(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-20
(45)【発行日】2023-03-29
(54)【発明の名称】受信装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 7/01 20060101AFI20230322BHJP
H04N 21/431 20110101ALI20230322BHJP
【FI】
H04N7/01 200
H04N21/431
(21)【出願番号】P 2020156050
(22)【出願日】2020-09-17
【審査請求日】2022-02-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000214984
【氏名又は名称】TVS REGZA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】阿部 裕俊
(72)【発明者】
【氏名】本田 雄一
(72)【発明者】
【氏名】田中 昌美
【審査官】長谷川 素直
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-267753(JP,A)
【文献】特開2003-230109(JP,A)
【文献】特開2005-184562(JP,A)
【文献】特開2005-303999(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 7/01
H04N 21/00-21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インターレース信号を変換したプログレッシブ信号を受信する受信部と、
受信した前記プログレッシブ信号を構成するラインを間引くライン間引き処理部と、
前記ライン間引き処理部においてラインを間引かれたプログレッシブ信号に対して、斜め方向の画素の相関をみた上で画素を補間する斜め方向補間部と、
を備えることを特徴とする受信装置。
【請求項2】
前記受信部は、インターレース信号を受信し、
受信したインターレース信号をプログレッシブ信号に変換するものであって、動画に対して斜め方向の画素の相関をみた上で画素を補間する補間部を有するIP変換部を備え、
前記斜め方向補間部は、前記IP変換部の前記補間部である、
ことを特徴とする請求項1に記載の受信装置。
【請求項3】
受信した前記プログレッシブ信号について、当該プログレッシブ信号のインターレース信号からの信号生成方式に応じて、前記ライン間引き処理部へ出力するか、そのまま後段に出力するかを、切り替える第1切替部を備える、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の受信装置。
【請求項4】
前記第1切替部は、コンテンツの種類に応じて受信した前記プログレッシブ信号のインターレース信号からの信号生成方式を判断する、
ことを特徴とする請求項3に記載の受信装置。
【請求項5】
前記第1切替部は、前記プログレッシブ信号がインターレース信号のライン2度振りでの信号生成方式であった場合に、前記ライン間引き処理部へ出力する、
ことを特徴とする請求項3に記載の受信装置。
【請求項6】
受信した前記プログレッシブ信号について、当該プログレッシブ信号のインターレース信号からの信号生成方式に応じて、当該プログレッシブ信号をそのまま出力するか、前記ライン間引き処理部および前記斜め方向補間部を介して出力するかを、切り替える第2切替部を備える、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の受信装置。
【請求項7】
前記第2切替部は、前記プログレッシブ信号がインターレース信号のライン2度振りでの信号生成方式であった場合に、前記ライン間引き処理部および前記斜め方向補間部を介して出力する、
ことを特徴とする請求項6に記載の受信装置。
【請求項8】
前記第2切替部は、コンテンツの種類に応じて受信した前記プログレッシブ信号のインターレース信号からの信号生成方式を判断する、
ことを特徴とする請求項6に記載の受信装置。
【請求項9】
コンピュータを、
インターレース信号を変換したプログレッシブ信号を構成するラインを間引くライン間引き処理部と、
前記ライン間引き処理部においてラインを間引かれたプログレッシブ信号に対して、斜め方向の画素の相関をみた上で画素を補間する斜め方向補間部と、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、受信装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル放送やDVDなどのパッケージメディアから入力される映像信号は、インターレーススキャン(飛び越し走査)方式である場合が多い。一方、液晶パネルの表示はプログレッシブスキャン(順次走査)方式である。そのため、画像処理回路において映像信号のインターレース信号(飛び越し走査信号)をプログレッシブ信号(順次走査信号)に変換する画像フォーマット変換技術が知られている。
【0003】
一般に、デジタル放送はインターレース信号での放送であるが、IPネットワークを介したネットワーク配信ではプログレッシブ信号に変換されて配信されることが多い。インターレース信号からプログレッシブ信号を生成する方式としては、いくつかの信号生成方式が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平10-126786号公報
【文献】特開2009-267753号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、ネットワーク配信されるプログレッシブ信号について高画質に画像再生をすることができる受信装置およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の受信装置は、インターレース信号を変換したプログレッシブ信号を受信する受信部と、受信した前記プログレッシブ信号を構成するラインを間引くライン間引き処理部と、前記ライン間引き処理部においてラインを間引かれたプログレッシブ信号に対して、斜め方向の画素の相関をみた上で画素を補間する斜め方向補間部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、第1の実施形態にかかる映像伝送システムの概略的な構成を示した例示図である。
【
図2】
図2は、テレビジョン装置のハードウェア構成を示した例示ブロック図である。
【
図3】
図3は、第1のプログレッシブ信号生成方式の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、第2のプログレッシブ信号生成方式の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、テレビジョン装置の信号処理部の構成の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、テレビジョン装置の信号処理部が画質改善を実現する一連の処理の流れを示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、第2の実施形態にかかるテレビジョン装置の信号処理部の構成の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、第3の実施形態にかかるテレビジョン装置の信号処理部の構成の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、第4の実施形態にかかるテレビジョン装置の信号処理部の構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態を図面に基づいて説明する。
【0009】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態にかかる映像伝送システムの概略的な構成を示した例示図である。
図1に示すように、映像伝送システム1000は、送信機100と、テレビジョン装置200とを備える。テレビジョン装置200は、「受信装置」の一例である。
【0010】
送信機100は、IP(インターネットプロトコル)ネットワーク300に接続されており、IPネットワーク300を介してIP信号をテレビジョン装置200に送信することが可能なように構成されている。
【0011】
また、送信機100は、例えば放送局BSに設置されており、放送信号をテレビジョン装置200に送信することが可能なように構成されている。なお、送信機100の設置場所は、放送局BSに限るものではなく、CSP(Contents Service Provider)などであってもよい。
【0012】
また、テレビジョン装置200は、送信機100から受信される放送信号およびIP信号に基づく映像を表示可能な表示パネル210を備える。
【0013】
次に、テレビジョン装置200のハードウェア構成、すなわち回路構成の一例について説明する。
【0014】
図2は、テレビジョン装置200のハードウェア構成を示した例示ブロック図である。
図2に示すように、テレビジョン装置200は、アンテナ201と、入力端子202aと、チューナ203と、デモジュレータ204と、デコーダ205とを備える。
【0015】
アンテナ201は、デジタル放送の放送信号を受信し、受信した放送信号を、入力端子202aを介してチューナ203に供給するように構成されている。チューナ203は、アンテナ201から供給された放送信号から所望のチャンネルの放送信号を選局し、選局した放送信号をデモジュレータ204に供給するように構成されている。
【0016】
デモジュレータ204は、チューナ203から供給された放送信号を復調し、復調した放送信号をデコーダ205に供給するように構成されている。デコーダ205は、デモジュレータ204から供給された放送信号を分離して映像信号および音声信号を復号し、復号した映像信号および音声信号を後述するセレクタ207に供給するように構成されている。
【0017】
また、テレビジョン装置200は、アナログ信号入力端子202bと、デジタル信号入力端子202cと、A/D(アナログ/デジタル)変換器206と、セレクタ207と、信号処理部208と、スピーカ209と、表示パネル210とを備える。
【0018】
アナログ信号入力端子202bは、外部に接続可能に構成されており、外部から入力されるアナログ信号(映像信号および音声信号)を受け付けるように構成されている。A/D変換器206は、アナログ信号入力端子202bから供給されるアナログ信号にA/D変換を施すことにより生成したデジタル信号をセレクタ207に供給するように構成されている。
【0019】
デジタル信号入力端子202cは、外部に接続可能に構成されており、外部から入力されるデジタル信号(映像信号および音声信号)を受け付けるように構成されている。
【0020】
セレクタ207は、デコーダ205、A/D変換器206、および入力端子202cから供給される複数の信号から1つを選択し、選択した1つの信号を信号処理部208に供給するように構成されている。信号処理部208は、セレクタ207から供給される映像信号に所定の信号処理を施し、処理後の映像信号を表示パネル210に供給するように構成されている。また、信号処理部208は、セレクタ207から供給される音声信号に所定の信号処理を施し、処理後の音声信号をスピーカ209に供給するように構成されている。
【0021】
スピーカ209は、信号処理部208から供給される音声信号に基づいて音声を出力するように構成されている。また、表示パネル210は、信号処理部208から供給される映像信号に基づいて静止画や動画などの映像を表示するように構成されている。
【0022】
さらに、テレビジョン装置200は、操作部211と、受光部212と、IP通信部213と、制御部214と、メモリ215と、ストレージ216とを備える。
【0023】
操作部211は、ユーザの操作入力を受け付けるように構成されている。受光部212は、テレビジョン装置200を遠隔で操作するためのリモートコントローラ250からの赤外線を受光するように構成されている。
【0024】
IP通信部213は、受信部として機能するものであり、IPネットワーク300を介したIP通信を行うための通信インターフェースである。
【0025】
制御部214は、CPUなどを内蔵したマイクロプロセッサであり、テレビジョン装置200の各コンポーネントを制御するように構成されている。メモリ215は、制御部214のCPUが実行する各種コンピュータプログラムを格納するROMや、CPUに作業エリアを提供するRAMなどを備える。ストレージ216は、HDD(ハードディスクドライブ)やSSD(ソリッドステートドライブ)などを備え、たとえばセレクタ207により選択された信号を録画データとして記録することが可能なように構成されている。
【0026】
ここで、送信機100からIPネットワーク300を介してネットワーク配信される映像信号は、インターレース信号(飛び越し走査信号)に加え、プログレッシブ信号(順次走査信号)である場合がある。例えば、地上波放送はインターレース信号での放送であるが、IPネットワーク300を介したネットワーク配信ではプログレッシブ信号に変換されて配信されることが多い。インターレース信号である1080i/60Hzと、プログレッシブ信号である1080p/30Hzは、伝送情報量が同じため、地上波放送番組をネットワーク配信する場合、1080p/30Hzで配信することが多くなっている。
【0027】
ここで、インターレース信号である1080i信号からプログレッシブ信号である1080p信号を生成する方式について説明する。
【0028】
図3は、第1のプログレッシブ信号生成方式の一例を示す図である。
図3に示すように、第1の信号生成方式は、インターレース信号である1080i/60Hz信号に対して動きに適応したインターレース-プログレッシブ変換を行って1080p/60Hzの信号を生成する。そして、第1の信号生成方式は、フレーム周波数変換処理として一方のフィールド情報(フレーム)のみを有効とし、1080p/30Hzのプログレッシブ信号を生成する。
【0029】
図4は、第2のプログレッシブ信号生成方式の一例を示す図である。
図4に示すように、第2の信号生成方式は、インターレース信号である1080i/60Hz信号の1フィールド540ラインの情報をライン2度振りによってインターレース-プログレッシブ変換を行って、1080p/60Hzの信号を生成する。そして、第2の信号生成方式は、フレーム周波数変換処理として一方のフィールド情報(フレーム)のみを有効とし、1080p/30Hzのプログレッシブ信号を生成する。
【0030】
ところで、第2の信号生成方式により生成したプログレッシブ信号は、第1の信号生成方式により生成したプログレッシブ信号に比べて斜め線のギザギザの表示が目立ち、画質劣化が顕著になることがわかっている。
【0031】
そこで、第1実施形態によるテレビジョン装置200は、第1の信号生成方式により生成されたプログレッシブ信号と第2の信号生成方式により生成されたプログレッシブ信号とのいずれについても画質を改善し、改善した映像を表示パネル210に表示するように構成されている。
【0032】
以下、上記の画質改善を実現するためのテレビジョン装置200の信号処理部208の構成について具体的に説明する。
【0033】
図5は、テレビジョン装置200の信号処理部208の構成の一例を示す図である。
図5に示すように、テレビジョン装置200の信号処理部208は、インターレース-プログレッシブ変換部(IP変換部)2081と、ライン間引き処理部2082と、斜め方向補間部2083と、スケーリング処理部2084と、画質向上&フレーム周波数変換部2085と、を備える。
【0034】
インターレース-プログレッシブ変換部2081は、例えばインターレース信号である1080i/60Hz信号が配信された場合、インターレース-プログレッシブ変換を行って1080p/60Hzの信号を生成する。
【0035】
ライン間引き処理部2082は、プログレッシブ信号である1080p/30Hzの信号が配信された場合、1フィールド1080ラインの交互1本ずつを間引いて540p/30Hz信号にする間引き処理を実行する。
【0036】
斜め方向補間部2083は、斜めエッジにおけるギザギザの表示を解消するため、斜め方向の画素の相関をみた上で適切な画素を補間するフレーム内の斜め方向補間処理を実行して1080ラインの信号とした1080p/30Hzの信号を生成する。
【0037】
スケーリング処理部2084は、インターレース-プログレッシブ変換部2081で変換された1080p/60Hzの信号、または、斜め方向補間部2083でフレーム内の斜め方向補間処理を実行された1080p/30Hzの信号に対し、伸張処理(1920/1080→3840/2160)を施す。
【0038】
画質向上&フレーム周波数変換部2085は、スケーリング処理部2084でスケーリング処理を行った画像に対し、画質向上処理およびパネル周波数(120Hz)への変換処理を実行する。
【0039】
なお、テレビジョン装置200の信号処理部208は、CPUなどを内蔵したマイクロプロセッサであってもよい。信号処理部208は、プログラムに従ってCPUが機能することにより、インターレース-プログレッシブ変換部(IP変換部)2081と、ライン間引き処理部2082と、斜め方向補間部2083と、スケーリング処理部2084と、画質向上&フレーム周波数変換部2085と、を実現するものであってもよい。
【0040】
次に、テレビジョン装置200の信号処理部208が画質改善を実現する一連の処理について説明する。
【0041】
図6は、テレビジョン装置200の信号処理部208が画質改善を実現する一連の処理の流れを示すフローチャートである。
図6に示すように、例えばインターレース信号である1080i/60Hz信号が配信された場合(ステップS1のYes)、インターレース-プログレッシブ変換部2081は、インターレース-プログレッシブ変換を行って1080p/60Hzの信号を生成し、スケーリング処理部2084に出力する(ステップS2)。
【0042】
一方、例えばプログレッシブ信号である1080p/30Hzの信号が配信された場合(ステップS1のNo)、第1のプログレッシブ信号生成方式と第2のプログレッシブ信号生成方式のいずれで生成されたのかにかかわらず、ライン間引き処理部2082は、1フィールド1080ラインの交互1本ずつを間引いて540p/30Hz信号にする間引き処理を実行し、斜め方向補間部2083に出力する(ステップS3)。
【0043】
次いで、斜め方向補間部2083は、斜め方向の画素の相関をみた上で適切な画素を補間するフレーム内の斜め方向補間処理を実行して1080ラインの信号とした1080p/30Hzの信号を生成し、スケーリング処理部2084に出力する(ステップS4)。
【0044】
そして、スケーリング処理部2084は、インターレース-プログレッシブ変換部2081で変換された1080p/60Hzの信号、または、斜め方向補間部2083でフレーム内の斜め方向補間処理を実行された1080p/30Hzの信号に対し、伸張処理(1920/1080→3840/2160)を施して(ステップS5)、画質向上&フレーム周波数変換部2085に出力する。
【0045】
画質向上&フレーム周波数変換部2085は、スケーリング処理部2084でスケーリング処理を行った画像に対し、画質向上処理およびパネル周波数への変換処理を実行する(ステップS6)。
【0046】
このように、第1の実施形態のテレビジョン装置200(受信装置)によれば、インターレース信号を変換したプログレッシブ信号について、第1のプログレッシブ信号生成方式と第2のプログレッシブ信号生成方式のいずれで生成されたのかにかかわらず、受信したプログレッシブ信号を構成するラインを間引き、ラインを間引かれたプログレッシブ信号に対して、斜め方向の画素の相関をみた上で画素を補間することによって画質を改善する。これにより、ネットワーク配信されるプログレッシブ信号について信号生成方式によらず高画質に画像再生をすることができる。
【0047】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施の形態について説明する。
【0048】
第2の実施の形態は、斜め方向補間部2083の代わりに、インターレース-プログレッシブ変換部2081が備える動画時の斜め方向補間回路を利用するようにした点が、第1の実施の形態と異なる。以下、第2の実施の形態の説明では、第1の実施の形態と同一部分の説明については省略し、第1の実施の形態と異なる箇所について説明する。
【0049】
図7は、第2の実施形態にかかるテレビジョン装置200の信号処理部208の構成の一例を示す図である。
図7に示すように、テレビジョン装置200の信号処理部208のインターレース-プログレッシブ変換部2081は、動き検出部301と、変換部302と、斜め方向補間部303と、を備える。
【0050】
動き検出部301は、配信されたインターレース信号である1080i/60Hz信号の複数のフレーム間の動きに基づいて変換データを生成する。変換データは、配信されたインターレース信号である1080i/60Hz信号の複数のフレーム間での動きの有無を示すものである。
【0051】
動き検出部301は、動きが有る場合、配信されたインターレース信号は動画であると判断し、信号を斜め方向補間部303に出力する。
【0052】
動き検出部301は、動きが無い場合、配信されたインターレース信号は静止画であると判断し、信号を変換部302に出力する。
【0053】
斜め方向補間部303は、動画時のインターレース信号について、斜めエッジにおけるギザギザの表示を解消するため、斜め方向の画素の相関をみた上で適切な画素を補間するフレーム内の斜め方向補間処理を実行して1080ラインの信号とした1080p/60Hzの信号を生成する。
【0054】
変換部302は、静止画時のインターレース信号について、奇数フィールド、偶数フィールドを奇数ライン、偶数ラインに変換し、前フィールドの画素を補間画素とする。
【0055】
このような構成により、インターレース-プログレッシブ変換部2081は、例えばインターレース信号である1080i/60Hz信号が配信された場合、インターレース-プログレッシブ変換を行って1080p/60Hzの信号を生成する。
【0056】
一方、プログレッシブ信号である1080p/30Hzの信号が配信された場合、第1のプログレッシブ信号生成方式と第2のプログレッシブ信号生成方式のいずれで生成されたのかにかかわらず、ライン間引き処理部2082は、540p/30Hz信号に間引く処理を実行し、インターレース-プログレッシブ変換部2081の斜め方向補間部303に出力する。
【0057】
そして、インターレース-プログレッシブ変換部2081の斜め方向補間部303は、動画時のインターレース信号について、斜めエッジにおけるギザギザの表示を解消するため、斜め方向の画素の相関をみた上で適切な画素を補間するフレーム内の斜め方向補間処理を実行して1080ラインの信号とした1080p/30Hzの信号を生成する。
【0058】
このように、第2の実施形態のテレビジョン装置200(受信装置)によれば、インターレース信号を変換したプログレッシブ信号について、第1のプログレッシブ信号生成方式と第2のプログレッシブ信号生成方式のいずれで生成されたのかにかかわらず、受信したプログレッシブ信号を構成するラインを間引き、ラインを間引かれたプログレッシブ信号に対して、斜め方向の画素の相関をみた上で画素を補間することによって画質を改善する。これにより、ネットワーク配信されるプログレッシブ信号について信号生成方式によらず高画質に画像再生をすることができる。
【0059】
(第3の実施形態)
第3の実施の形態は、受信したプログレッシブ信号について、当該プログレッシブ信号のインターレース信号からの信号生成方式に応じて、ライン間引き処理部へ出力するか、そのまま後段に出力するかを、切り替えるようにした点が、第1の実施の形態または第2の実施の形態と異なる。以下、第3の実施の形態の説明では、第1の実施の形態または第2の実施の形態と同一部分の説明については省略し、第1の実施の形態または第2の実施の形態と異なる箇所について説明する。
【0060】
図8は、第3の実施形態にかかるテレビジョン装置200の信号処理部208の構成の一例を示す図である。
図8に示すように、第1の実施の形態の構成に加えて、第1切替部として機能する方式切り替え部2086を備える。
【0061】
方式切り替え部2086は、第1のプログレッシブ信号生成方式と第2のプログレッシブ信号生成方式とで生成された1080p/30Hzの2種類のプログレッシブ信号を、当該プログレッシブ信号のインターレース信号からの信号生成方式に応じて、制御方法を切り替える。
【0062】
方式切り替え部2086は、例えばコンテンツの種類(CSP(Contents Service Provider)やコンテンツ内容など)ごとのプログレッシブ信号の信号生成方式を保持しておき、CSPやコンテンツに基づいてプログレッシブ信号の種類を特定化して、制御方法を切り替える。
【0063】
方式切り替え部2086は、第1のプログレッシブ信号生成方式で生成された1080p/30Hzのプログレッシブ信号であると特定すると、信号をスケーリング処理部2084に出力し、通常の1080p信号と同様に、直接スケーリング処理を行った後、パネル周波数に変換する。
【0064】
一方、方式切り替え部2086は、第2のプログレッシブ信号生成方式で生成された1080p/30Hzのプログレッシブ信号であると特定すると、信号をライン間引き処理部2082に出力する。
【0065】
ライン間引き処理部2082は、1フィールド1080ラインの交互1本ずつを間引いて540p/30Hz信号にする間引き処理を実行する。その後、斜め方向補間部2083は、斜め方向の画素の相関をみた上で適切な画素を補間するフレーム内の斜め方向補間処理を実行して1080ラインの信号とした1080p/30Hzの信号を生成し、スケーリング処理部2084に出力する。
【0066】
このように、第3の実施形態のテレビジョン装置200(受信装置)によれば、第2の信号生成方式により生成されたプログレッシブ信号について、ラインを間引き、斜め方向の画素の相関をみた上で画素を補間することによって画質を改善する。これにより、第2の信号生成方式により生成されたプログレッシブ信号について高画質に画像再生をすることができる。
【0067】
なお、本実施形態の方式切り替え部2086は、例えばコンテンツの種類(CSPやコンテンツ内容など)ごとのプログレッシブ信号の信号生成方式を保持しておき、コンテンツを配信するCSPやコンテンツ内容に基づいてプログレッシブ信号の種類を特定化するようにしたが、これに限るものではない。例えば、プログレッシブ信号がインターレース信号のライン2度振りでの信号生成方式であると判断した場合に、ライン間引き処理部2082へ出力するようにしてもよい。方式切り替え部2086は、プログレッシブ信号を構成する奇数ラインの信号および偶数ラインの信号が同じである場合に、プログレッシブ信号がインターレース信号のライン2度振りでの信号生成方式であると判断する。
【0068】
(第4の実施形態)
第4の実施の形態は、受信したプログレッシブ信号について、当該プログレッシブ信号のインターレース信号からの信号生成方式に応じて、当該プログレッシブ信号をそのまま出力するか、ライン間引き処理部および斜め方向補間部を介して出力するかを、切り替えるようにした点が、第1の実施の形態ないし第3の実施の形態と異なる。以下、第4の実施の形態の説明では、第1の実施の形態ないし第3の実施の形態と同一部分の説明については省略し、第1の実施の形態ないし第3の実施の形態と異なる箇所について説明する。
【0069】
ここで、
図9は第4の実施形態にかかるテレビジョン装置200の信号処理部208の構成の一例を示す図である。
図9に示すように、第1の実施の形態の構成に加えて、第2切替部として機能する方式切り替え部2087と、ライン2度振り検出部2088とを備える。
【0070】
方式切り替え部2087は、第1のプログレッシブ信号生成方式と第2のプログレッシブ信号生成方式とで生成された1080p/30Hzの2種類のプログレッシブ信号を、インターレース信号からの信号生成方式に応じて、出力信号を切り替える。
【0071】
ライン2度振り検出部2088は、プログレッシブ信号がインターレース信号のライン2度振りでの信号生成方式であることを検出する。ライン2度振り検出部2088は、プログレッシブ信号を構成する奇数ラインの信号および偶数ラインの信号が同じである場合に、プログレッシブ信号がインターレース信号のライン2度振りでの信号生成方式であると判断する。
【0072】
方式切り替え部2087は、配信されたプログレッシブ信号がライン2度振り信号ではなく、第1のプログレッシブ信号生成方式で生成された1080p/30Hzのプログレッシブ信号であると特定すると、当該プログレッシブ信号をそのまま後段のスケーリング処理部2084に出力し、通常の1080p信号と同様に、直接スケーリング処理を行った後、パネル周波数に変換する。
【0073】
一方、方式切り替え部2087は、配信されたプログレッシブ信号がライン2度振り信号であり、第2のプログレッシブ信号生成方式で生成された1080p/30Hzのプログレッシブ信号である場合、ライン間引き処理部2082および斜め方向補間部を2083を経た信号を後段のスケーリング処理部2084に出力する。
【0074】
このように、第4の実施形態のテレビジョン装置200(受信装置)によれば、第2の信号生成方式により生成されたプログレッシブ信号について、ラインを間引き、斜め方向の画素の相関をみた上で画素を補間することによって画質を改善する。これにより、第2の信号生成方式により生成されたプログレッシブ信号について高画質に画像再生をすることができる。
【0075】
なお、本実施形態の方式切り替え部2087は、プログレッシブ信号がインターレース信号のライン2度振りであるかによって出力信号を切り替えるようにしたが、これに限るものではない。例えばコンテンツの種類(CSPやコンテンツ内容など)ごとのプログレッシブ信号の信号生成方式を保持しておき、コンテンツを配信するCSPやコンテンツ内容に基づいてプログレッシブ信号の種類を特定化して出力信号を切り替えるようにしてもよい。
【0076】
なお、各実施形態においては、「受信装置」の一例としてテレビジョン装置200を適用したが、これに限るものではなく、チューナ、レコーダ、パーソナルコンピュータなどの各種電子機器にも適用可能であることはいうまでもない。
【0077】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0078】
200 受信装置
213 受信部
303 斜め方向補間部
2081 IP変換部
2082 ライン間引き処理部
2083 斜め方向補間部
2086 第1切替部
2087 第2切替部