(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-20
(45)【発行日】2023-03-29
(54)【発明の名称】センサ装置
(51)【国際特許分類】
G01D 11/30 20060101AFI20230322BHJP
【FI】
G01D11/30 S
(21)【出願番号】P 2019061255
(22)【出願日】2019-03-27
【審査請求日】2022-03-03
(73)【特許権者】
【識別番号】390037154
【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100162031
【氏名又は名称】長田 豊彦
(74)【代理人】
【識別番号】100175721
【氏名又は名称】高木 秀文
(72)【発明者】
【氏名】門脇 昌作
(72)【発明者】
【氏名】梶 雄登
【審査官】菅藤 政明
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3145353(JP,U)
【文献】特開平8-138021(JP,A)
【文献】特開2000-69070(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 11/00-11/30
H05K 5/00- 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
住宅の内部環境を測定可能なセンサユニットと、
住宅内部の壁体に固定され、前記センサユニットが
室内側となる位置に着脱可能に取り付けられると共に、当該センサユニットに電力を供給可能な電源ユニットと、
を具備し、
前記センサユニット及び前記電源ユニットには、
当該センサユニットを、当該電源ユニットに対して
室内側方向に対して直交する方向からスライドさせることで
、当該電源ユニットと互いに対向させて当該電源ユニットが前記室内側へ露出しないように、当該電源ユニットに対して取り付け可能なスライド部が設けられている、
センサ装置。
【請求項2】
前記スライド部は、
前記センサユニットに設けられた第一スライド部と、
前記電源ユニットに設けられた第二スライド部と、
を具備し、
前記第一スライド部は、一方向に長尺な形状とされた嵌合部を有し、前記第二スライド部に対して前記一方向にスライド自在とされると共に、前記一方向以外の方向に移動不能とされ、
前記第二スライド部は、前記一方向に長尺な形状とされると共に前記嵌合部に嵌合される被嵌合部を有する、
請求項1に記載のセンサ装置。
【請求項3】
前記第一スライド部は、
前記一方向に直交する方向に離間するように一対設けられ、
前記第二スライド部は、
前記一対の第一スライド部に嵌合するように一対設けられている、
請求項2に記載のセンサ装置。
【請求項4】
前記センサユニット及び前記電源ユニットのうちの一方には、コネクタ部が設けられ、他方には、前記コネクタ部と接続されるポート部が設けられ、
前記センサユニットが前記電源ユニットに対して取り付けられることで、前記コネクタ部及び前記ポート部が接続される、
請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のセンサ装置。
【請求項5】
前記コネクタ部は、
前記センサユニットの前記電源ユニットに対するスライドに伴い、前記ポート部に対して嵌合することで前記ポート部と接続される、
請求項4に記載のセンサ装置。
【請求項6】
前記電源ユニットは、
前記壁体に取り付けられた取付枠に対して、止具を介して固定される、
請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載のセンサ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅の内部に取り付けられるセンサ装置の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、住宅内部の壁体に取り付けられるセンサ装置の技術は公知となっている。例えば、特許文献1に記載の如くである。
【0003】
特許文献1には、建物内部の壁面に取り付けられ、地震揺動を検知する加速度センサーが設けられた片切りスイッチが記載されている。
【0004】
上記片切りスイッチは、加速度センサーと、当該加速度センサーに電力を供給する電源部と、を備えている。ここで、上述のような片切りスイッチにおいては、メンテナンス性の観点から、加速度センサーを含む部分は、電源部に対して着脱可能に取り付けられることが望ましい。
【0005】
しかしながら、加速度センサーを含む部分を電源部に対して着脱可能に取り付け可能とした場合、取り付け態様によっては、電源部に対する加速度センサーを含む部分のがたつきが生じ易くなり、加速度センサーの検知に影響を及ぼすおそれがある。このため、上記加速度センサーのようなセンサを含む部分を、電源部に対して好適に着脱可能に取り付けることができるセンサ装置が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、以上の如き状況を鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、電源ユニット対して、センサユニットを好適に着脱可能に取り付けることができるセンサ装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0009】
即ち、請求項1においては、住宅の内部環境を測定可能なセンサユニットと、住宅内部の壁体に固定され、前記センサユニットが室内側となる位置に着脱可能に取り付けられると共に、当該センサユニットに電力を供給可能な電源ユニットと、を具備し、前記センサユニット及び前記電源ユニットには、当該センサユニットを、当該電源ユニットに対して室内側方向に対して直交する方向からスライドさせることで、当該電源ユニットと互いに対向させて当該電源ユニットが前記室内側へ露出しないように、当該電源ユニットに対して取り付け可能なスライド部が設けられているものである。
【0010】
請求項2においては、前記スライド部は、前記センサユニットに設けられた第一スライド部と、前記電源ユニットに設けられた第二スライド部と、を具備し、前記第一スライド部は、一方向に長尺な形状とされた嵌合部を有し、前記第二スライド部に対して前記一方向にスライド自在とされると共に、前記一方向以外の方向に移動不能とされ、前記第二スライド部は、前記一方向に長尺な形状とされると共に前記嵌合部に嵌合される被嵌合部を有するものである。
【0011】
請求項3においては、前記第一スライド部は、前記一方向に直交する方向に離間するように一対設けられ、前記第二スライド部は、前記一対の第一スライド部に嵌合するように一対設けられているものである。
【0012】
請求項4においては、前記センサユニット及び前記電源ユニットのうちの一方には、コネクタ部が設けられ、他方には、前記コネクタ部と接続されるポート部が設けられ、前記センサユニットが前記電源ユニットに対して取り付けられることで、前記コネクタ部及び前記ポート部が接続されるものである。
【0013】
請求項5においては、前記コネクタ部は、前記センサユニットの前記電源ユニットに対するスライドに伴い、前記ポート部に対して嵌合することで前記ポート部と接続されるものである。
【0014】
請求項6においては、前記電源ユニットは、前記壁体に取り付けられた取付枠に対して、止具を介して固定されるものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0016】
請求項1においては、電源ユニットに対して、センサユニットを好適に着脱可能に取り付けることができる。
【0017】
請求項2においては、電源ユニットに対して、センサユニットをより好適に着脱可能に取り付けることができる。
【0018】
請求項3においては、電源ユニット対して、センサユニットをより好適に着脱可能に取り付けることができる。
【0019】
請求項4においては、コネクタ部とポート部とを容易に接続することができる。
【0020】
請求項5においては、センサユニットを電源ユニットに対して着脱可能としながらも、センサユニットが電源ユニットに対して容易に外れ難くすることができる。
【0021】
請求項6においては、壁体に対して、センサユニットを好適に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の一実施形態に係るセンサ装置を示した斜視図。
【
図3】電源ユニットに対するセンサユニットの取り付け態様を示した斜視図。
【
図7】センサ装置の取り付け態様を示した分解斜視図。
【
図8】センサ装置を壁体に取り付けた状態を示した斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下では、図中の矢印に基づいて、前後方向、左右方向及び上下方向を定義して説明を行う。
【0024】
以下では、
図1から
図6までを用いて、本発明の一実施形態に係るセンサ装置1について説明する。
【0025】
センサ装置1は、住宅の内部環境を測定可能なものである。センサ装置1は、住宅の内部の壁体に埋め込まれるように固定される。センサ装置1は、センサユニット10と、電源ユニット20と、を具備する。
【0026】
図1から
図4、
図6に示すセンサユニット10は、住宅の内部環境を測定可能なセンサを有するものである。センサユニット10は、気圧を測定可能な気圧センサや温度を測定可能な温度センサ、揺れを測定可能な加速度センサを有している。なお、センサユニット10に設けられるセンサとしては、上述したものに限られず、種々のセンサを採用可能である。センサユニット10は、本体部11、ポート部12及びガイド部13を具備する。
【0027】
本体部11は、センサユニット10の大部分を構成するものである。本体部11には、上述したセンサが内蔵される。本体部11は、
図2及び
図4に示すように、正面視(背面視)において略矩形状とされている。また、本体部11は、厚さ方向を前後方向に沿わせた板形状とされている。本体部11は、制御部11aを有する。
【0028】
図4に示す制御部11aは、上記センサに関する処理を実行可能なものである。制御部11aは、所定の演算処理装置や記憶装置を有する。制御部11aは、プログラムや種々の情報を記憶装置に格納しており、当該プログラムや種々の情報を演算処理装置で読み込んで処理することで、センサに関する処理を実行することができる。また、制御部11aは、センサによる測定結果を記憶装置に格納可能とされている。また、制御部11aは、センサ装置1の外部の機器との通信が可能な通信装置を有する。これにより、外部の機器からの情報の受信や、当該制御部11aによる処理の結果の送信等が可能となる。
【0029】
図2及び
図4に示すポート部12は、センサユニット10を、当該センサユニット10の外部の機器に対して接続するための部分である。ポート部12は、本体部11の後面に設けられる。ポート部12は、凹部12a及び差込部12bを具備する。
【0030】
凹部12aは、本体部11の後面に設けられた部分である。凹部12aは、本体部11の後面の上側部分において、後方に開口するように設けられている。また、凹部12aは、本体部11の後面において右側端部が右方に開口し、左側端部が本体部11の左右方向途中部位に位置するように設けられている。凹部12aは、背面視において略矩形状とされている。
【0031】
差込部12bは、センサユニット10の外部の機器(後述するコネクタ部24の端子部24b)が接続される差込口を構成するものである。差込部12bは、凹部12aの右方を向く面に設けられる。差込部12bを介して、センサユニット10の外部からセンサユニット10への電力の供給が可能となる。
【0032】
ガイド部13は、センサユニット10を、後述する電源ユニット20に取り付けるための部分である。ガイド部13は、上下方向に離間するように一対設けられている。以下では、必要に応じて、上側のガイド部13を上ガイド部13A、下側のガイド部13を下ガイド部13Bとして説明する。
【0033】
上ガイド部13Aは、本体部11の上面に設けられている。上ガイド部13Aは、左右方向に長尺な溝形状とされている。上ガイド部13Aは、右側端部が右方に開口する。また、上ガイド部13Aは、左側端部が本体部11の左右方向途中部位に位置する。換言すれば、上ガイド部13Aは、本体部11の上面において、右側端部から本体部11の左右方向途中部位に亘って形成されている。図例では、上ガイド部13Aの左右寸法は、本体部11の左右寸法の略7/10程度とされている。
【0034】
上ガイド部13Aは、本体部11の上面において、前後方向中央よりも後方側部分に設けられている。上ガイド部13Aは、
図6に示すように、側面視(断面視)において、溝底側へ向かうに従って溝幅寸法が小さくなるように、前方を向く壁部及び後方を向く壁部が傾斜している。
【0035】
下ガイド部13Bは、上ガイド部13Aと上下対称に設けられる。すなわち、下ガイド部13Bは、本体部11の下面に設けられている点を除いて、上ガイド部13Aと概ね同様な構成とされている。
【0036】
図1から
図3、
図5、
図6に示す電源ユニット20は、壁体に固定されると共に、センサユニット10が着脱可能に取り付けられるものである。電源ユニット20は、系統電源等の所定の電力供給源から供給された電力を、センサユニット10に対して供給可能とされている。電源ユニット20は、電源部21及び接続部22を具備する。
【0037】
電源部21は、センサユニット10に電力を供給するものである。電源部21は、壁体の内部に配置された所定の配線を介して、電力供給源に接続される。電源部21は、電力供給源からの電力を蓄電可能とされている。これにより、電源部21は、停電により系統電源等からの電力の供給が停止した場合でも、センサユニット10に電力を供給することができる。電源部21は、正面視において、センサユニット10に概ね対応した矩形状とされている。
【0038】
接続部22は、センサユニット10が接続されるものである。接続部22は、電源部21の前方に設けられ、当該電源部21を介した電力が供給される。接続部22は、本体部23、コネクタ部24、レール部25及び固定部26を具備する。
【0039】
本体部23は、接続部22の大部分を構成するものである。本体部23は、厚さ方向を前後方向(壁体の厚さ方向)に沿わせた板形状とされている。本体部23は、正面視において、電源部21に概ね対応した矩形状とされている。
【0040】
図2及び
図5に示すコネクタ部24は、センサユニット10のポート部12と接続される部分である。コネクタ部24を介して、電源ユニット20からセンサユニット10への電力の供給が可能とされる。コネクタ部24は、本体部23の前面に設けられる。コネクタ部24は、ベース部24a及び端子部24bを具備する。
【0041】
ベース部24aは、本体部23の前面において前方に突出する部分である。ベース部24aは、センサユニット10が電源ユニット20に取り付けられた状態で、ポート部12の凹部12aに収容されるように、凹部12aに対応した位置に設けられる。すなわち、ベース部24aは、本体部23の前面の上側部分において、右端部に設けられている。
【0042】
端子部24bは、ベース部24aの左端面から左方に突出する部分である。端子部24bは、本体部23の前面から離間するように配置されている。端子部24bは、ポート部12の差込部12bに対応した形状とされている。端子部24bは、センサユニット10が電源ユニット20に取り付けられた状態で、ポート部12の差込部12bに差し込まれることで、当該差込部12bと嵌合する。また、これにより、センサユニット10が接続部22に接続される。
【0043】
レール部25は、センサユニット10のガイド部13を取り付けるための部分である。レール部25は、上下方向に離間するように一対設けられている。以下では、必要に応じて、上側のレール部25を上レール部25A、下側のレール部25を下レール部25Bとして説明する。
【0044】
上レール部25Aは、本体部23の前面に設けられている。上レール部25Aは、支持部25a及び突部25bを具備する。
【0045】
支持部25aは、本体部23の前面から前方に突出する部分である。支持部25aは、本体部23の前面における上端部に設けられる。また、支持部25aは、本体部23の前面において、左右方向の全体に亘って設けられる。
【0046】
突部25bは、支持部25aの前端部から下方に突出する部分である。突部25bは、左右方向に長尺な形状とされている。突部25bは、支持部25aの右端部から、当該支持部25aの左右方向途中部分に亘って形成されている。また、突部25bの左右寸法は、ガイド部13の左右寸法に応じた寸法とされる。図例では、突部25bの左右寸法は、支持部25aの左右寸法の略7/10程度とされている。
【0047】
突部25bは、側面視において略矩形状とされている。突部25bの前後寸法は、ガイド部13(上ガイド部13A)の溝幅寸法に応じた寸法とされている。図例では、突部25bの前後寸法を、ガイド部13の溝底における溝幅寸法と略同寸法とした例を示している。
【0048】
下レール部25Bは、上レール部25Aと上下対称に設けられる。すなわち、下レール部25Bは、支持部25aが本体部23の前面における下端部に設けられ、突部25bが、支持部25aの前端部から上方に突出する点を除いて、上レール部25Aと概ね同様な構成とされている。
【0049】
図3に示すように、上下のレール部25の支持部25a間の上下寸法は、センサユニット10の上下寸法に応じた寸法とされている。また、
図6に示すように、上下のレール部25と上下のガイド部13とがそれぞれ嵌合した状態では、センサユニット10は、電源ユニット20に対して左右方向にスライド自在とされると共に、左右方向以外の方向の移動が規制される。また、この状態では、電源ユニット20の本体部23の前面が、センサユニット10の本体部11の後面に対して当接又は近接する。
【0050】
固定部26は、壁体に対して固定される部分である。固定部26は、上下に一対設けられる。固定部26は、上下のレール部25の支持部25aからそれぞれ上下に突出するように設けられる。固定部26は、支持部25aの左右方向中央部に設けられる。固定部26には、前後方向に貫通する止具挿通孔26aが形成されている。止具挿通孔26aには、ねじ等の止具が挿通される。
【0051】
上述の如きセンサ装置1は、以下のようにして、電源ユニット20に対するセンサユニット10の取付が可能である。
【0052】
まず、
図2及び
図3に示すように、電源ユニット20の上レール部25Aの支持部25aと下レール部25Bの支持部25aとの間であって、突部25bよりも左方側の空間に、センサユニット10を配置する。この状態では、センサユニット10の上端部及び下端部が、電源ユニット20の上下の支持部25aに対して当接又は近接する。また、電源ユニット20の本体部23の前面が、センサユニット10の本体部11の後面に対して当接又は近接する。これにより、センサユニット10の上下方向及び後方側への移動が規制され、電源ユニット20に対するセンサユニット10の位置決めが可能となる。
【0053】
次に、
図3に示すように、センサユニット10を電源ユニット20に対して右方に移動させる。これにより、電源ユニット20の上下のレール部25の突部25bと、センサユニット10の上下のガイド部13と、が互いに嵌合する。この状態では、センサユニット10は、左右方向以外の方向の移動が規制される。また、センサユニット10を、電源ユニット20に対して左右方向に安定してスライドさせることが可能となる。
【0054】
センサユニット10を、電源ユニット20に対して右方にスライドさせることで、電源ユニット20に対するセンサユニット10の取り付けが可能となる。また、センサユニット10のポート部12の差込部12bに、接続部22のコネクタ部24の端子部24bが差し込まれ、センサユニット10と接続部22との接続が可能となる。
【0055】
上述のように、センサユニット10を電源ユニット20に対して取り付けることで、センサユニット10の左右方向以外の方向の移動が規制され、電源ユニット20に対するセンサユニット10のがたつきが生じることを抑制することができる。
【0056】
また、センサユニット10が電源ユニット20に取り付けられた状態では、センサユニット10は、上下のガイド部13の左側端部が、電源ユニット20の上下の突部25bの左側端部に当接することで、右方への移動が規制される。
【0057】
また、センサユニット10が電源ユニット20に取り付けられた状態では、コネクタ部24の端子部24bが、ポート部12の差込部12bに嵌合しているため、センサユニット10を電源ユニット20に対して着脱可能としながらも、センサユニット10が電源ユニット20に対して容易に外れ難くすることができる。また、電源ユニット20に対するセンサユニット10のがたつきをより抑制することができる。
【0058】
ここで、センサ装置1は、センサユニット10が電源ユニット20に取り付けられた状態を維持するために、電源ユニット20に取り付けられたセンサユニット10の左方へのスライドを抑制する所定の係止手段を設ける構成を採用可能である。係止手段としては、例えば、スライド方向に所定量以上の力が掛かれば、電源ユニット20に対するセンサユニット10の移動の係止の解除(移動の許容)が行われるような構成や、所定の操作によって電源ユニット20に対するセンサユニット10の係止及び係止の解除を切替可能な構成等、種々の構成を採用可能である。
【0059】
また、電源ユニット20に取り付けられたセンサユニット10を左方にスライドさせることで、電源ユニット20に対するセンサユニット10の取り外しが可能となる。これにより、必要に応じて、センサユニット10の修理や交換等のメンテナンスが可能となる。
【0060】
また、上述の如きセンサ装置1は、取付手段30を介して壁体に固定される。以下では、
図7及び
図8を用いて、取付手段30の一例について説明する。
【0061】
取付手段30は、壁体に対して固定され、センサ装置1を保持するものである。取付手段30は、取付枠40、ケース部50及びセンサプレート60を具備する。
【0062】
取付枠40は、壁体に固定されるものである。取付枠40は、
図8に示すように、壁面に形成された開口を介して、壁体の内部において桟木等の下地に固定される。取付枠40は、四方枠形状とされている。取付枠40は、四方枠を構成する上辺部及び下辺部のそれぞれに、止具が挿通される止具挿通孔41が設けられている。止具挿通孔41は、上辺部及び下辺部を前後方向に貫通するように設けられている。
【0063】
ケース部50は、電源ユニット20を保持するものである。ケース部50は、取付枠40に取り付けられる。ケース部50は、収容部51及び固定部52を具備する。
【0064】
収容部51は、電源ユニット20を収容可能な部分である。収容部51は、前方に開口した箱状とされている。図例では、電源ユニット20の固定部26より後方側の部分を、収容部51に収容させた例を示している。また、ケース部50が取付枠40に取り付けられた状態では、収容部51は、取付枠40の枠内に収容される。
【0065】
固定部52は、ケース部50を取付枠40に固定するための部分である。固定部52は、収容部51の上端部及び下端部からそれぞれ上下に突出するように設けられる。固定部52は、厚さ方向を前後方向に沿わせた板形状とされている。固定部52は、
図8に示すように、ケース部50が取付枠40に取り付けられた状態で、後面が壁面に当接する。固定部52は、第一止具挿通孔53及び第二止具挿通孔54を具備する。
【0066】
第一止具挿通孔53は、止具が挿通される孔である。第一止具挿通孔53は、前後方向に貫通する。第一止具挿通孔53は、ケース部50の収容部51が取付枠40の枠内に収容された状態で、正面視において、取付枠40の止具挿通孔41と重複する。また、第一止具挿通孔53は、収容部51に電源ユニット20が収容された状態で、正面視において、固定部26の止具挿通孔26aと重複する。
【0067】
図8に示すように、止具挿通孔26a、第一止具挿通孔53及び止具挿通孔41に止具を挿通させることで、電源ユニット20、ケース部50、取付枠40を一体的に固定することができる。この状態では、電源ユニット20は、ケース部50及び止具を介して取付枠40に固定される。また、この状態では、電源ユニット20は、少なくとも前側部分(上下のレール部25が設けられた部分)が、ケース部50の前面よりも前方側に位置するように固定される。これにより、電源ユニット20の上下のレール部25が設けられた部分が壁面よりも前方側に位置することから、壁面の前方において、電源ユニット20に対するセンサユニット10の着脱が可能となる。
【0068】
第二止具挿通孔54は、止具が挿通される孔である。第二止具挿通孔54は、前後方向に貫通する。第二止具挿通孔54は、第一止具挿通孔53よりも上下方向外側に設けられる。すなわち、上側の固定部52においては、第一止具挿通孔53よりも上側に第二止具挿通孔54が設けられ、下側の固定部52においては、第一止具挿通孔53よりも下側に第二止具挿通孔54が設けられる。
【0069】
センサプレート60は、壁面に形成された開口や、取付枠40及びケース部50を覆うものである。センサプレート60は、壁体の前面において、センサユニット10を囲うように設けられる。センサプレート60は、ケース部50に取り付けられる。センサプレート60は、ベース部61及びカバー部64を具備する。
【0070】
ベース部61は、センサプレート60の後側部分を構成するものである。ベース部61は、厚さ方向を前後方向に沿わせた板形状とされている。ベース部61は、正面視において、略矩形状とされている。ベース部61は、開口部62及び止具挿通孔63を具備する。
【0071】
開口部62は、前後方向に貫通するように形成された開口である。開口部62は、正面視におけるセンサユニット10の形状に対応した形状とされている。
【0072】
止具挿通孔63は、止具が挿通される孔である。止具挿通孔63は、開口部62の上下にそれぞれ設けられている。止具挿通孔63は、センサユニット10を囲うようにベース部61を配置した状態で、正面視において、ケース部50の固定部52に設けられた第二止具挿通孔54と重複する。これにより、止具挿通孔63及び第二止具挿通孔54に止具を挿通させることで、ベース部61をケース部50に固定することができる。
【0073】
カバー部64は、センサプレート60の前側部分を構成するものである。カバー部64は、ベース部61を覆うように配置される。カバー部64は、厚さ方向を前後方向に沿わせた板形状とされている。カバー部64は、正面視において、ベース部61に応じた略矩形状とされている。カバー部64は、開口部65を具備する。
【0074】
開口部65は、前後方向に貫通するように形成された開口である。開口部62は、ベース部61の開口部62と同様、正面視におけるセンサユニット10の形状に対応した形状とされている。
【0075】
上記カバー部64の後面及びベース部61の前面には、互いに係止可能な係止部が設けられている。これにより、カバー部64をベース部61に取り付けることができる。これにより、カバー部64によりベース部61を覆うことができ、ベース部61を固定する止具が露出することを抑制することができる。
図8に示した例では、カバー部64を取り付けた状態で、カバー部64の前面とセンサユニット10の前面とが略面一状となる構成とした例を示している。なお、上述した例に限られず、センサユニット10の前面が、カバー部64の前面よりも前方に位置するような構成としてもよい。
【0076】
なお、上述した取付手段30の構成は一例であり、壁体に対するセンサ装置1の取り付け態様は、種々の態様を採用可能である。
【0077】
以上の如く、本実施形態に係るセンサ装置1は、
住宅の内部環境を測定可能なセンサユニット10と、
住宅内部の壁体に固定され、前記センサユニット10が着脱可能に取り付けられると共に、当該センサユニット10に電力を供給可能な電源ユニット20と、
を具備し、
前記センサユニット10及び前記電源ユニット20には、
当該センサユニット10を、当該電源ユニット20に対してスライドさせることで当該電源ユニット20に対して取り付け可能なスライド部(ガイド部13及びレール部25)が設けられているものである。
【0078】
このように構成することにより、電源ユニット20に対して、センサユニット10を好適に着脱可能に取り付けることができる。すなわち、センサユニット10を、スライド部(ガイド部13及びレール部25)を介して電源ユニット20に対して着脱可能に取り付ける構成としたことで、取り付けた状態で電源ユニット20に対するセンサユニット10のがたつきが生じることを比較的抑制することができる。
【0079】
また、前記スライド部(ガイド部13及びレール部25)は、
前記センサユニット10に設けられたガイド部13(第一スライド部)と、
前記電源ユニット20に設けられたレール部25(第二スライド部)と、
を具備し、
前記ガイド部13は、一方向に長尺な形状とされた嵌合部(ガイド部13)を有し、前記レール部25に対して前記一方向にスライド自在とされると共に、前記一方向以外の方向に移動不能とされ、
前記レール部25は、前記一方向に長尺な形状とされると共に前記嵌合部(ガイド部13)に嵌合される被嵌合部(突部25b)を有するものである。
【0080】
このように構成することにより、電源ユニット20に対して、センサユニット10をより好適に着脱可能に取り付けることができる。すなわち、ガイド部13を、レール部25に対して一方向にスライド自在とすると共に、一方向以外の方向に移動不能とすることで、電源ユニット20に対するセンサユニット10のがたつきが生じることをより抑制することができる。また、ガイド部13の嵌合部(ガイド部13)をレール部25の被嵌合部(突部25b)に嵌合させた状態でセンサユニット10をスライドさせて、当該センサユニット10を電源ユニット20に対して取り付けることができる。これにより、電源ユニット20に対するセンサユニット10のがたつきが生じることをより抑制することができる。また、嵌合部(ガイド部13)及び被嵌合部(突部25b)をそれぞれ一方向に長尺な形状としているので、ガイド部13を、レール部25に対してより安定させてスライドさせることができる。
【0081】
また、センサ装置1は、
前記ガイド部13は、
前記一方向に直交する方向に離間するように一対設けられ、
前記レール部25は、
前記一対のガイド部13に嵌合するように一対設けられているものである。
【0082】
このように構成することにより、電源ユニット20対して、センサユニット10をより好適に着脱可能に取り付けることができる。すなわち、一対のガイド部13及び一対のレール部25によって、センサユニット10を電源ユニット20に取り付け可能な構成としたことで、電源ユニット20に対するセンサユニット10のがたつきが生じることをより抑制することができる。
【0083】
また、センサ装置1は、
前記センサユニット10及び前記電源ユニット20のうちの一方には、コネクタ部24が設けられ、他方には、前記コネクタ部24と接続されるポート部12が設けられ、
前記センサユニット10が前記電源ユニット20に対して取り付けられることで、前記コネクタ部24及び前記ポート部12が接続されるものである。
【0084】
このように構成することにより、コネクタ部24とポート部12とを容易に接続することができる。すなわち、センサユニット10を電源ユニット20に対してスライドさせることで、コネクタ部24とポート部12とが接続される。これにより、電源ユニット20に対するセンサユニット10の取り付け動作によって、コネクタ部24及びポート部12についても接続可能となる。
【0085】
また、前記コネクタ部24は、
前記センサユニット10の前記電源ユニット20に対するスライドに伴い、前記ポート部12に対して嵌合することで前記ポート部12と接続されるものである。
【0086】
このように構成することにより、センサユニット10を電源ユニット20に取り付けた状態で、コネクタ部24(端子部24b)が、ポート部12(差込部12b)に嵌合しているため、センサユニット10を電源ユニット20に対して着脱可能としながらも、センサユニット10が電源ユニット20に対して容易に外れ難くすることができる。また、電源ユニット20に対するセンサユニット10のがたつきをより抑制することができる。
【0087】
また、前記電源ユニット20は、
前記壁体に取り付けられた取付枠40に対して、止具を介して固定されるものである。
【0088】
このように構成することにより、壁体に対して、センサユニット10を好適に取り付けることができる。すなわち、取付枠40に対して電源ユニット20を止具を介して固定すると共に、電源ユニット20に対してセンサユニット10を、ガイド部13及びレール部25を介して取り付けることで、壁体に対するがたつきを抑制するようにセンサユニット10を取り付けることができる。
【0089】
なお、本実施形態に係るガイド部13は、本発明に係る第一スライド部の実施の一形態である。
また、本実施形態に係るガイド部13は、本発明に係る嵌合部の実施の一形態である。
また、本実施形態に係るレール部25は、本発明に係る第二スライド部の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る突部25bは、本発明に係る被嵌合部の実施の一形態である。
【0090】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
【0091】
例えば、本実施形態では、センサユニット10にガイド部13を設け、電源ユニット20にレール部25を設けた例を示したが、このような構成に限られない。例えば、本実施形態では、センサユニット10にレール部25を設け、電源ユニット20にガイド部13を設けた構成としてもよい。
【0092】
また、本実施形態では、第二スライド部(レール部25)を左右方向に長尺な形状とした例を示したが、第二スライド部の形状としては、このような構成に限られない。例えば、第二スライド部を、比較的左右寸法が小さい(幅狭形状とされた)爪状に形成されたものとしてもよい。
【0093】
また、本実施形態では、ガイド部13及びレール部25を、上下方向に突出する突部25bと上下方向にへこむガイド部13とを互いに嵌合させた例を示したが、このような構成に限られない。ガイド部13及びレール部25をスライド自在に嵌合させる構成としては、種々の構成を採用可能である。
【0094】
また、本実施形態では、ガイド部13及びレール部25を上下に一対設けた例を示したが、このような構成に限られない。例えば、ガイド部13及びレール部25を一つずつ設けた構成としてもよい。
【0095】
また、本実施形態では、センサユニット10に制御部11aを内蔵させる構成としたが、このような態様に限られない。例えば、電源ユニット20に制御部11aを内蔵させる構成としてもよい。この場合は、ポート部12及びコネクタ部24を介して、センサユニット10(本体部11)が内蔵するセンサによる測定結果を、電源ユニット20の制御部11aに送信する構成を採用可能である。
【0096】
また、センサ装置1は、単体で設置されるものに限られず、壁体に埋め込まれるように固定されるコンセント(配線器具)やスイッチと一体的に設けられる構成としてもよい。
【符号の説明】
【0097】
1 センサ装置
10 センサユニット
12 ポート部
13 ガイド部(第一スライド部、嵌合部)
20 電源ユニット
24 コネクタ部
25 レール部
25b 突部(被嵌合部)
40 取付枠