(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-20
(45)【発行日】2023-03-29
(54)【発明の名称】有機発光素子
(51)【国際特許分類】
H10K 50/15 20230101AFI20230322BHJP
H10K 50/00 20230101ALI20230322BHJP
H05B 33/12 20060101ALI20230322BHJP
C07D 493/04 20060101ALI20230322BHJP
C07D 495/04 20060101ALI20230322BHJP
H10K 85/60 20230101ALI20230322BHJP
【FI】
H10K50/15
H05B33/14 B
H05B33/12 C
C07D493/04 101A
C07D495/04 101
H05B33/22 D
H10K85/60
(21)【出願番号】P 2019062940
(22)【出願日】2019-03-28
【審査請求日】2022-01-31
(31)【優先権主張番号】10-2018-0072153
(32)【優先日】2018-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1, Samsung-ro, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002619
【氏名又は名称】弁理士法人PORT
(72)【発明者】
【氏名】宇野 卓也
【審査官】渡邊 吉喜
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/110989(WO,A1)
【文献】特開2004-200141(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10K 50/15
H10K 50/00
H05B 33/12
C07D 493/04
C07D 495/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電極と、
前記第1電極に対向した第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極との間に介在され、発光層を含む有機層と、を含み、
下記化学式1-1または化学式1-2及び化学式2で表わさ
れる縮合環化合物を1種以上含む有機発光素子。
【化1】
・・・(化学式1-1)
【化2】
・・・(化学式1-2)
【化3】
・・・(化学式2)
(化学式1-1、化学式1-2及び化学式2において、
X
1及びX
2は、互いに独立して、O、S及びSi(R
13)(R
14)のうちから選択され、
L
1、L
11及びL
12は、互いに独立して、*-O-*’,置換もしくは無置換のC
3-C
60炭素環式基、及び置換もしくは無置換のC
1-C
60ヘテロ環式基のうちから選択され、
a1は、1~5のうちから選択された整数であり、
a11及びa12は、0~4のうちから選択された整数であり、
Ar
1及びAr
2は、互いに独立して、置換もしくは無置換のC
3-C
60炭素環式基、及び置換もしくは無置換のC
1-C
60ヘテロ環式基のうちから選択され、
R
1~R
14は、互いに独立して、化学式2で表わされる基、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、カルボン酸基またはその塩、スルホン酸基またはその塩、リン酸基またはその塩、置換もしくは無置換のC
1-C
60アルキル基、置換もしくは無置換のC
2-C
60アルケニル基、置換もしくは無置換のC
2-C
60アルキニル基、置換もしくは無置換のC
1-C
60アルコキシ基、置換もしくは無置換のC
3-C
10シクロアルキル基、置換もしくは無置換のC
2-C
10ヘテロシクロアルキル基、置換もしくは無置換のC
3-C
10シクロアルケニル基、置換もしくは無置換のC
2-C
10ヘテロシクロアルケニル基、置換もしくは無置換のC
6-C
60アリール基、置換もしくは無置換のC
6-C
60アリールオキシ基、置換もしくは無置換のC
6-C
60アリールチオ基、置換もしくは無置換のC
2-C
60ヘテロアリール基、置換もしくは無置換の一価の非芳香族縮合多環基、置換もしくは無置換の一価の非芳香族ヘテロ縮合多環基、-Si(Q
1)(Q
2)(Q
3)、-B(Q
1)(Q
2)、-S(=O)
2(Q
1)、及び-P(=O)(Q
1)(Q
2)のうちから選択され、
R
5
、R
7
、R
8
のうち少なくとも一つは、化学式2で表わされる基であり、
R
1~R
4は、カルバゾリル基を含まず、
R
1
~R
14において、隣接する2個の任意の基は、選択的に、互いに結合して、置換もしくは無置換のC
3-C
60炭素環式基またはC
1-C
60ヘテロ環式基を形成するか、互いに結合せず、
前記置換されたC
3-C
60炭素環式基、置換されたC
1-C
60ヘテロ環式基、置換されたC
1-C
60アルキル基、置換されたC
2-C
60アルケニル基、置換されたC
2-C
60アルキニル基、置換されたC
1-C
60アルコキシ基、置換されたC
3-C
10シクロアルキル基、置換されたC
2-C
10ヘテロシクロアルキル基、置換されたC
3-C
10シクロアルケニル基、置換されたC
2-C
10ヘテロシクロアルケニル基、置換されたC
6-C
60アリール基、置換されたC
6-C
60アリールオキシ基、置換されたC
6-C
60アリールチオ基、置換されたC
2-C
60ヘテロアリール基、置換された一価の非芳香族縮合多環基、及び置換された一価の非芳香族ヘテロ縮合多環基の置換基のうち少なくとも一つは、
重水素、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C
1-C
60アルキル基、C
2-C
60アルケニル基、C
2-C
60アルキニル基及びC
1-C
60アルコキシ基;
重水素、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C
3-C
10シクロアルキル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、C
3-C
10シクロアルケニル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルケニル基、C
6-C
60アリール基、C
6-C
60アリールオキシ基、C
6-C
60アリールチオ基、C
1-C
60ヘテロアリール基、一価の非芳香族縮合多環基、一価の非芳香族ヘテロ縮合多環基、-Si(Q
11)(Q
12)(Q
13)、-N(Q
11)(Q
12)、-B(Q
11)(Q
12)、-C(=O)(Q
11)、-S(=O)
2(Q
11)及び-P(=O)(Q
11)(Q
12)のうちから選択された少なくとも一つで置換された、C
1-C
60アルキル基、C
2-C
60アルケニル基、C
2-C
60アルキニル基及びC
1-C
60アルコキシ基;
C
3-C
10シクロアルキル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、C
3-C
10シクロアルケニル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルケニル基、C
6-C
60アリール基、C
6-C
60アリールオキシ基、C
6-C
60アリールチオ基、C
1-C
60ヘテロアリール基、一価の非芳香族縮合多環基、一価の非芳香族ヘテロ縮合多環基、ビフェニリル基及びターフェニリル基;
重水素、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C
1-C
60アルキル基、C
2-C
60アルケニル基、C
2-C
60アルキニル基、C
1-C
60アルコキシ基、C
3-C
10シクロアルキル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、C
3-C
10シクロアルケニル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルケニル基、C
6-C
60アリール基、C
6-C
60アリールオキシ基、C
6-C
60アリールチオ基、C
1-C
60ヘテロアリール基、一価の非芳香族縮合多環基、一価の非芳香族ヘテロ縮合多環基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、-Si(Q
21)(Q
22)(Q
23)、-N(Q
21)(Q
22)、-B(Q
21)(Q
22)、-C(=O)(Q
21)、-S(=O)
2(Q
21)及び-P(=O)(Q
21)(Q
22)のうちから選択された少なくとも一つで置換された、C
3-C
10シクロアルキル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、C
3-C
10シクロアルケニル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルケニル基、C
6-C
60アリール基、C
6-C
60アリールオキシ基、C
6-C
60アリールチオ基、C
1-C
60ヘテロアリール基、一価の非芳香族縮合多環基、一価の非芳香族ヘテロ縮合多環基、ビフェニリル基及びターフェニリル基;並びに
-Si(Q
31)(Q
32)(Q
33)、-N(Q
31)(Q
32)、-B(Q
31)(Q
32)、-C(=O)(Q
31)、-S(=O)
2(Q
31)及び-P(=O)(Q
31)(Q
32);のうちから選択され、
Q
1~Q
3、Q
11~Q
13、Q
21~Q
23、及びQ
31~Q
33は、互いに独立して、水素、重水素、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C
1-C
60アルキル基、C
2-C
60アルケニル基、C
2-C
60アルキニル基、C
1-C
60アルコキシ基、C
3-C
10シクロアルキル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、C
3-C
10シクロアルケニル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルケニル基、C
6-C
60アリール基、C
1-C
60アルキル基で置換されたC
6-C
60アリール基、C
1-C
60ヘテロアリール基、一価の非芳香族縮合多環基、一価の非芳香族ヘテロ縮合多環基、ビフェニリル基、及びターフェニリル基のうちから選択され、
*及び*’は、隣接原子との結合位置である。
【請求項2】
前記第1電極がアノードであり、
前記第2電極がカソードであり、
前記有機層が、前記第1電極と前記発光層との間に介在された正孔輸送領域、及び前記発光層と第2電極との間に介在された電子輸送領域を含み、
前記正孔輸送領域は、正孔注入層、正孔輸送層、発光補助層、電子阻止層、またはその任意の組み合わせを含み、
前記電子輸送領域は、バッファ層、正孔阻止層、電子調節層、電子輸送層、電子注入層、またはその任意の組み合わせを含むことを特徴とする請求項1に記載の有機発光素子。
【請求項3】
前記正孔輸送領域に、前記縮合環化合物が含まれていることを特徴とする請求項2に記載の有機発光素子。
【請求項4】
前記正孔輸送領域が正孔輸送層を含み、前記正孔輸送層に、前記縮合環化合物が含まれていることを特徴とする請求項2に記載の有機発光素子。
【請求項5】
前記正孔輸送領域が発光補助層を含み、前記発光補助層に、前記縮合環化合物が含まれ
ていることを特徴とする請求項4に記載の有機発光素子。
【請求項6】
前記発光層は、ホスト及びドーパントを含むことを特徴とする請求項1に記載の有機発光素子。
【請求項7】
前記ホストは、アントラセン系化合物、ピレン系化合物、フルオランテン系化合物、クリセン系化合物、ジヒドロベンズアントラセン系化合物、トリフェニレン系化合物、及び任意の組み合わせを含むことを特徴とする請求項6に記載の有機発光素子。
【請求項8】
前記発光層は、第1色光放出する第1発光層であり、
前記第1電極と第2電極との間に、i)少なくとも1層の第2色光放出する第2発光層が追加で含まれているか、あるいはii)少なくとも1層の第2色光放出する第2発光層、及び少なくとも1層の第3色光放出する第3発光層がさらに含まれており、
前記第1色光の最大発光波長、前記第2色光の最大発光波長、及び前記第3色光の最大発光波長は、互いに同一であるか、異なっており、
前記第1色光と前記第2色光とが互いに混合した混色光、または前記第1色光、前記第2色光及び前記第3色光が互いに混合した混色光が放出されることを特徴とする請求項1に記載の有機発光素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、縮合環化合物、及びそれを含む有機発光素子に関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光素子(organic light emitting device)は、自発光型素子であり、従来の素子に比べ、視野角が広く、コントラストにすぐれるだけではなく、応答時間が短く、輝度、駆動電圧及び応答速度の特性にすぐれ、多色化が可能である。
【0003】
有機発光素子は、基板上部に、第1電極が配置されており、第1電極上部に、正孔輸送領域(hole transport region)、発光層、電子輸送領域(electron transport region)及び第2電極が順次に形成されている構造を有することができる。第1電極から注入された正孔は、正孔輸送領域を経由して発光層に移動し、第2電極から注入された電子は、電子輸送領域を経由して発光層に移動する。前述の正孔及び電子のようなキャリアは、発光層領域で再結合し、励起子(exciton)を生成する。該励起子が励起状態から基底状態に落ちる際に光が生成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】韓国公開特許第10-2011-0025906号公報
【文献】特開2012-028548号公報
【文献】韓国公開特許第10-2012-0034140号公報
【文献】特許第5499972号公報
【文献】韓国公開特許第10-2012-0009984号公報
【文献】韓国公開特許第10-2012-0034140号公報
【文献】韓国公開特許第10-2015-0114636号公報
【文献】国際公開第2016/068441号
【文献】国際公開第2016/068450号
【文献】韓国公開特許第10-2017-0056425号公報
【文献】国際公開第2009/148062号
【文献】欧州特許出願公開第3130591号明細書
【文献】韓国公開特許第10-2017-0086243号公報
【文献】韓国公開特許第10-2012-0009984号公報
【文献】韓国公開特許第10-2017-0086277号公報
【文献】韓国公開特許第10-2016-0036158号公報
【文献】国際公開第2016/108419号
【文献】韓国公開特許第10-2012-0034140号公報
【文献】韓国公開特許第10-2015-0114636号公報
【文献】韓国公開特許第10-2015-0121337号公報
【文献】国際公開第2016/068441号
【文献】国際公開第2016/068450号
【文献】国際公開第2015/022988号
【文献】米国特許出願公開第2016/0351816号明細書
【文献】中国特許第103524518号明細書
【文献】韓国公開特許第10-2017-0082459号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、縮合環化合物、及びそれを含む有機発光素子を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態によれば、下記化学式1-1または化学式1-2及び化学式2で表わされる縮合環化合物が提供される。
【化1】
・・・(化学式1-1)
【化2】
・・・(化学式1-2)
【化3】
・・・(化学式2)
化学式1-1、化学式1-2及び化学式2において、
X
1及びX
2は、互いに独立して、O、S及びSi(R
13)(R
14)のうちから選択され、
L
1、L
11及びL
12は、互いに独立して、*-O-*’、置換もしくは無置換のC
3-C
60炭素環式基、及び置換もしくは無置換のC
1-C
60ヘテロ環式基のうちから選択され、
a1は、1~5のうちから選択された整数であり、
a11及びa12は、0~4のうちから選択された整数であり、
Ar
1及びAr
2は、互いに独立して、置換もしくは無置換のC
3-C
60炭素環式基、及び置換もしくは無置換のC
1-C
60ヘテロ環式基のうちから選択され、
R
1~R
14は、互いに独立して、化学式2で表わされる基、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、カルボン酸基またはその塩、スルホン酸基またはその塩、リン酸基またはその塩、置換もしくは無置換のC
1-C
60アルキル基、置換もしくは無置換のC
2-C
60アルケニル基、置換もしくは無置換のC
2-C
60アルキニル基、置換もしくは無置換のC
1-C
60アルコキシ基、置換もしくは無置換のC
3-C
10シクロアルキル基、置換もしくは無置換のC
2-C
10ヘテロシクロアルキル基、置換もしくは無置換のC
3-C
10シクロアルケニル基、置換もしくは無置換のC
2-C
10ヘテロシクロアルケニル基、置換もしくは無置換のC
6-C
60アリール基、置換もしくは無置換のC
6-C
60アリールオキシ基、置換もしくは無置換のC
6-C
60アリールチオ基、置換もしくは無置換のC
2-C
60ヘテロアリール基、置換もしくは無置換の一価の非芳香族縮合多環基、及び置換もしくは無置換の一価の非芳香族ヘテロ縮合多環基、-Si(Q
1)(Q
2)(Q
3)、-B(Q
1)(Q
2)、-S(=O)
2(Q1)、及び-P(=O)(Q
1)(Q
2)のうちから選択され、
R
5~R
8のうち少なくとも一つは、化学式2で表わされる基であり、
R
1~R
4は、カルバゾリル基を含まず、
R
1~R
14において、隣接する2個の任意の基は、選択的に(optionally)、互いに結合し、置換もしくは無置換のC
3-C
60炭素環式基またはC
1-C
60ヘテロ環式基を形成してもよく、
置換されたC
3-C
60炭素環式基、置換されたC
1-C
60ヘテロ環式基、置換されたC
1-C
60アルキル基、置換されたC
2-C
60アルケニル基、置換されたC
2-C
60アルキニル基、置換されたC
1-C
60アルコキシ基、置換されたC
3-C
10シクロアルキル基、置換されたC
2-C
10ヘテロシクロアルキル基、置換されたC
3-C
10シクロアルケニル基、置換されたC
2-C
10ヘテロシクロアルケニル基、置換されたC
6-C
60アリール基、置換されたC
6-C
60アリールオキシ基、置換されたC
6-C
60アリールチオ基、置換されたC
2-C
60ヘテロアリール基、置換された一価の非芳香族縮合多環基、及び置換された一価の非芳香族ヘテロ縮合多環基の置換基のうち少なくとも一つは、
重水素、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C
1-C
60アルキル基、C
2-C
60アルケニル基、C
2-C
60アルキニル基及びC
1-C
60アルコキシ基;
重水素、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C
3-C
10シクロアルキル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、C
3-C
10シクロアルケニル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルケニル基、C
6-C
60アリール基、C
6-C
60アリールオキシ基、C
6-C
60アリールチオ基、C
1-C
60ヘテロアリール基、一価の非芳香族縮合多環基、一価の非芳香族ヘテロ縮合多環基、-Si(Q
11)(Q
12)(Q
13)、-N(Q
11)(Q
12)、-B(Q
11)(Q
12)、-C(=O)(Q
11)、-S(=O)
2(Q
11)及び-P(=O)(Q
11)(Q
12)のうちから選択された少なくとも一つで置換された、C
1-C
60アルキル基、C
2-C
60アルケニル基、C
2-C
60アルキニル基及びC
1-C
60アルコキシ基;
C
3-C
10シクロアルキル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、C
3-C
10シクロアルケニル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルケニル基、C
6-C
60アリール基、C
6-C
60アリールオキシ基、C
6-C
60アリールチオ基、C
1-C
60ヘテロアリール基、一価の非芳香族縮合多環基、一価の非芳香族ヘテロ縮合多環基、ビフェニリルビフェニリル基及びターフェニリルターフェニリル基;
重水素、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C
1-C
60アルキル基、C
2-C
60アルケニル基、C
2-C
60アルキニル基、C
1-C
60アルコキシ基、C
3-C
10シクロアルキル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、C
3-C
10シクロアルケニル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルケニル基、C
6-C
60アリール基、C
6-C
60アリールオキシ基、C
6-C
60アリールチオ基、C
1-C
60ヘテロアリール基、一価の非芳香族縮合多環基、一価の非芳香族ヘテロ縮合多環基、ビフェニリルビフェニリル基、ターフェニリル基、-Si(Q
21)(Q
22)(Q
23)、-N(Q
21)(Q
22)、-B(Q
21)(Q
22)、-C(=O)(Q
21)、-S(=O)
2(Q
21)及び-P(=O)(Q
21)(Q
22)のうちから選択された少なくとも一つで置換された、C
3-C
10シクロアルキル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、C
3-C
10シクロアルケニル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルケニル基、C
6-C
60アリール基、C
6-C
60アリールオキシ基、C
6-C
60アリールチオ基、C
1-C
60ヘテロアリール基、一価の非芳香族縮合多環基、一価の非芳香族ヘテロ縮合多環基、ビフェニリルビフェニリル基及びターフェニリルターフェニリル基;並びに
-Si(Q
31)(Q
32)(Q
33)、-N(Q
31)(Q
32)、-B(Q
31)(Q
32)、-C(=O)(Q
31)、-S(=O)
2(Q
31)及び-P(=O)(Q
31)(Q
32);のうちから選択され、
Q
1~Q
3、Q
11~Q
13、Q
21~Q
23、及びQ
31~Q
33は、互いに独立して、水素、重水素、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C
1-C
60アルキル基、C
2-C
60アルケニル基、C
2-C
60アルキニル基、C
1-C
60アルコキシ基、C
3-C
10シクロアルキル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、C
3-C
10シクロアルケニル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルケニル基、C
6-C
60アリール基、C
1-C
60アルキル基で置換されたC
6-C
60アリール基、C
1-C
60ヘテロアリール基、一価の非芳香族縮合多環基、一価の非芳香族ヘテロ縮合多環基、ビフェニリルビフェニリル基及びターフェニリルターフェニリル基のうちから選択され、
*及び*’は、隣接原子との結合位置である。
【0007】
他の実施形態によれば、第1電極と、第1電極に対向した第2電極と、第1電極と第2電極との間に介在され、発光層を含む有機層と、を含み、前述の縮合環化合物を1種以上含む有機発光素子が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明の縮合環化合物を含む有機発光素子は、低駆動電圧、高効率及び長寿命を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】一実施形態による有機発光素子の構造を概略的に示した図面である。
【
図2】一実施形態による有機発光素子の構造を概略的に示した図面である。
【
図3】一実施形態による有機発光素子の構造を概略的に示した図面である。
【
図4】一実施形態による有機発光素子の構造を概略的に示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[置換基の一般的な定義]
本明細書において、C1-C60アルキル基は、炭素数1~60の鎖状または分枝状の脂肪族炭化水素の一価基を意味し、具体的な例には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、ter-ブチル基、ペンチル基、iso-アミル基、ヘキシル基などが含まれる。本明細書において、C1-C60アルキレン基は、C1-C60アルキル基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0011】
本明細書において、C2-C60アルケニル基は、C2-C60アルキル基の中間または末端に、1以上の炭素二重結合を含む炭化水素基を意味し、その具体的な例には、エテニル基、プロぺニル基、ブテニル基などが含まれる。本明細書において、C2-C60アルケニレン基は、C2-C60アルケニル基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0012】
本明細書において、C2-C60アルキニル基は、C2-C60アルキル基の中間または末端に、1以上の炭素三重結合を含む炭化水素基を意味し、その具体的な例には、エチニル基、プロピニル基などが含まれる。本明細書において、C2-C60アルキニレン基は、C2-C60アルキニル基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0013】
本明細書において、C1-C60アルコキシ基は、-OA101(ここで、A101は、C1-C60アルキル基である)の化学式を有する一価基を意味し、その具体的な例には、メトキシ基、エトキシ基、イソプロピルオキシ基などが含まれる。
【0014】
本明細書において、C3-C10シクロアルキル基は、C3-C10一価の飽和炭化水素単環式基を意味し、その具体例には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基などが含まれる。本明細書において、C3-C10シクロアルキレン基は、C3-C10シクロアルキル基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0015】
本明細書において、C1-C10ヘテロシクロアルキル基は、N、O、Si、P及びSのうちから選択された少なくとも1つのヘテロ原子を環形成原子として含むC1-C10の一価の単環式基を意味し、その具体例には、1,2,3,4-オキサトリアゾリジニル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロチオフェニル基などが含まれる。本明細書において、C1-C10ヘテロシクロアルキレン基は、C1-C10ヘテロシクロアルキル基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0016】
本明細書において、C3-C10シクロアルケニル基は、C3-C10の一価の単環式基であり、環内に少なくとも1つの二重結合を有するが、芳香族性(aromaticity)を有さない基を意味し、その具体例には、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプテニル基などが含まれる。本明細書において、C3-C10シクロアルケニレン基は、C3-C10シクロアルケニル基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0017】
本明細書において、C1-C10ヘテロシクロアルケニル基は、N、O、Si、P及びSのうちから選択された少なくとも1つのヘテロ原子を環形成原子として含むC1-C10の一価の単環式基であり、環内に少なくとも1つの二重結合を有する。C1-C10ヘテロシクロアルケニル基の具体例には、4,5-ジヒドロ-1,2,3,4-オキサトリアゾリル基、2,3-ジヒドロフラニル基、2,3-ジヒドロチオフェニル基などが含まれる。本明細書において、C1-C10ヘテロシクロアルケニレン基は、C1-C10ヘテロシクロアルケニル基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0018】
本明細書において、C6-C60アリール基は、C6-C60芳香族炭素環を有する一価基を意味し、C6-C60アリーレン基は、C6-C60芳香族炭素環を有する二価基を意味する。C6-C60アリール基の具体例には、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、ピレニル基、クリセニル基などを含まれる。C6-C60アリール基及びC6-C60アリーレン基が2以上の環を含む場合、該2以上の環は、互いに縮合されてもよい。
【0019】
本明細書において、C1-C60ヘテロアリール基は、N、O、Si、P及びSのうちから選択された少なくとも1つのヘテロ原子を環形成原子として含み、C1-C60ヘテロ芳香族環を有する一価基を意味し、C1-C60ヘテロアリーレン基は、N、O、Si、P及びSのうちから選択された少なくとも1つのヘテロ原子を環形成原子として含み、C1-C60芳香族ヘテロ環を有する二価基を意味する。C1-C60ヘテロアリール基の具体例には、ピリジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基などが含まれる。C1-C60ヘテロアリール基及びC1-C60ヘテロアリーレン基が2以上の環を含む場合、該2以上の環は互いに縮合されてもよい。
【0020】
本明細書において、C6-C60アリールオキシ基は、-OA102(ここで、A102は、前記C6-C60アリール基である)を示し、前記C6-C60アリールチオ基は、-SA103(ここで、A103は、前記C6-C60アリール基である)を示す。
【0021】
本明細書において、一価の非芳香族縮合多環基は、2以上の環が互いに縮合されており、環形成原子として炭素のみを含み、分子全体が非芳香族性(non-aromaticity)を有する一価基(例えば、炭素数8~60を有する)を意味する。一価の非芳香族縮合多環基の具体例には、フルオレニル基などが含まれる。本明細書において、二価の非芳香族縮合多環基は、一価非芳香族縮合多環基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0022】
本明細書において、一価の非芳香族ヘテロ縮合多環基は、2以上の環が互いに縮合されており、環形成原子として、炭素以外に、N、O、Si、P及びSのうちから選択された少なくとも1つのヘテロ原子を含み、分子全体が非芳香族性を有する一価基(例えば、炭素数1~60を有する)を意味する。一価非芳香族ヘテロ縮合多環基の具体例には、カルバゾリル基などが含まれる。本明細書において、二価の非芳香族ヘテロ縮合多環基は、一価の非芳香族ヘテロ縮合多環基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0023】
本明細書において、C5-C60炭素環式基とは、環形成原子として炭素のみを含む炭素数5~60の単環式基または多環式基を意味する。C5-C60炭素環式基は、芳香族炭素環式基及び非芳香族炭素環式基を含む。C5-C60炭素環式基は、ベンゼンのような環、フェニル基のような一価基、またはフェニレン基のような二価基であってもよい。または、C5-C60炭素環式基に連結された置換基の個数により、C5-C60炭素環式基は、三価基または四価基でもあるというように、多様な変形が可能である。
【0024】
本明細書において、C1-C60ヘテロ環式基とは、C5-C60炭素環式基と同一構造を有するが、環形成原子として、炭素(炭素数は、1~60でもある)以外に、N、O、Si、P及びSのうちから選択された少なくとも1つのヘテロ原子を含む基を意味する。
【0025】
本明細書において、置換されたC5-C60炭素環式基、置換されたC1-C60ヘテロ環式基、置換されたC3-C10シクロアルキレン基、置換されたC1-C10ヘテロシクロアルキレン基、置換されたC3-C10シクロアルケニレン基、置換されたC1-C10ヘテロシクロアルケニレン基、置換されたC6-C60アリーレン基、置換されたC1-C60ヘテロアリーレン基、置換された二価の非芳香族縮合多環基、置換された二価の非芳香族ヘテロ縮合多環基、置換されたC1-C60アルキル基、置換されたC2-C60アルケニル基、置換されたC2-C60アルキニル基、置換されたC1-C60アルコキシ基、置換されたC3-C10シクロアルキル基、置換されたC1-C10ヘテロシクロアルキル基、置換されたC3-C10シクロアルケニル基、置換されたC1-C10ヘテロシクロアルケニル基、置換されたC6-C60アリール基、置換されたC6-C60アリールオキシ基、置換されたC6-C60アリールチオ基、置換されたC1-C60ヘテロアリール基、置換された一価の非芳香族縮合多環基、及び置換された一価の非芳香族ヘテロ縮合多環基の置換基のうち少なくとも一つは、
重水素(-D)、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C60アルキル基、C2-C60アルケニル基、C2-C60アルキニル基及びC1-C60アルコキシ基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C3-C10シクロアルキル基、C1-C10ヘテロシクロアルキル基、C3-C10シクロアルケニル基、C1-C10ヘテロシクロアルケニル基、C6-C60アリール基、C6-C60アリールオキシ基、C6-C60アリールチオ基、C1-C60ヘテロアリール基、一価の非芳香族縮合多環基、一価の非芳香族ヘテロ縮合多環基、-Si(Q11)(Q12)(Q13)、-N(Q11)(Q12)、-B(Q11)(Q12)、-C(=O)(Q11)、-S(=O)2(Q11)及び-P(=O)(Q11)(Q12)のうちから選択された少なくとも一つで置換された、C1-C60アルキル基、C2-C60アルケニル基、C2-C60アルキニル基及びC1-C60アルコキシ基;
C3-C10シクロアルキル基、C1-C10ヘテロシクロアルキル基、C3-C10シクロアルケニル基、C1-C10ヘテロシクロアルケニル基、C6-C60アリール基、C6-C60アリールオキシ基、C6-C60アリールチオ基、C1-C60ヘテロアリール基、一価の非芳香族縮合多環基及び一価の非芳香族ヘテロ縮合多環基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C60アルキル基、C2-C60アルケニル基、C2-C60アルキニル基、C1-C60アルコキシ基、C3-C10シクロアルキル基、C1-C10ヘテロシクロアルキル基、C3-C10シクロアルケニル基、C1-C10ヘテロシクロアルケニル基、C6-C60アリール基、C6-C60アリールオキシ基、C6-C60アリールチオ基、C1-C60ヘテロアリール基、一価の非芳香族縮合多環基、一価の非芳香族ヘテロ縮合多環基、-Si(Q21)(Q22)(Q23)、-N(Q21)(Q22)、-B(Q21)(Q22)、-C(=O)(Q21)、-S(=O)2(Q21)及び-P(=O)(Q21)(Q22)のうちから選択された少なくとも一つで置換された、C3-C10シクロアルキル基、C1-C10ヘテロシクロアルキル基、C3-C10シクロアルケニル基、C1-C10ヘテロシクロアルケニル基、C6-C60アリール基、C6-C60アリールオキシ基、C6-C60アリールチオ基、C1-C60ヘテロアリール基、一価の非芳香族縮合多環基及び一価の非芳香族ヘテロ縮合多環基;並びに
-Si(Q31)(Q32)(Q33)、-N(Q31)(Q32)、-B(Q31)(Q32)、-C(=O)(Q31)、-S(=O)2(Q31)及び-P(=O)(Q31)(Q32);のうちから選択され、
Q11~Q13、Q21~Q23、及びQ31~Q33は、互いに独立して、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C60アルキル基、C2-C60アルケニル基、C2-C60アルキニル基、C1-C60アルコキシ基、C3-C10シクロアルキル基、C1-C10ヘテロシクロアルキル基、C3-C10シクロアルケニル基、C1-C10ヘテロシクロアルケニル基、C6-C60アリール基、C1-C60ヘテロアリール基、一価の非芳香族縮合多環基、一価の非芳香族ヘテロ縮合多環基、ビフェニリル基ビフェニリル基及びターフェニリル基のうちからも選択される。
【0026】
本明細書において、「Ph」は、フェニル基を意味し、「Me」は、メチル基を意味し、「Et」は、エチル基を意味し、「ter-Bu」または「But」は、tert-ブチル基を意味し、「OMe」は、メトキシ基を意味する。
【0027】
本明細書において、「ビフェニリル基」は、「フェニル基で置換されたフェニル基」を意味する。「ビフェニリル基」は、置換基が「C6-C60アリール基」である「置換されたフェニル基」に属する。
【0028】
本明細書において、「ターフェニリル基」は、「ビフェニリル基で置換されたフェニル基」を意味する。「ターフェニリル基」は、置換基が「C6-C60アリール基で置換されたC6-C60アリール基」である「置換されたフェニル基」に属する。
【0029】
本明細書において、*及び*’は、他の定義がない限り、当該化学式において、隣接原子との結合位置を意味する。
【0030】
本発明の縮合環化合物は、下記化学式1-1または化学式1-2及び化学式2で表わされる。
【化4】
・・・(化学式1-1)
【化5】
・・・(化学式1-2)
【化6】
・・・(化学式2)
【0031】
化学式1-1、化学式1-2において、X1及びX2は、互いに独立して、O、S及びSi(R13)(R14)のうちから選択される。
【0032】
一例によれば、i)X1及びX2は、いずれもOであるか、ii)X1及びX2は、いずれもSであるか、iii)X1は、Oであり、X2は、SまたはSi(R13)(R14)であるか、iv)X1は、Sであり、X2は、OまたはSi(R13)(R14)であるか、v)X1は、SまたはSi(R13)(R14)であり、X2は、Oであるか、あるいはvi)X1は、OまたはSi(R13)(R14)であり、X2は、Sであってもよい。
【0033】
化学式2において、L1、L11及びL12は、互いに独立して、*-O-*’、置換もしくは無置換のC3-C60炭素環式基、及び置換もしくは無置換のC1-C60ヘテロ環式基のうちから選択される。
【0034】
例えば、L1は、置換もしくは無置換のC3-C60炭素環式基、及び置換もしくは無置換のC1-C60ヘテロ環式基のうちから選択されるが、これらに限定されるものではない。
【0035】
一例によれば、L1、L11及びL12は、互いに独立して、*-O-*’、ベンゼン、ペンタレンインデンナフタレンアズレンヘプタレン、インダセン、アセナフタレン、フルオレン、スピロ-ビフルオレ基、スピロ-ベンゾフルオレン-フルオレン、ベンゾフルオレン、ジベンゾフルオレン、フェナレン、フェナントレン、アントラセン、フルオランテン、ピレン、クリセン、ナフタセン、ピセン、ペリレン、ピロール、チオフェン、フラン、シロール、イミダゾール、ピラゾール、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ベンゾシロール、ジベンゾシロール、キノリン、イソキノリン、ベンゾイミダゾール、イミダゾピリジン及びイミダゾピリミジン;から選択された環構造を有する二価基並びに
重水素、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、インダセニル基、アセナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、オバレニル基、ピロリル基、チオフェニル基、フラニル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、-Si(Q31)(Q32)(Q33)、-N(Q31)(Q32)及び-B(Q31)(Q32)のうちから選択された少なくとも一つで置換された、ベンゼン、ペンタレン、インデン、ナフタレン、アズレン、ヘプタレン、インダセン、アセナフタレン、フルオレン、スピロ-ビフルオレン、スピロ-ベンゾフルオレン-フルオレン、ベンゾフルオレン、ジベンゾフルオレン、フェナレン、フェナントレン、アントラセン、フルオランテン、ピレン、クリセン、ナフタセン、ピセン、ペリレン、ピロール、チオフェン、フラン、シロール、イミダゾール、ピラゾール、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ベンゾシロール、ジベンゾシロール、キノリン、イソキノリン、ベンゾイミダゾール、イミダゾピリジン及びイミダゾピリミジン;から選択された環構造を有する二価基のうちから選択され、
Q1、及びQ31~Q33は、互いに独立して、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基及びピリジニル基のうちから選択される。
【0036】
一例によれば、L
1、L
11及びL
12は、互いに独立して、*-O-*’、及び下記化学式3-1~化学式3-29で表わされる基のうちから選択される。
【化7】
【0037】
化学式3-1~化学式3-29において、
Y1は、C(Z3)(Z4)、N(Z5)、Si(Z6)(Z7)、O及びSのうちから選択され、
Z1、Z2は、互いに独立して、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、ピレニル基、クリセニル基、ピロリル基、チオフェニル基、フラニル基、シロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ベンゾシロリル基、ジベンゾシロリル基及び-Si(Q31)(Q32)(Q33)のうちから選択され、
Z3~Z7は、互いに独立して、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、ピレニル基、クリセニル基、ピロリル基、チオフェニル基、フラニル基、シロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ベンゾシロリル基、ジベンゾシロリル基及び-Si(Q31)(Q32)(Q33)のうちから選択され、
前述のQ31~Q33は、互いに独立して、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基及びピリジニル基のうちから選択され、
d2は、0~2の整数であり、
d3は、0~3の整数であり、
d4は、0~4の整数であり、
d6は、0~6の整数であり、
d8は、0~8の整数であり、
*及び*’は、隣接原子との結合位置である。
【0038】
例えば、L1は、化学式3-1で表された基であってもよい。
【0039】
化学式2において、a1は、1~5のうちから選択された整数であり、a11及びa12は、0~4のうちから選択された整数である。一例によれば、a1は、1または2である。一例によれば、a11及びa12は、0~2のうちから選択された整数である。
【0040】
化学式2において、Ar1及びAr2は、互いに独立して、置換もしくは無置換のC3-C60炭素環式基、及び置換もしくは無置換のC1-C60ヘテロ環式基のうちから選択される。Ar1及びAr2は、互いに縮合されない。
【0041】
一例によれば、Ar1及びAr2は、互いに独立して、
フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、インダセニル基、アセナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、ピレニル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、オバレニル基、アダマンタニル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、チオフェニル基、フラニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾシロリル基、ベンゾナフトシロリル基、ジナフトシロリル基、ベンゾイミダゾリル基、フェナントロリニル基及びイミダゾピリジニル基;
重水素、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、インダセニル基、アセナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、ピレニル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、オバレニル基、アダマンタニル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、チオフェニル基、フラニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾシロリル基、ベンゾナフトシロリル基、ジナフトシロリル基、ベンゾイミダゾリル基、フェナントロリニル基、イミダゾピリジニル基、-N(Q31)(Q32)、-Si(Q31)(Q32)(Q33)及び-P(=O)(Q31)(Q32)のうちから選択された少なくとも一つで置換された、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、インダセニル基、アセナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、ピレニル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、オバレニル基、アダマンタニル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、チオフェニル基、フラニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾシロリル基、ベンゾナフトシロリル基、ジナフトシロリル基、ベンゾイミダゾリル基、フェナントロリニル基及びイミダゾピリジニル基;並びに
-N(Q1)(Q2)、-B(Q1)(Q2)、-S(=O)2(Q1)及び-P(=O)(Q1)(Q2);のうちから選択され、
前述のQ1、Q2、及びQ31~Q33は、互いに独立して、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基及びピリジニル基のうちから選択される。
【0042】
一例によれば、Ar
1及びAr
2は、互いに独立して、下記化学式4-1~化学式4-15で表わされる基のうちから選択される。
【化8】
【0043】
化学式4-1~化学式4-15において、
Y31は、C(Z34)(Z35)、N(Z36)、Si(Z37)(Z38)、O及びSのうちから選択され、
Z31~Z33は、互いに独立して、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、カルボン酸基またはその塩、スルホン酸基またはその塩、リン酸基またはその塩、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、フェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロ-フルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、ピレニル基、クリセニル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、トリアジニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、C1-C20アルキル基で置換された-フェニル基、及び-Si(Q31)(Q32)(Q33)のうちから選択され、
Z34~Z38は、互いに独立して、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、カルボン酸基またはその塩、スルホン酸基またはその塩、リン酸基またはその塩、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、フェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロ-フルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、ピレニル基、クリセニル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、トリアジニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、C1-C20アルキル基で置換された-フェニル基、及び-Si(Q31)(Q32)(Q33)のうちから選択され、
Q31~Q33は、互いに独立して、C1-C10アルキル基、C1-C10アルコキシ基、フェニル基、ナフチル基、ピリジニル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、及びC1-C20アルキル基で置換されたフェニル基のうちから選択され、
e3は、0~3の整数のうちから選択され、
e4は、0~4の整数のうちから選択され、
e5は、0~5の整数のうちから選択され、
e6は、0~6の整数のうちから選択され、
e7は、0~7の整数のうちから選択され、
e15は、0~15の整数のうちから選択され、
*は、隣接原子との結合位置である。
【0044】
例えば、化学式2において、Ar1及びAr2は、互いに結合しなくてもよい。
【0045】
化学式1-1、化学式1-2においてで、R1~R14は、互いに独立して、化学式2で表わされる基、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、カルボン酸基またはその塩、スルホン酸基またはその塩、リン酸基またはその塩、置換もしくは無置換のC1-C60アルキル基、置換もしくは無置換のC2-C60アルケニル基、置換もしくは無置換のC2-C60アルキニル基、置換もしくは無置換のC1-C60アルコキシ基、置換もしくは無置換のC3-C10シクロアルキル基、置換もしくは無置換のC2-C10ヘテロシクロアルキル基、置換もしくは無置換のC3-C10シクロアルケニル基、置換もしくは無置換のC2-C10ヘテロシクロアルケニル基、置換もしくは無置換のC6-C60アリール基、置換もしくは無置換のC6-C60アリールオキシ基、置換もしくは無置換のC6-C60アリールチオ基、置換もしくは無置換のC2-C60ヘテロアリール基、置換もしくは無置換の一価の非芳香族縮合多環基(non-aromatic condensed polycyclic group)、及び置換もしくは無置換の一価の非芳香族ヘテロ縮合多環基(non-aromatic condensed heteropolycyclic group)、-Si(Q1)(Q2)(Q3)、-B(Q1)(Q2)、-S(=O)2(Q1)、及び-P(=O)(Q1)(Q2)のうちから選択され、、
前述のR5~R8のうち少なくとも一つは、化学式2で表わされる基であり、
前述のR1~R4は、カルバゾリル基を含まず、
前述のR1~R14において、隣接する2個の任意の基は、選択的に(optionally)、互いに結合し、置換もしくは無置換のC3-C60炭素環式基またはC1-C60ヘテロ環式基を形成することができる。
【0046】
一例によれば、前述のR1~R14は、互いに独立して、
化学式2で表わされる基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、インダセニル基、アセナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、ピレニル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、オバレニル基、アダマンタニル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、チオフェニル基、フラニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾシロリル基、ベンゾナフトシロリル基、ジナフトシロリル基、ベンゾイミダゾリル基、フェナントロリニル基及びイミダゾピリジニル基;
重水素、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、インダセニル基、アセナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、ピレニル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、オバレニル基、アダマンタニル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、チオフェニル基、フラニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾシロリル基、ベンゾナフトシロリル基、ジナフトシロリル基、ベンゾイミダゾリル基、フェナントロリニル基、イミダゾピリジニル基、-N(Q31)(Q32)、-Si(Q31)(Q32)(Q33)及び-P(=O)(Q31)(Q32)のうちから選択された少なくとも一つで置換された、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、インダセニル基、アセナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、ピレニル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、オバレニル基、アダマンタニル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、チオフェニル基、フラニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾシロリル基、ベンゾナフトシロリル基、ジナフトシロリル基、ベンゾイミダゾリル基、フェナントロリニル基及びイミダゾピリジニル基;並びに
-B(Q1)(Q2)、-S(=O)2(Q1)及び-P(=O)(Q1)(Q2);のうちから選択され、
前述のQ1、Q2、及びQ31~Q33は、互いに独立して、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基及びピリジニル基のうちから選択される。
【0047】
例えば、化学式1-1において、i)前述のR1~R4、及びR9、R10は、水素であるか、あるいはii)前述のR1~R4は、水素であり、R9及びR10は、互いに結合し、ベンゼン環構造を形成してもよい。
【0048】
例えば、化学式1-2において、i)前述のR1~R4、及びR9~R12は、水素であるか、ii)前述のR1~R4、及びR9、R10は、水素であり、R11及びR12が互いに結合し、ベンゼン基を形成してもよく、あるいはiii)前述のR1、R2、及びR9~R12は、水素であり、R3及びR4が互いに結合し、ベンゼン環構造またはピリジン環構造を形成してもよい。
【0049】
例えば、i)R5は、化学式2で表わされる基であり、前述のR6~R8は、水素であるか、ii)R6は、化学式2で表わされる基であり、前述のR5、R7及びR8は、水素であるか、iii)R7は、化学式2で表わされる基であり、前述のR5、R6及びR8は、水素であるか、あるいはiv)R8は、化学式2で表わされる基であり、前述のR5~R7は、水素である。
【0050】
前述の置換されたC3-C60炭素環式基、置換されたC1-C60ヘテロ環式基、置換されたC1-C60アルキル基、置換されたC2-C60アルケニル基、置換されたC2-C60アルキニル基、置換されたC1-C60アルコキシ基、置換されたC3-C10シクロアルキル基、置換されたC2-C10ヘテロシクロアルキル基、置換されたC3-C10シクロアルケニル基、置換されたC2-C10ヘテロシクロアルケニル基、置換されたC6-C60アリール基、置換されたC6-C60アリールオキシ基、置換されたC6-C60アリールチオ基、置換されたC2-C60ヘテロアリール基、置換された一価の非芳香族縮合多環基、及び置換された一価の非芳香族ヘテロ縮合多環基の置換基のうち少なくとも一つは、
重水素、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C60アルキル基、C2-C60アルケニル基、C2-C60アルキニル基及びC1-C60アルコキシ基;
重水素、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C3-C10シクロアルキル基、C1-C10ヘテロシクロアルキル基、C3-C10シクロアルケニル基、C1-C10ヘテロシクロアルケニル基、C6-C60アリール基、C6-C60アリールオキシ基、C6-C60アリールチオ基、C1-C60ヘテロアリール基、一価の非芳香族縮合多環基、一価の非芳香族ヘテロ縮合多環基、-Si(Q11)(Q12)(Q13)、-N(Q11)(Q12)、-B(Q11)(Q12)、-C(=O)(Q11)、-S(=O)2(Q11)及び-P(=O)(Q11)(Q12)のうちから選択された少なくとも一つで置換された、C1-C60アルキル基、C2-C60アルケニル基、C2-C60アルキニル基及びC1-C60アルコキシ基;
C3-C10シクロアルキル基、C1-C10ヘテロシクロアルキル基、C3-C10シクロアルケニル基、C1-C10ヘテロシクロアルケニル基、C6-C60アリール基、C6-C60アリールオキシ基、C6-C60アリールチオ基、C1-C60ヘテロアリール基、一価の非芳香族縮合多環基、一価の非芳香族ヘテロ縮合多環基、ビフェニリル基及びターフェニリル基;
重水素、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C60アルキル基、C2-C60アルケニル基、C2-C60アルキニル基、C1-C60アルコキシ基、C3-C10シクロアルキル基、C1-C10ヘテロシクロアルキル基、C3-C10シクロアルケニル基、C1-C10ヘテロシクロアルケニル基、C6-C60アリール基、C6-C60アリールオキシ基、C6-C60アリールチオ基、C1-C60ヘテロアリール基、一価の非芳香族縮合多環基、一価の非芳香族ヘテロ縮合多環基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、-Si(Q21)(Q22)(Q23)、-N(Q21)(Q22)、-B(Q21)(Q22)、-C(=O)(Q21)、-S(=O)2(Q21)及び-P(=O)(Q21)(Q22)のうちから選択された少なくとも一つで置換された、C3-C10シクロアルキル基、C1-C10ヘテロシクロアルキル基、C3-C10シクロアルケニル基、C1-C10ヘテロシクロアルケニル基、C6-C60アリール基、C6-C60アリールオキシ基、C6-C60アリールチオ基、C1-C60ヘテロアリール基、一価の非芳香族縮合多環基、一価の非芳香族ヘテロ縮合多環基、ビフェニリル基及びターフェニリル基;並びに
-Si(Q31)(Q32)(Q33)、-N(Q31)(Q32)、-B(Q31)(Q32)、-C(=O)(Q31)、-S(=O)2(Q31)及び-P(=O)(Q31)(Q32);のうちから選択され、
Q1~Q3、Q11~Q13、Q21~Q23、及びQ31~Q33は、互いに独立して、水素、重水素、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C60アルキル基、C2-C60アルケニル基、C2-C60アルキニル基、C1-C60アルコキシ基、C3-C10シクロアルキル基、C1-C10ヘテロシクロアルキル基、C3-C10シクロアルケニル基、C1-C10ヘテロシクロアルケニル基、C6-C60アリール基、C1-C60アルキル基で置換されたC6-C60アリール基、C1-C60ヘテロアリール基、一価の非芳香族縮合多環基、一価の非芳香族ヘテロ縮合多環基、ビフェニリル基,及びターフェニリル基のうちから選択される。
【0051】
一例によれば、化学式1-1、化学式1-2及び化学式2で表わされる縮合環化合物は、下記化合物A1~A119、及び化合物B1~B119のうちから選択されるが、これらに限定されるものではない。
【0052】
【0053】
【0054】
上記縮合環化合物は、化学式1-1または化学式1-2で表わされたヘテロヘリセン(heterohelicene)構造を含む。該縮合環化合物は、ヘテロヘリセン構造を介して、π共役系が長く、熱耐性及び電荷耐性にすぐれており、該縮合環化合物を用いた有機発光素子の長寿命化を実現することができる。また、該縮合環化合物は、複数個のヘテロ原子を含むことにより、向上された正孔輸送性を有する。
【0055】
また、前述のような縮合構造を含むことにより、分子全体の対称性及び結晶性を低下させて、膜特性を向上させることができる。
【0056】
一方、縮合ジベンゾフラン(または、ジベンゾチオフェン、ジベンゾシロール)部分構造を含むとしても、本発明のような形態の縮合構造を含まない場合、分子全体の平面性が過度に顕著になって結晶性が向上し、分子間距離が短くなり、正孔伝達が遅くなり、発光効率が良好ではないという問題点がある。
【0057】
また、上記本発明に係る縮合環化合物は、ヘテロヘリセンコアに含まれるヘテロ原子を、O、Si、Sに限定することにより、ヘテロ原子としてNを含む場合に比べ、優秀なキャリアバランスを有し、素子効率を高めることができる。
【0058】
また、上記本発明に係る縮合環化合物は、化学式1-1または化学式1-2で表わされると、アミノ基との間にリンカーを必ず含む。該リンカーを含まず、アミノ基が、直接化学式1-1または化学式1-2で表わされるる基に結合する場合、窒素原子に結合する3個のアリール基間の距離が過度に近くなり、分子安定性が落ち、立体電子的反発を解消するために、3個のアリール基が歪んだ立体構造を取るようになり、HOMO(highest occupied molecular orbital)軌道分布が狭くなり、素子の効率及び寿命が低下してしまうという問題点がある。
【0059】
また、化学式2で表わされるアミノ基を含むことにより、強い耐電子性を有したアミノ基により、長寿命の正孔輸送材料として適用が可能であるだけではなく、アミノ基の置換位置を、ヘテロヘリセンコアの末端部位に限定している。もし該ヘテロヘリセンコアの末端部位ではない中心部位にアミノ基が位置する場合、ヘテロヘリセン内のヘテロ原子が全体分子の内部に向くようになり、分子間の相互作用が弱くなり、正孔輸送性が高くなり難くなり、HOMO軌道において、該へテロヘリセンコアの電子分布が過度に大きくなり、相対的にアミノ基の寄与が小さくなるため、アミノ基による特性発揮が困難になるという問題点がある。
【0060】
さらに、該へテロヘリセンコアにおいて、末端部位にカルバゾリル基を含まないが、カルバゾリル基を含む場合、正孔輸送性が十分ではなく、分子全体的に過度にゆがんだ立体構造を取るようになり、ラジカル(radical)状態において不安定になり、素子の効率及び寿命がいずれも低下してしまうという問題点がある。
【0061】
従って、化学式1-1、化学式1-2で表わされた縮合環化合物を採用した電子素子、例えば、有機発光素子は、低駆動電圧、高効率及び長寿命を実現することができる。
【0062】
化学式1-1、化学式1-2で表わされる縮合環化合物の合成方法は、後述する実施例を参照し、当業者が認識することができるであろう。
【0063】
化学式1-1、化学式1-2で表わされる縮合環化合物のうち少なくとも一つは、有機発光素子の1対の電極間に使用される。例えば、該縮合環化合物は、正孔輸送領域及び発光層のうち少なくとも一つに含まれる。または、該縮合環化合物は、有機発光素子の1対の電極外側に位置したキャッピング層材料として使用されてもよい。
【0064】
例えば、有機発光素子は、i)第1電極、有機層、第2電極及び第2キャッピング層が順次に積層された構造、ii)第1キャッピング層、第1電極、有機層及び第2電極が順次に積層された構造、あるいはiii)第1キャッピング層、第1電極、有機層、第2電極及び第2キャッピング層が順次に積層された構造を有し、第1キャッピング層及び第2キャッピング層のうち少なくとも1層に、縮合環化合物が含まれてもよい。
【0065】
従って、第1電極と、第1電極に対向した第2電極と、第1電極と第2電極との間に介在され、発光層を含む有機層と、を含み、上記本発明に係る縮合環化合物を1種以上含む有機発光素子が提供される。
【0066】
本明細書において、「(有機層が)縮合環化合物を1種以上含む」とは、「(有機層が)本発明に係る1種の縮合環化合物、または本発明に係る互いに異なる2種以上の縮合環化合物を含んでもよい」と解釈されてもよい。
【0067】
例えば、有機層は、本発明に係る縮合環化合物として、化合物A1のみを含んでもよい。このとき、化合物A1は、有機発光素子の正孔輸送層に存在してもよい。または、有機層は、本発明に係る縮合環化合物として、化合物A1及び化合物A2を含んでもよい。このとき、化合物A1及び化合物A2は、同一層に存在(例えば、化合物1及び化合物2は、いずれも正孔輸送層に存在する)するか、あるいは互いに異なる層に存在(例えば、化合物1は、発光層に存在し、化合物2は、正孔輸送層に存在する)することができる。
【0068】
一例によれば、
有機発光素子の第1電極は、アノードであり、
有機発光素子の第2電極は、カソードであり、
有機発光素子の有機層は、第1電極と発光層との間に介在された正孔輸送領域、及び発光層と第2電極との間に介在された電子輸送領域をさらに含み、
正孔輸送領域は、正孔注入層、正孔輸送層、バッファ層、発光補助層及び電子阻止層のうちから選択された少なくとも1層を含み、
電子輸送領域は、正孔阻止層、電子輸送層及び電子注入層のうちから選択された少なくとも1層を含む電子輸送領域を含んでもよい。
【0069】
一例によれば、正孔輸送領域に、化学式1、化学式1-2で表わされる縮合環化合物が含まれてもよい。
【0070】
一例によれば、正孔輸送領域が正孔輸送層を含み、正孔輸送層に、化学式1、化学式1-2で表わされる縮合環化合物が含まれてもよい。
【0071】
一例によれば、正孔輸送領域が、第1電極と発光層との間に介在された第1正孔輸送層と、第1正孔輸送層と発光層との間に介在された第2正孔輸送層と、を含み、
第1正孔輸送層に、化学式1、化学式1-2で表わされる縮合環化合物が含まれてもよい。
【0072】
他の例によれば、正孔輸送領域が、第1電極と発光層との間に介在された第1正孔輸送層と、第1正孔輸送層と発光層との間に介在された第2正孔輸送層と、を含み、
第2正孔輸送層に、化学式1、化学式1-2で表わされる縮合環化合物が含まれてもよい。
【0073】
一例によれば、発光層がホスト及びドーパントを含み、ドーパントは、蛍光ドーパントまたはリン光ドーパントである。例えば、ホストは、アントラセン系化合物、ピレン系化合物、フルオランテン系化合物、クリセン系化合物、ジヒドロベンズアントラセン系化合物、トリフェニレン系化合物、及び任意の組み合わせ(combination)を含んでもよい。
【0074】
一例によれば、電子輸送領域は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、希土類金属化合物、アルカリ金属錯体、アルカリ土類金属錯体、希土類金属錯体、またはそれらのうち任意の組み合わせを含んでもよい。
【0075】
本明細書において、「有機層」は、有機発光素子において、第1電極と第2電極との間に介在された単一及び/または複数の全ての層を示す用語である。「有機層」の層に含まれた物質は、有機物に限定されるものではない。
【0076】
[有機発光素子10についての説明]
図1は、本発明の一実施形態による有機発光素子10の断面図を概略的に示したものである。有機発光素子10は、第1電極110、有機層150及び第2電極190を含む。
【0077】
以下、
図1を参照し、本発明の一実施形態による有機発光素子10の構造及び製造方法について説明する。
【0078】
[第1電極110]
図1の第1電極110の下部、または第2電極190の上部には、基板が追加して配置されてもよい。基板としては、機械的強度、熱安定性、透明性、表面平滑性、取り扱い容易性及び防水性にすぐれるガラス基板またはプラスチック基板を使用することができる。
【0079】
第1電極110は、例えば、基板上部に、第1電極用物質を用いて、蒸着法またはスパッタリング法などを利用して形成される。第1電極110がアノードである場合、正孔注入が容易であるように、第1電極用物質は、高い仕事関数を有する物質のうちから選択される。
【0080】
第1電極110は、反射型電極、半透過型電極または透過型電極である。透過型電極である第1電極110を形成するためには、第1電極用物質は、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化スズ(SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)、及びその任意の組み合わせのうちから選択されるが、これらに限定されるものではない。また、半透過型電極または反射型電極である第1電極110を形成するためには、第1電極用物質は、マグネシウム(Mg)、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、アルミニウム-リチウム(Al-Li)、カルシウム(Ca)、マグネシウム-インジウム(Mg-In)、マグネシウム-銀(Mg-Ag)、及びその任意の組み合わせのうちから選択されるが、これらに限定されるものではない。
【0081】
第1電極110は、単一層である単層構造、または複数層を有する多層構造を有することができる。例えば、第1電極110は、ITO/Ag/ITOの3層構造を有することができるが、これに限定されるものではない。
【0082】
[有機層150]
第1電極110上部には、有機層150が配置されている。有機層150は、発光層を含む。
【0083】
有機層150は、第1電極110と発光層との間に介在された正孔輸送領域(hole transport tregion)、及び発光層と前記第2電極190との間に介在された電子輸送領域(electron transport region)を含んでもよい。
【0084】
[有機層150における正孔輸送領域]
正孔輸送領域は、i)単一物質からなる単一層からなる単層構造、ii)複数の互いに異なる物質からなる単一層からなる単層構造、あるいはiii)複数の互いに異なる物質からなる複層を有する多層構造を有することができる。
【0085】
正孔輸送領域は、正孔注入層(HIL)、正孔輸送層(HTL)、発光補助層及び電子阻止層(EBL)のうちから選択された少なくとも1層を含んでもよい。
【0086】
例えば、正孔輸送領域は、複数の互いに異なる物質からなる単一層からなる単層構造を有するか、あるいは第1電極110から順に積層された正孔注入層/正孔輸送層、正孔注入層/正孔輸送層/発光補助層、正孔注入層/発光補助層、正孔輸送層/発光補助層または正孔注入層/正孔輸送層/電子阻止層の多層構造を有することができるが、これらに限定されるものではない。
【0087】
一例によれば、正孔輸送領域は、化学式1、化学式1-2で表わされる縮合環化合物を含んでもよい。
【0088】
また、正孔輸送領域は、m-MTDATA、TDATA、1-TNATA、2-TNATA、NPB(NPD)、β-NPB、TPD、spiro-TPD、spiro-NPB、メチル化された-NPB、TAPC、HMTPD、4,4’,4”-トリス(N-カルバゾリル)トリフェニルアミン(TCTA)、ポリアニリン/ドデシルベンゼンスルホン酸(Pani/DBSA)、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(4-スチレンスルホネート)(PEDOT/PSS)、ポリアニリン/カンファースルホン酸(Pani/CSA)、ポリアニリン/ポリ(4-スチレンスルホネート)(PANI/PSS)、下記化学式201で表わされる化合物、及び下記化学式202で表わされる化合物のうちから選択された少なくとも一つをさらに含んでもよい。
【化11】
【化12】
・・・(化学式201)
【化13】
・・・(化学式202)
【0089】
化学式201及び化学式202において、
L201~L204は、互いに独立して、置換もしくは無置換のC3-C10シクロアルキレン基、置換もしくは無置換のC1-C10ヘテロシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のC3-C10シクロアルケニレン基、置換もしくは無置換のC1-C10ヘテロシクロアルケニレン基、置換もしくは無置換のC6-C60アリーレン基、置換もしくは無置換のC1-C60ヘテロアリーレン基、置換もしくは無置換の二価の非芳香族縮合多環基、及び置換もしくは無置換の二価の非芳香族ヘテロ縮合多環基のうちから選択され、
L205は、*-O-*’、*-S-*’、*-N(Q201)-*’、置換もしくは無置換のC1-C20アルキレン基、置換もしくは無置換のC2-C20アルケニレン基、置換もしくは無置換のC3-C10シクロアルキレン基、置換もしくは無置換のC1-C10ヘテロシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のC3-C10シクロアルケニレン基、置換もしくは無置換のC1-C10ヘテロシクロアルケニレン基、置換もしくは無置換のC6-C60アリーレン基、置換もしくは無置換のC1-C60ヘテロアリーレン基、置換もしくは無置換の二価の非芳香族縮合多環基、及び置換もしくは無置換の二価の非芳香族ヘテロ縮合多環基のうちから選択され、
xa1~xa4は、互いに独立して、0~3の整数のうちから選択され、
xa5は、1~10の整数のうちから選択され、
R201~R204、及びQ201は、互いに独立して、置換もしくは無置換のC3-C10シクロアルキル基、置換もしくは無置換のC1-C10ヘテロシクロアルキル基、置換もしくは無置換のC3-C10シクロアルケニル基、置換もしくは無置換のC1-C10ヘテロシクロアルケニル基、置換もしくは無置換のC6-C60アリール基、置換もしくは無置換のC6-C60アリールオキシ基、置換もしくは無置換のC6-C60アリールチオ基、置換もしくは無置換のC1-C60ヘテロアリール基、置換もしくは無置換の一価の非芳香族縮合多環基、及び置換もしくは無置換の一価の非芳香族ヘテロ縮合多環基のうちから選択される。
【0090】
例えば、化学式202において、R201とR202は、選択的に、単結合、ジメチル-メチレン基またはジフェニル-メチレン基を介して互いに結合され、R203とR204は、選択的に、単結合、ジメチル-メチレン基またはジフェニル-メチレン基を介しても互いに結合されてもよい。
【0091】
一例によれば、化学式201及び化学式202において、
L201しL205は、互いに独立して、
フェニレン基、ペンタレニレン基、インデニレン基、ナフチレン基、アズレニレン基、ヘプタレニレン基、インダセニレン基、アセナフチレン基、フルオレニレン基、スピロ-ビフルオレニレン基、ベンゾフルオレニレン基、ジベンゾフルオレニレン基、フェナレニレン基、フェナントレニレン基、アントラセニレン基、フルオランテニレン基、トリフェニレニレン基、ピレニレン基、クリセニレン基、ナフタセニレン基、ピセニレン基、ペリレニレン基、ペンタフェニレン基、ヘキサセニレン基、ペンタセニレン基、ルビセニレン基、コロネニレン基、オバレニレン基、チオフェニレン基、フラニレン基、カルバゾリレン基、インドリレン基、イソインドリレン基、ベンゾフラニレン基、ベンゾチオフェニレン基、ジベンゾフラニレン基、ジベンゾチオフェニレン基、ベンゾカルバゾリレン基、ジベンゾカルバゾリレン基、ジベンゾシロリレン基及びピリジニレン基;並びに
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、C1-C10アルキル基で置換されたフェニル基、-Fで置換されたフェニル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、インダセニル基、アセナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、オバレニル基、チオフェニル基、フラニル基、カルバゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基、ピリジニル基、-Si(Q31)(Q32)(Q33)、及び-N(Q31)(Q32)のうちから選択された少なくとも一つで置換された、フェニレン基、ペンタレニレン基、インデニレン基、ナフチレン基、アズレニレン基、ヘプタレニレン基、インダセニレン基、アセナフチレン基、フルオレニレン基、スピロ-ビフルオレニレン基、ベンゾフルオレニレン基、ジベンゾフルオレニレン基、フェナレニレン基、フェナントレニレン基、アントラセニレン基、フルオランテニレン基、トリフェニレニレン基、ピレニレン基、クリセニレン基、ナフタセニレン基、ピセニレン基、ペリレニレン基、ペンタフェニレン基、ヘキサセニレン基、ペンタセニレン基、ルビセニレン基、コロネニレン基、オバレニレン基、チオフェニレン基、フラニレン基、カルバゾリレン基、インドリレン基、イソインドリレン基、ベンゾフラニレン基、ベンゾチオフェニレン基、ジベンゾフラニレン基、ジベンゾチオフェニレン基、ベンゾカルバゾリレン基、ジベンゾカルバゾリレン基、ジベンゾシロリレン基及びピリジニレン基;のうちから選択され、
Q31~Q33は、互いに独立して、C1-C10アルキル基、C1-C10アルコキシ基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基及びナフチル基のうちから選択される。
【0092】
他の例によれば、xa1~xa4は、互いに独立して、0、1または2である。
【0093】
さらに他の例によれば、xa5は、1、2、3または4である。
【0094】
さらに他の例によれば、R201~R204、及びQ201は、互いに独立して、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、インダセニル基、アセナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、オバレニル基、チオフェニル基、フラニル基、カルバゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリルギ及びピリジニル基;並びに
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、C1-C10アルキル基で置換されたフェニル基、-Fで置換されたフェニル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、インダセニル基、アセナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、オバレニル基、チオフェニル基、フラニル基、カルバゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基、ピリジニル基、-Si(Q31)(Q32)(Q33)、及び-N(Q31)(Q32)のうちから選択された少なくとも一つで置換された、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、インダセニル基、アセナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、オバレニル基、チオフェニル基、フラニル基、カルバゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基及びピリジニル基;のうちから選択され、
Q31~Q33についての説明は、本明細書に記載されたところを参照する。
【0095】
さらに他の例によれば、化学式201において、R201~R203のうち少なくとも一つは、互いに独立して、
フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基及びジベンゾチオフェニル基;並びに
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、C1-C10アルキル基で置換されたフェニル基、-Fで置換されたフェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、及びジベンゾチオフェニル基のうちから選択された少なくとも一つで置換された、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基及びジベンゾチオフェニル基;のうちから選択されるが、これらに限定されるものではない。
【0096】
さらに他の例によれば、化学式202において、i)R201とR202は、単結合を介して互いに結合され、かつ/またはii)R203とR204は、単結合を介して互いに結合されてもよい。
【0097】
さらに他の例によれば、化学式202において、R201~R204のうち少なくとも一つは、
カルバゾリル基;並びに
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、C1-C10アルキル基で置換されたフェニル基、-Fで置換されたフェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、及びジベンゾチオフェニル基のうちから選択された少なくとも一つで置換されたカルバゾリル基;のうちから選択されるが、これらに限定されるものではない。
【0098】
化学式201で表わされる化合物は、下記化学式201Aであらわされてもよい。
【化14】
・・・(化学式201A)
【0099】
例えば、化学式201で表わされる化合物は、下記化学式201A(1)で表わされてもよいが、これに限定されるものではない。
【化15】
・・・(化学式201A(1))
【0100】
さらに他の例として、化学式201で表わされる化合物は、下記化学式201A-1で表されてもよいが、これに限定されるものではない。
【化16】
・・・(化学式201A-1)
【0101】
一方、化学式202で表わされる化合物は、下記化学式202Aで表わされてもよい。
【化17】
・・・(化学式202A)
【0102】
さらに他の例によれば、化学式202で表わされる化合物は、下記化学式202A-1で表されてもよい。
【化18】
・・・(化学式202A-1)
【0103】
化学式201A、化学式201A(1)、化学式201A-1、化学式202A及び化学式202A-1において、
L201~L203、xa1~xa3、xa5、及びR202~R204についての説明は、本明細書に記載されたところを参照し、
R211及びR212についての説明は、本明細書において、R203についての説明を参照し、
R213~R217は、互いに独立して、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、C1-C10アルキル基で置換されたフェニル基、-Fで置換されたフェニル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、インダセニル基、アセナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、オバレニル基、チオフェニル基、フラニル基、カルバゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基及びピリジニル基のうちから選択される。
【0104】
正孔輸送領域は、下記化合物HT1~化合物HT39のうちから選択された少なくとも一つの化合物を含んでもよいが、これらに限定されるものではない。
【化19】
【0105】
正孔輸送領域の厚みは、約10nm~約1000nm、例えば、約10nm~約100nmであってもよい。正孔輸送領域が、正孔注入層及び正孔輸送層のうち少なくとも1層を含むものであるならば、正孔注入層の厚みは、約10nm~約900nm、例えば、約10nm~約100nmであり、正孔輸送層の厚みは、約5nm~約200nm、例えば、約10nm~約150nmであってもよい。正孔輸送領域、正孔注入層及び正孔輸送層の厚みが前述のような範囲を満たす場合、実質的な駆動電圧の上昇なしに、優れた正孔輸送特性を得ることができる。
【0106】
発光補助層は、発光層で放出される光の波長による光学的共振距離を補償し、光放出効率を向上させる役割を行う層であり、電子阻止層は、電子輸送領域からの電子注入を防止する役割を行う層である。発光補助層及び電子阻止層には、前述のような物質が含まれてもよい。
【0107】
[p-ドーパント]
正孔輸送領域は、前述のような物質以外に、導電性向上のために、電荷生成物質をさらに含んでもよい。電荷生成物質は、正孔輸送領域内に、均一に分散されていてもよく、不均一に分散されていてもよい。
【0108】
電荷生成物質は、例えば、p-ドーパントである。一例によれば、p-ドーパントのLUMO(lowest unoccupied molecular orbital)は、-3.5eV以下である。p-ドーパントは、キノン誘導体、金属酸化物及びシアノ基含有化合物のうちから選択された少なくとも一つを含んでもよいが、これらに限定されるものではない。
【0109】
例えば、p-ドーパントは、
テトラシアノキノジメタン(TCNQ)及び2,3,5,6-テトラフルオロ-7,7,8,8-テトラシアノキノジメタン(F4-TCNQ)のようなキノン誘導体;
タングステン酸化物及びモリブデン酸化物のような金属酸化物;
1,4,5,8,9,12-ヘキサアザトリフェニレン-ヘキサカルボニトリル(HAT-CN);並びに
下記化学式221で表わされる化合物;のうちから選択された少なくとも一つを含んでもよいが、これらに限定されるものではない。
【化20】
・・・<HAT-CN>
【化21】
・・・<F4-TCNQ>
【化22】
・・・(化学式221)
【0110】
化学式221において、
R221~R223は、互いに独立して、置換もしくは無置換のC3-C10シクロアルキル基、置換もしくは無置換のC1-C10ヘテロシクロアルキル基、置換もしくは無置換のC3-C10シクロアルケニル基、置換もしくは無置換のC1-C10ヘテロシクロアルケニル基、置換もしくは無置換のC6-C60アリール基、置換もしくは無置換のC1-C60ヘテロアリール基、置換もしくは無置換の一価の非芳香族縮合多環基、及び置換もしくは無置換の一価の非芳香族ヘテロ縮合多環基のうちから選択されるが、記R221~R223のうち少なくとも一つは、シアノ基、-F、-Cl、-Br、-I、-Fで置換されたC1-C20アルキル基、-Clで置換されたC1-C20アルキル基、-Brで置換されたC1-C20アルキル基、及び-Iで置換されたC1-C20アルキル基のうちから選択された少なくとも一つの置換基を有する。
【0111】
[発光層]
有機発光素子10がフルカラー有機発光素子である場合、発光層は、個別副画素別に、赤色発光層、緑色発光層及び青色発光層にパターニングされる。または、発光層は、赤色発光層、緑色発光層及び青色発光層のうちから選択された2以上の層が、接触または離隔されて積層された構造を有するか、あるいは赤色光放出物質、緑色光放出物質及び青色光放出物質のうちから選択された2以上の物質が、層区分なしに混合された構造を有し、白色光を放出することができる。
【0112】
発光層は、ホスト及びドーパントを含んでもよい。ドーパントは、リン光ドーパント及び蛍光ドーパントのうち少なくとも一つを含んでもよい。
【0113】
発光層において、ドーパントの含量は、一般的に、ホスト約100重量部に対して、約0.01~約15重量部の範囲で選択されるが、これに限定されるものではない。
【0114】
発光層の厚みは、約10nm~約100nm、例えば、約20nm~約60nmであってもよい。発光層の厚みが前述のような範囲を満たす場合、実質的な駆動電圧の上昇なしに、優れた発光特性を示すことができる。
【0115】
[発光層におけるホスト]
ホストは、下記化学式301で表わされる化合物を含んでもよい。
[Ar301]xb11-[(L301)xb1-R301]xb21・・・(化学式301)
【0116】
化学式301において、
Ar301は、置換もしくは無置換のC5-C60炭素環式基、または置換もしくは無置換のC1-C60ヘテロ環式基であり、
xb11は、1、2または3であり、
L301は、置換もしくは無置換のC3-C10シクロアルキレン基、置換もしくは無置換のC1-C10ヘテロシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のC3-C10シクロアルケニレン基、置換もしくは無置換のC1-C10ヘテロシクロアルケニレン基、置換もしくは無置換のC6-C60アリーレン基、置換もしくは無置換のC1-C60ヘテロアリーレン基、置換もしくは無置換の二価の非芳香族縮合多環基、及び置換もしくは無置換の二価の非芳香族ヘテロ縮合多環基のうちから選択され、
xb1は、0~5の整数のうちから選択され、
R301は、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、置換もしくは無置換のC1-C60アルキル基、置換もしくは無置換のC2-C60アルケニル基、置換もしくは無置換のC2-C60アルキニル基、置換もしくは無置換のC1-C60アルコキシ基、置換もしくは無置換のC3-C10シクロアルキル基、置換もしくは無置換のC1-C10ヘテロシクロアルキル基、置換もしくは無置換のC3-C10シクロアルケニル基、置換もしくは無置換のC1-C10ヘテロシクロアルケニル基、置換もしくは無置換のC6-C60アリール基、置換もしくは無置換のC6-C60アリールオキシ基、置換もしくは無置換のC6-C60アリールチオ基、置換もしくは無置換のC1-C60ヘテロアリール基、置換もしくは無置換の一価の非芳香族縮合多環基、置換もしくは無置換の一価の非芳香族ヘテロ縮合多環基、-Si(Q301)(Q302)(Q303)、-N(Q301)(Q302)、-B(Q301)(Q302)、-C(=O)(Q301)、-S(=O)2(Q301)、及び-P(=O)(Q301)(Q302)のうちから選択され、
xb21は、1~5の整数のうちから選択され、
Q301~Q303は、互いに独立して、C1-C10アルキル基、C1-C10アルコキシ基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基及びナフチル基のうちから選択されるが、これらに限定されるものではない。
【0117】
一例によれば、化学式301においてAr301は、
ナフタレン、フルオレン、スピロ-ビフルオレン、ベンゾフルオレン、ジベンゾフルオレン、フェナレン、フェナントレン、アントラセン、フルオランテン、トリフェニレン、ピレン、クリセン、ナフタセン、ピセン、ペリレン、ペンタフェン、インデノアントラセン、ジベンゾフラン及びジベンゾチオフェン;から選択された環構造並びに
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、-Si(Q31)(Q32)(Q33)、-N(Q31)(Q32)、-B(Q31)(Q32)、-C(=O)(Q31)、-S(=O)2(Q31)及び-P(=O)(Q31)(Q32)のうちから選択された少なくとも一つで置換された、ナフタレン、フルオレン、スピロ-ビフルオレン、ベンゾフルオレン、ジベンゾフルオレン、フェナレン、フェナントレン、アントラセン、フルオランテン、トリフェニレン、ピレン、クリセン、ナフタセン、ピセン、ペリレン、ペンタフェ基、インデノアントラセン、ジベンゾフラン及びジベンゾチオフェン;から選択された環構造のうちから選択され、
Q31~Q33は、互いに独立して、C1-C10アルキル基、C1-C10アルコキシ基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基及びナフチル基のうちから選択されるが、これらに限定されるものではない。
【0118】
化学式301において、xb11が2以上である場合、2以上のAr301は、単結合を介しても互いに結合されてもよい。
【0119】
他の例によれば、化学式301で表わされる化合物は、下記化学式301-1または化学式301-2で表わされれてもよい。
【化23】
・・・(化学式301-2)
【化24】
・・・(化学式301-2)
【0120】
化学式301-1及び化学式301-2において、
A301~A304は、互いに独立して、ベンゼン、ナフタレン、フェナントレン、フルオランテン、トリフェニレン、ピレン、クリセン、ピリジン、ピリミジン、インデン、フルオレン、スピロ-ビフルオレン、ベンゾフルオレン、ジベンゾフルオレン、インドール、カルバゾール、ベンゾカルバゾール、ジベンゾカルバゾール、フラン、ベンゾフラン、ジベンゾフラン、ナフトフラン、ベンゾナフトフラン、ジナフトフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェン、ナフトチオフェン、ベンゾナフトチオフェン及びジナフトチオフェンのうちから選択された環構造を有し、
X301は、O、SまたはN-[(L304)xb4-R304]であり、
R311ないしR314は、互いに独立して、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基-Si(Q31)(Q32)(Q33)、-N(Q31)(Q32)、-B(Q31)(Q32)、-C(=O)(Q31)、-S(=O)2(Q31)及び-P(=O)(Q31)(Q32)のうちから選択され、
xb22及びxb23は、互いに独立して、0、1または2であり、
L301、xb1、R301、及びQ31~Q33についての説明は、本明細書に記載されたところを参照し、
L302~L304についての説明は、互いに独立して、L301についての説明を参照し、
xb2~xb4についての説明は、互いに独立して、xb1についての説明を参照し、
R302~R304についての説明は、互いに独立して、R301についての説明を参照する。
【0121】
例えば、化学式301、化学式301-1及び化学式301-2において、L301~L304は、互いに独立して、
フェニレン基、ナフチレン基、フルオレニレン基、スピロ-ビフルオレニレン基、ベンゾフルオレニレン基、ジベンゾフルオレニレン基、フェナントレニレン基、アントラセニレン基、フルオランテニレン基、トリフェニレニレン基、ピレニレン基、クリセニレン基、ペリレニレン基、ペンタフェニレン基、ヘキサセニレン基、ペンタセニレン基、チオフェニレン基、フラニレン基、カルバゾリレン基、インドリレン基、イソインドリレン基、ベンゾフラニレン基、ベンゾチオフェニレン基、ジベンゾフラニレン基、ジベンゾチオフェニレン基、ベンゾカルバゾリレン基、ジベンゾカルバゾリレン基、ジベンゾシロリレン基、ピリジニレン基、イミダゾリレン基、ピラゾリレン基、チアゾリレン基、イソチアゾリレン基、オキサゾリレン基、イソキサゾリレン基、チアジアゾリレン基、オキサジアゾリレン基、ピラジニレン基、ピリミジニレン基、ピリダジニレン基、トリアジニレン基、キノリニレン基、イソキノリニレン基、ベンゾキノリニレン基、フタラジニレン基、ナフチリジニレン基、キノキサリニレン基、キナゾリニレン基、シンノリニレン基、フェナントリジニレン基、アクリジニレン基、フェナントロリニレン基、フェナジニレン基、ベンゾイミダゾリレン基、イソベンゾチアゾリレン基、ベンゾオキサゾリレン基、イソベンゾオキサゾリレン基、トリアゾリレン基、テトラゾリレン基、イミダゾピリジニレン基、イミダゾピリミジニレン基及びアザカルバゾリレン基;並びに
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、チオフェニル基、フラニル基、カルバゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基、ピリジニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアジアゾリル基、オキサジアゾリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、ベンゾイミダゾリル基、イソベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、イソベンゾオキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、イミダゾピリジニル基、イミダゾピリミジニル基、アザカルバゾリル基、-Si(Q31)(Q32)(Q33)、-N(Q31)(Q32)、-B(Q31)(Q32)、-C(=O)(Q31)、-S(=O)2(Q31)及び-P(=O)(Q31)(Q32)のうちから選択された少なくとも一つで置換された、フェニレン基、ナフチレン基、フルオレニレン基、スピロ-ビフルオレニレン基、ベンゾフルオレニレン基、ジベンゾフルオレニレン基、フェナントレニレン基、アントラセニレン基、フルオランテニレン基、トリフェニレニレン基、ピレニレン基、クリセニレン基、ペリレニレン基、ペンタフェニレン基、ヘキサセニレン基、ペンタセニレン基、チオフェニレン基、フラニレン基、カルバゾリレン基、インドリレン基、イソインドリレン基、ベンゾフラニレン基、ベンゾチオフェニレン基、ジベンゾフラニレン基、ジベンゾチオフェニレン基、ベンゾカルバゾリレン基、ジベンゾカルバゾリレン基、ジベンゾシロリレン基、ピリジニレン基、イミダゾリレン基、ピラゾリレン基、チアゾリレン基、イソチアゾリレン基、オキサゾリレン基、イソキサゾリレン基、チアジアゾリレン基、オキサジアゾリレン基、ピラジニレン基、ピリミジニレン基、ピリダジニレン基、トリアジニレン基、キノリニレン基、イソキノリニレン基、ベンゾキノリニレン基、フタラジニレン基、ナフチリジニレン基、キノキサリニレン基、キナゾリニレン基、シンノリニレン基、フェナントリジニレン基、アクリジニレン基、フェナントロリニレン基、フェナジニレン基、ベンゾイミダゾリレン基、イソベンゾチアゾリレン基、ベンゾオキサゾリレン基、イソベンゾオキサゾリレン基、トリアゾリレン基、テトラゾリレン基、イミダゾピリジニレン基、イミダゾピリミジニレン基及びアザカルバゾリレン基;のうちから選択され、
Q31~Q33についての説明は、本明細書に記載されたところを参照することができる。
【0122】
他の例として、化学式301、化学式301-1及び化学式301-2において、R301~R304は、互いに独立して、
フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、チオフェニル基、フラニル基、カルバゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基、ピリジニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアジアゾリル基、オキサジアゾリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、ベンゾイミダゾリル基、イソベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、イソベンゾオキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、イミダゾピリジニル基、イミダゾピリミジニル基及びアザカルバゾリル基;並びに
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、チオフェニル基、フラニル基、カルバゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基、ピリジニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアジアゾリル基、オキサジアゾリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、ベンゾイミダゾリル基、イソベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、イソベンゾオキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、イミダゾピリジニル基、イミダゾピリミジニル基、アザカルバゾリル基、-Si(Q31)(Q32)(Q33)、-N(Q31)(Q32)、-B(Q31)(Q32)、-C(=O)(Q31)、-S(=O)2(Q31)及び-P(=O)(Q31)(Q32)のうちから選択された少なくとも一つで置換された、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、チオフェニル基、フラニル基、カルバゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基、ピリジニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアジアゾリル基、オキサジアゾリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、ベンゾイミダゾリル基、イソベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、イソベンゾオキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、イミダゾピリジニル基、イミダゾピリミジニル基及びアザカルバゾリル基;のうちから選択され、
Q31~Q33についての説明は、本明細書に記載されたところを参照することができる。
【0123】
さらに他の例として、ホストは、アルカリ土類金属錯体を含んでもよい。例えば、ホストは、Be錯体(例えば、下記化合物H55)、Mg錯体及びZn錯体のうちから選択される。
【0124】
ホストは、9
1553739995302_62.aspx?CBNumber=CB6282088&postData3=JP&SYMBOL_Type=JP');
(ADN)、2-メチル-9,10-ビス(ナフタレン-2-イル)アントラセン(MADN)、9,10-ジ-(2-ナフチル)-2-t-ブチル-アントラセン(TBADN)、4,4’-ビス(N-カルバゾリル)-1,1’-ビフェニル(CBP)、1,3-ジ-9-カルバゾリルベンゼン(mCP)、1,3,5-トリ(カルバゾール-9-イル)ベンゼン(TCP)、及び下記化合物H1ないしH55のうちから選択された少なくとも一つを含んでもよいが、これらに限定されるものではない。
【化25】
【0125】
[発光層に含まれるリン光ドーパント]
リン光ドーパントは、下記化学式401及び化学式402で表わされる有機金属錯体を含んでもよい。
M(L
401)
xc1(L
402)
xc2・・・(化学式401)
【化26】
・・・(化学式402)
【0126】
化学式401及び化学式402において、
Mは、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、ユウロピウム(Eu)、テルビウム(Tb)、ロジウム(Rh)及びツリウム(Tm)のうちから選択され、
L401は、化学式402で表わされるリガンドのうちから選択され、xc1は、1、2または3であり、xc1が2以上である場合、2以上のL401は、互いに同一であっても異なっていてもよく、
L402は、有機リガンドであり、xc2は、0~4の整数のうちから選択され、xc2が2以上である場合、2以上のL402は、互いに同一であっても異なっていてもよく、
X401~X404は、互いに独立して、窒素または炭素であり、
X401とX403は、単結合または二重結合を介して結合され、X402とX404は、単結合または二重結合を介して結合され、
A401及びA402は、互いに独立して、C5-C60炭素環式基またはC1-C60ヘテロ環式基であり、
X405は、単結合、*-O-*’、*-S-*’、*-C(=O)-*’、*-N(Q411)-*’、*-C(Q411)(Q412)-*’、*-C(Q411)=C(Q412)-*’、*-C(Q411)=*’または*=C=*’であり、Q411及びQ412は、水素、重水素、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基またはナフチル基であり、
X406は、単結合、OまたはSであり、
R401及びR402は、互いに独立して、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、置換もしくは無置換のC1-C20アルキル基、置換もしくは無置換のC1-C20アルコキシ基、置換もしくは無置換のC3-C10シクロアルキル基、置換もしくは無置換のC1-C10ヘテロシクロアルキル基、置換もしくは無置換のC3-C10シクロアルケニル基、置換もしくは無置換のC1-C10ヘテロシクロアルケニル基、置換もしくは無置換のC6-C60アリール基、置換もしくは無置換のC6-C60アリールオキシ基、置換もしくは無置換のC6-C60アリールチオ基、置換もしくは無置換のC1-C60ヘテロアリール基、置換もしくは無置換の一価の非芳香族縮合多環基、置換もしくは無置換の一価の非芳香族ヘテロ縮合多環基、-Si(Q401)(Q402)(Q403)、-N(Q401)(Q402)、-B(Q401)(Q402)、-C(=O)(Q401)、-S(=O)2(Q401)、及び-P(=O)(Q401)(Q402)のうちから選択され、Q401~Q403は、互いに独立して、C1-C10アルキル基、C1-C10アルコキシ基、C6-C20アリール基及びC1-C20ヘテロアリール基のうちから選択され、
xc11及びxc12は、互いに独立して、1~10の整数のうちから選択され、
化学式402において、*及び*’は、化学式401における、Mとの結合位置である。
【0127】
一例によれば、化学式402において、A401及びA402は、互いに独立して、ベンゼン、ナフタレン、フルオレン、スピロ-ビフルオレン、インデン、ピロール、チオフェン、フラン、イミダゾール、ピラゾール、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、キノリン、イソキノリン、ベンゾキノリン、キノキサルリン、キナゾリン、カルバゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、イソベンゾチオフェン、ベンゾオキサゾール、イソベンゾオキサゾール、トリアゾール、テトラゾール、オキサジアゾール、トリアジン、ジベンゾフラン及びジベンゾチオフェンのうちから選択される環構造を有する。
【0128】
他の例によれば、化学式402において、i)X401は、窒素であり、X402は、炭素であるか、あるいはii)X401とX402とがいずれも窒素であってもよい。
【0129】
さらに他の例によれば、化学式402において、R401及びR402は、互いに独立して、
水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基及びC1-C20アルコキシ基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、フェニル基、ナフチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンタニル基、ノルボルナニル基及びノルボルネニル基のうちから選択された少なくとも一つで置換された、C1-C20アルキル基及びC1-C20アルコキシ基;
シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンタニル基、ノルボルナニル基、ノルボルネニル基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、フルオレニル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基及びジベンゾチオフェニル基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンタニル基、ノルボルナニル基、ノルボルネニル基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、フルオレニル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基及びジベンゾチオフェニル基のうちから選択された少なくとも一つで置換された、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンタニル基、ノルボルナニル基、ノルボルネニル基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、フルオレニル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基及びジベンゾチオフェニル基;並びに
-Si(Q401)(Q402)(Q403)、-N(Q401)(Q402)、-B(Q401)(Q402)、-C(=O)(Q401)、-S(=O)2(Q401)及び-P(=O)(Q401)(Q402);のうちから選択され、
Q401~Q403は、互いに独立して、C1-C10アルキル基、C1-C10アルコキシ基、フェニル基、ビフェニリル基及びナフチル基のうちから選択されるが、これらに限定されるものではない。
【0130】
さらに他の例によれば、化学式401において、xc1又はxc2が2以上である場合、2以上のL401において、2個以上のA401は、選択的に、連結基であるX407を介して互いに結合されるか、あるいは2個以上のA402は、選択的に、連結基であるX408を介しても互いに結合される(下記化合物PD1~PD4、及びPD7参照)。前述のX407及びX408は、互いに独立して、単結合、*-O-*’、*-S-*’、*-C(=O)-*’、*-N(Q413)-*’、*-C(Q413)(Q414)-*’または*-C(Q413)=C(Q414)-*’(ここで、Q413及びQ414は、互いに独立して、水素、重水素、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基またはナフチル基である)であるが、これらに限定されるものではない。
【0131】
化学式401においてL402は、任意の一価、二価または三価の有機リガンドであってもよい。例えば、L402は、ハロゲン、ジケトン(例えば、アセチルアセトネート)、カルボン酸(例えば、ピコリネート)、-C(=O)、イソニトリル、-CN及びホスフォロス含有物質(例えば、ホスフィン(phosphine)、ホスファイト(phosphite))のうちから選択されるが、これらに限定されるものではない。
【0132】
または、リン光ドーパントは、例えば、下記化合物PD1~化合物PD25のうちから選択されるが、これらに限定されるものではない。
【化27】
【0133】
[発光層に含まれる蛍光ドーパント]
蛍光ドーパントは、アリールアミン化合物またはスチリルアミン化合物を含んでもよい。
【0134】
蛍光ドーパントは、下記化学式501で表わされる化合物を含んでもよい:
【化28】
・・・(化学式501)
【0135】
化学式501において、
Ar501は、置換もしくは無置換のC5-C60炭素環式基、または置換もしくは無置換のC1-C60ヘテロ環式基であり、
L501~L503は、互いに独立して、置換もしくは無置換のC3-C10シクロアルキレン基、置換もしくは無置換のC1-C10ヘテロシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のC3-C10シクロアルケニレン基、置換もしくは無置換のC1-C10ヘテロシクロアルケニレン基、置換もしくは無置換のC6-C60アリーレン基、置換もしくは無置換のC1-C60ヘテロアリーレン基、置換もしくは無置換の二価の非芳香族縮合多環基、及び置換もしくは無置換の二価の非芳香族ヘテロ縮合多環基のうちから選択され、
xd1~xd3は、互いに独立して、0~3の整数のうちから選択され、
R501及びR502は、互いに独立して、置換もしくは無置換のC3-C10シクロアルキル基、置換もしくは無置換のC1-C10ヘテロシクロアルキル基、置換もしくは無置換のC3-C10シクロアルケニル基、置換もしくは無置換のC1-C10ヘテロシクロアルケニル基、置換もしくは無置換のC6-C60アリール基、置換もしくは無置換のC6-C60アリールオキシ基、置換もしくは無置換のC6-C60アリールチオ基、置換もしくは無置換のC1-C60ヘテロアリール基、置換もしくは無置換の一価の非芳香族縮合多環基、及び置換もしくは無置換の一価の非芳香族ヘテロ縮合多環基のうちから選択され、
xd4は、1~6の整数のうちから選択される。
【0136】
一例によれば、化学式501においてAr501は、
ナフタレン、ヘプタレン、フルオレン、スピロ-ビフルオレン、ベンゾフルオレン、ジベンゾフルオレン、フェナレン、フェナントレン、アントラセン、フルオランテン、トリフェニレン、ピレン、クリセン、ナフタセン、ピセン、ペリレン、ペンタフェン、インデノアントラセン及びインデノフェナントレン;から選択された環構造、並びに
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基及びナフチル基のうちから選択された少なくとも一つで置換された、ナフタレン、ヘプタレン、フルオレン、スピロ-ビフルオレン、ベンゾフルオレン、ジベンゾフルオレン、フェナレン、フェナントレン、アントラセン、フルオランテン、トリフェニレン、ピレン、クリセン、ナフタセン、ピセン、ペリレン、ペンタフェン、インデノアントラセン及びインデノフェナントレ基;から選択された環構造のうちから選択される。
【0137】
他の例によれば、化学式501において、L501~L503は、互いに独立して、
フェニレン基、ナフチレン基、フルオレニレン基、スピロ-ビフルオレニレン基、ベンゾフルオレニレン基、ジベンゾフルオレニレン基、フェナントレニレン基、アントラセニレン基、フルオランテニレン基、トリフェニレニレン基、ピレニレン基、クリセニレン基、ペリレニレン基、ペンタフェニレン基、ヘキサセニレン基、ペンタセニレン基、チオフェニレン基、フラニレン基、カルバゾリレン基、インドリレン基、イソインドリレン基、ベンゾフラニレン基、ベンゾチオフェニレン基、ジベンゾフラニレン基、ジベンゾチオフェニレン基、ベンゾカルバゾリレン基、ジベンゾカルバゾリレン基、ジベンゾシロリレン基、ピリジニレン基;及び
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、チオフェニル基、フラニル基、カルバゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基及びピリジニル基のうちから選択された少なくとも一つで置換された、フェニレン基、ナフチレン基、フルオレニレン基、スピロ-ビフルオレニレン基、ベンゾフルオレニレン基、ジベンゾフルオレニレン基、フェナントレニレン基、アントラセニレン基、フルオランテニレン基、トリフェニレニレン基、ピレニレン基、クリセニレン基、ペリレニレン基、ペンタフェニレン基、ヘキサセニレン基、ペンタセニレン基、チオフェニレン基、フラニレン基、カルバゾリレン基、インドリレン基、イソインドリレン基、ベンゾフラニレン基、ベンゾチオフェニレン基、ジベンゾフラニレン基、ジベンゾチオフェニレン基、ベンゾカルバゾリレン基、ジベンゾカルバゾリレン基、ジベンゾシロリレン基、ピリジニレン基;のうちから選択される。
【0138】
さらに他の例によれば、化学式501において、R501及びR502は、互いに独立して、
フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、チオフェニル基、フラニル基、カルバゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基及びピリジニル基;並びに
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、チオフェニル基、フラニル基、カルバゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基、ピリジニル基及び-Si(Q31)(Q32)(Q33)のうちから選択された少なくとも一つで置換された、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、チオフェニル基、フラニル基、カルバゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基及びピリジニル基;のうちから選択され、
Q31~Q33は、C1-C10アルキル基、C1-C10アルコキシ基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基及びナフチル基のうちから選択される。
【0139】
さらに他の例によれば、化学式501においてxd4は、2であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0140】
例えば、蛍光ドーパントは、下記化合物FD1~化合物FD22のうちから選択される。
【化29】
【0141】
または、蛍光ドーパントは、下記化合物のうちから選択されるが、これらに限定されるものではない。
【化30】
【0142】
[電子輸送領域]
電子輸送領域は、i)単一物質からなる単一層からなる単層構造、ii)複数の互いに異なる物質からなる単一層からなる単層構造、あるいはiii)複数の互いに異なる物質からなる複層を有する多層構造を有することができる。
【0143】
電子輸送領域は、バッファ層、正孔阻止層、電子調節層、電子輸送層(ETL)及び電子注入層のうちから選択された少なくとも1層を含んでもよいが、これらに限定されるものではない。
【0144】
例えば、電子輸送領域は、発光層から順に積層された電子輸送層/電子注入層、正孔阻止層/電子輸送層/電子注入層、電子調節層/電子輸送層/電子注入層またはバッファ層/電子輸送層/電子注入層のような構造を有することができるが、これらに限定されるものではない。
【0145】
電子輸送領域(例えば、電子輸送領域における、バッファ層、正孔阻止層、電子調節層または電子輸送層)は、π電子欠乏性含窒素環を少なくとも一つ含む金属非含有化合物を含んでもよい。
【0146】
「π電子欠乏性含窒素環」は、環形成部分構造であり、少なくとも1つの*-N=*’部分構造を有するC1-C60ヘテロ環式基を意味する。
【0147】
例えば、「π電子欠乏性含窒素環」は、i)少なくとも1つの*-N=*’部分構造を有する5員環~7員環のヘテロ単環式基であるか、ii)少なくとも1つの*-N=*’部分構造を有する5員環~7員環のヘテロ単環式基のうち2以上が互いに縮合されているヘテロ多環式基であるか、あるいはiii)少なくとも1つの*-N=*’部分構造を有する5員環~7員環のヘテロ単環式基のうち少なくとも一つと、少なくとも1つのC5-C60炭素環式基とが互いに縮合されているヘテロ多環式基である。
【0148】
π電子欠乏性含窒素環の具体例としては、イミダゾール、ピラゾール、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インダゾール、プリン、キノリン、イソキノリン、ベンゾキノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、フェナントリジン、アクリジン、フェナントロリン、フェナジン、ベンゾイミダゾール、イソベンゾチアゾール、ベンゾオキサゾール、イソベンゾオキサゾール、トリアゾール、テトラゾール、オキサジアゾール、トリアジン、チアジアゾール、イミダゾピリジン、イミダゾピリミジン、アザカルバゾールなどを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0149】
例えば、電子輸送領域は、下記化学式601で表わされる化合物を含んでもよい。
[Ar601]xe11-[(L601)xe1-R601]xe21・・・(化学式601)
【0150】
化学式601において、
Ar601は、置換もしくは無置換のC5-C60炭素環式基、または置換もしくは無置換のC1-C60ヘテロ環式基であり、
xe11は、1、2または3であり、
L601は、置換もしくは無置換のC3-C10シクロアルキレン基、置換もしくは無置換のC1-C10ヘテロシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のC3-C10シクロアルケニレン基、置換もしくは無置換のC1-C10ヘテロシクロアルケニレン基、置換もしくは無置換のC6-C60アリーレン基、置換もしくは無置換のC1-C60ヘテロアリーレン基、置換もしくは無置換の二価の非芳香族縮合多環基、及び置換もしくは無置換の二価の非芳香族ヘテロ縮合多環基のうちから選択され、
xe1は、0~5の整数のうちから選択され、
R601は、置換もしくは無置換のC3-C10シクロアルキル基、置換もしくは無置換のC1-C10ヘテロシクロアルキル基、置換もしくは無置換のC3-C10シクロアルケニル基、置換もしくは無置換のC1-C10ヘテロシクロアルケニル基、置換もしくは無置換のC6-C60アリール基、置換もしくは無置換のC6-C60アリールオキシ基、置換もしくは無置換のC6-C60アリールチオ基、置換もしくは無置換のC1-C60ヘテロアリール基、置換もしくは無置換の一価の非芳香族縮合多環基、置換もしくは無置換の一価の非芳香族ヘテロ縮合多環基、-Si(Q601)(Q602)(Q603)、-C(=O)(Q601)、-S(=O)2(Q601)及び-P(=O)(Q601)(Q602)のうちから選択され、
Q601~Q603は、互いに独立して、C1-C10アルキル基、C1-C10アルコキシ基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基またはナフチル基であり、
xe21は、1~5の整数のうちから選択される。
【0151】
一例によれば、xe11個のAr601、及びxe21個のR601のうち少なくとも一つは、前述のようなπ電子欠乏性含窒素環を含んでもよい。
【0152】
一例によれば、化学式601において環Ar601は、
ベンゼン、ナフタレン、フルオレン、スピロ-ビフルオレン、ベンゾフルオレン、ジベンゾフルオレン、フェナレン、フェナントレン、アントラセン、フルオランテン、トリフェニレン、ピレン、クリセン、ナフタセン、ピセン、ペリレン、ペンタフェン、インデノアントラセン、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、カルバゾール、イミダゾール、ピラゾール、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インダゾール、プリン、キノリン、イソキノリン、ベンゾキノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、フェナントリジン、アクリジン、フェナントロリン、フェナジン、ベンゾイミダゾール、イソベンゾチアゾール、ベンゾオキサゾール、イソベンゾオキサゾール、トリアゾール、テトラゾール、オキサジアゾール、トリアジン、チアジアゾール、イミダゾピリジン、イミダゾピリミジン及びアザカルバゾール;から選択された環構造、並びに
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、-Si(Q31)(Q32)(Q33)、-S(=O)2(Q31)及び-P(=O)(Q31)(Q32)のうちから選択された少なくとも一つで置換された、ベンゼン、ナフタレン、フルオレン、スピロ-ビフルオレン、ベンゾフルオレン、ジベンゾフルオレン、フェナレン、フェナントレン、アントラセン、フルオランテン、トリフェニレン、ピレン、クリセン、ナフタセン、ピセン、ペリレン、ペンタフェン、インデノアントラセン、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、カルバゾール、イミダゾール、ピラゾール、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インダゾール、プリン、キノリン、イソキノリン、ベンゾキノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、フェナントリジン、アクリジン、フェナントロリン、フェナジン、ベンゾイミダゾール、イソベンゾチアゾール、ベンゾオキサゾール、イソベンゾオキサゾール、トリアゾール、テトラゾール、オキサジアゾール、トリアジン、チアジアゾール、イミダゾピリジン、イミダゾピリミジン及びアザカルバゾール;から選択された環構造のうちから選択され、
Q31~Q33は、互いに独立して、C1-C10アルキル基、C1-C10アルコキシ基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基及びナフチル基のうちから選択される。
【0153】
化学式601において、xe11が2以上である場合、2以上のAr601は、単結合を介して互いに結合される。
【0154】
他の例によれば、化学式601におけるAr601は、アントラセン環構造を有してもよい。
【0155】
さらに他の例によれば、化学式601で表わされる化合物は、下記化学式601-1で表されてもよい。
【化31】
・・・(化学式601-1)
【0156】
化学式601-1において、
X614は、NまたはC(R614)であり、X615は、NまたはC(R615)であり、X616は、NまたはC(R616)であり、X614ないしX616のうち少なくとも一つは、Nであり、
L611~L613は、互いに独立して、L601についての説明を参照し、
xe611~xe613は、互いに独立して、xe1についての説明を参照し、
R611~R613は、互いに独立して、R601についての説明を参照し、
R614~R616は、互いに独立して、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基及びナフチル基のうちから選択される。
【0157】
一例によれば、化学式601及び化学式601-1において、L601、及びL611~L613は、互いに独立して、
フェニレン基、ナフチレン基、フルオレニレン基、スピロ-ビフルオレニレン基、ベンゾフルオレニレン基、ジベンゾフルオレニレン基、フェナントレニレン基、アントラセニレン基、フルオランテニレン基、トリフェニレニレン基、ピレニレン基、クリセニレン基、ペリレニレン基、ペンタフェニレン基、ヘキサセニレン基、ペンタセニレン基、チオフェニレン基、フラニレン基、カルバゾリレン基、インドリレン基、イソインドリレン基、ベンゾフラニレン基、ベンゾチオフェニレン基、ジベンゾフラニレン基、ジベンゾチオフェニレン基、ベンゾカルバゾリレン基、ジベンゾカルバゾリレン基、ジベンゾシロリレン基、ピリジニレン基、イミダゾリレン基、ピラゾリレン基、チアゾリレン基、イソチアゾリレン基、オキサゾリレン基、イソキサゾリレン基、チアジアゾリレン基、オキサジアゾリレン基、ピラジニレン基、ピリミジニレン基、ピリダジニレン基、トリアジニレン基、キノリニレン基、イソキノリニレン基、ベンゾキノリニレン基、フタラジニレン基、ナフチリジニレン基、キノキサリニレン基、キナゾリニレン基、シンノリニレン基、フェナントリジニレン基、アクリジニレン基、フェナントロリニレン基、フェナジニレン基、ベンゾイミダゾリレン基、イソベンゾチアゾリレン基、ベンゾオキサゾリレン基、イソベンゾオキサゾリレン基、トリアゾリレン基、テトラゾリレン基、イミダゾピリジニレン基、イミダゾピリミジニレン基及びアザカルバゾリレン基;並びに
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、チオフェニル基、フラニル基、カルバゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基、ピリジニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアジアゾリル基、オキサジアゾリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、ベンゾイミダゾリル基、イソベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、イソベンゾオキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、イミダゾピリジニル基、イミダゾピリミジニル基及びアザカルバゾリル基のうちから選択された少なくとも一つで置換された、フェニレン基、ナフチレン基、フルオレニレン基、スピロ-ビフルオレニレン基、ベンゾフルオレニレン基、ジベンゾフルオレニレン基、フェナントレニレン基、アントラセニレン基、フルオランテニレン基、トリフェニレニレン基、ピレニレン基、クリセニレン基、ペリレニレン基、ペンタフェニレン基、ヘキサセニレン基、ペンタセニレン基、チオフェニレン基、フラニレン基、カルバゾリレン基、インドリレン基、イソインドリレン基、ベンゾフラニレン基、ベンゾチオフェニレン基、ジベンゾフラニレン基、ジベンゾチオフェニレン基、ベンゾカルバゾリレン基、ジベンゾカルバゾリレン基、ジベンゾシロリレン基、ピリジニレン基、イミダゾリレン基、ピラゾリレン基、チアゾリレン基、イソチアゾリレン基、オキサゾリレン基、イソキサゾリレン基、チアジアゾリレン基、オキサジアゾリレン基、ピラジニレン基、ピリミジニレン基、ピリダジニレン基、トリアジニレン基、キノリニレン基、イソキノリニレン基、ベンゾキノリニレン基、フタラジニレン基、ナフチリジニレン基、キノキサリニレン基、キナゾリニレン基、シンノリニレン基、フェナントリジニレン基、アクリジニレン基、フェナントロリニレン基、フェナジニレン基、ベンゾイミダゾリレン基、イソベンゾチアゾリレン基、ベンゾオキサゾリレン基、イソベンゾオキサゾリレン基、トリアゾリレン基、テトラゾリレン基、イミダゾピリジニレン基、イミダゾピリミジニレン基及びアザカルバゾリレン基;のうちから選択されるが、これらに限定されるものではない。
【0158】
他の例によれば、化学式601及び化学式601-1において、xe1、及びxe611~xe613は、互いに独立して、0、1または2である。
【0159】
さらに他の例によれば、化学式601及び化学式601-1において、R601、及びR611~R613は、互いに独立して、
フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、チオフェニル基、フラニル基、カルバゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基、ピリジニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアジアゾリル基、オキサジアゾリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、ベンゾイミダゾリル基、イソベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、イソベンゾオキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、イミダゾピリジニル基、イミダゾピリミジニル基及びアザカルバゾリル基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、チオフェニル基、フラニル基、カルバゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基、ピリジニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアジアゾリル基、オキサジアゾリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、ベンゾイミダゾリル基、イソベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、イソベンゾオキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、イミダゾピリジニル基、イミダゾピリミジニル基及びアザカルバゾリル基のうちから選択された少なくとも一つで置換された、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、チオフェニル基、フラニル基、カルバゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基、ピリジニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアジアゾリル基、オキサジアゾリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、ベンゾイミダゾリル基、イソベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、イソベンゾオキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、イミダゾピリジニル基、イミダゾピリミジニル基及びアザカルバゾリル基;並びに
-S(=O)2(Q601)及び-P(=O)(Q601)(Q602);のうちから選択され、
Q601及びQ602についての説明は、本明細書に記載されたところを参照する。
【0160】
電子輸送領域は、下記化合物ET1~化合物ET36のうちから選択された少なくとも1つの化合物を含んでもよいが、これらに限定されるものではない。
【化32】
【0161】
また、電子輸送領域は、2,9-ジメチル-4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン(BCP)、4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン(Bphen)、Alq3、BAlq、3-(ビフェニル-4-イル)-5-(4-tert-ブチルフェニル)-4-フェニル-4H-1,2,4-トリアゾール(TAZ)及びNTAZのうちから選択された少なくとも1つの化合物を含んでもよい。
【化33】
【0162】
バッファ層、正孔阻止層または電子調節層の厚みは、互いに独立して、約2nm~約100nm、例えば、約3nm~約30nmであってもよい。バッファ層、正孔阻止層または電子調節層の厚みが前述のような範囲を満たす場合、実質的な駆動電圧の上昇なしに、優れた正孔阻止特性または電子調節特性を得ることができる。
【0163】
電子輸送層の厚みは、約10nm~約100nm、例えば、約15nm~約50nmであってもよい。電子輸送層の厚みが前述のような範囲を満たす場合、実質的な駆動電圧の上昇なしに、優れた電子輸送特性を得ることができる。
【0164】
電子輸送領域(例えば、電子輸送領域における電子輸送層)は、前述のような物質以外に、金属含有物質をさらに含んでもよい。
【0165】
金属含有物質は、アルカリ金属錯体及びアルカリ土類金属錯体のうちから選択された少なくとも一つを含んでもよい。アルカリ金属錯体の金属イオンは、Liイオン、Naイオン、Kイオン、Rbイオン及びCsイオンのうちからも選択され、アルカリ土類金属錯体の金属イオンは、Beイオン、Mgイオン、Caイオン、Srイオン及びBaイオンのうちから選択される。アルカリ金属錯体及びアルカリ土類金属錯体の金属イオンに配位された配位子は、互いに独立して、ヒドロキシキノリン、ヒドロキシイソキノリン、ヒドロキシベンゾキノリン、ヒドロキシアクリジン、ヒドロキシフェナントリジン、ヒドロキシフェニルオキサゾール、ヒドロキシフェニルチアゾール、ヒドロキシジフェニルオキサジアゾール、ヒドロキシジフェニルチアジアゾール、ヒドロキシフェニルピリジン、ヒドロキシフェニルベンゾイミダゾール、ヒドロキシフェニルベンゾチアゾール、ビピリジン、フェナントロリン及びシクロペンタジエンのうちから選択されるが、これらに限定されるものではない。
【0166】
例えば、金属含有物質は、Li錯体を含んでもよい。Li錯体は、例えば、下記化合物ET-D1(リチウムキノレート(LiQ))または化合物ET-D2を含んでもよい。
【化34】
【0167】
電子輸送領域は、第2電極190からの電子注入を容易にする電子注入層を含んでもよい。電子注入層は、第2電極190と直接(directly)接触することができる。
【0168】
電子注入層は、i)単一物質からなる単一層からなる単層構造、ii)複数の互いに異なる物質からなる単一層からなる単層構造、あるいはiii)複数の互いに異なる物質からなる複層を有する多層構造を有することができる。
【0169】
電子注入層は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、希土類金属化合物、アルカリ金属錯体、アルカリ土類金属錯体、希土類金属錯体、またはそれらのうち任意の組み合わせを含んでもよい。
【0170】
アルカリ金属は、Li、Na、K、Rb及びCsのうちから選択される。一例によれば、アルカリ金属はLi、NaまたはCsであってもよい。他の例によれば、アルカリ金属は、LiまたはCsであってもよいが、これらに限定されるものではない。
【0171】
アルカリ土類金属は、Mg、Ca、Sr、及びBaのうちから選択される。
【0172】
希土類金属は、Sc、Y、Ce、Tb、Yb及びGdのうちからも択される。
【0173】
アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物及び希土類金属化合物は、アルカリ金属、アルカリ土類金属及び希土類金属の酸化物及びハロゲン化物(例えば、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物など)のうちから選択される。
【0174】
アルカリ金属化合物は、Li2O、Cs2O、K2Oのようなアルカリ金属酸化物、及びLiF、NaF、CsF、KF、LiI、NaI、CsI、KI、RbIのようなアルカリ金属ハロゲン化物のうちから選択される。一例によれば、アルカリ金属化合物は、LiF、Li2O、NaF、LiI、NaI、CsI、KIのうちから選択されるが、これらに限定されるものではない。
【0175】
アルカリ土類金属化合物は、BaO、SrO、CaO、BaxSr1-xO(0<x<1)、BaxCa1-xO(0<x<1)のようなアルカリ土類金属化合物のうちから選択される。一例によれば、アルカリ土類金属化合物は、BaO、SrO及びCaOのうちから選択されるが、これらに限定されるものではない。
【0176】
希土類金属化合物は、YbF3、ScF3、ScO3、Y2O3、Ce2O3、GdF3及びTbF3のうちから選択される。一例によれば、希土類金属化合物は、YbF3、ScF3、TbF3、YbI3、ScI3、TbI3のうちから選択されるが、これらに限定されるものではない。
【0177】
アルカリ金属錯体、アルカリ土類金属錯体及び希土類金属錯体は、前述のようなアルカリ金属、アルカリ土類金属及び希土類金属のイオンを含み、アルカリ金属錯体、アルカリ土類金属錯体及び希土類金属錯体の金属イオンに配位された配位子は、互いに独立して、ヒドロキシキノリン、ヒドロキシイソキノリン、ヒドロキシベンゾキノリン、ヒドロキシアクリジン、ヒドロキシフェナントリジン、ヒドロキシフェニルオキサゾール、ヒドロキシフェニルチアゾール、ヒドロキシジフェニルオキサジアゾール、ヒドロキシジフェニルチアジアゾール、ヒドロキシフェニルピリジン、ヒドロキシフェニルベンゾイミダゾール、ヒドロキシフェニルベンゾチアゾール、ビピリジン、フェナントロリン及びシクロペンタジエンのうちから選択されるが、これらに限定されるものではない。
【0178】
電子注入層は、前述のようなアルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、希土類金属化合物、アルカリ金属錯体、アルカリ土類金属錯体、希土類金属錯体、またはそれらのうち任意の組み合わせだけからなるか、あるいは有機物をさらに含んでもよい。電子注入層が有機物をさらに含む場合、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、希土類金属化合物、アルカリ金属錯体、アルカリ土類金属錯体、希土類金属錯体、またはそれらのうち任意の組み合わせは、有機物からなるマトリックスに均一に分散されてもよく、不均一に分散されてもよい。
【0179】
電子注入層の厚みは、約0.1nm~約10nm、約0.3nm~約9nmであってもよい。電子注入層の厚みが前述のような範囲を満たす場合、実質的な駆動電圧の上昇なしに、優れた電子注入特性を得ることができる。
【0180】
[第2電極190]
前述のような有機層150上部には、第2電極190が配置されている。第2電極190は、電子注入電極であるカソードであるが、このとき、第2電極190用物質としては、低い仕事関数を有する金属、合金、電気伝導性化合物、及びそれらの組み合わせを使用することができる。
【0181】
第2電極190は、リチウム(Li)、銀(Ag)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、アルミニウム-リチウム(Al-Li)、カルシウム(Ca)、マグネシウム-インジウム(Mg-In)、マグネシウム-銀(Mg-Ag)、ITO及びIZOのうちから選択された少なくとも一つを含んでもよいが、これらに限定されるものではない。第2電極190は、透過型電極、半透過型電極または反射型電極である。
【0182】
第2電極190は、単一層である単層構造、または複数層を有する多層構造を有することができる。
【0183】
[有機発光素子20~40についての説明]
一方、
図2の有機発光素子20は、第1キャッピング層210、第1電極110、有機層150及び第2電極190が順に積層された構造を有し、
図3の有機発光素子30は、第1電極110、有機層150、第2電極190及び第2キャッピング層220が順に積層された構造を有し、
図4の有機発光素子40は、第1キャッピング層210、第1電極110、有機層150、第2電極190及び第2キャッピング層220が順に積層された構造を有する。
【0184】
図2~
図4において、第1電極110、有機層150及び第2電極190についての説明は、
図1についての説明を参照する。
【0185】
有機発光素子20、有機発光素子40の有機層150において、発光層で生成された光は、半透過型電極または透過型電極である第1電極110及び第1キャッピング層210を経て、外部に取り出され、有機発光素子30、有機発光素子40の有機層150において、発光層で生成された光は、半透過型電極または透過型電極である第2電極190及び第2キャッピング層220を経て、外部に取り出される。
【0186】
第1キャッピング層210及び第2キャッピング層220は、補強干渉の原理により、外部発光効率を向上させる役割を行うことができる。
【0187】
第1キャッピング層210及び第2キャッピング層220は、互いに独立して、有機物からなる有機キャッピング層、無機物からなる無機キャッピング層、または有機物及び無機物を含む複合キャッピング層であってもよい。
【0188】
第1キャッピング層210及び第2キャッピング層220のうち少なくとも1層は、互いに独立して、炭素環式化合物、ヘテロ環式化合物、アミン系化合物、ポルフィン誘導体(porphine derivatives)、フタロシアニン誘導体(phthalocyanine derivatives)、ナフタロシアニン誘導体(naphthalocyanine derivatives)、アルカリ金属錯体及びアルカリ土類金属錯体のうちから選択された少なくとも1つの物質を含んでもよい。前述の炭素環式化合物、ヘテロ環式化合物及びアミン系化合物は、選択的に、O、N、S、Se、Si、F、Cl、Br及びIのうちから選択された少なくとも1つの元素を含む置換基で置換される。一例によれば、第1キャッピング層210及び第2キャッピング層220のうち少なくとも1層は、互いに独立して、アミン系化合物を含んでもよい。
【0189】
他の例によれば、第1キャッピング層210及び第2キャッピング層220のうち少なくとも1層は、互いに独立して、化学式201で表わされる化合物、または化学式202で表わされる化合物を含んでもよい。
【0190】
さらに他の例によれば、第1キャッピング層210及び第2キャッピング層220のうち少なくとも1層、互いに独立して、化合物HT28~化合物HT33、及び下記化合物CP1~化合物CP5のうちから選択された化合物を含んでもよいが、これらに限定されるものではない。
【化35】
【0191】
以上、有機発光素子について、
図1~
図4を参照して説明したが、これらに限定されるものではない。
【0192】
正孔輸送領域に含まれた各層、発光層、及び電子輸送領域に含まれた各層は、それぞれ、真空蒸着法、スピンコーティング法、キャスト法、LB(Langmuir-Blodgett)法、インクジェットプリンティング法、レーザプリンティング法、レーザ熱転写法(LITI:laser induced thermal imaging)のような多様な方法を利用し、所定領域に形成される。
【0193】
該真空蒸着法により、正孔輸送領域に含まれた各層、発光層、及び電子輸送領域に含まれた各層をそれぞれ形成する場合、蒸着条件は、例えば、約100℃~約500℃の蒸着温度、約10-8torr~約10-3torrの真空度、及び約0.001nm/sec~約10nm/secの蒸着速度範囲内で、形成しようとする層に含まれる材料、及び形成しようとする層の構造を考慮して選択される。
【0194】
該スピンコーティング法により、正孔輸送領域に含まれた各層、発光層、及び電子輸送領域に含まれた各層をそれぞれ形成する場合、コーティング条件は、例えば、約2,000rpm~約5,000rpmのコーティング速度、及び約80℃~約200℃の熱処理温度の範囲内で、形成しようとする層に含まれる材料、及び形成しようとする層の構造を考慮して選択される。
【実施例】
【0195】
以下、合成例及び実施例を挙げ、本発明の一実施形態による化合物及び有機発光素子について、さらに具体的に説明する。下記の合成例及び実施例において、「Aの代わりにBを使用した」という表現において、Aのモル当量とBのモル当量は、互いに同一である。
【0196】
【0197】
(中間体IM-1の合成)
Ar雰囲気下で、1,000mLの3口フラスコに、2,3-ジブロモ-1,4-ジフルオロベンゼン20.00g(73.56mmol)、2-メトキシフェニルボロン酸12.30g(1.1当量(equiv)、80.9mmol)、K2CO380.92g(3equiv、220.7mmol)、Pd(PPh3)4を4.25g(0.05equiv、3.7mmol)、及びトルエン(toluene)/EtOH/H2O(4/2/1)の混合溶液515mLを順次に加え、80℃に5時間加熱撹拌した。室温まで冷却させた後、反応溶液をトルエンで抽出した。水層を除去し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、MgSO4で乾燥させた。MgSO4の濾過分離と、有機層の濃縮とを実施し、得られた粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィ(展開層には、ヘキサンとトルエンとの混合溶媒を使用する)で精製し、中間体IM-1(16.94g、収率77%)を得た。
【0198】
FAB(fast atom bombardment)-MS(mass spectrometry)を測定し、質量数m/z=299が分子イオンピーク(ion peak)であるということを観察することにより、中間体IM-1を分類した。
【0199】
(中間体IM-2の合成)
Ar雰囲気下で、500mLの3口フラスコに、IM-1を15.00g(50.1mmol)、2-クロロ-6-メトキシフェニルボロン酸10.28g(1.1equiv、55.2mmol)、K2CO3を20.79g(3equiv、150.4mmol)、Pd(PPh3)4を2.90g(0.05equiv、2.5mmol)、及びトルエン/EtOH/H2O(4/2/1)の混合溶液350mLを順次に加え、80℃に5時間加熱撹拌した。室温まで冷却させた後、反応溶液をトルエンで抽出した。水層を除去し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、MgSO4で乾燥させた。MgSO4の濾過分離と、有機層の濃縮とを実施し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(展開層には、ヘキサンとトルエンとの混合溶媒を使用する)で精製し、中間体IM-2(14.66g、収率81%)を得た。
【0200】
FAB-MSを測定し、質量数m/z=360が分子イオンピークであるということを観察することにより、中間体IM-2を分類した。
【0201】
(中間体IM-3の合成)
Ar雰囲気下で、500mLの3口フラスコに、IM-2を13.00g(36.0mmol)、CH2Cl2を120mL、及び1MのBBr3のCH2Cl2溶液216mL(6equi、216.2mmol)を順次に加え、室温に24時間加熱撹拌した。反応溶液を、飽和NaHCO3水溶液で中和させた後、CH2Cl2で抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(展開層には、ヘキサンとトルエンとの混合溶媒を使用する)で精製し、中間体IM-3(10.07g、収率84%)を得た。
【0202】
FAB-MSを測定し、質量数m/z=332が、分子イオンピークであるということを観察することにより、中間体IM-3を分類した。
【0203】
(中間体IM-4の合成)
Ar雰囲気下で、300mLの3口フラスコに、IM-3を10.00g(30.0mmol)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)150mL及びK2CO3を16.62g(4equi、120.2mmol)を順次に加え、180℃に5時間加熱撹拌した。室温まで冷却させた後、反応溶液にH2Oを加えてトルエンで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、MgSO4で乾燥させた。MgSO4の濾過分離と、有機層の濃縮とを実施し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(展開層には、ヘキサンとトルエンとの混合溶媒を使用する)で精製し、中間体IM-4(6.07g、収率69%)を得た。
【0204】
FAB-MSを測定し、質量数m/z=292が、分子イオンピークであるということを観察することにより、中間体IM-4を分類した。
【0205】
(化合物A5の合成)
Ar雰囲気下で、500mLの3口フラスコに、IM-4を5.00g(17.08mmol)、N,N-ジ(4-ビフェニリル)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)アニリン9.84g(1.1equi、18.8mmol)、K2CO3を7.08g(3equi、51.2mmol)、Pd(PPh3)4を0.98g(0.05equi、0.9mmol)、及びトルエン/EtOH/H2O(4/2/1)の混合溶液120mLを順次に加え、80℃に5時間加熱撹拌した。室温まで冷却させた後、反応溶液をトルエンで抽出した。水層を除去し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、MgSO4で乾燥させた。MgSO4の濾過分離と、有機層の濃縮とを実施し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(展開層には、ヘキサンとトルエンとの混合溶媒を使用する)で精製し、白色固体の化合物A5(9.51g、収率87%)を得た。
【0206】
FAB-MSを測定し、質量数m/z=653が分子イオンピークであるということを観察することにより、化合物A5を分類した。
【0207】
【0208】
Ar雰囲気下で、500mLの3口フラスコに、IM-4を5.00g(73.56mmol)、N,N-ジ(4-ビフェニリル)-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)アニリン9.84g(1.1equi、18.8mmol)、K2CO3を7.08g(3equi、51.2mmol)、Pd(PPh3)4を0.98g(0.05equi、0.9mmol)、及びトルエン/EtOH/H2O(4/2/1)の混合溶液120mLを順次に加え、80℃に5時間加熱撹拌した。室温まで冷却させた後、反応溶液をトルエンで抽出した。水層を除去し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、MgSO4で乾燥させた。MgSO4の濾過分離と、有機層の濃縮とを実施し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(展開層には、ヘキサンとトルエンとの混合溶媒を使用する)で精製し、白色固体の化合物A21(9.18g、収率84%)を得た。
【0209】
FAB-MSを測定し、質量数m/z=653が分子イオンピークであるということを観測することにより、化合物A21を分類した。
【0210】
【0211】
(中間体IM-5の合成)
Ar雰囲気下で、1,000mLの3口フラスコに2-クロロフェニルメチルスルフィド20.00g(126.07mmol)及びテトラヒドロフラン(THF)420mL(0.3M)を加え、-78℃下で撹拌しながら、1.6mol/Lのn-BuLi/n-ヘキサン溶液86.7mL(1.1equi)を滴加した。同一温度下で、1時間撹拌した後、ホウ酸トリメチル65.50g(5equi、630.4mmol)を滴加し、同一温度下で2時間撹拌させ、その後、室温まで温度を上昇させ、さらに2時間撹拌した。1NのHCl250mLを加え、2時間撹拌した後、反応溶液をトルエンで抽出した。水層を除去し、有機層を、炭酸水素ナトリウム水溶液と飽和食塩水とで順次に洗浄した後、MgSO4で乾燥させた。MgSO4の濾過分離と、有機層の濃縮とを実施し、得られた粗生成物を再結晶によって精製し、中間体IM-5(18.38g、収率72%)を得た。
【0212】
FAB-MSを測定し、質量数m/z=202が分子イオンピークであるということを観察することにより、中間体IM-5を分類した。
【0213】
(中間体IM-6の合成)
Ar雰囲気下で、1,000mLの3口フラスコに、IM-5を15.00g(74.1mmol)、1-ボロモ-ジベンゾフラン20.14g(1.1equi、81.5mmol)、K2CO3を30.72g(3equi、222.3mmol)、Pd(PPh3)4を4.28g(0.05equi、3.7mmol)、及びトルエン/EtOH/H2O(4/2/1)の混合溶液518mLを順次に加え、80℃に5時間加熱撹拌した。室温まで冷却させた後、反応溶液をトルエンで抽出した。水層を除去し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、MgSO4で乾燥させた。MgSO4の濾過分離と、有機層の濃縮とを実施し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(展開層には、ヘキサンとトルエンとの混合溶媒を使用する)で精製し、中間体IM-6(19.01g、収率79%)を得た。
【0214】
FAB-MSを測定し、質量数m/z=324が分子イオンピークであるということを観察することにより、中間体IM-6を分類した。
【0215】
(中間体IM-7の合成)
Ar雰囲気下で、500mLの3口フラスコに、IM-6を15.00g(46.2mmol)及びAcOHを184mL(0.25M)加え、0℃下で撹拌しながら、35%の過酸化水素(4.62g)のAcOH溶液184mLを滴加した。同一温度下で、2時間加熱撹拌した後、反応溶液中のAcOHを減圧蒸溜した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(展開層には、ヘキサンとトルエンとの混合溶媒を使用する)で精製し、中間体IM-7(14.01g、収率89%)を得た。
【0216】
FAB-MSを測定し、質量数m/z=340が分子イオンピークであるということを観察することにより、中間体IM-7を分類した。
【0217】
(中間体IM-8の合成)
Ar雰囲気下で、300mLの3口フラスコに、IM-7を10.00g(29.3mmol)及びトリフルオロメタンスルホン酸44.0g(10equi、293.4mmol)を順次に加え、室温で24時間撹拌した。反応液を、H2O/ピリジン(8:1)の混合溶媒98mLに徐々に加え、加熱還流下で1時間撹拌した。室温まで冷却させた後、反応溶液をトルエンで抽出した。水層を除去し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、MgSO4で乾燥させた。MgSO4の濾過分離と、有機層の濃縮とを実施し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(展開層には、ヘキサンとトルエンとの混合溶媒を使用する)で精製し、中間体IM-8(7.25g、収率80%)を得た。
【0218】
FAB-MSを測定し、質量数m/z=308が分子イオンピークであるということを観察することにより、中間体IM-8を分類した。
【0219】
(化合物A73の合成)
Ar雰囲気下で、500mLの3口フラスコに、IM-8を5.00g(16.2mmol)、N-フェニル-N-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル]-(1,1’:4’,1”-ターフェニル)-4-アミン9.32g(1.1equi、17.8mmol)、K2CO3を6.71g(3equi、48.6mmol)、Pd(PPh3)4を0.94g(0.05equi、0.8mmol)、及びトルエン/EtOH/H2O(4/2/1)の混合溶液113mLを順次に加え、80℃に5時間加熱撹拌した。室温まで冷却させた後、反応溶液をトルエンで抽出した。水層を除去し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、MgSO4で乾燥させた。MgSO4の濾過分離と、有機層の濃縮とを実施し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(展開層には、ヘキサンとトルエンとの混合溶媒を使用する)で精製し、白色固体の化合物A73(9.33g、収率86%)を得た。
【0220】
FAB-MSを測定し、質量数m/z=669が分子イオンピークであるということを観察することにより、化合物A73を分類した。
【0221】
【0222】
(中間体IM-9の合成)
Ar雰囲気下で、300mLの3口フラスコに、ベンゾ[1,2-b:4,3-b’]ビス[1]ベンゾチオフェン10.00g(34.4mmol)、CH2Cl2を172mL及びN-ボロモスクシンイミド7.35g(1.2equi、41.3mmol)を順次に加え、室温で4時間撹拌した。反応溶液にH2Oを加えた後、トルエンで抽出した。水層を除去し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、MgSO4で乾燥させた。MgSO4の濾過分離と、有機層の濃縮とを実施し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(展開層には、ヘキサンとトルエンとの混合溶媒を使用する)で精製し、中間体IM-9(8.39g、収率66%)を得た。
【0223】
FAB-MSを測定し、質量数m/z=369が分子イオンピークであるということを観察することにより、中間体IM-9を分類した。
【0224】
(化合物A100の合成)
Ar雰囲気下で、300mLの3口フラスコに、IM-9を5.00g(13.5mmol)、N,9,9-トリフェニル-N-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル]-9H-フルオレン-2-アミン9.11g(1.1equi、14.9mmol)、K2CO3を5.61g(3equi、40.6mmol)、Pd(PPh3)4を0.78g(0.05equi、0.7mmol)、及びトルエン/EtOH/H2O(4/2/1)の混合溶液95mLを順次に加え、80℃に5時間加熱撹拌した。室温まで冷却させた後、反応溶液をトルエンで抽出した。水層を除去し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、MgSO4で乾燥させた。MgSO4の濾過分離と、有機層の濃縮とを実施し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(展開層には、ヘキサンとトルエンとの混合溶媒を使用する)で精製し、白色固体の化合物A100(8.70g、収率83%)を得た。
【0225】
FAB-MSを測定し、質量数m/z=774が分子イオンピークであるということを観察することにより、化合物A100を分類した。
【0226】
【0227】
(中間体IM-10の合成)
Ar雰囲気下で、1,000mLの3口フラスコに、1,8-ジブロモ-2,7-ジヒドロキシナフタレン25.00g(78.63mmol)、2-フルオロフェニルボロン酸12.10g(1.1equi、86.49mmol)、K2CO3を32.60g(3equi、235.9mmol)、Pd(PPh3)4を4.54g(0.05equi、3.9mmol)、及びトルエン/EtOH/H2O(4/2/1)の混合溶液550mLを順次に加え、80℃に5時間加熱撹拌した。室温まで冷却させた後、反応溶液をトルエンで抽出した。水層を除去し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、MgSO4で乾燥させた。MgSO4の濾過分離と、有機層の濃縮とを実施し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(展開層には、ヘキサンとトルエンとの混合溶媒を使用する)で精製し、中間体IM-10(18.60g、収率71%)を得た。
【0228】
FAB-MSを測定し、質量数m/z=333が分子イオンピークであるということを観察することにより、中間体IM-10を分類した。
【0229】
(中間体IM-11の合成)
Ar雰囲気下で、500mLの3口フラスコに、IM-10を12.00g(36.02mmol)、2-クロロ-6-フルオロフェニルボロン酸6.91g(1.1equi、39.6mmol)、K2CO3を14.93g(3equi、108.06mmol)、Pd(PPh3)4を2.08g(0.05equi、1.8mmol)、及びトルエン/EtOH/H2O(4/2/1)の混合溶液252mLを順次に加え、80℃に5時間加熱撹拌した。室温まで冷却させた後、反応溶液をトルエンで抽出した。水層を除去し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、MgSO4で乾燥させた。MgSO4の濾過分離と、有機層の濃縮とを実施し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(展開層には、ヘキサンとトルエンとの混合溶媒を使用する)で精製し、中間体IM-11(11.30g、収率82%)を得た。
【0230】
FAB-MSを測定し、質量数m/z=382が、分子イオンピークであるということを観察することにより、中間体IM-11を分類した。
【0231】
(中間体IM-12の合成)
Ar雰囲気下で、300mLの3口フラスコに、IM-11を10.00g(26.1mmol)、NMPを130mL及びK2CO3を14.44g(4equi、104.5mmol)を順次に加え、180℃に5時間加熱撹拌した。室温まで冷却させた後、反応溶液にH2Oを加えてトルエンで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、MgSO4で乾燥させた。MgSO4の濾過分離と、有機層の濃縮とを実施し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(展開層には、ヘキサンとトルエンとの混合溶媒を使用する)で精製し、中間体IM-12(7.79g、収率87%)を得た。
【0232】
FAB-MSを測定し、質量数m/z=342が、分子イオンピークであるということを観察することにより、中間体IM-12を分類した。
【0233】
(化合物B5の合成)
Ar雰囲気下で、500mLの3口フラスコに、IM-12を5.00g(14.6mmol)、N,N-ジ(4-ビフェニリル)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)アニリン8.66g(1.1equi、16.0mmol)、K2CO3を6.05g(3equi、43.8mmol)、Pd(PPh3)4を0.84g(0.05equi、0.7mmol)、及びトルエン/EtOH/H2O(4/2/1)の混合溶液102mLを順次に加え、80℃に5時間加熱撹拌した。室温まで冷却させた後、反応溶液をトルエンで抽出した。水層を除去し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、MgSO4で乾燥させた。MgSO4の濾過分離と、有機層の濃縮とを実施し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(展開層には、ヘキサンとトルエンとの混合溶媒を使用する)で精製し、白色固体の化合物B5(9.03g、収率88%)を得た。
【0234】
FAB-MSを測定し、質量数m/z=703が分子イオンピークであるということを観察することにより、化合物B5を分類した。
【0235】
【0236】
(化合物B14の合成)
Ar雰囲気下で、500mLの3口フラスコに、IM-12を5.00g(14.6mmol)、N-(ジベンゾ[b,d]チオフェン-4-イル)-N-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)ジベンゾ[b,d]チオフェン-4-アミン8.98g(1.1equi、16.0mmol)、K2CO3を6.05g(3equi、43.8mmol)、Pd(PPh3)4を0.84g(0.05equi、0.7mmol)、及びトルエン/EtOH/H2O(4/2/1)の混合溶液102mLを順次に加え、80℃に5時間加熱撹拌した。室温まで冷却させた後、反応溶液をトルエンで抽出した。水層を除去し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、MgSO4で乾燥させた。MgSO4の濾過分離と、有機層の濃縮とを実施し、得られた粗生成物シリカゲルカラムクロマトグラフィ(展開層には、ヘキサンとトルエンとの混合溶媒を使用する)で精製し、白色固体の化合物B14(8.08g、収率79%)を得た。
【0237】
FAB-MSを測定し、質量数m/z=763が分子イオンピークであるということを観察することにより、化合物B14を分類した。
【0238】
【0239】
(中間体IM-13の合成)
Ar雰囲気下で、500mLの3口フラスコに、IM-10を12.00g(36.02mmol)、3-クロロ-6-フルオロフェニルボロン酸6.91g(1.1equi、39.6mmol)、K2CO3を14.93g(3equi、108.06mmol)、Pd(PPh3)4を2.08g(0.05equi、1.8mmol)、及びトルエン/EtOH/H2O(4/2/1)の混合溶液252mLを順次に加え、80℃に5時間加熱撹拌した。室温まで冷却させた後、反応溶液をトルエンで抽出した。水層を除去し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、MgSO4で乾燥させた。MgSO4の濾過分離と、有機層の濃縮とを実施し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(展開層には、ヘキサンとトルエンとの混合溶媒を使用する)で精製し、中間体IM-13(10.62g、収率77%)を得た。
【0240】
FAB-MSを測定し、質量数m/z=382が、分子イオンピークであるということを観察することにより、中間体IM-13を分類した。
【0241】
(中間体IM-14の合成)
Ar雰囲気下で、300mLの3口フラスコに、IM-13を10.00g(26.1mmol)、NMPを130mL及びK2CO3を14.44g(4equi、104.5mmol)を順次に加え、180℃に5時間加熱撹拌した。室温まで冷却させた後、反応溶液にH2Oを加えてトルエンで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、MgSO4で乾燥させた。MgSO4の濾過分離と、有機層の濃縮とを実施し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(展開層には、ヘキサンとトルエンとの混合溶媒を使用する)で精製し、中間体IM-14(7.26g、収率81%)を得た。
【0242】
FAB-MSを測定し、質量数m/z=342が、分子イオンピークであるということを観察することにより、中間体IM-14を分類した。
【0243】
(化合物B35の合成)
Ar雰囲気下で、500mLの3口フラスコに、IM-12を5.00g(14.6mmol)、N-[4-(ナフタレン-1-イル)フェニル[-N-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル]ジベンゾフラン-3-アミン9.68g(1.1equi、16.0mmol)、K2CO36.05g(3equi、43.8mmol)、Pd(PPh3)4を0.84g(0.05equi、0.7mmol)、及びトルエン/EtOH/H2O(4/2/1)の混合溶液102mLを順次に加え、80℃に5時間加熱撹拌した。室温まで冷却させた後、反応溶液をトルエンで抽出した。水層を除去し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、MgSO4で乾燥させた。MgSO4の濾過分離と、有機層の濃縮とを実施し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(展開層には、ヘキサンとトルエンとの混合溶媒を使用する)で精製し、白色固体の化合物B35(8.06g、収率72%)を得た。
【0244】
FAB-MSを測定し、質量数m/z=767が分子イオンピークであるということを観察することにより、化合物B35を分類した。
【0245】
【0246】
(中間体IM-15の合成)
Ar雰囲気下で、500mLの3口フラスコに、IM-10を12.00g(36.02mmol)、4-クロロ-2-フルオロフェニルボロン酸6.91g(1.1equi、39.6mmol)、K2CO3を14.93g(3equi、108.06mmol)、Pd(PPh3)4を2.08g(0.05equi、1.8mmol)、及びトルエン/EtOH/H2O(4/2/1)の混合溶液252mLを順次に加え、80℃に5時間加熱撹拌した。室温まで冷却させた後、反応溶液をトルエンで抽出した。水層を除去し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、MgSO4で乾燥させた。MgSO4の濾過分離と、有機層の濃縮とを実施し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(展開層には、ヘキサンとトルエンとの混合溶媒を使用する)で精製し、中間体IM-15(11.03g、収率80%)を得た。
【0247】
FAB-MSを測定し、質量数m/z=382が、分子イオンピークであるということを観察することにより、中間体IM-15を分類した。
【0248】
(中間体IM-16の合成)
Ar雰囲気下で、300mLの3口フラスコに、IM-15を10.00g(26.1mmol)、NMPを130mL及びK2CO3を14.44g(4equi、104.5mmol)を順次に加え、180℃に5時間加熱撹拌した。室温まで冷却させた後、反応溶液にH2Oを加えてトルエンで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、MgSO4で乾燥させた。MgSO4の濾過分離と、有機層の濃縮とを実施し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(展開層には、ヘキサンとトルエンとの混合溶媒を使用する)で精製し、中間体IM-16(7.07g、収率79%)を得た。
【0249】
FAB-MSを測定し、質量数m/z=342が、分子イオンピークであるということを観察することにより、中間体IM-16を分類した。
【0250】
(化合物B41の合成)
Ar雰囲気下で、500mLの3口フラスコに、IM-16を5.00g(14.6mmol)、N-[(1,1’-ビフェニル)-4-イル]-N-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル]ナフタレン-1-アミン8.24g(1.1equi、16.0mmol)、K2CO3を6.05g(3equi、43.8mmol)、Pd(PPh3)4を0.84g(0.05equi、0.7mmol)、及びトルエン/EtOH/H2O(4/2/1)の混合溶液102mLを順次に加え、80℃に5時間加熱撹拌した。室温まで冷却させた後、反応溶液をトルエンで抽出した。水層を除去し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、MgSO4で乾燥させた。MgSO4の濾過分離と、有機層の濃縮とを実施し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(展開層には、ヘキサンとトルエンとの混合溶媒を使用する)で精製し、白色固体の化合物B41(8.21g、収率83%)を得た。
【0251】
FAB-MSを測定し、質量数m/z=677が分子イオンピークであるということを観察することにより、化合物B41を分類した。
【0252】
合成例に開示された化合物以外の他の化合物も、前述の合成経路及び原料物質を参照し、技術分野の当業者であるならば、その合成方法を容易に認識することができるであろう。
【0253】
実施例1
アノードは、コーニング(Corning)社製の15Ω/cm
2(150nm)ITOガラス基板を50mm×50mm×0.7mmサイズに切り、イソプロピルアルコールと純水とを利用し、それぞれ5分間超音波洗浄した後、30分間紫外線を照射し、オゾンに露出させて洗浄し、真空蒸着装置に該ガラス基板を設けた。基板上部に、まず正孔注入層として、公知物質である1-TNATAを真空蒸着し、60nm厚に形成した後、次に、正孔輸送性化合物として、化合物A5を30nm厚に真空蒸着して正孔輸送層を形成した。正孔輸送層上部に、公知の青色蛍光ホストとして、9,10-ジ(ナフタレン-2-イル)アントラセン(ADN)と、青色蛍光ドーパントとして、公知化合物である2,5,8,11-テトラ-t-ブチルフェニレン(TBPe)を重量比97:3で同時蒸着し、25nm厚に発光層を形成した。次に、発光層上部に、電子輸送層として、Alq3を25nm厚に蒸着した後、該電子輸送層上部に、ハロゲン化アルカリ金属であるLiFを、電子注入層として1nm厚に蒸着し、Alを100nm(負極電極)厚に真空蒸着し、LiF/Al電極を形成することにより、有機発光素子を作製した。
【化44】
【0254】
実施例2~実施例8
正孔輸送層の形成時、化合物A5の代わりに、下記表1に記載された化合物を使用したことを除いては、実施例1と同一方法で有機発光素子を作製した。
【0255】
比較例1~比較例6
正孔輸送層の形成時、化合物A5の代わりに、それぞれ下記の化合物R1~化合物R6を使用したことを除いては、比較例1と同一方法で有機発光素子を作製した。
【化45】
【0256】
評価例1
実施例1~実施例8、及び比較例1~比較例6で作製された有機発光素子の電流密度、駆動電圧、発光効率及び半減寿命を、Source Meter(Keithley Instrument社、2400シリーズ)、色彩輝度計CS-200(Konica Minolta社)、及び測定用プログラムであるLabVIEW8.2を利用して暗室で測定し、その結果を下記表1に示した。半減寿命は、初期輝度1,000cd/m
2からの輝度半減時間である。
【表1】
【化46】
【0257】
表1から、実施例1~実施例8の有機発光素子は、比較例1~比較例6の有機発光素子より駆動電圧が低く、効率が高いということを確認した。また、実施例1~実施例8の有機発光素子は、比較例1~比較例6の有機発光素子に比べ、長寿命を示すということを確認した。
【産業上の利用可能性】
【0258】
本発明の、縮合環化合物、及びそれを含む有機発光素子は、例えば、発光関連の技術分野に効果的に適用可能である。
【符号の説明】
【0259】
10,20,30,40 有機発光素子
110 第1電極
150 有機層
190 第2電極
210 第1キャッピング層
220 第2キャッピング層