(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-20
(45)【発行日】2023-03-29
(54)【発明の名称】発泡成形体、積層体及び積層体の製造方法
(51)【国際特許分類】
C08J 9/36 20060101AFI20230322BHJP
B29C 44/00 20060101ALI20230322BHJP
B29C 44/12 20060101ALI20230322BHJP
B29C 44/44 20060101ALI20230322BHJP
B32B 5/18 20060101ALI20230322BHJP
【FI】
C08J9/36
B29C44/00 G
B29C44/12
B29C44/44
B32B5/18
(21)【出願番号】P 2020502924
(86)(22)【出願日】2019-02-13
(86)【国際出願番号】 JP2019005157
(87)【国際公開番号】W WO2019167627
(87)【国際公開日】2019-09-06
【審査請求日】2021-12-24
(31)【優先権主張番号】P 2018037968
(32)【優先日】2018-03-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2018161819
(32)【優先日】2018-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000000941
【氏名又は名称】株式会社カネカ
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】▲吉▼田 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】吉田 融
【審査官】石塚 寛和
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-265590(JP,A)
【文献】特開2014-080022(JP,A)
【文献】特開2012-210733(JP,A)
【文献】特開2009-297934(JP,A)
【文献】特表2017-531050(JP,A)
【文献】米国特許第5421925(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08J 9/00-9/42
B29C 43/00-43/34、43/44-43/48、
44/00-44/60、67/20
B32B 1/00-43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
他部材と熱融着する発泡成形体であって、
前記発泡成形体の、前記他部材と熱融着する少なくとも1つの面は、基面と、前記基面上に形成された少なくとも1つの突起部と、から形成され、
前記突起部の周囲では前記基面が外部に露出しており、
前記突起部は、前記発泡成形体と前記他部材とを熱融着させるときに溶けて広が
り、
前記基面と前記突起部との間の境界面の面積は、0.25mm
2
以上、100.00mm
2
以下であり、
前記突起部の高さは、0.3mm以上、10.0mm以下であり、
前記突起部は、前記基面上に1個/cm
2
以上、25個/cm
2
以下の密度で形成され、前記基面のうち少なくとも20%以上の領域に亘って形成されることを特徴とする発泡成形体。
【請求項2】
前記突起部は、第1突起部と第2突起部とを含み、
前記第1突起部には、前記第2突起部が形成されることを特徴とする請求項1に記載の発泡成形体。
【請求項3】
他部材と熱融着する発泡成形体であって、
前記発泡成形体の、前記他部材と熱融着する少なくとも1つの面は、基面と、前記基面上に形成された少なくとも1つの突起部と、から形成され、
前記突起部の周囲では前記基面が外部に露出しており、
前記突起部は、第1突起部と第2突起部とを含み、
前記第1突起部には、前記第2突起部が形成され、
前記基面と前記突起部との間の境界面の面積は、0.25mm
2
以上、100.00mm
2
以下であり、
前記突起部の高さは、0.3mm以上、10.0mm以下であり、
前記突起部は、前記基面上に1個/cm
2
以上、25個/cm
2
以下の密度で形成され、前記基面のうち少なくとも20%以上の領域に亘って形成されることを特徴とする発泡成形体。
【請求項4】
前記突起部は、前記突起部の先端に陥没部が形成されることを特徴とする請求項1に記載の発泡成形体。
【請求項5】
他部材と熱融着する発泡成形体であって、
前記発泡成形体の、前記他部材と熱融着する少なくとも1つの面は、基面と、前記基面上に形成された少なくとも1つの突起部と、から形成され、
前記突起部の周囲では前記基面が外部に露出しており、
前記突起部は、前記突起部の先端に陥没部が形成され
、
前記基面と前記突起部との間の境界面の面積は、0.25mm
2
以上、100.00mm
2
以下であり、
前記突起部の高さは、0.3mm以上、10.0mm以下であり、
前記突起部は、前記基面上に1個/cm
2
以上、25個/cm
2
以下の密度で形成され、前記基面のうち少なくとも20%以上の領域に亘って形成されることを特徴とする発泡成形体。
【請求項6】
前記基面と前記突起部との間の境界面は、円形または楕円形であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の発泡成形体。
【請求項7】
発泡粒子から構成されることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の発泡成形体。
【請求項8】
他部材と熱融着する発泡成形体であって、
前記発泡成形体の、前記他部材と熱融着する少なくとも1つの面は、基面と、前記基面上に形成された少なくとも1つの突起部と、から形成され、
前記突起部は、前記他部材と熱融着する際に最初に溶融するものであり、
前記突起部は、前記発泡成形体と前記他部材とを熱融着させるときに溶けて広が
り、
前記基面と前記突起部との間の境界面の面積は、0.25mm
2
以上、100.00mm
2
以下であり、
前記突起部の高さは、0.3mm以上、10.0mm以下であり、
前記突起部は、前記基面上に1個/cm
2
以上、25個/cm
2
以下の密度で形成され、前記基面のうち少なくとも20%以上の領域に亘って形成されることを特徴とする発泡成形体。
【請求項9】
他部材と熱融着する発泡成形体であって、
前記発泡成形体の、前記他部材と熱融着する少なくとも1つの面は、基面と、前記基面上に形成された少なくとも1つの突起部と、から形成され、
前記突起部は、前記他部材と熱融着する際に最初に溶融するものであり、
前記突起部は、第1突起部と第2突起部とを含み、
前記第1突起部には、前記第2突起部が形成され
、
前記基面と前記突起部との間の境界面の面積は、0.25mm
2
以上、100.00mm
2
以下であり、
前記突起部の高さは、0.3mm以上、10.0mm以下であり、
前記突起部は、前記基面上に1個/cm
2
以上、25個/cm
2
以下の密度で形成され、前記基面のうち少なくとも20%以上の領域に亘って形成されることを特徴とする発泡成形体。
【請求項10】
他部材と熱融着する発泡成形体であって、
前記発泡成形体の、前記他部材と熱融着する少なくとも1つの面は、基面と、前記基面上に形成された少なくとも1つの突起部と、から形成され、
前記突起部は、前記他部材と熱融着する際に最初に溶融するものであり、
前記突起部は、前記突起部の先端に陥没部が形成され
、
前記基面と前記突起部との間の境界面の面積は、0.25mm
2
以上、100.00mm
2
以下であり、
前記突起部の高さは、0.3mm以上、10.0mm以下であり、
前記突起部は、前記基面上に1個/cm
2
以上、25個/cm
2
以下の密度で形成され、前記基面のうち少なくとも20%以上の領域に亘って形成されることを特徴とする発泡成形体。
【請求項11】
他部材と熱融着する発泡成形体であって、
前記発泡成形体の、前記他部材と熱融着する少なくとも1つの面は、基面と、前記基面上に形成された少なくとも1つの突起部と、から形成され、
前記突起部は、前記他部材と熱融着する際に最初に応力がかかるものであり、
前記突起部は、前記発泡成形体と前記他部材とを熱融着させるときに溶けて広が
り、
前記基面と前記突起部との間の境界面の面積は、0.25mm
2
以上、100.00mm
2
以下であり、
前記突起部の高さは、0.3mm以上、10.0mm以下であり、
前記突起部は、前記基面上に1個/cm
2
以上、25個/cm
2
以下の密度で形成され、前記基面のうち少なくとも20%以上の領域に亘って形成されることを特徴とする発泡成形体。
【請求項12】
他部材と熱融着する発泡成形体であって、
前記発泡成形体の、前記他部材と熱融着する少なくとも1つの面は、基面と、前記基面上に形成された少なくとも1つの突起部と、から形成され、
前記突起部は、前記他部材と熱融着する際に最初に応力がかかるものであり、
前記突起部は、第1突起部と第2突起部とを含み、
前記第1突起部には、前記第2突起部が形成され
、
前記基面と前記突起部との間の境界面の面積は、0.25mm
2
以上、100.00mm
2
以下であり、
前記突起部の高さは、0.3mm以上、10.0mm以下であり、
前記突起部は、前記基面上に1個/cm
2
以上、25個/cm
2
以下の密度で形成され、前記基面のうち少なくとも20%以上の領域に亘って形成されることを特徴とする発泡成形体。
【請求項13】
他部材と熱融着する発泡成形体であって、
前記発泡成形体の、前記他部材と熱融着する少なくとも1つの面は、基面と、前記基面上に形成された少なくとも1つの突起部と、から形成され、
前記突起部は、前記他部材と熱融着する際に最初に応力がかかるものであり、
前記突起部は、前記突起部の先端に陥没部が形成され
、
前記基面と前記突起部との間の境界面の面積は、0.25mm
2
以上、100.00mm
2
以下であり、
前記突起部の高さは、0.3mm以上、10.0mm以下であり、
前記突起部は、前記基面上に1個/cm
2
以上、25個/cm
2
以下の密度で形成され、前記基面のうち少なくとも20%以上の領域に亘って形成されることを特徴とする発泡成形体。
【請求項14】
請求項1から
13のいずれか1項に記載の発泡成形体と前記他部材とが積層されることにより形成されることを特徴とする積層体。
【請求項15】
請求項1から
13のいずれか1項に記載の発泡成形体と前記他部材とを積層して熱融着する積層体の製造方法であって、
前記突起部が形成される積層面に、他部材を積層する積層工程、及び、
積層した発泡成形体と前記他部材とをプレスするプレス工程、
を含むことを特徴とする積層体の製造方法。
【請求項16】
さらに、減圧工程を含むことを特徴とする請求項
15に記載の積層体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発泡成形体、積層体及び積層体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、発泡成形体の表面にシートまたはフィルム等の他部材を接着することにより形成される積層体が知られている。このような積層体として、熱により発泡成形体または他部材を溶融させ、熱融着により発泡成形体と他部材とを接着させることにより形成された積層体が知られている。
【0003】
この積層体の例として、特許文献1に開示されている発泡体複合品が挙げられる。この発泡体複合品は、表面に凹凸部が設けられた発泡体基板に、樹脂フィルムを熱融着させることにより形成される。また、熱融着により形成される積層体の例として、特許文献2に開示されている衛生設備室用部材が挙げられる。さらに、発泡成形体の例としては、特許文献3に開示されている、表面にコアベント跡である凸部が現れた発泡容器が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実開昭59-131824号公報(1984年9月4日公開)
【文献】特開2008-221520号公報(2008年9月25日公開)
【文献】特開2013-180772号公報(2013年9月12日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示されている発泡体複合品では、発泡成形体と他部材との接着性が弱い、または発泡成形体と他部材との接着において接着度合に偏りが生じるという問題がある。
【0006】
また、特許文献1に開示されている発泡体複合品では、発泡成形体と他部材との間に空気溜まりが発生しやすく、その結果、発泡成形体と他部材との接着性が弱くなる、または接着ムラが生じるといった問題もある。
【0007】
本発明の一態様は、他部材との熱融着の際に発泡成形体の基面の熱による劣化を低減し、他部材と強固に熱融着することが可能な発泡成形体を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、本発明の一態様に係る発泡成形体は、他部材と熱融着する発泡成形体であって、前記発泡成形体の、前記他部材と熱融着する少なくとも1つの面は、基面と、前記基面上に形成された少なくとも1つの突起部と、から形成され、前記突起部の周囲では前記基面が外部に露出している。
【0009】
本発明の一態様に係る発泡成形体は、他部材と熱融着する発泡成形体であって、前記発泡成形体の、前記他部材と熱融着する少なくとも1つの面は、基面と、前記基面上に形成された少なくとも1つの突起部と、から形成され、前記突起部は、前記他部材と熱融着する際に最初に溶融するものである。
【0010】
本発明の一態様に係る発泡成形体は、他部材と熱融着する発泡成形体であって、前記発泡成形体の、前記他部材と熱融着する少なくとも1つの面は、基面と、前記基面上に形成された少なくとも1つの突起部と、から形成され、前記突起部は、前記他部材と熱融着する際に最初に応力がかかるものである。
【0011】
本発明の一態様に係る発泡成形体は、他部材と熱融着する発泡成形体であって、前記発泡成形体の、前記他部材と熱融着する少なくとも1つの面は、基面と、前記基面上に形成された少なくとも1つの突起部と、から形成され、前記突起部には、上から見て(平面視にて)、少なくとも2つの面が存在し、前記2つの面の境界線として、前記突起部の外側から先端中央に向かう方向と交差する、少なくとも1つの境界線が存在する。
【発明の効果】
【0012】
本発明の一態様によれば、他部材との熱融着の際に発泡成形体の基面の熱による劣化を低減し、他部材と強固に熱融着することが可能な発泡成形体を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】(a)、及び(c)~(i)は、本発明の実施形態に係る発泡成形体の突起部の形状の一例を示す図であり、(b)は、積層体の断面を示す断面図である。
【
図2】(a)~(g)は、本発明の実施形態に係る発泡成形体の突起部の形状の一例を示す図である。
【
図3】(a)~(h)は、本発明の実施形態に係る発泡成形体の突起部の形状の一例を示す図である。
【
図4】(a)~(g)は、本発明の実施形態に係る発泡成形体の突起部の形状の一例を示す図である。
【
図5】(a)及び(b)は、発泡成形体の基面が平面ではない場合の発泡成形体の断面を示す断面図である。
【
図6】(a)は、従来の発泡成形体を示す図であり、(b)は、半球状である複数の突起部が形成された発泡成形体を示す図であり、(c)は、半球状である複数の突起部及び
図2の(d)及び(e)に示す突起部が形成された発泡成形体を示す図である。
【
図7】(a)~(c)は、発泡成形体に他部材を熱融着させた後に、発泡成形体から剥がされた他部材の状態を示す図であり、(d)~(f)は、発泡成形体に他部材を熱融着させた後に、他部材が剥がされたときの発泡成形体の状態を示す図である。(g)~(i)は、発泡成形体に他部材を熱融着させたときの状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(発泡成形体の突起部の形状について)
図1~
図3は、突起部の2つの面の境界線が線で表現されているが、この境界線は線で表現できるものに限定されない。例えば、
図4に示すように、突起部の断面の外郭線が高次曲線で近似できる線であるとき、2つの面の境界線はその外郭線の変曲点に該当する。変曲点がない場合、2つの面の境界線は2つの面の間で平面になっている部分の中心点が該当する。また、これらの2つの面の境界線は、上から見て(平面視にて)、明確に表れない場合もあり得る。この場合、突起部の2つの面の境界線には、このような前記変曲点及び前記中心点に該当する境界線も含まれるものとする。前記変曲点及び前記中心点に該当する境界線は、
図4に示すように、一点鎖線で示す。
【0015】
図1の(a)、及び(c)~(i)は、発泡成形体の突起部の形状の一例を示す図であり、
図1の(b)は、積層体1の断面を示す断面図である。
【0016】
図1の(c)は、突起部120を上から見た図であり、
図1の(a)は、
図1の(c)に示す点線x1-x2における発泡成形体10の断面図である。
図1の(a)に示すように、発泡成形体10の突起部120が形成されている側に、他部材20を熱融着させる。つまり、発泡成形体10は、他部材20と熱融着する。
【0017】
発泡成形体10は、発泡シート、発泡ボード、発泡粒子型内発泡成形体、または射出発泡成形体等の公知の発泡成形体を使用することができる。発泡成形体10は、熱可塑性樹脂から構成される。これにより、熱可塑性樹脂を溶かして発泡成形体10と他部材20とを熱融着させることができる。熱可塑性樹脂としては特に制限はないが、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、スチレン改質ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、及びポリカーボネート系樹脂等が挙げられる。発泡成形体10の発泡倍率は特に制限されないが、熱可塑性樹脂としてポリオレフィン系樹脂を用いる場合、例えば、5倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、45倍、または60倍等とすることができる。
【0018】
また、発泡成形体10は、発泡粒子から構成されるため、発泡成形体10を溶かして発泡成形体10と他部材20とを熱融着させることができる。また、発泡成形体10が発泡粒子から構成される場合、型内発泡成形により、突起部120を容易に形成することができる。
【0019】
なお、発泡成形体10は、本発明の一態様による効果が顕著になること、さらには、緩衝性、耐薬品性、耐熱性、及び圧縮後の歪回復率に優れ、かつ、リサイクルが容易となる点から、オレフィン系樹脂からなることが好ましい。さらに、発泡成形体10は、これらの点から、ポリオレフィン系樹脂の発泡粒子を型内発泡成形したものであることがより好ましい。
【0020】
他部材20は、発泡成形体10と熱融着することが可能なものであれば、特に限定されない。例えば、他部材20としては、熱可塑性樹脂もしくは熱硬化性樹脂からなるシート、またはフィルムもしくは不織布等が挙げられる。熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂としては、ホモポリマー、ランダム共重合体、ブロック共重合体、またはこれらの混合物を使用することができる。また、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂には、繊維、フィラーもしくはゴム成分等で強化された熱可塑性樹脂、または熱硬化性樹脂を含みうる。ここで説明した材料の中でも、接着性の観点から、他部材20は、熱可塑性樹脂からなるシートまたはフィルムが好ましい。
【0021】
図1の(a)に示すように、発泡成形体10の、他部材20と熱融着する少なくとも1つの面は、基面110と、基面110上に形成された少なくとも1つの突起部120と、から形成される。例えば、発泡成形体10が板状の直方体である場合、他部材20と熱融着する1面だけが基面110と突起部120とから形成されてもよい。また、他部材20と熱融着する1面、及び他部材20と熱融着する、当該1面に対向する面だけが基面110と突起部120とから形成されてもよい。さらに、他部材20と熱融着する、その直方体の全面が基面110と突起部120とから形成されてもよい。突起部120の周囲では基面110が外部に露出している。
【0022】
また、発泡成形体10と他部材20とを熱融着させるとき、熱容量が小さく溶けやすい突起部120の先端から溶け始める。このため、突起部120の先端が確実に溶けることにより、面方向に亘って一様に発泡成形体10と他部材20とを熱融着させることができる。よって、発泡成形体10と他部材20とを強固に熱融着させることができる。
【0023】
また、
図1の(b)に示すように、発泡成形体10と他部材20とを熱融着させるとき、突起部120が溶けて広がる。これにより、熱が基面110まで過剰に及ぶことを低減する。突起部120が優先して溶けるため、基面110の熱による劣化を低減することができる。よって、基面110の熱による劣化に伴う接着性が低下すること、及び発泡成形体10の形状(特に、基面110の形状)が変化することを低減することができる。発泡成形体10と他部材20とを熱融着させると、突起部120間の距離が小さい場合、突起部120が溶けて、発泡成形体10と他部材20とが熱融着される、つまり積層されることにより、積層体1が形成される。また、突起部120間の距離が大きい場合、突起部120が優先的に溶けて、次いで基面110が溶けて、発泡成形体10と他部材20とが熱融着されることにより、積層体1が形成される。
【0024】
これにより、発泡成形体10と他部材20とが強固に熱融着された積層体1を形成することができる。また、発泡成形体10の形状が、要求された形状から異なる可能性を低減した積層体1を製造することができる。積層体1の用途としては、車両用内装パネル、車両用デッキボード、ティビアパッド等の自動車・鉄道車両用途、化粧台、フロア材、壁用断熱芯材、浴室用断熱床材、風呂蓋等の住居用途、通い箱、パレット等の輸送用途、型枠、下地材等の建築資材、ブイ等の浮き具、及び工具箱等の保管具等の種々の用途を挙げることができる。
【0025】
発泡成形体10と他部材20とを熱融着させるとき、突起部120は、他部材20と熱融着する際に最初に溶融するものである。これにより、突起部120が最初に溶融するため、発泡成形体10と他部材20とを強固に熱融着させることができる。また、突起部120が優先して溶けるため、基面110の熱による劣化を低減することができる。
【0026】
また、発泡成形体10と他部材20とを熱融着させるとき、突起部120は、他部材20と熱融着する際に最初に応力がかかるものである。これにより、突起部120に最初に応力がかかるため、突起部120が最初に溶融することになる。さらに、前述したように、突起部120が優先して溶けるため、基面110の熱による劣化を低減することができる。
【0027】
図1の(a)に示すように、突起部120の先端には陥没部121が形成されている。
図1の(c)に示すように、陥没部121は、長方形の形状を有する陥没底面123が形成され、上から見て、陥没底面123の周囲に傾斜面122が形成されている構造を有する。傾斜面122は、上から見て突起部120の外側から陥没底面123に向かう方向に進むにつれて低くなるように傾斜している。傾斜面122は台形の形状を有する。また、突起部120の底面(基面110と突起部120との間の境界面)は長方形である。
【0028】
突起部120には、上から見て、5つの面が存在し、5つの面のうち2つの面の境界線として、突起部120の外側から先端中央に向かう方向と交差する、少なくとも1つの境界線が存在する。突起部120の外側から先端中央に向かう方向として、例えば、方向d1を考えると、傾斜面122と陥没底面123との間の境界線b1は、方向d1と交差する。
【0029】
突起部120の構成において、陥没部121の周囲の部分は、他部材20側に稜線を有する形状となる。この稜線は、傾斜面122と突起部120の外側面との境界線により形成されている。陥没部121の周囲の部分は、この稜線を頂部とする先細り形状であり溶けやすい。このため、発泡成形体10と他部材20とを熱融着させるとき、突起部120をより確実に溶かすことができる。よって、発泡成形体10と他部材20とをより強固に熱融着させることができる。
【0030】
図1の(e)及び(f)はそれぞれ、突起部120a・120a_1を上から見た図であり、
図1の(d)は、
図1の(e)及び(f)に示す点線x1-x2における発泡成形体10aの断面図である。
図1の(d)及び(e)に示すように、発泡成形体10の代わりに、基面110上に突起部120aが形成された発泡成形体10aを用いてもよい。突起部120aは、半球状のものの先端に陥没部121aが形成されている構造を有する。陥没部121aは曲面状であり、かつ、上から見て円形状である。また、
図1の(e)に示すように、陥没部121aは、上から見て突起部120aの中央に形成されている。さらに、突起部120aの底面(基面110と突起部120aとの間の境界面)は円形である。突起部120aの外側から先端中央に向かう方向として、例えば、方向d2を考えると、2つの面の境界線b2は、方向d2と交差する。
【0031】
なお、
図1の(f)に示すように、基面110上には突起部120a_1が形成されていてもよく、突起部120a_1の先端に形成された陥没部121a_1は曲面状であり、かつ、上から見て楕円形状である。陥没部121a_1は、上から見て、その両端が基面110と突起部120a_1との境界線と重なっている。さらに、突起部120a_1の底面(基面110と突起部120a_1との間の境界面)は円形である。また、突起部120a_1の外側から先端中央に向かう方向として、例えば、方向d3を考えると、2つの面の境界線b3は、方向d3と交差する。
【0032】
突起部120a及び突起部120a_1の構成によれば、突起部120aの底面が円形であり、また突起部120a_1の底面が円形である。これにより、発泡成形体10aと他部材20とを熱融着させるとき、突起部120aは円形に広がって溶け、突起部120a_1は円形に広がって溶ける。このため、発泡成形体10aと他部材20とをより強固に熱融着させることができる。
【0033】
図1の(i)は、突起部120bを上から見た図であり、
図1の(g)は、
図1の(i)に示す点線y1-y2における発泡成形体10bの断面図である。
図1の(h)は、
図1の(i)に示す点線x1-x2における発泡成形体10bの断面図である。
図1の(g)に示すように、発泡成形体10の代わりに、基面110上に突起部120bが形成された発泡成形体10bを用いてもよい。
【0034】
突起部120bは、半球状のものの先端に陥没部121bが形成されている構造を有する。陥没部121bは曲面状であり、かつ、上から見て楕円形状である。また、陥没部121aは、
図1の(i)に示すように、上から見て突起部120bの中央に形成されている。突起部120bの外側から先端中央に向かう方向として、例えば、方向d4を考えると、2つの面の境界線b4は、方向d4と交差する。さらに、突起部120bの底面(基面110と突起部120bとの間の境界面)は楕円形である。
【0035】
図2の(b)は、突起部120cを上から見た図であり、
図2の(c)は、突起部120c_1を上から見た図であり、
図2の(a)は、
図2の(b)及び(c)に示す点線x1-x2における発泡成形体10cの断面図である。
図2の(a)及び(b)に示すように、発泡成形体10の代わりに、基面110上に突起部120cが形成された発泡成形体10cを用いてもよい。
【0036】
突起部120cは、第1突起部124と第2突起部125とを備え、第1突起部124の上面には第2突起部125が形成されている。第1突起部124及び第2突起部125は、直方体の形状を有する。また、
図2の(b)に示すように、第2突起部125は第1突起部124の中央に形成されている。さらに、突起部120cの底面(基面110と突起部120cとの間の境界面)は長方形である。突起部120cの外側から先端中央に向かう方向として、例えば、方向d5を考えると、2つの面の境界線b5は、方向d5と交差する。
【0037】
なお、
図2の(c)に示すように、基面110上には突起部120c_1が形成されていてもよく、第1突起部124の上面には第2突起部125・126が形成されている。第2突起部126は第2突起部125と同一の形状であってもよく、異なる形状であってもよい。また、第1突起部124の上面には3つ以上の第2突起部が形成されていてもよい。さらに、突起部120c_1の底面(基面110と突起部120c_1との間の境界面)は長方形である。突起部120c_1の外側から第2突起部125の先端中央に向かう方向として、例えば、方向d6を考えると、2つの面の境界線b6は、方向d6と交差する。また、突起部120c_1の外側から第2突起部126の先端中央に向かう方向として、例えば、方向d7を考えると、2つの面の境界線b7は、方向d7と交差する。
【0038】
突起部120cの構成において、熱容量がより小さく溶けやすい第2突起部125は、熱により溶融されると、第1突起部124の表面に広がりやすい。また、溶融される第1突起部124も熱容量が小さい。このため、発泡成形体10cと他部材20とを熱融着させるとき、突起部120cをより確実に溶かすことができる。よって、発泡成形体10cと他部材20とをより強固に熱融着させることができる。なお、第2突起部125は、第1突起部124の先端部近傍に形成されることが好ましい。これにより、第2突起部125の先端部近傍を確実に溶かすことができる。
【0039】
図2の(e)は、突起部120dを上から見た図であり、
図2の(d)は、
図2の(e)に示す点線x1-x2における発泡成形体10dの断面図である。
図2の(d)及び(e)に示すように、発泡成形体10の代わりに、基面110上に突起部120dが形成された発泡成形体10dを用いてもよい。
【0040】
突起部120dは、第1突起部124aと第2突起部125aとを備え、第1突起部124aの先端には第2突起部125aが形成されている。第1突起部124a及び第2突起部125aは、曲面状である。また、
図2の(e)に示すように、第2突起部125aは第1突起部124aの中央に形成されている。さらに、突起部120dの底面(基面110と突起部120dとの間の境界面)は円形である。突起部120dの外側から先端中央に向かう方向として、例えば、方向d8を考えると、2つの面の境界線b8は、方向d8と交差する。
【0041】
なお、
図2の(f)及び(g)に示すように、基面110上には突起部120d_1が形成されていてもよく、突起部120d_1は、第1突起部124aと第2突起部125a・126aとを備えている。第1突起部124aには、第2突起部125a・126aが形成されている。第2突起部126aは第2突起部125aと同一の形状であってもよく、異なる形状であってもよい。また、第1突起部124aの上面には3つ以上の第2突起部が形成されていてもよい。さらに、突起部120d_1の底面(基面110と突起部120d_1との間の境界面)は円形である。
【0042】
突起部120d_1の外側から第2突起部125aの先端中央に向かう方向として、例えば、方向d9を考えると、2つの面の境界線b9は、方向d9と交差する。また、突起部120d_1の外側から第2突起部126aの先端中央に向かう方向として、例えば、方向d10を考えると、2つの面の境界線b10は、方向d10と交差する。なお、
図2の(g)は、突起部120d_1を上から見た図であり、
図2の(f)は、
図2の(g)に示す点線x1-x2における発泡成形体10d_1の断面図である。
【0043】
図3の(c)は、突起部120eを上から見た図であり、
図3の(a)は、
図3の(c)に示す点線y1-y2における発泡成形体10eの断面図である。
図3の(b)は、
図3の(c)に示す点線x1-x2における発泡成形体10eの断面図である。
図3の(a)に示すように、発泡成形体10の代わりに、基面110上に突起部120eが形成された発泡成形体10eを用いてもよい。
【0044】
図3の(c)に示すように、突起部120eは、台形の形状を有する2つの傾斜面131と、三角形の形状を有する2つの傾斜面132と、から形成される。2つの傾斜面131の互いの上辺が重なっており、2つの傾斜面131の互いの下辺が離れるように、2つの傾斜面131は傾斜している。
【0045】
2つの傾斜面131の両側には2つの傾斜面132が形成され、2つの傾斜面132も傾斜している。傾斜面131・132は、上から見て突起部120eの外側から突起部120eの中央に向かう方向に進むにつれて高くなるように傾斜している。また、突起部120eの底面(基面110と突起部120eとの間の境界面)は長方形である。突起部120eの外側から先端中央に向かう方向として、例えば、方向d11を考えると、2つの傾斜面131の境界線b11は、方向d11と交差する。
【0046】
図3の(e)は、突起部120fを上から見た図であり、
図3の(d)は、
図3の(e)及び(f)に示す点線x1-x2における発泡成形体10fの断面図である。
図3の(d)に示すように、発泡成形体10の代わりに、基面110上に突起部120fが形成された発泡成形体10fを用いてもよい。
図3の(e)に示すように、突起部120fは、台形の形状を有する4つの傾斜面133と、長方形の形状を有する上面134と、から形成される。上面134の4つの辺はそれぞれ、4つの傾斜面133の上辺と重なっており、4つの傾斜面133は傾斜している。傾斜面133は、上から見て突起部120fの外側から突起部120fの中央に向かう方向に進むにつれて高くなるように傾斜している。また、突起部120fの底面(基面110と突起部120fとの間の境界面)は長方形である。突起部120fの外側から先端中央に向かう方向として、例えば、方向d12を考えると、傾斜面133と上面134との間の境界線b12は、方向d12と交差する。
【0047】
なお、
図3の(f)に示すように、基面110上には突起部120f_1が形成されていてもよい。突起部120f_1は、台形の形状を有する3つの傾斜面135と、三角形の形状を有する上面136と、から形成される。上面136の3つの辺はそれぞれ、3つの傾斜面135の上辺と重なっており、3つの傾斜面135は傾斜している。傾斜面135は、上から見て突起部120f_1の外側から突起部120f_1の中央に向かう方向に進むにつれて高くなるように傾斜している。また、突起部120f_1の底面(基面110と突起部120f_1との間の境界面)は三角形である。突起部120f_1の外側から先端中央に向かう方向として、例えば、方向d13を考えると、傾斜面135と上面136との間の境界線b13は、方向d13と交差する。
【0048】
図3の(h)は、突起部120gを上から見た図であり、
図3の(g)は、
図3の(h)に示す点線x1-x2における発泡成形体10gの断面図である。
図3の(g)に示すように、発泡成形体10の代わりに、基面110上に突起部120gが形成された発泡成形体10gを用いてもよい。
図3の(h)に示すように、突起部120gは、台形の形状を有する8つの傾斜面137と、長方形の形状を有する上面138及び底面139と、から形成される。8つの傾斜面137は互いに同一の形状であってもよく、互いに異なる形状であってもよい。上面138の形状は、底面139の形状と同一であってもよく、異なっていてもよい。突起部120gは、八面体から、その八面体の2つの角を切り取った形状を有している。その2つの角が切り取られた部分が、上面138及び底面139に該当する。突起部120gの外側から先端中央に向かう方向として、例えば、方向d14を考えると、傾斜面137と上面138との間の境界線b14は、方向d14と交差する。
【0049】
上面138の4つの辺はそれぞれ、突起部120gの上側にある4つの傾斜面137の上辺と重なっており、底面139の4つの辺はそれぞれ、突起部120gの下側にある4つの傾斜面137の下辺と重なっている。突起部120gの上側にある4つの傾斜面137の下辺は、突起部120gの下側にある4つの傾斜面137の上辺と重なっている。8つの傾斜面137は傾斜している。突起部120gの底面139(基面110と突起部120gとの間の境界面)は長方形である。
【0050】
図4の(b)は、突起部120hを上から見た図であり、
図4の(a)は、
図4の(b)に示す点線x1-x2における発泡成形体10hの断面図である。
図4の(a)に示すように、発泡成形体10の代わりに、基面110上に突起部120hが形成された発泡成形体10hを用いてもよい。
【0051】
図4の(b)に示すように、突起部120hは、曲面140と曲面141と曲面146とから形成される。
図4の(a)に示すように、突起部120hの断面の外郭線は、高次曲線で近似できる線であり、2つの曲面140・146の境界線b15はその外郭線の変曲点v1に該当する。また、2つの曲面141・146の境界線b18はその外郭線の変曲点v2に該当する。突起部120hの底面(基面110と突起部120hとの間の境界面)は円形である。突起部120hの外側から先端中央に向かう方向として、例えば、方向d15を考えると、2つの曲面140・146の境界線b15は、方向d15と交差する。また、2つの曲面141・146の境界線b18は、方向d15と交差する。
【0052】
図4の(e)は、突起部120iを上から見た図であり、
図4の(c)は、
図4の(e)に示す点線x1-x2における発泡成形体10iの断面図である。
図4の(d)は、
図4の(e)に示す点線x3-x4における発泡成形体10iの断面図である。
図4の(c)に示すように、発泡成形体10の代わりに、基面110上に突起部120iが形成された発泡成形体10iを用いてもよい。
図4の(e)に示すように、突起部120iは、曲面142と曲面143とから形成される。曲面143は、上から見て、略三角形の形状を有しており、かつ、凹んだ形状を有している。なお、曲面143は、上から見て、略四角形の形状を有していてもよい。
【0053】
図4の(c)に示すように、突起部120iの断面の外郭線は、高次曲線で近似できる線であり、2つの曲面142・143の境界線b16はその外郭線の中心点c1に該当する。中心点c1とは、突起部120iの断面において、2つの曲面142・143の間で平面になっている部分の中心点である。また、突起部120iの底面(基面110と突起部120iとの間の境界面)は円形である。突起部120iの外側から先端中央に向かう方向として、例えば、方向d16を考えると、2つの曲面142・143の境界線b16は、方向d16と交差する。
【0054】
図4の(g)は、突起部120jを上から見た図であり、
図4の(f)は、
図4の(g)に示す点線x1-x2における発泡成形体10jの断面図である。
図4の(f)に示すように、発泡成形体10の代わりに、基面110上に突起部120jが形成された発泡成形体10jを用いてもよい。
図4の(g)に示すように、突起部120jは、曲面144と曲面145とから形成される。
【0055】
図4の(f)に示すように、突起部120jの断面の外郭線は、高次曲線で近似できる線であり、2つの曲面144・145の境界線b17はその外郭線の中心点c2に該当する。中心点c2とは、突起部120jの断面において、2つの曲面144・145の間で平面になっている部分の中心点である。また、突起部120jの底面(基面110と突起部120jとの間の境界面)は円形である。突起部120jの外側から先端中央に向かう方向として、例えば、方向d17を考えると、2つの曲面144・145の境界線b17は、方向d17と交差する。
【0056】
なお、突起部の形状は、
図1~
図4に示した突起部のような形状ではなく、単に半球状、四角錐、円錐、及び直方体等であってもよく、特に限定されない。また、前述したような突起部は、基面110上(面上)に1個/cm
2以上、25個/cm
2以下の密度で形成され、基面110のうち少なくとも20%以上の領域に亘って形成されてもよい。前述したような突起部が基面110上に1個/cm
2以上の密度で形成され、かつ、基面110のうち少なくとも20%以上の領域に亘って形成されることにより、発泡成形体と他部材20とを強固に熱融着させることができる。また、他部材20から発泡成形体が剥がれる可能性を低減することができる。また、前述したような様々な種類の突起部を基面110上に設けることにより、発泡成形体を形成してもよい。
【0057】
さらに、前述したような突起部が基面110上に25個/cm2以下の密度で形成されることにより、基面110上に前述したような突起部を必要以上に形成することがなく、製造コストを低減することができる。
【0058】
また、
図1~
図4に示した突起部の構成により、これらの突起部には、上から見て、少なくとも2つの面が存在し、2つの面の境界線として、これらの突起部の外側から先端中央に向かう方向と交差する、少なくとも1つの境界線が存在する。これにより、これらの突起部の形状は、上から見て、これらの突起部の外側から先端に向かう方向において同一の規則性を有する形状ではなく、これらの突起部の外側から先端に向かう方向において途中で異なる規則性に変化することで先細り部分を有する形状である。これらの突起部の形状は、例えば、突起部の断面において、突起部の底面と外郭線とのなす角度が途中で変化する形状、または曲率が変化する(変曲点を有する)形状であってもよく、これらの突起部の形状が多段形状または先端に稜線を有する形状であってもよい。
【0059】
また、発泡成形体と他部材20とを熱融着させるとき、これらの突起部に前記境界線が存在することにより、これらの突起部は先細り部分を有するため、これらの突起部は溶けやすくなる。このため、発泡成形体と他部材20とを強固に熱融着させることができる。さらに、これらの突起部が優先して溶けるため、基面110の熱による劣化を低減することができる。よって、発泡成形体の形状(特に、基面110の形状)が変化することを低減することができる。
【0060】
さらに、
図1の(a)~(c)に示す突起部120、
図1の(d)及び(e)に示す突起部120a、
図1の(f)に示す突起部120a_1、
図1の(g)~(i)に示す突起部120b、
図2の(a)及び(b)に示す突起部120c、並びに
図2の(d)及び(e)に示す突起部120dのように、突起部の形状は多段形状であってもよい。これにより、多段形状の高さ方向において最も高い部分は溶けやすいため、発泡成形体と他部材20とを熱融着させるとき、突起部をより確実に溶かすことができる。
【0061】
図3の(a)~(c)に示す突起部120e、
図3の(d)~(f)に示す突起部120f、並びに
図3の(g)及び(h)に示す突起部120gのように、突起部の形状は、上から見て、外側から突起部の先端に向かう方向に先細りし、突起部の先端に稜線を有する形状であってもよい。これにより、突起部の先端の稜線の部分は溶けやすい。このため、発泡成形体と他部材20とを熱融着させるとき、突起部をより確実に溶かすことができる。
【0062】
図2の(c)に示す突起部120c_1、並びに
図2の(f)及び(g)に示す突起部120d_1のように、突起部の形状は、突起部の先端に複数の突起部(第2突起部)を有する形状であってもよい。これにより、突起部の複数の突起部(第2突起部)の部分は溶けやすいため、発泡成形体と他部材20とを熱融着させるとき、突起部をより確実に溶かすことができる。
【0063】
つまり、前記突起部の形状は、(1)多段形状、(2)上から見て、外側から前記突起部の先端に向かう方向に先細りし、前記突起部の先端に稜線を有する形状、及び(3)前記突起部の先端に複数の突起部を有する形状からなる群より選択される少なくとも1つである。
【0064】
以上に説明した突起部の大きさには特に制限はないが、例えば、突起部の底面(基面110と突起部との間の境界面)の面積は、0.25mm2以上、0.50mm2以上、1.00mm2以上、1.20mm2以上、1.40mm2以上、1.60mm2以上、1.80mm2以上、2.00mm2以上、2.20mm2以上、2.40mm2以上、2.60mm2以上、2.80mm2以上、3.00mm2以上、3.20mm2以上、3.40mm2以上、3.60mm2以上、3.80mm2以上、4.00mm2以上、4.50mm2以上、5.00mm2以上、5.50mm2以上、6.00mm2以上、7.00mm2以上、8.00mm2以上、9.00mm2以上、10.00mm2以上、11.00mm2以上、12.00mm2以上、13.00mm2以上、14.00mm2以上、または15.00mm2以上等であって、100.00mm2以下、90.00mm2以下、80.00mm2以下、70.00mm2以下、60.00mm2以下、50.00mm2以下、40.00mm2以下、30.00mm2以下、20.00mm2以下、19.00mm2以下、18.00mm2以下、17.00mm2以下、16.00mm2以下、15.00mm2以下、14.00mm2以下、13.00mm2以下、12.00mm2以下、11.00mm2以下、または10.00mm2以下等とすることができる。
【0065】
また、例えば、突起部の高さは、0.3mm以上、0.4mm以上、0.5mm以上、0.6mm以上、0.7mm以上、0.8mm以上、0.9mm以上、1.0mm以上、1.5mm以上、2.0mm以上、2.5mm以上、3.0mm以上、3.5mm以上、4.0mm以上、4.5mm以上、5.0mm以上、6.0mm以上、7.0mm以上、8.0mm以上、9.0mm以上、または10.0mm以上等であって、10.0mm以下、9.0mm以下、8.0mm以下、7.0mm以下、6.0mm以下、5.0mm以下、4.5mm以下、4.0mm以下、3.5mm以下、3.0mm以下、2.5mm以下、2.0mm以下、1.5mm以下、1.0mm以下、0.9mm以下、0.8mm以下、または0.7mm以下等とすることができる。このような場合に、発泡成形体と他部材20との接着性が良好となりやすい。
【0066】
第1突起部及び第2突起部を形成する場合、第1突起部の大きさは、1つ前の段落で説明した突起部の大きさであり、第2突起部の大きさは、第1突起部よりも小さい大きさであることが好ましい。なお、第1突起部及び第2突起部を形成する場合の突起部全体の高さは、1つ前の段落で説明した突起部の高さの範囲内の高さであることが好ましい。
【0067】
(基面について)
以上に説明した突起部の周囲では基面110が外部に露出している。突起部が基面110に略等間隔に配置された場合、基面110はあたかも碁盤目状の溝の様相を呈し、発泡成形体と他部材20とを積層するに際し、基面110は空気を排出する溝としての機能を有することとなる。これにより、発泡成形体と他部材20との間に空気溜まりが発生することを抑制することができる。その結果、発泡成形体と他部材20とを強固に熱融着させることができ、また、接着ムラが生じることを抑制することができる。
【0068】
(発泡成形体の製造方法)
次に、発泡成形体の製造方法について説明する。発泡成形体を形成するための成形室を形成する固定型の金型及び移動型の金型を用いて、発泡成形体を製造する。まず、固定型の金型及び移動型の金型を型閉じすることで成形室を形成し、成形室に発泡粒子を充填する。次いで、成形室に水蒸気を通過させることにより発泡粒子を加熱し、発泡粒子同士を互いに融着させる。なお、成形室に水蒸気を通過させるためには、公知のベント孔(コアベント)またはキリ穴を金型に設ければよい。その後、金型に冷却水等によりシャワーリングすることにより成形室を冷却し、固定型の金型及び移動型の金型を型開きすることで発泡成形体を取り出す。以上のような方法で発泡成形体を製造することができる。このような方法を型内発泡成形という。ここで説明した方法は一例である。
【0069】
なお、本発明の一態様に係る突起部を形成する場合、公知のベント孔またはキリ穴をそのまま金型に設けるのではなく、本発明の一態様による目的及び効果を発揮させるために、ベント孔またはキリ穴の大きさ、位置、及び形状を適宜調整することが好ましい。換言すれば、従来公知のベント孔またはキリ穴の場合、本発明の一態様の目的及び効果の観点から不十分であるといえる。
【0070】
前記固定型の金型及び前記移動型の金型の少なくとも一方の金型の成形表面の少なくとも一部には、前述したような突起部が基面110上に形成されるように、複数の窪みが形成されている。つまり、この窪みによって、前述したような突起部が基面110上に形成される。成形表面とは、成形室を構成する側の金型の表面である。この複数の窪みの形状は、前述したような、それぞれの突起部に嵌合する形状である。このように、窪みにより突起部が形成される場合、窪みの形状及び寸法(大きさ)を調整することで、前述した陥没部及び第2突起部等を含む突起部の形状及び寸法(大きさ)を自由度高く、かつ精度よく形成することができる。
【0071】
ただし、窪みの形状は必ずしも突起部に正確に嵌合する必要はない。例えば、窪みの形状を半球状とし、その窪みの半球状の直径より少し大きい直径を有する略球状の発泡粒子を型内発泡成形した場合を考える。この場合、複数の発泡粒子は1つの窪みに不完全ながらも入り込む状況、つまり、窪みが発泡粒子で完全に充填されることなく、複数の発泡粒子の一部が1つの窪みに入り込む状況が起こり得る。その結果、得られる型内発泡成形体における突起部は、半球状の先端が陥没した形状のものになりやすい傾向がある。これは、成形室に充填された発泡粒子が窪みに完全に収まりにくいことで、型内発泡成形時に発泡粒子が金型からの熱を受けにくい等により、発泡粒子同士の融着が弱くなるためである。よって、発泡粒子同士の界面部分が陥没しやすくなる。このような場合、先端に陥没部が形成された突起部が形成されやすくなる。
【0072】
また、例えば、窪みの形状を半球状とし、その窪みの半球状の直径より十分小さい直径を有する略球状の発泡粒子を型内発泡成形した場合を考える。この場合、成形室に充填された発泡粒子が窪みに完全に収まりやすいため、窪みの形状は突起部に正確に嵌合したものとなりやすい傾向がある。換言すると、突起部は窪みの形状に即したものになりやすい、つまり、先端に陥没部が形成されない半球状になりやすい。
【0073】
逆に、窪みの半球状の直径より十分大きい直径を有する略球状の発泡粒子を型内発泡成形した場合を考える。この場合、成形室に充填された発泡粒子が窪みに収まりにくく、かつ、窪みに複数の発泡粒子が収まる可能性が低くなることにより、先端に陥没部が形成されない半球状の突起部になりやすい傾向がある。このとき、成形室に充填された発泡粒子は、窪みに収まりにくいが、成形時の水蒸気により軟化し、かつ膨張するため、その発泡粒子は窪みに収まりやすくなる。これにより、突起部は窪みの形状に即したものになりやすい。
【0074】
ただし、前述したように、窪みの半球状の直径と発泡粒子の直径とを調整することにより、突起部の形状を調整する場合、全ての突起部を意図した形状に調整することができることはなく、発泡成形体に種々の突起部の形状が混在しやすい。突起部を意図した形状に調整するためには、窪みの形状及び寸法(大きさ)を調整する方法が好ましい。
【0075】
突起部の形成方法としては前記窪みに代えて、金型を貫通する孔を金型に形成してもよい。この孔は、成形室と金型の外部との間を連通するものであり、孔の直径は発泡粒子の直径よりも小さい。これにより、成形室に発泡粒子を充填する際には、発泡粒子は孔に入り込まず、発泡粒子が成形室から孔を通して漏れることがない。また、発泡粒子を水蒸気で加熱する際に発泡粒子が軟化しつつ膨張し、前記孔に発泡粒子の一部が入り込むことにより、基面110に突起部が形成されうる。
【0076】
前記窪みに代えて、金型を貫通する孔を金型に形成する場合、金型に窪みを形成する場合と比べて金型を容易に作製することができる。また、孔のない金型を作製した後にも、金型に孔を容易に形成させることが可能であり、突起部の形成の自由度を向上させることができる。例えば、発泡成形体と他部材20とを熱融着させる場合、発泡成形体に接着性が弱い部分が生じた際、発泡成形体の接着性が弱い部分に対応する金型の成形表面に孔を形成することで、発泡成形体と他部材20との接着性を向上させることができる。前記窪み及び前記孔を併用して、前記窪み及び前記孔が金型の成形表面に形成されてもよい。
【0077】
なお、複数の窪みの少なくとも1つの窪みには、金型を貫通する孔が形成されてもよい。この孔は、成形室と金型の外部との間を連通し、発泡粒子が金型に充填される際、成形室内の空気を金型の外部に排出する。これにより、発泡粒子が窪みに充填されやすくなり、突起部が形成されやすくなる。また、成形時の水蒸気で発泡粒子が加熱された際、窪みに充填された発泡粒子は軟化しつつ膨張し、窪みにさらに収まりやすくなる、つまり、突起部が窪みの形状に即したものになりやすい。さらに、前記孔に発泡粒子の一部が入り込むことにより、その一部が第2突起部として形成され得る。つまり、
図2の(d)及び(e)に示す突起部120dの第2突起部125aは、発泡粒子がこの孔に少し入り込むことにより形成されてもよい。
【0078】
また、
図1の(d)及び(e)に示す突起部120aの陥没部121aは、成形室に充填された発泡粒子を加熱するときに水蒸気圧力及び/または加熱時間を調整することにより形成されてもよい。具体的には、例えば、前記水蒸気圧力及び/または加熱時間を調整することにより、発泡粒子間に隙間を生じさせる。発泡粒子間に隙間を生じさせることにより、金型の窪みの形状に発泡粒子が完全に転写されなくなり、突起部120aの陥没部121aを形成することができる。
【0079】
より具体的には、発泡粒子を加熱する際の水蒸気圧力を徐々に変化させ、金型の窪みに入り込んだ発泡粒子間の隙間が埋まり、金型の窪みの形状に発泡粒子が完全に転写される水蒸気圧力よりも低い水蒸気圧力に調整する。これにより、水蒸気による発泡粒子の膨張を小さくする。
【0080】
以上により、成形室に充填された発泡粒子を加熱するときに水蒸気圧力及び/または加熱時間を調整することにより、突起部120aの陥没部121aを形成しうる条件を見出すことができる。ただし、突起部120aの陥没部121aを形成する方法は、前記水蒸気圧力及び/または加熱時間を調整する方法には限定されず、種々の成形条件を調整することで、突起部120aの陥没部121aを形成してもよい。
【0081】
さらに、前記固定型の金型及び前記移動型の金型を用いずに、発泡成形体を工具等で直接削ることにより、基面110上に前述したような突起部を形成してもよい。また、前述したような突起部に嵌合する形状の型を加熱し、この型を発泡成形体に押し当てることにより、基面110上に前述したような突起部を形成してもよい。また、発泡成形体に突起部を形成する方法の他の例としては、以下の例が挙げられる。公知の熱可塑性発泡ボード、熱可塑性発泡シート、または射出発泡成形体を製造する際に、凹凸のある金型で熱プレスして転写する方法、凹凸のあるローラーを用いて転写する方法、または切削加工により突起部を形成する方法が挙げられる。これらの方法により他部材20と熱融着する発泡成形体を形成することが可能である。
【0082】
(積層体の製造方法)
発泡成形体に他部材20を熱融着させるとき、基面110に少なくとも1つの前述したような突起部が形成された発泡成形体に、予め加熱することなく軟化した、または予め加熱することにより軟化した他部材20を積層してもよい。発泡成形体に他部材20を積層することにより積層体が形成される。他部材20を予め軟化させておくことにより、発泡成形体と他部材20との接着性を向上させることができる。また、他部材20の融点が発泡成形体の融点より低い場合、発泡成形体より他部材20の方が先に軟化する。したがって、積層する際に過剰な圧力を必要としないため、発泡成形体の形状を変化させることがない。また、発泡成形体の樹脂が劣化することを抑制しつつ、発泡成形体に他部材20を積層させることができる。
【0083】
一方、他部材20の融点が発泡成形体の融点より高い場合、発泡成形体に他部材20を積層したときに発泡成形体の突起部がより溶けやすい点から、積層する際に過剰な圧力を必要としないため、発泡成形体の形状を変化させることがない。また、発泡成形体の樹脂が劣化することを抑制しつつ、発泡成形体に他部材20を積層させることができる。
【0084】
以上のような積層体の製造方法、具体的には、前記発泡成形体と前記他部材20とを積層して熱融着する積層体の製造方法としては、前記突起部が形成される積層面に、他部材20を積層する積層工程、及び、積層した発泡成形体と前記他部材20とをプレスするプレス工程、を含む製造方法が挙げられる。積層体の製造方法は、さらに、減圧工程を含むことが好ましい。以下、積層体の製造方法を各工程に分けて説明する。
【0085】
・積層工程
積層工程は、前記突起部が形成される、発泡成形体の積層面(他部材20を積層する面)に、他部材20を積層する工程であり、具体的には、基面110に少なくとも1つの前述したような突起部が形成された発泡成形体に、予め加熱することなく軟化した、または予め加熱することにより軟化した他部材20を積層する工程である。積層工程で用いられる発泡成形体は、前述した製造方法によって製造された発泡成形体である。
【0086】
・プレス工程
プレス工程は、積層工程で積層した発泡成形体と前記他部材20とをプレスする工程である。プレス圧力は、発泡成形体の形状を変化させることがない圧力であればよく、特に限定されない。また、プレス時間も特に限定されない。
【0087】
発泡成形体は、突起部の周囲では基面110が外部に露出している。突起部が基面110に略等間隔に配置された場合、基面110はあたかも碁盤目状の溝の様相を呈し、発泡成形体と他部材20とを積層するに際し、基面110は空気を排出する溝としての機能を有することとなる。これにより、発泡成形体と他部材20との間に空気溜まりが発生することを抑制することができる。その結果、発泡成形体と他部材20とを強固に熱融着させることができ、また、接着ムラが生じることを抑制することができる。
【0088】
・熱融着工程
熱融着工程は、前記発泡成形体と前記他部材20とを熱融着する工程である。熱融着工程は、プレス工程と同時に行ってもよく、プレス工程の後に行ってもよい。熱融着温度及び時間は、発泡成形体及び他部材20の融点に応じて設定すればよく、特に限定されない。
【0089】
プレス工程と熱融着工程とを行う方法としては、具体的には、以下の3つの成形方法が挙げられる。
【0090】
(1)発泡成形体と他部材20とを熱プレス板に挟み込む加熱圧縮(プレス)成形(プレス工程と熱融着工程とを同時に行う成形)、
(2)予め他部材20を加熱せず、または予め加熱し、発泡成形体と他部材20とを共に、加熱されていない、または加熱された少なくとも1つのロールに通す圧着ロール成形(プレス工程の後に熱融着工程を行う成形、またはプレス工程と熱融着工程とを同時に行う成形、さらには、加熱されていないロールでプレス(プレス工程)を行った後、加熱されたロールで熱融着(熱融着工程)を行う成形)、
(3)発泡成形体と軟化状態または溶融状態の他部材20とを分割形式の金型間に配置し、型締めすることにより面接着させる一体ブロー成形(プレス工程と熱融着工程とを同時に行う成形)、
等が挙げられる。
【0091】
発泡成形体と他部材20とを積層後、例えば、前記加熱圧縮(プレス)成形、圧着ロール成形、あるいは一体ブロー成形等を行うプレス工程を経ることにより、発泡成形体と他部材20との間に溜まった空気の排出が促進され、発泡成形体と他部材20との間に空気溜まりが発生することを抑制することができる。
【0092】
・減圧工程
必要に応じて行われる減圧工程は、積層工程、プレス工程及び熱融着工程のうちの少なくとも1つと同時に行ってもよく、積層工程を行う前及び前記各工程間のうちのいずれかに行ってもよく、積層工程を行う前及び前記各工程間を含む全工程を通じて行ってもよい。減圧工程は、プレス工程と同時に行うことが好ましい。減圧度は、発泡成形体の形状を変化させることがない減圧度であればよく、具体的には、発泡成形体と他部材20との間に溜まった空気の量、製造される積層体の表面性等を考慮して、適宜調節すればよい。
【0093】
減圧工程を行うことにより、発泡成形体と他部材20との間に溜まった空気が、溝としての機能を有する基面110を通じてより効率的に排出されるので、発泡成形体と他部材20との間に空気溜まりが発生することをより一層抑制することができる。
【0094】
減圧方法としては、発泡成形体及び他部材20を取り囲む空間全域を減圧する方法、発泡成形体と他部材20との境界部分を取り囲む空間の全てあるいは一部を減圧する方法、発泡成形体と他部材20との境界部分の一部を減圧する(発泡成形体と他部材20との間に溜まった空気を直接抜き取る)方法、等が挙げられる。突起部が基面110に略等間隔に配置された場合、基面110はあたかも碁盤目状の溝の様相を呈するので、発泡成形体と他部材20との境界部分を取り囲む空間の一部、または発泡成形体と他部材20との境界部分の一部を減圧する方法であっても、発泡成形体と他部材20との間に溜まった空気を排出することができる。
【0095】
なお、プレス工程及び熱融着工程に加えて、前述した減圧工程をさらに行う方法としては、例えば、真空成形及び圧空成形を挙げることができる。そして、減圧工程を行う場合には、気圧差を利用してプレス工程を行うこともできる。このような真空成形及び圧空成形の具体例としては、例えば、布施真空株式会社製のTOM成形機(三次元表面加飾成形機)を用いた成形を挙げることができる。
【0096】
ただし、前記積層体の製造方法は、前述した各工程を含む製造方法に限定されるものではない。
【0097】
(発泡成形体の基面が平面ではない場合)
図5の(a)及び(b)は、発泡成形体の基面が平面ではない場合の発泡成形体の断面を示す断面図である。
図5の(a)に示すように、発泡成形体11の基面111は、水平面111aと、垂直面111bと、傾斜平面111cと、から形成されている。
【0098】
垂直面111bは、水平面111aと垂直な面である。傾斜平面111cは、2つの水平面111aの間にある面であり、その2つの水平面111aのうち高い方の水平面111aから、その2つの水平面111aのうち低い方の水平面111aに向かって傾斜している面である。水平面111a、垂直面111b、及び傾斜平面111cにはそれぞれ、突起部120dが形成されているが、前述したような、他の形状の突起部が形成されていてもよい。また、水平面111a、垂直面111b、及び傾斜平面111cを適宜組み合わせて、他の形状の基面を形成してもよい。
【0099】
また、
図5の(b)に示すように、発泡成形体12の基面112は曲面である。基面112には突起部120dが形成されているが、前述したような、他の形状の突起部が形成されていてもよい。発泡成形体の基面は、
図5の(a)及び(b)に示すような基面の形状以外の水平ではない他の形状の基面であってもよい。このように、発泡成形体の基面は水平面でなくてもよい。水平面ではない基面を有する発泡成形体に対しても、他部材20を熱融着させることができる。
【0100】
図6の(a)は、従来の発泡成形体105を示す図であり、
図6の(b)は、半球状である複数の突起部が形成された発泡成形体106を示す図である。
図6の(c)は、半球状である複数の突起部及び複数の突起部120dが形成された発泡成形体107を示す図である。
【0101】
図6の(a)に示すように、従来の発泡成形体105の基面上には突起部は形成されていない。ただし、前記発泡成形体105の表面は完全に平らではなく、前記発泡成形体105には微小な凹凸が存在する。
図6の(b)に示すように、発泡成形体106の基面上には、半球状である複数の突起部が形成されている。
図6の(c)に示すように、発泡成形体107の基面上には、半球状である複数の突起部、及び前述した複数の突起部120dが混在して形成されている。
【0102】
図7の(a)~(c)は、発泡成形体に他部材20を熱融着させた後に、発泡成形体から剥がされた他部材20の状態を示す図である。
図7の(d)~(f)は、発泡成形体に他部材20を熱融着させた後に、他部材20が剥がされたときの発泡成形体の状態を示す図である。
図7の(g)~(i)は、発泡成形体に他部材20を熱融着させたときの状態を示す図である。
図7において、この他部材20とはフィルムである。
【0103】
また、
図7の(a)、(d)、及び(g)は、従来の発泡成形体105に関する図であり、
図7の(b)、(e)、及び(h)は、発泡成形体106に関する図であり、
図7の(c)、(f)、及び(i)は、発泡成形体107に関する図である。
【0104】
図7の(a)~(c)に示すように、発泡成形体に他部材20を熱融着させた後に、発泡成形体から剥がされた他部材20には、発泡成形体の一部が付着している。ここで、他部材20に付着した発泡成形体の量が多いほど、発泡成形体と他部材20とがより強固に融着していることになる。
【0105】
なお、
図7の(g)~(i)に示す積層体は次のように作製することができる。発泡成形体105、106、及び107としては、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子を型内発泡成形して得る。ポリプロピレン系樹脂発泡粒子としては、例えば、株式会社カネカ製のエペラン等を使用することができる。発泡成形体105は、直径約5mmのポリプロピレン系樹脂発泡粒子を用いて形成され、金型の成形表面に窪み及び孔を形成することなく型内発泡成形する従来の発泡成形体である。つまり、発泡成形体105の、他部材20と熱融着する面には本発明の一態様に係る突起部が形成されない。
【0106】
発泡成形体106は、直径約5mmのポリプロピレン系樹脂発泡粒子を用いて形成され、成形表面に窪みを形成した金型を用いて型内発泡成形する本発明の一態様に係る発泡成形体である。この場合、前記金型の成形表面には、例えば、直径3.5mm、深さ1mmの略半球状の窪みが4個/cm2の密度で等間隔に形成される。これにより、発泡成形体106の、他部材20と熱融着する面には、直径3.5mm(底面の面積9.6mm2)、高さ1mmの略半球状の突起部が形成される。
【0107】
発泡成形体107は、直径約5mmのポリプロピレン系樹脂発泡粒子を用いて形成され、成形表面に窪みを形成した金型を用いて型内発泡成形する本発明の一態様に係る発泡成形体である。前記窪みの底部には金型を貫通する直径1.5mmの孔が設けられる。この場合、金型の成形表面には、例えば、直径3.5mm、深さ1mmの略半球状の窪みが4個/cm2の密度で等間隔に形成され、さらに、例えば、2つおきの窪みの底部には、直径1.5mmの孔が形成される。つまり、当該2つおきの窪みにより、発泡成形体の基面110に突起部120dが形成される。この突起部120dは、直径3.5mm(底面の面積9.6mm2)、高さ1mmの略半球状の第1突起部と、当該第1突起部の先端に形成された、直径1.5mm、高さ約1mmの第2突起部とからなる。
【0108】
次いで、例えば、市販の厚さ0.2mmのポリプロピレン系樹脂フィルムを発泡成形体105・106・107のそれぞれの面に配置し、ポリプロピレン系樹脂フィルムの上から温度150℃に調節した熱板により、圧力6gf/cm
2で1分30秒間プレスする。以上のようにして、
図7の(g)~(i)の積層体を作製することができる。ここで説明した積層体の作製方法は一例である。
【0109】
図7の(a)~(c)に示す他部材20に付着した発泡成形体の量のうち、
図7の(a)に示す他部材20に付着した発泡成形体105の量が一番少なく、
図7の(c)に示す他部材20に付着した発泡成形体107の量が一番多くなっている。つまり、
図7の(a)~(c)の中で、発泡成形体105と他部材20との接着性が一番弱く、発泡成形体107と他部材20との接着性が一番強い。また、
図7の(c)に示す他部材20の一部は破けているため、発泡成形体107と他部材20との接着性が特に強い。
【0110】
したがって、発泡成形体106の基面上に半球状の突起部を形成することにより、発泡成形体106と他部材20とを熱融着させるとき、発泡成形体106と他部材20との接着性を向上させることができる。また、発泡成形体107の基面上に突起部120dを形成することにより、発泡成形体107と他部材20とを熱融着させるとき、発泡成形体107と他部材20との接着性をより向上させることができる。
【0111】
特に、発泡成形体107の基面上には、半球状である複数の突起部、及び前述した複数の突起部120dが混在して形成されているが、突起部120d間に2つの半球状である突起部を設けたにもかかわらず、接着面全面に渡って接着性を向上させることができる。
【0112】
なお、特許文献2の
図2には、発泡層の下側に凹凸が形成されている構成が開示されているが、この凹凸は、発泡スチロール等の発泡層を形成したときの発泡(1次発泡)時に生じた気泡による凹凸、つまり発泡粒子間、または発泡粒子間の界面に形成された凹凸である。このため、この凹凸は本発明の一態様の突起部とは異なるものである。また、この発泡層では、他部材との接着性が弱いことを、前述の発泡成形体105を用いて説明している。
【0113】
また、特許文献2に記載の発明では、基材の余熱によって、基材の表面に発泡層を溶着することが開示されている。よって、特許文献2に記載の発明では、基材全体に熱が伝わることを示唆している。これに対し、本発明の一態様では、熱をもった金型または他部材20を、発泡成形体に形成された突起部に接触させることにより、突起部に優先的に熱を伝えて突起部を溶かす。
【0114】
本発明は前述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0115】
〔まとめ〕
本発明の一態様に係る発泡成形体は、他部材と熱融着する発泡成形体であって、前記発泡成形体の、前記他部材と熱融着する少なくとも1つの面は、基面と、前記基面上に形成された少なくとも1つの突起部と、から形成され、前記突起部の周囲では前記基面が外部に露出している。
【0116】
前記構成によれば、発泡成形体と他部材とを熱融着させるとき、熱容量が小さく溶けやすい突起部の先端から溶け始める。このため、突起部の先端が確実に溶けることにより、面方向に亘って一様に発泡成形体と他部材とを熱融着させることができる。よって、発泡成形体と他部材とを強固に熱融着させることができる。
【0117】
また、突起部が優先して溶けるため、基面の熱による劣化を低減することができる。よって、基面の熱による劣化に伴う接着性が低下すること、及び発泡成形体の形状(特に、基面の形状)が変化することを低減することができる。
【0118】
さらに、突起部の周囲では基面が外部に露出しているので、発泡成形体と他部材との間に空気溜まりが発生することを抑制することができる。その結果、発泡成形体と他部材とを強固に熱融着させることができ、また、接着ムラが生じることを抑制することができる。
【0119】
本発明の別の態様に係る発泡成形体において、前記突起部は、第1突起部と第2突起部とを含み、前記第1突起部には、前記第2突起部が形成されることが好ましい。
【0120】
前記構成によれば、突起部が第1突起部と第2突起部とを含み、第1突起部に第2突起部が形成されてもよい。熱容量がより小さく溶けやすい第2突起部は、熱により溶融されると、第1突起部の表面に広がりやすい。また、溶融される第1突起部も熱容量が小さい。このため、発泡成形体と他部材とを熱融着させるとき、突起部をより確実に溶かすことができる。よって、発泡成形体と他部材とをより強固に熱融着させることができる。なお、第2突起部は、第1突起部の先端部近傍に形成されることが好ましい。また、第2突起部は複数あってもよい。
【0121】
本発明の別の態様に係る発泡成形体において、前記突起部は、前記突起部の先端に陥没部が形成されることが好ましい。
【0122】
前記構成によれば、突起部の先端に陥没部が形成される。陥没部の周囲の部分は、稜線のような形状となり溶けやすいため、発泡成形体と他部材とを熱融着させるとき、突起部をより確実に溶かすことができる。よって、発泡成形体と他部材とをより強固に熱融着させることができる。
【0123】
本発明の別の態様に係る発泡成形体において、前記基面と前記突起部との間の境界面は、円形または楕円形であることが好ましい。
【0124】
前記構成によれば、基面と突起部との間の境界面が円形または楕円形であるため、発泡成形体と他部材とを熱融着させるとき、突起部は円形または楕円形に広がって溶ける。このため、発泡成形体と他部材とをより強固に熱融着させることができる。
【0125】
本発明の別の態様に係る発泡成形体において、前記発泡成形体は、発泡粒子から構成されることが好ましい。
【0126】
前記構成によれば、発泡成形体は発泡粒子から構成されるため、発泡成形体を溶かして発泡成形体と他部材とを熱融着させることができる。また、発泡成形体が発泡粒子から構成される場合、型内発泡成形により、突起部を容易に形成することができる。
【0127】
本発明の別の態様に係る発泡成形体において、前記突起部は、前記基面上に1個/cm2以上、25個/cm2以下の密度で形成され、前記基面のうち少なくとも20%以上の領域に亘って形成されることが好ましい。
【0128】
前記構成によれば、突起部が基面上に1個/cm2以上の密度で形成され、かつ、基面のうち少なくとも20%以上の領域に亘って形成されることにより、発泡成形体と他部材とを強固に熱融着させることができる。また、他部材から発泡成形体が剥がれる可能性を低減することができる。
【0129】
さらに、突起部が基面上に25個/cm2以下の密度で形成されることにより、基面上に突起部を必要以上に形成することがなく、製造コストを低減することができる。
【0130】
本発明の一態様に係る発泡成形体は、他部材と熱融着する発泡成形体であって、前記発泡成形体の、前記他部材と熱融着する少なくとも1つの面は、基面と、前記基面上に形成された少なくとも1つの突起部と、から形成され、前記突起部は、前記他部材と熱融着する際に最初に溶融するものである。
【0131】
前記構成によれば、突起部が最初に溶融するため、前述したように、発泡成形体と他部材とを強固に熱融着させることができる。また、突起部が優先して溶けるため、基面の熱による劣化を低減することができる。
【0132】
さらに、突起部の周囲では基面が外部に露出しているので、発泡成形体と他部材との間に空気溜まりが発生することを抑制することができる。その結果、発泡成形体と他部材とを強固に熱融着させることができ、また、接着ムラが生じることを抑制することができる。
【0133】
本発明の一態様に係る発泡成形体は、他部材と熱融着する発泡成形体であって、前記発泡成形体の、前記他部材と熱融着する少なくとも1つの面は、基面と、前記基面上に形成された少なくとも1つの突起部と、から形成され、前記突起部は、前記他部材と熱融着する際に最初に応力がかかるものである。
【0134】
前記構成によれば、突起部に最初に応力がかかるため、突起部が最初に溶融することになる。これにより、突起部が優先して溶けるため、基面の熱による劣化を低減することができる。
【0135】
さらに、突起部の周囲では基面が外部に露出しているので、発泡成形体と他部材との間に空気溜まりが発生することを抑制することができる。その結果、発泡成形体と他部材とを強固に熱融着させることができ、また、接着ムラが生じることを抑制することができる。
【0136】
本発明の一態様に係る発泡成形体は、他部材と熱融着する発泡成形体であって、前記発泡成形体の、前記他部材と熱融着する少なくとも1つの面は、基面と、前記基面上に形成された少なくとも1つの突起部と、から形成され、前記突起部には、上から見て(平面視にて)、少なくとも2つの面が存在し、前記2つの面の境界線として、前記突起部の外側から先端中央に向かう方向と交差する、少なくとも1つの境界線が存在する。
【0137】
前記構成によれば、突起部には、上から見て、2つの面の境界線として、突起部の外側から先端中央に向かう方向と交差する、少なくとも1つの境界線が存在する。このため、突起部の形状は、上から見て、突起部の外側から先端に向かう方向において同一の規則性を有する形状ではなく、突起部の外側から先端に向かう方向において途中で異なる規則性に変化することで先細り部分を有する形状である。この突起部の形状は、例えば、突起部の断面において、突起部の底面と外郭線とのなす角度が途中で変化する形状、または曲率が変化する(変曲点を有する)形状であってもよく、突起部の形状が多段形状または先端に稜線を有する形状であってもよい。
【0138】
また、発泡成形体と他部材とを熱融着させるとき、突起部に前記境界線が存在することにより、突起部は先細り部分を有するため、突起部は溶けやすくなる。このため、発泡成形体と他部材とを強固に熱融着させることができる。さらに、突起部が優先して溶けるため、基面の熱による劣化を低減することができる。よって、発泡成形体の形状(特に、基面の形状)が変化することを低減することができる。
【0139】
さらに、突起部の周囲では基面が外部に露出しているので、発泡成形体と他部材との間に空気溜まりが発生することを抑制することができる。その結果、発泡成形体と他部材とを強固に熱融着させることができ、また、接着ムラが生じることを抑制することができる。
【0140】
本発明の一態様に係る積層体は、前記発泡成形体と前記他部材とが積層されることにより形成される。
【0141】
前記構成によれば、発泡成形体と他部材とが強固に熱融着された積層体を形成することができる。また、発泡成形体の形状が、要求された形状から異なる可能性を低減した積層体を製造することができる。
【0142】
本発明の一態様に係る積層体の製造方法は、前記発泡成形体と前記他部材とを積層して熱融着する積層体の製造方法であって、前記突起部が形成される積層面に、他部材を積層する積層工程、及び、積層した発泡成形体と前記他部材とをプレスするプレス工程、を含む。
【0143】
前記構成によれば、発泡成形体と他部材とが強固に熱融着された積層体を製造することができる。また、発泡成形体の形状が、要求された形状から異なる可能性を低減した積層体を製造することができる。
【0144】
さらに、突起部の周囲では基面が外部に露出しているので、発泡成形体と他部材との間に空気溜まりが発生することを抑制することができる。その結果、発泡成形体と他部材とを強固に熱融着させることができ、また、接着ムラが生じることを抑制することができる積層体を製造することができる。
【0145】
本発明の別の態様に係る積層体の製造方法において、さらに、減圧工程を含むことが好ましい。
【0146】
前記構成によれば、発泡成形体と他部材との間に空気溜まりが発生することをより一層抑制することができる。
【符号の説明】
【0147】
1 積層体
10、10a、10b、10c、10d、10d_1、10e、10f、
10g、10h、10i、10j、11、12、105、106、107 発泡成形体
20 他部材
110、111、112 基面
111a 水平面
111b 垂直面
111c 傾斜平面
120、120a、120a_1、120b、120c、120c_1、
120d、120d_1、120e、120f、120f_1、120g、
120h、120i、120j 突起部
121、121a、121a_1、121b 陥没部
122、131、132、133、135、137 傾斜面
123 陥没底面
124、124a 第1突起部
125、125a、126、126a 第2突起部
134、136、138 上面
139 底面
140~145 曲面
b1~b17 境界線
c1、c2 中心点
d1~d17 方向
v1 変曲点