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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-20
(45)【発行日】2023-03-29
(54)【発明の名称】吻合器
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/11 20060101AFI20230322BHJP
【FI】
A61B17/11
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020174893
(22)【出願日】2020-10-16
(62)【分割の表示】P 2018128363の分割
【原出願日】2015-05-01
(65)【公開番号】P2021020087
(43)【公開日】2021-02-18
【審査請求日】2020-10-16
(31)【優先権主張番号】14/701,338
(32)【優先日】2015-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】61/987,954
(32)【優先日】2014-05-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】391028362
【氏名又は名称】ダブリュ.エル.ゴア アンド アソシエイツ,インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】W.L. GORE & ASSOCIATES, INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100108903
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 和広
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(72)【発明者】
【氏名】サクシ サンバンダム
【審査官】菊地 康彦
(56)【参考文献】
【文献】特表2003-527939(JP,A)
【文献】特表2005-518863(JP,A)
【文献】特開2004-049806(JP,A)
【文献】特表2009-508641(JP,A)
【文献】特開2013-013715(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0118765(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の細長部材であって、
前記複数の細長部材の第1細長部材を含む、第1末端、第2末端、及び第1末端から第2末端まで伸長している管腔を含む胴部、
前記複数の細長部材の第2細長部材及び第3細長部材を含む、前記胴部の第1末端に結合している第1フランジ部、ここで、前記第1フランジ部は、複数の第1フランジ部材を含む、
前記複数の細長部材の第4細長部材及び第5細長部材を含む、前記胴部の第2末端に結合している第2フランジ部、ここで、前記第2フランジ部は、前記複数の第1フランジ部材から分離した複数の第2フランジ部材を含む、
を形成する複数の細長部材;及び
前記複数の細長部材の少なくとも1部に取り付けられた被覆材であって、前記被覆材の一部が、前記複数の第1フランジ部材が、第1ヒンジ部材の周りの胴部に対して旋回でき、そして、前記複数の第2フランジ部材が、第2ヒンジ部材の周りの胴部に対して旋回できるように、前記胴部の前記第1末端と前記第1フランジ部を柔軟に結合する第1ヒンジ部材、及び前記胴部の前記第2末端と前記第2フランジ部を柔軟に結合する第2ヒンジ部材を形成する、被覆材、
を備える移植可能医療器具。
【請求項2】
前記細長部材が離れた細長部材となるように前記複数の細長部材が互いに分離している、請求項1に記載の移植可能医療器具。
【請求項3】
前記第3細長部材が、前記第1細長部材及び前記第2細長部材から離れるように前記第3細長部材が、前記第1細長部材及び前記第2細長部材から分離している、請求項2に記載の移植可能医療器具。
【請求項4】
前記複数の細長部材が、少なくとも5つの細長部材を含む、請求項2に記載の移植可能医療器具。
【請求項5】
前記胴部が、径方向に収縮可能である、請求項1に記載の移植可能医療器具。
【請求項6】
前記複数の第1フランジ部材が、前記胴部に対する第1投射角度を有し、そして、前記複数の第2フランジ部材が、前記胴部に対する第2投射角度を有し、ここで、前記第2投射角度が前記第1投射角度とは異なる、請求項1に記載の移植可能医療器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は概ね移植可能医療器具に関し、より具体的には吻合を形成するために組織層を接続するための移植可能器具に関する。
【背景技術】
【0002】
吻合は2つの血管又は腸などの組織構造間の交差接続である。例えば、冠動脈バイパス移植術の関連では血液が移植血管を流れることができるようにその移植血管が生来の冠動脈に吻合される。
【0003】
吻合は、端々吻合、端側吻合、及び側々吻合を含むがこれらに限定されない様々な方法で形成され得る。そのような吻合を形成するために縫合を用いることが多い。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の1つの態様は(1)第1末端と第2末端を有する剛性フレームを含む胴部、(2)第1の長さを有する複数の第1フランジ部材と第2の長さを有する複数の第2フランジ部材を含み、前記第1の長さが前記第2の長さよりも小さい第1フランジ部、(3)被覆材を含み、且つ、前記胴部の前記第1末端と前記第1フランジ部を柔軟に結合する第1ヒンジ部材、(4)複数の前記第1フランジ部材及び複数の前記第2フランジ部材を含む第2フランジ部、及び(5)前記被覆材を含む第2ヒンジ部材を含む移植可能医療器具に関する。前記第2ヒンジ部材は前記胴部の前記第2末端と前記第2フランジ部を柔軟に結合する。前記第1フランジ部材は前記第2フランジ部材のものとは異なる形状及び/又は剛性を有し得る。好ましい実施形態では前記第1フランジ部材は80°未満の角度で前記第1及び第2ヒンジ部材から放射状に伸長しており、前記第2フランジ部材は90°未満の角度で前記第1及び第2ヒンジ部材から放射状に伸長している。幾つかの実施形態では前記第1フランジ部は前記第2フランジ部によって加えられる第2並置力と異なる第1並置力を加える。なお、前記第1フランジ部の少なくとも一部と前記第2フランジ部の少なくとも一部は被覆材で被覆され得る。
【0005】
本発明の第2の態様は、(1)第1末端と第2末端を有する剛性フレームを含む胴部、(2)第1の長さを有する複数の第1フランジ部材と第2の長さを有する複数の第2フランジ部材を含む第1フランジ部、(3)被覆材を含み、且つ、前記胴部の前記第1末端と前記第1フランジ部を柔軟に結合する第1ヒンジ部材、(4)第3の長さを有する複数の第3フランジ部材と第4の長さを有する複数の第4フランジ部材を含む第2フランジ部を含む移植可能医療器具に関する。前記第2ヒンジ部材は前記被覆材を含み、且つ、前記胴部の前記第2末端と前記第2フランジ部を柔軟に結合する。なお、好ましい実施形態では前記第1の長さは前記第2の長さ未満であり、前記第3の長さは前記第4の長さ未満である。さらに、前記第1の長さ及び前記第2の長さのうちの少なくとも一方が前記第3の長さ及び前記第4の長さのうちの少なくとも一方と異なる。幾つかの実施形態では前記第1フランジ部材は80°未満の角度で前記第1及び第2ヒンジ部材から放射状に伸長しており、前記第2フランジ部材は90°未満の角度で前記第1及び第2ヒンジ部材から放射状に伸長している。幾つかの実施形態では前記第1及び第2フランジ部材は第1形状を有する第1細長部材を含み、前記第3及び第4フランジ部材は前記第1形状と異なる第2形状を有する第2細長部材を含む。少なくとも1つの実施形態では前記第1細長部材は第1剛性を有し、前記第2細長部材は前記第1剛性と異なる第2剛性を有する。なお、幾つかの実施形態では前記第1フランジ部材は第1並置力を加え、前記第2フランジ部材は第2並置力を加え、前記第3フランジ部材は第3並置力を加え、前記第4フランジ部材は第4並置力を加える。前記第1、第2、第3、及び第4並置力の各々は異なっていてよい。
【0006】
本発明の第3の態様は、(1)第1末端と第2末端を有する剛性フレームを含む胴部、(2)第1投射角度を有する複数の第1フランジ部材と前記第1投射角度と異なる第2投射角度を有する複数の第2フランジ部材を含む第1フランジ部、(3)被覆材を含み、且つ、前記胴部の前記第1末端と前記第1フランジ部を柔軟に結合する第1ヒンジ部材、(4)前記第1投射角度を有する複数の第1フランジ部材と前記第2投射角度を有する複数の第2フランジ部材を含む第2フランジ部、及び(5)前記被覆材を含み、且つ、前記胴部の前記第2末端と前記第2フランジ部を柔軟に結合する第2ヒンジ部材を含む移植可能医療器具に関する。少なくとも1つの好ましい実施形態では前記第1投射角度は約5°と80°の間であり、前記第2投射角度は約10°と90°の間である。前記第1フランジ部材は第1の長さを有し、前記第2フランジ部材は第2の長さを有する。幾つかの実施形態では前記第1の長さは前記第2の長さよりも小さい。幾つかの他の実施形態では前記第1フランジ部材は第1形状を有する第1細長部材を含み、前記第2フランジ部材は前記第1形状と異なる第2形状を有する第2細長部材を含む。なお、前記第1細長部材は前記第2細長部材の剛性と異なる剛性を有してよい。少なくとも1つの実施形態では前記胴部は第1剛性を有する細長部材を含み、前記第1及び第2フランジ部はそれぞれ前記第1剛性と異なる第2剛性を有する1つ以上の細長部材を含む。追加の実施形態では前記第1フランジ部は第1並置力を加え、前記第2フランジ部は前記第1並置力と異なる第2並置力を加える。さらに、前記第1フランジ部材は第3並置力を加え、前記第2フランジ部材は前記第3並置力と異なる第4並置力を加える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
添付図面は本開示の理解を深めるために含まれており、本明細書の中に組み込まれ、且つ、本明細書の一部を構成し、本開示の実施形態を例示し、且つ、本明細書と共に本開示の原理の説明に役立つ。
【0008】
図1】幾つかの実施形態に従う患者の胆嚢と腸との間のシャントであるその患者内に移植されている例となる吻合器の断面透視図である。
図2】幾つかの実施形態に従う別の例となる吻合器の透視図である。
図3】幾つかの実施形態に従う別の例となる吻合器の透視図である。
図4A】幾つかの実施形態に従う別の例となる吻合器の透視図である。
図4B図4Aの吻合器の分解立体図である。
図5】幾つかの実施形態に従う別の例となる吻合器の分解立体図である。
図6】幾つかの実施形態に従う別の例となる吻合器の透視図である。
図7】幾つかの実施形態に従う別の例となる吻合器の透視図である。
図8】幾つかの実施形態に従う別の例となる吻合器の透視図である。
図9】幾つかの実施形態に従う別の例となる吻合器の透視図である。
図10】幾つかの実施形態に従う別の例となる吻合器の透視図である。
図11】幾つかの実施形態に従う別の例となる吻合器の透視図である。
図12】幾つかの実施形態に従う別の例となる吻合器の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
当業者は意図する機能を実行するように構成されているあらゆる数の方法と装置によって本開示の様々な態様が実現され得ることを容易に理解する。本明細書において参照される添付図面は必ずしも実寸で描かれておらず、本開示の様々な態様を例示するために誇張されている場合があり得、その点でそれらの図面は限定的なものと解釈されるべきではないことも留意すべきである。
【0010】
本発明は、組織構造間に直通流路を作製して(例えば、胆嚢と胃腸管の一部を接続して)それらの間での物質の流通を容易にする吻合を作製することなどによって例えば導管閉塞又は臓器閉塞を回避するように組織層を接続するための移植可能器具に関する。本明細書に記載されるそれらの器具はカテーテルを介して内視鏡下で配置又は送達可能であり得、且つ、それら組織構造間の確実な接続を容易にする自己拡張性並置機構を含み得る(そのような接続は本明細書において「シャント」、「連絡通路」、「シャント通路」、又は「トンネル」とも呼ばれ得る)。そのような意匠性は移植を簡単にし、且つ、合併症の可能性を低下させる。幾つかの実施形態では本明細書において提供されるそれらの器具は移植後に除去可能であるように構成されている。一例として、その器具が移植され、胆嚢及び/又はその付属管が閉塞から解放されるまでその場に留まり、その後でその器具が除去される。別の例では、身体がその器具の周りで組織吻合体を増殖させるまでその器具は移植されたままにされ、その後でその器具が除去される。他の実施形態ではその器具の中への、及び/又はその器具の周りでの組織内殖によってその器具が恒久的に移植され、その器具は除去されない。本明細書に記載されるそれらの器具は他の種類の治療法(例えば、胆嚢摘出術)の適切な候補ではない患者のための、及び/又は他の種類の治療法(例えば、外胆汁瘻造設術)の既知の合併症を回避するための代替的治療法を提供し得る。
【0011】
本開示は例となる様式の吻合器に言及する。すなわち、本文書において開示される本発明の構想は他の種類の器具にも適用可能であることを理解するべきである。例えば、本開示は幾つかの実施形態では組織構造、臓器、身体導管、血管、GI管等を閉塞するために使用され得る移植可能器具も提供する。例えば、幾つかの実施形態では本明細書において提供される前記器具を使用して中隔欠損を閉塞することができる。幾つかの実施形態では本明細書において提供されるそれらの器具を使用して患者の血管又はGI管を閉塞することができる。幾つかのそのような実施形態ではそれらの器具はその器具を通るトンネルを含まない。むしろ、幾つかの実施形態では被覆材がその器具を密封して物質がその器具を通って流れることを抑制する、調節する、又は実質的に防止する。
【0012】
図1を参照すると、本明細書において提供される幾つかの実施形態に従う例となる吻合器40を患者に移植して2つの臓器、空間、組織構造、導管等、及びそれらの組合せの間で流体接続を形成することができる。例えば、図示されている実施態様では吻合器40は(内部胆嚢空間12を規定する)胆嚢10を(内部腸空間22を規定する)腸20と接続している。したがって、吻合器40は内部胆嚢空間12と内部腸空間22との間の流体シャント器具として機能している。そのような実施態様は、例えば、流通閉塞が内部胆嚢空間12と内部腸空間22を接続する生来の解剖学的導管内に存在するときにその患者に有益な治療法を提供することができる。例えば、幾つかの例ではその患者はその患者の胆嚢管14及び/又は総胆管16の閉塞の原因となる1個以上の胆石を有することがあり得る。そのような場合では吻合器40は胆嚢10からの胆汁が腸20へ流れ得るように流体流路を提供することができる。吻合器40が存在しない場合、胆嚢10からの胆汁の流出が阻止されると胆嚢炎(胆嚢10の炎症)が生じ得る。
【0013】
本明細書において提供される前記吻合器は上記のように胆嚢炎を軽減又は防止するための幾つかの態様において使用され得るが、本明細書において提供される前記吻合器は患者内の他の多くの種類の実施態様においても使用され得ることを理解すべきである。例えば、本明細書において提供される前記吻合器は、限定されないが、胃、結腸、小腸、膵臓、血管、膀胱、腎臓、導管等のような様々な体組織構造及び臓器との関連で使用され得る。
【0014】
概して、本明細書において提供される前記吻合器の幾つかの実施形態(それらのうち、吻合器40は一例である)は第1組織フランジ部42a、第2組織フランジ部42b、及びそれらの間の胴部44を含む。その胴部44は吻合器40の第1末端からその器具40の第2末端まで長手方向に伸長している管腔46を規定する。その管腔46は内部胆嚢空間12が吻合器40を介して内部腸空間22と流体連通するように内部胆嚢空間12と内部腸空間22との間の接続(例えばシャント通路)として機能する。
【0015】
図2を参照すると、胴部306又はここに記載されるあらゆる胴部で互換可能であり得る中央部、第1フランジ部302、及び第2フランジ部304を有する吻合器300が示されている。幾つかの実施形態では器具300又はそのあらゆる部分の骨組みはスプリング線材(例えば、L605鋼又はステンレス鋼)、形状記憶合金線材(例えば、ニチノール又はニチノール合金)、超弾性合金線材(例えば、ニチノール又はニチノール合金)、他の適切な種類の線材、又はそれらの組合せなどの細長要素を備え得る。器具300の図示されている実施形態ではその骨組みは例えば巻き上げによって形成される細長要素から構成される。幾つかの実施形態では様々な種類の線材が前記器具300の様々な位置で使用される。あるいは、器具300又はその部分は細長要素骨組み構造を所望通りに作製するために切断される同一の前駆材料から形成され得る。幾つかの実施形態では器具300は1種類以上の巻き線材及び1種類以上の切断材料部分の組合せから形成され得る。幾つかの実施形態では前記器具300又はその部分は高分子材料から構成され得る。前記器具300は本明細書に記載されるように被覆材212を伴って示されている。
【0016】
第1フランジ部302及び第2フランジ部304はそれらの間に一層以上の組織を噛み合わせ、且つ、それらの組織面に対して並置力を加えるように構成される。第1及び第2フランジ部302及び304によって加えられる並置力は前記器具300のその組織への付着を促進し、且つ、前記器具300が所望通りに患者内の標的部位に確実に配置されたままでいられるように変位耐性を与えることができる。
【0017】
第1フランジ部302及び第2フランジ部304(本明細書において並置部、フランジ等とも呼ばれる)はそれぞれ1つ以上のフランジ部材308及び310(本明細書において固定部材、並置部材、フィン等とも呼ばれる)を含み得る。フランジ部材308及び310は多種多様な構成(例えば、長さ、幅、外形、角度等)を有し得る。幾つかの実施形態では2つ以上のフランジ部材が同じ構成を有する。幾つかの実施形態ではそれらのフランジ部材の各々が同じ構成を有する。
【0018】
吻合器300は、フランジ部材308及び310が前記器具300の長手方向の軸線と実質的に平行に延伸するように骨組みが直径方向に押し倒されており、且つ、長手方向に延伸している収縮低プロファイル送達構成で構成され得る。展開構成又は拡張構成ではフランジ部材308及び310は胴部306から伸長している。前記器具300は、例えば、有益な疲労抵抗及び弾性特性を示し得る。幾つかの実施形態では前記器具300の材料によってそれらの吻合器を経カテーテル送達又は内視鏡/胸腔鏡送達用の管腔内に封じ込めるために弾力的に押しつぶし、折り重ね、及び/又は折り畳んで低プロファイル構成にすることを可能にし、且つ、前記器具が一旦体内の所望の標的部位に配置され、その管腔から配置されると自己拡張して作動サイズ及び作動構成になることを可能にする。
【0019】
幾つかの実施形態ではフランジ部材308及び310の長さはアクセスが行われる基部又は孔での充分な並置力と移動抵抗力の両方を加えるために互いに対して異なっている。例えば、示されているフランジ部材308はフランジ部材310よりも概ね長い。この構成によって吻合を形成するための組織のしっかりとした持続的な並置が容易になる。幾つかの実施形態では様々な長さのフランジ部材308及び310が周方向の軸線に沿って交互に入れ替えられる、互い違いにされる、又は入れ子状にされる。幾つかの実施形態では各フランジ部302及び/又は304内のフランジ部材308及び310は長さが均一である。
【0020】
幾つかの実施形態ではフランジ部材308及び310の長さは前記器具300が移植される予定の組織構造のサイズに基づいて選択される。例えば、第1身体導管が第2身体導管よりも小さい形状を概ね含む場合、異なるフランジ長が有利であり得る。この例では小さい身体導管に入り込むフランジ部ほど短い長さを有するフランジを含み、一方で長いフランジほど大きい身体導管内に残る。フランジ長が短いほど小さい身体導管にぴったりと適合して吻合器に必要な充分な接触を確保し、一方でより長いフランジは前記器具を所定の位置に保持するのに役立つ移動抵抗力を与える。幾つかの実施形態ではそれらの短いフランジ及び長いフランジはそのフランジ部に基づいて互い違いにされている、入れ子状にされている、又は分けられている。
【0021】
吻合器300(及び吻合器300の意匠性を共有する他の実施形態)は次の利点を示し得る。長さが異なるフランジ部材308及び310を有することで様々な標的位置又はゾーンで並置を提供することができる。1つ以上のそのような特定の並置ゾーンを有することで前記器具管腔を通過する液体又は他の内容物の漏出を最小限にする、又は排除することができる。相互に独立して移動する離散したフランジ部材308及び310意匠によって組織形状とのより良い組織/フィン整合性が生じる。特に疾患組織床において使用されるときにより良い整合性によって組織損傷を最小限にすることができる。フランジ部材308及び310のその屈曲性離散意匠は前記器具300の管腔と平行にフランジ部材308及び310を折り重ねることによる器具300の除去を容易にし得る。フランジ部材308及び310意匠のこの屈曲性は器具除去時に組織損傷を少なくし得る、又は最小限にし得る。複数のフランジ部材308及び310と胴部306の上にある短い非重複性正弦支柱によって前記器具300が整合可能になる。この整合性は内視鏡ワーキングチャネルを介したカテーテルの簡単な追跡に役立つ。その短い正弦パターンは長手方向の整合性を提供しつつ、外部組織力による前記器具300の径方向の圧縮を防ぐための適切な径方向強度を提供する。
【0022】
吻合器300は1つ以上の細長部材、幾つかの実施形態では線材などの細長部材から形成され得る。幾つかの実施形態では吻合器300は複数の別々の細長部材を含み得る。例えば、吻合器300は細長部材312、314、316、318、及び320を含むものとして図2に例示されている。細長部材312及び314は第1フランジ部302の部分を形成することができ、細長部材312は第1フランジ部302のフランジ部材308を形成し、細長部材314は第1フランジ部302のフランジ部材310を形成する。細長部材316は胴部306又は中央部の剛性フレームの部分を形成することができる。細長部材318及び320は第2フランジ部304の部分を形成することができ、細長部材318は第2フランジ部304のフランジ部材308を形成し、細長部材320は第2フランジ部304のフランジ部材310を形成する。細長部材312、314、316、318、及び320の各々は別々の細長部材であり得、被覆材212によって接続される。フランジ部材308及び310は被覆材212に取り付けられてヒンジ部材322を形成することができ、フランジ部材308及び310が胴部306に対して旋回し、且つ、細長部材316に対して旋回することを可能にする。フランジ部材308及び310が曲がるとヒンジ部材322も曲がり、ヒンジ部材322の回転によってフランジ部材308及び310の旋回運動が生じる。旋回可能であるように被覆材212の中又は上に取り付けられるヒンジ部材322を形成するために細長部材312、314、318、及び320の近位末端が被覆材212の中にある。幾つかの実施形態では吻合器300は胴部306からヒンジ部材322を通ってフランジ部302及び304まで延びる非剛性線材で形成され得る。幾つかの実施形態ではヒンジ部材322は1つ以上の細長部材316を有する胴部306の部分よりも柔軟で、且つ、剛性が低いことがあり得る。幾つかの実施形態ではヒンジ部材322はヒンジ部材322の部分として線材材料を全く含まない被覆材212から形成され得る。
【0023】
幾つかの実施形態では吻合器300は5つの別々の細長部材を含み得る。例えば、2つの細長部材が細長部材312及び314のように第1フランジ部302を構成することができ、2つの細長部材が細長部材318及び320のように第2フランジ部304を構成することができ、1つの細長部材が細長部材316のように胴部306を構成することができる。5つの別々の細長要素を使用することで比較的に強い骨組み構造を可能にすることができ、一方で本明細書に記載されるようなヒンジ部材322をめぐる第1及び第2フランジ部302及び304の相対的運動を可能にすることもできる。
【0024】
幾つかの実施形態では吻合器300は3つの別々の細長部材を含み得る。例えば、1つの細長部材が細長部材312のように第1フランジ部302を構成することができ、1つの細長部材が細長部材318のように第2フランジ部304を構成することができ、1つの細長部材が胴部306を構成することができる。幾つかの実施形態では細長部材の数は用途にとって適切であるように変更され得る。
【0025】
幾つかの実施形態では吻合器300は胴部306の剛性フレームを形成する細長部材316を含み得る。第1フランジ部302は第1の長さを有する複数のフランジ部材310と第2の長さを有する複数のフランジ部材308を含むことができ、その第1の長さはその第2の長さよりも小さい。第1ヒンジ部材322は被覆材212を含み、胴部306の第1末端と第1フランジ部302を柔軟に結合する。第2フランジ部302は複数のフランジ部材310と複数のフランジ部材308を含み得る。第2ヒンジ部材322は被覆材212を含み、胴部306の第2末端と第2フランジ部304を柔軟に結合する。
【0026】
幾つかの実施形態では互いに対して異なる長さを有するフランジ部材308及び310を形成することによって吻合器300は特定の用途に適したその強度を有することが可能になる。幾つかの実施形態ではフランジ部材308及び/又は310の長さを増やしてより広い面積にわたって力を分布させ、且つ、より小さい局部力を加えることができる。幾つかの実施形態ではフランジ部材308及び/又は310の長さを短くしてより狭い面積にわたって力を分布させ、且つ、より大きな局部力を加えることができる。幾つかの実施形態ではフランジ部材308の長さを増やしてより広い面積にわたって力を分布させ、且つ、より小さい局部力を加えることができ、一方でフランジ部材310の長さを短くしてより狭い面積にわたって力を分布させ、且つ、より大きな局部力を加えることができる。
【0027】
幾つかの実施形態では吻合器300は中心線軸線に関して実質的に対称的であり得る。幾つかの実施形態では吻合器300は対称的である必要が無く、むしろ特定のフランジ部材308及び/又は310の長さを所与の用途にとって適切であるように増減させて一つの位置で局部力を増加させ、且つ、別の位置で局部力を減少させることができる。これによって吻合器300を特定の力分布から利益を得る疾患組織に関する用途などの特定の用途に適合させることが可能になり得る。疾患組織に関する用途では、吻合器300は細長フランジ部材308を使用することなどによってその疾患組織の領域に減少した力を加えるようにデザインされ得る。幾つかの実施形態では第1フランジ部302のフランジ部材308及び310は第2フランジ部304のフランジ部材308及び310によって加えられる並置力の位置と異なる組織層上の位置に力を加えることができる。
【0028】
幾つかの実施形態では力分布を変えるために長さに加えてフランジ部材308及び310に関する他の可変項目が変更され得る。例えば、フランジ部材308及び310のうちの1つ、幾つか、又は全ての部材の線径が増加又は減少し得る。その他の例として、フランジ部材308及び310のうちの1つ、幾つか、又は全ての部材の投射角度が増加又は減少し得る。その他の例として、フランジ部材308及び310のうちの1つ、幾つか、又は全ての部材の数が増加又は減少し得る。その他の例として、フランジ部材308及び310のうちの1つ、幾つか、又は全ての部材の材料剛性が増加又は減少し得る。これらの可変項目のうちの1つ以上がフランジ部302及び304の力分布を変えるために長さの変更に加えて、又はそれに代わって1つ以上のフランジ部材308及び310において変更され得る。
【0029】
幾つかの実施形態ではフランジ部材308は約10~15ミリメートルの長さを有する。幾つかの実施形態ではフランジ部材310は約5~10ミリメートルの長さを有する。幾つかの実施形態では胴部306はその第1末端からその第2末端まで約5~15ミリメートルの胴長を有し、約10~25ミリメートルの胴直径を有する。幾つかの実施形態では細長部材312、314、316、318、及び320は約0.008インチ(0.02032センチメートル)~0.012インチ(0.03048センチメートル)の間の直径を有し得る。幾つかの実施形態では寸法は用途にとって適切であるように変更され得る。
【0030】
幾つかの実施形態では吻合器300は第1末端と第2末端を有する剛性フレームを含む胴部306を含み得る。第1フランジ部302は第1の長さを有する複数のフランジ部材308と第2の長さを有する複数フランジ部材310を含み得る。ヒンジ部材322のうちの1つは被覆材212を含むことができ、且つ、胴部306の第1末端と第1フランジ部302を柔軟に結合することができる。第2フランジ部304は第3の長さを有する複数のフランジ部材308と第4の長さを有する複数のフランジ部材310を含み得る。別のヒンジ部材322は胴部306の第2末端と第2フランジ部304を柔軟に結合することができる。前記第1の長さは前記第2の長さ未満であり得る。前記第1の長さ及び前記第2の長さのうちの少なくとも一方が前記第3の長さ及び前記第4の長さのうちの少なくとも一方と異なり得る。幾つかの実施形態では前記第1の長さと前記第2の長さの両方が前記第3の長さ及び前記第4の長さのうちの少なくとも一方と異なり得る。幾つかの実施形態では前記第1の長さと前記第2の長さの両方が前記第3の長さと前記第4の長さの両方と異なり得る。
【0031】
幾つかの実施形態では吻合器300は剛性骨組みを有し、且つ、第1末端及び第2末端を有する胴部306を含む。第1フランジ部302は第1投射角度を有する複数のフランジ部材308と第2投射角度を有する複数フランジ部材310を含み得る。ヒンジ部材322のうちの1つは被覆材212を含むことができ、且つ、胴部306の第1末端と第1フランジ部302を柔軟に結合することができる。第2フランジ部304は前記第1投射角度を有する複数のフランジ部材308と前記第2投射角度を有する複数フランジ部材310を含み得る。別のヒンジ部材322は胴部306の第2末端と第2フランジ部304を柔軟に結合することができる。幾つかの実施形態では前記第1投射角度は前記第2投射角度と異なる。幾つかの実施形態では前記第1投射角度は前記第2投射角度と同じである。
【0032】
幾つかの実施形態ではフランジ部材308及び310は弛緩状態で90°未満である角度で胴部306から伸長し得る。幾つかの実施形態ではフランジ部材308は弛緩状態で約0°と約90°の間の角度で胴部306から伸長し得る。幾つかの実施形態ではフランジ部材310は弛緩状態で約5°と約80°の間の角度で胴部306から伸長し得る。幾つかの実施形態ではフランジ部材308は弛緩状態で約30°の角度で胴部306から伸長し得る。幾つかの実施形態ではフランジ部材310は弛緩状態で約10°の角度で胴部306から伸長し得る。幾つかの実施形態では寸法及び形状は特定の用途にとって適切であるように変更され得る。
【0033】
幾つかの実施形態では被覆材212はフランジ部302及び304並びに胴部306の全体をはじめとする前記器具300の実質的に全体を被覆し得る。幾つかの実施形態では被覆材212は前記器具300の全体に満たない部分を被覆し得る。幾つかの実施形態では被覆材212は前記器具300を被覆する単一のシート材によって形成され得る。他の実施形態では被覆材212は複数の別々のシート材によって形成され得る。例えば、幾つかの実施形態では被覆材212はフランジ部302のフランジ部材308を被覆する第1シート材とフランジ部302のフランジ部材310を被覆する第2シート材を含み得る。幾つかの実施形態では前記第2シート材は第1フランジ部材308を被覆しない。幾つかの実施形態では被覆材212は胴部306を被覆する第3シート材、フランジ部304のフランジ部材308を被覆する第4シート材、及びフランジ部304のフランジ部材310を被覆する第5シート材も有し得る。これによってフランジ部302又は304のうちの所与の1つにおけるそれぞれの長さのフランジ部材308及び310について異なる被覆材212を有する意匠が可能になり得る。
【0034】
本明細書において提供される前記器具の細長要素の適切な材料には形状記憶特性、弾性特性、及び超弾性特性を示す合金をはじめとする様々な金属材料が含まれる。形状記憶はある材料が臨界温度の上まで加熱されて塑性変形した後に最初に記憶した形状に戻るその材料の能力を指す。弾性はある材料が負荷をかけられて変形し、その負荷がはずされたときにその最初の形状に戻るその材料の能力である。最大でわずかに歪むまで弾力的に変形する金属がほとんどである。超弾性はある材料が負荷をかけられて通常の弾性合金よりもかなり大きな程度にまで変形するが、この変形を恒久的にすることがないその材料の能力を指す。例えば、本明細書において提供される幾つかの吻合器実施形態のフレームに含まれる超弾性材料はかなりの程度の屈曲に耐えることができ、その後で変形することなくそのフレームの最初の形状に戻ることができる。幾つかの実施形態では適切な弾性材料には高いばね反応性をもたらすために物理的、化学的、及びその他なんらかの処理を施されている様々なステンレス鋼、コバルトクロム合金(例えばELGILOY(商標)、MP35N、L605)などの合金、プラチナ/タングステン合金が含まれる。形状記憶超弾性合金の実施形態にはNiTi合金、NiTiPt、NiTiCo、NiTiCrなどの三元形状記憶合金、又は銅系形状記憶合金などの他の形状記憶合金が含まれる。その他の材料は、外層がニチノールから構成されており、内核がプラチナ又はタンタルなどの放射線不透過性材料であるドローン・フィルド・チューブのように形状記憶合金と弾性合金の両方を組み合わせることができる。この構成物では外層が超弾性特性を提供し、内核はそれより低い曲げ応力のために弾性のままである。
【0035】
幾つかの実施形態では本明細書において提供される前記器具を構成するために使用される前記細長要素はX線造影の向上のためにそれらの器具の放射線不透過性を上昇させる様々な方法で処理され得る。幾つかの実施形態ではそれらの器具は少なくとも部分的には核に放射線不透過性が上昇した材料のような異なる材料を含むドローン・フィル・タイプのNiTiである。幾つかの実施形態ではそれらの器具は第1フランジ部、第2フランジ部、及び胴部の少なくとも一部の上に放射線不透過性被覆又は鍍金を含む。幾つかの実施形態では1つ以上の放射線不透過性マーカーがそれらの器具に取り付けられる。幾つかの実施形態では本明細書において提供される前記器具の細長要素及び/又は他の部分は超音波によっても見ることができる。
【0036】
幾つかの実施形態では第1フランジ部302、第2フランジ部304、及び胴部306はチューブを切断することによって構成される相互接続された細長要素からできた骨組みを備え得る。1つのそのような実施形態では金属材料(例えば、ニチノール、ステンレス鋼、コバルト等)のチューブをレーザー切断することができ、その後でそのチューブを展延し、所望の構成に成形する。幾つかのそのような実施形態ではその金属材料はその材料が形状記憶を受容し、それによってその材料が自然と所望の構成を実現しようとするように所望の構成に加熱成形される。幾つかの実施形態ではニチノールなどの形状記憶材料は体温に曝されると所望の構成を実現しようとし得る。
【0037】
下でさらに説明されるように、被覆材212は第1フランジ部302、第2フランジ部304、及び/又は胴部306のある部分又は全体の上に配置され得る。幾つかの実施形態では被覆材212を含まないままでいることができる第1フランジ部302、第2フランジ部304、及び/又は胴部306の部分がある。
【0038】
幾つかの実施形態では吻合器300(及び本明細書において提供される他の吻合器実施形態)の材料と構成によってそれらの器具を経カテーテル送達又は内視鏡/胸腔鏡送達用の管腔内に封じ込めるために弾力的に押しつぶし、折り重ね、及び/又は折り畳んで低プロファイル送達構成にすることを可能にし、且つ、前記器具が一旦体内の所望の標的部位に配置され、その管腔から配置されると自己拡張して作動サイズ及び作動構成になることを可能にする。例えば、吻合器300は、複数の支柱308が押されて胴部306の軸線と実質的に平行に延伸するようにそれらの支柱が径方向に圧縮されており、且つ、胴部306の直径も小さくなるように押しつぶされている収縮送達構成で構成され得る。そのような材料及び構造を使用することで前記器具300は、例えば、有益な疲労抵抗及び弾性特性も示し得る。
【0039】
配置後に複数の支柱308が所望のレベルの並置圧力を組織に働かせるために径方向及び放射状に胴部306から伸長している。幾つかの実施形態では複数の支柱308はそれらの支柱308と前記器具300の長手方向の軸線との間の角度の名目測定値が約100°、又は約90°、又は約80°、又は約70°、又は約60°、又は約50°、又は約40°、又は約30°、又は約20°、又は約10°等であるように胴部306から伸長している。幾つかの実施形態では複数の支柱308はそれらの支柱308と前記器具300の長手方向の軸線との間の角度の名目測定値が約80°から約100°まで、又は約70°から約90°まで、又は約80°から約80°まで、又は約50°から約70°まで、又は約40°から約60°まで、又は約30°から約50°まで、又は約20°から約40°まで、又は約10°から約30°までの範囲にあるように胴部306から伸長している。
【0040】
フランジ部材308及び310は形状記憶金属材料及び超弾性合金を含むがこれらに限定されない様々な材料を含み得る。したがって、フランジ部材308及び310は、例えば所定の角度に自己拡張することをはじめとして、拡張展開構成に自己拡張するように構成され得る。
【0041】
胴部306が展開構成又は拡張構成で示されている。幾つかの実施形態では胴部306は上で説明されたように様々な形状記憶金属材料及び超弾性合金を含み得る。したがって、胴部306は展開構成に自己拡張するように構成され得る。幾つかの実施形態では胴部306は展開構成にバルーン拡張可能であり、又はバルーン膨張によって補助拡張力を自己拡張性器具に加えることができる。胴部306の直径は吻合器300の使用目的及び/又は送達系に適合するようにあらゆる所望通りのサイズにされ得る。例えば、その低プロファイル送達構成では吻合器300は約15フレンチ(5mm)の外径を有する送達シース内に配置され得る。しかしながら、幾つかの実施形態では15フレンチよりも小さいシース又は大きいシースを使用することができる。例えば、幾つかの実施形態では6フレンチ、7フレンチ、8フレンチ、9フレンチ、10フレンチ、11フレンチ、12フレンチ、13フレンチ、14フレンチ、16フレンチ、17フレンチ、18フレンチ、19フレンチ、20フレンチの外径、及び20フレンチよりも大きな外径を有するシースを使用することができる。吻合器300が示されているようにその拡張展開構成に構成されているとき、胴部306の直径は展開直径まで増加する。幾つかの実施態様では胴部306の展開した外径は、胴部306が存在する組織開口部との締まりばめを介して前記器具300を少なくとも部分的に固定するように構成されている。しかしながら、幾つかの実施態様では胴部306の展開した外径は胴部306が存在する組織開口部の直径よりもやや小さく、フランジ部302及び304がその組織を押しつけて移動抵抗を与える。幾つかの実施形態では胴部306の完全に拡張した直径は約30mm、又は約25mm、又は約20mm、又は約15mm、又は約12mm、又は約10mm、又は約8mm、又は約6mm、又は約4mm等である。幾つかの実施形態では胴部306の完全に拡張した直径は約20mmから約30mmの間、又は約15mmから約25mmの間、又は約10mmから約20mmの間、又は約5mmから約15mmの間、又は約4mmから約8mmの間等の範囲内である。
【0042】
吻合器300は被覆材212も含む。幾つかの実施形態では被覆材212が第1フランジ部302、第2フランジ部304、及び胴部306の少なくともある部分の上に(又は全体の上に)配置される。幾つかの実施形態では第1フランジ部302、第2フランジ部304、及び/又は胴部306のある部分は被覆材212によって被覆されていない。
【0043】
幾つかの実施形態では被覆材212は概ね液体非透過性である。すなわち、幾つかの実施形態では被覆材212は血液、胆汁、及び/又は他の体液及び生体物質がその被覆材212自体を通過することを抑制又は減少させる材料から作製され得る。幾つかの実施形態では被覆材212はその被覆材212内への組織内殖及び/又は内皮形成又は上皮形成を抑制又は防止する材料組成及び構成を有する。組織内殖及び/又は内皮形成を抑制又は防止するように構成されている幾つかのそのような実施形態は将来の日に患者から取り除かれることが望まれた場合により簡単にそうすることができる。幾つかの実施形態では被覆材212又はその部分は吻合器300の耐久性密封及び/又は補助固定力に適した組織内殖スキャフォルドを提供する微細孔質構造を有する。
【0044】
幾つかの実施形態では被覆材212は延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)ポリマー又はポリビニリデンジフルオリド(PVDF)ポリマーなどのフルオロポリマーを含む。幾つかの実施形態では被覆材212はポリエステル、シリコーン、ウレタン、別の生体適合性重合体、ポリエチレンテレフタラート(例えばダクロン(登録商標))、生体吸収性材料、共重合体、又はそれらの組合せ及び部分組合せを含む。幾つかの実施形態では被覆材212は生体吸収性織布を含む。幾つかの実施形態では前記生体吸収性材料はその生体吸収性材料が吸収されるまで前記器具300と組織との間の付着を促進することによって移動抵抗を与えてもよい。
【0045】
幾つかの実施形態では被覆材212(又はその部分)はその材料212の1つ以上の特性を向上させる1つ以上の化学的処理又は物理的処理によって修飾されている。例えば、幾つかの実施形態ではその材料212の濡れやすさ及びエコー半透過性を改善するために被覆材212に親水性被覆を用いてよい。幾つかの実施形態では被覆材212又はその部分は内皮細胞付着、内皮細胞移動、内皮細胞増殖、及び血栓症耐性又は血栓症促進のうちの1つ以上を促進する化学部分で修飾されてよい。幾つかの実施形態では被覆材212又はその部分は生物汚損に耐えるように修飾され得る。幾つかの実施形態では被覆材212又はその部分は1種類以上の共有結合した原薬(例えばヘパリン、抗生物質等)で修飾されるか、又は1種類以上の原薬で飽和されてよい。それらの原薬はその場で放出されて治癒を促進し、組織炎症を軽減し、感染症を軽減又は抑制し、且つ、他の様々な治療処置及び治療成果を促進することができる。幾つかの実施形態ではその原薬は、幾つかの実施形態を挙げると、コルチコステロイド、ヒト成長因子、抗有糸分裂剤、抗血栓剤、幹細胞材料、又はリン酸デキサメタゾンナトリウムである。幾つかの実施形態では組織治癒又は組織成長を促進するために被覆材212とは別個に薬物が標的部位に送達されてよい。
【0046】
被覆材212が吻合器300の骨組みの上に取り付けられる、又は配置される前又は後で被覆及び処理がその被覆材212に加えられる。なお、被覆材212の片面又は両面、又はそれらの部分が被覆され得る。幾つかの実施形態ではある特定の被覆及び/又は処理が吻合器300のある部分に位置する被覆材212に加えられ、他の被覆及び/又は処理が吻合器300の他の部分に位置するその材料212に加えられる。幾つかの実施形態では複数の被覆及び/又は処理の組合せが被覆材212又はその部分に加えられる。幾つかの実施形態では被覆材212のある特定の部分が被覆及び/又は処理されずにいる。幾つかの実施形態では前記器具300は、限定されないが、内皮細胞付着、内皮細胞移動、内皮細胞増殖、及び血栓症耐性又は血栓症促進などの生物学的反応を促進又は妨害するために完全又は部分的に被覆される。
【0047】
幾つかの実施形態では被覆材212の第1部分が第1材料から形成され、被覆材212の第2部分がその第1材料とは異なる第2材料から形成される。幾つかの実施形態では被覆材212は複数の層の材料から構成され、それらの材料は同じ材料でも異なる材料でもよい。幾つかの実施形態では被覆材212には吻合器300のインビボX線造影を向上させるためにその被覆材に取り付けられている1つ以上の放射線不透過性マーカーを有するか、又は超音波視認性を向上させるために1か所以上のエコー輝度領域を有する部分がある。
【0048】
幾つかの実施形態では被覆材212の1か所以上の部分が胴部306及び/又はフランジ部302及び304などの前記器具300の骨組みに取り付けられる。その取り付けは、限定されないが、前記器具300の骨組みへの被覆材212の縫い付け、前記器具300の骨組みへの被覆材212の接着、前記器具300の細長部材の部分を取り囲むための複数の層の被覆材212の留め金又は返しを使用する積層、前記器具300の骨組み内の開口部を通した複数の層のその被覆材の積層などの様々な技術によって達成され得る。幾つかの実施形態では被覆材212は一連の離れた位置で前記器具300の骨組みに取り付けられることでその骨組みの屈曲性を高める。幾つかの実施形態では被覆材212は前記器具300の骨組みに緩く取り付けられている。幾つかの実施形態では被覆材212は他のそのような技術又はそのような技術の組合せを用いてその骨組みに取り付けられる。
【0049】
幾つかの実施形態では前記器具300(又はその部分)の骨組みはその骨組みへの被覆材212の付着を促進するために結合剤(例えばフッ素化エチレンプロピレン(FEP)又は他の適切な接着剤)で被覆される。そのような接着剤は接触塗布、粉体塗布、浸漬塗布、スプレー塗布、又は他のあらゆる適切な方法を用いてその骨組みに塗布され得る。
【0050】
図3及び4Aは幾つかの実施形態に従う別の例となる吻合器400の透視図である。第1フランジ部402、第2フランジ部404、胴部406、及び被覆材212を有する吻合器400が示されている。第1フランジ部402及び第2フランジ部404(本明細書においてフランジ部、フランジ等とも呼ばれる)はそれぞれ1つ以上のフランジ部材408及び410(本明細書において固定部材、並置部材、フィン等とも呼ばれる)を含み得る。フランジ部材408及び410は様々な構成(例えば、長さ、幅、外形、角度等)を有し得る。被覆材212はヒンジ部材422を形成することができ、フランジ部材408及び410が胴部406に対して旋回することを可能にする。幾つかの実施形態では吻合器400は吻合器300及び本明細書に記載される他の吻合器に関して記載されるものと同様の特徴及び機能性を有し得る。
【0051】
幾つかの実施形態では図4Aに示されているようにフランジ部材408のうちの1つ以上はその遠位領域に放射線不透過性マーカー424を含み得る。幾つかの実施形態では吻合器400はその吻合器の全てではないが幾つかのフランジ部材の上に放射線不透過性マーカー424を含み得る。例えば、例示されている実施形態では吻合器400はフランジ部材408の遠位領域に放射線不透過性マーカー424を含むが、フランジ部材406のうちのいずれかのフランジ部材の遠位末端では含まない。幾つかの実施形態では放射線不透過性マーカー424の位置は用途にとって適切であるように変更され得る。
【0052】
図4Bは被覆材212が除去されている吻合器400の分解立体図である。その吻合器は細長部材412、414、416、418、及び420を含み得る。例示されている実施形態では吻合器400は5つの別々の細長部材を含む。細長部材412は第1フランジ部402のフランジ部材408を規定する。細長部材414は第1フランジ部402のフランジ部材410を規定する。細長部材416は胴部406の剛性フレームを規定する。細長部材418は第2フランジ部404のフランジ部材408を規定する。細長部材420は第2フランジ部404のフランジ部材410を規定する。2つの細長部材412及び414が第1フランジ部402を支持し、2つの細長部材418及び420が第2フランジ部404を支持し、1つの細長部材416が胴部406を支持する。したがって、別々の細長部材412、414、416、418、及び420は被覆材212と結合して吻合器400を形成することができる。細長部材412、414、416、418、及び420はフランジ部材408がフランジ部材410と交互に入れ替わるように結合することができる。フランジ部材408のヒンジはフランジ部材410と一直線上に整列していてよく、フランジ部材410のヒンジはフランジ部材408と一直線上に整列していてよい。したがって、フランジ部材408及び410の各々は別々にちょうつがいで動き得る。
【0053】
図5は幾つかの実施形態に従う別の例となる吻合器500の分解立体図である。吻合器500はフランジ部材508及び細長部材512、516、及び518を含み得る。例示されている実施形態では吻合器500は3つの別々の細長部材を含む。細長部材512は第1フランジ部のフランジ部材508を規定する。細長部材516は胴部の剛性フレームを規定する。細長部材518は第2フランジ部のフランジ部材508を規定する。吻合器500では1つの細長部材512が前記第1フランジ部を支持し、1つの細長部材518が前記第2フランジ部を支持し、1つの細長部材516が前記胴部を支持する。したがって、別々の細長部材512、516、及び518は被覆材212(図5に示されず)と結合して吻合器500を形成することができる。吻合器500は吻合器300に関して記載されるものと同様又は同一の特徴及び機能性を有する。
【0054】
図6は幾つかの実施形態に従う別の例となる吻合器600の透視図である。第1フランジ部602、第2フランジ部604、胴部606、及び被覆材212を有する吻合器600が示されている。第1フランジ部602及び前記第2フランジ部はそれぞれ1つ以上のフランジ部材608及び610を含み得る。フランジ部材608及び610は様々な構成(例えば、長さ、幅、外形、角度等)を有し得る。被覆材212はヒンジ部材622を形成することができ、フランジ部材608及び610が胴部606に対して旋回することを可能にする。幾つかの実施形態では被覆材212は必ずしもフランジ部材708の全てを被覆しない。吻合器600は吻合器300に関して記載されるものと同様又は同一の特徴及び機能性を有する。
【0055】
図7は幾つかの実施形態に従う別の例となる吻合器の透視図である。第1フランジ部702、第2フランジ部704、胴部706、及び被覆材212を有する吻合器700が示されている。第1フランジ部702及び前記第2フランジ部はそれぞれ1つ以上のフランジ部材708を含み得る。フランジ部材708は様々な構成(例えば、長さ、幅、外形、角度等)を有し得る。被覆材212はヒンジ部材722を形成することができ、フランジ部材708が胴部706に対して旋回することを可能にする。幾つかの実施形態では被覆材212は必ずしもフランジ部材708の全てを被覆しない。幾つかの実施形態では吻合器700は長いフランジ部材708と短いフランジ部材708が交互に入れ替わるのではなく、実質的に共通の長さを有するフランジ部材708をフランジ部702と704のそれぞれの周りに含み得る。そのような実施形態のうちの幾つかではフランジ部材708の角度が変更され得る。幾つかの実施形態ではフランジ部材708の長さが変更され得る。例えば、フランジ部材708の長さが対称的又は非対称的に変更され得る。吻合器700は吻合器300に関して記載されるものと同様又は同一の特徴及び機能性を有する。
【0056】
図8は幾つかの実施形態に従う別の例となる吻合器の透視図である。第1フランジ部802、第2フランジ部804、胴部806、及び被覆材212を有する吻合器800が示されている。第1フランジ部802及び前記第2フランジ部はそれぞれ1つ以上のフランジ部材808を含み得る。フランジ部材808は様々な構成(例えば、長さ、幅、外形、角度等)を有し得る。被覆材212はヒンジ部材822を形成することができ、フランジ部材808が胴部806に対して旋回することを可能にする。幾つかの実施形態では吻合器800は長いフランジ部材808と短いフランジ部材808が交互に入れ替わるのではなく、実質的に共通の長さを有するフランジ部材808をフランジ部802と804のそれぞれの周りに含み得る。そのような実施形態のうちの幾つかではフランジ部材808の角度が変更され得る。幾つかの実施形態ではフランジ部材808の長さが上で考察した実施形態と同様にして変更され得る。例えば、フランジ部材808の長さが対称的又は非対称的に変更され得る。吻合器800は吻合器300に関して記載されるものと同様又は同一の特徴及び機能性を有する。
【0057】
図9は幾つかの実施形態に従う別の例となる吻合器の透視図である。第1フランジ部902、第2フランジ部904、胴部906、及び被覆材212を有する吻合器900が示されている。第1フランジ部902及び前記第2フランジ部はそれぞれ1つ以上のフランジ部材908を含み得る。フランジ部材908は様々な構成(例えば、長さ、幅、外形、角度等)を有し得る。幾つかの実施形態では被覆材212は必ずしもフランジ部材908の全てを被覆しない。幾つかの実施形態では吻合器900はフランジ部材908と胴部906との間の接続点での座屈を減少させるため、又は防止するための1つ以上の追加の補強細長部材924を含み得る。補強細長部材924はフランジ部材908による旋回運動を減少させる、又は防止することができ、且つ、胴部906並びにフランジ部902及び904を補強することができる。補強細長部材924は移植後の吻合器900の狭小化を減少させる、又は防止することができる。並置力はフランジ部材908の近位末端でのフランジ部材908の補強細長部材924への接続のためにヒンジ部分に関する実施形態におけるものよりも強いことがあり得る。吻合器900は吻合器300に関して記載されるものと同様又は同一の特徴及び機能性を有し得る。
【0058】
図10は幾つかの実施形態に従う別の例となる吻合器の透視図である。第1フランジ部1002、第2フランジ部1004、胴部1006、及び被覆材212を有する吻合器1000が示されている。第1フランジ部1002及び前記第2フランジ部はそれぞれ1つ以上のフランジ部材1008を含み得る。フランジ部材1008は様々な構成(例えば、長さ、幅、外形、角度等)を有し得る。幾つかの実施形態では吻合器1000は胴部1006の縁に、又はその近くに位置する1つ以上の追加の補強細長部材1024を含み得る。補強細長部材1024はフランジ部材1008による旋回運動を減少させる、又は防止することができ、且つ、胴部1006並びにフランジ部1002及び1004を補強することができる。補強細長部材1024はより直線的な縁を吻合器1000に提供することができ、且つ、移植後の吻合器1000の狭小化を減少させる、又は防止することができる。並置力はヒンジ部分に関する実施形態におけるものよりも強いことがあり得る。幾つかの実施形態では被覆材212は必ずしもフランジ部材1008の全てを被覆しない。吻合器1000は吻合器300に関して記載されるものと同様又は同一の特徴及び機能性を有する。
【0059】
図11は幾つかの実施形態に従う別の例となる吻合器の透視図である。第1フランジ部1102、第2フランジ部1104、胴部1106、及び被覆材212を有する吻合器1100が示されている。第1フランジ部1102及び前記第2フランジ部はそれぞれ1つ以上のフランジ部材1108を含み得る。フランジ部材1108は様々な構成(例えば、長さ、幅、外形、角度等)を有し得る。幾つかの実施形態では被覆材212は必ずしもフランジ部材1108の全てを被覆しない。フランジ部材1108は胴部1106の剛性フレームを形成する1つ以上の細長部材1116に直接的に接続することができる。この接続はフランジ部材1108と胴部1106との間の接続点での座屈を減少させる、又は防止することができる。この接続はフランジ部材1108による旋回運動を減少させる、又は防止することができ、且つ、胴部1106並びにフランジ部1102及び1104を補強することができる。この接続は移植後の吻合器1100の狭小化を減少させる、又は防止することができる。並置力はフランジ部材1108の近位末端でのフランジ部材1108の細長部材1116への接続のためにヒンジ部分に関する実施形態におけるものよりも強いことがあり得る。吻合器1100は吻合器300に関して記載されるものと同様又は同一の特徴及び機能性を有する。
【0060】
図12は幾つかの実施形態に従う別の例となる吻合器1200の側面図である。第1フランジ部1202、胴部1206、及び被覆材212を有する吻合器1200が示されている。第1フランジ部1202はフランジ部材1208及び1210を含む。フランジ部材1208及び1210は様々な構成(例えば、長さ、幅、外形、角度等)を有し得る。図12ではその吻合器はまるで患者の手術部位内にあるかのように展開及び拡張されて示されている。その結果、第2フランジ部(示されず)は図12では覆い隠されている。被覆材212はヒンジ部材1222を形成することができ、フランジ部材1208及び1210が胴部1206に対して図12に示されている展開位置まで旋回することを可能にし得る。吻合器1200は吻合器300に関して記載されるものと同様又は同一の特徴及び機能性を有する。
【0061】
幾つかの実施形態では本明細書において提供される前記器具が心臓弁移植物の密封又は固定に使用され得る。心臓弁移植物は心腔からの血液の一方向だけの流れを可能にし、通常は第1流入端と第2流出端を有する。心臓の収縮によってその流入端から流出端まで弁を介した血液の流れが引き起こされる。その心臓弁移植物内の弁組立品によってその流入端と流出端の間で一方向だけの流れが生じ、血液の圧力が流入端で高いときにその弁組立品が開いてその流入端から流出端までの流れを可能にし、その圧力が流入端よりも流出端で高いときにその弁組立品が閉じて流れを防止する。幾つかの実施形態では前記器具は弁組立品及び逆流防止シールを固定するための並置部と共にその器具を通るトンネル又は中央開口部を含む。弁組立品をそのトンネル又は中央開口部内に取り付けることができる。前記器具の並置部は心腔又は血管の形状によく整合し、且つ、心臓の鼓動に対応するように構成され得る。幾つかの実施形態では被覆材はそれら並置部の周囲での流れを防止する一方でそのトンネル又は開口部内の弁組立品を通る流れを可能にするように構成される。
【0062】
本明細書において提供される前記吻合器の1つ以上の意匠性が本明細書において提供される他の吻合器の他の特徴と組み合わせられ得ることを理解すべきである。実際には本明細書において提供される吻合器意匠のうちの2つ以上に由来する様々な特徴を組み合わせているハイブリッド意匠を作成することができ、それらのハイブリッド意匠は本開示の範囲内である。
【0063】
本願の発明をこれまで一般的にも特定の実施形態に関しても説明してきた。本開示の範囲から逸脱することなく様々な改変及び変更を本実施形態に行い得ることが当業者に明らかである。したがって、本発明の改変と変更が添付されている特許請求項及びそれらの同等物の範囲内に含まれる限り、本実施形態はそれらの改変及び変更を含むものとする。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
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図8
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図10
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図12