IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ JX日鉱日石エネルギー株式会社の特許一覧 ▶ 株式会社タツノの特許一覧

<>
  • 特許-給油装置 図1
  • 特許-給油装置 図2
  • 特許-給油装置 図3
  • 特許-給油装置 図4
  • 特許-給油装置 図5
  • 特許-給油装置 図6
  • 特許-給油装置 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-20
(45)【発行日】2023-03-29
(54)【発明の名称】給油装置
(51)【国際特許分類】
   B67D 7/06 20100101AFI20230322BHJP
   A61L 2/10 20060101ALI20230322BHJP
【FI】
B67D7/06 B
A61L2/10
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020171741
(22)【出願日】2020-10-12
(65)【公開番号】P2022063460
(43)【公開日】2022-04-22
【審査請求日】2021-06-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000004444
【氏名又は名称】ENEOS株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000151346
【氏名又は名称】株式会社タツノ
(74)【代理人】
【識別番号】100106563
【弁理士】
【氏名又は名称】中井 潤
(72)【発明者】
【氏名】兵働 毅
(72)【発明者】
【氏名】小笠原 卓司
(72)【発明者】
【氏名】大友 忠春
(72)【発明者】
【氏名】前田 翼
(72)【発明者】
【氏名】羽山 文貴
(72)【発明者】
【氏名】津村 泰行
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 尚彦
【審査官】松浦 久夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-065520(JP,A)
【文献】特許第6426322(JP,B1)
【文献】国際公開第2019/190598(WO,A1)
【文献】登録実用新案第3215321(JP,U)
【文献】特表2019-512435(JP,A)
【文献】特開昭63-174658(JP,A)
【文献】特開平05-023502(JP,A)
【文献】特開2010-143584(JP,A)
【文献】特開2015-024846(JP,A)
【文献】特開2005-013723(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B67D 7/06
A61L 2/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
給油ノズルに燃料油を送る給油機構と、
該給油機構への給油設定を行う屋外データ入出力装置と、
前記給油機構に接続される給油ホースと、
該給油ホースの先端に設けられる給油ノズルと、
該給油ノズルが掛けられるノズル掛けとをハウジング本体に備え、
該ハウジング本体の非危険エリアに紫外線を発生させる紫外線発生部を配設し、
該紫外線発生部からの紫外線を光ファイバで前記給油ノズルまで導いて照射する光源制御装置を備え、
該光源制御装置は、前記屋外データ入出力装置から給油設定データを受けると前記紫外線の照射を停止することを特徴とする給油装置。
【請求項2】
前記ノズル掛けは前記給油ノズルの両側面を保持する相対向する一対の保持部を備え、該一対の保持部で前記給油ノズルの両側面を保持し、前記光ファイバが紫外線を照射する照射部は前記一対の保持部の相対向する面に配設され、該紫外線は該照射部からグリップに照射されることを特徴とする請求項に記載の給油装置。
【請求項3】
前記ノズル掛けは前記給油ノズルのグリップを覆う開閉可能な覆い部を備え、前記光ファイバが紫外線を照射する照射部は前記覆い部の前記給油ノズルに対向する面に設けられた反射手段に紫外線を照射することを特徴とする請求項に記載の給油装置。
【請求項4】
前記光ファイバは前記給油ノズルに巻回され、該光ファイバの一部のクラッドを除去して該クラッドの除去部より紫外線を導出可能とし、該光ファイバの表面を透明部材で覆うことを特徴とする請求項に記載の給油装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の燃料タンク等へ燃料油を給油する給油装置に関し、特に菌、カビ、ウィルスへの対策を施した給油装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の給油所においては、人件費の削減のために顧客自身が給油操作を行うセルフ給油所が増加している。これらのセルフ給油所での給油作業では、不特定多数の顧客が触れる給油ノズルのノズルグリップやノズルレバー、給油設定を行う操作部に菌、カビ、ウィルス、最近では新型コロナウィルス等が付着し、感染症の感染源になるおそれがある。
【0003】
車両に燃料油を給油する給油ノズルを清潔に維持するため、給油ノズルのアルコール消毒は有効であるが、毎回の消毒作業は作業者の負担になるため、作業性に優れた除菌、除ウイルスが望まれている。
【0004】
そこで、特許文献1には、除菌室を仕切り部材で照射室と非照射室が交互に隣接するように仕切り、除菌対象物を照射室と非照射室とを通過するように移動させ、紫外線照射ランプを照射室に臨ませて配置し、除菌対象物を照射室と非照射室を交互に通過させ、除菌対象物に紫外線を間欠的に照射して付着又は浮遊しているウイルスや細菌を除菌する装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2001-346862号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1に記載の発明は有効であるが、除菌対象物を照射室に入れる操作が必要となり、給油装置に利用した場合には、除菌する度に給油ノズルを給油装置より取り外さなければならず操作性が悪化すると共に、給油作業の支障となるという問題がある。
【0007】
また、セルフ給油所に設置される給油装置は、顧客自らが給油ノズルを操作するので、人体に対する紫外線の影響を防ぐ手段が必要となる。特許文献1に記載の発明では、紫外線を間欠的に照射(照射したり、照射しなかったり)しているが、これは光源ランプの寿命が短くなることを防ぐことを目的としており、装置内に手が入った際に人体への影響を防ぐための手段ではない。
【0008】
本発明は、上記従来技術における問題点に鑑みてなされたものであって、紫外線を用いてウイルス等を迅速かつ簡便に不活化すると共に、操作性及び安全性に優れた給油装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明は、給油装置であって、給油ノズルに燃料油を送る給油機構と、該給油機構への給油設定を行う屋外データ入出力装置と、前記給油機構に接続される給油ホースと、該給油ホースの先端に設けられる給油ノズルと、該給油ノズルが掛けられるノズル掛けとをハウジング本体に備え、該ハウジング本体の非危険エリアに紫外線を発生させる紫外線発生部を配設し、該紫外線発生部からの紫外線を光ファイバで前記給油ノズルまで導いて照射する光源制御装置を備え、該光源制御装置は、前記屋外データ入出力装置から給油設定データを受けると前記紫外線の照射を停止することを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、紫外線を給油ノズル及び給油ノズルが収納されている空間に拡散させることで、迅速、簡便かつ確実にノズル把持部の除菌、ウイルス等の不活化を行うことができる。また、除菌のために給油ノズルを給油装置より取り外す必要もないため、操作性が悪化することもない。また、紫外線発生部を非危険エリアに設け、該紫外線発生部からの紫外線を光ファイバで前記給油ノズルまで導いて照射することで、危険エリアの給油ノズル周りの構成を簡略化し、設備費用を軽減することができる。
【0012】
前記ノズル掛けに前記給油ノズルの両側面を保持する相対向する一対の保持部を設け、該一対の保持部で前記給油ノズルの両側面を保持し、前記光ファイバが紫外線を照射する照射部を前記一対の保持部の相対向する面に配設し、該紫外線を該照射部からグリップに照射することができる。ノズル掛けで紫外線を外部に放出することなく給油ノズル(グリップ等)が除菌されるので、紫外線による人体への影響を抑制することができる。また、従来の給油ノズルをそのまま使用することができる。
【0013】
また、前記ノズル掛けに前記給油ノズルのグリップを覆う開閉可能な覆い部を設け、前記光ファイバが紫外線を照射する照射部によって前記覆い部の前記給油ノズルに対向する面に設けられた反射手段に紫外線を照射することができる。紫外線が直接及び反射手段で反射されて給油ノズルに照射されるので除菌効率が向上する。また、ノズル掛けで紫外線を外部に放出することがないため、紫外線による人体への影響を抑制することができると共に、従来の給油ノズルをそのまま使用することができる。
【0014】
さらに、前記光ファイバを前記給油ノズルに巻回し、該光ファイバの一部のクラッドを除去して該クラッドの除去部より紫外線を導出可能とし、該光ファイバの表面を透明部材で覆うことができる。これによって、従来のノズル掛けを使用しながら給油ノズルを除菌することができる。また、同時に給油ホースに上記光ファイバを巻回することで、ノズル把持部に加えて給油する際に触れる場合もある給油ホースも除菌されるので顧客へ安心感を与えることができる。
【発明の効果】
【0015】
以上のように、本発明に係る給油装置によれば、紫外線を用いてウイルス等を迅速かつ簡便に不活化すると共に、操作性及び安全性等に優れた給油装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明に係る給油装置の第1の実施形態を示す正面図である。
図2図1の給油装置の給油ノズル及びノズル掛けを示す図であって、(a)は概略斜視図、(b)は(a)を右方から見た場合を示す概略斜視図である。
図3図1に示す給油装置の動作を示すフローチャートである。
図4】本発明に係る給油装置の第2の実施形態の給油ノズル及びノズル掛けを示す図であって、(a)は概略斜視図、(b)は(a)を右方から見た場合を示す概略斜視図である。
図5図4に示す給油装置の動作を示すフローチャートである。
図6】本発明に係る給油装置の第3の実施形態の給油ノズル及びノズル掛けを示す図であって、(a)は概略斜視図、(b)は(a)を右方から見た場合を示す概略斜視図である。
図7図6に示す給油装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0018】
図1は、本発明に係る給油装置の第1の実施形態を示し、この給油装置1は、給油ポンプ3、ポンプモータ4及び流量計5等を有する給油機構と、屋外データ入出力装置6、表示器7、プリンタ8、ノズル掛け9、除菌口10等を備え、これらは給油装置本体2の内部又は表面に設けられる。また、図示を省略するが、給油装置1は給油制御装置、光源制御装置を備える。
【0019】
給油機構は、従来の給油装置に設けられるものと構成や動作は同じであり、上記給油ポンプ3、ポンプモータ4、流量計5に加え、図2に示すように、吐出管13aを有する給油ノズル13と、給油ノズル13を一端に備える給油ホース14を備える。
【0020】
屋外データ入出力装置6は、給油設定データの入出力を制御するために設けられ、給油充填作業に付帯する各種設定、料金精算等を行う。この屋外データ入出力装置6、表示器7、プリンタ8も従来の給油装置に設けられるものと構成や動作は同じである。
【0021】
図2に示すように、ノズル掛け9は、給油ノズル13の両側面を保持する相対向する一対の保持部9a、9bを備え、保持部9a、9bの相対向する面には、光ファイバ9c~9hの一端の端面が配設される。光ファイバ9c、9d、9f、9gは、給油ノズル13のグリップ13bを除菌するためのUV光(紫外線)用であって、保持部9a、9bの相対向する面に配設された一端の端面がUV光の照射部となり、他端が給油装置本体2の内部に設けられた紫外線発生部(不図示)に接続される。紫外線発生部から矢印方向に入力されたUV光は、照射部からグリップ13b等に照射される。
【0022】
光ファイバ9e、9hは、給油ノズル13や顧客の手等を検知するための一般光(インタラクティブ)用であって、光ファイバ9eの他端は一般光の発光部に、光ファイバ9hの他端は受光部に各々接続され、光ファイバ9hの一端には平行光を得るためのコリメートレンズ9jが設けられる。
【0023】
上記紫外線発生部や一般光の発光部を非危険エリアに設け、紫外線発生部からのUV光や一般光を光ファイバ9c~9hで給油ノズル13まで導くことで、危険エリアの給油ノズル13の周りの構成を簡略化し、設備費用を軽減することができる。
【0024】
除菌口10は、人体に無害の波長222nmのUV光を発生させる紫外線発生部を内部に備え、給油終了時に除菌口10に挿入した顧客の手にUV光を直接照射することで除菌を行う。
【0025】
次に、上記構成を有する給油装置1の動作について、図1図3を参照しながら説明する。以下のフローチャートのルートが分岐するステップにおいては、下方向がYes、横方向がNoに対応する。
【0026】
屋外データ入出力装置6のステップS1において、来店した顧客による給油設定が終了すると(ステップS1;Yes)、屋外データ入出力装置6は光源制御装置に給油設定データを出力する(ステップS2)。屋外データ入出力装置6から給油設定データの入力があると(ステップS21;Yes)、光源制御装置は光ファイバ9eへ油種毎に異なる色のガイド光を出力する(ステップS22)。ガイド光は、コリメートレンズ9jを介して光ファイバ9hへ達し、最終的に受光部へ導かれる。ガイド光の発光により操作案内を促されるので、顧客に安心感を与えることができる。また、異なる色のガイド光の発光により、給油すべき給油ノズル13が判るので混油の心配がない。
【0027】
給油制御装置のステップS11において、顧客がノズル掛け9から給油ノズル13を外してノズルSW(スイッチ)がオンになると(ステップS11;Yes)、給油制御装置はノズルSWオン信号を光源制御装置に出力する(ステップS12)。給油制御装置からノズルSWオン信号の入力があると(ステップS23;Yes)、光源制御装置は油種毎のガイド光の出力を停止する(ステップS24)。
【0028】
ノズルSWがオンになると、給油装置1は、屋外データ入出力装置6で設定された給油設定データの下で給油可能な状態となり、給油制御装置は表示器7にリセット信号を送信することで前回なされた給油に関する情報の帰零(リセット)を行い、給油ポンプ3を駆動する(ステップS13)。
【0029】
給油ポンプ3がONになることで給油ノズル13より燃料油が吐出され、これにより流量パルス信号が表示器7に出力され(ステップS14;Yes)、表示器7において給油量の表示(計数表示)がなされる(ステップS15)。尚、流量パルス信号が出力されない場合には(ステップS14;No)、ノズルSWがOFFでない限り(ステップS16;No)、すなわち給油が中止又は終了するまで流量パルス信号の出力を待つ。
【0030】
ステップS17において、顧客が給油ノズル13をノズル掛け9に戻すことでノズルSWがオフになると(ステップS16;Yes)、ノズルSWオフ信号を光源制御装置に出力する(ステップS17)。
【0031】
給油制御装置からノズルSWオフ信号の入力を受けた光源制御装置は(ステップS25;Yes)、UV光を出力し(ステップS26)、給油ノズル13の除菌を行う。UV光を出力してから所定時間t1が経過すると(ステップS27;Yes)、UV光の出力を停止する(ステップS28)。また、所定時間t1が経過する前に屋外データ入出力装置6から給油設定データの入力があった場合(ステップS27;No、ステップS29;Yes)、すなわち、所定時間t1が経過する前に新たな顧客による給油設定がなされた場合には、光ファイバ9eへ油種毎に異なる色のガイド光を出力し(ステップS30)、UV光の出力を停止する(ステップS31)。その後は、ステップS23からの動作を繰り返す。
【0032】
給油制御装置はノズルSWオフ信号を光源制御装置に出力した後、給油ポンプを停止し(ステップS18)、屋外データ入出力装置6に給油データを出力し(ステップS19)、動作を終了する。
【0033】
ステップS3で給油制御装置から給油データが入力された屋外データ入出力装置6は(ステップS3;Yes)、伝票を出力し(ステップS4)、動作を終了する。
【0034】
尚、顧客は適宜除菌口10に手を挿入し、波長222nmの人体に無害なUV光を手に照射して除菌を行うことができる。
【0035】
本実施形態によれば、ノズル掛け9の一対の保持部9a、9bで給油ノズル13の両側面を保持し、保持部9a、9bの相対向する面にUV光を照射する光ファイバ9c、9d、9f、9gの照射部を設けたため、UV光がノズル掛け9から外部に放出されることがなく、UV光による人体への影響を抑制することができる。
【0036】
次に、本発明に係る給油装置の第2の実施形態について、図4及び図5を参照しながら説明する。
【0037】
本実施の形態では、第1の実施形態の給油装置1におけるノズル掛け9に代えてノズル掛け19を用い、他の構成は第1の実施形態と同様である。以下、第1の実施形態と同じ構成要素については、第1の実施形態と同じ参照番号を付して説明を省略する。
【0038】
図4に示すように、ノズル掛け19は、給油ノズル13のグリップ13bを覆う開閉可能な覆い部19aを備える。覆い部19aは、図4(a)に示すように、左端部がノズル掛け19に枠体19gに回動可能に固定される。覆い部19aにはつまみ19bと係止部19cが設けられ、係止部19cを枠体19gに設けられたもう一方の係止部(不図示)に係止することで、覆い部19aはグリップ13bを覆った状態でノズル掛け19に固定される。覆い部19aは、給油設定及びノズルSWに連動して解錠、施錠する。
【0039】
ノズル掛け19には、さらに光ファイバ19d~19fが設けられ、光ファイバ19d~19fの各々の一端は、ハウジング本体内に配設された紫外線発生部に接続され、他端は、覆い部19aに向かって配置される。覆い部19aの内面、すなわちグリップ13bに対向する面は、光を反射する反射面(反射手段)19hとなっている。これにより、光ファイバ19d~19fから照射されたUV光が直接及び覆い部19aの反射面19hで反射されて給油ノズル13のグリップ13bに照射され、除菌効率が向上する。また、給油客が誤ってUV光に照射されることもない。
【0040】
次に、上記ノズル掛け19を有する給油装置の動作について、図4及び図5を参照しながら説明する。
【0041】
屋外データ入出力装置6のステップS1において、来店した顧客による給油設定が終了すると(ステップS1;Yes)、屋外データ入出力装置6は給油制御装置に給油設定データを出力する(ステップS2)。屋外データ入出力装置6から給油設定データの入力があると(ステップS31;Yes)、給油制御装置は該当するノズル掛け19のロックを解除する(ステップS32)。
【0042】
給油制御装置のステップS33において、顧客がノズル掛け19から給油ノズル13を外してノズルSW(スイッチ)がオンになると(ステップS33;Yes)、給油装置は、屋外データ入出力装置6で設定された給油設定データによって給油可能な状態となり、給油制御装置は表示器7にリセット信号を送信することで前回なされた給油に関する情報の帰零(リセット)を行い、給油ポンプ3を駆動する(ステップS34)。
【0043】
給油ポンプ3がONになることで給油ノズル13より燃料油が吐出され、これにより流量パルス信号が表示器7に出力され(ステップS35)、表示器7において給油量の表示(計数表示)がなされる(ステップS36)。尚、流量パルス信号が出力されない場合には(ステップS35;No)、ノズルSWがOFFでない限り(ステップS37;No)、すなわち給油が中止又は終了するまで流量パルス信号の出力を待つ。
【0044】
ステップS37において、顧客が給油ノズル13をノズル掛け19に戻すことでノズルSWがオフになると(ステップS37;Yes)、ノズルSWオフ信号を光源制御装置に出力し(ステップS38)、給油ポンプを停止すると共に、該当ノズル掛け19のロックを行う(ステップS39)。
【0045】
給油制御装置からノズルSWオフ信号の入力を受けた光源制御装置は(ステップS41;Yes)、UV光(紫外線)を出力し(ステップS42)、給油ノズル13の除菌を行う。UV光を出力してから所定時間t1が経過すると(ステップS43;Yes)、UV光の出力を停止する(ステップS44)。また、所定時間t1が経過する前に屋外データ入出力装置6から給油設定データの入力があった場合(ステップS43;No、ステップS45;Yes)、すなわち、所定時間t1が経過する前に新たな顧客による給油設定がなされた場合にもUV光の出力を停止する(ステップS44)。
【0046】
給油制御装置は、屋外データ入出力装置6に給油データを出力し(ステップS40)、給油制御装置の動作を終了する。ステップS3で給油制御装置から給油データが入力された屋外データ入出力装置6は(ステップS3;Yes)、伝票を出力し(ステップS4)、動作を終了する。
【0047】
本実施の形態によれば、覆い部19aが閉じているときにのみ、光ファイバ19d~19fからUV光が照射されると共に、光ファイバ19d~19fから照射されたUV光が直接及び覆い部19aの反射面19hで反射されて給油ノズル13のグリップ13bに照射されるため、UV光がノズル掛け19から外部に放出されることがなく、UV光による人体への影響を抑制することができる。
【0048】
尚、本実施の形態でも、第1の実施形態と同様に、給油ノズル13や顧客の手等を検知するための一般光用の光ファイバを設け、ガイド光を発光させて操作案内を促したり、異なる色のガイド光の発光により、使用すべき給油ノズル13を判り易くすることができる。また、紫外線発生部を非危険エリアに設け、紫外線発生部からのUV光を光ファイバ19d~19fで給油ノズル13まで導くことで、危険エリアとしての給油ノズル13の周りの構成を簡略化し、設備費用を軽減することができる。
【0049】
次に、本発明に係る給油装置の第3の実施形態について、図6及び図7を参照しながら説明する。
【0050】
本実施の形態では、上記実施の形態におけるノズル掛け9、19に代えて一般的に用いられるノズル掛け29を用い、ノズル掛け29にコリメートレンズ29bを備えた一般光用の光ファイバ29aを設け、上記実施の形態における給油ノズル13に代えて給油ノズル23を用いた構成が第1の実施形態と異なり、他の構成は第1の実施形態と同様である。以下、第1の実施形態と同じ構成要素については、第1の実施形態と同じ参照番号を付して説明を省略する。
【0051】
給油ノズル23のグリップ23b及び給油ホース14には、光ファイバ24が巻回される。光ファイバ24は、図6(c)に示すように、クラッドの一部を除去した開口24cを備え、この開口24cからUV光が外部に導出される。図6(b)に示すように、光ファイバ24には、多数の開口24cが形成され、グリップ23b等の表面には、光ファイバ24を覆うように透明部材25が貼着される。
【0052】
光ファイバ24の給油ホース14側の一端24dは、給油装置本体2の内部に配設した紫外線発生部及び一般光発光部に切り換え可能に接続される。光ファイバ24の他端24eは、コリメートレンズ29bに対向して配置される。光ファイバ24に紫外線発生部からUV光が入力されると、開口24cから外部へ導出され、透明部材25を介してグリップ23b及び給油ホース14に照射されて除菌がなされる。
【0053】
一方、光ファイバ29aのコリメートレンズ29bが設けられていない他端は、給油装置本体2の内部の一般光受光部に接続される。一般光発光部からの一般光は、油種毎に点灯周期を変えている。例えば、ガソリンの場合は点灯周期f1、軽油の場合はf2とし、f1とf2を異なるように設定している。そして、一般光受光部で光ファイバ29aを介して送られた一般光を受光して点灯周期を検出し、そのノズル掛け29の油種に対応した点灯周期と比較し、給油ノズル23が正しいノズル掛け29に掛けられたかを判断することができる。尚、給油ノズル23を用いて給油する際に、光ファイバ24の他端24eから一般光を照射することで、車両の給油口を明るく照らすことができ、継ぎ足し給油の際に燃料油が溢れることを防止することができる。
【0054】
次に、上記構成を有する給油装置の動作について、図6及び図7を参照しながら説明する。
【0055】
屋外データ入出力装置6のステップS1において、来店した顧客による給油設定が終了すると(ステップS1;Yes)、屋外データ入出力装置6は光源制御装置に給油設定データを出力する(ステップS2)。屋外データ入出力装置6から給油設定データの入力があると(ステップS71;Yes)、光源制御装置は光ファイバ24へ一般光を出力する(ステップS72)。
【0056】
給油制御装置のステップS51において、顧客がノズル掛けから給油ノズル23を外してノズルSW(スイッチ)がオンになると(ステップS51;Yes)、給油装置1は、屋外データ入出力装置6で設定された給油設定データの下で給油可能な状態となり、表示器7にリセット信号を送信することで前回なされた給油に関する情報の帰零(リセット)を行い、給油ポンプ3を駆動する(ステップS52)。
【0057】
給油ポンプ3がONになることで給油ノズル23より燃料油が吐出され、これにより流量パルス信号が表示器7に出力され(ステップS53;Yes)、表示器7において給油量の表示(計数表示)がなされる(ステップS54)。尚、流量パルス信号が出力されない場合には(ステップS53;No)、光源制御装置へ給油停止信号を出力し(ステップS59)、給油制御装置から給油停止信号の入力があると(ステップS73;Yes)、光源制御装置は一般光を点滅させる(ステップS74)。
【0058】
ステップS59で給油停止信号を出力した後、給油制御装置は給油ノズル23が掛けられたノズル掛けが正しいか否かを判断し、正しい場合には、ノズルSWがオフになる(ステップS55)。一方、給油ノズル23が掛けられたノズル掛けが誤っている場合には(ステップS60;No)、ノズル掛けを確認する旨を報知する(ステップS61)。
【0059】
ノズルSWがオフになると(ステップS55;Yes)、給油制御装置はノズルSWオフ信号を光源制御装置に出力する(ステップS56)。給油制御装置からノズルSWオフ信号の入力を受けた光源制御装置は(ステップS75;Yes)、UV光を出力し(ステップS76)、給油ノズル23及び給油ホース14の除菌を行う。UV光を出力してから所定時間t1が経過すると(ステップS77;Yes)、UV光の出力を停止する(ステップS78)。また、所定時間t1が経過する前に屋外データ入出力装置6から給油設定データの入力があった場合(ステップS77;No、ステップS79;Yes)、すなわち、所定時間t1が経過する前に新たな顧客による給油設定がなされた場合には、光ファイバ24へ一般光を出力し(ステップS80)、UV光の出力を停止する(ステップS81)。その後は、ステップS73からの動作を繰り返す。
【0060】
給油制御装置は、ノズルSWオフ信号を光源制御装置に出力した後、給油ポンプを停止し(ステップS57)、屋外データ入出力装置6に給油データを出力し(ステップS58)、動作を終了する。
【0061】
ステップS3で給油制御装置から給油データが入力された屋外データ入出力装置6は(ステップS3;Yes)、伝票を出力し(ステップS4)、動作を終了する。
【0062】
本実施の形態では、ノズル把持部23b及び給油ホース14に外部からUV光を照射するのではなく、ノズル把持部23b及び給油ホース14の内部(表面)から外側に向けてUV光を照射するので、ノズル把持部23b及び給油ホース14の周囲に障害物がある場合でも確実に除菌することができる。また、ノズル把持部23bに加えて給油する際に触れる場合もある給油ホース14も除菌されるので顧客へ安心感を与えることができる。さらに、給油ノズル23が正しいノズル掛け29に掛けられたかを判断することができるので、次回の顧客が油種間違いを起こすことを防止することができる。
【符号の説明】
【0063】
1 給油装置
2 給油装置本体
3 給油ポンプ
4 ポンプモータ
5 流量計
6 屋外データ入出力装置
7 表示器
8 プリンタ
9、19、29 ノズル掛け
10 除菌口
13、23 給油ノズル
14 給油ホース
24 光ファイバ
25 透明部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7