【請求項8】
情報を出力する出力部を備えるシステムに、
前記システムのユーザの行動データに示されるユーザの行動を認識するステップと、
前記ユーザの行動に基づいて、前記ユーザの疲労の状態及び心状態の一方または両方の状態の変化を予測するステップと、
前記予測された前記ユーザの状態の変化を示す情報を前記出力部に出力するステップとを実行させるプログラムであって、
前記ユーザの状態の変化を予測するステップは、前記ユーザの行動と、当該行動に応じて付与される前記ユーザの状態のスコアの変動量と、を関連付けた情報を参照して、前記ユーザの行動に基づいて、前記ユーザの行動に関連付けられた前記ユーザの状態のスコアの変動量を認識し、当該変動量に基づいて、前記ユーザの状態のスコアの時系列的な変化を予測するステップを含
み、
前記変動量は、前記ユーザの状態の改善の度合いが大きいほど連続的または断続的に大きい値となり、前記ユーザの状態の改善の度合いが小さいほど連続的または断続的に小さい値となり、
前記予測された前記ユーザの状態の変化を示す情報を前記出力部に出力するステップは、前記ユーザの状態のスコアの時系列的な変化を予測するステップの予測結果に従った前記ユーザの状態のスコアの時系列的な変化を示す情報と、前記ユーザの行動を示す情報と、当該行動に関連する前記変動量とを前記出力部に出力するステップを含むことを特徴とする情報出力プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、肌状態、体状態又は心状態のケアに関する情報出力システム、情報出力プログラム及び情報出力方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、肌状態、体状態又は心状態のケアに関する様々なツールが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、化粧品販売員等がユーザに対して用いるカウンセリングツールとして、肌状態の典型的なパターンに対し、その肌の状態の説明をする肌状態説明部と、その肌の状態に必要なスキンケア方法の説明表示部とを備えたカウンセリングツールが記載されている。
【0004】
肌状態説明部は、肌状態の典型的なパターンとしての「水分が不足しがちな状態」という小見出しと、当該肌の状態についての「お肌を外的刺激から守るバリア機能も低下しやすく、………考えられます。」という説明文とを含む。
【0005】
スキンケア方法の説明表示部は、当該肌状態におけるスキンケア方法としての「やや不足している方 W保湿」及び「不足している方 W保湿+ローションマスク・クリーム」という見出しとが含まれている。ここで、「W保湿」及び「ローションマスク・クリーム」は、それぞれ、スキンケア方法の種類又はスキンケアに用いる商品を示している。
【0006】
化粧品販売員は、例えば、顧客の肌状態が水分がやや不足している状態であると判断した場合、スキンケア方法の説明表示部に表示された「W保湿」を行うよう勧めるなど、顧客の肌状態とカウンセリングツールとを突き合わせることで、肌のパターンに応じた施策を即座にユーザに対して提示することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献1の技術は、ユーザの肌状態に応じて画一的なアドバイスを行うためのカウンセリングツールにすぎず、ユーザの行動の影響によるユーザの肌状態の変化の予測に関する情報を提供するものではなかった。このため、アドバイスによってどのようにユーザの肌状態が変化するかのイメージをユーザに持たせにくかった。
【0009】
そこで、本発明は、ユーザの肌状態、体状態又は心状態の変化の予測に関する情報を提供することができる肌状態、体状態又は心状態のケアに関する情報出力システム、情報出力プログラム及び情報出力方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の情報出力システムは、
情報を出力する出力部と、
ユーザの行動データに示されるユーザの行動を認識する行動認識部と、
前記ユーザの行動に基づいて、前記ユーザの疲労の状態及び心状態の一方または両方の状態の変化を予測する予測部と、
前記予測部によって予測された前記ユーザの状態の変化を示す情報を前記出力部に出力する出力制御部とを備え、
前記予測部は、前記ユーザの行動と、当該行動に応じて付与される前記ユーザの状態のスコアの変動量と、を関連付けた情報を参照して、前記ユーザの行動に基づいて、前記ユーザの行動に関連付けられた前記ユーザの状態のスコアの変動量を認識し、当該変動量に基づいて、前記ユーザの状態のスコアの時系列的な変化を予測するように構成されており、
前記変動量は、前記ユーザの状態の改善の度合いが大きいほど連続的または断続的に大きい値となり、前記ユーザの状態の改善の度合いが小さいほど連続的または断続的に小さい値となり、
前記出力制御部は、前記予測部の予測結果に従った前記ユーザの状態のスコアの時系列的な変化を示す情報と、前記ユーザの行動を示す情報と、当該行動に関連する前記変動量とを前記出力部に出力することを特徴とする。
【0011】
当該構成の情報出力システムによれば、行動認識部により、ユーザの行動が認識される。そして、予測部により、当該ユーザの行動に基づいて、ユーザの疲労の状態及び心状態の一方または両方の状態の変化が予測される。そして、出力制御部により、前記ユーザの状態の変化を示す情報が前記出力部に出力される。なお予測部は、ユーザの行動と、当該行動に応じて付与されるユーザの状態のスコアの変動量と、を関連付けた情報を参照して、ユーザの行動に関連付けられたユーザの状態のスコアの変動量を認識し、当該変動量に基づいて、ユーザの状態のスコアの時系列的な変化を予測する。これにより、ユーザに対して、ユーザの行動の影響を加味したユーザの疲労の状態及び心状態の一方または両方の状態の変化予測の情報が提供される。
また、予測部により認識される変動量は、ユーザの状態の改善の度合いが大きいほど連続的または断続的に大きい値となり、ユーザの状態の改善の度合いが小さいほど連続的または断続的に小さい値となる。
そして、出力制御部により、ユーザの状態のスコアの時系列的な変化を示す情報と、ユーザの行動を示す情報と、当該ユーザの行動に関連する変動量を示す情報が出力部に出力される。
これにより、ユーザに、ユーザの行動の結果としてのユーザの疲労の状態及び心状態の一方または両方の状態の変化のイメージを持たせうる。
【0012】
本発明の情報出力システムは、
情報を出力する出力部と、
ユーザの行動データに示されるユーザの行動を認識する行動認識部と、
前記ユーザの行動に基づいて、前記ユーザの肌状態、体状態及び心状態の少なくとも1つの状態の変化を予測する予測部と、
前記予測部によって予測された前記ユーザの状態の変化を示す情報を前記出力部に出力する出力制御部と、
情報の入力を受け付ける入力部と、
前記入力部を介して入力された情報に基づいて、前記行動に応じて付与される前記ユーザの状態の目標スコアを認識する目標スコア認識部とを備え、
前記予測部は、
前記ユーザの行動と、当該行動に応じた前記ユーザの状態のスコアの変動量と、を関連付けた情報を参照して、前記ユーザの行動に基づいて、前記ユーザの行動に関連付けられた前記ユーザの状態のスコアの変動量を認識し、当該変動量に基づいて、前記ユーザの状態のスコアの時系列的な変化を予測するとともに、
前記ユーザの行動と、当該行動に応じた前記ユーザの状態の目標スコアを達成するまでの期間の変動量と、を関連付けた情報を参照して、前記ユーザの行動に基づいて、前記ユーザの状態の目標スコアを達成するまでの期間を予測し、
前記出力制御部は、前記ユーザの状態のスコアの時系列的な変化を示す情報とともに、前記期間を出力部に出力することを特徴とする。
【0013】
当該構成の情報出力システムによれば、目標スコア認識部により、前記入力部を介して入力された情報に基づいて、前記ユーザの指定状態の目標スコアが認識される。また、予測部により、前記ユーザの行動に基づいて、前記ユーザの指定状態のスコアの時系列的な変化とともに、前記ユーザの指定状態の目標スコアを達成するまでの期間が予測される。そして、前記出力制御部により、前記ユーザの指定状態のスコアの時系列的な変化を示す情報とともに、前記期間が出力部に出力される。
【0014】
これにより、ユーザに、ユーザの状態のスコアの時系列的な変化を示す情報に加え、ユーザの行動の影響を加味した、目標スコアを達成するまでの期間を認識させることができる。
【0015】
当該構成の情報出力システムにおいて、
前記予測部は、前記ユーザの行動に応じて前記期間を延長または短縮させ、前記延長または短縮された期間に応じて前記ユーザの状態のスコアの時系列的な変化の予測を行い、
前記出力制御部は、前記ユーザの状態のスコアの時系列的な変化を示す情報と延長または短縮前の期間と延長または短縮後の期間とを出力部に出力するように構成されていることが好ましい。
【0016】
当該構成の情報出力システムによれば、予測部により、前記ユーザの行動に応じて前記期間が延長または短縮され、前記延長または短縮された期間に応じて前記ユーザの状態のスコアの時系列的な変化の予測が行われる。
【0017】
そして、前記出力制御部により、前記ユーザの状態のスコアの時系列的な変化を示す情報と延長または短縮前の期間と延長または短縮後の期間とが出力部に出力される。
【0018】
これにより、ユーザの行動の影響の結果としての目標達成までの期間の延長または短縮をユーザに認識させることができる。
【0019】
本発明の情報出力システムは、
情報を出力する出力部と、
ユーザの行動データに示されるユーザの行動を認識する行動認識部と、
前記ユーザの行動に基づいて、前記ユーザの肌状態、体状態又は心状態の少なくとも1つである状態の変化を予測する予測部と、
前記予測部によって予測された前記ユーザの状態の変化を示す情報を前記出力部に出力する出力制御部とを備え、
前記予測部は、前記ユーザの行動データから前記ユーザの行動の回数又は度合いの周期性を認識し、当該周期性に基づいて、当該周期性が所定期間継続した場合の、当該所定期間における前記行動の回数又は度合いを推定し、前記行動の回数又は度合いと、当該行動の回数又は度合いに応じて付与される前記ユーザの状態のスコアの変動量と、を関連付けた情報を参照して、前記周期性に基づいて推定された前記行動の回数又は度合いに基づいて、前記ユーザの行動に関連付けられた前記ユーザの状態のスコアの変動量を認識し、当該変動量に基づいて、前記ユーザの状態のスコアの時系列的な変化を予測するように構成されていることを特徴とする。
【0020】
ユーザの行動が周期的に繰り返されるものであれば、その行動に応じたユーザの状態への影響も同様の周期性を有すると推測される。当該構成の情報出力システムによれば、予測部により、ユーザの行動データからユーザの行動の回数又は度合いの周期性が認識され、当該周期性に基づいてユーザの状態のスコアの時系列的な変化が予測される。
【0021】
これにより、ユーザの行動がユーザの状態に及ぼす影響の周期性が加味された形でユーザの状態が予測されるので、ユーザの状態の予測精度の向上が図られうる。
【0022】
本発明の情報出力システムは、
情報を出力する出力部と、
ユーザの行動データに示されるユーザの行動を認識する行動認識部と、
前記ユーザの行動に基づいて、前記ユーザの肌状態の変化を予測する予測部と、
前記予測部によって予測された前記ユーザの肌状態の変化を示す情報を前記出力部に出力する出力制御部とを備え、
前記予測部は、前記ユーザの行動と、当該行動に応じて付与される前記ユーザの顔又は体の部位ごとの肌状態のスコアの変動量と、を関連付けた情報を参照して、前記ユーザの行動に基づいて、前記ユーザの行動に関連付けられた前記ユーザの肌状態のスコアの変動量を認識し、当該変動量に基づいて、前記ユーザの肌状態のスコアの時系列的な変化を前記ユーザの顔又は体の部位ごとに予測するように構成されており、
前記出力制御部は、前記ユーザの写真又は前記ユーザを模した画像を前記出力部に出力させるように構成され、かつ、前記ユーザの部位ごとの予測に応じた、当該ユーザの顔又は体の各部位における肌の状態を文言又は色で示した画像、又は当該ユーザの顔の各部位における肌の角層の状態を示す画像、を前記ユーザの写真又は前記ユーザを模した画像の当該部位に対応する部分に出力するように構成されていることを特徴とする。
【0023】
当該構成の情報出力システムによれば、予測部により、ユーザの行動に基づいて、ユーザの肌状態のスコアの時系列的な変化がユーザの部位ごとに予測される。そして出力制御部により、ユーザの写真又はユーザを模した画像が出力部に出力され、かつ、ユーザの部位の予測に応じた情報がユーザの写真又はユーザを模した画像の当該部位に対応する部分に出力される。
【0024】
なお、ユーザの部位の予測に応じた情報は、ユーザの顔又は体の各部位における肌の状態を文言又は色で示した画像又は当該ユーザの顔の各部位における肌の角層の状態を示す画像である。
【0025】
これにより、ユーザにそれぞれの部位におけるユーザの肌状態を効果的に認識させることができる。
【0026】
本発明の情報出力システムにおいて、
前記変動量は、前記ユーザの状態の改善の度合いが大きいほど連続的または断続的に大きい値となり、前記ユーザの状態の改善の度合いが小さいほど連続的または断続的に小さい値となり、
前記出力制御部は、前記予測部の予測結果に従った前記ユーザの状態のスコアの時系列的な変化を示す情報と、前記ユーザの行動を示す情報と、当該行動に関連する前記変動量とを前記出力部に出力することが好ましい。
【0027】
当該構成の情報出力システムによれば、予測部により認識される変動量は、ユーザの状態の改善の度合いが大きいほど連続的または断続的に大きい値となり、ユーザの状態の改善の度合いが小さいほど連続的または断続的に小さい値となる。
そして、出力制御部により、ユーザの状態のスコアの時系列的な変化を示す情報と、ユーザの行動を示す情報と、当該ユーザの行動に関連する変動量を示す情報が出力部に出力される。
【0028】
これにより、行動に応じたユーザの状態の変動量の値が、ユーザの状態の改善の度合いが大きいほど大きい値となり、あるいはユーザの状態の改善の度合いが小さいほど小さい値となって出力されるので、ユーザに各行動の状態への影響の大小を効果的に知らせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図3】肌サポートサーバによる一連の肌サポート処理の説明図。
【
図4】肌サポートサーバにおける処理の第1のフローチャート。
【
図5】肌サポートサーバにおける処理の第2のフローチャート。
【
図6】ユーザ端末における処理の第1のフローチャート。
【
図7】ユーザ端末における処理の第2のフローチャート。
【
図8】主観データ及び客観データによる肌、心、体の初期データの解析処理の説明図。
【
図11】
図11Aは各施策とその施策の改善傾向等との関係を示す図で、
図11Bは各工程のスケジュールを示す図で、
図11Cはなりたい肌と肌状態の主観状態、客観状態との関係を示す図。
【
図12】画像表示を実施している期間における日々のモニタリングに基づく進捗表の説明図。
【
図14】ユーザ端末における肌状態の改善度の表示画面の説明図。
【
図16】暮らし及び特殊事例の評価方法の説明図であり、
図16Aは暮らし及び特殊事例の評価基準を示し、
図16Bは暮らし及び特殊事例の評価例を示している。
【
図19】第1実施形態の予測スコア出力処理のフローチャート。
【
図20】表示器に表示されるホーム画面の一例を示す図。
【
図21】行動の種別と、行動の実行の度合いと、係数との関係を示す表。
【
図22】主要な物質と、飲食物の種別と、係数との関係を示す表。
【
図23】第1実施形態におけるグラフ表示画面の一例を示す図。
【
図24】第2実施形態の予測スコア出力処理のフローチャート。
【
図25】第2実施形態におけるグラフ表示画面の一例を示す図。
【
図26】第3実施形態の予測スコア出力処理のフローチャート。
【
図27】表示器に表示される設定画面の一例を示す図。
【
図28】施策の種別と、施策の実行の度合いと、実行時の係数と、不実行時の係数との関係を示す表。
【
図29】第3実施形態におけるグラフ表示画面の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明の実施形態の一例について、
図1~
図18を参照して説明する。
【0031】
[A.肌サポートサーバの利用形態]
図1を参照して、肌サポートサーバ10の構成および本発明を構成する系に対する位置付けを説明する。肌サポートサーバ10は、CPU、メモリ、各種インターフェース回路等を備えたコンピュータシステムにより構成される。肌サポートサーバ10は、メモリに保持された画像表示用のプログラムをCPUで実行することによって、複数のユーザU(
図1ではUa,Ub,Ucを例示)の肌状態を改善又は維持するための処理(画像表示処理)を実行する機能を実現する。
【0032】
肌サポートサーバ10は、インターネット等の通信ネットワーク1を介して、複数のユーザUの通信端末(ユーザ端末)30(
図1では30a,30b,30cを例示)との間でデータ通信を行うことにより、ユーザUの肌状態の改善又は維持をサポートする。肌サポートサーバ10と、ユーザ端末30とにより構成されるシステムが、本発明の「情報出力システム」の一例に相当する。
【0033】
通信ネットワーク1には、担当者T(
図1ではTa,Tbを例示)の通信端末50(
図1では50a,50bを例示)も接続されている。担当者Tは、通信端末50を介して、ユーザUの肌の特徴や趣味嗜好、生活スタイル等を考慮した適切な肌ケア法等の情報を含むデータを、肌サポートサーバ10及びユーザ端末30に送信することにより、ユーザUの肌状態の改善に対するアドバイスを行う。なお、担当者Tの通信端末50とユーザUのユーザ端末30とは必ずしも一対一である必要はなく、肌サポートサーバ10、担当者Tの通信端末50、通信ネットワーク1を合わせた系全体によってユーザUの肌状態の改善に対するアドバイスがユーザUのユーザ端末30に提供されればよい。例えば、ユーザUの1又は複数のユーザ端末30に対して、複数の担当者Tによってそれぞれの通信端末50を介してアドバイスを提供する方法でも良い。
【0034】
さらに、肌サポートサーバ10は、複数のユーザUのユーザ端末30から送信される各ユーザの固有データを解析して、汎用的に活用可能な2次データを生成する機能を有し、この2次データを通信ネットワーク1を介して他のシステム60に提供するサービスも行うことができる。
【0035】
[B.肌サポートサーバ、及びユーザ端末の構成]
図2を参照して、肌サポートサーバ10およびユーザ端末30の構成について説明する。肌サポートサーバ10は、メモリに保持された情報出力プログラムをCPUで
実行することにより、肌状態認識部11、施策グループ選択部12、施策情報送信部13、及び2次データ生成部19として機能する。これらの構成による処理については後述する。また、肌サポートサーバ10は、ユーザUの画像表示処理に使用する各種データを保持するサポートDB(データベース)20を備えている。このサポートDB20はたとえばRAM上に展開され、後述する主観および客観データの更新によって書き換え可能である。
【0036】
次に、本実施形態のユーザ端末30は、表示器31、タッチパネル32、カメラ33、マイク34、CPU35、及びメモリ36等を備えている。表示器31が、本発明の「出力部」に相当する。タッチパネル32が、本発明の「入力部」に相当する。これに代えてまたは加えて、カメラ33で撮像したユーザUの画像又はマイク34から入力されたユーザUの音声に基づいてユーザの指定を認識することにより、カメラ33又はマイク34を
本発明の「入力部」として機能させてもよい。
【0037】
なお、一の装置が情報を「認識する」とは、一の装置が他の装置から当該情報を受信すること、一の装置が当該一の装置に接続された記憶媒体に記憶された情報を読み取ること、一の装置が当該一の装置に接続されたセンサから出力された信号に基づいて情報を取得すること、一の装置が、受信した情報又は記憶媒体に記憶された情報又はセンサから取得した情報に基づいて、所定の演算処理(計算処理又は検索処理など)を実行することにより当該情報を導出すること、一の装置が他の装置による演算処理結果としての当該情報を当該他の装置から受信すること、一の装置が当該受信信号にしたがって内部記憶装置又は外部記憶装置から当該情報を読み取ること等、当該情報を取得するためのあらゆる演算処理が実行されることを意味する。
【0038】
本実施形態においては、ユーザ端末30は例えばスマートフォンであるため、カメラ33やマイク34等を備えているが、ユーザ端末と有線無線にかかわらずやり取りできる構成であれば、外付けでの構成であったり、専門的な撮像装置を用いても良い。CPU35は、メモリ36に保持された画像表示用のアプリケーション35a(以下、肌サポートアプリ35aという)のプログラムを実行することにより、ユーザUが肌サポートアプリ35aを介して肌サポートサーバ10によるサポートを享受可能な状態とする。肌サポートアプリ35aを実行したCPU35が、本発明の「施策情報出力制御部」「施策実行状況認識部」「目標スコア認識部」「出力制御部」「予測部」「行動認識部」に相当する。
【0039】
また、ユーザUは、肌の細胞を取得するための角質採取テープ37(
図1では37a、37b、37cを例示)を別途有している。この角質採取テープ37は、予め担当者TによりユーザUに提供されたものであってもよいし、ユーザUが市販の角質採取テープ37を購入してもよい。
【0040】
なお、以下の説明では、説明の便宜のため、肌状態の改善又は維持のサポート処理の対象のユーザをユーザUaと表し、「ユーザUa」と異なるユーザを「他のユーザUb、Uc」と表す。
【0041】
[C.肌サポートサーバによる一連の処理]
次に、
図3を参照して、肌サポートサーバによる一連の処理について説明する。肌サポートサーバ10は、「1.ゴール設定」、「2.スケジュール決定」、「3.モニタリング」、「4.スケジュール修正」、[5.ゴール判定]及び「6.2次データ生成」の各工程の処理を、
図4,5に示したフローチャートに従って実行する。また、ユーザ端末30は、各工程における肌サポートサーバ10による処理に応じて、
図6,7に示したフローチャートによる処理を実行する。以下では、各工程における肌サポートサーバ10及びユーザ端末30のCPU35の処理について、
図4~7に示したフローチャート
を参照しつつ説明する。
【0042】
ユーザUaは、
図6のSTEP50で、肌サポートアプリ35aのプログラムをユーザ端末30にダウンロードして肌サポートアプリ35aを起動する。そして、ユーザUaは肌サポートアプリ35aへの登録申請を行う。
【0043】
肌サポートサーバ10は、
図4のSTEP10で、ユーザUaからの登録申請を受け付けたときに、「ユーザUaからの登録申請を受け付けた」と認識し、STEP11に処理を進める。そしてSTEP11以降の画像表示処理を開始する。
【0044】
[D.ゴール設定工程]
図3に示した「1.ゴール設定」の工程は、肌状態認識部11及び施策グループ選択部
12により実行される。施策グループ選択部12は、
図4のSTEP11でユーザ端末30にユーザUaの現状の肌、体、心の各状態、及びユーザUaが要望する肌状態を把握するための情報入力を促す初期情報要求データを送信する。
【0045】
この初期情報要求データを受信したユーザ端末30では、肌サポートアプリ35aが、
図6のSTEP51で、ユーザUaに対して、現状の肌、体、心の各状態、及びユーザUaが要望する肌状態の入力を促す画面を表示器31に表示する。それに対してユーザ端末30は、ユーザUaが入力した情報を含む初期ユーザ情報データを、肌サポートサーバ10に送信する。 肌状態認識部11は、
図4のSTEP11において、初期ユーザ情報データを受信して、初期ユーザ情報データから認識したユーザUaの肌、心、体の各状態と、ユーザUaが要望する肌状態とに基づいて、肌状態の目標スコア(ゴール)を設定する。
【0046】
ここで、初期ユーザ情報データには、肌状態、体状態、及び心状態についての主観データ及び客観データが含まれている。詳細な定義は後述するが、主観データはユーザの主観によって判定される項目、客観データは検査結果や画像解析、事実情報に基づいたデータである。肌状態の主観データは、現状の肌状態に対するユーザUaの満足度を、例えば10段階で示したデータである。肌状態の客観データは、ユーザUaの肌画像データである。なお、肌状態の客観データには、初期ユーザ情報データに含まれる肌状態の客観データに加え、角質採取テープ37により採取されたユーザUaの角層細胞の解析データが含まれても良い。角層細胞の解析データは、具体的には例えば保水能力と皮脂適格性に関するデータである。この場合、角層細胞の解析を、例えばユーザ端末30に接続された測定機器45により行うことで、或は、角質採取テープ37の画像データをユーザ端末30から肌サポートサーバ10に送信し、肌サポートサーバ10側で角質採取テープ37の画像を分析して保水能力と皮脂適格性などを測定してもよい。
【0047】
ユーザUaの満足度は肌サポートアプリ35aにおけるアンケート入力によって取得される。また、肌画像データは、ユーザ端末30のカメラ33又は接続端子40に接続された外部カメラによってユーザUaがユーザUaの顔を撮像することによって取得した画像データである。
【0048】
また、肌サポートアプリ35aは、ユーザUaに対して、角質採取テープ37の使用方法を表示器31に表示し、角質採取テープ37の使用と別途の郵送とを促す。肌サポートアプリ35aは、ユーザUaに対して、角質採取テープ37の使用と肌画像の撮像を促し、撮像された画像が肌サポートサーバ10に送信されるようにしてもよい。
【0049】
肌状態認識部11は、
図8に示したように、肌状態の初期値を、主観のスコアをたとえば3、肌画像のスコアを3、保水能力のスコアを2、皮脂適格性のスコアを1に割り当てて、合計した値を肌状態のスコアとする。なお、スコアは正の整数ではなく、小数で表現されていてもよいし、負の数で表されてもよい。
【0050】
角層細胞の解析による保水能力スコア及び皮脂適格性のスコアの認識を第1認識方法と呼ぶ。第1認識方法は、これに代えてまたは加えて、角層水分量計によりユーザの肌の水分量を計測する方法及び皮脂量計によりユーザの肌の皮脂量を計測する方法のうち少なくとも1つを含む。また、第1の認識方法によるユーザの肌の認識を定期的に行うため、肌状態認識部11は、定期的にユーザ端末30に角質採取テープ37等の使用を促すメッセージを送信したりすることにより、ユーザに行動を促す。このときの「定期的」というのは厳密に時間的に等間隔である必要はなく、肌状態に影響が出ない範囲で等間隔であれば良い。例えば、3ヶ月ごとに第1の認識方法を実施する場合において、1月1日に初回を実施した場合、ちょうど3か月後の4月1日のみならず、例えばその1週間前の3月24
日前後にユーザ端末30にメッセージを送信してもよいし、例えばその1週間後の4月8日前後にユーザ端末30にメッセージを送信してもよい。また、長期的にサービスを提供するときなどは、例えば細かい改善を調べたい時は1ヶ月ごとに第1の認識方法を設定し、肌状態に対する季節変化の影響を調べるために3か月ごとに第1の認識方法を設定するなど、認識のタイミングは変更可能である。
【0051】
アンケート入力による肌状態の主観データに基づいて主観スコアの認識及びユーザUaの肌画像データに基づく肌画像スコアの認識のそれぞれを第2認識方法と呼ぶ。第2認識方法は、アンケート入力による肌状態の主観データに基づいて主観スコアの認識及びユーザUaの肌画像データに基づく肌画像スコアの認識の一方によってユーザUaの肌状態を認識してもよいし、これらと異なる方法を含んでもよい。また、第2認識方法は、第1の認識方法よりも頻繁に行われる。これは角質採取テープ37の使用・郵送が手間的にも煩雑かつ値段的にも高価になってしまうためである。また、角質採取テープ37の使用が頻繁であると、ユーザUaの肌へ悪影響が及ぶおそれもある。
【0052】
例えば3か月間ごとに第1の認識方法が実施され、第2の認識方法は毎日実施にされる。また、第1の認識方法の実施と第2の認識方法の実施のタイミングが重なる時は、できれば同じタイミングで実施されると精度の良いデータが取れるために好ましい。ただし第1の認識方法の実施時に第2の認識方法が実施されなくても本発明の実施は可能であるし、効果も得られる。
【0053】
なお、主観スコアは、主観データに基づいて認識されたスコアであればよい。
【0054】
体状態の主観データと客観データは、
図9に示したように分けられている。詳細な定義は後述するが、肌の主観データおよび客観データと同様に、主観データはユーザUaの主観によって判定される項目、客観データは検査結果や画像解析、事実情報に基づいたデータである。体状態の主観データは、ユーザUaが肌サポートアプリ35aを通じてアンケートを入力することによって取得される。客観データは、ユーザUaがユーザ端末30のカメラ33を用いて撮像されたユーザUaの舌・唇の画像データ、ユーザ端末30の接続端子40に接続された測定機器45により測定されたユーザUaの血圧、不整脈、尿中成分、血中成分等の測定データと、肌サポートアプリ35aにおけるアンケート入力により取得された頭痛又は肩こり等の体調不良の回数、疲労度判定等のデータである。なお、将来の肌ケア以外のサービスへの展開に備えて、種々の病気の発生情報などについても初
期ユーザ情報データに含めてもよい。
【0055】
心状態の主観データと客観データは、
図10に示したように分けられている。詳細な定義は後述するが、肌の主観データおよび客観データと同様に、主観データはユーザUaの主観によって判定される項目、客観データは検査結果や画像解析、事実情報に基づいた
データである。主観データは、肌サポートアプリ35aにおけるアンケート入力によって取得される。客観データは、肌サポートアプリ35aにおけるアンケート入力(一日の笑った頻度等)と、測定機器による測定(脈拍モニタリングからの心理状態推定等)とにより取得される。なお、将来の肌ケア以外のサービスの展開に備えて、種々の精神疾患の発生情報についても初期ユーザ情報データに含めてもよい。
【0056】
肌状態認識部11は、認識したユーザUaの肌、体、心の状態の主観データ及び客観データを、サポートDB20に記憶する。
【0057】
肌状態認識部11は、このようにして初期ユーザ情報データから認識したユーザUaの肌状態、体状態、及び心状態の主観データと客観データに基づいて、
図8の右側の三角形で示したように、肌状態を1~9、体状態を1~6、心状態を1~6の各スコアで表した
3軸の初期値を設定する。なお、肌状態のスコアと同様に、体状態又は心状態の主観データ及び客観データから体状態又は心状態の主観スコア及び客観スコアが算出され、それらに基づいて体状態のスコア及び心状態のスコアとして扱われてもよい。
【0058】
さらに、施策グループ選択部12は、初期ユーザ情報データに含まれる「なりたい肌スコア」「施策のカテゴリー、希望、頻度」及び「現在行っている施策」を取得する。「なりたい肌スコア」「施策のカテゴリー,希望,頻度」及び「現在行っている施策」は、肌サポートアプリ35aにより、ユーザUaが入力したものである。
【0059】
ここで、「なりたい肌スコア」において、「なりたい肌」とは、乾燥感改善、ごわつき改善、敏感肌改善、ニキビ改善、しぼみ感改善、シミ改善、シワ改善、たるみ改善、くすみ改善、くま改善、顔色改善、及びハリ改善の中から選択された肌状態の改善対象である。また、「スコア」とは、各対象の肌状態に対するユーザUaの満足度であって、肌サポートアプリにおいて1~10の10段階でユーザが選択したスコアである。
【0060】
サポートDB20は、各改善対象に関連付けられた肌状態の主観状態の改善傾向及び客観状態の改善傾向を記憶している。例えば、
図11Cに示されるように、「乾燥感改善」には、肌状態の主観状態「乾燥感改善」と、肌状態の客観状態の基準「保水能力と皮脂適格性との差を最小化」とが関連付けられている。
【0061】
例えば、「なりたい肌」が「乾燥感改善」であり、現状の肌状態の乾燥感の満足度のスコアが3であるときに、ユーザUaの選択に応じて、「乾燥感改善」と関連付けられたユーザUaの肌状態の主観状態「乾燥感改善」についての満足度5が主観的な目標スコアとして設定される。
【0062】
また、施策グループ選択部12は、「乾燥感改善」に関連付けられた肌状態の客観的な改善対象を設定する。例えば、施策グループ選択部12は、「乾燥感改善」に関連付けられた基準「保水能力と皮脂適格性との差を最小化」に基づいて、ユーザUaの肌状態のうち、保水能力よりも低い皮脂適格性の値2を客観的な目標スコアとして設定する。
【0063】
また、「施策のカテゴリー、希望、頻度」において、カテゴリーとしては「食生活、自宅での行動、運動、化粧品の使い方」等、希望としては「難易度、時間制約、肌ケアを行うシーン」等、頻度としては「1日当たりのアドバイスを受ける回数」等が選択される。
【0064】
「現在行っている施策」は、ユーザUaがすでに行っている施策であり、「湯船につかる」等の内容及び頻度又は程度などにより表される。
【0065】
[E.スケジュール決定工程]
図3に示した「2.スケジュール決定」の工程は、施策グループ選択部12及び施策情報送信部13により実行される。施策グループ選択部12は、
図4のSTEP12で、ゴール(主観的な目標スコア及び客観的な目標スコア)を達成するための施策グループを選択する。この選択は、上述した各改善対象に関連付けられた、肌状態の主観状態の改善傾向と肌状態の客観状態の改善傾向と適した周辺環境とを考慮して行われる。施策グループ選択部12は、あらかじめ登録された地域またはGPSセンサ等によって検出された位置情報と、端末の時計機能から取得した日時とに基づいて、スケジュール期間におけるユーザUaの周辺環境の温度、湿度等を予測する。
【0066】
例えば、施策グループ選択部12は、カテゴリーの希望が「自宅での行動、食生活、運動」であり、梅雨の時期のように湿度が平均50%と予測される季節であり、主観的な目標スコアが「乾燥感」の満足度5以上、客観的な目標スコアが皮脂適格性2以上である場
合、主観状態の改善傾向が「乾燥感改善」を含み、客観状態の改善傾向が「皮脂適格性向上」を含み、カテゴリーに「自宅での行動、食生活、運動」のいずれかであり、適した周辺環境が湿度50%と矛盾しない施策を選択する。
【0067】
ここで、主観状態の改善傾向及び客観状態の改善傾向は、予め担当者T等の専門家によって定められたものであってもよいし、サポートDB20に記憶された他のユーザUb、Ucが実施した施策と他のユーザUb、Ucの肌状態の時系列的変化に基づいて推定される主観状態の改善傾向及び客観状態の改善傾向であってもよいし、実施した施策とユーザUaの肌状態の時系列的変化がサポートDB20に保存されている場合には、当該情報に基づいて推定される主観状態の改善傾向及び客観状態の改善傾向であってもよい。
【0068】
例えば、サポートDB20には、他のユーザUb、Ucのそれぞれが実施した施策と、その施策を実施した前後の他のユーザUb、Ucそれぞれごとの肌状態の主観データの時系列的変化及び他のユーザUb、Ucそれぞれごとの肌状態の客観データの時系列的変化の一方又は両方とが記憶される。
【0069】
また、例えば、サポートDB20には、他のユーザUb、Ucのそれぞれが実施した施策「湯船につかる」と、その施策を実施した前後における、他のユーザUb、Ucそれぞれの肌状態の主観状態の時系列的変化としての「乾燥感についての満足度」が記憶されているとする。
【0070】
このとき、施策グループ選択部12は、各他のユーザUb、Ucごとに、施策「湯船につかる」について、例えば、湯船につかる前日と、湯船につかった日の肌状態の主観データ(乾燥感についての満足度)の変化量を算出する。そして、施策グループ選択部12は、各他のユーザUb、Ucごとの乾燥感についての満足度の変化量の平均値をとる。施策グループ選択部12は、例えば、「乾燥感についての満足度」の変化量の平均値が所定値以上である場合に、施策「湯船につかる」の主観状態の改善傾向を「乾燥感改善」と認識する。客観状態の改善傾向についても、主観状態の改善傾向と同様に認識できる。
【0071】
施策グループ選択部12は、ユーザUaの年齢及び肌状態に基づいて、同年代、同様の肌状態等、処理対象とする他のユーザUb、Ucの範囲を絞ってもよい。
【0072】
また、施策グループ選択部12は、サポートDBに実施した施策とユーザUaの肌状態の時系列的変化が保存されている場合には、上記と同様にして算出した当該情報に基づいて推定される主観状態の改善傾向及び客観状態の改善傾向を認識してもよい。
【0073】
施策グループ選択部12は、ユーザUaの第1回目のスケジュール決定工程においては、他のユーザUb、Ucの肌状態の主観データ、客観データから上記主観状態の改善傾向及び客観状態の改善傾向を認識し、ユーザUaの第2回目のスケジュール決定工程においてはユーザUaの肌状態の主観データ、客観データから主観状態の改善傾向及び客観状態の改善傾向を認識してもよい。
【0074】
施策グループ選択部12は、肌状態のみならず、心状態、体状態についても同様に主観状態の改善傾向及び客観状態の改善傾向を認識し、当該心状態、体状態の主観状態の改善傾向及び客観状態の改善傾向を加味して施策を選択してもよい。
【0075】
施策グループ選択部12は、「現在行っている施策」と同内容及び同頻度または同程度の施策を施策グループから除外してもよい。ユーザが既に行っている施策は、提案するまでもないと考えられるからである。
【0076】
図11Aの例では、施策グループ選択部12は、「湯船につかる」「ビタミンC摂取」「野菜摂取」「1万歩以上歩く」を含むように複数の施策の組合せである施策グループを選択する。
【0077】
施策情報送信部13は、施策グループの中から、ユーザUaの「施策のカテゴリー、希望、頻度」に応じて施策の優先度を評価し、当該優先度に従って初期の施策を決定する。
図12には、初期の施策として「湯船につかる」「野菜摂取」「1万歩以上歩く」が選択されたスケジュールの例を示している。施策情報送信部13は、このようにして決定したスケジュールの内容を示すスケジュールデータをユーザ端末30に送信する。
【0078】
施策情報送信部13は、併せて、ユーザUaの指定を基に、一定期間の各工程の実施の計画を作成する。
図11Bには、START時にゴール設定とスケジュール決定を行い、毎日モニタリングをし、1週間ごとにスケジュール修正を行い、1か月後に進捗グラフを作成し、3か月目にゴール判定と新たなゴール設定を行うという一連のイベントの計画が示されている。施策情報送信部13は、ユーザUaの指定に加えてまたは代えて、あらかじめ定められた、一定期間の各工程の実施の計画を用いてもよい。
【0079】
ユーザ端末30において、
図6のSTEP52で、肌サポートサーバ10からスケジュールデータを受信すると、肌サポートアプリ35aは、
図12に示したようなスケジュールの実行表及び
図11Bに示したような作業内容の計画を表示可能にして、ユーザUaによる各施策の実施を促す。
図12のスケジュールの実行表においては、各施策(「湯船につかる」、「野菜摂取」、「1万歩以上歩く」)の内容が表示される。
【0080】
[F.モニタリング工程]
図3に示した「3.モニタリング」の工程は、ユーザUaが肌サポートアプリ35a上で設定した期間ごとに(
図11Bでは毎日)、肌状態認識部11及び施策情報送信部13により実行される。肌サポートアプリ35aの利用を開始したユーザUaは、ユーザ端末30により、日々の肌、体、心の各状態と、スケジュールにより指示された施策の実施状況と、スケジュールにより指示された施策以外のユーザUaの自主的な行動(施策外行動)の実施状況とを入力する。施策の実施状況には、「湯船につかる」、「野菜摂取」、「1万歩以上歩く」をそれぞれ実施したかどうかを示す情報のほか、「30分」および「湯船につかる」、「300g」および「野菜を摂取」、「1万5千歩」および「歩く」など、時間、量などで表される施策の実行の度合いが含まれる。
【0081】
肌サポートアプリ35aは、
図6のSTEP53で、ユーザUaにより肌、体、心の状態が入力されるとSTEP60に処理を進め、上述した初期ユーザ情報データと同様に、ユーザUaの肌、体、心の状態についての主観データと客観データを含む現状ユーザ情報データを肌サポートサーバ10に送信してSTEP54に処理を進める。なお、肌サポートアプリ35aは、
図6のSTEP53で、ユーザUaにより肌、体、心の状態が入力されない場合、そのままSTEP54に処理を進める。ここで送信されるデータには、角質採取テープ37によって採取された角層細胞に関するデータは含まれない。
【0082】
また、肌サポートアプリ35aは、
図6のSTEP54で、ユーザUaによりスケジュールの実行状況(各施策の実行状況)が入力されたときにSTEP61に処理を進め、スケジュールの実行状況を示す実行状況データを肌サポートサーバ10に送信して
図7のSTEP55に処理を進める。なお、肌サポートアプリ35aは、
図6のSTEP54で、ユーザUaによりスケジュールの実行状況(各施策の実行状況)が入力されない時は、そのままSTEP55に処理を進める。
【0083】
さらに、肌サポートアプリ35aは、
図7のSTEP55で、ユーザUaにより施策外
行動の実施状況が入力されたときにSTEP62に処理を進め、実施された施策外行動の内容を示す施策外行動実施データを肌サポートサーバ10に送信してSTEP56に処理を進める。なお、肌サポートアプリ35aは、
図7のSTEP55で、ユーザUaにより施策外行動の実施状況が入力されないときには、そのままSTEP56に処理を進める。
【0084】
図4のSTEP13~
図5のSTEP16、及び
図4のSTEP20~STEP22は、施策情報送信部13による処理である。肌状態認識部11は、STEP13でユーザ端末30から現状ユーザ情報データを受信したときにSTEP20に処理を進め、現状ユーザ情報データをサポートDB20に蓄積してSTEP14に処理を進める。なお、肌状態認識部11は、STEP13でユーザ端末30から現状ユーザ情報データを受信しないときは、STEP14にそのまま処理を進める。
【0085】
また、施策情報送信部13は、STEP14でユーザ端末30から実行状況データを受信したときにSTEP21に処理を進め、実行状況データをサポートDB20に蓄積してSTEP15に処理を進める。一方で、STEP14でユーザ端末30から実行状況データを受信していないと判定された場合は、そのままSTEP15に処理を進める。
【0086】
さらに、施策情報送信部13は、STEP15でユーザ端末30から施策外行動実施データを受信したときにSTEP22に処理を進め、施策外行動実施データをサポートDB20に蓄積して
図5のSTEP16に処理を進める。一方で、施策情報送信部13は、STEP15でユーザ端末30から施策外行動実施データを受信しない時は、そのまま
図5のSTEP16に処理を進める。
【0087】
図5に移って、STEP16で、施策情報送信部13は、サポートDB20に蓄積されたユーザUaの初期ユーザ情報データ、現状ユーザ情報データ、実行状況データ、及び施策外行動実施データ等に基づいて、スケジュールの進捗状況を示す進捗表データを作成し、この進捗表データをユーザ端末30に送信する。
【0088】
ここで、スケジュールの進捗表は、例えば
図12に示したように、上から順に、肌状態(ここでは乾燥肌)のスコア、体状態のスコア、心状態のスコア、施策(湯船につかる、野菜摂取、1万歩以上歩く)の実施状況、暮らし情報(野菜摂取量、水分摂取量)、及び暮らし特殊事例が、1日単位で表示する構成となっている。
【0089】
また、スケジュール進捗表には、施策の実行度合い(「30分」湯船につかる、「300g」野菜摂取、「1万5千歩」歩く)が含まれている。
【0090】
ユーザ端末30において、肌サポートアプリ35aは、
図7のSTEP56で、肌サポートサーバ10から送信された進捗表データを受信したときにSTEP63に処理を進め、進捗表データをメモリ36に保持する。肌サポートアプリ35aは、メモリ36に格納された進捗表データを用いて、
図12に示した進捗表をユーザ端末30の表示器31に表示する。
【0091】
また、肌サポートアプリ35aは、進捗表データの他に、通信を介して認識した、肌サポートサーバ10のサポートDB20に蓄積されたユーザUaの初期ユーザ情報データ、現状ユーザ情報データ、実行状況データ、施策外行動実施データ等を用いて、ユーザUaの肌、体、心の各状態の推移や変化を示す情報を、ユーザ端末30の表示器31に表示する。
【0092】
例えば、肌サポートアプリ35aは、
図13に示したように、スケジュールによる施策以外のユーザUaの行動(洗顔法の変更、マッサージを受けた等)、及びユーザの体調(
生理、睡眠不足等)と、ユーザUaの肌状態の変化の関係を日単位の時系列グラフで、表示器31に表示する。
【0093】
また、肌サポートアプリ35aは、
図14に示したように、一カ月単位で、ユーザUaの角質状態を含む肌状態、心理状態、肌ケアの満足度、及び化粧品の使い方の評価値の変化を対比したレーダーチャートを表示器31に表示する。
【0094】
ユーザUaは、肌サポートアプリ35aによるこれらの表示を視認して、自身の肌、体、心の各状態の変化を確認することにより、肌の改善度と共に、体と心の状態の変化も把握することができるため、肌、体、及び心の状態をバランス良く改善しながら、目標とする肌状態のゴールへの到達することができる。
【0095】
また、肌サポートアプリ35aは、STEP63の後、STEP64に進み、
図19に示される予測スコア出力処理を実行する。予測スコア出力処理の詳細については後述する。
【0096】
[G.スケジュール修正]
図3に示した「4.スケジュール修正」の工程は、ユーザUaが肌サポートアプリ35a上で設定した期間ごとに(
図11Bでは1週間ごとに)、施策情報送信部13により実行される。
図5のSTEP17~STEP20、及びSTEP30~STEP33が、施策情報送信部13による処理である。
【0097】
施策情報送信部13は、STEP17で、サポートDB20に蓄積されたユーザUaの初期ユーザ情報データ、現状ユーザ情報データ、及び実行状況データ等に基づいて、ユーザUa肌状態の目標達成度、スケジュールに組み込まれた各施策の実行度、及び各施策の効果を評価する。
【0098】
施策情報送信部13は、
図15Aに示した施策の評価基準を用いて、肌状態と体又は心の状態との相関関係を抽出し、この相関関係に基づいて、スケジュールに組み込まれた各施策の継続、施策グループからの除外、施策の中止、別の施策への変更を判断する。
【0099】
図15Aの評価基準では、判定項目として、実施の有無、肌への影響、体への影響、心への影響という四項目が使用され、実施率が所定実施率を超え、肌に良い影響があり、且つ、体と心に悪い影響がない施策については、A評価となって継続と判断される。なお、
図15Aでは、実施率が所定の実施率を超えた施策を「実施」として表記し、実施率が所定の実施率以下であった施策を「不実施」として表記している。
図12及び
図15Bでも同様である。
【0100】
施策の影響のタイミングと影響が継続する期間が施策ごとに定められている場合、施策情報送信部13は、施策の影響のタイミングと施策の影響が継続する期間に基づいて、各施策の影響を判定してもよい。
【0101】
例えば、「湯船につかる」という施策の肌への影響、体への影響、心への影響は、翌日に影響が出、1日だけ継続すると定められていた場合、施策情報送信部13は、例えば12月15日の「湯船につかる」という施策の影響は、12月16日の各状態に反映されていると判断する。
【0102】
また、「野菜摂取」という施策の肌への影響、体への影響、心への影響は、1週間後に影響が出、3日だけ継続すると定められていた場合、施策情報送信部13は、例えば12月15日の「野菜摂取」という施策の影響は、12月22日~12月24日の各状態に反
映されていると判断する。
【0103】
それに対して、実施され、肌に良い影響があるが、体と心のいずれかに悪い影響がある施策については、B評価となって中止或は別施策への変更と判断される。また、実施率が所定の実施率以下となった施策はユーザUaにとって負荷が大きかったと考えられるため、C評価となって中止或は別施策(例えば、ユーザUaの負荷が軽減する施策又は別の施策)への変更と判断される。
【0104】
施策情報送信部13は、各施策を1日だけ実施することで肌、体、心への良いまたは悪い影響があるかの評価を行っても良いし、数日や数週間などの一定期間において各施策を実施することで、肌、体、心への良いまたは悪い影響があるかの評価を行ってもよい。一定期間で評価を行う場合、施策情報送信部13は、例えば、一定割合でいずれかの状態に悪影響が出た場合にB評価とし、実施割合が一定以下である場合にC評価とし、それ以外の場合A評価としてもよい。これに代えて、施策情報送信部13は、例えば、一定期間におけるいずれかの状態の満足度の平均値が所定以下となった場合にB評価としてもよい。また、1日におけるいずれかの状態の満足度が所定以下となり、かつ、一定期間におけるいずれかの状態の満足度の平均値が所定以下となった場合にC評価とし、1日の評価におけるいずれかの状態の満足度が所定以下となり、または、一定期間におけるいずれかの状態の満足度の平均値が所定以下となった場合にB評価とし、1日におけるいずれかの状態の満足度が所定値を超え、かつ、一定期間におけるいずれかの状態の満足度の平均値が所定値を超えた場合にA評価とするなど、1日の評価と一定期間の評価とを組み合わせて用いてもよい。
【0105】
また、施策情報送信部13は、
図8に示した肌状態のスコアの向上度が所定の向上度以下である場合に、当該肌状態のスコアの向上度が所定の向上度以下である施策を施策グループから除外してもよい。施策情報送信部13は、体状態又は心状態のスコアの向上度が所定の向上度以下である場合に、体状態又は心状態のスコアの向上度が所定の向上度以下である施策を施策グループから除外してもよい。
【0106】
図15Bは、
図15Aに示した評価基準を、本実施形態における施策(湯船につかる、野菜摂取、1万歩以上歩く)に適用した例を示している。
図15Bにより、施策情報送信部13は、「湯船につかる」についてはA評価として、次のスケジュールでの継続を決定し、「野菜摂取」についてはB評価として、施策グループからの除外、次のスケジュールでの中止或は他の施策への変更を決定し、「1万歩以上歩く」についてはC評価として、施策グループからの除外、次のスケジュールでの中止或は他の施策への変更を決定している。
【0107】
施策情報送信部13は、複数の施策が行われた影響については、それらの施策の組合せごとに判断する。例えば、施策情報送信部13は、「湯船につかる」「野菜摂取」の組合せが、B評価又はC評価であった場合、「湯船につかる」若しくは「野菜摂取」の単独の施策のみとするか、又はこれらのいずれかの施策と別な施策との組み合わせとするように変更してもよい。
【0108】
施策情報送信部13はこのような評価処理を行って、スケジュール修正(主として施策グループの他の施策への変更による修正)の要否を判断し、スケジュール修正が必要と判断したときには、STEP30に処理を進めてスケジュールを修正する。そして、修正したスケジュールのデータであるスケジュール修正データをユーザ端末30送信して、STEP19に処理を進める。一方、スケジュールの修正が不要であると判断したときには、施策情報送信部13は、
図5のSTEP18から
図5のSTEP19に処理を進め、この場合はスケジュールは修正されない。
【0109】
次に、施策情報送信部13は、STEP19で、初期ユーザ情報データ、現状ユーザ情報データ、及び施策外行動実施データ等に基づいて、ユーザUaが行った各施策外行動(スケジュールに組み込まれている施策以外に、ユーザが行った行動)を評価する。
【0110】
施策情報送信部13は、
図16Aに示した施策外行動の評価基準を用いて、施策外行動の推奨の有無又は禁止の提案を判断する。
図16Aの評価基準では、判定項目として、肌、体、心の各状態への影響が使用される。
【0111】
そして、「肌、体、心のいずれかに良い影響があり、且ついずれについても悪い影響が無い」場合は、D評価となって実施が推奨される。それに対して、「肌、体、心のいずれかに悪い影響がある」場合は、E評価となって禁止が提案される。また、「肌、体、心のいずれにも影響が無い」場合には、F評価となって実施が推奨されない。
【0112】
図16Bは、
図16Aに示した評価基準を、本実施形態における施策外行動(マッサージを受けた、チョコレートを大量に摂取した)に適用した例を示している。
図16Bにより、施策情報送信部13は、「マッサージを受ける」についてはD評価として、次のスケジュールでの実施の推奨を決定している。また、「チョコレートの大量摂取」についてはE評価として、次のスケジュールでの止めるための施策(例えば、和菓子を摂取する代替案)の提案を決定している。
【0113】
施策情報送信部13は、スケジュールに組み込まれた施策の中止或は変更、又は施策外行動について、実施の推奨或は禁止の提案を決定したときには、STEP20からSTEP31に処理を進める。そして、推奨を決定したときはSTEP31からSTEP33に処理を進め、施策外行動の実施を推奨する施策外行動推奨データをユーザ端末30に送信して、
図4のSTEP13に処理を進める。
【0114】
一方、施策情報送信部13は、禁止の提案を決定したときには、STEP31からSTEP32に処理を進め、施策外行動の禁止を提案する施策外行動禁止データをユーザ端末30に送信して、
図4のSTEP13に処理を進める。
【0115】
また、施策情報送信部13は、推奨又は禁止を提案する施策外行動がない場合には、STEP20から
図4のSTEP13に処理を進める。なお、禁止を提案する施策外行動に代替行動がある場合には、禁止の提案に代えて代替行動への変更を提案する施策外行動禁止データをユーザ端末30に送信するようにしてもよい。
【0116】
ユーザ端末30において、肌サポートアプリ35aは、
図7のSTEP57で、肌サポートサーバ10からスケジュール修正データを受信すると、STEP65に処理を進め、スケジュール修正データに基づいてスケジュールを修正する。そして、肌サポートアプリ35aは、メモリ36に保持されたスケジュールデータを更新して、処理をSTEP58に進める。
【0117】
また、肌サポートアプリ35aは、
図7のSTEP58で、肌サポートサーバ10から施策外行動推奨データ又は施策外行動禁止データを受信すると、STEP66に処理を進め、受信したデータに応じて、施策外行動を推奨又は禁止の提案を報知する画面をユーザ端末30の表示器31に表示する。なお、この報知は、例えば
図12に示した進捗表に報知メッセージを表示して行ってもよい。また、推奨する施策外行動を、新たな施策としてスケジュールを修正してもよい。
【0118】
[H.ゴール判定工程]
図3に示した「5.ゴール判定」の工程は、ユーザUaが肌サポートアプリ35a上で設定した期間ごとに(
図11BにおいてはSTARTから3か月後)、肌状態認識部11、施策グループ選択部12及び施策情報送信部13により実行される。
【0119】
肌サポートアプリ35aは、角質採取テープ37の使用と、角質採取テープ37の郵送を促すメッセージをユーザ端末30の表示器31に表示する。
【0120】
肌状態認識部11は、郵送された角質採取テープ37から得られた情報に基づいて、肌状態の客観値(保水能力、皮脂適格性など)を認識する。
【0121】
また、肌サポートアプリ35aは、アンケートの回答、肌等の撮像の使用を促すメッセージをユーザ端末30の表示器31に表示し、得られた情報を送信する。
【0122】
肌状態認識部11は、肌サポートアプリ35aから得られた情報に基づいて、肌の乾燥感の主観値(主観スコア)と、肌状態の客観値(肌の画像スコア)を認識する。
【0123】
施策グループ選択部12及び施策情報送信部13は、肌の乾燥感の主観値と、肌状態の客観値とに基づいて、肌状態のサポート開始時と3カ月後における評価値を比較して、ゴール達成度を判定する。
【0124】
図17の例では、乾燥感の主観値のスコアが3カ月で3から5に増加しているので達成(○)と判定し、客観値についても、肌の画像スコアが3カ月で3から4に増大し、保水能力が2に維持され、皮脂適格性が1から2に増大しているので達成(○)と判定されている。そして、主観値と客観値が共にゴールを達成しているので、トータルとしてもゴールを達成したと判定している。
【0125】
肌状態認識部11及び施策グループ選択部12は、ゴールを達成した場合には新たなゴールを設定するため、
図3に示した「1.ゴール設定」の工程を再度実行する。肌状態認識部11及び施策グループ選択部12は、ゴール未達の場合は、「2.スケジュール決定」工程を実施してもよいし、ユーザの希望または進捗に応じて「1.ゴール設定」の工程を再度実行してもよい。
【0126】
[I.2次データ生成]
図3に示した「6.2次データ生成」の工程は、2次データ生成部19により実行される。2次データ生成部19は、複数のユーザUから送信される初期ユーザ情報データ、角層細胞解析データ、現状ユーザ情報データ、実行状況データ、施策外行動実施データ等の各種データ(以下、ユーザ個別データという)を、ユーザごとにサポートDB20に順次蓄積する。
【0127】
そして、2次データ生成部19は、サポートDB20に蓄積されたユーザ個別データを分析して、例えば
図18に示したように、各ユーザの特性(性別、年齢、居住地、嗜好、ライフスタイル等)、サポートの改善対象(乾燥感、ごわつき、敏感、ニキビ、しぼみ感等)、スケジュールにより提案された施策(湯船につかる、野菜摂取、1万歩以上歩く等)、及び施策の実施による肌、体、心の各状態の変化等を関連付けた2次データを生成する。
【0128】
また、2次データ生成部19は、施策外行動についても
図18と同様に、各ユーザの特性と施策外行動の実施による肌、体、心の各状態の影響とを関連付けた2次データを生成する。
【0129】
このようにして生成された2次データは、同様の特性を有するユーザについて、体及び心に良い影響を与えつつ肌状態の改善を図るために有効な施策を選択する際に、有効に活用することができる。例えば、上述した
図3の「2.スケジュール決定」の工程において、施策グループ選択部12は、2次データを参照して、ユーザUaの特性に適合した施策を選択することができる。
【0130】
また、上述した
図3の「4.スケジュール修正」の工程において、施策情報送信部13は、ユーザUaの肌、体、心の各状態の推移に応じてスケジュールを変更する際に、2次データを参照して、より有効な施策或は施策外行動を組み込んだスケジュールに変更することができる。
【0131】
さらに、2次データは、肌状態のサポートを行う上で有効に利用できると共に、ある特性を有するユーザ(例えば、東京に住む30代のアウトドア志向の女性等)をターゲットとしたマーケティング等の目的にも利用することができる。そのため、2次データを
図1に示した他のシステム60等に提供してもよい。
【0132】
[J.予測スコア表示処理(第1実施形態)]
図19~
図23を参照して、
図7のSTEP64の第1実施形態の予測スコア表示処理を説明する。第1実施形態の予測スコア表示処理においては、ユーザUaの行動に応じてユーザUaの指定状態の目標スコアを達成するまでの期間が認識され、当該期間に応じてユーザUaの指定状態のスコアの時系列的な変化が予測される。
【0133】
図19のSTEP101において、目標スコア認識部は、肌サポートサーバ10のサポートDB20に蓄積されたユーザUaの肌状態、体状態又は心状態のうちの少なくとも1つである指定状態の目標スコアを認識する。本実施形態においては、ユーザの指定状態はユーザの肌状態であるとして以下説明を行う。
【0134】
なお、目標スコアは、主観目標スコアであってもよいし、客観目標スコアであってもよいし、主観目標スコア及び客観目標スコアのセットであってもよい。
【0135】
目標スコアは、例えば、項目ごとのスコアのセット、例えば、肌状態の乾燥感ごとのスコアのセットであってもよいし、これらの項目ごとのスコアから項目ごとの所定の係数による重みづけ平均等により算出された値であってもよい。
【0136】
図19のSTEP102において、行動認識部は、肌サポートサーバ10のサポートDB20に蓄積された実行状況データ、施策外行動実施データから、指定の期間におけるユーザUaの行動(施策に含まれる行動及び施策外行動の一方または両方)のそれぞれを認識する。
【0137】
指定の期間は、指定状態が肌状態である場合には1日であることが望ましく、たとえばアプリの実行の前日から当日までである。これに代えて、例えば、施策の種類よっては、指定の期間は1週間、1か月等であってもよい。
【0138】
前述したように、実行状況データは、
図6のSTEP54で入力され、
図6のSTEP61で肌サポートサーバ10に送信されたスケジュールの実行状況(施策の実行状況)に関するデータである。
【0139】
施策外行動実施データは、
図6のSTEP55で入力され、
図6のSTEP62で肌サポートサーバ10に送信された施策外行動の実施の状況に関するデータである。
【0140】
なお、施策は、ユーザが実行を希望する行動としてユーザの意思に基づいて肌サポートサーバ10に登録された行動であり、施策外行動は、ユーザが実行した行動であるものの、肌サポートサーバ10に登録されていない行動である。
【0141】
なお、補足すると、
図6のSTEP53、STEP54、
図7のSTEP55では、
図20に示されるような画面(以下、ホーム画面という。)が表示器31に出力され、このホーム画面の特定箇所に入力された値が、それぞれ、肌、体、心の状態、スケジュールの実行状況及び施策外行動の実施の状況として認識される。
【0142】
図20に示されるホーム画面には、画面最下部の画面リンクP000、画面右上の日付表示P010、画面上部にある肌状態入力表示P020、第1行動入力表示P030、画面中段にある体状態入力表示P041、心状態入力表示P042、画面下段にある第2行動入力表示P050、第3行動入力表示P060及び登録ボタンP070が含まれている。
【0143】
画面リンクP000は、ホーム画面にリンクされたホームボタンP001と、ユーザデータの一覧表示の画面にリンクされた一覧表示ボタンP002と、ユーザデータのグラフを表示する画面にリンクされたグラフ表示ボタンP003と、施策の設定等を行う設定画面にリンクされた設定ボタンP004とが含まれる。
【0144】
日付表示P010は、入力されるユーザの情報の日付の表示である。原則的には、日付表示P010は、肌サポートアプリ35aを実行した日付の表示であるが、例えば、ユーザUaが過日に入力していなかったデータがあり、ユーザUaが当該データを入力するための操作を行った場合には、その対象の日付が表示されてもよい。
【0145】
肌状態入力表示P020は、ユーザの肌状態を入力するための画面の部分である。肌状態入力表示P020は、本実施形態では、スライドバーP021と、アイコンP022、P023とにより構成され、VAS(Visual Analog Scale)によるユーザの肌状態に関する主観値を入力を可能としている。
【0146】
アイコンP023は、アイコンP022よりも薄い色合いで表示されている。たとえばアイコンP022が深緑色に対してアイコンP023が灰色など、濃淡さえつけば異なる系統の色でもよい。アイコンP023は、比較対象の日時におけるユーザUaの肌状態の主観値(たとえば夕方に入力する場合には、以前に入力された朝のユーザUaの肌状態または前日のユーザUaの肌状態)を示す。このように、以前に入力された肌状態の主観値を識別可能な態様で表示することにより、比較対象の日時における肌状態の主観値と対比した形で肌状態の主観値を入力させることができるようになる。
【0147】
また、本実施形態では、ユーザUaの肌状態の主観値としてのユーザUaの肌の乾燥感の主観値を入力させるようになっている。これに代えて、例えば、複数のVASにより、複数の項目の肌状態を入力させるようにしてもよい。また、ユーザUaの目標に基づいて、入力させる肌状態の項目が選択されてもよい。また、ユーザUaにより入力された情報に基づいて、入力させる肌状態の項目が選択されてもよい。
【0148】
第1行動入力表示P030、第2行動入力表示P050及び第3行動入力表示P060は、それぞれユーザUaの日々の行動を入力を受け付けるための表示である。
【0149】
第1行動入力表示P030は、行動の実行の度合い(睡眠の場合、睡眠時間)の入力を受け付けるための表示である。第1行動入力表示P030は、本実施形態では、VASで構成され、スライドバーP031、アイコンP032及び実行の度合いの数値表示P03
3を含む。タッチパネル32が、ユーザUaがスライドバーP031上に指をタッチさせたことを検知すると、肌サポートアプリ35aは、当該ユーザUaの指の位置に対応させる画面上の位置にアイコンP032を表示させるとともに、数値表示P033を、当該ユーザUaの指の位置に対応する実行の度合い(整数または小数)を示すように変化させる。
【0150】
第2行動入力表示P050は、各行動の実施の有無の入力を受け付けるための表示である。タッチパネル32が、ユーザUaによる第2行動入力表示P050のいずれかの位置の押圧操作を検知することで、肌サポートアプリ35aは、押圧操作された位置に対応するアイコンP051~P053のそれぞれの位置を変更するとともに、アイコンの色を変更する。ここでは左側を未実施、右側が実施済みとなっている。
図20では、ユーザUaが、「暴飲暴食」を行った一方、「1km以上歩く」、「20分以上の入浴」を行わなかったことを示している。
【0151】
第1行動入力表示P030、第2行動入力表示P050の行動は、ユーザUaが実行を希望する施策であってもよいし、あらかじめ肌サポートアプリ35aの開発者等により指定された行動であってもよいし、ユーザUaの目標に関連する行動であってもよい。以下においては、「1km以上歩く」、「20分以上の入浴」が施策であるとして説明する。
【0152】
第3行動入力表示P060は、ユーザUaがその日行った出来事に応じて自由にテキストで入力できる情報を受け付けるための表示である。第3行動入力表示P060には、特殊な行動の入力を受け付けるための特殊行動入力表示P061と、行動のうち特に飲食に関する特殊な飲食物の入力を受け付けるための特殊飲食物入力表示P062とを含む。
【0153】
体状態入力表示P041は、疲労感等のユーザの体の状態の入力を受け付けるための表示である。体状態入力表示P041は、例えば、「なし」「わずか」「やや強い」「強い」のように段階的な疲労感(体状態)を示す言葉を選択するプルダウンメニューにより構成される。
【0154】
心状態入力表示P042は、気分等のユーザの心の状態の入力を受け付けるための表示である。心状態入力表示P042は、例えば、「楽」「やや楽」「やや辛い」「辛い」のように段階的な気分(心状態)を示す言葉を選択するプルダウンメニューにより構成される。
【0155】
肌サポートアプリ35aは、タッチパネル32を介して登録ボタンP070の押圧操作を検知すると、
図6のSTEP60~
図6のSTEP62において、入力されたデータを肌サポートサーバ10に送信する。なお、肌状態入力表示P020、体状態入力表示P041、心状態入力表示P042のそれぞれに入力されたデータが、肌、体、心の状態を示すデータである。また、第1行動入力表示P030、第2行動入力表示P050に入力されたデータのうち、施策の行動に関するデータが、スケジュールの実行状況を示すデータである。第1行動入力表示P030、第2行動入力表示P050に入力されたデータのうち、施策に関連しない行動に関するデータ及び第3行動入力表示P060に入力されたデータが、施策外行動の実施の状況を示すデータである。
【0156】
図19のSTEP102の説明に戻ると、行動認識部は、肌サポートサーバ10のサポートDB20に以前に蓄積された、
図20のホーム画面の第1行動入力表示P030、第2行動入力表示P050及び第3行動入力表示P060に入力された実行状況データ、施策外行動実施データを受信する。
【0157】
行動認識部は、これらのデータに基づいて、指定の期間におけるユーザUaの行動(施
策に含まれる行動及び施策外行動の一方または両方)のそれぞれを認識する。
【0158】
例えば、行動認識部は、
図20に入力された情報から、指定の期間(2017年6月14日)におけるユーザの行動「暴飲暴食」「歌を歌う」「クラッカー摂取」を認識する。
【0159】
図19のSTEP103において、予測部(本実施例においてはCPU35とする)は、ユーザUaの行動に応じて目標スコアに到達するまでの期間を延長または短縮させる。目標スコアが複数のスコアのセットで表されている場合には、予測部は、それぞれのスコアが目標スコアに到達するまでのそれぞれの期間を個別に延長または短縮させてもよいし、すべて又は一定割合以上のスコアのそれぞれが目標スコアに到達するまでの1つの期間を延長または短縮させてもよい。
【0160】
例えば、予測部は、
図21又は
図22に示される表を参照して、各行動の期間の延長または短縮への影響を数値で認識する。
図21に示される表は、各行動の種別と、各行動の実行の度合いと、当該行動の種別及び当該実行の度合いに対する係数とを関連付けた表である。また、
図22に示される表は、飲食物に含まれる主要な物質と、飲食物の種別と、当該飲食物の種別に対する係数とを関連付けた表である。
図21又は
図22に示される表は、例えば、肌サポートサーバ10のサポートDB20に保存されている。
【0161】
図21又は
図22に示される係数は、例えば、ユーザUaの過去の行動のそれぞれに対する指定状態のスコアの変化量から算出された期間の延長または短縮量あってもよいし、ユーザUb、Uc等のユーザUaとは異なるユーザの過去の行動のそれぞれに対する指定状態のスコアの変化量から算出された期間の延長または短縮量であってもよいし、これらの組み合わせで求められた値であってもよい。
図21又は
図22に示される係数は、予め肌サポートアプリ35aの開発者等によって定められた値であってもよい。指定状態の目標スコアが複数あるために、期間が複数ある場合には、それぞれの期間ごとに係数が設定されることが好ましい。
予測部は、過去の所定期間(例えば1週間)におけるユーザUaの行動に基づいて、不図示の対応表を参照する等により、目標スコアに到達するまでの期間を延長または短縮させてもよい。
また、予測部は、ユーザUaの各行動の有無又は度合いの周期性を認識し、当該周期性に基づいて目標スコアに到達するまでの期間を延長または短縮させてもよい。例えば、予測部は、ユーザUaの各行動の有無又は度合いの時系列データを離散フーリエ変換により周波数成分に分解し、各周波数におけるピークが閾値を超える割合を求めることにより、ユーザUaの各行動の有無又は度合いの周期性を認識する。そして、予測部は、各行動の周期が継続すると仮定して、目標スコアに到達するまでの期間までの各行動の回数又は度合いの累計値を推定する。そして、予測部は、目標スコアに到達するまでの期間までの各行動の回数又は度合いの累計値と不図示の対応表等を用いて、目標スコアに到達するまでの期間を延長または短縮させてもよい。 ユーザUaのデータのみならず、他のユーザに示される過去の行動に対して目標スコアに到達するまでの期間を延長または短縮させてもよい。
例えば、ユーザUaと同様の体質、属性及び目標のうち少なくとも1つが共通しているユーザが抽出され、これらのユーザの過去の行動のそれぞれに対する指定状態のスコアの変化量から算出された期間の延長または短縮量が前記係数として認識されてもよい。
【0162】
予測部は、
図21又は
図22に示される表を参照して、ユーザの行動「暴飲暴食」「歌を歌う」「クラッカー摂取」のそれぞれの係数-3、+2、-1を認識する。
【0163】
予測部は、あらかじめ指定された目標スコアを達成するまでの期間に対し、各行動の影響を反映することにより、目標スコアを達成するまでの期間を延長または短縮させる。
【0164】
例えば、予測部は、あらかじめ指定された期間としての、たとえばユーザが開始時に指定した期間(たとえば12日間)に対して、ユーザの行動「暴飲暴食」「歌を歌う」「クラッカー摂取」のそれぞれの係数-3、+2、-1を合算した-2(2日遅れ)を反映させることにより、目標スコアを達成するまでの期間を14日間に伸ばす。
【0165】
図19のSTEP104において、予測部は、延長または短縮された期間に応じて、ユーザの指定状態が目標を達成するための指定状態のスコアの時系列的な変化を予測する。例えば、予測部は、現在のユーザの指定状態のスコアが、期間の末尾に目標スコアとなるように線形で遷移すると仮定して、指定状態のスコアの時系列的な変化を予測する。
【0166】
図19のSTEP105において、出力制御部は、指定状態のスコアの時系列的な変化の予測を示す情報と予測前及び予測後の目標スコアを達成するまでの期間を示す情報と各行動の期間への影響を示す情報とを表示器31に出力する。
【0167】
例えば、出力制御部は、
図23に示されるようなグラフ表示画面を表示器31に出力する。
【0168】
グラフ表示画面には、画面の下段の画面リンクP100と、画面中段上部のグラフP110と、画面中段から下段にかけての施策実行表示P116、体状態表示P117、及び心状態表示P118と、画面の上段の期間遷移ボタンP105、P106とが含まれている。
【0169】
画面リンクP100は、
図20の画面リンクP000と同様のリンクである。
【0170】
グラフP110は、期間表示P111に示される期間における、横軸を期間とし、縦軸を肌状態のスコアP112または睡眠時間P113とするグラフである。グラフP110は、期間表示P111に示される期間における1日単位のユーザUaの肌状態(
図23では乾燥感)のスコアの時系列的な変化を示すグラフP114と、同期間における1日単位の睡眠時間の時系列的な変化を示すグラフP115を含む。
【0171】
また、グラフP114は、現時点以降における肌状態のスコアの時系列的な変化の予測表示P201、P203と、期間の終期表示P202、P204と、行動の影響表示P205とを含む。
【0172】
肌状態のスコアの時系列的な変化の予測表示P201、期間の終期表示P202が、
図19のSTEP103による、期間の延長または短縮を行う前の肌状態のスコアの時系列的な変化の予測及び期間の終期を示す表示である。
【0173】
肌状態のスコアの時系列的な変化の予測表示P203、期間の終期表示P204が、
図19のSTEP103による、期間の延長または短縮を行った後の肌状態のスコアの時系列的な変化の予測及び期間の終期を示す表示である。本実施形態では、目標スコアを達成するまでの期間が2日間遅れた場合の表示となっている。
【0174】
また、行動の影響表示P205は、各行動の目標スコアを達成するまでの期間への影響を示す表示である。行動の影響表示P205には、どの行動がどのように目標スコアを達成するまでの期間へどのように影響しているかが示されている。
【0175】
施策実行表示P116は、期間表示P111に示される期間における1日単位の各施策の実行の有無を示す表示である。
図25においては、施策を実行した場合を○、施策を実行しなかった場合を×、入力を行わなかった場合を‐で表している。
【0176】
体状態表示P117は、期間表示P111に示される期間における1日単位の体状態(
図23では疲労感)を示す表示である。
図25においては、下矢印が「なし」、右下向きの矢印が「わずか」、右上向きの矢印が「やや強い」、上向きの矢印が「強い」を表している。また、入力を行わなかった場合を‐で表している。
【0177】
心状態表示P118は、期間表示P111に示される期間における1日単位の心状態(
図23では気分)を示す表示である。
図25においては、下矢印が「楽」、右下向きの矢印が「やや楽」、右上向きの矢印が「やや辛い」、上向きの矢印が「辛い」を表している。また、入力を行わなかった場合を‐で表している。 画面の上段の期間遷移ボタンP105、P106は、グラフの表示期間を変更するためのボタンである。期間遷移ボタンP105は、期間表示P111に示される期間よりも前の期間のグラフを表示するためのボタンである。期間遷移ボタンP106は、期間表示P111に示される期間よりも後の期
間のグラフを表示するためのボタンである。
【0178】
以上が第1実施形態の予測スコア表示処理である。
【0179】
[K.予測スコア表示処理(第2実施形態)]
図24~
図25を参照して、
図7のSTEP64の第2実施形態の予測スコア表示処理を説明する。第2実施形態の予測スコア表示処理では、ユーザUaの行動に応じてユーザUaの指定状態のスコアの時系列的な変化を予測し、当該予測されたユーザUaの指定状態のスコアの時系列的な変化が表示器31に出力される。ユーザUaの指定状態のスコアは、ユーザUaの肌状態、体状態又は心状態のうちの少なくとも1つのスコアであるが、本実施形態においても、ユーザUaの指定状態はユーザUaの肌状態であるとして以下説明を行う。
【0180】
図24のSTEP201において、行動認識部は、
図19のSTEP102と同様の処理により、指定の期間におけるユーザUaの行動(施策に含まれる行動及び施策外行動の一方または両方)のそれぞれを認識する。
【0181】
図24のSTEP202において、予測部は、ユーザUaの行動のそれぞれに応じてユーザUaの指定状態のスコアの単位期間あたりの変動量を認識する。単位期間は例えば1日である。
【0182】
予測部は、例えば、
図21及び
図22の表の係数を、ユーザUaの行動のそれぞれに応じてユーザUaの指定状態のスコアの変動量を示す係数に置き換えた表を用いて、ユーザUaの行動のそれぞれに応じてユーザUaの指定状態のスコアの変動量を認識しうる。
【0183】
ユーザUaの行動のそれぞれに応じてユーザUaの指定状態のスコアの変動量を示す係数は、目標スコアに到達するまでの期間への影響を示す係数と同様の手法で設定されうる。
【0184】
図24のSTEP203において、予測部は、指定状態のスコアの変動量に応じて、ユーザUaの指定状態のスコアの時系列的な変化を予測する。
【0185】
例えば、予測部は、指定状態のスコアの変動量が一日当たりの変動量であるとして、ユーザUaの指定状態のスコアの時系列的な変化を予測してもよい。予測部は、例えば、各データからユーザが行動をとる頻度を認識し、当該頻度を当該指定状態のスコアの変動量にかけて1日当たりの変動量を算出し、当該1日当たりの変動量を基に、ユーザUaの指定状態のスコアの時系列的な変化を予測してもよい。
【0186】
図24のSTEP204において、出力制御部は、ユーザUaの指定状態のスコアの時系列的な変化の予測を示す情報とユーザUaの行動を示す情報と行動に関連する変動量を示す情報を表示器31に出力する。
【0187】
例えば、出力制御部は、
図25に示されるグラフ表示画面を表示器31に出力する。
図23のグラフ表示画面と同じ要素については、同一の符号を付している。
【0188】
図25に示された予測グラフP301が、ユーザUaの指定状態のスコアの時系列的な変化の予測を示す情報の一例である。
図25に示された各行動の指定状態の変動量を示すボックスP302が、ユーザUaの行動を示す情報と行動に関連する変動量を示す情報の一例である。
【0189】
図24のSTEP205において、出力制御部は、ユーザUaの行動ごとに、当該行動が所定の第1条件を充足するか否かを判定する。第1条件は、肌、体、心のいずれかに良い影響があること及びいずれについても悪い影響が無いことの一方または両方を充足する条件である。詳細には、例えば当該行動の指定状態のスコアの変動量が所定の閾値(たとえば0.5)以上となる条件であってもよいし、当該行動が
図15における評価Aとなる行動という条件であってもよいし、当該行動が
図16における評価Dとなる行動という条件であってもよい。
【0190】
当該判定結果が肯定的である場合(
図24のSTEP205でYES)、
図24のSTEP206において、出力制御部は、当該行動が肌、体、心のいずれかに良い影響があること及びいずれについても悪い影響が無いの一方または両方であると判定し、
図25に示されるように、当該行動の継続を推奨する情報P303を表示器31に出力する。
【0191】
当該判定結果が否定的である場合(
図24のSTEP205でNO)、
図24のSTEP207において、出力制御部は、当該行動が肌、体、心のいずれにも良い影響がないか、肌、体、心のいずれかに悪い影響があると判定し、
図25に示されるように、当該行動の中止を推奨する情報P304と代替行動の候補を表示するためのボタンP305とを表示器31に出力する。
【0192】
出力制御部は、タッチパネル32を介して代替行動の候補を表示するためのボタンP305の押圧操作を検知すると、代替行動の候補を表示する。代替行動の候補は、肌、体、心のいずれかに良い影響があること及びいずれについても悪い影響が無いことの一方または両方を充足する必要がある。代替行動の候補は、例えば指定状態への変動量が所定の閾値以上となるような行動や、中止を推奨する行動の種別と同一の種別の行動、ユーザの嗜好に合致する行動の種別の行動となる。出力制御部は、肌サポートサーバ10との通信を介してこれらの代替行動の候補を認識してもよい。
【0193】
肌サポートアプリ35aは、選択された代替行動を肌サポートサーバ10に送信し、選択された代替行動を施策としてスケジュールに反映させてサポートDB20に記憶させてもよい。
【0194】
図24のSTEP208において、出力制御部は、ユーザUaの指定の期間におけるすべての行動について、
図24のSTEP205~STEP207の処理を実行したか否かを判定する。当該判定結果が否定的である場合(
図24のSTEP208でNO)、出力制御部は、未処理の行動に対して、
図24のSTEP205の処理を実行する。
【0195】
当該判定結果が肯定的である場合(
図24のSTEP208でYES)、肌サポートアプリ35aは、第2実施形態の予測スコア表示処理を終了する。
【0196】
[L.予測スコア表示処理(第3実施形態)]
図26~
図29を参照して、
図7のSTEP64の第3実施形態の予測スコア表示処理を説明する。第3実施形態の予測スコア表示処理では、施策の実行状況に応じてユーザUaの指定状態のスコアの時系列的な変化を予測し、当該予測されたユーザUaの指定状態のスコアの時系列的な変化が表示器31に出力される。ユーザUaの指定状態のスコアは、ユーザUaの肌状態、体状態又は心状態のうちの少なくとも1つのスコアであるが、本実施形態においても、ユーザUaの指定状態はユーザUaの肌状態であるとして以下説明を行う。
【0197】
図26のSTEP301において、施策情報出力制御部は、施策を含む情報を表示器31に出力する。例えば、施策情報出力制御部は、ホーム画面等においてタッチパネル32
を介して設定ボタンP004,P104の押圧操作を検知すると、
図27に示す施策選択画面を表示する。
【0198】
施策選択画面には、「施策を選ぶ」との画面タイトル表示P401と、施策一覧表示P42と、保存ボタンP403とが含まれている。
【0199】
施策一覧表示P402には、それぞれの施策の候補ごとに、その施策の候補の名称表示P402a、その施策の候補の説明表示P402b、及びその施策の候補の選択ボックスP402cとが含まれている。選択ボックスP402cにチェックがつくことにより、その施策の候補が選択された状態となる。
図27の画面では、「夕食と朝食の間隔」と「お茶摂取量」との施策の候補が選択されている。
【0200】
いずれかの施策の候補が選択されている状態で、タッチパネル32を介して保存ボタンP403の押圧操作が検知されると、
図26のSTEP302において、施策情報出力制御部は、選択された施策の候補を選択された施策として認識する。肌サポートアプリ35aは、選択された施策を肌サポートサーバ10に送信する。
図26のSTEP301及びSTEP302の処理は、
図6のSTEP51において併せて実行されてもよい。
【0201】
図26のSTEP303において、施策実行状況認識部は、肌サポートサーバ10のサポートDB20に蓄積された実行状況データから、指定の期間におけるユーザUaの施策の実行状況を認識する。
【0202】
図26のSTEP304において、予測部は、ユーザUaの施策のそれぞれの実行の状況に応じたユーザの指定状態のスコアの変動量を認識する。ここで、変動量は、前記ユーザの指定状態の改善の度合いが大きいほど連続的または断続的に大きい値となり、前記ユーザの指定状態の改善の度合いが小さいほど連続的または断続的に小さい値となる値である。
【0203】
例えば、予測部は、
図28に示されるような表を参照することにより、施策の実行状況に応じたユーザの指定状態のスコアの変動量を認識する。施策が実行されている場合には、それぞれの施策の実行時の係数が認識され、施策が実行されていない場合には、それぞれの施策の不実行時の係数が認識される。予測部はこれらの係数を合算することにより、ユーザの指定状態のスコアの変動量を認識してもよい。なお、
図28に示されるような表は、例えば、肌サポートサーバ10からダウンロードされうる。
【0204】
図26のSTEP305において、出力制御部は、指定状態のスコアの時系列的な変化の予測を示す情報と施策の実行の状況を示す情報とを表示器31に出力する。
【0205】
例えば、出力制御部は、
図29に示されるグラフ表示画面を表示器31に出力する。
図23のグラフ表示画面と同じ要素については、同一の符号を付している。
【0206】
図29に示された予測グラフP501が、ユーザUaの指定状態のスコアの時系列的な変化の予測を示す情報の一例である。
図25に示された各施策の実行率ボックスP502が、施策の実行の状況を示す情報の一例である。ボックスP502には、当該施策の実行率に応じた指定状態の変動量を示す情報が含まれている。
【0207】
出力制御部は、それぞれの施策ごとに、
図26のSTEP306以下の処理を実行する。
【0208】
図26のSTEP306において、出力制御部は、施策の実行の状況が第2条件を充足
するか否かを判定する。
【0209】
第2条件は、行動が肌、体、心のいずれかに良い影響がある及びいずれについても悪い影響が無いの一方または両方という条件である。例えば、施策の実行率が所定の第1の実行率(ただし第1の実行率は0より大きい、例として半分)以上であるという条件であってもよいし、施策の実行の継続期間が所定の第1の期間以上という条件であってもよいし、施策の実行状況から認識される指定状態のスコアの変動量が所定の第1の値(たとえば0.5)以上であるという条件であってもよいし、施策及び施策の実行状況から
図15の評価Aと評価されるという条件であってもよい。
【0210】
当該判定結果が肯定的である場合(
図26のSTEP306でYES)、
図26のSTEP307において、出力制御部は、施策の維持を推薦する情報を表示器31に出力する。例えば、出力制御部は、
図29に示されるように、施策の維持を推薦する情報としての、施策の維持の推薦表示P503を表示器に出力する。
【0211】
当該判定結果が否定的である場合(
図26のSTEP306でNO)、
図26のSTEP308において、出力制御部は、施策の実行の状況が第3条件を充足するか否かを判定する。
【0212】
第3条件は、行動が肌、体、心のいずれかに良い影響があること及びいずれについても悪い影響が無いことの一方または両方を充足する条件であるが、第2条件よりも効果の絶対値が小さい。つまり、例えば施策の実行率が第1の実行率よりも低い第2の実行率(ただし第2の実行率は0ではない)以上であるという条件であってもよいし、施策の実行の継続期間が第1の期間よりも短い第2の期間以上という条件であってもよいし、施策の実行状況から認識される指定状態のスコアの変動量が所定の第1の値よりも小さい第2の値(たとえば0)以上であるという条件であってもよいし、施策及び施策の実行状況から
図15の評価Bと評価されるという条件であってもよい。
【0213】
当該判定結果が肯定的である場合(
図26のSTEP308でYES)、
図26のSTEP309において、出力制御部は、実行の度合いが異なる施策を推奨する情報を表示器31に出力する。
【0214】
例えば、出力制御部は、
図29に示されるように、実行の度合いが異なる施策を推奨する情報としての、簡単な施策推薦表示P504を表示器31に出力する。出力制御部は、併せて施策の変更ボタンP505を表示器31に出力する。
【0215】
ここで、補足すると、施策は、「入浴」「歩く」等の施策の種別と、「10分以上」「20分以上」等の量的な施策の実行の度合いとにより表現されうる。
【0216】
施策の変更ボタンP505の押圧操作を、タッチパネル32を介して検知すると、出力制御部は、施策の実行の度合いを変更した施策、特に実行の度合いが下がるように変更した施策を推薦する画面を表示器31に出力する。例えば、施策の種別「入浴」について実行の度合い「20分以上」の施策の実行状況が第3条件を充足する場合、出力制御部は、施策の種別「入浴」の実行の度合い「10分以上」の施策を推薦する画面を表示器31に出力する。
【0217】
当該判定結果が否定的である場合(
図26のSTEP308でNO)、
図26のSTEP310において、出力制御部は、施策の種別が異なる施策を推奨する情報を表示器31に出力する。例えば、出力制御部は、「施策Bを別な施策に代えてみましょう!」等の表示を表示器31に出力する。また、出力制御部は、施策の種別が異なる施策を示す情報を表示器31に出力する。
【0218】
図26のSTEP307、STEP309、STEP310のいずれかの処理の後、
図26のSTEP311において、出力制御部は、ユーザUaが選択しているすべての施策についてSTEP306~STEP310の処理を実行したか否かを判定する。
【0219】
当該判定結果が否定的である場合(
図26のSTEP311でNO)、出力制御部は、
図26のSTEP306以下の処理を実行する。
【0220】
当該判定結果が肯定的である場合(
図26のSTEP311でYES)、出力制御部は、第3実施系他の予測スコア表示処理を終了する。
【0221】
(変形態様)
第1実施形態~第3実施形態では、肌サポートアプリ35aを実行したCPU35が、本発明の「施策情報出力制御部」「施策実行状況認識部」「目標スコア認識部」「出力制御部」「予測部」「行動認識部」として機能したが、これに代えて、適当なプログラムを読み込んだ肌サポートサーバ10が「施策実行状況認識部」「目標スコア認識部」「予測部」「行動認識部」の一部または全部の機能及び「施策情報出力制御部」「出力制御部」の一部の機能として機能してもよい。この場合、肌サポートアプリ35aを実行したCPU35が通信を介して実行結果を認識し、「施策実行状況認識部」「目標スコア認識部」「予測部」「行動認識部」「施策情報出力制御部」「出力制御部」の残部として機能しうる。
【0222】
また、肌サポートサーバ10の機能をユーザ端末30を有することにより、ユーザ端末30が単独で情報出力システムを構成してもよい。
【0223】
第1実施形態~第3実施形態では、肌サポートアプリ35aを実行したCPU35が、肌サポートサーバ10と通信することにより、各種必要なデータを受信したが、これに代えて又は加えて、肌サポートアプリ35aを実行したCPU35が、ユーザ端末30の記憶装置に記憶されたデータを参照し、処理を実行してもよい。
【0224】
また、第2実施形態及び第3実施形態において、出力制御部は、指定状態のスコアの変動量に基づいて目標スコアに到達するまでの期間を認識し、グラフ表示画面に合わせて目標スコアに到達するまでの期間を出力してもよい。また、出力制御部は、第2実施形態及び第3実施形態において行動の影響を受ける前の指定状態のスコアの時系列的変化の予測を出力してもよい。
【0225】
第1実施形態~第3実施形態では、指定状態を肌状態として説明したが、これに加えてまたは代えて、体状態および心状態の一方または両方を指定状態として処理を行ってもよい。また、体状態および心状態のそれぞれについても、体状態および心状態にあわせた手法によって、その目標スコア(主観目標スコアおよび客観目標スコア)が認識されてもよい。
予測部は、過去のある期間(例えば1週間)におけるユーザUaの行動に基づいて、不図示の対応表を参照する等により、現時点から所定期間後(例えば3日後)の指定状態のスコア又はその変化量を予測してもよい。
また、予測部は、ユーザUaの各行動の有無又は度合いの周期性を認識し、当該周期性に基づいて現時点から所定期間後の指定状態のスコア又はその変化量を予測してもよい。例えば、予測部は、ユーザUaの各行動の有無又は度合いの時系列データを離散フーリエ変換により周波数成分に分解し、各周波数におけるピークが閾値を超える割合を求めることにより、ユーザUaの各行動の有無又は度合いの周期性を認識する。そして、予測部は、各行動の周期が継続すると仮定して、所定期間における各行動の回数又は度合いの累計値を推定する。そして、現時点から所定期間における各行動の回数又は度合いの累計値と不図示の対応表等を用いて、現時点から所定期間後の目指定状態のスコア又はその変化量を予測してもよい。
ユーザUaのデータのみならず、他のユーザUb、Ucに示される過去の行動に対する指定状態のスコア又はその変化量も勘案して、現時点から所定期間後のユーザUaの指定状態のスコア又はその変化量を予測してもよい。
例えば、予測部は、ユーザUaと同様の体質、属性及び目標のうち少なくとも1つが共通しているユーザを抽出し、これらのユーザの過去の行動のそれぞれに対する処理時点から所定期間後のこれらのユーザの指定状態のスコアの変化量を認識する。予測部は、これらのユーザの過去の行動のそれぞれに対する現時点から所定期間後の指定状態のスコアの変化量と、ユーザUaの行動から、現時点から所定期間後のユーザUaの指定状態のスコア又はその変化量を予測していもよい。
予測部は、例えば、対応表を参照することにより、ユーザの各行動に基づいて、ユーザの顔又は体の各部位ごとに、ユーザの肌状態又は体状態の予測をしてもよい。
出力制御部は、現時点から所定期間後のユーザUaの指定状態のスコアを示す画像として、例えば、ユーザUaの顔写真若しくは体の写真を修正した画像、ユーザUaを模したアバター画像、アニメキャラクタの画像又は丸等の図形を表示器31に出力してもよい。
この場合、例えば、予測部は、タッチパネル32等の入力部に対する操作に応じて、表示した画像を変化させてもよい。
例えば、出力制御部は、入力部に対する第1操作(例えば、横方向へのスライド操作)に応じて、予測の基準となる時点を切り替え、切替後の時点におけるユーザUaの指定状態の予測を示す画像を表示器31に出力してもよい。例えば、出力制御部は、入力部に対する第1操作に応じて、現時点から1日後、2日後、3日後、・・・におけるユーザの指定状態の予測を示す画像を出力制御部出力してもよい。ユーザの指定状態の予測を示す画像は、現時点から所定期間後のユーザUaの第1の指定状態(例えば肌状態)の予測を示す画像であってもよい。現時点から所定期間後のユーザUaの第1の指定状態(例えば肌状態)の予測を示す画像は、例えば、3日後のユーザUaの顔又は体の各部位における肌の状態を文言又は色で示した画像、ユーザUaの顔の各部位における肌の角層の状態を示す画像であってもよい。
また、例えば、出力制御部は、入力部に対する第2操作(例えば、ピンイン操作)に応じて、ユーザUaの第1指定状態とは異なる第2指定状態(例えば、体状態)の予測を示す画像を表示してもよい。
【符号の説明】
【0226】
1…通信ネットワーク、10…肌サポートサーバ、11‥肌状態認識部、12…施策グループ選択部、13…施策情報送信部、19…2次データ生成部、20…サポートDB(データベース)、30(30a,30b,30c)…ユーザ端末(スマートフォン)、31…表示器、32…タッチパネル、33…カメラ、34…マイク、35…CPU、35
a…肌サポートアプリ、36…メモリ、40…接続端子、45…測定機器。