(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-20
(45)【発行日】2023-03-29
(54)【発明の名称】高速画像リフレッシュシステム
(51)【国際特許分類】
B60Q 1/24 20060101AFI20230322BHJP
B60Q 1/04 20060101ALI20230322BHJP
F21S 8/08 20060101ALN20230322BHJP
B60Q 1/14 20060101ALN20230322BHJP
F21W 111/02 20060101ALN20230322BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20230322BHJP
【FI】
B60Q1/24 A
B60Q1/04 E
F21S8/08 100
B60Q1/14 A
F21W111:02
F21Y115:10
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021085794
(22)【出願日】2021-05-21
(62)【分割の表示】P 2021513232の分割
【原出願日】2019-09-05
【審査請求日】2021-05-21
(32)【優先日】2018-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2019-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517152128
【氏名又は名称】ルミレッズ ホールディング ベーフェー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ボンヌ,ロナルド
(72)【発明者】
【氏名】カルボウスキ,ウド
【審査官】坂口 達紀
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/220111(WO,A1)
【文献】特開昭61-273590(JP,A)
【文献】特開2017-162805(JP,A)
【文献】特開2010-136428(JP,A)
【文献】特開2000-275144(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第02292464(EP,A1)
【文献】米国特許第05184114(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 39/00-39/10
45/00-45/58
47/00-47/29
B60Q 1/00-1/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光ダイオード(LED)ピクセルアレイのためのLED制御部であって、前記LED制御部は、
前記LEDピクセルアレイを駆動するよう構成される駆動モジュールと、
画像データを受信するよう構成される画像フレームバッファと、
前記画像フレームバッファと
及び前記駆動モジュール
の両方に接続されたスタンバイ画像バッファであって、前記スタンバイ画像バッファはスタンバイ画像を保持するよう構成される、スタンバイ画像バッファと、
前記画像フレームバッファ及び前記スタンバイ画像バッファの両方に接続されたコマンド及び制御モジュールであって、前記コマンド及び制御モジュールは、前記画像データが利用可能ではないと決定することに応答して、前記スタンバイ画像バッファ内の前記スタンバイ画像を前記画像フレームバッファへ
送信する、コマンド及び制御モジュールと、
を含む、LEDピクセルアレイのLED制御部。
【請求項2】
前記コマンド及び制御モジュールは、前記画像データが、受信した画像データ内のエラーのために利用できないことを決定するよう構成される、請求項1に記載のLEDピクセルアレイのLED制御部。
【請求項3】
前記コマンド及び制御モジュールは、前記画像データが、前記画像フレームバッファ内の前記画像データを適時に受信することに失敗したために利用できないことを決定するよう構成される、請求項1又は2に記載のLEDピクセルアレイのLED制御部。
【請求項4】
前記画像フレームバッファは、前記画像データを車両から受信するよう構成される、請求項1又は2に記載のLEDピクセルアレイのLED制御部。
【請求項5】
前記スタンバイ画像バッファに保持されるスタンバイ画像データは、少なくとも部分的に車両により提供される、請求項1又は2に記載のLEDピクセルアレイのLED制御部。
【請求項6】
前記スタンバイ画像バッファに保持されるスタンバイ画像データは、少なくとも部分的に前記LED制御部により提供される、請求項1又は2に記載のLEDピクセルアレイのLED制御部。
【請求項7】
前記画像フレームバッファは、30Hz以上の速度で
外部から受信した画像データにより保持された画像をリフレッシュできる、請求項1又は2に記載のLEDピクセルアレイのLED制御部。
【請求項8】
前記画像フレームバッファは、60Hz以上の速度で
外部から受信した画像データにより保持された画像をリフレッシュできる、請求項1又は2に記載のLEDピクセルアレイのLED制御部。
【請求項9】
前記画像フレームバッファ内の画像は、
外部から受信した画像データにより部分的にリフレッシュできる、請求項1又は2に記載のLEDピクセルアレイのLED制御部。
【請求項10】
前記画像フレームバッファ内の画像は、差動リフレッシュできる、請求項1又は2に記載のLEDピクセルアレイのLED制御部。
【請求項11】
前記画像フレームバッファ内の画像は、前記コマンド及び制御モジュールにより変更できる、請求項1又は2に記載のLEDピクセルアレイのLED制御部。
【請求項12】
前記コマンド及び制御モジュールは、前記スタンバイ画像を前記画像フレームバッファへとスワップするためのバッファスワップコマンドを発行することにより、前記スタンバイ画像バッファ内の前記スタンバイ画像を前記画像フレームバッファへ
送信するよう構成される、請求項1又は2に記載のLEDピクセルアレイのLED制御部。
【請求項13】
前記コマンド及び制御モジュールは、前記画像フレームバッファ内に格納された画像が閾回数だけ繰り返された後に、前記スタンバイ画像バッファ内の前記スタンバイ画像を前記画像フレームバッファへ
送信するよう構成される、請求項1又は2に記載のLEDピクセルアレイのLED制御部。
【請求項14】
車両ヘッドランプシステムであって、
データバスを含む、車両
をサポートする電源及び制御システムと、
接続された発光ダイオード(LED)ピクセルアレイを備えるLED制御部を有するヘッドランプモジュールと、
前記LEDピクセルアレイを駆動するよう構成される駆動モジュールと、
前記LED制御部の中にあり、画像データを受信する画像フレームバッファと、
前記LED制御部の中にあり、前記画像フレームバッファ
及び前記駆動モジュール
の両方に接続され、スタンバイ画像を保持するよう構成されるスタンバイ画像バッファと、
前記LED制御部の中にあり、画像データが利用できないと決定することに応答して、前記スタンバイ画像バッファ内の前記スタンバイ画像を前記画像フレームバッファへ
送信するよう構成されるコマンド及び制御モジュールと、
を含む車両ヘッドランプシステム。
【請求項15】
前記コマンド及び制御モジュールは、前記画像データが、受信した画像データ内のエラーのために利用できないことを決定するよう構成される、請求項14に記載の車両ヘッドランプシステム。
【請求項16】
前記コマンド及び制御モジュールは、前記画像データが、前記画像フレームバッファ内の前記画像データを適時に受信することに失敗したために利用できないことを決定するよう構成される、請求項14又は15に記載の車両ヘッドランプシステム。
【請求項17】
前記画像フレームバッファは、前記画像データを車両から受信するよう構成される、請求項14~16の1つ以上に記載の車両ヘッドランプシステム。
【請求項18】
前記スタンバイ画像バッファに保持されるスタンバイ画像データは、少なくとも部分的に車両により提供される、請求項14~17の1つ以上に記載の車両ヘッドランプシステム。
【請求項19】
前記スタンバイ画像バッファに保持されるスタンバイ画像データは、少なくとも部分的に前記LED制御部により提供される、請求項14~18の1つ以上に記載の車両ヘッドランプシステム。
【請求項20】
前記コマンド及び制御モジュールは、前記スタンバイ画像を前記画像フレームバッファへとスワップするためのバッファスワップコマンドを発行することにより、前記スタンバイ画像バッファ内の前記スタンバイ画像を前記画像フレームバッファへ
送信するよう構成される、請求項14~19の1つ以上に記載の車両ヘッドランプシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願]
本願は、2019年6月28日出願の米国特許出願番号第16/456,858号、2019年6月28日出願の米国特許出願番号第16/456,862号、2018年10月30日出願の欧州特許出願第18203445.4号、及び2018年9月10日出願の米国特許出願番号第62/729,257号の優先権を主張し、これらの各出願は参照によりその全体がここに組み込まれる。
【0002】
[技術分野]
本開示は、概して、高速画像リフレッシュ速度でアドレス可能なLEDピクセルアレイをサポートできる外部データ画像入力を備えるマイクロコントローラに関する。
【背景技術】
【0003】
CMOS回路をサポートするLEDのピクセルアレイが使用されているが、商用的使用に適する実用的な実装は、厳しい製造、電力、及びデータ管理の問題に直面し得る。何千個もの発光ピクセルの個々の光強度は、30~60Hzのリフレッシュレートで制御される必要があり得る。高データリフレッシュレートは、多くのアプリケーションのために必要であり、種々の較正、試験、及び制御方法をサポートするシステムが必要である。
【発明の概要】
【0004】
一実施形態では、LEDピクセルアレイのLED制御部は、外部データバスとのシリアルインタフェースと、前記シリアルインタフェース及び前記LEDピクセルアレイに接続されたアドレス生成器と、を含む。画像フレームバッファは、画像データを受信するために前記インタフェースに接続され、画像フレームバッファアドレスを受信するために前記アドレス生成器に更に接続される。コマンド及び制御モジュールは、前記シリアルインタフェースに接続され、画像フレームバッファ出力信号を変更するよう構成される。構成データ記憶モジュールは、前記コマンド及び制御モジュールに接続され、前記LEDピクセルアレイ内でピクセル電圧応答に関連する較正データを格納する。
【0005】
一実施形態では、スタンバイ画像バッファは、前記画像フレームバッファに接続され、規定画像を保持する。別の実施形態では、パルス幅変調器が、前記画像フレームバッファと前記LEDピクセルアレイとの間に接続される。
【0006】
幾つかの実施形態では、前記画像フレームバッファは、60Hz以上の速度で保持された画像をリフレッシュできる。画像リフレッシュデータは、シリアルインタフェースを介して外部から提供されることができる。
【0007】
一実施形態では、前記コマンド及び制御モジュールは、温度データを受信するADCに接続される。前記コマンド及び制御モジュールは、Vfデータを受信するADCに接続できる。幾つかの実施形態では、前記コマンド及び制御モジュールは、Vbiasデータを受信するDACに接続できる。
【0008】
前記コマンド及び制御モジュールは、外部制御信号を提供する第2インタフェースに接続できる。別の実施形態では、前記コマンド及び制御モジュールは、前記LEDピクセルアレイに接続されたバイパス線を含み、個々のピクセルアドレス指定を可能にする。
【0009】
幾つかの実施形態では、前記画像バッファ内の画像は、部分的又は差動リフレッシュできる。
【0010】
幾つかの実施形態では、LEDピクセルアレイのLED制御部は、画像データを受信する画像フレームバッファと、前記画像フレームバッファに接続され、スタンバイ画像を保持するスタンバイ画像バッファと、を含む。コマンド及び制御モジュールは、画像データが利用できないとき、前記画像フレームバッファ内の画像を、前記スタンバイ画像バッファ内のスタンバイ画像で代用するよう構成される。画像データは、画像内のエラー又は画像を適時に受信することに失敗したことにより利用できないことがある。幾つかの実施形態では、前記画像フレームバッファ内に保持された画像データは、少なくとも部分的に、車両又はLED制御部により提供される。同様に、前記スタンバイ画像は、少なくとも部分的に車両又は前記LED制御部により提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】アクティブヘッドランプを用いて、離散セクタの中の道路の照明を示す図である。
【0012】
【
図2】静的照明モジュールに隣接するよう位置付けられる動的ピクセルアドレス可能照明モジュールを示す。
【
図3A】アクティブヘッドランプを制御する車両ヘッドランプシステムの一実施形態である。
【
図3B】車両処理出力への接続を有する、アクティブヘッドランプを制御する車両ヘッドランプシステムの一実施形態である。
【0013】
【
図4】アクティブヘッドランプ制御部の一実施形態の概略図である。
【0014】
【
図5】LEDピクセルアレイのためのマイクロコントローラアセンブリの図である。
【0015】
【
図6A】ピクセル制御回路のためのLDOバイパス回路を示す。
【0016】
【0017】
【
図7】LDOバイパスをサポートする行及び列選択を有するアクティブマトリクスピクセルアレイを示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
発光ピクセルアレイは、光分布の微調整された強度、空間、及び時間制御の利益を享受するアプリケーションをサポートし得る。これは、限定ではないが、ピクセルブロック又は個々のピクセルから放射される光の精細な空間的パターニングを含む。アプリケーションに依存して、放射される光は、スペクトル的に区別され、時間に渡り適応され、及び/又は環境に応答してよい。発光ピクセルアレイは、種々の強度、空間、又は時間的パターンの、予めプログラムされた光分布を提供してよい。放射される光は、少なくとも部分的に、受信されたセンサデータに基づいてよく、光無線通信のために使用されてよい。関連する光学系は、ピクセル、ピクセルブロック、又は装置レベルで区別されてよい。例示的な発光ピクセルアレイは、関連する共通光学系を有する高強度ピクセルの共通に制御される中央ブロックを有する装置を含む。一方で、端のピクセルは個別光学系を有してよい。発光ピクセルアレイによりサポートされる共通のアプリケーションは、ビデオ照明、自動車ヘッドライト、建造物及び領域照明、道路照明、及び情報ディスプレイを含む。
【0019】
発光ピクセルアレイは、視覚的ディスプレイを向上するために又は照明コストを低減するために、建造物又は領域を選択的及び適応的に照明するために使用されてよい。更に、発光ピクセルアレイは、装飾的な動き又はビデオ効果のために建物の正面にメディアを投影するために使用されてよい。追跡センサ及び/又はカメラと関連して、歩行者の周辺の領域の選択的照明が可能であってよい。スペクトルの異なるピクセルは、照明の色温度を調整するために、及び波長固有の園芸照明をサポートするために、使用されてよい。
【0020】
道路照明は、発光ピクセルアレイから大きな利益を享受し得る重要なアプリケーションである。単一のタイプの発光アレイは、種々の道路照明タイプを模倣するために使用されてよく、例えば、選択されたピクセルの適切な起動又は停止により、タイプI線形道路照明とタイプIV半円形道路照明との間で切り替えることを可能にする。更に、道路照明コストは、環境条件又は使用時間に従い光ビーム強度又は分布を調整することにより、低減され得る。例えば、光強度及び分布の領域は、歩行者が存在しないときには低減されてよい。発光ピクセルアレイのピクセルがスペクトル的に異なる場合、光の色温度は、それぞれの昼間、夕方、又は夜間条件に従い調整されてよい。
【0021】
発光アレイは、直視型又は投写型ディスプレイを必要とするアプリケーションをサポートするのにも適する。例えば、警告、緊急、又は情報標識は、全部、発光アレイを用いて表示又は投影されてよい。これは、例えば、色変化又は点滅する出口標識を投影することを可能にする。発光アレイは、膨大な数のピクセルで構成され、テキスト又は数値情報情報が提示されてよい。方向矢印又は同様の指示子も提供されてよい。
【0022】
車両ヘッドランプは、多くのピクセル数及び高データリフレッシュレートを要求する発光アレイアプリケーションである。道路の選択された部分のみを積極的に照らす自動車ヘッドライトは、対向車の眩しさ又は目がくらむのに関連する問題を低減するために使用できる。センサとして赤外線カメラを用い、発光ピクセルアレイは、道路を照らす必要のあるピクセルだけを活性化し、一方で歩行者又は対向車のドライバの目をくらます可能性のあるピクセルを非活性化する。更に、道路以外にいる歩行者、動物又は標識は、ドライバの環境認識を向上するために選択的に照らされてよい。発光ピクセルアレイのピクセルがスペクトル的に異なる場合、光の色温度は、それぞれの昼間、夕方、又は夜間条件に従い調整されてよい。一部のピクセルは、光無線車車間通信のために使用されてよい。
【0023】
発光アレイの1つの高価値アプリケーションは、
図1に関して示される。
図1は、車両の前にある領域120を照らす車両ヘッドランプシステムの可能性のある道路照明パターン100を示す。図示のように、道路110は、左端112、右端114、及び中央線116を含む。本例では、2つの主要な領域、つまり下に向けられた静的照射領域122、及び動的照射領域130、が照らされる。領域130内の光強度は、動的に制御される。例えば、中央線116と左端112との間を移動している対向車(図示しない)がサブ領域132内へと移動するとき、光強度は低減され又は完全にオフに遮断できる。対向車がサブ領域134へ向かって動くとき、一連のサブ領域(図示しない)も、低減した光強度を有するように定義でき、安全でない目のくらみ又は眩しさの機会を低減する。理解されるように、他の実施形態では、光強度は、道路標識又は歩行者を目立たせるために増大でき、空間照明パターンは、例えば動的光追跡を可能にするために調整される。
【0024】
図2は、
図1に関して議論したような照明パターンを提供可能な光モジュール200の位置付けを示す。LED光モジュール222は、1次又は次光学系と関連して又は独立に、レンズ又は反射器を含むLEDSを含むことができる。全体のデータ管理要件を低減するために、光モジュール222は、機能をオン/オフにすること、又は比較的少数の光強度レベルの間で切り替えることに限定されることができる。光強度のピクセルレベル制御は、必ずしもサポートされない。
【0025】
LED光モジュール222に隣接して、アクティブLEDアレイが置かれる。LEDアレイは、ピクセル領域204及び代替として選択可能なLED領域206と208とを備えるCMOSダイ202を含む。ピクセル領域204は、104個の行及び204個の列、12.2×4.16ミリメートルの領域に渡り分布する全部で31616個のピクセルを有することができる。選択可能なLED領域206及び208は、異なる車両ヘッドランプ又はアプリケーションに適する異なるアスペクト比のために選択可能である。例えば、一実施形態では、選択可能なLED領域206は、1:3のアスペクト比を有し、82個の行及び246個の列、10.6×4ミリメートルの領域に渡り分布する全部で20172個のピクセルを有することができる。代替として、選択可能なLED領域208は、1:4のアスペクト比を有し、71個の行及び284個の列、12.1×3.2ミリメートルの領域に渡り分布する全部で20164個のピクセルを有することができる。一実施形態では、ピクセルは、10ビット強度範囲、及び60Hz以上の標準的な動作リフレッシュレートを有する30~100Hzの間のリフレッシュレートを有するよう能動的に管理され得る。
【0026】
図3Aは、データバス(304)を含む、車両のサポートする電源及び制御システム(302)を含む車両ヘッドランプシステム300の実施形態を示す。センサモジュール306は、データバス304に接続されて、環境条件(例えば、1日のうちの時間、雨、霧、周囲光レベル、等)、車両条件(駐車、移動中、速度、方向)、又は他の車両若しくは歩行者の存在/位置、に関するデータを提供する。個別ヘッドランプ制御部330は、車両のサポートする電源及び制御システムに接続できる。
【0027】
車両ヘッドランプシステム300は、電源入力フィルタ及び制御保護モジュール310を含むことができる。モジュール310は、排気を削減するため及び電源耐性(power immunity)を提供するために、種々のフィルタをサポートできる。静電放電(Electrostatic discharge (ESD))保護、負荷遮断保護、交流機電界減衰保護、及び極性反転保護も、モジュール310により提供できる。
【0028】
フィルタリング済み電力は、LED DC/DCモジュール312に提供できる。モジュール312は、LEDに給電するためにのみ使用でき、標準的に、公称13.2ボルトを有し、7~18ボルトの間の入力電圧を有する。出力電圧は、工場又はローカル較正、及び負荷、温度若しくは他の要因に起因する動作条件調整により決定されるように、LEDアレイ最大電圧より僅かに高く(例えば0.3ボルト)設定できる。
【0029】
フィルタリング済み電力は、マイクロコントローラ322又はアクティブヘッドランプ324内のCMOSロジックに給電するために使用可能な論理LDOモジュール314にも提供される。
【0030】
車両ヘッドランプシステム300は、マイクロコントローラ322に接続された(例えば、UART又はSPIインタフェースを備える)バストランシーバ320も含むことができる。マイクロコントローラ322は、センサモジュール306からのデータに基づき又はそれを含む車両入力を変換できる。変換された車両入力は、アクティブヘッドランプモジュール324内の画像バッファに転送可能なビデオ信号を含むことができる。更に、マイクロコントローラ322は、規定画像フレームをロードし、起動時に開/閉ピクセルをテストできる。一実施形態では、SPIインタフェースは、CMOS内の画像バッファをロードする。画像フレームは、完全なフレーム、差分又は部分的であってよい。他のマイクロコントローラ322の機能は、ダイ温度を含むCMOS状態及び論理LDO出力の制御インタフェースモニタを含むことができる。幾つかの実施形態では、LED DC/DC出力は、ヘッドルームを最小化するよう動的に制御可能である。画像フレームデータを提供することに加えて、サイドマーカ又は方向指示灯と関連して相補的に使用されるような他のヘッドランプ機能、及び/又は昼間点灯走行の起動も制御できる。
【0031】
図3Bは、車両センサ入力及びコマンド、並びにヘッドランプ若しくはローカルに搭載されたセンサに基づくコマンドを受け付け可能な、車両ヘッドランプシステム330の種々のコンポーネント及びモジュールの一実施形態を示す。
図3Bに示すように、車両に搭載されたセンサ332は、リモートセンサ340及びセンサ処理の可能な電子処理モジュールを含むことができる。処理されたセンサデータは、決定アルゴリズムモジュール344内の種々の決定アルゴリズムに入力できる。決定アルゴリズムは、結果として、種々のセンサ入力条件、例えば周囲光レベル、1日のうちの時間、車両位置、他の車両の位置、道路条件、又は気象条件、に少なくとも部分的に基づき、コマンド命令又はパターン生成を生じる。理解されるように、決定アルゴリズムモジュール344に有用な情報は、ユーザのスマートフォンとの接続、車車間無線接続、又はリモートデータ若しくは情報ソースとの接続を含む他のソースからも提供できる。
【0032】
決定アルゴリズムモジュール344の結果に基づき、画像生成モジュール346は、最終的に動的に調整可能であり且つ条件に適したアクティブ照明パターンを車両ヘッドランプに提供する画像パターンを提供する。この生成された画像パターンは、画像符号化モジュール348によりシリアル若しくは他の送信方式のために符号化され、高速バス350を介して画像復号モジュール354へ送信できる。一旦復号されると、画像パターンは、照射ピクセルの起動及び強度を導出するために、uLEDモジュール380に提供される。
【0033】
幾つかの動作モードでは、システム330は、CANバス352の接続を通じて決定アルゴリズムモジュール344の接続によりヘッドランプ制御モジュール370に提供される命令を用いて、規定又は簡易画像パターンにより駆動できる。例えば、車両起動のときの初期パターンは、均一な低い光強度パターンであってよい。幾つかの実施形態では、ヘッドランプ制御モジュールは、センサ起動又は制御を含む他の機能を駆動するために使用できる。
【0034】
他の可能な動作モードでは、システム330は、ローカルセンサ又はコマンドから導出される画像パターンにより駆動でき、CANバス352又は高速バス350を介した入力を必要としない。例えば、ローカルセンサ360及びセンサ処理362の可能な電子処理モジュールが使用できる。処理されたセンサデータは、決定アルゴリズムモジュール364内の種々の決定アルゴリズムに入力できる。決定アルゴリズムは、結果として、種々のセンサ入力条件、例えば周囲光レベル、1日のうちの時間、車両位置、他の車両の位置、道路条件、又は気象条件、に少なくとも部分的に基づき、コマンド命令又はパターン生成を生じる。理解されるように、車両のサポートするリモートセンサ340と同様に、決定アルゴリズムモジュール364に有用な情報は、ユーザのスマートフォンとの接続、車車間無線接続、又はリモートデータ若しくは情報ソースとの接続を含む他のソースからも提供できる。
【0035】
決定アルゴリズムモジュール364の結果に基づき、画像生成モジュール366は、最終的に動的に調整可能であり且つ条件に適したアクティブ照明パターンを車両ヘッドランプに提供する画像パターンを提供する。幾つかの実施形態では、この生成された画像パターンは、追加画像符号化/復号ステップを必要とせず、選択されたピクセルの照射を駆動するためにuLEDモジュール380に直接送信できる。
【0036】
図4は、
図3のアクティブヘッドランプ330に関して説明したように、アクティブヘッドランプシステム400の種々のコンポーネント及びモジュールの一実施形態を示す。図示のように、内部モジュールは、LEDパワー分布及びモニタモジュール410と、論理及び制御モジュール420と、を含む。
【0037】
車両からの画像又は他のデータは、SPIインタフェース412を介して到来し得る。連続画像又はビデオデータは、画像フレームバッファ414に格納できる。画像データが利用可能ではない場合、スタンバイ画像バッファに416保持された1つ以上のスタンバイ画像が、画像フレームバッファ414へと向けられることができる。このようなスタンバイ画像は、例えば、車両の法的に許可された低ビームヘッドランプ放射パターンに従う強度及び空間パターンを含むことができる。画像データは、画像データにエラーがあると判断されたとき、又は適時に受信されなかったとき、スタンバイ画像により置き換えることもできる。幾つかの実施形態では、画像フレームは、スタンバイ画像で代用する前に、決定された回数から繰り返すことができる。
【0038】
動作中、画像内のピクセルは、ピクセルモジュール430内の対応するLEDピクセルの応答を定めるために使用され、LEDピクセルの強度及び空間変調は、画像に基づく。幾つかの実施形態では、データレートの問題を低減するために、ピクセルのグループ(例えば、5×5ブロック)が、単一のブロックとして制御可能である。高速及び高データレート動作がサポートされ、連続画像からのピクセル値は、60Hzが標準的である、30Hz~100Hzの間のレートで画像シーケンスの中の連続フレームとしてロードできる。パルス幅変調モジュール418と関連して、ピクセルモジュール内の各ピクセルは、画像フレームバッファ414内に保持された画像に少なくとも部分的に依存するパターン及び強度で光を放射するよう動作できる。
【0039】
一実施形態では、強度は、論理及び制御モジュール420並びにパルス幅変調モジュール418を用いてLEDピクセル毎に適切な点灯時間及びパルス幅を設定することにより、別個に制御及び調整できる。これは、LEDピクセル起動の段階(staging)が、電力変動を低減し、及び周のピクセル診断機能を提供することを可能にする。
【0040】
図5は、LEDピクセルアレイのためのマイクロコントローラアセンブリ500を示す。アセンブリ500は、Vdd及びVssピンを介してロジック電力を受信できる。アクティブマトリクスは、複数のVLED及びVcathodeピンにより、LEDアレイ制御のための電力を受信する。シリアル周辺機器インタフェース(Serial Peripheral Interface (SPI))は、単一のマスタを有するマスタ-スレーブアーキテクチャを用いて全二重モード通信を提供できる。マスタ装置は、読み出し及び書き込みのためのフレームを生成する。複数のスレーブ装置は、個々のスレーブ選択(slave select (SS))線による選択を通じてサポートされる。入力ピンは、マスタ出力スレーブ入力(Master Outpu Slave Input (MOSI))、マスタ入力スレーブ出力(Master Input Slave Output (MISO))、チップ選択(chip select (SC))、及びクロック(CLK)を含むことができ、これらは全部SPIインタフェースに接続される。
【0041】
一実施形態では、SPIフレームは、2個の停止ビット(両方とも「0」)、10個のデータビット、MSB第1、3個のCRCビット(x3+x+1)、開始111b、及びターゲット000bを含む。タイミングは、SafeSPI「in-frame」標準に従い設定できる。
【0042】
MOSIフィールドデータは以下の通りである。
【0043】
Frame 0: Header
【0044】
Frame 1/2: Start Column Address [SCOL]
【0045】
Frame 3/4: Start Row Address [SROW}
【0046】
Frame 5/6: Number of Columns [NCOL]
【0047】
Frame 7/8: Number of Rows [NROW]
【0048】
Frame 9: Intensity pixel [SCOL, SROW]
【0049】
Frame 10: Intensity pixel [SCOL+l, SROW]
【0050】
Frame 9+NCOL: Intensity pixel [SCOL+ NCOL, SROW]
【0051】
Frame 9+NCOL+1: Intensity pixel [SCOL, SROW+1]
【0052】
Frame9+NCOL+NROW: Intensity pixel [SCOL+NCOL, SROW+NROW]
【0053】
MOSIフィールドデータは、フレームメモリのループバックを含むことができる。
【0054】
少なくとも10Mbpsのビットレートであり標準的には15~20Mbpsの間である、60Hzのフィールドリフレッシュレート(毎秒60個の完全なフレーム)がサポートされる。
【0055】
SPIインタフェースは、アドレス生成器、フレームバッファ、及びスタンバイフレームバッファに接続する。ピクセルは、パラメータセット及びコマンド及び制御モジュールにより(例えば、フレームバッファへの入力の前に、又はフレームバッファからの出力の後に、パルス幅変調若しくは電力ゲーティングにより、電力制御することにより)変更された信号又は電力を有することができる。SPIインタフェースは、アドレス生成モジュールに接続できる。アドレス生成モジュールは、一方で、行及びアドレス情報をアクティブマトリクスに提供する。アドレス生成モジュールは、一方で、フレームバッファアドレスをフレームバッファに提供できる。
【0056】
コマンド及び制御モジュールは、I2C(Inter-Integrated Circuit)シリアルバスを介して外部制御できる。7ビットアドレッシングを有するデータ(SDA)ピン及びクロック(SCL)ピンがサポートされる。
【0057】
コマンド及び制御モジュールは、デジタル-アナログ変換器(DAC)と、2個のアナログ-デジタル変換器(ADC)と、を含む。これらは、それぞれ、接続されたアクティブマトリクスのためにVbiasを設定し、最大Vfの決定を助け、及びシステム温度を決定するために使用される。アクティブマトリクスのためにパルス幅変調発振器(PWMOSC)周波数を設定するために、発振器(OSC)も接続される。診断、較正、又はテスト目的でアクティブマトリクス内の個々のピクセル又はピクセルブロックのアドレス指定を可能にするために、バイパス線も存在する。
【0058】
一実施形態では、コマンド及び制御モジュールは、以下の入力及び出力を提供できる。
【0059】
CMOSチップへの入力:
【0060】
VBIAS:EDOのための電圧バイアスを設定する。
【0061】
GET W ORD [...]:CMOSからの出力を要求する。
【0062】
TEST Ml:ピクセルテストを実行する。バイパスモードのLDOは、列、次に行を順にアドレス指定し、1mA源を用いてVFを出力する。
【0063】
Vf値はSPIを介して出力する。
【0064】
TEST M2:ピクセルテストを実行する。バイパスモードのLDOは、列、次に行を順にアドレス指定し、外部電流(I)源を用いてVFを出力する。
【0065】
Vf値はSPIを介して出力する。
【0066】
TEST M3:バイパスモードのLDOは、I2Cを通じてアドレス指定し、内部1mA源を用いて、I2Cを介してVf出力する。
【0067】
TEST M4:バイパスモードのLDOは、I2Cを通じてアドレス指定し、外部電流(I)源を用いて、I2Cを介してVf出力する。
【0068】
BUFFER SWAP:スタンバイバッファへ/からスワップする。
【0069】
COLUMN_NUM:特定の行をアドレス指定する。
【0070】
ROW_NUM:特定の列をアドレス指定する。
【0071】
CMOSチップからの出力:
【0072】
CW PHIV MIN, CW PHIV AVG, CW PHIV MAX:工場で測定したEOLグローバル光束データ。
【0073】
CW VLED MIN, C W VLED AVG, CW VLED MAX:工場で測定したEOLグローバル順方向電圧データ。
【0074】
CW SERIALNO:追跡可能性を目的とするダイ/CMOSコンボシリアル番号。
【0075】
TEMP DIE:ダイ温度の値。
【0076】
VF:COLEIMN_NUM及びROWNUMによりアドレス指定されたときのVfバスの値。
【0077】
BETFFER STATETS:どのバッファが選択されたかを示す。
【0078】
マイクロコントローラアセンブリ500のための種々の較正及びテスト方法がサポートされる。工場での較正中、全部のピクセルのVfが測定できる。アクティブ領域の最大、最小、及び平均Vfは、較正フレームとして「焼き付ける(burned)」ことができる。最大Vf及びdVf/dT較正フレームは、実際のVLEDを動的に決定するために測定されたダイ温度と一緒に使用できる。標準的に、3.0V~4.5Vの間のVLEDがサポートされ、実際の値は、
図3に関して説明されるような外部DC/DC変換器へのフィードバックループにより決定される。
【0079】
図6A及び6Bは、それぞれ、ピクセル制御回路600の一実施形態、及び関連するタイミング
図610を示す。ピクセル制御回路600は、行及び列選択を有するロジック、及びバイパス信号を含む。PWN OSC入力及びデータは、ロジックからの出力と一緒に、先ず生成器に、次にPWMへと供給される。PWMは、一方で、特定のピクセルの起動を制御するデューティーサイクルを有する。これは、
図6Cのピクセル制御回路630の以下の説明に関して詳述される。全部のピクセルの工場で較正されたVfは、1.0mAで、及び外部電流源及びLDOバイパス機能を用いて1.0mAで、測定できる。
【0080】
この動作は、回路600内に示されるように、LEDピクセルが低ドロップアウト(low dropout (LDO))線形レギュレータによりサポートされるとき、バイパスできる。バイパス中、Vfは、VLED上で、内部1mA電流源又は外部電流源により測定できる。バイパスは、行及び列選択を用いてピクセル毎の動作として行うことができる。
有利なことに、このピクセルバイパス回路は、特定のピクセルが正しく動作しているかどうか、又は任意の障害状況が発生しているかどうかを決定することを可能にする。
【0081】
図6Bに示すように、画像データおよびパルス幅変調発振クロックデータは、パルス幅変調器により受信できる。論理モジュールからの入力に基づき、パルス開始を含むゲートタイミング、点灯時間、及びパルス期間/幅(デューティーサイクル)は、ピクセル毎に設定できる。例えば、デューティーサイクル(d)は、「読み出し(read)」で、フレームバッファからロードできる。8ビットのd分解能がサポートできる。一実施形態では、パルス前縁位相シフト(cp)は、ピクセル毎に異なるよう設定できる。
【0082】
図6Cは、バイパス回路をサポートしないピクセル制御回路630を示す。ピクセル制御回路630は、行及び列選択を有するロジックを含む。ロジックからの出力は、先ず生成器に、次にPWMへと供給される。PWMは、一方で、以下の方法で追加回路を用いて、特定のピクセルの起動を制御するデューティーサイクルを有する。3個のスイッチK1~K3は、ピクセルの外部の中央制御ブロックから受信した信号により制御される。スイッチK3は電流源又はLDOであり、その電流はVbiasにより制御される。K2はPWMスイッチであり、画像データにより決定されるPWMデューティーサイクルに基づきオン及びオフに切り替わる。本例では、K2及びK3は、PチャネルMOSFETであるが、それらは、任意の他の適切な形式のスイッチであることも可能である。
図6Cで、PWM信号は、K2のゲートに接続され、K2のドレインノードはK3のゲートに接続される。従って、PWM信号がハイのとき、K2はオフであり、K3はオンであり、従って、LEDはオンであり、電流はVbias電圧により決定される。PWMがローのとき、K2はオンであり、K3ゲートをハイにプルして、K3をオフにし、従ってLEDはオフである。
【0083】
スイッチK1は、行選択及び列選択信号に基づき、オン及びオフに切り替えられる。K1は、特定のピクセルの行及び列が選択されたときにのみオンにされ、その他の場合にはオフのままである。K1がオンにされると、K1のインピーダンスはローになり、アノードにおけるLED順方向電圧又はそのピクセルのVaノードは、Vfバスに現れる。Vfバスのインピーダンスが、オフ状態のK1のインピーダンスより遙かに高いので、Vfで夏は、Vaノード電圧と等しい。回路又はLED内で障害状況が発生すると、LED順方向電圧は、公称値から逸脱し得る。従って、Vf電圧は、ピクセルが正しく動作しているかどうか、又は任意の障害状況が生じているかどうかを決定するために使用でき、
図6Aに関して開示したような特定のピクセルバイパス回路は必要ない。この方法では、リアルタイム又は「オンザフライ」の検出が実現できる。その結果、ピクセル状態が動作中に監視され報告され得る。
【0084】
Vfバスは全部のピクセルの共有ノードなので、K1スイッチは、一度に1つのピクセルについてのみオンにできる。障害状況を検出する最良のときは、ピクセルがPWMによりオンにされるときである。望ましくは、アプリケーション画像により定められるPWM値は、テストのために使用できるが、特定のテスト画像も選択肢であり得る。ピクセルがオフにされるとき、検出は依然として行われてよいが、オンになっている間よりも更に限られたレベルで行われる。
【0085】
PWMに関するK1スイッチ制御は、柔軟であることができる。検出要件に依存して、K1周波数は、PWM周波数より高く又は低くてよい。明らかに、K1周波数が高いほど、検出が高速であり、つまり、より多くのピクセルが時間範囲内でテストできる。例えば、PWM周波数が500Hzである場合、500HzのK1周波数では、1つのPWM周期又は2msの間に、1個のピクセルだけがテストできる。一方、5000HzのK1周波数では、2msの間に10個のピクセルがテストされ得る。更に、2つの周波数は同期又は非同期であってよい。
【0086】
図6Dは、ピクセル制御回路のための例示的な制御方式を示す。この実施形態では、K1周波数は、PWM周波数の近くに設定され、オンが同期される。本例は3個のピクセルだけを示すが、同様の方法でピクセルのマトリクスアレイ全体に拡張できることに留意する。ピクセル毎に、図は、PWM信号電圧、Vaノード電圧、及びK1制御電圧を示す。通常のピクセルでは、Vaノード電圧は、PWM信号がハイのときハイであり、PWM信号がローのときローである。同様に、K1は、K1制御電圧がハイのときオンにされ、制御電圧がローのときオフにされる。回路設計に依存して、PWM及びK1の制御位相は、反対であることができる。つまり、それぞれのスイッチをローでオンにし、ハイでオフにすることができる。
【0087】
ピクセル1の動作は、以下のように進行する。
t1~t4:PWM電圧がハイである。ピクセルはオンにされ、Vaノードはハイである。しばらくの間、K1制御電圧もt1でハイであり、PWMのターンオンと同期される。K1制御電圧は、ピクセル2及び3についてローのままである。ピクセル1のK1はオンにされ、Vaノード電圧がVfバス上に現れる。従って、このとき、Vfバス電圧は、ピクセル1のVa電圧と等しい。K1のターンオフの瞬間t3は、PWMのターンオフの瞬間t4よりも早い。その結果、ピクセルテストはピクセルがオフにされる前に完了できる。
【0088】
ピクセル2の動作は、以下のように進行する。
t2で:PWMはハイであり、ピクセルはオンにされる。t1とt2との間の僅かな遅れ(lagging)は、位相シフトである。この瞬間に、ピクセル1のK1はオンのままである。従って、ピクセル2のK1制御電圧はローであり、ピクセル2はこのPWMサイクルの間にテストされない。
t5~t7:第2の時間で、再び、PWMはハイであり、ピクセルはオンにされる。K1制御電圧は、t5のターンオンの瞬間においてピクセル2と同期され、t6までオンのままである。K1制御電圧は、他の2個のピクセルについてローのままである。従って、Vfバス電圧は、ピクセル2のVaノード電圧を反映する。本例では、周期若しくはサイクル時間のうちの導電若しくはオンの時間の割合である、ピクセル2のPWMデューティーサイクルは、ピクセル1のものより大きい。ピクセル2のVa電圧は、オンにされるとき、ピクセル1のものより低い。
【0089】
ピクセル3の動作は、以下のように進行する。
PWMは全部の時間でローである。ピクセルはオフのままであり、Vaノード電圧はローである。
t8~t9:K1制御電圧はピクセル3についてハイであり、他の2個のピクセルについてローである。従って、このとき、Vfバス電圧は、ピクセル3のローVa電圧を表す。Vaノード電圧関連は以下の通りである。
【0090】
図7は、LDOバイパスをサポートするアクティブマトリクスアレイのブロック
図600を詳細に示す。行及び列選択は、データ線、バイパス線、PWMOSC線、Vbias線、及びVf線の供給される個々のピクセルをアドレス指定するために使用される。ゲート及びパルス幅変調発振器(pulse width modulator oscillator (PWMOSC))のタイミング及び起動は、
図6Bに関して示される。理解されるように、特定の実施形態では、LDOバイパスは必要なく、ピクセルテストは、
図6C及び6Dに関して説明した回路及び/又は制御方式を用いて進行できる。
【0091】
本発明の多くの変更及び他の実施形態は、前述の説明及び関連する図面において提示された教示の利益を有する当業者により考案されるだろう。従って、本発明は、開示された特定の実施形態に限定されないこと、及び変更及び実施形態が添付の特許請求の範囲に含まれることが意図されることが理解される。本発明の他の実施形態は、ここに具体的に開示されなかった要素/ステップがなくても実施され得ることも理解される。