(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-20
(45)【発行日】2023-03-29
(54)【発明の名称】バッテリユニット、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
A24F 40/53 20200101AFI20230322BHJP
A24F 40/65 20200101ALI20230322BHJP
【FI】
A24F40/53
A24F40/65
(21)【出願番号】P 2021548027
(86)(22)【出願日】2019-09-25
(86)【国際出願番号】 JP2019037488
(87)【国際公開番号】W WO2021059377
(87)【国際公開日】2021-04-01
【審査請求日】2021-11-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000004569
【氏名又は名称】日本たばこ産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140958
【氏名又は名称】伊藤 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137888
【氏名又は名称】大山 夏子
(74)【代理人】
【識別番号】100198845
【氏名又は名称】井上 善喬
(72)【発明者】
【氏名】小野 泰弘
【審査官】根本 徳子
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-509139(JP,A)
【文献】特表2017-514463(JP,A)
【文献】特開2006-010237(JP,A)
【文献】特表2014-501106(JP,A)
【文献】特表2018-514191(JP,A)
【文献】特開2017-046571(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
H01M 10/42-10/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾルを生成するエアロゾル生成装置におけるバッテリユニットであって、
前記エアロゾル生成装置の異常を検出する異常検出部と、
前記異常の内容に基づいて、前記異常の内容に対応する、前記エアロゾル生成装置が有する少なくとも一つの機能を停止するか否か判断する判断部と、
前記少なくとも一つの機能を停止する場合、前記異常の内容に基づいて、ユーザ端末において前記異常の内容を出力するための出力情報を前記ユーザ端末に通知する通知部と、
前記異常の内容に基づいて、前記ユーザ端末において前記出力情報を前記ユーザ端末に通知するタイミングを制御するタイミング制御部と、を備え
、
前記タイミング制御部は、
前記エアロゾル生成装置に電力を供給するバッテリに異常が発生した場合、前記ユーザ端末において前記バッテリの異常の内容を出力するための出力情報を、前記バッテリの機能の停止後、当該機能が再開した後に、前記ユーザ端末に通知するように前記タイミングを制御し、
前記バッテリ以外の機能に異常が発生した場合、前記ユーザ端末において当該機能の異常の内容を出力するための出力情報を、当該機能を停止する前に、前記ユーザ端末に通知するように前記タイミングを制御する、
バッテリユニット。
【請求項2】
前記判断部は、
前記バッテリ以外の機能に異常が発生した場合、前記異常の内容に基づいて、前記少なくとも一つの機能を停止するための緊急度を判断し、
前記タイミング制御部は、前記緊急度
が高いと判断された場合、前記ユーザ端末において前記出力情報を
、前記機能を停止した後
、当該機能を再開する前に、前記ユーザ端末に通知するように前記タイミングを制御する、
請求項1に記載のバッテリユニット。
【請求項3】
前記バッテリユニットは、ヒータを加熱することによりエアロゾル源を霧化する霧化部を備えるカートリッジと着脱可能に構成され、
前記タイミング制御部は、前記ヒータに異常が発生した場合、前記ユーザ端末において前記ヒータの異常の内容を出力するための出力情報を、前記ヒータの機能を停止する前に、又は、前記ヒータの機能を停止した後に、前記ユーザ端末に通知するように前記タイミングを制御する、
請求項1又は2に記載のバッテリユニット。
【請求項4】
ユーザの吸引に関する情報を検出するセンサを更に備え、
前記タイミング制御部は、前記センサに異常が発生した場合、前記ユーザ端末において前記センサの異常の内容を出力するための出力情報を、前記センサの機能を停止する前に、前記ユーザ端末に通知するように前記タイミングを制御する、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のバッテリユニット。
【請求項5】
エアロゾルを生成するエアロゾル生成装置が実行する情報処理方法であって、
前記エアロゾル生成装置の異常を検出するステップと、
前記異常の内容に基づいて、前記異常の内容に対応する、前記エアロゾル生成装置が有する少なくとも一つの機能を停止するか否か判断するステップと、
前記少なくとも一つの機能を停止する場合、前記異常の内容に基づいて、ユーザ端末において前記異常の内容を出力するための出力情報を前記ユーザ端末に通知するステップと、
前記異常の内容に基づいて、前記ユーザ端末において前記出力情報を前記ユーザ端末に通知するタイミングを制御するステップと、を含
み、
前記エアロゾル生成装置に電力を供給するバッテリに異常が発生した場合、前記ユーザ端末において前記バッテリの異常の内容を出力するための出力情報は、前記バッテリの機能の停止後、当該機能が再開した後に、前記ユーザ端末に通知されるように前記タイミングが制御され、
前記バッテリ以外の機能に異常が発生した場合、前記ユーザ端末において当該機能の異常の内容を出力するための出力情報は、当該機能を停止する前に、前記ユーザ端末に通知されるように前記タイミングが制御される、
情報処理方法。
【請求項6】
コンピュータを、
エアロゾルを生成するエアロゾル生成装置の異常を検出する異常検出部と、
前記異常の内容に基づいて、前記異常の内容に対応する、前記エアロゾル生成装置が有する少なくとも一つの機能を停止するか否か判断する判断部と、
前記少なくとも一つの機能を停止する場合、前記異常の内容に基づいて、ユーザ端末において前記異常の内容を出力するための出力情報を前記ユーザ端末に通知する通知部と、
前記異常の内容に基づいて、前記ユーザ端末において前記出力情報を前記ユーザ端末に通知するタイミングを制御するタイミング制御部と、
として機能させ
、
前記タイミング制御部を
前記エアロゾル生成装置に電力を供給するバッテリに異常が発生した場合、前記ユーザ端末において前記バッテリの異常の内容を出力するための出力情報を、前記バッテリの機能の停止後、当該機能が再開した後に、前記ユーザ端末に通知するように前記タイミングを制御させ、
前記バッテリ以外の機能に異常が発生した場合、前記ユーザ端末において当該機能の異常の内容を出力するための出力情報を、当該機能を停止する前に、前記ユーザ端末に通知するように前記タイミングを制御させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリユニット、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子たばこに異常が発生した場合の措置に関する技術が開発されている。これに関し、特許文献1には、電子たばこに異常が発生した場合、電源を強制的にシャットダウンする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許出願公開第2015/0173124号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のような従来の電子たばこにおいては、本体の小型化の要請のため、異常の発生をユーザに通知する手法は限られている。従来の電子たばこは、異常の発生をユーザに通知するための液晶ディスプレイ等の表示デバイスに代えて、微小なLED(Light Emitting Diode)を備え、LEDの点灯パターンによって、異常の内容をユーザに通知する。
【0005】
しかしながら、ユーザは、異常の内容を特定するためには、LEDの複数の点灯パターンをすべて覚えている必要がある。また、LEDの複数の点灯パターンをすべて覚えていない場合は、都度、点灯パターンを調べる必要がある。また、電子たばこに搭載される機能が増加傾向にあるため、LEDの点灯パターンが増加している。このように、LEDの点灯パターンに基づいて、電子たばこの異常の内容を特定することは、ユーザにとって困難をともない、且つ、手間がかかり煩わしい。
【0006】
そこで、本発明のいくつかの態様はかかる事情に鑑みてなされたものであり、エアロゾルを生成するエアロゾル生成装置の異常の内容を正確に、且つ、労力を要さずに特定することを可能にする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係るバッテリユニットは、エアロゾルを生成するエアロゾル生成装置におけるバッテリユニットであって、エアロゾル生成装置の異常を検出する異常検出部と、異常の内容に基づいて、異常の内容に対応する、エアロゾル生成装置が有する少なくとも一つの機能を停止するか否か判断する判断部と、少なくとも一つの機能を停止する場合、異常の内容に基づいて、ユーザ端末において異常の内容を出力するための出力情報をユーザ端末に通知する通知部と、異常の内容に基づいて、ユーザ端末において出力情報をユーザ端末に通知するタイミングを制御するタイミング制御部と、を備える。
【0008】
本発明の一態様に係る情報処理方法は、エアロゾルを生成するエアロゾル生成装置が実行する情報処理方法であって、エアロゾル生成装置の異常を検出するステップと、異常の内容に基づいて、異常の内容に対応する、エアロゾル生成装置が有する少なくとも一つの機能を停止するか否か判断するステップと、少なくとも一つの機能を停止する場合、異常の内容に基づいて、ユーザ端末において異常の内容を出力するための出力情報をユーザ端末に通知するステップと、異常の内容に基づいて、ユーザ端末において出力情報をユーザ端末に通知するタイミングを制御するステップと、を含む。
【0009】
本発明の一態様に係るプログラムを、コンピュータを、エアロゾルを生成するエアロゾル生成装置の異常を検出する異常検出部と、異常の内容に基づいて、異常の内容に対応する、エアロゾル生成装置が有する少なくとも一つの機能を停止するか否か判断する判断部と、少なくとも一つの機能を停止する場合、異常の内容に基づいて、ユーザ端末において異常の内容を出力するための出力情報をユーザ端末に通知する通知部と、異常の内容に基づいて、ユーザ端末において出力情報をユーザ端末に通知するタイミングを制御するタイミング制御部と、して機能させる。
【0010】
これらの態様によれば、エアロゾル生成装置の異常の内容に基づいて、異常の内容に対応する、エアロゾル生成装置が有する少なくとも一つの機能を停止するか否か判断する。上記態様は、少なくとも一つの機能を停止する場合、異常の内容に基づいて、ユーザ端末において異常の内容を出力するための出力情報をユーザ端末に通知する。上記態様は、異常の内容に基づいて、ユーザ端末において出力情報をユーザ端末に通知するタイミングを制御する。よって、エアロゾル生成装置の異常の内容を正確に、且つ、労力を要さずに特定することを可能にする。
【0011】
なお、本発明において、「部」、「装置」とは、単に物理的手段を意味するものではなく、その「部」、「装置」が有する機能をソフトウエアによって実現する場合も含む。また、1つの「部」、「装置」が有する機能が2つ以上の物理的手段や装置により実現されても、2つ以上の「部」、「装置」の機能が1つの物理的手段や装置により実現されてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、エアロゾル生成装置の異常の内容を正確に、且つ、労力を要さずに特定することを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施形態に係る香味吸引具の異常の内容を通知する異常通知処理システムの概略構成図である。
【
図2A】本発明の実施形態に係る香味吸引具の概略構成のブロック図である。
【
図2B】本発明の実施形態に係る香味吸引具の概略的な外観の一例を示す図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る香味吸引具の概略構成を示すブロック図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る香味吸引具の他の概略構成を示すブロック図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る香味吸引具の概略的な外観の他の一例を示す図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る、エアロゾル生成基材を保持した状態の香味吸引具の概略的な外観の他の一例である。
【
図7】本発明の実施形態に係るユーザ端末の概略構成のブロック図である。
【
図8】本発明の実施形態に係る制御部の機能的構成の一例を示す概略構成図である。
【
図9】本発明の実施形態に係る通知タイミング情報の一例を示す図である。
【
図10】本発明の第1実施形態に係る異常通知処理の一例を示すフローチャートである。
【
図11】本発明の実施形態に係るユーザ端末の出力部で出力される画面の一例を示す図である。
【
図12】
本発明の実施形態に係る通知タイミング情報の他の一例を示す図である。
【
図13】
本発明の第2実施形態に係る異常通知処理の一例を示すフローチャートである。
【
図14】本発明の実施形態に係るコンピュータのハードウエア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をその実施の形態のみに限定する趣旨ではない。また、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、様々な変形が可能である。さらに、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0015】
図1は、本発明の本実施形態に係る香味吸引具の異常の内容を通知する異常通知処理システムの概略構成図(システム構成図)である。
図1に示すように、異常通知処理システム100は、例示的に、n台(nは、1以上の任意の整数値)の香味吸引具1と、通信可能に構成されるユーザ端末2と、を備えて構成される。
【0016】
「香味吸引具1」は、香味を吸引するための器具のことであり、限定するわけではないが、例えば、電子たばこや加熱式たばこ、従来のたばこを意図したものである。また、香味吸引具1は、エアロゾルを生成し、生成されたエアロゾルを吸引するためのエアロゾル生成装置である。エアロゾル生成装置は、例えば電子たばこや加熱式たばこ、医療用のネブライザーを意図したものである。より具体的には、エアロゾル生成装置は、例えば、電力を用いてリキッド(エアロゾル源)を霧化し、エアロゾルを生成する装置である。エアロゾルは、エアロゾル源を霧化したものであり、気体中を浮遊する程度に微小な粒子である。エアロゾル生成装置が発生させるエアロゾルは香味を伴うものであってよい。エアロゾル生成装置の例としては、加熱式たばこ(T-vaporやInfused)および電子たばこ(E-vapor)などが挙げられる。また、エアロゾル生成装置は、たばこを直接加熱する(直接加熱)タイプや、たばこを間接的に加熱する(間接加熱)タイプ、液体(リキッド)を加熱するタイプを含む。また、エアロゾル生成装置は、櫛形電極対を有する圧電素子基板を用いてSAW(Surface Acoustic Wave)を発生させることによって液体を霧化するものであってもよい。なお、図中には、n台の香味吸引具として、香味吸引具1a及び香味吸引具1nを図示している。ただし、以下の説明において、これらn台の香味吸引具を区別することなく説明する場合には、符号を一部省略して、単に「香味吸引具1」と呼ぶ。
【0017】
ユーザ端末2は、例えば、スマートフォンや、ゲーム機や、パーソナルコンピュータにより実現される。なお、図中には、1台のユーザ端末2が記載されているが、これに限られず、異常通知処理システム100は複数台のユーザ端末2を備えてもよい。
【0018】
香味吸引具1及びユーザ端末2とは、互いに関連づけられており、例えばBluetooth[登録商標]やBLE(Bluetooth Low Energy)通信等の近距離無線通信を実行することで双方でのデータの送受信が可能となる。なお、香味吸引具1とユーザ端末2の間のデータの送受信は、BLE通信に限られず、例えば、Wi-Fi[登録商標]やLPWAN(Low Power Wide Area Network)、NFC(Near Field Communication)など、どのような通信で実行されてもよい。また、香味吸引具1とユーザ端末2の間のデータの送受信は、必ずしも無線通信に限られず、USB(Universal Serial Bus)やMini USB、Micro USB、Lightningなどの有線通信であってもよい。
【0019】
図2Aは、本発明の実施形態に係る香味吸引具の概略構成のブロック図である。
図2Aは、香味吸引具1が備える各コンポーネントを概略的且つ概念的に示すものであり、各コンポーネント及び香味吸引具1の厳密な配置、形状、寸法、位置関係等を示すものではないことに留意されたい。また、香味吸引具1は、
図2Aには図示しないコンポーネント、例えば、たばこカプセルやリキッドのカートリッジ等を含み得ることにも留意されたい。
【0020】
センサ11は、例えば、ユーザの吸引に関する情報を検出するセンサを示している。センサ11は、流量センサや流速センサ、圧力センサ等の、ユーザの吸引する動作を検出するための任意の種類のセンサであってよい。センサ11は、ユーザが吸引する動作を行うために押下するボタンであってもよい。センサ11は、例えば吸引センサであってもよく、香味吸引具1に対するユーザの吸引を検出してもよい。センサ11は、気流センサであってもよく、ユーザの吸引によって生じた気流を検出してもよい。センサ11は、香味吸引具1の位置を測定するGPSセンサであってもよいし、香味吸引具1の角度や姿勢等を検出するためのジャイロセンサ等であってもよい。
【0021】
変化部12は、外部観測可能な所定の変化が生じるブロックである。変化部12は、所定の色に発光するLED(Light Emitting Diode)、例えば青色LEDであってよく、所定の変化は、所定の色例えば青色の発光であってよい。なお、所定の色は、青色に限られず、どのような色であってもよい。また、所定の変化は、センサ11によって感知される、吸引の強さに応じた発光の色の変化や発光の強度の変化であってもよい。また、変化部12は、LEDに限られず、所定の色に発光する別の構成の光源であってもよい。
【0022】
図2Bは、本発明の実施形態に係る香味吸引具の概略的な外観の一例を示す図である。変化部12の配置について、
図2Bを参照して説明する。
図2Bに表されているように、香味吸引具1は、限定するわけではないが、2つの端161及び162を含むスティック形状であることがある。ここで、ユーザは、その一方の端161を吸引するために咥えることになる。なお、ユーザは、その一方の端161に装着可能な、紙巻きたばこ用のマウスピースなどを介して、当該端161を吸引するために咥えてもよい。香味吸引具1が
図2Bに表されるような形状をしている場合、変化部12は、上記2つの端のうちの他方の端162に設けられることが好ましい。なお、変化部12は、香味吸引具1の外面の少なくとも一部分であり、例えば、
図2Bに表されているように略長方形状や、香味吸引具1の外周に沿った環状(図示せず)など、どのような形状であってもよい。
【0023】
図2Aに戻り、制御部13は、少なくとも、センサ11からの信号に基づき、変化部12に所定の変化を生じさせるブロックである。制御部13は、例えば、センサ11からの信号の大きさ又は当該信号に基づき決定される吸引の強さが所定の閾値以上であるときに、変化部12において所定の色の発光を生じさせてよい。また、制御部13は、例えば、センサ11からの信号の大きさ又は当該信号に基づき決定される吸引の強さに応じて、変化部12における発光の色や発光の強度を変化させてよい。制御部13は、例えば、吸引が強い場合に発光の強度を強くし、吸引が弱い場合に発光の強度を弱くしてもよい。また、制御部13は、例えば、吸引の強さを複数の段階に分け、当該複数の段階ごとに所定の色を設定し、吸引の強さに対応する所定の色を発光させてもよい。なお、制御部13は、マイクロプロセッサ又はマイクロコンピュータとして構成された電子回路モジュールであってよい。
【0024】
通信部14(通知部)は、
図1に示すユーザ端末2や他のコンピュータと通信する。通信部14は、少なくともハードウエア資源としてのネットワーク・インターフェース等を用いて実現されてよい。制御部13は、通信部14を介して、センサ11によって検出された各種の情報を、ユーザ端末2や他のコンピュータに送信可能である。制御部13が、通信部14を介して、ユーザ端末2や他のコンピュータに送信する
各種の情報は、例えば、ユーザ端末2において香味吸引具1の異常の内容を出力するための出力情報である。なお、出力情報については、後述する。また、通信部14は、ユーザ端末2や他のコンピュータから送信された各種の情報を受信可能である。
【0025】
なお、本発明の一実施形態に係る香味吸引具1は、従来のたばこを含む。従来のたばこは、センサ11、制御部13及び通信部14を含まないが、その燃焼部は、変化部12に相当する。というのは、従来のたばこの燃焼部には、ユーザの吸引する動作に基づき、色や温度の所定の変化が生じるからである。
【0026】
また、香味吸引具1が従来のたばこ(例えば、紙巻きたばこ)の場合、当該たばこの一端に装着されるマウスピース(例えば、紙巻きたばこ用のマウスピース)が、
図2Aにおけるセンサ11、制御部13及び通信部14の機能の全部又は一部を含んでいてもよい。この構成によれば、マウスピースが、センサ11によって検出された吸引情報などの各種の情報を、ユーザ端末2や他のコンピュータに送信可能である。
【0027】
図3は、本発明の実施形態に係る香味吸引具の概略構成を示すブロック図である。
図3に示されるように、香味吸引具1Aは、第1の部材102(バッテリユニット)及び第2の部材104(カートリッジ)を備える。図示されるように、一例として、第1の部材102は、制御部106、通信部108、バッテリ110、センサ112及びメモリ114を含んでもよい。なお、
図2Aの制御部13は
図3の制御部106に対応し、
図2Aのセンサ11は
図3のセンサ112に対応し、
図2Aの通信部14は
図3の通信部108に対応する。なお、
図3及び
図4において、第1の部材102(バッテリユニット)は、香味吸引具1Aが備える構成として説明されるがこれに限られない。例えば、第1の部材102が備える構成、つまり、制御部106、通信部108、バッテリ110、センサ112又はメモリ114の少なくとも一つの構成は香味吸引具1Aの外部構成であってもよい。
【0028】
一例として、第2の部材104は、リザーバ116、霧化部118、空気取込流路120、エアロゾル流路121及び吸口部122を含んでもよい。第1の部材102内に含まれるコンポーネントの一部が第2の部材104内に含まれてもよい。第2の部材104内に含まれるコンポーネントの一部が第1の部材102内に含まれてもよい。第2の部材104は、第1の部材102に対して着脱可能に構成されてもよい。あるいは、第1の部材102及び第2の部材104内に含まれるすべてのコンポーネントが、第1の部材102及び第2の部材104に代えて、同一の筐体内に含まれてもよい。
【0029】
リザーバ116は、エアロゾル源を保持する。例えば、リザーバ116は、繊維状又は多孔質性の素材から構成され、繊維間の隙間や多孔質材料の細孔に液体としてのエアロゾル源を保持する。前述した繊維状又は多孔質性の素材には、例えばコットンやガラス繊維、またはたばこ原料などを用いることができる。リザーバ116は、液体を収容するタンクとして構成されてもよい。エアロゾル源は、例えば、グリセリンやプロピレングリコールといった多価アルコール、水などの液体である。香味吸引具1Aがネブライザー等の医療用吸入器である場合、エアロゾル源はまた、患者が吸入するための薬剤を含んでもよい。別の例として、エアロゾル源は、加熱することによって香喫味成分を放出するたばこ原料やたばこ原料由来の抽出物を含んでいてもよい。リザーバ116は、消費されたエアロゾル源を補充することができる構成を有してもよい。あるいは、リザーバ116は、エアロゾル源が消費された際にリザーバ116自体を交換することができるように構成されてもよい。また、エアロゾル源は液体に限られるものではなく、固体でも良い。エアロゾル源が固体の場合のリザーバ116は、例えば繊維状又は多孔質性の素材を用いない空洞の容器であっても良い。
【0030】
霧化部118は、エアロゾル源を霧化してエアロゾルを生成するように構成される。センサ112によって吸引動作が検出されると、霧化部118はエアロゾルを生成する。例えば、ウィック(図示せず)が、リザーバ116と霧化部118とを連結するように設けられてもよい。この場合、ウィックの一部はリザーバ116の内部に通じ、エアロゾル源と接触する。ウィックの他の一部は霧化部118へ延びる。エアロゾル源は、ウィックの毛細管効果によってリザーバ116から霧化部118へと運ばれる。一例として、霧化部118は、バッテリ110に電気的に接続されたヒータを備える。ヒータは、ウィックと接触又は近接するように配置される。吸引動作が検出されると、制御部106は、霧化部118のヒータを制御し、ウィックを通じて運ばれたエアロゾル源を加熱することによって当該エアロゾル源を霧化する。霧化部118の別の例は、エアロゾル源を超音波振動によって霧化する超音波式霧化器であってもよい。霧化部118には空気取込流路120が接続され、空気取込流路120は香味吸引具1Aの外部へ通じている。霧化部118において生成されたエアロゾルは、空気取込流路120を介して取り込まれた空気と混合される。エアロゾルと空気の混合流体は、矢印124で示されるように、エアロゾル流路121へと送り出される。エアロゾル流路121は、霧化部118において生成されたエアロゾルと空気との混合流体を吸口部122まで輸送するための管状構造を有する。
【0031】
吸口部122は、エアロゾル流路121の終端に位置し、エアロゾル流路121を香味吸引具1Aの外部に対して開放するように構成される。ユーザは、吸口部122を咥えて吸引することにより、エアロゾルを含んだ空気を口腔内へ取り込む。
【0032】
通信部108(通知部)は、ユーザ端末2や他のコンピュータと通信する。通信部108は、少なくともハードウエア資源としてのネットワーク・インターフェース等を用いて実現されてよい。
【0033】
バッテリ110は、通信部108、センサ112、メモリ114、霧化部118などの香味吸引具1Aの各コンポーネントに電力を供給する。バッテリ110は、香味吸引具1Aの所定のポート(図示せず)を介して外部電源に接続することにより充電することができてもよい。バッテリ110のみを第1の部材102又は香味吸引具1Aから取り外すことができてもよく、新しいバッテリ110と交換することができてもよい。また、第1の部材102全体を新しい第1の部材102と交換することによってバッテリ110を新しいバッテリ110と交換することができてもよい。
【0034】
センサ112は、空気取込流路120及び/又はエアロゾル流路121内の圧力の変動を検出する圧力センサ又は流量を検出する流量センサを含んでもよい。センサ112はまた、リザーバ116等のコンポーネントの重量を検出する重量センサを含んでもよい。センサ112はまた、香味吸引具1Aを用いたユーザによるパフの回数を計数するように構成されてもよい。センサ112はまた、霧化部118への通電時間を積算するように構成されてもよい。センサ112はまた、リザーバ116内の液面の高さを検出するように構成されてもよい。センサ112はまた、バッテリ110のSOC(State of Charge、充電状態)、電流積算値、電圧などを検出するように構成されてもよい。電流積算値は、電流積算法やSOC-OCV(Open Circuit Voltage、開回路電圧)法等によって求められてもよい。センサ112はまた、ユーザが操作可能な操作ボタンなどであってもよい。
【0035】
制御部106は、マイクロプロセッサ又はマイクロコンピュータとして構成された電子回路モジュールであってもよい。制御部106は、メモリ114に格納されたコンピュータ実行可能命令に従って香味吸引具1Aの動作を制御するように構成されてもよい。メモリ114は、ROM、RAM、フラッシュメモリなどの記憶媒体である。メモリ114には、上記のようなコンピュータ実行可能命令のほか、香味吸引具1Aの制御に必要な設定データ等が格納されてもよい。例えば、メモリ114は、通信部108の制御方法(発光、発声、振動等の態様等)、センサ112により検出された値、霧化部118の加熱履歴等の様々なデータを格納してもよい。制御部106は、必要に応じてメモリ114からデータを読み出して香味吸引具1Aの制御に利用し、必要に応じてデータをメモリ114に格納する。
【0036】
図4は、本発明の実施形態に係る香味吸引具の他の概略構成を示すブロック図である。図示されるように、香味吸引具1Bは、
図4の香味吸引具1Aが備える構成に加えて、第3の部材126を備える。第3の部材126は、香味源128を含んでもよい。一例として、香味吸引具1Bが電子たばこである場合、香味源128は、たばこに含まれる香喫味成分を含んでもよい。図示されるように、エアロゾル流路121は、第2の部材104及び第3の部材126にわたって延在する。吸口部122は、第3の部材126に備えられる。
【0037】
香味源128は、エアロゾルに香味を付与するためのコンポーネントである。香味源128は、エアロゾル流路121の途中に配置される。霧化部118によって生成されたエアロゾルと空気との混合流体(以下、混合流体を単にエアロゾルと呼称する場合もあることに留意されたい)は、エアロゾル流路121を通って吸口部122まで流れる。このように、香味源128は、エアロゾルの流れに関して霧化部118よりも下流に設けられている。換言すれば、霧化部118よりも香味源128の方が、エアロゾル流路121の中で吸口部122に近い側に位置する。したがって、霧化部118によって生成されたエアロゾルは、香味源128を通過してから吸口部122へ達する。エアロゾルが香味源128を通過する際、香味源128に含まれる香喫味成分がエアロゾルに付与される。一例として、香味吸引具1Bが加熱式たばこである場合、香味源128は、刻みたばこ、又はたばこ原料を粒状、シート状もしくは粉末状に成形した加工物などの、たばこ由来のものであってもよい。香味源128はまた、たばこ以外の植物(例えばミントやハーブ等)から作られた非たばこ由来のものであってもよい。一例として、香味源128は、たばこ成分を含む。香味源128は、メントールなどの香料成分を含有してもよい。香味源128に加えて、リザーバ116も香喫味成分を含んだ物質を有してもよい。例えば、香味吸引具1Bは、香味源128にたばこ由来の香味物質を保持し、リザーバ116には非たばこ由来の香味物質を含むように構成されてもよい。
【0038】
ユーザは、吸口部122を咥えて吸引することにより、香味が付与されたエアロゾルを含んだ空気を口腔内へ取り込むことができる。
【0039】
制御部106は、本開示の実施形態に係る香味吸引具1A及び1B(以下、まとめて「香味吸引具1」と呼ぶことがある)を様々な方法で制御するように構成される。
【0040】
図5は、本発明の実施形態に係る香味吸引具の概略的な外観の他の一例を示す図である。
図6は、本発明の実施形態に係る、エアロゾル生成基材を保持した状態の香味吸引具の概略的な外観の他の一例である。本実施形態において、香味吸引具1は、例えば、エアロゾル源及び香味源を含む充填物などの香味発生基材を有する、吸引物品などのエアロゾル生成基材を加熱することによって、香味を含むエアロゾルを生成するように構成される。なお、吸引物品140がエアロゾル生成基材として用いられてもよい。
【0041】
当業者に理解されるように、吸引物品140はエアロゾル生成基材の一例にすぎない。エアロゾル生成基材に含まれるエアロゾル源は固体であってもよいし、液体であってもよい。エアロゾル源は、例えば、グリセリン、プロピレングリコールといった多価アルコールや、水などの液体およびそれらの混合物であってもよい。エアロゾル源は、加熱することによって香喫味成分を放出するたばこ原料やたばこ原料由来の抽出物を含んでいてもよい。香味吸引具1がネブライザーなどの医療用吸入器である場合、エアロゾル源は、患者が吸入するための薬剤を含んでもよい。用途によっては、エアロゾル生成基材は香味源を含まなくてもよい。
【0042】
図5及び
図6に示すように、香味吸引具1は、トップハウジング131Aと、ボトムハウジング131Bと、カバー132と、スイッチ133と、蓋部134とを有する。トップハウジング131A及びボトムハウジング131Bは、互いに接続されることで、香味吸引具1の最外のハウジング131を構成する。ハウジング131は、使用者の手に収まるようなサイズであってもよい。この場合、使用者が香味吸引具1を使用するときに、使用者は香味吸引具1を手で保持して、エアロゾルを吸引することができる。
【0043】
トップハウジング131Aは、開口(図示せず)を有し、カバー132は当該開口を閉じるようにトップハウジング131Aに結合される。
図6に示すように、カバー132は、吸引物品140を挿入可能な開口132Bを有する。蓋部134は、カバー132の開口132Bを開閉するように構成される。具体的には、蓋部134は、カバー132に取り付けられ、開口132Bを閉じる第1位置と開口132Bを開放する第2位置との間を、カバー132の表面に沿って移動可能に構成される。
【0044】
スイッチ133は、香味吸引具1の作動のオンとオフを切り替えるために使用される。例えば、使用者は、
図6に示すように吸引物品140を開口132Bに挿入した状態でスイッチ133を操作することにより、バッテリ(図示せず)から加熱部(図示せず)に電力を供給し、吸引物品140を燃焼させずに加熱することができる。吸引物品140が加熱されると、吸引物品140に含まれるエアロゾル源からエアロゾルが発生し、香味源の香味が当該エアロゾルに取り込まれる。使用者は、香味吸引具1から突出した吸引物品140の部分(
図6において図示された部分)を吸引することにより、香味を含むエアロゾルを吸引することができる。なお、本明細書において、吸引物品140などのエアロゾル生成基材が開口132Bに挿入される方向を、香味吸引具1の長手方向と呼ぶ。
【0045】
図5及び
図6に示される香味吸引具1の構成は、本開示に係る香味吸引具の構成の一例にすぎない。本開示に係る香味吸引具は、エアロゾル源を含むエアロゾル生成基材を加熱することによってエアロゾルを生成することができ、生成された
エアロゾルを使用者が吸引することができるような、様々な形態で構成することができる。
【0046】
図7は、本発明の実施形態に係るユーザ端末の概略構成のブロック図である。
図7は、ユーザ端末2が備える各コンポーネントを概略的且つ概念的に示すものであり、各コンポーネント及びユーザ端末2の厳密な配置、形状、寸法、位置関係等を示すものではないことに留意されたい。また、ユーザ端末2は、図示しないコンポーネントを含み得ることに留意されたい。なお、ユーザ端末2の例は、スマートフォンやタブレット、パーソナルコンピュータ等の1つのコンピュータであるが、これに限定されるわけではない。例えば、後述する検知部21は、コンピュータに外部接続されたデジタル・カメラによって実現されてもよい。
【0047】
検知部21は、香味吸引具1の少なくとも一部例えば変化部12に生じる外部観測可能な所定の変化を検出する。検知部21は、少なくともハードウエア資源としてのデジタル・カメラや温度センサ等を用いて実現されてよい。
【0048】
出力部22は、
図1に示す香味吸引具1から通知される出力情報に基づいてメッセージ出力処理を実行する。出力部22は、香味吸引具1から通知される出力情報に基づいて音声出力処理を実行してもよい。出力部22は、上記所定の変化を検出していることを示す情報を表示する。出力部22は、少なくともハードウエア資源としてのディスプレイ(例えばタッチパネル・ディスプレイを含む)等を用いて実現されてよい。
【0049】
入力部23は、ユーザからの入力を受ける。入力部23は、少なくともハードウエア資源としてのキーボードやマウス、タッチパネル・ディスプレイ等を用いて実現されてよい。
【0050】
記録部24は、プログラムやデータ等を記憶する。記録部24は、少なくともハードウエア資源としてのHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、メモリ等を用いて実現されてよい。
【0051】
通信部25は、他のコンピュータと通信する。通信部25は、少なくともハードウエア資源としてのネットワーク・インターフェース等を用いて実現されてよい。
【0052】
制御部26は、各種制御を行なう。制御部26は、通信部25を介して、データを送受信するように構成されていてよい。出力部22は、受信した出力情報に基づく情報を出力することができる。制御部26は、例えば、ユーザの吸い方に係る判定を行うように構成されていてよい。出力部22は、判定の結果を更に表示することができる。また、制御部26は、入力部23を介して、複数の吸い方のうちの1つをユーザが選択することを可能にするように構成されていてよい。なお、出力部22は、選択された吸い方に基づく情報を更に表示することができる。制御部26は、少なくともハードウエア資源としてのプロセッサ等を用いて実現されてよい。
【0053】
なお、ユーザ端末2の各種機能は、当該ユーザ端末上で稼働するアプリケーションを用いて実現されてもよい。ユーザ端末2は、アプリケーションをダウンロードし、当該ダウンロードしたアプリケーションによって各種機能を実現してもよい。また、ユーザ端末2は、当該ユーザ端末2の各種機能を実現するためのプログラムをダウンロードし、当該ダウンロードしたプログラムを実行することによって各種機能を実現してもよい。
【0054】
図8は、本発明の実施形態に係る制御部の機能的構成の一例を示す概略構成図である。
図8に示すように、制御部106は、機能的に、異常検出部200と、判断部202と、タイミング制御部204とを備える。なお、制御部106は、例えば、
図3及び4に示すメモリ114に格納されているプログラムをCPU等が実行したりすることにより実現することができる。また、制御部106は、当該制御部106における処理に用いられるプログラムをダウンロードし、当該ダウンロードしたプログラムを実行することによって実現してもよい。なお、
図2Aに示す制御部13が、機能的に、異常検出部200と、判断部202と、タイミング制御部204とを備えてもよい。
【0055】
異常検出部200は、エアロゾルを生成する香味吸引具1の異常を検出する。異常を検出することは、異常の発生を検出すること、又は、異常の発生のおそれを検出すること等を含む。異常の発生を検出することは、例えば、バッテリ110の発熱が設定値以上となるバッテリ110の異常発熱が起こった場合、バッテリ110の異常の発生を検出することを含む。異常の発生のおそれを検出することは、例えば、バッテリ110の発熱が設定値以上ではないが、バッテリ110の温度が急激に変化したような場合、バッテリ110の異常の発生のおそれを検出することを含む。
【0056】
図9は、本発明の実施形態に係る、出力情報をユーザ端末2に通知するタイミングを示す通知タイミング情報を格納する情報テーブルの一例を示す図である。
図9に示すように、「通知タイミング」情報は、例えば、「異常の内容」情報、「機能」情報、「緊急度」情報、及び「再起動」の有無を示す情報と関連付けて
図3及び4に示すメモリ114に記録される。
【0057】
「異常の内容」は、香味吸引具1の異常の種別をいう。
図9に示すように、「異常の内容」は、例えば、バッテリ110の発熱が設定値以上となるバッテリ110の異常発熱、バッテリ110の充電状態の異常、又は、霧化部118のヒータの発熱が設定値以上となるヒータの異常発熱等を含む。
図9に示すように、一つの機能について一以上の内容の異常が発生してもよい。
【0058】
図8に示す判断部202は、香味吸引具1の異常の内容に基づいて、異常の内容に対応する、香味吸引具1が有する少なくとも一つの機能を停止するか否か判断する。「機能」は、香味吸引具1の機能をいう。
図9に示すように、「機能」は、例えば、バッテリ110、又は、霧化部118のヒータ等のような構成を含んでもよい。また、「機能」は、バッテリ110の電力を供給する機能、又は、霧化部118のヒータの加熱機能等の各構成が発揮する機能を含んでもよい。
【0059】
例えば、判断部202は、センサ112の出力値の異常が発生した場合は、
図9に示す情報テーブルを参照することにより、センサ112の機能を停止すると判断する。例えば、判断部202は、機能を停止するための制御信号を生成して、センサ112に送信することでそれぞれの機能を停止させる。
【0060】
判断部202は、香味吸引具1の異常の内容に基づいて、香味吸引具1が有する少なくとも一つの機能を停止するための緊急度を判断してもよい。「緊急度」は、香味吸引具1の機能を停止するための緊急度をいう。「緊急度」は、例えば、緊急度の高いものから順に「高」、「中」、又は「低」で示される。具体的には、バッテリ110の異常のような香味吸引具1全体に悪影響を及ぼす可能性が高く、且つ、緊急に機能を停止する必要がある場合は、「高」が設定される。なお、緊急度が高い機能には、バッテリ110以外の構成(機能)が含まれてもよい。また、バッテリ110の異常と比べて、センサ112の異常のような、機能の停止に比較的緊急性を要しないものについては「低」が設定される。なお、緊急度は、上記三つのレベルが設定されることに限られず、「高」又は「低」の二つのレベルが設定されてもよいし、四つ以上のレベルが設定されてもよい。
【0061】
図8に示すタイミング制御部204は、香味吸引具1が有する少なくとも一つの機能を停止する場合、香味吸引具1の異常の内容に基づいて、ユーザ端末2において異常の内容を出力するための出力情報をユーザ端末2に通知するタイミングを制御する。「通知タイミング」は、出力情報をユーザ端末2に通知するタイミングをいう。「通知タイミング」は、例えば、(1)出力情報を特定の機能を「停止する前に」ユーザ端末2に通知する場合、(2)出力情報を特定の機能を「停止した後に当該機能が再開する前に」ユーザ端末2に通知する場合、又は、(3)出力情報を特定の機能を「停止した後に当該機能が再開した後に」ユーザ端末2に通知する場合の少なくとも一つのタイミングを含む。
【0062】
例えば、タイミング制御部204は、判断部202が判断した緊急度に基づいて、ユーザ端末2において異常の内容を出力するための出力情報を、機能を停止する前、又は、機能を停止した後の少なくとも一方に、ユーザ端末2に通知するようにタイミングを制御する。具体的には、バッテリ110の異常のような、機能を停止するための「緊急度」が高い異常が発生した場合は、バッテリ110の機能を即座に停止する必要がある。よって、タイミング制御部204は
、バッテリ110の機能を停止する前に出力情報をユーザ端末2に通知せず、バッテリ110の機能が「停止した後に当該機能が再開した後に」出力情報をユーザ端末2に通知するように通知タイミングを制御する。バッテリ110の機能の停止は、例えば、香味吸引具1に対する電力供給を完全停止すること、つまり、シャットダウンすることを含む。シャットダウンとは、香味吸引具1が備える全ての機能を少なくとも一時的に停止することを含んでもよい。バッテリ110の機能の再開は、例えば、バッテリ110に電力が供給されること、つまり、香味吸引具1が再起動することを含む。なお、香味吸引具1の再起動は、
図9に示す「再起動」の有無を示す情報に基づいて自動的に実行されてもよい。また、香味吸引具1の再起動は、ユーザの操作、例えば、ユーザが香味吸引具1に設けられた不図示の電源ボタン等を押下すること等に基づいて実行されてもよい。
【0063】
機能を停止するための「緊急度」が高い異常がバッテリ110以外の構成(機能)において発生した場合は、当該機能を即座に停止する必要がある。しかしながら、バッテリ110の機能については停止していないので、出力情報の通知処理は実行可能である。よって、タイミング制御部204は、異常が発生した機能を「停止した後に当該機能が再開する前に」出力情報をユーザ端末2に通知するように通知タイミングを制御可能である。なお、タイミング制御部204は、異常が発生した機能を「停止した後に当該機能が再開した後に」出力情報をユーザ端末2に通知するように通知タイミングを制御してもよい。
【0064】
これらの構成によれば、機能を停止するための「緊急度」が高い異常が発生した場合は、当該機能を即座に停止することができ、且つ、機能の再開後又は機能の再開前という最適なタイミングで出力情報を通知することができる。
【0065】
他方、機能を停止するための「緊急度」が比較的低い異常が発生した場合は、その機能を即座に停止する必要性は高くない。よって、出力情報をユーザ端末2に通知した後で当該機能を停止する。例えば、タイミング制御部204は、センサ112に異常が発生した場合、ユーザ端末2においてセンサ112の異常の内容を出力するための出力情報を、センサ112の機能を停止する前に、ユーザ端末2に通知するように通知タイミングを制御する。ヒータ又はセンサ112の機能の停止は、バッテリ110の機能を停止する場合と異なり、例えば、ヒータ又はセンサ112の機能ごとの停止を含む。なお、異常の発生状況に応じて、香味吸引具1の状態を、使用プログラムやデータファイル等を格納する所定メモリにのみ電力を供給するスリープ(休止)状態に移行させてもよい。
【0066】
この構成によれば、機能を停止するための「緊急度」が比較的低い異常が発生した場合は、出力情報を通知した後に、当該機能を停止する。よって、このような場合においても機能の停止前という最適なタイミングで出力情報を通知することができる。
【0067】
なお、出力情報を特定の機能を「停止する前に」ユーザ端末2に通知する場合には、出力情報を特定の機能を「停止する処理の実行中に」、又は、「停止する処理の実行前に」ユーザ端末2に通知する場合を含んでもよい。また、出力情報を特定の機能を「停止した後に当該機能が再開する前に」ユーザ端末2に通知する場合には、出力情報を特定の機能を「停止した後に当該機能を再開する処理の実行中に」、又は、「停止した後に当該機能を再開する処理の実行前に」ユーザ端末2に通知する場合を含んでもよい。さらに、出力情報を特定の機能を「停止した後に当該機能が再開した後に」ユーザ端末2に通知する場合には、出力情報を特定の機能を「停止した後に当該機能を再開させる処理の実行中に」、又は、「停止した後に当該機能を再開させる処理の実行後に」、ユーザ端末2に通知する場合を含んでもよい。
【0068】
[異常通知処理]
<第1実施形態>
図10及び
図11を参照して本発明の第1実施形態に係る異常通知処理の一例を説明する。第1実施形態に係る異常通知処理は、香味吸引具のシャットダウン処理を含む異常通知処理である。
図10は、本発明の実施形態に係る異常通知処理の一例を示すフローチャートである。
図10に示すように、ステップS1において、
図8に示す異常検出部200が、エアロゾルを生成する香味吸引具(エアロゾル生成装置)の異常を検出する場合(Yesの場合)、ステップS3に進む。異常検出部200が、エアロゾルを生成する香味吸引具の異常を検出しない場合(Noの場合)、異常を検知するまで待機する。ステップS3において、
図8に示す判断部202は、香味吸引具の異常の内容に基づいて、異常の内容に対応する、香味吸引具が有する少なくとも一つの機能を停止するか否か判断する。機能を停止する場合(Yesの場合)、ステップS5に進む。他方、異常の内容が、例えば軽微なものである場合は、判断部202は、機能を停止しないと判断してもよい。この場合、ステップS2において、異常が発生した旨およびその内容をユーザ端末
2に通知して、ステップS1に戻る。
【0069】
図8に示すタイミング制御部204は、例えば、判断部202が判断した緊急度に基づいて、ユーザ端末2において異常の内容を出力するための出力情報を、機能を停止する前に、又は、機能を停止した後に当該機能が再開するときの少なくとも一方に、ユーザ端末2に通知するように通知タイミングを制御する(ステップS5)。例えば、バッテリ110の異常のような、機能を停止するための「緊急度」が高い異常が発生した場合は、バッテリ110の機能を即座に停止する必要があり(ステップS5においてNo)、ステップS7に進む。判断部202は、シャットダウンを実行する(ステップS7)。ステップS9において、バッテリ110の機能が再開(再起動)する場合(Yesの場合)、タイミング制御部204は、出力情報を、ユーザ端末2に通知するように通知タイミングを制御する(ステップS11)。
【0070】
ユーザ端末2は、例えば、
図2Aに示す通信部14、又は、
図3もしくは4に示す通信部108から、ユーザ端末において香味吸引具の異常の内容を出力するための出力情報を受信すると、受信した出力情報に基づいて、異常の内容を出力する。
【0071】
図11は、本発明の実施形態に係るユーザ端末の出力部で出力される画面の一例を示す図である。
図11に示すように、ユーザ端末2の出力部22の画面上において、香味吸引具の異常の内容、例えば、「バッテリに異常が発生しました」というテキスト情報Tが表示される。また、ユーザ端末2は、テキスト情報Tの代わりに、又は、テキスト情報Tとともに、音声情報、動画情報、又は、画像情報等によって、ユーザに対して香味吸引具の異常の内容を出力してもよい。なお、ユーザ端末2が異常の内容を出力する手段・方法は、これらの例に限られず、ユーザが異常の内容を容易に認識できれば、どのような手段・方法で異常の内容を出力してもよい。
【0072】
この構成によれば、ユーザ端末2において、香味吸引具の異常の内容を、よりユーザが視認しやすい形態で通知することができる。
【0073】
他方、機能を停止するための「緊急度」が比較的低い異常(例えば、
図9に示すセンサ出力値の異常)が発生した場合は、センサ
112の機能を即座に停止する必要性は高くなく(ステップS5においてYes)、ステップS13に進む。まず、ステップS13において、タイミング制御部204は、ユーザ端末2においてセンサ
112の異常の内容を出力するための出力情報をユーザ端末2に通知する。ユーザ端末2は、
図2Aに示す通信部14、又は、
図3もしくは4に示す通信部108から出力情報を受信すると、受信した出力情報に基づいて異常の内容を出力する。次に、センサ
112の機能を停止する(ステップS15)。なお、機能を停止するための「緊急度」が比較的低い異常が発生した場合においても、該当機能の停止後に、異常をユーザ端末2に通知してもよい。
【0074】
以上、本発明の第1実施形態によれば、香味吸引具は、異常の内容に基づいて、異常の内容に対応する、香味吸引具が有する少なくとも一つの機能を停止するか否か判断する。香味吸引具は、少なくとも一つの機能を停止する場合、異常の内容に基づいて、ユーザ端末において異常の内容を出力するための出力情報をユーザ端末に通知する。香味吸引具は、異常の内容に基づいて、出力情報をユーザ端末に通知するタイミングを制御する。よって、香味吸引具の異常の内容を正確に、且つ、労力を要さずに特定することを可能にする。
【0075】
また、バッテリ110において、機能を停止するための「緊急度」が高い異常が発生した場合は、香味吸引具は、バッテリ110を即座にシャットダウンすることができ、且つ、再起動後という最適なタイミングで出力情報を通知することができる。さらに、機能を停止するための「緊急度」が比較的低い異常が発生した場合は、香味吸引具は、該当機能を停止する前の最適なタイミングで出力情報を通知することができる。
【0076】
<第2実施形態>
図12及び
図13を参照して本発明の第2実施形態に係る異常通知処理の一例を説明する。第2実施形態に係る異常通知処理は、香味吸引具のシャットダウン処理を含まない点で、第1実施形態に係る異常通知処理とは異なる。以下では、第1実施形態に係る異常通知処理と異なる点について特に説明する。
図12は、
本発明の実施形態に係る通知タイミング情報の他の一例を示す図である。図13は、
本発明の第2実施形態に係る異常通知処理の一例を示すフローチャートである。
【0077】
例えば、バッテリ110以外の構成(機能)において、機能を停止するための「緊急度」が高い異常(例えば、
図12に示すヒータ異常発熱)が発生した場合(ステップS5においてNo)は、ステップS17に進み、判断部202は、ヒータの機能を即座に停止する。例えば、判断部202は、ヒータへの通電を停止することで、ヒータの機能を停止する。
【0078】
ここで、バッテリ110の機能については停止していないので、出力情報の通知処理は実行可能である。よって、ステップS11において、タイミング制御部204は、異常が発生した機能を「停止した後に当該機能が再開する前に」出力情報をユーザ端末2に通知するように通知タイミングを制御可能である。また、タイミング制御部204は、異常が発生した機能を「停止した後に当該機能が再開した後に」出力情報をユーザ端末2に通知するように通知タイミングを制御可能である。これらの異常通知タイミングの制御は、
図12に示すように、予め設定された通知タイミングに基づいて実行されてもよいし、該当機能が停止された後にユーザによる指示に基づいて通知タイミングが制御されてもよい。
【0079】
他方、「緊急度」がそれほど高くない異常(例えば、「緊急度」が「中」の異常)が発生した場合(ステップS5においてYes)、つまり、
図12に示すように、カートリッジ等の異常(例えば、カートリッジの模倣品の検知等)が発生した場合、タイミング制御部204は、機能停止前にユーザ
端末2に異常を通知する(ステップS13)。なお、機能を停止するための「緊急度」が比較的低い異常が発生した場合においても、該当機能の停止後に、異常をユーザ端末2に通知してもよい。
【0080】
なお、特定の「機能」に対して設定される「通知タイミング」は単一である必要はなく、特定の「機能」の「異常の内容」に応じて異なる複数の「通知タイミング」が設定されてもよい。具体的には、同一機能(例えば、
図12に示す霧化部118のヒータ)に生じた異常であっても、緊急度に応じて異なる通知タイミングを設定することが可能である。
【0081】
本発明の第2実施形態によれば、第1実施形態と同様に、香味吸引具は、香味吸引具の異常の内容を正確に、且つ、労力を要さずに特定することを可能にする。
【0082】
また、バッテリ110以外の構成(機能)において、機能を停止するための「緊急度」が高い異常が発生した場合は、香味吸引具は、当該機能を即座に停止することができ、且つ、機能の再開後(又は機能の再開前)という最適なタイミングで出力情報を通知することができる。さらに、機能を停止するための「緊急度」が比較的低い異常が発生した場合は、香味吸引具は、該当機能を停止する前の最適なタイミングで出力情報を通知することができる。
【0083】
図14は、本発明の実施形態に係るコンピュータのハードウエア構成の一例を示す図である。
図14を参照して、
図1に示すユーザ端末2を構成するのに用いることができるコンピュータのハードウエア構成の一例について説明する。
【0084】
図14に示すように、コンピュータ40は、ハードウエア資源として、主に、プロセッサ41と、主記録装置42と、補助記録装置43と、入出力インターフェース44と、通信インターフェース45とを備えており、これらはアドレスバス、データバス、コントロールバス等を含むバスライン46を介して相互に接続されている。なお、バスライン46と各ハードウエア資源との間には適宜インターフェース回路(図示せず)が介在している場合もある。
【0085】
プロセッサ41は、コンピュータ全体の制御を行う。主記録装置42は、プロセッサ41に対して作業領域を提供し、SRAM(Static Random Access Memory)やDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性メモリである。補助記録装置43は、ソフトウエアであるプログラム等やデータ等を格納する、HDDやSSD、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリである。当該プログラムやデータ等は、任意の時点で補助記録装置43からバスライン46を介して主記録装置42へとロードされる。
【0086】
入出力インターフェース44は、情報を提示すること及び情報の入力を受けることの一方又は双方を行うものであり、デジタル・カメラ、キーボード、マウス、ディスプレイ、タッチパネル・ディスプレイ、マイク、スピーカ、温度センサ等である。
【0087】
上に例示したハードウエア資源とソフトウエアとの協働により、コンピュータ40は、所望の手段として機能し、所望のステップを実行し、所望の機能を実現させることできることは、当業者には明らかである。
【0088】
上記各実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく、変更/改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。
【符号の説明】
【0089】
1,1A,1B…香味吸引具、2…ユーザ端末、11…センサ、12…変化部、13…制御部、14…通信部、21…検知部、22…出力部、23…入力部、24…記録部、25…通信部、26…制御部、100…異常通知処理システム、102…第1の部材、104…第2の部材、106…制御部、108…通信部、110…バッテリ、112…センサ、114…メモリ、116…リザーバ、118…霧化部、120…空気取込流路、121…エアロゾル流路、122…吸口部、126…第3の部材、128…香味源、131…ハウジング、131A…トップハウジング、131B…ボトムハウジング、132…カバー、132B…開口、133…スイッチ、134…蓋部、140…吸引物品、161,162…端、200…異常検出部、202…判断部、204…タイミング制御部