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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-20
(45)【発行日】2023-03-29
(54)【発明の名称】外科手術用インプラントシステム
(51)【国際特許分類】
   A61N 1/36 20060101AFI20230322BHJP
【FI】
A61N1/36
【請求項の数】 35
(21)【出願番号】P 2019546279
(86)(22)【出願日】2018-02-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-03-26
(86)【国際出願番号】 EP2018054913
(87)【国際公開番号】W WO2018158305
(87)【国際公開日】2018-09-07
【審査請求日】2021-02-16
(31)【優先権主張番号】62/464,917
(32)【優先日】2017-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517022061
【氏名又は名称】ニクソア エス.アー.
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ゴラン, シラン
(72)【発明者】
【氏名】シマン, ガイ
(72)【発明者】
【氏名】ヨセフ, ヨエル ベン
(72)【発明者】
【氏名】アディモー, ロネン
(72)【発明者】
【氏名】スクラン, ロイ モシェ
【審査官】中村 一雄
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-522387(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0071594(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 1/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.第1の側縁と前記第1の側縁とは反対側の第2の側縁と上面側と底面側とを有する略平面状の中心本体部分であって、前記中心本体部分は、信号を受信するように構成されているアンテナを具備する、略平面状の中心本体部分と、
b.少なくとも2つ翼部分であって、前記少なくとも2つの翼部分は、前記中心本体部分に対して移動可能である、少なくとも2つの翼部分と、
c.少なくとも2つの接続部材であって、前記少なくとも2つの接続部材のうちのそれぞれ1つは、前記中心本体部分の前記第1の側縁および前記第2の側縁のうちの一方から延在し、前記少なくとも2つの接続部材のうちの前記それぞれ1つは、可撓性であり、かつ、前記少なくとも2つの翼部分のうちのそれぞれ1つを、前記第1の側縁および前記第2の側縁のうちの前記一方において、前記中心本体部分に接続するために構成されており、前記少なくとも2つの翼部分のうちのそれぞれ1つは、少なくとも一対の電極を具備し、前記少なくとも一対の電極は、前記アンテナと電気連通しており、かつ、電場を神経に放出するように構成されている、少なくとも2つの接続部材と
を備え、
前記翼部分は、前記中心本体部分より可撓性である、外科手術用インプラント。
【請求項2】
前記少なくとも2つの接続部材のうちのそれぞれ1つは、前記中心本体部分から少なくとも1つのヒンジ部材を通して延在する、請求項1に記載の外科手術用インプラント。
【請求項3】
前記少なくとも2つの接続部材のうちのそれぞれ1つは、前記中心本体部分から少なくとも1つのヒンジ部材を通して延在し、前記少なくとも2つの翼部分のうちのそれぞれ1つは、前記少なくとも2つの接続部材においてヒンジ式に関節運動される、請求項1に記載の外科手術用インプラント。
【請求項4】
前記少なくとも2つの接続部材のうちの前記それぞれ1つは、ヒンジを介して前記中心本体部分に接続されており、前記ヒンジは、前記翼部分の隣接部分より薄い、請求項1に記載の外科手術用インプラント。
【請求項5】
前記接続部材は、少なくとも1つの方向に変形するように構成されている可撓性要素である、請求項1に記載の外科手術用インプラント。
【請求項6】
外科手術用インプラントであって、
a.第1の側縁と前記第1の側縁とは反対側の第2の側縁と上面側と底面側とを有する略平面状の中心本体部分であって、前記中心本体部分は、信号を受信するように構成されているアンテナを具備する、略平面状の中心本体部分と、
b.少なくとも2つ翼部分であって、前記少なくとも2つの翼部分は、前記中心本体部分に対して移動可能である、少なくとも2つの翼部分と、
c.少なくとも2つの接続部材であって、前記少なくとも2つの接続部材のうちのそれぞれ1つは、前記中心本体部分の前記第1の側縁および前記第2の側縁のうちの一方から延在し、前記少なくとも2つの接続部材のうちの前記それぞれ1つは、可撓性であり、かつ、前記少なくとも2つの翼部分のうちのそれぞれ1つを、前記第1の側縁および前記第2の側縁のうちの前記一方において、前記中心本体部分に接続するために構成されており、前記少なくとも2つの翼部分のうちのそれぞれ1つは、少なくとも一対の電極を具備し、前記少なくとも一対の電極は、前記アンテナと電気連通しており、かつ、電場を神経に放出するように構成されている、少なくとも2つの接続部材と
を備え、
前記接続部材は、少なくとも1つの方向に変形するように構成されている可撓性要素であり、
前記可撓性要素は、可撓性アーチの形態であり、前記可撓性アーチは、前記可撓性アーチの長さに沿って完全に撓曲可能であり、前記可撓性アーチは、前記中心本体部分および前記少なくとも2つの翼部分のそれぞれ相互から離れるように撓曲するように第1の方向に屈曲移動を可能にする外科手術用インプラント。
【請求項7】
外科手術用インプラントであって、
a.第1の側縁と前記第1の側縁とは反対側の第2の側縁と上面側と底面側とを有する略平面状の中心本体部分であって、前記中心本体部分は、信号を受信するように構成されているアンテナを具備する、略平面状の中心本体部分と、
b.少なくとも2つ翼部分であって、前記少なくとも2つの翼部分は、前記中心本体部分に対して移動可能である、少なくとも2つの翼部分と、
c.少なくとも2つの接続部材であって、前記少なくとも2つの接続部材のうちのそれぞれ1つは、前記中心本体部分の前記第1の側縁および前記第2の側縁のうちの一方から延在し、前記少なくとも2つの接続部材のうちの前記それぞれ1つは、可撓性であり、かつ、前記少なくとも2つの翼部分のうちのそれぞれ1つを、前記第1の側縁および前記第2の側縁のうちの前記一方において、前記中心本体部分に接続するために構成されており、前記少なくとも2つの翼部分のうちのそれぞれ1つは、少なくとも一対の電極を具備し、前記少なくとも一対の電極は、前記アンテナと電気連通しており、かつ、電場を神経に放出するように構成されている、少なくとも2つの接続部材と、
d.可撓性アーチと
を備え、
前記可撓性アーチは、
前記可撓性アーチの中心の周囲に配置されている少なくとも1つの中心区画と、
少なくとも2つのヒンジ構造であって、前記ヒンジ構造のうちのそれぞれ1つは、前記中心本体部分と前記少なくとも1つの中心区画との間、および、前記少なくとも2つの翼部分のうちの一方と前記中心区画との間に配置されており、かつ、前記少なくとも2つの翼部分のうちの前記一方が、前記可撓性アーチの平面内の前記ヒンジ構造のうちの1つのヒンジ点の周りで枢動することを可能にする方向に配向されている、少なくとも2つのヒンジ構造と
を備える、外科手術用インプラント。
【請求項8】
前記可撓性アーチは、単一のエラストマ材料から形成されており、前記少なくとも2つのヒンジ構造は、リビングヒンジを備える、請求項7に記載の外科手術用インプラント。
【請求項9】
前記可撓性アーチは、前記中心本体部分の前記上面側と接続している外部表面と、前記中心本体部分の前記底面側と接続している内部表面とを有し、前記可撓性アーチは、前記外部表面と前記内部表面との間の距離として画定される狭窄幅を有し、前記可撓性アーチは、前記中心本体部分に接続されている前記可撓性アーチの部分において最も大きい幅と、前記翼部分のうちの少なくとも1つに接続されている前記可撓性アーチの前記部分においてより狭小な幅とを有する、請求項7に記載の外科手術用インプラント。
【請求項10】
前記外科手術用インプラントは、単一のエラストマ材料から形成されている、請求項1に記載の外科手術用インプラント。
【請求項11】
前記外科手術用インプラントは、少なくとも1つの係留配置を備えることが可能である、請求項1に記載の外科手術用インプラント。
【請求項12】
前記外科手術用インプラントは、少なくとも1つの係留配置を備えることが可能であり、前記係留配置は、少なくとも1つの縫合孔の形態である、請求項1に記載の外科手術用インプラント。
【請求項13】
前記外科手術用インプラントは、少なくとも1つの係留配置を備えることが可能であり、前記係留配置は、少なくとも1つの縫合孔の形態であり、前記少なくとも1つの縫合孔は、前記中心本体部分および/または前記少なくとも2つの翼部分のうちの前記少なくとも1つ上に提供される、請求項1に記載の外科手術用インプラント。
【請求項14】
前記係留配置は、少なくとも1つの縫合孔の形態であり、前記少なくとも1つの縫合孔は、前記係留配置を形成する材料によって、および/または、前記外科手術用インプラントの他の要素によって補強される、請求項11~13のいずれか一項に記載の外科手術用インプラント。
【請求項15】
前記中心本体部分は、前記少なくとも1つの縫合孔を補強する埋設された補強要素を備えることが可能である、請求項14に記載の外科手術用インプラント。
【請求項16】
前記中心本体部分は、前記少なくとも1つの縫合孔を補強する埋設された補強要素、および/または、前記係留配置の一部を形成する前記少なくとも1つの縫合孔を補強する材料の補強層を備えることが可能である、請求項14に記載の外科手術用インプラント。
【請求項17】
前記係留配置は、メッシュ材料である、請求項14に記載の外科手術用インプラント。
【請求項18】
前記外科手術用インプラントは、少なくとも2つの係留配置を備えることが可能であり、前記係留配置は、前記外科手術用インプラントを前記外科手術用インプラントの所定のインプラント場所に係留し、少なくとも前記少なくとも2つの翼部分を前記所定のインプラント場所に係留するように構成されている、請求項1に記載の外科手術用インプラント。
【請求項19】
前記少なくとも2つの翼部分は、少なくとも1つの自由度を有し、前記少なくとも2つの翼部分の静置位置に対して種々の角度の配置に可撓性に調節可能である、請求項1に記載の外科手術用インプラント。
【請求項20】
前記少なくとも2つの翼部分は、少なくとも1つの自由度を有し、前記少なくとも2つの翼部分の静置位置に対して種々の角度配置に可撓性に調節可能であり、前記角度配置は、約-90~最大270度である、請求項1に記載の外科手術用インプラント。
【請求項21】
前記少なくとも2つの翼部分は、少なくとも1つの自由度を有し、1つより多い数の軸に沿って移動することにより、前記少なくとも2つの翼部分の静止位置および/または接続部材に対して種々の角度配置を形成するように可撓性に調節可能である、請求項1に記載の外科手術用インプラント。
【請求項22】
前記少なくとも2つの翼部分は、少なくとも1つの自由度を有し、3つの軸に沿っておよび/またはその周囲において移動することにより、前記少なくとも2つの翼部分の静止位置および/または接続部材に対して種々の角度配置を形成するように可撓性に調節可能である、請求項1に記載の外科手術用インプラント。
【請求項23】
前記少なくとも2つの翼部分は、3つより大きい自由度を有し、前記少なくとも2つの翼部分の静置位置および/または前記接続部材に対して種々の角度配置に可撓性に調節可能である、請求項1に記載の外科手術用インプラント。
【請求項24】
少なくとも前記外科手術用インプラントの1つの構成において、前記可撓性アーチは、前記略平面状の中心本体部分の上面側を越えて突出することが可能である、請求項7に記載の外科手術用インプラント。
【請求項25】
少なくとも前記外科手術用インプラントの1つの構成において、前記可撓性アーチは、前記略平面状の中心本体部分の上面側を越え突出することが可能である、請求項7に記載の外科手術用インプラント。
【請求項26】
少なくとも前記中心本体部分は、内部に配置されている耐荷重補強構造をさらに具備し、前記耐荷重補強構造は、前記中心本体部分に構造的な堅性を提供するように構成されている、請求項1に記載の外科手術用インプラント。
【請求項27】
前記外科手術用インプラントは、少なくとも1つの係留配置を備え、前記係留配置は、前記外科手術用インプラントの前記耐荷重補強構造によって補強されている、請求項26に記載の外科手術用インプラント。
【請求項28】
記電極は前記アンテナによって受信される前記信号に応答して、前記アンテナからの電流を受信するように構成されており、前記受信された電流は、前記一対の電極のうちの少なくとも1つを帯電させ、前記一対の電極のうちの前記少なくとも1つは、電場を放出するように構成されている、請求項1に記載の外科手術用インプラント。
【請求項29】
前記一対の電極は、前記一対の電極の周界部分において保護材料で部分的に被覆されており、前記一対の電極の少なくとも一部を環境に暴露されたままにする、請求項28に記載の外科手術用インプラント。
【請求項30】
前記一対の電極は、保護材料の中に部分的に埋設されており、前記一対の電極は、前記一対の電極にわたって延在する保護材料の外層を備え、前記一対の電極の少なくとも一部を環境に暴露されたままにする、請求項28に記載の外科手術用インプラント。
【請求項31】
前記外科手術用インプラントは、前記少なくとも2つの翼部分が、舌下神経の内側枝の終末線維に隣接するオトガイ舌筋の側面に位置付けられているように、対象のオトガイ舌筋の外部表面に共形化するように構成されており、前記一対の電極は、それらから離間されると、内側枝の前記終末線維を変調させるために十分な電場を発生させる、請求項28に記載の外科手術用インプラント。
【請求項32】
前記一対の電極のうちの少なくとも1つは、ワイヤを通して電気回路に接続されている、請求項28に記載の外科手術用インプラント。
【請求項33】
前記一対の電極のうちの少なくとも1つは、ワイヤを通して電気回路に接続されており、前記回路は、前記中心本体部分上に配置されており、前記ワイヤは、前記少なくとも2つの接続部材を通して延在するように構成されている、請求項28に記載の外科手術用インプラント。
【請求項34】
前記ワイヤは、前記接続部材のうちの少なくとも1つが変位されるとき、前記電気回路と前記一対の電極との間の連通の完全性が損なわれないように配置されている、請求項33に記載の外科手術用インプラント。
【請求項35】
インプラントユニットアクティブ化デバイスであって、前記インプラントユニットアクティブ化デバイスは、主本体を備え、前記主本体は、インプラントアクティブ化装置と、前記主本体に対して変位するように構成された軸方向に変位可能なアダプタとを備え、前記インプラントアクティブ化装置は、電力源を有し、対象の身体の中へのインプラントユニットの埋込の間、前記電力源から前記インプラントユニットに無線でエネルギーを伝達し、前記対象の身体内の少なくとも1つの神経の刺激を引き起こすように構成されており、前記アダプタの軸方向の変位は、前記インプラントアクティブ化装置と前記インプラントユニットとの間の距離を調節することを可能にし、これにより、前記インプラントユニットによって受信されるエネルギーの量の調節を可能にする、インプラントユニットアクティブ化デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(技術分野)
開示される主題は、閉塞性睡眠時無呼吸等の医学的状態に関連する、外科手術用インプラントシステム、デバイス、および方法を対象とする。特に、開示される主題は、神経刺激のためのインプラントと、関連付けられるアクティブ化デバイスおよび方法とを対象とする。
【背景技術】
【0002】
(背景)
種々のタイプの神経刺激装置が、当技術分野において公知である。舌下神経の刺激のための神経刺激装置の分野では、以下のものが、いくつかの実施例(その詳細は、参照することによって本明細書に組み込まれる)を提供する。
【0003】
米国第8,577,465号は、可撓性の担体と、可撓性担体上の少なくとも一対の変調電極と、少なくとも一対の変調電極と電気連通する、少なくとも1つの埋込式回路とを含み得る、インプラントユニットを説明する。少なくとも一対の変調電極および少なくとも1つの回路は、少なくとも一対の変調電極から延在する電場が、舌下神経の内側枝の終末線維のうちの1つ以上を変調させ得るように、対象の顎部の下側上の真皮を通した埋込のため、ならびに対象の舌下神経の内側枝の終末線維に近接する場所のために構成されてもよい。
【0004】
米国第2013085560号は、対象の身体の中への埋込のために構成され、信号を受信するように構成されるアンテナを含み得る、インプラントユニットを説明する。インプラントユニットはまた、変調されるべき少なくとも1つの神経の近傍にある、対象の身体の中に埋設されるように構成される、少なくとも一対の変調電極を含んでもよく、少なくとも一対の変調電極は、アンテナによって受信される信号に応答して、印加される電気信号を受信し、少なくとも一対の変調電極が少なくとも1つの神経に接触しない位置から少なくとも1つの神経を変調させるための、電場を発生させるように構成される。
【0005】
以下は、外科手技の間、神経刺激装置をアクティブ化するために使用される、アクティブ化ツールのある実施例を提供する。米国第201403189号(その開示は、参照することによって本明細書に組み込まれる)は、インプラントツールと、インプラントアクティブ化装置とを有する、インプラントユニット送達ツールを説明する。インプラントツールは、インプラントユニットが組織に固定される埋込手技の間、インプラントユニットを保定するように構成されてもよい。インプラントアクティブ化装置は、インプラントツールと関連付けられてもよい。加えて、インプラントアクティブ化装置は、埋込手技の間、インプラントユニットに選択的に電力を伝達し、組織へのインプラントユニットの最終固定に先立って、対象の身体内の少なくとも1つの神経の変調を引き起こすように構成されてもよい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】米国特許第8,577,465号公報
【文献】米国特許出願公開第2013/085560号公報
【文献】米国特許出願公開第2014/03189号公報
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
(概略的説明)
開示される主題の一側面では、ある外科手術用インプラントが、開示される。本側面による、外科手術用インプラントは、
上面側と、底面側とを有する、略平面状の中心本体部分と、
少なくとも2つの調節可能な翼部分と、
少なくとも2つの接続部材であって、少なくとも2つの接続部材のうちのそれぞれ1つは、中心本体部分の両側から延在し、少なくとも2つの接続部材のうちのそれぞれ1つは、少なくとも2つの翼部分のうちのそれぞれ1つを、両側において、該中心本体部分に可撓性に接続するために構成される、少なくとも2つの接続部材と
を備える。
【0008】
以下の実施形態のうちの任意の1つは、単独または組み合わせで、開示される主題の側面のうちの任意の1つに適用されてもよい。
・中心本体は、略平面状である一側面と、少なくとも部分的にアーチ形の表面を有する、反対側とを有してもよい。
・翼は、中心本体部分より可撓性であってもよい。
・翼および中心本体部分は、同一の材料から作製されてもよい。
・翼および中心本体部分は、異なる材料から作製されてもよい。
・可撓性接続は、ヒンジを介し、ヒンジ部分は、その翼が一部である隣接部分より薄い。
・該少なくとも2つの接続部材のうちのそれぞれ1つは、中心本体から少なくとも1つのヒンジ部材を通して延在する。
・該少なくとも2つの接続部材のうちのそれぞれ1つは、中心本体から少なくとも1つのヒンジ部材を通して延在し、該少なくとも2つの翼部分のうちのそれぞれ1つは、中心本体部分と少なくとも2つの翼部分のうちの少なくとも1つとの間に延在する延在部材を通して、少なくとも1つのヒンジにヒンジ式に関節運動される。
・接続部材は、少なくとも1つの方向に変形するように構成される、可撓性要素であってもよい。
・可撓性要素は、中心本体および少なくとも2つの翼部分のそれぞれが、相互から離れるように撓曲するように、その長さに沿って、第1の方向に屈曲移動を可能にする、可撓性アーチの形態であってもよい。
・可撓性アーチをさらに備えてもよく、可撓性アーチは、可撓性アーチの長さに沿って配列される、少なくとも1つの中心区画と、少なくとも2つのヒンジ構造であって、ヒンジ構造のうちのそれぞれ1つは、中心本体と少なくとも1つの中心区画との間、および少なくとも2つの翼部分のうちの一方と中心区画との間に配置され、中心区画の長さに対して横断する方向に配向される、少なくとも2つのヒンジ構造とを備える。
・可撓性アーチは、単一のエラストマ材料から形成されてもよく、ヒンジは、リビングヒンジを備えてもよい。
・可撓性アーチは、複数の区画から形成されてもよく、複数の区画は、リビングヒンジを通して接続されてもよく、複数の区画は、材料を通して接続されてもよく、材料は、区画の厚さ未満の厚さを有してもよい。
・可撓性アーチは、中心本体への接続面積において、最も大きい幅と、翼部分のうちの少なくとも1つとの接続面積において、より狭小な幅とを有する、狭窄幅を有してもよい。
・可撓性アーチは、不均一な厚さおよび/または不均一な幅を有してもよい。
・外科手術用インプラントは、単一のエラストマ材料から形成されてもよい。
・外科手術用インプラントは、少なくとも1つの係留配列を備えてもよい。
・外科手術用インプラントは、少なくとも1つの係留配列を備えてもよく、係留配列は、少なくとも1つの縫合孔の形態であってもよい。
・外科手術用インプラントは、少なくとも1つの係留配列を備えてもよく、係留配列は、少なくとも1つの縫合孔の形態であってもよく、少なくとも1つの縫合孔は、中心本体部分および/または少なくとも2つの翼部分のうちの少なくとも1つ上に提供される。
・係留配列は、縫合孔の形態であってもよく、縫合孔は、内部および/または外部から補強されてもよい。
・補強される係留配列は、埋設される補強要素を備えてもよい。
・補強される係留配列は、埋設される補強要素および/または配列の材料形成部分の補強層を備えてもよい。
・補強係留配列は、メッシュ材料であってもよい。
・係留配列は、インプラントの耐荷重補強要素の一部であってもよい。
・外科手術用インプラントは、少なくとも1つの係留配列を備えてもよく、係留配列は、外科手術用インプラントをインプラント場所に係留し、少なくとも該少なくとも2つの翼部分をそれぞれ別に反対に係留するように構成されてもよい。
・係留配列は、外科手術用インプラントの内部の構成要素の少なくとも一部への損傷を防止するように構成される。
・インプラントユニットは、化学的または機械的であり得る、係留配列を備えてもよく、いくつかの実施例では、係留配列は、接着剤を備えてもよい。別の実施形態では、係留配列は、ステープル、縫合糸、吸収性縫合糸、および身体内のインプラントユニットの少なくとも一部の機械的カプセル化手段を備えてもよい。
・少なくとも2つの翼部分は、少なくとも1つの自由度を有してもよく、主本体に対して種々の角度の配置に可撓性に調節可能であってもよい。
・少なくとも2つの翼部分は、少なくとも1つの自由度を有してもよく、主本体に対して種々の角度配置に可撓性に調節可能であってもよく、角度配置は、0~最大270度であってもよく、ある実施形態によると、角度配置は、-90~最大270度であってもよい。
・少なくとも2つの翼部分は、少なくとも1つの自由度を有してもよく、1つを上回る軸に沿って、いくつかの実施形態では、3つの軸に沿っておよび/またはその周囲において種々の角度配置に可撓性に調節可能であってもよい。
・少なくとも2つの翼部分は、3つを上回る自由度を有し、主本体および/または接続部材に対して種々の角度配置に可撓性に調節可能であってもよい。
・可撓性アーチは、単一のエラストマ材料から形成され、ヒンジは、リビングヒンジを備える。
・少なくともインプラントデバイスの1つの構成において、可撓性アーチは、中心本体の略平面状の表面の上面側を越えて突出してもよい。
・少なくともインプラントデバイスの1つの構成において、可撓性アーチは、中心本体の上面側の平面状の表面を越えてある角度で突出してもよい。
・少なくとも中心本体部分はさらに、中心本体部分に構造的な堅性を提供するように構成される、内部に配置される耐荷重補強構造を具備する。
・少なくとも中心本体部分はさらに、中心本体部分に構造的な堅性を提供するように構成される、内部に配置される耐荷重補強構造を具備し、一実施形態では、補強構造は、要素のシステムであってもよく、別の実施形態では、補強構造は、単一の要素であってもよい。
・耐荷重補強構造は、それに応じた力の消耗下で構造的完全性を保持するように構成される、任意の好適な材料から形成されてもよい。
・耐荷重補強構造は、ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ULTEM、液晶ポリマー(LCP)、セラミック、または適合性材料の合金または材料の組み合わせのうちの任意の1つから形成されてもよい。
・インプラントは、少なくとも、シリコーン、フェニルトリメトキシシラン(PTMS)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、パリレンC、ポリイミド、液体ポリイミド、積層ポリイミド、エポキシ、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、液晶ポリマー(LCP)、KAPTON、またはそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、生体適合性ポリマーの1つの層内に実質的にカプセル化されてもよい。
・インプラントは、少なくとも、生体適合性ポリマーの1つの層内にカプセル化され、その部分を被覆する、1つ以上の付加的な層を含んでもよい。
・インプラントは、少なくとも、生体適合性の材料の1つの層内にカプセル化されてもよく、セラミック材料、ULTEM等の熱可塑性材料、または他の適合性材料を含んでもよい。
・中心本体部分は、信号を受信するように構成される、アンテナを具備してもよく、少なくとも2つの翼部分のうちのそれぞれ1つは、アンテナと電気連通する、少なくとも一対の電極を具備し、電極は、対の電極のうちの少なくとも1つが電場を放出するように構成されるように、アンテナによって受信される信号に応答して、電流を受信するように構成される。
・第1の対の電極および第2の対の電極は、同時に個別の電場を発生させるようにアクティブ化されることができる。
・第1の対の電極および第2の対の電極は、カプセル化材料でそれらの周界において部分的に被覆され、暴露されるそれらの少なくとも一部を有してもよい。
・第1の対の電極および第2の対の電極は、カプセル化材料の中に部分的に埋設され、それにわたって延在する、カプセル化材料の外層を備え、それらの少なくとも一部を環境に暴露されたままにしてもよい。
・外科手術用インプラントは、少なくとも2つの翼部分が、舌下神経の内側枝の終末線維に隣接するオトガイ舌筋の側面に位置付けられるように、対象のオトガイ舌筋の外部表面に共形化するように構成され、電極は、それらから離間されると、内側枝の終末線維を変調させるために十分な電場を発生させる。
・第1の対の電極および第2の対の電極のうちの少なくとも1つは、ワイヤを通して電気回路に接続される。
・第1の対の電極および第2の対の電極のうちの少なくとも1つは、ワイヤを通して電気回路に接続され、回路は、中心本体上に配置され、ワイヤは、個別の接続部材を通して延在するように構成される。
・ワイヤは、接続部材のうちの少なくとも1つが変位されるとき、電気回路と電極との間の連通の完全性が損なわれないように配置されてもよい。
・ワイヤは、コイル状ワイヤであってもよい。
・ワイヤは、波状であってもよい。
【0009】
開示される主題の別の側面では、インプラントユニットアクティブ化デバイスが開示され、インプラントユニットアクティブ化デバイスは、主本体を備え、主本体は、インプラントアクティブ化装置と、主本体に対して変位するように構成される、軸方向に変位可能なアダプタとを備え、インプラントアクティブ化装置は、電力源を有し、対象の身体の中へのインプラントユニットの埋込の間、電力源からインプラントユニットに無線でエネルギーを伝達し、対象の身体内の少なくとも1つの神経の刺激を引き起こすように構成され、アダプタの軸方向の変位は、インプラントユニットによって受信されるエネルギーの量の調節を可能にする。
【0010】
エネルギーの量は、インプラントユニットアクティブ化デバイスを通して、直接調節されてもよい。
【0011】
さらに別の側面では、神経刺激インプラントデバイスを位置付け、それをアクティブ化させる方法であって、
神経刺激デバイスを提供することであって、前記神経刺激デバイスは、
信号を受信するように構成される第1のアンテナを具備する、中心本体部分と、
中心本体部分に動作可能に結合される、少なくとも第1の対の電極および第2の対の電極と
を有し、
中心本体部分は、少なくとも第1の対の電極および第2の対の電極と電気連通し、該少なくとも第1の対の電極および第2の対の電極は、対の電極のうちの少なくとも1つが電場を放出し、対象の身体内の神経を刺激するように構成されるように、第1のアンテナによって受信された電気信号に応答して、電気信号を受信するように構成される、ことと、
インプラントユニットアクティブ化デバイスを提供することであって、本デバイスは、主本体を備え、主本体は、電力源を有するインプラントアクティブ化装置と、信号を第1のアンテナに提供するように構成される第2のアンテナと、インプラントアクティブ化装置と関連付けられる軸方向に変位可能なアダプタ/リトラクタとを備え、インプラントアクティブ化装置は、埋込の間、その中に構成される電力源から神経刺激デバイスに無線でエネルギーを伝達し、対象の身体内の少なくとも1つの神経の刺激を引き起こすように構成され、
少なくとも第1の位置から少なくとも第2の位置へのアダプタ/リトラクタの軸方向の変位は、インプラントユニットによって受信されるエネルギーの程度の調節を可能にする、ことと、
該第1の対の電極を、神経の近位にある推定されるインプラント場所に位置付け、アダプタ/リトラクタに対して主本体を再度位置付けることによって、選択的に第2のアンテナを変位させ、1つ以上の患者信号に基づいて、少なくとも第1の対の電極における刺激閾値を得るために要求される、第1の量の電流および第2の量の電流を送達することによって、少なくとも第1の対の電極ならびに第2の対の電極毎の神経刺激応答の程度を判定することによって、刺激閾値を識別することと、
少なくとも第2の対の電極を推定される場所に位置付け、要求される第2の量の電力を送達し、少なくとも該第2の対の電極による神経刺激の程度を判定することと
を含む方法が、提供される。
【0012】
一実施形態では、インプラントは、閉塞性睡眠時無呼吸の治療のために構成されてもよく、埋込の場所は、舌下神経の近傍であってもよい。本実施形態によると、神経刺激デバイスは、舌下神経の少なくとも1つの内側枝を変調させるように構成されてもよい。
【0013】
第2の量は、電力の第1の量より多いまたはそれに等しくてもよい。
【0014】
第2の量は、電力の第1の量に等しいまたは相対的にそれより少なくてもよい。
本願明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
外科手術用インプラントであって、
a.上面側と、底面側とを有する、略平面状の中心本体部分と、
b.少なくとも2つの調節可能な翼部分と、
c.少なくとも2つの接続部材であって、前記少なくとも2つの接続部材のうちのそれぞれ1つは、前記中心本体部分の両側から延在し、前記少なくとも2つの接続部材のうちの前記それぞれ1つは、前記少なくとも2つの翼部分のうちのそれぞれ1つを、両側において、前記中心本体部分に可撓性に接続するために構成されている、少なくとも2つの接続部材と
を備える、外科手術用インプラント。
(項目2)
前記少なくとも2つの接続部材のうちのそれぞれ1つは、前記中心本体から少なくとも1つのヒンジ部材を通して延在する、項目1に記載の外科手術用インプラント。
(項目3)
前記少なくとも2つの接続部材のうちのそれぞれ1つは、前記中心本体から少なくとも1つのヒンジ部材を通して延在し、前記少なくとも2つの翼部分のうちのそれぞれ1つは、前記少なくとも2つの接続部材においてヒンジ式に関節運動される、項目1に記載の外科手術用インプラント。
(項目4)
前記翼は、前記中心本体部分より可撓性である、項目1に記載の外科手術用インプラント。
(項目5)
前記可撓性接続は、ヒンジを介し、前記ヒンジ部分は、前記翼部分の隣接部分より薄い、項目1に記載の外科手術用インプラント。
(項目6)
前記接続部材は、少なくとも1つの方向に変形するように構成された可撓性要素である、項目1に記載の外科手術用インプラント。
(項目7)
前記可撓性要素は、前記中心本体および前記少なくとも2つの翼部分のそれぞれが、相互から離れるように撓曲するように、その長さに沿って、第1の方向に屈曲移動を可能にする、可撓性アーチの形態である、項目1に記載の外科手術用インプラント。
(項目8)
可撓性アーチをさらに備え得、
前記可撓性アーチは、
前記可撓性アーチの長さに沿って配列された少なくとも1つの中心区画と、
少なくとも2つのヒンジ構造であって、前記ヒンジ構造のうちのそれぞれ1つは、前記中心本体と前記少なくとも1つの中心区画との間、および前記少なくとも2つの翼部分のうちの一方と前記中心区画との間に配置され、前記中心区画の長さに対して横断する方向に配向されている、少なくとも2つのヒンジ構造と
を備える、項目1に記載の外科手術用インプラント。
(項目9)
前記可撓性アーチは、単一のエラストマ材料から形成され、前記ヒンジは、リビングヒンジを備える、項目1に記載の外科手術用インプラント。
(項目10)
前記可撓性アーチは、複数の区画から形成され、前記複数の区画は、リビングヒンジを通して接続されている、項目1に記載の外科手術用インプラント。
(項目11)
前記可撓性アーチは、前記中心本体への接続面積において、最も大きい幅と、前記翼部分のうちの少なくとも1つとの前記接続面積において、より狭小な幅とを有する、狭窄幅を有する、項目1に記載の外科手術用インプラント。
(項目12)
前記外科手術用インプラントは、単一のエラストマ材料から形成される、項目1に記載の外科手術用インプラント。
(項目13)
前記外科手術用インプラントは、少なくとも1つの係留配列を備え得る、項目1に記載の外科手術用インプラント。
(項目14)
前記外科手術用インプラントは、少なくとも1つの係留配列を備え得、前記係留配列は、少なくとも1つの縫合孔の形態である、項目1に記載の外科手術用インプラント。
(項目15)
前記外科手術用インプラントは、少なくとも1つの係留配列を備え得、前記係留配列は、少なくとも1つの縫合孔の形態であり、前記少なくとも1つの縫合孔は、前記中心本体部分および/または前記少なくとも2つの翼部分のうちの前記少なくとも1つ上に提供される、項目1に記載の外科手術用インプラント。
(項目16)
前記係留配列は、縫合孔の形態であり、前記縫合孔は、内部および/または外部から補強される、項目1に記載の外科手術用インプラント。
(項目17)
前記補強された係留配列は、埋設された補強要素を備え得る、項目1に記載の外科手術用インプラント。
(項目18)
前記補強される係留配列は、埋設された補強要素および/または前記配列の材料形成部分の補強層を備え得る、項目1に記載の外科手術用インプラント。
(項目19)
補強係留配列は、メッシュ材料である、項目1に記載の外科手術用インプラント。
(項目20)
前記外科手術用インプラントは、少なくとも1つの係留配列を備え得、前記係留配列は、前記外科手術用インプラントを前記インプラント場所に係留し、少なくとも前記少なくとも2つの翼部分をそれぞれ別に反対に係留するように構成されている、項目1に記載の外科手術用インプラント。
(項目21)
前記少なくとも2つの翼部分は、少なくとも1つの自由度を有し、前記主本体に対して種々の角度の配置に可撓性に調節可能である、項目1に記載の外科手術用インプラント。
(項目22)
前記少なくとも2つの翼部分は、少なくとも1つの自由度を有し、前記主本体に対して種々の角度配置に可撓性に調節可能であり、前記角度配置は、約-90~最大270度である、項目1に記載の外科手術用インプラント。
(項目23)
前記少なくとも2つの翼部分は、少なくとも1つの自由度を有し、1つを上回る軸に沿って種々の角度配置に可撓性に調節可能である、項目1に記載の外科手術用インプラント。
(項目24)
前記少なくとも2つの翼部分は、少なくとも1つの自由度を有し、3つの軸に沿っておよび/またはその周囲において種々の角度配置に可撓性に調節可能である、項目1に記載の外科手術用インプラント。
(項目25)
前記少なくとも2つの翼部分は、3つを上回る自由度を有し、前記主本体および/または前記接続部材に対して種々の角度配置に可撓性に調節可能である、項目1に記載の外科手術用インプラント。
(項目26)
前記可撓性アーチは、単一のエラストマ材料から形成され、前記ヒンジは、リビングヒンジを備える、項目1に記載の外科手術用インプラント。
(項目27)
少なくともインプラントデバイスの1つの構成において、前記可撓性アーチは、前記中心本体の略平面状の表面の上面側を越えて突出し得る、項目1に記載の外科手術用インプラント。
(項目28)
少なくとも前記インプラントデバイスの1つの構成において、前記可撓性アーチは、前記中心本体の上面側の前記平面状の表面を越えてある角度で突出し得る、項目1に記載の外科手術用インプラント。
(項目29)
少なくとも前記中心本体部分はさらに、前記中心本体部分に構造的な堅性を提供するように構成されている、内部に配置される耐荷重補強構造を具備する、項目1に記載の外科手術用インプラント。
(項目30)
前記係留配列は、前記インプラントの前記耐荷重補強要素の一部である、項目29に記載の外科手術用インプラント。
(項目31)
前記中心本体部分は、信号を受信するように構成されたアンテナを具備し、前記少なくとも2つの翼部分のうちのそれぞれ1つは、前記アンテナと電気連通する、少なくとも一対の電極を具備し、前記電極は、対の電極のうちの少なくとも1つが電場を放出するように構成されているように、前記アンテナによって受信される前記信号に応答して、電流を受信するように構成される、項目1に記載の外科手術用インプラント。
(項目32)
前記第1の対の電極および前記第2の対の電極は、同時に個別の電場を発生させるようにアクティブ化され得る、項目31に記載の外科手術用インプラント。
(項目33)
前記第1の対の電極および前記第2の対の電極は、カプセル化材料でそれらの周界において部分的に被覆され、暴露されるそれらの少なくとも一部を有する、項目31に記載の外科手術用インプラント。
(項目34)
前記第1の対の電極および前記第2の対の電極は、カプセル化材料の中に部分的に埋設され、それにわたって延在する、カプセル化材料の外層を備え、それらの少なくとも一部を環境に暴露されたままにする、項目31に記載の外科手術用インプラント。
(項目35)
前記外科手術用インプラントは、前記少なくとも2つの翼部分が、舌下神経の内側枝の終末線維に隣接するオトガイ舌筋の側面に位置付けられているように、対象のオトガイ舌筋の外部表面に共形化するように構成され、前記電極は、それらから離間されると、内側枝の前記終末線維を変調させるために十分な電場を発生させる、項目31に記載の外科手術用インプラント。
(項目36)
前記第1の対の電極および前記第2の対の電極のうちの少なくとも1つは、ワイヤを通して電気回路に接続されている、項目31に記載の外科手術用インプラント。
(項目37)
前記第1の対の電極および前記第2の対の電極のうちの少なくとも1つは、ワイヤを通して電気回路に接続され、前記回路は、前記中心本体上に配置され、前記ワイヤは、前記個別の接続部材を通して延在するように構成されている、項目31に記載の外科手術用インプラント。
(項目38)
前記ワイヤは、前記接続部材のうちの少なくとも1つが変位されるとき、前記電気回路と前記電極との間の前記連通の完全性が損なわれないように配置されている、項目1に記載の外科手術用インプラント。
(項目39)
インプラントユニットアクティブ化デバイスであって、前記インプラントユニットアクティブ化デバイスは、主本体を備え、前記主本体は、インプラントアクティブ化装置と、前記主本体に対して変位するように構成された軸方向に変位可能なアダプタとを備え、前記インプラントアクティブ化装置は、電力源を有し、対象の身体の中への前記インプラントユニットの埋込の間、前記電力源からインプラントユニットに無線でエネルギーを伝達し、前記対象の身体内の少なくとも1つの神経の刺激を引き起こすように構成され、前記アダプタの軸方向の変位は、前記インプラントユニットによって受信されるエネルギーの量の調節を可能にする、インプラントユニットアクティブ化デバイス。
(項目40)
神経刺激インプラントデバイスを位置付け、それをアクティブ化させる方法であって、前記方法は、
神経刺激デバイスを提供することであって、前記神経刺激デバイスは、
信号を受信するように構成された第1のアンテナを具備する、中心本体部分と、
中心本体部分に動作可能に結合されている、少なくとも第1の対の電極および第2の対の電極と
を有し、
前記中心本体部分は、少なくとも前記第1の対の電極および前記第2の対の電極と電気連通し、前記少なくとも第1の対の電極および前記第2の対の電極は、対の電極のうちの少なくとも1つが電場を放出し、対象の身体内の神経を刺激するように構成されているように、前記第1のアンテナによって受信された前記信号に応答して、電気信号を受信するように構成されている、ことと、
インプラントユニットアクティブ化デバイスを提供することであって、前記デバイスは、主本体を備え、前記主本体は、電力源を有するインプラントアクティブ化装置と、信号を前記第1のアンテナに提供するように構成された第2のアンテナと、前記インプラントアクティブ化装置と関連付けられた軸方向に変位可能なアダプタとを備え、前記インプラントアクティブ化装置は、埋込の間、電力源から前記神経刺激デバイスに無線でエネルギーを伝達し、前記対象の身体内の少なくとも1つの神経の変調を引き起こすように構成され、
少なくとも第1の位置から少なくとも第2の位置への前記アダプタの軸方向の変位は、前記インプラントユニットによって受信されるエネルギーの前記量の調節を可能にする、ことと、
前記第1の対の電極を、前記神経の近位にある推定されるインプラント場所に位置付け、選択的に第2のアンテナを変位させ、1つ以上の患者信号に基づいて、少なくとも前記第1の対の電極における刺激閾値を得るために要求される、第1の量の電力および第2の量の電力を送達することによって、前記少なくとも第1の対の電極および第2の対の電極毎の神経変調応答の程度を判定することによって、前記刺激閾値を識別することと、
前記少なくとも前記第2の対の電極を推定される場所に位置付け、要求される前記第2の量の電力を送達し、前記少なくとも前記第2の対の電極による神経変調の程度を判定することと
を含む、方法。
【0015】
本明細書に開示される主題をより深く理解するために、かつこれが実践において実行され得る方法を例示するために、ここで、実施形態が、添付図面を参照して、非限定的な実施例のみを用いて説明されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1A図1Aは、開示される主題の一実施例による、外科手術用インプラントの斜視図である。
図1B図1Bは、図1Aの外科手術用インプラントの側面図である。
図1C図1Cは、図1Cの外科手術用インプラントの正面図である。
図1D図1Dおよび1Eは、その外形線を示す、図1Aの外科手術用インプラントの上面図および底面図である。
図1E図1Dおよび1Eは、その外形線を示す、図1Aの外科手術用インプラントの上面図および底面図である。
図2図2は、実質的に透明な外部表面を示す、開示される主題のある実施例による、外科手術用インプラントの別の斜視図である。
図3図3は、オトガイ舌筋にわたって位置付けられる、例えば、図1の、開示される主題による、外科手術用インプラントを図示する。
図4図4は、開示される主題の一実施例による、インプラントユニットアクティブ化デバイスの斜視側面図である。
図5図5は、図4の軸方向に変位可能なアダプタの斜視側面図である。
図6図6は、図4のインプラントアクティブ化装置の主本体の上面図である。
図7A図7Aおよび図7Bは、半透明図内にアダプタを伴う、図4のインプラントアクティブ化デバイスを(部分的に)図示する。
図7B図7Aおよび図7Bは、半透明図内にアダプタを伴う、図4のインプラントアクティブ化デバイスを(部分的に)図示する。
図7C図7Cは、図4の線A-Aに沿った断面におけるインプラントユニットアクティブ化デバイスを図示する。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(実施形態の詳細な説明)
本開示される主題の実施例は、概して、エネルギーの送達を通して神経を変調させるために構成される、外科手術用インプラントに関する。神経変調、すなわち、神経性変調は、中枢、抹消、または自律神経系における、電気的もしくは化学的な活動の阻害(例えば、遮断)、刺激、修正、調整、または治療上の改変を含む。神経変調は、神経にエネルギーを提供し、神経が活性化するまたはそれ自体の電気信号を伝搬するために十分な電圧変化を生じさせることを含み得る、神経刺激の形態を呈してもよい。本明細書に言及されるように、神経の変調は、神経全体の変調および/または神経の一部の変調を含んでもよい。閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)を患う患者において、例えば、神経刺激の一次標的応答は、OSAにおける閉塞の原因である、患者の気道を遮断させない位置に舌を移動させるための、舌筋の収縮を含んでもよい。開示される主題の実施例は、OSAに関して議論されるであろうが、開示される主題の特徴は、哺乳類の身体の他の条件に関する神経変調のための外科手術用インプラントに、必要な変更を加えて適用され得ることを理解されたい。本開示される主題は、外科手術用インプラントを対象とし、インプラントは、外部から印加されるか、または対象の身体の中に埋め込まれるかのいずれか一方である電力源を具備するアクティブ化装置ユニットによってアクティブ化され得ることをさらに理解されたい。一実施例では、インプラントのための外部アクティブ化ユニットは、本出願者の他の出願および特許(その開示は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に開示されている。
【0018】
図1A-1Eおよび図2は、開示される主題による、外科手術用インプラントのある実施例を図示する。インプラントは、患者の身体の中への埋込に好適である任意の材料で形成されてもよい。開示される主題によるインプラントは、生体適合性材料内に少なくとも部分的にカプセル化される。インプラントは、少なくとも、シリコーン、フェニルトリメトキシシラン(PTMS)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、パリレンC、ポリイミド、液体ポリイミド、積層ポリイミド、エポキシ、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、液晶ポリマー(LCP)、KAPTON、またはそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、生体適合性ポリマーの少なくとも1つの層内に実質的にカプセル化されてもよい。加えて、インプラントは、少なくとも、生体適合性ポリマーの1つの層内にカプセル化され、その部分を被覆する、1つ以上の付加的な層を含んでもよい。インプラントは、セラミック材料、ULTEM等の熱可塑性材料、または他の適合性材料を含み得ることを理解されたい。
【0019】
概して、100と示される外科手術用インプラントは、上面側122と、底面側124とを有する、略平面状の中心本体部分120と、2つの調節可能な翼部分132Aおよび132Bと、接続部材134Aならびに134B(図示される実施例では、各接続部材は、以下においてさらに説明されるであろうように、2つの要素136Aと、136Bとを備える)とを備える。接続部材は、それぞれ、中心本体部分120の両側から延在し、接続部材はそれぞれ、2つの翼部分132Aおよび132Bのうちのそれぞれ1つを、その両側において、該中心本体部分120に可撓性に接続するために構成される。
【0020】
本説明は、開示される外科手術用インプラントの構造的特徴を提供するが、開示される主題によると、インプラントはさらに、変調/刺激されるべき神経に直接接触することなく、議論されるであろうように、(例えば、図3に図示されるように)これが神経を変調させることを可能にする場所における対象の中に埋め込まれるとき、神経を刺激するように構成される、電子構成要素を備える。閉塞性睡眠時無呼吸の治療のために神経を刺激するために使用されるとき、インプラントユニット100は、筋肉内に少なくとも部分的に延在し得る舌下神経を神経変調させるように、オトガイ舌筋上に設置されてもよい。一実施例では、外科手術用インプラントの構造、その可撓性、および接続部材ならびに翼部分の自由度に起因して、これは、これらが筋肉組織内に延在するか、または個別の神経枝を網羅する面積にわたって電場を放出することのみが、舌下神経の終末枝等の神経の神経変調を可能にするであろうように分岐するかのいずれか一方であるため、別様にアクセス不可能である、神経枝の神経変調を可能にする。
【0021】
例えば、インプラントは、(例えば、図1Aおよび2に見られる)アンテナaと、中心本体部分(160、詳細は図示せず)上に搭載されるまたはそれと統合される、関連付けられる電子回路および構成要素とを含んでもよい。アンテナaは、信号および電力を送信ならびに/もしくは受信するように構成され得る、当業者に公知である任意の好適なアンテナを含んでもよい。アンテナは、インプラントの寸法によって適応される、任意の好適なサイズ、形状、および/または構成を含んでもよい。サイズ、形状、および/または構成は、患者の解剖学的構造、インプラントユニットの設置場所、神経を神経変調するために要求されるエネルギーの量等によって判定されてもよい。好適なアンテナは、限定ではないが、長ワイヤアンテナ、パッチアンテナ、螺旋状アンテナ、PCBアンテナ等を含んでもよい。
【0022】
インプラントは、加えて、概してeと示される(例えば、図1A、1B、2)、複数の場発生インプラント電極を含んでもよい。電極eは、電極が患者の身体内に電場を発生させるように構成され得る限り、インプラントユニット上に任意の好適な形状および/または配向を含んでもよい。インプラント電極はまた、任意の好適な伝導性材料(例えば、銅、銀、金、白金、イリジウム、白金/イリジウム、白金/金、伝導性ポリマー等)または伝導性(ならびに/もしくは貴金属)材料の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施形態では、例えば、電極は、短線電極、円形電極、および/または円形の対の電極を含んでもよい。図1Bに示されるように、電極eは、接続ワイヤWによって電子構成要素および中心本体上のアンテナに接続される翼部分上に位置してもよい。
【0023】
しかしながら、電極eは、翼部分の任意の部分上に位置してもよい。接続ワイヤは、接続部材を通して延在するように構成され、その中にカプセル化されるように定寸かつ成形される。ある実施例によると、ワイヤWは、示されるチャネルの中に延在する。さらにある実施形態によると、ワイヤは、示される補強されるチャネルの中に延在してもよい。いくつかの実施例によると、接続部材は、接続ワイヤを定位置に保定するように構成され、さらに、ワイヤおよび中央本体部分ならびに個別の電極上の構成要素へのそれらの個別の接続を破損または損傷させることなく、接続部材の可撓性を促進する、示されるチャネル(図示せず)を具備する。インプラントはさらに、回路構成要素160と、アンテナがエネルギーを受信するように促進し、電極のための本エネルギーを伝送し、神経への電場を放出する、任意の他の要求される構成要素とを含んでもよい。図示される実施例では、インプラントは、電力源を備えていない。図示される実施例におけるインプラントは、外部からアクティブ化される。外部または内部からのいずれか一方のインプラントをアクティブ化させる他の手段もまた、想起され得ることを理解されたい。インプラントユニットは、WiFi、RF、IR、またはBluetooth(登録商標)技術を使用してアクティブ化されることができる。
【0024】
インプラント電極eは、約0.2mm~40mmのあるおよその距離だけ離間されてもよい。他の実施形態では、電極は、約最大12mmの距離だけ離間されてもよい。さらにある実施例によると、距離は、電極の内縁の間で測定される約0.5~7mmであってもよい。アンテナ、電極、回路構成要素、および接続ワイヤを患者の身体内の環境から保護するために、インプラントは、インプラント170をカプセル化する保護コーティングを含んでもよい。いくつかの実施形態では、保護コーティングは、シリコーン等、その屈曲を可能にするような可撓性材料から作製されてもよい。保護コーティングのカプセル化材料はまた、耐湿度透過性であり、腐食に対して保護するものであってもよい。外科手術用インプラントは、実質的にシールされ、流体に対して不浸透性である。本明細書に使用されるような用語「実質的にシールされるインプラント」は、所与の流体流または圧力条件下において十分に低い意図的ではない漏出および浸透率を有する条件を指す。第1の対の電極および第2の対の電極は、カプセル化材料でそれらの周界において部分的に被覆され、それらの少なくとも一部は、暴露されるが、しかしながら、液体が電極の開放窓を囲繞するシールを通して進入または退出しないであろうように、インプラントをシールし得ることを理解されたい。例えば、第1の対の電極および第2の対の電極は、カプセル化材料の中に部分的に埋設され、それにわたって延在し、それらの少なくとも一部を環境に暴露されたままにする、カプセル化材料の外層を備える。
【0025】
図1Aに見られるように、2つの接続部材のうちのそれぞれ1つは、2つの平行に延在するアーチ型の伸長要素136Aおよび136Bによって構成され、それぞれは、接続部材が中心部分と一体的に形成され、それから延在するように、ある角度でかつヒンジ式に中心本体120から延在し、議論されるであろうように、少なくとも1つの自由度を可能にする。そのような接続は、リビングヒンジ、一体型ヒンジ、区画化ヒンジ等であり得るヒンジを通してもよい。アーチ形の伸長区画は、側縁125から延在し、中心本体部分120の上面側122の上方に突出し、図1Cに最も詳細に見られるように、翼部分132Aおよび132Bは、それぞれ、伸長区画の両端部と一体的に形成され、かつそれから延在する。実施例によるこれらの伸長区画は、中心本体部分の中に含有される構成要素から翼部分132Aおよび132B上に配置される個別の電極eまで延在する、接続ワイヤWを収容する。ワイヤは、主本体または電極からの接続解除を伴わない、それらの変形を可能にするであろう構成の中に提供される。例えば、波状、コイル状等のワイヤは、例えば、余分にあってもよい。例示されるインプラント100内にある間、各接続部材は、2つの別個の区画を備え、開示される主題によると、接続部材は、単一の区画であり得ることを理解されたい。別の実施例によると、2つの別個の部材は、アーチ形の伸長区画の間に開口部を残さず連続的に、または区画を相互接続し非連続的層でのいずれか一方で、その間の接続層を用いて接続されてもよい。
【0026】
図1Cにさらに見られるように、2つの翼部分のうちのそれぞれ1つは、中心本体部分と2つの翼部分との間に延在する個別の伸長区画(延在部材)と一体的に関節運動される。
【0027】
接続部材は、少なくとも1つの方向に変形するように構成される、可撓性要素であってもよい。接続部材は、単一の厚さ、または図1Cに例示もしくは最も詳細に見られるように、Hと示される、中心本体との接続面積に最も近接する部分の厚さから、翼部分に最も近接する部分における、hと示される厚さに減少する厚さであることができる。厚さの減少は、(示されるように)緩やかなものである、または代替として、複数の区画で提供されることができる。厚さのそのような減少は、接続部材の可撓性を提供し、接続部材および翼部分の移動の両方への自由度を可能にする。接続部材は、特に、破損または恒久的傷害を被ることなく、屈曲、折曲、もしくは伸展されることに起因する、歪みに耐えるように構成される。本明細書に使用されるような「可撓性」は、弾力性または弾性であるさらなる物性を含む場合とそうではない場合がある。変形は、例えば、予め規定された空間における長さ、厚さ等の変化等、少なくとも1つのパラメータ変化を指し得る。
【0028】
接続部材は、図1Bおよび1Cに最も詳細に図示されるように、2つの翼部分へのいくつかの自由度を可能にする。接続部材は、それらの長さおよび少なくともC、B、ならびにAと示される点(点Cは、中心本体部分への伸長区画の接続における区画を示し、点Bは、伸長部材のアーチの中心の周辺における区画を示し、点Aは、伸長部材を翼部分に一体的に接続する区画を示す)に沿って可撓性を伴って構成される。したがって、図1C、点Bに見られるように、伸長区画は、変形し、アーチを開放させ、0度~最大180度であり得る角度αで翼部分を移動させることを可能にされる。他の実施例では、角度αは、-90(例えば、底面側124に向かう方向に)~270度、または示されるように、約30度に拡張することができる。翼部分は、点Aにおいて、0度~約100度であり得る角度δで枢動することができる。他の実施例では、角度は、-90(例えば、底面側124に向かって)~100度、または図示されるように、最大25度に拡張することができる。角度変位は、点毎に別個に示されているが、変位の組み合わせもまた、可能にされ、翼部分は、接続部材の角度または他の変形と組み合わせて角度付けられ得ることを理解されたい。開示される主題および図示される実施例によると、0度は、位置を変化するための自由度を有する要素の静置位置である。
【0029】
図1Bにさらに見られるように、翼部分は、矢印X(例えば、水平に)、矢印Z(垂直に)、または矢印Y(角度のある状態で、例えば、翼部分が、相互に向かってもしくはそれから離れるように撓曲し得るように、中心部分の内向きに、またはそこから外向きに)の方向に変位されることができる。多数の寸法に沿ったそのような可撓性は、インプラントの、特に、治療される筋肉にわたるその翼部分の鞍様の位置の中への位置付けを可能にし、対象間で異なり得る筋肉の寸法に共形化する。翼部分の変位はさらに、翼の縁137と中心本体部分を通して延在する水平な平面との間にある角度を提供する、角度βによって定義される。角度βは、約0度~10度であることができ、図示される実施例では、3~7度である。
【0030】
すでに議論されたように、外科手術用インプラントは、単一のエラストマ材料から形成されてもよい。インプラントをその示される位置に係留することを可能にするために、インプラントは、係留配列を具備してもよい。開示される実施例では、係留配列は、縫合孔(例えば、152、155)の形態である。インプラントは、弾性材料から作製されるため、縫合孔を補強するために、インプラントは、例えば、舌移動の間のインプラントおよび縫合糸上に作用する力に耐えるように構成される材料から作製される、係留要素を具備してもよい。そのような材料は、例えば、PEEK、セラミック、チタン等であることができる。
【0031】
図1Bに見られるように、縫合孔152は、翼部分において、所望される場所に提供されることができる。加えて、他の係留要素が、例えば、154として示される図1Dに見られるような、その縁に隣接する、中心本体部分に提供されることができる。インプラントを係留するための他の構成もまた、想起され、例えば、中心本体部分は、4つのそのような孔を備えるが、これらのもののうちのいくつかのみが提供され得る、または全く提供され得ないことを理解されたい。加えて、添付図面内に図示されるように、翼部分上の縫合孔の位置は、例証の目的のためにすぎず、それらの他の形状、構成、および位置もまた、想起される。本明細書に開示されるような、接着剤、ステープル等の他のタイプの係留配列もまた、想起される。
【0032】
中心本体部分はさらに、内部に配置され、かつ中心本体部分に構造的堅性を提供するように構成される、耐荷重補強構造158を具備することができる。補強構造は、弾力性であり、力がそれに矢印Eの方向に印加され、中心本体部分の少なくとも一部が、例えば、図1Bに示されるように撓曲することを可能にすると、中心本体部分へのある程度の可撓性を可能にすることができる。図示される実施例における補強構造は、中心本体を通して提供され、例えば、図1Aに見られるように、電子機器160、また、長手方向のリブ158を囲繞するための壁構造156を提供する。補強構造は、異なる構造、例えば、網様構造を形成するような交差状リブ、渦巻き、例えば、相互接続される片等を有し、同一の補強機能およびアンテナならびに電気部品の実質的な暴露を提供してもよいことを理解されたい。
【0033】
インプラントはさらに、少なくともそれらの一部にわたって提供される、外科手術用メッシュ、例えば、ポリマーメッシュを備えてもよい。別の実施例では、外科手術用メッシュは、任意の好適な材料であってもよい。
【0034】
開示される主題の別の側面では、図4-7Cに図示され、概して200と示される、インプラントユニットアクティブ化デバイスが、開示される。本デバイスは、インプラントアクティブ化装置を備える、主本体220と、主本体に対して変位するように構成される、軸方向に変位可能なリトラクタ240とを備える。
【0035】
インプラントアクティブ化装置は、アンテナと、電力源と、関連付けられる回路(図示せず)とを備え、対象の身体の中へのインプラントユニットの埋込の間、電力源からインプラントユニット(例えば、外科手術用インプラント100))に無線でエネルギーを伝達し、埋込手技の間、対象の身体内の少なくとも1つの神経の刺激を引き起こすように構成される。リトラクタ240の軸方向の変位は、インプラントユニットによって受信されるエネルギーの程度の調節を可能にする。アクティブ化デバイスは、リトラクタが変位する、またはより具体的には、エネルギーがそれに送達される距離の関数として、インプラントユニットによって受信されるエネルギーの量を制御するように、インプラントから(図7Aに見られる)矢印Pの方向にアクティブ化ユニットを後退させることを可能にする状態で、インプラントユニットにエネルギーを送達するように構成される。代替実施形態として、変位の軸は、例えば、(例えば、図6および7Aに示されるような)軸Qならびに/もしくはRに沿った変位を含んでもよい。
【0036】
リトラクタ240は、本実施例では、アクティブ化デバイス主本体の主シャフトSにわたって制御可能に摺動するように構成される、スリーブ様の部材である。スリーブ様の部材は、主本体のシャフトにわたってしっかりと搭載される、中空および軸方向に延在する内部を画定する。後退を促進するために、スリーブ様の部材は、係合機構が、主本体のシャフト上の対応する係合部材225に選択的に係合するように構成されるように、解放レバー245と、係合機構250とを具備する。本実施例では、シャフトは、鋸歯状の表面225を具備し、スリーブの内側は、鋸歯状の表面に係合し、それに対して係止するように構成される突出部によって構成される、係合機構255を具備する。主本体シャフトは、ユーザがスリーブをシャフトに対して係止するために所望される場所を判定することを可能にする標識235を具備してもよい。図4に見られるように、シャフトは、スリーブと整合されるとき、実施例では、図5に見られるように、スリーブの2つの両側に延在するスリーブ内のスリット243内に摺動可能に延在する、突出部229を具備する。アクティブ化デバイスの主本体がインプラントユニットから変位されることを可能にし、本デバイスをインプラントユニットに対して所定の位置に保つ、他の構成もまた、想起されることを理解されたい。スリーブはさらに、ユーザがスリーブを把持しながら、レバー245をアクティブ化し、機構255の係合を解放し、その端部223をスリーブ内の開口部241から距離を空けさせるようにスリーブを通してシャフト本体を後退させることを可能にするための、支持および把持要素247を具備することができる。
【0037】
図示される実施例に見られるように、デバイス200の縁は、使用の間の視線を可能にするため、および人間工学考慮点のために角度付けられる。図示される実施例では、エネルギーの量または電力レベルは、リトラクタの軸方向の移動によって判定されるが、他の実施例は、スリーブ上のねじと、シャフトから延在し、シャフトの縁をインプラントとの接触点から距離を空けさせるように構成される、部分的要素とを含むことを理解されたい。代替実施例では、エネルギーの量およびレベルは、インプラントデバイスに対するシャフト縁間の距離を調節することなく、本デバイスを通して直接制御されてもよい。
【0038】
開示される主題に従って、神経刺激インプラントデバイス(例えば、外科手術用インプラント100)を位置付け、アクティブ化させる、例示的方法が、提供される。開示される主題による、本方法は、
インプラントを提供し、対象の組織、例えば、オトガイ舌筋にわたってそれを位置付けることと、
開示されるようなインプラントユニットアクティブ化デバイスを提供することであって、本デバイスは、主本体を備え、主本体は、電力源を有するインプラントアクティブ化装置と、信号を第1のアンテナに提供するように構成される第2のアンテナと、インプラントアクティブ化装置と関連付けられる軸方向に変位可能なアダプタ/リトラクタとを備え、インプラントアクティブ化装置は、埋込の間、電力源からインプラントに無線でエネルギーを伝達し、対象の身体内の少なくとも1つの神経の変調を引き起こすように構成される、ことと
を含み、
少なくとも第1の位置から少なくとも第2の位置へのアダプタの軸方向の変位(例えば、後退)は、インプラントユニットによって受信されるエネルギーの程度の調節を可能にする。
【0039】
神経を刺激するために、インプラント、特に、電極を位置付けるための正しい場所を判定するために、次のことは、該第1の対の電極を、神経の近位にある推定されるインプラント場所に位置付け、選択的に第2のアンテナを変位させ、1つ以上の患者信号に基づいて、少なくとも第1の対の電極における刺激閾値を得るために要求される、第1の量の電力および第2の量の電力を送達することによって、少なくとも第1の対の電極ならびに第2の対の電極毎の神経変調応答の程度を判定することによって、刺激閾値を識別することと、
少なくとも第2の対の電極を推定される場所に位置付け、要求される第2の量の電力を送達し、少なくとも該第2の対の電極による神経変調の程度を判定することと
を含み、
刺激閾値は、少なくとも部分的に、少なくとも第1の対の電極および第2の対の電極の各電極の刺激の間、少なくとも1つの神経筋応答に基づく。
【0040】
一実施形態では、インプラントは、閉塞性睡眠時無呼吸の治療のために構成されてもよく、埋込の場所は、舌下神経の近傍にあってもよい。本実施形態によると、神経刺激デバイスは、舌下神経の少なくとも1つの内側枝を変調させるように構成されてもよい。
【0041】
第2の量は、電力の第1の量より多いまたはそれに等しくてもよい。
【0042】
第2の量は、電力の第1の量に等しいまたは相対的にそれより少なくてもよい。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C