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特許7248809上下加熱方式のインダクションレンジ及びその駆動方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-20
(45)【発行日】2023-03-29
(54)【発明の名称】上下加熱方式のインダクションレンジ及びその駆動方法
(51)【国際特許分類】
   H05B 6/12 20060101AFI20230322BHJP
   F24C 7/00 20060101ALI20230322BHJP
【FI】
H05B6/12 324
H05B6/12 308
F24C7/00 Z
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021547013
(86)(22)【出願日】2019-07-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-19
(86)【国際出願番号】 KR2019009088
(87)【国際公開番号】W WO2020085618
(87)【国際公開日】2020-04-30
【審査請求日】2021-04-15
(31)【優先権主張番号】10-2018-0126964
(32)【優先日】2018-10-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2019-0035675
(32)【優先日】2019-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521162849
【氏名又は名称】コバックス カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】KOVAX CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】(Oncheondong) 122 Ujangchun-ro Dongnae-gu Busan 47707, Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】チョ ボンジェ
【審査官】杉浦 貴之
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-101899(JP,A)
【文献】国際公開第2017/064803(WO,A1)
【文献】特開平04-048119(JP,A)
【文献】特開2011-019603(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0301037(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 6/12
F24C 7/00-7/06;
9/00-15/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
調理対象体が収容される内部空間が形成されたボディ部と;
前記ボディ部の内部の底面に設置され、前記調理対象体の下部を加熱して調理する下部加熱部と;
前記ボディ部の内部の上部面に設置され、前記調理対象体の上部を加熱して調理する上部加熱部と;
前記下部加熱部及び前記上部加熱部の温度及び時間を設定及び制御する制御部と;を備え、
前記上部加熱部と前記下部加熱部は、前記制御部を介して、前記調理対象体の全体加熱時間の中で、前記下部加熱部が前記調理対象体の下部面を一定の時間で加熱した後で停止し、前記上部加熱部が前記調理対象体の上部面を一定の時間で加熱した後で停止する方法によって、前記調理対象体に対して下部と上部を一定の時間で交互に加熱し、
前記上部加熱部をさらに加熱するために、上部加熱部の磁場の出力を下部加熱部の磁場の出力よりもさらに高めて加熱するように構成することを特徴とする、上下加熱方式のインダクションレンジ。
【請求項2】
前記ボディ部には、前記調理対象体入りの容器の取っ手部分を冷ますためのブロワーファンが備えられたことを特徴とする、請求項1に記載の上下加熱方式のインダクションレンジ。
【請求項3】
前記ボディ部には、前記上部加熱部と前記下部加熱部との間に前記調理対象体を入れたり取り出したりするためのトレイが備えられたことを特徴とする、請求項1に記載の上下加熱方式のインダクションレンジ。
【請求項4】
前記上部加熱部及び前記下部加熱部は、それぞれ上部インダクションコイル及び下部インダクションコイルを含み、前記上部加熱部の一端に上部開閉部を連結し、前記下部加熱部の一端に下部開閉部を連結し、前記上部開閉部と前記下部開閉部の駆動タイミングをチェックして、前記上部開閉部の接点がオン(ON)の際には前記下部開閉部の接点をオフ(OFF)にし、前記下部開閉部の接点がオン(ON)の際には前記上部開閉部の接点をオフ(OFF)にすることで、相手側のインダクションコイルの逆電流が遮断されるように回路を構成したことを特徴とする、請求項1に記載の上下加熱方式のインダクションレンジ。
【請求項5】
前記上部加熱部をさらに加熱するために、上部加熱部の加熱時間を下部加熱部の加熱時間よりもさらに長くして加熱するように構成することを特徴とする、請求項1又はに記載の上下加熱方式のインダクションレンジ。
【請求項6】
前記上部開閉部及び前記下部開閉部はリレーで構成したことを特徴とする、請求項に記載の上下加熱方式のインダクションレンジ。
【請求項7】
前記上部開閉部及び前記下部開閉部の接点がそれぞれオンになった後に、時差を置いて前記上部加熱部及び前記下部加熱部が加熱されるようにするためにスイッチング信号が入力されるように構成することを特徴とする、請求項に記載の上下加熱方式のインダクションレンジ。
【請求項8】
前記上部開閉部及び前記下部開閉部の接点がそれぞれオフになる前に、時差を置いて前記上部加熱部及び前記下部加熱部が予めオフとなるようにするためにスイッチング信号が遮断されるように構成することを特徴とする、請求項に記載の上下加熱方式のインダクションレンジ。
【請求項9】
前記時差が数マイクロ秒乃至数十ミリ秒であることを特徴とする、請求項又はに記載の上下加熱方式のインダクションレンジ。
【請求項10】
前記スイッチング信号を構成する手段がIGBTであることを特徴とする、請求項又はに記載の上下加熱方式のインダクションレンジ。
【請求項11】
上下加熱方式のインダクションレンジのスタートボタンを押すステップと、
設定された時間及び温度をチェックするステップ(S20)と、
容器を自動的に感知するステップ(S30)と、
容器を感知していない場合には次の段階に進まないようにし、容器を感知した場合には設定された時間の間に調理器具の上下交互に磁場を入力して逆電流を遮断する機能が動作するようにするステップ(S70)と、
設定された温度をチェックするステップ(S80)と、
設定された温度に達していない場合には、前のステップである、設定された時間の間に調理器具の上下交互に磁場を入力して逆電流を遮断する機能が動作するようにするステップを繰り返し行い、設定された温度に達している場合には、調理完了メッセージを送出するステップ(S90)と、を備えることを特徴とする、上下加熱方式のインダクションレンジの駆動方法。
【請求項12】
前記上下加熱方式のインダクションレンジのスタートボタンを押す段階の次のステップとして、前記インダクションレンジのドアが開くステップ(S10)と、S30ステップの後に、容器が自動的に感知された場合には加熱部のドアが閉まるステップ(S60)をさらに備え、S90ステップの後に、前記インダクションレンジのドアが開くステップ(S100)をさらに備えることを特徴とする、請求項11に記載の上下加熱方式のインダクションレンジの駆動方法。
【請求項13】
前記S30ステップの後に、容器のサイズを測定するステップ(S40)をさらに備えることを特徴とする、請求項12に記載の上下加熱方式のインダクションレンジの駆動方法
【請求項14】
前記S100ステップの後に、容器をチェックするステップ(S200)、容器が挿入された状態である場合には開放された状態にありながら容器除去メッセージを送出するステップ(S300)、及び容器が除去された場合にはドアが閉まるステップ(S400)をさらに備えることを特徴とする、請求項12又は13に記載の上下加熱方式のインダクションレンジの駆動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示された内容は、上下加熱方式のインダクションレンジに関する。特に、コンビニエンスストアなどの小型小売店などに備えて、食品包装箱に包装されたインスタント食品などの調理対象体を短い時間で簡単に調理するが、調理対象体の上下部から交互に加熱することにより、食品の本来の味を出すようにする上下加熱方式のインダクションレンジに関する。
【背景技術】
【0002】
本明細書で別に表示されない限り、このセクションで説明される内容は、この出願の請求項に対する従来技術ではなく、このセクションに含まれるとしても従来技術と認められるわけではない。
【0003】
一般に、インダクションレンジ(Induction Range)は、誘導電流により発生した電力を用いて熱を発生させて飲食物を調理する電磁誘導加熱方式の電磁調理器具であって、加熱部の表面が平板状を成すものである。
【0004】
インダクションレンジは、内側に装着されるインダクションヒーティングコイル(Induction Heating Coil)が平板状を成しているものであり、インダクションレンジで使用される電磁誘導加熱方式(Induction heating)とは、高効率の磁力線誘導技術を応用したものである。
【0005】
つまり、インダクションレンジの内側の誘導加熱コイルに交流電流を通して磁場を発生させ、磁場の中心に磁性のある金属製インダクション専用調理容器を位置させて、渦電流(Eddy Current)により調理容器が持つ電気抵抗によって調理容器を発熱させる。
【0006】
このようなインダクションレンジは、燃焼火炎がなく、他の電気調理容器に比べて安全であり、掃除が簡単であるだけでなく、調理温度を精密に制御することができるという利点があり、酸素を必要としないため密閉空間でも熱を得ることができる清浄性を持つので、使用が増えている。
【0007】
このようなインダクションレンジに関連する技術としては、様々なものがあり、例えば、特許文献1の韓国公開特許第10-2011-0021440号には、「高周波誘導加熱を用いたインダクションレンジ」が開示されている。
【0008】
特許文献1は、インダクションレンジの天板構造が熱遮断と空気遮断スタンドを備え、外部の冷たい空気によって、加熱された容器の内部が冷めないようにして保温性を有し、天板の床面に装着ホールを設けることにより、加熱容器が床面に接触する断面積を最小限に抑える構造である。
【0009】
このように、加熱された容器の熱い熱がインダクションレンジの天板へ伝達されることを防止するようにし、脱着可能な円形の磁性板を設置することにより、いずれの種類の容器も使用することができるという利点を持つ。
【0010】
しかし、上述した文献を含む従来の一般的なインダクションレンジは、食品包装箱に包装されたインスタント食品などの調理対象体の底面だけ加熱するので、加熱及び調理時間が長くかかるだけでなく、食品の本来の味を出すのにやや不十分な部分があった。
【0011】
このために、インダクションレンジの内部に誘導加熱コイルを上下に位置させて調理対象体の上部と下部を同時に加熱するようにする方法が提示できるが、コイルを隣接するように配置し且つ電源を投入すると、コイル間の相互誘導作用により相手側コイルに磁場が伝達されて電気制御装置が焼損してしまうという問題が発生して、これまで製品化が不可能であった。
【0012】
そこで、かかる問題点を補完して調理対象体の上部と下部を同時に加熱することにより、食品の本来の味を出すようにする装置が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、食品包装箱に包装されたインスタント食品などの調理対象体を短い時間で簡単に調理するものを提供しようとする。また、調理対象体の上下部から交互に加熱することにより、食品が本来の味を出すようにする上下加熱方式のインダクションレンジを提供しようとする。
【0014】
また、調理対象体を加熱するための上部加熱部と下部加熱部との間の相互誘導干渉を排除するための交互加熱方式を適用することにより、電気制御装置の焼損が発生しない上下加熱方式のインダクションレンジを提供しようとする。
【0015】
また、調理対象体を入れる容器の外側を冷ますクーリング用と、匂いを除去するための脱臭用として使用するための別途のクーリング装置を備えることにより、加熱された調理対象体を把持するときに発生するおそれのある火傷の防止及び清潔維持が図れる上下加熱方式のインダクションレンジを提供しようとする。空気循環を考慮してファンを設置してもよい。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記の課題を解決するために、本発明の実施形態によれば、
調理対象体が収容される内部空間が形成されたボディ部と;
前記ボディ部の内部の底面に設置され、前記調理対象体の下部を加熱して調理する下部加熱部と;
前記ボディ部の内部の上部面に設置され、前記調理対象体の上部を加熱して調理する上部加熱部と;
前記下部加熱部及び前記上部加熱部の温度及び時間を設定及び制御する制御部と;を備え、
前記上部加熱部と前記下部加熱部は、前記制御部を介して、前記調理対象体の全体加熱時間の中で、前記下部加熱部が前記調理対象体の下部面を一定の時間で加熱した後で停止し、前記上部加熱部が前記調理対象体の上部面を一定の時間で加熱した後で停止する方法によって、前記調理対象体に対して下部と上部を一定の時間で交互に加熱することを特徴とする、上下加熱方式のインダクションレンジを提供する。
【0017】
実施形態による上下加熱方式のインダクションレンジは、調理対象体が収容される内部空間が形成されたボディ部と、前記ボディ部の内部の底面に設置され、前記調理対象体の下部を加熱して調理する下部加熱部、及び前記ボディ部の内部の上部面に設置され、前記調理対象体の上部を加熱して調理する上部加熱部からなる加熱部と、前記加熱部の温度及び時間を設定及び制御する制御部と、を含むことを特徴とする、上下加熱方式のインダクションレンジが提供される。
【0018】
実施形態によれば、前記上部加熱部と前記下部加熱部は、前記制御部を介して前記調理対象体の上部と下部を交互に加熱する。
【0019】
実施形態によれば、前記ボディ部には、前記調理対象体入りの容器の取っ手部分を冷まし且つ匂いを除去させるブロワーファンが備えられる。
【0020】
実施形態によれば、前記ボディ部には、前記上部加熱部と前記下部加熱部との間に対して調理対象体を入れたり取り出したりするためのトレイが備えられる。
【0021】
ここで、前記上部加熱部をさらに加熱するために、上部加熱部の磁場の出力を下部加熱部の磁場の出力よりもさらに高めて加熱するように構成することが好ましい。
上部加熱部の加熱時間を下部加熱部の加熱時間よりもさらに長くしても構わない。
【0022】
ここで、前記上部加熱部及び前記下部加熱部は、それぞれのインダクションレンジのコイルに逆電流が入ってくるときに遮断することができる前記上部加熱部の一端に上部開閉部を連結し、前記下部加熱部の一端に下部開閉部を連結し、上部インダクションレンジの前記上部加熱部と下部インダクションレンジの前記下部加熱部の駆動タイミングをチェックすることにより、前記上部開閉部の接点がオン(ON)の際には、前記下部開閉部の接点をオフ(OFF)にし、
前記下部開閉部の接点がオン(ON)の際には、前記上部開閉部の接点をオフ(OFF)にして相手側のインダクションレンジの逆電流が遮断されるように回路を構成することが好ましい。
【0023】
ここで、前記上部開閉部及び下部開閉部はリレー接点にしたことについて説明する。リレー接点がそれぞれオン(ON)になった後に、時差を置いて前記上部加熱部及び前記下部加熱部が加熱されるようにするためにスイッチング信号が入力されるように構成することが好ましい。
【0024】
ここで、前記上部開閉部及び前記下部開閉部の接点がそれぞれオフになる前に、時差を置いて前記上部加熱部及び前記下部加熱部が予めオフとなるようにするためにスイッチング信号が遮断されるように構成することが好ましい。
【0025】
ここで、前記時差は、数ミリ秒又は数十マイクロ秒で構成することが好ましい。
【0026】
ここで、前記スイッチング信号を構成する手段はIGBTで構成することが好ましい。
【0027】
上下加熱方式のインダクションレンジは、次のとおりに駆動する方法を取る。
【0028】
上下加熱方式のインダクションレンジのスタートボタンを押すステップを有する。
【0029】
次に、前記インダクションレンジのドアが開くステップ(S10)を有するが、ドアがないものにしてもよい。よって、ドアが開くステップを省略してもよい。
【0030】
設定された時間及び温度をチェックするステップ(S20)を有する。
【0031】
設定された時間及び温度のうちのいずれか一つに設定してもよい。
【0032】
前記インダクションレンジに加熱対象となる容器を自動的に感知するステップ(S30)、
前記容器が感知されなかった場合には、再び容器が感知されるように次のステップに進まないようにするステップを有し、
容器が感知された場合には、前記インダクションレンジのドアが閉まるステップ(S60)を有し、
ドアがない場合には、当該ステップも省略してもよい。
【0033】
設定された時間の間に調理器具の上下交互に磁場を入力して逆電流を遮断する機能が動作するようにするステップ(S70)、
設定された温度をチェックするステップ(S80)、及び
設定された温度に達していない場合には、前のステップである、設定された時間の間に調理器具の上下交互に磁場を入力して逆電流を遮断する機能が動作するようにするステップを繰り返し行い、設定された温度に達している場合には調理完了メッセージを送出するステップ(S90)を有することを特徴とする、上下加熱方式のインダクションレンジの駆動方法を提供する。
【0034】
ここで、S30ステップの後に、容器のサイズを測定するステップ(S40)をさらに有することが好ましい。
【0035】
ここで、S40ステップの後に、容器のサイズに合わせて自動的に移動するステップ(S50)をさらに有することが好ましい。
【0036】
ここで、前記インダクションレンジのドアが開くステップ(S100)、
容器をチェックするステップ(S200)、
容器が挿入された状態にある場合には、開放された状態にありながら、容器除去メッセージを送出するステップ(S300)、及び
容器が除去された場合にはドアが閉まるステップ(S400)をさらに有することが好ましい。
【発明の効果】
【0037】
上述した上下加熱方式のインダクションレンジは、食品包装箱に包装されたインスタント食品などの調理対象体を短い時間内で簡単に調理するという効果を持つ。
【0038】
また、調理対象体の上下部から交互に加熱することにより、食品が本来の味を出すようにするという利点を有する。
【0039】
調理対象体を加熱するための上部加熱部と下部加熱部との間の相互誘導干渉を排除するための交互加熱方式を適用することにより、電気制御装置の焼損が発生しないという利点を有する。
【0040】
調理対象体を冷ますクーリング用、又は匂いを除去するための脱臭用として使用するための別途のクーリング装置を設けることにより、加熱された調理対象体を把持するときに発生しうる火傷の防止及び清潔維持が図られるという利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1】本開示の実施形態による上下加熱方式のインダクションレンジの斜視図である。
図2図1に示されたトレイを説明するための図である。
図3】本開示の実施形態による上下加熱方式のインダクションレンジの加熱方法を説明するための図である。
図4】調理対象体を加熱するための上部加熱部と下部加熱部との間の相互誘導干渉を排除するための交互加熱方式を適用することを示す図である。
図5図4の制御信号を示すためのものである。
図6a-6b】上下加熱方式のインダクションレンジの加熱方法をプログラムによって設定することを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0042】
図6a及び図6bによって説明すると、次のとおりである。
【0043】
図1乃至図5の構成で次の駆動方法を有する。
【0044】
食べ物又は食べ物入りの容器を、インダクションレンジからなる上部加熱部と下部加熱部とが一体に構成された加熱部に挿入する場合、スタートボタンを押すと、加熱部のドアが開く(S10)が、ドアがない場合もあり、ドアが開くステップを省略してもよい。
【0045】
設定された温度及び時間をチェックする(S20)。
【0046】
容器を自動的に感知して容器が挿入された場合には、容器のサイズを測定し(S40)、容器が感知されなかった場合には、再び容器が感知されるように次のステップに進まないようにプログラミングされる(S30)。
【0047】
容器を測定するステップ、又は調理器具容器のサイズに合わせて自動的に移送するステップを省略してもよい。
【0048】
容器のサイズを測定した後には、調理器具容器のサイズに合わせて自動的に移動するステップを経る(S50)。
【0049】
次に、加熱部のドアが閉まるが(S60)、S10ステップがない場合には、S60ステップも省略可能なステップに該当する。
【0050】
設定された時間の間、調理器具の上下交互に磁場を入力して逆電流を遮断する機能が動作するようにプログラムされる(S70)。
【0051】
設定された温度をチェックして、設定された温度(S80)に達している場合には、次の過程へと進むが、設定された温度に達していない場合には、S70ステップを繰り返し行うようにプログラムされる。
【0052】
設定された温度に達している場合には、調理完了メッセージを送出する(S90)。
【0053】
次に、ドアが開き(S100)、容器をチェックして(S200)容器が挿入された状態にある場合には、開放された状態にありながら容器除去メッセージを送出し(S300)、容器が除去される場合にはドアが閉まるように構成されるステップ(S400)を備えることを特徴とする。
【0054】
上下加熱方式のインダクションレンジの駆動方法に関するものである。
【0055】
このようにして、食べ物調理の一サイクルが仕上げられる。
【0056】
前記インダクションレンジに加熱対象となる容器を自動的に感知して容器が挿入された場合には容器のサイズを測定するステップは、場合に応じて選択することができる。
前記容器が感知されなかった場合には再び容器が感知されるように次のステップに進まないようにするステップも、場合に応じて選択することができる。
【0057】
S30ステップの後に、容器のサイズを測定するステップ(S40)を場合に応じて選択することができる。
【0058】
また、S40ステップの後に、容器のサイズに合わせて自動的に移動するステップ(S50)を場合に応じて選択することができる。
【0059】
前記インダクションレンジのドアが開くステップ(S100)、
容器をチェックするステップ(S200)、
容器が挿入された状態である場合には、開放された状態にありながら容器除去メッセージを送出するステップ(S300)、及び
容器が除去された場合にはドアが閉まるステップ(S400)をさらに備えることを、場合に応じて選択することができる。
【0060】
本発明の利点、特徴、及びそれらを達成する方法は、添付図面と共に詳細に後述されている実施形態を参照すると明確になるだろう。しかし、本発明は、以下で開示する実施形態に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で実現できる。
【0061】
但し、本実施形態は、単に本発明の開示を完全なものにし、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものである。
【0062】
本発明は、請求項の範疇によってのみ定められる。明細書全体にわたって、同一の図面符号は同一の構成要素を指し示す。
【0063】
本発明の実施形態を説明するにあたり、公知の機能又は構成についての具体的な説明が本発明の要旨を無駄に不明確にする可能性があると判断された場合は、その詳細な説明を省略する。そして、後述する用語は、本発明の実施形態における機能を考慮して定義された用語であって、これは使用者や運用者の意図又は慣例によって変わり得る。よって、その定義は本明細書全般にわたっての内容に基づいて下されるべきである。
【0064】
図1は本開示の実施形態による上下加熱方式のインダクションレンジの斜視図である。
【0065】
図2図1に示されたトレイを説明するための図である。
【0066】
図3は本開示の実施形態に係る上下加熱方式のインダクションレンジの加熱方法を説明するための図である。
【0067】
図1乃至図3を参照すると、本開示の実施形態による上下加熱方式のインダクションレンジは、コンビニエンスストアなどの小型小売店などに備えられて、食品包装箱に包装されたインスタント食品などの調理対象体を短い時間で簡単に調理するが、調理対象体の上下部から交互に加熱することにより、食品が本来の味を出すようにする上下加熱方式のインダクションレンジに関するものであって、ボディ部100、加熱部200及び制御部30を含んで構成される。
【0068】
ボディ部10は、前面が開口した箱型の六面体形状をし、調理対象体(図示せず)が収容される内部空間が形成される。これにより、調理対象体を、開口した前面を介して内部空間に対して入れたり取り出したりすることができる。
【0069】
このようなボディ部10は、図示していないが、開口した前方を開放又は閉鎖するドアがヒンジ結合によって回転可能に備えられることができ、これにより、加熱の際に調理対象体の内部を密閉させて保温性などを確保することができる。
【0070】
また、上下加熱部に該当する上下インダクションレンジのみを備え、ドアがないことがさらに好ましい。
【0071】
簡単に飲食物を加熱する場合には、大衆が使用する場所でドアを開閉するよりは、さらに便利に5分内外に加熱して何時でも食べ物を挿入したり食べ物を取り出したりすることができるようにすることが好ましい。
【0072】
特に容器に入れて食べ物を加熱する場合には、ドアがないことがさらに好ましい。
【0073】
このようなボディ部10は、運搬やコンビニエンスストアなどへの具備が容易であるように小型に製作され、六面体形状に限定されず、様々な形状で備えられてもよい。
【0074】
加熱部20は、ボディ部10の内部の底面に設置され、調理対象体の下部を加熱して調理する下部加熱部21と、ボディ部10の内部の上部面に設置され、調理対象体の上部を加熱して調理する上部加熱部22とから構成される。
【0075】
下部加熱部21は、図1及び図2に示されているように板状体として備えられ、内部に誘導加熱のためのコイル(図示せず)が搭載される。
【0076】
このような下部加熱部21は、誘導加熱のためのコイルがセラミックガラスの内側に組み込まれるように設けられる。コイルに駆動電源を供給するためのスイッチング部と、スイッチング部をターンオン又はターンオフさせるためにターンオン信号又はターンオフ信号を出力する誘導駆動部を備える。
【0077】
また、コイルの共振電圧を検出するための共振電圧検出部と、コイルの動作に応じて流れる共振電流を検出するための共振電流検出部を備える。
【0078】
前述した構成は、本開示の属するインダクションレンジ分野で通常知られている技術であるので、詳細説明は省略する。
【0079】
上部加熱部22は、前述したような下部加熱部21の構成を有する板状体として備えられ、ボディ部10に収納された調理対象体の上部を加熱するように下部加熱部21と離隔しているボディ部10の内部の上側面に備えられる。
【0080】
したがって、本開示の上部加熱部22と下部加熱部21は、調理対象体を挟んで位置するようにボディ部10に備えられることにより、図3に示されているように、後述される制御部30を介して調理対象体の上部と下部を交互に加熱する。
【0081】
より詳細には、調理対象体の全体加熱時間の中で、下部加熱部21が調理対象体の下部面を一定の時間T1で加熱した後で停止し、次いで上部加熱部22が調理対象体の上部面を一定の時間T2で加熱した後で停止する方式で、下部加熱部21と上部加熱部22が調理対象体に対して下部と上部を一定の時間T1、T2、T3、T4、T5、T6、…で交互に加熱することを繰り返し行う。
【0082】
前述したように下部加熱部21と上部加熱部22が交互加熱する理由は、上部加熱部22と下部加熱部21が隣接配置されることにより、電源印加の際にコイル間の相互誘導作用により相手側コイルに磁場が伝達されて電気制御装置が焼損してしまう問題点である、上部加熱部22と下部加熱部21との間の相互誘導干渉を排除するためである。したがって、調理対象体に隣接して上部加熱部22と下部加熱部21が位置して効率よく上下に加熱することができるため、特別な構造変更のない簡単な構造で食品の本来の味を持つように調理することができる。
【0083】
制御部30は、加熱部20の温度及び時間を設定及び制御するようにボディ部10に備えられる。
【0084】
制御部30は、上部加熱部22及び下部加熱部21の電源供給オン/オフ、温度及び時間を設定する操作部と、温度を表示する温度表示部と、作動状態を案内するためのブザーと、上部加熱部22及び下部加熱部21の交互加熱、温度及び時間を感知及び制御するためのセンサーなどを含むことができる。しかし、これに限定されず、様々な機能が追加できるのはもちろんである。
【0085】
一方、前述した本開示の上下加熱方式のインダクションレンジのボディ部10には、図1及び図2に示されているように、加熱された調理対象体の容器の外部を冷ましたり匂いを除去したりするためのブロワーファン40が備えられることも可能である。
【0086】
このようなブロワーファン40は、加熱された容器に風を吹き込んで調理対象体の包装容器の外部温度を冷ますクーリング機能をして、加熱済みの調理対象体を把持するときに発生しうる火傷を防止する。
【0087】
また、ブロワーファン40は、クーリングのための回転とは反対の場合、ボディ部10の内部空気を外部へ排出されるようにして、匂い除去のための脱臭機能を行うことにより、清潔維持を図ることも可能である。
【0088】
このようなブロワーファン40は、公知の技術であるため、その構成及び作用についての詳細説明は省略する。
【0089】
前述した本開示の上下加熱方式のインダクションレンジのボディ部10には、図1及び図2に示されているように、上部加熱部22と下部加熱部21との間に、調理対象体を入れたり取り出したりするためのトレイ50が備えられることも可能である。
【0090】
トレイ50は、図示されているように調理対象体を装着するための板状体として備えられ、ボディ部10の内部でスライド移動を介して前後に位置移動する。
【0091】
このようなトレイ50は、図2に示されているように、ボディ部10の外部に引き出した状態で調理対象体を装着することができるため、調理対象体の中心側を下部加熱部21と上部加熱部22の中心側に一致させることが容易であり、これにより、調理対象体が側方向のいずれか一方向に偏重せず、上部加熱部22と下部加熱部21との間の加熱範囲内に位置して全体的に均一に加熱される。
【0092】
前記トレイ50は、図示されているように、前方面にユーザーが把持するための取っ手が備えられ得る。これにより、調理対象体をボディ部10に入れたり取り出したりするのに有利であるという利点を有する。
【0093】
前述したような本開示のトレイ50は、ユーザーが把持して押し込んだり取り出したりする手動方式で記載及び図示されているが、一側面にラックギアを形成し、このラックギアの先端部のピニオンギアが取り付けられるモーターを含んでなる。モーターの作動のために電気的に接続されたボタンをボディ部10に備えられるようにする構成などを介して自動的に作動するようにすることも可能であるのはもちろんである。前記構成は、設計変更によって容易に組み合わせることができるので、詳細な構成及び説明は省略する。
図4及び図5によって説明すると、次のとおりである。
【0094】
上述したような上下加熱方式のインダクションレンジは、食品包装箱に包装されたインスタント食品などの調理対象体を短い時間で簡単に調理するが、調理対象体の上下部から交互に加熱することにより、食品が本来の味を出すようにするものである。
【0095】
また、調理対象体を加熱するための上部加熱部と下部加熱部との間の相互誘導干渉を排除するための交互加熱方式を適用することにより、電気制御装置の焼損が発生しないのである。
【0096】
調理対象体を冷ますクーリング用、又は匂いを除去するため脱臭用として使用するための別途のクーリング装置を設けることにより、加熱された調理対象体を把持するときに発生しうる火傷の防止及び清潔維持が図られるという利点を有する。
【0097】
調理する飲食物の温度を一定に定めて上下交互にインダクションコイルへの電気供給をオン/オフにするように構成する。
【0098】
したがって、上部にさらに加熱しようとする場合には、上下交互して加熱するが、上部に磁場の出力を高めて食べ物の加熱を増加させる方式である。
【0099】
上下部にインダクションレンジが位置し、上部インダクションレンジと下部インダクションレンジとの間に容器を入れて調理する上下時差を置いて交差して加熱するインダクションレンジを提供する。
【0100】
磁場を発散する上部インダクションコイルの上部加熱部22と下部インダクションコイルの下部加熱部21とが向かい合いながら磁場を印加する方式で、上部インダクションレンジは、オフになっている状態で下部インダクションレンジのインダクションコイルから出る磁場が上部インダクションレンジのインダクションコイルに流れ込むか、或いは
【0101】
下部インダクションレンジがオフになっている状態で上部インダクションレンジから出てくる磁場が下部インダクションレンジのインダクションコイルに流れ込むときに、インダクションレンジの電子回路に逆電流が印加されて回路の部品が破損してしまう現象が発生する。
【0102】
上部インダクションレンジと下部インダクションレンジの両方が動作しているときは、両側から出てくる磁場の衝突により電子回路に悪影響を与えるおそれがある。
【0103】
かかる問題を解決するために、インダクションレンジのコイルに逆電流が入ってくるときに遮断することができる開閉部を備えるが、本発明の実施形態では、コストが安価なリレー接点について説明する。
【0104】
上部リレー34と下部リレー35を連結し、上部インダクションレンジと下部インダクションレンジの駆動タイミングをチェックしてリレーの接点をオフにすることにより、逆電流が入ってきて電子回路が損傷しないように構成する。
【0105】
本発明の実施形態では、リレー接点を使用したが、電熱線を開閉する開閉部の構成はいずれでも構わない。
【0106】
図4において、c信号である下部リレー接点信号が+5Vから0Vになり次第、a信号が上部リレー接点入力信号である0Vから+5Vが入力される。
すなわち、下部リレー35がオンになってからオフになり次第、上部リレー34はオフからオンになる。
【0107】
つまり、上部リレー接点入力信号aと下部リレー接点入力信号cは、それぞれリレースイッチがオンになり次第、相手側のリレースイッチはオフになって逆電流が影響を及ぼさないようにして、制御回路が損傷しないようにするのである。
【0108】
a信号とc信号であるリレー接点入力信号は、交差して+5Vから0Vにスイッチングされる。
【0109】
ここで、b信号とd信号は、時差を置いてa信号とc信号がそれぞれ+5Vから0Vにスイッチング(すなわち、オンからオフにスイッチングされる)される前に、数マイクロ秒乃至数十ミリ秒の間隔を置いて先に+5Vから0Vになる。
【0110】
上部と下部のリレーを遮断させて、磁場による逆電流がコントローラの回路を破壊しないようにするのである。
【0111】
IGBTは、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(Insulated gate bipolar transistor、IGBT)の略字であって、ゲート-エミッタ間の電圧が駆動されて入力信号によってオン/オフが生じる自己消弧型であるので、高速スイッチングが可能な半導体素子である。
【0112】
また、IGBTスイッチがオン状態からオフになって逆電流によりコントローラの回路を破損しないようにする。
【0113】
つまり、下部リレー接点信号が0Vになる直前に、下部IGBT入力信号が0Vになるのである。
【0114】
下部リレー接点がオンからオフになる前に、下部IGBT入力信号は先にオフになる。
【0115】
やはり上部リレー接点信号として+5V入力信号が加えられてから、数マイクロ秒乃至数十ミリ秒の間隔を置いて上部IGBT入力信号として+5V入力信号が入力されるのである。
【0116】
上下部リレー接点がオンになってから数マイクロ秒乃至数ミリ秒の時差を置いてIGBTスイッチングをオンにする。
【0117】
IGBTスイッチングがオンになる間にのみ、インダクションコイルに入力電源が加わるのである。
【0118】
したがって、インダクションコイルがオンになる前に、予めリレー信号に電源を加えて信号が接続されるようにするのである。
【0119】
リレー信号がオンからオフになる前に、先にインダクションコイルがオンからオフになるように構成する。
【0120】
リレー信号のスイッチングがオフからオフになった後、数マイクロ秒乃至数ミリ秒の時差を置いてIGBTスイッチングがオフからオンになり、
リレー信号のスイッチングがオンからオフになる前に、先にIGBTスイッチングがオンからオフになる。
【0121】
つまり、インダクションコイルに電源が接続される直前にリレーが駆動され、電線が予め接続されるように構成し、
インダクションコイルへの電源がオフになって接続が遮断された後、リレーがオフになって逆電流の電源が遮断されるのである。
【0122】
上部インダクションコイルにおける上部IGBT入力信号bと上部リレー接点入力信号aとの時差、及び下部インダクションコイルにおける下部IGBT入力信号dと下部リレー接点入力信号cとの時差がリレー遮断により相手側のインダクションコイルに磁場発生によるコントローラの焼損を防止するようにするのである。
【0123】
IGBTは、入力信号によってオン/オフが生じる自己消弧型であるので、高速スイッチングが可能な半導体素子である。
【0124】
ゲート-エミッタ間の電圧が駆動されて入力信号によってオン/オフが生じる自己消弧型であるので、高速スイッチングが可能な半導体素子である。
【0125】
図4を参照すると、メインMCUであるインダクションレンジコントローラ31は、上部インダクションレンジコントローラ32と下部インダクションレンジコントローラ33のオン/オフ(ON/OFF)動作をコントロールし、上部インダクションレンジコントローラ32と下部インダクションレンジコントローラ33で、IGBTに入る信号とリレーに入る信号を制御することにより、上、下インダクションレンジから出る磁場が互いに衝突しないようにするのである。
【0126】
ここで、前記上部加熱部をさらに加熱するために、上部加熱部の磁場の出力を下部加熱部の磁場の出力よりもさらに高めて加熱するように構成することが好ましい。加熱部に食べ物入りの容器を直接挿入する場合には、下部には容器と密接に食べ物が構成されており、加熱部から密着しているのに対し、上部は食べ物を入れる容器の上部から食べ物はある程度離隔しているのが一般的であり、また、容器を入れるためには余裕空間があるべきなので、上部は上部加熱部と食べ物との間にはある程度のスペースが発生するしかない点を考慮したのである。
【0127】
下部加熱部の加熱時間よりも上部加熱部の加熱時間をさらに長くして加熱するように構成してもよく、2つを並行して上部加熱部の磁場の出力を高め、上部加熱部の駆動時間も同時に増やすことも好ましい。
【0128】
また、ピザの場合は、上部に溶かさなければならないトッピングがあり、ピザの下部よりもピザの上部に熱がさらに必要とされる。
【0129】
ここで、前記上部加熱部及び前記下部加熱部は、それぞれのインダクションレンジのコイルに逆電流が入るときに遮断することができる前記上部加熱部の一端に上部リレー、前記下部加熱部の一端に下部リレーをそれぞれ接続し、上部インダクションレンジの前記上部加熱部と下部インダクションレンジの前記下部加熱部の駆動タイミングをチェックして、前記上部リレーの接点がオン(ON)の際には、前記下部リレーの接点をオフ(OFF)にする。
【0130】
前記下部リレーの接点がオン(ON)の際には、前記上部リレーの接点をオフ(OFF)にして、相手側のインダクションレンジの逆電流が遮断されるように回路を構成して、上部加熱部と下部加熱部が、予め加熱される磁場信号が加わるときに反対側の加熱部の一端にリレーを遮断させて逆電流を防止する。
【0131】
ここで、前記上部リレー及び前記下部リレーの接点がそれぞれオンになった後に、時差を置いて前記上部加熱部及び前記下部加熱部が加熱されるようにするためにスイッチング信号が入力されるように構成することが好ましい。
【0132】
このように構成することにより、上部加熱部及び下部加熱部から発生する磁場が、それぞれ下部加熱部及び上部加熱部に影響を及ぼさないようにして、制御部を焼損させないように構成したのである。
【0133】
ここで、前記上部リレー及び前記下部リレーの接点がそれぞれオフになる前に、時差を置いて前記上部加熱部及び前記下部加熱部が予めオフになるようにするためにスイッチング信号が遮断されるように構成することが好ましい。
ここで、前記時差は、数ミリ秒又は数十マイクロ秒で構成することが好ましい。
ここで、前記スイッチング信号を構成する手段は、IGBTで構成することが好ましい。
【0134】
前記開示された内容は、例示に過ぎず、特許請求の範囲で請求する請求の要旨から逸脱することなく、当該技術分野における通常の知識を有する者によって様々に変更実施できるので、開示された内容の保護範囲は、上述した特定の実施形態に限定されない。
【産業上の利用可能性】
【0135】
食品包装箱に包装されたインスタント食品などの調理対象体を短い時間で簡単に調理することを提供するものである。また、調理対象体の上下部から交互に加熱することにより、食品が本来の味を出すようにする上下加熱方式のインダクションレンジを提供する。
【0136】
調理対象体を加熱するための上部加熱部と下部加熱部との間の相互誘導干渉を排除するための交互加熱方式を適用することにより、電気制御装置の焼損が発生しない上下加熱方式のインダクションレンジを提供するものであって、産業上利用可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6a
図6b