(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-20
(45)【発行日】2023-03-29
(54)【発明の名称】学習支援装置、学習支援方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
G09B 19/00 20060101AFI20230322BHJP
G06Q 50/20 20120101ALI20230322BHJP
【FI】
G09B19/00 H
G06Q50/20
(21)【出願番号】P 2022028243
(22)【出願日】2022-02-25
【審査請求日】2022-02-25
(73)【特許権者】
【識別番号】506142716
【氏名又は名称】株式会社Z会
(74)【代理人】
【識別番号】100121706
【氏名又は名称】中尾 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128705
【氏名又は名称】中村 幸雄
(74)【代理人】
【識別番号】100147773
【氏名又は名称】義村 宗洋
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 淳
(72)【発明者】
【氏名】上田 倫也
【審査官】安田 明央
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-117314(JP,A)
【文献】特開2013-50471(JP,A)
【文献】特開2004-93915(JP,A)
【文献】特開2004-85995(JP,A)
【文献】特開2017-173418(JP,A)
【文献】特開2017-207577(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 19/00
G06Q 50/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
問題を解くのに要した時間を複数の階級に区分して各階級を行または列とし、前記問題に対する解答の出来具合に関するスコアを複数の階級に区分して列または行としたテーブルにおいて、解法毎に前記テーブルの各セルに属するユーザの人数または割合を可視化した解法別ヒートマップを生成する解法別ヒートマップ生成部と、
前記解法別ヒートマップを表示する表示部を含む
学習支援装置。
【請求項2】
請求項1に記載の学習支援装置であって、
解法を区別せずに前記テーブルの各セルに属するユーザの人数または割合を可視化した全解法ヒートマップを生成する全解法ヒートマップ生成部を含み、
前記表示部は、
前記全解法ヒートマップを表示する
学習支援装置。
【請求項3】
請求項1に記載の学習支援装置であって、
前記表示部は、
指定されたユーザが用いた解法に対応する前記解法別ヒートマップ上に、指定されたユーザが属するセルを表示する
学習支援装置。
【請求項4】
請求項2に記載の学習支援装置であって、
前記表示部は、
前記全解法ヒートマップ上に、指定されたユーザが属するセルを表示する
学習支援装置。
【請求項5】
請求項1に記載の学習支援装置であって、
指定されたユーザが用いた解法に対応する前記解法別ヒートマップ上の、指定されたユーザが属するセルから所定の距離以内に存在するセルであって、指定されたユーザが属するセルと比較して前記スコアが減少せず前記時間が減少しているセル、または前記時間が増加せず前記スコアが増加しているセル、あるいは前記時間が減少し前記スコアが増加しているセルを目標セルとして設定する目標セル設定部を含み、
前記表示部は、
前記目標セルを表示する
学習支援装置。
【請求項6】
請求項2に記載の学習支援装置であって、
前記全解法ヒートマップ上の、指定されたユーザが属するセルから所定の距離以内に存在するセルであって、指定されたユーザが属するセルと比較して前記スコアが減少せず前記時間が減少しているセル、または前記時間が増加せず前記スコアが増加しているセル、あるいは前記時間が減少し前記スコアが増加しているセルを目標セルとして設定する目標セル設定部を含み、
前記表示部は、
前記目標セルを表示する
学習支援装置。
【請求項7】
請求項5または6に記載の学習支援装置であって、
指定されたユーザが属するセルに対応する時間、またはスコア、あるいは解法と前記目標セルに対応する時間、またはスコア、あるいは解法との一致点、相違点に基づいてアドバイスを生成するアドバイス生成部を含み、
前記表示部は、
前記アドバイスを表示する
学習支援装置。
【請求項8】
問題の各解法に対して各行または各列を割当て、前記問題に対する解答の出来具合に関するスコアを複数の階級に区分して列または行としたテーブルにおいて、各セルに属するユーザが前記問題を解くのに要した時間の平均を可視化した時間ヒートマップを生成する時間ヒートマップ生成部と、
前記時間ヒートマップを表示する表示部を含む
学習支援装置。
【請求項9】
問題を解くのに要した時間を複数の階級に区分して各階級を行または列とし、前記問題に対する解答の出来具合に関するスコアを複数の階級に区分して列または行としたテーブルにおいて、解法毎に前記テーブルの各セルに属するユーザの人数または割合を可視化した解法別ヒートマップを生成するステップと、
前記解法別ヒートマップを表示するステップを含む
学習支援方法。
【請求項10】
問題の各解法に対して各行または各列を割当て、前記問題に対する解答の出来具合に関するスコアを複数の階級に区分して列または行としたテーブルにおいて、各セルに属するユーザが前記問題を解くのに要した時間の平均を可視化した時間ヒートマップを生成するステップと、
前記時間ヒートマップを表示するステップを含む
学習支援方法。
【請求項11】
コンピュータを請求項1から8の何れかに記載の学習支援装置として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザの学習を支援する学習支援装置、学習支援方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の学習支援システムは、問題に対する模範解答の1又は複数のプロセスを示すプロセス情報を情報処理装置に送信する送信部と、問題に関する印刷物に解答を記入した学習者が情報処理装置に入力した第1結果情報であって、模範解答の各プロセスに対して解答が合っているか否かの自己採点の結果を示す第1結果情報を受信する受信部と、プロセスごとに第1結果情報を記憶する記憶部と、第1結果情報が不正解を示すプロセスがある場合、不正解のプロセスに関する模範解答へのアドバイスを示すアドバイス情報を情報処理装置に通知する通知部を備える。
【0003】
特許文献1の学習支援システムによれば、学習者に対して、正解を導くための観点を学ばせつつ、システム側で学習者の理解状況を把握することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来は学習者に対して行われるアドバイスは、正解を導くための観点からなされるものがほとんどであり、どの解法をとれば問題を解く時間を短縮できるか、またはどの解法をとれば部分点を含めた高得点を獲得しやすいかという観点からアドバイスを行うことは考えられてこなかった。
【0006】
そこで本発明では、どの解法をとれば問題を解く時間を短縮できるか、またはどの解法をとれば高得点を獲得しやすいかをユーザに把握させることができる学習支援装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の学習支援装置は、解法別ヒートマップ生成部と、表示部を含む。
【0008】
解法別ヒートマップ生成部は、問題を解くのに要した時間を複数の階級に区分して各階級を行または列とし、問題に対する解答の出来具合に関するスコアを複数の階級に区分して列または行としたテーブルにおいて、解法毎にテーブルの各セルに属するユーザの人数または割合を可視化した解法別ヒートマップを生成する。表示部は、解法別ヒートマップを表示する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の学習支援装置によれば、どの解法をとれば問題を解く時間を短縮できるか、またはどの解法をとれば高得点を獲得しやすいかをユーザに把握させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施例1の学習支援装置の機能構成を示すブロック図。
【
図2】実施例1の学習支援装置の動作を示すフローチャート。
【
図6】指定されたユーザが属するセル、目標セルを解法別ヒートマップ上に表示した例を示す図。
【
図7】指定されたユーザが属するセル、目標セルを全解法ヒートマップ上に表示した例を示す図。
【
図8】実施例2の学習支援装置の機能構成を示すブロック図。
【
図9】実施例2の学習支援装置の動作を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、同じ機能を有する構成部には同じ番号を付し、重複説明を省略する。
【実施例1】
【0012】
以下、
図1を参照して実施例1の学習支援装置の機能構成を説明する。同図に示すように本実施例の学習支援装置1は、ユーザ成績データベース10と、解法別ヒートマップ生成部11と、全解法ヒートマップ生成部12と、目標セル設定部13と、アドバイス生成部14と、表示部15を含む。以下、
図2を参照して、各構成要件の詳細および動作について説明する。
【0013】
<ユーザ成績データベース10>
ユーザ成績データベース10には、予め問題IDと、ユーザIDと、ユーザIDに対応するユーザが問題IDに対応する問題を解くのに要した時間と、ユーザIDに対応するユーザの、問題IDに対応する問題におけるスコアと、ユーザIDに対応するユーザが問題IDに対応する問題において選択した解法を示す解法IDとが対応付けられ、記憶されているものとする。データベースの例を以下の表に例示する。
【表1】
≪問題≫
対象となる問題の典型例として模試や定期試験の問題が想定される。しかし本発明はこれに限定されない。問題の条件として、後述するヒートマップを生成することができればよく、複数のユーザが共通して解答する問題であれば、どのような問題であってもよい。ユーザ成績データベース10には、模試や試験の問題、授業中に実施された問題演習における問題など異なる種別の問題が同時に記憶されていてもよい。
【0014】
≪時間≫
時間、すなわちユーザが問題を解くのに要した時間は、例えば電子答案、電子ノートなどを用いて模試、定期試験、授業を実施している場合には、比較的容易に取得できる。
【0015】
≪スコア≫
スコアは、問題に対する解答の出来具合を示すものである。スコアの典型例として得点率(該当の問題の満点を100%、0点を0%とした得点率)が考えられる。そのほかの例として、スコア=得点そのものであってもよいし、解答の出来具合を相対化するためにスコア=偏差値、パーセンタイル順位などでもよい。
【0016】
≪解法≫
問題を解くための手順、思考法であって、1つの問題につき少なくとも1つの解法が存在するものとする。問題によっては1つの問題につき、2つ以上の解法が存在する場合がある。解法の多寡は、科目によっても異なる。例えば数学には、複数の解法のうち何れを選択しても満点解答に到達できる問題が存在する。ユーザ成績データベース10に記憶される解法IDは、該当の問題に対して取りうる解法のそれぞれに対して予め割り当てられているものとする。
【0017】
<解法別ヒートマップ生成部11>
解法別ヒートマップ生成部11は、問題を解くのに要した時間を複数の階級に区分して各階級を行または列とし、問題に対するスコアを複数の階級に区分して列または行としたテーブルにおいて、解法毎にテーブルの各セルに属するユーザの人数または割合を可視化した解法別ヒートマップを生成する(S11)。
【0018】
図3に解法別ヒートマップの例を示す。
図3の例では、問題を解くのに要した時間を5分未満、5分以上10分未満、10分以上15分未満、15分以上20分未満、20分以上の5階級に区分して各階級を行とし、問題に対するスコアとして得点率を用い、得点率を0~20%、21~40%、41~60%、61~80%、81~100%の5階級に区分して各階級を列としたテーブル上に、各セルに属するユーザの割合(%)を解法毎にヒートマップとして表示している。階級区分の規則、行、列を司るパラメータ、各セルにヒートマップとして表示されるパラメータについては、
図3~
図7の例において変化しないものとする。
【0019】
図3はある問題において解法1を選択したユーザの集合において解法別ヒートマップを生成した例である。一方、
図4は、
図3における問題と同じ問題に対する異なるアプローチとして、解法2を選択したユーザの集合において解法別ヒートマップを生成した例である。
【0020】
図3と
図4を比較すると、解法1のスコアの平均は、解法2のそれよりも高く、解法1の時間の平均は、解法2のそれよりも短いことがわかる。
図3~
図7のヒートマップ表示例においては、何れかの解法を選択したユーザが右上隅に多く出現すればするほど該当の解法が優れており、左下隅に多く出現すればするほど該当の解法が劣っていることを示している。
【0021】
<全解法ヒートマップ生成部12>
全解法ヒートマップ生成部12は、解法を区別せずにテーブルの各セルに属するユーザの人数または割合を可視化した全解法ヒートマップを生成する(S12)。
【0022】
図5は、
図3と
図4のヒートマップと同じ問題において解法を区別せず、該当問題を解いた全ユーザの集合において全解法ヒートマップを生成した例である。
【0023】
<目標セル設定部13>
目標セル設定部13は、指定されたユーザが用いた解法に対応する解法別ヒートマップ上の、指定されたユーザが属するセルから所定の距離以内に存在するセルであって、指定されたユーザが属するセルと比較してスコアが減少せず時間が減少しているセル、または時間が増加せずスコアが増加しているセル、あるいは時間が減少しスコアが増加しているセルを目標セルとして設定する(S13)。
【0024】
図6は、目標セル設定部13が、指定されたユーザであるAさんが用いた解法1に対応する解法別ヒートマップ(
図3)上の、Aさんが属するセル(同図の★印)と所定の距離以内に存在するセルであって、Aさんが属するセルとスコアの階級が同じであって(81~100%)、Aさんが属するセルと比較して時間が減少しているセル(5分未満)を目標セル(同図の長方形の枠で囲んだセル)として設定した例を示している。
【0025】
なお、目標セル設定部13は全解法ヒートマップを用いて目標セルを設定してもよい。具体的には、目標セル設定部13は、全解法ヒートマップ上の、指定されたユーザが属するセルから所定の距離以内に存在するセルであって、指定されたユーザが属するセルと比較してスコアが減少せず時間が減少しているセル、または時間が増加せずスコアが増加しているセル、あるいは時間が減少しスコアが増加しているセルを目標セルとして設定してもよい。
【0026】
図7は、目標セル設定部13が全解法ヒートマップ上の、指定されたユーザであるAさんが属するセル(同図の★印)と所定の距離以内に存在するセルであって、Aさんが属するセルとスコアの階級が同じであって(81~100%)、Aさんが属するセルと比較して時間が減少しているセル(5分未満)を目標セル(同図の実線長方形の枠で囲んだセル)として設定した例を示している。
【0027】
また同図では、目標セル設定部13が全解法ヒートマップ上の、指定されたユーザであるBさんが属するセル(同図の☆印)と所定の距離以内に存在するセルであって、Bさんが属するセルよりもスコアの階級が1つ高く(61~80%)、Bさんが属するセルと比較して時間が2階級減少しているセル(5分以上10分未満)を目標セル(同図の破線長方形の枠で囲んだセル)として設定した例を示している。
【0028】
<アドバイス生成部14>
アドバイス生成部14は、指定されたユーザが属するセルに対応する時間、またはスコア、あるいは解法と目標セルに対応する時間、またはスコア、あるいは解法との一致点、相違点に基づいてアドバイスを生成する(S14)。
【0029】
例えば上述のAさんの例では、Aさんが属するセル(解法1、5分以上10分未満-81~100%)と目標セル(解法1、5分未満、81~100%)との一致点、相違点に基づいて、下記のようなアドバイスを生成することができる。
【0030】
「解法1に気づくことができています。約4分で解いた人の解答例を参考に、より短い時間で解答できるように練習しましょう。」
また、例えば上述のBさんの例では、Bさんが属するセル(解法2、15分以上20分未満-41~60%)と目標セル(解法1、5分以上10分未満、61~80%)との一致点、相違点に基づいて、下記のようなアドバイスを生成することができる。
【0031】
「解法1に気づけるよう、演習を重ねましょう。解説を読んで解法1のアプローチの仕方を確認しておきましょう。」
<表示部15>
表示部15は、解法別ヒートマップ、全解法ヒートマップ、指定されたユーザが属するセル、目標セル、アドバイスを表示する(S15)。
【0032】
ユーザは解法別ヒートマップを閲覧することにより、自身と同じ解法を選択したユーザの傾向、自身と異なる解法を選択したユーザの傾向を知ることができる。
【0033】
また、ユーザは全解法ヒートマップを閲覧することにより、該当問題を解いた全ユーザの傾向を知ることができる。
【0034】
また、ユーザは、自身が用いた解法に対応する解法別ヒートマップ上に表示された自身が属するセルを閲覧することにより、自身と同じ解法を選択したユーザの集団の中で自分がどこに位置しているかを知ることができる。
【0035】
また、ユーザは、全解法ヒートマップ上に表示された自身が属するセルを閲覧することにより、該当問題を解いた全ユーザの集団の中で自分がどこに位置しているかを知ることができる。
【0036】
また、ユーザは、目標セルを閲覧することで自身の次の目標を具体的に知ることができ、アドバイスを閲覧することにより、次の目標を実現するために必要な学習内容を具体的に知ることができる。
【実施例2】
【0037】
以下、実施例1とは異なる種別のヒートマップを表示することによりユーザの学習を支援する学習支援装置を開示する。
図8を参照して実施例2の学習支援装置の機能構成を説明する。同図に示すように本実施例の学習支援装置2は、ユーザ成績データベース10と、時間ヒートマップ生成部21と、目標セル設定部23と、アドバイス生成部14と、表示部25を含む。以下、
図9を参照して、各構成要件の詳細および動作について説明する。
【0038】
<ユーザ成績データベース10>
実施例1と同様に、ユーザ成績データベース10には、予め問題ID、ユーザID、時間、スコア、解法IDが対応付けられ、記憶されているものとする。
【0039】
<時間ヒートマップ生成部21>
時間ヒートマップ生成部21は、問題の各解法に対して各行または各列を割当て、問題に対するスコアを複数の階級に区分して列または行としたテーブルにおいて、各セルに属するユーザが問題を解くのに要した時間の平均を可視化した時間ヒートマップを生成する(S21)。
【0040】
図10の例では、時間ヒートマップ生成部21は、問題の各解法(解法1、解法2)に対して各行を割当て、問題に対するスコアを複数の階級に区分(
図3~
図7と同じ階級区分)して列としたテーブルにおいて、各セルに属するユーザが問題を解くのに要した時間の平均を可視化した時間ヒートマップを生成している。
【0041】
<目標セル設定部23>
目標セル設定部23は、指定されたユーザが属するセルと比較してスコアが減少せず時間が減少しているセル、または時間が増加せずスコアが増加しているセル、あるいは時間が減少しスコアが増加しているセルを目標セルとして設定する(S23)。
【0042】
例えば、同図に☆で示したセルは、前述のBさんが属するセルである。この場合、目標セル設定部23は、Bさんが属するセル(☆)と比較して、時間が減少しスコアが増加しているセル(同図の破線長方形の枠で囲んだセル)を目標セルとして設定することができる。
【0043】
<アドバイス生成部14>
アドバイス生成部14は、指定されたユーザが属するセルに対応する時間、またはスコア、あるいは解法と目標セルに対応する時間、またはスコア、あるいは解法との一致点、相違点に基づいてアドバイスを生成する(S14)。ステップS14は実施例1と同様である。
【0044】
<表示部25>
表示部25は、時間ヒートマップ、指定されたユーザが属するセル、目標セル、アドバイスを表示する(S25)。
【0045】
ユーザは時間ヒートマップを閲覧することにより、自身と同じ解法を選択したユーザの問題を解く時間の傾向、自身と異なる解法を選択したユーザの問題を解く時間の傾向を知り、該当の問題においてベターな解法がどれであったのかについて知見を得ることができる。
【0046】
<補記>
本発明の装置は、例えば単一のハードウェアエンティティとして、キーボードなどが接続可能な入力部、液晶ディスプレイなどが接続可能な出力部、ハードウェアエンティティの外部に通信可能な通信装置(例えば通信ケーブル)が接続可能な通信部、CPU(Central Processing Unit、キャッシュメモリやレジスタなどを備えていてもよい)、メモリであるRAMやROM、ハードディスクである外部記憶装置並びにこれらの入力部、出力部、通信部、CPU、RAM、ROM、外部記憶装置の間のデータのやり取りが可能なように接続するバスを有している。また必要に応じて、ハードウェアエンティティに、CD-ROMなどの記録媒体を読み書きできる装置(ドライブ)などを設けることとしてもよい。このようなハードウェア資源を備えた物理的実体としては、汎用コンピュータなどがある。
【0047】
ハードウェアエンティティの外部記憶装置には、上述の機能を実現するために必要となるプログラムおよびこのプログラムの処理において必要となるデータなどが記憶されている(外部記憶装置に限らず、例えばプログラムを読み出し専用記憶装置であるROMに記憶させておくこととしてもよい)。また、これらのプログラムの処理によって得られるデータなどは、RAMや外部記憶装置などに適宜に記憶される。
【0048】
ハードウェアエンティティでは、外部記憶装置(あるいはROMなど)に記憶された各プログラムとこの各プログラムの処理に必要なデータが必要に応じてメモリに読み込まれて、適宜にCPUで解釈実行・処理される。その結果、CPUが所定の機能(上記、…部、…手段などと表した各構成要件)を実現する。
【0049】
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。また、上記実施形態において説明した処理は、記載の順に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されるとしてもよい。
【0050】
既述のように、上記実施形態において説明したハードウェアエンティティ(本発明の装置)における処理機能をコンピュータによって実現する場合、ハードウェアエンティティが有すべき機能の処理内容はプログラムによって記述される。そして、このプログラムをコンピュータで実行することにより、上記ハードウェアエンティティにおける処理機能がコンピュータ上で実現される。
【0051】
上述の各種の処理は、
図11に示すコンピュータの記録部10020に、上記方法の各ステップを実行させるプログラムを読み込ませ、制御部10010、入力部10030、出力部10040などに動作させることで実施できる。
【0052】
この処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等どのようなものでもよい。具体的には、例えば、磁気記録装置として、ハードディスク装置、フレキシブルディスク、磁気テープ等を、光ディスクとして、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD-RAM(Random Access Memory)、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD-R(Recordable)/RW(ReWritable)等を、光磁気記録媒体として、MO(Magneto-Optical disc)等を、半導体メモリとしてEEP-ROM(Electrically Erasable and Programmable-Read Only Memory)等を用いることができる。
【0053】
また、このプログラムの流通は、例えば、そのプログラムを記録したDVD、CD-ROM等の可搬型記録媒体を販売、譲渡、貸与等することによって行う。さらに、このプログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することにより、このプログラムを流通させる構成としてもよい。
【0054】
このようなプログラムを実行するコンピュータは、例えば、まず、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、一旦、自己の記憶装置に格納する。そして、処理の実行時、このコンピュータは、自己の記録媒体に格納されたプログラムを読み取り、読み取ったプログラムに従った処理を実行する。また、このプログラムの別の実行形態として、コンピュータが可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することとしてもよく、さらに、このコンピュータにサーバコンピュータからプログラムが転送されるたびに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することとしてもよい。また、サーバコンピュータから、このコンピュータへのプログラムの転送は行わず、その実行指示と結果取得のみによって処理機能を実現する、いわゆるASP(Application Service Provider)型のサービスによって、上述の処理を実行する構成としてもよい。なお、本形態におけるプログラムには、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるもの(コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータ等)を含むものとする。
【0055】
また、この形態では、コンピュータ上で所定のプログラムを実行させることにより、ハードウェアエンティティを構成することとしたが、これらの処理内容の少なくとも一部をハードウェア的に実現することとしてもよい。
【要約】
【課題】どの解法をとれば問題を解く時間を短縮できるか、またはどの解法をとれば高得点を獲得しやすいかをユーザに把握させることができる学習支援装置を提供する。
【解決手段】問題を解くのに要した時間を複数の階級に区分して各階級を行または列とし、問題に対する解答の出来具合に関するスコアを複数の階級に区分して列または行としたテーブルにおいて、解法毎にテーブルの各セルに属するユーザの人数または割合を可視化した解法別ヒートマップを生成する解法別ヒートマップ生成部と、解法別ヒートマップを表示する表示部を含む。
【選択図】
図1