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特許7248643温度ドリフトの較正方法、装置、デバイス及び媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-20
(45)【発行日】2023-03-29
(54)【発明の名称】温度ドリフトの較正方法、装置、デバイス及び媒体
(51)【国際特許分類】
   G01P 21/02 20060101AFI20230322BHJP
   G01C 21/28 20060101ALI20230322BHJP
【FI】
G01P21/02
G01C21/28
【請求項の数】 14
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020203390
(22)【出願日】2020-12-08
(65)【公開番号】P2021179420
(43)【公開日】2021-11-18
【審査請求日】2021-07-08
(31)【優先権主張番号】202010408689.7
(32)【優先日】2020-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521208273
【氏名又は名称】阿波▲羅▼智▲聯▼(北京)科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】APOLLO INTELLIGENT CONNECTIVITY(BEIJING)TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】101, 1st Floor, Building 1, Yard 7, Ruihe West 2nd Road, Beijing Economic and Technological Development Zone, Beijing 100176, China
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100218604
【弁理士】
【氏名又は名称】池本 理絵
(72)【発明者】
【氏名】リィー,ピン
(72)【発明者】
【氏名】ヂォゥ,ヂィーパァン
【審査官】森 雅之
(56)【参考文献】
【文献】特開平8-327377(JP,A)
【文献】特開平5-172575(JP,A)
【文献】特開平10-132843(JP,A)
【文献】特許第3857286(JP,B2)
【文献】特開平10-206177(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0329019(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第106403999(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0292943(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第2927641(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01P21
G01C21
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
温度ドリフトの較正方法であって、
慣性測定ユニットによって決定された現点の速度の測定値である第1の速度値と、全地球測位システムによって決定された現点の速度の測定値であ第2の速度値とを取得するステップと、
第1の速度第2の速度との間の差分を決定するステップと
前記慣性測定ユニットの加速度計の静止状態における温度ドリフト較正値を取得するステップと、
次の式に従って、前記慣性測定ユニットの加速度計の現時点での温度ドリフト較正値bias1を決定するステップとを含み、
【数1】
ただし、Delta_vは第1の速度値と第2の速度値との差分であり、aは前記加速度計により出力された現時点での加速度値であり、bias0は前記慣性測定ユニットの加速度計の静止状態における温度ドリフト較正値であり、delta_time1は前記慣性測定ユニットの加速度計に対応する積分計算の時間であり、scale1は予め設定されたスケール値である、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記慣性測定ユニットの加速度計の静止状態における温度ドリフト較正値を決定するステップは、
静止状態における前記慣性測定ユニットの加速度計により出力された第1の予め設定された時間以内の加速度値を取得することと、
前記第1の予め設定された時間以内の加速度値をセグメントに分割し、各セグメントに対応する平均値を計算し、各平均値の中央値を、前記慣性測定ユニットの加速度計の静止状態における温度ドリフトの初期値として決定することと、
それぞれ前記第1の予め設定された時間以内の各時点での加速度値から前記温度ドリフトの初期値を引いて、差を積算して、前記第1の予め設定された時間以内の初期速度値を得ることと、
前記初期速度値に従って前記慣性測定ユニットの加速度計の静止状態における温度ドリフト較正値を決定することと
を含むことを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記初期速度値に従って前記慣性測定ユニットの加速度計の静止状態における温度ドリフト較正値を決定するステップは、
前記初期速度値が0である場合、前記温度ドリフトの初期値を、前記慣性測定ユニットの加速度計の静止状態における温度ドリフト較正値として決定することと、
前記初期速度値が0ではない場合、前記慣性測定ユニットの加速度計の静止状態における温度ドリフト較正値を取得するように、前記温度ドリフトの初期値を補正することと
を含むことを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記初期速度値に従って前記慣性測定ユニットの加速度計の静止状態における温度ドリフト較正値を決定した後、前記方法は、
前記慣性測定ユニットが再び静止状態にある時、前記慣性測定ユニットの加速度計により出力された第2の予め設定された時間以内の加速度値を取得するステップと、
前記第2の予め設定された時間以内の加速度値に従って、前記慣性測定ユニットの加速度計の静止状態における温度ドリフト較正値を更新するステップと
をさらに含むことを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項5】
温度ドリフトの較正方法であって、
慣性測定ユニットによって決定された現時点の姿勢角の測定値である第1の姿勢角と、全地球測位システムによって決定された現時点の姿勢角の測定値である第2の姿勢角とを取得するステップと、
第1の姿勢角と第2の姿勢角との間の差分を決定するステップと、
前記慣性測定ユニットのジャイロスコープの静止状態における温度ドリフト較正値を取得するステップと、
次の式に従って、前記慣性測定ユニットのジャイロスコープの現時点での温度ドリフト較正値bias3を決定するステップを含み、
【数2】
ただし、Delta_yawは第1の姿勢角と第2の姿勢角との差分であり、gは前記ジャイロスコープにより出力された現時点での角速度値であり、bias2は前記慣性測定ユニットのジャイロスコープの静止状態における温度ドリフト較正値であり、delta_time2は前記慣性測定ユニットのジャイロスコープに対応する積分計算の時間であり、scale2は予め設定されたスケール値であることを特徴とする方法。
【請求項6】
前記慣性測定ユニットのジャイロスコープの静止状態における温度ドリフト較正値を決定するステップは、
静止状態における前記慣性測定ユニットのジャイロスコープにより出力された第1の予め設定された時間以内の角速度値を取得することと、
前記第1の予め設定された時間以内の角速度値をセグメントに分割し、各セグメントに対応する平均値を計算し、各平均値の中央値を、前記慣性測定ユニットのジャイロスコープの静止状態における温度ドリフトの初期値として決定することと、
それぞれ前記第1の予め設定された時間以内の各時点での角速度値から前記温度ドリフトの初期値を引いて、差を積算して、前記第1の予め設定された時間以内の初期姿勢角を得ることと、
前記初期姿勢角に従って、前記慣性測定ユニットのジャイロスコープの静止状態における温度ドリフト較正値を決定することと
を含むことを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記初期姿勢角に従って、前記慣性測定ユニットのジャイロスコープの静止状態における温度ドリフト較正値を決定するステップは、
前記姿勢角が0である場合、前記温度ドリフトの初期値を、前記慣性測定ユニットのジャイロスコープの静止状態における温度ドリフト較正値として決定することと、
前記初期姿勢角が0ではない場合、前記温度ドリフトの初期値を補正し、前記慣性測定ユニットのジャイロスコープの静止状態における温度ドリフト較正値を取得することと
を含むことを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記初期姿勢角に従って、前記慣性測定ユニットのジャイロスコープの静止状態における温度ドリフト較正値を決定した後、前記方法は、
前記慣性測定ユニットが再び静止状態にある時、前記慣性測定ユニットのジャイロスコープにより出力された第2の予め設定された時間以内の角速度値を取得するステップと、
前記第2の予め設定された時間以内の角速度値に従って、前記慣性測定ユニットのジャイロスコープの静止状態における温度ドリフト較正値を更新するステップと
をさらに含むことを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記方法は、
前記慣性測定ユニットの温度ドリフト較正値に従って、前記慣性測定ユニットの出力情報を補正し、補正された出力情報とナビゲーション推測航法に基づいて、ナビゲーションデッドレコニングの結果を取得するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
温度ドリフトの較正装置であって、
慣性測定ユニットによって決定された現点の速度の測定値である第1の速度値と、全地球測位システムによって決定された現点の速度の測定値である第2の速度値を取得するための測定値取得モジュールと、
度ドリフト較正値決定モジュールと
を備え
前記温度ドリフト較正値決定モジュールは、前記慣性測定ユニットの加速度計の静止状態における温度ドリフト較正値を取得し、
次の式に従って、前記慣性測定ユニットの加速度計の現時点での温度ドリフト較正値bias1を決定するように構成され、
【数3】
ただし、Delta_vは第1の速度値と第2の速度値との差分であり、aは前記加速度計により出力された現時点での加速度値であり、bias0は前記慣性測定ユニットの加速度計の静止状態における温度ドリフト較正値であり、delta_time1は前記慣性測定ユニットの加速度計に対応する積分計算の時間であり、scale1は予め設定されたスケール値である、
ことを特徴とする較正装置。
【請求項11】
温度ドリフトの較正装置であって、
慣性測定ユニットによって決定された現時点の姿勢角の測定値である第1の姿勢角と、全地球測位システムによって決定された現時点の姿勢角の測定値である第2の姿勢角とを取得するための測定値取得モジュールと、
温度ドリフト較正値決定モジュールと、を備え、
前記温度ドリフト較正値決定モジュールは、
第1の姿勢角と第2の姿勢角との間の差分を決定し、
前記慣性測定ユニットのジャイロスコープの静止状態における温度ドリフト較正値を取得するステップと、次の式に従って、前記慣性測定ユニットのジャイロスコープの現時点での温度ドリフト較正値bias3を決定するように構成され、
【数4】
ただし、Delta_yawは第1の姿勢角と第2の姿勢角との差分であり、gは前記ジャイロスコープにより出力された現時点での角速度値であり、bias2は前記慣性測定ユニットのジャイロスコープの静止状態における温度ドリフト較正値であり、delta_time2は前記慣性測定ユニットのジャイロスコープに対応する積分計算の時間であり、scale2は予め設定されたスケール値である、
ことを特徴とする較正装置。
【請求項12】
電子デバイスであって、
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサと通信可能に接続されたメモリと、を備え、
前記メモリは、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令を記憶し、前記少なくとも1つのプロセッサが請求項1~のいずれか1項に記載の温度ドリフトの較正方法を実行できるように、前記命令が前記少なくとも1つのプロセッサに実行されることを特徴とする電子デバイス。
【請求項13】
コンピュータ命令を記憶する非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記コンピュータ命令は、前記コンピュータに請求項1~のいずれか1項に記載の温度ドリフトの較正方法を実行させることを特徴とする記憶媒体。
【請求項14】
コンピュータプログラムであって、
プロセッサにより実行されると、コンピュータに請求項1~のいずれか1項に記載の温度ドリフトの較正方法を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願の実施例は、コンピュータ技術に関し、具体的には、車載マップ技術に関し、特に温度ドリフトの較正方法、装置、デバイス及び媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
車載マップ技術分野では、走行機器に内蔵された慣性測定ユニットは、最も重要なセンサーの一つであり、いずれのナビゲーション推測航法の実現も慣性測定ユニットに直接依存するために、慣性測定ユニットの性能がナビゲーション推測航法の正確性と信頼性に影響を及ぼす。
【0003】
しかしながら、慣性測定ユニットは、温度の変化による温度ドリフト現象が発生する恐れがあり、温度ドリフトは、温度要因による慣性測定ユニットにおける加速度計とジャイロスコープなどの機械部品により出力された結果値は、温度ドリフトがない場合に対して数値のずれが発生し、それにより、温度ドリフトの発生はナビゲーション推測航法の正確性を低下させる。
【0004】
しかしながら従来の技術では、慣性測定ユニットの現在温度ドリフト値をどのようとして決定するかという具体的な技術的解決手段がない。
【発明の概要】
【0005】
本願の実施例は、温度ドリフトの較正方法、装置、デバイス及び媒体を開示し、リアルタイムで慣性測定ユニットの現在温度ドリフト値を決定するという技術効果を実現する。
【0006】
第1の態様では、本願の実施例は、温度ドリフトの較正方法を開示し、
慣性測定ユニットによって決定された測定対象量の現時点での測定値である第1の測定値と、全地球測位システムによって決定された前記測定対象量の現時点での測定値である第2の測定値とを取得するステップと、
第1の測定値及び第2の測定値に従って、前記慣性測定ユニットの現時点での温度ドリフト較正値を決定するステップと、を含む。
【0007】
上記出願の一実施例は、以下のような利点または有益な効果を有し、慣性測定ユニットによって決定された測定対象量の現時点での測定値を第1の測定値とし、全地球測位システムによって決定された測定対象量の現時点での測定値を第2の測定値とし、最終的に第1の測定値及び第2の測定値に従って、慣性測定ユニットの現時点での温度ドリフト較正値を決定することにより、慣性測定ユニットの現在温度ドリフト較正値をリアルタイムで決定するという技術効果を実現し、後続のナビゲーション推測航法において温度ドリフトを補償することによりナビゲーション結果の正確性を向上させることに、データ基礎を築いた。
【0008】
任意的には、第1の測定値及び第2の測定値に従って、前記慣性測定ユニットの現時点での温度ドリフト較正値を決定するステップは、
第1の測定値と第2の測定値との間の差分を決定することと、
前記慣性測定ユニットの静止状態における温度ドリフト較正値を取得することと、
前記差分及び前記慣性測定ユニットの静止状態における温度ドリフト較正値に従って、前記慣性測定ユニットの現時点での温度ドリフト較正値を決定することと、を含む。
【0009】
上記出願の一実施例は、以下のような利点または有益な効果を有し、第1の測定値と第2の測定値との間の差分、及び慣性測定ユニットの静止状態における温度ドリフト較正値に従って、慣性測定ユニットの現時点での温度ドリフト較正値を決定し、静止状態の時の温度ドリフト較正値の計算が相対的に正確であり、そのため、静止状態の時の温度ドリフト較正値を計算の項とし、最終的に決定される慣性測定ユニットの現時点での温度ドリフト較正値の正確性を向上させる。
【0010】
任意的には、前記測定対象量は速度であり、前記第1の測定値は第1の速度値であり、前記第2の測定値は第2の速度値であり、前記慣性測定ユニットの静止状態における温度ドリフト較正値は前記慣性測定ユニットの加速度計の静止状態における温度ドリフト較正値であり、
それに対応して、前記差分及び前記慣性測定ユニットの静止状態における温度ドリフト較正値に従って、前記慣性測定ユニットの現時点での温度ドリフト較正値を決定するステップは、
第1の速度値と第2の速度値との差分、前記慣性測定ユニットの加速度計の静止状態における温度ドリフト較正値、及び前記加速度計により出力された現時点での加速度値に従って、前記慣性測定ユニットの加速度計の現時点での温度ドリフト較正値を決定することを含む。
【0011】
上記出願の一実施例は、以下のような利点または有益な効果を有し、第1の速度値と第2の速度値との差分、慣性測定ユニットの加速度計の静止状態における温度ドリフト較正値、及び加速度計により出力された現時点での加速度値に従って、慣性測定ユニットの加速度計の現時点での温度ドリフト較正値を決定することにより、リアルタイムで慣性測定ユニットの加速度計の現在温度ドリフト較正値を決定する技術効果を実現し、後続のナビゲーション推測航法において加速度計の温度ドリフトを補償することによりナビゲーション結果の正確性を向上させることに、データ基礎を築いた。
【0012】
任意的には、第1の速度値と第2の速度値との差分、前記慣性測定ユニットの加速度計の静止状態における温度ドリフト較正値、及び前記加速度計により出力された現時点での加速度値に従って、前記慣性測定ユニットの加速度計の現時点での温度ドリフト較正値を決定するステップは、
次の式に従って、前記慣性測定ユニットの加速度計の現時点での温度ドリフト較正値bias1を決定することを含み、
【数1】
ただし、Delta_vは第1の速度値と第2の速度値との差分であり、aは前記加速度計により出力された現時点での加速度値であり、bias0は前記慣性測定ユニットの加速度計の静止状態における温度ドリフト較正値であり、delta_time1は前記慣性測定ユニットの加速度計に対応する積分計算の時間であり、scale1は予め設定されたスケール値である。
【0013】
上記出願の一実施例は、以下のような利点または有益な効果を有し、第1の速度値と第2の速度値との差分、加速度計により出力された現時点での加速度値、慣性測定ユニットの加速度計の静止状態における温度ドリフト較正値、加速度計に対応する積分計算の時間、及び予め設定されたスケール値に従って、加速度計の現時点での温度ドリフト較正値をより正確として決定するという技術効果を実現する。
【0014】
任意的には、前記慣性測定ユニットの加速度計の静止状態における温度ドリフト較正値を決定するステップは、
静止状態における前記慣性測定ユニットの加速度計により出力された第1の予め設定された時間以内の加速度値を取得することと、
前記第1の予め設定された時間以内の加速度値に従って、前記慣性測定ユニットの加速度計の静止状態における温度ドリフトの初期値を決定することと、
前記第1の予め設定された時間以内の加速度値及び前記温度ドリフトの初期値に従って初期速度値を決定することと、
前記初期速度値に従って前記慣性測定ユニットの加速度計の静止状態における温度ドリフト較正値を決定することと、を含む。
【0015】
上記出願の一実施例は、以下のような利点または有益な効果を有し、第1の予め設定された時間以内の加速度値に従って、慣性測定ユニットの加速度計の静止状態における温度ドリフトの初期値を決定し、第1の予め設定された時間以内の加速度値と温度ドリフトの初期値に従って、初期速度値を決定し、最終的に初期速度値に従って、慣性測定ユニットの加速度計の静止状態における温度ドリフト較正値を決定することにより、加速度計の静止状態における温度ドリフト較正値を決定するという技術効果を実現し、後続の加速度計の静止状態における温度ドリフト較正値に従って、加速度計の現時点での温度ドリフト較正値を決定することに、データ基礎を築いた。
【0016】
任意的には、前記初期速度値に従って前記慣性測定ユニットの加速度計の静止状態における温度ドリフト較正値を決定するステップは、前記初期速度値が0である場合、前記温度ドリフトの初期値を、前記慣性測定ユニットの加速度計の静止状態における温度ドリフト較正値として決定するステップと、
前記初期速度値が0ではない場合、前記慣性測定ユニットの加速度計の静止状態における温度ドリフト較正値を取得するように、前記温度ドリフトの初期値を補正するステップと、を含む。
【0017】
上記出願の一実施例は、以下のような利点または有益な効果を有し、初期速度値を0と比較し、初期速度値が0である場合、決定された温度ドリフトの初期値が正確な温度ドリフト値であることを意味し、そのため、温度ドリフトの初期値を慣性測定ユニットの加速度計の静止状態における温度ドリフト較正値として決定し、初期速度値が0ではない場合、決定された温度ドリフトの初期値がずれていることを意味し、そのため、温度ドリフトの初期値を補正し、補正された温度ドリフトの初期値を加速度計の静止状態における温度ドリフト較正値とする。
【0018】
任意的には、前記初期速度値に従って前記慣性測定ユニットの加速度計の静止状態における温度ドリフト較正値を決定した後、前記方法は、
前記慣性測定ユニットが再び静止状態にある時、前記慣性測定ユニットの加速度計により出力された第2の予め設定された時間以内の加速度値を取得するステップと、
前記第2の予め設定された時間以内の加速度値に従って、前記慣性測定ユニットの加速度計の静止状態における温度ドリフト較正値を更新するステップと、をさらに含む。
【0019】
上記出願の一実施例は、以下のような利点または有益な効果を有し、慣性測定ユニット再び静止状態にある時、加速度計により出力された第2の予め設定された時間以内の加速度値に従って、加速度計の静止状態における温度ドリフト較正値を更新することにより、加速度計の静止状態における温度ドリフト較正値を更新するという技術効果を実現し、走行機器が走たり止んだりしている状態にある場合でも、加速度計の静止状態における温度ドリフト較正値の正確性を確保し、さらに、加速度計の現時点での温度ドリフト較正値の正確性を確保する。
【0020】
任意的には、前記測定対象量は角度であり、前記第1の測定値は第1の姿勢角であり、前記第2の測定値は第2の姿勢角であり、前記慣性測定ユニットの静止状態における温度ドリフト較正値は前記慣性測定ユニットのジャイロスコープの静止状態における温度ドリフト較正値であり、
【0021】
それに対応して、前記差分及び前記慣性測定ユニットの静止状態における温度ドリフト較正値に従って、前記慣性測定ユニットの現時点での温度ドリフト較正値を決定するステップは、
第1の姿勢角と第2の姿勢角との差分、前記慣性測定ユニットのジャイロスコープの静止状態における温度ドリフト較正値、及び前記ジャイロスコープにより出力された現時点での角速度値に従って、前記慣性測定ユニットのジャイロスコープの現時点での温度ドリフト較正値を決定することを含む。
【0022】
上記出願の一実施例は、以下のような利点または有益な効果を有し、第1の姿勢角と第2の姿勢角との差分、慣性測定ユニットのジャイロスコープの静止状態における温度ドリフト較正値、及びジャイロスコープにより出力された現時点での角速度値に従って、慣性測定ユニットのジャイロスコープの現時点での温度ドリフト較正値を決定することにより、リアルタイムで慣性測定ユニットのジャイロスコープの現在温度ドリフト較正値を決定するという技術効果を実現し、後続のナビゲーション推測航法において、ジャイロスコープの温度ドリフトを補償し、ナビゲーション結果の正確性を向上させることに、データ基礎を築いた。
【0023】
任意的には、第1の姿勢角と第2の姿勢角との差分、前記慣性測定ユニットのジャイロスコープの静止状態における温度ドリフト較正値、及び前記ジャイロスコープにより出力された現時点での角速度値に従って、前記慣性測定ユニットのジャイロスコープの現時点での温度ドリフト較正値を決定するステップは、
次の式に従って、前記慣性測定ユニットのジャイロスコープの現時点での温度ドリフト較正値bias3を決定することを含み、
【数2】
ただし、Delta_yawは第1の姿勢角と第2の姿勢角との差分であり、gは前記ジャイロスコープにより出力された現時点での角速度値であり、bias2は前記慣性測定ユニットのジャイロスコープの静止状態における温度ドリフト較正値であり、delta_time2は前記慣性測定ユニットのジャイロスコープに対応する積分計算の時間であり、scale2は予め設定されたスケール値である。
【0024】
上記出願の一実施例は、以下のような利点または有益な効果を有し、第1の姿勢角と第2の姿勢角との差分、ジャイロスコープにより出力された現時点での角速度値、慣性測定ユニットのジャイロスコープの静止状態における温度ドリフト較正値、ジャイロスコープに対応する積分計算の時間、及び予め設定されたスケール値に従って、ジャイロスコープの現時点での温度ドリフト較正値をより正確として決定するという技術効果を実現する。
【0025】
任意的には、前記慣性測定ユニットのジャイロスコープの静止状態における温度ドリフト較正値を決定するステップは、
静止状態における前記慣性測定ユニットのジャイロスコープにより出力された第1の予め設定された時間以内の角速度値を取得することと、
前記第1の予め設定された時間以内の角速度値に従って、前記慣性測定ユニットのジャイロスコープの静止状態における温度ドリフトの初期値を決定することと、
前記第1の予め設定された時間以内の角速度値と前記温度ドリフトの初期値に従って、初期姿勢角を決定することと、
前記初期姿勢角に従って、前記慣性測定ユニットのジャイロスコープの静止状態における温度ドリフト較正値を決定することと、を含む。
【0026】
上記出願の一実施例は、以下のような利点または有益な効果を有し、第1の予め設定された時間以内の角速度値に従って、慣性測定ユニットのジャイロスコープの静止状態における温度ドリフトの初期値を決定し、第1の予め設定された時間以内の角速度値と温度ドリフトの初期値に従って、初期姿勢角を決定し、最終的に初期姿勢角に従って慣性測定ユニットのジャイロスコープの静止状態における温度ドリフト較正値を決定することにより、ジャイロスコープの静止状態における温度ドリフト較正値を決定するという技術効果を実現し、後続のジャイロスコープの静止状態における温度ドリフト較正値に従ってジャイロスコープの現時点での温度ドリフト較正値を決定することに、データ基礎を築いた。
【0027】
任意的には、前記初期姿勢角に従って、前記慣性測定ユニットのジャイロスコープの静止状態における温度ドリフト較正値を決定するステップは、
前記姿勢角が0である場合、前記温度ドリフトの初期値を、前記慣性測定ユニットのジャイロスコープの静止状態における温度ドリフト較正値として決定することと、
前記初期姿勢角が0ではない場合、前記慣性測定ユニットのジャイロスコープの静止状態における温度ドリフト較正値を取得するように、前記温度ドリフトの初期値を補正することと、を含む。
【0028】
上記出願の一実施例は、以下のような利点または有益な効果を有し、初期姿勢角を0と比較し、初期姿勢角が0である場合、決定された温度ドリフトの初期値が正確な温度ドリフト値であることを意味し、そのため、温度ドリフトの初期値を慣性測定ユニットのジャイロスコープの静止状態における温度ドリフト較正値として決定し、初期姿勢角が0ではない場合、決定された温度ドリフトの初期値がずれていることを意味し、そのため、温度ドリフトの初期値を補正し、補正された温度ドリフトの初期値をジャイロスコープの静止状態における温度ドリフト較正値とする。
【0029】
任意的には、前記初期姿勢角に従って、前記慣性測定ユニットのジャイロスコープの静止状態における温度ドリフト較正値を決定した後、前記方法は、
前記慣性測定ユニットが再び静止状態にある時、前記慣性測定ユニットのジャイロスコープにより出力された第2の予め設定された時間以内の角速度値を取得することと、
前記第2の予め設定された時間以内の角速度値に従って、前記慣性測定ユニットのジャイロスコープの静止状態における温度ドリフト較正値を更新することと、をさらに含む。
【0030】
上記出願の一実施例は、以下のような利点または有益な効果を有し、慣性測定ユニットが再び静止状態にある時、ジャイロスコープにより出力された第2の予め設定された時間以内の角速度値に従って、ジャイロスコープの静止状態における温度ドリフト較正値を更新することにより、ジャイロスコープの静止状態における温度ドリフト較正値を更新するという技術効果を実現し、走行機器が走たり止んだりしている状態にある場合でも、ジャイロスコープの静止状態における温度ドリフト較正値の正確性を確保し、さらに、ジャイロスコープの現時点での温度ドリフト較正値の正確性を確保する。
【0031】
任意的には、前記方法は、
前記慣性測定ユニットの温度ドリフト較正値に従って、前記慣性測定ユニットの出力情報を補正し、補正された出力情報とナビゲーション推測航法に基づいて、ナビゲーションデッドレコニングの結果を取得するステップをさらに含む。
【0032】
上記出願の一実施例は、以下のような利点または有益な効果を有し、慣性測定ユニットの温度ドリフト較正値に従って、慣性測定ユニットの出力情報を補正することで、慣性測定ユニットの温度ドリフト値を補償するという技術効果を実現し、補正された出力情報とナビゲーション推測航法に基づいて、ナビゲーションデッドレコニングの結果を取得することで、ナビゲーションデッドレコニングの結果の正確性と信頼性を向上させる。
【0033】
第2の態様では、本願の実施例は、温度ドリフトの較正装置をさらに開示し、
慣性測定ユニットによって決定された測定対象量の現時点での測定値である第1の測定値と、全地球測位システムによって決定された前記測定対象量の現時点での測定値である第2の測定値とを取得するための測定値取得モジュールと、
第1の測定値及び第2の測定値に従って、前記慣性測定ユニットの現時点での温度ドリフト較正値を決定するための温度ドリフト較正値決定モジュールと、を備える。
【0034】
第3の態様では、本願の実施例は、電子デバイスをさらに開示し、
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサと通信可能に接続されたメモリと、を備え、
前記メモリは前記少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令を記憶し、前記少なくとも1つのプロセッサが本願の実施例のいずれかに記載の温度ドリフトの較正方法を実行できるように、前記命令が前記少なくとも1つのプロセッサに実行される。
【0035】
第4の態様では、本願の実施例は、前記コンピュータに本願の実施例のいずれかに記載の温度ドリフトの較正方法を実行させるコンピュータ命令を記憶する非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体、をさらに開示する。
【0036】
第5の態様では、本願の実施例は、コンピュータプログラムであって、プロセッサにより実行されると、コンピュータに本願の実施例のいずれかに記載の温度ドリフトの較正方法を実行させることを特徴とするコンピュータプログラムをさらに開示する。
【0037】
本願の実施例の技術的解決手段によれば、慣性測定ユニットによって決定された測定対象量の現時点での測定値を、第1の測定値とし、并将全地球測位システムによって決定された測定対象量の現時点での測定値を、第2の測定値とし、最終的に第1の測定値及び第2の測定値に従って、慣性測定ユニットの現時点での温度ドリフト較正値を決定することにより、慣性測定ユニットの現在温度ドリフト較正値をリアルタイムで決定するという技術効果を実現し、後続のナビゲーション推測航法において温度ドリフトを補償することによりナビゲーション結果の正確性を向上させることに、データ基礎を築いた。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図面は、技術的解決手段をよりよく理解するために用いられており、本願を制限するものではない。
図1】本願の実施例1によれば開示される温度ドリフトの較正方法のフローチャートである。
図2】本願の実施例2によれば開示される別の温度ドリフトの較正方法のフローチャートである。
図3】本願の実施例3によれば開示される別の温度ドリフトの較正方法のフローチャートである。
図4】本願の実施例4によれば開示される別の温度ドリフトの較正方法のフローチャートである。
図5】本願の実施例5によれば開示される温度ドリフトの較正装置の構成概略図である。
図6】本願の実施例6によれば開示される電子デバイスのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、理解を容易にするために、図面を参照しながら本願の様々な詳細を含む例示的な実施例を説明するが、それらは例示的なものだけだと見られるべきである。したがって、当業者は、本願の範囲及び精神から逸脱することなく、ここでは記載された実施例に様々な変更及び修正できると認識するべきである。同様に、簡潔明瞭のために、以下の説明では、公知の機能及び構造の説明を省略する。
【0040】
[実施例1]
図1は、本願の実施例によれば開示される温度ドリフトの較正方法のフローチャートであり、本実施例は、走行機器が車載ナビゲーションを使用する場合に適用することができる。本実施例の方法は、温度ドリフトの較正装置によって実行することができ、該装置は、ソフトウェアおよび/またはハードウェアで実現され、計算機能を備えたサーバーなどの任意の電子デバイスに統合することができる。
【0041】
図1に示すように、本実施例に開示される温度ドリフトの較正方法は、以下を含み、
【0042】
S101、慣性測定ユニット(IMU)によって決定された測定対象量の現時点での測定値である第1の測定値と、全地球測位システム(GPS)によって決定された前記測定対象量の現時点での測定値である第2の測定値とを取得する。
【0043】
ただし、慣性測定ユニットは、物体の3軸姿勢角(または角速度)及び加速度を測定する装置である。一般には、1つの慣性測定ユニットは、3つの単軸の加速度計と3つの単軸のジャイロスコープを備え、加速度計は、物体のキャリア座標系の独立した3軸での加速度値を検出するが、ジャイロスコープはナビゲーション座標系に対してキャリアの角速度値を検出し、このように、物体の姿勢を計算する。全地球測位システムは、航空衛星に基づく高精度の無線航法測位システムであり、世界中のどこにいても、地球近くの空間にいても、正確な地理的位置、車速及び姿勢情報を提供できる。本実施例では、測定対象量は速度および/または角度などを含む。
【0044】
具体的には、走行機器には、慣性測定ユニットが内蔵されており、走行機器は自動車、船舶及び飛翔体などが含まれるが、これらに限定されない。走行機器が走行状態にある場合、リアルタイムで慣性測定ユニットに決定される測定対象量の測定値を取得し、例えば、慣性測定ユニットの加速度計が現時点での加速度値を積分して得られた走行機器の速度値、また、例えば、慣性測定ユニットにおけるジャイロスコープが現時点での角速度を積分して得られた走行機器の姿勢角。走行機器に内置された全地球測位システムから、同じ時点での、全地球測位システムによって決定された測定対象量の現時点での測定値を取得し、例えば、全地球測位システムに決定される現時点での走行機器の速度値、また、例えば、全地球測位システムに決定される現時点での走行機器の姿勢角。
【0045】
任意的には、前記測定対象量が速度である場合、前記第1の測定値は第1の速度値であり、前記第2の測定値は第2の速度値である。
【0046】
任意的には、前記測定対象量が角度である場合、前記第1の測定値は第1の姿勢角であり、前記第2の測定値は第2の姿勢角である。
【0047】
慣性測定ユニットによって決定された測定対象量の現時点での測定値を、第1の測定値とし、全地球測位システムによって決定された前記測定対象量の現時点での測定値を、第2の測定値とし、それにより、後続の第1の測定値及び第2の測定値に従って前記慣性測定ユニットの現時点での温度ドリフト較正値を決定することに、データ基礎を築いた。
【0048】
S102、第1の測定値及び第2の測定値に従って、前記慣性測定ユニットの現時点での温度ドリフト較正値を決定する。
【0049】
ただし、慣性測定ユニットの現時点での温度ドリフト較正値は、走行機器が走行しているときの慣性測定ユニットの温度ドリフト較正値を示す。
【0050】
具体的には、第1の測定値と第2の測定値との間の差異の値を決定し、例えば、第1の測定値と第2の測定値との間の差分を決定し、また、例えば、第1の測定値と第2の測定値との間の比を決定する。第1の測定値と第2の測定値との間の異質性、慣性測定ユニットの現時点での出力値、慣性測定ユニットに対応する積分計算の時間、及び予め設定されたスケール値に従って、慣性測定ユニットの現時点での温度ドリフト較正値を決定する。ただし、測定対象量が速度である場合、慣性測定ユニットの現時点での出力値は加速度であり、慣性測定ユニットに対応する積分計算の時間は加速度計に対応する積分計算の時間であり、慣性測定ユニットの現時点での温度ドリフト較正値は慣性測定ユニットの加速度計の現時点での温度ドリフト較正値であり、測定対象量が角度である場合、慣性測定ユニットの現時点での出力値は角速度であり、慣性測定ユニットに対応する積分計算の時間はジャイロスコープに対応する積分計算の時間であり、慣性測定ユニットの現時点での温度ドリフト較正値は慣性測定ユニットのジャイロスコープの現時点での温度ドリフト較正値である。予め設定されたスケール値は常数であり、実際の要件に応じて設定されてもよい。
【0051】
任意的には、次の式に従って、慣性測定ユニットの現時点での温度ドリフト較正値を決定してもよく、
【数3】
ただし、Delta_xは第1の測定値と第2の測定値との間の差分を示し、yは慣性測定ユニットの現時点での出力値を示し、biasは慣性測定ユニットの現時点での温度ドリフト較正値を示し、delta_timeは慣性測定ユニットに対応する積分計算の時間を示し、scaleは予め設定されたスケール値を示す。
【0052】
第1の測定値及び第2の測定値に従って、前記慣性測定ユニットの現時点での温度ドリフト較正値を決定することにより、リアルタイムで慣性測定ユニットの現時点での温度ドリフト較正値を決定するという技術効果を実現する。
【0053】
本実施例の技術的解決手段によれば、慣性測定ユニットによって決定された測定対象量の現時点での測定値を、第1の測定値とし、全地球測位システムによって決定された測定対象量の現時点での測定値を、第2の測定値とし、最終的に第1の測定値及び第2の測定値に従って、慣性測定ユニットの現時点での温度ドリフト較正値を決定することにより、リアルタイムで慣性測定ユニットの現在温度ドリフト較正値を決定するという技術効果を実現し、後続のナビゲーション推測航法において温度ドリフトを補償することによりナビゲーション結果の正確性を向上させることに、データ基礎を築いた。
【0054】
[実施例2]
図2は、本願の実施例2によれば開示される別の温度ドリフトの較正方法のフローチャートであり、上記の技術的解決手段に基づいてさらに最適化し拡張し、上記の各選択可能な実施形態と組み合わせることができ、図2示すように、該方法は、以下のステップを含んでもよい。
【0055】
S201、慣性測定ユニットによって決定された測定対象量の現時点での測定値である第1の測定値と、全地球測位システムによって決定された前記測定対象量の現時点での測定値である第2の測定値とを取得する。
【0056】
S202、第1の測定値と第2の測定値との間の差分を決定する。
【0057】
具体的には、測定対象量が速度である場合、第1の測定値は第1の速度値であり、第2の測定値は第2の速度値であり、それに対応して、第1の測定値と第2の測定値との間の差分は第1の速度値と第2の速度値との差分であり、測定対象量が角度である場合、第1の測定値は第1の姿勢角であり、第2の測定値は第2の姿勢角であり、それに対応して、第1の測定値と第2の測定値との間の差分は第1の姿勢角と第2の姿勢角との差分である。
【0058】
S203、前記慣性測定ユニットの静止状態における温度ドリフト較正値を取得する。
【0059】
ただし、静止状態は、走行機器速度が0である状態を示し、走行機器に搭載されている全地球測位システムまたは速度計測用のレーダなど装置により決定される。
【0060】
具体的には、静止状態における慣性測定ユニットの第1の予め設定された時間以内での出力値を取得し、第1の予め設定された時間以内の出力値に従って、慣性測定ユニットの静止状態における温度ドリフトの初期値を決定し、さらに、第1の予め設定された時間以内の出力値と温度ドリフトの初期値に従って初期特徴値を決定し、最終的に初期特徴値に従って慣性測定ユニットの静止状態における温度ドリフト較正値を決定する。ただし、測定対象量が速度である場合、慣性測定ユニットの第1の予め設定された時間以内での出力値は加速度計の第1の予め設定された時間以内での加速度値であり、慣性測定ユニットの静止状態における温度ドリフトの初期値は加速度計の静止状態における温度ドリフトの初期値であり、初期特徴値は初期速度値であり、慣性測定ユニットの静止状態における温度ドリフト較正値は加速度計の静止状態における温度ドリフト較正値であり、測定対象量が角度である場合、慣性測定ユニットの第1の予め設定された時間以内での出力値はジャイロスコープの第1の予め設定された時間以内での角速度値であり、慣性測定ユニットの静止状態における温度ドリフトの初期値はジャイロスコープの静止状態における温度ドリフトの初期値であり、初期特徴値は初期姿勢角であり、慣性測定ユニットの静止状態における温度ドリフト較正値はジャイロスコープの静止状態における温度ドリフト較正値である。
【0061】
S204、前記差分及び前記慣性測定ユニットの静止状態における温度ドリフト較正値に従って、前記慣性測定ユニットの現時点での温度ドリフト較正値を決定する。
【0062】
具体的には、次の式に従って、慣性測定ユニットの現時点での温度ドリフト較正値を決定し、
【数4】
ただし、Delta_xは第1の測定値と第2の測定値との間の差分を示し、yは慣性測定ユニットの現時点での出力値を示し、biasxは慣性測定ユニットの静止状態における温度ドリフト較正値を示し、biasは慣性測定ユニットの現時点での温度ドリフト較正値を示し、delta_timeは慣性測定ユニットに対応する積分計算の時間を示し、scaleは予め設定されたスケール値を示す。測定対象量が速度である場合、慣性測定ユニットの現時点での出力値は加速度であり、慣性測定ユニットの現時点での温度ドリフト較正値は加速度計の現時点での温度ドリフト較正値であり、慣性測定ユニットに対応する積分計算の時間は加速度計に対応する積分計算の時間であり、慣性測定ユニットの現時点での温度ドリフト較正値は慣性測定ユニットの加速度計の現時点での温度ドリフト較正値であり、測定対象量が角度である場合、慣性測定ユニットの現時点での出力値は角速度であり、慣性測定ユニットの静止状態における温度ドリフト較正値はジャイロスコープの静止状態における温度ドリフト較正値であり、慣性測定ユニットに対応する積分計算の時間はジャイロスコープに対応する積分計算の時間であり、慣性測定ユニットの現時点での温度ドリフト較正値は慣性測定ユニットのジャイロスコープの現時点での温度ドリフト較正値である。予め設定されたスケール値は常数であり、実際の要件に応じて設定されてもよい。
【0063】
本実施例は、第1の測定値と第2の測定値との間の差分、及び慣性測定ユニットの静止状態における温度ドリフト較正値に従って、慣性測定ユニットの現時点での温度ドリフト較正値を決定し、静止状態の時の温度ドリフト較正値の計算が相対的に正確であり、そのため、静止状態の時の温度ドリフト較正値を計算の項とし、最終的に決定される慣性測定ユニットの現時点での温度ドリフト較正値の正確性を向上することができる。
【0064】
上記の実施例に基づいて、前記方法は、
前記慣性測定ユニットの温度ドリフト較正値に従って、前記慣性測定ユニットの出力情報を補正し、補正された出力情報とナビゲーション推測航法に基づいて、ナビゲーションデッドレコニングの結果を取得することをさらに含む。
【0065】
ただし、慣性測定ユニットの温度ドリフト較正値は慣性測定ユニットの静止状態における温度ドリフト較正値、及び慣性測定ユニットの現時点での温度ドリフト較正値を含み、即ち、走行機器の走行速度が0であるか否かにかかわらず、リアルタイムで慣性測定ユニットの出力情報を補正し、補正された出力情報とナビゲーション推測航法に基づいて、ナビゲーションデッドレコニングの結果を取得する。
【0066】
慣性測定ユニットの温度ドリフト較正値に従って、慣性測定ユニットの出力情報を補正することで、慣性測定ユニットの温度ドリフトを補償するという技術効果を実現し、補正された出力情報とナビゲーション推測航法に基づいて、ナビゲーションデッドレコニングの結果を取得することで、ナビゲーションデッドレコニングの結果の正確性と信頼性を向上させる。
【0067】
[実施例3]
図3は、本願の実施例3によれば開示される別の温度ドリフトの較正方法のフローチャートであり、上記の技術的解決手段に基づいてさらに最適化し拡張し、上記の各選択可能な実施形態と組み合わせることがで、図3示すように、該方法は以下のステップを含んでもよい。
【0068】
S301、慣性測定ユニットの加速度計によって決定された、測定対象量の現時点での測定値である第1の速度値と、全地球測位システムによって決定された、前記測定対象量の現時点での測定値である第2の速度値とを取得し、測定対象量は速度である。
【0069】
S302、第1の速度値と第2の速度値との間の差分を決定する。
【0070】
S303、慣性測定ユニットの加速度計の静止状態における温度ドリフト較正値を取得する。
【0071】
任意的には、S303は、以下のことを含み、
1)静止状態における前記慣性測定ユニットの加速度計により出力された第1の予め設定された時間以内の加速度値を取得する。
ただし、第1の予め設定された時間は要件に応じて任意的に設定されもよく、好ましい第1の予め設定された時間は1分間である。
2)前記第1の予め設定された時間以内の加速度値に従って、前記慣性測定ユニットの加速度計の静止状態における温度ドリフトの初期値を決定する。
具体的には、前記第1の予め設定された時間以内の加速度値をセグメントに分割し、各セグメントに対応する平均値を計算し、各平均値の中央値を前記慣性測定ユニットの加速度計の静止状態における温度ドリフトの初期値とする。
例示的には、第1の予め設定された時間が1分間と仮定すると、1分間以内に慣性測定ユニットの加速度計により出力された加速度値に、100ミリ秒ごとに平均値を一回取り、即ち600個の平均値、これらの600個の平均値の中央値を慣性測定ユニットの加速度計の静止状態における温度ドリフトの初期値とする。
3)前記第1の予め設定された時間以内の加速度値及び前記温度ドリフトの初期値に従って初期速度値を決定する。
具体的には、それぞれ前記第1の予め設定された時間以内の各時点での加速度値から前記温度ドリフトの初期値を引いて、差を積算して第1の予め設定された時間以内の初期速度値を取得する。ただし、各時点での具体的な時間は、要件に応じて任意的に設定されもよく、1ミリ秒または10ミリ秒などであってもよい。
4)前記初期速度値に従って前記慣性測定ユニットの加速度計の静止状態における温度ドリフト較正値を決定する。
任意的には、前記初期速度値が0である場合、前記温度ドリフトの初期値を、前記慣性測定ユニットの加速度計の静止状態における温度ドリフト較正値として決定し、前記初期速度値が0ではない場合、前記温度ドリフトの初期値を補正し、前記慣性測定ユニットの加速度計の静止状態における温度ドリフト較正値を取得する。
【0072】
ただし、初期速度値が0である場合、決定された温度ドリフトの初期値が正確な温度ドリフト値であることを意味し、それに対応して、温度ドリフトの初期値を慣性測定ユニットの加速度計の静止状態における温度ドリフト較正値として決定する。初期速度値が0ではない場合、決定された温度ドリフトの初期値がずれていることを意味し、温度ドリフトの初期値を補正し、補正のプロセスは、温度ドリフトの初期値から、初期速度値と第1の予め設定された時間との比を引いて、差を補正された温度ドリフトの初期値とし、例えば、温度ドリフトの初期値は1m/sであり、初期速度値は0.5m/sであり、第1の予め設定された時間は1minである場合、
【数5】
の計算結果を補正された温度ドリフトの初期値とする。最終的に補正された温度ドリフトの初期値を慣性測定ユニットの加速度計の静止状態における温度ドリフト較正値とする。
【0073】
S304、第1の速度値と第2の速度値との差分、前記慣性測定ユニットの加速度計の静止状態における温度ドリフト較正値、及び前記加速度計により出力された現時点での加速度値に従って、前記慣性測定ユニットの加速度計の現時点での温度ドリフト較正値を決定する。
【0074】
任意的には、次の式に従って、前記慣性測定ユニットの加速度計の現時点での温度ドリフト較正値を決定し、
【数6】
ただし、Delta_vは第1の速度値と第2の速度値との差分であり、aは前記加速度計により出力された現時点での加速度値であり、bias0は前記慣性測定ユニットの加速度計の静止状態における温度ドリフト較正値であり、delta_time1は前記慣性測定ユニットの加速度計に対応する積分計算の時間であり、約2sであり、scale1は予め設定されたスケール値であり、1~2との間の値を取ることが好ましい。
【0075】
本実施例の技術的解決手段によれば、第1の速度値と第2の速度値を取得し、第1の速度値と第2の速度値との間の差分を決定し、及び慣性測定ユニットの加速度計の静止状態における温度ドリフト較正値を取得することにより、最終的に第1の速度値と第2の速度値との差分、前記慣性測定ユニットの加速度計の静止状態における温度ドリフト較正値、及び前記加速度計により出力された現時点での加速度値に従って、前記慣性測定ユニットの加速度計の現時点での温度ドリフト較正値を決定し、リアルタイムで慣性測定ユニット加速度計の現在ドリフト較正値を決定するという技術効果を実現し、後続のナビゲーション推測航法において加速度計の温度ドリフトを補償し、ナビゲーション結果の正確性を向上させることに、データ基礎を築いた。
【0076】
上記の実施例に基づいて、「前記初期速度値に従って前記慣性測定ユニットの加速度計の静止状態における温度ドリフト較正値を決定した」後、前記方法は、以下のことをさらに含み、
A、前記慣性測定ユニットが再び静止状態にある時、前記慣性測定ユニットの加速度計により出力された第2の予め設定された時間以内の加速度値を取得する。
ただし、第2の予め設定された時間は、要件に応じて設定されもよく、好ましくは30sである。
具体的には、走行機器の走行速度が再び0になると、慣性測定ユニットの加速度計により出力された第2の予め設定された時間以内の加速度値を取得する。
B、前記第2の予め設定された時間以内の加速度値に従って、前記慣性測定ユニットの加速度計の静止状態における温度ドリフト較正値を更新する。
具体的には、前記第2の予め設定された時間以内の加速度値のうち、前回の慣性測定ユニットの加速度計が静止状態である時の温度ドリフト較正値の予め設定された誤差範囲内の加速度値を、目標加速度値とし、前記目標加速度値の平均値を、更新された前記慣性測定ユニットの加速度計の静止状態における温度ドリフト較正値とする。ただし、予め設定された誤差範囲が30%~50%であることが好ましい。予め設定された誤差範囲を設定することにより、温度ドリフト較正値へのノイズの影響を遮断できる。
【0077】
慣性測定ユニットが再び静止状態にある時、加速度計により出力された第2の予め設定された時間以内の加速度値に従って、加速度計の静止状態における温度ドリフト較正値を更新することにより、加速度計の静止状態における温度ドリフト較正値を更新するという技術効果を実現し、走行機器が走たり止んだりしている状態にある場合でも、加速度計の静止状態における温度ドリフト較正値の正確性を確保し、さらに、加速度計の現時点での温度ドリフト較正値の正確性を確保する。
【0078】
上記の実施例に基づいて、前記慣性測定ユニットの加速度計により出力された加速度値は前記加速度計の感度軸により出力された加速度値であり、それに対応して、前記慣性測定ユニットの加速度計の静止状態における温度ドリフト較正値は前記慣性測定ユニットの加速度計の感度軸の静止状態における温度ドリフト較正値である。
【0079】
具体的には、加速度計のうち、3つの軸により出力された加速度を積分して得られた速度値を、それぞれ全地球測位システム決定された速度値と比較し、最小誤差になる速度値に対応する軸を、加速度計の感度軸とする。
【0080】
加速度計の感度軸により出力された加速度値を慣性測定ユニットの加速度計により出力された加速度値とすることで、後続の方法の作業負荷を節約しながら、最終的に得られた慣性測定ユニットの現時点での温度ドリフト較正値の結果がより正確であることを確保する。
【0081】
[実施例4]
図4は本願の実施例4によれば開示される別の温度ドリフトの較正方法のフローチャートであり、上記の技術的解決手段に基づいてさらに最適化し拡張し、上記の各選択可能な実施形態と組み合わせることができ、図4に示すように、該方法は、以下のステップを含んでもよい。
【0082】
S401、慣性測定ユニットのジャイロスコープによって決定された測定対象量の現時点での測定値である第1の姿勢角と、全地球測位システムによって決定された前記測定対象量の現時点での測定値である第2の姿勢角とを取得し、測定対象量は角度である。
【0083】
S402、第1の姿勢角と第2の姿勢角との間の差分を決定する。
【0084】
S403、慣性測定ユニットのジャイロスコープの静止状態における温度ドリフト較正値を取得する。
【0085】
任意的には、S403は以下のことを含み、
1)静止状態における前記慣性測定ユニットのジャイロスコープにより出力された第1の予め設定された時間以内の角速度値を取得する。
ただし、第1の予め設定された時間は要件に応じて任意的に設定されてもよく、好ましい第1の予め設定された時間は1分間である。
2)前記第1の予め設定された時間以内の角速度値に従って、前記慣性測定ユニットのジャイロスコープの静止状態における温度ドリフトの初期値を決定する。
具体的には、前記第1の予め設定された時間以内の角速度値をセグメントに分割し、各セグメントに対応する平均値を計算し、各平均値の中央値を前記慣性測定ユニットのジャイロスコープの静止状態における温度ドリフトの初期値とする。
例示的には、第1の予め設定された時間が1分間と仮定すると、1分間以内に慣性測定ユニットのジャイロスコープにより出力された角速度値に、100ミリ秒ごとに平均値を一回取り、即ち600個の平均値、これらの600個の平均値の中央値を慣性測定ユニットのジャイロスコープの静止状態における温度ドリフトの初期値とする。
3)前記第1の予め設定された時間以内の角速度値と前記温度ドリフトの初期値に従って、初期姿勢角を決定する。
具体的には、それぞれ前記第1の予め設定された時間以内各時点での角速度値から前記温度ドリフトの初期値を引いて、差を積算して第1の予め設定された時間以内の初期姿勢角を取得する。ただし、各時点での具体的な時間は、要件に応じて任意的に設定されもよく、1ミリ秒または10ミリ秒などであってもよい。
4)前記初期姿勢角に従って、前記慣性測定ユニットのジャイロスコープの静止状態における温度ドリフト較正値を決定する。
任意的には、前記初期姿勢角が0である場合、前記温度ドリフトの初期値を、前記慣性測定ユニットのジャイロスコープの静止状態における温度ドリフト較正値として決定し、前記初期姿勢角が0ではない場合、前記温度ドリフトの初期値を補正し、前記慣性測定ユニットのジャイロスコープの静止状態における温度ドリフト較正値を取得する。
【0086】
ただし、初期姿勢角が0である場合、決定された温度ドリフトの初期値が正確な温度ドリフト値であることを意味し、それに対応して、温度ドリフトの初期値を慣性測定ユニットのジャイロスコープの静止状態における温度ドリフト較正値として決定する。初期姿勢角が0ではない場合、決定された温度ドリフトの初期値がずれていることを意味し、温度ドリフトの初期値を補正し、補正のプロセスは、温度ドリフトの初期値から、初期姿勢角と第1の予め設定された時間との比を引いて、差を補正された温度ドリフトの初期値とし、例えば、温度ドリフトの初期値は1rad/sであり、初期姿勢角は0.5radであり、第1の予め設定された時間は1minである場合、
【数7】
の計算結果を補正された温度ドリフトの初期値とする。最終的に補正された温度ドリフトの初期値を慣性測定ユニットのジャイロスコープの静止状態における温度ドリフト較正値とする。
【0087】
S404、第1の姿勢角と第2の姿勢角、前記慣性測定ユニットのジャイロスコープの静止状態における温度ドリフト較正値、及び前記ジャイロスコープにより出力された現時点での角速度値に従って、前記慣性測定ユニットのジャイロスコープの現時点での温度ドリフト較正値を決定する。
【0088】
任意的には、次の式に従って、前記慣性測定ユニットのジャイロスコープの現時点での温度ドリフト較正値を決定し、
【数8】
ただし、Delta_yawは第1の姿勢角と第2の姿勢角との差分であり、gは前記ジャイロスコープにより出力された現時点での角速度値であり、bias2は前記慣性測定ユニットのジャイロスコープの静止状態における温度ドリフト較正値であり、delta_time2は前記慣性測定ユニットのジャイロスコープに対応する積分計算の時間であり、約20sであり、scale2は予め設定されたスケール値であり、1~2との間の値を取ることが好ましい。
【0089】
本実施例の技術的解決手段によれば、第1の姿勢角と第2の姿勢角を取得し、第1の姿勢角と第2の姿勢角との間の差分を決定し、及び慣性測定ユニットのジャイロスコープの静止状態における温度ドリフト較正値を取得することにより、最終的に第1の姿勢角と第2の姿勢角との差分、前記慣性測定ユニットのジャイロスコープの静止状態における温度ドリフト較正値、及び前記ジャイロスコープにより出力された現時点での角速度値に従って、前記慣性測定ユニットのジャイロスコープの現時点での温度ドリフト較正値を決定し、リアルタイムで慣性測定ユニッのトジャイロスコープの現在ドリフト較正値を決定するという技術効果を実現し、後続のナビゲーション推測航法においてジャイロスコープの温度ドリフトを補償し、ナビゲーション結果の正確性を向上させることに、データ基礎を築いた。
【0090】
上記の実施例に基づいて、「前記初期姿勢角に従って、前記慣性測定ユニットのジャイロスコープの静止状態における温度ドリフト較正値を決定した」後、前記方法は、以下のことをさらに含み、
A、前記慣性測定ユニットが再び静止状態にある時、前記慣性測定ユニットのジャイロスコープにより出力された第2の予め設定された時間以内の角速度値を取得する。
ただし、第2の予め設定された時間は、要件に応じて設定されもよく、好ましくは30sである。
具体的には、走行機器の走行速度が再び0になると、慣性測定ユニットのジャイロスコープにより出力された第2の予め設定された時間以内の角速度値を取得する。
B、前記第2の予め設定された時間以内の角速度値に従って、前記慣性測定ユニットのジャイロスコープの静止状態における温度ドリフト較正値を更新する。
具体的には、前記第2の予め設定された時間以内の角速度のうち、前回の慣性測定ユニットのジャイロスコープが静止状態である時の温度ドリフト較正値の予め設定された誤差範囲内の角速度値を、目標角速度値をとし、前記目標角速度値の平均値を、更新された前記慣性測定ユニットのジャイロスコープの静止状態における温度ドリフト較正値をとする。ただし、予め設定された誤差範囲が30%~50%であることが好ましい。予め設定された誤差範囲を設定することにより、温度ドリフト較正値へのノイズの影響を遮断できる。
【0091】
慣性測定ユニットが再び静止状態にある時、ジャイロスコープにより出力された第2の予め設定された時間以内の角速度値に従って、ジャイロスコープの静止状態における温度ドリフト較正値を更新することにより、ジャイロスコープの静止状態における温度ドリフト較正値を更新するという技術効果を実現し、走行機器が走たり止んだりしている状態にある場合でも、ジャイロスコープの静止状態における温度ドリフト較正値の正確性を確保し、さらに、ジャイロスコープの現時点での温度ドリフト較正値の正確性を確保する。
【0092】
上記の実施例に基づいて、前記慣性測定ユニットのジャイロスコープにより出力された角速度値は前記ジャイロスコープの地心に向く軸により出力された角速度値であり、
【0093】
それに対応して、前記慣性測定ユニットのジャイロスコープの静止状態における温度ドリフト較正値は前記慣性測定ユニットのジャイロスコープの地心に向く軸の静止状態における温度ドリフト較正値である。
【0094】
具体的には、ジャイロスコープの回転軸を地心に向く軸とする。
上記の実施例に基づいて、前記方法は、
設定時間ごとにまたは車両が設定距離を走行するごとに、全地球測位システムによって決定された姿勢角に基づいてフィッティングを行うことをさらに含む。
【0095】
具体的には、全地球測位システムによって決定された姿勢角はさまざまな要因の影響を受け、姿勢角の変動が大きくなる。この場合、全地球測位システム決定された姿勢角を直接使用できないため、1minなどの設定時間ごとに、または車両が、例えば150mの設定距離を走行するごとに、全地球測位システムによって決定された姿勢角にベッセルフィッティングを行う。フィッティングの連続性を確保するために、先の150m内の125mとなる地点を開始点とし、現在のセグメント内の50mのところを中点とし、現在のセグメント内の125mとなる地点を終了点としてフィッティングを行う。
【0096】
[実施例5]
図5は本願の実施例5による温度ドリフトの較正装置50の構成概略図であり、本願のいずれかの実施例による温度ドリフトの較正方法を実行することができ、実行方法に対応する機能モジュールと有益な効果がある。図5示すように、該装置は、
慣性測定ユニットによって決定された測定対象量の現時点での測定値である第1の測定値と、全地球測位システムによって決定された前記測定対象量の現時点での測定値である第2の測定値とを取得する測定値取得モジュール51と、
第1の測定値及び第2の測定値に従って、前記慣性測定ユニットの現時点での温度ドリフト較正値を決定するための温度ドリフト較正値決定モジュール52と、を備えてもよい。
【0097】
上記の実施例に基づいて、前記温度ドリフト較正値決定モジュール52は、具体的には、
第1の測定値と第2の測定値との間の差分を決定することと、
前記慣性測定ユニットの静止状態における温度ドリフト較正値を取得することと、
前記差分及び前記慣性測定ユニットの静止状態における温度ドリフト較正値に従って、前記慣性測定ユニットの現時点での温度ドリフト較正値を決定することと、に用いられる。
【0098】
上記の実施例に基づいて、前記測定対象量は速度であり、前記第1の測定値は第1の速度値であり、前記第2の測定値は第2の速度値であり、前記慣性測定ユニットの静止状態における温度ドリフト較正値は前記慣性測定ユニットの加速度計の静止状態における温度ドリフト較正値であり、
【0099】
それに対応して、前記温度ドリフト較正値決定モジュール52は、具体的には、
第1の速度値と第2の速度値との差分、前記慣性測定ユニットの加速度計の静止状態における温度ドリフト較正値、及び前記加速度計により出力された現時点での加速度値に従って、前記慣性測定ユニットの加速度計の現時点での温度ドリフト較正値を決定することに用いられる。
【0100】
上記の実施例に基づいて、前記温度ドリフト較正値決定モジュール52は、具体的には、
次の式に従って、前記慣性測定ユニットの加速度計の現時点での温度ドリフト較正値bias1を決定することに用いられる。
【数9】
ただし、Delta_vは、第1の速度値と第2の速度値との差分であり、aは前記加速度計により出力された現時点での加速度値であり、bias0は前記慣性測定ユニットの加速度計の静止状態における温度ドリフト較正値であり、delta_time1は前記慣性測定ユニットの加速度計に対応する積分計算の時間であり、scale1は予め設定されたスケール値である。
【0101】
上記の実施例に基づいて、前記温度ドリフト較正値決定モジュール52は、具体的には、
静止状態における前記慣性測定ユニットの加速度計により出力された第1の予め設定された時間以内の加速度値を取得することと、
前記第1の予め設定された時間以内の加速度値に従って、前記慣性測定ユニットの加速度計の静止状態における温度ドリフトの初期値を決定することと、
前記第1の予め設定された時間以内の加速度値及び前記温度ドリフトの初期値に従って初期速度値を決定することと、
前記初期速度値に従って前記慣性測定ユニットの加速度計の静止状態における温度ドリフト較正値を決定することと、に用いられる。
【0102】
上記の実施例に基づいて、前記温度ドリフト較正値決定モジュール52は、具体的には、
前記初期速度値が0である場合、前記温度ドリフトの初期値を、前記慣性測定ユニットの加速度計の静止状態における温度ドリフト較正値として決定することと、
前記初期速度値が0ではない場合、前記慣性測定ユニットの加速度計の静止状態における温度ドリフト較正値を取得するように、前記温度ドリフトの初期値を補正することと、に用いられる。
【0103】
上記の実施例に基づいて、前記装置は、第1の温度ドリフト較正値更新モジュールをさらに備え、具体的には、
前記慣性測定ユニットが再び静止状態にある時、前記慣性測定ユニットの加速度計により出力された第2の予め設定された時間以内の加速度値を取得するステップと、
前記第2の予め設定された時間以内の加速度値に従って、前記慣性測定ユニットの加速度計の静止状態における温度ドリフト較正値を更新するステップと、に用いられる。
【0104】
上記の実施例に基づいて、前記測定対象量は角度であり、前記第1の測定値は第1の姿勢角であり、前記第2の測定値は第2の姿勢角であり、前記慣性測定ユニットの静止状態における温度ドリフト較正値は前記慣性測定ユニットのジャイロスコープの静止状態における温度ドリフト較正値であり、
【0105】
それに対応して、前記温度ドリフト較正値決定モジュール52は、具体的には、
第1の姿勢角と第2の姿勢角との差分、前記慣性測定ユニットのジャイロスコープの静止状態における温度ドリフト較正値、及び前記ジャイロスコープにより出力された現時点での角速度値に従って、前記慣性測定ユニットのジャイロスコープの現時点での温度ドリフト較正値を決定することに用いられる。
【0106】
上記の実施例に基づいて、前記温度ドリフト較正値決定モジュール52は、具体的には、
次の式に従って、前記慣性測定ユニットのジャイロスコープの現時点での温度ドリフト較正値bias3を決定することに用いられる。
【数10】
ただし、Delta_yawは第1の姿勢角と第2の姿勢角との差分であり、gは前記ジャイロスコープにより出力された現時点での角速度値であり、bias2は前記慣性測定ユニットのジャイロスコープの静止状態における温度ドリフト較正値であり、delta_time2は前記慣性測定ユニットのジャイロスコープに対応する積分計算の時間であり、scale2は予め設定されたスケール値である。
【0107】
上記の実施例に基づいて、前記温度ドリフト較正値決定モジュール52は、具体的には、
静止状態における前記慣性測定ユニットのジャイロスコープにより出力された第1の予め設定された時間以内の角速度値を取得することと、
前記第1の予め設定された時間以内の角速度値に従って、前記慣性測定ユニットのジャイロスコープの静止状態における温度ドリフトの初期値を決定することと、
前記第1の予め設定された時間以内の角速度値と前記温度ドリフトの初期値に従って、初期姿勢角を決定することと、
前記初期姿勢角に従って、前記慣性測定ユニットのジャイロスコープの静止状態における温度ドリフト較正値を決定することと、に用いられる。
【0108】
上記の実施例に基づいて、前記温度ドリフト較正値決定モジュール52は、具体的には、
前記姿勢角が0である場合、前記温度ドリフトの初期値を、前記慣性測定ユニットのジャイロスコープの静止状態における温度ドリフト較正値として決定することと、
前記初期姿勢角が0ではない場合、前記慣性測定ユニットのジャイロスコープの静止状態における温度ドリフト較正値を取得するように、前記温度ドリフトの初期値を補正することと、に用いられる。
【0109】
上記の実施例に基づいて、前記装置は、第2の温度ドリフト較正値更新モジュールをさらに備え、具体的には、
前記慣性測定ユニットが再び静止状態にある時、前記慣性測定ユニットのジャイロスコープにより出力された第2の予め設定された時間以内の角速度値を取得するステップと、
前記第2の予め設定された時間以内の角速度値に従って、前記慣性測定ユニットのジャイロスコープの静止状態における温度ドリフト較正値を更新するステップと、に用いられる。
【0110】
上記の実施例に基づいて、前記装置は、ナビゲーション結果取得モジュールをさらに含み、具体的には、
前記慣性測定ユニットの温度ドリフト較正値に従って、前記慣性測定ユニットの出力情報を補正し、補正された出力情報とナビゲーション推測航法に基づいて、ナビゲーションデッドレコニングの結果を取得するステップに用いられる。
【0111】
本願の実施例による温度ドリフトの較正装置50は、本願のいずれかの実施例による温度ドリフトの較正方法を実行することができ、実行方法に対応する機能モジュールと有益な効果を有する。本実施例に説明されない技術的な詳細について、本願のいずれかの実施例による温度ドリフトの較正方法を参照すればよい。
【0112】
本願の実施例によれば、本願は電子デバイスと読み取り可能な記憶媒体をさらに提供する。
【0113】
図6示すように、本願の実施例による温度ドリフトの較正方法の電子デバイスのブロック図であり。電子デバイスは、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ワークステーション、パーソナルデジタルアシスタント、サーバー、ブレードサーバー、メインフレーム、その他の適切なコンピュータなどのさまざまな形式のデジタルコンピュータを表すことを目的とする。電子デバイスは、パーソナルデジタル処理、セルラー方式の携帯電話、スマートフォン、ウェアラブルデバイス、及び他の同様のコンピューティング装置などのさまざまな形態のモバイル装置を表すこともできる。本文に示されるコンポーネント、それらの接続及び関係、ならびにそれらの機能は、単なる例であり、本文に記載されるおよび/または出張される本願の実現を制限することを意図しない。
【0114】
図6示すように、該電子デバイスは、1つまたは複数のプロセッサ601、メモリ602、及び高速インターフェース及び低速インターフェースを備える様々なコンポーネントを接続するためのインターフェースを備える。さまざまなコンポーネントは、異なるバスで相互に接続されており、共通のマザーボードにインストールしてもよいし、必要に応じて、他の方法でインストールしてもよい。プロセッサは、GUIのグラフィック情報を外部入出力装置(インターフェースに結合されたディスプレイデバイスなど)に表示することができるように、メモリ内またはメモリ上に記憶された命令を含む電子デバイスで実行された命令を処理でき、他の実施形態では、必要とすれば、複数のプロセッサおよび/または複数のバスを、複数のメモリと共に使用することができる。同様に、複数の電子デバイスを接続でき、各デバイスはいくつかの必要な操作を提供する(例えば、サーバーアレイ、ブレードサーバーグループ、またはマルチプロセッサシステムとして)。図6では、1つのプロセッサ601を例にする。
【0115】
メモリ602は、即ち、本願による非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体である。ただし、前記メモリは、少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令を記憶するので、前記少なくとも1つのプロセッサに本願による温度ドリフトの較正方法を実行させる。本願の非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、コンピュータに本願による温度ドリフトの較正方法を実行させるためのコンピュータ命令を記憶する。
【0116】
メモリ602は非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体として、非一時的なソフトウェアプログラム、非一時的なコンピュータによって実行可能なプログラム、及びモジュールを記憶することに用いられ、例えば、本願の実施例の温度ドリフトの較正方法に対応するプログラム命令/モジュール(例えば、図5に示される測定値取得モジュール51、温度ドリフト較正値決定モジュール52)。プロセッサ601は、メモリ602に記憶された非一時的なソフトウェアプログラム、命令及びモジュールを実行することによって、サーバの様々な機能アプリケーション及びデータ処理を実行し、即ち、上記方法の実施例の温度ドリフトの較正方法を実現する。
【0117】
メモリ602は、記憶プログラム領域と記憶データ領域を含んでもよく、ただし、記憶プログラム領域は、オペレーティングシステム、少なくとも1つの機能に必要なアプリケーションプログラムを記憶してもよく、記憶データ領域は、温度ドリフト較正の電子デバイスの使用のため、作成されたデータなどを記憶することができ、また、メモリ602は、高速ランダムアクセスメモリを含んでもよく、さらに非一時的なメモリを含んでもよく、例えば、少なくとも1つの磁気ディスク記憶デバイス、フラッシュメモリデバイス、または他の非一時的なソリッドステートストレージデバイスなどの非一時的なメモリを含んでもよく、いくつかの実施例では、メモリ602は、プロセッサ601に対してリモートで設定されたメモリを選択してもよく、これらのリモートメモリは、ネットワークを介して温度ドリフト較正の電子デバイスに接続されてもよい。上記のネットワークの例としては、インターネット、ブロックチェーンネットワーク、企業イントラネット、ローカルエリアネットワーク、モバイル通信ネットワーク、及びそれらの組み合わせなどを含むが、これらに限定されない。
【0118】
温度ドリフトの較正方法の電子デバイスは、入力装置603及び出力装置604をさらに備えてよい。プロセッサ601、メモリ602、入力装置603、出力装置604は、バスなどで接続されてもよいが、図6にバスによる接続を例にする。
【0119】
入力装置603は、入力デジタルまたは文字情報を受信し、温度ドリフト較正の電子デバイスのユーザー設定及び機能制御に関連するキー信号入力を生成することができる。例えば、タッチスクリーン、キーパッド、マウス、トラックパッド、タッチパッド、ポインティングスティック、1つ以上のマウスボタン、トラックボール、ジョイスティック、その他の入力装置。出力装置604は、ディスプレイデバイス、補助照明装置(例えば、LED)、触覚フィードバック装置(例えば、振動モーター)などを備えてもよい。該ディスプレイデバイスは、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、及びプラズマディスプレイを備えてもよい。いくつかの実施形態では、ディスプレイデバイスはタッチスクリーンであってもよい。
【0120】
ここでは説明されるシステム及び技術の様々な実施形態は、デジタル電子回路システム、集積回路システム、特定用途向けASIC(特定用途向け集積回路)、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、および/またはそれらの組み合わせにおいて実現できる。これらの様々な実施形態は、以下を含んでもよく、1つまたは複数のコンピュータプログラムに実施され、該1つまたは複数のコンピュータプログラムは、少なくとも1つのプログラマブルプロセッサを含むプログラマブルシステム上で実行および/または解釈されてもよく、該プログラマブルプロセッサは、ストレージシステム、少なくとも1つの入力装置、及び少なくとも1つの出力装置からデータと命令を受信し、そのデータと命令をストレージシステム、少なくとも1つの入力装置、及び少なくとも1つの出力装置に送信できる専用または汎用のプログラマブルプロセッサであってもよい。
【0121】
これらのコンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、またはコードとも呼ばれる)は、プログラマブルプロセッサの機械命令を含み、高レベルのプロセス及び/またはオブジェクト指向プログラミング言語、及び/またはアセンブリ/機械言語を利用してこれらのコンピュータプログラムを実施することができる。本文で使用されるように、「機械読み取り可能な媒体」及び「コンピュータ読み取り可能な媒体」という用語は、プログラマブルプロセッサに機械命令および/またはデータを提供するために用いられる任意のコンピュータプログラム製品、デバイス、および/または装置(例えば、磁気ディスク、光ディスク、メモリ、プログラマブルロジック装置(PLD)を指す。機械読み取り可能な信号である機械命令を受信する機械読み取り可能な媒体を含む。「機械読み取り可能な信号」という用語は、プログラマブルプロセッサに機械命令および/またはデータを提供するために用いられる任意の信号を指す。
【0122】
ユーザーとの対話を提供するために、コンピュータにここでは説明されるシステム及び技術を実施してもよく、該コンピュータは、ユーザーに情報を表示するためのディスプレイ装置(例えば、CRT(陰極線管)またはLCD(液晶ディスプレイ)モニター)、及びキーボードとポインティング装置(マウスやトラックボールなど)を備え、ユーザーが該キーボードとポインティング装置を介してコンピュータに入力を提供することができる。他のタイプの装置もユーザーとの対話を提供するために用いられ、例えば、ユーザーに提供されるフィードバックは、任意の形式の感覚フィードバック(例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、または触覚フィードバック)であってもよく、任意の形式(音入力、音声入力、または触覚入力を含み)でユーザーからの入力を受信することができる。
【0123】
ここでは説明されるシステムと技術は、バックエンドコンポーネント(例えば、データサーバー)を含むコンピュータシステム、ミドルウェアコンポーネント(例えば、アプリケーションサーバー)を含むコンピュータシステム、またはフロントエンドコンポーネントを含むコンピュータシステム(例えば、グラフィカルユーザーインターフェイスまたはWebブラウザーを備え、ユーザーが該ラフィカルユーザーインターフェイスまたはWebブラウザーでシステムと技術の実施形態と対話できるユーザーのコンピュータ)、またはそのようなバックエンドコンポーネント、ミドルウェアコンポーネント、またはフロントエンドコンポーネントを含む任意の組み合わせに実施してもよく、システムのコンポーネントは、任意の形式または媒体のデジタルデータ通信(通信ネットワークなど)を介して相互に接続してもよい。通信ネットワークの例としては、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、インターネット、ブロックチェーンネットワークが挙げられる。
【0124】
コンピュータシステムは、クライアント及びサーバーを含んでもよい。クライアントとサーバーは、一般的に互いに離れており、通常は通信ネットワークを介して対話する。対応するコンピュータ上で、互いにクライアント/サーバー関係を持つコンピュータプログラムを実行することによりクライアントとサーバーの関係を生成する。
【0125】
本願の実施例の技術的解決手段によれば、慣性測定ユニットによって決定された測定対象量の現時点での測定値を第1の測定値とし、全地球測位システムによって決定された測定対象量の現時点での測定値を第2の測定値とし、最終的に第1の測定値及び第2の測定値に従って、慣性測定ユニットの現時点での温度ドリフト較正値を決定することにより、慣性測定ユニットの現在温度ドリフト較正値をリアルタイムで決定するという技術効果を実現し、後続のナビゲーション推測航法において温度ドリフトを補償することによりナビゲーション結果の正確性を向上させることに、データ基礎を築いた。
【0126】
なお、上記に示される様々な形態のプロセスを使用して並べ替え、ステップを追加し、削除できる。例えば、本願に記載される各ステップは、本願に開示される技術的解決手段の所望の結果を達成できる限り、並列、順次、または異なる順序で実行されてもよく、ここでは本文に限定されない。
【0127】
上記の具体的な実施形態は、本願の特許範囲を限定するものではない。当業者は、設計要件及び他の要因に応じて、様々な修正、組み合わせ、サブ組み合わせ、及び置換を行うことができると理解すべきである。本願の精神及び原則を逸脱せずに行われる補正、均等などな置換、改良などはすべて本願の特許範囲に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6