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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-20
(45)【発行日】2023-03-29
(54)【発明の名称】移動端末
(51)【国際特許分類】
   G01J 1/02 20060101AFI20230322BHJP
【FI】
G01J1/02 S
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2019551654
(86)(22)【出願日】2018-09-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-09-03
(86)【国際出願番号】 CN2018107117
(87)【国際公開番号】W WO2019242141
(87)【国際公開日】2019-12-26
【審査請求日】2019-09-19
【審判番号】
【審判請求日】2021-10-28
(31)【優先権主張番号】201810650270.5
(32)【優先日】2018-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517188574
【氏名又は名称】ペキン シャオミ モバイル ソフトウェア カンパニー, リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BEIJING XIAOMI MOBILE SOFTWARE CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 018, Floor 8, Building 6, Yard 33, Middle Xierqi Road, Haidian District, Beijing 100085, China
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼威
(72)【発明者】
【氏名】丁磊
【合議体】
【審判長】石井 哲
【審判官】福島 浩司
【審判官】井上 香緒梨
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0122978(US,A1)
【文献】国際公開第2009/035041(WO,A1)
【文献】特開2006-189411(JP,A)
【文献】特開平04-284018(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC G01J 1/00 - G01J 4/04,G01N 21/00 - G01N 21/83
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動端末であって、表示パネル、第一の位相遅延器、光分岐素子及び少なくとも一つの光センサーを備え、
前記第一の位相遅延器が、四分の一の波長板であり、前記表示パネルと前記光分岐素子の間に位置し、
前記光分岐素子が、前記第一の位相遅延器によって変換して形成された直線偏光を透過させ、しかも、前記表示パネルから発された、前記第一の位相遅延器によって変換して形成された円偏光を偏光方向が相互に垂直している2本の直線偏光に分解するように構成され、
前記少なくとも一つの光センサーがそれぞれ前記光分岐素子と対向して設置され、前記少なくとも一つの光センサーが二つの光センサーを含み、前記二つの光センサーのうちの一方の光センサーが、前記表示パネル、前記第一の位相遅延器、及び前記光分岐素子を順次に透過する環境光、及び前記偏光方向が相互に垂直している前記2本の直線偏光のうちの一方の直線偏光を受けるように構成され、前記二つの光センサーのうちの他方の光センサーが、前記偏光方向が相互に垂直している前記2本の直線偏光のうちの他方の直線偏光を受けるように構成される、移動端末。
【請求項2】
前記少なくとも一つの光センサーは2つの光センサーを含むことを特徴とする、請求項1に記載の移動端末。
【請求項3】
前記光分岐素子は第一の側面を含み、
前記第一の側面が前記第一の位相遅延器の第一の側面と対向する側面に平行しており、前記環境光及び前記表示パネルから発された光を光分岐素子に垂直に入射させることを特徴とする、請求項2に記載の移動端末。
【請求項4】
前記光分岐素子は偏光ビームスプリッタープリズムであることを特徴とする、請求項3に記載の移動端末。
【請求項5】
前記偏光ビームスプリッタープリズムはさらに第二の側面と第三の側面を含み、
前記第二の側面が前記第一の側面と対向し且つ平行しており、前記第二の側面が前記第三の側面に隣接し且つ相互に垂直しており、
一つの光センサーが前記第二の側面と対向して設置され、もう一つの光センサーが前記第三の側面と対向して設置されることを特徴とする、請求項4に記載の移動端末。
【請求項6】
前記光分岐素子は横変位偏光ビームスプリッタープリズムであることを特徴とする、請求項3に記載の移動端末。
【請求項7】
前記横変位偏光ビームスプリッタープリズムはさらに第四の側面と第五の側面を含み、
前記第四の側面が前記第一の側面と対向し且つ平行しており、前記第四の側面が第五の側面に隣接し、前記第四の側面と前記第五の側面の間の角度が鋭角であり、前記第四の側面が第一のエリアと第二のエリアを含み、前記第一のエリアが前記第一の側面と対向し、前記第二のエリアが前記第五の側面の一側に位置し、
一つの光センサーが前記第一のエリアと対向し、もう一つの光センサーが前記第二のエリアと対向することを特徴とする、請求項6に記載の移動端末。
【請求項8】
前記光分岐素子は偏光ビームスプリッタープレートであり、
前記偏光ビームスプリッタープレートが前記第一の位相遅延器の前記偏光ビームスプリッタープレートと対向する側面に対して斜めに設置され、前記環境光及び前記表示パネルから発された光を前記偏光ビームスプリッタープレートに斜めに入射させることを特徴とする、請求項1に記載の移動端末。
【請求項9】
前記移動端末はさらに円偏光板を備え、
前記円偏光板は前記表示パネルの前記第一の位相遅延器から遠い側に位置し、前記環境光を円偏光に変換するように構成されることを特徴とする、請求項1に記載の移動端末。
【請求項10】
前記円偏光板は偏光子と第二の位相遅延器を含み、
前記第二の位相遅延器が前記偏光子と前記表示パネルの間に位置することを特徴とする、請求項に記載の移動端末。
【請求項11】
前記偏光子は偏光板であり、前記第二の位相遅延器は四分の一の波長板であることを特徴とする、請求項10に記載の移動端末。
【請求項12】
前記移動端末はさらに環境光検出回路を備え、
前記少なくとも一つの光センサーの受けられた前記環境光及び前記表示パネルから発された光に基づいて前記環境光の強度を取得することができるように、前記環境光検出回路は、前記少なくとも一つの光センサーに電気的に接続されることを特徴とする、請求項1に記載の移動端末。
【請求項13】
さらにシステムオンチップ(SOC)を備え、
前記少なくとも一つの光センサーの受けられた前記環境光及び前記表示パネルから発された光に基づいて前記環境光の強度を取得することができるように、前記システムオンチップは、前記少なくとも一つの光センサーに電気的に接続されることを特徴とする、請求項1に記載の移動端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は出願番号が201810650270.5であり、出願日が2018年6月22日である中国特許出願に基づいて提出され、該中国特許出願の先行出願優先権を主張し、該中国特許出願の全ての内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示の実施例は端末の技術分野に関し、特に移動端末に関する。
【背景技術】
【0003】
移動端末には、一般的に環境光センサーが設置される。環境光センサーは通常移動端末のガラスカバーの下方に設置され、環境光の強度を検出して表示画面の輝度を調整するように構成される。しかしながら、移動端末がフルスクリーンの方向に向かって発展するにつれ、ガラスカバーの下方のスペースが狭くなり、環境光センサーが依存としてガラスカバーの下方に配置される場合、移動端末がフルスクリーンに向かう支障になる。
【0004】
関連技術において、移動端末のスクリーンの比率を高めるために、移動端末の表示パネルの下方に2つの光センサーが設置され、一つの光センサーが表示パネルから発された光の光強度を検出するように構成され、もう一つの光センサーが表示パネルから発された光と環境光との混合光の強度を検出するように構成され、その後両者の検出結果に基づいて環境光の強度を取得する。しかしながら、該技術案の環境光に対する検出結果が正確ではない。したがって、どのように環境光の検出精度を向上させるかは解決すべき技術的問題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
関連技術の問題を克服するために、本開示の実施例は環境光の検出精度を向上させるために、移動端末を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の実施例の第一の態様による移動端末は、表示パネル、第一の位相遅延器、光分岐素子及び少なくとも一つの光センサーを備え、
前記第一の位相遅延器が前記表示パネルと前記光分岐素子の間に位置し、
前記少なくとも一つの光センサーがそれぞれ前記光分岐素子と対向して設置され、環境光及び前記表示パネルから発された光を受けるように構成され、前記表示パネルを通過する前記環境光と前記表示パネルから発された光が前記第一の位相遅延器と前記光分岐素子を順次通過する。
【0007】
一つの実施例では、前記少なくとも一つの光センサーは2つの光センサーを含むことができる。
【0008】
一つの実施例では、前記光分岐素子は第一の側面を含むことができ、前記第一の側面が前記第一の位相遅延器の第一の側面と対向する側面に平行しており、前記環境光及び前記表示パネルから発された光を光分岐素子に垂直に入射させる。
【0009】
一つの実施例では、前記光分岐素子は偏光ビームスプリッタープリズムであってもよい。
【0010】
一つの実施例では、前記偏光ビームスプリッタープリズムは第二の側面と第三の側面を含むことができ、前記第二の側面が前記第一の側面と対向し且つ平行しており、前記第二の側面が前記第三の側面に隣接し且つ相互に垂直しており、
一つの光センサーが前記第二の側面と対向して設置され、もう一つの光センサーが前記第三の側面と対向して設置される。
【0011】
一つの実施例では、前記光分岐素子は横変位偏光ビームスプリッタープリズムであってもい。
【0012】
一つの実施例では、前記横変位偏光ビームスプリッタープリズムは第四の側面と第五の側面を含むことができ、前記第四の側面が前記第一の側面と対向し且つ平行しており、前記第四の側面が第五の側面に隣接し、前記第四の側面と前記第五の側面の間の角度が鋭角であり、前記第四の側面が第一のエリアと第二のエリアを含み、前記第一のエリアが前記第一の側面と対向し、前記第二のエリアが前記第五の側面の一側に位置し、
一つの光センサーが前記第一のエリアと対向し、もう一つの光センサーが前記第二のエリアと対向する。
【0013】
一つの実施例では、前記光分岐素子は偏光ビームスプリッタープレートであってもよく、
偏光ビームスプリッタープレートは前記第一の位相遅延器の前記偏光ビームスプリッタープレートと対向する側面に対して斜めに設置され、前記環境光及び前記表示パネルから発された光を前記偏光ビームスプリッタープレートに斜めに入射させる。
【0014】
一つの実施例では、前記第一の位相遅延器は四分の一の波長板であってもよい。
【0015】
一つの実施例では、さらに円偏光板を備えることができ、前記円偏光板は前記表示パネルの前記第一の位相遅延器から遠い側に位置し、前記環境光を円偏光に変換するように構成される。
【0016】
一つの実施例では、前記円偏光板は平行偏光子と第二の位相遅延器を含むことができ、前記第二の位相遅延器が前記偏光子と前記表示パネルの間に位置する。
【0017】
一つの実施例では、前記偏光子は偏光板であってもよく、前記第二の位相遅延器は四分の一の波長板であってもよい。
【0018】
一つの実施例では、さらに環境光検出回路を備えることができ、前記環境光検出回路は、前記少なくとも一つの光センサーの受けられた前記環境光及び前記表示パネルから発された光に基づいて前記環境光の強度を取得することができるように、前記少なくとも一つの光センサーに電気的に接続される。
【0019】
一つの実施例では、さらにシステムオンチップ(SOC)を備えることができ、前記システムオンチップは、前記少なくとも一つの光センサーの受けられた前記環境光及び前記表示パネルから発された光に基づいて前記環境光の強度を取得することができるように、前記少なくとも一つの光センサーに電気的に接続される。
【0020】
本開示の実施例による技術的解決策は、移動端末が表示パネル、第一の位相遅延器、光分岐素子及び少なくとも一つの光センサーを備え、第一の位相遅延器が表示パネルと光分岐素子の間に位置し、少なくとも一つの光センサーがそれぞれ光分岐素子と対向して設置され、環境光及び表示パネルから発された光を受けるように構成され、環境光の検出精度を向上させるために、表示パネルを通過する環境光と表示パネルから発された光が第一の位相遅延器と光分岐素子を順次通過するという有益な効果を含むことができる。
【0021】
いくつかの本開示の実施例では、表示パネルから発された光を第一の位相遅延器により円偏光に変換し、その後、表示パネルから発された光を表示パネルにより分解して偏光方向が相互に垂直している2本の直線偏光を取得し、ここで、該2本の直線偏光の伝播パスが異なり、このようにして2本の直線偏光をそれぞれ検出することができる。表示パネルを通過する環境光と第一の位相遅延器及び光分岐素子を順次通過できる環境光は光センサーに受けられる。光分岐素子が特定の入射角の入射光に対して分光機能を実現することができ、他の入射角の入射光に対して分光機能を実現することができないため、本開示の実施例による技術的解決策は表示パネルの同一の表示エリアから発された光を分解し、それぞれ検出し、表示パネルの表示内容の影響を排除し、環境光の検出精度を向上させることができる。
【0022】
理解すべきものとして、以上の一般的な説明及び以下の詳細な説明は、例示的かつ説明的なものだけであり、本開示の実施例を限定することができない。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】一つの例示的な実施例による移動端末の構造図である。
図2】一つの例示的な実施例による移動端末の断面図である。
図3】別の例示的な実施例による移動端末の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
ここでの図面は本明細書に組み込まれてその一部を構成し、本開示に該当する実施例を示し、そして明細書と共に本開示の実施例の原理を解釈することに用いられる。
【0025】
ここで例示的な実施例を詳細に説明し、その例が図面に示される。以下の説明が図面に関する場合、特に明記しない限り、異なる図面における同じ数字が同一又は類似の要素を指す。以下の例示的な実施例に記載される実施形態は本開示の実施形態と一致する全ての実施形態を表すものではない。逆に、それらは、添付の特許請求の範囲に詳細に説明される、本開示の実施例のいくつかの態様と一致する装置及び方法の例だけである。
【0026】
図1は一つの例示的な実施例による移動端末100の構造図である。移動端末100は筐体18、透明なガラスカバー17及びガラスカバー17の下方に位置する表示パネル12を備える。ここで、表示パネル12は前記筐体18内に位置する。表示パネル12から発された光は透明なガラスカバー17を透過することができる。表示パネル12は透明なガラスカバー17を通して見られることができる。表示パネル12は例えばOLED表示パネルであってもよいが、これに限定されない。
【0027】
図2は一つの例示的な実施例による移動端末装置の断面図である。図2に示すように、本開示の実施例の移動端末100はさらに第一の位相遅延器13、光分岐素子14及び少なくとも一つの光センサー15、16を備える。
【0028】
図2に示すように、前記第一の位相遅延器13は前記表示パネル12と前記光分岐素子14の間に位置する。前記少なくとも一つの光センサー15、16はそれぞれ前記光分岐素子14と対向して設置され、環境光A1及び前記表示パネル12から送信された光O1を受けるように構成され、前記表示パネル12を通過する前記環境光A1と前記表示パネル12から発された光O1が前記第一の位相遅延器13と前記光分岐素子14を順次通過する。
【0029】
本実施例では、表示パネル12から発された光O1を第一の位相遅延器13により円偏光に変換し、その後、表示パネル12から発された光O1を光分岐素子14により分解して偏光方向が相互に垂直している2本の直線偏光を取得し、ここで、該2本の直線偏光の伝播パスが異なり、このようにして2本の直線偏光をそれぞれ検出することができる。表示パネル12を通過する環境光A1と第一の位相遅延器13及び光分岐素子14を順次通過できる環境光A1が光センサー15、16に受けられる。光分岐素子14が特定の入射角の入射光に対して分光機能を実現することができ、他の入射角の入射光に対して分光機能を実現することができないため、本開示の実施例による技術的解決策は表示パネル12の同一の表示エリアから発された光O1を分解し、それぞれ検出し、表示パネル12の表示内容の影響を排除し、環境光A1の検出精度を向上させることができる。
【0030】
図2に示すように、一つの実施例では、ガラスカバー17は表示パネル12の前記第一の位相遅延器13から遠い側に位置する。
【0031】
図2に示すように、一つの実施例では、移動端末100はさらに円偏光板11を備えることができる。前記円偏光板11は前記表示パネル12の前記第一の位相遅延器13から遠い側に位置し、前記環境光A1を第一の円偏光A2に変換するように構成される。一つの実施例では、円偏光板11はガラスカバー17と表示パネル12の間に位置する。
【0032】
図2に示すように、一つの実施例では、前記円偏光板11は偏光子111と第二の位相遅延器112を備えることができ、前記偏光子111は偏光板であってもよく、前記第二の位相遅延器112は四分の一の波長板であってもよい。前記環境光A1が前記偏光子111と前記表示パネル112を順次通過して前記第一の円偏光A2に変換されるように、前記第二の位相遅延器112は、前記偏光子111と前記表示パネル12の間に位置する。具体的には、環境光A1は前記偏光子111を通過して第四の直線偏光A4に変換される。ここで、第四の直線偏光A4の偏光方向は環境光A1が偏光子111に入射する入射面に垂直してもよいし、環境光A1が偏光子111に入射する入射面に平行であってもよい。図2に示す第四の直線偏光A4の偏光方向は環境光A1が偏光子111に入射する入射面に垂直してもよい。本開示の実施例では、第四の直線偏光A4の偏光方向が、環境光A1が偏光子111に入射する入射面に垂直していることを例として説明する。第四の直線偏光A4は第二の位相遅延器112を通過して第一の円偏光A2に変換され、第一の円偏光A2が表示パネル12を透過し、後の環境光A1の強度検出に用いられてもよい。
【0033】
一つの実施例では、前記第一の位相遅延器13は前記表示パネル12を透過する前記第一の円偏光A2を第一の直線偏光A3に変換し、そして前記表示パネル12から発された光O1を第二の円偏光O2に変換するように構成される。
【0034】
一つの実施例では、前記第一の位相遅延器13は四分の一の波長板であってもよい。表示パネル12から発された光O1は非偏光の自然光であってもよい。表示パネル12から発された光O1は第一の位相遅延器13を通過して第二の円偏光O2に変換されてもよい。ここで、第二の円偏光O2は左回り円偏光と右回り円偏光を含むことができる。第一の円偏光A2は第一の位相遅延器13を通過して第一の直線偏光A3に変換されてもよい。第一の直線偏光A3の偏光方向は前記第四の直線偏光A4の偏光方向に相互に垂直してもよい。ここで、第四の直線偏光A4の偏光方向が、環境光A1が偏光子111に入射する入射面に垂直している場合、第一の直線偏光A3の偏光方向は第一の円偏光A2が第一の位相遅延器13に入射する入射面に平行である。第四の直線偏光A4の偏光方向が環境光A1が偏光子111に入射する入射面に平行である場合、第一の円偏光A3の偏光方向は第一の円偏光A2が第一の位相遅延器13に入射する入射面に垂直している。本実施例では、図2に示す第一の円偏光A3の偏光方向が、第一の円偏光A2が第一の位相遅延器13に入射する入射面に平行であることを例として説明する。
【0035】
一つの実施例では、前記光分岐素子14は前記第一の直線偏光A3を透過させ、そして前記第二の円偏光O2を分解して第二の直線偏光O3と第三の直線偏光O4を取得するように構成される。ここで、前記第二の直線偏光O3と前記第一の直線偏光A3の伝播パスが異なり、前記第三の直線偏光O4と前記第二の直線偏光O3の伝播パスが異なる。前記少なくとも一つの光センサー15、16は前記第一の直線偏光A3と前記第二の直線偏光O3の混合光の第一の強度を検出し、そして前記第三の直線偏光O4の第二の強度を検出し、前記第一の強度と前記第二の強度に基づいて前記環境光A1の強度を取得するように構成される。第三の直線偏光O4の第二の強度と第二の直線偏光O3の強度が関連関係を有するため、第二の強度に基づいて第二の直線偏光O3の強度を取得することができ、さらに第一の強度と第二の直線偏光O3の強度に基づいて第一の直線偏光A3の強度を取得することができる。その後、第一の直線偏光A3の強度と環境光A1の強度との関連関係に応じて環境光A1の強度を取得することができる。本開示の実施例による技術的解決策は表示パネル12の同一の表示エリアから発された光O1を分解し、それぞれ検出し、表示パネル12の表示内容の影響を排除し、環境光A1の検出精度を向上させることができる。且つ、環境光A1を検出するように構成された光センサー15、16を表示パネル12の下方のクリアスペースに配置することにより、端末装置の画面比率を向上させることができる。
【0036】
図2に示すように、一つの実施例では、光分岐素子14は偏光ビームスプリッタープリズムであってもよい。前記偏光ビームスプリッタープリズムは第一の側面S1、第二の側面S2と第三の側面S3を含む。前記第一の側面S1は前記第一の位相遅延器13の第一の側面S1と対向する側面に平行しており、前記第一の直線偏光A3と前記第二の円偏光O2を偏光ビームスプリッタープリズムに垂直に入射させ、ここで、第一の直線偏光A3と前記第二の円偏光O2の入射角がブリュースター角であってもよい。前記第二の側面S2が前記第一の側面S1と対向し且つ平行しており、前記第二の側面S2が前記第三の側面S3に隣接し且つ相互に垂直している。偏光ビームスプリッタープリズムは前記第一の直線偏光A3の透過を許可し、そして第二の円偏光O2を第二の直線偏光O3と第三の直線偏光O4に分解する。本実施例では、前記第一の直線偏光A3の偏光方向、前記第二の直線偏光O3の偏光方向はそれぞれ前記偏光ビームスプリッタープリズムに入射する入射面に平行しており、前記第三の偏光O4の偏光方向は該入射面に垂直している。前記第一の直線偏光A3と前記第二の直線偏光O3は前記第二の側面S2から発され、前記第三の直線偏光O4は前記第三の側面S3から発される。説明すべきものとして、本開示の実施例では、全ての入射面は相互に平行であってもよい。
【0037】
一つの実施例では、上記の少なくとも一つの光センサー15、16は第一の光センサー15と第二の光センサー16を含む。前記第一の光センサー15は前記第一の直線偏光A3と前記第二の直線偏光O3の伝播パスに位置し、前記第一の直線偏光A3と前記第二の直線偏光O3の混合光の第一の強度を検出するように構成される。前記第二の光センサー16は前記第三の偏光O4の伝播パスに位置し、前記第三の直線偏光O4の第二の強度を検出するように構成される。
【0038】
図2に示すように、一つの実施例では、第一の直線偏光A3の偏光方向が、前記第一の直線偏光A3が前記光分岐素子14に入射する入射面に平行しており、前記第一の直線偏光A3と前記第二の直線偏光O3が前記第二の側面S2から発され、前記第三の直線偏光O4が前記第三の側面S3から発される場合、前記第一の光センサー15は前記第二の側面S2と対向して設定され、前記第二の光センサー16は前記第三の側面S3と対向して設置される。
【0039】
別の実施例では、前記第一の直線偏光A3の偏光方向、前記第二の直線偏光O3の偏光方向はそれぞれ前記偏光ビームスプリッタープリズムに入射する入射面に垂直しており、前記第三の直線偏光O4の偏光方向は該入射面に平行である。本実施例では、前記第一の直線偏光A3と前記第二の直線偏光O3は前記第三の側面S3から発され、前記第三の直線偏光O4は前記第二の側面S2から発される。前記第一の光センサー15は前記第三の側面S3と対向して設置され、前記第二の光センサー16は前記第二の側面S2と対向して設置される。
【0040】
説明すべきものして、上記の左回り円偏光は光分岐素子14を通過して第二の直線偏光O3と第三の直線偏光O4に分解されてもよく、右回り偏光は光分岐素子14を通過して第二の直線偏光O3と第三の直線偏光O4に分解されてもよい。
【0041】
図3に示すように、別の実施例では、光分岐素子14は横変位偏光ビームスプリッタープリズムであってもよい。前記横変位偏光ビームスプリッタープリズムは第一の側面S1、第四の側面S4と第五の側面S5を含む。前記第一の側面S1は前記第一の位相遅延器13の第一の側面S1と対向する側面に平行しており、前記第一の直線偏光A3と前記第二の円偏光O2を偏光ビームスプリッタープリズムに垂直に入射させ、ここで、第一の直線偏光A3と前記第二の円偏光O2の入射角がブリュースター角であってもよい。前記第四の側面S4は前記第一の側面S1と対向し且つ平行しており、前記第四の側面S4は前記第五の側面S5に隣接し、前記第四の側面S4と前記第五の側面S5の間の角度が鋭角であり、該角度は具体的な状況に応じて設定されてもよい。前記第四の側面S4は第一のエリアQ1と第二のエリアQ2を含み、前記第一のエリアQ1が前記第一の側面S1と対向し、前記第二のエリアQ2が前記第五の側面S5の一側に位置する。本実施例では、前記第一の直線偏光A3の偏光方向、前記第二の直線偏光O3の偏光方向はそれぞれ前記偏光ビームスプリッタープリズムに入射する入射面に平行しており、前記第三の直線偏光A4の偏光方向は該入射面に垂直している。前記第一の直線偏光A3と前記第二の直線偏光O3は前記第一のエリアQ1から発され、発する方向が第四の側面S4に垂直してもよい。前記第三の直線偏光O4は前記第五の側面S5によって反射されて前記第二のエリアQ2から発され、発する方向も第四の側面S4に垂直してもよい。本実施例では、前記第一の光センサー15は前記第一のエリアQ1と対向して設置され、前記第二の光センサー16は前記第二のエリアQ2と対向して設置される。
【0042】
別の実施例では、前記第一の直線偏光A3の偏光方向、前記第二の直線偏光O3の偏光方向はそれぞれ前記偏光ビームスプリッタープリズムに入射する入射面に垂直しており、前記第三の直線偏光O4の偏光方向は該入射面に平行である。本実施例では、前記第一の直線偏光A3と前記第二の直線偏光O3は前記第五の側面S5によって反射されて前記第二のエリアQ2から発され、前記第三の直線偏光O4は前記第一のエリアQ1から発される。前記第一の光センサー15は前記第二のQ2と対向し、前記第二の光センサー16は前記第一のエリアQ1と対向する。
【0043】
図2図3に示す実施例では、偏光ビームスプリッタープリズム又は横変位偏光ビームスプリッタープリズムを使用して第二の円偏光O2を分解して偏光方向が相互に垂直している第二の直線偏光O3と第三の直線偏光O4を取得することができる。ここで、環境光A1から取得された第一の直線偏光A3は偏光方向が異なるため、偏光ビームスプリッタープリズム又は横変位偏光ビームスプリッタープリズムでの伝播パスが異なる。要するに、前記第一の直線偏光A3の偏光方向、前記第二の直線偏光O3の偏光方向が同じであり、いずれも第一の偏光方向であり、前記第三の直線偏光O4の偏光方向が第二の偏光方向であり、前記第一の偏光方向が前記第二の偏光に相互に垂直している。
【0044】
図2図3に示す実施例では、基本的には、光分岐素子14の第一の側面S1から垂直に入射する光だけが光センサー15、16に検出されてもいため、光分岐素子14はさらに入射光範囲を制限する役割を果たすことができ、これにより光分岐素子14は表示パネル12の同一の表示エリアから発された光O1を分解し、それぞれ検出することができ、このようにして、表示パネル12の複数の表示エリアの迷光の影響を回避することができ、さらに表示パネル12の表示内容の影響を排除し、環境光A1の検出精度を向上させることができる。
【0045】
当然、実際に応用する時に、光分岐素子14は上述した偏光ビームスプリッタープリズム及び横変位偏光ビームスプリッタープリズムに限られなくてもよく、他の光分岐素子例えば偏光ビームスプリッタープレートを使用することもできる。偏光ビームスプリッタープレートを使用して第二の円偏光O2に対して分光処理を行う場合、偏光ビームスプリッタープレートは前記第一の位相遅延器13の前記偏光ビームスプリッタープレートと対向する側面に対して斜めに設置されてもよく、前記第一の直線偏光A3と前記第二の円偏光O2を前記偏光ビームスプリッタープレートに斜めに入射させ、さらに偏光ビームスプリッタープレートの第二の円偏光02を分解する機能が実現される。
【0046】
別の実施例では、端末装置は一つの光センサーの2つの異なるチャネルによって第一の直線偏光A3と前記第二の直線偏光O3の混合光及び前記第三の直線偏光O4をそれぞれ検出することもでき、本開示の実施例で提供される方式に限定されない。
【0047】
一つの実施例では、端末装置はさらに環境光検出回路を含むことができる。該環境光検出回路は、前記少なくとも一つの光センサー15、16に受けられた前記環境光A1及び前記表示パネル12から発された光O1に基づいて前記環境光A1の強度を取得することができるように、前記少なくとも一つの光センサー15、16に電気的に接続される。一つの実施例では、環境光検出回路は前記第二の強度及び前記第二の強度と前記第二の直線偏光O3の強度の関連関係に応じて前記第三の強度を取得し、そして前記第一の強度と前記第三の強度の差に基づいて前記環境光A1の強度を取得することができる。具体的には、第三の直線偏光O4の第二の強度と第二の直線偏光O3の強度が関連関係を有し、ここで、該関連関係が実験により得られてもよいし、理論的に計算して得られてもよく、且つ該関連関係が関数形態で表されてもよい。したがって、第二の強度に基づいて第二の直線偏光O3の強度を取得することができ、さらに、第一の強度と第二の直線偏光O3の強度の差に基づいて第一の直線偏光A3の強度を取得することができる。その後、第一の直線偏光A3の強度と環境光A1の強度の関連関係に応じて環境光A1の強度を取得することができる。ここで、第一の直線偏光A3の強度と環境光A1の強度の関連関係が同様に実験により得られてもよく、又は理論的に計算して得られてもよく、且つ該関連関係が関数形態で表されてもよい。このようにして、表示パネルの表示内容の影響を排除し、環境光A1の検出精度を向上させることができる。
【0048】
別の実施例では、端末装置はさらにシステムオンチップ(SOC)を備えることができる。該システムオンチップは、前記少なくとも一つの光センサー15、16によって受けられた前記環境光及び前記表示パネルから発された光O1に基づいて前記環境光A1の強度を取得することができるように、前記少なくとも一つの光センサー15、16に電気的に接続される。一つの実施例では、システムオンチップは前記第二の強度及び前記第二の強度と前記第二の直線偏光O3の第三の強度の関連関係に応じて前記第三の強度を取得し、そして前記第一の強度と前記第三の強度の差に基づいて前記環境光A1の強度を取得することができる。本実施例では、システムオンチップが前記環境光A1の強度を取得する方法は前記環境光検出回路が前記環境光A1の強度を取得する方法と類似するため、ここで説明を省略しない。言い換えば、本実施例では、第一の強度と第二の強度に基づいて前記環境光A1の強度を取得するという機能を端末装置の元のシステムオンチップを使用してソフトウェアにより実現し、余分なハードウェアの追加を回避し、コストを節約することができる。
【0049】
また、表示パネル12の上方に設置された円偏光板11はさらに第一の円偏光A2が表示パネル12に入射した後の反射光を除去し、表示パネル12の表示効果への該反射光の影響を回避することができる。具体的には、以下に第一の円偏光A2が右回り円偏光であることを例として説明する。第一の円偏光A2が表示パネル12に入射した後の反射光が左回り円偏光である場合、該左回り円偏光が第二の位相遅延器112に入射した後に第五の直線偏光を取得し、第五の直線偏光の偏光方向が、左回り円偏光が第二の位相遅延器112に入射する入射面に平行である。左回り円偏光が第二の位相遅延器112に入射する入射面が、環境光A1が偏光子111に入射する入射面に相互に平行であるため、第五の直線偏光の偏光方向は第四の直線偏光A4の偏光方向に垂直しており、即ち第五の直線偏光の偏光方向は偏光子111の透過方向に垂直している。第五の直線偏光が偏光子111に入射する場合、偏光子111は第五の直線偏光の通過を許可しない。このようにして、第一の円偏光A2が表示パネル12に入射した後の反射光が除去される。
【0050】
一つの実施例では、表示パネル12はOLED表示パネルであってもよいがこれに限定されない。一つの実施例では、ガラスカバー17、円偏光板11と表示パネル12は統合されてもよい。
【0051】
説明すべきものとして、本開示の実施例では、上記「下方」は移動端末100のガラスカバー17が表示パネル12に指し示す方向である。本開示の実施例は移動端末100における表示パネル12、第一の位相遅延器13、光分岐素子14及び少なくとも一つの光センサー15、16以外の部分、例えば筐体18の具体的な実施形態を限定しない。
【0052】
当業者は本明細書を考慮してここで開示開示された技術的解決策を実施した後、本開示の実施例の他の実施形態を容易に想到する。本出願は本開示の実施例のいかなる変形、用途又は適応変化をを包含することを意図し、これらの変形、用途又は適応変化が本開示の実施例の一般的な原理に従い且つ本開示の実施例で開示されない本技術分野における公知常識又は慣用技術手段を含む。明細書と実施例が単なる例示とみなし、本開示の実施例の真の範囲及び精神は以下の請求項によって指摘される。
【0053】
理解すべきものとして、本開示の実施例は以上に説明され且つ図面に示された正確な構造に限定されなく、そしてその範囲から逸脱することなく様々な変更及び変形を行うことができる。本開示の実施例の範囲は添付の特許請求の範囲のみによって限定される。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本開示の実施例による技術的解決策は、移動端末が表示パネル、第一の位相遅延器、光分岐素子及び少なくとも一つの光センサーを備え、第一の位相遅延器が表示パネルと光分岐素子の間に位置し、少なくとも一つの光センサーがそれぞれ光分岐素子と対向して設置され、環境光及び表示パネルから発された光を受けるように構成され、環境光の検出精度を向上させるために、表示パネルを通過する環境光と表示パネルから発された光が第一の位相遅延器と光分岐素子を順次通過するという有益な効果を含むことができる。
【0055】
いくつかの本開示の実施例では、表示パネルから発された光を第一の位相遅延器により円偏光に変換し、その後、表示パネルから発された光を表示パネルにより分解して偏光方向が相互に垂直している2本の直線偏光を取得し、ここで、該2本の直線偏光の伝播パスが異なり、このようにして2本の直線偏光をそれぞれ検出することができる。表示パネルを通過する環境光と第一の位相遅延器及び光分岐素子を順次通過できる環境光は光センサーに受けられる。光分岐素子が特定の入射角の入射光に対して分光機能を実現することができ、他の入射角の入射光に対して分光機能を実現することができないため、本開示の実施例による技術的解決策は表示パネルの同一の表示エリアから発された光を分解し、それぞれ検出し、表示パネルの表示内容の影響を排除し、環境光の検出精度を向上させることができる。
図1
図2
図3