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特許7248672首の痛みのためのヘッドレストクッションアセンブリ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-20
(45)【発行日】2023-03-29
(54)【発明の名称】首の痛みのためのヘッドレストクッションアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   A47G 9/10 20060101AFI20230322BHJP
【FI】
A47G9/10 H
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020522277
(86)(22)【出願日】2018-06-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-08-27
(86)【国際出願番号】 US2018037451
(87)【国際公開番号】W WO2019005493
(87)【国際公開日】2019-01-03
【審査請求日】2021-06-04
(31)【優先権主張番号】62/604,181
(32)【優先日】2017-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520000434
【氏名又は名称】ブルジョア,ブライアン
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】ブルジョア,ブライアン
【審査官】東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第104188449(CN,A)
【文献】米国特許第03877751(US,A)
【文献】独国実用新案第202014101258(DE,U1)
【文献】登録実用新案第3049228(JP,U)
【文献】米国特許第05448790(US,A)
【文献】米国特許第05310245(US,A)
【文献】特開2001-286379(JP,A)
【文献】国際公開第2007/091863(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 9/10
A47C 7/38
A47C 7/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドレストアセンブリは以下を含みます。
上部、
下部、
上部と下部を支える固めの土台であって使用者の腰を支えられる十分な長さを有する土台
上部には固めの土台と繋がっている1つ以上の上部クッションがあり、そのクッションで使用者の頭部を支えるような作りになっていて、
下部には固めの土台と繋がっている長めの背もたれであって、左下のクッションおよび右下のクッションを有し、これらのクッションは固めの土台に繋がっていて、固めの土台に対して上部クッションの高さは左下のクッションおよび右下のクッションの高さより高い、背もたれがあります。
左上にある1つ以上の上部クッションと右上にある上部クッションの間には隙間があるようにします。
固めの土台は上部クッションよりも固めにできています。
長めの背もたれの下端の厚さは、同背もたれの上部分の厚さよりも薄くなっています。
【請求項2】
請求項1のヘッドレストアセンブリの固めの土台は、少なくとも35cmの長さにしてください。
また、
請求項1のヘッドレストアセンブリの長めの背もたれは、少なくとも25cmの長さにしてください。
また、
請求項1のヘッドレストアセンブリの下部にある固めの土台の幅は、40cm以下にしてください。
【請求項3】
請求項1のヘッドレストアセンブリの左下と右下のクッションの間には隙間があります。
【請求項4】
請求項1のヘッドレストアセンブリは、蝶番もしくはピボットシステムを使用し固めの土台と1つ以上のクッションを繋げる事で、固めの土台に対して回動可能としています。
【請求項5】
請求項1のヘッドレストアセンブリの長めの背もたれに関しては、その長さが幅よりも大きく、縦軸を有するものとします。
【請求項6】
請求項のヘッドレストアセンブリの1つ以上の上部クッションに関しては、その長さが幅よりも大きく、縦軸を有するものとします。
【請求項7】
請求項のヘッドレストアセンブリについて、1つ以上の上部クッションの縦軸が長めの背もたれの縦軸と平行になるようにします。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれか1項に記載のヘッドレストアセンブリの使用方法については以下を含みます。
使用者はリクライニングの位置に横たわり、ヘッドレストアセンブリ上部に頭部を置き、ヘッドレストアセンブリ下部に上背を置くようにします。
【請求項9】
請求項の使用方法では、蝶番もしくはピボットシステムを使用し固めの土台と1つ以上のクッションを繋げ、そのクッションの回動角度を調整するようにします。
【請求項10】
請求項の使用方法では、1つ以上の上部クッションの回動角度は0°以上に調整しています。
【請求項11】
請求項の使用方法において、左下と右下のクッションの間には隙間があります。
また使用者の胸椎は左下と右下のクッションの間に来るようにします。
【請求項12】
請求項11の使用方法について、左下と右下のクッションの間に使用者の左右の鎖骨が来るようにします。
【請求項13】
請求項の使用方法について、使用者の腰を支えられる十分な長さを有する固めの土台でなければならず、ヘッドレストアセンブリの下部に腰を配置できるようにします。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は枕、特に、人間工学に基づいて頸部痛軽減のために設計された頸部用枕に関連しています。
【背景技術】
【0002】
首には複雑な解剖学的構造があり、非常に多くの筋肉と腱と軟骨で形成されていて、たった7つの小さな骨(頸椎)で一つにまとまっています。これら7つの骨(頸椎)は、脊椎の上部、つまり脊椎の頸部を構成しています。これらの骨は比較的小さいのですが、解剖学の最も重要な部分の一つである中枢神経系の脊髄を保護して、頭部を支え、頭部と頸部が自由に動けるようにしています。
【0003】
首の複雑な骨と組織構造は、たやすくストレスを受け、圧迫または神経の圧迫に対して損傷を受けやすくなります。首の痛みと凝りは、寝ている間に頭や首をより良い位置に保つことで軽減できます。時に、睡眠中に首を頭と背中と一直線に保つことは、首の痛みを防ぐのを助けます。しかし、頭、首、背中を適切な位置に保つためには、適切なサポートシステムが必要です。
【0004】
多くの人が首の痛みに苦しんでいるため、使用者に改善を提供する目的の幅広い種類の枕製品があります。そのような特別に設計された枕は、頸部枕またはネックサポート枕を呼ばれているかもしれません。しかし、現在入手可能な頸部枕の欠点の一つは、枕が使用者の首と頭を支えているにもかかわらず、それらの枕は背中の上部を適切にサポートしていないことです。この欠点により、これらの頸部枕は、首と背中の上部の背骨が緊張をほぐして、骨が本来の位置に戻るための適切な再調整を促しません。従って、頭部/頸部および背中上部の両方をサポートする枕が必要なのです。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、使用者がそこにもたれるためのヘッドレストアセンブリを提供します。本発明のヘッドレストアセンブリは、使用者に首の痛みの緩和、睡眠中や休息中の首の痛みの防止、または睡眠の質の改善などの様々な利点を提供できます。ヘッドレストアセンブリは、頭と首とともに使用者の背中上部をサポートすることで作用します。首と背中上部の背骨を再調整して、緊張をほぐし、骨が本来の位置に戻るのを助けるのに役立つ場合があります。
【0006】
ヘッドレストアセンブリは、硬質ベースから成っています。ここで使われているように、ベースに言及するときの「硬質」という言葉は、以下でさらに説明されるように、ヘッドレストアセンブリの上部クッション(および任意で下部クッション)の剛性よりも大きい剛性の量として定義されます。硬質ベースは、ベッドに横たわった時にヘッドレストにもたれる成人70キログラムの重さにさらされた時に、実質的に変形に耐えうるのに十分な硬さでなければならないのです。硬質ベースは、十分な硬さを与えるあらゆる適切な材料で作ることができます。
【0007】
機能的な観点から、ヘッドレストアセンブリには上部と下部があります。硬質ベースは、上部と下部を支えます。上部は使用者の頭部を収容するように設計されています。下部は使用者の頸部を収容するように設計されています。ヘッドレストアセンブリの上部には、使用者の頭部をサポートするように作られた1つかそれ以上のクッションがあります。使用者の頭の左、左後ろ、右、および/または右後ろ側を含むさまざまな頭の部分が支えられるでしょう。いくつかの実施形態においては、この効用は、上部の硬質ベースに結合した単体の上部クッションによって果たされています。場合によっては、このクッションには左右の側板があります。
【0008】
いくつかの実施形態では、ヘッドレストアセンブリは、上部で硬質ベースに結合した左上部クッションと右上部クッションから成立しています。左右の上部クッションは、隙間で分けられています;場合によっては、隙間は少なくとも2cmの幅があり、幅の範囲が2~15cmの場合もあります。場合によっては、左右の上部クッションの二つの頂点の距離は、12~25cmの範囲です。
【0009】
ヘッドレストアセンブリの下部には、硬質ベースに結合した1つかそれ以上の細長い背中のサポートがあります。細長い背中のサポートは、クッション要素でもあり得るし、上部クッションについて上述したように、クッション要素を含んでいても構いません。しかしながら、細長い背中のサポートは必ずしもクッションである必要はないのです。場合によっては、細長い背中のサポートは硬いのです、つまり上部クッションよりも硬いのです。いくつかの実施形態では、細長い背中のサポートはクッションです。またいくつかの実施形態では、細長い背中のサポートは硬い構造であり、細長い背中のサポートに結合したクッションがあります。
【0010】
いくつかの実施形態では、ヘッドレストアセンブリ下部に単体の細長い背中のサポートがあります。実施形態によっては、ヘッドレストアセンブリ下部に左下部の細長い背中のサポートと右下部の細長い背中のサポートがあります。左右の下部の細長い背中のサポートは隙間によって分離されています;場合によっては、隙間は少なくとも2.5cmの幅である場合もあり、2.5~15cm幅の範囲である場合もあります。場合によっては、左右の細長い背中のサポートの二つの頂点の距離は12~25cmの範囲です。
【0011】
いくつかの実施形態では、左右の下部の細長い背中のサポートの隙間は、左右の上部のクッションの隙間とは異なります。場合によっては、左右の下部の細長い背中のサポートの隙間は、左右の上部のクッションの隙間よりも大きいこともあります。
【0012】
いくつかの実施形態では、下部の細長い背中のサポートの長さは、少なくとも25cmあり;その範囲は30~90cmの場合もあります。またいくつかの実施形態では、下部の細長い背中のサポートの長さは、少なくとも40cmで;その範囲は50~90cmの場合もあります。いくつかの実施形態では、上部クッションの長さは、少なくとも8cmあり;その範囲は10~40cmの場合もあり、10~21cmの範囲の場合もあります。上部クッションまたは下部の細長い背中のサポートは、幅よりも長さの方が大きく、それ故に縦軸があります。そのようなクッションまたは細長い背中のサポートの長さは少なくとも幅の2倍になる場合もあります。下部の細長い背中のサポートについては、その長さは少なくともその幅の3倍になる場合もあります。実施形態によっては、上部クッションの縦軸は、下部の細長い背中のサポートの縦軸と平行しています。
【0013】
いくつかの実施形態では、上部クッションの高さは2~10cm(硬質ベースから測定したものとする)の範囲です。ここで使われているように、ヘッドレストアセンブリの要素に言及する時の「高さ」という言葉は、その要素の高度を意味します。いくつかの実施形態では、下部の細長い背中のサポートの高さは1~10cm(硬質ベースから測定したものとする)の範囲です。いくつかの実施形態では、上部クッションの高さは、下部の細長い背中のサポートの高さよりも高く;また上部クッションの高さが下部の細長い背中のサポートの高さよりも少なくとも1.5cm高い場合もあります。
【0014】
いくつかの実施形態では、細長い背中のサポートの下端の厚みは、細長い背中のサポートの上部の厚みよりも薄いです。上部は、下端より上にある(使用者の頭部に向かって、より上方向)細長い背中のサポートの横軸部分です。ここで使われているように、上部クッションまたは下部の細長い背中のサポートに言及する時の「厚み」という言葉は、一番上から下までの高度を意味します。
【0015】
上記の上部クッションと下部の細長い背中のサポートは、接着剤、ネジ、クリップ、スナップ、ベルクロ面ファスナー、または他の適切な種類のファスナーなどのあらゆる適切な方法で硬質ベースに結合されることもあります。もしくは他の例では、モールディングや押出成形によって一つの部品として結合されることもあります。硬質ベースと結合するのには、直接につなげる必要はなく、あいだに他の部分を介した状態で間接的にされることもあります。
【0016】
いくつかの実施形態では、ヘッドレストアセンブリの上部クッションは、ヒンジまたはピボット装置を介して硬質ベースと結合されています。これにより、上部クッションは硬質ベースに対して回転します。ヒンジが上部クッションの上端にある場合もあります。所定の位置に固定できるヒンジを含めて、あらゆる適切な種類のヒンジが使用できます。ピボットの角度は0度以上に設定される場合もあり;15度以上の場合もあります。
【0017】
ヘッドレストアセンブリまたはその部品は、使用者の年齢の範囲(子ども対大人)性別、体重、体形、意図された解剖学的標的(例えば、背中の上部対背中の上部と下部)などのさまざまな要素によって異なります。いくつかの実施形態では、硬質ベースの長さ(縦または横の軸に沿った)は、少なくとも35cmで;また40~100cmの範囲である場合もあります。実施形態によっては、硬質ベースの長さは少なくとも50cmであり;また50~120cmの長さの範囲である場合もあります。いくつかの実施形態では、ヘッドレストアセンブリの下部の硬質ベースの幅(横軸)は、40cm以下であり;20~35cmの範囲である場合もあります。いくつかの実施形態では、硬質ベースの高さは4cm以下であり;2.5cm以下である場合もあります。
【0018】
ヘッドレストアセンブリは、その中央の縦または横の軸に沿って本質的に対称であるかもしれません。ヘッドレストアセンブリのさまざまな部分は、すでに組み立て済みであったり、使用者によっていくらか組み立てる必要がある場合もあります。例えば、硬質ベースとクッションは別々に提供されて、使用者による組み立てが必要になるかもしれません。
【0019】
他の面では、本発明はヘッドレストアセンブリを使う方法を提供します。その方法は、ヘッドレストアセンブリの上部に頭を置き、下部に背中の上部を置いたもたれかかった位置であおむけになった状態から成ります。使用者は必ずしも眠る必要はありません。使用者は、首の痛みを和らげるために、適切な一定の時間をヘッドレストアセンブリに横たわって過ごします。例えば、使用者は一日を通して断続的に一回につき数分間をヘッドレストアセンブリに横たわることもできます。いくつかの実施形態では、この方法はさらにヘッドレストアセンブリに背中の下部を置くことを含みます。
【0020】
いくつかの実施形態では、ヘッドレストアセンブリは左下部の細長い背中のサポートと右下部の細長い背中のサポートを含み、この方法は胸椎を二つの下部の細長い背中のサポートのあいだに置くことから成ります。場合によっては、使用者の背中の上部の鎖骨を左右の細長い背中のサポートのあいだに置くこともあります。実施形態によっては、ヘッドレストアセンブリの上部クッションは、ヒンジによって硬質ベースに結合されており、この方法はさらに上部クッションのピボットの角度を調節することを含みます。いくつかの実施形態では、硬質ベースは使用者の背中の下部を支えるのに十分なほど長く、この方法は更にヘッドレストアセンブリの下部に背中の下部を置くことを含みます。これは腰椎のサポートを提供するにも役立つかもしれません。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1A-Dは本発明のヘッドレストアセンブリの一例を示しています。図1Aは斜視図;図1Bは別の斜視図;図1Cは側面図;図1Dは下端から上端に向かって見た図を示しています。
図2図2は、図1の分離した硬質ベースの斜視図を示しています。
図3図3は、図1のヘッドレストアセンブリ使用方法の一例を示しています。
図4図4A-Cは、上端から見て、ヘッドレストアセンブリの上部をどのように設定すればよいのかの代替例を示しています。
図5図5Aと5Bは、本発明のヘッドレストアセンブリの他の実施例を示しています。図5Aは斜視図を示します;図5Bは下端から上端に向かって見た斜視図を示しています。
図6図6Aと6Bは本発明のヘッドレストアセンブリの代替実施形態を示しています。図6Aは、側面図を示しています。図6Bはヘッドレストアセンブリの垂直方向の横断面図を示しています。
図7図7は本発明のヘッドレストアセンブリの代替実施形態の側面図を示しています。図8は本発明のヘッドレストアセンブリの代替実施形態の側面図を示しています。
図9図9A-Cは、代替実施形態に準じたヘッドレストアセンブリを示しています。9Aは斜視図を示しています。9Bは上面図を示しています。図9Cは下端からの図を示しています。
図10図10Aと10Bは本発明のヘッドレストアセンブリの代替実施形態の側面図を示しています。図10Aは平らな位置にあるヘッドレストアセンブリを示しています。図10Bは上部クッションが上げられた位置にあるヘッドレストアセンブリを示しています。
図11図11Aと11B本発明のヘッドレストアセンブリの代替実施形態を示しています。図11Aはヘッドレストアセンブリの側面図を示しています。図11Bは下端から上端に向かって見た図を示しています。
図12図12は、枕と併せてヘッドレストアセンブリを使用する方法の一例を示しています。
図13図13は、メモリーフォームマットと併せてヘッドレストアセンブリを使用する方法の一例を示しています。
図14図14は、フォームウェッジ枕と併せてヘッドレストアセンブリを使用する方法の一例を示しています。
図15図15は、ヘッドレストアセンブリをその上に備え付けた理学療法診療用台を示しています。
図16図16は、ヘッドレストアセンブリを備え付けたご家庭用肘掛け椅子を示しています。
図17図17A-Cは、ヘッドレストアセンブリの上部と下部が固定可能なヒンジによってつながっているヘッドレストアセンブリの別の例を示しています。図17Aは、本来の位置にあるヘッドレストアセンブリを示しています。図17Bは、曲がった形状のヘッドレストアセンブリを示しています。図17Cは、伸びた形状のヘッドレストアセンブリを示しています。
【発明の詳細な説明】
【0022】
本発明の理解を深めるための例として、この発明の形態を実施することができる添付の図面を参照してください。これらの実施形態は、当業者が本発明を実施できるように充分な詳細が説明されており、また他の実施形態の使用が可能であることも理解できます。そして本発明の範囲から逸脱することなく構造的変更を行うことができます。したがって、以下の詳細の説明は限定的に解釈されるべきではありません。また、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義されます。
【0023】
図1A~Dは、本発明の例示的なヘッドレストアセンブリ10を示します。図1Aおよび1Bは、ヘッドレストアセンブリ10の異なる斜視図を示します。ヘッドレストアセンブリ10上の位置は、ヘッドレストアセンブリ10に仰向けに横たわっているユーザーの解剖学に従って定義されます。そのため、「上」はユーザーの頭の方向であり「下」は、ユーザーの足の方向です。“トップ“フェース ユーザーの前(前);そして、「下」は、ユーザーの後ろ(後ろ)の方向を示します。
【0024】
本図の図面では、ラベル「上」は上端を示し「下」は、ヘッドレストアセンブリ10の下を示します。ラベル「上」はヘッドレストアセンブリ10の上面を示し、「下」は底面を示します。本明細書を使用する場合、「左」および「右」は、ヘッドレストアセンブリ10上に仰向けに横たわっているユーザーに関する解剖学的な左側および右側を指します(ヘッドレストアセンブリ10の上面図に関するものではありません)。ここでの定義は、本発明のヘッドレストアセンブリまたはその部品の長さは、縦軸または垂直軸に沿って測定される行「L」で示され、そして、本発明のヘッドレストアセンブリまたはその部品の幅は線「W」で示される横軸または水平軸に沿って測定されます。
【0025】
ヘッドレストアセンブリ10は、上部16を含み、ユーザーの頭部と首を支えるように設計されています。この上部16ヘッドレストアセンブリ10は、一対の長方形のクッション、左側クッション14および右側クッション18があります。クッション14および18は、ユーザーにとって柔らかく快適に設計されています。クッション14および18は、適切で快適な詰め物または輪郭素材でできています、すなわちポリウレタンフォーム、発泡スチロール、ポリプロピレンフォーム、ゲルフォーム、ラテックス、ファブリックフィラー(ポリエステルフィラメント、グースダウン、フェザーなど)、またはマイクロビーズフィラー。
【0026】
ヘッドレストアセンブリ10は、下部20をさらに備え、これは、ユーザーの背中上部をサポートするように設計されています。この下部20ヘッドレストアセンブリ10は、もう1組の長方形のクッション、右下のクッション22左下クッション24があります。下部クッション22そして24は上部クッション14または18と同じ組成またはデザインではない場合があります。ヘッドレストアセンブリ10は、(その中心垂直軸に沿って)左右対称です。
【0027】
図1Cは、ヘッドレストアセンブリ10の側面図を示します。ここで見られるように、上部クッション12と14の高さは下部クッション22および24の高さよりも高いです。この特定の例では、上部クッションの長さNlは約13 cmで,下部クッションの長さN2は約51 cmです。剛性ベース30の長さは約65cmであり、本発明の代替実施形態では、ヘッドレストアセンブリは、下部が骨盤(例:腸骨稜など)に向かってさらに延びるように設計されています。
【0028】
図1Dは、ヘッドレストアセンブリ10の下端から見た図を示しています(上端に向かって)。ここに見られるのは、クッション12、14、22、および24の下端面であり、この例示的な実施形態では、下部クッション22と24N3幅の(ギャップ)は約5 cmです。上部クッション12と14の頂点間の幅N4は約18cmです。そして剛性ベース30の下部の幅N5は約30cmです。下部クッション22および24の頂点と上部クッション12および14の頂点との間の高さの差は約4cmです。
【0029】
剛性ベース30を明確に見るため、図2は、分離した剛性ベース30を示しています。剛性ベース30は、ヘッドレストアセンブリ上に横たわる成人の体重によりもたらされる変形に実質的に耐える為に十分な剛性でなければなりません。剛性ベース30の剛性は、クッション12、14、22、および24のいずれよりも剛性が高いと定義することができます。剛性ベース30は、プラスチック、金属、または木材などの適切な剛性材料で設計され、さらに、剛性ベース30は、その構造的設計により剛性を付与するために適切な形状または幾何学形状を有するように設計されます。重量を減らすか、快適性を向上させる為には、剛性ベース30の厚さは5cm未満であるべきです。場合によっては、3 cm未満です。ここに見られるように、剛性ベース30には上部32と下部34があります。剛性ベース30は、(その中心垂直軸に沿って)対称である右側と左側を有します。左側と右側を接続するのは、上部接続バー36、中間接続バー37、および下部接続バー38です。
【0030】
図3は、ヘッドレストアセンブリ10をどのように使用できるかの例を示しています。ユーザ40は、あおむけでヘッドレストアセンブリ10の上に横たわっています。ユーザーの頭部42と首は上部クッション12と14の間に配置され、ユーザーの頭部42と首を横方向に支えます。ユーザーの背中上部は、下部クッション22と24で支えられています。ユーザーの胸椎は、下部クッション22と24の間に配置することができます。また、上背部のユーザーの鎖骨を下部クッション22と24の間に配置することも可能です。
【0031】
本発明のヘッドレストアセンブリの上部は、ユーザーの頭部を支えるために、適切な方法で構成することができます。図4A~Cは、ヘッドレストアセンブリの上部をどのように構成できるかについての代わりの例を示しています。図4A(下端に向かって下向きに見た上端図)では、ヘッドレストアセンブリの上部は、剛性ベース62に取り付けられた単一の頭部支持クッション60のみです。クッション60は、ユーザーの頭部に適合するように中央に凹状のくぼみ64があります。また、2つの側壁66および68は、使用者の頭部を両側から支えます。また、2つの側壁66および68は、ユーザーの頭部を両側から支えます。図3に示す例では、図4B(下端に向かって下向きに見た上端図)、ヘッドレストアセンブリの上部は、ユーザの頭部に適合するように中央に「V」字形の切り欠き74を備えた単一の頭部支持クッション70のみを有し、そして2つの側壁76および78は、ユーザーの頭部を左右から支えます。図4Cに示す例では、(下端に向かって下向きに見た上端図)、ヘッドレストアセンブリの上部には2つのクッション86クッション86と88の間の隙間には、使用者の後頭部を支える助けをする中間クッション84があります。
【0032】
図5Aおよび5Bは、ヘッドレストアセンブリの別の実施形態を示します。このヘッドレストアセンブリ90には、単純な長方形の剛性ベース98があり、ヘッドレストアセンブリ90は、上部91と下部93とに分割されています。一対の頭部支持上部クッション92および94がベースが98に取り付けられています。下部には、硬質プラスチック製の一対の剛性背もたれ95と97がベース98に取り付けられています。剛性のある背部支持体95および97は、上部クッション92および94よりも高い剛性(より剛性)を持っています。背下部のクッション性を提供するために、2つの下部クッション85と87が硬い背部サポート95と97に取り付けられています。図5Bは、ヘッドレストアセンブリ90の下端からの図を示します(上端に向かって)。この図に見られるように、下部クッション85、87は、一対の堅い背部支え95および97を覆います。
【0033】
図6Aおよび6Bは、本発明のヘッドレストアセンブリの代替実施形態を示し、図6Aは、上部53と下部51とを有するヘッドレストアセンブリ50の側面図を示します。ヘッドレストアセンブリ50は、剛性ベース54上に構築されています。その上に、右上のクッション58と右下のクッション56が取り付けられています。この側面図では、左側のクッションは見えません。下部51の下端はくさび状の形状55があります。図6Bに示されるように、この楔状の形状55は、下部クッション56の上面をベッドとより水平にするのに役立ちます。ヘッドレストアセンブリ50からベッドへの身体の移行を緩和することは、ユーザーにより快適な体験を提供することを可能とします。
【0034】
図7は、上記のヘッドレストアセンブリ50の変形であるヘッドレストアセンブリ100の側面図を示します。このヘッドレストアセンブリ100は、剛性ベース108上に構築されており、その上に、右上のクッション102と右下のクッション104が取り付けられています。この側面図では、左側のクッションは見えません。下部クッション104は、ユーザーの腰を支えるのに十分な長さです。ヘッドレストアセンブリ100の下端は、くさび状の形状106を有しており、これは、テーパ状の端部を備えた下部クッション104により作られています。この構成は、腰の曲率に対応するのに役立ちます。図8は、上記のヘッドレストアセンブリ100の変形例を示しています。この変形例では、剛性ベース109は、下部クッション104を越えて延長し、ユーザーの尻部を支える105を提供するものです。
【0035】
図9A~Cは、代替実施形態によるヘッドレストアセンブリ80を示します。図9Aは、ヘッドレストアセンブリ80の斜視図を示します。ヘッドレストアセンブリ80の上部85には、剛性ベース81に取り付けられた左右の一対の上部クッション82と84があります。左上部クッション82と右上部クッション84の間には、中央に剛性ベース81にも取り付けられたクッション88が配置されています。この中央に配置されたクッション88は、ユーザーの後頭部を支えるのに役立ちます。
【0036】
ヘッドレストアセンブリ80の下部87は、上部85から下方に延びています。下部87には、一対の下部クッションの代わりに、剛性ベース81に取り付けられた単一の背部支持クッション89があります。図9Bは、ヘッドレストアセンブリ80の上面図を示し、左上部クッション82、右上部クッション84、中央に配置されたクッション88、そして背中のサポートクッション89です。図9Cは、ヘッドレストアセンブリ80の下端の図を示しています(上端に向かって)。ここで見られるのは、左上部クッション82、右上部クッション84、および背部支持クッション89の下端面です。
【0037】
図10Aおよび10Bはヘッドレストアセンブリの代替実施形態の側面図を示します。ここで、ヘッドレストアセンブリ70は、上部72と下部74があります。上部72には、剛性のベース73に取り付けられた右上のクッション76があり、下部には、剛性ベース73に取り付けられた右下部クッション78があります。この側面図では、左側のクッションは見えません。上部クッション76は、上部クッション76の上端にある蝶番71を介して剛性ベース73に取り付けられています。図10Bに示すように、この構成により、上部クッション76を蝶番71上で旋回させることができます。この上に横たわるユーザーがある場合、ユーザーの首は伸ばされさらに上部クッションの突出コーナーエッジ75が首をさらにサポートします。
【0038】
本明細書で使用される「ピボット角」という用語は、上部クッション76と剛性ベース73との間の角度を意味するものです。図10Aは、実質的に0°の旋回角度を有する平坦位置にあるヘッドレストアセンブリ70を示します。図10Bは、ピボット角度「a」が0°より大きくなるように持ち上げられた上部クッション76を備えたヘッドレストアセンブリ70を示します。この図に示されている例では、上部クッション76は、その下にウェッジ79を挿入することにより上昇位置に保持されています。ウェッジ79の高さは(頂点まで)1~4cmの範囲であり得えますが、他の高さも可能です。他の実施形態では、ヘッドレストアセンブリ70は、上部クッション76を上昇位置に保つための他の機構を有することができます。例えば、蝶番71は、ピボット角を保持するためのロック機能があります。ヘッドレストアセンブリ70の代替実施形態では、図10Aおよび10Bに示されるように、剛性ベース73を2つの部分に分割する別の蝶番がさらにあり得ます。
【0039】
図17A図17Cは、ヘッドレストアセンブリの代替実施形態の側面図を示します。ここで、ヘッドレストアセンブリ175は、上部171と下部173とを有します。この例では、剛性ベースには2つの部分があります。上部170と下部172です。ヘッドレストアセンブリ175の上部171には、剛性ベースの上部170に取り付けられた右上のクッション176がありますが、左上のクッションは、この側面図では見えません。ヘッドレストアセンブリ175の下部173には、剛性ベースの下部172に取り付けられた下部右クッション178がありますが、左下のクッションは、この側面図では見えません。
【0040】
ヘッドレストアセンブリ175の上側部分171および下側部分173は、互いに蝶番により連結されています。この機能的関係は、剛性ベースの上部170と下部172の間の蝶番接続174によって可能となります。蝶番接続部174は、剛性ベースの上部170と下部172との間の角度を設定するためのロック可能な機能を備えています。図17Aは、屈曲角度が実質的に180°である中立位置にあるヘッドレストアセンブリ175を示しています。
【0041】
蝶番機能を持つことにより、ユーザーは首を屈曲、伸展、または中立位置に保つことができます。本明細書で使用される「曲げ角度」は、剛性ベースの上部170と下部172の上面の間の角度を意味します。図17Bは、曲げ角度「a」が180°未満の屈曲構成のヘッドレストアセンブリ175を示します。この構成は、胃食道逆流またはうっ血性心不全のあるユーザーに役立ちます。図17Cは、180°よりも大きい曲げ角度「b」を有する拡張構成のヘッドレストアセンブリ175を示しています。この構成は、いびきの問題があるユーザーや、首の延長が首の痛みを緩和するユーザーに役立つ場合があります。ヘッドレストアセンブリ175の代替実施形態では、剛性ベースの下部172を2つの部分に分割する別の蝶番がさらにあり得ます。
【0042】
図11Aおよび11Bは、ヘッドレストアセンブリの別の例の側面図を示します。ここで、ヘッドレストアセンブリ110は、上部116と下部118を有します。ヘッドレストアセンブリ110の上部116には、剛性ベース115に取り付けられた右上クッション112があります。下部118では、剛性ベース115上に取り付けられた一連の直線状のバンプ111により緩衝が提供されます。図11Bは、ヘッドレストアセンブリ110の下端からの図を示します(上端に向かって)。この図には、右上のクッション112とその対応する左上クッション114が、左の一連のバンプ111とそれに対応する右の一連のバンプ112とともに見られます。隆起部111および112の高さは、(剛性ベース115から)1~6cmの範囲ですが、他の高さも可能です。
【0043】
本発明のヘッドレストアセンブリは、枕、毛布、掛け布団、枕ケース、スリップカバーなどの寝具と組み合わせて使用することができます。たとえば、図12は、ユーザにより快適なクッション性を提供するために、十分にパッドされた枕120内に囲まれたヘッドレストアセンブリ124を示します。枕120は、ヘッドレストアセンブリ124の取り外しまたは挿入を可能にするために、ジッパー式フラップ122に沿って開くことができます。ヘッドレストアセンブリ124、そして、枕120は、事前に組み立てられて提供されるか、またはユーザによる組み立てのために別個に提供されることも可能です。
【0044】
他の例として、厚手の低反発マット126もしくは他のクッション素材を組み合わせたヘッドレストアセンブリ128を図13では表しています。ヘッドレストアセンブリ128の上に低反発マットを置く事で、更に快適に使用できる仕組みになっています。低反発マット126の高さは、下部の高さにより異なります。その他の例として挙げられるものは、フォームウェッジピロー132を組み合わせたヘッドレストアセンブリ130を表している図14になります。ウェッジ132の高さは約10~21cm(頂点部まで)ですが、多少の差異はあります。使用者の頭部の位置を高くする事で、胃食道逆流やうっ血性心不全の緩和にも効果的なものとなります。
【0045】
他の側面として、ヘッドレストアセンブリを含む製品の発明性が挙げられます。例えばベッドや椅子、リクライニングテーブル等の発明も同様です。ヘッドレストアセンブリ140が配置された理学療法テーブル142を表している図15をご覧ください。使用者はテーブル142に横たわり、ヘッドレストアセンブリ140に頭部と上背をもたれかけています。テーブル142の頭部144を上げ下げする事でリクライニングの角度を調整できるようになっています。テーブル142の足部146もリクライニング角度を調整できるような仕様となっています。他の例としては、ヘッドレストアセンブリ150が配置された図16のホームアームチェアをご覧ください。使用者はアームチェア152に座り、その頭部と上背をヘッドレストアセンブリ150にもたれかけています。
【0046】
前述の説明及び例はその発明内容を示したものにすぎず、それだけ限られたものではありません。発明における他の側面やその実施形態、それぞれの発明と組み合わせながら(もしくは個別に)、発明の各側面又はその実施形態を考える必要があります。また発明方法の手順に関しては、特に指定がない限りは特定の順序に限定されたものではありません。芸術に長けている人物によって、発明の精神とその実体を組み合わせた実施形態が変更されることがありますが、その変更も又発明の範囲内であると言えます。
【0047】
文脈が明確に別の指示をしていない限り、「もしくは」という言葉は包括的意味を含み、「そして/もしくは」という表現と同意義になります。例えば「AもしくはB」という表現は「AかB」又は「AとB」という意味と捉えられます。同じように「AかBかC」という表現は「AもしくはBあるいはC」という意味、あるいはそれら任意の組み合わせとなります。
図1-1】
図1-2】
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図10A
図10B
図11A
図11B
図12
図13
図14
図15
図16
図17A
図17B
図17C