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特許7248825デュアルフューエルによるメガコンテナ船ガスの供給システム及びメガコンテナ船
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-20
(45)【発行日】2023-03-29
(54)【発明の名称】デュアルフューエルによるメガコンテナ船ガスの供給システム及びメガコンテナ船
(51)【国際特許分類】
   B63H 21/38 20060101AFI20230322BHJP
   B63B 11/04 20060101ALI20230322BHJP
   F02D 19/08 20060101ALI20230322BHJP
【FI】
B63H21/38 B
B63B11/04 B
F02D19/08 C
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2021572700
(86)(22)【出願日】2020-07-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-20
(86)【国際出願番号】 CN2020102855
(87)【国際公開番号】W WO2021008620
(87)【国際公開日】2021-01-21
【審査請求日】2021-08-23
(31)【優先権主張番号】201910650422.6
(32)【優先日】2019-07-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521375139
【氏名又は名称】上海外高橋造船有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】李欣
(72)【発明者】
【氏名】王▲キ▼
(72)【発明者】
【氏名】王怡
(72)【発明者】
【氏名】羅小林
(72)【発明者】
【氏名】周▲キョウ▼
(72)【発明者】
【氏名】劉剛
(72)【発明者】
【氏名】王章健
(72)【発明者】
【氏名】張偉
(72)【発明者】
【氏名】黄咏文
(72)【発明者】
【氏名】沈偉萍
【審査官】福田 信成
(56)【参考文献】
【文献】独国実用新案第202014000942(DE,U1)
【文献】中国特許出願公開第109178204(CN,A)
【文献】国際公開第2018/078720(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0144733(US,A1)
【文献】特開2018-138436(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63H 21/38
B63B 11/04
F02D 19/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
甲板の下方に設置されるLNG燃料箱と、
前記甲板の下方に設置されると共に船舶の尾部に位置する、エンジンルームと、
前記甲板の上方に設置されるガス燃料処理室と、を含み、
前記LNG燃料箱における燃料は、前記ガス燃料処理室に運送されて処理されると共に、前記エンジンルームにおけるガス消費機器に運送され、
前記エンジンルーム内には、デュアルフューエルエンジン、デュアルフューエル発電設備及びデュアルフューエルボイラーが設置されており、
前記LNG燃料箱は、前記エンジンルームの前方に設置されると共に、前記エンジンルームの前壁と近接しており、
前記LNG燃料箱は、船舶の中央部に設置されると共に、上層建物の下方に位置し、
管路ステーション及び補給管路をさらに含み、前記管路ステーションは、船縁の両側に設置されると共に甲板の上方に位置し、
前記LNG燃料箱と、近接するコンテナとの間には、仕分け箱が設けられる、ことを特徴とする、デュアルフューエルによるメガコンテナ船ガスの供給システム。
【請求項2】
燃料供給配管領域をさらに含み、前記燃料供給配管領域には、前記ガス燃料処理室から前記エンジンルームへ流れる配管が配置されており、
好ましくは、前記燃料供給配管領域には、燃料源と着火源とが隔離されており、火炎探知装置がさらに設置される、ことを特徴とする、請求項1に記載のデュアルフューエルによるメガコンテナ船ガスの供給システム。
【請求項3】
前記エンジンルームには、燃料配管が二重管とされると共に、可燃性ガス探知装置が設置される、ことを特徴とする、請求項1に記載のデュアルフューエルによるメガコンテナ船ガスの供給システム。
【請求項4】
前記ガス燃料処理室には、液体燃料タンクが含まれており、前記LNG燃料箱には、燃料を前記液体燃料タンクに引き揚げる低圧燃料引き揚げポンプが設置され、
好ましくは、前記ガス燃料処理室には、前記液体燃料タンクにおける燃料を気体にして、昇温させてから、エンジンルームにおけるデュアルフューエル発電設備及びデュアルフューエルボイラーに運送する、低圧気化器が含まれており、
好ましくは、前記ガス燃料処理室には、高圧ブースターポンプ及び高圧気化器が含まれており、前記高圧ブースターポンプは、前記液体燃料タンクにおける燃料を気体にして増圧させてから前記高圧気化器に運送し、前記高圧気化器は、燃料を気体にして昇温させてからエンジンルーム内のデュアルフューエルエンジンに運送する、ことを特徴とする、請求項に記載のデュアルフューエルによるメガコンテナ船ガスの供給システム。
【請求項5】
前記ガス燃料処理室に設置されるBOGコンプレッサーセットをさらに含み、
好ましくは、前記BOGコンプレッサーセットには、BOGコンプレッサー及び入口熱交換器が含まれる、ことを特徴とする、請求項1に記載のデュアルフューエルによるメガコンテナ船ガスの供給システム。
【請求項6】
気体透過マストをさらに含む、ことを特徴とする、請求項1に記載のデュアルフューエルによるメガコンテナ船ガスの供給システム。
【請求項7】
前記LNG燃料箱は、IMOB型箱、薄膜型箱、IMOC型箱又はIMOA型箱とされる、ことを特徴とする、請求項1に記載のデュアルフューエルによるメガコンテナ船ガスの供給システム。
【請求項8】
前記LNG燃料箱は、双耳の円柱型であり缶形状とされるIMOC型箱とされる、ことを特徴とする、請求項に記載のデュアルフューエルによるメガコンテナ船ガスの供給システム。
【請求項9】
IMOA型箱とされる前記LNG燃料箱は、独立する貯蔵缶であり、完全的に絶縁となるコンテナに位置しており、自己張り広げる型の堅固な一次バリアシステム及び液密の二次バリアシステムを有する、ことを特徴とする、請求項に記載のデュアルフューエルによるメガコンテナ船ガスの供給システム。
【請求項10】
前記エンジンルームには、デュアルフューエルエンジン、デュアルフューエル発電設備及び燃料ボイラーが設置されており、又は、
前記エンジンルームには、デュアルフューエルエンジン、デュアルフューエル発電設備及び天然ガス焼却炉装置が設置される、ことを特徴とする、請求項1に記載のデュアルフューエルによるメガコンテナ船ガスの供給システム。
【請求項11】
管路ステーション、補給継ぎ手、補給管路及び液体捕集器具をさらに含み、前記管路ステーションは、船縁の両側に設置されると共に甲板の上方に位置し、前記液体捕集器具は、補給継ぎ手の下方に設置される、ことを特徴とする、請求項1に記載のデュアルフューエルによるメガコンテナ船ガスの供給システム。
【請求項12】
前記管路ステーションには、固定式の粉末消火システムがさらに含まれる、ことを特徴とする、請求項11に記載のデュアルフューエルによるメガコンテナ船ガスの供給システム。
【請求項13】
回転プラットフォームをさらに含み、前記回転プラットフォームは、前記管路ステーションに作用しており、船舶が航行する時に、航行の際における海風や海波を遮断するように船の内側へ収納される一方、船舶が停泊してLNGを補給する時に、船外側へ開き、
好ましくは、前記回転プラットフォームが、油圧動力システムにより駆動され、
好ましくは、前記回転プラットフォームが、前記管路ステーションに近い船体の外部板からなる、ことを特徴とする、請求項11に記載のデュアルフューエルによるメガコンテナ船ガスの供給システム。
【請求項14】
LNG気体透過管路、管路ステーション及び気体透過マストをさらに含み、
前記LNG燃料箱、前記管路ステーション及び前記ガス燃料処理室におけるガス燃料処理システムは、それぞれ、前記気体透過マストに連通するように接続される前記LNG気体透過管路が設置される、ことを特徴とする、請求項1に記載のデュアルフューエルによるメガコンテナ船ガスの供給システム。
【請求項15】
前記エンジンルームに含まれるガス燃料システム及びデュアルフューエルディバイスは、それぞれ、前記気体透過マストに連通するように接続される、前記LNG気体透過管路が設置される、ことを特徴とする、請求項14に記載のデュアルフューエルによるメガコンテナ船ガスの供給システム。
【請求項16】
前記ガス燃料処理室から前記エンジンルームまでの燃料輸送配管は、密封式のガス燃料配管である、ことを特徴とする、請求項1に記載のデュアルフューエルによるメガコンテナ船ガスの供給システム。
【請求項17】
デュアルフューエルエンジンをさらに含み、
前記デュアルフューエルエンジンは、高圧デュアルフューエル機関又は2ストローク低速デュアルフューエル機関とされる、ことを特徴とする、請求項1に記載のデュアルフューエルによるメガコンテナ船ガスの供給システム。
【請求項18】
請求項1から17のうちのいずれか一項に記載のデュアルフューエルによるメガコンテナ船ガスの供給システムを含む、ことを特徴とする、メガコンテナ船。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、出願日が2019年7月18日であるCN201910650422.6という中国特許出願に基づいて、その優先権を主張しており、この中国特許出願の内容を全体としてここに援用するものである。
【0002】
本発明は、デュアルフューエルによるメガコンテナ船ガスの供給システム及びメガコンテナ船に関する。
【背景技術】
【0003】
未来に厳しくなる「TierIII」の排出については、現在において、従来の燃料をそのまま用いるが後期処理装置を採用するということ、天然ガスによる動力システムを採用すること、という二つの対策が主に存在している。
【0004】
後期処理装置を採用するという手段については、排気ガスシステムにおいて、NOx後期処理装置(選択触媒還元反応装置(SCR)、排気再循環(EGR)や脱硫洗浄塔(Scrubber))を追加して取り付けること、及び、専ら精製されたスイート原油(MGO)を使用することが含まれる。しかしながら、以上の後期処理装置を使用する場合には、ディバイスのコストを初期に掛けるだけでなく、使用が始まると稼働や保守用コストも比較的大きい。天然ガスは、その発熱量が高く、硫を含まず、綺麗に燃焼でき、排気量が低いことから、未来において、環境に優しいグリーン船にとって最初の選択となる。中国国外の研究資料によると、天然ガスを燃料として選ぶと、各種類の排気を明らかに削減することが分かる。
【0005】
従来の燃料と天然ガスとの両方を兼用可能なデュアルフューエル動力システムは、炭素、硫、粒子や燼渣などの汚染物を大幅に削減して排出できるだけでなく、燃料のコストや費用を大幅に削減することができる。TierIIIの排気ガスが実施していくのに伴い、また、天然ガスが価格に優位性を持っているため、ますます多くなるメガコンテナ船事業者は、デュアルフューエルによる前進システムを用いて船舶に動力を供給することが傾向にあり、未来において新規製造されるメガコンテナ船舶に、デュアルフューエルを直接に用いて前進を行うものが多くなり、また、航行のコストを低くして、日々に厳しくなる環境保護の要求を満たすように、デュアルフューエルにより前進を行うように改装できるための船級符号を取得することがある。デュアルフューエル動力システムによるメガコンテナ船は、未来に、主流となる傾向であり、非常に幅広い見通しが存在している。
【0006】
現在に、中国国内に既存しているLNG動力システム箱は、その容積が比較的小さく、一般的に、2000立方メートルを超えない。大きい容量を持つLNG動力システムを研究して解決する技術的手段は、メガコンテナ船及び他の大型遠洋航行船の設備であるデュアルフューエル動力システムを解決して、最新IGFCODE、ISOの規則、及び、船級協会による規範の要求を満たし、国際間に航行を安全に実現することに必要な保証である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の解決しようとする技術問題は、従来技術において、LNG燃料箱の容積が大きく、LNG燃料ガス供給システムが複雑であり、配置が難しいという欠陥を克服するために、デュアルフューエルによるメガコンテナ船ガスの供給システム及びメガコンテナ船を提供するということにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記の技術問題を以下の技術的手段により解決するものである。
【0009】
デュアルフューエルによるメガコンテナ船ガスの供給システムは、甲板の下方に設置されるLNG燃料箱と、前記甲板の下方に設置されると共に船舶の尾部に位置するエンジンルームと、前記甲板の上方に設置されるガス燃料処理室とを含み、前記LNG燃料箱における燃料は、前記ガス燃料処理室に運送されて処理されると共に、前記エンジンルームにおけるガス消費機器に運送されることを特徴とする。
【0010】
メガコンテナ船には、1万個のコンテナ以上乃至2万5千個のコンテナのメガコンテナ船(UltraLarge Container Vessel)が主に含まれる。このような船舶は、その特徴が、ダブルアイランドという設計を採用することにあり、つまり、上方に建てられた生活領域とエンジンルーム領域とが、それぞれ、船中央と船尾部との領域に配置されることにある。
【0011】
本手段に係るLNG燃料箱は、甲板の下方に設置されることから、船舶の安定性に対するLNG燃料の影響、防火用隔離、危険な領域への区画、及び、天然ガス管路を配置する利便性が総合的に考えられている。また、メガコンテナ船の内部空間を最大限度に利用することから、最大かつ有効な容積は、メガコンテナ船が航路全体にLNG燃料を使用しても、船舶が所定の航路を少なくとも一回往復することができるように満たされている。及び/又は、前記エンジンルームには、デュアルフューエルエンジン、デュアルフューエル発電設備及びデュアルフューエルボイラーが設置される。及び/又は、前記LNG燃料箱は、前記エンジンルームの前方に設置されると共に前記エンジンルームの前壁と近接する。LNG燃料箱を、エンジンルームと近接する領域に設置することが、好ましい手段の一つであり、燃料を運送する距離を効果的に短くすることができる。
【0012】
及び/又は、前記LNG燃料箱は、船舶の中央部に設置されると共に上層建物の下方に位置する。LNG燃料箱は、船舶の中央部における規則的な断面領域が利用されており、当該領域に位置する燃料箱の形状が一層に整うため、積荷空間への影響が比較的小さい。しかしながら、それは、エンジンルームにおけるガス消費機器からの距離が比較的遠い。
【0013】
及び/又は、前記デュアルフューエルによるメガコンテナ船ガスの供給システムは、管路ステーション及び補給管路をさらに含み、前記管路ステーションは、船縁の両側に設置されると共に甲板の上方に位置する。管路ステーションを設置することは、大型のメガコンテナ船に補給を行う柔軟性と、メガコンテナ船が複数の動作状態にある場合でも、両側からそれぞれ燃料を補給するというニーズが考えられている。及び/又は、前記LNG燃料箱と、近接するコンテナとの間には、仕分け箱が設置される。
【0014】
好ましくは、前記デュアルフューエルによるメガコンテナ船ガスの供給システムは、燃料供給配管領域をさらに含み、前記燃料供給配管領域には、前記ガス燃料処理室から前記エンジンルームまで流れる配管が設置される。燃料供給配管領域は、主に、ガス燃料処理室からエンジンルームへ流れる配管を設置し、エンジンルームにあるガス消費機器に燃料を適正に供給するためのものであり、当該領域は、潜在的燃料源と機器との間に位置しており、一定の物理的隔離のみならず、換気を十分に保証することも必要である。そうすると、燃料源と着火源とを十分に隔離する。
【0015】
好ましくは、前記燃料供給配管領域には、燃料源と着火源とが隔離されており、火炎探知装置がさらに設置される。燃料供給配管領域には、若干の火炎探知装置を取り付ける以外に、適当な消防装置により、火災状況の発生や蔓延を一層に抑えることも必要である。
【0016】
好ましくは、前記エンジンルームには、燃料配管が二重管とされると共に、可燃性ガス探知装置が設置される。エンジンルームに内燃機関及び補助ボイラーなどの着火ディバイスが含まれているため、当該領域を可及的に、あらゆる燃料源と隔離させることが必要となり、そして、火災の発生を効果的に抑えるように、エンジンルームにおける燃料配管を二重管にして、若干の可燃性ガス探知装置を適正に取り付けることが必要となる。エンジンルームには、換気扇の入気口を危険でない領域に設計しなければならず、しかも、可燃性ガス探知装置を取り付けることが必要となる。
【0017】
好ましくは、前記ガス燃料処理室には、液体燃料タンクが含まれており、前記LNG燃料箱には、燃料を前記液体燃料タンクに引き揚げる低圧燃料引き揚げポンプが設置される。
【0018】
好ましくは、前記ガス燃料処理室には、前記液体燃料タンクの燃料を気体にして昇温させてエンジンルームにおけるデュアルフューエル発電設備及びデュアルフューエルボイラーに運送する、低圧気化器が含まれる。
【0019】
好ましくは、前記ガス燃料処理室には、高圧ブースターポンプ及び高圧気化器が含まれており、前記高圧ブースターポンプは、前記液体燃料タンクの燃料を気体にして増圧させてから前記高圧気化器に運送し、前記高圧気化器は、燃料を気体にして昇温させてエンジンルームにおけるデュアルフューエルエンジンに運送する。
【0020】
好ましくは、前記デュアルフューエルによるメガコンテナ船ガスの供給システムは、前記ガス燃料処理室内に設置されるBOGコンプレッサーセットをさらに含む。BOGコンプレッサーセットは、甲板に位置することから、換気が良く補修が利便であると共に、騒音による影響がさらに考えられる。
【0021】
好ましくは、前記BOGコンプレッサーセットは、BOGコンプレッサー及び入口熱交換器を含む。
【0022】
好ましくは、前記デュアルフューエルによるメガコンテナ船ガスの供給システムは、気体透過マストをさらに含む。気体透過マストは、正常に稼働し又は事故が発生した時に、ガス抜きという動作に用いられており、圧力システムからの可燃性ガスの燃料を安全的に、操作者やディバイスに危険を与えることなく、大気に排出するための施設である。気体透過マストの位置を特定することは、主に役割が叶う風向、人員の生活領域、換気扇の出気口などの様々な要素を総合的に考えることが必要となる。気体透過マストは、一般的に、主に役割が叶う風向の下方において、人員の生活領域及び換気扇の出気口から遠く離れた箇所に設置される。
【0023】
好ましくは、前記LNG燃料箱は、IMOB型箱、薄膜型箱、IMOC型箱又はIMOA型箱とされる。
【0024】
好ましくは、前記LNG燃料箱は、双耳の円柱型であり缶形状とされるIMOC型箱とされる。
【0025】
好ましくは、IMOA型箱とされる前記LNG燃料箱は、独立する貯蔵缶であり、完全的に絶縁となるコンテナに位置しており、自己張り広げる型の堅固な一次バリアシステム及び液密の二次バリアシステムを有する。
【0026】
好ましくは、前記エンジンルームには、デュアルフューエルエンジン、デュアルフューエル発電設備及び燃料ボイラーが設置されており、又は、前記エンジンルームには、デュアルフューエルエンジン、デュアルフューエル発電設備及び天然ガス焼却炉装置が設置される。
【0027】
好ましくは、前記デュアルフューエルによるメガコンテナ船ガスの供給システムには、管路ステーション、補給継ぎ手、補給管路及び液体捕集器具をさらに含み、前記管路ステーションは、船縁の両側に設置されると共に甲板の上方に位置し、前記液体捕集器具は、補給継ぎ手の下方に設置される。
【0028】
好ましくは、前記管路ステーションには、水幕システムが含まれており、前記水幕システムは、前記管路ステーションにおける付属品の船体鋼の構成を含むためのものである。好ましくは、前記管路ステーションには、固定式の粉末消火システムがさらに含まれる。
【0029】
好ましくは、前記デュアルフューエルによるメガコンテナ船ガスの供給システムには、回転プラットフォームをさらに含み、前記回転プラットフォームは、前記管路ステーションに作用しており、船舶が航行する時に、航行の際における海風や海波を遮断するように船の内側へ収納される一方、船舶が停泊してLNGを補給する時に、船外側へ開く。
【0030】
好ましくは、前記回転プラットフォームが、油圧動力システムにより駆動される。
【0031】
好ましくは、前記回転プラットフォームが、前記管路ステーションに近い船体の外部板からなる。
【0032】
好ましくは、前記デュアルフューエルによるメガコンテナ船ガスの供給システムは、LNG気体透過管路、管路ステーション及び気体透過マストをさらに含み、前記LNG燃料箱、前記管路ステーション及び前記ガス燃料用意室におけるガス燃料処理システムは、それぞれ、前記気体透過マストに連通するように接続される前記LNG気体透過管路が設置される。
【0033】
好ましくは、前記エンジンルームに含まれるガス燃料システム及びデュアルフューエルディバイスは、それぞれ、前記気体透過マストに連通するように接続される、前記LNG気体透過管路が設置される。
【0034】
好ましくは、前記燃料処理室から前記エンジンルームまでの燃料輸送配管は、密封式のガス燃料配管であり、好ましくは、前記燃料輸送配管は、換気式の二重管とされる。
【0035】
好ましくは、デュアルフューエルによるメガコンテナ船ガスの供給システムは、デュアルフューエルエンジンをさらに含み、前記デュアルフューエルエンジンは、高圧デュアルフューエル機関又は2ストローク低速デュアルフューエル機関とされる。
【0036】
メガコンテナ船は、上記に記載のデュアルフューエルによるメガコンテナ船ガスの供給システムを含む、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0037】
本発明による積極的な進歩や効果が以下の通りである。
【0038】
本発明に係るLNG燃料箱は、甲板の下方に設置されることから、LNG燃料箱を設置することは、船舶の安定性に対するLNG燃料の影響、防火用隔離、危険な領域への区画、及び、天然ガス管路を配置する利便性が総合的に考えられている。また、メガコンテナ船の内部空間を最大限度に利用することから、最大かつ有効な容積は、メガコンテナ船が航路全体にLNG燃料を使用しても、船舶が所定の航路を少なくとも一回往復することができるように満たされている。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】本発明の実施例1に係るメガコンテナ船の内部構成の模式図である。
図2】本発明の実施例1に係るメガコンテナ船の構成の正面模式図である。
図3】本発明の実施例1に係るエンジンルーム棚及び煙突領域の構成の模式図である。
図4】本発明の実施例1に係るガス燃料処理室の構成の模式図である。
図5】本発明の実施例2に係るメガコンテナ船の内部構成の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下には、実施例という形態に基づいて、詳しく本発明を説明するが、本発明を、説明する実施例による範囲に限定するわけではない。
【0041】
実施例1
図1から図4に示すように、本発明は、デュアルフューエルによるメガコンテナ船ガスの供給システムを含み、ただし、本実施例に係るデュアルフューエルによるメガコンテナ船ガスの供給システムは、甲板17の下方に設置されるLNG燃料箱1を含む、メガコンテナ船を開示している。安全上の設計のため、LNG燃料箱1と、近接するコンテナとの間には、仕分け箱が設置されている。
【0042】
本明細書に言及するLNG燃料箱1は、IMOB型箱、薄膜型箱、IMOC型箱又はIMOA型箱とされてもよい。LNG燃料箱1が占める空間が同じである場合には、有効な容積について、IMOB型箱及び薄膜型箱のほうがIMOC型箱のほうよりも大きい。しかし、IMOC型箱は、その設計が比較的簡単であり、製造用コストがより低く、LNGを燃料とするコンテナ船に幅広く適用可能である。LNG燃料箱1は、双耳の円柱型であり缶形状とされるIMOC型箱が好ましく、IMOC型箱による空間の利用率が比較的低いという問題を効果的に改善することができる。IMOA型箱は、独立する貯蔵缶であり、完全的に絶縁となるコンテナに位置しており、自己張り広げる型の堅固な一次バリアシステム及び液密の二次バリアシステムを有する。IMOA型箱に係る技術は、当業者にとって周知の技術に該当するため、ここで、詳しく説明しない。LNTMarineAS会社によるLNT-A-BOXシステムを参照すればよい。
【0043】
本実施例に係るデュアルフューエルによるメガコンテナ船ガスの供給システムは、エンジンルーム15をさらに含み、エンジンルーム15は、甲板17の下方に設置されると共に船舶の尾部に位置する。
【0044】
本実施例に係るデュアルフューエルによるメガコンテナ船ガスの供給システムは、ガス燃料処理室5をさらに含み、ガス燃料処理室5は、甲板17の上方に設置され、ただし、LNG燃料箱1における燃料は、ガス燃料処理室5に運送されて処理されると共に、エンジンルーム15におけるガス消費機器に運送される。
【0045】
本手段に係るLNG燃料箱1は、甲板17の下方に設置される。LNG燃料箱1を配置することは、船舶の安定性に対するLNG燃料箱1の影響、防火用隔離、危険な領域への区画、及び、天然ガス管路を配置する利便性が総合的に考えられている。また、メガコンテナ船の内部空間を最大限度に利用することから、最大かつ有効な容積は、メガコンテナ船が航路全体にLNG燃料を使用しても、船舶が所定の航路を少なくとも一回往復することができるように満たされている。
【0046】
本実施例では、エンジンルーム15には、デュアルフューエルエンジン2、デュアルフューエル発電設備3及びデュアルフューエルボイラー4が設置される。他の代替的な実施形態では、デュアルフューエルボイラー4が、通常の燃料ボイラー又はGCU(天然ガス焼却炉装置)に代替されてもよく、また、GCUは、LNG燃料箱における余計なBOGの気化した気体を処理することができる。
【0047】
デュアルフューエルエンジン2は、マン会社によるME-GI系列の高圧デュアルフューエル機関(当該機関は、最高の稼働圧力が300バール)又はWinterthur Gas & Diesel Ltd会社によるWinGDX-DF系列の2ストローク低速デュアルフューエル機関を選択してもよい。
【0048】
マン会社によるME-GI系列の高圧デュアルフューエル機関は、デュアルフューエルの利用者に、その使用要求を満たすガス燃料を供給するように、高圧ガス供給システムと低圧ガス供給システムを船舶に配置する。当該機関は、ディーゼル(Diesel)サイクルという稼働方式を採用しているため、燃料及びガス燃料によるモードでは、NOx排気ガスがTierIIの標準を満たさなければならず、そして、排気ガス処理ディバイスと選択触媒還元反応装置(SCR)又は排気再循環装置(EGR)とを組み合わせてTierIIIの排気要求を満たすことが必要となる。しかしながら、当該機関は、最初から、メタン逸脱の現象を完全に避けることができる。
【0049】
Winterthur Gas & Diesel Ltd会社によるWinGDX-DF系列の2ストローク低速デュアルフューエル機関については、当該発電機がオットーサイクル(Ottocycle)という稼働方式を採用しているため、最高の動作圧力が16バールを超えず、気体のモードでは、TierIIIの排出標準をそのまま満たして、例えばSCR装置(選択触媒還元反応装置)である脱硝装置を付加的に設置する必要性がない。しかし、オットーサイクル機関は、ガス燃料によるモードを用いて稼働する時に、メタン逸脱の現象が存在しており、環境に一定の影響を与えてしまう。当該機関を採用すると、対応するデュアルフューエルによるメガコンテナ船ガスの供給システムが動作する圧力を低下させることができる。ガス供給システムについては、16バールだけの圧力であるガス燃料を、デュアルフューエルエンジン2に、6~9バールだけのガス燃料を、デュアルフューエル発電設備3及びデュアルフューエルボイラー4に、それぞれ供給すればよい。ガス供給システムにおけるディバイスの配置及びプロセスの流れが比較的簡単であり、高圧ブースターポンプ8を設置することを必要としない。LNG燃料箱1における低圧燃料引き揚げポンプ22により、LNGを、低圧気化器11に提供して昇温させ、気体にして、そのまま、デュアルフューエルエンジン2に用いる。ただし、本分野では、「低圧燃料引き揚げポンプ22」について、他の通常の呼び方が「LNG運送ポンプ」であり、「低圧気化器11」について、他の通常の呼び方が「低圧気化器/加熱器」である。
【0050】
図1及び図2に示すように、本実施例では、LNG燃料箱1がエンジンルーム15の前方に設置されると共にエンジンルーム15の前壁と近接する。LNG燃料箱1を、エンジンルームと近接する領域に設置することが、好ましい手段の一つであり、燃料を運送する距離を効果的に短くすることができる。
【0051】
図4に示すように、デュアルフューエルによるメガコンテナ船ガスの供給システムは、管路ステーション7及び補給管路をさらに含み、管路ステーション7は、船縁の両側に設置されると共に甲板17の上方に位置する。管路ステーション7の設置及び機能は、それぞれ、LNGのタンクローリーにより補給し又はLNG補給船により補給を行う要求を満たすとよい。管路ステーション7を設置することは、大型のメガコンテナ船に補給を行う柔軟性と、メガコンテナ船が複数の動作状態にある場合でも、両側からそれぞれ燃料を補給するというニーズが考えられている。管路ステーション7は、その燃料管路が、船端側からの距離が800mm以上でなければならない。補給継ぎ手及び管路については、それらの位置及び設置は、燃料管路が如何して破壊されても、船舶の燃料保護システムが破壊されることにより、気体が制御不可能に排放されてしまうことがないようにしなければならない。LNGを補給する過程において、漏れにより船体の構成が耐えない低温で破壊されてしまうということを防ぐように、LNG補給継ぎ手と漏れの可能性が存在する如何なる位置の下方とに、液体捕集器具を設置しなければならない。液体捕集器具及び配管類は、適当な材料で製造しなければならない。溢れたLNGを排放管を介して船端外へ排出するように、液体捕集器具の側壁に越流ゲートを設置しなければならない。
【0052】
IGFCodeという規範の要求に従って、管路ステーション7に固定式の粉末消火システムを配置しなければならない。管路ステーション7の領域には、低圧水幕システムを提供して、管路ステーション7に近い船体鋼の構成に付加的な保護を与える。低圧水幕システムは、LNGが作業する時に、稼働する。
【0053】
管路ステーション7が位置する船体外部板は、油圧動力によるシステムにより駆動される回転プラットフォームとして構成されてもよい。回転プラットフォームは、船舶が航行する時に、航行の際における海風や海波を遮断するように船の内側へ収納される一方、船舶が停泊してLNGを補給する時に、船外側へ開き、管路ステーション7の操作空間を広げ、LNGを補給する船舶への操作を便宜にする。
【0054】
本実施例では、デュアルフューエルによるメガコンテナ船ガスの供給システムは、ガス燃料処理室5からエンジンルーム15まで流れる配管が設置される、燃料供給配管領域をさらに含む。燃料供給配管領域は、主に、ガス燃料処理室5からエンジンルーム15まで流れる配管を設置し、エンジンルーム15にあるガス消費機器に燃料を適正に供給するためのものであり、当該領域は、潜在的燃料源と機器との間に位置しており、一定の物理的隔離のみならず、換気を十分に保証することも必要である。そうすると、燃料源と着火源とを十分に隔離する。
【0055】
本実施例では、燃料供給配管領域と燃料源及び着火源とが隔離され、燃料供給配管領域に、火炎探知装置がさらに設置される。燃料供給配管領域には、若干の火炎探知装置を取り付ける以外に、適当な消防装置により、火災状況の発生や蔓延を一層に抑えることも必要である。
【0056】
本実施例では、エンジンルーム15には、燃料配管が二重管とされ、しかも、可燃性ガス探知装置が設置されてもよい。エンジンルーム15に内燃機関及び補助ボイラーなどの着火ディバイスが含まれることから、当該領域を、可及的に、あらゆる燃料源から隔離することが必要となる。従って、火災の発生を効果的に抑えるように、エンジンルーム15における燃料配管を二重管にして、若干の可燃性ガス探知装置を適正に取り付けることが必要となる。エンジンルーム15には、換気扇の入気口を危険でない領域に設計しなければならず、しかも、可燃性ガス探知装置を取り付けることが必要となる。
【0057】
図4に示すように、本実施例に係るガス燃料処理室5には、液体燃料タンク20を含み、LNG燃料箱1には、低圧燃料引き揚げポンプ22が設置されており、低圧燃料引き揚げポンプ22は、燃料を、液体燃料タンク20に引き揚げる。システムにおける液体燃料タンク20は、火炎なしの圧力容器に該当しており、LNG燃料箱1における低圧燃料引き揚げポンプ22は、LNGを、液体燃料タンク20に運送する。タンクにおける一部のLNGは、直接に低圧気化器11により気体にされ昇温させてから、低圧燃料の総配管を介して、デュアルフューエル発電設備3及びデュアルフューエルボイラー4による消費に供給される。タンクにおける他の一部のLNGは、高圧ブースターポンプ8の入口に運送され、当該ポンプを介して低圧であるLNGを300bar以上になるように増圧され、再度、高圧気化器10(高圧チューブ気化器が好ましい)を介して、気体にされ、昇温させてからデュアルフューエルエンジン2による消費に用いられる。
【0058】
図4に示すように、本実施例に係るガス燃料処理室5には、低圧気化器11を含み、低圧気化器11は、液体燃料タンク20の燃料を、気体にして昇温させてエンジンルーム15におけるデュアルフューエル発電設備3及びデュアルフューエルボイラー4に運送する。
【0059】
図4に示すように、本実施例に係るガス燃料処理室5には、高圧ブースターポンプ8及び高圧気化器10を含み、高圧ブースターポンプ8は、液体燃料タンク20における燃料を気体にして増圧させてから、高圧気化器10に運送し、高圧気化器10は、燃料を気体にして昇温させてエンジンルーム15におけるデュアルフューエルエンジン2に運送する。
【0060】
燃料気体は、二つの主な源がある。
【0061】
一番目は、LNGから気化したものである。つまり、LNG燃料箱1におけるLNGは、燃料ポンプにより増圧させてから、低圧ガス供給システムを介してLNG気化とNG昇温加熱器に運送され、LNGを強制に気体にして燃料気体を昇温させるようにされる。燃焼の要求を満たしている燃料気体は、これから、燃料気体の総配管に流れ込み、それぞれ、減圧と各燃料への運送を待って、発電機に燃料気体を消費させることに用いられる。高圧ガス供給システムは、持続的に、それを高圧ブースターポンプ8に運送してからLNG気化及びNG昇温加熱器に運送し、LNGを強制に気体にして燃料気体を昇温させるようにする。燃焼の要求を満たしている燃料気体は、これから、燃料気体の総配管に流れ込み、エンジンに燃料気体を消費させることに用いられる。
【0062】
二番目は、LNG燃料箱における気化した気体BOGについて、BOGコンプレッサー9及び必要な熱交換器により、それぞれ、BOGに対する増圧と昇温の過程を実現する。燃焼の要求を満たしている燃料気体であるBOG気体は、低圧燃料気体の総配管に流れ込み、各燃料のユーザー(デュアルフューエル発電設備及びデュアルフューエルボイラー)に運送され、燃料気体を消費することに用いられる。
【0063】
図4に示すように、本実施例に係るデュアルフューエルによるメガコンテナ船ガスの供給システムは、ガス燃料処理室5に設置されるBOGコンプレッサーセットをさらに含む。BOGコンプレッサーセットは、甲板17に位置することから、換気が良く補修が利便であると共に、騒音による影響がさらに考えられる。BOGコンプレッサーセットは、BOGコンプレッサー9及び入口熱交換器21を含む。
【0064】
図3に示すように、本実施例に係るデュアルフューエルによるメガコンテナ船ガスの供給システムは、気体透過マスト6をさらに含む。気体透過マスト6は、正常に稼働し又は事故が発生した時に、ガス抜きという動作に用いられており、圧力システムからの可燃性ガスの燃料を安全的に、操作者やディバイスに危険を与えることなく、大気に排出するための施設である。気体透過マスト6の位置を特定することは、主に役割が叶う風向、人員の生活領域、換気扇の出気口などの様々な要素を総合的に考えることが必要となる。気体透過マスト6は、一般的に、主に役割が叶う風向の下方において、人員の生活領域及び換気扇の出気口から遠く離れた箇所に設置される。
【0065】
実施例2
図5に示すように、本実施例に係るLNG燃料箱1は、船舶の中央部に設置されると共に上層建物24の下方に位置する。LNG燃料箱1は、船舶の中央部における規則的断面領域を利用しており、当該領域における燃料箱は、その形状が一層に整うため、積荷空間への影響が比較的小さい。しかしながら、それは、エンジンルームにおけるガス消費機器からの距離が比較的遠い。
【0066】
LNG燃料箱1、管路ステーション7、及び、ガス燃料処理室5におけるガス燃料処理システムは、それぞれ、LNG気体透過管路が設置される。LNG燃料箱1を船舶の中央部に設置する場合には、LNG燃料箱1、及び、デュアルフューエルによるメガコンテナ船ガスの供給システムの気体透過へのニーズを考えると、LNG気体透過管路の背圧を削減するように、LNG気体透過管を気体透過マスト6に連通するように接続する。気体透過マスト6は、フォアマストにおける補修チャネル及びプラットフォームを兼用するように、コンテナ船のフォアマスト構成を利用してもよい。ガス燃料処理システムは、LNG燃料箱1における燃料をガス燃料処理室5に輸送して処理する操作が主に含まれる。
【0067】
エンジンルーム15に含まれるガス燃料システム及びデュアルフューエルディバイス(デュアルフューエルエンジン2、デュアルフューエル発電設備3、デュアルフューエルボイラー4)にも、気体透過マスト6に連通するように接続されるLNG気体透過管路が設置される。
【0068】
ガス消費機器は、例えば、デュアルフューエルエンジン2、デュアルフューエル発電設備3、デュアルフューエルボイラー4は、船尾に位置するエンジンルーム15に設置される。ガス燃料処理ディバイスにより昇温させて気体にしたガス燃料は、船舶の中央部に位置する燃料処理室5を介して、エンジンルーム15に到達する。ガス燃料が流れる配管は、閉鎖の形式とされるガス燃料配管であり、かつ、換気の形式とされる二重管であるように設置されてもよい。ガス燃料処理ディバイスには、低圧気化器11、BOGコンプレッサーセット、高圧気化器10及び高圧ブースターポンプ8など、LNGを処理するディバイスが含まれる。
【0069】
以上に本発明に係る具体的な実施形態を説明したが、当業者にとって理解するべきところは、これらが例示的説明に過ぎず、本発明による保護の範囲が、添付されている請求の範囲に準ずる。当業者は、本発明の原理や実質から逸脱しない限り、これらの実施形態について、様々な変更や補正を実現でき、これらの変更や補正は、いずれも、本発明による保護の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0070】
1 LNG燃料箱
2 デュアルフューエルエンジン
3 デュアルフューエル発電設備
4 デュアルフューエルボイラー
5 ガス燃料処理室
6 気体透過マスト
7 管路ステーション
8 高圧ブースターポンプ
9 BOGコンプレッサー
10 高圧気化器
11 低圧気化器
12 エチレングリコール循環キャビネット
13 エチレングリコール循環ポンプ
14 LNG燃料箱ドーム
15 エンジンルーム
16 エンジンルーム棚及び煙突領域
17 甲板
18 LNG燃料箱継ぎ手箇所
19 ガス燃料処理室気密扉
20 液体燃料タンク
21 BOGコンプレッサー入口熱交換器
22 低圧燃料引き揚げポンプ
23 メガコンテナ船箱詰め領域
24 上層建物
図1
図2
図3
図4
図5