IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ヤフー株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-特定装置、特定方法及び特定プログラム 図1
  • 特許-特定装置、特定方法及び特定プログラム 図2
  • 特許-特定装置、特定方法及び特定プログラム 図3
  • 特許-特定装置、特定方法及び特定プログラム 図4
  • 特許-特定装置、特定方法及び特定プログラム 図5
  • 特許-特定装置、特定方法及び特定プログラム 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-20
(45)【発行日】2023-03-29
(54)【発明の名称】特定装置、特定方法及び特定プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/015 20230101AFI20230322BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20230322BHJP
   G01C 21/26 20060101ALI20230322BHJP
   G08G 1/00 20060101ALI20230322BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20230322BHJP
   G09B 29/10 20060101ALI20230322BHJP
【FI】
G06Q30/015
G06Q50/10
G01C21/26 A
G08G1/00 X
G08G1/09 V
G09B29/10 A
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2019172159
(22)【出願日】2019-09-20
(65)【公開番号】P2021051370
(43)【公開日】2021-04-01
【審査請求日】2021-03-17
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】319013263
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】坪内 孝太
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 晃輔
【審査官】加舎 理紅子
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-146428(JP,A)
【文献】特開2015-219055(JP,A)
【文献】特開2019-067332(JP,A)
【文献】国際公開第2018/037945(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G01C 21/26
G08G 1/00
G08G 1/09
G09B 29/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者の運転に関する特性を示す特性情報を取得し、記憶部に記憶する取得部と、
前記記憶部を参照し、前記特性情報に基づいて、情報の提供対象となる利用者と運転に関する特性が類似する他の利用者である類似利用者、若しくは、情報の提供対象となる利用者と運転に関する特性が類似しない他の利用者である非類似利用者を特定する特定部と、
前記特定部により特定された類似利用者が運転時に走行する経路の嗜好性に対応する特徴を有する経路を、前記利用者に対して提案する経路として決定する第1決定部と、
前記第1決定部が決定した経路の情報を前記利用者に提供する第2提供部と
を有し、
前記第2提供部は、
前記経路と特徴が類似する経路において前記類似利用者が移動体を運転した際の情報に基づく所定の警告を前記利用者に提供する
ことを特徴とする特定装置。
【請求項2】
前記特定部により特定された類似利用者の情報を、前記利用者の運転を支援する支援者の情報として前記利用者に提供する第1提供部
を有することを特徴とする請求項1に記載の特定装置。
【請求項3】
前記第1提供部は、
前記利用者が前記支援者による運転の支援を許可した場合は、当該利用者が搭乗する移動体の遠隔操作を行うための情報を前記支援者に提供する
ことを特徴とする請求項2に記載の特定装置。
【請求項4】
前記第1決定部は、
前記類似利用者が過去に利用した経路と特徴が類似する経路を前記利用者に対して提案する経路とする
ことを特徴とする請求項1~3のうちいずれか1つに記載の特定装置。
【請求項5】
前記第1決定部は、
前記類似利用者による運転に関する特性に対応する特徴を有する経路を、前記利用者に対して提案する経路として決定する
ことを特徴とする請求項1~4のうちいずれか1つに記載の特定装置。
【請求項6】
前記特性情報が示す特性を、特性の類似性を反映した多次元量に変換する変換部
を有し、
前記特定部は、
前記利用者の特性情報に基づく多次元量と類似する多次元量を特定し、特定した多次元量の元となる特性情報と対応する利用者を前記類似利用者とする
ことを特徴とする請求項1~5のうちいずれか1つに記載の特定装置。
【請求項7】
前記取得部は、
前記利用者が運転する移動体の特性を示す移動体情報をさらに取得し、
前記特定部は、
前記特性情報と、前記移動体情報とに基づいて、前記利用者と運転に関する特性が類似し、かつ、前記利用者と運転する移動体の特性が類似する移動体を運転する他の利用者を類似利用者として特定する
ことを特徴とする請求項1~6のうちいずれか1つに記載の特定装置。
【請求項8】
前記取得部は、
前記利用者が利用する端末装置が検出した情報であって、前記利用者の運転に関する特性を示す情報を前記特性情報として取得する
ことを特徴とする請求項1~7のうちいずれか1つに記載の特定装置。
【請求項9】
前記取得部は、
前記利用者が移動体を運転する際に前記端末装置が検出した加速度を示す情報を前記特性情報として取得し、
前記特定部は、
前記特性情報が示す加速度の特徴が前記利用者と類似する他の利用者を類似利用者として特定する
ことを特徴とする請求項8に記載の特定装置。
【請求項10】
特定装置が実行する特定方法であって、
利用者の運転に関する特性を示す特性情報を取得し、記憶部に記憶する取得工程と、
前記記憶部を参照し、前記特性情報に基づいて、情報の提供対象となる利用者と運転に関する特性が類似する他の利用者である類似利用者、若しくは、情報の提供対象となる利用者と運転に関する特性が類似しない他の利用者である非類似利用者を特定する特定工程と、
前記特定工程により特定された類似利用者が運転時に走行する経路の嗜好性に対応する特徴を有する経路を、前記利用者に対して提案する経路として決定する第1決定工程と、
前記第1決定工程が決定した経路の情報を前記利用者に提供する第2提供工程と
を含み、
前記第2提供工程は、
前記経路と特徴が類似する経路において前記類似利用者が移動体を運転した際の情報に基づく所定の警告を前記利用者に提供する
ことを特徴とする特定方法。
【請求項11】
利用者の運転に関する特性を示す特性情報を取得し、記憶部に記憶する取得手順と、
前記記憶部を参照し、前記特性情報に基づいて、情報の提供対象となる利用者と運転に関する特性が類似する他の利用者である類似利用者、若しくは、情報の提供対象となる利用者と運転に関する特性が類似しない他の利用者である非類似利用者を特定する特定手順と、
前記特定手順により特定された類似利用者が運転時に走行する経路の嗜好性に対応する特徴を有する経路を、前記利用者に対して提案する経路として決定する第1決定手順と、
前記第1決定手順が決定した経路の情報を前記利用者に提供する第2提供手順と
をコンピュータに実行させ
前記第2提供手順は、
前記経路と特徴が類似する経路において前記類似利用者が移動体を運転した際の情報に基づく所定の警告を前記利用者に提供する
ことを特徴とする特定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定装置、特定方法及び特定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、利用者に対して、運転に関連する各種の情報を提供する技術が知られている。このような技術の一例として、利用者の走行履歴に基づいて、普段走行している経路等を示す情報を優先的に提供する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第4329502号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来技術では、運転に関連する情報であって、利用者にとって適切な情報を提供しているとは言えない場合がある。
【0005】
例えば、従来技術では、実際に運転を行う利用者が過去に走行した経路に関する情報を優先的に提示しているに過ぎない。このため、利用者が初めて訪問する地域等の経路を適切に提供することができない場合がある。
【0006】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、運転に関連する情報であって、利用者にとって適切な情報を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願に係る特定装置は、利用者の運転に関する特性を示す特性情報を取得する取得部と、前記特性情報に基づいて、情報の提供対象となる利用者と運転に関する特性が類似する他の利用者である類似利用者、若しくは、情報の提供対象となる利用者と運転に関する特性が類似しない他の利用者である非類似利用者を特定する特定部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
実施形態の一態様によれば、運転に関連する情報であって、利用者にとって適切な情報を提供することができるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態に係る決定処理の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る情報提供システムの構成例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る情報提供装置の構成例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る利用者データベースの一例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る特定処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図6図6は、情報提供装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本願に係る特定装置、特定方法及び特定プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ説明する。なお、この実施形態により本願に係る特定装置、特定方法及び特定プログラムが限定されるものではない。また、以下の実施形態において、同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0011】
〔1.実施形態〕
図1を用いて、本実施形態の特定装置等により実現される特定処理を説明する。図1は、実施形態に係る決定処理の一例を示す図である。なお、図1では、本願に係る特定装置の一例である情報提供装置10によって、実施形態に係る特定処理などが実現されるものとする。
【0012】
図1の説明に先立って、図2を用いて、実施形態に係る情報提供システム1について説明する。図2は、実施形態に係る情報提供システムの構成例を示す図である。図2に示すように、実施形態に係る情報提供システム1は、情報提供装置10と、端末装置100とを含む。情報提供装置10及び端末装置100は、ネットワークNを介して有線または無線により相互に通信可能に接続される。ネットワークNは、例えば、インターネットなどのWAN(Wide Area Network)である。なお、図2に示した情報提供システム1には、複数台の情報提供装置10及び複数台の端末装置100が含まれていてもよい。
【0013】
情報提供装置10は、利用者の運転に関する特性を示す特性情報に基づき、利用者に各種の情報を提供する情報処理装置である。例えば、情報提供装置10は、端末装置100から送信される情報であって、利用者の運転内容を示す運転情報を管理する。なお、情報提供装置10は、所定のアプリケーションのデータそのものを配信するサーバであってもよい。また、情報提供装置10は、端末装置100に制御情報を配信する配信装置として機能してもよい。ここで、制御情報は、例えば、JavaScript(登録商標)等のスクリプト言語やCSS(Cascading Style Sheets)等のスタイルシート言語により記述される。なお、端末装置100から配信される所定のアプリケーションそのものを制御情報とみなしてもよい。
【0014】
端末装置100は、利用者によって利用される情報処理装置である。端末装置100は、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PC(Personal Computer)や、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)等により実現される。なお、図1に示す例において、端末装置100は、利用者によって利用されるスマートフォンやタブレット等のスマートデバイスである場合を示す。
【0015】
また、端末装置100は、情報提供装置10によって提供される情報を、ウェブブラウザやアプリケーションにより表示する。なお、端末装置100は、情報の表示処理を実現する制御情報を情報提供装置10から受け取った場合には、制御情報に従って表示処理を実現する。
【0016】
以下、図1を用いて、情報提供装置10が行う決定処理について説明する。なお、以下の説明では、端末装置100を利用する利用者に応じて、端末装置100を端末装置100-1~100-N(Nは任意の自然数)として説明する。例えば、端末装置100-1は、利用者ID「U1」により識別される利用者(利用者U1)により利用される端末装置100である。また、以下では、端末装置100-1~100-Nについて、特に区別なく説明する場合には、端末装置100と記載する。また、以下の説明では、端末装置100を利用者と同一視する場合がある。すなわち、以下では、利用者を端末装置100と読み替えることもできる。
【0017】
また、以下の説明において、利用者U1が利用する移動体(自動車)C1は、通信機能を有し、利用者U1の運転を支援する支援者が利用する情報処理装置との間での情報通信が可能な移動体であるものとする。また、移動体C1は、情報処理機能を有し、支援者が利用する情報処理装置から受信した情報に基づいて制御される移動体であるものとする。すなわち、移動体C1は、遠隔に存在する支援者が種々の従来技術を適宜用いて遠隔操作可能な移動体である。
【0018】
まず、情報提供装置10は、利用者U1の運転内容を示す運転情報を端末装置100-1から取得する(ステップS1)。例えば、図1の例において、情報提供装置10は、端末装置100-1が有する各種センサ(例えば、GPS(Global Positioning System)センサや、加速度センサ、ジャイロセンサなど)により検出される情報や、移動体C1の走行中に端末装置100-1が起動していた各種アプリケーション(例えば、カーナビアプリケーション、地図アプリケーションなど)に基づく運転情報を取得する。具体的な例を挙げると、情報提供装置10は、移動体C1の種別や、利用者U1が移動体C1に搭乗して走行した経路R1、加速度、走行速度などを示す運転情報を取得する。なお、情報提供装置10は、移動体C1に設置され、利用者U1に対応付けられた車載装置から運転情報を取得してもよい。
【0019】
続いて、情報提供装置10は、利用者U1とは異なる他の利用者の運転内容を示す運転情報を取得する(ステップS2)。一例を挙げると、情報提供装置10は、利用者U2が利用する移動体C2の種別や、利用者U2が移動体C2に搭乗して走行した経路R2、加速度、走行速度などを示す運転情報を取得する。
【0020】
続いて、情報提供装置10は、運転情報から、利用者の運転に関する特性を示す特性情報を取得する(ステップS3)。例えば、図1の例において、情報提供装置10は、運転情報から、利用者が移動体の運転時にどのような経路を走行するかの特性(嗜好性)を示す経路特性や、利用者が移動体の運転時にどのような運転操作を行うかの特性を示す操作特性などを特性情報として取得する。
【0021】
具体的な例を挙げると、情報提供装置10は、経路特性として、高速道路(有料道路)及び一般道のうちいずれを走行する傾向にあるかといった特性や、走行する道路の種別(例えば、国道や、県道、私道など)の傾向に関する特性、走行する道路の幅に関する特性、右旋回及び左旋回のいずれの方向への旋回を好む傾向にあるかといった特性、走行する地域(例えば、降雪地帯や、山間部など)に関する特性などを取得する。また、情報提供装置10は、操作特性として、利用者が運転する移動体の種別に基づく特性や、右左折、車線変更時におけるウインカーの操作タイミングの傾向に関する特性、赤信号時等のブレーキングの傾向に関する特性、発進時やカーブ時のアクセルワークの傾向に関する特性、トンネル通過時や夜間のヘッドライトの点灯タイミングの傾向に関する特性、車線の走行位置(例えば、中央、左寄りなど)の傾向に関する特性、車間距離に関する特性、走行時の平均速度に関する特性、走行時の移動体の振動に関する特性(例えば、振動数や、振動の大きさなど)、右折若しくは左折の不得手に関する特性などを取得する。
【0022】
続いて、情報提供装置10は、運転の遠隔操作の要求を受け付ける(ステップS4)。例えば、図1の例において、情報提供装置10は、移動体C1の自動運転を希望する利用者U1から、運転の遠隔操作の要求を受け付ける。
【0023】
続いて、情報提供装置10は、遠隔操作の要求元となる利用者U1と運転に関する特性が類似する利用者(以下、「類似利用者」と記載する場合がある)を特定する(ステップS5)。例えば、図1の例において、情報提供装置10は、各利用者の特性情報を多次元量に変換し、利用者U1の特性情報に基づく多次元量(ベクトル)と類似する多次元量に対応する利用者を、類似利用者として特定する。ここで、図1の例において、情報提供装置10は、類似利用者として利用者U2を特定したものとする。
【0024】
なお、情報提供装置10は、類似する特性情報が入力された場合に類似する多次元量を出力するよう学習されたモデルを用いて、特性情報を多次元量に変換してもよい。ここで、モデルの学習には、任意の公知技術が適用可能であり、学習データとして用いられる特性情報に応じて適宜選択された学習手法が用いられてもよい。例えば、モデルの学習には、機械学習に関する種々の従来技術(例えば、SVM(Support Vector Machine)等の教師あり学習の機械学習に関する技術)を用いて行われてもよい。また、モデルの学習には、深層学習(ディープラーニング)の技術が用いられてもよい。例えば、モデルの学習には、RNN(Recurrent Neural Network)やCNN(Convolutional Neural Network)等の種々のディープラーニングの技術が用いられてもよい。
【0025】
続いて、情報提供装置10は、類似利用者の情報を利用者U1に提供する(ステップS6)。例えば、図1の例において、情報提供装置10は、類似利用者である利用者U2の情報を、利用者U1の運転を支援する支援者の情報として利用者U1に提供する。
【0026】
ここで、図1の例において、利用者U1が、類似利用者である利用者U2による遠隔操作を許可する旨の情報を情報提供装置10に送信したものとする(ステップS7)。この場合、情報提供装置10は、移動体C1の遠隔操作を行うための情報を利用者U2に提供する(ステップS8)。例えば、図1の例において、情報提供装置10は、利用者U2が移動体C1へアクセスするための認証情報や、移動体C1を識別する識別情報を、端末装置100-2若しくは移動体C1を制御する情報処理装置に提供する。
【0027】
続いて、利用者U2は、移動体C1の遠隔操作を行う(ステップS9)。例えば、利用者U2は、移動体C1の車載装置から送信される画像に基づき、移動体C1の遠隔操作を行う。
【0028】
以上のように、実施形態に係る情報提供装置10は、移動体の運転時にどのような経路を走行するかの特性を示す経路特性や、移動体の運転時にどのような運転操作を行うかの特性を示す操作特性が類似する類似利用者を、運転を支援する支援者の情報として利用者に提供する。これにより、実施形態に係る情報提供装置10は、自動運転を希望する利用者が、当該利用者の運転に関する自身の感覚と類似する支援者に遠隔操作を依頼することを可能とする。したがって、実施形態に係る情報提供装置10は、例えば、利用者と支援者との運転に関する感覚の違いによって生じることが想定される利用者の車酔いなどの問題を防ぐことができるため、利用者にとって違和感のない自動運転に関するサービスを提供できる。すなわち、実施形態に係る情報提供装置10は、運転に関連する情報であって、利用者にとって適切な情報を提供することができる。
【0029】
〔2.情報提供装置の構成〕
次に、図3を用いて、情報提供装置10の構成について説明する。図3は、実施形態に係る情報提供装置の構成例を示す図である。図3に示すように、情報提供装置10は、通信部20と、記憶部30と、制御部40とを有する。
【0030】
(通信部20について)
通信部20は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部20は、ネットワークNと有線または無線で接続され、端末装置100等との間で情報の送受信を行う。
【0031】
(記憶部30について)
記憶部30は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。図3に示すように、記憶部30は、利用者データベース31を有する。
【0032】
(利用者データベース31について)
利用者データベース31は、利用者に関する各種情報を記憶する。ここで、図4を用いて、利用者データベース31が記憶する情報の一例を説明する。図4は、実施形態に係る利用者データベースの一例を示す図である。図4の例では、利用者データベース31は、「利用者ID」、「属性情報」、「運転情報」、「特性情報」、「特性ベクトル」といった項目を有する。
【0033】
「利用者ID」は、利用者を識別するための識別情報を示す。「属性情報」は、利用者のデモグラフィック属性やサイコグラフィック属性などの属性を示す。「運転情報」は、利用者による移動体の運転内容を示す。「特性情報」は、利用者による移動体の運転に関する特性を示す。「特性ベクトル」は、利用者の特性情報に基づく多次元量(ベクトル)を示す。
【0034】
すなわち、図4では、利用者ID「UID#1」によって識別され、属性情報「属性#1」である利用者の運転情報が「運転情報#1」であり、特性情報が「特性情報#1」であって、等が特性情報に基づくベクトルが「ベクトル#1」である例を示す。
【0035】
(制御部40について)
制御部40は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報提供装置10内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部40は、コントローラであり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。実施形態に係る制御部40は、図3に示すように、取得部41と、変換部42と、特定部43と、決定部44と、提供部45とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。
【0036】
(取得部41について)
取得部41は、利用者の運転内容を示す運転情報を取得する。例えば、図1の例において、取得部41は、端末装置100や、利用者が利用する移動体に設置された車載装置などから利用者の運転情報を取得し、利用者データベース31に格納する。
【0037】
また、取得部41は、利用者の運転に関する特性を示す特性情報を取得してもよい。例えば、図1の例において、取得部41は、運転情報から、利用者が移動体の運転時にどのような経路を走行するかの特性(嗜好性)を示す経路特性や、利用者が移動体の運転時にどのような運転操作を行うかの特性を示す操作特性などを特性情報として取得し、利用者データベース31に格納する。なお、取得部41は、端末装置100や、利用者が利用する移動体に設置された車載装置などから特性情報を取得してもよい。
【0038】
また、取得部41は、利用者が運転する移動体の特性を示す移動体情報をさらに取得してもよい。例えば、取得部41は、利用者が運転する移動体の車格(例えば、種別、重さ、大きさなど)や、ハンドリングに関する特性(例えば、ハンドルサイズ、ハンドルの重さ、速度に応じたハンドルの重さの変化、最小回転半径など)、加減速に関する性能、トランスミッションの種別などといった情報を、端末装置100や、利用者が利用する移動体に設置された車載装置、移動体のメーカ、移動体のレビューなどから取得し、利用者データベース31に格納する。
【0039】
また、取得部41は、利用者が利用する端末装置が検出した情報であって、利用者の運転に関する特性を示す情報を特性情報として取得してもよい。例えば、取得部41は、端末装置100が有する各種センサ(例えば、GPSセンサや、加速度センサ、ジャイロセンサなど)により検出される情報を、特性情報として取得する。
【0040】
また、取得部41は、利用者が移動体を運転する際に端末装置が検出した加速度を示す情報を特性情報として取得してもよい。例えば、取得部41は、端末装置100が有する加速度センサにより検出した加速度を示す情報を、特性情報として取得する。
【0041】
また、取得部41は、利用者に各種のサービスを提供する外部サーバや、利用者が利用する端末装置100などから、利用者の所定のサービスにおける利用履歴を取得してもよい。例えば、取得部41は、利用した施設に関する情報や、利用者が投稿したコメント、利用者が加入する保険(例えば、車両保険)などに関する情報を取得し、利用者データベース31に格納する。
【0042】
(変換部42について)
変換部42は、特性情報が示す特性を、特性の類似性を反映した多次元量に変換する。例えば、図1の例において、変換部42は、類似する特性情報が入力された場合に類似する多次元量を出力するよう学習されたモデルを用いて特性情報を多次元量に変換し、利用者データベース31に格納する。
【0043】
なお、変換部42は、類似する移動体情報が入力された場合に類似する多次元量を出力するよう学習されたモデルを用いて、各移動体情報を多次元量に変換してもよい。
【0044】
(特定部43について)
特定部43は、特性情報に基づいて、情報の提供対象となる利用者と運転に関する特性が類似する他の利用者である類似利用者を特定する。例えば、図1の例において、特定部43は、利用者データベース31を参照し、特性情報に基づいて遠隔操作の要求元となる利用者U1と類似する類似利用者を特定する。
【0045】
なお、特定部43は、遠隔操作の要求を行った利用者のみならず、例えば、経路に関する情報の提供要求を行った利用者や、保険(例えば、車両保険)に関する情報の提供要求を行った利用者などといった、各種の情報の提供対象となる利用者と運転に関する特性が類似する類似両者を特定してもよい。
【0046】
また、特定部43は、利用者の特性情報に基づく多次元量と類似する多次元量を特定し、特定した多次元量の元となる特性情報と対応する利用者を類似利用者としてもよい。例えば、図1の例において、特定部43は、利用者U1の特性情報に基づく多次元量と類似する多次元量に対応する利用者U2を、類似利用者として特定する。
【0047】
また、特定部43は、特性情報と、移動体情報とに基づいて、利用者と運転に関する特性が類似し、かつ、利用者と運転する移動体の特性が類似する移動体を運転する他の利用者を類似利用者として特定してもよい。例えば、特定部43は、各利用者に対応する移動体情報をスコアリングし、情報提供の対象となる利用者のスコアとの差が所定の閾値以内であるスコアに対応し、かつ、利用者と運転に関する特性が類似する他の利用者を類似利用者として特定する。なお、特定部43は、変換部42により各移動体情報から変換された多次元量に基づき、利用者と運転する移動体の特性が類似する移動体を運転する他の利用者を特定してもよい。
【0048】
また、特定部43は、特性情報が示す加速度の特徴が利用者と類似する他の利用者を類似利用者として特定してもよい。例えば、特定部43は、加速度によって示される特徴(例えば、利用者が利用する移動体の車種やエンジン排気量、トルク、加速性能、利用者のアクセルワークに関する特性など)が利用者と類似する他の利用者を類似利用者と特定する。
【0049】
(決定部44について)
決定部44は、特定部43により特定された類似利用者の情報に基づいて、利用者に対して提案する経路を決定する。例えば、決定部44は、利用者データベース31を参照し、取得部41が取得した類似利用者の情報(例えば、特性情報、属性情報)に基づいて、利用者に対して提案する経路を決定する。具体的な例を挙げると、決定部44は、類似利用者が景観の良い経路を嗜好する場合、景観の良い経路(例えば、海沿いの道路や、湖沿いの道路、山岳道路などを利用する経路)を利用者に提案する経路として決定する。
【0050】
また、決定部44は、類似利用者が過去に利用した経路と特徴が類似する経路を利用者に対して提案する経路としてもよい。例えば、決定部44は、類似利用者が移動体の運転時にどのような経路を走行するかの特性を示す経路特性と対応する経路を利用者に対して提案する経路とする。具体的な例を挙げると、決定部44は、類似利用者が高速道路(有料道路)及び一般道のうちいずれを走行する傾向にあるかといった特性や、走行する道路の種別の特性、道路の幅に関する特性、右旋回及び左旋回のいずれの方向への旋回を好む傾向にあるかといった特性などに基づいて、利用者に対して提案する経路を決定する。
【0051】
なお、決定部44は、類似利用者が過去に利用した経路を含む地域に利用者が訪問する場合、当該経路を利用者提案する経路としてもよい。
【0052】
また、決定部44は、類似利用者による運転の特徴に基づいて、利用者に対して提案する経路を決定してもよい。例えば、決定部44は、類利用者が移動体の運転時にどのような運転操作を行うかの特性を示す操作特性に応じた経路を、利用者に対して提案する経路とする。具体的な例を挙げると、決定部44は、類似利用者のブレーキングや、アクセルワーク、走行時の移動体の振動に関する特性、右折若しくは左折の不得手など(言い換えると、運転技能)に応じた経路(例えば、カーブや峠道、高速道路、右折、左折などの数を増減させた経路)を利用者に対して提案する。
【0053】
また、決定部44は、類似利用者による評価が所定の条件を満たす施設の特徴に基づいて、利用者に対して訪問を提案する施設を決定してもよい。例えば、決定部44は、利用者データベース31を参照し、類似利用者が利用した施設に関する情報や、類似利用者が投稿したコメント(評価)に基づいて、類似利用者による評価が所定の閾値以上である施設を特定し、特定した施設に関連する施設や、特定した施設と同一カテゴリの施設などを、利用者に提案する施設として決定する。
【0054】
また、決定部44は、特定部43により特定された類似利用者の情報に基づいて、利用者に対して提案する保険の内容を決定してもよい。例えば、決定部44は、利用者データベース31を参照し、類似利用者の特性情報に基づき、利用者に対して提案する保険の内容を決定する。
【0055】
また、決定部44は、類似利用者が加入する保険の内容に基づいて、利用者に対して提案する保険の内容を決定してもよい。例えば、決定部44は、類似利用者が加入する保険(例えば、車両保険)に関する情報に基づき、利用者に対して提案する保険の内容(例えば、補償内容や、補償金額、各種特約など)を決定する。
【0056】
また、決定部44は、類似利用者が加入する保険の保険料に基づいて、利用者に対して提案する保険の内容を決定してもよい。例えば、決定部44は、類似利用者が加入する保険の保険料と同程度となるように、利用者に提案する保険の内容を決定する。
【0057】
また、決定部44は、類似利用者による運転の特徴に基づいて、利用者に対して提案する保険の内容を決定してもよい。例えば、決定部44は、類似利用者の特性情報に基づく運転技能に応じて、利用者に対して提案する保険の内容を決定する。
【0058】
(提供部45について)
提供部45は、特定部43により特定された類似利用者の情報を、利用者の運転を支援する支援者の情報として利用者に提供してもよい。例えば、図1の例において、提供部45は、類似利用者である利用者U2の情報を、利用者U1の運転を支援する支援者の情報として利用者U1に提供する。具体的な例を挙げると、提供部45は、類似利用者の特性情報や属性情報などに基づく情報を利用者に提供する。なお、提供部45は、利用者の移動体に搭乗し、運転を代行する運転代行業者に関する情報を支援者の情報として利用者に提供してもよい。また、提供部45は、利用者に対し音声による指示を行うことにより利用者の運転を支援する支援者の情報を提供してもよい。
【0059】
また、提供部45は、利用者が支援者による運転の支援を許可した場合は、当該利用者が搭乗する移動体の遠隔操作を行うための情報を支援者に提供してもよい。例えば、図1の例において、提供部45は、利用者U2が移動体C1へアクセスするための認証情報や、移動体C1を識別する識別情報を、端末装置100-2若しくは移動体C1を制御する情報処理装置に提供する。
【0060】
また、提供部45は、決定部44が決定した経路の情報を利用者に提供してもよい。例えば、提供部45は、決定部44が決定した経路の情報を、利用者が利用する端末装置100や、利用者が利用する移動体に設置され利用者に対応付けられた車載装置などに提供する。
【0061】
また、提供部45は、決定部44が決定した保険の情報を利用者に提供してもよい。例えば、提供部45は、決定部44が決定した保険の情報を端末装置100に提供する。
【0062】
〔3.特定処理のフロー〕
ここで、図5を用いて、実施形態に係る情報提供装置10の特定処理の手順について説明する。図5は、実施形態に係る特定処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【0063】
図5に示すように、情報提供装置10は、各利用者の運転情報を取得する(ステップS101)。続いて、情報提供装置10は、運転情報から運転に関する特性を示す特性情報を取得する(ステップS102)。続いて、情報提供装置10は、取得した特性情報をベクトルに変換する(ステップS103)。
【0064】
続いて、情報提供装置10は、遠隔操作の要求を利用者から受け付けたか否かを判定する(ステップS104)。遠隔操作の要求を受け付けていない場合(ステップS104;No)、情報提供装置10は、処理を終了する。
【0065】
一方、遠隔操作の要求を受け付けた場合(ステップS104;Yes)、情報提供装置10は、要求元の利用者と運転の特性が類似する類似利用者を特定する(ステップS105)。続いて、情報提供装置10は、類似利用者の情報を利用者に提供し(ステップS106)、処理を終了する。
【0066】
〔4.変形例〕
上述の実施形態は一例を示したものであり、種々の変更及び応用が可能である。
【0067】
〔4-1.移動体について〕
上述の実施形態において、特定部43が、自動車の運転に関する特性が類似する類似利用者を特定する例を示したが、特定部43の機能はこのような例に限定されず、バイクや自転車、飛行機、船などといった、各種の移動体の運転に関する特性が類似する類似利用者を特定してもよい。そして、提供部45は、特定された類似利用者の情報を、各種の移動体の運転を支援する支援者の情報として利用者に提供してもよい。
【0068】
〔4-2.特定する利用者について〕
上述の実施形態において、特定部43が、利用者と運転に関する特性情報が類似する他の利用者を特定する例を示したが、特定部43の機能はこのような例に限定されない。例えば、特定部43は、情報の提供対象となる利用者と運転に関する特性情報が類似しない他の利用者(以下、「非類似利用者」と記載する場合がある)を特定してもよい。具体的な例を挙げると、特定部43は、情報の提供対象となる利用者の特性情報に基づく多次元量(ベクトル)とのユークリッド距離が所定の閾値以上である多次元量を特定し、特定した多次元量の元となる特性情報と対応する利用者を非類似利用者として特定する。そして、提供部45は、特定された非類似利用者以外の利用者の情報を、情報の提供対象となる利用者の運転を支援する支援者の情報として提供する。
【0069】
また、例えば、特定部43は、情報の提供対象となる利用者と移動体情報が類似する利用者群を特定し、特定した利用者群から非類似利用者を特定する。そして、提供部45は、特定された利用者群に含まれる利用者であって、特定された非類似利用者以外の利用者の情報を、情報の提供対象となる利用者の運転を支援する支援者の情報として提供する。
【0070】
〔4-3.利用者に提供する情報について〕
上述の実施形態において、提供部45が、決定部44により決定された経路の情報を利用者に提供する例を示したが、提供部45の機能はこのような例に限定されない。例えば、提供部45は、決定部44により決定された経路の情報と共に、当該経路と特徴が類似する経路において類似利用者に生じた事故に関する事故情報を利用者に提供してもよい。また、提供部45は、決定部44により決定された経路の情報と共に、当該経路と特徴が類似する経路において類似利用者が移動体を運転した際の情報(例えば、急ブレーキの回数や、移動体の振動に関する情報など)に基づく所定の警告(例えば、カーブや峠道が多い旨の警告)を利用者に提供してもよい。
【0071】
〔5.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る情報提供装置10は、取得部41と、変換部42と、特定部43と、決定部44と、提供部45とを有する。取得部41は、利用者の運転に関する特性を示す特性情報を取得する。変換部42は、特性情報が示す特性を、特性の類似性を反映した多次元量に変換する。特定部43は、特性情報に基づいて、情報の提供対象となる利用者と運転に関する特性が類似する他の利用者である類似利用者、若しくは、情報の提供対象となる利用者と運転に関する特性が類似しない他の利用者である非類似利用者を特定する。また、特定部43は、利用者の特性情報に基づく多次元量と類似する多次元量を特定し、特定した多次元量の元となる特性情報と対応する利用者を類似利用者とする。決定部44は、特定部43により特定された類似利用者の情報に基づいて、利用者に対して提案する経路を決定する。提供部45は、特定部43により特定された類似利用者の情報を、利用者の運転を支援する支援者の情報として利用者に提供する。また、提供部45は、利用者が支援者による運転の支援を許可した場合は、当該利用者が搭乗する移動体の遠隔操作を行うための情報を支援者に提供する。また、提供部45は、決定部44が決定した経路の情報を利用者に提供する。
【0072】
これにより、実施形態に係る情報提供装置10は、利用者の運転に関する特性が類似する類似利用者を利用者の運転を支援する支援者の情報として提供し、また、類似利用者の情報に基づいた経路の情報を提供できるため、利用者が違和感のない運転に関連する情報であって、利用者にとって適切な情報を提供することができる。
【0073】
また、実施形態に係る情報提供装置10において、例えば、決定部44は、類似利用者が過去に利用した経路と特徴が類似する経路を利用者に対して提案する経路とする。また、決定部44は、類似利用者による運転の特徴に基づいて、利用者に対して提案する経路を決定する。また、決定部44は、類似利用者による評価が所定の条件を満たす施設の特徴に基づいて、利用者に対して訪問を提案する施設を決定する。
【0074】
これにより、実施形態に係る情報提供装置10は、利用者の運転に関する特性が類似する類似利用者の情報に基づいた経路の情報を提供することにより、利用者の嗜好に合わせた経路の情報を提供できるため、利用者が違和感のない運転に関連する情報であって、利用者にとって適切な情報を提供することができる。
【0075】
また、実施形態に係る情報提供装置10において、例えば、決定部44は、特定部43により特定された類似利用者の情報に基づいて、利用者に対して提案する保険の内容を決定する。そして、提供部45は、決定部44が決定した保険の情報を利用者に提供する。また、決定部44は、類似利用者が加入する保険の内容に基づいて、利用者に対して提案する保険の内容を決定する。また、決定部44は、類似利用者が加入する保険の保険料に基づいて、利用者に対して提案する保険の内容を決定する。また、決定部44は、類似利用者による運転の特徴に基づいて、利用者に対して提案する保険の内容を決定する。
【0076】
これにより、実施形態に係る情報提供装置10は、利用者の運転に関する特性が類似する類似利用者の情報に基づいた保険の情報を提供することにより、利用者の運転に関する実情に沿った情報を提供できるため、運転に関連する情報であって、利用者にとって適切な情報を提供することができる。
【0077】
また、実施形態に係る情報提供装置10において、例えば、取得部41は、利用者が運転する移動体の特性を示す移動体情報をさらに取得する。そして、特定部43は、特性情報と、移動体情報とに基づいて、利用者と運転に関する特性が類似し、かつ、利用者と運転する移動体の特性が類似する移動体を運転する他の利用者を類似利用者として特定する。また、取得部41は、利用者が利用する端末装置が検出した情報であって、利用者の運転に関する特性を示す情報を特性情報として取得する。また、取得部41は、利用者が移動体を運転する際に端末装置が検出した加速度を示す情報を特性情報として取得する。そして、特定部43は、特性情報が示す加速度の特徴が利用者と類似する他の利用者を類似利用者として特定する。
【0078】
これにより、実施形態に係る情報提供装置10は、各種の情報を用いて精度よく類似利用者を特定できるため、利用者により適切な情報を提供することができる。
【0079】
〔6.ハードウェア構成〕
また、上述してきた各実施形態に係る情報提供装置10は、例えば、図6に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下、情報提供装置10を例に挙げて説明する。図6は、情報提供装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、ROM1200、RAM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0080】
CPU1100は、ROM1200又はHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1200は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0081】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を記憶する。通信インターフェイス1500は、通信網500(実施形態のネットワークNに対応する)を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、また、通信網500を介してCPU1100が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0082】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して生成したデータを出力装置へ出力する。
【0083】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1300を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1300上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0084】
例えば、コンピュータ1000が情報提供装置10として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1300上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部40の機能を実現する。また、HDD1400には、情報提供装置10の記憶装置内の各データが格納される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から所定の通信網を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0085】
〔7.その他〕
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0086】
また、上述した情報提供装置10は、機能によっては外部のプラットフォーム等をAPI(Application Programming Interface)やネットワークコンピューティングなどで呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。
【0087】
また、特許請求の範囲に記載した「部」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0088】
10 情報提供装置
20 通信部
30 記憶部
31 利用者データベース
40 制御部
41 取得部
42 変換部
43 特定部
44 決定部
45 提供部
100 端末装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6