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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-20
(45)【発行日】2023-03-29
(54)【発明の名称】表示装置及び表示装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20230322BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20230322BHJP
   G02F 1/1339 20060101ALI20230322BHJP
   G02F 1/1333 20060101ALI20230322BHJP
   G02F 1/13 20060101ALI20230322BHJP
   H10K 50/00 20230101ALI20230322BHJP
   H05B 33/10 20060101ALI20230322BHJP
   H05B 33/04 20060101ALI20230322BHJP
【FI】
G09F9/30 309
G09F9/30 330
G09F9/00 338
G02F1/1339 505
G02F1/1333 500
G02F1/13 101
H05B33/14 A
H05B33/10
H05B33/04
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2018194547
(22)【出願日】2018-10-15
(65)【公開番号】P2019091018
(43)【公開日】2019-06-13
【審査請求日】2021-08-17
(31)【優先権主張番号】10-2017-0152075
(32)【優先日】2017-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1, Samsung-ro, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】徐 佑 昔
(72)【発明者】
【氏名】河 尚 佑
(72)【発明者】
【氏名】金 聖 哲
(72)【発明者】
【氏名】金 廷 ヒョン
(72)【発明者】
【氏名】宋 時 準
(72)【発明者】
【氏名】宋 俊 昊
(72)【発明者】
【氏名】柳 鳳 ヒョン
【審査官】中村 直行
(56)【参考文献】
【文献】特表2006-524417(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0344302(US,A1)
【文献】特開2007-017590(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0138647(US,A1)
【文献】特開2009-276527(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00 - 9/46
G02F 1/1339
G02F 1/1333
G02F 1/13
H10K 50/00 - 99/00
H05B 33/00 - 33/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示領域、及び前記表示領域の外側に配置される非表示領域が定義される第1基板と、
前記第1基板に対向する第2基板と、
前記非表示領域に配置されるセルシールとを有し、
前記セルシールは、前記第1基板と前記第2基板とを連結する接合フィラメントを含み、
前記セルシールは、前記接合フィラメントに連結されるフリットシールをさらに含むことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記第1基板及び前記第2基板はガラスを含み、
前記接合フィラメントは、前記第1基板及び第2基板と同一の物質からなることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記接合フィラメントの幅は、100μm以上200μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記接合フィラメントは、中心部、及び前記中心部を取り囲む周辺部を含むことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記中心部の幅は20μm以上70μm以下であることを特徴とする請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記中心部と前記周辺部とは屈折率が異なることを特徴とする請求項4に記載の表示装置。
【請求項7】
前記接合フィラメントの中段の幅は、前記接合フィラメントの上段の幅及び前記接合フィラメントの下段の幅よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項8】
前記接合フィラメントは、内側接合フィラメントと外側接合フィラメントとを含むことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項9】
前記内側接合フィラメントと前記外側接合フィラメントとは部分的に重畳して重畳領域を形成することを特徴とする請求項8に記載の表示装置。
【請求項10】
前記重畳領域と前記内側フィラメントとは屈折率が異なることを特徴とする請求項9に記載の表示装置。
【請求項11】
前記内側接合フィラメント及び前記外側接合フィラメントの少なくとも一つは、所定の傾斜角度で延長することを特徴とする請求項8に記載の表示装置。
【請求項12】
前記内側接合フィラメントと前記外側接合フィラメントとは互いに交差することを特徴とする請求項11に記載の表示装置。
【請求項13】
前記接合フィラメントは、x軸と並行する方向に延長する第1接合フィラメント、y軸と並行する方向に延長する第2接合フィラメント、及び前記第1接合フィラメントと前記第2接合フィラメントとが交差する交差部を含むことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項14】
前記交差部の幅は、前記第1接合フィラメント及び前記第2接合フィラメントよりも大きいことを特徴とする請求項13に記載の表示装置。
【請求項15】
前記第1接合フィラメントの一端は、前記交差部から前記x軸と並行する方向に突出し、前記第2接合フィラメントの一端は、前記交差部から前記y軸と並行する方向に突出することを特徴とする請求項14に記載の表示装置。
【請求項16】
前記非表示領域に配置される駆動集積回路と、
前記駆動集積回路と前記表示領域とを接続する複数の導電ラインと、をさらに有し、
前記フリットシールは、前記導電ラインと重畳することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項17】
互いに対向する第1基板及び第2基板を含むセルを含むオリジナルパネルを封止する(sealing)段階と、
前記セルを封止するセルシールを形成する段階と、を有し、
前記セルシールを形成する段階は、レーザーを照射することによって前記第1基板と前記第2基板とを連結する接合フィラメントを形成する段階を含み、
前記セルにフリットを形成する段階をさらに有し、
前記セルシールを形成する段階は、前記フリットを硬化させてフリットシールを形成する段階を含み、
前記フリットシールと前記接合フィラメントとは互いに連結されることを特徴とする表示装置の製造方法。
【請求項18】
前記レーザーは、前記第2基板から前記第1基板に向かって照射される第1サブレーザーを含み、前記第1サブレーザーの第1焦点は前記第1基板の内部に設定され、前記第1サブレーザーの焦点深さは、-100μm以上0未満であることを特徴とする請求項17に記載の表示装置の製造方法。
【請求項19】
前記レーザーは、前記第1基板から前記第2基板に向かって照射される第2サブレーザーをさらに含み、前記第2サブレーザーの第2焦点は前記第2基板の内部に設定され、前記第2サブレーザーの焦点深さは0超過100μm未満であることを特徴とする請求項18に記載の表示装置の製造方法。
【請求項20】
前記第1サブレーザー及び前記第2サブレーザーのいずれかは、所定の傾斜角度で照射されることを特徴とする請求項19に記載の表示装置の製造方法。
【請求項21】
前記第1基板上に配置される絶縁膜を除去する段階をさらに有することを特徴とする請求項17に記載の表示装置の製造方法。
【請求項22】
レーザーを照射して、前記第1基板と前記第2基板とを連結する接合フィラメントを形成する段階は、前記レーザーを第1方向に照射して第1接合フィラメントを形成する段階と、
前記レーザーを第2方向に照射して第2接合フィラメントを形成する段階と、を含み、
前記第1接合フィラメントと前記第2接合フィラメントとは互いに交差して交差部を形成することを特徴とする請求項17に記載の表示装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表示装置及び表示装置の製造方法に関し、特に、セルシールが占める面積を減らした表示装置及び表示装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置は、マルチメディアの発達に伴ってその重要性がますます高まっている。
これに応えて、液晶表示装置(Liquid Crystal Display、LCD)、有機発光表示装置(Organic Light Emitting diode Display、OLED)などのさまざまな表示装置が開発されている。
液晶表示装置や有機発光表示装置などの表示装置の画像表示はいずれも光の透過に起因する。
特に、光の透過率は、表示装置の輝度などの表示品質に影響を及ぼす可能性がある。
よって、表示装置を成す構成要素は、少なくとも部分的に透明性部材、例えばガラス部材を含むことができる。
【0003】
複数の透明性部材を組み合わせてマルチスタック接合体を形成するための方法として、液体又は軟膏性の接着剤であるシーラントを用いて接合する方法や、ガラスフリット又は粉末ガラスを用いて接合する方法などを例示することができる。
シーラント接合は、第1ガラス部材と第2ガラス部材との間に液体又は軟膏性のシーラント物質を塗布し、これを硬化させることにより、第1ガラス部材と第2ガラス部材とを互いに接合することができる。
また、ガラスフリット/粉末ガラス接合は、第1ガラス部材と第2ガラス部材との間にガラスフリット/粉末ガラス物質を塗布し、これを溶融硬化させることにより、第1ガラス部材と第2ガラス部材とを互いに接合することができる。
【0004】
しかしながら、表示装置の高画素化や小型化に伴い、表示装置を成す構成要素である少なくとも部分的には透明性部材、例えばガラス部材の接合における接合材料の占有面積は減らさなければならないという課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2010-249923号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記従来の表示装置における課題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、セルシールが占める面積を減らした表示装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、セルシールが占める面積を減らすことができる表示装置の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するためになされた本発明による表示装置は、表示領域、及び前記表示領域の外側に配置される非表示領域が定義される第1基板と、前記第1基板に対向する第2基板と、前記非表示領域に配置されるセルシールとを有し、前記セルシールは、前記第1基板と前記第2基板とを連結する接合フィラメントを含み、前記セルシールは、前記接合フィラメントに連結されるフリットシールをさらに含むことを特徴とする。
【0008】
前記第1基板及び前記第2基板はガラスを含み、前記接合フィラメントは前記第1基板及び第2基板と同一の物質からなることが好ましい。
前記接合フィラメントの幅は、100μm以上200μm以下であることが好ましい。
前記接合フィラメントは、中心部、及び前記中心部を取り囲む周辺部を含むことが好ましい。
前記中心部の幅は20μm以上70μm以下であることが好ましい。
前記中心部と前記周辺部とは屈折率が異なることが好ましい。
前記接合フィラメントの中段の幅は、前記接合フィラメントの上段の幅及び前記接合フィラメントの下段の幅よりも大きいことが好ましい。
前記接合フィラメントは、内側接合フィラメントと外側接合フィラメントとを含むことが好ましい。
前記内側接合フィラメントと前記外側接合フィラメントとは部分的に重畳して重畳領域を形成することが好ましい。
前記重畳領域と前記内側フィラメントとは屈折率が異なることが好ましい。
前記内側接合フィラメント及び前記外側接合フィラメントの少なくとも一つは、所定の傾斜角度で延長することが好ましい。
前記内側接合フィラメントと前記外側接合フィラメントとは互いに交差することが好ましい。
前記接合フィラメントは、x軸と並行する方向に延長する第1接合フィラメント、y軸と並行する方向に延長する第2接合フィラメント、及び前記第1接合フィラメントと前記第2フィラメントとが交差する交差部を含むことが好ましい。
前記交差部の幅は、前記第1接合フィラメント及び前記第2接合フィラメントよりも大きいことが好ましい。
前記第1接合フィラメントの一端は、前記交差部から前記x軸と並行する方向に突出し、前記第2接合フィラメントの一端は、前記交差部から前記y軸と並行する方向に突出することが好ましい。
記非表示領域に配置される駆動集積回路と、前記駆動集積回路と前記表示領域とを接続する複数の導電ラインと、をさらに有し、前記フリットシールは、前記導電ラインと重畳することが好ましい。
【0009】
上記目的を達成するためになされた本発明による表示装置の製造方法は、互いに対向する第1基板及び第2基板を含むセルを含むオリジナルパネルを封止する(sealing)段階と、前記セルを封止するセルシールを形成する段階と、を有し、前記セルシールを形成する段階は、レーザーを照射することによって前記第1基板と前記第2基板とを連結する接合フィラメントを形成する段階を含み、前記セルにフリットを形成する段階をさらに有し、前記セルシールを形成する段階は、前記フリットを硬化させてフリットシールを形成する段階を含み、前記フリットシールと前記接合フィラメントとは互いに連結されることを特徴とする。
【0010】
前記レーザーは、前記第2基板から前記第1基板に向かって照射される第1サブレーザーを含み、前記第1サブレーザーの第1焦点は前記第1基板の内部に設定され、前記第1サブレーザーの焦点深さは、-100μm以上0未満であることが好ましい。
前記レーザーは、前記第1基板から前記第2基板に向かって照射される第2サブレーザーをさらに含み、前記第2サブレーザーの第2焦点は前記第2基板の内部に設定され、前記第2サブレーザーの焦点深さは0超過100μm未満であることが好ましい。
前記第1サブレーザー及び前記第2サブレーザーのいずれかは、所定の傾斜角度で照射されることが好ましい。
前記第1基板上に配置される絶縁膜を除去する段階をさらに有することが好ましい。
レーザーを照射して、前記第1基板と前記第2基板とを連結する接合フィラメントを形成する段階は、前記レーザーを第1方向に照射して第1接合フィラメントを形成する段階と、前記レーザーを第2方向に照射して第2接合フィラメントを形成する段階と、を含み、前記第1接合フィラメントと前記第2接合フィラメントとは互いに交差して交差部を形成することが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る表示装置及び表示装置の製造方法によれば、セルシールが占める面積を減らすこと、つまり、非表示領域の面積を減らすことができるという効果がある。
これにより、ナローベゼルを有する表示装置を実現することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第1の実施形態に係る表示装置の配置図である。
図2図1のI-I’線に沿って切断した断面図である。
図3図1のII-II’線に沿って切断した断面図である。
図4図1の「A」部分を拡大して示す部分拡大図である。
図5】本発明の第2の実施形態に係る表示装置の断面図である。
図6】本発明の第3の実施形態に係る表示装置の断面図である。
図7】本発明の第4の実施形態に係る表示装置の断面図である。
図8】本発明の第5の実施形態に係る表示装置の断面図である。
図9】本発明の第6の実施形態に係る表示装置の断面図である。
図10】本発明の第7の実施形態に係る表示装置の断面図である。
図11】本発明の他の実施形態に係る表示装置の配置図である。
図12】本発明のさらに他の実施形態に係る表示装置の配置図である。
図13図12のIII-III’線に沿って切断した断面図である。
図14図12のIV-IV’線に沿って切断した断面図である。
図15】本発明の一実施形態に係る表示装置の製造方法を説明するための表示装置のオリジナルパネルの配置図である。
図16】本発明の一実施形態に係る表示装置の製造方法を説明するための表示装置のオリジナルパネルの配置図である。
図17】本発明の第1の実施形態に係る表示装置の製造方法を説明するための配置図である。
図18】本発明の第1の実施形態に係る表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
図19】本発明の第2の実施形態に係る表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
図20】本発明の第4の実施形態に係る表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
図21】本発明の第6の実施形態に係る表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
図22】本発明の他の実施形態に係る表示装置の製造方法を説明するための配置図である。
図23】本発明のさらに他の実施形態に係る表示装置の製造方法を説明するための配置図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明に係る表示装置及び表示装置の製造方法を実施するための形態の具体例を図面を参照しながら説明する。
【0014】
素子(elements)または層が他の素子または層の「上(on)」にあると記載した場合は、他の素子または層の真上に存在する場合またはそれらの間に他の層または他の素子が介在している場合を全て含む。これに対し、素子が「直接上(directly on)」にあると記載された場合は、それらの間に他の素子または層が介在していないことを示す。
空間的に相対的な用語である「下(below)」、「下(beneath)」、「下部(lower)」、「上(aboveまたはon)」、「上部(upper)」などは、図示しているように、一つの素子または構成要素と他の素子または構成要素との相関関係を容易に記述するために使用できる。空間的に相対的な用語は、図に示している方向に加えて、使用の際または動作の際に素子の互いに異なる方向を含む用語として理解されるべきである。
例えば、図に示している素子を覆す場合、他の素子の「下」と記述された素子は、他の素子の「上」に配置できる。また、図面を基準に、他の素子の「左側」に位置すると記述された素子は時点によっては他の素子の「右側」に位置することもできる。よって、例示的な用語である「下」は、下方向と上方向をすべて含むことができる。素子は他の方向にも配向できる。この場合、空間的に相対的な用語は配向によって解釈できる。
たとえ「第1」、「第2」などの用語は様々な構成要素を叙述するために使用するが、これらの構成要素はこれらの用語によって限定されないのは勿論である。これらの用語は、単に一つの構成要素を他の構成要素と区別するために使用するものである。よって、以下で言及される第1構成要素は本発明の技術的思想内で第2構成要素であることもある。
単数の表現は、文脈上明白に異なる意味ではない限り、複数の表現を含む。また、「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部分品またはこれらの組み合わせが存在することを指定しようとするもので、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部分品またはこれらの組み合わせの存在または付加の可能性を予め排除しない。
明細書全体にわたって、同一または類似の部分については同一の図面符号を使用する。
【0015】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る表示装置の配置図であり、図2図1のI-I’線に沿って切断した断面図であり、図3図1のII-II’線に沿って切断した断面図であり、図4図1の「A」部分を拡大して示す部分拡大図である。
【0016】
図1図4を参照すると、本発明の第1の実施形態に係る表示装置は、第1基板100、第2基板290、及びセルシールCSを含む。
第1基板100は、一実施形態として、ガラス、石英、高分子樹脂などの物質を含むことができる。
【0017】
ここで、高分子物質は、ポリエーテルスルホン(polyethersulphone:PES)、ポリアクリレート(polyacrylate:PA)、ポリアリーレート(polyarylate:PAR)、ポリエーテルイミド(polyetherimide:PEI)、ポリエチレンナフタレート(polyethylenenapthalate:PEN)、ポリエチレンテレフタレート(polyethyleneterepthalate:PET)、ポリフェニレンサルファイド(polyphenylenesulfide:PPS)、ポリアリレート(polyallylate)、ポリイミド(polyimide:PI)、ポリカーボネート(polycarbonate:PC)、セルローストリアセテート(cellulosetriacetate:CAT)、セルロースアセテートプロピオネート(cellulose acetate propionate:CAP)、またはこれらの組み合わせであり得る。
【0018】
第1基板100は、表示領域DA及び非表示領域NDAを含む。
表示領域DAは、画像を表示する領域として定義される。
表示領域DA上には、画像を実現するための複数の画素ユニットPXが配置される。
非表示領域NDAは、表示領域DAの外側に配置され、画像を表示しない領域として定義される。
非表示領域NDAは、一実施形態として、表示領域DAを囲むように配置される。
図1では非表示領域NDAが表示領域DAを囲むものと示したが、これに限定されない。
非表示領域NDAは、他の実施形態として、表示領域DAの一側又は他側にのみ隣接するように配置されるか、或いは表示領域DAを基準に表示領域DAの一側及び両側にそれぞれ隣接するように配置され得る。
【0019】
非表示領域NDAには駆動集積回路130が配置され得る。
駆動集積回路130は、表示領域DAの駆動に必要な信号を生成して表示領域に伝達する。
駆動集積回路130と表示領域DAとの間には複数の導電ライン160が配置される。
複数の導電ライン160は、駆動集積回路130と表示領域DAとを電気的に接続する。
すなわち、駆動集積回路130で生成された信号は、複数の導電ライン160を介して表示領域DAに伝達される。
【0020】
次に、図2を参照して、本発明の第1の実施形態に係る表示装置の積層構造について説明する。
バッファ層210は第1基板100上に配置される。
バッファ層210は、第1基板100を介して外部から水分及び酸素が浸透することを防止する。
また、バッファ層210は第1基板100の表面を平坦化することができる。
バッファ層210は、一実施形態として、窒化ケイ素(SiNx)膜、酸化ケイ素(SiO)膜、酸窒化ケイ素(SiOxNy)膜のうちのいずれかを含むことができる。
バッファ層210は、第1基板100の種類又は工程条件などに応じて省略してもよい。
【0021】
半導体パターンACTを含む半導体層は、バッファ層210上に配置される。
半導体層に対して半導体パターンACTを基準に説明する。
半導体パターンACTは、一実施形態として、多結晶シリコン、単結晶シリコン、低温多結晶シリコン、アモルファスシリコン、及び酸化物半導体の中から選ばれる1つ又は2つ以上を混合して形成することができる。
半導体パターンACTは、一実施形態として、不純物がドープされていないチャネル領域ACTa、不純物がドープされたソース領域ACTb、及びドレイン領域ACTcを含む。
ソース領域ACTbは、チャネル領域ACTaの一側に位置し、後述するソース電極SEと電気的に接続される。
ドレイン領域ACTcは、チャネル領域ACTaの他側に位置し、後述するドレイン電極DEと電気的に接続される。
【0022】
第1絶縁層220は、半導体パターンACTを含む半導体層上に配置される。
第1絶縁層220は、一実施形態としてゲート絶縁層であり得る。
第1絶縁層220は、一実施形態として、酸化ケイ素(SiOx)、窒化ケイ素(SiNx)などの無機絶縁物質、BCB(Benzo Cyclo Butene)、アクリル系物質、及びポリイミドなどの有機絶縁物質よりなる群から選ばれたいずれか1種又はそれ以上の物質を混合して形成することができる。
【0023】
ゲート電極GEを含むゲート導電体は、第1絶縁層220上に配置される。
ゲート電極GEは、半導体パターンACTと重畳する。
ゲート導電体は、例えば、アルミニウム合金を含むアルミニウム(Al)系金属、銀合金を含む銀(Ag)系金属、銅合金を含む銅(Cu)系金属、モリブデン合金を含むモリブデン(Mo)系金属、クロム(Cr)、チタン(Ti)、及びタンタル(Ta)の少なくとも1種を含むことができる。
【0024】
第2絶縁層230は、ゲート電極GEを含むゲート導電体上に配置される。
第2絶縁層230は、酸化ケイ素(SiOx)、窒化ケイ素(SiNx)などの無機絶縁物質、BCB(Benzo Cyclo Butene)、アクリル系物質、及びポリイミドなどの有機絶縁物質よりなる群から選ばれたいずれか1種又はそれ以上の物質を混合して形成することができる。
【0025】
ソース電極SE及びドレイン電極DEを含むデータ導電体は、第2絶縁層230上に配置される。
ソース電極SE及びドレイン電極DEは、第2絶縁層230上に互いに離隔して配置される。
データ導電体は、金属、合金、金属窒化物、導電性金属酸化物、及び透明導電性物質よりなる群から選ばれた1種以上を含むことができる。
データ導電体は、一実施形態として、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、チタン(Ti)、銀(Ag)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、ベリリウム(Be)、ニオブ(Nb)、金(Au)、鉄(Fe)、セレン(Se)、又はタンタル(Ta)などよりなる単一膜又は多重膜構造を有することができる。
また、金属にチタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、タングステン(W)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、白金(Pt)、ハフニウム(Hf)、酸素(O)、及び窒素(N)よりなる群から選ばれた1種以上の元素を含ませて形成した合金が、ソース電極SE及びドレイン電極DEの材料として使用できる。
【0026】
上述した半導体パターンACT、ゲート電極GE、ソース電極SE、及びドレイン電極DEは、スイッチング素子TR2を構成する。
図2ではスイッチング素子TR2がトップゲート方式であるように示したが、これに限定されない。
すなわち、スイッチング素子TR2はボトムゲート方式で形成されてもよい。
【0027】
平坦化層240は、データ導電体上に配置される。
平坦化層240は、段差を除去することにより、後述する画素電極250及び有機発光層270の発光効率を高めることができる。
平坦化層240は、一実施形態として有機物質を含む。
例えば、平坦化層240は、ポリイミド(polyimide)、ポリアクリル(polyacryl)、及びポリシロキサン(polysiloxane)の中から選ばれた少なくとも1種を含んで構成できる。
他の実施形態として、平坦化層240は、無機物質を含んで構成されてもよく、無機物質及び有機物質の複合形態で構成されてもよい。
平坦化層240には、ドレイン電極DEの少なくとも一部を露出させる第1コンタクトホールCNT1が形成される。
【0028】
画素電極250は、平坦化層240上に配置される。
画素電極250は、第1コンタクトホールCNT1によって露出したドレイン電極DEと電気的に接続する。
すなわち、画素電極250は正孔注入電極としてのアノード(anode)であり得る。
画素電極250がアノード電極である場合には、画素電極250は、容易な正孔注入のために仕事関数の高い物質を含むことができる。
また、画素電極250は、反射型電極、半透過型電極、又は透過型電極であり得る。
画素電極250は、一実施形態として反射性材料を含むことができる。
反射性材料は、一実施形態として、銀(Ag)、マグネシウム(Mg)、クロム(Cr)、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、アルミニウム-リチウム(Al-Li)、マグネシウム-インジウム(Mg-In)、及びマグネシウム-銀(Mg-Ag)よりなる群から選ばれた少なくとも1種を含むことができる。
【0029】
画素電極250は、一実施形態として単一膜で形成できるが、これに限定されるものではない。
すなわち、画素電極250は、2種以上の物質が積層された多重膜で形成されてもよい。
画素電極250が多重膜で形成される場合、画素電極250は、一実施形態として、反射膜、及び反射膜上に配置される透明又は半透明電極を含む。
他の実施形態として、画素電極250は、反射膜、及び反射膜の下部に配置される透明又は半透明電極を含むことができる。
例えば、画素電極250は、ITO/Ag/ITOの3層構造を持つことができるが、これに限定されるものではない。
ここで、透明又は半透明電極は、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、ZnO(Zinc Oxide)、In(Indium Oxide)、IGO(Indium Gallium Oxide)、及びAZO(Aluminum Zinc Oxide)よりなる群から選ばれた少なくとも1種を含んで構成できる。
【0030】
画素定義膜260は画素電極250上に配置される。
画素定義膜260は、画素電極250の少なくとも一部を露出させる開口部を含む。
画素定義膜260は、有機物質又は無機物質を含むことができる。
一実施形態として、画素定義膜260は、フォトレジスト、ポリイミド系樹脂、アクリル系樹脂、シリコン化合物、ポリアクリル系樹脂などの材料を含むことができる。
【0031】
有機発光層270は、画素電極250及び画素定義膜260上に配置される。
より詳細には、有機発光層270は、画素電極250のうちの画素定義膜260の開口部を介して露出する領域上に配置される。
有機発光層270は、一実施形態として、画素定義膜260の側壁の少なくとも一部を覆う。
有機発光層270は、一実施形態として、赤、青、及び緑のうちのいずれかの色を発光する。
他の実施形態として、有機発光層270は、白色を発光するか、或いはシアン(cyan)、マゼンタ(magenta)、及びイエロー(yellow)のうちのいずれかの色を発光することもできる。
有機発光層270が白色を発光する場合には、有機発光層270は、白色発光材料を含むか、或いは、赤色発光層、緑色発光層、および青色発光層が積層された形態を有することにより、白色を発光することもできる。
【0032】
共通電極280は、有機発光層270及び画素定義膜260上に配置される。
共通電極280は、一実施形態として、有機発光層270及び画素定義膜260上に全面的に形成される。
共通電極280は、一実施形態として、カソード(cathode)電極であり得る。
共通電極280は、一実施形態として、Li、Ca、Lif/Ca、LiF/Al、Al、Ag、Mgよりなる群から選ばれた少なくとも1種を含むことができる。
また、共通電極280は、仕事関数の低い材料からなり得る。
共通電極280は、一実施形態として、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、ZnO(Zinc Oxide)、 In(Indium Oxide)、IGO(Indium Gallium Oxide)、及びAZO(Aluminum Zinc Oxide)よりなる群から選ばれた少なくとも1種を含む透明又は半透明電極であり得る。
【0033】
上述した画素電極250、有機発光層270、及び共通電極280は有機発光素子(OLED)を構成する。
但し、これに限定されるものではなく、有機発光素子(OLED)は、正孔注入層HIL、正孔輸送層HTL、電子輸送層ETL、及び電子注入層EILなどをさらに含む多層構造であり得る。
【0034】
第2基板290は、セルシールCSを介して第1基板100と結合する。
セルシールCSについては詳細に後述する。
第2基板290は、一実施形態として、透明絶縁基板であり得る。
第2基板290が透明絶縁基板である場合には、透明絶縁基板はガラス基板、石英基板、透明樹脂基板などであり得る。
【0035】
次に、再び図1を参照して、本発明の第1の実施形態に係る表示装置のセルシールCSについて説明する。
セルシールCSは、第1基板100と第2基板290とを結合させる。
セルシールCSは、非表示領域NDAに配置される。
また、セルシールCSは、表示領域DAの外周を囲むように配置される。
これにより、表示領域DAは、第1基板100、第2基板290及びセルシールCSによって密封できる。
セルシールCSは、表示領域DAを密閉させる機能をするもので、このために平面上で閉じた図形の形状(closed shape)を有することができる。
図1は、セルシールCSが中空部を持つ額縁形状を有するものとして例示するが、セルシールCSが持つ閉じた図形の形状(closed shape)はこれに制限されるものではない。
一実施形態として、セルシールCSは接合フィラメントBFからなってもよい。
【0036】
次に、図3を参照して、接合フィラメントBFを含む非表示領域NDAの積層構造について説明する。
第1基板100上には少なくとも一つの絶縁膜が配置される。
一実施形態において、絶縁膜は、第1絶縁膜ILD1、第2絶縁膜ILD2、及び第3絶縁膜ILD3を含む。
一実施形態において、第1絶縁膜ILD1は、表示領域DAのバッファ層210と同一の物質からなってもよい。
すなわち、第1絶縁膜ILD1とバッファ層210とは同一の工程で同時に形成できる。
但し、これは例示的なものであり、第1絶縁膜ILD1とバッファ層210の製造方法はこれに限定されない。
【0037】
一実施形態において、第2絶縁膜ILD2は、表示領域DAの第1絶縁層220と同一の物質からなってもよい。
すなわち、第2絶縁膜ILD2と第1絶縁層220とは同一の工程で同時に形成できる。
一実施形態において、第3絶縁膜ILD3は、表示領域DAの第2絶縁層230と同一の物質からなってもよい。
すなわち、第3絶縁膜ILD3と第2絶縁層230とは同一の工程で同時に形成できる。
図3は、非表示領域NDAに3つの層の絶縁膜が形成される場合を示しているが、絶縁膜の個数はこれに制限されない。
他の実施形態において、非表示領域NDA上には、第1絶縁膜ILD1、第2絶縁膜ILD2、及び第3絶縁膜ILD3の中から選ばれた少なくとも1種の絶縁膜が形成できる。
【0038】
接合フィラメントBFは、第1基板100と第2基板290との間に配置される。
接合フィラメントBFは、第1基板100と第2基板290とを直接連結する。
言い換えれば、接合フィラメントBPは、第1基板100と第2基板290とを物理的に連結する。
一実施形態において、第1基板100及び/又は第2基板290は、ガラスから構成される。
この場合、接合フィラメントBFは、第1基板100及び/又は第2基板290をなすガラスと同一の物質から構成される。
【0039】
一実施形態において、接合フィラメントBFの幅w1は、100μm以上200μm以下であり得る。
接合フィラメントBFの幅w1は、既存のフリットを含むシーリング部材が占める幅に比べて著しく小さい。
よって、フリットを接合フィラメントBFに置き換えた場合、非表示領域NDAの面積を減らすことができ、これにより、ナローベゼルを有する表示装置を実現することができる。
【0040】
接合フィラメントBFは、断面上でz軸と並行する方向に延長することができる(厚さg)。
一実施形態において、接合フィラメントBFは、中心部Cと周辺部Pを含む。
周辺部Pは、中心部Cを包み込むように配置される。
すなわち、図4に示すように、平面上で中心部Cの両側には周辺部Pが配置される。
周辺部Pと中心部Cは、互いに異なる温度で溶融された後に固まる。
これにより、周辺部Pと中心部Cとは、互いに異なる屈折率を有することができる。
その結果、周辺部Pと中心部Cは平面上で図4のように視認できる。
すなわち、工程温度の差によって、周辺部Pと中心部Cとは互いに異なる光学的特徴を有し、これにより、周辺部Pと中心部Cとは互いに区別されて視認できる。
【0041】
一実施形態において、中心部Cの幅s1は、20μm以上70μm以下であり得る。
一実施形態において、接合フィラメントBFの厚さgは、4μm以上20μm以下であり得る。
一実施形態において、第1基板100と第2基板290のセルギャップ(cell gap)は20μm以下であり得る。
これにより、接合フィラメントBFは、第1基板100と第2基板290のセルギャップを克服し、第1基板100と第2基板290とを連結することができる。
【0042】
一実施形態において、接合フィラメントBFは、絶縁膜と接触する。
一実施形態において、接合フィラメントBFは、第1基板100から成長して複数の絶縁膜を貫通する。
すなわち、接合フィラメントBFは、第1絶縁膜ILD1、第2絶縁膜ILD2、及び第3絶縁膜ILD3を貫通する。
この場合、接合フィラメントBFの側面は、複数の絶縁膜のうちの少なくとも一つと接触する。
【0043】
以下、本発明の他の実施形態に係る表示装置について説明する。
以下で説明する構成の一部は、上述の本発明の第1の実施形態に係る表示装置で説明した構成と実質的に同一であり、重複説明を回避するために一部の構成についての説明は省略する。
図5は、本発明の第2の実施形態に係る表示装置の断面図である。
図5を参照すると、本発明の第2の実施形態において、接合フィラメントBFは絶縁膜と離隔する。
一実施形態において、接合フィラメントBFは、第1絶縁膜ILD1、第2絶縁膜ILD2、及び第3絶縁膜ILD3と離隔する。
これは、後述するように、複数の絶縁膜を除去し、接合フィラメントBFを形成する製造方法に起因した構造であり得る。
複数の絶縁膜は、接合フィラメントBFを形成する過程で発生する熱によって損傷する可能性があるが、このように絶縁膜と接合フィラメントBFとを離隔する場合、絶縁膜が接合フィラメントBFによって損傷するのを防止することができる。
【0044】
図6は、本発明の第3の実施形態に係る表示装置の断面図である。
図6を参照すると、本発明の第3の実施形態に係る表示装置において、接合フィラメント(BF_R)は、上段311、下段313及び中段312の幅が互いに異なる。
一実施形態において、接合フィラメント(BF_R)は、上段311、下段313、及び中段312を含む。
上段311は、接合フィラメント(BF_R)が第2基板290と連結される部分であり、下段313は接合フィラメント(BF_R)が第1基板100と連結される部分である。
中段312は、上段311と下段313との間に配置される。
【0045】
中段312は、上段311と下段313との間で接合フィラメント(BF_R)が最大幅を有する部分である。
一実施形態において、中段312の幅w4は、60μm乃至200μmであり得る。
上段311の幅w2と下段313の幅w3は、中段312の幅w4に比べて小さい。
すなわち、接合フィラメント(BF_R)は、断面的に中央から両端に行くほど幅が狭くなる形状を有する。
一実施形態において、上段311の幅w2は、下段313の幅w3よりも大きい。
これは、後述する製造方法において、レーザーの焦点に隣接する部分の幅が焦点から遠く離れた部分の幅よりも相対的に小さいことに起因する。
すなわち、このような幅の違いは、下段313に隣接した第1基板100の内部にレーザーの焦点が配置されて接合フィラメント(BF_R)を形成する方法に起因する。
【0046】
図7は本発明の第4の実施形態に係る表示装置の断面図である。
図7を参照すると、本発明の第4の実施形態において、接合フィラメントは、外側接合フィラメント(BF_O)と内側接合フィラメント(BF_I)を含む。
内側接合フィラメント(BF_I)は、下段が表示領域DAと相対的に近い接合フィラメントを意味し、外側接合フィラメント(BF_O)は、下段が表示領域DAから相対的に遠い接合フィラメントを意味する。
一実施形態において、外側接合フィラメント(BF_O)と内側接合フィラメント(BF_I)とは互いに離隔する。
外側接合フィラメント(BF_O)は中心部COと周辺部POを含む。
内側接合フィラメント(BF_I)も、これと同様に、中心部CIと周辺部PIを含む。
【0047】
外側接合フィラメント(BF_O)及び内側接合フィラメント(BF_I)は、上述した本発明の幾つかの実施形態に係る表示装置で説明した接合フィラメントと実質的に同一である。
すなわち、外側接合フィラメント(BF_O)の中心部COと周辺部PO及び内側接合フィラメント(BF_I)の中心部CIと周辺部PIは、上述した図3及び図4などで説明したのと実質的に同一である。
一実施形態において、外側接合フィラメント(BF_O)と内側接合フィラメント(BF_I)は並行した方向に延長される。
すなわち、図7に示すように、外側接合フィラメント(BF_O)と内側接合フィラメント(BF_I)は、z軸と並行した方向に平行に延長される。
【0048】
図8は、本発明の第5の実施形態に係る表示装置の断面図である。
図8を参照すると、本発明の第5の実施形態において、外側接合フィラメント(BF_O)と内側接合フィラメント(BF_I)とは少なくとも部分的に重畳する。
具体的には、外側接合フィラメント(BF_O)の周辺部POと内側接合フィラメント(BF_I)の周辺部PIとが互いに重畳して重畳領域OAを形成する。
重畳領域OAは、外側接合フィラメント(BF_O)の周辺部PO及び内側接合フィラメント(BF_I)の周辺部PIとは光学的特徴が異なり得る。
例えば、重畳領域OAの屈折率は、外側接合フィラメント(BF_O)の周辺部PO及び内側接合フィラメント(BF_I)の周辺部PIの屈折率と異なる。
これにより、重畳領域OAは、外側接合フィラメント(BF_O)の周辺部PO及び内側接合フィラメント(BF_I)の周辺部PIと区別されて視認できる。
【0049】
図9は、本発明の第6の実施形態に係る表示装置の断面図である。
図9を参照すると、本発明の第6の実施形態において、外側接合フィラメント(BF_O)と内側接合フィラメント(BF_I)のうちのいずれかは所定の角度傾斜して延長する。
図9は、内側接合フィラメント(BF_I)が傾斜した場合を例示する。
これは、後述する製造方法で説明するように、フェムト秒レーザーを所定の角度傾斜させて照射することに起因する。
内側接合フィラメント(BF_I)は、z軸と所定の角度(例えば、鋭角)を成して傾斜する。
内側接合フィラメント(BF_I)が傾斜すると、内側接合フィラメント(BF_I)の上段は内側接合フィラメント(BF_I)の下段に比べて相対的に外側に配置される。
言い換えれば、内側接合フィラメント(BF_I)の上段は、下段に比べて相対的に外側接合フィラメント(BF_O)の近くに配置される。
【0050】
図10は本発明の第7の実施形態に係る表示装置の断面図である。
図10を参照すると、本発明の第7の実施形態において、内側接合フィラメント(BF_I)と外側接合フィラメント(BF_O)とは互いに交差するように延長する。
この場合、内側接合フィラメント(BF_I)の中心部CIと外側接合フィラメント(BF_O)の中心部COとが互いに交差して重畳する。
また、これにより、内側接合フィラメント(BF_I)の周辺部PIと外側接合フィラメント(BF_O)の周辺部POとも互いに交差して重畳する。
内側接合フィラメント(BF_I)と外側接合フィラメント(BF_O)とは互いに交差して断面上で「X」字形状を成すことができる。
すなわち、内側接合フィラメント(BF_I)の上段は外側接合フィラメント(BF_O)の上段の外側に配置され得る。
【0051】
内側接合フィラメント(BF_I)と外側接合フィラメント(BF_O)とは互いに交差する部分で重畳領域OA1が形成される。
重畳領域OA1は、内側接合フィラメント(BF_I)及び外側接合フィラメント(BF_O)とは異なる光学的特性(例えば、屈折率)を有し得る。
これにより、重畳領域OA1は、内側接合フィラメント(BF_I)及び外側接合フィラメント(BF_O)と区別されて視認できる。
内側接合フィラメント(BF_I)と外側接合フィラメント(BF_O)とが互いに交差する場合には、第1基板100と第2基板290とがさらに堅固に結合できる。
【0052】
図11は本発明の他の実施形態に係る表示装置の配置図である。
図11を参照すると、本発明の他の実施形態において、セルシールCS1は、互いに交差する第1接合フィラメントBF1、第2接合フィラメントBF2、第3接合フィラメントBF3及び第4接合フィラメントBF4を含む。
説明の便宜のために、非表示領域NDAを区分して指称する。
非表示領域NDAは、図11において、表示領域DAの上側に配置される上側非表示領域(NDA_T)、表示領域DAの下側に配置される下側非表示領域(NDA_B)、表示領域DAの左側に配置される左側非表示領域(NDA_L)、及び表示領域DAの右側に配置される右側非表示領域(NDA_R)を含む。
下側非表示領域NDAには、上述した説明したように、駆動集積回路130及び複数の導電ライン160が形成される。
また、非表示領域NDAは、四つのコーナー部に配置される第1コーナー非表示領域(NDA_C1)、第2コーナー非表示領域(NDA_C2)、第3コーナー非表示領域(NDA_C3)、及び第4コーナー非表示領域(NDA_C4)を含む。
【0053】
一実施形態において、第1接合フィラメントBF1と第3接合フィラメントBF3は、x軸と並行する方向に延長される。
すなわち、平面上における第1接合フィラメントBF1と第3接合フィラメントBF3は、x軸と並行した方向に延長されたバー(bar)形状を有する。
第1接合フィラメントBF1は、第1コーナー非表示領域(NDA_C1)、上側非表示領域(NDA_T)及び第2コーナー非表示領域(NDA_C2)にわたって配置され、第3接合フィラメントBF3は、第3コーナー非表示領域(NDA_C3)、下側非表示領域(NDA_B)、及び第4コーナー非表示領域(NDA_C4)にわたって配置される。
【0054】
一実施形態において、第2接合フィラメントBF2及び第4接合フィラメントBF4はy軸と並行する方向に延長される。
すなわち、平面上における第2接合フィラメントBF2と第4接合フィラメントBF4はy軸と並行する方向に延長されたバー(bar)形状を有する。
一実施形態において、第2接合フィラメントBF2は、第2コーナー非表示領域(NDA_C2)、右側非表示領域(NDA_R)、及び第3コーナー非表示領域(NDA_C3)にわたって配置され、第4接合フィラメントBF4は、第4コーナー非表示領域(NDA_C4)、左側非表示領域(NDA_L)、及び第1コーナー非表示領域(NDA_C1)にわたって配置される。
【0055】
一実施形態において、セルシールCS1は、第1接合フィラメントBF1と第4接合フィラメントBF4とが交差して形成する第1交差部410、第1接合フィラメントBF1と第2接合フィラメントBF2とが交差して形成する第2交差部420、第2接合フィラメントBF2と第3接合フィラメントBF3とが交差して形成する第3交差部430、及び第3接合フィラメントBF3と第4接合フィラメントBF4とが交差して形成する第4交差部440を含む。
第1交差部410は第1コーナー非表示領域(NDA_C1)に配置され、第2交差部420は第2コーナー非表示領域(NDA_C2)に配置され、第3交差部430は第3コーナー非表示領域(NDA_C3)に配置され、第4交差部440は第4コーナー非表示領域(NDA_C4)に配置される。
【0056】
第1交差部410、第2交差部420、第3交差部430、及び第4交差部440は、実質的に同一の形状を有することができる。
よって、以下では第1交差部410について説明する。
第1交差部410についての説明は、第2交差部420、第3交差部430、及び第4交差部440にもそのまま適用できる。
第1交差部410の幅c1は、第1接合フィラメントBF1の幅f1及び第4接合フィラメントBF4の幅f4よりも大きくし得る。
すなわち、第1交差部410において、第1接合フィラメントBF1と第4接合フィラメントBF4とは互いに交差して拡張し得る。
平面上で、第1交差部410の外周は少なくとも部分的に曲線を含むことができる。
【0057】
第1接合フィラメントBF1の一端と第4接合フィラメントBF4の一端は、第1交差部410から所定の同じ長さで突出し得る。
第1接合フィラメントBF1の一端の突出方向と第4接合フィラメントBF4の一端の突出方向とは互いに異なる。
一実施形態において、第1接合フィラメントBF1の一端はx軸と並行する方向に延長し、第4接合フィラメントBF1の一端はy軸と並行する方向に延長する。
このような突出形状は、第2交差部420、第3交差部430、及び第4交差部440においても同一であり得る。
これにより、セルシールCS1は平面上で「#」形状を有することができる。
【0058】
図12は、本発明のさらに他の実施形態に係る表示装置の配置図であり、図13は、図12のIII-III’線に沿って切断した断面図であり、図14は、図12のIV-IV’線に沿って切断した断面図である。
図12を参照すると、本発明のさらに他の実施形態において、セルシールCS2は接合フィラメントBF5とフリットシールSLPを含むことができる。
一実施形態において、フリットシールSLPは、表示領域DAと駆動集積回路130との間に配置される。
フリットシールSLPは、複数のフリット(frit)を含むことができる。
言い換えれば、フリットシールSLPは、複数のフリット(frit)を溶かして形成した結果物であり得る。
【0059】
フリットシールSLPは、x軸と並行する方向に延長される。
具体的には、フリットシールSLPは、第4コーナー非表示領域(NDA_C4)、下側非表示領域(NDA_B)、及び第3コーナー非表示領域(NDA_C3)にわたって配置される。
フリットシールSLPは、導電ライン160を横切る。
すなわち、フリットシールSLPは、導電ライン160と少なくとも部分的に重畳できる。
フリットシールSLPの両端は、接合フィラメントBF5に連結される。
一実施形態において、フリットシールSLPと接合フィラメントBF5とは、第3コーナー非表示領域(NDA_C3)及び第4コーナー非表示領域(NDA_C4)で接触する。
ただし、これに限定されるものではなく、他の実施形態において、フリットシールSLPと接合フィラメントBF5とは下側非表示領域(NDA_B)で接触することもできる。
【0060】
フリットシールSLPと接合フィラメントBF5とが閉曲線を成すことにより、表示領域DAを密封することができる。
すなわち、図14に示すように、接合フィラメントBF5の一側はフリットシールSLPと接触する。
図12は、接合フィラメントBF5が連続的に形成されることを例示したが、これに制限されるものではない。
接合フィラメントBF5は、図11に示すように、一方向に延長する複数の接合フィラメントを含むこともできる。
それぞれの接合フィラメントは断続的に形成されて互いに連結できる。
すなわち、一実施形態に係る表示装置は、図11の実施形態において、第3接合フィラメントBF3をフリットシールSLPに置き換えた構造を持つことができる。
【0061】
図13を参照すると、フリットシールSLPは絶縁膜上に配置される。
図13は、フリットシールSLPが、第1絶縁膜ILD1、第2絶縁膜ILD2、及び第3絶縁膜ILD3と重畳することを例示する。
しかし、これは例示的なものであり、フリットシールSLPが重畳する絶縁膜の数はこれに制限されるものではない。
すなわち、フリットシールSLPは少なくとも一つの絶縁膜と重畳するように配置できる。
フリットシールSLPは、第1基板100と第2基板290とを結合する役目をすることができる。
接合フィラメントを形成する工程温度は、フリットシールを形成する工程温度に比べて相対的に高い。
すなわち、導電ラインがある箇所に接合フィラメントを形成すると、高温によって導電ラインが損傷するおそれがある。
このように導電ラインと重畳する箇所ではフリットシールを利用し、残りの部分では接合フィラメントを利用する場合、ナローベゼルを実現しながらも、導電ラインが熱によって損傷するのを防止することができる。
【0062】
以下、本発明の幾つかの実施形態に係る表示装置の製造方法について説明する。
以下で説明する構成の一部は上述した本発明の幾つかの実施形態に係る有機発光表示装置の構成と同一であり、重複説明を回避するために一部の構成についての説明は省略する。
図15、16は、本発明の一実施形態に係る表示装置の製造方法を説明するための表示装置のオリジナルパネルの配置図である。
【0063】
図15及び図16を参照すると、本発明の一実施形態に係る表示装置の製造方法は、互いに対向する第1基板100及び第2基板290を含むセルCEを含むオリジナルパネルOSを封止(seal)する段階と、セルCEを封止するセルシールCSを形成する段階とを含み、セルシールCSを形成する段階は、レーザーを照射して、第1基板100と第2基板290とを連結する接合フィラメントBFを形成する段階を含む。
【0064】
まず、オリジナルパネルOSは、対向する上部基板(図示せず)と下部基板(図示せず)を含む。
すなわち、上記にて説明した本発明の幾つかの実施形態に係る表示装置の第1基板100は、オリジナルパネルOSの下部基板の一部であり、第2基板290はオリジナルパネルOSの上部基板の一部であり得る。
オリジナルパネルOSは複数のセルCEを含む。
一つのセルCEは、上記にて説明した本発明の幾つかの実施形態に係る表示装置をなすことができる。
複数のセルCEは、複数の列と複数の行を有するマトリックス状に配置する。
【0065】
複数のセルCEの外郭には、オリジナルパネルOSの縁に沿ってシーリング部材S1が配置する。
すなわち、シーリング部材S1を硬化させることにより、オリジナルパネルOSを封止する。
オリジナルパネルOSが封止されると、複数のセルCEは密封され、これにより、外部からの酸素や水分の浸透を防止することができる。
【0066】
次に、図16を参照すると、セルCEをシールするセルシールCSを形成する段階が実行される。
セルシールCSは、上述した本発明の幾つかの実施形態に係る表示装置で説明したのと実質的に同一であり得る。
セルシールCSを形成する段階は、第1サブレーザーL1を照射して、第1基板100と第2基板290とを連結する接合フィラメントBFを形成する段階を含む。
【0067】
図17及び図18を参照すると、第1サブレーザーL1を照射して、第1基板100と第2基板290とを連結する接合フィラメントBFを形成する段階について具体的に説明する。
図17は、本発明の第1の実施形態に係る表示装置の製造方法を説明するための配置図であり、図18は、本発明の第1の実施形態に係る表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
図17を参照すると、本発明の第1の実施形態において、第1サブレーザーL1を照射する段階は、第1サブレーザーL1を連続的に照射して、閉じた図形形状のセルシールCSを形成する段階を含む。
一実施形態において、第1サブレーザーL1はフェムト秒レーザーであり得る。
本明細書において、フェムト秒レーザーとは、パルス幅が200フェムト秒以上500フェムト秒以下であるレーザーを意味する。
【0068】
一実施形態において、第1サブレーザーL1は連続的に照射する。
すなわち、図17に示すように、第1サブレーザーL1の照射は、開始点SPから開始し、表示領域DAの外周に沿って進行して開始点SPで終わることができる({1}の矢印参照)。
これにより、閉じた図形形状を有するセルシールCSが形成する。
セルシールCSの形状は、上述した本発明の幾つかの実施形態に係る表示装置で説明したのと同一であり得る。
【0069】
図18を参照すると、第1サブレーザーL1は、第2基板290の上部から第1基板100に向かって照射する。
第1サブレーザーL1の焦点F1は第1基板100の内部に設定される。
説明の便宜のために、焦点深さ(depth of focus)の基準を設定する。
第1基板100の上面は、焦点深さが「0」である箇所と定義する。
また、第1基板100の内部において、第1基板100の上面からの距離が「z」である箇所の焦点深さを「-z」と定義する。
一実施形態において、第1サブレーザーL1の焦点深さは-100μm以上0未満であり得る。
【0070】
第1サブレーザーL1の焦点深さが-100μm以上0未満である場合には、第1サブレーザーL1が照射されると、第1焦点F1を中心に高エネルギーが提供される。
提供されたエネルギーは第1基板100及び第2基板290をプラズマ化する。
プラズマ化された第1基板100及び第2基板290の一部は溶融して成長する。
すなわち、第2基板290の一部は溶融されてz軸の負の方向に成長し、第1基板100の一部はz軸の正の方向に成長して互いに出会う。
つまり、両者が互いに出会って接合フィラメントBFの中心部C(図3参照)を形成する。
【0071】
プラズマ化された中心部Cの周囲には熱が発生し、この熱は中心部Cの周りを溶融させる。
これにより、中心部Cを囲むように接合フィラメントBFの周辺部Pが形成される。
接合フィラメントBFの周辺部Pも、中心部Cと同様に、第1基板100と第2基板290とを連結することができる。
ただし、周辺部Pと中心部Cの溶融温度が互いに異なるため、両者の光学的特性は互いに異なり得る。
例えば、周辺部Pと中心部Cの屈折率は互いに異なり、これにより、周辺部Pと中心部Cとが互いに区別されて視認できる。
形成された接合フィラメントBFの具体的形状は、上述した本発明の幾つかの実施形態に係る表示装置で説明したのと実質的に同一なので、これについての詳細な説明は省略する。
【0072】
以下、本発明の第2の実施形態に係る表示装置の製造方法について説明する。
図19は本発明の第2の実施形態に係る表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
図19を参照すると、本発明の第2の実施形態に係る表示装置の製造方法は、第1基板100上に形成された絶縁膜を除去する段階をさらに含む。
一実施形態において、第1サブレーザーL1を照射する段階の前に、第1基板100上に形成された絶縁膜を少なくとも部分的に除去する段階が行われる。
上記で説明したように、第1サブレーザーL1は高温を誘発し、これにより、第1焦点F1の近くにある構成に熱ダメージを加える可能性がある。
よって、図19の如く、第1基板100上に形成された絶縁膜(ILD1、ILD2、ILD3)の一部を除去してこれを防止することができる。
この場合、第1焦点F1は、第1基板100上に形成された絶縁膜と重畳しないことが好ましい。
絶縁膜を除去し、第1サブレーザーL1を照射する場合、絶縁膜が熱により損傷するのを防止することができる。
【0073】
図20は、本発明の第4の実施形態に係る表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
図20を参照すると、レーザーを照射して、第1基板100と第2基板290とを連結する接合フィラメントBFを形成する段階は、第2基板290の上部から第1基板100へ第1サブレーザーL1を照射する段階と、第1基板100の下部から第2基板290へ第2サブレーザーL2を照射する段階とを含む。
第1サブレーザーL1は、前述の図19で説明したのと実質的に同一であり得る。
第2サブレーザーL2は第2サブレーザーソースSO2から提供される。
第2サブレーザーL2は、第1サブレーザーL1と同一のフェムト秒レーザーであり得る。
第2サブレーザーL2は、第1基板100の下部から第2基板290に向かって照射する。
すなわち、第2サブレーザーL2の第2焦点F2は第2基板290の内部に設定する。
【0074】
説明の便宜のために、焦点深さ(depth of focus)の基準を設定する。
第2基板290の上面は、焦点深さが「0」である箇所と定義する。
また、第2基板290の内部において、第2基板290の下面からの距離が「z」である箇所の焦点深さを「+z」と定義する。
一実施形態において、第2サブレーザーL2の焦点深さは0超過100μm未満であり得る。
第2サブレーザーL2の焦点深さが、0超過100μm未満である場合、第2サブレーザーL2が照射されると、第2焦点F2を中心に高エネルギーが提供される。
提供されたエネルギーは、第1基板100及び第2基板290をプラズマ化する。
プラズマ化された第1基板100及び第2基板290の一部は溶融して成長する。
すなわち、第2基板290の一部は溶融されてz軸の負の方向に成長し、第1基板100の一部はz軸の正の方向に成長して互いに出会う。
つまり、両者が互いに出会って接合フィラメントBFの中心部Cを形成する(図3参照)。
【0075】
プラズマ化された中心部Cの周囲には熱が発生し、この熱は中心部Cの周りを溶融させる。
これにより、中心部Cを囲むように接合フィラメントBFの周辺部Pが形成される。
接合フィラメントBFの周辺部Pも、中心部Cと同様に、第1基板100と第2基板290とを連結する。
ただし、周辺部Pと中心部Cの溶融温度が互いに異なるので、両者の光学的特性は互いに異なり得る。
例えば、周辺部Pと中心部Cの屈折率は互いに異なり、これにより、周辺部Pと中心部Cとが互いに区別されて視認できる。
第1焦点F1は、第2焦点F2に比べて相対的に内側に形成される。
【0076】
これにより、第1サブレーザーL1によって外側接合フィラメント(BF_O)が形成され、第2サブレーザーL2によって内側接合フィラメント(BF_I)が形成される。
一実施形態において、第1サブレーザーソースSO1と第2サブレーザーソースSO2は、互いに別個のものとして独立して駆動できる。
他の実施形態において、第1サブレーザーソースSO1と第2サブレーザーソースSO2は、一つのレーザーソースをビームスプリッタ(図示せず)を用いて分離して形成することができる。
すなわち、レーザーソースによって提供された1本のレーザーがビームスプリッタによって分離され、第1サブレーザーL1及び第2サブレーザーL2をなすこともできる。
【0077】
図20の第4の実施形態に係る表示装置の製造方法の結果物は、前述の図7で説明した表示装置と実質的に同一である。
他の実施形態において、第1焦点F1と第2焦点F2とを互いに近接させることができる。
第1焦点F1と第2焦点F2とを互いに近接させる場合、図8で説明したように、内側接合フィラメント(BF_I)と外側接合フィラメント(BF_O)とが互いに重畳して重畳領域OAを形成することができる。
【0078】
図21は、本発明の第6の実施形態に係る表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
図21を参照すると、第1サブレーザーL1及び/又は第2サブレーザーL2は所定の角度傾斜させて照射する。
図21では、第2サブレーザーL2をz軸方向から第1角度θ1傾斜させて照射する場合を例示する。
第1角θ1は例えば鋭角であり得る。
図21の第6の実施形態の結果物は、図9で説明した表示装置と実質的に同一である。
【0079】
図22は、本発明の他の実施形態に係る表示装置の製造方法を説明するための配置図である。
図22を参照すると、一実施形態において、レーザーを照射して、第1基板100と第2基板290とを連結する接合フィラメントBFを形成する段階は、レーザーを断続的に照射する段階を含む。
一実施形態において、図17とは異なり、レーザーは断続的に形成する。
これにより、形成される接合フィラメントは複数であり、複数の接合フィラメントは、 図17に示すように、第1接合フィラメントBF1、第2接合フィラメントBF2、第3接合フィラメントBF3、及び第4接合フィラメントBF4を含む。
【0080】
まず、レーザーをx軸と並んだ方向に照射して第1接合フィラメントBF1及び第3接合フィラメントBF3を形成する({2}及び{(4)}矢印を参照)。
第1接合フィラメントBF1及び第3接合フィラメントBF3の形成は、二つのレーザーソースを稼動して同時に行われてもよく、一つのレーザーソースを稼動して順次行われてもよい。
次いで、レーザーをy軸と並んだ方向に照射して第2接合フィラメントBF2及び第4接合フィラメントBF4を形成する({3}及び{5}矢印を参照)。
第2接合フィラメントBF2及び第4接合フィラメントBF4の形成は、二つのレーザーソースを稼動して同時に行われてもよく、一つのレーザーソースを稼動して順次行われてもよい。
【0081】
説明の便宜のために、第1接合フィラメントBF1及び第3接合フィラメントBF3を先に形成し、第2接合フィラメントBF2及び第4接合フィラメントBF4を後で形成するものと例示したが、順序はこれらに限定されない。
すなわち、他の実施形態において、第2接合フィラメントBF2及び第4接合フィラメントBF4を先に形成し、第1接合フィラメントBF1及び第3接合フィラメントBF3を後で形成することもできる。
x軸方向と並行した方向に照射されるレーザーの経路と、y軸方向と並行した方向に照射されるレーザーの経路とは、互いに部分的に交差する。
これにより、その結果物であるそれぞれの接合フィラメントは隣接する接合フィラメントと交差する。
これにより、図11で説明したように、第1交差部410~第4交差部440が形成される。
【0082】
図23は、本発明のさらに他の実施形態に係る表示装置の製造方法を説明するための配置図である。
図23を参照すると、本発明のさらに他の実施形態において、セルCEをシールするセルシールCSを形成する段階は、フリットシールSLPを形成する段階をさらに含む。
このため、本発明のさらに他の実施形態に係る表示装置の製造方法は、セルCEにフリットを形成する段階をさらに含む。
フリットを形成する段階は、複数のセルCEを含むオリジナルパネルOSをシールする段階の前に行われ得る。
フリットは、表示領域DAと駆動集積回路130との間に形成する。
すなわち、フリットは、表示領域DAと駆動集積回路130との間に配置される複数の導電ライン160を横切るように形成する。
【0083】
次いで、フリットを硬化させてフリットシールSLPを形成する段階を行う。
フリットの硬化は、フェムト秒レーザーではなく、一般レーザーの照射又は赤外線の照射によって行われ得る。
次いで、レーザーを照射して、第1基板100と第2基板290とを連結する接合フィラメントBF5を形成する段階を行う。
接合フィラメントBFは、第1サブレーザーL1を図23に示すように照射することにより形成する。
すなわち、フリットシールSLPの一端を開始点としてレーザーを照射して表示領域DAを外周に沿って進行し、フリットシールSLPの他端でレーザー照射を停止する({6}矢印を参照)。
【0084】
これにより、フリットシールSLPと接合フィラメントBF5を含むセルシールCSは、平面上で閉じた図形形状を有することができる。
その結果物は、先立って図12で形成したのと実質的に同一である。
一実施形態において、フリットシールSLPを形成する段階と接合フィラメントBF5を形成する段階との順序は入れ替えることもできる。
すなわち、フリットの一端と他端とを結ぶ接合フィラメントBF5を先に形成し、次いでフリットを硬化させることもできる。
【0085】
尚、本発明は、上述の実施形態に限られるものではない。本発明の技術的範囲から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。
【符号の説明】
【0086】
100 第1基板
130 駆動集積回路
160 導電ライン
210 バッファ層
220 第1絶縁層
230 第2絶縁層
240 平坦化層
250 画素電極
260 画素定義膜
270 有機発光層
280 共通電極
290 第2基板
BF 接合フィラメント
CS セルシール
DA 表示領域
NDA 非表示領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23