(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-20
(45)【発行日】2023-03-29
(54)【発明の名称】裏面シリサイド化によるバルク層転写処理
(51)【国際特許分類】
H01L 21/768 20060101AFI20230322BHJP
H01L 23/522 20060101ALI20230322BHJP
H01L 21/3205 20060101ALI20230322BHJP
H01L 21/76 20060101ALI20230322BHJP
H01L 21/8234 20060101ALI20230322BHJP
H01L 27/06 20060101ALI20230322BHJP
H01L 21/8238 20060101ALI20230322BHJP
H01L 27/092 20060101ALI20230322BHJP
H01L 27/088 20060101ALI20230322BHJP
【FI】
H01L21/90 J
H01L21/88 J
H01L21/76 L
H01L27/06 102A
H01L27/092 B
H01L27/088 331C
(21)【出願番号】P 2020517136
(86)(22)【出願日】2018-08-27
(86)【国際出願番号】 US2018048125
(87)【国際公開番号】W WO2019067129
(87)【国際公開日】2019-04-04
【審査請求日】2021-08-10
(32)【優先日】2017-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-05-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507364838
【氏名又は名称】クアルコム,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100163522
【氏名又は名称】黒田 晋平
(72)【発明者】
【氏名】シナン・ゴクテペリ
(72)【発明者】
【氏名】ジョージ・ピート・イムサーン
(72)【発明者】
【氏名】スティーヴン・アラン・ファネリ
【審査官】宇多川 勉
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-278646(JP,A)
【文献】米国特許第09755029(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0091593(US,A1)
【文献】特表2015-527733(JP,A)
【文献】特開2015-050339(JP,A)
【文献】特開2014-207252(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/768
H01L 21/3205
H01L 21/76
H01L 21/8234
H01L 21/8238
H01L 27/088
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バルク半導体ダイの第1の面上の第1の能動/受動デバイス、および前記バルク半導体ダイの前記第1の面から前記第1の面と反対の第2の面に延びる第1のディープトレンチアイソレーション領域を含むバルク半導体ダイと、
前記バルク半導体ダイの前記第2の面上のコンタクト層と、
前記コンタクト層上の第2の面の誘電体層であって、前記第1のディープトレンチアイソレーション領域は、前記コンタクト層を通って前記第2の面の誘電体層の中に延びる、第2の面の誘電体層とを含む、無線周波数集積回路(RFIC)。
【請求項2】
前記第1の能動/受動デバイス上の第1の面の誘電体層と、
前記第1の面の誘電体層上のハンドル基板とをさらに含む、請求項1に記載のRFIC。
【請求項3】
前記第1の面の誘電体層から前記第1のディープトレンチアイソレーション領域を通って前記第2の面の誘電体層の中に延びるトレンチ相互接続と、
前記第2の面の誘電体層の中の、前記トレンチ相互接続に結合された第2の面の金属被覆層であって、前記第2の面の誘電体層は、前記第1の面の誘電体層から遠位にある、第2の面の金属被覆層とをさらに含む、請求項2に記載のRFIC。
【請求項4】
前記バルク半導体ダイの前記第1の面上の第2の能動/受動デバイスと、
前記第1の能動/受動デバイスと前記第2の能動/受動デバイスとの間にある、前記バルク半導体ダイの前記第1の面上のシャロートレンチアイソレーション(STI)領域と、
前記第2の能動/受動デバイスに近接した、前記バルク半導体ダイの前記第1の面から前記第2の面に延びる第2のディープトレンチアイソレーション(DTI)領域とをさらに含む、請求項1に記載のRFIC。
【請求項5】
前記コンタクト層が、前記バルク半導体ダイの前記第2の面の全長にシリサイド層を含む、請求項1に記載のRFIC。
【請求項6】
前記第1の能動/受動デバイスがCMOSトランジスタを含む、請求項1に記載のRFIC。
【請求項7】
RFフロントエンドモジュールに統合され、前記RFフロントエンドモジュールが、音楽プレーヤ、ビデオプレーヤ、エンターテインメントユニット、ナビゲーションデバイス、通信デバイス、携帯情報端末(PDA)、固定ロケーションデータユニット、モバイル電話、およびポータブルコンピュータのうちの少なくとも1つに組み込まれる、請求項1に記載のRFIC。
【請求項8】
無線周波数(RF)集積回路を構築する方法であって、
バルク半導体ウエハの第1の面上に第1のトランジスタを製作するステップと、
第1のディープトレンチアイソレーション領域を前記バルク半導体ウエハ内に、前記第1のトランジスタに近接して形成するステップと、
第1の面の誘電体層を前記第1のトランジスタ上に堆積させるステップと、
ハンドル基板を前記第1の面の誘電体層に接合するステップと、
前記第1のディープトレンチアイソレーション領域を前記バルク半導体ウエハの第2の面において露出させるステップと、
前記バルク半導体ウエハの前記第2の面上、および前記第1のディープトレンチアイソレーション領域の露出された側壁上にコンタクト層を堆積させるステップと
、
前記バルク半導体ウエハの前記第2の面上、および前記第1のディープトレンチアイソレーション領域の前記露出された側壁上に第2の面の誘電体層を堆積させるステップであって、前記第2の面の誘電体層は、前記第1の面の誘電体層から遠位にある、ステップとを含む、方法。
【請求項9】
前記第1のディープトレンチアイソレーション領域を露出させるステップが、
前記バルク半導体ウエハの前記第2の面をバックグラインドするステップと、
前記バルク半導体ウエハの前記第2の面を所定の表面変化まで研磨するステップとを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1のディープトレンチアイソレーション領域を露出させるステップが、前記第1のディープトレンチアイソレーション領域の一部分を露出させるために前記バルク半導体ウエハの前記第2の面をエッチングするステップを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記コンタクト層を堆積させるステップが、前記コンタクト層を形成するために前記バルク半導体ウエハの前記第2の面上にシリサイド層を堆積させるステップを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の面の誘電体層から前記第1のディープトレンチアイソレーション領域を通って前記バルク半導体ウエハの前記第2の面に延びるトレンチ相互接続を製作するステッ
プをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
層転写後金属被覆層を前記第2の面の誘電体層内に製作するステップであって、前記層転写後金属被覆層は前記トレンチ相互接続に結合される、ステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
第2のトランジスタを前記バルク半導体ウエハの前記第1の面上に製作するステップと、
シャロートレンチアイソレーション(STI)領域を、前記第1のトランジスタと前記第2のトランジスタとの間の、前記バルク半導体ウエハの前記第1の面上に形成するステップと、
前記第2のトランジスタに近接して、前記バルク半導体ウエハの前記第1の面から前記第2の面に延びる第2のディープトレンチアイソレーション(DTI)領域を形成するステップとをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項15】
前記第1のディープトレンチアイソレーション領域を露出させるステップが、前記バルク半導体ウエハ内のエッチストップ層を露出させるために前記バルク半導体ウエハの前記第2の面をエッチングするステップを含む、請求項8に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2017年9月29日に出願された「BULK LAYER TRANSFER PROCESSING WITH BACKSIDE SILICIDATION」と題する米国仮特許出願第62/565,495号の利益を主張する、2018年5月9日に出願された「BULK LAYER TRANSFER PROCESSING WITH BACKSIDE SILICIDATION」と題する米国特許出願第15/975,434号の利益を主張ものであり、それらの開示の全体が参照により本明細書に明白に組み込まれる。
【0002】
本開示は、一般に、集積回路(IC)に関する。より詳細には、本開示は、裏面シリサイド化によるバルク層転写処理に関する。
【背景技術】
【0003】
モバイル無線周波数(RF)チップ(たとえば、モバイルRFトランシーバ)を設計することは、通信拡張をサポートするために回路機能を追加することによって複雑になる。これらのモバイルRFトランシーバを設計することは、セミコンダクタオンインシュレータ技術を使用することを含み得る。セミコンダクタオンインシュレータ(SOI)技術は、寄生デバイスキャパシタンスを低減して性能を改善するために、従来の半導体(たとえば、シリコン)基板を層状の半導体-絶縁体-半導体の基板と置き換える。シリコン接合は電気的絶縁体、典型的には埋込み酸化物(BOX)層の上にあるので、SOIベースのデバイスは、従来のシリコン製デバイスとは異なる。しかしながら、低減された厚さのBOX層は、SOI層上の能動デバイスとBOX層を支持するSOI基板との近接によって生じる人工的な高調波を十分に低減しない場合がある。
【0004】
たとえば、高性能相補型金属酸化物半導体(CMOS)無線周波数(RF)スイッチ技術は、現在、SOI基板を使用して製造される。SOI基板は、モバイルRFトランシーバ内の人工的な高調波に対して何らかの保護を提供し得るが、SOI基板は非常に高価である。さらに、デバイス分離を広げてRF損失を低減することは、高価なハンドルウエハを伴う場合がある。たとえば、CMOSスイッチデバイスは、高抵抗(HR:high resistivity)シリコンまたはサファイアなどのHRハンドルウエハに物理的に接合される場合がある。スイッチデバイスと下の基板との空間分離を広げることで、CMOSスイッチのRF性能は劇的に改善するが、HRシリコンまたはサファイアのハンドルウエハを使用することで、コストは劇的に高くなる。すなわち、SOIウエハおよびハンドル基板を使用することで、バルク半導体ウエハのコストと比較して極めて高価になる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
無線周波数集積回路(RFIC)は、バルク半導体ダイを含み得る。RFICは、バルク半導体ダイの第1の面上の第1の能動/受動デバイスと、バルク半導体ダイの第1の面から第1の面と反対の第2の面に延びる第1のディープトレンチアイソレーション領域とを含み得る。RFICは、バルク半導体ダイの第2の面上のコンタクト層も含み得る。RFICは、コンタクト層上の第2の面の誘電体層をさらに含み得る。第1のディープトレンチアイソレーション領域は、コンタクト層を通って第2の面の誘電体層の中に延び得る。
【0006】
無線周波数(RF)集積回路を構築する方法は、第1のトランジスタをバルク半導体ウエハの第1の面上に製作するステップを含み得る。方法は、第1のディープトレンチアイソレーション領域をバルク半導体ウエハ内に第1のトランジスタに近接して形成するステップも含み得る。方法は、第1の面の誘電体層を第1のトランジスタ上に堆積させるステップも含み得る。方法は、ハンドル基板を第1の面の誘電体層に接合するステップをさらに含み得る。方法は、第1のディープトレンチアイソレーション領域をバルク半導体ウエハの第2の面において露出させるステップも含み得る。方法は、バルク半導体ウエハの第2の面上、および第1のディープトレンチアイソレーション領域の露出された側壁上にコンタクト層を堆積させるステップをさらに含み得る。
【0007】
無線周波数(RF)フロントエンドモジュールは、ワイヤレストランシーバを含み得る。ワイヤレストランシーバは、バルク半導体ダイの第1の面上の第1のトランジスタと、バルク半導体ダイの第1の面から第1の面と反対の第2の面に延びる第1のディープトレンチアイソレーション領域とを含むバルク半導体ダイを含み得る。ワイヤレストランシーバはまた、バルク半導体ダイの第2の面上のコンタクト層と、コンタクト層上の第2の面の誘電体層とを含み得る。第1のディープトレンチアイソレーション領域は、コンタクト層を通って第2の面の誘電体層の中に延び得る。REフロントエンドモジュールは、ワイヤレストランシーバの出力に結合されたアンテナも含み得る。
【0008】
上記では、後続の詳細な説明をよりよく理解することができるように、本開示の特徴および技術的利点について、かなり大まかに概説してきた。本開示の追加の特徴および利点について、以下で説明する。本開示が、本開示と同じ目的を果たすための他の構造を変更または設計するための基礎として容易に利用できることを、当業者は理解されたい。そのような同等な構成は、添付の特許請求の範囲に記載される本開示の教示から逸脱しないことも当業者は認識されたい。本開示の構成と動作方法の両方に関して本開示の特徴と考えられる新規の特徴は、さらなる目的と利点とともに、以下の説明が添付の図面に関連して検討されればよりよく理解されよう。しかしながら、図の各々は、例示および説明のみの目的で提供されたものであり、本開示の限度を定めるものではないことを明確に理解されたい。
【0009】
本開示のより完全な理解が得られるように、ここで、添付の図面と併せて以下の説明が参照される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】チップセットのためのワイヤレスローカルエリアネットワークモジュールおよび無線周波数(RF)フロントエンドモジュールを有するワイヤレスデバイスの概略図である。
【
図2】RFセミコンダクタオンインシュレータ(SOI)デバイスを含む無線周波数集積回路(RFIC)の断面図である。
【
図3】本開示の態様による、バルク半導体層転写プロセスを使用して製作された無線周波数集積回路(RFIC)の断面図である。
【
図4】本開示の態様による、バルク半導体ダイの裏面上のコンタクト層を含むバルク半導体ダイを有する無線周波数集積回路(RFIC)の断面図である。
【
図5A】本開示の態様による、
図4のRFICを製作するためのプロセスを示す図である。
【
図5B】本開示の態様による、
図4のRFICを製作するためのプロセスを示す図である。
【
図5C】本開示の態様による、
図4のRFICを製作するためのプロセスを示す図である。
【
図5D】本開示の態様による、
図4のRFICを製作するためのプロセスを示す図である。
【
図5E】本開示の態様による、
図4のRFICを製作するためのプロセスを示す図である。
【
図5F】本開示の態様による、
図4のRFICを製作するためのプロセスを示す図である。
【
図5G】本開示の態様による、
図4のRFICを製作するためのプロセスを示す図である。
【
図6】本開示の態様による、バルク半導体層転写プロセスを使用して無線周波数集積回路(RFIC)を構築する方法を示すプロセスフロー図である。
【
図7】本開示の構成が有利に利用される場合がある例示的なワイヤレス通信システムを示すブロック図である。
【
図8】本開示の一構成による半導体構成要素の回路設計、レイアウト設計、および論理設計に使用される設計用ワークステーションを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
添付の図面に関して以下に記載する発明を実施するための形態は、様々な構成の説明として意図され、本明細書で説明する概念が実践され得る唯一の構成を表すものではない。発明を実施するための形態は、様々な概念の完全な理解をもたらすための具体的な詳細を含む。しかしながら、これらの概念がこれらの具体的な詳細なしに実践され得ることが当業者には明らかであろう。場合によっては、そのような概念を不明瞭にすることを避けるために、よく知られている構造および構成要素がブロック図の形態で示される。
【0012】
本明細書で説明するとき、「および/または」という用語の使用は、「包含的論理和」を表すことが意図され、「または」という用語の使用は、「排他的論理和」を表すことが意図される。本明細書で説明するとき、本説明全体を通して使用されている「例示的」という用語は、「例、事例、または例証としての役割を果たす」ことを意味しており、必ずしも他の例示的な構成に優る好ましい、または有利なものとして解釈してはならない。本明細書で説明するとき、本説明全体を通して使用されている「結合される」という用語は、「電気的、機械的、またはそれ以外の介在接続(たとえば、スイッチ)を介して直接または間接に接続される」ことを意味し、必ずしも物理的接続に限定されるとは限らない。加えて、接続は、対象物が永続的に接続されてもよく、または解放可能に接続されてもよい。接続は、スイッチを介することができる。本明細書で説明するとき、本説明全体を通して使用されている「近接した」という用語は、「隣接した、極めて近い、隣の、または近くの」を意味する。本明細書で説明するとき、本説明全体を通して使用されている「上に」という用語は、いくつかの構成においては「直接的に上に」を意味し、他の構成においては「間接的に上に」を意味する。
【0013】
モバイル無線周波数(RF)トランシーバを設計することは、セミコンダクタオンインシュレータ技術を使用することを含み得る。セミコンダクタオンインシュレータ(SOI)技術は、寄生デバイスキャパシタンスを低減して性能を改善するために、従来のシリコン基板を層状の半導体-絶縁体-半導体の基板と置き換える。SOIベースのデバイスは、電気的絶縁体、典型的には埋込み酸化物(BOX)層上のシリコン接合を含むことによって、従来のシリコン製のデバイスとは異なるが、SOIベースのデバイスは、従来のシリコン製のデバイスより高価である。さらに、低減された厚さのBOX層は、SOI層上の能動デバイスとBOX層を支持するSOI基板との近接によって生じる人工的な高調波を十分に低減しない場合がある。
【0014】
SOI層上の能動デバイスは、高性能相補型金属酸化物半導体(CMOS)トランジスタを含み得る。たとえば、高性能CMOS RFスイッチ技術は、現在、SOI基板を使用して製造される。無線周波数フロントエンド(RFFE)モジュールは、良好な動作をこれらの高性能CMOS RFスイッチ技術に依存する場合がある。それゆえ、RFFEモジュールを製作するためのプロセスは、これらの高性能CMOS RFスイッチ技術をサポートするために、コストのかかるSOIウエハの一体化を伴う。さらに、将来のRF性能拡張をサポートすることは、デバイス分離を広げながらRF損失を低減することを伴う。
【0015】
デバイス分離を広げかつRF損失を低減するための一技法は、トラップリッチ領域を有するSOIウエハを使用してRFFEモジュールを製作することである。たとえば、RFデバイス(たとえば、RFスイッチデバイス)は、トラップリッチ領域を有するSOIウエハを使用して製作され得る。残念ながら、トラップリッチ領域を有するSOIウエハは、通常のSOIウエハの約2倍のコストがかかる。代替的に、層転写プロセスは、(たとえば、SOIウエハを使用して製作された)RFスイッチデバイスを高抵抗(HR)ハンドルウエハ(たとえば、HRシリコンまたはサファイア)に物理的に接合し得る。多層の絶縁誘電体によって広げられた空間分離は、RFスイッチデバイスを下の基板から分離し、それによってRFスイッチデバイスのRF性能が劇的に改善される。残念ながら、たとえば、HRシリコンまたはサファイアのウエハを含むHRハンドルウエハを使用することは、バルク半導体ウエハのコストと比較して極めて高価である。
【0016】
本開示の様々な態様は、裏面シリサイド化によるバルク層転写処理のための技法を提供する。集積RF回路の半導体製作のためのプロセスフローは、基板工程(FEOL)プロセス、中間工程(MOL)プロセス、および配線工程(BEOL)プロセスを含んでもよい。「層」という用語は、膜を含み、別段述べられていない限り、垂直厚または水平厚を示すものと解釈されるべきではないことが理解されよう。本明細書において説明するように、「基板」という用語は、ダイシングされたウエハの基板を指す場合があるか、または、ダイシングされていないウエハの基板を指す場合がある。同様に、チップおよびダイという用語は、互換的に使用され得る。
【0017】
本開示の態様は、SOIウエハを置き換えるためにバルク半導体(たとえば、シリコン)ウエハを使用することを含む。すなわち、本開示の態様は、半導体デバイス層を形成するために、高価なSOIウエハを使用することなく安価なバルク半導体ウエハを採用する。本開示のこの態様によれば、無線周波数集積回路(RFIC)は、バルク半導体ダイの前面上の半導体デバイス層を含む。ディープトレンチアイソレーション領域は、バルク半導体ダイの前面から前面と反対の裏面に延び得る。
【0018】
シリサイド層が、コンタクト層としてバルク半導体ダイの裏面上に堆積され得る。加えて、バルク半導体ダイの裏面は、半導体デバイス層上の、前面誘電体層(たとえば、第1の面の誘電体層)から遠位の裏面誘電体層(たとえば、第2の面の誘電体層)によって支持され得る。RFICは、前面誘電体層上のハンドル基板も含み得る。前面および裏面は、それぞれ、第1の面または第2の面と呼ばれることがある。場合によっては、前面が第1の面と呼ばれることになる。他の場合には、裏面が第1の面と呼ばれることになる。
【0019】
図1は、チップセットのためのワイヤレスローカルエリアネットワークモジュールおよび無線周波数(RF)フロントエンドモジュールを有するワイヤレスデバイス(たとえば、携帯電話またはスマートフォン)の概略図である。ワイヤレスデバイス100は、本開示の態様による、バルク半導体ダイを使用して製作され得る、チップセット110に対するワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)(たとえば、WiFi)モジュール150およびRFフロントエンドモジュール170を含み得る。WiFiモジュール150は、アンテナ162をワイヤレスローカルエリアネットワークモジュール(たとえば、WLANモジュール152)に通信可能に結合する第1のダイプレクサ160を含む。RFフロントエンドモジュール170は、アンテナ192をデュプレクサ180(DUP)を介してワイヤレストランシーバ120(WTR)に通信可能に結合する第2のダイプレクサ190を含む。
【0020】
ワイヤレストランシーバ120およびWiFiモジュール150のWLANモジュール152は、電力管理集積回路(PMIC)140を介して電源102によって電力を供給されるモデム(MSM、たとえばベースバンドモデム)130に結合される。チップセット110は、信号完全性を実現するためにキャパシタ112および114ならびにインダクタ116も含む。PMIC140、モデム130、ワイヤレストランシーバ120、およびWLANモジュール152の各々は、キャパシタ(たとえば、142、132、122、および154)を含み、クロック118に従って動作する。チップセット110における様々なインダクタ構成要素およびキャパシタ構成要素の形状および配置によって、各構成要素間の電磁結合が低減し得る。
【0021】
ワイヤレスデバイス100のワイヤレストランシーバ120は、一般に、双方向通信のためにデータを送受信するためのモバイルRFトランシーバを含む。モバイルRFトランシーバは、データ送信のための送信セクションとデータ受信のための受信セクションとを含み得る。データ送信の場合、送信セクションは、データを有するRFキャリア信号を変調して変調されたRF信号を取得し、電力増幅器(PA)を使用して変調されたRF信号を増幅して適切な出力電力レベルを有する増幅されたRF信号を取得し、増幅されたRF信号をアンテナ192を介して基地局に送信し得る。データ受信の場合、受信セクションは、受信RF信号をアンテナ192を介して取得し、低雑音増幅器(LNA)を使用して受信RF信号を増幅し、受信RF信号を処理して、通信信号内の基地局によって送られたデータを復元し得る。
【0022】
ワイヤレストランシーバ120は、これらの通信信号を増幅するために1つまたは複数の回路を含み得る。増幅器回路(たとえば、LNA/PA)は、1つまたは複数のドライバ段および1つまたは複数の増幅器出力段を有し得る1つまたは複数の増幅器段を含み得る。増幅器段の各々は、通信信号を増幅するために様々な方法で構成された1つまたは複数のトランジスタを含む。ワイヤレストランシーバ120によって送受信された通信信号を増幅するように構成されるトランジスタを製作するために、様々なオプションが存在する。
【0023】
ワイヤレストランシーバ120およびRFフロントエンドモジュール170は、
図2に示すように、能動デバイスを基板から分離するために層転写プロセスを使用して実装され得る。
【0024】
図2は、RFセミコンダクタオンインシュレータ(SOI)デバイスを含む無線周波数(RF)集積回路200の断面図を示しており、そのデバイスは、層転写プロセスを使用して製作され得る。
図2に示すように、RFデバイスは、絶縁体層220上の能動デバイス210を含み、絶縁体層220は、最初に犠牲基板201によって支持される。RF デバイスはまた、第1の誘電体層204内部で能動デバイス210に結合される相互接続250を含む。層転写プロセスでは、ハンドル基板202は、犠牲基板201の除去を可能にするために、RFデバイスの第1の誘電体層204に接合される。層転写プロセスを使用して犠牲基板201を除去することで、たとえば第1の誘電体層204の誘電体厚さを増すことによって、高性能低寄生RFデバイスが可能になる。すなわち、RFデバイスの寄生キャパシタンスは、能動デバイス210とハンドル基板202との間の距離を決定する誘電体厚さに比例する。
【0025】
BOX層220上の能動デバイス210は、相補型金属酸化物半導体(CMOS)トランジスタであり得る。RFFEモジュール170(
図1)は、良好な動作を、これらの高性能CMOS RF技術に依存する場合がある。
【0026】
図3は、本開示の態様による、バルク半導体層転写プロセスを使用して製作された無線周波数集積回路(RFIC)の断面図である。典型的には、RF集積回路300は、ゲート、ソース/ドレイン(S/D)領域、およびソース/ドレイン領域間のチャネル領域を有する能動デバイス310を含み、各々は、バルク半導体ウエハ320の前面上に形成される。SOI実装形態とは対照的に、ソース/ドレイン領域およびチャネル領域を含む能動デバイス層は、埋込み酸化物(BOX)層によって支持されない。能動デバイスとして示されているが、能動デバイス310は、第1の能動/受動デバイス、ならびに第2の能動/受動デバイスであり得ることを認識されたい。
【0027】
RF集積回路300はまた、能動デバイス310のソース/ドレイン領域に結合された中間工程(MOL)/配線工程(BEOL)相互接続を含む。説明するように、MOL/BEOL層は、第1の面(たとえば、前面)の層と呼ばれることがある。対照的に、バルク半導体ウエハ320を支持する層は、第2の面(たとえば、裏面)の層と呼ばれることがある。この例では、前面金属被覆層M1は、能動デバイス310のソース/ドレイン領域に結合され、前面誘電体層304内に配置される。加えて、ハンドル基板302は、前面誘電体層304に結合される。裏面誘電体340は、バルク半導体ウエハ320に隣接し、場合によってはバルク半導体ウエハ320を支持する。加えて、裏面金属被覆層(たとえば、第2の面の金属被覆層)は、
図4にさらに示すように、トレンチ相互接続350を用いてディープトレンチアイソレーション(DTI)領域330を通ってバルク半導体ウエハ320の前面から裏面に延びる前面金属被覆層M1に結合される。
【0028】
図4は、本開示の態様による、バルク半導体ダイの裏面上のコンタクト層を含むバルク半導体ダイを有する無線周波数集積回路(RFIC)の断面図である。典型的には、RF集積回路400は、ゲート(G)、ソース/ドレイン(S/D)領域、およびソース/ドレイン領域間のチャネル(C)領域を各々が有する第1の能動デバイス410、第2の能動デバイス412および第3の能動デバイス414を含み、G、S/D領域およびC領域は、バルク半導体ウエハ420(たとえば、バルクシリコンウエハ)の前面上に形成される。SOI実装形態とは対照的に、能動デバイス(たとえば、410、412および414)のソース/ドレイン領域およびチャネル領域を含む能動デバイス層は、埋込み酸化物(BOX)層によって支持されない。
【0029】
第1の能動デバイスとして示されているが、第1の能動デバイス410は、第1の能動/受動デバイス、ならびに第2の能動デバイス412などの第2の能動/受動デバイスであり得ることを認識されたい。加えて、平面デバイスとして示されているが、能動デバイス(たとえば、410、412および414)は、平面デバイスに限定されないことを認識されたい。たとえば、能動デバイス(たとえば、410、412および414)は、限定はしないが、平面電界効果トランジスタ(FET)、フィンタイプFET(FinFET)、ナノワイヤFET、または他の同様のFETを含み得る。
【0030】
RF集積回路400は、能動デバイス(たとえば、410、412および414)のゲートならびにソース/ドレイン領域に結合されたMOL相互接続(M0)ならびにBEOL相互接続(M1)も含む。MOL相互接続は、基板工程の間に形成された能動デバイスを配線工程処理の間に形成された金属被覆層に結合するためのトレンチ相互接続(たとえば、CA、CB)とビア(たとえば、V0)を含み得る。この例では、MOL相互接続M0は、第1の能動デバイス410のゲートのゲートコンタクト(たとえば、ポリコンタクト)に結合され、前面誘電体層404内に配置される。加えて、ハンドルウエハ402(ハンドル基板)は、前面誘電体層404に結合される。裏面誘電体層440は、バルク半導体ウエハ420に隣接し、場合によってはバルク半導体ウエハ420を支持する。
【0031】
この構成では、裏面金属被覆層(たとえば、第2の面の金属被覆層)は、トレンチ相互接続450を通して前面MOLゼロ相互接続M0に結合される。トレンチ相互接続450は、第1のディープトレンチアイソレーション(DTI)領域430を通ってバルク半導体ウエハ420の前面から裏面に延びる。裏面金属被覆も、裏面コンタクト層460に結合され得る。
【0032】
本開示の態様によれば、第1のDTI領域430は、裏面コンタクト層460を通って裏面誘電体層440の中に延びる。同様に、第2のディープトレンチアイソレーション(DTI)領域432は、裏面コンタクト層460を通って裏面誘電体層440の中に延びる。この例では、裏面コンタクト層460は、バルク半導体ウエハ420の裏面に沿って堆積される。裏面コンタクト層460は、シリサイド材料または他の同様の導電性材料から成り得る。裏面コンタクト層460はまた、バルク半導体ウエハ420の裏面から延びる第1のDTI領域430の一部分に接触する。加えて、裏面誘電体層440は、バルク半導体ウエハ420の裏面から延びる第1のDTI領域430の残りの部分に接触する。
【0033】
図2に示す層転写プロセスは、
図4に示すように、高価なSOI基板を使用することなくCMOS製品(たとえば、CMOSトランジスタ)を生成するために、バルク半導体ウエハとともに使用され得る。本開示の様々な態様は、
図5A~
図5Gで説明するように、裏面シリサイド化によるバルク層転写処理のための技法を提供する。本開示の一態様は、裏面シリサイド化(
図6)によるバルク層転写プロセスを使用して、たとえば
図4に示すRF集積回路を形成する。
【0034】
図5A~
図5Gは、本開示の態様による、
図4のRF集積回路400を製作するためのプロセスを示す。
図5Aは、
図4のRF集積回路400を形成するための最初のステップを示す。このプロセスは、バルクシリコンウエハなどの相補型金属酸化物半導体(CMOS)ウエハを用いて開始する。次に、CMOS基板工程集積化が、バルク半導体ウエハ420上で実行されて、第1の能動デバイス410、第2の能動デバイス412および第3の能動デバイス414が形成される。この例では、第1の能動デバイス410および第2の能動デバイス412は、シャロートレンチアイソレーション(STI)領域によって分離される。対照的に、第2の能動デバイス412および第3の能動デバイス414は、第2のDTI領域432によって分離される。第1の能動デバイス410および第2の能動デバイス412は、RF集積回路400の製作プロセスを簡素化するためにDTI領域によって分離され得ることを認識されたい。
【0035】
本開示の態様によれば、STI領域は能動デバイス分離のために使用される一方で、DTI領域は層転写後の分離のために使用される。第1のDTI領域430および第2のDTI領域432の深さは、0.4~4マイクロメートルの範囲にあり得るが、第1のDTI領域430および第2のDTI領域432の深さは、将来のプロセスに対して低減されてもよい。DTI領域ならびにSTI領域は、二酸化ケイ素(SiO2)など、同様の誘電体材料で充填され、能動デバイスの前に形成され得る。
【0036】
能動デバイスが形成されると、MOLプロセスが、能動デバイスをBEOL相互接続層に接続する。この例では、ゼロ層相互接続M0が、第1の能動デバイス410のゲートGに結合される。加えて、第1のBEOL相互接続M1が、ゼロ層相互接続M0に結合される。第1のBEOL相互接続M1は、前面BEOLプロセスの部分として形成される。前面誘電体層404の堆積が、このプロセスに続く。前面誘電体層404が堆積されると、ハンドルウエハ402が、前面誘電体層404に接合される。ハンドルウエハ402は、処理されたウエハまたはベアウエハであり得る。
【0037】
図5Bは、バルク半導体ウエハ420のバックグラインドプロセスを示す。この最初のバックグラインドプロセスは、能動デバイス層から遠位の、バルク半導体ウエハ420の裏面に適用される。この最初のバックグラインドプロセスは、約5~10マイクロメートルの表面変化を残してもよい。バックグラインドプロセスは
図5Cにおいて継続し、そこにおいて、化学機械研磨(CMP)プロセスが、バルク半導体ウエハ420の裏面に適用される。このCMPプロセスは、バルク半導体ウエハ420の裏面の表面変化を0.1マイクロメートルから0.4マイクロメートルの範囲に、しかし好ましくは0.1マイクロメートルに低減し得る。このCMPプロセスは、第1のDTI領域430または第2のDTI領域432を露出させない。
【0038】
図5Bに示すように、バックグラインドプロセスは、5~10ミクロンの表面変化を有するバルク半導体ウエハ420の裏面に適用され得る。表面変化は、
図5Cに示すように、バルク半導体ウエハ420の裏面を研磨することによって、所定の表面変化(たとえば、0.3ミクロン未満)に低減され得る。加えて、シリコンエッチ(たとえば、水酸化カリウム(KOH)もしくは水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH))、CMP(たとえば、化学機械研磨)、またはCMPとエッチングの組合せが、バルク半導体ウエハの厚さをDTI領域の厚さ以下の厚さまで低減するために実行され得る。
【0039】
図5Dに示すように、シリコンエッチ/CMPが、第1のDTI領域430ならびに第2のDTI領域432の部分を露出させるために、バルク半導体ウエハ420の裏面上で実行される。本開示のさらなる態様では、バルク半導体ウエハ420の裏面の平面性を改善するために、エッチストップ層がバルク半導体ウエハ420の中に形成され得る。第1のDTI領域430および第2のDTI領域432が露出されると、
図5Eでさらに説明する裏面コンタクト層460を形成するために、層転写後シリサイド層が、バルク半導体ウエハ420の裏面の全長の上に堆積され得る。
【0040】
図5Fに示すように、トレンチ相互接続450が、第1のDTI領域430を通して形成される。この例では、トレンチ相互接続450は、前面誘電体層404内の前面ゼロ相互接続M0に結合される。
図5Gに示すように、RF集積回路400は、裏面BEOL相互接続452を形成して、裏面誘電体層440を堆積させることによって完了する。裏面誘電体層440は、バルク半導体ウエハ420の裏面と、バルク半導体ウエハ420の裏面から延びる第1のDTI領域430の露出された側壁との上に堆積される。この例では、裏面誘電体層440は、前面誘電体層404から遠位にある。この例では、裏面BEOL相互接続452は、トレンチ相互接続450を通して前面ゼロ相互接続M0に結合される。
【0041】
図6は、本開示の一態様による、無線周波数集積回路(RFIC)を構築するための第2の面(たとえば、裏面)のシリサイド化によるバルク層転写プロセスの方法600を示すプロセスフロー図である。ブロック602において、第1のトランジスタが、バルク半導体ウエハの第1の面上に製作される。たとえば、
図4に示すように、第1の能動デバイス410が、バルク半導体ウエハ420の第1の面上に製作される。ブロック604において、第1のディープトレンチアイソレーション領域が、バルク半導体ウエハ内に、第1のトランジスタに近接して形成される。たとえば、
図4に示すように、第1のDTI領域430は、バルク半導体ウエハ420の第1の面から第2の面に延びる。
【0042】
方法600は、バルク半導体ウエハの第1の面上に第2のトランジスタを製作するステップをさらに含み得る。たとえば、
図4に示すように、第2の能動デバイス412が、第1の能動デバイス410に隣接して製作される。STI領域が、能動デバイスを形成する前に、第1の能動デバイス410と第2の能動デバイス412との間の、バルク半導体ウエハ420の第1の面上に形成され得る。次に、第2の能動デバイス412に近接して、バルク半導体ウエハ420の第1の面から第2の面に延びる第2のDTI領域432が、形成される。たとえば、
図4に示すように、第2のDTI領域432は、第2の能動デバイス412と第3の能動デバイス414との間に形成される。
【0043】
再び
図6を参照すると、ブロック606において、第1の面の誘電体層が、第1のトランジスタ上に堆積される。たとえば、
図4に示すように、前面誘電体層404が、第1の能動デバイス410上に堆積される。再び
図6を参照すると、ブロック608において、ハンドル基板が、第1の面の誘電体層に接合される。たとえば、
図4に示すように、ハンドルウエハ402が、前面誘電体層404に接合される。ブロック610において、第1のディープトレンチアイソレーション領域が、バルク半導体ウエハの第2の面において露出される。
【0044】
たとえば、
図5Dに示すように、第1のDTI領域430は、バルク半導体ウエハ420の第2の面において露出される。第1のDTI領域430の露出は、バルク半導体ウエハの第2の面をバックグラインドして、バルク半導体ウエハの第2の面を所定の表面変化まで研磨することによって実行され得る。再び
図6を参照すると、ブロック612において、コンタクト層が、バルク半導体ウエハの第2の面上に、および第1のディープトレンチアイソレーション領域の露出された側壁上に堆積される。たとえば、
図5Eに示すように、裏面コンタクト層460が、裏面シリサイドプロセスを使用してバルク半導体ウエハ420の裏面上に堆積される。
【0045】
本開示の態様は、SOIウエハを置き換えるためにバルク半導体(たとえば、シリコン)ウエハを使用することに関する。すなわち、本開示の態様は、半導体デバイス層を形成するために、高価なSOIウエハを使用することなく安価な半導体ウエハを採用する。本開示の一態様は、層転写による裏面シリサイド化プロセスを使用して、バルク半導体ウエハの第1の面上の能動デバイス層と第2の面上のコンタクト層とを含むバルク半導体ウエハを形成する。加えて、層転写後金属被覆プロセスは、バルク半導体ウエハ内のディープトレンチアイソレーション領域を通って延びるトレンチ相互接続によって第1の面の金属被覆に結合される第2の面の金属被覆の形成を可能にする。
【0046】
本開示のさらなる態様によれば、第1の面上に能動/受動デバイスを有するバルク半導体ダイと、バルク半導体ダイの第1の面から第1の面と反対の第2の面に延びるディープトレンチアイソレーション領域とを含むRF集積回路が説明される。RF集積回路は、能動/受動デバイス上に第1の面の誘電体層を含む。RF集積回路構造は、第1の面の誘電体層上のRF集積回路を処理するための手段も含む。処理手段は、
図3に示すハンドルウエハであり得る。本開示の別の態様では、前述の手段は、前述の手段によって列挙された機能を実行するように構成される任意のモジュールまたは任意の装置であってもよい。
【0047】
図7は、本開示の一態様が有利に利用され得る例示的ワイヤレス通信システム700を示すブロック図である。説明の目的で、
図7は、3つのリモートユニット720、730、および750と、2つの基地局740とを示す。ワイヤレス通信システムがより多くのリモートユニットおよび基地局を有してよいことが認識されよう。リモートユニット720、730および750は、開示されたRFICを含むICデバイス725A、725Cおよび725Bを含む。基地局、スイッチングデバイス、およびネットワーク機器などの他のデバイスも、開示されたRFICを含んでもよいことが認識されよう。
図7は、基地局740からリモートユニット720、730、および750への順方向リンク信号780と、リモートユニット720、730、および750から基地局740への逆方向リンク信号790とを示す。
【0048】
図7では、リモートユニット720は、モバイル電話として示され、リモートユニット730は、ポータブルコンピュータとして示され、リモートユニット750は、ワイヤレスローカルループシステム内の固定位置リモートユニットとして示される。たとえば、リモートユニットは、モバイル電話、ハンドヘルドパーソナル通信システム(PCS)ユニット、携帯情報端末(PDA)などのポータブルデータユニット、GPS対応デバイス、ナビゲーションデバイス、セットトップボックス、音楽プレーヤ、ビデオプレーヤ、エンターテインメントユニット、メーター読取り機器などの固定ロケーションデータユニット、またはデータもしくはコンピュータ命令を記憶するかもしくは取り出す他の通信デバイス、あるいはそれらの組合せであってもよい。
図7は本開示の態様によるリモートユニットを示すが、本開示はこれらの例示的に示されるユニットに限定されない。本開示の態様は、開示されたRFICを含む、多くのデバイスにおいて適切に利用することができる。
【0049】
図8は、上で開示されたRFデバイスのような、半導体構成要素の回路設計、レイアウト設計、および論理設計のために使用される、設計用ワークステーションを示すブロック図である。設計用ワークステーション800は、オペレーティングシステムソフトウェアと、サポートファイルと、CadenceまたはOrCADなどの設計ソフトウェアが入っているハードディスク801を含む。設計用ワークステーション800は、回路設計810またはRFIC設計812を容易にするためのディスプレイ802も含む。回路設計810またはRFIC設計812を有形に記憶するために、記憶媒体804が設けられる。回路設計810またはRFIC設計812は、GDSIIやGERBERなどのファイルフォーマットで記憶媒体804上に格納されてもよい。記憶媒体804は、CD-ROM、DVD、ハードディスク、フラッシュメモリ、または他の適切なデバイスであってもよい。さらに、設計用ワークステーション800は、記憶媒体804から入力を受け取るか、または記憶媒体804に出力を書き込むための、ドライブ装置803を含む。
【0050】
記憶媒体804上に記録されたデータは、論理回路構成、フォトリソグラフィマスクのためのパターンデータ、または電子ビームリソグラフィなどのシリアル書込みツールのためのマスクパターンデータを指定し得る。データはさらに、論理シミュレーションに関連したタイミング図やネット回路などの論理検証データを含んでもよい。記憶媒体804上にデータを用意すると、半導体ウエハを設計するためのプロセスの数が減少することによって、回路設計810またはRFIC設計812の設計が容易になる。
【0051】
ファームウェア実施態様および/またはソフトウェア実装形態の場合、方法は、本明細書で説明した機能を実行するモジュール(たとえば、手順、関数など)を用いて実装され得る。本明細書で説明される手順を実装する際に、命令を有形に具現する機械可読媒体を使用することができる。たとえば、ソフトウェアコードがメモリに記憶され、プロセッサユニットによって実行され得る。メモリは、プロセッサユニット内またはプロセッサユニットの外部に実装されてよい。本明細書において使用される「メモリ」という用語は、長期メモリ、短期メモリ、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、または他のメモリのタイプを指し、特定のタイプのメモリもしくは特定の数のメモリ、またはメモリが格納される媒体のタイプに限定すべきではない。
【0052】
機能は、ファームウェアおよび/またはソフトウェアにおいて実装される場合、コンピュータ可読媒体上の1つまたは複数の命令またはコードとして記憶され得る。例には、データ構造を用いて符号化されたコンピュータ可読媒体、およびコンピュータプログラムを用いて符号化されたコンピュータ可読媒体が含まれる。コンピュータ可読媒体は、物理的なコンピュータ記憶媒体を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスされ得る利用可能な媒体であり得る。限定ではなく例として、そのようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD-ROMもしくは他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージもしくは他の磁気記憶デバイス、または、所望のプログラムコードを命令もしくはデータ構造の形で記憶するために使用することができるとともに、コンピュータによってアクセスすることができる他の媒体を含むことができ、本明細書において使用されるディスク(disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(disc)(CD)、レーザーディスク(登録商標)(disc)、光ディスク(disc)、デジタル多用途ディスク(disc)(DVD)、フロッピーディスク(disk)、およびブルーレイディスク(disc)を含み、ディスク(disk)は通常、データを磁気的に再生し、ディスク(disc)はデータをレーザーを用いて光学的に再生する。上記の組合せもコンピュータ可読媒体の範囲に含まれるべきである。
【0053】
コンピュータ可読媒体上のストレージに加えて、命令および/またはデータは、通信装置に含まれる伝送媒体上の信号として備えられてもよい。たとえば、通信装置は、命令およびデータを表す信号を有するトランシーバを含み得る。命令およびデータは、1つまたは複数のプロセッサに、特許請求の範囲において概説する機能を実装させるように構成される。
【0054】
本開示およびその利点が詳細に説明されたが、添付の特許請求の範囲によって定義される本開示の技術から逸脱することなく、明細書で様々な変更、置換、および改変が行われ得ることを理解されたい。たとえば、「上」および「下」などの関係語が、基板または電子デバイスに関して使用される。当然、基板または電子デバイスが反転される場合、上は下に、下は上になる。加えて、横向きの場合、上および下は、基板または電子デバイスの側面を指すことがある。さらに、本出願の範囲は、本明細書で説明したプロセス、機械、製造、ならびに組成物、手段、方法、およびステップの特定の構成に限定されることを意図していない。本開示から当業者が容易に諒解するように、本明細書で説明する対応する構成と実質的に同じ機能を実行するかまたは実質的にそれと同じ結果を達成する、現存するかまたは今後開発されるプロセス、機械、製造、組成物、手段、方法、またはステップが、本開示に従って利用されてもよい。したがって、添付の特許請求の範囲は、そのようなプロセス、機械、製造、組成物、手段、方法、またはステップをそれらの範囲内に含むことを意図する。
【符号の説明】
【0055】
100 ワイヤレスデバイス
102 電源
110 チップセット
112 キャパシタ
114 キャパシタ
116 インダクタ
118 クロック
120 ワイヤレストランシーバ
122 キャパシタ
130 モデム
132 キャパシタ
140 電力管理集積回路(PMIC)
142 キャパシタ
150 WiFiモジュール
152 WLANモジュール
154 キャパシタ
160 第1のダイプレクサ
162 アンテナ
170 無線周波数(RF)フロントエンド(FE)モジュール
180 デュプレクサ(DUP)
190 第2のダイプレクサ
192 アンテナ
200 無線周波数(RF)集積回路(RFIC)
201 犠牲基板
202 ハンドル基板
204 第1の誘電体層
210 能動デバイス
220 埋込み酸化物(BOX)層
250 相互接続
300 RF集積回路
302 ハンドル基板
304 前面誘電体層
310 能動デバイス
320 バルク半導体ウエハ
330 ディープトレンチアイソレーション(DTI)領域
340 裏面誘電体
350 トレンチ相互接続
400 RF集積回路
402 ハンドル基板
404 前面誘電体層
410 能動デバイス
412 能動デバイス
414 能動デバイス
420 バルク半導体ウエハ
430 第1のディープトレンチアイソレーション(DTI)領域
432 第2のディープトレンチアイソレーション(DTI)領域
440 裏面誘電体層
450 トレンチ相互接続
452 裏面配線工程(BEOL)相互接続
460 裏面コンタクト層
700 ワイヤレス通信システム
720 リモートユニット
725A ICデバイス
725B ICデバイス
725C ICデバイス
730 リモートユニット
740 基地局
750 リモートユニット
780 順方向リンク信号
790 逆方向リンク信号
800 設計用ワークステーション
801 ハードディスク
802 ディスプレイ
803 ドライブ装置
804 記憶媒体
810 回路設計
812 RFIC設計